はてなキーワード: 伊藤とは
2014年9月 大学が不適格とした犯罪者から資金を得るための偽装工作(匿名化)
2019年8月 少女虐待の罪を犯した犯罪者だとは知らなかったと嘘の釈明
2019年9月4日 公民権運動の指導者などに相談した結果、メディアラボの再建を支援するために所長継続を明言
2019年9月6日 元職員が偽装工作を告発、メールのやりとりが記事に掲載される
2019年9月7日 数週間の熟慮の末、メディアラボ所長やMITの教授職を即刻辞めることが最善だと判断(メディア取材はすべて答えなかった)
今回の辞任劇は米誌ニューヨーカー(電子版)による6日の報道がきっかけだった。伊藤氏とメディアラボの同僚が、エプスタイン氏を寄付提供者として不適格な人物と認識し、記録上は匿名とするなど、交友関係を意図的に隠す行為をしていたと報じた。MIT側は米誌の報道を受けて調査を始めている。
How an Elite University Research Center Concealed Its Relationship with Jeffrey Epstein (The New Yorker)
Dozens of pages of e-mails and other documents obtained by The New Yorker reveal that, although Epstein was listed as “disqualified” in M.I.T.’s official donor database, the Media Lab continued to accept gifts from him, consulted him about the use of the funds, and, by marking his contributions as anonymous, avoided disclosing their full extent, both publicly and within the university.
9月4日(水)のラボ総会では、辞職を考えている様子はなく、償いの説明を台無しにされたネグロポンテ教授(メディアラボ創設者)に抗議している。
Director of M.I.T.’s Media Lab Resigns After Taking Money From Jeffrey Epstein (The New York Times)
But near the end, one of Mr. Ito’s staunchest supporters, Nicholas Negroponte, a founder of the media lab, said he had told Mr. Ito to take the money and would do it again. That prompted Mr. Ito to send an email to Mr. Negroponte in the middle of the night, complaining that he was undercutting his ability to make amends.
ネグロポンテ教授いわく、「俺が伊藤(所長)に(エプスタイン)からの金を受け取れっていったんだよ。同じことがあれば、またそうする(所長に金を受け取れっていう)よ。」
この発言の詳しい経緯は、エプスタイン資金問題を受け、メディアラボの総会で話されたことにある。
Director of M.I.T.’s Media Lab Resigns After Taking Money From Jeffrey Epstein (The New York Times)
At a meeting on Wednesday night with media lab personnel, Mr. Ito said he had “screwed up” by accepting the money, but that he had done so after a review by the university and consultation with his advisers.
水曜日のラボ総会で、伊藤氏は「(エプスタインから)金を受け取ったときはどうかしていた。しかし、大学に確認してもらって、アドバイザに確認してもらってから、金を受け取った」と説明していた。実際は、The New Yorkers の記事によれば、匿名化して資金を受け取った。記事が出る直前まで、資金は大学に確認してもらったと同僚にすら嘘をついて、所長の座に留まろうとした。
この伊藤氏を、MIT 関係者を多く含む233名が、保身のための嘘の謝罪を出した勇気と受け取った資金の返却の約束をとても尊敬しており、彼は、思慮深く、謙虚で、道徳観念がしっかりしていて、寛大である、と署名して認めている。支持者は、彼の嘘がばれたあと、この署名ページを削除している。
We greatly admire the courage behind Joi’s public apology for his connections to Epstein, and his commitment to financial restitution. ... to his character: thoughtful, humble, principled, and generous.
署名者の数名は エプスタイン事件が飛び火した伊藤穣一MITメディアラボ所長の支援サイト立ち上がる に紹介されている。この署名では自分たちを次のように評価している。
At MIT, we pride ourselves on our ability to rise above complex challenges and, with openness and rationality, improve ourselves and the world around us.
MIT 関係者だけでなく、取締役を務めていた財団やニューヨークタイムズも嘘がばれる前、伊藤穣一氏を次のように評価し、擁護していた。
Jeffrey Epstein’s Donations Create a Schism at M.I.T.’s Revered Media Lab
Other organizations have also stood behind Mr. Ito. The John S. and James L. Knight Foundation, where he has been on the board since 2011, said in a statement that it believed his apology “is sincere.” The MacArthur Foundation said Mr. Ito “has addressed his associations in a manner that warrants no action by the foundation at this time.” The New York Times Company, where Mr. Ito has been a board member since 2012, declined to comment for this article.
