はてなキーワード: 飲酒運転とは
新聞に載るような不正なんて本当に氷山の一角で載らないような不正が山ほど出てくる
例えば飲酒運転で捕まった社員なんてザラで1年に2回捕まったとかもいる
普通は免職なんだけど不正が多いからなのか不正に対する罰則も甘い
顧客情報を山の中に投棄とかコロナワクチンの自分の接種券番号を不正入手とかヤバイ奴がマジで多い
新聞に載るほどガチでヤバイのもあるし載らないガチでヤバイのもある
西日本のことは大阪に任されてるんだけどこっちがいくら指導とか指示しても全然ガバナンスが効かない
この前、西日本の地方支店にいる同期に会って久々に話を聞いたんだが
とか言われて心底ビビった
まずは担当者が揉み消そうとして、それで無理なら課長単位で揉み消せないか画策する
それでも無理なら部長、支店長と上がっていくけれど基本的にはどうやって揉み消すかを考える
決算報告等でどうしても揉み消せないと判断した場合だけ、大阪や本社に報告が入るとのことだった
東日本の地方もそれなりに行ったことがあるが、少なくともそういう文化は無い
あっても課長単位で揉み消そうとして後でしこたま怒られた、とかいう話を聞くぐらいだ
彼曰く、そもそも普段からコンプラ違反が多すぎてどうしようもない、とのこと
消耗品費が余ったら平気で私物を買って持って帰るし、それを管理職も「ほどほどにしとけよ」ぐらいで認めてる
固定資産はバーコードシールで管理してるんだけど、どう見てもDELLのPCなのにMacbookのシールが貼られてたりする
それを聞いてから気付いたが、ボールペンやノート、セロハンテープみたいな消耗品の購入が多く
ペーパーレス化してこういうのは全部無くしましょう、という話を進めてたのだが
支店に行くと「この処理は例外」とかいうのが多くて全然ペーパーレスが進まなかったのだ
もしかして、と思わなくもない
不正が明るみになる度にチェックシートが足されていくのでボールペン一本買うのにも5枚ほどのチェックシートを提出しないといけないのだが
支店ではこのチェックシートのチェック済みテンプレが公式に展開されているので誰もチェックしてないとのこと
まぁこれは「チェックシート作ればヨシ!」をやってる統括側に大きな問題があると思うし
いつまで経っても共有フォルダにExcelファイルを置いて管理してて本社が用意したシステムには後で一括で登録する、という運用になっている大阪側が悪い面もある
「島内の高校の部活内で根性焼きとか流血沙汰とかのシゴキやイジメがあって被害届出されても警察は絶対に事件にしない。
って明言してて衝撃受けた記憶がある。
あと被害届を警察の威信を賭けてるかのようにとにかく突っぱねた桶川ストーカー殺人事件とか某野球強豪校の死亡事件とかも違和感しかない
これ、自動車乗りなら分かってると思うけどそもそも道交法がその程度の扱いだからだよ
自動車の進化に合わせて法改正すべきなのにいつまで経っても法改正しない
良い例が原付の法定速度が30km/hの件
自動車も見通しの良い直線で40km/hというところもあるし高速の最高速もようやく110km/hが一部で解禁された程度
自動車の性能・安全性だけでなく道路設計も高速対応しているのに法改正だけがずーっと放置されてる
セグウェイの時に散々言われたのに法改正せずにキックボードで同じことやってて
運用する側の警察も分かってるから10km/hオーバーは捕まえないし85%tailが10~15km/hオーバーであることを理解してる
そもそも覆面パトカーが違反者を捕まえるときに赤色灯表示無しで速度超過しているのはお咎め無しなのも謎
挙げ句の果てには勲章持ってたら人を轢き殺しても無罪だし違反もみ消しも日常茶飯事
飲酒運転で事故起こしても轢き逃げして酔いが醒めてから出頭したら減刑されるとかいう欠陥法律
駐車違反をマジメに出頭したら罪が重くなるし、不満を言うと「じゃぁ裁判で」って逃げる
一旦停止の標識が見えにくくなってるのに敢えて放置して違反取り締まるとか
ちゃんと一旦停止したのに難癖付けて取り締まってきてドラレコ提出したら「次からは気を付けなさい」とか言われるとか
とにかく警察の運用を含めて道交法がゴミってことを運転者も警察も分かってる
なので道交法はもはやゲームのルールみたいになってるし本気で交通事故減らすつもりあるのか?って気がする
去年免許取り消しになった67歳のジーサンが警官の前で交通違反して無免で捕まった事件
よく飲酒運転の検問とかしていますが、これだけ無免許運転(免許取り消し、免許停止中、免許自体の未取得も含めて)の事故などが起きているのに何故無免許運転の検問はしないのでしょうか?
よく検問やってる道を通るけど半々くらいで求められる。
不携帯だとメッってされる。
そろそろ無免許の人がどうやって車を手に入れたのか報道して欲しい、車を手に入れなければ乗れないはずなのに何故か車を手に入れてる、しかしその事について触れてる記事を見たことがない
そもそも免許なくても車買えるし、今回のケースでは免許取り消しになる前には車運転してたんだから
あるいは生体認証で、免許を持っている人の生体情報でしかエンジンをかけられなくて、そのあとはエンジンをかけた人以外が運転していたら警告が鳴り警察に連絡が行くようにする。
日本の話だよ……な?
