はてなキーワード: 秘密とは
今って二次創作とか同人とかめちゃめちゃ堂々とやってるじゃん。
昔は、女性向けだけじゃなく男性向けも、2chで発達したようなタイプの同人とかはパスつけたり伏せ字にしたりしてた。
外で語るのはご法度というアングラ意識があって、迂闊に話題に出したやつはめっちゃ叩かれてた。
でも今は、大体の同人作品が堂々とやってるしSNSで宣伝しまくってるし、二次創作がメインコンテンツと言えるpixivもニコニコも当然の顔して企業と提携してる。
じゃあ我々があんなに秘密主義でがんばって、外で話題にすることについて荒れるほど議論しまくってたのはなんのためだったんだ。それで潰した作者とかもいたのに。
そして今こういうことを言うと私の方が叩かれるくらいだ。
会社に長く勤めていたアルバイトのおばちゃんが、先日亡くなった。
交通事故だったそうで、信号無視した車にぶつかり、亡くなってしまったとのこと。
「3か5、どっちにします?」
同僚(お通夜に慣れてるらしい)に相談されたのがお香典の金額。
三千円か五千円。
一番最初に思い浮かんで、わたしが言ったのは、「5で良いんじゃないの?」
理由は本当に何となく。。あまりお通夜に参加したことがなかったため、相場はよくわからないけど、
それくらいなもんなのかなって思った。
でもなんだか迷ってる同僚。
え、え~~~そんな態度取られるとこっちが間違ってるみたいじゃないか~~~~~
そこへ、亡くなったアルバイトのおばちゃんと仲の良かった総務のおばちゃんが現れ、
と言われた。
総務に言われたので、同僚も納得。
じゃあ3にしようってなった。
その日の夜、実家の母にアルバイトのおばちゃんが亡くなったことを伝えたところ、
と聞かれた。
「い、一万円はちょっと…さんぜn」
会社も出すし、総務に言われた金額だし…とも言ったはずなのだが、
これ以上話を聞いてくれそうにないので、「はいはい」と言って香典の話はやめて、別の話に切り替えた。
翌日、三千円は失礼だと母に言われたことを同僚に話をしたが、
と言われ、とりあえず母には五千円出したことにしておいて、実際は予定通り三千円出した。
「あたしが10年前におかあさんのお通夜をやった時、三千円出した人は1人だった!」
「●●さんが7年前にお通夜した時、三千円出した人は3人いたってー!」
「▼▲さんが三千円出すなら来ないでほしいよねって言ってたよ!」
「あーはいはい」って返事をしたけど、きっと薄々気づいているかもな…。
(ママ~この秘密は墓場まで持ってくつもりなんだけど~ほんとは三千円なの~三千円で出しちゃったの~~)
(とても言えないけど~もやもやするから眠い目こすって~匿名で今これ入力してるの~~~)
(ホントはわたし~数年前に夜バイクで轢かれたんだけど騒がれるのも困るし翌日イベントでサークル参加だったからこれも秘密なの~~~~~)
(轢かれた翌日~お尻にトライフォース型の痣が出来てたの~~~)
まぁ…終わった後で意味もないのだけれど、帰ってからお香典の相場をググって、
今回は5で良かったんだよなぁと反省。
総務は3で良いって言ってたけど、相場的に良くなかったよ総務・・・。
事前にもっとググって「3じゃ少ないみたいですよ~?」とか言えばよかったかな。
同僚には黙って、5にしてもよかったかもしれない。
(母の言う通りにするのが嫌なので3を選んでしまったことも原因の一つ)
次回がないことを祈ってるけど、次回はちゃんと5以上用意しなきゃいけないな。
3は無し無し。無いわ~。
見聞きするだけじゃダメだわ~…。
今度聞かれたら堂々と「5」って言わなきゃダメだわ~…。
今日の問責決議案、趣旨説明に先立って、自民党が時間制限を動議、趣旨説明15分、討論10分とのこと。官邸も必死で恥も外聞もないというところですね。ちなみに、この討論の発言時間制限を、議長ではなく、議員の動議による採決を本会議で行うことを発明したのも安倍政権です。牛歩戦術は、基本的に何度も繰り返されることで、議長が時間制限を発議する、というやり方だったんですが、中谷元当時の防衛大臣の問責決議案で、本会議で事前に採決を行うようになりました。
さらにびっくりするニュースが流れましたが、参院与党で、中間報告で委員会をスキップして、本会議採決を民進党に打診したとのことです。中間報告とは国会法に定められた、委員長が法案の審議経過を中間報告して、委員会付託を終了し、本会議案件にするものです。質疑を打ち切られたと、言論封殺とか吼えてた維新は、ぜひぜひ、会期延長での十分な審議時間を確保しろとせっついてください。お願いします。ここまでなりふり構わないとすると、刑法も合わせてやって、延長なしにする気でしょうかね。中間報告をさせる、という判断を参院議長が飲んだなら、野党は参院議長の不信任決議案は出せるんじゃないかな。でもここまで必死だとすると、一部で話題になってた、金曜に禁足令出して、土日の本会議開催もやりかねないなと思ってしまいますね。ふつうにやっても成立できるのに、ここまで必死に議論をスキップする理由が、加計学園問題を突っ込まれたくないから国会を閉めたいっていうのが絶望的に悲しくなりますが。ダメージコントロールがダメすぎやしませんかね。この件の強行は加計に比べて取るに足らない問題だと思ってんですかね。とりあえず今日出すなら内閣不信任案を衆院で出さざるを得なくなるので、これが狙いだといえば狙いなんでしょうが。トップがバカだからウソが連鎖して、全組織がダメダメになっていくのなんなの、旧日本軍を見習ってんの?牟田口&河辺リスペクトなの?ほんとにこの内閣むごたらしい末路を迎えてほしい(願望)。
衆院の強行採決のような絵が出ないぶん中間報告のほうがましだと判断したのかもしれないですけど、これはっきりって、強行採決なんかよりよっぽど異例だからね。わかりにくいかもしれないけど、マスコミはこの手続きの異常さをちゃんと報道しろよ。多分共謀罪の成立に調査結果報告ぶつけてくると思うよ。この内閣はメディアインパクトだけ気にして行動してるから。
この話書こうと思ってたら、ジャーナリストの布施祐仁さんがツイートされていました。
国会には、ある文書をないと報告した上で、内部ではデータ削除を指示し、「文書を流出させたのらお前だろ」「これは官邸マターだかは協力しろ」と取り調べ・自白強要を行なった事例。
東京新聞:統幕長の日米会談記録漏えい 陸自3佐が国賠提訴:https://t.co/dlS5XHxz6d— 布施祐仁 (@yujinfuse) 2017年6月14日
この件ね。この話の概要をさかのぼると、平成27年5月の時点で、小池晃議員が、安保法制が通った場合の訓練内容や部隊編成を自衛隊が検討し、書類を作成したことを、共産党がリーク文書を基に批判した際に中谷元大臣や安倍総理がウソにウソを重ねた末、最終的には、文書の存在も認めて、事前検討は当然だ、といった前段があったわけですよ。中谷さんはこのような文書の作成を指示もしてないし、存在も知らないとかうそついてたし、安倍さんもスケジュールありきで法案成立を予定していることもないとかすっとぼけてたのも加計学園の問題と類似しているわけ。
仁比
「そこで、大臣に伺いたい。ここに言う武力の行使の範囲を検討するというのは、法案成立後に、大臣がこれまで述べてこられたように、省内において検討を深化させ、統幕が中心となって原案を策定して定めていくと、そういう意味ですか。」
中谷元君
「これは、法案が閣議決定をした翌日、私が防衛省の内幕の幹部に対して、これを分析をし、また研究をするようにと指示をしたことに基づくものでございます。御指摘の記述は、統合幕僚監部におきまして、防衛、警備等の計画や共同計画に関しまして、法案成立後に検討していくべき課題を整理をすべく分析、研究を行ったものであると承知をいたしております。この防衛、警備等に関する計画及び日米共同計画の内容、その詳細につきましては、緊急事態における我が国又は日米両国の対応に関わるものでありますので、事柄上、性質上お答えを差し控えさせていただきます。その上で、御指摘につきまして一般論として申し上げれば、我が国の平和と安全に係る法制が成立をした場合に、当該法制の内容について、必要に応じ防衛、警備等に関する計画や日米共同計画に反映をするよう図るということは、私は当然のことだと考えております
ここで、まず防衛省の計画作成が、大臣の指示だったといってるわけ。当初は大臣は知らぬ存ぜぬ、そんな文書は確認できない、だったところも一緒。認めたあとは、「大臣の指示で作ったんです」っていう話にしたてあげてるのも、山本幸三が何もかも自分で決めたって言ってるのと似てる。
(略)
仁比