John S. and James L. Knight 財団 彼は誠実
MacArthur 財団 彼とエプスタインの関係で当財団が対処することが何もないと彼は説明してくれた
ニューヨークタイムズ コメント拒否(この記事はニューヨークタイムズに掲載されている)
yashinegi 「○○してた人は、なんで○○しないの?」は詭弁。なにに言及しようが自由だしそんな時間など無い。左右限らずこの手の物言いするやつは全員バカ。
石川 優実 twitter 8/27 ツイートが多いのでキーワード韓国 仕事でヒールを強制しないでの人
web.archive.org/web/20190826135208/https:/twitter.com/search?q=from:ishikawa_yumi+%E9%9F%93%E5%9B%BD
伊藤 春香 (はあちゅう) twitter 8/27 電通勤務時の上司のセクハラを告発
web.archive.org/web/20190826151326/https://twitter.com/ha_chu
上野 千鶴子 twitter 8/27 反レイシズム団体 のりこえねっと 共同代表 不都合なエビデンスは出さない人
web.archive.org/web/20190826143541/https://twitter.com/ueno_wan
太田啓子 twitter 8/27 ツイートが多いのでキーワード韓国キズナアイをNHKに出すのは女性差別
web.archive.org/web/20190826152328/https://twitter.com/search?q=%E9%9F%93%E5%9B%BD+from%3Akatepanda2
辛 淑玉 twitter 8/27 反レイシズム団体 のりこえねっと 共同代表
web.archive.org/web/20190826145854/https://twitter.com/shinsugok
千田有紀 twitter 8/27 キズナアイをNHKに出すのは女性差別
web.archive.org/web/20190826151744/https://twitter.com/chitaponta
中沢 けい twitter 8/27 反レイシズム団体 のりこえねっと 共同代表
web.archive.org/web/20190826144829/https://twitter.com/search?q=%E9%9F%93%E5%9B%BD+from%3Akei_nakazawa
水原希子 広告撮影で、拒否したが多数の男性たちに撮影を見学されたことを告発
web.archive.org/web/20190826160247/https://twitter.com/kikoxxx
みなさん、お忙しいですね。
SSクラス 江藤淳、柄谷行人、廣松歩、栗本慎一郎、谷沢永一、村上泰亮、中村元
Sクラス 小室直樹、浅田彰、福田和也、渡部昇一、呉英智、蓮實重彦、永井陽之助、中村雄二郎、すが秀実、佐伯啓思、高澤秀次、筒井康隆、小谷野敦、菅野覚明、養老孟司 見田宗介、佐藤誠三郎、大森荘蔵、西部邁
Aクラス 丸山眞男、吉本隆明、長谷川三千子、丸山圭三郎、橋本治、村上陽一郎、佐藤優、松岡正剛、伊藤貫、猪木武徳、坂部恵、坂本多加雄、大澤真幸、中川八洋、永井均、野矢茂樹、小浜逸郎、飯田隆、河合隼雄、片岡鉄哉、鎌田東二、梅棹忠夫、竹内洋、山本夏彦、山口昌哉、入江隆則、
Bクラス 猪瀬直樹、坪内祐三、中沢新一、御厨貴、橋爪大三郎、鷲田清一、北岡伸一、池田清彦、中西輝政、立花隆、山本七平、宮台真司、桶谷秀昭、宮崎哲弥、司馬遼太郎、古田博司、市川浩、東谷暁、苅谷剛彦、秋山駿、関岡英之、加藤尚武、浅羽通明、松原隆一郎、東浩紀
Cクラス 中島岳志、鎌田哲哉、兵頭二十八、内田樹、森本敏、村上龍、西尾幹二、仲正昌樹、大江健三郎、齋藤孝、森岡正博、富岡幸一郎、小泉義之、井沢元彦、桝添要一、中西寛、中島義道、鄭大均、山内昌之、村田晃嗣、山形浩生、林道義、松本健一
Dクラス 斎藤環、福岡伸一、副島隆彦、榊原英資、梅原猛、寺島実郎、佐藤健志、大塚英志、五木寛之、笠井潔、潮匡人、高橋源一郎、岸田秀、山田昌弘、竹中平蔵、池田信夫、萱野稔人、大川隆寛、大森望、櫻田淳、上田紀行、手嶋龍一、和田秀樹、藤原正彦、中野剛志
Eクラス 佐々木中、村上春樹、三橋貴明、田原総一郎、木村太郎、池上彰、竹田恒泰、切通理作、島田雅彦、酒井信、夏野剛、苫米地英人、上野千鶴子、姜尚中、鷲田小爾太、竹田青嗣、小阪修平、佐藤亜紀、
Fクラス 糸井重里、加藤典洋、中上健次、勢古浩爾、北田暁大、藤原和博、小熊英二、佐々木俊尚、西條剛央、玄田有史、城繁幸、茂木健一郎、岩田温、千葉雅也、岡田斗司夫
Gクラス 小林よしのり、宇野常寛、勝谷誠彦、荻上チキ、鈴木謙介、勝間和代、伊坂幸太郎、濱野智史、赤木智弘、坂本龍一、いとうせいこう、上杉隆、酒井順子
Hクラス みのもんた、久米宏、古舘伊知郎、ハマコー、太田光、水道橋博士、テリー伊藤、リリー・フランキー、コシミズ、香山リカ、森永卓郎、ホリエモン、津田大介、ひろゆき、中村うさぎ、雨宮処凛、桜井誠
暇なのでセブンアイHDのIR資料を読んでいたら、面白いことに気付いてしまったので書きます。
結論から言うと、セブンペイの失敗の原因は2016年にあった!
