「2027年」を含む日記 RSS

はてなキーワード: 2027年とは

2024-06-05

I.GPT-4からAGIへ:OOMを数える(10)

繰り返しになるが、非常に賢いChatGPT想像するだけではいけない。趣味的な進歩ではなく、リモートワーカーや、推論や計画エラー訂正ができ、あなたあなた会社のことを何でも知っていて、何週間も単独問題に取り組めるような、非常に賢いエージェントのようなものになるはずだ。

私たち2027年までにAGIを実現しようとしている。これらのAIシステムは、基本的にすべての認知的な仕事リモートでできるすべての仕事を考える)を自動化できるようになるだろう。

はっきり言って、エラーバーは大きい。データの壁を突破するために必要アルゴリズムブレークスルーが予想以上に困難であることが判明した場合データが足りなくなり、進歩が停滞する可能性がある。もしかしたら、ホッブリングはそこまで進まず、専門家の同僚ではなく、単なる専門家チャットボットに留まってしまうかもしれない。もしかしたら10年来のトレンドラインが崩れるかもしれないし、スケーリングディープラーニングが今度こそ本当に壁にぶつかるかもしれない。(あるいは、アルゴリズムブレークスルーが、テスト時間計算オーバーハング解放する単純なアンホブリングであっても、パラダイムシフトとなり、事態さらに加速させ、AGIをさらに早期に実現させるかもしれない)。

いずれにせよ、私たちOOMsを駆け抜けているのであり、2027年までにAGI(真のAGI)が誕生する可能性を極めて真剣に考えるのに、難解な信念は必要なく、単に直線のトレンド外挿が必要なだけである

最近、多くの人がAGIを単に優れたチャットボットなどとして下方定義しているように思える。私が言いたいのは、私や私の友人の仕事を完全に自動化し、AI研究者エンジニア仕事を完全にこなせるようなAIシステムのことだ。おそらく、ロボット工学のように、デフォルト理解するのに時間がかかる分野もあるだろう。また、医療法律などの社会的な普及は、社会選択規制によって容易に遅れる可能性がある。しかし、ひとたびAI研究のもの自動化するモデルができれば、それだけで十分であり、強烈なフィードバックループ始動させるのに十分であり、完全自動化に向けて残されたすべてのボトルネック自動化されたAIエンジニア自身解決することで、非常に迅速にさらなる進歩を遂げることができるだろう。特に、数百万人の自動化された研究者たちによって、アルゴリズムさらなる進歩のための10年間が1年以内に圧縮される可能性は非常に高い。AGIは、まもなく実現する超知能のほんの一端に過ぎない。(詳しくは次の記事で)。

いずれにせよ、目まぐるしい進歩のペースが衰えることはないだろう。トレンドラインは無邪気に見えるが、その意味するところは強烈である。その前の世代がそうであったように、新世代のモデルが登場するたびに、ほとんどの見物人は唖然とするだろう。博士号を持っていれば何日もかかるような信じられないほど難しい科学問題を、間もなくモデル解決し、あなたコンピュータのまわりを飛び回り、あなた仕事をこなし、何百万行ものコードからなるコードベースゼロから書き上げ、これらのモデルによって生み出される経済的価値が1年か2年ごとに10倍になるとき、彼らは信じられないだろう。SF小説は忘れて、OOMを数えよう。AGIはもはや遠い空想ではない。単純なディープラーニング技術スケールアップすることがうまくいき、モデル学習したがり、2027年末までにさら100,000倍を超えようとしている。私たちよりも賢くなる日もそう遠くはないだろう。

https://situational-awareness.ai/wp-content/uploads/2024/06/gan_progress-1.jpeg

GPT-4はほんの始まりに過ぎない。GANの進歩に見られるように)ディープラーニング進歩の速さを過小評価するような間違いを犯さないでほしい。

続き I.GPT-4からAGIへ:OOMを数える(11) https://anond.hatelabo.jp/20240605212014

状況認識:今後10年の展望 -- はじめに

X (twitter) で SITUATIONAL AWARENESS: The Decade Ahead https://situational-awareness.ai/ というのが回ってきて非常に示唆に富むものだったので、DeepL (無料API経由) で訳してみた。

レオポルド・アッシェンブレナ2024年6月

サンフランシスコに行けば、まず未来が見える。

この1年で、街の話題100億ドルコンピュート・クラスターから1000億ドルクラスター、そして1兆ドルクラスターへと移り変わってきた。半年ごとに、役員室の計画にまたゼロが追加される。その裏では、残りの10年間に利用可能なすべての電力契約と、調達可能なすべての電圧変圧器を確保しようとする熾烈な争いが繰り広げられている。アメリカ大企業は、アメリカ産業力を結集させるために、何兆ドルもの資金を注ぎ込む準備を整えている。ペンシルベニア州シェールフィールドからネバダ州太陽光発電所まで、何億ものGPUが稼働する。

AGI競争が始まったのだ。私たち思考し、推論できるマシンを作りつつある。2025年から26年にかけて、これらのマシンは多くの大学卒業生凌駕するだろう。10年後までには、これらのマシンは私やあなたよりも賢くなり、本当の意味での超知性を手に入れるだろう。その過程で、この半世紀には見られなかったような国家安全保障の力が解き放たれ、やがて「プロジェクト」が始動する。運が良ければ、中国共産党との全面的競争になり、運が悪ければ全面戦争になる。

今、誰もがAIについて話しているが、何が自分たちを襲おうとしているのか、かすかな光明を感じている人はほとんどいない。Nvidiaアナリストは、まだ2024年ピークに近いと考えている。主流派評論家たちは、「次の言葉予測するだけだ」という故意盲目に陥っている。彼らが見ているのは誇大広告といつも通りのビジネスだけで、せいぜいインターネット規模の新たな技術革新が起こるのを楽しむ程度なのだ

やがて世界は目を覚ますだろう。しかし、今現在、状況認識を持っているのはおそらく数百人で、そのほとんどはサンフランシスコAI研究所にいる。運命不思議な力によって、私はその中に身を置くことになった。数年前、このような人々はクレイジーだと揶揄されたが、彼らはトレンドラインを信頼し、過去数年間のAI進歩を正しく予測することができた。この人たちが今後数年についても正しいかどうかはまだわからない。しかし、彼らは非常に賢い人々であり、私がこれまでに会った中で最も賢い人々である。おそらく、彼らは歴史の中で奇妙な脚注となるか、あるいはシラードやオッペンハイマーテラーのように歴史に名を残すだろう。もし彼らが未来を正しく見ているとしたら、私たちはとんでもないことになる。

私たちが見ているものを教えよう。

目次

エッセイはそれぞれ独立したものですが、シリーズ全体として読むことを強くお勧めします。全エッセイPDF版はこちら。

はじめに 【このページ】

歴史サンフランシスコで生きている

I.GPT-4からAGIへOOM(Orders of Magnitude)を数える

2027年までにAGIが実現する可能性は極めて高い。GPT-2からGPT-4までの4年間で、私たちは~未就学児から~賢い高校生までの能力を手に入れた。計算能力(~0.5桁またはOOMs/年)、アルゴリズム効率(~0.5OOMs/年)、および「趣味のない」向上(チャットボットからエージェントへ)のトレンドライントレースすると、2027年までに再び未就学児から高校生サイズ質的ジャンプが起こると予想される。

II.AGIから超知能へ:知性の爆発

AI進歩人間レベルでは止まらない。何億ものAGIがAI研究自動化し、10年に及ぶアルゴリズム進歩(5以上のOOM)を1年以下に圧縮することができる。私たちは、人間レベルから超人的なAIシステムへと急速に進化することになる。超知能の威力危険性は劇的なものとなるだろう。

III.課題
IIIa.兆ドルクラスタへの競争

驚異的な技術資本の加速が始まっている。AI収益が急増するにつれ、10年末までに何兆ドルもの資金GPUデータセンター、電力の増強に投入されるだろう。米国の電力生産を数十%増加させるなど、産業界の動員は激しくなるだろう。

IIIb.研究所の封鎖AGIのセキュリティ

米国の主要なAI研究所は、セキュリティを後回しに扱っている。現在、彼らは基本的にAGIの重要な機密を銀の皿に載せて中国共産党に渡している。AGIの秘密とウェイトを国家機関の脅威から守るには膨大な努力必要であり、我々はその軌道に乗っていない。

IIIc.スーパーアライメント

我々よりもはるかに賢いAIシステムを確実に制御することは、未解決技術問題である解決可能問題ではあるが、急速な知能の爆発が起きれば、物事簡単にレールから外れてしまう。これを管理することは非常に緊張を強いられるだろう。

IIId.自由世界勝利しなければならない

スーパーインテリジェンスは、経済的にも軍事的にも決定的な優位性をもたらすだろう。中国はまだゲームから抜け出してはいない。AGIをめぐる競争では、自由世界の存亡がかかっている。我々は権威主義的な大国に対する優位性を維持できるのか?そして、その過程で自滅を避けることができるのだろうか?

