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2024-03-12

WIRED JAPANメンバーシップ試写会に参加して視聴した『燃えるドレスを紡いで』

この作品パリオートクチュールコレクション2023年の時点で唯一参加する日本人ファッションデザイナー中里馬氏に密着したドキュメンタリー映画だ。これはファッション業界地球に対してネガティブな影響が多すぎること、GHG排出量や環境汚染の大きな原因になっていることに対してファッションデザイナー自身が向き合い、コレクション制作に取り組んだ記録である

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ここ以降、ネタバレ的な話、映画制作に関わったステークホルダーたちの発言抜粋などにも一部言及する。そのためこれから視聴を控えていらっしゃり、なんの前評判も誰の感想も読まずにまず自分主観作品を視聴したい方は、ここ以降は念のため読まないでください。

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ファッション業界地球に与える影響は甚大だ。

>Fashion production makes up 10% of humanity’s carbon emissions, dries up water sources, and pollutes rivers and streams. What’s more, 85% of all textiles go to the dump each year (UNECE, 2018), and washing some types of clothes sends significant amount of microplastics into the ocean.

>ファッション生産人類二酸化炭素排出量の 10% を占め、水源を枯渇させ、川や小川汚染していますさらに、毎年全繊維製品の 85% がゴミ捨て場に送られており ( UNECE、2018 年)、一部の種類の衣類を洗濯すると、大量のマイクロプラスチックが海に流されます

引用:The Geneva Environment Network, https://www.genevaenvironmentnetwork.org/resources/updates/sustainable-fashion/

しかファッション業界も、企業ブランド毎に速度も歩みの幅も大きく異なるが、ネットゼロへ進みはじめている。2023年後半の時点で、NIKEadidasの靴やアパレルを購入した際には、この2ブランドについては、製品タグを付ける紐は紙製、靴の梱包材も全て紙製など生分解性素材への移行が見られた。近年adidasコラボレーションを発表し続けている英国デザイナーであるステラマッカートニーは、ステラ自身アパレル化粧品において早くから持続可能性を追求している点でも名高い。

それでも私たち人間が消費するファッションアパレルとしての服や靴それ自体が、最終的にゴミとして扱われ、それがアフリカへ、良い言い方をすれば「皺寄せ」、正確に言うと「ゴミ処理先」として送られる。

映画燃えるドレスを紡いで』では、中里馬氏監督関根光才氏がアフリカを訪れた。中里氏は自身が身を置く業界がうみだしたものたちが消費された結果どこにいくのかという点で、行き着く先のひとつとしてアフリカを選んだのだ。映画本編では、彼らがアフリカで過ごす様子を視聴したのち、中里氏の仕事風景を見ることができた。そしてそのまま、彼のオートクチュールコレクション映像と、それらへの評価メディアの反応などを見ることができ、映画は終わった。

ファッション業界とそこに携わる人間としての中里氏の考えなどについては、ここでは言及しない。それぞれが視聴した上で、それぞれの考えを抱いて欲しい。

私自身は、人間存在とその経済活動ほとんど全てが地球への負荷であると考えている。ファッション業界の影響が大きいにしても、私そしてあなた存在地球環境に負荷をかけているのだから、それをわきまえれば「特定業界が悪だ、最悪だ」なんて意見は軽薄ではないかと思う。気分によっては、2024年子供を産もうとしている人は、2044年や2064年の地球環境は確実に悪化するだろうことがわかっている中で、なんて酷なことをするのだろうと考えることもあるくらいだし、しかし、そう考えるが子供を産み育てる人を軽蔑や見下げたりすることは決してない。ファッション業界けが地球環境悪化させているわけではないと言いたい。

しかし、人間たちの研究開発と技術革新は進み、各業界既存業界課題技術ブリッジが続く中、ファッション業界においては、消費者意識とともにいろいろなことが遅れているのかもしれない。

映画燃えるドレスを紡いで』で中里氏がアフリカで過ごしている時の映像で、中里氏がたびたび自分の見たもの景色に対して「美しい」と口にしていたのが印象的だった。その形容詞が、多勢に同じ感想を与えるものかはわからない。実際、監督も「どのあたりが美しいですか」というように問うていた(言葉が少し違ったかもしれない。違いましたら後日修正します)。

アフリカ映像は、日本などの先進国とは全く違う環境で、雑多としたものたちに溢れ私たちゴミとして扱うものが最終的に行き着いたアフリカゴミ山や、雨が降らず乾燥し切った土地、そこを移動しながら暮らす遊牧民たちの生活などだ。

