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2023-11-07

「三体」が好きだった人にオススメしたいSF小説・追補編

条件を満たしているわけじゃないけど何となく思い出した作品

東浩紀

クォンタム・ファミリーズは並行宇宙から流れ込んできた情報きっかけに物語が進む。自分の娘と名乗る相手から受けたメッセージを手掛かりに、作家である主人公はもう一つの世界に入りこむ。そこでは妻との関係も良好で、作るのをためらっていた子供もいる。自分作家ではなく、ブロガー政治活動をしてコミュニティを作っているらしい世界適応していこうとするが、さらにほかの世界が絡まってきて……というお話

クリュセの魚未来火星舞台に、自分と同じ日系人の優しいお姉ちゃんとの出会いから始まるおねショタに見せかけて、お姉ちゃんが今は亡き日本国に関するとんでもない秘密を抱えていたっていうお話で、さっき書いた「日本沈没」の精神的な続編というくだりから思い出した。舞台は遠い未来で、日本という国家他国に吸収されてアイデンティティが失われているからだ。

柴田勝家

走馬灯セトリは考えておいて」Vtuber小説なんだけど、接続された女みたいな暗鬱な感じじゃなくて、現代推し文化肯定的描写していて楽しい

「ヒト夜の永い夢」仮想昭和史もので、意外な人物が意外な形で出てくるので歴史を知っていると深刻なストーリーなのに笑ってしまう。登場人物男性に偏っているのは往年の少年探偵団へのオマージュだろうし、だから世界の謎が女性の姿をしている。下ネタが多いのは屍者の帝国との差別化だろう。

宮内悠介

この人は創元SF短篇出身の中でも頭一つ抜けている。どれを読んでも大体面白いんだけど、まずはグロ描写もあるけど最初「盤上の夜」と、あえてユーモアSFである「超動く家にて」おすすめしたい。

というか、ギャグが書ける作家って貴重だよね。

長谷敏司

さっき「allo, toi, toi」を紹介したけど、BEATLESS面白かった。人工知能機械女の子主人公男の子という手垢のついたようなモチーフなんだけど、女の子のほうがあくま自分人間ではなく機械だと一貫して主張し、責任を取るのはあなただという。これはシンギュラリティを迎えたAI人間との信頼を築く話なのか、完全に人間を手玉に取っているのか、みんなはどう読む?

あなたのための物語は末期がん苦痛の中で孤立し、尊厳もなく死んでいく描写が冒頭にあり、なぜそうなったかが作中で語られていくのだが、二度と読み返したくないほど壮絶。

サイエンスを信じているという意味では藤井太洋候補に入ると思うんだけど、あまりにもオプティミスティックなのと、意識の高さと言うかビジネス描写面白いとは感じられなかった。今までの日本SFでは見られないタイプだし、優れているんだけど肌には合わない。

あと、ミシェル・ウエルベックとある作品人類未来描写するんだけど、ジャンルSFってことを言うとネタバレになるからどれかは言えない。

ちなみに今読んでいるのがフレドリック・ブラウンの全短編で、星新一の源流の一つなんだけど、自分は最新のSF古典SFを交互に読み、それに飽きたら純文学に走り、さらに飽きたらノンフィクションをぶっ通しで読むという癖がある。

読書系の増田を書くと普段ブクマしない人が来てくれるので楽しい

(翌日追記平野啓一郎「ドーン」ってSFを書いていて、政治色が強いけど面白かった)

そういえば「竜の卵」いいよね。civilizationゲームといい、小泉八雲安芸之助の夢」といい、僕は箱庭系の世界が好きなんだ。コンウェイライフゲームをぼーっと見ているのも好き。

全然関係ないけど、キム・スタンリーロビンソン火星三部作」で、火星の大地を巨大レーザー照射して運河作っちゃうシーンが好き。

月曜に増田書くと疲れるのでおやすみなさい。

2023.11.8追記

また早川書房 翻訳SFファンタジイ編集部ツイッターに捕捉されてて吹いた。これが推し認知されるってやつだろうか?

ブクマが700まで行った。どひゃー。

そういえばブコメ女性宇宙を書く作家多いじゃんって突っ込まれてたけど、ここ数年を含めると確かにヒューゴー賞ネビュラ賞も大きく顔触れが変わっているね(アメリカでは受賞者の多様性をめぐって大きな議論があったんだけどそれ以来)。基礎資料に当たってなかったのはまずかった。

どうも僕は最新の文学を追うというよりも、数十年単位物事を見ている傾向にあり、というかここ三十年を最近とみなしているところがある。これが歴史に対する興味由来なのか、僕の年齢のせいなのかはわからない。

かにたくさんの作品を薦めすぎてしまったようだ(前編で書いた条件で絞りはしたものの、それ以外のものを含めればいくらでも薦めたい作品があるし、漫画だってある)。それでも、ふと思い出したのがJ. J. アダムス編黄金の人工太陽 巨大宇宙SF傑作選」で、「三体」が好きな宇宙ヤバい系で短編なので手に取りやすいんじゃないかな。