IV.プロジェクト

AGIへの競争が激化するにつれ、国家安全保障が関与してくる。アメリカ政府は眠りから覚め、27~28年までに何らかの形で政府によるAGIプロジェクトが立ち上がるだろう。どんな新興企業も超知能を扱うことはできない。SCIFのどこかで、終盤戦が始まるだろう。

V.おわりに

もし我々が正しかったら?

――――――――

私はかつてOpenAIで働いていたが、これはすべて一般に公開されている情報私自身のアイデア一般的な現場知識、あるいはSFゴシップに基づいている。

Collin Burns、Avital Balwit、Carl Shulman、Jan Leike、Ilya Sutskever、Holden Karnofsky、Sholto Douglas、James Bradbury、Dwarkesh Patel、その他多くの方々の有益議論感謝する。初期の草稿にフィードバックをくれた多くの友人に感謝する。グラフィックを手伝ってくれたジョー・ローナン出版を手伝ってくれたニック・ウィテカーに感謝する。

イリヤスーツバーに捧ぐ。

続き I.GPT-4からAGIへ:OOMを数える(1) https://anond.hatelabo.jp/20240605203849

I.GPT-4からAGIへ:OOMを数える (9)

3.コンピュータ使用

これはおそらく3つの中で最も簡単方法だ。現在のChatGPTは、基本的に、テキスト入力できる孤立した箱の中に座っている人間のようなものだ。初期のアンホブリング改良では、個々の孤立したツールの使い方をモデルに教えていましたが、マルチモーダルモデルでは、近いうちにこれを一挙にできるようになると期待しています

まりZoomでの通話に参加したり、オンラインで調べ物をしたり、メッセージ電子メールを送ったり、共有されたドキュメントを読んだり、アプリや開発ツールを使ったりといったことだ。(もちろん、より長いホライゾン・ループモデルがこれを最大限に活用するためには、テスト時間コンピューティングをアンロックする必要がある。)

最終的には、ドロップイン・リモートワーカーのようなものができると期待している。エージェントは、あなた会社入社し、新しい人間雇用のようにオンボードされ、Slackあなたや同僚にメッセージを送り、あなたソフトウェア使用し、プルリクエストを行い、大きなプロジェクトがあれば、人間独立してプロジェクト完了するために数週間留守にするのと同等のことができる。これを実現するためには、GPT-4よりもいくらか優れたベースモデル必要だろうが、おそらくそれほどでもないだろう。

https://situational-awareness.ai/wp-content/uploads/2024/06/devin.gif

Devinは、完全に自動化されたソフトウェアエンジニアを作るために、モデル上の「エージェンシーオーバーハング」/「テストタイムコンピューティングオーバハング」を解除する初期のプロトタイプだ。Devinが実際にどの程度機能するかはわからないし、このデモは、適切なチャットボットエージェントのアンホブリングがもたらすものに比べれば、まだ非常に限定的ものだが、近々登場するものティーザーとしては役に立つだろう。

ところで、私は、アンホブリングの中心性が、商業的応用という点で、少々興味深い「ソニックブーム効果につながると期待している。現在ドロップイン・リモートワーカーの中間モデルは、ワークフローを変更し、統合して経済的価値を引き出すためのインフラを構築するために、膨大な手間を必要とする。ドロップイン・リモートワーカーは、統合が劇的に簡単になる。つまりリモートでできるすべての仕事自動化するために、ドロップインするだけでいいのだ。つまりドロップイン・リモートワーカーが多くの仕事自動化できるようになる頃には、中間モデルはまだ完全に活用され統合されていないため、生み出される経済価値ジャンプはやや不連続になる可能性がある。

次の4年間

https://situational-awareness.ai/wp-content/uploads/2024/06/overview_ooms_gpt2togpt4.png

https://situational-awareness.ai/wp-content/uploads/2024/06/overview_ooms_2023to2027.png

GPT-4に先立つ4年間の進歩原動力と、GPT-4後の4年間に期待されることについての推計のまとめ。


数字をまとめると、GPT-4に続く4年間で、2027年末までにGPT-2からGPT-4規模のジャンプが再び起こると(おおよそ)予想される。

GPT-4のトレーニングに3ヶ月かかったとしよう。2027年には、一流のAIラボGPT-4レベルモデルを1分で訓練できるようになるだろう。OOM効果的なコンピュート・スケールアップは劇的なものになるだろう。

それは我々をどこへ連れて行くのだろうか?

https://situational-awareness.ai/wp-content/uploads/2024/06/overview_counting_the_ooms.png

OOMカウントのまとめ。


GPT-2からGPT-4までで、私たちは~未就学児から~賢い高校生になった。とんでもないジャンプだ。もしこれが、私たちが今一度カバーする知能の差だとしたら、それは私たちをどこに連れて行くのだろうか?私たちは、それが私たちをとてもとても遠くに連れていっても驚かないはずだ。おそらく、ある分野の博士や最高の専門家凌駕するようなモデルまで到達するだろう。

(このことを考える1つの良い方法は、現在AI進歩の傾向は、子供の成長のおよそ3倍のペースで進んでいるということだ。あなたの3倍速の子どもは高校卒業したばかりだが、いつの間にかあなた仕事を奪っていくだろう!)

続き I.GPT-4からAGIへ:OOMを数える(10) https://anond.hatelabo.jp/20240605211837

I.GPT-4からAGIへ:OOMを数える (7)

アンホブリング

最後に、定量化するのが最も難しいが、それに劣らず重要改善カテゴリーを紹介しよう。

難しい数学問題を解くように言われたとき、頭に浮かんだことを即座に答えなければならないとしたらどうだろう。最も単純な問題を除いて、苦労するのは明らかだろう。しかしつい最近まで、LLMにはそうやって数学問題を解かせていた。その代わり、私たちほとんどはスクラッチパッドで段階的に問題を解いていき、その方法はるかに難しい問題を解くことができる。「思考連鎖プロンプトは、LLMのそれを解き放った。生の能力は優れているにもかかわらず、明らかな足かせがあるため、LLMは数学が苦手なのだ

私たちはここ数年で、モデルの「足かせを外す」ことに大きな進歩を遂げました。これは単に優れたベースモデルトレーニングするだけでなく、アルゴリズムの改良によってモデル能力を引き出すものです:

足場作り。CoT++について考えてみよう:ただ問題を解くようモデルに求めるのではなく、あるモデル攻撃計画を立てさせ、別のモデル可能性のある解決策をたくさん提案させ、別のモデルにそれを批評させる、といった具合だ。例えば、HumanEval(コーディング問題)では、単純な足場作りによってGPT-3.5が足場なしのGPT-4を上回った。SWE-Bench(実世界ソフトウェアエンジニアリングタスクを解くベンチマーク)では、GPT-4は~2%しか正しく解くことができませんが、Devinのエージェントの足場があれば14-23%に跳ね上がります。(後ほど詳しく説明するが、エージェントのアンロックはまだ初期段階に過ぎない。)

ツール:もし人間電卓コンピュータを使うことを許されなかったらと想像してみてほしい。まだ始まったばかりだが、ChatGPTウェブブラウザを使ったり、コードを実行したりできるようになった。

エポックAIによる研究によると足場作りやツール使用など、これらのテクニックのいくつかを調査したところ、このようなテクニックは多くのベンチマークで通常5~30倍の効果的な計算量の向上をもたらすことがわかった。METR(モデル評価する組織)も同様に、同じGPT-4ベースモデルからのアンホブリングによって、エージェントタスクのセットで非常に大きなパフォーマンスの向上を発見しました。

https://situational-awareness.ai/wp-content/uploads/2024/06/metr_gains_over_time-1024x597.png

METRのエージェントタスクパフォーマンス。出典モデル評価と脅威研究


これらをコンピュートとアルゴリズム効率統一した実効的なコンピュート規模に当てはめることは困難ですが、少なくともコンピュート規模の拡大やアルゴリズム効率とほぼ同規模の大きな進歩であることは明らかです。(また、アルゴリズム進歩が中心的な役割を担っていることも浮き彫りになっています。0.5OOM/年の計算効率は、すでに重要ものではありますが、ストーリーの一部に過ぎません。)

「アンホブリング」こそが、実際にこれらのモデル有用になることを可能にしたのであり、今日多くの商業アプリケーションの足かせとなっているものの多くは、この種のさらなる「アンホブリング」の必要であると私は主張したい。実際、今日モデルはまだ信じられないほど足かせが多い!例えば

