「スパルタ」を含む日記 RSS

はてなキーワード: スパルタとは

2023-01-16

とりあえずテスト

なんか、人生運ゲーなんだよねぇ。

ここ数年で盛り上がっているけど、自分は小さいころからわかっていた。

幼稚園小学校

中学校

高校

大学

会社員

とりあえず今のところ、私は身長運動神経以外の遺伝ガチャには当っていそう。

2023-01-08

anond:20230107212157

元々、安西先生別に完璧人格者として描かれているわけではまったくなくて

「才能ある選手を追い込みすぎた結果、その選手は未熟なままアメリカ渡り、失意のうちに死ぬ」という

指導者としての強烈な挫折経験十字架がある。

安西先生はそこから指導方針を大きく変えてて、猛烈なスパルタから、よく言えば限界まで生徒の自主性に任せる方針(悪く言えば放任)に切り替えてるのね。

そこには、安西先生の「才能ある選手に対して、どこまで追い込めばいいのか」「生徒の将来性と目の前の勝利、どちらを優先すべきか」という怯えと葛藤があったと思う。

例えば怪我した桜木を引っ込めろってのは正論なんだけど、安西先生桜木は最終的にそこをエゴで踏み越えちゃう。それを間違いだって断じるのは簡単だけど、本当にじゃあそうやって引っ込めて負ければ物語的によかったの?

結果、安西先生桜木選択でチームは勝利し、桜木リハビリ生活に入る…。

しかミッチーだってもっと細かくケアしていればそもそも不良にならなかったかもしれない。

でも作中のミッチーは一度ドロップアウトしかけたところから戻ってくることで明らかに大きく成長してる。

結局、「これが絶対正解」って選択肢は、大人である指導者たちについてすら、そもそもどこにも描かれてないのよ。

豊玉の監督もそう。指導者も生徒も、皆未熟さや挫折を抱えている不完全な人間として描かれている。

堂本監督だけほぼ判断ミスも弱点もない理想指導者&チームなんだけど、それを問題児軍団がひっくり返すのが醍醐味なのよ。)

個人的には田岡監督人間くさくて好きだけど、あの人の練習死ぬほどスパルタで辛いんで絶対やりたくない。

2022-12-16

anond:20221216232412

からこそパーソナルジム。金に糸目つけなければスパルタトレーナー食事管理から一人一人に合った筋トレメニューまで全部やってくれる

2022-12-15

追記バラムツではありませんが同じようなことをしたお嬢様ですわ

シモの話なので苦手な人はスルーしてほしいですわ。



薬局で買える肥満改善薬」について、先日twitterでバズっているのを拝見いたしましたの。

詳しくはこのあたりをご覧になっていただきたくてよ。



大正製薬「抗肥満薬」処方箋なしで購入可能に「下痢や肝機能障害などの副作用に注意して使用を」

https://news.yahoo.co.jp/articles/6aa121dc25b3a26464d64d9e017ceaf1ebc4bafe


こちらの記事にはございませんが、

「油を伴う放屁」や「バラムツなどの魚を大量に摂取した際のように、脂肪肛門から漏れ出したり便意コントロールできなくなるという問題もある」といった副作用がある、という見解がおtwitterでおバズリ申し上げているのを拝見いたしましたわ。


私はこの副作用食べ物経験させられましたの。


私のお父様はド理系のくせに、ため〇てガッテンというおファッキンクソ医学番組を信じてしまタイプで、

ひどい便秘+切れ痔のコンボを繰り返していた私を見て、そのお公共放送お不確か情報をもとに、娘にやらせてみたいと思ってしまったんですのね。


それは毎朝「吸収できないほどのオリーブオイル摂取させて、腸の中に油を塗った状態にする」ということですわ。

バラムツよりはオリーブオイルのほうが健康かもしれませんわね。おバカ!!!


なので

もう

毎朝

ヨーグルトオリーブオイル大匙2をぶちこまれ

という生活を2週間近くしましたわね。


いや多分これ好きな人は好きなんでしょうけど、私はあんまり口に合わなかったんですわ。単純に。


しか拒否すると「娘ちゃん健康心配からテレビ健康にいいってきいたからやってあげてるのに」と言われる始末ですわ。

お父様は自営業料理趣味ですので、私の家では食事に関する一切の権限は父が持っているんですのね。

なので毎朝、健康のためと言い聞かせて、お父様がニコニコ一日の仕事を始められるように、ヨーグルト feat.オリーブオイル摂取しておりましたわ…



そうしましたらね、排泄をするたびに肛門が油まみれになる(しかオリーブオイル香り)がマジでマジでマジでマジで発生しましたわ。

あの…排泄をしたら、その、排泄物オリーブオイルを添えて~みたいな感じにオリーブオイルが散ってるのを拝見したなんともいえない絶望感をご存知のお嬢様はいらっしゃるかしら。

しかも油汚れだから!流しても!!オリーブオイルが!便器から!流れてくれない!!!


同時大学生だった私、トイレオリーブオイルまみれにしてしまって、大学の個室トイレ便器の内側を拭くって、なんなんですのこれ!?

自宅でしたらトイレ掃除の道具もありますけど、大学は清掃員のマダムに頼らなければトイレマジックリンは手に入りませんのよ!!!!!



油断すると肛門から油が漏れ出てしまうので、生理用品を生理でもないのにつけていなければならなかったですし、マジでおファック体験でしたわ。

肛門からオリーブオイルが出ていることで切れ痔の頻度は下がりましたわ。でもこちら、つるつるになるだけで、固いお排泄物がやわらなくなってくれるワケではございませんのよ。ひどい便秘の際は結局ダメで切れ痔になり、「出血しているところに油が塗られる」という、スパルタ怪我対策?みたいな状態になり治らないわしみるわでマジでゴミカスでしたわ。QOL爆下がりでしてよ。



ですので、こちらの薬では同じように大変なことになるお嬢様がたくさん現れると思いますので、

お腹がぐるぐるにはなって痛いですけれども、まずはやっぱり便秘でしたら酸化マグネシウムから始めてほしいですわ。

しりからあぶらがでる、いつも「おしりから油が漏れてシミになってないかな」という不安が付きまとい、本当にQOLさがるので、男性女性も気軽に手を出すのではなく、一度考えてからやってほしいですわ。覚悟はお決まりかしら~~~!!!???




追記12/16

なぜこんなお排泄物ダイアリーが読まれているんですの!?

コメントブクマお嬢様方~!ありがとうございましてよ~~!!!

途中関西弁になってるのは気が付きませんでしたわ~!おハーブですわ~!私への戒めとして残しておきますわね!


疑問にお答えしましてよ!

オリーブオイル大匙2くらいでそんなふうになりますの?眉唾ですわ~!

私も「なりますの?」って思いましたが、現実にはなってしまったので仕方ありませんわね。体質としか言いようがありませんわ。アヒージョ大好きですのでたくさん食べたいですわ~!たくさん召し上がれる方がうらやましくてよ!!