ちなみに、これコメントの上位3つね
はてな定番の「クソ田舎から脱出して意識高い都会に来て楽しくやってます、田舎は滅びろ」な人たちも、
その「田舎」だと万引きだの飲酒運転だの盗撮だの普通にやってるのいたと思うんだよね
(実際そういうモラル全く無いクソ田舎だったって事を嬉々として書いてる人定期的に出るわけだし)
https://b.hatena.ne.jp/entry/s/twitter.com/TAMIKO_ICHINOSE/status/1570595064417746945
こういうのが周囲に一切ないし聞いたこともないという民度が高い世界で生きてる人もいるけど
そうじゃない世界で生きてる人も絶対いるだろうに、皆言わないのな
「万引きくらい誰でもやった事あるよね」「飲酒運転くらい誰でもやった事あるよね」と同じノリで
「痴漢や盗撮なんて男なら誰でもやった事あるよね」って思ってる人、絶対いると思うんだけど
Twitterで「沖縄県民」と検索をかけると罵詈雑言が見られる。
「地政学を学んだ方がいい」
と散々なことを言われていて沖縄出身の自分は正直、驚いている。
まず、沖縄県民は「自分たちは日本人」という意識が強かったりする。
「日本人で沖縄人」という認識だ。だから「中国の仲間になりたいのか」と言われると「なんで????」としか思えない。
観光目的でやってきて好き勝手する中国人を嫌う沖縄県民は多いし、軍事的な脅威は感じている。
次に米軍基地について。よく「地政学を学べ」みたいな話をする人がいるが、そういう人たちは沖縄戦を知っているのか不思議に思う。
高齢者は沖縄戦の直接的な被害者だし、それより少し下は戦後のアメリカ統治時代の被害者。
自分たち若者だって平穏とは呼べないものが近くにあって暮らしてる。
銃声は聞こえるし、大砲の振動で窓が震える。高速道路には「流れ弾注意」という看板がある。大学にヘリが落ちたこともある。
それと日米地位協定により、米兵の飲酒運転による事故や強姦が日本の法で裁けないことも知っているんだろうか。
当店はけっこう前から夜間の営業を辞めており、営業時間はAM 6:00〜PM 11:00となっている。あと1時間でセブンイレブンになれたけど、なれなかった。
では、いざ……。
当店は、夜〜早朝にかけての来客数がけっこう多い店だった。そこそこ車通りのある道路沿いにあり、高速インターも近い。長距離トラックや夜勤労働者、早朝出勤の労働者などが多く来店する店だったのだ。
そのため、夜勤は夕勤(17:00〜22:00)と兼業の夜勤、夜勤早番(20:00〜25:00)、夜勤遅番(21:00〜3:00)、フルの夜勤(20:00〜6:00 早朝の人手がなければ残業あり)といった感じで、メンバーそれぞれの都合により多様な働き方があった。そのため、夜勤のメンバー数が多く、しかも昼・夕・早朝のシフトの穴を埋められるだけのスキルを持っている人もいた。
夜間にシフトに入る人数も2〜3人ほどだった。
PM 11:00には店じまいをして、AM 0:00くらいまでには雑用と掃除などを終わらせて店に施錠・セキュリティをかけて帰らなければならない。翌朝店を開けるのは早朝勤の仕事となるはずだったが、早朝勤の人手不足が凄まじいので、現実にはほとんど毎日オーナーが朝5時に来て開店準備をやっている。現在のメンバーはフリーター1名、学生1名、Wワーク社会人1名、そしてオーナー。だが、フリーター1名以外はちゃんと戦力になっていないのが現状。PM 22:00〜は夜勤1人だけで全部の仕事をする。
何故かというと、オーナーが夕方〜朝までぶっ通しのシフトに入らずに済むようになったから。ただし、フリーターの夜勤の人が休みの夜は代替の人手がないので、オーナー自らが穴埋めをしなければならず、そんな日とその翌日のオーナーの機嫌はものすごく悪い。
夜遅くの仕事に女性を雇うのは防犯上のリスクになるってことで、当店ではずっと前から22:00以降には女性を雇っていなかったのだけど、そしたら夜勤は男だらけの夜勤は怠惰な野郎どもの溜まり場となってしまっていた。夜でもそれなり客が入るということで、バイトが3人も店に居るという時間があった。そこで、夜勤のバイトマン達は結束していかにサボり労力を減らして時給だけせしめるかという作戦を練り、実行していたというわけ。
彼らは夕方の廃棄時間の1時間前に廃棄予定商品を事務所に隠し、大量の廃棄を出して店を「夜は客の来ない店」にしようと画策した。夜の間にすべきたくさんの品出しを「昨夜は忙しかったので」と言って朝〜夕方のパート・アルバイト(ほぼ女性しかいない)に押し付けた。
また、夕勤限定のシフトに入って来た新人バイトにレジ打ち以外の仕事をさせずにスポイルして「夕勤が無能なせいで夜勤の仕事が出来なかった」と言い訳に使ったり、逆に面倒な仕事を夕勤に押し付けアゴで使うというような事をしていた。
当店の夜勤はとても忙しいという印象と、男だけで力仕事と危険な仕事をやってあげているという口実で(現実には昼勤のパートさんたちが重い商品の品出しを丸々かぶされていたのだが)、その他の時間帯の従業員からの苦情を封じていた。
現在は夜勤は原則20:00〜0:00のシフトなのだが、22:00までは夕勤と組んで仕事をしなければならない。夕勤は女性店員が多いのだが、女性は先輩後輩の上下関係で黙らせたり子分にしたりしづらいので(コンビニで働くような女は基本的に気が強いし。)、その分夜勤の主導で共謀して悪さをすることがしづらくなる。夜勤同士が会う機会もないので、悪事の手口を共有したり情報交換をすることも出来ない。
ちなみに、 店にとっては、以前は夜勤のせいで大量の廃棄を出されることによって、月に100万円ものマイナスが出ていたとか。それでも、夜勤は昔から人手不足気味だったので、どんなに悪い事をしても法に触れるレベルでない限りはクビにはならなかったのである。
そりゃもう夜勤が勝手に商品を廃棄しなくなったからである。とりあえず置いておけば売れるらしい。