ここでの可能性は非常に大きく、私たちはここで急速に低空飛行の果実を摘んでいる。これは非常に重要です。"GPT-6 ChatGPT "を想像するだけでは完全に間違っていますGPT-6+RLHFと比べれば、進歩は段違いだ。2027年までには、チャットボットというより、エージェントのような、同僚のようなものが登場するだろう。

続き I.GPT-4からAGIへ:OOMを数える(8) https://anond.hatelabo.jp/20240605210232

I.GPT-4からAGIへ:OOMを数える (5)

アルゴリズム効率

コンピュートへの大規模な投資が注目される一方で、アルゴリズム進歩も同様に重要進歩原動力であると思われる(そして、これまで劇的に過小評価されてきた)。

アルゴリズム進歩がどれほど大きな意味を持つかを理解するために、MATHベンチマーク高校生競技数学)において、わずか2年間で~50%の精度を達成するために必要価格が下がったことを示す次の図を考えてみてください。(比較のために、数学特に好きではないコンピュータサイエンスの博士課程の学生が40%のスコアを出したので、これはすでにかなり良いことです)。推論効率は2年足らずで3OOMs-1,000倍近く向上した。

https://situational-awareness.ai/wp-content/uploads/2024/06/math_inference_cost-1024x819.png

MATHのパフォーマンスを〜50%にするために必要な推論コストの概算。


これは推論効率だけの数字だが(公開データから推論するのが難しいトレーニング効率の向上と一致するかどうかはわからない)、アルゴリズム進歩は非常に大きく、また実際に起こっている。

この記事では、アルゴリズム進歩を2種類に分けて説明します。まず、「パラダイム内」でのアルゴリズムの改良を取り上げることにしま す。例えば、より優れたアルゴリズムによって、同じパフォーマンスを達成しながら、トレーニング計算量を10倍減らすことができるかもしれません。その結果、有効計算量は10倍(1OOM)になります。(後ほど「アンホブリング」を取り上げますが、これはベースモデル能力を解き放つ「パラダイム拡張/アプリケーション拡張」的なアルゴリズム進歩と考えることができます)。

一歩下がって長期的な傾向を見ると、私たちはかなり一貫した割合で新しいアルゴリズムの改良を発見しているようです。しかし、長期的なトレンドライン予測可能であり、グラフ上の直線であるトレンドラインを信じよう。

アルゴリズム研究ほとんど公開されており、10年前にさかのぼデータがある)ImageNetでは、2012年から2021年までの9年間で、計算効率が一貫して約0.5OOM/年向上しています

https://situational-awareness.ai/wp-content/uploads/2024/06/pareto_frontiers_imagenet_epoch-1024x349.png

アルゴリズム進歩を測定することができます。同じ性能のモデルを訓練するために必要計算量は、2012年比較して2021年にはどれくらい少なくなっているのでしょうか?その結果、アルゴリズム効率は年間0.5 OOMs/年程度向上していることがわかります。出典Erdil and Besiroglu 2022.

これは非常に大きなことです。つまり、4年後には、~100倍少ない計算量で同じ性能を達成できるということです(同時に、同じ計算量ではるかに高い性能も達成できます!)。

残念ながら、研究室はこれに関する内部データ公表していないため、過去4年間のフロンティアLLMのアルゴリズム進歩を測定することは難しい。EpochAIは、言語モデリングに関するImageNetの結果を再現した新しい研究を行っており、2012年から2023年までのLLMのアルゴリズム効率トレンドは、同様に~0.5OOM/年である推定しています。(しかし、これはエラーバーが広く、また、主要なラボアルゴリズム効率公表を停止しているため、最近の上昇を捕捉していません)。

https://situational-awareness.ai/wp-content/uploads/2024/06/llm_efficiency_epoch-1-1024x711.png

Epoch AIによる言語モデリングにおけるアルゴリズム効率推定。この試算によると、私たちは8年間で~4OOM効率向上を達成したことになります

より直接的に過去4年間を見ると、GPT-2からGPT-3は基本的に単純なスケールアップでした(論文によると)が、GPT-3以降、公に知られ、公に干渉可能な多くの利益がありました:

最近リリースされたGemini 1.5 Flashは、"GPT-3.75レベル "とGPT-4レベルの間の性能を提供する一方で、オリジナルGPT-4よりも85倍/57倍(入力/出力)安い(驚異的な利益!)。

公開されている情報総合すると、GPT-2からGPT-4へのジャンプには、1-2 OOMアルゴリズム効率向上が含まれいたことになります

https://situational-awareness.ai/wp-content/uploads/2024/06/stacked_compute_algos-1024x866.png

GPT-4に続く4年間はこの傾向が続くと予想され、2027年までに平均0.5OOMs/年の計算効率、つまりGPT-4と比較して~2OOMsの向上が見込まれます計算効率の向上は、低空飛行の果実を摘み取るようになるにつれて難しくなる一方、新たなアルゴリズムの改良を見出すためのAIラボ資金人材への投資は急速に増加しています。 (少なくとも、公開されている推論コスト効率化は、まったく減速していないようだ)。ハイエンドでは、より根本的な、トランスフォーマーのようなブレークスルーが起こり、さらに大きな利益が得られる可能性さえある。

これらをまとめると、2027年末までには(GPT-4と比較して)1~3OOMアルゴリズム効率向上が期待できることになります

続き I.GPT-4からAGIへ:OOMを数える(6) https://anond.hatelabo.jp/20240605205754

I.GPT-4からAGIへ:OOMを数える (4)

OOMを数える

どうしてこうなったディープラーニング魔法は、それがただ機能するということであり、あらゆる場面で否定的意見にもかかわらず、その傾向線は驚くほど一貫している。

https://situational-awareness.ai/wp-content/uploads/2024/06/sora_scaling-1024x383.png

OpenAI Soraの例 計算量のスケーリング効果

効果的な計算OOMが増えるごとに、モデル予測通り、確実に良くなっていく。OOMを数えることができれば、能力の向上を(大まかに定性的に)推定することができる。そうやって、先見の明のある数人がGPT-4の到来を予見したのだ。

GPT-2からGPT-4までの4年間の進歩を、スケールアップの3つのカテゴリーに分解することができる:

1. コンピュート:計算:これらのモデルを訓練するために、より大きなコンピューターを使うようになった。

2.アルゴリズム効率化:アルゴリズム進歩には継続的な傾向がある。これらの多くは「コンピュート・マルチプライヤ」として機能し、有効コンピュート量の増加という統一された尺度に乗せることができます

3.「趣味のない」利益デフォルトでは、モデルは多くの素晴らしい生の能力学習しますが、あらゆる種類の間抜け方法で足かせとなり、実用的な価値制限されます人間フィードバックから強化学習(RLHF)、思考連鎖(CoT)、ツール、足場などの単純なアルゴリズム改善により、潜在的能力を大きく引き出すことができる。

これらの軸に沿って、改善の「OOMを数える」ことができる。つまり有効計算量の単位でそれぞれのスケールアップをトレースするのだ。3倍は0.5OOM10倍は1OOM、30倍は1.5OOM100倍は2OOMといった具合だ。2023年から2027年まで、GPT-4の上に何を期待すべきかを見ることもできる。

ひとつひとつ見ていくが、OOMの数を急速に増やしていることは明らかだ。データの壁には逆風が吹いている可能性があり、それについては後述するが、全体的には、2027年までにGPT-4の上に、GPT-2からGPT-4規模のジャンプがもう1回起こると予想される。

コンピュート

まず、最近進歩原動力として最もよく議論されている、モデルへの(大量の)コンピュート投入について説明します。

多くの人は、これは単にムーアの法則によるものだと考えている。しかし、ムーアの法則が全盛期を迎えていた昔でさえ、その進歩比較的緩やかなものでした。しかし、ムーアの法則が全盛期だった昔でさえ、10年で1~1.5OOMと、比較ゆっくりとしたスピードだった。(かつては1つのモデル100万ドルを費やすことさえ、誰も考えもしないことだった。)

モデル推定コンピュート 成長率
GPT-2 (2019) ~4e21 FLOP
GPT-3 (2020) ~3e23 FLOP + ~2 OOMs
GPT-4 (2023) 8e24~4e25 FLOP + ~1.5~2 OOMs

エポックAIによるGPT-2からGPT-4までの計算量の推定

エポックAIAIトレンドの優れた分析で広く尊敬されている情報源)の公開推定値を使用して、2019年から2023年までのコンピュートスケールアップを追跡することができますGPT-2からGPT-3へのスケールアップは迅速で、小規模な実験から大規模な言語モデルを訓練するためにデータセンター全体を使用するまでにスケールアップし、コンピュートのオーバーハングが大きくなりました。GPT-3からGPT-4へのスケールアップでは、次のモデルのためにまったく新しい(はるかに大きな)クラスタを構築しなければならないという、最新の体制に移行しました。それでも劇的な成長は続いていますエポックAIの試算によると、GPT-4のトレーニングでは、GPT-2の3,000倍から10,000倍の計算量を使用しています