中里氏はここから美しさを見出したし、私はそれに感動した。キュレーションされていない場所に行って何を見て何を感じ、どう言語化するか?、これは人による。単純すぎる感想だが、美しさを見出せる人は美しいものを作る側にもなれるのかもしれない、と思った。

中里氏がアフリカから戻り、チームに制作のコンセプトなどを発表したときの様子が好きだった。

制作のコンセプトをチームに発表する、チームはそれに従う、でいい。それでいいのだが、そのときにチームメンバーがそれぞれ発言をして、その様子は「中里氏に完全に従う」といった様子ではなかった。語弊があるかもしれない、もちろん彼の名前で発表するコレクションであり、彼のチームメンバーは彼のコレクションのために働くことになるのだから結果的には従うことになる部分が大きいだろう。しかし、中里氏の決意や発表に対して、取り掛かる前に、チームメンバー各自発言ができること自体が、これができるチームは日本にある数多の組織の中でも意外と少ないのではないかと思えたのだ。とても良いチームに見えた。

私はオートクチュール制作現場に対する知識ほとんどないに等しいが、ステークホルダーの多さや切迫感は目を見張ったし、最終的に時間との戦いになるさまには共感できる部分もあった。私などが共感を覚えるなんて言葉選びとして軽率では?おこがましいのでは?という点は一旦脇に置くとして、スケジュールの甘さや時間管理の不備ではなく、自分名前成果物を提出するときに「もう少し、どうにか良くできるのではないか」と思えてしまい手を止められなくなった経験は、私に限らず、ビジネスパーソンとして経験したことがある人も多いはずだ。さらにそれが、オートクチュールコレクション!?その後のルックメディアなどで写真動画そしてモデル取材者の感想とともに二次三次と広がる。なんて覚悟のいる仕事だろう。「とりあえず自分の持っているボールをなんとかして、次の人に投げれば、なんとかしてくれる、そしてそれはとりあえず所属会社名前として世の中に出る」ような仕事のやり方と比較すると、全く異なる状況だ。自分名前作品を出す、誰も拭えない。そんな状況、いつまでだって試行錯誤したくなるに決まってる。これで完成だ、と手を止める瞬間はどう決めるのだろう?、あるいは降りてくるもの?そんなことも思った。

試写会では作品上映後にトークショーが行われ、WIRED編集長の松嶋氏が進行をつとめ、登壇者から話を引き出した。

松嶋氏はアフリカゴミ山で服が舞う様子や鳥が飛ぶ様子が美しかったというようなことをおっしゃった気がする。実際に美しい映像だと思った。嘘みたいに大きい鳥(そして実際にも多分、とても大きい鳥)が前後左右に悠然と歩いたり止まったりしている間でゴミを拾う子供女性映像洋服やその切れ端などが鳥とともに空を舞う映像。その映像を現地で撮影した関根氏と中里氏は、現地で風が吹いたり竜巻が起きたりした時は死ぬかと思ったと笑いながら話してくれたが、その裏側は本編に一切残さず、本編では映像として映すのみで、感想は見る側に委ねてくれたことを嬉しく思った。

全体を通して、感想視聴者に委ねるような仕上がりになっていたように受け取ったし、私はそれに感謝した。この映画で見ることのできる映像たちに、美しい、汚い、怖い、綺麗、綺麗事、すごい、面白い、行ってみたい、行きたくない、見てみたい、着てみたい、など、どのような感想を抱いてもいいし、自分の抱いた感想に対して、なぜそう思ったのか掘り下げたらいいだろう。白黒はっきりつけず、議論し続けるべき話題はたくさんある。WIREDで取り上げられる特集話題ほとんどがその類のものだ。人々は対話を続けなければならない。だからこの映画燃えるドレスを紡いで』への感想も、私のようにとても良かったと考える人もいれば、地球温暖化は陰謀だとか、アフリカゴミが集まるのは当然だといった感想を抱く人ももしかしたらいるのかもしれない。自分あるいは他人が抱いた多様な意見に対して、なぜそう思ったのか、と対話を続けること、対話を諦めないことが日本にも世界にもファッション業界にも必要なのだろう。