といっても、当店は開店以来強盗に入られたことはないらしいのだが。夜間にも客がぼちぼち出入りしていたからだと思う。ただ、一般的には強盗に入られやすいのは草木も眠る丑三つ時とその前後なので、その時間帯に店が閉まっていれば、当然強盗にも入られない。なお、閉店後に窓を破ってATMを壊して金を奪うことは、店に店員が居る時に金を脅し取るよりもずっと難しい。
酔っ払いの出現ピークがPM 11:00〜AM 1:00くらいなので、その時間帯に店を開けていなければ、店員が酔っ払いに絡まれたり店内にゲロを吐かれたりすることは限りなく0に近くなる。完全にはなくならないが。
下に詳しく書くが、夜勤の人手不足が極まった結果、今まで適当だった従業員教育にオーナーが真面目に乗り出し、従業員一人ひとりを大事にするようになったのはほんといいことだと思う。特に夜勤の新人には期待を込めて大切にしているが、仕事ぶりを見張ってもいるので、働かない威張りん坊化が防がれている。
夜間営業がなくなった主な原因は人手不足なのだが、夜勤の労働時間が短くなったせいで稼げず、しかも短時間で沢山の仕事を片付けなければならなくなったせいで仕事が重労働化し、より一層夜勤希望者が来なくなった。
また、夜中に一旦店を閉めてしまうぶん、早朝〜午前中に勤務するオーナーやパート・アルバイトからのチェックが厳しくなり、掃除や作業をやり残してあるとそれがきっちり「夜勤の怠慢」と認識されるので、へたな仕事が出来なくなった。(まあこれは夜勤以外の従業員にとってはメリットだな)
そういう訳で、当店の夜勤は今や全然美味しい仕事ではないのである。過酷なので人が居つかない。
当店の夜勤はほとんどフリーター1名によって支えられている。彼は時間に融通が利くために、夜間の仕事時間が減ったぶん早い時間の方へとシフトを延長したので、生き残れたのだ。ちなみに彼は昔はすごくルーズな仕事ぶりだったのだが、昼に厳しい女性パートさん達と組まされたことによって真面目が感染り、だいぶマシになった。
そして、早朝勤の人手不足の深刻度は夜勤以上だ。朝の6時〜なんて時間帯に働きたがる奇特な人間はもとから少ないので、早朝勤はいつも人手不足なのだが、かつてはそれを夜勤が残業することによって補っていたのが、今は出来ない。そのうちオーナー、開店時間は朝9時にする! とか言い出すんじゃないかな。
夕勤も人手の薄くなりがちな時間帯で、過去には夜勤早番の人が夕勤の時間帯に入って仕事をしていた。夜勤が夜勤専門化したせいで夕勤もやや人手不足になったが、夕勤はそんなに大変じゃないから一度居着くと長く働くし、派遣で補う事も出来るので、早朝程は悲惨じゃない。
夜勤の人達から聞いたことによれば、当店は早朝の売上が良い店だったらしく、朝5時〜7時はかなり忙しかったそう。だが今や開店時間が朝6時なので、売上は減ったんじゃないかと思われる。ただ、忙しい時間帯に来る客の買うものはタバコ一箱とコーヒーくらいなもんなので、オーナーにしてみれば大した損でもないのかもしれない。夜間にバイトを3人雇う賃金と天秤にかけた結果、夜間営業を辞めた方が利益が上がると判断したのかもしれないし……。
当店は、長距離トラック運転手が次の仕事が入るまでの休憩所として使われてもいたのだが、今では午後11時の閉店と共に駐車場も閉めてしまう。でないと何か起きた時にオーナーが管理責任を問われることになるからである。そのせいで長距離ドライバーがあまり立ち寄らなくなった。短期的には長距離ドラーバー達にとっても不利益だったかもしれないけど、最近長距離ドライバーの労働環境を改善しようという機運が高まっているので、コンビニが夜閉まるというのは逆に長距離ドライバーの待遇改善につながるかもしれないよね、しらんけど。
夜間営業を取りやめた当初は、夜勤バイトが閉店作業の際に長距離ドラーバーとトラブルになることがよくあった。夜のコンビニで休んでいる長距離ドライバーの多くは酒を呑んじゃっているので、店を閉めるから退いてと今更言われても飲酒運転になっちゃうから移動出来ない! と言って喧嘩になるのだ。腕力に自身のある酔っぱらいとの喧嘩は怖いだろうね。今では長距離ドライバーたちの間で情報が共有でもされているのか、夜遅くに長距離ドライバーが来る事もなくなったけど。
以前、近くの病院に勤めているお医者さんから言われたんだけど、当店の周辺は病院や介護施設で夜勤をしている女性達が車やチャリでよく通る場所なんだそうで、コンビニが開いてるのと閉まっているのとでは、彼女達の身の安全と不安への影響が大きく違うんじゃないかと。コンビニもインフラの一つだと思って夜勤を再開してくれない? ってオーナーに言っといてと言われても、ねぇ……。
当店周辺はたしかに街灯が少ない。当店のサインポールや街灯の明かりに依存して、自治体が街灯の設置を怠けたのがいけないような気も。
コンビニではとにかく人手不足が深刻になっているんだけど、当店のように開業時間を減らしたせいで却って人が集まりにくくなった事例もあるけど、もちろんそれだけが原因じゃない。今月・来月辺りからは低賃金サラリーマンのダブルワークが税制上とてもしづらくなるので、更に酷いことになるだろう。当店の夜勤にも1人ダブルワークサラリーマンがいるけど、彼もそろそろ辞めるんじゃないかな。元々、週1日のたった四時間の夜勤じゃあ働いたって疲れるだけでメリットが少ないってぼやいていたし。
また、よくパートの○○○万円の壁というのが言われているけど、今は社保と税金それぞれに月88000円の壁というのがある。夫の収入だけじゃ足りないから働きに出たという妻が家計に損を出させないように働こうとすると、全力でフルタイム()のパートをするしかなくなる訳だけど、そうなると平日の朝から夕方までのシフトがパートで綺麗に埋まってしまう。コンビニのシフトの自由度が減って学生やフリーターや夢追い人が働きにくくなる。朝夕のご飯時みたいな、誰もが出来れば働きたくない時間帯にだけ働いてくれる人なんか滅多にいないというのに。
しかも、人手不足と物価の高騰によって雇う方は闇雲に時給を上げて来ている一方で月88000円の壁は動かされていないから、高時給のニッチな時間に働きに来る奇特な御仁は、余計に働きづらくなるよねー。あーあ。
前パート
https://anond.hatelabo.jp/20220830220250