大雑把に言えば、これは長期的なトレンド継続に過ぎない。過去10年半の間、主に投資(およびGPUやTPUの形でAIワークロードに特化したチップ)の幅広いスケールアップのため、フロンティアAIシステム使用されるトレーニング計算量は、およそ〜0.5OOM/年で成長してきた。

https://situational-awareness.ai/wp-content/uploads/2024/06/compute_long_run_trend-1024x968.png

注目すべきディープラーニングモデルトレーニングコンピュートの経年変化。出典エポックAI

GPT-2からGPT-3への1年間のスケールアップは異例のオーバーハングであったが、長期的なトレンドが続くことは間違いない。SF-rumor-millは、巨額のGPU受注の劇的な話で一杯だ。その投資は並大抵のものではないが、動き始めている。

この分析によれば、2027年末までにさらに2OOMsのコンピュート(数十億ドル規模のクラスター)が実現する可能性は非常に高いと思われる。さらに+3OOMsのコンピュート(1,000億ドル規模以上)に近いクラスターも可能性がありそうだ(マイクロソフト/OpenAI計画中と噂されている)。

https://situational-awareness.ai/wp-content/uploads/2024/06/stacked_compute-1024x866.png

続き I.GPT-4からAGIへ:OOMを数える(5) https://anond.hatelabo.jp/20240605205449

I.GPT-4からAGIへ:OOMを数える (1)

2027年までにAGIが実現する可能性は極めて高い。GPT-2からGPT-4までの4年間で、私たちは〜未就学児から〜賢い高校生までの能力を手に入れた。計算能力(~0.5桁またはOOMs/年)、アルゴリズム効率(~0.5OOMs/年)、および「趣味のない」向上(チャットボットからエージェントへ)のトレンドライントレースすると、2027年までに再び未就学児から高校生規模の質的ジャンプが起こると予想される。


見て。モデルたちはただ学びたいだけなんだ。あなたはこれを理解しなければならない。モデルたちは、ただ学びたいだけなんだ。

イリヤスーツバー2015年頃、ダリオ・アモデイ経由)

GPT-4の能力は、多くの人に衝撃を与えた。コードエッセイを書くことができ、難しい数学問題を推論し、大学試験突破することができるAIシステムである。数年前までは、これらは難攻不落の壁だと思っていた。

しかGPT-4は、ディープラーニングにおける10年間の猛烈な進歩の延長線上にあった。その10年前、モデル犬猫の単純な画像識別するのがやっとだった。4年前、GPT-2は半可通な文章をつなぎ合わせるのがやっとだった。今、私たちは思いつく限りのベンチマークを急速に飽和させつつある。しかし、この劇的な進歩は、ディープラーニングスケールアップにおける一貫した傾向の結果に過ぎない。

ずっと以前から、このことを見抜いていた人々がいた。彼らは嘲笑されたが、彼らがしたのはトレンドラインを信じることだけだった。トレンドラインは強烈で、彼らは正しかった。モデルはただ学びたいだけなのだ

私は次のように主張する。2027年までには、モデルAI研究者エンジニア仕事をこなせるようになるだろう、と。SFを信じる必要はなく、グラフ上の直線を信じるだけでいいのだ。

https://situational-awareness.ai/wp-content/uploads/2024/06/base_scaleup-1024x790.png

過去と将来の有効計算量(物理計算量とアルゴリズム効率の両方)の大まかな見積もりモデルスケールアップすればするほど、モデルは一貫して賢くなり、"OOMを数える "ことによって、(近い)将来に期待されるモデルインテリジェンスの大まかな感覚を得ることができます。(このグラフベースモデルスケールアップのみを示している。)

この記事で取り上げた一般的推定に基づく、効果的な計算物理的な計算アルゴリズム効率の両方)の過去と将来のスケールアップの概算。モデルスケールアップするにつれ、モデルは一貫して賢くなり、「OOMを数える」ことで、(近い)将来に期待されるモデルインテリジェンスの大まかな感覚を得ることができる。(このグラフベースモデルスケールアップのみを示している。"unobblings "は描かれていない)。

この作品では、単純に「OOMを数える」(OOM = order of magnitude10x = 1 order of magnitude)ことにします。1)計算、2)アルゴリズム効率(「効果的な計算」の成長として考えることができるアルゴリズム進歩)、3)「アンホブリング」(モデルデフォルトで足かせとなっている明らかな方法修正し、潜在的能力を引き出し、ツールを与えることで、有用性を段階的に変化させること)の傾向を見ますGPT-4以前の4年間と、GPT-4後の2027年末までの4年間に期待されるそれぞれの成長を追跡する。ディープラーニング効率的な計算のすべてのOOMで一貫して向上していることを考えると、将来の進歩予測するためにこれを使うことができる。

世間では、GPT-4のリリースから1年間、次世代モデルオーブンに入ったままであったため、ディープラーニングは停滞し、壁にぶつかっていると宣言する人もいた。しかし、OOMカウントすることで、私たちは実際に何を期待すべきかを垣間見ることができる。

結果は非常にシンプルだ。GPT-2からGPT-4への移行は、時々まとまりのある文章を並べることに感動的だったモデルから高校入試エースになるモデルへの移行であり、一度だけの進歩ではない。私たちOOMsを極めて急速に克服しており、その数値は、4年以上かけてGPT-2からGPT-4への質的ジャンプさらに~100,000倍の効果的なコンピュート・スケールアップが期待できることを示している。さらに、決定的なことは、それは単にチャットボットの改良を意味しないということだ。"unhobbling "利益に関する多くの明らかな低空飛行の果実を選ぶことで、チャットボットからエージェントへ、ツールからドロップイン・リモートワーカーの代替のようなものへと我々を導いてくれるはずだ。

推論は単純だが、その意味するところは注目に値する。このような別のジャンプは、私たちをAGIに、博士号や同僚として私たちそばで働くことができる専門家と同じくらい賢いモデルに連れて行く可能性が非常に高い。おそらく最も重要なことは、これらのAIシステムAI研究のもの自動化することができれば、次回のテーマである強烈なフィードバックループが動き出すということである

現在でも、このようなことを計算に入れている人はほとんどいない。しかし、AIに関する状況認識は、一歩下がってトレンドを見てみれば、実はそれほど難しいことではない。AI能力に驚き続けるなら、OOMを数え始めればいい。

続き I.GPT-4からAGIへ:OOMを数える (2) https://anond.hatelabo.jp/20240605204240

2024-04-18

今後最も成長すると思われる産業は?

絶え間なく変化する世界経済の中で、技術進歩顧客行動の変化、顧客ニーズによってリーダー存在になりつつある企業がある。今後5年間を展望すると、多くの分野で大きな成長と革新が見込まれている。本稿では、詳細な市場データ調査に基づき、今後5年間で大きな成長が見込まれ世界トップ13セクターを考察する。

スマートホーム技術

より多くの家庭がスマートデバイスオートメーションを導入するにつれ、コネテッドホームのコンセプトが注目されるようになっている。世界スマートホーム市場は、2019年から2026年にかけて11.6%の成長を遂げ、2026年には1,576億9,000万米ドルに達すると予想されている。利便性エネルギー効率安全性を求める市場の拡大が、スマートホーム技術採用を刺激している。

サイバーセキュリティ

企業個人テクノロジーへの依存度が高まるにつれ、サイバーセキュリティ必要性は飛躍的に高まっている。デジタル化が進むにつれ、サイバーセキュリティ個人にとっても組織にとっても同様に懸念事項となっている。サイバー脅威やデータ漏洩の増加により、より強固なセキュリティ対策への需要が高まっている。

浄水技術

水不足ますます世界的な問題になるにつれて、浄水技術への需要高まる。水処理・衛生システム市場は、持続可能ソリューションへのニーズ規制要件によって、2027年までに1,159億9,000万ドルに達すると予想される。

5G通信

5G技術の拡大は通信業界を変え、自動運転車IoT仮想現実スマートシティなどの分野に高速、低遅延、高度なデバイス接続の機会を提供する構えだ。最近では、すべての新機種が5Gに対応していることが確認されている。詳細はこちらをご覧ください: 未来の成長企業

以下のリンクからすべての情報を見るには、ここをクリックしてください:https://www.sdki.jp/blog/global-industries-that-will-boom-in-the-next-5-years/25

2024-04-16

リニア中央新幹線って必要なの?