「略)河野統合幕僚長は、昨年の十二月十七日、十八日に訪米をされました。米統合参謀本部議長や陸海空、海兵隊の幹部あるいは国防省幹部と会談をし、日米同盟の深化などについて意見交換をされたと思いますが、これ、どなたたちと会われたんでしょうか。」
中谷
「河野統幕長は、昨年十月に就任をいたしました。昨年十二月に訪米をいたしまして、米国防省及び米軍幹部と会談、この情勢等について対談をいたしました。会った人については、ワーク国防副長官、デンプシー統合参謀本部議長、オディエルノ陸軍参謀総長、グリナート海軍作戦部長、スペンサー空軍副参謀長、ダンフォード海兵隊司令官、スウィフト海軍作戦部統幕部長と会談を実施をいたしておりますが、このときにつきましては、ガイドラインの見直しの作業とかそのときの進捗状況など、様々なテーマについて意見交換を行いましたが、新ガイドラインや平和安全法制の内容を先取りするような会談を行ったという事実はなく、資料で公表する内容を限定したという御指摘は当たらないものでございます。
仁比
「今大臣がおっしゃった今後の進め方という日程表で、統幕文書で八月法案成立とされていることが、聞かれもしないのに大臣がおっしゃるほど国会無視だと大問題になってきたわけです。私の手元に、独自に入手をいたしましたこの統幕長訪米時の会談の結果概要を報告する防衛計画部の文書がございます。河野統幕長は、十二月十七日、オディエルノ米陸軍参謀総長との会談でこう言っています。オディエルノ参謀長から、現在、ガイドラインや安保法制について取り組んでいると思うが予定どおりに進んでいるか、何か問題はあるかと聞かれて、統幕長は、与党の勝利により来年夏までには終了するものと考えていると述べているんですね。これは何ですか。政府はあれこれ弁明してきたけれども、大臣が分析、研究などを指示したという閣議決定の翌日から遡って、実に昨年十二月、夏までにと述べているではありませんか。大臣はどんな報告を受けているんですか。
中谷
「その御指摘の資料につきましては、私、確認をできておりませんので、この時点での言及は控えさせていただきます」。
仁比
「そんな報告も受けずに、先ほど聞かれもしないのに、先取りしてやっているようなことはないなんて、そんな答弁したんですか。それ、虚偽でしょう。」
(略)
仁比
「十二月の総選挙の投票日の僅か二、三日後の訪米です。法案の具体的検討も、あるいは与党協議もなされていないはずのそんな時点に、来年夏までにと決まっていたんですか、それとも統幕長は勝手にそんな認識を米軍に示したんですか。どっちですか、大臣。」
中谷
「今御質問いただきましたけれども、御質問をいただいている資料がいかなるものかは承知をしておりません。その点も含めまして、コメントすることはできないということでございます。」
仁比
「大臣、確認しますけれども、この統幕長訪米時のおけるって間違っていますけれども、統幕長訪米時のおける会談の結果概要についてという件名の提出年月日二十六年十二月二十四日付けの報告書、これ、存在するでしょう。」
中谷
「突然の御質問でございまして、御指示、御提示いただいている資料がいかなるものか承知しておりません。防衛省で作成したものか否かも含めましてコメントをすることはできないということでございます。」
仁比
「この内容について私は数々の疑問がある。けれども、そんな御答弁では質問できないじゃないですか。委員長、これ、事実を確認させていただいて、この文書の存在について確認をしてもらいたいと思います。」
「今の、私への何ですか。何を確認するんですか。」
仁比
「改めて申し上げます。この私が今申し上げている統幕長の訪米に関する報告書、これの存在を確認をしていただきたい、今確認をしていただきたい。」
どうです、そっくりじゃありませんかね。
「社民党の福島みずほです。河野克俊統合幕僚長の米軍幹部への発言は、立法府の否定です。憲法と国民に対するクーデターです。大臣、罷免すべきではないですか。」
「この件につきましては、資料の確認がございまして、その存在の有無を調査いたしましたが、当該資料と同一のものの存在が確認できなかったということでございます。」
「ただし、夏までに法案を成立させるという部分は言っているんでしょう。
中谷
同じ題名のものは存在したが、一字一句同じものは存在しなかったと言っているわけです。7日に公式に委員長に報告されたことになっています。11日には安倍総理も文書は存在しなかったと予算委員会で答弁しています。そんでもって裏では犯人探しをしてるわけ。この件は国会答弁では防衛機密ではないとされているわけですが、なぜか中央警務隊が出張って、家宅捜索までやってる。
仁比議員の質疑の翌日から、当該文書は、省秘に指定され、個人PCに持っているものに対して削除するように指示が出されたようです。
朝日記事
文書は15年9月、共産党の参院議員が、河野克俊統合幕僚長が14年に訪米した際の米軍幹部との会談議事録だとして提示。新型輸送機オスプレイについて、河野氏が「不安全性をあおるのは一部の活動家だけだ」と語ったなどと記されていた。安倍晋三首相はその後「示された資料と同一のものの存在は確認できなかった」と答弁した。
訴状によると、防衛省は大貫さんが文書を流出させたとして、休息を取らせずに約3時間、ポリグラフ検査を行い、約5時間にわたって自白を強要したと原告側は主張。機密に関わる部署から、行事準備の資料作成などを行う部署に異動させられたとしている。
「隠蔽(いんぺい)を図ろうということだと思った」。大貫さんは会見で、存在する文書をあわてて抹消するような指示を受けた時のことを振り返った。原告弁護団の弁護士も「南スーダンPKOの日報問題と同じ構図だ」と、自衛隊の隠蔽体質を批判した。
河野統幕長と米軍首脳の会談文書が国会で暴露されたのは、安保法案の審議が大詰めを迎えていた時期だけに、野党や世論の大きな反発を呼んだ。
訴状によれば、それまで誰もが見られた文書は、河野統幕長が文書の存否を「調査中」と語ったその日に秘密指定になり、二日後には削除が命じられた。文書は存在しないことになったはずだったが、厳しい追及はそれから始まった。おまえが流出させた犯人なのは間違いない-。警務隊は身に覚えのない罪を突きつけてきた。
仕事の面でも、情報本部内でそれまで所属していた高度な情報を扱う部署から、行事資料を作成する閑職へ異動させられた。警務隊からは「共産党関係の資料を出せ」「これは官邸マターだから協力しろ」といった言葉も浴びせられたという。
捜査の結果は今も伝えられていない。「事実上、犯人扱いされて、島流し的な異動もさせられた。国会では『文書はない』としながら、『流出させたのはおまえだろ』と言われ、腹立たしい」と大貫さんは憤りを隠さない。
この件は国賠裁判ですから、賠償請求のほうは勝算が低いでしょうから、事実認定のほうが大事です。ポリグラフ検査やるんだったら、中谷元、安倍晋三がされるべきだとおもいますよ。
桜井充議員は、すでに退職された人が、公益通報者保護制度で、個人攻撃から守られないのはおかしい、法改正が必要だっていってましたけど、それも大事だと思うけど、政府があからさまなウソを国会でついてるときに、内部情報を漏らした公務員を保護する必要性についてもっと当然に議論されるべきだと思いますけども。私の見解では、政府のあからさまなウソを告発することはたとえ法令違反が無かったとしても、労働者権利保護の一般法理で守られるんだと思いたいですが、前近代っぷりを遺憾なく発揮してる現政権下では、そういう当たり前のことが期待できそうに無いのが怖いですよ。
時々やたらとセックスしたくなってしょうがないなどというと、いわゆる性依存症なのかなぁと思うけど、「あなたじゃだめなんだ」となると、ちょっと違うのかなぁ。
うちは結婚9年目だけど、割とお互い淡白だった。ここ1年半近くは何もしてない。不妊治療をあきらめてからは、ほとんどしなくなった。
もちろん子づくりを目的としないセックスもありだとは思うけど、お互い40代の半ばを超え、親の老いや病、自分たちの体力や気力の衰えに直面する中で、わざわざ消耗するだけの行為を定期的に続けることにどれぐらいの価値があるのか、正直よくわからない。妻も概ね同意している。ハグしたり、軽くキスしたりはしょっちゅうだが、そのまま電気を消して…とはならない。
ちなみに昨今熟年向けの雑誌によく載る「秘密のパートナーの見つけ方」とか「死ぬまでセックス」特集などは、申し訳ないが完全に理解の外だ。エネルギー(はっきり言えば性欲)の湧き上がり方が、常人のそれとは著しく異なるパワーにあふれているのだろう。私などは結婚した時「ああ、これでくだらない色恋沙汰で一生悩まないで済む」と心の底から安心したぐらいだ。結婚にもさんざん苦労したのに、何でわざわざまた別の女性と、あれこれ段取りを考えてお近づきにならなきゃいけないのだ。