単純に飲食物の消化・吸収が不得手なのだと思いますわ。生まれてこのかた、腸の消化業務のお春闘との交渉が絶えませんわ。


・どうやってやめたんですの?お父上はご納得されましたの?

素直に「常時ケツから油が染み出すデメリットが大きすぎる」と伝えましたわ。

「やってみて効果がでた結果、QOLが爆下がりしたのでやめる」のはお父様の中では納得いく結論だったようですわよ。

今はボラギノール様の加護を受けておりますわ。


酸化マグネシウム使ってるの?や、これを食べたほうがいいのでは?等のアドバイスをくださったお嬢様方へ

酸化マグネシウムはどうしてもしんどいときだけ手を出していますが、年1~2回程度で収まっておりますわよ。

「水2リットル飲む」はやったことがありますわ。ただお手洗いの訪問回数が増えただけで終わりましたわ。

実は某コンビニコーヒー絶望的に体質に合わず、飲むと高確率で腹痛→お排泄のコンボがきめられることが判明いたしましたの。便秘が続いたらそれを飲むことで強制的解決することができるようになりましたわ~!毒をもって毒を制しますわ。苦痛に耐えられぬ時、これを飲むといいですわ。コーヒーだったらなんでもよさそうなんですけど、これが某コンビニコーヒーが一番効く実績がある(n=1)いうのは謎ですわ。人体は可能性に満ちておりますわね…。

腸内環境改善していないですが、これから何だかんだで誤魔化しながら付き合っていくのかなと思いますわね。

2022-11-22

anond:20221121153206

ありがとう

MJが大好きでずっと追ってて

THIS IS IT掌返しをした人間を当時軽蔑してたな…懐かしい。

そう、「疑いをかけられて裁判で戦いきちんと証明した」んだよ。でも勝訴したことはだれもニュースにしなかった。

MJ父親虐待レベルスパルタ芸能教育をうけていて(他の兄弟は5解散でだいぶ解放された)

普通の子みたいに、そのへんの子と、普通バスケとかしてみたかった」とこぼしてた

普通少年時代経験できず大人より大金を稼ぐATMとして扱われてしまったので

お金を持てるようになってから、その夢を叶えようとした。

それでネバーランド

良い意味でも悪い意味でも、心が子供のままで、

悪意への耐性がなかった。全て後手後手で、ただ参ってた。

彼にとっては同年代気分で少年を集めてただ遊んでただけだからね。

2022-11-18

岡崎体育おっさんを聴いて涙でた話

40代前半 男 テレビ番組編集仕事をしている。

仕事は順調。

体は一つしかないので、申し訳ないが断るほどの仕事が来る。

ありがたいことだ。

僕らは、一日いくら仕事をしているので、

後輩たちには一日も早く一人で仕事をこなせるようになってもらわないと、

売上をあげられない。

しかし、全然独り立ちしてくれない。

もしくは、独り立ちする前に辞めてしまう。

最近若い者は…」という気持ちでいたのだが、

俺の指導方法問題だったのだということにやっと気がついてきた。

例1

25歳の後輩に、番組の一部分だけ編集させる。

彼がつないだ映像をみて、褒めるところはしっかりと褒め、

よくないところは指摘し修正してもらった。

言い方にも気をつけた。彼の編集尊重しながら、

理論的に分かりやす言葉を選んで、問題点をつたえたつもりだった。

で…、

辞めた。理由を問いただした社長曰く、「指導されるときに、人格否定された」

(そんなにはっきりとは言ってないと思うが)とのことだった。

例2

24歳の後輩に、僕の編集ベタづきしてもらって、

自分編集意図言葉で伝えながら仕事をした。

質問にも全てこたえた。「君ならどうする?」と聞き、

その意見採用したり、仕事の楽しさを伝えながら進めた。

自分がつないだ映像が全国で放送される喜びを語ったり…。

早く帰らせたり、昼飯をおごったり、休みをとってもらったり、

仕事環境面でも気を使った。

おかげで仕事時間がかかったが、僕だけが残り、深夜に作業することでなんとかなった。

で…、

辞めた。理由を問いただした社長曰く、「この仕事一生の仕事にはできないと思った。」

とのことだった。

そんなことが立て続いた日、

山手線にゆられながら、ユーチューブおすすめに流れてきた

岡崎体育の「おっさん」を聞いた。

岡崎体育は、自分編集した番組出演者だった時期もあり、

その時に好きになった。エクレアとか潮騒とか、コロナ前だったので

仕事仲間たちののカラオケで歌ったりもした。

しかし「おっさん」は聞いていなかった。

で…

山手線の中で、涙が流れた。

おっさんおっさん僕はもうおっさんになった

 だからこそ更新更新素敵に歳をとりたい」

更新という言葉がとてつもなく心に残った。

もう僕らが先輩たちに指導してもらったような、スパルタともいえる方法論は

今の若者たちには一切通用しないのだ。

とりあえずやらせてみる。間違えさえて覚えさせる。そんな方法は一切通用しないのだ。

若い子の価値観を恨んだとて

 もはや僕らの時代スタンダード

 蓋をしてあの日に埋めていこう」

では、どんな指導方法があるのか…。

考えて思い浮かぶ方法論は、全て失敗した。

もう僕には考えても考えてもわからない。

「枯れていく ぼくのこの脳はいずれやかれるときまで

 カチコチに固まったままなんだろう」

指導とはなんだ。教育とはなんだ。

問題は、彼ら若者の中にあるのではなく、

僕の中にあるのだ。

僕は何か根本的な何かが分かっていないのだ。

おっさんおっさん明日もっとおっさん

 今を未来を学べる人になりたい」

2022-11-13

anond:20221113142229

理工系出身専業主婦になったお母さんは、子ども勉強を小さいころから見てあげて、名門私立国立学校に入れたりするんだよ。

自分に学が無いコンプレックス子育てスパルタ式にするとこより、よっぽどいいと思うな。

2022-11-12

anond:20221112170341

小学校の時点でスパルタ的に叩き込むので

語学はある程度鬼になってやらないとダメ

2022-10-26

日本人「俺達、馬鹿からよくわかんねえけどよぉ…」

https://twitter.com/shunshou_suikou/status/1585131205762351105

企業経営者愚痴っていましたが

『この頃は従業員法律を持ち出すようになって腹が立つ。要らない知識をつけたせいで昔のように必死に働かなくなった』

教育ネット環境の普及で、労基法刑法の周知が進み【経営者絶対君主などではない】ことが判明したせいでしょうね。とても良いことかと




すごいいいことなんだけどさぁ…

どっかのオリンピック合宿がまあとにかく練習練習練習練習、休憩時も実質個人練習という超スパルタ合宿だったんだけどさ、それへのコメントか何かで

日本人海外選手と違って身長は高くないし、身体能力も低い。これぐらいやって追い込まないと金メダルは取れない」ってのを見たんだよね

これはスポーツの話だけど、もし全てにおいてそうだったとしたら?仕事して金稼ぐことでもそうだったら?