この映画を見て、自分が買っている服、ひいては、自分の買い物という消費行動を見直したい、誰かに拭わせるような生活仕事をせず自分の責務やその範囲を適切に見定めて、その範囲を広げたりしっかり守ったり、うまく守れた時は余力で周りを助けたりしながら自分地球関係性をよく考えながら生活したいと思った。

あと、WIRED JAPANが大好きなので、これからも愛読し続けたい。

追記

映画に登場する人々に、登場シーンでクレジット登場人物名前所属)を表示させた上で、もちろんエンドロールにも名前掲載する、という画面の作り方は、ドキュメンタリー手法としてめずらしくはないのでしょうか。この辺りの知識がないため滅多なことは言えないのだが、登場人物名前所属をその画面で明示する編集が好きだった。やはり、協力者の一人として自分が登場するシーンには、期待や嬉しさなどをもっているはずだ。私はこのような、協力者たちへ感謝を伝えるようなあたたか編集や画面作りに強く好感を持つ。1人ではできなかったことへ協力したくれたステークホルダーにできる限りの感謝を述べる姿勢を、私も忘れないようにしたい。

2021-02-11

容姿に関する言及禁止法(容禁法)」が施行されて早30年

2074年、他人容姿について言及することを禁止した「容姿に関する言及禁止法(容禁法)」が日本施行されて早くも30年になる。

容禁法は、2041年フランス施行されたのを皮切りに、2050年には国連加盟国230国全てで同様の法律施行され、昨年には遂にアブハジア共和国施工したことで、地球から容禁法がない地域というものがなくなった。

これにより世界中で、他人に対し「かわいい」「きれい」「かっこいい」「ブス」「ぶさいく」といった容姿に関する言葉を投げかける人間は消えた。

日本においては、2044年に容禁法が施行されたのと合わせて特別高等警察特高)が復活した。

特高容姿について言及している者がいないか日夜監視をしており、もし容姿を褒めているところを特高に見つかってしまえば即逮捕である

尚、容禁法への抵触行為は、強盗致死罪や外患誘致罪と同じく、初犯でも執行猶予がつかない重罪として位置付けられており、容禁法での逮捕とはすなわち刑務所行きを意味する。

日本では、30年前の施行当初こそ「やさいい(優しくてかわいいor優しくてかっこいい)」や「人柄もいい(容姿もいい)」と言った一見内面を褒めるふりをして、外見を褒める脱法行為が数多く見られたが、施行翌年の2045年に街中に仕掛けられた盗聴器を介し、警視庁本部にあるマザーコンピューターが即座に自動学習をして それらの言葉犯罪行為認定するシステム通称クモの巣』)が完成したことで、脱法行為を犯す人間は激減した。

10年ほど前には未成年者の容禁法違反が頻発し、「キレる若者」「若者の心の闇」といったテーマを連日ワイドショー特集していたが、当時の容禁法の検挙率を見ると実際には年齢が上がるほどに検挙率が高くなる傾向となっており、むしろ若者ほど容禁法を守っているという状況であった。

現在においてもその傾向は変わっておらず、たまに容禁法で逮捕ニュースを聞くと、だいたい70歳以上の男性でるあるため、近年では「老人の暴走」といった揶揄を受けてる。

2074年現在では、容姿を売りにする仕事は一切なくなった。

テレビに映る人物は、容姿よりも知的さや人格を求められ、今やテレビタレント東大京大出身者でほぼ8割を占めている。

イベントコンパニオンキャバクラホストなども、以前は闇の世界営業をしていたようだが、今では完全になくなり、最早、歴史教科書の話である

また、化粧品会社美容院なども斜陽産業となり風前の灯火となっている。

人々は、容姿では褒められないので、どんな容姿人間であれ内面研鑽ビジネスでの成功を目指すことによって自分自身評価価値を高めている。

内面研鑽ビジネスでの成功も、どちらも後天的努力によって差をつけられることであり、それこそが真に正しい人間の優劣であると誰もが信じている。









吉岡権太は、夏休みを利用して福井県に来ていた。

この春から高校生になり、念願だった恐竜化石発掘調査アルバイトに初めて参加したのである

一人っ子だった権太にとって、3歳の誕生日に両親からもらった恐竜図鑑は幼少期に誰よりも一緒の時間を過ごした弟のような存在であり、幼稚園卒業式では「大きくなったら恐竜になりたい」と言って周囲の大人たちを笑わせた。