本筋に戻れば、増田の奥様は、このままではとてもお気の毒だと思う。もちろん増田自身も。一度きちんと向き合ってじっくり話し合い、傷が深まらないうちに別れるか、期限を区切って様子を見るか、方針を決めたほうが良いと思う。
日曜日のことだ。
母はジムへ行くと言って出掛けていった。
私もその少し後に家を出て、
駅で友だちと合流してホームに入ったのだけれど、
反対側のホームの先に、母の姿を見掛けたのだ。
(というか、意味がない)
あれ?と声が出てしまったけれど、
何でもない、とごまかした。
私は洗面所で手を洗い、何気なく洗濯機の中をのぞき込んで、また、
あれ?と思った。
それがなかったのだ。
帰ってすぐに洗濯して干したのかな、と思ったのだけれど、
もしそうならば、洗濯はまだしも、まだ取り込めていてないはず。
でも、ホームで見掛けたのは確かに母だった。
何か秘密を持っているのだろうか。
だけど、うまく言えないけれど、
何か「におい」が違っていたのだ。
風に乗って服に付着する砂や、汗の「におい」。
そういう「におい」ではなく、
甘くて、でもどこか攻撃的な「におい」がしたのだ。
二人で示し合わせているのだろうか。
でも、それも何か違う。
たぶん、母は、父と私に、
父は、母と私に、
友だちには相談できないので、ここに書いておく。
毎日楽しく過ごしていたのだが、ただなんとなく自分のことを他人に語ることに抵抗があってイヤだった。
自分の行動や考えを知られるのが怖いという漠然とした恐怖が一番近いだろうか。
その言葉についての私の理解は、相手から情報を引き出して判断材料を増やすことで、相手より優位にコミュニケーションを進めるための「攻撃」だった。
親や級友やその他大勢から、相手の知らない自分の時間について質問されるたびに、既に相手が知っている当たり障りのない内容や虚実織り交ぜた返事をしつつ、
同じように「そっちはどう?」と聞き返して逆に有利を取りに行くという方法を自然と選択するようになり、私は息をするように嘘をついて、精神的な安定を得る子供になった。
ありもしない失敗談を語ったりもしていたので、自分を良く見せようという心理とも、また別なものだろうと思う。
「お、新しいTシャツ?」
「うん、赤いのと迷ったんだけどこっち買ったんだ」(別に迷ってない)
といった具合に、それらの嘘はそれが露呈したことも問題になったことも一度もないような、実にどうだっていいものばかりである。
それでも、自分がウソをついているということは、他人もそうに違いないと考えていたので、周囲の人の話は常に疑い続けていたし、
自分が聞かれてイヤだということは、他人も聞かれたくないに違いないのだと想像していたことで、歪みは確かに存在していた。
そんな私も、成長し恋人が出来た。
当然自分の知らない時間の相手の行動について、何を言われても半信半疑のため可能性は大きく広がったままであり、
浮気している可能性を疑わなかった瞬間はないし、人間関係というのはそういうものなのだろうと思っていたので、
それを疑問に思うことも、相手を信じられないことを辛いと思ったこともなかった。
また、相手を大切に思えば思うほど、相手はきっと聞かれたくないだろうと考えて、
相手が「昨日○○してきた」と言ったような時に、詳しい様子をたずねることをグッと我慢するようになった。
「お前は他人に興味がないのだろう。」と言われることがよくあるが、そういうわけではなく、興味はあっても聞くことを我慢しているだけなのだ。
そのフラストレーションは、よくこれまで盗聴器を他人に仕掛けるような行動に出ず踏みとどまっていられたものだと感じる程度には強い。
様子を聞かれることで、相手から興味を持たれていると実感する。という構造を理解できていなかったので、
「私に興味がないんでしょう!」と言われ、なぜそんなことを言われてしまうのか困惑したこともあるが、そもそも感覚が大きくズレていたのだった。
また、愛想を尽かしかけた相手が私への興味を失ってアレコレ聞かれなくなったことで、自分を想って聞かずにいてくれているのだと感じ、
私は逆に相手からの愛情を強く感じ、二人の関係が大変良好であると勘違いするという盛大なすれ違いも幾度かあった。
現在、私はカウンセラー相手に偶然「親や彼女からでも、今日何してた?って聞かれるのってすごくイヤですよね」という話をしたところから感覚の違いに気付くことができた。
関係性の遠い相手から聞かれると警戒するのは割と普通のことのようだが、親しい相手からでも警戒し反射的にウソを吐いてしまうというのがカウンセラーから見た特異な点のようだった。
その後、普通の人の思考パターンを知ったことで相手に合わせたコミュニケーションの取り方を選び、適度に「今日どうだった?」と聞くことができるようになった。
自分自身は今でも聞かれると素直に答えることに抵抗があるので、話の中にウソをバラ撒く癖はまだ治っていないが、それでもまあ、理解した上でなんとかうまくやっている。
もしかしたら、私が一番根本的にわかっていないのは、他人を信用するという感覚そのものなのかも。と最近思い始めた。
とりあえず私の場合は、普通の人の考え方の理屈を知っただけで対応できるようになったので、本当に些細なキッカケがあれば改善されることも多いのかもしれない。
しかし自分の中で疑う余地のないほど当たり前な感覚を、敢えて否定したり他人に説明する機会はなかなかないので、偶然カウンセラーが気付かなければ私の歪みはもっと長い間そのままだっただろう。
聞いた話では、こういった自己の情報を相手に渡すことにとにかく不安を覚える秘密主義的な性質を持った人間は、一定数いるのだそうだ。
もし私と同じような感覚を持っていて、そのことが一般的な感覚ではないとまだ認識していない人がいたら、いずれどこかで大きなコミュニケーションエラーを発生させる原因になってしまうと思うので、
注意してもやめる気はなさそうだし、なんなら初めに聞いた頃よりも不倫相手が増えているし、しかも不倫相手は私も知っている共通の友人というやつだし、今後を想像すると憂鬱だ。
友人の結婚相手の方も不倫しているらしく、どう見ても関係が破綻しているのでさっさと離婚すればいいと思うのだがそうもいかないようだ。
友人とはいえ赤の他人である私が憂鬱になっているのに本人たちは楽しそうにしているのが不思議だ。親しい友人関係内で不倫しているだけでありえないが、そこからの離婚・再婚などがもし成立したとしたら他の友人達も流石に引くと思う。多くの友人を失うリスクや世間体を考えれば、離婚せずに不倫しているだけの方が楽しいのかもしれないが、隠し方が下手なのでいつ私以外の人に知られてもおかしくないと思う。(一応、その交友関係の中では私しか不倫話を知らないことになっている)
不倫を聞かされて秘密にしていることも家庭不和に加担している気がして申し訳ない気持ちになるが、私がそのような責任を感じる謂れもないとも思って少し腹が立つ。なんなら共通の友人(不倫相手ではなく)に吹聴して回ったっていいと思うのだが、そこまで加害意欲もないので踏み切れない。
不倫話を聞かされる側の悩みというものを検索してみたのだが、不倫している側の「友人に話すと不倫を注意されるかもしれませんがそれは魅力的なあなたに嫉妬しているのです!」などというどうでもいいコラムばかり出てきてしまったのでここに書いてみた。
一般公開ってなんだろう
自分のサーバに誰も知らないURLでファイル置いておいたらそれはパスワードかけてるのと一緒じゃないの?と思った
映画や音楽とか外出先でみるために自分のサーバにおいておくときにパスワードかかってるとOKで掛かってないと違法アップロードになる気がする
パスワードは暗号化されてるイメージがあってURLはそのまま送られてる印象がある
だからURLは簡単にバレてパスワードといえないのかもしれない
でも単純な basic 認証だとパスワードとユーザ名は簡単に複合できる形式になってる
セキュリティ的に弱いといいつつも一つの認証として企業でもわりと使われてたりするからパスワードかけてました、で通るんだろう
例えば Skype で送ったURLはマイクロソフトからアクセスがあるという話が昔話題になってたとおもう
私も話題になった頃試してみて実際にアクセスがあったので嘘のニュースではない
こんな感じで URL は秘密のものって認識がないから普通に保存されてアクセスされたりする
でもこれはそういった情報収集されるツールを使うからであって、使わなければ自分しかわからないはず
URLをパスワードと考えるなら、自分からパスワードばらまいてるようなものになる
そういうことをしなかったら自分しか知らないURLは一般公開してないものって思えるけど、法律的なことで一般公開してるかどうかになったらどうなるんだろう