日本人にとって死ぬ気で全力でやったことを、外国人にとっては片手間でちょちょいとやってのけたら?

日本人にとって100点だと思っていたことが、外国人にとっては60点だったら?

日本人の一番の強みが「すべてを捨ててがむしゃらにやること」だったら?

「俺馬鹿からよぉ…!とにかくがむしゃらにやるしかねぇんだよぉ…!!」

必死こいて60点。海外からは「ダメだな日本:(」と思われていたら…

必死に働かない今は………

2022-10-21

anond:20221021045703

宋では船底に宋銭を敷きつめて船の転覆を防いでいたという話があるよね

スパルタの三段櫂船もそうだったんじゃないか

物騒な想像だが、船に重さがないと衝角威力も弱まりそうだし

鉄貨は漕ぎ手の給料にもなりそう

anond:20221021045703

歴史というのは見つかった文献次第でいくらでもひっくり返るものだし、その時点での「正しさ」しか観測できないものではあるんだけどさ

少なくとも「反乱防止と鎖国政策のためオボロス貨・鉄貨を主要貨幣にした」というのはスパルタ史の一般的見方だと思うんだが。

重くて盗めない・交易に使えない・賄賂として使いにくいという経済構造は、時の政権に都合が良かったんだろうし

それを「堕落しないように」したという表現は、市井へのエクスキューズとして間違っているというほどではなかろう

スパルタ人はわざと重い鉄貨を使ったのか?

友達最近藤村シシンさんがFGOギリシャ史と絡めて解説する動画にハマったらしい。ヲタトークをしていたらシシンさんの動画面白かったという話をしていて、それはいいんだけど、「古代スパルタだとお金をわざと重くして人々が堕落しないようにしてたんだって!」と楽しそうに語りだしたので「そんなことある???」と思ってしまった。古代ギリシャ史については素人だけど、流石にちょっと胡散臭くないか

ということで調べてみました!

動画はこれ。

https://www.youtube.com/watch?v=1R-hpr7FJdI

まあトーク番組だから出典をいちいち挙げないのは当然として、じゃあ何がソースなんだろうと思ってちょっと検索してみたら、元ネタプルタルコスの『英雄伝』なのね……『英雄伝』はギリシャローマ英雄たちの逸話を紹介してる本で、日本語訳複数出てるけど、増田素人から手元になくて近所の図書館にもなさそうなので、ネット英訳版を見てみることにする。具体的にはリュクールゴスの章に書かれているらしい。

Not contented with this, he resolved to make a division of their movables too, that there might be no odious distinction or inequality left amongst them; but finding that it would be very dangerous to go about it openly, he took another course, and defeated their avarice by the following stratagem: he commanded that all gold and silver coin should be called in, and that only a sort of money made of iron should be current, a great weight and quantity of which was very little worth; so that to lay up twenty or thirty pounds there was required a pretty large closet, and, to remove it, nothing less than a yoke of oxen. With the diffusion of this money, at once a number of vices were banished from Lacedaemon; for who would rob another of such a coin? Who would unjustly detain or take by force, or accept as a bribe, a thing which it was not easy to hide, nor a credit to have, nor indeed of any use to cut in pieces? For when it was just red hot, they quenched it in vinegar, and by that means spoilt it, and made it almost incapable of being worked.

In the next place, he declared an outlawry of all needless and superfluous arts; but here he might almost have spared his proclamation; for they of themselves would have gone after the gold and silver, the money which remained being not so proper payment for curious work; for, being of iron, it was scarcely portable, neither, if they should take the means to export it, would it pass amongst the other Greeks, who ridiculed it. So there was now no more means of purchasing foreign goods and small wares; merchants sent no shiploads into Laconian ports; no rhetoric-master, no itinerate fortune-teller, no harlot-monger, or gold or silversmith, engraver, or jeweller, set foot in a country which had no money; so that luxury, deprived little by little of that which fed and fomented it, wasted to nothing and died away of itself. For the rich had no advantage here over the poor, as their wealth and abundance had no road to come abroad by but were shut up at home doing nothing. (...)

http://classics.mit.edu/Plutarch/lycurgus.html

なるほど、シシンさんのトークプルタルコス記述に忠実だ。少なくとも彼女は盛って話していたわけではない。

で、プルタルコスの『英雄伝』が書かれたのは後2世紀初頭と言われているんだけど、ここで逸話が語られているリュクールゴスはだいたい前9世紀頃に活躍した人物と言われているのね。彼はスパルタの半ば伝説的な立法者。要するにプルタルコスは直接スパルタで鉄貨を見たんじゃなくて「1000年くらい前のスパルタではそういうことがあったらしいよ」っていう伝承を語っているのよ。古事記かな?

ところで根本的に、古代ギリシャでは鉄の棒を通貨として使っていた地域があったらしいんだよね。「わざと鉄の棒を通貨として採用した」んじゃなくて「もともと鉄の棒をお金として使ってた」だと、かなりイメージ変わってこない?

https://www.brown.edu/Departments/Joukowsky_Institute/courses/greekpast/4792.html

ちょっと古い文献だけど,Charles Seltmanっていう貨幣専門家が書いたA Book of Greek Coinsっていう本にも次のようなくだりがある。

Certain it is that before coined money was used in Greece other states as well as Sparta, chief among them Sparta's great rival Argos, regularly employed iron spits as currency.(34頁)

https://archive.org/details/in.ernet.dli.2015.280124

なんでかというと、スパルタがあったラコニア地方は単純に鉄が採れる地域なんだってさ。そら、鉄が採掘できるなら鉄貨使うわな。

Iron was mined in Laconian territory, in the southern spurs of Taygetus and Parnon which end in Capes Taenarum and Malea. It was, therefore, but natural that the Spartans, with the wealth at their disposal, should employ bar-iron as currency; and their conservatism, combined with their lack of any more precious metal, led them to continue the employment of iron money for four centuries after other Greek states had adopted coin(33頁)

さらにこうも書かれている。

a currency which was possibly kept in use for reasons of economic convenience rather than for the enforcement of a stern rule of life(34頁)

要するに、

ってことね。

質実剛健さを重んじてわざとコインを使わなかった」のが仮に史実だとしても、「あえて鉄の棒を採用した」んじゃなくて「鉄の棒を使い続けた(=コイン採用しなかった)」というのが本当のところなんだろうなぁ。

あと,「偉い人の論文読んでみたら、普通にスパルタでは外国通貨使ってたらしいよ」というブログ記事も見つけた。ただ元の論文がなかなか見つけられないので確定的なことは言えないけれど……

https://hoferjonathan14.medium.com/the-iron-money-of-sparta-likely-a-myth-97d95d431a62