静岡県の川勝知事が辞任して、焦っているのはJR東海役員連中ではないでしょうか。

ここから先の遅れは静岡県のせいにできません。これから勝負というところです。

ですが、リニア中央新幹線って必要でしょうか?

Q. リニア中央新幹線って何ですか?

簡単に言うと、中央新幹線を、リニアモーターカーという方式で作ろうと言うものです。

中央新幹線とは何ですか?

中央新幹線JR中央線をなぞって作られる予定だった新幹線です。

ちょうど、東海道新幹線旧東海道本線をなぞった路線であることに似ています

元々は東京から山梨県甲府あたりを抜けた後、今の中央線のように、山脈を迂回、長野県諏訪市を通って木曽谷を抜けるAルート伊那谷を抜けるBルートの2ルート検討され、伊那谷を抜けるBルート意見が集約されていたと言う経緯がありました。

ところが、2010年頃に、JRリニア中央新幹線を作るに当たって、首都圏の大深度トンネルと、大規模山岳トンネルを使い、ほぼ直線上に結ぶ「Cルート」を提案沿線自治体もそれに同意し、建設が始まっています

そのため、リニア中央新幹線は、並行在来線に該当する路線が無い全く新しい路線という事になりました。

中央新幹線計画は、戦前まで遡れる計画です。初の新幹線東海道新幹線で実現しましたが、中央新幹線ルート日本初の新幹線になっていた可能性もありました。

さらには、その当時は長大トンネルではありませんでしたが、山脈を峠越えして直線的に結ぶというアイデアは当時からあったようです。

リニアモーターカーとは

リニアモーターカーとは、超伝導磁石で車体を浮かせると同時に推進すると言うものです。これはJR方式と言われ、

と言う特徴があります

中央新幹線リニア方式建設するというアイデアは、1980年代に決まっています山梨県にあるリニア実験線は、最終的に本線に組み入れられる予定で建設されています

しかし、実は鉄輪式で作ると言うアイデアもありました。ですが、最終的にCルートに決まったことで、リニア方式でなければ建設ができなくなりました。

現在ルートは、リニアモーターカーの登坂性能が実現を可能にしたルートです。鉄輪式の新幹線に比べて、リニアモーターカは坂に強く、加速が速いと言う特徴があることから、実現しました。

また、リニアモーターカーは加速減速が非常に早いため、Cルート以外の迂回ルートでも、最大で7分程度しか時間が変わりません。それぐらい優秀な方式です。

Q. なぜ新しい新幹線をつくるんですか?

大きくは3つの目的があると言われています

東海道新幹線バックアップ

東海道新幹線東京名古屋大阪旅客輸送で圧倒的なシェアを持っています。これを航空機で代わりにしようとすると、羽田空港が今の数十倍の規模が必要になるレベル輸送を担っています

ですから、これをバックアップするには、同等規模のシステム必要です。

これは、大きなメンテナンスができないと言う事も示しており、改善必要です。

さらに、JR東海はその収支のかなりの部分を東海道新幹線依存しており、これが長期停止するようなことになると会社の存続が危うくなる、と言う意味でもバックアップです。投資をして利益率が下がったとしても、事業継続性を高める必要があるのです。

ただ、以下の様な理由からバックアップ社会的必要性は低いという意見もあります

高速化輸送容量UP

東海道新幹線は既に増便数が限界に至っており、これ以上の増便ができない状態になっています

そして、実際にはかなり無理をして増便をしているため、柔軟な運行ができない状態になっており、災害などの影響を受けやすいと言う問題を孕んでいます

東京名古屋大阪輸送需要があまりにも巨大なため、それをこなすためにこだまなど各駅停車の便が遅くなっていると言う問題もあります

それを、最速到達手段の「のぞみ」をリニア移管することによって、輸送容量の向上を行おうとしています

中央新幹線沿線地域振興

これは言うまでもありませんね。新幹線目的です。中央新幹線が通る周辺は、高速鉄道飛行場空白地帯になっており、東京から時間距離ではかなり遠い土地になっています。それらをリニア中央新幹線解決していきます

Q. これで便利になるんでしょうか?

なります。以下に説明しましょう。

速度が上がる

品川から名古屋まで40分、大阪まで67分というスピードがあります。これは大深度地下トンネルを通して、大ターミナル駅である品川駅、名古屋駅、新大阪駅に直接乗り入れるため、相当に利便性が高くなります

乗り換え時間考慮されており、先行開業する名古屋駅では、リニア中央新幹線東海道新幹線の間の乗り換えは3分を実現する設計です。

品川駅では、山手線までの乗り換えが9分とされており、この数字は、東京駅において、中央線から新幹線へ向かうのと同程度の乗り換え時間ですから標準的な乗り換え時間と言えるでしょう。

高速鉄道が通っていない地域で大幅な時短利便性向上が図れる。

リニア東京名古屋大阪大都市間をノンストップで結ぶ便が通常になりますが、1時間に1本程度各駅停車の便が設定されてる予定です。

この、1時間に1本という数字は、成田エクスプレスなど一部の例外を除けば、多くの在来線特急と同等かそれ以上の便数です。

このように早くなることは、従来は宿泊を伴っていた需要が日帰りになってしまうといった問題や、ストロー効果と言われる問題など、負の面も多く考えられますが、利便性という面では間違い無く向上します。

Q. 新幹線乗客は増えるんでしょうか?

増えると思われます東海道新幹線旅客数は、コロナ禍の影響を取り除くと、右肩上がりで増え続けています

一般的コロナ禍は2020年からとすることが多いのですが、鉄道・運輸に関しては、2019年年末から影響が出ています。そのため2019年以降をコロナ禍の影響とすると、その直前2018年ピークで長期的なトレンドでは増え続けています

さら需要回復傾向にあります特に新幹線限定すると、2023から2024の年末年始はコロナ禍前の予約数10%上回っています

また、JR日本は、全線開業によって、東海道新幹線リニア中央新幹線輸送量は、2011年に対して1.2倍以上伸びるという予想をしています。ですが、実はこの予想、リニアが開通する前に達成されています

2010年東海道・山陽新幹線旅客数はのべ約2億人でしたが、リニアの直前2018年には2億4千万人と2割増加しており、目標を達成しています。今後も増加していくことでしょう。

Q. それはなぜですか?

様々に分析がありますが、コンセンサスが得られているものは内容です。

ですので、ここでは一つの説をご紹介します。

ある説に寄れば

一方、インバウンドにその理由を求める方もいますが、実はインバウンド旅客数は、全体に影響を与えるほど大きくはありません。

Q. 総工費はいくらですか?

最新のJR東海資産では、7兆円となっています。ただし、既に二年前の発表なので、今は更に増加しています

更に工事の遅延や問題の発生などがありますので、東京名古屋間だけで10兆円を超えるのでは無いかと言う指摘も一部でなされています

一方で、運賃は、東京大阪間、東海道新幹線に対して+700円程度と言う話は堅持しています

Q. リニア新幹線黒字になるんでしょうか?

単体では黒字にはなりません。何故ならば、東海道新幹線という強力なライバルいるからです。

しかし、単体で議論する事に意味は無いです。JR東海は、リニア中央新幹線は、東海道新幹線と一体運用利益を出していくと言っています

例えば、リニア中央新幹線黒字にする最も簡単方法は、東海道新幹線廃止する事です。ですが、そのような事に意味はありません。

先ほど乗客は増えるのか?の質問に対して応えたように、需要は堅調に推移していますから計画通り進むでしょう

Q. では何のためにやるんですか?

まとめると

と言うことになります

なお、リニア中央新幹線トンネルが多いと言う事で、崩落したら困るから被害が大きくなる、と言った心配がなされていますが、設計的に強度は担保されているという事、またトンネルそもそも地震に強いため、そのような心配ほとんどありません。

また、リニア中央新幹線は浮上しており、強力な力で保持されているため、浮上しているなどから、鉄輪式よりも地震には強い方式です。

もし停電になっても減速に従って着地するので、急に落下するというようなことはありません。

少なくとも、震度6弱程度でおかしくなるようなことはありません。

Q. でもリニアモーターカー技術大事ですね?

日本リニア技術は既に最先端ではありません。特に中国で盛んに研究が行われており、新しい方式も考えられています

ですが、実際に実用として実装仕様とする試みは、最先端を言っていると言えるでしょう。

また、JR東海日本政府などは、アメリカなどに売り込みを図っていますが、まだ正式に決まった計画はありません。これはまだ商用で動いているものがないからです。まずは国内での事例確率に力を入れていくことになると思われます