http://anond.hatelabo.jp/20170530031948
これ書いた奴です。色々と反応を頂きまして、ありがとうございます。
元々の話とは直接は関係ないけどそれなりに前から不満に思っていたあたりにちょっとかすった結果愚痴愚痴言った部分について思ったより反響がありました。そっちなんかい、と。
でも確かに読み返したらまあツッコミ受けるのも当然でした。大変失礼しました。
その上で、受けたツッコミそのものはだいたいあってるけどそれが全てだとは思わない、という話をします。
ちょっと内容が被ってるので個別に引用はしないのですが、ツッコミ受けた部分のメインは「腐が隠れてた主因は男じゃない」という話で、「内圧だろ?」「同じ女オタだろ?」ということを言われています。
まあその通りだと思います。
内部圧力は確かにひどいと思います。別に彼女たちに悪気があるとは思ってません。でも.htaccess使ってきっちり検索避けした上で、トップページだけはサイトの名前はCPで検索かけたときにはひっかかるようにしていて(ジャンル名やキャラだと到底ひっかからないかひっかかっても何万とあるサイトの中で何千位とか何万位なので実質誰も気付かない)もちろんトップページには二次創作で公式関係なくてホモの取り扱いだから苦手な人は気をつけてね、ってそこまでやっても、「トップが検索避けにひっかかる」からと無料レンタルのサイトだとかブログだとかでタグでおまじないだけしてるような人からアドバイスとして「検索避けした方がいいですよー☆」なんて言われたりするようなそういう世界でしたが、それを悪意だと思ったことはありません。心からの善意だと確信しています。無知って罪だなぁとは思いましたが。
そして出る杭は打たれるのもよくわかります。どれだけ多くのマナーサイトが当時存在していたか。よーく知ってます。マナーサイトという名の俺ルール掲示サイトでしたが。そんなものがあっちこっちのサイトにリンクされてるそういう世界です。マナー一読お願いしますとか平気で書かれてる世界です。毒吐きネットマナーが宗教のパンフ程度の信憑性しかないって自らのサイトに書いてるのにマナーサイトとしてリンクされていた世界です。
腐女子自身がBLという題材を取り扱う後ろめたさから隠れたがってたのも知ってます。私自身当時はこんな秘密親にだって言えないと本気で思ってました。今じゃ親の前でBL同人誌平気で読めます。私自身はクソですが産まれたのが今の親の元でよかったと心から思ってます。家が家なら家族会議モノです。趣味に理解ある両親は宝です。
まあそんな世界ですので、内部圧力も主因が内部にあることも正しいと思ってます。
じゃあ男オタからの圧力は一切なかったんでしょうか。男オタは腐のことはスルーしてた?一部頭のおかしいのはいたけどそれは無視できる量?
んなこたーない、と私は思ってます。少なくとも、私の観測範囲では男オタは「腐女子の内圧に便乗して腐女子を追いやろうとしていた勢力が腐女子問題を語る上で無視できない程度にはいた」(それが主原因だとは言ってない)という認識です。
すんごい分かりやすい話がこれ。
これを見て「この人の考え方は特殊なんです」とは思わない。全体の割合としての多い少ないはあれど、「無視できるほど少数の声」なんかじゃないと思ってる。
「オタクだらけのPixiv」にあって、「男にとっちゃBLはグロなんだから出て行けとまでは言わんが隔離しろよ」って平気で言ってしまう。
男は自分の好きな物にしか興味がない? そこらでエロ絵が出てきても何も問題にならない? 色々と煩いのは女だけ?
まあ、嘘だッ!! ってなりますよ。
絵がサムネで見えてるからアウト、っていう話はありますけどそれこそR18ならともかく年齢制限ないものってクッション必須ですかね? というかタグはついてるんですよね、これ。だって「腐タグだらけな問題」ですから。それこそ嫌なら弾けばいいのに。Pixivというオタクサイトなので公式と誤解がどーとかパンピーの目に触れるこーとかっていうのは根拠が薄いと思いますし、実際この時の論点はそこじゃないですし、当時は今ほどは規模が膨れ上がってませんでしたし。
そういう場所で別にエロってわけでもないけどBLだからグロ、隔離しよう、って普通に言う人がいる。
その根拠には「だって元々隠れてたじゃん」とかもある(つまり元々の内部圧力が彼らの行動を助長させた)とは思うけど、だから無罪! セーフ! とはならんでしょう。
それこそジャンプの腐が増えてからジャンプはつまらなくなった論とかあるじゃないですか。
実際そんなのはただの言いがかりだと思いますし、男オタクが全員そういうこと言い出すとかは繰り返しますが思ってません。ちょっと変なのもたまにはいるよね、ってだけです。
でも量が量なので「たまに」いるだけでも割と無視できない数になることがあります。
元々「俺の居場所」というのが幻想の場合もあるし「踏み荒らされた」のが幻想の場合もあるわけですが。
で、その外敵をどんな奴だと見たらなんか裏でこそこそやってた奴らじゃねーかと。
元々日陰者だったのになんで今更表に出てきて俺らの場所を踏み荒らしてるんだと。それは別に最初から「俺らの場所」じゃない場合もあったりするんですけど。
当然ながら実際に腐が迷惑かけたこともそれこそ沢山あるでしょう。一方的に男オタが悪いなんて言うつもりはないです。本当にないです。お互い様です。
文化の異なるコミュニティがあれば衝突はいくらでもおこるよねって話でもあるような気はします。
実際の意図がどうだったにせよ、尊重するといいつつ雑に扱われているように感じられてしまったので、ちょっと雑じゃないですか、その雑理論が通るなら一部の男オタの暴走を雑に男オタのせいって言えちゃいますよ、みたいなとても感情的な反発でした。
今回の論文事件の本質は「自分の作品の在り様をコントロールしたいVS法律上問題ないんだから面倒な手間は省いて楽に研究したい」だと思ってるので、それはそれとして明文化してたら楽だよね、っていう話をするのと腐女子コミュニティの特有の問題なんだからあなたたちこそ文化衝突回避のために頑張んなさいよ、って言われた(ように感じた)のだと話が違うというか。
腐女子が自分たちのコミュニティを守るために自主的に自分たちの性質を可視化できるように行動するのと、全然関係ないとまでは言わないけど根幹とはずれているものを一緒くたにされてだからお前ら頑張れ、って言われるのとじゃ違うというか。
あと今書いててふと思ったのですが今回のアレを「プライバシーの侵害」と思ってる人どのくらいいるんでしょうか。「一度公開したものである以上引用されても法的に問題がないのも理解しているし向こうが「悪い」とは思っていないが苦労して創り上げられた作品の扱われ方があまりにも雑だったのでふざけんじゃねぇと思っている」人割といませんかね。私はそう思ってますけど。
http://anond.hatelabo.jp/20170530073632
腐を極端に嫌う男オタク(当然ごく一部の過激派)の存在を知って「男オタこわちか」となってより自衛した時に「腐女子が勝手に怖がっただけ」とはならないと思うんですよね。
もちろんそれは主因ではないと思いますし、同属からの攻撃の恐怖の方が割合が高いと言われたらそりゃないんじゃないとは思いますが、無視できるほど軽いとも思わないです。
六月。陽が紫陽花色の残滓を残し沈んだ直後、入れ替わりに空へ現れた低く大きな月と、
明滅する黄ばんだ街灯に照らされる薄暗がりの中、セーラー服を着た少女が廃品工場の敷地に積みあがった錆びたガラクタの山を睨み付けていた。
帰宅途中、自転車で通りかかってその様子を見つけ、なんとなく立ち止まって彼女を眺めている私に気付いたのか、
彼女は一度、背後に停めてある彼女の銀の自転車越しに私の方を振り向いたが、すぐに興味を失ったように視線をガラクタの山へと戻した。
肩までかかるまっすぐな黒髪と、やや度の強い眼鏡をかけた彼女について、名前はわからなかったが、私は自分が彼女の同級生だという事をなぜか知っていた。
私は、人気のない工場の入り口で自転車に跨ったまま、声をかけるでもなく、しばらく彼女の背を眺めていた。
「ねえ。」
不意に彼女が口を開いた。
その言葉が私に向けられたものなのか確かめる間もなく、聞いていようがいまいが関係ない一方的な様子で、彼女は続けた。
「ユキのこと、覚えてる?」
ユキという名前には聞き覚えがあった。タニムラユキ。緩くパーマのかかった、明るい栗色の髪が印象的な少女。
タニムラさんは、私と彼女の前年度の同級生で、明るく活発で誰にでも分け隔てなく接するタイプの、少し勉強が苦手な子だった。
成績が良く控えめな性格の目の前で背を向けている彼女とは好対照な性格ながら、傍から見ても二人は特に仲の良い友人関係だったように見受けられた。