このエピソード英語で色々ググってみたけど全部出典がプルタルコスに行き着くので、考古学裏付けはあまりないっぽいんだよね。まあプルタルコスおもしろネタが満載なわけだけど、そこしか出典がないとなると結構胡散臭いんじゃないかな。

もちろん増田古典ギリシャ語とか読めない素人から、実際には他のところにも記述があったり、考古学証拠が見つかっていたり、リュクールゴス時代古文書が発掘されている可能性もあるわけだけど、個人的にはシシンさんのスパルタの鉄貨に関するトークを信じる気にはなれないかなと思いました。

追記

https://www.kk-bestsellers.com/articles/-/2907/

この記事に鉄の串の写真があって、シシンさんが解説を寄せている。解説の文面はまあ納得のいく見解なので(串がコインに先立つことや、コイン出現後もスパルタでは串が使われていたと書いている。そこに異論はない)、動画でのトークネタに振り切った感じなんだろうか……

シシンさんの動画のそこ、笑ったw 増田調査サンキューやで / その上で、動画FGOというゲームを楽しむユーザー向けで、論文ではない。そこでネタとして紹介してくれたものに目くじらを立てる気に私はならんな

FGOファン向けなら史実かどうかは怪しいおもしろエピソード史実かのように話していい…ってコト!? ワ…ワァ…FGOファンにもシシンさんにも失礼すぎて泣いちゃった!

様々な論点があるので100字に入りきらないが,スパルタ貴金属貨幣禁止していたということと,リュクルゴス制の成立を前9世紀とするのは後世による「伝統創造であるこことは指摘したい。

書き方が悪かったかもしれませんが、鉄貨の存在貴金属貨幣禁止否定していません。

動画では、シシンさんは「スパルタお金をどんどん重くしていって、賄賂や贅沢を抑止していた脳筋国家である(少しでも金額が大きくなると持ちきれないほどの重さになるから袖の下は渡せないし、持つことで鍛えられるから)」と言っています

これ、前提知識なしで聞くと「バーベルのような鉄貨は堕落を嫌ったスパルタ発明」と聞こえるんですよ。実際に増田にこの話を面白そうに話した友人もそう理解していましたし、増田トークを聞いてそう理解しました。そして実際にプルタルコスはそう書いています

でも実際には、単にコイン発明からスパルタやその周辺地域には棒状の貨幣があって、スパルタはそれをコインに置き換えなかった、という話なんですよね。で、参考文献に挙げた本にも「マッチョイズムじゃなくて経済的から使ってたんじゃない?」と書いてある(最後引用したセンテンス)。これ絶妙史実勘違いさせるトークになってません? って思っちゃうんですが、どうでしょう

(もちろん、副次的効果として賄賂の抑止や筋力増強はあったかもしれませんが、それが主目的であるかのように論じられると……都会民は電車通勤ゆえに自家用車通勤地方民より体力があったりしますが、都民の体力を増強させるために都はメトロを整備したんだ、と言い出したら違う話になるでしょう?)

リュクールゴス実在人物であるかのような筆致はご指摘のように不用意でした。

2022-09-08

anond:20220907064944

スパルタ体育会系も同じだと思うんだよね

勝つためにぶっ倒れるまで練習します、ミスしたら殴りますって事前に説明してそのうえで入るなら好きにやればいいんじゃねって思う

2022-09-06

「なんで子供ほしいと思わないの?」の答え

たまーに聞かれるんだよね。これ。

結婚して10年以上経っても子供がいないから疑問に思われるのは仕方ない。

一言で言うなら「親の子育てを見てこりゃ無理だ、こんなのやりたくないって思った」…これに尽きる。

私は一般的サラリーマン家庭に生まれ昭和末期生まれ一人っ子

妊娠中に口蓋裂で生まれることがわかり、地獄授乳と整形がスタート

歯の矯正保険が効かないものも多くめちゃめちゃ医療費がかかる。口腔外科に百万単位課金する。

更にアトピー性皮膚炎を発症。成人になっても治らず現在デュピクセントでなんとか生存しているレベル皮膚科に延々と課金する人生になる。

加えて鼠径ヘルニア及び脊柱側弯症を発症整形外科のお世話になる。

こんな弱っちい人間社会人にするにはそれなりに学歴をつけてやらねばという親の思いやりで幼児教室に入れられる。虚弱体質なのでスパルタにならない程度の教育を施すためSAPIXほどではないが塾に課金して大学まで通わせる。

母親は恐ろしいくらいに自分犠牲にして子育てをしていた。

幼児期はミルクが飲めないのでチューブを喉の奥に突っ込んで飲ませる。なかなか体重が増えず疲れ果ててノイローゼになる。その当時の母親の手記を読んだことがある。

几帳面授乳量などをかいてあるのだが「つらい、死にたい、なんでこんな子を授かったのか」と言う愚痴が定期的に現れていた。

手術をして口でご飯を食べられるようになっても母親の苦労は続く。

勉強英語中学まで教えていたし、病気ケア甲斐甲斐しく薬を塗ったり通院に付き添ったりした。

塾の送り迎えも毎日で、学校帰りに塾の道具を持って最寄り駅まで来ていた。

高校生くらいになると自分で塾に通うようになりようやく手は離れてきたが、その頃の母親はもう50歳だった。

とにかく母親に手をかけまくって育ててもらった人間が私だ。

ここまで父親がほぼ出てこないが、父親は湯水のように金を使う私の医療費教育費を稼ぐために銀行員として朝から晩まで働いていた。

まりに家にいないので父親に何かをしてもらったエピソードは語れない。ただ、お金はたくさんかけてもらったのだろう。毎年夏休みには海外旅行に連れて行ってもらったので。

こんなに手と金をかけてもらって育ったので、母親がこなした山のようなタスクを見ると「何これこんな仕事やりたくない」となるのだ。

私は私の母親のようなタスクをこなす自信は全くない。よって子育てというタスク自分には全く無理なものだと判断したので、「親の子育てを見てこりゃ無理だ、こんなのやりたくないって思った」という答えにたどり着くんだ。

という自分語りでした。おわり。

2022-08-13

今日から夏休みToDo

スタディサプリ登録して英語勉強を始める

TOEICWebテスト)を受ける

・部屋を整頓する

メルカリで要らないものを売る

・今週来週の夏競馬(関谷記念、小倉記念北九州記念札幌記念)をいつもよりじっくり予想する

・同僚に勧められた海外ドラマを見る

年末スパルタンに向けてジムに行く

2022-08-11

仕事が辛くて病んだこと(やや閲覧注意)