というお話です。
セブンアイHDのIR資料って、ずっと英語で書かれていたのに、2016年からいきなり日本語になってるんです。
内容も、経営計画とか今後の事業展開とか海外展開とか株主向けっぽい内容から、2016年以降は「地域貢献」やら、やたら国内に向けた作りになってる。
これは2016年に何かが起きた。
そう思って調べてみたら、どうやら2016年5月、「セブンの乱」と言われるお家問題が起きていたようです。
これはどういう出来事だったかというと、25年会長を務めていた鈴木敏文氏が退任し、当時セブン-イレブン・ジャパン社長だった井阪隆一氏が社長に就任したんですね。
これがなぜお家問題かといいますと、セブン&アイHDには、「2人の創業者」がいるのです。
まず、イトーヨーカドーを興し、総合スーパーを創り上げた伊藤雅俊氏。(2016年当時名誉会長)
もうひとりが、セブンイレブンを興した、日本のコンビニの生みの親である鈴木敏文氏。(2016年当時会長)
そして、このお二方の子どももまた、対立とは言いませんが、全く異なるキャリアを歩んでいます。
まず、伊藤雅俊さんの次男、伊藤順朗(セブン&アイHD取締役常務執行役員)氏のキャリアです。
三井信託銀行に入行。退社後、米クレアモント大学経営大学院に留学、MBAを取得。
90年にセブン-イレブン・ジャパンに入社。2002年に取締役、07年に常務執行役員マーケティング部長に就任。
16年12月に取締役常務執行役員へ昇格して経営推進室長に就き、17年3月には事業子会社イトーヨーカ堂の取締役を兼務。
次に、鈴木敏文氏の次男、鈴木康弘氏(セブン&アイHDの取締役を退任、2016/12退社)。
武蔵工業大学(現・東京都市大学)工学部電気工学科卒。富士通のシステムエンジニアを経てソフトバンクに転職。1999年、ソフトバンクがセブン-イレブン・ジャパンと設立したネット通販会社イー・ショッピング・ブックスの社長に就任。
同社が06年にセブン&アイHD傘下に入ると、システム基盤の整備などを担当。14年12月にCIO(最高情報責任者)に就き、15年5月には取締役に昇格。
伊藤氏の息子は経営畑、鈴木氏の息子はエンジニア畑。オムニチャンネルとかシステム系は、全てこの鈴木氏次男が進めたプロジェクトだったとです。
つまり、セブン&アイHDには、伊藤派と鈴木派の二派閥があったわけです。
登場人物をまとめると、陣営はこんな感じです。(役職は2016年当時)
<伊藤一派>
・伊藤雅俊氏の次男、伊藤順朗(セブン&アイHD取締役常務執行役員)→銀行出身のめっちゃ経営畑
<鈴木一派>
・鈴木敏文氏の次男、鈴木康弘氏(セブン&アイHDの取締役を退任、2016/12退社)→めっちゃエンジニア畑
ここから、セブンの乱、そしてセブンペイの悲劇へと繋がっていきます。
鈴木敏文「次男の康弘を取締役にしてネット戦略を任せるわ、エンジニアやし」(2015年)
↓
セブンアイ社内「えっ康弘を後継者にしようとしてるんじゃね」(ざわざわ)
↓
鈴木敏文「(伊藤派の)セブン-イレブン社長の井阪を解任したいんだが」(16年4月)
しかし、取締役会で否決! 逆に敏文は退任へ。後任には井阪氏が就いた。
↓
↓
康弘氏、2016年末に退社。17年3月、ITコンサルティング会社のデジタルシフトウェーブを設立。敏文氏が全額出資。
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内部での話は想像ですが、表に出ている
・鈴木敏文氏の退任
・鈴木康広氏の退社
を見ると、おおかた合っているのではないでしょうか。
要は、
「ネットをもっと強めろ!」という敏文会長のもと、息子の康弘氏が「オムニチャネル戦略」の責任者として動いていた。
しかし大抜擢が仇となり、後継者に据えようとしているとの憶測が広がった。
これに伊藤家側が激怒し、「セブンの乱」が起きた(鈴木派の追放と粛清)
ということです。
そこへ就任したのが、今回のセブンペイの責任者である、セブンイレブン副社長の後藤克弘氏だったのです。
そこで、セブンの乱で勝った井阪氏の経歴と後藤氏の経歴を照らし合わせましょう。
後藤氏は、2016年5月。セブンの乱の直後、井阪氏と同時期に役員に就任していますね。明らかに伊藤派です。
こうして鈴木氏の基盤を引き継いだ後藤氏ですが、オムニチャンネルもセブン銀行も、鈴木氏が作ったものです。
なにか新しいプロジェクトを起こさねば。それも、鈴木派の再興の目を潰すため、素晴らしい成果を出さねば。
セブンの乱により、エンジニア畑の経営者を失ったセブンアイHDの中で。