また、JR東海意向安全保障上の理由として、かつての情報漏洩の教訓から中国など東側諸国に対して輸出することは現状、有り得ないと思われます

Q. JR東海経営大丈夫ですか?

つの切り口があります

リニア中央新幹線によって最大の経営リスクが取り除かれるため、経営は安定するようになるでしょう。

JR東海財務状況を見ると、東海道新幹線への依存が非常に高い状態が続いています。他のJRのように不動産などはあまり伸びていない上に、都市圏路線が手薄です。

一方で、JR東海は、他のJRに比べて廃線などを行わず、維持する方向で経営を進めています。これは、新幹線で得た利益地方路線を維持していると言えるでしょう。

この状態で最大のリスクは、大規模災害などで東海道新幹線が動かせなくなることです。これが解消できることで、経営上最も懸念される問題点が緩和される事になります

最大の問題は、資金です。JRは当初自社資金のみで実施すると表明し、社債を発行、金融機関融資を実行する予定でした。その返済計画は非常に堅調なもので、東海道新幹線が生み出す現状の利益でも無理なく返済できるような計画でした。

しかし、その計画でいくと、リニア中央新幹線は、名古屋まで開通した後、負債を減らす期間をおいてから大阪延伸に進むと言う計画になっていました。

その状況に、リニアが開通することで、名古屋東京事実上一体の経済圏形成することになる(何しろ品川から山手線の反対側にいくのと同等の時間名古屋まで来れてしまます)事に危機感を持った大阪周辺の政治家経済界要請により、国が財政投融資によって低利の資金供給する代わりに、前倒しすることになっています

このようなことから、今回の財政投融資は、かつて特殊法人などに資金供給した「第二の予算」とは性質が大きく異なるものであることがわかります

Q. でも今さらやめられませんね?

もちろんです。辞める理由はありません。

ただ、技術的や制度的には大きな課題が山積していて、本当にできるかどうかは、まだわかりません。

以下に挙げます

金銭問題人手不足などは、時間資金のかけ方次第ですからどうにでもなると思われますが、技術問題はなかなか解消が困難です。

最も困難だと思われるのが、大都市圏の大深度地下トンネル技術的な問題です。ここが最も時間がかかるとしていて、真っ先に着工したものの、進捗が芳しくありません。

一方で、山岳トンネル技術的にも安定した工法採用しているため、比較的進捗は良いので、ここは致命的な問題にはならないと思われます

しかしたら、2034年に、神奈川県相模原市車両基地から岐阜県駅or名古屋駅の間の先行開業というようなこともありうるかも知れません。品川駅までは大阪延伸と同時期ぐらいまで延期はありそうです。

Q. 順調に遅れてるけど、いつ頃までに完成すると思う?

JR静岡工区のことを強調しながら、2034年以降と言っていますが、それ以外の工区でも遅れが出ています

近隣自治体には、正式2032年完成予定といった線表が通知されているそうですので、計画では2032年にできる様な線表で進めつつ、もう2年ほど安全マージンを取っているものと思われますので、早ければ2032年、遅くとも2034年キーになり、首都圏大深度地下トンネルという最難関の工事が遅延した場合、部分開業検討するのでは無いでしょうか。その時点で名古屋まで開業しており、首都圏トンネルの完成目処が立っていない場合は高確率で部分開業へ舵を切ってくると思われます。1

また、関係者そもそも2027年にできるなんて誰も思っていません。予定通りだった山岳トンネルコロナ禍で1年半近く事実上工事ストップしていましたし。

Q. なんで専門外の経済学者が突然意味不明のエントリーを上げたの?

さあ?

2024-04-12

子育て支援金の年収徴収金額計算方法

こども家庭庁が発表した試算は下記の通り(いずれも月額)

年収2026年2027年2028年
200万円 200円 250円 350円
400万円 400円 550円 650円
600万円 600円 800円 1000円
800万円 800円 1050円 1350円
1000万円 1000円 1350円 1650円

まり、標準報酬月額に対して

2026年度は1.2/1000、2027年度は1.6/1000、2028年度は2.0/1000と考えられる

そこで年収1000万オーバーはてなー用に計算してみたのが下記の表だ

参考にしてくれよな

年収2026年2027年2028年
1200万円 1200円 1600円 2000円
1400万円 1400円 1850円 2350円
1600万円 1600円 2150円 2650円
1800万円 1700円 2200円 2800円
2000万円 1700円 2200円 2800円

ちなみに年収1700万あたりで頭打ちになるのは計算ミスじゃなく標準報酬月額の上限だ

2024-04-10

anond:20240410114524

耐用年数20年だったのを補助金がなくなったから30年

この辺りが単なる経済活動って感じで良いよな

この話、2022年のエネルギーショック前には、補助制度がなくなって2027年には風力は減っているだろうって予測されてた

この辺が、予測と事後諸葛亮の違いね

2022年のエネルギーショック時には電力卸売価格フランス10倍に膨れ上がってる

そりゃ意識も変わろうかってな

そんで2023年にはフランス原子力傾倒を強める方向へ向かうんだけど

市場電気代高騰を受けて電力需要が底をついて回復していないのと

エネルギーショックの余波で市況が低迷してるダブルパンチ

原発由来の電力に限っては、売るだけ赤字という状況になってる

単純な需要供給市場原理


これを日本に当てはめる場合

偏西風がなく台風が来る(強風下では火災や倒壊のリスクが跳ね上がる)日本で風力とか正気か?って感じだし

しかない国土でソーラーって、ひでぇ事になるぞとしか思わん

長野とかそこら中にパネルがあってな、そんな中霧ケ峰メガソーラーを設置しようとする話は、水源だなんだと問題になって事業者撤退してる

地熱は、そもそもそれをエネルギー転換して大丈夫なのか?って気がするし

(風力や潮力よりもエネルギーとして熱を消費する事の環境負荷が高そう)

水力などが良いんだが、ダム作ると言っても限界がある



日本場合、再エネに傾倒するよりも

蓄電池の改良に邁進する方が効果的って気がするなぁ

2024-04-09

川勝静岡県知事は、南海トラフ地震発生を見越してリニア妨害した?

2024/4/2、辞職の意向を表明した静岡県の川勝知事

辞職を決意した理由の一つに、リニア中央新幹線問題開業延期という区切りがついたことを挙げていました。

JR東海が、2027年リニア開業断念の発表があった直後での辞任表明


実は川勝知事は、南海トラフ巨大地震発生を見越してリニア開業妨害をしていたのでは?と考えてしまうのです。


全ての自治体リニア開業賛同し、スムーズに着工が進んだ場合2027年には品川-名古屋間での運用が開始される予定(目標)でした。

ももしこの間(もしくは開業後)に南海トラフ巨大地震が発生したとしたら?

リニア開業のために急ピッチで建造された路線は深刻な打撃を受け、修繕・再建築など莫大な金額JR東海にのしかかるのでは無いでしょうか。

ところが、静岡県知事が中心となり主張する環境問題における懸念からJR東海リニア2027年開業を断念・2034年以降の開業へ延期と発表。

もし仮に開業前に南海トラフ巨大地震が発生した場合路線の建造がそれほど進んでいなければJR東海が受ける損失は減ったと見ることが出来ます

また南海トラフ巨大地震が発生した場合東日本大震災匹敵する被害が予想されています

リニア中央新幹線国策とも言え、南海トラフ後にリニア中央新幹線開業すれば、華々しい日本復興シンボルともなれるかも知れない。

(2020東京オリンピックはある種、東日本大震災復興シンボルとなるはずでした。(真に復興たかどうかは別として))


リニア開業恩恵をそれほど受けられない静岡県知事権益を盾に取り開業の足を引っ張るのならば、反感は買えど不自然さは無いのではないでしょうか。

これらを見越して川勝静岡県知事は敢えて汚名を被り、南海トラフ巨大地震による損失を抑えようとしているかも知れません。

2024-04-05

香港マカオ間の橋は台湾海峡実験だった


福州と台北距離は122kmで、この距離海峡大橋建設するとなると、どのくらいの時間がかかるのか。香港珠海マカオ大橋全長55kmで2009年12月に着工し、2018年2月に完成、およそ8年かけて建設された。この大橋自体台湾海峡に橋をかけるという野望のための実験建設であったので、香港珠海マカオ大橋よりは工期が短いであろうといわれている。

香港珠海マカオを結ぶ大型海上自動車道である港珠澳大橋

写真=iStock.com/GuangyongLiu

写真イメージです

台湾海峡中間から向こう側の方面の部分だけなら、6〜7年かかるとすれば、35年までに台北福州大橋トンネル)の完成、開通を実現するなら、遅くとも2028年には着工しなくてはならない。着工前に最短でも1年の準備期間を設け、水紋、地質調査などが必要だとすると2027年台湾統一リミットだ、ということになる。

もしかしてそろそろリニア完成する?