タニムラさんは、五ヶ月前、ちょうど冬休みが明ける頃に亡くなった。
朝、ご家族が起こしに行くと自室で首を吊って亡くなっていたそうだ。
遺書のなかった彼女の死は、二年生への進級を控え、進路や勉強についての悩みが原因の突発的な自殺として片づけられた。
私も通夜に参列し、学校では命の大切さを説く授業が行われ、現在も一部の生徒にはカウンセラーによる面談が継続的に実施されているはずだ。
もちろん覚えている、と私が口を開きかけた途端、彼女が先に口を開いた。
「ユキ、自殺する前日に『明日先輩に告白する』って言ってたんだ。」
「先輩?」
間抜けな私が、今夜初めて声を発して聞き返した。タニムラさんの死は、実は失恋によるものだったのか。
聞き返されたことが不快だとでも言いたげに少しの間を置いて、彼女は続けた。
「……シュート先輩。サッカー部の。このことは多分……ユキのご両親も知らないと思う。」
シュート先輩について、名前を聞いても顔が思い浮かぶほどの接点はなかったが、
私はその名前が、スポーツがとても得意で容姿の整った、女子生徒から人気のある一学年上の男子生徒だという断片的な情報は持ち合わせていた。
「ユキが死んだ少し後、私、シュート先輩のところに話を聞きに行ったの。
少しでも、亡くなる前のユキの様子を聞きたくて。
そしたら、部室の中から『マワしたのがバレるかと思って焦った』『まさか死ぬとは』って……。アイツら、笑ってた。」
ごくありふれた、思春期の精神的な揺らぎに勢いが付きすぎて死んでしまったのだとばかり思っていたタニムラさんが、
彼女の気持ちを踏みにじる、俄かには信じがたいような乱暴を受けたことを苦にして亡くなっていた、ということか。
「許せないって思った。絶対に、絶対にこいつらに復讐して、ユキの仇を取ってやるんだって……。」
絞り出すようにそう言うと、彼女は手に持っていた、どこかのご当地ものらしいキャラクターのマスコットを、潰れるほど強く握りしめた。
マスコットを歪め、ガラクタの山の頂上を睨み付けたまま、彼女はさらに語る。
「その後、シュート先輩やサッカー部の事を調べたら、結構いろんな噂があった。
だから、アイツらに近づいて、油断させて、証拠をタップリ掴んで、
卒業まであと少しの……そう、ユキの一周忌に秘密を全部バラ撒いて、あいつらの人生をグッチャグチャにしてやろうと思った。」
「……そのために私は、都合のいい女になろうと思った。
無条件に愛して、尽くして、学校でも街でも家でも、いつでも呼び出せて、身体を使わせる、そんな女……。
男って面白いのね、最初は皆に使わせていたのに、何度も繰り返して、それでも私が離れないとわかると、
段々情がわいてきたみたいに、逆に独占したがって、優しくするようになるの。」
シュート先輩のその行為はとても認められるものではなかったが、その心情がどこか理解できるような気もしてしまった後ろめたさを、私は沈黙で隠した。
「それで、これからは、部活を引退して、私が勉強をサポートして、いい大学に入学を決めて……その後、その後全部台無しにしてやるつもりだったのに……!」
彼女の語気が強くなり、嗚咽が混じり始める。不意に振りかぶるように上げられた右手に握られたマスコットが、更に変形した。
「なのに……なんであっさり死ぬのよ!なによ、遠征帰りのバスが事故って!!」
「なんで、遠征先で私に、プレゼントなんか買ってんのよ……!!!」
事故?サッカー部のバスが?そんな話を、私はまだ聞いていなかった。
しかし言われてみれば、昼間救急車が妙にたくさん走っていて、学校の教師陣の様子が慌ただしかったような気がする。
驚き、展開を吞み込めないでいる私を置き去りにするように、彼女は続けた。
「夕方、病院で先輩のお母さんに会って渡されたの、この人形。『あの子が、あなたに。いつもありがとう。』って。」
「何よそれ!!ざまあみろ!自業自得だ!死んで当然だ!因果応報だって!
私が!ユキのために!言って……!笑って……!こんなもの、投げ捨ててやらなきゃいけないのに!!」
腕を振り上げたまま髪を振り乱す彼女の声は、最早完全に泣き叫んでいた。
「どうして、捨てられないのよ……!こんな……ものが……!!」
泣きじゃくり、肩を震わせながら、力なく彼女の右手が降ろされていく。歪んだマスコットを握りしめたまま。
「どうして……」
うなだれ、小刻みに震える彼女の背と、同年代の人物から発せられたあまりに強烈な感情を前にして、
己の幼稚さが急に恥ずかしくなり、かける言葉も見つけられずただただ見つめるばかりの私を、
先ほどよりも濃さを増した夜と、少し高くなった月が見降ろしていた。
昨日風邪をひいて20時間ぐらい寝ていたら色々な夢を見たのだけれど、その中でも印象に残っているものを文章におこしてみた。
でも頭の中の映像ではもっと迫力あったんだよなー。うーん。やはり夢の話はしょうもないか。
あれは去年の冬、僕が22歳の時だった。大学が嫌になってしまって実家に帰省していた僕は地元でバイトをしたりしながら、フラフラしていた。課題もたまっていたしやるべきことが溜まっていたけれど、そう言うことから逃げるために実家に帰っていた。そして毎日毎日意味もなくバイトをする中でインターネットだけが僕の癒しで、特にSNSを楽しんでいた。
そんなある日、僕の元に知らないアカウントから連絡が来た。なんでも自分の高校の5つ下、17歳の後輩の女子らしかったけども、プロフィールに出身校など書いていない僕をどこで知ってなぜ連絡が来たのかはっきりわからなかった。けれども、とりあえず連絡を取り合って見た。
そして彼女から話を聞いていく中で、僕は驚きの事実を知った。高校の同期の非リア非モテ童貞だと思っていた友人が実はその5つ下の後輩と付き合っていた上にすでにセックスをしていたと言うことが明らかになったのだ。リア充非童貞だったわけだ。ただ彼は彼女に対し自分の高校時代について多くを語ろうとしなかった。だから親友である僕に彼の高校時代などについて一度話を聞いて見たいと連絡が来たのだ。
正直彼は容姿がいいわけではなく、オタクの権化みたいな見た目で、彼自身も非リア芸をSNSで展開していたし、それは疑うことのない事実だと思っていた。しかしそうではなかったんだ。正直裏切られたと同時に、やることやってんだな、とも思った。
高校の同期が女子高生と交際している上にセックスまでしている、それだけなら同期で集まった時にみんなで話して盛り上がるゴシップの一つに過ぎなかったのかもしれない。でも話を聞いていくと同期のクズっぷりが少しずつ明らかになった。
初のセックスに関しても彼の童貞卒業、そして彼女の初体験にもかかわらず全く愛がないセックスでげんなりしてそれ以来セックスはしていないと聞いたし、記念日にプレゼントもなければ普段の愛情表現もなくて、一方的に彼女が彼に奉仕している、そういう関係だった。髪型も彼氏の指定する髪型を強制させられていて、彼女はなぜ自分が彼氏のことを好きなのか理解できないとすら言っていた。それを聞いた僕は奴隷だな、と言うのが素直な感想で、僕は義憤に駆られたけれども、どうすればいいかわからなかった。そんな折、彼女から二人でカラオケにでも行って一度彼氏の愚痴を聞いて欲しいとの誘いが来た。
行くべきか悩んだ末、興味本位で僕は行くことにした。
カラオケボックスで彼女から話を聞くにつれ、彼女の健気さに僕は惹かれた。正直可愛かった。可愛いと言う感情は弱い生き物に対して抱く感情のそれであると以前聞いたことがあるんだが、まさにそれだ。それに僕と彼女は本当に馬が合った。本当に盛り上がって、かなり長時間カラオケボックスに居たものの全く飽きることなく、そしてカラオケにもかかわらず全く歌を歌うことなく終わった。
でもその中で、彼女と僕は盛り上がりすぎた。最初ソファの端と端に座っていた僕らは少しずつ距離が縮まっていって、いつしか隣同士になった。健気な彼女の努力と、彼氏の愚痴を聞いていく中で彼女の努力を褒めるために彼女の頭を撫でると、彼女は甘えた声を出し始めて、一気に触れ合う面積が増えた。少しずつ彼女の息も荒くなって、彼女は「キスしよ?」と禁断の提案をして来た。
その頃僕は東京に彼女が居た。でもその彼女とはただ単に互いに異性が欲しいから仕方なく繋がっていただけの、愛のない関係だった。実際実家に帰省していたからといって寂しいと言う感情もなく、こまめに連絡を取り合うこともなかった。そういうある意味冷めた距離感というのが居心地が良かったのでもあるが、まあとにかくそういう関係だった。
それでも僕は彼女持ちだ。僕は迷うべきだっただろう。しかし僕は全く迷わなかった。正直に言うが全く迷うことなく、僕は彼女と唇を重ねた。彼女は小刻みに震えながら、僕と濃密なキスをした。いろんな女性とキスをして来たが、今までで最高のキスだった。もう僕は止まることはできなかった。彼女の小さな体を抱きしめ、何度も何度もキスをした。