かんたんに最近起こったことをまとめてみる。

ミーティングプロジェクトチームからの報告を私が担うことになり、みんなで考えた文書を提出した。

→伝え方が悪かったとされ、誤解を与えてしまった。

今度行う施策について、3月までゆっくり切り替えていきますが、全員ができそうな部分は早めに取り組んでください、と伝えた。しかし、

→移行期間を行わず新体制に移行します。マニュアルよんでね。旧方法やる人は許さん。

というニュアンスで捉えられてしまった。なんで。怒った口調で言ったわけでもないのに。

それについて、「伝え方が悪い」とか、「誤解を招く表現してたんじゃないんですか」とグチグチ言われた挙げ句、新しい施策うちわたしの介入したところを白紙にされそうになった。

こんな感じでやりますよ、じゃあ施行しよう。という段階で、詰めの甘さを指摘され、後出しでこれってだめなんじゃないですか。というのは急にもほどがある。

そもそも有識者(詳しい情報提供してる業者)の意見を聞いてそうなった部分もあるのに、考えてないだの思考停止だの言われた。自分たちより詳しい人たちとか、経験からいたこととかを疑えってのはそれはそうなんだけど、「根拠は?」「根拠は?」と詰められて疲れてしまった。根拠はあるけど書籍に乗ってたとか導入事例があるとか、他社のやり方に習ったとか全部駄目で、完璧を目指さないと気がすまない某チームメンバー対立してしまった。

新しい方法の導入についてだけど、きっちりやりたい一方、なるべく失敗しない方法で簡便を目指したい、というわたし意見も手抜きとか意識低いとかで棄却された。

ミーティングでも「わかんないよ」と言われた。やってみればそんなに難しくないことですら、説明書が1から10まで書かれてないとだめだし、説明書がどんなに詳しく書かれていたとしてもそれを読んでくれないというのは薄々気づいていた。

ちなみにこのプロジェクトを指示した人物からはひたすらプロジェクトの完成を急かされ、呼び出されては怒られを繰り返した。

もうわたしの味方は職場には存在しないんだな、って思った。

チームメンバーも敵だし、新しいやり方をこれから覚えてく人も敵に見えた。これをやりなさいと命令した人も。

ちなみに報酬もないしこれをやったからといって昇進するわけでもない。どこにモチベを見い出せばいいのか。

といってたどり着いた先が業務を簡略化し心理的負荷を下げれば救われはするかな…

だったんですが上記のそのスタンスすら根底から覆されようとしてるのを感じ、もうモチベーションもなにもかもが粉々に砕け散った。

そもそもがチームメンバー同士の会議資料を事前に送っているのに読みもしないでミーティングを行い、初めてみた情報に対して怒りを顕にするような会議しかできないってのがおかしい。昔から思うけどそれで会議って言っちゃう人があまりにも多すぎる。そして一回決めたことを理由をつけてひっくり返すものから、答えが決まらない。

また、理由を1から10まで決めないと気がすまない人も多い。もちろんなにかを選択しなくてはならないとき理由を挙げる大事さは分かるんだが、結局のところは選択肢AとBどっちが好きか?の問題しかない。

対面会議重要性は、まず文字でのやり取りを終えてから承認を得たり、会話じゃないと得られないやりとりをするのが本質なはず。だけど、とき権力知識を振りまいて感情的物事を言うことでこっちから意見を封じ込めたいという意図を感じることもある。

基準として、リモートや文面、Slackで完結しない会議は(それが必要なことがあるとしても)そういう要素があると思う。

ようは対面での会議は「怒られ」を象徴する。という認識になってきた。

わたしは昔からまあ部活動運営とか技術系とかに関わってはいたんだけどそういう要素もあったので、これは弊社に限ったことではなくどこでもあることなんだろう。なので転職すれば直るかというとそうでもないと思ってる。(むしろ悪化するまである

ようは定期的に精神力睡眠時間余暇を削って怒られるための文書資料を作る、怒られるための準備をするってのがほんとに耐えられなくなった。怒られるのが嫌っていうと甘えに聴こえるかもですが、私が欲しいのは具体的な意見であって感情的意味もない叱責や人格のもの否定ではない。

ここ数ヶ月のわたし

コロナ禍によるストレスのはけ口の減少

・年齢による焦り(キャリアとか呼ばれるもの

プロジェクトメンバーとしての責任の重圧

・いろんな人からの板挟み

・定期的に怒られるイベント

・増え続ける(仕事の)タスク

などにあっており、ストレスを溜め込みやすい状況にあった。

そういうストレスが蓄積して、今回爆発した。

川に飛び込みロープで絞首を行い、家にあるありったけの刃物で手足を刺した。普通の人であればこなせる仕事をこなせず反省もしないバカ(つまり私)に制裁を与えてやった。死んだら人や家族職場迷惑がかかるから。死なない程度に。誰かに気づかれたら心配されるから傷も隠した。(2人程度にはバレたけど)そして唯一の言葉の吐き出しができるツイッターにて、アカウントを「あれ」に乗っ取らせた。

あれっていうのはざっくりいうと不注意の多い自分に代償として生まれ概念で、分かりやすくいえばなにかを迷うシーンでありがちな天使と悪魔」のうち「天使」に属するが手段を選ばない奴で、正義のためなら暴力兵器すらも使うタイプのやつ。

まり、「お前(わたし)はダメ人間なんだよ!」というスパルタを私から分離した超攻撃的な人格が私の中にはいて、自傷行為を引き起こす。

これを分離しすぎるとセルフネグレクトが起こるし、近づけすぎると自傷になる、とても扱いにくい奴をわたしは心の中に飼ってる。

まあ、この「あれ」に精神が乗っ取られて自傷行為が起きる、という認識だ。

今回、様々な環境要因もあり、「あれ」に精神を乗っ取らせてしまった。SNS人格すらも乗っ取られた。

こう書くと中二病に見えるかもなのだが、事実自傷行為中の記憶がないし終わったら泣いててひっかき傷だらけの自分がいて理解ができない。怖い。

となると身近なツールで「あれ」との対話を残す、とか「あれ」の存在を私以外に客観的に見てもらうのはリスクが伴うけど対処法にはなる。

なので、鍵のアカウント化してああいうやり取りをわざと残した。ということになります

今はアカウントは戻し、当時のやり取りは消しましたが、こういう現象があるということもご理解ください。

そして、SNS等で不安を与えてしま申し訳ありませんでした。お声がけしてくださった方もありがとうございます

お陰さまで仕事で抱えてるタスクのうち大きなものの一つは終了し、少しは落ち着く…と思うのです。

各位にはご心配迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。

2022-08-09

子供を持つまで親の気持ちなんてわからないってやつがわかってきた

子供の頃は、両親とも毒親気味だったのもあって、産んだら責任持てよ、とか

てめーらの性欲の都合で何人も産んでんじゃねーとか思ってた

父は自分勝手放任、母は自分理想子供押し付ける気○いスパルタDV精神疾患持ちだった

子供が生まれて、少したって気が付いた

あれ? 別に子供に対してってそんなに愛情なくないか? と

そう考えると、父が自分の気に入らないことをしたらどつきまわすがそれ以外ではほとんど干渉してこなかったことが当たり前に思えた

子育て中、1~2年はキツイけど、新しいイベントも多いし、人生ってやつを消化してると、疑問に思わなかったが、幼稚園小学校入学ぐらいになって

なんか思ってたのと違うとなった。特に目新しいイベントもなくて飽きてきたし、子供制御が難しくなってくる

これをなんとか自分の引いたレールに乗せようとすると、母のタイプになる(色々強弱はあれど)