その中で生まれてきた哀れな子どもが、「セブンペイ」だったわけです。
後藤氏、というか伊藤派からすると、鈴木派の失脚から3年以内に結果を出したかったんでしょうね。
IR見てると、2018年で金融カテゴリの売上が初めてマイナス成長になってるし。2019年中のリリースが急務だったんでしょう。
コミックボンボンで選挙漫画が連載されていたら日本の歴史は変わっていたはず。
マスダボウト
俺の名は増田暴徒。名前から顔つきまでどこにでもいる普通の小学生。
そんな俺だけど、秘められた使命があるんだ★
『号外!号外!図書委員長は6年連続当選 光明院 健作くん!』
『神に感謝』
「ククク……順調だな」
「この学園も、もうじき……いや既に我らのものですな」
「フン……面白くもない」
「風紀委員長こそ学園の実質的な支配者、貴方様にこそ相応しいのでは?」
……
「(次の選挙もあいつらの好きにさせるわけにはいかない……)」
「やったー」
「是非投票してくれよ!」
「わーい」
すまん。
飽きた。
脳内設定だと合併のあおりによって人口ピラミッドに歪みが生じて高学年と低学年の比率が狂った学校が舞台になってたり、一票の格差を利用して謎の逆転を遂げたり、なんか色々あって小学生なのに選挙法違反で逮捕されるやつがでるはずだったんだがな。
飽きたわ。
ごめん。
つうかさ、選挙をテーマにした漫画とか見せられても子供が楽しめるとは思わんわ。
ひなまつりの選挙回みたいにギャグにしても1年持つとは思えない。
グルメ漫画ばりに嘘っぱちをつきまくって適当に勢いでなんとかしようにも、子供って意外とそういうの見抜くから呆れられて終わる。
難しいなー。
若年層に選挙に興味持ってもらうの難しいわ。
無理だー。
この国はもうだめだーおしまいだー
つうかね。
そもそも個人的にはさ、給食委員長沙羅曼蛇くんの元ネタと『華麗なる』ってセリフでもうこの増田は落ちてる辛さ、もうそこでどうでもいいんだよね。
ネタバレあるので、まだ観ていない人は右上の×を押してください。
新海誠監督の最新作『天気の子』を観てきました。「ヤフー映画」の感想とかを見ていると、新海監督が公開前に言ってたように「賛否両論」の様子。……しかし、否定的評価をしている人たちの感想を見てみると、「賛否両論以前の問題」で、人物描写が薄っぺらさを指摘している意見の多いのが印象的だった。
だが、待って欲しい。「人物造形が甘い」とか「人物描写が薄っぺらい」という批判を新海誠にするのはいかがなものか。そもそも、新海作品にこれまで重厚な人物描写などあっただろうか? 薄っぺらくない人物なんて一人としていただろうか?
まず、大ヒット作『君の名は。』で考えてみよう。瀧君も三葉も奥寺先輩も、ラノベ並みの、いや、そういう言い方はラノベに失礼なくらい、ペラペラの薄さだったと思いますよ。三葉の悪口を言ってた同級生たちなんか、当社調べでは0.01mmの薄さで、わが日本が誇るコンドーム会社オカモトが対抗意識を覚えるくらいの薄さじゃないですか。
『秒速5センチメートル』も同じ。主人公(遠野君)は半年前に転校したメンヘラ気味の女の子に会うために、東京から栃木に電車で向かう。しかし、大雪のために途中で電車は大幅に遅延する。その時の主人公(遠野君)のモノローグを皆さん覚えていますか?
「たった一分がものすごく長く感じられ、時間ははっきりとした悪意を持って、僕の上をゆっくりと流れていった。」
ごめん。最初『秒速5メンチメートル』を見た時、私はここで腹痛くなるほど笑い転げて、逆に何度もここを再生しましたよ。もうね、ほんとリアル中学二年生でもこんなポエムを呟かないですよ。時間は君に悪意を持つほど暇じゃないと思うんだよね。たんに大雪のために電車が遅延してるだけやん……
未見の方いたら、すみません。この電車の遅延、単なる一つのエピソードじゃなくて、『秒速』のなかでは、物語の要となるようなエピソードなんです。
意味不明自己満SF『雲の向こう、約束の場所』、ジブリを真似た結果盛大にコケた『星を追うこども』。これらも、人物描写は書道半紙なみの薄さです。
『言の葉の庭』も、ストーリーや人物描写の甘さについては微笑せずにはいられません。ユキノ先生がいじめられてる理由とか、いじめてる生徒の描写とか、これ薄っぺらくないと思う人いるの……?
まあ、いるんだと思う。それはそれでいい。私が言いたかったのは、『天気の子』が「薄っぺらい」という理由で批判されるのは不合理だということである。初めっから薄っぺらいし、中二病だし、セカイ系だし、自意識過剰のウィスパーヴォイスがうざいし。そんなこと、分かり切ったことじゃない。それを今更批判したってどうしようもなくない?