22歳にして、17歳の女子高生をカラオケボックスで抱きしめ、キスをした。彼女は親友の恋人でもある。でも僕はもう、彼女が好きになっていた。たった数時間会っただけにもかかわらず。禁断の関係だった。もはや漫画か小説かと言うレベルの話である。
そして彼女も、「もし先輩に先に出会っていたら、先輩を好きになってたと思う」と言って来た。もう僕たちは停車位置を大きくオーバーランして、暴走していた。
最後に彼女は「これは『共犯』だからね」と言って、互いに今日のカラオケボックスで何があったかは互いの恋人に対してだけでなく、多くの関係者や友人に対しても秘密にすることを約束した。
そして僕たちは『共犯』という名の元に、互いに恋人がいるにもかかわらず、いわば「セックス抜きのセフレ」として、今後もイチャイチャして行くことにした。僕たちは互いに本命の恋人がいるから本気にならないようにしながらも、イチャイチャしていこうという約束だった。でも僕はすでに本気だった。しかし同時に彼女は親友の彼女でもある。
この感情を相談するのに適切な人間はなかなかいない。高校同期の友人に相談しても手を出すことを制止されるに決まっている。そんなわかりきった綺麗事なんて僕は欲してないんだ。ただ、この複雑な状況において、この僕の走り出した熱情に対し、手を出しちゃいけないならなぜいけないのかを納得させてくれる、そう言う人間が必要だった。
だから僕は恋愛経験の豊富な年上の知人男性にどうすべきかを聞いた。その時その人は「その女子高生を落とすしかない」と言った。その知人は僕と東京の彼女の冷めた関係についても知っていたので、そこまで本気で好きになったのなら、いくところまでいくべきだと言った。そして両方を目指すのはダメだ、どっちかにしないといけないとも言われた。
僕はそれを聞いた数日後に、東京の彼女に対して別れ話を提示した。色々あったけれども、互いに冷めた関係でもあったので大きく揉めることもなく、すんなりと別れた。
また同じ時期に東京で飲み会に参加した時のこと。普段占いなんて気にしない僕だったけれども、飲みの席で占いを勉強していると言うとある女性に自分の運勢を占ってもらった。すると、恋愛運はあまり良くない。そして運命の人とはまだ出会っていないと出た。ちょっと参ったな、と思いつつもその時はあまり気にしなかった。
そして実家に戻った僕は、「高校同期と彼女の関係の健全化を図る」という名目のもと、彼女と会合を重ねた。その時の僕は同期との友情も維持しつつ、あわよくばJKと仲良くしたい、付き合いたい、そういう感情だった。ただ僕はまだ本気で彼女のことを狙っていることを明かしていないのでそこまでガツガツ行くこともなかった。
JKの彼氏(そして僕の高校同期)のことをここでKと呼ぶことにする。
バイトの合間を縫って彼女の家に行ったり、カフェで待ち合わせしたりして僕は彼女の愚痴を聞いたり、彼女がKにどういうことを求めているのかなどを聞いて、Kと彼女の関係を取り持とうとした。とにかく僕は目的だけは真面目だったので彼女の家に行く際もマナーや態度にも最大限を気を使っていて、彼女のご両親からも認められていた。今の彼氏(K)よりも僕の方がいいんじゃないか、みたいなジョークすら言われていた。
そんな後ろ盾を得た状況だったので今思えばKに対してなかなかひどいことも言って、申し訳ないことをしたとは思う。でもあの時僕は義憤に駆られていたし、間違ったことを言ったとは思っていない。ただもう少し表現の方法は色々あったかもしれないなと今反省している。
しかし僕はいずれ彼女のことを本気で好きであることを明かさねばならないとは思っていた。そして彼女もある程度察していたのか素直に自分の欲求を言ってみて、と聞いてきた。だから僕は素直に彼女のことが好きであると言うこと、そして東京の彼女と別れたことを説明した。彼女は特に驚くことはなく、「それなら奪い取るために頑張ってみて」と、対立構造を明確化させた。こうなった以上僕も男だ。やるしかない。
僕は彼女の家にしょっちゅう通った。行くのは彼女から来て欲しいと言う相談がある時だけで、僕から行きたいと言い出すことはない。もちろん目的は彼女と話をしてKのどういうところが問題なのかを聞き、そしてより良いKと彼女の関係の構築を目指してどこを着地点にするのかということを僕が第三者的視点から検討するという目的だった。
役人が出会い系バーに行って問題になったりもしているけれど、僕の場合は本当に調査目的だった。それは事実。
でもカラオケボックスで燃え上がった僕と彼女の関係は簡単に消え去るほど弱い火ではなかった。
彼女と会うたびに僕は彼女を抱いた。とにかく抱いた。それは彼女から求めて来た。僕が先に手を出すのは良心の呵責に堪えなかったからだ。でも僕が彼女に求めていたことでもある。互いに『共犯』という名目のもと、とにかくイチャイチャした。それに僕は少なくともKよりはセックスが上手いという自信があった。実際彼女は僕とイチャイチャしてる時、ものすごく感じていた。そしてある時には一緒にホテルに泊まってイチャイチャすらした。
体の相性って存在するんだな、と思った。多分体の相性が良かったんだと思う。とにかく楽しくて、正直離れられそうになかった。
肉体関係だけじゃなく、普通に喋っていても楽しかった。しょうもないことから大事なことまで、いろんなことを話している中で僕と彼女の考えは非常に近かったし、話していて本当に楽しかった。ここまで女性と話していて楽しかったことはない。彼女は聡明で年上の僕の話にもついてきて自分なりの考えを臆することなく話すので、話していて楽しかった。女の子と話しているのではなく、一人の大人と会話している感覚だった。正直尊敬の念すら抱いた。
イマドキのJKみたいなくだらないこと、当たり障りのないことをグダグダ喋るようなタイプではなかった。例えるならPulp Fictionのミアみたいな女性だった。気まずい沈黙は嫌うけれど、それを回避するためのつまらない話も好まない。そう言う、少しめんどくさいタイプではあったけれど、考えが近かったぶん色々話しやすかった。
やがて僕は彼女とKと僕の3人で集まって話す機会を何度かセッティングし、関係改善の突破口としようとした。表向き僕はレフェリーとしてその場に存在していた。その中でKは幾度となく彼女を泣かせた。僕の目の前で僕の好きになった女を泣かせるKという男が僕は憎かった。幾度となく傷つけ、そして傷つけたことへのリカバリーも十分ではなく、それがまた彼女を傷つけた。なんで、なぜ、そんなにも無神経になれるんだと。なぜわかってあげることができないんだと。本当に僕は怒りで体が震えた。
そんな状況だから僕と彼女は本当の意味で互いに好きになり始めていた。最初は僕が一方的に本気になっていただけなのに、彼女の方も本気になりかけていた。本当に幸せな時間だったし、僕は彼女のあらゆるものを欲した。
そうして僕たちは幸せにイチャイチャし続けていた。でもそれと同時に僕はKと彼女の関係改善のための努力も続けていて、Kは確実に良い方向へと変化し始めていた。僕は完全な悪にはなりきれなかったから、Kと僕との関係も守りたかったし、Kと彼女の関係も最初の対等じゃない関係を改めて改善するつもりだったし、僕と彼女の関係に関してもこのまま幸せになりたいと思っていた。
しかしその3つは最初からどうあがいても両立できないものだと今ならわかる。でもあの時の僕はとにかく今Kと彼女の関係がマイナスになっているのでそれを僕の努力で0にまで戻してやり、その間に僕が彼女との関係で大きくプラスを稼げば彼女は確実に僕を好きになるだろうと。そしてその結果僕とKとの関係が多少冷え込んだとしても僕の努力についてKは僕に感謝するだろうし、長い付き合いだから関係が切れることはないと考えていた。それにもしKとの関係が切れたとしても彼女を手に入れることができればそれでいいとすら思っていた。
そうして僕の計画が軌道に乗り始めたところで僕は年度末が迫って来て忙しくなり、東京に戻って大学や職場関連の手続きなどに追われ、彼女にあまり会えなくなった。それでも僕はずっと彼女のことは好きだったし、片時も忘れることはなかった。
そして僕がつらい時期を乗り越えることができたのも、彼女のおかげだと今も思う。彼女からもらった励ましの言葉や時には彼女に叱責されたことも思い出して、そうして僕はつらい時期を乗り越えた。ただ優しくするだけなら誰にでもできる。僕のためを思って叱ってすらくれる彼女を僕は本当に心の支えにして、必死に生きた。必死だった。
僕はその頃メンタル面に問題を抱えていて、父からもそのことについてよく怒られていた中で、彼女が本当に僕のメンタル面の改善において決め手となる後押しをしてくれた。これが僕の中では本当に嬉しくて、Kも変わっただろうけども僕も変わったぞと、はっきり胸を張って言えると思っていた。