小学校に上がってからの夢は恐竜博士で、高校生になった今は恐竜研究者になり恐竜図鑑編纂に携わりたいというより具体的な将来設計を描いている。

そんな恐竜一筋の権太にとって、化石発掘調査アルバイトは夢への第一歩と言ってもよかった。

採掘場の一画に腰を下ろし、タガネとハンマーを一旦脇に置き、採掘場の小石を左手でどかしながら右手スコップで穴を掘っていると、5分ほど掘ったところで1冊の古びた本が出てきた。

ボロボロ簡単に破れてしまいそうなその本の表紙には、大きく赤い文字で『FLASH』と記されており、水着女性が妖艶な笑顔こちらに向けていた。

その本が何かとても悪いものであると感じた権太は、急いで人がいない場所に移動したうえで、本をそっと広げてみた。

「極上のマシュマロボインちゃん?」

最初に開いたページに記されたその言葉は、15年の人生で初めて目にする単語の羅列であった。

なぜ水着女性が表紙なのか、極上のマシュマロボインちゃんとは一体何なのか、権太には全く理解ができなかった。

ただ、混乱して思考が整理できていないはずが、恐竜図鑑を眺めるとき以上に興奮している自分がそこにいることに気が付いた。

3歳で初めて目にした恐竜図鑑ティラノサウルスよりも、5歳のクリスマスに買ってもらったスピノサウルスのおもちゃよりも、6歳で初めて訪れた福井県恐竜博物館よりもずっとずっと興奮していた。




3週間後、福井県でのアルバイトを終えた権太は、こっそり持ち帰ったFLASH入りのリュックサック自分の部屋に置くやいなや、すぐにリビングでくつろぐ父親の元に直行した。

国立大学出身で、一部上場企業執行役員を務めている博識な父親であれば、『極上のマシュマロボインちゃん』の意味をきっと知っているはずである

いつものように夕飯前にソファ新聞を読んでいる父親の前に立ち、権太は興奮を抑えながら聞いてみた。

「お父さん、極上のマシュマロボインちゃんってどういう意味グーグル検索しても全く出てこないんだけど、これってどういう性格女性を褒める時に使う言葉なの?」

権太は興奮を抑えようとしていたが、抑えきれず自然早口となっていた。

父親の回答がなかなか出てこないため、権太は待ちきれずに続けて自分が思っていることを父に伝えた。

「俺、将来は水着女性を載せた図鑑を作りたいんだ。水着女性には恐竜と同じような未知なるロマンがあると思うんだ!」

父親言葉を全く発せずに権太を見ていた。

いや、表情から察するに言葉を発しないのではなく、発せないのであろう。

目を見開きこちらをじっと直視しているが、新聞を持つ手が震えているのが分かった。

怒りとも悲しみとも絶望とも言える目をした中年男性が、そこにいた。

ふと視界を移すと、台所料理をしている母親が泣き崩れているのが目に入った。

権太はそこで初めて、とんでもないことを言ってしまったのだと理解ができた。







――――――――――――







「権太、何してるんだよ。特高の見回りがくる前に早く安全場所へ移動しようぜ」

「悪い、ちょっと恐竜図鑑を読んでいた」

「こんな時に恐竜図鑑!?革命軍リーダーのくせに全く呑気な性格してるなぁ」

「呑気な性格FLASH革命軍の隊員なら、性格ではなく容姿言及したらどうだ」

「うるっせーな。さっさと隊員に指令を出してくれ」

「極上のマシュマロボインちゃん……か……」

「何か言ったか?」

「なんでもねーよ。」



古びた恐竜図鑑リュックサックしまい、権太は叫んだ。

「よーし、それじゃあ、全員ネオ新橋の闇キャバクラに逃げるんだ!誰一人として捕まるんじゃねーぞ!」




恐竜研究者への第一歩となるはずだったあの夏のあの日……。

あの日、権太の踏み出した一歩は、美しいものを美しいと言える世の中を取り戻すための戦いの一歩となったのである

 