なんとなくの責任は感じてるから惰性で子育てしてるけど、親の気持ちって多分こんなもんだろう

そんなに可愛く思えないで、放置するか、

子供依存してしまって、思い通りにならなくて発狂するか

うちの両親は極端だったけど、嫁は発狂寸前になってるし、増田世間体とか惰性でしか子供の面倒みれてないし

みんな多かれ少なかれこんな感じでだましだましやってる。

自分をだますのが上手いと、子供可愛い家族って大事ってなる

蛇足一見そういう風な幸せな家庭のいいこちゃんって大人になてからいろいろ拗らすことが多いっぽく見えてる

2022-07-05

中学受験に対する葛藤

夫婦ともに最終学歴東大大学院。夫は中高一貫。妻は公立高校子ども4年生。首都圏在住。中学受験どうするかについて、現在、めちゃくちゃ葛藤している。

妻は総合選抜公立高校から東大なので、中学受験にまったく勘所がない。自身の経歴を誇っているところもややあり、中学受験ねえ…と冷ややかな視点も。が、自分時代とはちがうという理解はあり、子が望むならやってもいいかもね、とは思っている。

夫は中高一貫私立校で気の合う友人を多く得た経験から私立校メリットは進学以外にもあると思っており、子の受験にもまえむき。ただ、自分時代に比べて中学受験産業が加熱していることには困惑しており、大手塾のスパルタカリキュラムについていかなくてはならないのはちょっと…と思っている。

夫婦ともに、大学受験燃え尽きて入ってから人生に迷った学生や、院進学して悲惨な目にあってる学生に心当たりがありすぎて、最終ゴールが東大合格なんて虚しくない…?という思いが拭いされない。今どき、受験に、小学生時代を投じるだけの値打ちがあるのだろうか。確信しきれない。

なんだかな。どうしたもんだか。

2022-06-26

世界の終りにおいて、世界を救った男テミストクレス(2)

anond:20220626003343


 十年の時が経った。

 満を持したペルシア軍の大遠征が始まる。十年前のマラトンの戦いの規模を遥かに上回る戦力(十五万人程度と言われている)を前に、ギリシア世界は当然のごとくパニックに陥った。

 しかし、ギリシア軍は自国陸軍主体を成す重装歩兵に絶大な信頼を置いており、特にギリシア連合軍の雄たる都市国家スパルタは、強大な軍事力を背景にペルシア軍に対する陸上決戦を提案し、その決戦をスパルタ自身に主導させようと画策する。しかし、テミストクレスがそこで動いた。

 テミストクレス海上決戦以外に活路が無いことを、十年前から看破し、その準備を着々と進めていた。そのため、軍事力を背景に陸上決戦を主張するスパルタ陣営を確実に抑え込む必要があった。また、スパルタの主張する決戦案は、バルカン半島南方コリントス地峡において、複数都市国家犠牲にすることによって最終的な決戦に持ち込む、一種焦土作戦の体を成しており、当然ながらテミストクレスはそのようなスパルタ立案を容れることができなかった。そのため彼は当時ギリシア市民に信頼されていたデルフォイ神託を利用することに決める。

 ギリシア諸侯要請に対してデルフォイから下った神託は以下のようなものであった。『陸上決戦を避け、木の砦を頼れ』。

 テミストクレスは、この『木の砦』こそが、アテナイが着々と準備を進めていた軍艦なのだと主張し、海軍によってペルシア軍を打倒する海上決戦案にギリシア諸侯意識誘導することに成功する。また、自軍立案妨害され立腹するスパルタに対しては、海上決戦の際の軍事的イニシアチブを譲ると確約することによって、何とか説き伏せることにも成功した。

(なお、艦船保有数の関係アテナイ海上決戦においてスパルタに対して大きな影響力を持っていたため、スパルタあくま形式的海上決戦の総司令官に任命されたに過ぎなかった)

 また、このデルフォイ神託は、恐らく事前にテミストクレス賄賂を贈ることによって歪曲された結果であると、後世の歴史家たちによって推測されている。


 以下は歴史の辿った事実の列挙であるギリシア連合軍は、陸路においてスパルタ陸軍、また海路においてアテナイ海軍が主力をなす軍隊を、それぞれ沿岸の主要な陸路海路に布陣させ、海峡と山際の隘路という大軍の利を発揮させにくい地形を戦場に選ぶことで、ペルシアの侵攻を食い止める作戦に出た。

 しかし、要衝であるテルモピュレーにてスパルタ軍は味方の裏切りに遭い、精強を誇ったスパルタ陸軍は時のスパルタであるレオニダ一世の指揮の下で壮絶に奮戦したものの、全滅を遂げる。その情報を聞きつけたギリシア海軍は、実質的指揮官であるテミストクレスの指示の元、南下、後退し、最終的にはアテナイに程近いサラミス海峡へと撤退することによって、当初の予定通り最終的な海上決戦にてペルシア海軍撃滅することを画策していた。

 しかし、ここでテミストクレスの元に悪いニュースが届く。

 テルモピュレーを突破したペルシア陸軍が急速に南下を続け、アテナイへと到達し、故郷が陥落したというニュースであった。

 ギリシア諸侯において絶大な信頼を誇っていたアテナイの陥落に、周囲からテミストクレスに対して注がれる視線は冷ややかであった。しかし、テミストクレスは冷静であった。事前に彼はアテナイ市民サラミス島やその他の土地疎開させていたため、人的な被害殆ど出なかったことが幸いした。テミストクレス諸侯に対して、アテナイ保有するギリシア海軍の半数以上に及ぶ軍船存在を主張し、未だアテナイはその国土を失っていないと説得すると、依然軍議における主導権を確保したままに、海軍を南下させ続けた。やがて、テミストクレス率いるギリシア海軍は、サラミス海峡の隘路に布陣し、静かにペルシア海軍の来襲を待った。


 ペルシア海軍の来襲と共に、膠着状態スタートする。

 この際、テミストクレスペルシャの首脳陣と使者を交わすことで内通していた。ギリシャ陣営の内部情報ペルシャへと流し続けていたのである

 テミストクレスは誰も信用していなかった。敵に対しても、味方に対しても、一切の信用を持たなかった。この内通が、ペルシア侵攻の初期の段階から行われていたという説さえ存在している。