そうしていつしか冬が終わり、春になった頃。Kと彼女の関係改善に関しては僕の努力によりある程度目処が立って、一時かなり冷え込んでいた二人の関係も多少回復していた。
それでも僕は絶対に彼女が選ぶのは僕に違いないと信じていた。そこに根拠はない。でも僕は絶対にKよりも僕の方が彼女を幸せにできると確信していた。それは内面もそうだし、就職も決まっていて収入もそこそこ確保されていて、より現実的な選択肢だと自分のことを思っていたからだ。
しばらく会えなかった中で彼女と3月末に久々に会うことになり、一緒に花見をしながら互いの話をする中で僕と彼女はやっぱり馬が合うなと確信したし、彼女も公園であるにもかかわらず僕にすり寄ってきて、僕のことを好きだと言った。僕はほぼ勝利を確信した。
そして新年度が始まり、ある程度忙しさの峠を越えて、先日僕が久々に彼女とまとまった時間話す機会を得た。と言うより彼女から話したいと言って来た。久しぶりだ。「今話しても大丈夫?」と聞いて来たので僕は少し嫌な予感がした。でも僕は大丈夫だと答えた。
↓続き
つくしあきひと氏の絵を初めて見たのは15、6年前のことである。
当時から彼は特異な才能を持ったイラストレーターの一人として知られていた。当時は彼を含む様々なイラストレーター達が、個性的なイラストをホームページ上にアップロードしており、言わばその時期というのはネット上で活躍するイラストレーターの方々にとっての『黎明期』であったのではないかと今にして思われる。
つまりは僕自身もそんな黎明期――『夜明け』の目撃者の一人であったということだ、何てことが言えるのかも知れない。
まあ、『ワシが育てた』とかそういうことを言いたいわけじゃないけれど。
とにかく当時は、センスに溢れるイラストレーターさん達が、その実力をアンダーグラウンドな世界において遺憾なく発揮していたということである。あるいは彼らは一種の探窟者であったと言うことができるかもしれない。今となっては(つくしあきひと氏を含む)その一部だけしか生き残っていないという辺りも、あるいは彼らと強靭な探窟者達との共通点と言えるのかも知れない。
さて。
というわけで第四巻を先程読み終わった。素晴らしい巻であった。
深淵を辿って降りていく人の中の、もっとも先を行くもの、白笛の『黎明郷』のエピソードが続いている。
度し難い、とは正にこのことだろう。黎明郷の生命力の秘密というのが何なのかについては敢えて口にしないが、その身体に相当な業(ごう)やらメカニズムやらが秘められているという事だけは間違いあるまい。
彼らのような人間は現実にはそう存在しない。まあ一部の創作家とか、何らかの事柄に関する探求者といった人々は、ひょっとしたら白笛達のような度し難い探求者としての一面を持っているのかもしれないが、幸いながら僕はそういう人物との関わりを現実世界で持ったことが無い。大抵そういう人々というのは生活をする中で周囲の人間の尊厳を食い潰していってしまうものらしく、彼らの英雄譚を他人事として安全距離で聞いている内はむしろ幸せであるものの、まあ隣り合わせで生活していくとなってはこれは到底耐え難い事柄と言えるのだろう。パトロンや近親者を精神の淵にまで追いやった何人かの著作家のことを、僕としては数人思い出してみる次第である。
ところで、彼ら『降りる者』の対比として容易に思いつく存在としては、『昇る者』――つまりは登山家の存在があると思う。作中において『黎明郷』の功績の一つに「新たなルート開拓」などが挙げられていたが、これは恐らく現実に存在する登山家の家業を匂わせるような表現だったのではないだろうか。
思うに、『探窟家』の存在が度し難いとするならば、『登山家』の存在もまた相当程度には度し難いと言えるのかも知れない。
例えば、世界中の八千メートル峰の全てを無酸素で登頂した伝説的な登山家「ラインホルト・メスナー」は、登山中に弟を亡くし、自分自身も数本の指を喪った。挙句、そんな地獄の登山行から帰還した後で、実弟の死を巡ってメディアパッシングを受けている。
付け加えて言えば、登山家という職業は命を喪うに易い職業でもある。
エベレスト登頂ルートの途上には、幾つもの凍死体が未だ腐ることも許されず凍じ籠められている。
先日、伝説的な登山家の一人である、スイス出身のウーリー・シュテックが文字通り伝説となってしまった。伝説。登山もまた、探窟と同じくして度し難い……まっこと度し難いスポーツの内の一つなのだ、実際のところ。
さて、この作品はたくさんのインスピレーションを読者に与えてくれる。
何らかの深淵を追い求める中で、人は人間としての尊厳をいかに保っていられるのか、あるいは、いかに失ってしまうのか。
そして、各々の探窟行の果てには何が待つのか。
『成れの果て』となってしまったたくさんの人々は、一体何を語るのか――
そういう意味でもこの作品は優れている。まるで膨大な歴史を辿り、旅をしているような感覚を味あわせてくれる――。弐瓶勉氏の『BLAME』を読んだ時の感覚と似たものがあるかもしれないが、あの作品とこの作品はまた別物である。こちらにはこちらのユニークさがあって、それが読者の好奇心を掴んで離さないのだ。
有害な文とされるものを日頃楽しんでいますし、自分で書いたりもしています。
立命館大学の論文の件について、Twitterなどで色んな方の意見を読みましたが、
どの方も「有害な文」として「勝手に引用」し「作者まで晒した」事に憤っているように感じました。
しかし、大学側の引用は学術的な目的のもので、著作権法上問題無いように思えました。
ネット上で公表している以上、こうした目的で引用されても文句を言う権利は無いはずなのに、無断引用などという謎の言葉まで出て来る始末です…。
確かに、今回の件は法律上問題なくても心情的に難しいものがあります。
晒されてしまった方も気の毒です。自分の作品を自分の思いとは別に使用されていたわけですから。
そしてこの騒動を目の当たりにして戦々恐々とされた方々も多かったはずです。
ですが、それでも私は論文を公開した大学側が悪いとは思いません。
作者が著作権法さえちゃんと理解していれば、誰でも閲覧できるネットに公表することで何が起こり得るのかを考えられたのではないかと、避けられたことではないのかと思うのです。
そしてもう一つ、大学側がこういった研究を進める背景を考えた時、そういった作品が簡易に検索できてしまう現状が問題だと感じました。
昨今の同人界隈は急激に便利になりました。好みの作品をすぐに検索できるし、分かりやすく表示してくれる。サイト時代に比べかなり検索が楽になったと感じます。
秘密の入り口を探してクリックしまくっていた頃に比べて、こんなに簡単にR-18作品が検索できるなんていいのかな、と思ったこともしばしばです。
昔は支部でも腐作品はランキングに載らないように気を使ったりもしていたのですが…。
SNSが爆速で広まって、色んな人に見てもらいたいという承認欲求が肥大して隠れることもしなくなってしまった。
Twitterなどでは鍵なしでのR18発言、イラストを垂れ流しにしている人もいますね。
よく同人界隈には「見たくないなら、見るな」が横行していますけど、
それを世間が実践しようとして「有害なものにフィルタリングを」という研究が出てきたのは自業自得ではないでしょうか。
論文の内容にまで口を出したりあれこれと文句を言う前にもうちょっと「何故今回の研究があるのか」をよく考えた方が良いと思います。
R-18タグつけたからオッケー、プロフィールに注意書きしたからオッケー、あとは運営サイトがなんとかしてくれる…訳ないです。
を長文で読みたいなぁ不幸な荒れた話が読みたいなぁと思った深夜の気持ちのままあんまそゆのを探し出せなかったので変なのりのまま自分のことを代わりに書いてみよう。よかったら皆も不幸自慢していこうね。楽しいから。純粋に。
高校生をやってた頃カミングアウトを始めてしたことがあって、よくある突発的なアレだったのでかなりヤサグレた気分に陥った当時。
友人は不味いことを聞き出してしまったと思ったようだし、そう思わせるような割と酷い感じの言いっぱなしを行使してみせた。
その次の日、何も言わずに友人は私に皆と遊ぼう!と誘い、中学の頃の仲間とただ本当に遊んだ。
そんだけだったんだけど、なんか一度口にしてしまうと堰が外れたのか、深夜友人に固定電話から泣きながら「どうしてどうして!」とアホなことを口走る電話をかけてしまった。恋愛的な感じの話で、ものすごいベタなどうしてを繰り返してしまい、友人はしようもなさそうに振り向いてもらえないのは仕方ないじゃんとなぐさめる。思い出すと超恥ずかしい。のに書いてるバカ。でも始めての匿名ブログだよ!