というわけで、『天気の子』もただひたすらに薄っぺらいわけです。ストーリーや人物描写の説得力とかには期待したらダメ。リアル中学生でも、もう少し人間に対する洞察力をもった人は五万といる。そのレベルです。主人公はどうやら「神津島」から家出をして「東京」にフェリーでくるわけですが、家出の理由、とくになし。至って普通の家庭で、酷いイジメにあっていたとかでもない。なんとなく嫌だったから、くらいのノリ。いわゆる反抗期? なんとなく盗んだバイクで走りだしたい気分? サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて(The Catcher in the Rye)』を持っていたけど、まさかサリンジャーに感化されて?(笑) いや、笑いごとじゃなくて、マジで新海はそのレベルでなんとなく家出をさせてOKだと思っている人なんですよ。
じゃあ、なんでそんな薄っぺら新海作品はこれまで評価されてきたのか? とくに『君の名は。』の歴史的ヒットはなんだったのか? 問題はそこにいたる。
第一に挙げなくてはならないのは、美しい背景描写だろう。カメラレンズを強く意識して、超広角レンズや逆光、望遠などが多用される。しかし、実際のカメラではあんなに綺麗に映ることはない。細かいファンタジックな「嘘」がそこかしこに散りばめられている。ありえそうだけどありえない風景。新海が描き続け、そして観客を魅了しているのは、そうした風景にあるんじゃないのか。もっとも、この美しい風景も、セカイ系の、センチメンタルな自意識過剰の、中二病ポエムではないのか、と反問されるだろうが、それについて私は次のように答えるしかない。「いかにも、その通り」
で、そこから「新海誠=童貞」のような公式がでてくるわけだ。「たぶん新海さんは楽しい恋愛を高校時代にしたことがないんじゃないですか」(石田衣良)という言葉が出て来る所以であろうが、これについては一言。たしかに新海誠は自意識過剰の中二病ポエマーであるかもしれないが、全ての童貞が自意識過剰の中二病ポエマーであるわけではないし、またその逆もしかりである。童貞に対して失礼である。石田衣良には猛省を促したい。
さて、『君の名は。』ヒットの理由について語るのは当然のことながら難しい。だが、これを見た人の多くが「東日本大震災」を想起したことは無視できるものではないだろう。『君の名は。』は、良くも悪くも「震災芸術」であり、『君の名は。』の賛否両論の根底にあるのも、「震災をなかったことにしてもいいのか」というこの作品についての疑問から生じているだろう。
『君の名は。』には、カタルシス(浄化作用)がある。瀧君と三葉の恋物語以上に、この映画で「主役」となっているのは「彗星」であり「隕石」である。突拍子もないことのように思われるかもしれないが、これは演出上も疑いを得ないことである。このことについては伊藤弘了という人が「恋する彗星──映画『君の名は。』を「線の主題」で読み解く」という卓抜な評論を書いているので一読を勧めたい(http://ecrito.fever.jp/20170123213636)。
少しだけ説明する。「糸守湖」が出来たのは劇中でも語られるように、1200年前にここに隕石が墜落したことにするものだ。瀧君と三葉は三年の時間差を越えて出会いを果たすわけだが、その奥には1200年という長大な時間を経て、同じ彗星が墜落するわけで、あの惨劇を生み出した隕石は、それ自体、隕石の恋物語でもあったというわけだ。瀧君と三葉の悲恋は、その運命を受けいれて、むしろその「運命そのもの」に同化するような形で、自己を超越した恍惚体験へと昇華する。これが、『君の名は。』のインパクトである。伊藤は言う。
観客は人智をはるかに超えたティアマト彗星の壮大な恋物語のうちに自らの似姿を見出し、同時に自己自身を超越する感覚を疑似体験する。これが本作の記録的大ヒットを支えた一因である。
この伊藤の読みは、それ自身、私も正しいと思う。ちょうど隕石が地球を目がけて猛烈ないきおいで突進してくる際に流れるRADWIMPSの「スパークル」の歌詞をここで引用しておこう。
伸ばそうと届かない 場所で僕ら恋をする
いわゆる「サビ」の部分がはじめて出て来るのは、隕石墜落のシーンなのである。彗星は隕石と化して「いまだかつてないスピードで君のもとへダイブを」するわけである。観客はかくして、瀧君でも三葉でもなく「隕石」に感情移入をすることになる。それによって、運命を超越した運命とでもいうべきものに同一化し、「自己自身を超越した感覚を疑似感覚」させるのが『君の名は。』である。ちなみに言っておくと、これは何も新しい話ではなく、ギリシア悲劇の古典的なパターンであり、「悲劇」の快楽そのものである。この点についてはニーチェの『悲劇の誕生』を参照して欲しい。
要点のみを記す。1200年前に糸守町に落ちた彗星は偶然の産物である。劇中で墜落する彗星の《片割れ》もまた偶然の産物である。その偶然をしかしながら運命的なものにするのが『君の名は。』のドラマである。隕石は、人間の視点からはどうしようもない《偶然的=運命的》なものであり、それが世界に災厄をもたらす。それは《悲劇》である。ニーチェが述べるように、悲劇とは一方では自身が運命に翻弄され自身の非力さを痛切に認識した上で、他方ではそうした小さな自己を超越し運命そのものに一体化する感覚のあるところに《悲劇》の快楽があるのだとすれば、『君の名は。』における悲劇とは、次のようなものである。(A)それは自己の意志の無力と運命の強調という形で行われるのではなく、(B)確かに一方では自己の意志の無力さを痛感させられるが、星の動きはたんに災厄をもたらす運命だけではなく、同時に強烈な人間的な意志でもあるのであって、運命から逃れていく偶然の力として描かれるのである。ここにおいて、まことに《運命=偶然》という奇跡的な場所での物語が描かれるのであって、その強烈さに私たちは感動をするのである。