2021-01-16

めめんと森

— 0年経過 (32歳) —

2021年 2022年 2023年 2024年 2025年

2026年 2027年 2028年 2029年 2030年

10年経過 (42歳) —

2031年 2032年 2033年 2034年 2035年

2036年 2037年 2038年 2039年 2040年

20年経過 (52歳) —

2041年 2042年 2043年 2044年 2045年

2046年 2047年 2048年 2049年 2050年

— 30年経過 (62歳) —

2051年 2052年 2053年 2054年 2055年

2056年 2057年 2058年 2059年 2060年

— 40年経過 (72歳) —

2061年 2062年 2063年 2064年 2065年

2066年 2067年 2068年 2069年 2070年

— 50年経過 (82歳) —

2071年 2072年 2073年 2074年 2075年

2076年 2077年 2078年 2079年 2080年

— 60年経過 (92歳) —

2081年 2082年 2083年 2084年 2085年

2086年 2087年 2088年 2089年 2090年

2020-06-01

anond:20200601003340

SFオタクの一人としてこれをややガチめで妄想してみる。

2060年の世界

・国際情勢

日本GDPは5位かそれ以下まで低下。代わりにインドシンガポールタイ韓国台湾などが上昇。

GDPトップ5は中国アメリカインドドイツ日本(or 台湾 or 韓国 or タイ or シンガポール)の順に入れ替わる。

日本経済力生産力は少子高齢化により慢性的に低下を続けるが、一方で外国から投資積極的に行われる。

鉄道会社や電力会社をはじめとするインフラ関係各社は外国資本となる。JRは「繁華デリーレールウェイ株式会社」に改組される。

中国を中心勢力とするパターナリズム勢力と、アメリカを中心勢力とするリバタリアニズム勢力が新たな冷戦構造を作り上げている。

この二つの勢力法令憲法理念外交などを共有する緩やかな共同体形成しているが、日本2060年現在どちらにも加盟していない。

この時代では「共産主義」「資本主義」「民主主義」「独裁」などの単語が持つニュアンスは後退し、おおむね「パターナリズム」か「リバタリアニズム」にそれぞれ収斂している。

日本はそのなかにあって「パターナリズムリバタリアン政治」を自称し、両勢力の良いところどりを模索しようとしているが、実態としてはあまりうまくいっていない。

科学技術

コンタクトレンズ型の情報端末が普及している。神経系接続して思考インターフェイス操作することができる。

ここ10年の間に普及が進んだが大脳と直結することから個人プライバシー侵害されるとの声が強く、リバタリアニズム勢力下ではアナログ操作型の情報端末を選好する者が少なくない。

しか広告業界にとっては非常に都合がよいのでコンタクトレンズ型の普及は時間問題だとアナリストは指摘している。

一方、パターナリズム勢力下では健康情報をはじめとする国民データ収集と、それをもとに国民へ「指導」を行う必要性から積極的に用いられている。

特に中国では満五歳児から国民の常時装着が実質義務付けられており、特に理由のなくこれを外すことはよから嫌疑を生むことになる。

今後20年以内に「国民安全保障人生設計の精度を高めるため」に全国民の視界を無差別録画し、収集する機能実装目標としている。(中国政府発表)

日本ではパターナリズム勢力の支持を受ける推進派とリバタリアニズム勢力の支持を受ける反対派、どちらともつかない日和見、もとい、慎重派の三すくみとなっていて、よく国会論争のタネになっている。

そのほか、電源は必要な電力が低いものはおおむね無線電源が普及しており、自動車鉄道バイクなどは電力での駆動が前提で設計されるようになる。電動航空機もだいぶ普及してきている。

発電はどの勢力下でも改良された原子力発電自然エネルギーの二つが主で、火力発電の全体に占める割合環境への配慮から大幅に減少傾向にある。核融合発電は目下研究である高速増殖炉先進国に限り実用化されている。

宇宙開発民間主体となって行われている。中国2032年に初の月面有人飛行、2044年に初の火星有人飛行を達成し、アメリカも同年に成功させるがそれ以降、国家規模での目立った計画特にない。

2060年現在では月面開発が各国民企業によって進められている。既に定期往復宇宙船宇宙港もいくつかの国に設置されており、往復120万新元ほどで月面旅行が楽しめる。

ただし行動可能区画はかなり制限されているため観光自由度は低い。定番お土産は月の石。

格差健康

リバタリアニズム勢力下は当然のことながら格差が激しく、最下層の人々の暮らしはその日の食事にも差し支えるほど困窮している。

アメリカ中流階級以上の平均寿命が90.2歳(2058年保健省統計)なのに対し、低所得者層のそれは75歳を下回っている。

国民皆保険制度がいまだ存在しないので中流階級以上であっても重病や大怪我などにより多額の支払いを迫られ、貧困層に転落することが珍しくない。

ただし食事の内容や日々の生活について政府から指導管理を受けることはなく、マクドナルドケンタッキー2060年現在でも健在である

他方、パターナリズム勢力下では実のところ格差がないわけではないが低所得者層に対する生活保障制度があり、すべての国民健康的な食事生活を送ることができる。

ただし睡眠時間食事の内容をはじめとする生活のほぼすべてにおいて当局の「指導」に従わなければならず、そもそも政府健康に益しないと判断した飲食店開業は許されていない。