いやまあ別に本当は恋愛なんて今でもよく分からないし、当時もそんなことが言いたかったわけではない気がする。ただ、なんかずっと明かさないモード!超硬い壁で覆われた強い俺!って感じだったのに口に出してしまうと何かもろいものだったように崩れてしまった。
秘密は大事だと思う。自分にしか言えない秘密。それをずっと抱えて死ぬことも別にイヤではなかったんだけど、でもだからこそ言ってしまった自分に嫌悪感がある。言ってしまった自分はかつての自分とはもう違う。終わった気がした。
それからというもの、破壊的に口が軽くなった。割と身近な人ならバレてもいいや、言ってしまえ、な感じな傾向が。。。
そんなことをしていたものだから、ちょっと会いづらい友人にメールでさらっとこぼした。ら、友人は食いついた。質問攻めってやつだ。
男がすきなの?
異性愛者の女の人も多少分かるんじゃないかな。男が好きって、響きがやばくない??どんだけ好きモノだよっていう。超恥ずかしかった。
そして遊ぶ約束をそのまま取り付けて後日彼女の家へ会いに行った。ら、共通の友人が先についてて、「お前、、、そうだったの?」といきなり聞かれた。
え、
え、
何?
言っちゃったの?早速なの?
ついでに言うと、その場にはまったく知らない殿方もいた。聞くと、友人とは昨晩(だか何だか最近の間に)出会って仲良くなったらしい。友人にとってもほぼ見知らぬ他人。私には赤の他人。
へぇ、君、そうなんだ?
という話になるよね。
まあ友人とは相変わらずのいじられ遊びをした。メイクしたり、コスプレしたり、赤の他人の殿方は自分の足毛を剃って女の足を模した地鶏撮って遊んでた。あとでオナるんだって。がんば。
なんかそゆノリ。
あの殿方、俺の容姿について、まあ目は・・・まあ、みたいなお茶を濁す感じで評してたのを覚えてる。くそが。可愛いと言え。
なんかモヤモヤして、初めてカムアウトした友人(何か、いやらしい)にもそのことを相談したり。
友人は憤っていた。
友人は私の姉みたいな立ち居地なところがある。今でもそう。頼りないからな、俺。
そんなこんなあるが、別にこれらの人々誰も嫌いじゃない。むしろまた会って「ごめんね、ご無沙汰しちゃって気まずくしたよね」って謝りたい。なんか、タイミング悪くて着信あったのに折り返さなかったから、それ以来何も連絡取れてないのが後悔。いい人だったのに。今頃どうしてるのか。
まあ今思えばあれらはアウティングだった。
他にも同じ中学出身で男友達の連中もいたんだけど、この友人たちにもバレバレの付き合い方をした。
したら、したらね花が咲いたよ、じゃなく、まあ普通に猥談もあるので俺のセクも絡んでくる。なんか中学の頃にできた友人はイジリコミュニケーションが主な交友方法だった気がする。お互いにイジレる要素があればイジる。みたいな。
いい加減嫌がってる人もいたので、何か健全じゃない歯車だったんだと思う。自分でも変にビッチっぽく振舞ってしまったり;晩生なのに。
というか、俺ひとにいじられるの嫌いなんだよね。どっちか言うといじりたいほうなのに。ツーンってしたいのに。
なんか疲れてしまって、今となっては付き合いはない。なんか繊細なものを共有できないと思ったし(出来るかもしれないと思った瞬間はあったのに)、こんなことを言われなきゃいけない関係は友達じゃないよなって思ったので。
それでも、例の初の友人に、彼らとの交友関係について「受け入れてもらってよかったじゃない」と言われたのが引っかかった。引っかかったことについては数年後本人に打ち明けて何かしら変化が生まれたと思う。私は他人に対しては卑屈になりたくないのだ。自分に対してならいいけど。
受け入れてもらって嬉しいワンとか、プレイじゃないんだから。俺はマゾというか、そういうヘキがあるので、余計にそゆ劣等感を持ち込みたくない。
カミングアウトして様変わりした。
今もそれはそう。
というか趣味とか隠さないからセクはカムアウトしてなくても間接的にセクがバレる。
大体の人がお察しの環境にいる。
それが苦痛。
平気でやつらは聞いてくる。
彼氏いるの?
とか、
どっちが好きなの?
とか。
気持ち悪い。私は何より男が好きな自分が気持ち悪いのだ。その気持ちがお前らに分かってたまるか。卑屈に見えて同情するやつは勝手にしてろ。
もう二度と会いたくない人がどんどん増えていく。
基本的にひとりでいいし。今でも付き合いのある友人はいる。そういえば、性的なことに対してどこか距離感がある人たちだ。
男女問わずそゆ人の方が長い付き合いが出来るのかもしれない。
自己嫌悪を刺激しないでくれるとありがたい。
何の悪気もなく無邪気にというよりは、邪気を素朴に発揮される形で共通の友人+赤の他人に自分の自己嫌悪部分をさらけ出して接しないといけない空間というのは苦痛だ。楽しんでても苦痛だ。
というか、なんでそんな無遠慮にバラしたんだろうと今でも思ってしまう。
まあ、もとより無遠慮な人だったけど。悪友ではある。それ自体はいいのだ。悪友なのだから。
まあそれも今は音信普通だからそう思うのであって、今も付き合いを続けていたら、やはり壊れたのかもしれない。
無遠慮にしていいと思ったのは、かれらが悪友だったから?なんかそれだけで片付けられないよなぁというのは、自分以外の例を見てて思う。
なんだろう。すごく浅く考えてくる。自分は浅く考えられる自由な立場だからって。
かれらはさ、カムアウトする側 が問題を抱えてるんではなく、カムアウトされる側 にこそ権力があるんだって自覚が、実はあるんじゃないかとすら感じる。
私・俺はお前がそうだとしても気にならないし平気で話題にするよ!
みたいな。
けど、あんたらの腹が痛まないことは私にとって何の保障にもならない。
友人ならまだしも、知人程度の人にさりげないことでも突っ込まれるのは非常にストレス。
なんでそんなにお気楽でいられるの?
アウティングしたり、触れることを躊躇わないひとって、何かズレてる。
俺がこんな自己嫌悪してるのに、なんで自己嫌悪せずに済んでるお前らがおいそれと俺に触れるんだ。
たったひとりでかみ締めて死にたかったのに。
あなたの孤独には触れないから~って歌詞を思い出す。関係ないけど。
けどそんな話は本当にありふれてるんだというのは最近認知されてきてるんじゃないかな。別に私だけが特別ひどい目にあったわけじゃないし、たぶん私の体験はいわば軽いほうだと思う。ずいぶんと傷は浅い。
そういう私は、他人の深い傷の話を読んで癒されたいなぁとか勝手に思ってしまう。どうかしてるんだな。
あと、カミングアウトしてない相手なのに何故かオカマ的な扱いで嘲笑とかハラスメントはされました。勘違いしないで欲しい。自分がカミングアウトしなけりゃいいってもんじゃないし、他人にアウティングされなきゃいいってもんじゃない。
何も安全じゃない。