震災を《運命=偶然=意志=恋》と化すことにより、現実の震災を美的に昇華してしまうのが『君の名は。』である。『君の名は。』は過去にタイムトラベルすることで「震災をなかったこと」にするだけではなく、上に書いたように、情動レベルで震災というトラウマを「昇華」させて、フロイト流にいうならば「喪の作業」を遂行することを促進するのである。「昇華」とは、「忘却」の別名である。
こうしたところが、『君の名は。』の慧眼な人々に批判される所以であるだろう。
だが、どうだろう。《忘れない》ことが一つの倫理であることは疑わないが、《忘れる》ことも一つの生き方として否定されるものではないのではないか。また、《忘れさせる》ことを描いたものが《覚えられる》ということ自体が、完全な忘却からは救うはずだと私は考えるが、いかがだろうか。
──ライトな語り口で始めたのに、全然そうではなくなった。そして、肝心の『天気の子』にまだまだ辿りつけていない。次回、『天気の子』の内容に踏み込んでいきます。
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第なまい伊藤なハニ、でもいんじゃない
でもいんじゃない、あたまらんらんらんっらんらんん~~~~
第なまい伊藤なハニ、でもいんじゃない
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タンタンタコス、タンタンタコスゥーwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
らんらんらんwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
あsどふぃあjsどふぃあjsどいfじゃspどい
ソースは売りスレ。アベマタイムズさんには早く訂正してもらいたいですね。
362 (2) :名無しさん@封鎖中@無断転載厳禁(1gDqQhPVjm6):2019/07/10(水) 20:02:12.83 ID:XNtejXWw0 [25] NGID
あっ・・・・
368 :名無しさん@封鎖中@無断転載厳禁(zu9QzZMWjHg):2019/07/10(水) 20:02:48.36 ID:q0HFJ4xk0 NGID
276 (1) :名無しさん@封鎖中@無断転載厳禁(none):2019/07/10(水) 22:22:50.01 ID:562764970P [2] NGID
星野ロミ事件でやらおんの本名ここで出てたけどイトウケイスケってマジなん?
287 :名無しさん@封鎖中@無断転載厳禁(none):2019/07/10(水) 22:23:49.20 ID:562765029P NGID
「動物心理学」は動物の学習、知覚、認知、生理機構といった諸形質の放散と収斂の原理と過程の解明を目指す心理学の一領域である。
心理学全体の中ではマイナーではあるが、国内の研究者の集まりである「動物心理学会」は、実は数少ない戦前から続く (1933年発足) 学会であったりもする (ただし、悲しいことに、動物心理学が学べる大学は減り続けている)。
だが、動物心理学を学びたいと思った学生が、何から手を取ればいいのか、あまり紹介の記事が世に出回ってない気がした。そこで、独断と偏見で、オススメの書籍を挙げてみた。番号はオススメ順とかではなく、特に意味はない。気になったものを読めば良いと思う。
(1) 動物たちは何を考えている? -動物心理学の挑戦- (技術評論社)
日本の動物心理学の主だった研究者たちが、動物心理学の代表的な研究について平易に語った本
(2) パピーニの比較心理学―行動の進化と発達 (北大路書房)
マウリシオ・R. パピーニ (著)
日本語で鈍器のような大きさでまとまっているのはこれくらいか?
(3) 鳥能力―小さな頭に秘められた驚異の能力 (化学同人)
渡辺 茂 (著)
筆致が軽やかで、ベッドの上で寝転がりながら読んでも十分に理解できる。書名通り鳥限定であるが、名著である。
(4) ハトがわかればヒトもわかる―比較認知科学への招待― (共立出版)
渡辺 茂 (著),
動物行動学の創始者のローレンツがいかに動物と向き合い、その行動を観察していたのかを記したエッセイ
ローレンツの論文は難解で読みづらいことで有名だが、一般向けの著書は対照的に驚くほどとっつきやすい
(6) タコの心身問題――頭足類から考える意識の起源 (みすず書房)
哲学者である著者がダイビングでタコ・イカと接することを通じて彼らの生き方
タコとて侮るなかれ。動物心理学を志す者が覚えていてほしい動物との向き合い方がぎっしり詰まった一冊である。
(7) 動物心理学史―ダーウィンから行動主義まで (誠信書房)
R. ボークス (著)
動物心理学が、いかなる過程で独立した分野として成立したのかを述べた本
ダーウィン (著)
言わずと知れた、ダーウィンの古典である。いつ読んでも何かしら発見があるもので、それが古典が古典である所以なのだ。
余談だが、動物行動学の論文でダーウィンが扱った問題を再び取り上げるときは “Charles Darwin once said…” という殺し文句で始めることがある。
「脳」の起源と、その発生、さらには脊椎動物の脳のデザインがいかに生じたのかを、ホヤから霊長類研究者まで多彩な研究者が論じた本
図や動画が手に入るURLのQRコードがついてくる嬉しいおまけつき