わかった風に述べてきたが、俺自身はそこまでI店に貢献したわけでもない。最初の三ヶ月は時給800円以下の日払いアルバイトだった。社員の人や、キャストの女性が多くのお金をもらっているのを見て、自分もいつかはと考えていた。
キャッチ役になると、I店に連れてきた人数と支払額に応じてバックがもらえるが、代わりに固定給の時間換算が500円以下となる(実績主義)。閑古鳥が鳴くような平日火曜日とかだと、むしろ働くのが損みたいなことになる。
お客さんがゼロの日が三度あったのだが、さすがにキツかった。その日の給料は相当安いし、皆の目線もちょっと冷たい。でも、店長も、キャストの人も、ほかの人も、「ドンマイ!気にすんな」とか「お前は慎重だから」とか「あんたは人の表情を見る力はあるんど。今はそれでいいんじゃけ。焦るな」とかいろいろ言ってくれて、涙がじんわりと出てきたのを覚えている。
終りはあっけなかった。
働き始めて二年が経つ頃だったか。店長に呼ばれて、店内のソファに向かい合わせに座っていた。
それで、言われたのだ。より上のランクを目指してみないかと。要するところ、このグループの社員(と呼んでいいのであれば…)になって、さらに実績を出せば上のグループに入れてやれるというものだ。
入店してすぐに感づいていた。この人達が反社だということを。反社なんだけれども、本格的な人達ではなくて、中途半端な存在だった。店長だけは組に籍を置いていた。それで、俺に見込みがあるようなら入れてやろうという話を持ち掛けてきたのだと思う。
その場で断った。1年間ほぼ2年間、お世話になってきた店長だった。接客やキャッチの指導もしてくれたし、若い人間にとってよりよい生き方も教えてくれたし、居酒屋でも風俗店でもいつもおごってくれたし、従業員の前でキレたりすることもなかった(お客さんは脅したり殴ったりする)。いい人だった。
でも、こういうずる賢いところがあるのが俺だ。一本筋が通っていない。あれだけ世話になった店長に対して恩返しをしていない。誘いを断った理由はひとつで、もし自分が評価を受けて組に入ったが最後、まともな人生を送れないことが明らかだからだ。盆暗な自分でも、そのことだけは明白に、クリヤーに理解できた。
店長は、「いいよ。わかったまた考え直したら連絡がほしい」という感じでソファを立って、スタッフルームに入っていった。
二週間ほど後だった。休み明けに店に行くと、もぬけの殻になっていた。外観はちゃんとあるのだけど、店には鍵がかかっていた。ガラス越しに中を覗いてみると、主だった備品が無くなっている。
店長に電話してみようと思ったけど、やめておいた。多分しない方がいいと思ったから。それから一週間以内に、店長とほかのスタッフから電話があったけど、出ることはなかった。
……不義理なことをしたのだと思う。法や道理に反する行いはしていたけれども、俺達は仲間だった。(調子に乗ってると思われるのが嫌で)ここまで書かなかったが、当時の手取りは25万を超えていた。馬鹿な自分は、店長からの「税金は引いてあるからな。全部お前の金だ」という真っ赤な嘘を信じ込んでいた。
店長は俺を買ってくれていた。エピソードは言えないけど、とにかく評価してくれたのだ。そんな人を裏切ってしまった。俺がもっと任侠心のある人間だったら、きっと店長の誘いを受けて、その道に入っていたに違いない。仁義という意味では、それが正しい姿に違いない。
自分語りはここまでにして、ぼったくりに遭わないための方策を教えよう。
まずは、ぼったくり被害が生じる原因にして、ぼったくり店が存在し続ける最大の理由を述べよう。
どうして1時間飲み放題で3,500円などという話を信じるのか。この世界のどこかにぼったくり点店が存在することなど、社会人相当年齢の人なら皆知っているだろう。どうしてキャッチなんかにホイホイ付いていくのか。人が十分に賢くなれば、世の中に詐欺が溢れることはなくなる。悪徳業者は撲滅される。
個人的な話になるが、これまで俺が会ってきた優れた人間(特に経営者)は、利益を得るよりも不幸を避ける戦略を採用していた。ショボい利益額になっても、とにかく損失を避けるやり方を好んでいた。
繁華街を飲み歩く時は、酔って認識力が低下することまで含めて最悪への対応を考えておくべきだ。飲み歩きを是とする者にとっての正義のひとつだと思う。
【原則①】入るお店は1夜につき5店まで
(理由:酔いつぶれ防止のため)
(理由:〃)
(補足:もししたくなったら、密着警察24時で赤信号無視で免許取消になった自転車乗りのおじさんに思いを馳せる)
(理由:言うまでもない)
この原則を打ち立ててから早10年、失敗したことは一度としてない。たまに破って「失敗したかも」と感じたことは何度もある。人生の損失みたいなレベルの失敗はしていない。
もし、あなたが学生だったり、若手社会人だったり、地方から都会に出てきたばかり(※1)の場合、ぼったくり店に入ってしまう可能性がある。そうなった場合の対策も教えておこう。
まず、お店に入ったところから始めよう。身も蓋もないが、ぼったくり店かも?と思った時点で脱出することだ。あるいはメニュー表を見せてもらう。カウンターの上に等間隔でメニューが置いてあったり、店内に料金が掲示してあった場合は信じていい。
店員がカウンターの下から宵ショット出してきた場合はやや警戒(9/2追記 メニューをよいしょっと出してきたの意)。口頭のみだった場合は、さらに怪しいので帰った方がいい。席に座った時点で料金発生というのが業界標準だ。その前に帰ろう。先ほど述べたとおり、利益を得るよりも損失を減らす方針を採った方が人生におけるリターンが優れている。
さて、それなりに飲んで、サービスを受けて、さあ帰ろうとなったところで料金の請求を受けることになる。伝票に書いてある数十万以上の金額を見て、ぼったくり店だったと知ることになる。
ここからは、以下に従うことで脱出できる可能性が高くなる。手順以前に最も大事なのは、怯まずに粘ることだ。向こうは強気な態度に出るだろうが、法的な後ろめたさの現れだ。
ステップ①