パターナリズム勢力下の国ではマクドナルドケンタッキー存在せず、ラーメン二郎特定有害飲食物として政府認定を受けている。蘭州ラーメン政府認定の優良飲食物とされている。

当然、タバコ飲酒も厳格に禁じられており、カフェイン摂取にも一定の制約が加えられている。レギュラーコーヒーは1杯150mlを1日3杯まで。

これらの徹底した管理によりパターナリズム勢力の中心である中国都市部平均寿命は97.2歳(中国政府発表)にまで伸びている。

教育

パターナリズム勢力下ではどの学校学費無償であり、すべての教育機関は公立または国立である私塾の開設は特例を除き禁じられている。

すべての国民は各々の学力に応じていつでも学びを得ることができる。高卒程度までが義務教育とされ、卒業試験も課されている。

卒業後は成績にもとづいて大学に進学を推奨(実質強制)されるか、または適性のある職業に就くことになる。無就労かつ無就学で、特定の期間以内にどちらかの準備をはじめていない者は「指導」の対象となる。

他方、リバタリアニズム勢力下ではあらゆる方針私立学校が無数に存在し、詐欺同然の無意味ものから1000年を越える歴史を持つ由緒正しい学校まで選択肢の広さにはこと欠かさない。

ただしこれらには多額の学費必要であり、中流階級であっても借金しなければ通えない。特に優れた大学大学院の研究力はパターナリズム勢力下における最高の国立大学大学院のそれをしのぐと評されている。

なお、義務教育制度廃止されているので本人の選択によっては小卒のままでいることも可能だがまず間違いなく職には就けない。

産学連携が盛んで、民間人が教授職に就いたり、民間企業出資を受けた講義、あるいは教育機関そのもの運営リバタリアニズム勢力下ではごく当たり前である

パターナリズム勢力下では99.9%が最低でも高校卒業し、その中の7割が大学まで進学しているが、リバタリアニズム勢力下では高校卒業までで8割ほど、大学進学はその中の4割程度に留まる。

文化芸術

パターナリズム勢力下において文化芸術は認可制であり、なにが正しい表現かは政府が厳格に定めている。

ただし「時として刺激的な表現物が市民精神衛生に益する場合もある」との見地から特定の年齢に達し、必要リテラシー試験クリアした市民に限り部分的に「刺激的な表現物」の閲覧が許されている。

とはいえ過度に反社会的であったり、反体制的な表現物が認められる余地は一切ない。「1984年」(ジョージ・オーウェル作)はもちろん発禁である

対してリバタリアニズム勢力ではあらゆる表現が無制限に認められている。ヘイトスピーチですら可能国旗を燃やしたり、大統領写真を切り裂くことも可能VR空間バーチャルドールとまぐわうのも自由

パターナリズム勢力下ではインターネットが厳しく検閲されているが、一定知識がある者はこれらの規制技術的な工夫でくぐり抜け、リバタリアニズム勢力産のコンテンツを密かに閲覧して楽しんでいる者も少なくない。

1時間ほどでここまで書いたがさすがに飽きてきたので後は任せた。

2019-06-08

「老後に2000万足りない」を計算してみる

前も似たこと書いたんだけど(再投稿は甘え)

気になって計算したんだ

 

注意:素人皮算用

 

年金いくら貰えるかの単純計算

 

年金貯金型ではなくて、その時の現役世代から年金世代に渡す感じになるから

単純に「何人で年金世代1人を支えるか」と考えれば計算ができる

 

例えば、10人で1人のお年寄りを支えるのであれば

1人2万円支払うだけで、お年寄り20万円受け取れることになる

 

ここで「受け取る20万円」を固定するか、「支払う2万円」を固定するかだけど

今は支払額を固定している(ココ重要

 

人口予測から、今より何割不足するか考える

 

「何人で年金世代1人を支えるか」=「65歳以上の人口/15〜64歳」の人口予測値はこうなってる

 

2018年 2.1人

2030年 1.8人(ほぼ確定)