(10) 感覚器の進化―原始動物からヒトへ水中から陸上 (ブルーバックス新書)
岩堀 修明 (著)
眼はいかにして出来上がったのか?感覚器 (視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚) が現生の形になった進化の道筋を解説した本
ユクスキュル (著), クリサート (著)
比較生理学の祖、ヤーコプ・フォン・ユクスキュルが豊かな想像力で動物の生理学的機序からその「環世界」について語った本
名著中の名著である
ヤーコプ・V・ユクスキュル
同著者が、生物の生きる、その固有な世界像について、当時の解剖学的知見と合わせてより詳しく解説した本
(13) あなたのなかのサル―霊長類学者が明かす「人間らしさ」の起源 (早川書房)
フランス・ドゥ・ヴァール (著)
ドゥ・ヴァールはかなり擬人主義的な研究者で、研究者によって評価が真っ二つに分かれる。動物心理学も一枚岩ではない。氏の著作に同意するかどうかは、自分をどのような立脚点に置きたいのかをはっきりさせる意味でも一度は目を通すと良いだろう。
スティーヴン ミズン (著)
人間の心はいかに生まれたか?スティーヴン・ミズンは「元は個別の用途に進化させた認知機能が、文脈を問わず適用できるようになった」認知的流動性により、高度に柔軟な我々の心が生じたと考える
内容は既にやや古いが、独創的な論考の面白さは色褪せない
佐藤 方哉 (著)
行動主義心理学のエッセンスが詰まった本。絶版なので図書館で探そう。
「行動主義」的なものの見方は、認知研究では棄却すべき対立仮説として扱われることが多い。しかし、実際にはその対立仮説は多くの場合単なる誤解であり、藁人形を叩いているに過ぎない。
箱田 裕司 , 都築 誉史 他
比較認知科学は、動物心理学の中でも、動物の認知機能を種間で比較し、その種差や共通性を描出する分野である。比較認知科学の実験では概念や手続きが認知心理学のものを援用することが多い
従って、認知心理学についてよく知るのが重要なのは至極当然なのだ
池内 昌彦 (監修, 翻訳), 伊藤 元己 (監修, 翻訳), 箸本 春樹 (監修, 翻訳), 道上 達男 (監修, 翻訳)
今日、科学の分野間の壁はますます小さくなり、生物学と動物心理学をことさらに区別する必要性も薄くなりつつある。
とはいえ、原書版は鈍器のように重たいので、エッセンシャル版の方が挫折しないと思われる。
泰羅 雅登 (監修, 翻訳), 中村 克樹 (監修, 翻訳)
同様の理由で、自身が神経科学を取り入れるか別に、神経科学についてもどこかで通っておいた方が良いかと思われる。
そもそも、「動物心理学に固有」な方法論というのは現代にはなく、近隣領域と連続的なつながりを持って成立しているのだ。
心理学の成り立ちに関して、コンパクトかつしっかりまとまった本
歴史を学ぶと、どこかで役に立つ。物理学者エルヴィン・シュレディンガーの言葉を引いておこう。
歴史は, あらゆる学問の中で最も基本的なものである。なぜなら、人間の持つ知識には、その成立条件や解決してきた問題や, 果たすべき機能が忘れ去られた場合, その学問的意義を失わないものは存在しないからである。
横澤 一彦 (著)
視覚に興味があるなら、読んでおいて損はない。
(21) メイザー学習と行動 (二瓶社)
ジェームズ・E. メイザー (著), James E. Mazur (原著), 磯 博行 (翻訳), 坂上 貴之 (翻訳), 川合 伸幸 (翻訳)
学習完全に理解したマンになりたい人が必ず読む本。学習完全に理解したマンになりたいなら読もう。
次に読む本としては『オペラント心理学入門―行動分析への道』も良い本である。
(22) 古典的条件づけの理論―パヴロフから連合学習研究の最先端まで
入門レベルでは「犬とベルと唾液」くらいにしか教わらない古典的条件づけが、いかに奥深く、理論的な探求に富んだ領域なのかが概観できる。例えるなら魔術書である。
(23) 感じる脳 情動と感情の脳科学 よみがえるスピノザ (ダイヤモンド社)
これも動物の研究者の本ではないが、ダマシオは身体性を重視する立場の認知神経科学の方向を作った一人だ。
ダマシオは多作で、『デカルトの誤り』『自己が心にやってくる』など、他の著書も面白い。
リチャード・ドーキンス (著)
進化学流布の急先鋒、ドーキンスの一般向け書籍。同氏がスリリングな筆致で進化について語る。
『利己的な遺伝子』の方が有名だが、オシャレさでは『盲目の時計職人』の方が上だ。
V・S・ラマチャンドラン (著), サンドラ・ブレイクスリー (著)
これの動物の研究者ではなく、ヒトの神経科学者の本であるが、大変面白い逸話がたくさん載っているので挙げた。
続編に『脳の中の幽霊再び』『脳の中の天使』も出ていて、どれも楽しく読める
鳥にも我々と同じように目・耳が二つ、舌が一つ、皮膚には触覚受容器が備わっている。しかし、世界の見え方はまるで違うことがわかっている。彼らの感覚世界について、鳥類学者が一般向けに語った本
鳥の代表的な認知研究について、各項目2p程度でまとまった入門書。どんな研究が、どのような方法で行われているのか、ざっと知るにはぴったりである。
ちょっと邦題が間抜けな感じがするが、原題は "Bird Brain: An Exploration of Avian Intelligence” である。
生物という視点から「心」がどのように形成されたのかを解説した本
まとめ方が独特だが、面白いことには間違いない
岡ノ谷 一夫 (著)
動物のコミュニケーションはヒトの「人間らしさ」について何を語るか?