これは正当な料金ではない、根拠を示せと言う。ぼったくり店は「これがうちの料金だから」とか、カウンターの下からメニューを出してきて「ここに書いてあるでしょ」とか、「キャッチの料金説明は間違い。あとでシメとくから」など、料金の正当性を主張する。
その場合でも、「これはぼったくりである。相場の料金しか払わない。解決しない場合は警察を呼ぶ」とはっきり主張する。相場の料金としては、普通の飲食店の料金想定額×2倍程度を言っておく。かなり運がいいと、割高の料金を支払うことで解放される。
なお、ぼったくり店が主張する請求額は絶対に払ってはならない(※2)。
ステップ②
彼らは、刑法上の詐欺罪となる『無銭飲食』を根拠として強い口調で攻めてくる。あなたを囲い込んだり、帰り道を塞ぐのは基本である。「払えないならおそろしい目に遭う」と口々に脅してくる。免許証のコピー取らせろとか、名刺を渡せとかも普通に言ってくる。従う必要はない。ステップ①のとおり金銭交渉を続ける。
もし話し合いがNGとなったら後は通報するだけだ。携帯電話を取り上げられるのでは、と思うかもしれないが、警察への通報を実力行使で止めた場合に公務執行妨害となることは向こうもわかっている。さりとて、無理やり監禁されてボコボコにされるのでは……と考える人もいるし、ぼったくり店もそのイメージを植え付けることを狙っている。
その場で携帯電話を取り出すか、○万円などの支払意思を示したうえで店を出て交番に向かう。相手も付いてくるだろうが心配しなくていい。
相手もプロだから逮捕リスクを考える。そこまでして金がほしいとは思わない。警察のお縄になったら、当然お店の営業はできないし、刑務所に入りたくないと考えるのはカタギと同じだ。
ただし、半グレ(特に若い衆)が経営している店は要注意。そんなことなどお構いなしに、暴力・監禁・脅迫などしてくる店がある。基本、そういう連中は未来のことは考えていない。良くも悪くも今を生きている。
ステップ③
ある日、福山市街のとある交番の前で、I店の近所のぼったくり店と引っかかったお客さんがモメていた。警察官数名が話を聞いている。
ぼったくり店はメニューに料金が書いてあるからと主張するが、お客さんは最初に聞いていた金額と話が違うと主張する。話は平行線でまとまりようがなかった。こうした場合、ぼったくり店もメンツがあるのでどこまでも食い下がる。最終的には、当初請求額の2分の1などで収まる場合が多い。
が、そのお客さんはできる部類の人間だった。狐並みの賢明さを有していたのは間違いない(そこまで飲んでなかったのかも)。
お客さんは「私は1万円を支払うと言っていますが、それだと無銭飲食ということですね」と店側に言った。店は当然、「○○万円払わないと警察に突き出す」と言う。
ここで、お客さんは警察に向かって、「私がここに1万円を置いて、福山駅の方に帰って行くとしましょう。彼らが実力行使に出た場合、傷害罪で刑事事件となりますか」と問うた。警察官は「そうなる可能性があります」と店のスタッフ側を睨んで言った。
「では、私が1万円を置いてそのまま去った場合、無銭飲食で私を逮捕しますか」とさらに問うと、なんと警察官は、「何もしません。帰ってもらっていいです」とはっきり言ったのだ。知性と粘りの勝利だった。
店側は「おかしいでしょ!法律に従ってくださいよ」と警察官に詰め寄るが、「民事不介入です(※3)」と突っぱねるばかりだった。お客さんは警察官に1万円を供託すると、そのままタクシーを捕まえて、駅の方まで帰っていった。
つまり、相手が主張する請求額を払ってはならない。その場から逃れて家に帰ることだ。それで九分九厘逃げられる。
ぼったくりは犯罪だ。お金を支払う道理はない。ぼったくる側もわかってやっている。
一応、これまでの判例を調べてみたが、警察も裁判所も、ぼったくり店の味方をすることは一切ない。問答無用でお客側の味方をする。
彼らの多くは、正義や真実に基づいて行動する。面倒くさいと思ってぼったくり店への苦情を放置する警官もいることはいる。かといって、ぼったくり店の味方をしてお客さんを逮捕した場合、おそらくは警察内部での白い目と恥の目線が待っているのではないか。
※1…
地方都市にぼったくり店は少ない。ぼったくり店は密集して初めて力を発揮する。その界隈に1店舗だけポツンとあってもすぐに悪い噂が広まるし、警察官も手柄欲しさに喜んで飛んでくる。ぼったくり店には都会性がある。かなり前に帰省した時、福山駅のI店跡周辺に行ってみたが、ぼったくり店と思しき店々は悉く消えていて、複雑な気分になった。悪が撲滅してよかったという想いと、地域の経済力が低下していることのもの悲しさを感じた。ついでに福山駅前がめっちゃ綺麗になっててビビったわ……。昔はヤンキー集団が屯していて、駅前には汚いものが色々と転がっていた(自主規制)。
※2…
民事不介入に関係するが、ぼったくり店にお金を渡していた場合は、あの警察官でもどうにもできなかった。なぜなら、サービス債務と金銭債務が共に履行されるという、まさに民法上の契約と支払が成っているからだ。真の意味での民事不介入となり、お店からお金を取り返すのは不可能に近くなる。
※3…
警察官はストリートレベルの行政職員の典型例だ。要するに、上司の許可がなくても裁量的に動くことができる。ほかにも、ケースワーカーなど現場に出る公務員はその仲間らしい。一般企業(働いたことないけどさ…)だと、上司の許可がないと○円払って下さいという納付書を切れないのだろう。しかし警察官は、自己の裁量で交通違反者に反則切符と罰金の納付書を発行する。上のぼったくりの例でも、警察官が「民事不介入です」と主張できたのは、社会的公正とか、後で上司に叱られる不安がゼロだったから自己判断でできたことだ(と推測する)。公務員には身分保障があるのも大きい。
【参考】
https://ik-law.jp/blog/bottakuri/
(2 警察に、お店との間に入ってもらうを参照)
それからお前はどうなったかって? サッと説明する。このへんはあまり言いたくないんだ。
コンビニのアルバイトで食いつなぐなど到底できるはずもなく、祖父を頼った。頭を下げて、実家に戻らせてほしいと頼んだ。そしたら「実家に戻ることは認めないが、最後の温情として職を案内してやる」と言われた。