2040年 1.5人(ほぼ確定)

2050年 1.3〜1.4人

2060年 1.2〜1.4人

 

ちなみに今40歳の人が65歳になるのが2044年、90歳になるのは2068年だ

ソース

http://www.ipss.go.jp/pp-zenkoku/j/zenkoku2017/pp29_gaiyou.pdf

 

今を100%とすると

 

2018年 100

2030年 85 15%不足

2040年 71 29%不足

2050年 62〜66 34〜38%不足

2060年 57〜66 34〜43%不足

 

となり、今40歳の人で、大体35%は現状より足りない計算になる

(実際、自体もっと複雑だけど)

 

35%減をどう補填するか問題

 

この35%減は、人口減少と高齢化により、もはや避けては通れない

選択肢としてはざっくり

1.現役世代からもっといっぱい取る(この場合、取るのは35%減じゃなくて50%必要

2.年金支給を3割減らす

(あるいはその折衷案)

 

となる

 

年金支給を減らす

 

年金支給を3割減らす場合

20万円×12ヶ月×25年×35%=2100万円 なので

「月20万円必要なら2100万円足りない」となる

 

非常に単純な試算だから誤差はあるだろうけど

適当計算しても大体似た結論になる

 

本当に25年も必要なのか

 

自分は25年で計算した、つまり65歳〜90歳だ

政府の試算では、2060年時点で、女性平均寿命が90歳、男性84歳らしい

https://www8.cao.go.jp/kourei/kou-kei/24forum/pdf/tokyo-s3-2.pdf

 

政府100年と言っているのは、「そういう人もいる」という話なのか、2100年レベルの話なのかはわからない

ちなみに100年(年金支給35年)と考えれば、月13.6万円の計算で「2000万円足りない」となる

 

35%減をどう補填するか問題:その他の解

 

このように計算すると、政府が「75歳支給開始」とか、自助とか、納付率にうるさいとか、あーだこーだ年金についてうるさいのは理解できる

 

年金支給を遅らせる

・現役世代からもっと取る

生活の質を限界まで下げる

 

ここらへんの話は今後ずっと出てきそうだなと思う

 

2000万円は貯金できるか

 

いまいちいい感じの統計が見つからないが、現実問題「平均700万円くらい」が関の山のようだ

しかもこの額はもっと減ると思う

 

最も問題なのは長生きしてしまった人

 

ここまで「平均」の話だったが、国として問題なのはよりキツイ条件下にある人だ

国民年金派は、そもそも計算がガラッと変わる

夫婦単位で考えてるけど、離婚したらどうなる?とか

そして一番難問なのが「長生きしてしまった人」だ

 

もし仮に90歳までの蓄えを用意していたとして

100歳まで生きてしまったら「年金だけでどうにかなる」世界でないと、残りの10年で確実に詰んでしま

からあくま年金はそういう人のためのものだ」とかいう話が出てくるのも理解できるし

当然支給を75歳にしようなんていう話も出てくる

そういう意味では「2000万円」の話は矛盾してるし、混乱してる感じがする(今回はただの試算だけど)

 

政府責任はどこに、どのくらいあるか

 

この責任構造はなかなか複雑だ

1.年金システム人口構造依存するという点

2.少子化

3.経済的な豊かさ

4.「年金大丈夫」と騙してきた責任

 

たぶんここらへんになるだろうけど

直接的な責任は、1,2だと思う

ここの戦略は国にしか出来ない

3は国民全員の問題

4は感情的には責めたいけど、言ったとしてどうなる?と思うし計算すればすぐに分かることだし

 

消費税増やしたのに ← ?

 

まず、この話は数十年後の話だ

今日明日の話じゃないのに何言ってるんだ

 

それに、2018年の年金給付額が55兆円くらい

現役世代から徴収が38兆円くらい、税金が13兆円くらい

消費税1%あたり2兆円くらいだから焼け石に水過ぎない?

 

年金積立金でどうにかならないのか?

 

積立金が160兆円とかそのくらいで、支給額が55兆円とかそのくらいと考えれば

3割ずつ切り崩し続けていけば9年で溶けるな

でもこれ、もし運用がうまく行って300兆円とかになったら結構どうにかなるのでは?

 

所感

 

少子化どうにかしないとずっとこの苦しみ続くんだけどそこどうなってんだろう

2060年頃には40%が65歳以上だよ

やだよそんな国

 
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