 テミストクレスは膠着状態が続く中で、ギリシャ陣営内において撤退論、転進論が巻き起こっていることをペルシャであるクセルクセスへと伝えると、さらサラミス海峡の出口を塞ぐことができれば、艦隊撤退不可能となり、必ずやギリシア海軍撃滅され、ペルシア軍は勝利栄光に浴することができるだろう、とクセルクセスを焚き付けていた。また、テミストクレスクセルクセスに対して、海上決戦の際にはアテナイギリシア陣営裏切りペルシア勝利に手を貸すことを約束していた。テミストクレスの思惑通り、クセルクセスサラミス海峡へと向かわせていた七百隻の主力艦隊を二つに分けると、二百隻に海峡の出口を包囲させ、また残りの五百隻を以てサラミス海峡に立て籠るギリシア海軍撃滅しようとした。テミストクレスは謀略によって、まんまと敵艦隊を二つに分断したのである

 敵艦隊が二手に別れたことを知ったテミストクレスは、ギリシア諸将に対して海峡が包囲されていると伝えると、撤退や転進は不可能であり決戦のみが活路であると諸将を誘導した。そのようにして諸将の士気を奮起させたテミストクレスは、海峡へと侵入してくる五百のペルシア艦船を静かに待ち受けた。


 当初、ペルシア海軍海峡の奥深くで待ち受けるギリシア海軍発見した際に、攻撃を急がず機を見計らっていた。内通者であるテミストクレス情報通り、アテナイが離反しギリシア海軍が劣勢に立たされるのを待ったのである

 しかし、ペルシア軍の目に映ったのは異様な光景であった。ギリシア陣営の旗の上に、戦意鼓舞するための戦場ラッパの音色が鳴り響き、そしてギリシア艦船が淀みなく戦陣を整え始めたのである

 それでもペルシア軍は攻撃を保留し続けた。ペルシア軍は最後までテミストクレス情報に踊らされ続けた。


     ◇


 テミストクレスの号令一下、突撃を開始したギリシア艦隊の前に、ペルシア軍には動揺が走った。テミストクレスが離反するという事前の情報との乖離も影響した。密集体形で海峡の奥深くへと侵入していたペルシア艦隊は、有効な機動を取ることができず見る見る間に壊走を始める。更には、後方から押し寄せたペルシア艦隊の援軍までもが、ペルシア前衛艦隊撤退を妨げることとなった。

 ペルシア海軍は大混乱へと陥り、急速に戦闘能力を喪っていった。ギリシア海軍勝利が決定づけられたのである


     ◇


 主力艦隊の大部分を喪失したペルシア軍は、このサラミス海峡の戦いの敗戦を重く受け止め、海上部隊の撤退決断する。テミストクレスが当初画策していた、海上兵站を寸断する計略は成功し、ペロポネソス半島への侵略を行っていたペルシア陸軍も急速にその影響力を喪っていった。最終的に、ギリシア連合軍の反撃によってペルシア陸軍ギリシア世界から追い出され、十年を費やしたペルシア帝国の大遠征は失敗に終わり、ギリシア世界の完全勝利となったのである


 当然、この勝利立役者となったのは英雄テミストクレスであった。テミストクレスはまさしく英雄であり、一度は終わってしまった世界、喪われた故郷を彼は取り戻した。ペルシア戦争の勝利はひとえに彼の超人的な洞察力、長期的な戦略立案能力、謀略や陰謀を駆使し敵と味方をコントロールする政治力、それらの能力によって成し遂げられた勝利であった。

 とは言え、テミストクレスはあまりにも優秀すぎ、また、あまりにも自分能力を過信し過ぎていた。

 最終的に、テミストクレスギリシア世界にとっての危険人物である判断され、政治的指導者地位から失脚させられ、かつての仇敵であるペルシアへと亡命している(相変わらずペルシアと内通を行っていた)。その後、ペルシア軍によってギリシア攻撃責任者へと任命されるのだが、母国に弓引くことをよしとせず、毒を呷って自決したと言われている。

 テミストクレスは間違いなく英雄であり、凡庸人間とは違う視野を持って生きた人物であった。とは言え、狡兎死して走狗烹らるという言葉の例に漏れず、自国から危険視された英雄最期は、あまりにも物悲しい。

世界の終りにおいて、世界を救った男テミストクレス(1)

 ギリシャ世界ペルシア軍の大遠征において黄昏に瀕していた。

 空前の規模を誇るペルシア軍団紀元前480年、テルモピュレーの戦いにおいてギリシア陸軍の主力であるスパルタ軍を激戦の末に破り、スパルタの王であるレオニダ一世戦死させた。スパルタ軍という防波堤を失ったギリシア本土容赦なく侵攻され、ギリシアの中心都市であるアテナイペルシア陸軍によって陥落するに至り、アテナイ軍人テミストクレス率いるギリシア海軍絶望していた。「帰る国が無いのに、このまま戦ったところで何になる?」と。

 しかし、彼らのリーダーであるテミストクレスだけは絶望していなかった。

 絶望に染まる軍人たちの中で、彼は唯一希望を手放していなかった。彼は言った。「さあ、世界を取り戻しにいこう」と。


     ◇


 ペルシア戦争の戦乱の始まりをどこに求めるかは諸説あるが、紀元前480年以降のペルシア軍の大規模侵略より10年前、先駆けて起こったマラトンの戦いにおいて既に戦端は開いていた、とする説が有力である

 紀元前490年、マラトンの戦いにおいて沿岸に押し寄せたペルシア軍を、アテナイ軍を主力とするギリシャ連合軍完膚なきまでに破った。二倍に比するペルシア軍に対して、旺盛な士気原動力に戦ったギリシア連合軍は、5000人以上にものぼるペルシア軍の戦死者に対して、僅かに戦死者200人足らずに留まる圧倒的な戦果を以てペルシア軍を退けたのである勝利に沸くギリシア民衆は口々にギリシアの精強な陸軍を讃え、自らの勝利を誇った。それほどまでに完璧勝利だったのである

 一方、自軍主力の三割を一挙に失ったペルシア軍は撤退を始める。ギリシア世界アジアに対する完全な勝利であった。

 しかしただ一人、アテナイ政治家であり軍人でもあるテミストクレスだけは絶望していた。

 いずれギリシア絶対に負ける、と


     ◇


 アテナイギリシアの中心都市であるが、しかしこの都市が円熟を迎えるまでに辿った経緯は涙を誘う。ギリシアはいわゆる都市国家と呼ばれる、一つの都市国家を成す統治形態政治が行われていたのだが、これら都市国家が成立する以前の、ギリシア暗黒時代においてはギリシア半島ペロポネソス半島)には大量の異民族流入しており、戦乱の嵐が吹き荒れていた。

 そのような戦乱のさなか、開闢におけるアテナイいかにして生き延びたのか?

