2022-10-03

鼻の穴から胃カメラをいれようとしてダメだった

経緯

三十五になり、健康診断では任意で検便と超音波検査バリウム検査が選べるようになった。どれもタダだから受けてしまえばいいだろう思って同居人に話したところ、バリウム不快さとバリウムだらけになる便所掃除の大変さを延々と説かれたので、それなら検査義務になる四十まで待てばいいだろうと高をくくっていた。

ところが、超音波検査要検査との結果が出て(註:結局これは何でもないことが後に判明する)、慌てて胃の様子も見てもらうことにした。要検査と言っても、ちょっと疑わしいレベルのことだと書かれていたが、万一のこともある。

そこで、普段お世話になっている消化器系のお医者さんに連絡を取った。だが、自覚症状がないので自費診療になってしまうとのこと。そこで何か腫瘍だとか潰瘍だとかが見つかって細胞をつまむのだったら、自費診療ではなく保険適用になるかもしれないらしい。これだけで一万円近くかかるので迷ったが、お金よりも安心をとったほうがずっといいので受けることにした。

その後、受付の人から自覚症状があれば保険適用可能性もゼロではない」と聞いたので、「時折食不振と満腹感、まれ口臭」と書いた。

タダでできるものを一万円かけてやったのもなんだか損した気持ちがするが、胃カメラバリウム検査のどっちが体質的に向いているかを知るいいチャンスだと思うことにした。話の種にもなる。

当日の準備

件の医師は痛みの少ない鼻から胃カメラを前面に売り出している。申し込めば全身麻酔でやってくれるらしいのだが、それだけ余計にお金がかかるし、繁忙期が近いのに丸一日つぶれるのはちょっと困るので午前休だけで対応できる部分麻酔を選んだ。前述の別の検査もあり、あまり時間をかけたくない。

説明によれば、二十一時以降は食事なし、朝食は抜き。多少なら水は大丈夫だった。検査によっては水も飲んではまずいらしいのでこれは助かった。

受付を済ませ、別室にて鼻うがいの要領で麻酔剤かなんかを入れられた。鼻の穴に水が入るとツーンとして何とも言えない不快感があるのだが、この薬は平気だった。聞くところによると塩分温度が適切だと大丈夫らしい。

次に液体の飲み薬をもらう。なんだかわからないが、おそらく食道から胃にかけての麻酔か何かだろう。薄味のカルピスみたいでおいしい。

麻酔の後は効果が出るまで少し待つ。鼻から麻酔が垂れてきたり、のどの奥に流れたりするはそのまま放っておけと言われたので待合室では下を向いていたが、おかげでマスクがべしょべしょの惨状になった。

カメラ挿入

さらに奥にある別室に案内され横になる。また鼻の穴にぬるぬるしたものを流し込む。その時は麻酔だと聞かされた覚えがあるが、今にして思えば潤滑油みたいなものだったかもしれない。

そこで右の鼻の穴に機械を入れられ、続いて左の穴にも入れられたのだが、どうもうまくいかない。ただインフルエンザ検査キットを鼻の奥に突っ込まれたような不快感があるばかりだ。どうやら鼻の穴の奥が他人よりも小さいらしく、結局は普通胃カメラのように口から飲み込むことになった。

そこからが大変だった。舌を固定する器具をくわえさせられ、そのまま管が食道を下っていくのだが、食堂が刺激されて吐き気が延々続く。げえげえと声を漏らしながらなんとか飲み込んでいく。絶食していてよかった。助手女性がずっと背中をさすってくれているのだが、嘔吐感と異物感がしんどく、何度か胃の内壁をつつかれて胃の形が変わっていく感じがあった。加えてさらに奥までいじられたような形容しがたい気分がした。よく噛まずに何かを飲み込んだときのように、食道からずっと胃の奥までがずっしりと重い。