元が高校生向けの連続講義であったらしく、大学生なら誰でも読める。
おまけ
リチャード P. ファインマン
日本社会は表向き実力主義、成果主義を掲げつつ、未だ学歴主義体質が根強いと言われている(渡辺,2006)。そのような社会の中で、大学進学者の割合が初めて5割を超え(文部科学省,2009)、数十年前と比較して高学歴化が進んでいる。全入時代までは至らないが、志望大学に拘らなければ受験生の9割超が大学に進学できる時代となった。今後は大卒の肩書きのみでなく、大学の知名度や質を重視する傾向が強まり、受験競争はさらに激化するとも考えられる。ここで問題となるのが、受験という競争に伴う敗者と勝者の存在である。彼らが過剰な挫折感や劣等感、あるいは優越感に囚われた場合、学歴コンプレックスとして諸々の心理的、社会的な問題を引き起こす。しかし現状は、定義自体が曖昧であるため、研究者独自の概念や言葉で当問題が扱われている。そこで、今回は心理学分野での学歴コンプレックスに関する研究に注目し、考察と今後の展望を述べることとする。
学歴コンプレックスとは、不満足の原因を自己あるいは他者の学歴に関連づけることで感じる、劣等感や自尊心のこと(鷲田,1995)であり、学歴に対して劣等感を抱く場合と学歴への誇大な自尊心を抱く場合の2層に分けられる。両層に共通する主な特徴は、以下の3点に集約される。第1に、自己の実力不足や失敗を過度に学歴に帰属すること、第2に、自己だけでなく他者をも学歴で評価すること、そして最後に、学歴ばかりに囚われ学業という本来の目的を見失いかねないことである。これらの根底には、学歴が高いほど将来は報われると考える「学歴社会意識」(安藤,2007)や有名大学の進学のみに価値を見出す「学校歴主義」(野田,1996)といった学歴志向の存在が窺える。層別に見ると、劣等感層では上述の志向に加え、入試時に第1志望に落ちて仕方なく所属大学に入った「不本意入学」(伊藤、1995)がコンプレックスの主要因となっている。そして、不本意感から多浪や仮面浪人、退学を繰り返す再受験症候群や、国公立大の進学者を優遇する国公立大学至上主義下での私大進学者なども本層に含まれる。一方、誇大な自尊心層では、学歴社会の勝者であるがゆえに、学歴に比例して自己を過大評価する傾向がある。その裏には人柄や実力よりも学歴イメージが先行する、レッテルとしての学歴の影響が見られる。その他、学歴に見合った社会的待遇でないと受け入れられない学歴保証の希求や、就職時に多い高学歴者の挫折体験等の問題も挙げられている。これらの学歴コンプレックスに伴い、失敗感、挫折感からくる無気力や自尊心低下、不本意感に由来する不適応や抑うつ状態といった心理的問題に加え、充実感や生き甲斐の欠如、自我同一性拡散の深化など、生き方そのものに関わる問題の存在も示唆されている。また、学歴志向や進学観が親子間で継承される(吉川,2005)ように、親子間でのコンプレックスの継承や家庭内の学歴格差によるコンプレックスなど、個人のみでなく世代間に学歴問題が発展する可能性もある。
先行研究は、学歴コンプレックスを多側面から検討し、日本独自の学歴観や学歴の持つ意味、学歴が認知や思考に及ぼす影響について言及した点で、学歴問題の諸相と今後の研究可能性を提示した意義を有する。今後の展望としては、同じ状況下で不適応に陥る人とそうでない人との相違や学歴にまつわる不適応への対処法など、臨床実践に向けた研究を進めていく必要がある。
安藤聡一朗 (2007).学歴社会意識とスチューデント・アパシーとの関係についての考察 学習院大学人文科学論集,16,137-165.
池上知子 (2004).「学歴社会」に対する意識と大学の自己同一視との関係 愛知教育大学研究報告(教育科学),53,79-86.
伊藤美奈子 (1995).不本意就学類型化の試みとその特徴についての検討 青年心理学研究,7,30-41.
吉川徹 (2005).7-106間移動を考える.日本教育社会学会大会発表要旨集録,(57),44-45.
文部科学省 (2009).平成21年度学校基本調査.2010/02/02情報取得
野田陽子 (1996).学歴観の構良智 (学生とその親の学歴観の分析をとおして― 淑徳大学研究紀要,30(II),87-113.
鷲田小弥太 (2005).コンプレックスに勝つ人、負ける人PHP研究所渡辺山.