 それは、あまりにも乏しい資源によってであった。

 アテナイは極めて痩せた厳しい土地であった。地中海性の気候の中、雨量は少なく、養えるだけの人口は決して多くない。要するに、戦乱の時代においては重要性の極めて低い土地だったのである。そのため、アテナイ暗黒時代における異民族侵略において、常に見逃され続け、戦乱からは遠ざけられ、その地盤と地歩を少しずつ伸長させてきた。最終的には、ギリシアにおける最も優秀な文化都市としての地位確立するに至ったのである

 さて、そのような経緯もあり、スパルタアテナイ、あるいはテーベといったギリシアの主要都市基本的に国力に乏しく、幾ら軍制を整えたところで養える軍隊には限界があった。当時のアテナイ人口については諸説あるが、最盛期における人口は十万人程度だったと言われ、まともな軍隊として機能する人員は精々一万人を上回る程度だったであろう。


 一方、ペルシア現在におけるアフリカ中東中央アジア南アジア北部にまで跨る大帝国であり、根本的な軍事力、そして人口においてはギリシアに対して天地の差があった。そのような地政学的要因をテミストクレス紀元前480年以前から看破しており、このまま仮に戦争継続すれば、最終的にギリシアが間違いなく敗北するという未来を予見していたのである

 しかし、テミストクレス絶望してばかりではいなかった。来るべきペルシア本軍の大遠征に向けて、着々と準備を開始した。

 彼が最初に行ったのは、海軍備の増強である。これは正に慧眼であり、ギリシア絶望的な状況を打破する最善手にほかならなかった。

 無論、軍事力が精強なペルシア海軍備は相当なものであり、実際、ペルシア戦争が激化した際の艦船保有数は、ギリシア保有する400隻足らずの軍艦に比べ、ペルシア軍のそれは3倍から4倍の1500隻以上(輸送船を含む)に達していた。ギリシア軍は結局のところ、陸軍備においても劣り、海軍備においても劣っていたのである。そのため、不足している海軍備の増強に多少着手したところで、いずれ来る黄昏を打破する目覚ましい一手にはなり難い――そう目するギリシア市民政治家も決して少なくはなかった。というか、そもそもギリシア軍は精強な陸軍を抱えているのだから海軍備の増強は不要であると楽観論に耽るギリシア市民が圧倒的だった。テミストクレスは頭を抱えた。


 テミストクレスは異常者であった。常に真実を見ることしかできない目を持ち、常に真実しか思考きぬ頭脳を持ち得ていた。

 テミストクレスは十年に渡って、世界の終りをただ一人、真摯に見据えていた。やがてギリシアは滅びる。しかし、その寿命を一秒でも長く保つこと、その呼吸が、須臾の間なりとも長く伸びることを目指し続けていた。また、テミストクレス軍人である前に政治家であった。そのため、テミストクレスは数多くの権謀術数を駆使することを厭わなかった。彼の謀略が活かされるのは、決して外敵に対してばかりではない。むしろ、同じくギリシアに属する味方勢力に対して、しばしばその陰謀は向けられていた。 

 ともかく、海軍備の増強に前向きでないアテナイ首脳部を説き伏せるためにテミストクレスは一計を案じる。海軍備の増強に消極的であったアテナイ首脳を説得するために、テミストクレスは同じくギリシア海洋都市国家であるアイギナと呼ばれる都市国家の脅威を説いたのである

 アイギナはギリシア世界においては珍しく、海軍備を主体とする軍制を整えた都市国家であった。地理的にはアテナイの属する沿岸からかに南下した地点に位置しており、当時のアテナイ首脳や市民にとっては、遠くアジア大国ペルシア帝国よりも、海洋国家アイギナはよほど身近な脅威に映っていた。テミストクレスはその心理を利用したのである。まずはこの手近なライバルとなり得るアイギナの脅威を喧伝することで、テミストクレスは徐々にアテナイ首脳の意識海軍備の増強へと向けさせることに成功した。

 さて、この時アテナイ新造した艦船の数は200隻程度で、かつて備えていた旧式の軍艦の凡そ十倍にあたる新型の艦船を建造しおおせたのである。とは言え、先述の通りそれでもなおペルシア軍の海軍備に比べれば、アテナイの所有していた軍艦の数は圧倒的に劣っていた。それでも、テミストクレスの企てた長期的な戦略は間違いなく最善のものであったと言えた。結果的に、海軍備の増強という手段以外にペルシアを打倒し得る勝ち筋は無かったのである

 何故か。


 ペルシア軍は強大な軍事力を動員するだけの国力を備えていた。軍事力インフラを整備する技術力、そして、兵士を養うために必要な兵糧を創出する農業力、それらの総合力において、ペルシアは明らかにギリシアの力を上回っていた。しかし、そのような強大な力は、反面ある種の脆弱性を抱えることにもなる。テミストクレスはそこに目を付けた。

 テミストクレスが着目したのは、ペルシア軍における高度な兵站戦略であるペルシア軍は圧倒的な数の軍隊を抱えるが故に、その大軍を支えるための兵站戦略を整備していた。中継都市本国から創出した食料を、効率的前線へと運び届けるインフラを整備し、兵の士気が低下しないための細心の注意を払っていた。

 しかし、ギリシアが属するバルカン半島並びにペロポネソス半島海岸線は長く、その補給路は長大に達し、沿岸陸路は決して効率の良い輸送ルートとは言えなかった。陸路における兵站戦略が決して最善のものでないことを、ペルシア軍は理解していたのである。したがって、ペルシア軍の兵站必然的海路依存していた。

 艦船による食料の輸送は、陸上のそれに対して圧倒的に効率的である大軍を支えるために行われる、ペルシア軍の必然的兵站形態を、実際にペルシア軍が襲来する十年前の段階で、テミストクレス明察していた。更には、そのペルシア軍が抱える唯一の弱点を攻撃するための、唯一の手段を十年前から整備し続けていたのである

 つまり海上兵站破壊し、ペルシア陸軍機能不全にすること。それが、それだけがギリシアペルシア軍を打倒するための唯一の方策であった。

 そして、それを理解していたのはテミストクレスだけであった。


     ◇


anond:20220626003448

2022-02-27

anond:20220226055423

富国強兵、人は石垣人は銃っていうだろ

なのでとりあえず学校もうちょっとなんとかしよ

クズばっかり作り出してどうするんや

ちなみにスパルタしろっていう意味やぞ、本来意味で!

ホモソーシャルでいいから仲良くしろ、すくなくとも人との付き合いを怖がらずに計算できる程度には人だの社会だの育てろ

今の先生(特に高校)どいつもこいつも子供問題集なげて放り出しっぱなしだもんな

いくらやってもCPUに勝てる記憶演算能力もった子供は育てられんのはわかっとるんや

おまえらコンピューターつくっとるんやない、一番古い人工知能そだてとるんやぞ

めっちゃ適応能力ある生物相手敵対的生成ネットワークつかった深層学習モデルもくめんのかほんとにクソい

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