静岡県知事辞めるなら、静岡県区間も作れるってことやろ

他都県の区間2027年完成予定で動いていただろうし、静岡県はかすめるだけで距離的に大したことないんだよね?

じゃあ1年遅れの2028年ぐらいには完成する?

2024-03-31

anond:20240331092043

それじゃあ君はなんて書くの?

「本格的な掘進」は2027年完了するの?無理でしょ

anond:20240330213108

何年も前、静岡がゴネ始めた時点で2027年に間に合わないのは分かっていたので、工事のペースを抑えてコスト削減しているんだぞ。

最近開業延期を公表しただけ。

これまでずっと本気で進めていて、今になって方針転換したと思っているピュア民が多すぎる。

2024-03-30

リニアトンネル工事公式進捗は品川124m、愛知40cm(追記)

4月14日追記

JR東海4月8日に改めて進捗を発表したので追記しておこう。

東京北品川工区:2024年4月 調査掘進再開(予定300m)進捗124mのまま

愛知坂下西工区:2024年4月 調査掘進スタート(予定250m)進捗記載なし

愛知・名城工区:2024年4月 調査掘進スタート(予定300m)進捗記載なし

いずれの工区も「4月から開始・再開します」という報告だけなので距離的には進捗はない。

坂下西工区は40cmで停止していた立坑コンクリ壁の掘削が2024年2月完了なので進捗1m?と言ってもいいかもしれない。地盤的には0mだが。

名城工区も進捗0m。3か月?ぶりにプレスリリースページに工区の項目記載が復活した。

用地取得率については更新がなく進捗70%のままだ。

追記ここまで~

JR東海3月28日リニア工事品川部分の進捗をプレスリリース発表した。静岡での工事許可が出ないことをネックに開業が遅れているとされるリニア中央新幹線

さぞ他の箇所の工事は順調に進んでいることだろう。起点となる東京品川駅のトンネル掘削工事の経過を簡単に紹介する。

第一首都圏トンネル 北品川工区 9.2km

2021年10月 掘削スタート目標2022年3月までに300m(調査掘進)

2022年3月 進捗50m

2023年6月 進捗110m

2023年7月  進捗124m シールドマシン停止

2023年10月 停止中

2024年3月 停止中

以上だ。

ん?124m?124kmの見間違いだろうか?リニア車両5両分よりも短い距離だが…

リニア工事概要はこうだ。

東京-名古屋リニア全長は286kmありそのうち地下トンネルは246km、86%を占める。山梨実験線は42.8km。

東京-神奈川は地下トンネル(第一首都圏トンネル37km)で結ばれ地上には現れない。この工事は4分割した各拠点からシールドマシンを発進させ合流する。

工事区域東京から順に北品川工区9.2km、梶ヶ谷工区11.8km、東百合丘工区4.2km、小野路工区12.0kmと言う。

本格的な掘削を始める前に掘削しながらその影響の調査や各種確認を行い、これを「調査掘進」と言う。

上に挙げた進捗は北品川工区の調査掘進がまったく進んでおらず2024年3月時点で工事拠点敷地から出てもいないことを示す。

一点、JR東海擁護するならこの北品川工区はリニア工事全体で最もカーブがキツくシールドマシン掘削の難所だということだ。難所なら仕方ないなあ。

第一首都圏トンネル 小野路工区 12.0km

では同じく3月28日に発表された神奈川側・小野路工区12.0kmの進捗を見てみよう。

2023年7月 調査掘進スタート目標350m

2023年12月 進捗37m

2024年3月  進捗53m

以上だ。

第一首都圏トンネル 梶ヶ谷工区 11.8km

次に3月21日発表の梶ヶ谷工区11.8km の進捗。

梶ヶ谷工区は工区内の拠点から名古屋方面(1号機)と東京方面(2号機)に別れて掘削する。2機あるから進捗が期待できそうだ。

1号機

2024年2月  進捗230m (調査掘進終了)

2024年3月 準備中

2号機

2023年12月〜 進捗なし。本線でない資材搬入口を掘削中

以上だ。

第一首都圏トンネル 東百合丘工区 4.2km

次に2023年12月25日発表(以降の発表はない)の東百合丘工区 4.2kmの進捗。

2023年9月  進捗133m (調査掘進終了)

以上だ。

これら4工区で計540m、第一首都圏トンネル37kmの進捗1.46%である

第一中京圏トンネル 34km

では岐阜-愛知を結ぶ第一中京圏トンネル34kmを見てみよう。

こちらも工区が4分割され岐阜から順に西尾工区4.7km、坂下東工区2.2km、坂下西工10.1km、名城工区7.6kmと言う。

このうち西尾工区は重機で掘る山岳トンネルで、他3工区はシールドマシンによる大深度地下トンネルだ。

このトンネルの進捗だが現時点でプレスリリースのページに記載があるのは坂下西工区のみである

第一中京圏トンネル 坂下西工10.1km

2022年7月 掘削準備スタート 進捗40cmシールドマシン停止中

以上だ。

2022年8月9日発表で調査掘進をする前の準備段階で停止して以降、続報はない。

第一中京圏トンネル 名城工区 10.1km

プレスリリースのページから項目削除。

西尾工区、坂下東工区、名城工区はページにその項目名自体がないのだが、名城工区については削除された経緯がある。

2024年1月18日版のインターネットアーカイブには名城工区の項目があり、2023年12月8日付発表で住民説明会2024年1月に開催する案内があったが、2月15日版以降では項目ごと削除された。

工事写真を見ると西尾工区のトンネル工事はある程度掘り進められていそうだ。環境保全資料を読み解くと名城工区は2023年9月シールドマシン組立が終了したことがわかる。坂下東工区は不明

プレスリリースでの公式発表された進捗は上記だけであるシールドマシン使用しないトンネルでは発表もなく、各県ページの工事写真が更新されるくらいだ。

他のトンネル工事は有名どころでは

が控えている。難所だらけだな。加えて駅舎や車両基地の工事もある。車両基地の用地買収は未だ終わっていないという報道もある。

そもそもJR東海の発表では2023年9月時点で用地取得率は未だ進捗70%だ。名城工区のように工事が始まる以前の住民説明会をやってる工区もある。

静岡云々以前に2027年開業など明らかに不可能なことがわかるだろうか。静岡を除いて品川-山梨で部分開業というのも笑い話だ。

工事状況の散々な遅れに対してJR東海はこれまで「開業時期に影響なし」のコメントを繰り返してきた。

なぜ静岡県知事が強気に出られるか、なぜJR東海開業遅れの原因を静岡なすりつけるか、合点がいく。

JR東海の虚言を信じ2027年に合わせて税金を投じ駅周辺を開発してきた沿線自治体も愚かなものだ。

工事に関するお知らせ|JR東海

https://company.jr-central.co.jp/chuoshinkansen/urban_shield-tunnel/progress/

2024年1月18日版 工事に関するお知らせ|JR東海(名城工区の記載あり)

https://web.archive.org/web/20240118235043/https://company.jr-central.co.jp/chuoshinkansen/urban_shield-tunnel/progress/

中央新幹線計画に関する公表資料等|JR東海 (用地取得率は「超電導リニアによる中央新幹線事業の進捗状況」を参照)

https://company.jr-central.co.jp/chuoshinkansen/

2024-03-29

リニア新幹線2027年開業断念の報を見て

電車好きとしては、安易に「静岡県知事がゴネてるから話が進まない!けしからん!」と思ってしまものの、

彼も県民代表として知事の座に就いている訳なので、県民としては彼を担いでいる理由があるんだと思う。

そう思ってはいるけど「県知事県民のためにこんなことをしてくれた」「外から見たら分からないと思うが県政としてはしっかりやっている」という話を聞いたことがない。

フィルターバブルで同じような電車好きの意見(≒川勝知事に対する否定的意見)だけが聞こえてきているのかもしれないので

誰か川勝知事の良いところを教えて欲しい(特に静岡県民)。

ただのゴネ得おじいちゃんが一つの県のトップにいるとは考えたくないんだ。

anond:20240329125242

2027年開業を断念したのであれば、そもそもリニア事業自体ゼロベースから見直すべきでは?地方自治体理解を得られないまま国家事業を進めるなんて昭和手法は通じないのですよ。

2024-03-11

漫画家寿命は本当に短いのか

鳥山明さんが68歳という若さで亡くなったことで、にわか漫画家寿命話題になっている。

漫画家は魂を削って作品を生み出す過酷職業だが、果たして一部だけを切り取って短命というのはどうなのか - Togetter

https://togetter.com/li/2328789

大元調査ツイートにはさっそくコミュニティノートも付けられており、確かにこれだけで短命かどうかを判断することはできない。

https://twitter.com/monakayoshihiro/status/1766072771971576033

この調査では、1987年まれ享年36歳の人を調査対象に入れている一方、1987年まれ2024年現在も存命の人(享年が80歳や90歳になる可能性のある人物)は調査対象になっておらず、平均寿命より低い年齢が導出されるのは当然です。