祖父からは『面接でしゃべること』というメモをもらって、必死で覚えて採用試験に臨んだ。筆記試験は中学レベルの内容だったからどうにかなったが、面接がやはりしんどかった。じいちゃんからは、とにかく自信を!というアドバイスと、「儂の名前は絶対に言わないように」と釘を刺された。
それで、晴れて合格になって、市内の公園とか道路とか福祉施設とか、そういうところのベンチを直したり、壁をコンクリで補強したり、草木の剪定したり、道路に不法投棄されたごみを拾ったりとか、そういう仕事に就いた。
でも、俺はとんでもない馬鹿で、20代後半になる頃だったか。大声で絡んできた住民の人がいて、あまりにムカついて、ブチ殴って怪我をさせてしまった。
それで人事に呼ばれて、「謝罪の意思がないなら、もう雇い続けることはできない」と言われた。先輩や上司からは、「労働組合を通じてお願いできるよ、きちんと謝罪の意思を示せば人事もわかってくれる可能性はある。低いけれども」と言われたが、当時の俺は聞けなかった。自分がした行為は正しいと思い込んでいた。あのおっさんが醜い言葉で俺達をバカにしたのが悪いと主張して譲らなかった。
で結局、謝罪の意思を示すことなく、諭旨免職を受け入れて、ちょっとばかしの退職金をもらった。じいちゃんやほかの家族に挨拶をすることもなく、遠くにある自動車の期間工の仕事に申し込んで、1社目で運よく採用になって、それからずっと今まで続いている。
以上で、この日記は終わりだ。
辛い思い出もあったし、楽しいと思えることもあったけど、このまま惰性で生きていってもいいのかと思い始めたところで増田に投稿してみようと思った。読んでくれた人、ありがとうな。
【余談】
近年のぼったくり事案について思うところを述べたい。
近年の傾向としては、行政が消費者をより手厚く守るようになったことだ。昔だったら、「騙されたけど勉強になったやろ」的な観点で警察が対応することも多かったが、当時に比べると親身になっていると感じる。
そんなご時世、流行り出したのがプチぼったくりだ。いや、普通にぼったくりなのだが、キャバクラやバーと比べるとはるかに良心的(?)な価格に設定されている。レシートにも、それっぽい名目の料金が少しずつ加算されている。黒だとは言い切れないギリギリを攻める。
各都道府県のぼったくり防止条例は、居酒屋などの一般飲食店を対象としていないという事情がある。ぼったくり店側も、高額請求で逮捕されるよりはプチぼったくりで地道に稼いだ方が効率的ということだろう。
これについては、以下のはてなブログが詳しい。
バズってるけど評判の悪い店を紹介します
https://mazuimeshi1.hatenablog.com/
この至高の御方は、自分の足でぼったくり店を探して記事を書いている。残念ながら今は更新されていない。
この人の記事が好きだった。自分で身銭を切って、読者にぼったくり店の注意を促したり、ツイッターで気を付けるべきアルファツイッタラーを紹介したり、とにかく公益的な活動をされていた。
この当時、多くの人は森友学園とか、芸能人の賭博とかギャンブルとか、イケハヤとかはあちゅうがまた一般人から金を巻き上げてるとか、みんなで集団になって攻撃できる話題を探していた。
でも、この方は個人でぼったくりと孤独に戦い続けていた。そこまでバズるわけでもないのに、それでも粘り強く都内のぼったくり店を渡り歩いて、劣悪なサービスと屈辱を味わい続け、ブログにレシートをアップする。
そういうところに、同じ人間として憧れる。この人がYouTubeをやってたら、投げ銭をする確率は100%といっていい。またブログ再開しないかな。
2022.8/30 皆さまへ
前パートでは時間をぼったくってしまいました。申し訳ありません。
https://anond.hatelabo.jp/20220829202648
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気が付いたらめっちゃ書いてるな。気が晴れてきた。
それから、地元ではイマイチ目立たない感じの、偏差値40半ばの私立高校(今年甲子園に出場している)に入った俺は、ますます薄汚い根性を身に着けていった。アニメとかドラマとかで、三下がやるような行動があるだろう。まさに、それをやっていた。
例えば、土曜日なんかの地元のセブンイレブンで、可愛い子と大学生くらいの男が仲睦まじい様子で店から出てきたとするだろう。モテない俺達としては、大いにイラッとするわけだ。
人がいない辺りに出たのを確認して、3人で近づいて取り囲んだことが何度もある。
「こんにちはー」「かわいいっすね」「夕方までお話しませんかー?」「怖くないんで」みたいな具合で話しかけにいく。彼氏と思われる方は、ほとんど全員委縮する。当然だ、喧嘩なんてしたことはないんだろう。それで、女の子と会話を続けて、腕とか肩に触っていって、コンビニに停めてあるバイクの方まで連れて行く。男の方は、怖い顔の先輩がガードして止めておく。
半分以上はうまくいった。女の子が声をあげたら大人しく退散するし、近所の人が携帯電話を取り出していたらダッシュで逃げるし、男の方が暴力に訴えたら、3人がかりで服を掴むなどしてブンブン振り回して、道路に沿って流れている小川に叩き落して終わりだ。
ちなみに、女の子はバイクの後ろに載せて、付近の国道沿いエリアまで連れて行って、適当に飯食ってカラオケに行ってそれで終わりだった。犯罪的なことをしようとした連れもいたが、俺が怒鳴って止めていた。『警察に捕まるのだけは割りに合わない!退学になるだろ!危機管理が大事だって父も言ってたろ!』と、まさにゴブリンレベルのこざかしい思考を巡らせていた。
情けないほどの三下だった。これって、ある意味弱者男性じゃないか。精神的な意味での。自分がモテないからって、モテる奴を踏んづけて勝者になった気分になってたんだよな。普通に最低だと思う。ちゃんとした教育を受けてない人間って、リアルゴブリンなんだよな。
読者の方の溜飲を下げるために言わせてもらうと、その後ひどい目に遭うことになる。ああいう感じで無理やりに引っ張っていった子が、マジモンの反社(暴力団。名前は当然伏せる)と関係があった。ある日の夕方だった。俺達3人は、例のセブンイレブンにバイクで立ち寄ったところで、黒くてデカい車からいきなり出てきた連中、今でいう半グレだな。そいつら4人に取り囲まれて、本人確認されて、その後は最短コースでボッコボコにされた。
時間的には数分だったが、バイクはキズモノにされたし、俺は駐車場の車止めに向かって蹴りを食らわされて激突したし、その後も殴られて、額からも鼻からも血が出て、あいつらが帰ろうとした時には痛すぎて立つこともできなかった。
コンビニから一番偉いと思われる、まさにヤクザな風体の人が出てきた。今思えば、店舗責任者と話をつけていたのだろう。その人は「次やったら海に捨てんぞ」とだけ吐き捨てて、黒いデカい車の後部座席に乗った。
その日、思い知った。力というのはより強い力に潰される運命にあると。自分達は社会のゴミのひとつに過ぎないと直感した、そういう日だった。
厳密にいうと、「力というのはより強い力に潰される」のを本当の意味で知ったのは、それと同じ月のことだった。家に帰った俺を見ると、じいちゃんがとんでもない目つきでやってきて、肩をさすった。
「誰にやられたんな! 言え!!」と。親父も訝しい目線でこっちを睨んでいた。椅子から立ち上って、電話の方を見ていた。眉間にシワを寄せてた。
じいちゃんにも親父にもいろいろ聞かれたけど、要約すると「大丈夫だったか?」と、それだけになる。で、あっという間だった。一週間も経ってないんじゃないか。その半グレの連中+ヤクザな風体の人が逮捕されたのは。
じいちゃんと、後は親父も一緒に警察に行ってくれた。それで、やられた俺の仲間二人と、対応したコンビニ店員にも警察官が話を聞き取って、黒い車のナンバーもわかって、それでやつらは一斉逮捕となった――と、父親から聞いた。
肩書の力もあったように思う。祖父も父親も、自分の名刺を警察官に渡していた。じいちゃんは、当時天下りで地元のJAの役員になっていて、親父は食料品関係の会社の代表だった。その二人が、取調室の中で、説得力ある風に警察官に詰め寄って、いろいろ言っていたのを覚えている。
今では、「力というのはより強い力に潰される」→「権力はより強い権力に従う」という風に脳裏に刻んでいる。あの当時、もしかして俺ってすごくツイてたんじゃないか。マジでそう思う。
(追記)
今現在、じいちゃんは亡くなっているし、あの時すごい剣幕で警察官に寄っていった親父も、寄る年波には勝てててない。食料品会社を俺の弟に継いでもらってからは、生まれ育った実家でのんびりと過ごしている。介護が必要になっているため、毎日のように福祉事業所からやってくるヘルバーサーカーに囲まれて、ゆっくりとして落ち着いた感じの生活を送っている。
今は、広島とは遠く離れたところで自動車を作る仕事をしている。もちろん肉体労働の方だ。自分で言うのもなんだが、まあそれなりの評価だ。正社員登用にはほど遠いが。いざという時のために有給は取っておく方だ。いろいろ出かけたいところもある。
日々の暮らしはテキトーだ。毎日、半額になったスーパーの刺身や惣菜を買って、夜になったら勝てもしない仮想通貨の取引画面とにらめっこをして、ビットコイン掲示板を眺めては阿鼻叫喚の叫びを楽しく聞いて、残った少ないお金でスナックやバーへ行き、当然のように自転車で飲酒運転をして寮に帰る。たまにデリヘルを呼んだりする。クソみたいな生活だ。
※デリヘルって書いたけど、たまに投稿してる人で最後にデリヘルを呼ぶ人がいるけど、俺は一切関係ない。
どうしてこんなことになってしまったんだろう。俺の兄は地方公務員で、弟は東証一部上場企業に入社していて、親戚もそのほとんどが公務員か経営者だ。
どこで間違えたんだろうか。いや、たぶん生まれた時から間違えているのだ。俺という人間は。生まれた瞬間に詰んでいた。
いよいよ、ぼったくりバーの話をしよう。自称進学校とはいえ、皆が大学に行く中、高校をギリギリで卒業した俺は、進学も就職もすることなくフリーターとしての道を選んだ。理由は単純で、そっちの方が人生面白そうな気がしたからだ。ほかの人が歩んでない道を歩いていこうと当時は考えていた。愚かしさの極みだ。真の個性は見た目ではなく人間性に出るというのに。
人間の核は、なにがしかの努力によって磨かれて強くなっていくのだと――肩書とか見た目とか家柄とかで差別化できるものじゃないんだということを、当時の俺は知らなかった。
後悔は置いといて、フリーターになった俺は家族からの冷たい眼差しなど受け付けもせず、半年後にはアルバイトで貯めたお金と、祖父からの餞別10万円をババッと使って一人暮らしを始めた。
実家から遠く離れて、憧れの都会暮らしだ。といっても、福山市街からちょっと外れたところにあるこじんまりとしたアパートだったが。
当然お金はなくて、コンビニアルバイトだと稼ぐにも限界があって、高校時代が懐かしいなぁと思っていたら、繁華街で中学時代の先輩に出会った。当時からやんちゃをしていた先輩だったけど、この時にはもう、完全なる……そんな感じの見た目だった。
飲み屋で何杯かおごってもらった時に、「仕事紹介してくださいよ」と持ち掛けた。「オレは○○やぞ、お前わかっとんじゃろうな」と念を押されたが、金がほしくて仕方がなかった。金があればパチンコもスロットも打ち放題だし、飲み屋で好きなだけ注文することができる。行ったことはなかったが、いつか風俗にだって行きたかった。
絶対にすぐ辞めるなよ、という条件付きで紹介されたのは、とある料金が高めのバーだった。お店に面接に行ったところ、看板がなかったので驚いた。小さい黒板みたいなタイプの看板が店の前に置いてあった。
内装も、お世辞にも綺麗とは言えない。お客に見えそうな位置に雑巾とか置いてあって、素人にもわかる清潔感のなさだった。一応メニューらしきものはあったが、カウンターの一番端にさりげなく置いてあるくらいだった。
従業員の数は事務方まで含めて6人ほどか。自分を入れて7人。いるのかいないのか、よくわからない人もいた。バーに行った経験はないが、どんなところなのかはわかっていた。
面接で店長(代表者)に言われた言葉として、「あの人の紹介だから仮採用にはするけど~ここがどんな店なのか知ってるよね~まあ、ここは実力主義だから。頑張って稼ごうね」といったのが記憶に残っている。
そこまで長くは働かなかったので、思い入れがあるわけでもない。思えば、よく警察に捕まらないで済んだものだ。
当時すでに、県条例的に違法な店(以下I店と呼ぶ)ではあった。19才で若かったとはいえ、悪に手を染めていたのは間違いない。今はちょっとだけ後悔している。
で、まずは典型的なパターンを挙げて、お店の基本方針を説明する。しまいに、ぼったくりについての所感と、せめてもの罪滅ぼしとして、ぼったくりに遭った場合の対策などを述べる。
断っておくが、具体的な行為の場面は一切挙げない。時効だから大丈夫とかじゃなく、そのあたりの礼節は弁えているつもりだ。俺はあの業界にお世話になった。
この業界の基本は、酔っているお客さんを捕まえる(キャッチ)ことにある。一応はマニュアルがあって、人それぞれの口伝によるところが大きいけれども、それでもI店のみんなは言っていた。シラフではなく、酔っている客に声をかけるようにと。玄人連中は口を酸っぱくして説いてくれた。
個人的にもそのとおりだと思う。酔っぱらうなどして認識が弱っている人間じゃないとダメだ。まあ、そうではないシラフの状態でも、多くの人はどうみても○○○風の男連中に囲まれて脅されると、ぼったくりだとわかっていてもお金を払う。
※…I店でお客さんを「カモ」などと呼ぶ習慣はなかった。みんなプロ意識をもって仕事をしていた。
※…初めは店内の飲食スタッフを二ヶ月やった後、キャッチ役をするようになった。
が、それではいつかハズレに当たる。
お客さんの中には、策略の罠を知り尽くしたキツネのようであり、またオオカミを威嚇するライオンでもあるような人がいる。そういう人は、どれだけ強面に囲まれても、ちゃんと脱出して警察への相談までもっていってしまう。最悪、スタッフ全員の 乳首手首(ブコメ指摘感謝)に手錠がかかる未来だってある。
企業経営でいうところの『危機管理』だ。知性や勇気に溢れた人間でも、酔わせておけばどうにかなるかもしれない。ダメな時は失敗するけど、それでも傷を浅くできるかもしれない。当時の俺はツイていたと思う。飲食の仕事を通じて、危機管理と臨機応変さを肌で学ぶことができたからだ。
さて、路上で飲み歩き客を見つけて、かつ酔っているとしよう。その場合はI店に入ったが最後、多くの人が餌食となる。成功率は八割以上だ。入店までもっていくのが大変なのだが。
多くの人はキャッチを無視するし、会話になっても成り立たないことが多い。酔っ払いだけを狙ってるから仕方ないのだが。
入店後の大まかな手順としては、以下の感じか。
①.~来店時
女の子がふたり付く。それで最初に飲み物を聞いて出す。I店は内装がスナックに寄っていた。メニュー表を見せて、と言うお客はほぼいなかった。
当然だが、接客サービスはまともに行う(詐欺容疑を回避するため)。そこらのスナックにも負けてない。ペペロンチーノ風焼きそばだって、フライパンでサッと作ってみせる。まともでないのは料金だけだ。
②.~接客中
お客さんにはもっと酔ってもらう。焼酎やウイスキーだと、相場の濃さの2倍~3倍が基本だ。ビールにも隙を見て細工する。烏龍茶を頼まれても関係ない(ウーロンハイにする)。とにかく酔ってもらう。
店内には一般客はいない。サクラ客は常に1人以上用意していた。
③.~お会計
最短のセットで1時間だ。多くのお客さんは目が飛び上がるほどの金額に衝撃を受け、幾度も会計伝票を見直す。そこに、強面のスタッフ数名が「どうされました?」と囲むように接近していき、逃げられないようにする。加えて圧を掛ける。反論されても個別に返し方が用意してある。
なお、請求額を相場の何倍にするかだが、ここが店長の腕の見せどころだ。そう、ぼったくりバーの請求額はなんと、時と場合によって異なるのだ。具体的には、相手の懐具合を推察して決める。お客が会社員だった場合、居酒屋に相当する料金が4,000円だとしたら、30~40万円程度を上限にしていた。相手がフリーターでお金持ってない風だったら、4~10万円未満など相当おまけをする。
リスキーな請求額というのがある。相手の生活が成り立たなるほどの金額を請求するのは通報リスクを伴う……と店長が言っていた。その辺りを考慮して請求額を決める。
この時、お客さんが完全に酔い潰れていた場合は、どうにか起こして財布を出させる。目が覚めないようであれば、こちらで勝手に出す。クレジットカードが狙いだ。というか、どんな時でもクレジット払いがいい。ATMまで連れて行くと逃亡リスクや通報リスクが高まる。
なお、この時代(参考:東京卍リベンジャーズ)だとクレジットカードはサイン形式が一般的だった。当時、店長はサイン偽造職人と皆に言われていた。暗証番号はわからなくてもいいし、別に入れなくても決済できる。
④.~お客さんがゴネた場合
最後に。お客さんが支払いを断った場合も、店長や社員が臨機応変に対応する。脅したり脅したりして、透かすことはあまりしない(回転率のために短期決戦が基本)。相手の体力と精神力の低下を狙うのが基本だ。これも定まったマニュアルはない。あくまで経験に応じて、その場に適した対応を決める。まさに臨機応変だ。ルールに基づいたり、あえて外したり。腕の見せどころだ。
あえてそれっぽい言葉を使うとしたら……解決すべき問題とは、今目の前で起こっている問題であって、過去に脳裏に蓄えられたパターンそのものじゃない。頭の中に蓄えてある問題は、昨日までの問題であって今日の問題じゃない。だから、その都度適宜調整して、その時々の状況にあった最善の解を求める必要があるのだ(90%本の受け売り)。
実際には、お客さんが手ごわくて「これはいかん」となったら、通常のバーの料金に毛が生えた程度の額(×1.2~1.3)で妥協することもあった。この程度の金額だったら、支払わないと無銭飲食になるからな。これもまた適応のひとつだ。
コメントを読ませてもらった。
ブコメの人が言ってたけどそのとおりで、何度か死にたいと思うことがあった。
少し元気が出たよ。ありがとうな。