なんで小松左京「虚無回廊」が出てこないのかっていうと、一時期逆に大きなスケール物語に対する興味が薄れてた時期があるのだ。それを好む自分が「三体」で久しぶりに呼び覚まされたのだ。

ではまた。

2020-06-06

有名作家の、無名だけど実はこれが面白いってやつ

宮部みゆきなら『火車』が鉄板だが、『今夜は眠れない』『夢にも思わない』がめっちゃいから読めとか(少年大好き作者の面目躍如主人公中学生男子であるという設定がめちゃくちゃ生きてる。特に後者主人公に没入するほど、ぐさっときていい)。

アシモフといえば『ファウンデーションシリーズか『ロボットシリーズだけど、『神々自身』が神だとか(ヒューゴー賞ネビュラ賞長編部門受賞作なのに絶版古本流通してるから手に入るうちに買って読め。いや読んでください。神だから)。

クリスティでは『オリエント急行殺人』『そして誰もいなくなった』が有名だが、『葬儀を終えて』がミステリを読んでるほどツボに入るはず(霜月蒼も星5だ。なぬ、霜月蒼を知らぬ? クリスティ好きならググれ)。

そういうの教えてくれ。

2013-09-11

コミケは何故世界SF大会のようなものにならなかったのか

コミックマーケットは何故世界SF大会ヒューゴー賞ネビュラ賞)のようなワールドコン化ができなかったのか


レコードチャイナ中国作家SFの最高賞を受賞、小説の背景は日本文化中国紙

http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=76500

世界SF大会ワールドコン)とはどのようなものかはWiki参照。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%89%E3%82%B3%E3%83%B3

世界SF大会コミケは「はじまりの動機や」「運営方針」はほぼ同じと言っていいのだが、何故か現在のありようは似て非なるものになっている。

どこが違うのかというと、コミケは非常に閉鎖的で、権威的な賞を廃し、またディスカッションの場では無い、コミケワールドコンと比べて特化させた部分はあくまで同人誌即売会であるという点である

何故そうなったのか。

Wikiによると、実はコミケの前身となる「日本漫画大会」というもの1970年代にあったという。名前のとおり世界SF大会ワールドコン)を模したものだったと思われるが、コミケとはそもそも「日本漫画大会」のようなワールドコンの批判から生まれた訳だ。そして勝ち残ったのがコミケだった、という事になる。

日本漫画大会

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E6%BC%AB%E7%94%BB%E5%A4%A7%E4%BC%9A

これ、今だったどうなんだろう、と思うのだが。

今、日本漫画大会のようなワールドコン方式のイベントがあればいいのになあ、なんで無いんだろう、と思ってこの記事を書いている。

グローバル化に向いているのは明らかにワールドコン方式だと思うのだが、と思って調べてみるとやはりアメリカにはコミコンというものがすでにある。

というか世界各地の同人誌即売会はどちらかというと、日本コミケ模倣しているというよりも、ワールドコン漫画アニメ版というものが多いと思われる。

大友克洋さんが米国コミック殿堂入り 日本人で4人目 コミコンで発表 - 10814 - | アニメアニメ

http://animeanime.jp/article/2012/07/15/10814.html

さて、2020年のオリンピック東京で開催されるそうだが、日本人スポーツにおける理解というのは素晴らしいなと思う、今やスポーツに対してはほとんどの人が権威がどうとか、順位を付ける是非について言わない、オリンピックというイベントを通して「スポーツとはそういうもの」という最低限必要な共通認識ができている。

まりイベントのありようというのは、その文化と非常に関係している。

別にマンガアニメ文化ワールドコンのようなもの日本がやらなくても、きっとマンガアニメ文化は続いていくのだろうけど、そんで海外コミコンでたまに日本人が賞を貰って、それをありがたがる。映画のように、アメリカフランスとか、もしくは中国韓国で、そういう授賞式がBSスカパーとかで生中継されるんだろう。

おそらく2020年以降、そうなって行くと思う。

クールジャパンとかについて、ワールドコンのようなイベントを国が援助して作ってほしいとは全然思わない。日本文化海外に輸出する援助というのも必要ないと思う。

逆で、海外文化を輸入すべき。ファンサブワールドコン文化日本人ほとんど知らない。それを知って、じゃあ日本はそれらと比べてどういう事をやっていくかという基準ができるから

具体的にあげるなら、やはり言葉の壁問題が大きい。ファンサブの中には天才的な翻訳家がたくさんいる、そういう人達ほとんどが日本に来たがっている訳だが、そういう人達の来日を援助して、日本オタクとの交流の場を作る、それも文化解釈議論や言語翻訳に特化した場として。そんで交流が進んだところで、出版社等が作品の輸出輸入の際の翻訳マーケティング人材登用に対して、上手くマッチングできるような窓口となる組織を作る。

クールジャパンの人がやることはそこだと思うんだけど、もしすでにそういう事業があるのなら教えていただきたい。

最後に試みとして、twitterアカウント晒してみる

https://twitter.com/yu_siki

 
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