管を飲み込んでいるはじめのうちは拷問のようで、最初からバリウムをおとなしく飲んでいればよかったと激しく後悔していた。だが、徐々に力の抜き方がわかってくると苦しさは減じ、「なんだか気持ち悪いものが入ってる」くらいの違和感レベルまで落ちた。助手さんさすってくれていたのが本当に効果的だった。

終わった後に助手さんから「力が抜くのがうまかったですよ」と言われた。半分くらいはお世辞だろうが、半ばやけで俎板の鯉見たいに開き直ってからのほうが、確かに楽になった。とはいえそれはさすってくれたからなので、よくよくお礼を言った。

しかし、施術中は鼻水と涙は止まらず、マスクは使い物にならなくなっていた。新しいマスクをもらえたのはありがたかった。

時計を見ると、実際に胃カメラを飲んでいたのは十五分ほどだった。思ったよりも長かった。たぶん途中から無になっていたので、時間の経過がわからなくなっていたのだろう。

検査結果

何の問題もなし。口から十二指腸入り口まで見てくれたのだが、きれいなものだった。(余談だが要検査だったもう一つの検査でも医師から「若くてきれいな内臓」と褒められたので結構しかった)。

面白かったのは噴門と幽門がはっきりと観察できたこと。噴門はトンネルから洞窟の広いところに出たような光景で、幽門は胃の内容物がゆっくり十二指腸に送られるよう、きちんと閉じるような門のような仕組みになっていた。さっき感じた胃の内側をぐりぐりされる感覚は、たぶん幽門の奥までカメラが進んでいたかなのだろう。

また、胃の内壁は牛のそれ(ハチノス)と同じような皴があった。なるほど哺乳類なのでだいたい同じなのだと感心した。

結局保険適用はされなかったが、面白経験ができたし、健康だとわかって安心した。来年バリウムを飲むことがあったら、また比較して感想を書くかもしれない。

  • ワイもなんも考えずに口から胃カメラを選んでけっこう苦しい目にあった。 ワイには背中をさすってくれる助手さんはいなかった。 世の中不公平やなぁ…

  • うちのお母さんは鼻からはいけるけど口からはあかん言ってた

  • 意識下での胃カメラは人の尊厳を奪うものだと思う。尊厳と引き換えにしてでも得るものがあるのかどうか

  • 漫画家の中川いさみが、あまりに苦しいので自分でカメラ引っこ抜いてしまって スゲエ怒られたとかいうエピソードがあったな

  • 鼻の奥小さいなら睡眠時無呼吸も気をつけてね。

  • いや胃カメラは鎮静剤必須でしょ。鼻からだとやってくれないのか。 鎮静剤使うと終わった後しばらくソファとかで休ませなきゃいけないから、回転率の悪化を嫌ってやりたがらない所...

    • 鎮静剤使ってくれるところのほうが少ないよ。 健保で対応してくれるところを探すの大変。

    • 鼻からだとやってくれないというか鎮静剤使うなら鼻からやる意味ない 経口の方が器具がでかくて見やすいしね

  • ワイは鎮静剤1/3から半分くらいでお願いしますと頼んでる。アイスコーヒー氷少なめみたいなオーダー。

  • 自分はただの歯磨き粉でおえおえなるのに胃カメラは全く苦しかった記憶がない 担当医がうまかったのか、そういう体質なのか・・・

  • 同意書に死亡事故率が書いてあって 俺カメラ撮られて死ぬかもしれんのかって思ったな

  • 胃検査は絶対に経鼻の胃カメラ バリウムは解像度が悪くて腕の差が出やすいので再検査になって結局胃カメラになることが多い しかも「再検査の場合は経口しか選択出来ません」とかの...

  • 過去働いた会社(健保組合?)はどこも三十過ぎたらバリウムか胃カメラ必須だったけど三十五からのとこもあるのか 初回で胃の中見てみたくて鎮静無しで受けて増田と全く同じ気持を...

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