平均寿命とは、各年に誕生した人間調査年時点で生存している「割合」を用いて算出されるものです。

また、平均寿命は、1947年から2023年のうちに、男性は30.99年、女性33.13年伸びています

このことからも、1890年代生まれ1980年代まれの人を混ぜ合わせた今回の調査不適切であると言えます

https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life22/dl/life22-15.pdf

そこで、私は以前、そうした事情考慮した 将棋棋士の平均寿命は本当に短いのか という記事を書いていたので、漫画家についても同様の手法グラフにしてみることにした。



(追​記: なぜか時々404になるのでU​R​Lを変更し​ました)

📈グラフhttps://f.hatena.ne.jp/Knoa/20240311125534



このグラフを見る限り、いくらか予感していたことではあったが、将棋棋士とは異なり、確かに「漫​画​家の平​均​寿​命は、世の中の平均よりも短い」と言えそうである。(ただし、ひかえめに見ても10歳以上とかなりの差ではあるものの、後述の注意事項には目を通しておいてほしい)

私たちに夢や感動や笑いを与えてくれる漫画家という職業ではあるが、きっと健康長生きしてくれれば、結果的にはもっとたくさんの漫画を生み出してくれることにも繋がるはずだと思う。それは出版社などにとっても、息の長いビジネスという観点から考慮する価値のあることなんじゃないだろうか?


データと注意事項

最中義裕 @monakayoshihiro

https://twitter.com/monakayoshihiro/status/1766729822607221162

3月8日にUPした「鬼籍に入った漫画家リスト」に関し

多くのご意見及び情報提供を賜り、御礼申し上げると共に、それらを加味し大幅改造した表を再UPいたします。

変更点は下記

没年齢が不明の方の追加

死因を記しました(報道ウィキ公表されている場合のみ)

没年平均値計算は止めました

なお、人選には何の基準もなく、私が過去漫画家さんの訃報を聞く度に書き留めたデータ

今回、皆様から寄せられた情報構成されているため、当然ながら、情報の偏りと(訃報訃報ニュースにならないマイナー作家を中心に)かなりの漏れがありますことをお詫びいたします。

もう一つ変更点(書き忘れ)

自殺事故死の方々も残しました

漫画家男女のグラフは男女比までは考慮しておらず、時代と共に女性比率が増えて、それに伴って死亡年齢が高くなっている可能性がある。(性別は精査していない)

※ 「訃報ニュースにならないマイナー作家」という偏りについては、単に世の中の平均からより乖離した上澄みを対象にしているだけと見ればよいが、逆に自殺事故死などで死亡年齢が若い場合ほど、マイナー作家でもニュースになりやすという事情が考えられる。本来であれば将棋棋士のように一律の条件でデータが揃っていればよいのだが。なお、自殺事故死は政府統計にも含まれているので条件は同じである

漫画家という職業自体歴史はある程度長くても、まだまだ発展途上の職業で、人口ピラミッド比率日本人平均より若い世代に偏っているという事情も考えられる。極端な話、たとえば2018-2022年における「Webデザイナー」の死亡年齢をデータ化しても、少数の不幸な事例ばかりが集まり、80歳で天寿を全うした事例は見つからないだろう。これを考慮して検証するには、存命中漫画家データ必要となり、なかなかむずかしい。参考: プロ漫画家は日本に何人いるのか? - 漫画の真ん中

政府統計は5歳ずつの階級中間値で平均して求めた(たとえば80-84歳での死亡を一律で82歳とみなしている)。新生児高齢者本来の死亡年齢より高く、それ以外は低く算出されやすいが、結果的にある程度相殺される。

政府統計は「その年」に死亡した男女だが、漫画家統計は「その年の前後5年(2020年なら2018-2022年)」に死亡した漫画家男女である2025年分の漫画家データは期間途中であり、今後2027年にかけて変動する。

政府漫画家誕生日までは考慮していないので、「80歳と11ヵ月」で死亡しても80.0歳として計算される。(どうしても平均寿命と比べたいなら、+0.5するとよいが、本来人口ピラミッドの影響も差し引かなくてはならない)


あとがき

データを公開してくれた最中義裕さんに感謝します。

記事グラフは、引用だけでなく他の職業などへの転用も歓迎します。

2024-02-21

インバウンド大丈夫??

今年がインバウンドピークになる可能性がある

・夏にはほぼ確実に円高が始まる、一気にはいかないが2027年までにはコロナ前くらいまでには落ち着くかもしれない

爆買いしていた中国不景気、立ち直るには5年はかかりそう

 

もちろん日本は「それでも安い」だろうけど、ピークアウトはしそうで

2025〜2030年インバウンドは美味しくない気がする

それ以降はわからん

 

とにかく安定しないねこの事業

2024-01-27

2027年の変化が大きそうだな

いろいろと転換点になりそう

あと3年しかないのか

2024-01-15

日本安全保障上の理由災害対策能力を失った

丁度いいので室崎先生解説日本軍事面から補足します。

結論から言うと、日本兵器調達政策の失敗により防災能力が半減しました。

「初動に人災」「阪神の教訓ゼロ」 能登入りした防災学者告白

https://www.asahi.com/articles/ASS1G2P91S1CUTFL01Y.html



---

RF-4Eという偵察機の退役

かつて日本にはRF-4Eという偵察機存在していました(2020年全廃)

兵器の代わりに撮影装置(偵察ポッド)を搭載し、マッハ2で飛行しながら地上を網羅するように撮影します。

その膨大な観測データ501戦術偵察飛行隊に持ち帰り、専門教育を受けた士官情報分析します。

過去震災でもこの両輪は大いに機能し、地上の自衛隊警察消防そして政府の舵取りに寄与しました。

しかしこのRF-4E、素体導入から40年、設計で言えば60年のお年寄りなので引退することに。

グローバルホーク無人偵察機)とF-35に後を託し2020年に退役します(F-15ではないことに注目)

501SQも同時に解散しました(重要

後任たち、その1(無人偵察機

後任のグローバルホーク(以下RQ-4B)が到着し、新たな偵察航空隊2022年組織されます

空白の期間はどうされてたんですか?

RQ-4Bは速度がマッハ0.5以下とRF-4Eに比べて遅く、写真撮影システム簡素です。

アメリカ軍では既に時代遅れの扱いで2022年に半数以上が退役、2027年までに全廃を予定しています

後任たち、その2(F-35

日本F-35戦闘機33機ほど保有しています

世界最初F-35を墜落させたのは日本2018年)なので、ニュース存在を知った人もいるでしょう。

さてこのF-35、偵察ポッドが積めません(2024年1月現在

2027年更新完了予定のブロック4※導入まで載せられないのです。

現在航空機は飛ばすだけでもコンピュータ制御必要で、リアルタイムで動かすためのコード更新し続けています

(余談ですが墜落の多かった737MAXは制御状態でないと飛行できず、異常時に定位置に戻したらそのまま墜落しました。2機:対策済み)

日本安全保障戦略2023年12月閣議決定)でも偵察の部分は空白です。

(正確には昔はこんな装備があって、こんな部隊が居ましたって報告だけ載ってる。さみしいね

偵察ポッドの今

ところでRF-4Eに積んでいた偵察ポッド、実は今でも使われています

戦闘機に積むにはシビアなのですが、ヘリコプターにぶら下げればギリギリ使えると判明し、今回も飛行しています

しかしRF-4Eに比べて速度は1/8以下です。機能的な代替には至っていません。

そして採取したデータ分析していた501飛行隊ももうありません。

データを集める速度も、それを分析する能力も著しく低下しました。

日本安全保障は失敗した

アメリカで退役の進みつつあるグローバルホーク、そして作戦能力が十分にあるとは言えない現行F-35

その他様々な兵器日本アメリカから購入しました。そしてその結果、日本作戦能力は大きく損じています

能登半島での対応の遅れはただただ情報収集能力の低下により発生したと言っても過言ではないでしょう。

全域の情報を速やかに収集し、必要なところに必要リソースを送り込む。そうしたストラテジックな采配はしばらく行えそうにありません。

そして純軍事的に見ても離島防衛など十分に行えない状況です。

刻一刻と変化する状況を観測すための目が無いのですからいくら護衛艦オスプレイがあろうが戦場の霧に無策で突っ込むことになります

最低でも2027年までは日本はいかなる有事にも対応が困難と言えます

もはや台湾有事などお手上げ侍なので、しばらく大人しくしていることをお勧めします。

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん