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はてなキーワード: ディスコとは

2017-07-18

はてなで鰻食イコール悪がすっかり刷り込まれたお陰でスーパーでうなうディスコが流れると気が狂いそうになる

https://www.youtube.com/watch?v=wZ3KsLAyGLs

2017-05-26

http://anond.hatelabo.jp/20170526170910

サラリーマンスーツが黒一択バリエーションがあっても濃紺や黒に近いチャコールなど実質黒の亜種ばかり)になったのは90年代後半くらいからで、その前は結構バリエーションがあった。というか、礼服以外では黒ってあんまなくて、グレーとか茶系とかが多かった気がする。そういやディスコの「黒服」なんてのも、黒スーツが珍しい前提の言葉である。私の上司は緑が好きで、深緑のスーツを各種取り揃え、いつも着ていた。たまには薄緑の日もあった。今じゃお笑い芸人イメージしかないだろう。

黒ばっかりになった時に、すげえ嫌な流行だなあ、早く終わらないかなあと思ってて、一向に終わらずに定着してしまったので不満である。また鯖スーツサラリーマンが闊歩する時代になって欲しい。鯖スーツ分かる?分っかんないだろうなあ♪

http://anond.hatelabo.jp/20170526133906

バブルときってどうだったんだろう

ディスコイメージあるけどふつーのスーツはさすがにみんな暗い色だったのかな

2017-03-19

MV初めて見たけど

チョコレイトディスコの踊りって変だな

自動再生ポリリズムが始まったけどこれも変な踊りだな

全部変なんだな

2017-02-15

メイドラゴンOP

「なんだこの高揚感」

これはどっかで聞いたことあるなと思ったら、

オザケンの「強い気持ち強い愛」だ。

コードもそうだしイントロシンセのバッキングもそうで、

ブリッジに至っては「ブギーなビート」とかまくし立ててるし、

なんだかんだですごく楽しい

筒美京平ディスコティックを継承しつつ、

そこにLIFE期のオザケンのような異様にファンキーリズムが流暢に刻まれBメロ

(アニソンということもあってフュージョンっぽくもあるけど)

がぶっこまれている。

それに加え、アニソンらしく大胆な転調で展開を作っていく構成で仕上げられたこの曲は、

J-pop歌謡曲様式ファンクソウルを落とし込むことに成功した「Yellow Dancer」(星野源)以降のムーブメントをある種反映しているのかもしれない。

ちなみにけものフレンズOPにも往年のJ-popの影が見え隠れしており、この手の癒し系アニメファンの年齢層の高さを垣間見た気がする。

2016-09-24

アニメ効果音

アニメ効果音ってこの辺から今もずっと使われてるもの結構あるよね。

Amazonプライムビデオのお陰で久しぶりにシティハンターを見ていてふと思った。

例えばなんか、危ないシーンの時に、ギロで「ジャカジャカジャカジャッ!!!」ってのとか

なんか、嫌な物が出るイメージの時、変なリバーブが掛かった「テレレェーン」ってのとか。

他にも色々。

シティハンターって、GetWildもそうだけど、エンディングと気持いい感じにフェードイン出来るエンディング曲になってたり、

作中のディスコでのシーンとしてOPが使われてたりってのもある。

後、作中でのBGが結構シブいのが多いんだよね。

ストーリー的にはまあ、大体もっこり展開だけども、細かな工夫が光るよねー。

聞き覚えのあるSEだったり演出だけど、実際どの位前から使われてるのかなーって

ふと思ったのですよ。


SEとは関係ないけど、この頃の山寺宏一のちょい役出演の多さにビビりながらもっこり鑑賞しちゃうよねー。

昔のアニメってこういうの多かったよなーと思いつつ。

2016-06-26

遠距離つら

遠距離つら

最初は、よゆーだろって思ってたんだけどなかなかつらい。

なにがつらいかというと直接触れないのがつらい。スカイプうごいてるの見たってつまんない。

三次元わたしの部屋に召還したい。今すぐ。

だんだんLINEとかスカイプの回数が減っていくのもあはれ

やっぱ相手飽きてきたかなーまあしゃーないよなーってちょっと落ち込む。

相手が誠実な間はわたしも誠実にしたいと思ってるけど

いかんせんそれを読み取るのにLINEの会話では情報が少ない

ちゃんと恋人ってかんじをつくるまえにわたし海外に出ちゃってたのもタイミング悪かったなーと思う

相手がどう思ってるか聞きたいけど

ただでさえめんどくさい遠距離なのに

相手にめんどくさいと思われたくないなーとかやっぱ考えてしまう。

毎週ぜったいこれとこれやろうみたいな義務的なのもつまんないし。

ある程度付き合う期間があってそのあと遠距離とか、

遠距離遠距離でも月一回でも会えるとかならまだよかったのかもしれない。

どっちもかなわないまま関係スタートしてしまったので

最初からそんなに相手に期待せずに、続けられるなら続けていこぐらいの気持ちではじめたんだけど

やっぱなぜか段々相手のことを好きになってきちゃうな。

自分のやりたいこととかはこっちでできてるしいいんだけど

まわりでいちゃいちゃしてるカップルしか海外なのでめっちゃいちゃいちゃしてる)見ると、

わたしも直接触りたいーってなる。

相手ぷにぷにおなかをさわりたい。

かっちりした胸に抱きつきたいね

だんだん日が長くなってるので夜8時ぐらいとかでもこっちはめちゃ明るくて、みんな仕事おわりに外でのんびりしてる

ふたりビール片手に河原の芝生でのんびりしてたい...。

ふたりディスコ行って踊り狂ってみたい...。

ふたりでおいしいアイス道ばたで食べたい...。

んー困った。

この状況を打開する術は...。

と思いつつ、スカイプ前に一生懸命画面写りいいかんじにお化粧してる笑

まあだめだったときはそのときだな。

とても残念だけど。

うそう続かないよなあ。やっぱ難しかたか

まあ、期待はほどほどにしてこっちはなるべく誠実に連絡取り合お。

残念だったときは縁がなかったってことで。わたし逃すとか見る目ないなあ、と強がりを言おう笑

別れたい時は別れたいって言ってくれれば簡単解決するんだけどなあ。

そしたらこっちで今セーブしてることするんだけど。

おい、いつでもわたしは違う人のとこいけるんだからな!けっこうこっちでもててるんだぞ!

いくつデート断ったと思ってるんだ!君のためだぞ!

ちゃんとわたしつないでおかないと後悔するのはそっちだぞ!

2016-05-26

米津玄師歌詞が前向きになって寂しい

音楽知識もないし歌詞解釈とか思い込みが入り過ぎて見当違いなことを言ってるかもしれない申し訳ないと最初予防線を張っておく。

米津玄師最初アルバム「diorama」は一口で言えば「後ろ向き」な作品が多いように感じる。例えば「blacksheep」の「素晴らしい一日始まる頃には夜に暮れる 過ぎ行く毎日 手を振ることすら忘れたまま 」や「何となく不安でさ 日に日に毎日は老いていく」といった歌詞ダウナーな曲調も相まって1日に対する諦観を感じさせる。他にも「恋と病熱」の「誰も嫌いたくないから ひたすら嫌いでいただけだ」「好きなことが少なくなり 嫌いなことが沢山増えた」という歌詞、「vivi」の男女の恋愛の別れを歌い、「さよならけが僕らの愛だ」と締める歌詞(pvだと異形の男と女の子だったが便宜的に)も対人関係に対しての諦めや遣る瀬無さを読み取れる様に思うし、「ディスコバルーン」の「何も知らない夢のまま 死んでいけたら幸せだ」という歌詞は激しい曲調も相まって破滅的な曲であるという印象を受ける。まあ主観だろ!といえばそれまでになってしまうのだが、これらの曲を聴いて「めっちゃ元気の出る曲!」となる人はあまりいないと思う。

因みに米津玄師以前の名義、「ハチ」として活動していた時の曲は後ろ向きな曲もなくは無かったが、ここまででは無かったという印象だ。「クオリア」という曲は孤独少女他者に認めてもらえる、自分認識して貰えるという幸せな結末が描かれているし、暗い中にも明るい希望が描かれた曲が多いイメージだ。多分初音ミクイメージに寄せているのもあるのだろう。

では最近米津玄師はどうなんだという話に移る。最新アルバムbremen」を聞くと大分「前向き」な曲が多くなったと思う。といっても完全に明るい訳ではなく、「絶望もあるけど前を向いていこう」といったようなことを描いているのが多い…と思う…。アルバムは数十曲入っているのに全ての曲をこの一言で当てはめることは余りにもあんまり表現ではあるが。多分当てはまらない曲もある。

例えば「アンビリーバーズ(あ、これ初出はシングルだった)」は「今は信じない 残酷未来なんて」「終わりにしようよ 後悔の歌は」「だから手をとって 僕らと行こうぜ ここではない遠くの方へ」と言ったように絶望認知しつつ、それでも諦めず未来へ行こうという前向きな歌詞で描かれている。また「ホープランド」では「謂れのない嘘や 穢れきったあの言葉に 惑わされないでおくれ それが世界の全てじゃない」「ソングフォーユー 僕らは初めましてじゃない 同じものを持って 遠く繋がってる」といった「聞き手希望を伝えようとする」姿勢が示されているように思える。

「diorama」と聴き比べると随分作風に変化が生じたように思う。最近米津玄師の曲は、辛い時に聞くと励まされる…そんな風に変化している。ある意味健康的になったとも言えるのかもしれない。

個人的に今の方面の曲もすこぶる好きではある。のだが、「blacksheep」「恋と病熱」の気怠い感じや「ディスコバルーン」の破滅的な曲がとても好きだったので、最近その方面の曲が聴けないというのが少しばかり残念なのである

寂しい…なんて随分自分勝手表現を使ってしまったが…まあ1ファンの見当違いな戯言である

2016-05-25

ピンサロアジア

ユーロビートに合わせてミラーボールが踊る。

1984年ディスコタイムスリップする。

胸の高さまでしかない壁で仕切られた1畳半の空間。ここでは踊れない。

「9番さん、十分前です」競り師のような言い回しが耳に入る。

箱に詰められたマグロが並ぶ魚市場にいる。視界に映るのは壁に囲まれ天井だけで、ふと自分マグロなのだと気づく。

「初めまして。」化繊のブラウスとチェックのスカートを履いた女の子が立っている。

僕はピンサロにいる。

ソープランドに一度だけ行ったことがある。待合室で肩をすぼめた年配者に囲まれていると病院にいるような心持がした。それに比べてピンサロに来る人は様々だ。いかつい革ジャンに片耳ピアスのお兄さん。隙のない髪形をしたサラリーマン。もちろん影の薄いおじさんも。彼らが隣の箱の中で下半身だけ服を脱いで体育座りをしていると思うと、そしてドアを一枚隔てれば代わり映えの無い日常が続いていると思うと、愉快な気持ちになる。

初めてピンサロに行ったとき、僕は18だった。俯きながら初めて来たことを伝えると、じゃあまずキスしてみよっか、と2つ年上の女の子は応じた。まだ靴紐を上手く結べなかった6つの僕の代わりに結んでくれた6つ年上の女の子を思い浮かべながらキスをした。

吉祥寺ピンサロで会った女の子キスがとても上手だった。ベルトを緩めることなく30分が過ぎ去った。また会いたいと囁いても応えは無かったが、最後に手渡してくれた営業用の名刺には彼女アドレスが記されていた。

ちょうど1週間後の新宿駅東口で彼女と再会した。ルックスはただ凡庸でどこか垢抜けなかった。それでも気合の入ったメイクと一番のお気に入りだろう花柄ワンピースに身を包んだ彼女はとても綺麗だった。

駅に近くて夜景の見れる、そして料理は酷い、個室居酒屋食事をした。

彼女栃木から出てきた、都内女子大の2年生だった。慶応とのインカレサークル所属していて、慶応生の彼氏がいた。家族仲も良く友達が少ないわけでもない普通すぎる女の子、この子があのミラーボールの下で男のペニスを咥えていること、それが僕には信じられなかった。

自己紹介代わりのありきたりな会話が終わって数秒の沈黙が生まれた。

大学ではみんなお互いを値踏みし合っていて、あそこで本当の友達を作ることなんてできないの。彼女は言った。お店で働く女の子の方が私は好き。

僕は何を言ったらいいかからなくて、絹豆腐を掬うときのように、多分そんなふうにして言葉を返した。

あなた面白い話をしてくれるわけではないけれど優しい目で聞いてくれるから好きよ。彼女はそんなことを言ってくれた。それからキスをした。横目で新宿夜景を見ながら、ここには何でもあるけど何もないのだなと思った。

それから歌舞伎町レンタルルームセックスをして、そして別れた。

長期休みにはアジアに行った。パスポート航空券お金と数日分の服と石鹸、それと地球の歩き方だけバックパックに詰めて。いつも入国したその日に3ドル以下でサンダルを買い求めた。

初めの頃はむこうで何を見るか前もって決めていた。そして地球の歩き方のページの角を折った。

ガイドブックに載っている名所を見て、食べ物を食べた。それがオリエンテーリングしかないと気づいてから日本を離れるまではガイドブックを開かないようにした。道に迷ったら拙い英語で尋ねて、宿で会う日本人に勧められた場所を訪ねた。

どこに行っても異邦人であるということが楽しかった。誰も自分を助けてくれない場所で、自分直感だけで行き先を決めること。自由だと思った。その全能感も回数を経るうちに、旅行者に与えられた選択肢の中から選び取っているだけだとわかり、失われた。

まり、僕の財布の中では福沢さんが微笑んでいて、何でも買うことができた。ただし、コンビニしか買い物をしていなかった、ということだ。

それでもアジアに行き続けた。

コルカタで、俺の車に乗れと馴れ馴れしく触ってくるタクシー運転手の汗ばんだ手。

雨に降られて入ったルアンパバーンカフェで、まとわりつく湿った服と少し粉っぽいコーヒー

ホーチミン信号の無い横断歩道で、自分の周りを通り過ぎていく原付騒音と顔にかかる排気ガス

ただ、それだけのために。

上手く人と関われない僕はピンサロアジアが好きだった。

そこでしか得られなかった何かがあった。

肌に触れる感覚があった。

2016-05-04

モー娘。新曲「泡沫サタデナイト」がとんでもないゴキゲンソング

まずは聞いてみてほしい。

https://www.youtube.com/watch?v=IiV-aaLo9SM


SMAPの「JOY!!」を作曲した「赤い公園津野米咲さん作曲90年代ダンスナンバー

LOVEマシーン」を連想させるディスコ振付けとMV内でところどころに出てくるゴシック体黄色テロップが印象的である

から次へと可愛いくて表情豊かな女の子たちが出てくるだけで幸せなのに、そんな彼女たちが「日々のあれこれ 思い切り後回して」と歌う…。

もう、GW明けの仕事ことなんて忘れてしまう、ゴキゲン歌詞に私は夢中になっている。


ちなみに、この曲はモー娘。デブことズッキ鈴木香音)の卒業ソング。(DJ役としてノリノリで台詞を言っているのがズッキ

事務所最後最後彼女の活かし方を見出したという感じだ…。それにしてもこのズッキの貫禄。10代には思えない。


私がこの良曲について騒ぎ出す前に、Twitterなどでは「現代LOVEマシーン」「モー娘。再ブレイクきっかけになる」と騒がれているようだ。

正直、もう何年モー娘。再ブレイクなるか!?と言っているんだという感じだがこの曲は素直に良い楽曲なので世に広めたいと思う。

2016-04-16

gleeレギュラーの脇役にダウン症少女がいるのか。

ダウン症っつっても色々だろうが、青春ドラマのようだから

おおむね楽しく活動してるところが描かれていそうだな。

重い精神病登場人物とかはどうなんだろうな。

大体中学高校発症するやつ。

それっぽい人もアニメだと出てくるけど。

キャプテンアースの敵の写真が上手い人とアイドルとか。

マイリトルポニーピンキーパイが少なくとも二回明確な精神病体験をしているな。

一回はディスコードだかいう悪役の影響によるけど。

そこまで重くないのだとヴァルヴレイヴの悠木さんの役の恐怖症とか

ソードアートオンラインの沢城さんの役の銃の世界の人とかか。

最近だとディヴァインゲートの最後から2話目の人は

病気だか性格だかの微妙なやつだな。

2016-02-25

渋谷系っぽい」音楽イメージは如何にして形成されたか

質問「渋谷系ってどんな音楽なの?」

回答「渋谷系とはムーヴメントであり、音楽のジャンルを示したものではない」


渋谷系というワードは定義が非常に難しい言葉である

Wikipediaによれば、「東京・渋谷(渋谷区宇田川町界隈)を発信地として1990年代に流行した日本のポピュラー音楽J-POP)の一部の傾向を分類化したものである」とのこと。

代表にフリッパーズギターピチカートファイヴオリジナル・ラヴなど。流行は90年代後半には終息していったといわれている。

渋谷のCDショップを中心に発信された流行(ムーヴメント)を表す言葉として用いられたのが始まりらしいが具体的な起源はよくわかっていない。

ミスチルスピッツ渋谷系として扱われたこともあったらしい。

こんなに曖昧でよくわからない渋谷系だが、本来は流行そのものを類型化したものであり、特定の音楽ジャンルを指したものではなかったという認識は間違っていないだろう。


だがしかし、「渋谷系っぽい」音楽というものは存在する。

2016年現在、「渋谷系っぽい」という感覚は一定数の人間の共通の認識として共有されているように感じられる。

”渋谷系っぽい” - Twitter検索

しかも、渋谷系というワード好意的に使っているのは、なぜか渋谷系ムーヴメントを経験していない20代以下の若者たちが多いようなのである

あくまで自分の観測範囲での話だが、確実に若者にとっての「渋谷系音楽」というものが存在するのだ。


お笑いでいえば「エンタ芸人」「レッドカーペット芸人」「あらびき芸人」みたいなもので、そういった括りはお笑いジャンルではないのだけれども、

エンタ芸人っぽい」という感覚はなんとなくであるが存在する。

あるいはビートたけしの「ダンカンこの野郎!」のようなものかもしれない。


   *


ではなぜ、「渋谷系っぽい」音楽のイメージが形成されたのか。

あるいは、なぜムーヴメントから20年経った今でも渋谷系という言葉が使われるのか。

これは個人的な考えだが、それは「渋谷系以降の音楽が渋谷系の文脈で語られ過ぎた」ことに起因していると思う。

音楽は語られることで歴史となる。

当たり前の話だが、語られなかった音楽は音楽史に残らない。

渋谷系があまりにも語り手によって評価されたために、その後の音楽にも渋谷系の文脈が用いられてしまった。

そして、「渋谷系の文脈で語られた渋谷系以降の音楽」(≒渋谷系フォロワー)が現在影響力を持つようになり、それらを語るときに、渋谷系という言葉を使わざるを得ない状態にあるのだ。

私の考えでは「渋谷系っぽい」音楽のイメージ形成に大きく影響を与えたのは、渋谷系の人物ではなく渋谷系以降の人物なのである


さて、ここでは、広がっていった「渋谷系っぽい」という認識に対して「定義が曖昧だ」とか「間違ってるよ」といった指摘はしない。

ここでは、実際のところ若者たちはどんな音楽を「渋谷系っぽい」と思っているのかを、曖昧なワードらしく曖昧に書き連ねていく。


2012年3月、NHK-FMで「今日は一日“渋谷系”三昧」という番組が放送された。

渋谷系で10時間番組を持たすというだけでもNHKすごいなと思うのだが、この番組でのプレイリストが大変に興味深い。

フリッパーズギターピチカートファイヴなどの曲が多く流される中、ブームが終息した1990年代後半以降の曲もいくつか放送されている。

ROUND TABLECymbalsカジヒデキChocolat、Chappie、南波志帆などなど……

NHK-FM 今日は一日渋谷系三昧のプレイリストまとめ - NAVER まとめ

これらの音楽も広い意味では渋谷系と認識することができる(されている)ということなのだ。


注目したいのはカジヒデキ

彼は「最後の渋谷系」「遅れてきた渋谷系」と評されることが多いが、彼は現在の渋谷系イメージ形成においてかなり重要な位置を占めている。

なぜか。それは2008年の映画「デトロイト・メタル・シティ」に関わったことによるものである

同名漫画が原作の実写映画で、渋谷系音楽を愛し、ポップミュージシャンとしてデビューするため上京した主人公が、なぜかデスメタルバンドとしてデビューし、しかもカリスマバンドとしてブレイクしてしまうというお話。

そして、映画において、主人公・根岸の歌う「甘い恋人」を作曲したのがカジヒデキなのである

ある意味で作中における渋谷系の象徴となるこの曲は、視聴者渋谷系イメージを強く印象付けた(同時に公然猥褻カットも強く印象付けた)。

――「DMC」では、根岸君が思う渋谷系=可愛くてポップ」という、かなり表面的なイメージで描かれていますよね。

渋谷系=可愛くてポップ」という解釈はちょっと? だったりしますが、実際僕の歌詞もそう言う側面を持っているし

(中略)「可愛くてポップ」は渋谷系の要素としては小さいと思うんだけど、フォローアーにはそういう人が多いことを考えると、決して間違った解釈ではないんでしょうね(笑)。

DMC特集 カジ ヒデキ インタビュー|MUSICSHELF


さて、最近、「渋谷系」を前面に押し出した若手バンドが2つ現れた。

ひとつが「OK?NO!!」というバンドである2015年に既に解散している)。

全員平成生まれ渋谷系宅録ユニット、OK?NO!!によるフル・アルバム。ポップだけど、どこか骨太で、ビートで踊れてパーティな新感覚ビートポップ・グループOK?NO!!。Cymbalsの影響を多分に受け、"Beat Your Cymbal!! Life is a party!!"を声高に叫びながら遂に全国リリース!

OK?NO!! | 全員平成生まれの渋谷系宅録ユニット、OK?NO!!

もうひとつがPOLLYANNAだ。

最新型渋谷系ポップバンド POLLYANNA / ポリアンナ

2014年6月に結成。都内を中心に活動中。

http://www.pollyanna.me/

OK?NO!!にいたってはCymbalsの影響を公言しているし、POLLYANNAも「TAKE ME WITH OVERLAND」という曲を聴けばCymbalsの影響を受けたのだろうと推測できる。

(実際に影響を受けた旨の発言もある)

彼らにとっての渋谷系Cymbalsなのだ


Cymbals渋谷系ムーヴメントより後に出てきたバンドである

しかし、Wikipediaを見てみると「ポスト渋谷系」と表記されている。

当然、彼らは渋谷系アーティストの真似事をしていたバンドではない。

あえていえばThe Whoなどのブリティッシュロックの影響が強い。

にも拘らず彼らを表すときには「ポスト渋谷系」などといった言葉がどうしても付きまとう。

それ故に彼らを知った若い世代は彼らの音楽を渋谷系音楽だと認識するのだ。

Cymbalsの初期のバンドコンセプト「かわいくっていじわる、ただしパンク」を渋谷系を表す言葉として捉えている者もいるようだ。


Cymbalsで現TWEEDEESの沖井礼二はあるインタビューで以下の発言をしている。

TWEEDEESのライブには、高校生のお客さんも来てくれます。で、彼らが何で僕の存在を知ったかというと、ゲームミュージックだったりするんです。北川くんの場合はアニメだったかな。若い方の中には、フリッパーズ・ギターピチカート・ファイヴではなく、CymbalsROUND TABLE渋谷系だと思っている人もいるみたいで。そこは自分でもよくわからない感覚です。

沖井礼二と黒田隆憲が語る“ポップスの暴力性”とは?「気持ちいいところは過剰にした方がいい」|Real Sound|リアルサウンド

ゲームミュージックアニメに触れて渋谷系を知る若者が多いようである

Cymbalsの楽曲は「Rally」「Show Business」が版権曲として音ゲーに収録されていたし(音源は異なるが)、沖井礼二「空への扉」「Break on Through」「Runnin' away」などの曲をpop'n musicに提供している。

音ゲー渋谷系の関係については渋谷系イメージ形成において重要な部分であると思うのだが、私では手に余る。

以下のブログの方が詳しいのでそちらを参照されたい。

ポスト渋谷系にみる、音ゲー楽曲と邦楽シーンの影響関係(前半) - ダストポップ


さて、ここでKONAMIによるWeb連動型音楽配信企画「ひなビタ♪」について触れておこう。

キャラクターによる楽曲をバックストーリーなどを含めて提供していくメディアミックス企画で、

多数の楽曲が音ゲーに収録されている。

その中には渋谷系音楽が好きなキャラクターも存在し、公式サイトでは「アキシブ系って何?」というコラムも掲載されていた。

そこにおいて渋谷系とはどんな音楽かの説明がされているので引用する。

アキバ系シブヤ系は音楽のジャンルなんだけど、今だとちょっと古い言葉になるかもしれないめう。

シブヤ系ネオアコギターポップフューチャーポップとか

ちょっとシャレオツなカンジの雰囲気ポップスな音楽めう。

アキバ系キャラソンアイドル電波ソングといったキャラクター的な見せ方をする音楽めう。


めうは、もともとこの2つの文化には共通するものがあると見てるめう。

ぼーかるの声質に対するこだわり、夢見がちで妄想好きなところ、非日常を好むことなどめう。

お互い表現手法は全く違えど、感覚的には非常に近いものを持っていると思うめう。


他に2つを結ぶものに、ゲームがあるめう。

めう調査では、シブヤ系の人もアキバ系の人もゲームが大好きめう。

チップチューンという音楽はゲームのような音でシャレオツな曲を作っていたりするめう。

これも、アキバ系シブヤ系の融合めうっ!


   *


そう言えばさ、めうめう。

最近のアニメ主題歌とかって、シブヤ系の人達が曲を作っているのをよく見るよね?

もしかして!これもアキシブ系の流れなのかなっ!?


まりり、いいところに目をつけためうっ!

その風潮はアニソンキャラソンのここ最近の新しい流れめう。

その流れは今後もっとくると、めうは見てるめうっ!

あのね!第4回:「アキシブ系ってなぁに?」|「ひなビタ♪」公式サイト

アキシブ系とは一時期アニソン界隈で一部の人が用いていた言葉で、定着したとは言い難いが、Wikipediaに記事もあるため一定の影響力は持っていると考えられる。

アキシブ系 - Wikipedia


また、上記のコラムにおいてアニメ主題歌渋谷系の人たちが作っているという指摘があるが、渋谷系ムーヴメントで活躍した人物がアニメ主題歌を作った例というのはそんなに多くない

ちびまる子ちゃんOP「ハミングがきこえる」スクールランブルED「オンナのコ♡オトコのコ」など)。

ここでいう渋谷系とは、ほとんどがポスト渋谷系、つまり渋谷系以降の人物たちのことであろう。

きんいろモザイク」のEDでは、90年代後半にQYPTHONEというバンドデビューした中塚武による楽曲「Your voice」、「My Best Friends」が使用されているし、

たまこまーけっと」のOP「ドラマチックマーケットライド」では元ラヴ・タンバリンズ宮川弾が編曲で関わっている。

また、ヒャダイン前山田健一)も渋谷系音楽を好んでおり影響を受けているとされている。

さらに、アニメ主題歌において語らずにおけないのがROUND TABLE北川勝利である

Ninoをボーカルに迎えたROUND TABLE featuring Ninoとして多くのアニメ主題歌を手掛け、また坂本真綾牧野由依中島愛やなぎなぎへの楽曲提供など、枚挙に暇がない。

(ここでフライングドッグというレーベル渋谷系の関係なども語りたいところだが、とりとめもないので割愛する)参考:渋谷系と声優とレーベルの話 - AOI-CAT's diary

アキシブ系というワードが用いられるとき、必ずと言っていいほど北川勝利の手掛けた楽曲が挙げられる。

アニメ好きの中には北川勝利渋谷系の中心人物であると認識している人も少なからずいる。


昨年放送されたアニメアイドルマスター シンデレラガールズ」はMONACA田中秀和が音楽を手掛けているが、劇伴のテーマは「渋谷系」であったと明かされている。

――劇伴のテーマは「渋谷系」だそうですね

最初にそういうオーダーがありました。もともと僕は「渋谷系」の音楽が好きで、90年代渋谷系を参考にしましたが、当時の「渋谷系」は海外の古い音楽を参考にして作られていたり、Jポップに対するカウンターカルチャーのような捉え方をされていたりもしたので、そういう気持ちで作った感覚があります。

徳間書店月刊アニメージュ2015年6月号より)

オーダーで「渋谷系」が出てくるあたり、音楽ジャンルとしての「渋谷系っぽさ」は既に確立したのかもしれない。

加えて「乙女感のあるサウンド」というディレクションもあったらしく、「渋谷系」と「乙女感」は結びつくものだという認識があるのだと捉えることができる。

以下のPVで流れるBGMを聴けば、彼なりの渋谷系の解釈が聴き取れるだろう。

「アイドルマスター シンデレラガールズ」アニメ新PV

(追記:サントラの試聴が始まってたのでいくつか貼っておく)

【楽曲試聴】「The Girls Etiquette (M22)」

【楽曲試聴】「The Dancing Glass Slippers (M25)」

【楽曲試聴】「Passione (M04)」


少し時間が戻るが、2013年アニメ渋谷系の繋がり、そして渋谷系イメージ形成において重要な役割をもたらしたと思われるアルバムが発売される。

それは花澤香菜claireである

総合プロデュース北川勝利。そして参加するアーティストカジヒデキ沖井礼二矢野博康宮川弾中塚武、ミト、神前暁、古川本舗、ドラム宮田繁男ギター奥田健介など。

多くは渋谷系ムーヴメントが終息した後に出てきたアーティストである

2nd、3rdアルバムになるにつれコンセプトは変わっていくが、この1stアルバムでは明確に渋谷系というコンセプトは存在していたようだ。

1枚目では、わりとわかりやすく「渋谷」というキーワードがあって、(後略)

花澤香菜×北川勝利が明かす、“極上のポップソング”の作り方「人生と音楽がより密接になってきた」|Real Sound|リアルサウンド

花澤香菜というボーカルとの相性とその完成度から評判になり、「渋谷系ポップス」としてリスナーに受け入れられた。

Amazonレビューでも渋谷系について言及したものが見られる。Amazon.co.jp: 花澤香菜 : claire - ミュージック

花澤香菜の音楽は渋谷系だという語り口はネット上で多く散見される。花澤香菜 渋谷系 - Twitter検索

ここにきて、渋谷系ムーヴメント当事者ではないアーティストによって「渋谷系っぽい」音楽が一つの到達点に達したのである

若者にとっての渋谷系とはこのアルバムだ、と大げさに言ってもいいのかもしれない。


また、この「claire」に加え、沖井礼二末光篤筒美京平などが参加した竹達彩奈apple symphony」の2つに影響を受けたアイドルプロデューサーがいる。

それがNegiccoプロデューサーであるconnieだ。

でも今年に入って、大きな衝撃を受けた3枚のアルバムがありまして。

──全部挙げてもらってもいいですか?

connie NONA REEVESの「POP STATION」、花澤香菜さんの「claire」、竹達彩奈さんの「apple symphony」です。

T-Palette Records#3 Negicco (4/6) - 音楽ナタリー Power Push

Negiccoとは新潟県を拠点とする3人組アイドルユニットで、近年ではピチカート・ファイヴの小西康陽オリジナル・ラブの田島貴男ノーナ・リーヴスの西寺郷太シンバルズの矢野博康などの楽曲提供を受けており、

渋谷系と評されることが多いアイドルである

花澤香菜と違い、渋谷系ムーヴメント当事者の参加もあり、これこそ渋谷系の正統だとみることもできるが、時期的には花澤香菜よりワンテンポ遅れての評価になっており、ポスト渋谷系渋谷系の順番が逆になっているように見えるのが面白い

さらに面白いのがノーナ・リーヴスで、花澤香菜Negiccoの楽曲にメンバーが参加した影響からか、現在では彼らも渋谷系扱いされることがあるという点だ。

世代的にはROUND TABLECymbalsと同じ世代であるのだが(奥田健介Cymbalsサポートメンバー)、

ノーナマイケル・ジャクソンプリンスの影響が色濃く、当時は彼らを渋谷系と評する人は少なかったはずだ。

しかし現在、「渋谷系っぽい」音楽に関わりを持つことで遡及的に渋谷系の枠に入ってしまうことがある。

これはクラムボンなども同じである


また、アイドルといえば、沖井礼二がかつて手掛けたさくら学院バトン部のユニットTwinklestars」も渋谷系と評されることがある。

Twinklestars「プリーズ!プリーズ!プリーズ!」

矢野博康Negicco夢みるアドレセンスの楽曲を手掛けており、アイドルファンには彼らを渋谷系アーティストだと思っている人も少なくない。

夢みるアドレセンス 『くらっちゅサマー』MV

また、Perfumeから中田ヤスタカに遡ってcapsuleを知った者は、初期のピチカート・ファイヴを彷彿させる楽曲を聴いて「これが(ネオ)渋谷系」と認識するようである

レトロメモリーPV 【capsule】


渋谷系以降のポップスが語られる際に「渋谷系を彷彿させる」などと表現されることで渋谷系イメージは少しずつ形成されていった。

当時の渋谷系ムーヴメントにいたアーティストではなく、渋谷系の文脈で語られた音楽によってイメージが形成されたのである


   *


さて、ここまでとりとめもなく「渋谷系っぽい」音楽を追ってきたが、こういった曖昧な認識は今後も広がっていくのだろうか。

私個人の考えではイエスである

それは、アニメアイドルゲームなどを通して渋谷系の種が既に播かれてしまったからである

渋谷系っぽい」音楽に触れた若者はその音楽を渋谷系であると認識する。その流れは、渋谷系に代わる便利なワードが出て来ない限りは続くのではなかろうか。

例として「アイカツ!」を挙げておこう。

アイカツ!」とは女児向けアーケードゲーム及びそれを原作としたアニメであり、その楽曲は音楽の多様性トレンドに非常に敏感であるとされている。

2013年には既に旬を迎えていたEDM・ダブステップを取り入れた曲をOPに起用しているし、他にもメタルロカビリーディスコジャズなどあらゆるジャンルを取り入れている。

その中にも、いわゆる「渋谷系っぽい」音楽というものが存在し、子供の世代にも渋谷系の種は既に播かれている。

アイカツ!ミュージックビデオ『恋するみたいなキャラメリゼ』をお届け♪


本来の「渋谷系」の意味するところから少しずつ意味合いは変化し、若者にとっての「渋谷系」は既に当時のムーヴメントであった「渋谷系」とは異なるところへ向かいつつある。

DMCにおいて強調された「渋谷系=可愛くてポップ」というイメージや、ひなビタ♪で紹介された「ちょっとシャレオツなカンジの雰囲気ポップス」というイメージが強くなっているようだ。

この現象を嘲笑するか、面白いと思うかは個人の自由である

2016-02-19

まあ今は子育て至上主義時代から

何十年後かの未来から現在を振り返ればそういう評価になるよ。

日本人はいつの時代も全体の何となく空気感に流されて生き方を決めるもので、それが今は子育て至上主義だという話。

バブル期にみんなでディスコ()で変な服着て踊り狂ってたのも、今から思えば頭おかしかったよなって話になるけど、当時はそれが全体の空気感だったから皆それに従ってた。

その空気の中では、空気に流されてる人が圧倒的正義で疑問を差し挟む余地はないと判断される。それが日本。それだけの話だよ。

2016-01-27

いまさらボリウッドにはまった

kuch kuch hota haiとschool of the yearしかみてないけどめっちゃいいな

セリフ全くわかんなくてもだいたい流れつかめるくらいわかりやす

きっかけはschool of the yearのmush up of the yearのPVで、ディスコソングなんだけど

ディーアイエスシー……って言ってるからなんかの頭文字かな?って思ってたら、そのまんま「DISCO」っていっててめっちゃツボったこと

kuch kuch hota haiは「larkii badii anjaanii hai」って歌のPVから入ったんだけど、

大勢の子供をバックに踊り狂うおっさんとか

子供バイオリンひく場面があるんだけど弦に指すら置いてなかったりとか

いちいち味わい深い

何よりインド女優スタイルよくてもヘソ下~ももあたりがみんなガッシリしててエロいのがよい

子供栄養状態よさそうな感じでかわいらしい

2016-01-05

お布施馴れ合い、その果てに坊主

「好きなバンドにお金を落とそう!」という風潮が苦手 - サササササーカス・ディディディディディスコ

上記記事を読んで、そういえば…と思い出したことがあるんで書いておく。

別にお寺とお布施とか戒名高すぎィ!みたいな話は出てこない。申し訳ない)

「好きなバンドのためにお金を使おう」といって、ファンならなんでもかんでも買うような同調圧力はどうなの? という話だと理解している。

基本的に私は、その趣旨に同感の立場であり、音楽だけではなくあらゆるサブカルチャーに共通の問題だと感じている。

もちろん、その人の金の使い方は自由である

「好きなもの継続してほしいから金を出すんだ」というスタンスが間違っているとも決して思わないし、

実際そういうお金の使い方をするファンのおかげで生き延びている作り手やコンテンツはいくらもあるだろう。

しかし、そういった「お布施」的な金の使い方の先に、「作り手と消費者馴れ合い」があり、

さらにその先に待っているのは、なつかしの「男性との交際が発覚し、丸坊主になって動画をアップしたアイドル」の姿ではないかと思っている。

上記記事の裏返しにあるのは、

「そのモノ(音源、グッズ)の魅力如何にかかわらず、その人(作り手)のためにお金を支払う」という態度だ。

これは、たとえば「推しアイドル選挙で上位に上らせるため、同じCDを何枚も購入する」という、一時期盛んに喧伝されたAKBファンの姿と重なる。

同じシングルを何枚も購入するというのは当然、そのモノの価値のためではなく、その先にある人のためである

作り手が、「消費者はこのモノにお金を払うのではない。この人のためにお金を払うのだ」と思った瞬間、

そこにはモノをすっとばした「私のこと好きだったら、払ってくれるよね?」「もちろん君のことが好きだもん、払うよ」の馴れ合い関係が生まれるのではないか。

その、「作り手と消費者馴れ合い」が最悪の形で出たのが、例の「AKBの一人がスキャンダル→丸坊主謝罪」だったと思っている。

あの時は随分騒がれたが、いちばん唖然としたのは、あのあとの秋元康言葉だった。

曰く、「AKB恋愛禁止条例なんてものはない」。

文化して「恋愛をしないこと」と定めた規約はない、のだという(実際には契約書があったとかなかったとか言う話もあるが、ともかく秋元康自身はそういっている)。

しかしながら、AKBアイドルたちは恋愛が発覚すると、脱退したり、他グループに「左遷」されたり、研究生に「降格」されたりしている。

そしてそれを、消費者も、アイドルたち自身も、当然の事態として受け止めている。

消費者たちはCDという「モノ」に対してお金を支払っていない。

まったく同じたくさんのCDという「モノ」には、支払ったお金分の価値を感じていないのだから、それ以外の「対価」を求める。

その対価こそが、「俺たちのために彼女は『普通女性』ではなく『アイドル』でいてくれる」「彼女処女であり特定の男と恋愛などしない」というものだ。

私は、アイドルファンが、アイドル恋人がいてほしくないと願うことを否定しない。

「誰にでもあって当然の感情」ではないが、「そうなってもおかしくない感情であるとは思う。

からスキャンダルがあったからファンをやめる」のも、アイドル側が「商売的な戦略として恋人がいない体裁を繕う」のも否定しない。

だがしかし、金を出したからといって、消費者が「私生活においても恋愛しちゃいけませんと言える権」を買えるか、

といったら、それは、絶対に、まちがっていると思う。

そんな商取引は成立しようがないし成立してはならない。ただの責任を薄めた人身売買だ。

だが、AKBに関しては、その商売が成立しているかのような錯覚を、消費者にもアイドルたち自身にも与えていた。

その対価を提供できなくなった者=スキャンダルのあった者に、「左遷」「降格」「脱退」といった実際的処分を与えることによって。

これこそが、消費者と作り手の「馴れ合い」が行き着く、最悪の形だ。

作り手は消費者が求める「本当の対価」を知っていた。

そして、CDお金を払っている形式をとりながら、それ以外の――本来ならば差し出してはならない――対価を、暗黙裡に差し出していたのだ。

モノにお金を払ってもらうことを放棄し、人にお金を払ってもらう結果、その人の自由私生活主体性差し出すしかなくなったのだ。


そして、「お金を受け取るだけの対価」を失ったアイドルは自ら丸坊主になった。

彼女ライブをこなし、CDで歌っているだけでは、お金をもらえない。

なぜならそのお金は、モノに対しては支払われていないから

彼女が恐れたのは、ファンが減って選挙順位が下がって、という、正当な資本主義的淘汰ではない。

もっと根本的に、AKBであることとは私生活を対価として差し出すことであり、

それを怠ったことが発覚したら、AKBの一員としてやっていく資格を持たない。そう、彼女自身が考えたゆえの事件ではなかったか


「モノ」ではなく「コンテンツを生み出す人」にお金を支払うというのは一見理想的な消費行動だ。

アイドルも、消費者が先に言ったような「対価」を求めるのでなく、アイドルと言う「夢」に対してお金を支払うのなら、彼女坊主にならずにすんだだろう。

「俺たちが支えている」「俺たちの金こそが彼女のためになる」という幻想

しかし、実際には、消費者たちは「夢」だけでは満足せずに「対価」を求める。

それは、「処女であれ」という狭い願いから言い換えるならば、

「(金を出した自分の)理想どおりであれ」と求める権利である

わたしの、理想どおりの存在であってくれ。理想どおりの作品を作ってくれ。

そして、金を出して支えてきたわたしには、「それを求める正当な権利がある」……という、幻想

それが幻想ですめばいいのだが、AKBの例のように、作り手の側がその求められる「対価(=消費者にとっての理想)」を鋭敏に察知し、積極的提供しようとしたならば。

そのとき、「馴れ合い」はたちまち対価という名の鎖になって、作り手を縛るだろう。丸坊主になったアイドルのように。

そして、ファンに対して真面目で真摯な作り手ほど、その傾向は高くなる、…かも、しれない。

対価のための「消費者理想」ばかりが追い求められ、「作り手の主体性」は死んでゆくんじゃないだろうか。

勿論、すべての人が、「それ以外の対価を求める」といういわば暗黒面に落ちるとは思っていない。

いないけれど、事実として、あの事件はその道の果てにあるのではないかと私は危惧している。

2015-11-15

アイカツ!楽曲元ネタ探しをしてみよう

(思ったより反応をいただけたので少し追記しました。2015-11-16)


バンダイが展開する女児向けアーケードゲーム/アニメアイカツ!

アイカツ!はいわゆる「音ゲー」の一種で、トップスボトムスシューズアクセサリーの4種のカードを組み合わせてコーディネートし、オーディションという名のリズムゲームクリアしてお仕事をゲットしていくという仕組みだ。

当然、豊富なバリエーションオーディションステージが用意されるため、アイカツ!では年間20曲以上の楽曲が生まれている。

その楽曲の特徴は、キャラクターの声優とは別に歌唱担当が存在すること(STAR☆ANIS、AIKATSU☆STARS!など)、とにかくジャンルの幅が広いということ、そして“攻めてる”楽曲が多いということだ。

アイカツ!の立ち上げにはスーパーバイザーとしてアイドルにも造詣が深いアニメ監督水島精二氏が関わっており、音楽制作については別のエントリを参照してほしい。

アイカツ!における水島スーパーバイザーの仕事について - Togetterまとめ

そして幅広いジャンルで攻めるという場合、楽曲の発注では、そのジャンルの先達の楽曲を参考にすることが当然多くなる。

特に水島氏はそこのイメージが具体的だったようで、アイカツ!の初期の楽曲は「何を参考にしたか」が比較的分かりやすい。

そこで、今回はアイカツ!の初期の楽曲を中心に、その元ネタ探しをしてみようと思う。(あくまで推察なので的外れなものもあると思う)


アイドル活動! 作詞 - uRy / 作曲・編曲 - 田中秀和MONACA)(YouTubeリンク)

アニメ主題歌にこそなっていないものの、アイカツ!の原点ともいえる曲で、ゲームの企画段階の初期に作られたものだ。

アイドル」というテーマの基本となる王道の曲であることから、当時の最も有名なアイドルグループを参考にしただろうことは想像に難くない。

明言はされていないものの、曲を聴いたイメージからおそらくAKB48ヘビーローテーションを参考にしただろうと推察できる。

【MV】 ヘビーローテーション / AKB48 [公式]

硝子ドール 作詞 - こだまさおり / 作曲・編曲 - 帆足圭吾(MONACA)(YouTubeリンク)

アイカツ!で最も人気があると思われる曲で、YouTubeでの再生数が350万を超える化け物である

いわゆる「メタル」であり、生粋のアイドルオタクである水島氏がBABYMETALを意識しただろうと考えることもできるが、

この曲はアイドルが歌うメタルというわけではなく、普通にかっこいいメタルなので、ベビメタ元ネタというには少し安易すぎる。

フルバージョンでは1分を超えるキーボードギターソロがあり、「ベビメタみたいにしてください」という発注だけではこの曲は生まれていないのではないか。

実は、この曲については元ネタが明言されている。

吸血鬼キャラを演じているユリカが歌う「硝子ドール」は特別にエッジのきいた楽曲ですが、あれも“NIGHTWISH”というオペラ風に歌いあげる女性ヴォーカルヘヴィメタルバンドを参考にしています。 」

VOL.14 監督:水島精二 インタビュー│クリエイターズ・セレクション│バンダイチャンネル

Storytimeという曲を聴けば、なるほどと納得していただけるかと思う。

NIGHTWISH - Storytime (OFFICIAL MUSIC VIDEO)

(追記:DREAM THEATERっぽいとの意見もあるが、それは作曲の帆足圭吾氏がDREAM THEATERの大ファンである影響かと思われる)

DREAM THEATER - Forsaken (Official Music Video)

Growing for a dream 作詞 - 小内喜文 / 作曲 - 今井ひろし / 編曲 - 小澤正澄(YouTubeリンク)

硝子ドールで触れたインタビューにおいて水島氏は

「最初のうちは「アヴリル・ラヴィーンのようなポップスで」とオーダーしても、どこか抑えてしまうので、「存分にお願いします」と言うのも僕の仕事になりました。 」

と発言している。つまり、アヴリルのようなポップスアイカツ!の楽曲にあるのだということになるが、自分の考える限りではこの曲が最もアヴリル・ラヴィーンに近い。

もちろん没になった可能性もある。(例として、2年目に登場するDance in the rainという曲は実際にはかなり初期に制作されていた)

Avril Lavigne - Girlfriend

Angel Snow 作詞 - こだまさおり / 作曲・編曲 - 田中秀和MONACA)(YouTubeリンク)

アイカツ!アイドルテーマであることもあり、実際のアイドルイメージしたような曲がいくつか見られるのも特徴のひとつだ。

こちらの冬っぽい曲もおそらくそのひとつで、自分の考えでは広末涼子なのではないかと思う。

広末涼子の「MajiでKoiする5秒前」は、ケンタッキーのCMでいつのまにか冬のイメージになってしまった竹内まりやが作曲している。

広末涼子 『MajiでKoiする5秒前』

fashion check! 作詞 - uRy / 作曲・編曲 - 石濱翔(MONACA)(YouTubeリンク)

ピチカート・ファイヴや初期のcapsuleイメージするようなキュートな「渋谷系」っぽい曲である

そのまま渋谷系っぽいオーダーで制作されたのかな、とも考えられるが、MVを見ると元ネタはなんとなく松浦亜弥の「ね〜え?」かもしれないと思った。

小さな箱の中で踊るというイメージが「ね〜え?」のMVと似ているかである

しかも、「ね〜え?」は編曲がピチカート・ファイヴ小西康陽(作曲はつんく♂)ということもあり、渋谷系から外れてはいないのだ。

松浦亜弥 - ね〜え?

ダイヤモンドハッピー 作詞 - 畑亜貴 / 作曲・編曲 - 石濱翔(MONACA)(YouTubeリンク)

アニメの2番目のOPテーマで、主人公いちごとあおいと蘭の3人によるユニット「ソレイユ」の持ち歌というのもあり人気の高い曲。

疾走感のあるスカパンクです。 - 水島精二

(徳間書店アニメージュ2013年8月号より)

こちらも元ネタが明言されている。

KEMURI 「PMA (Positive Mental Attitude)」 Music Video (SKA BRAVO Version)

戸松 遥「Q&A リサイタル!」 iTunesリンク

同じ地球のしあわせに 作詞 - こだまさおり / 作曲・編曲 - 高田龍一(MONACA)(YouTubeリンク)

音ゲーにしてはかなりスローな曲で、おそらくアイカツ楽曲で最も遅いのでは。

エンヤ(アイルランド出身の歌手)っぽい壮大な感じがほしいとの要望で取り組んだ曲です。 - 水島精二

(徳間書店アニメージュ2013年8月号より)

Enya - Only Time (Official Music Video)

Take Me Higher 作詞 - 只野菜摘 / 作曲・編曲 - 永谷喬夫(YouTubeリンク)

神崎美月、一ノ瀬かえで、藤堂ユリカの3人によるユニットトライスター」の持ち歌。

アニメでは、トライスターの結成にあたってメンバー選抜オーディションが行われ、物語上の重要な転換点で登場する曲である

STAR☆ANISとの雑談で「難易度の高い曲が歌いたい」って話が出て。ならばKalafinaのようなハモリが絡み合う感じがいいかなと。 - 水島精二

(徳間書店アニメージュ2013年8月号より)

Kalafina 『Magia』

prism spiral 作詞 - uRy / 作曲・編曲 - 田中秀和MONACA)(YouTubeリンク)

アイカツ!内に登場する近未来テーマブランドフューチャリングガール」をイメージした曲。

いわゆるテクノポップな感じの曲なので、Perfumeイメージなのかな?とは思うけれど、正直全くわからない。

2年目にもstranger alienというprism spiralの後継とでもいうべきテクノポップな曲が登場するが、単純にコンセプトから結果的にそうなっただけなのかもしれない。

(2015-11-19追記:prism spiralはどっちかっていうとハウスだろ、とお叱りを受けた。それは確かにそうかもしれない。stranger alienに引っ張られすぎて見失っていた。

 大変申し訳ない。そして指摘とかほかにあったらどんどんしてほしい、というかむしろ自分より音楽の詳しい人にどんどん楽曲を分析してほしい)

Perfume「ポリリズム」

wake up my music 作詞 - こだまさおり / 作曲・編曲 - 岡部啓一(MONACA)(YouTubeリンク)

これに関してはちょっと楽曲からズレた話になる。

かつて一世を風靡したレジェンドアイドルユニットマスカレード」の代表曲となる1曲で、

アニメでは「懐メロライブガールオーディション」で「懐メロの曲」として、いちごとあおいがカバーすることになる。

そして、マスカレードピンクレディーモチーフにしているユニットだと思われる。

僕的にはピンクレディー。それこそ社会現象を起こしたアイドルイメージです。 - 木村隆一

徳間書店アニメージュ2014年7月号より)

僕のイメージでは、マスカレードピンクレディーなので、キャンディーズくらい人気のライバルがいたんでしょう。 - 木村隆一

徳間書店アニメージュ2014年8月号より)

けれども、曲のイメージとしてはピンクレディーっぽい感じはとくにないので、そこまでは意識してはいなかったのだろう。

その代わりに、面白い仕掛けとして、この曲のメロディーアニメの初期からBGMとして頻繁に使われており、女児にとっても「懐かしい」感じに聞こえるような工夫が為されている。

Thrilling Dream 作詞 - こだまさおり / 作曲・編曲 - 石濱翔(MONACA

ドラマ「オシャレ怪盗スワロウテイル」のオーディションステージの曲。

ジャジーな曲で、怪盗がテーマなことからおそらくルパン三世を意識したところがあるのだと思われる。

スワロウテイル」はかつてマスカレードが出演していたドラマだったのを考えると、「ペッパー警部」も念頭にあったのかもしれない。

余談だが、現在放映中のルパン三世シリーズの監督はアイカツ!1年目にも深くかかわり、劇場版アイカツ!で監督も務めた矢野雄一郎さんである

「ルパン三世」オープニング映像

マジカタイム 作詞 - こだまさおり / 作曲・編曲 - 高橋邦幸(MONACA)(YouTubeリンク)

これまた面白い曲で、はっきりと元ネタが存在する曲である

いわゆる「サンプリング」であり、クラシックの名曲が使われているのだ。

チャイコフスキー作曲「くるみ割り人形」より「行進曲」のメロディーが使われている。

くるみ割り人形より「行進曲」(DTM)

KIRA☆Power 作詞 - 畑亜貴 / 作曲・編曲 - 石濱翔(MONACAYouTubeリンク

はっきりと元ネタがあるわけではないが、「EDM」「ダブステップ」をキーワードに制作されたことが明言されている。

「KIRA☆Power」は、ダブステップという攻撃的なサウンドの音楽ジャンルを取り入れた、かなり攻めている曲です。

ダブステップのように旬なサウンドは、あとで遅れてやるとダサイので、「やれるうちにやっておこう」と思いました。 - 石濱翔

(学研「アイカツ!オフィシャルコンプリートブック」より)

輝きのエチュード 作詞 - こだまさおり / 作曲・編曲 - 石濱翔(MONACA)(YouTubeリンク)

劇場版アイカツ!で、いちごが歌うことになる1曲。

映画でいちごが出会うことになるシンガーソングライター・花音がいちごのために作った曲だ。

アイドルシンガー。異なるタイプの2人が出会い、新しい何かが生まれる。そんなストーリーを描きたかった。下敷きになっているのは、1980年代アイドルの歴史の転換点です」

制作陣が、80年代と現代をつなぐイメージとして共有したのが、あの名曲「赤いスイートピー」だった。そして、当時トップアイドルへの階段を駆け上がっていた松田聖子さんが歌うこの楽曲こそ、木村さんの言う「アイドルの歴史の転換点」だった。

アニメ「アイカツ!」に隠された80年代フレーバー 〈AERA〉|dot.ドット 朝日新聞出版

さらに、花音のイメージ赤いスイートピー作曲者でもある松任谷(荒井)由実であるとも発言している。

ユーミン(松任谷由実)がイメージなので、フォークシンガーと言ってもいいかな。フォーカツ!ですね。」 - 木村隆一

(徳間書店アニメージュ2014年10月号より)

松田聖子「赤いスイートピー」iTunesリンク

チュチュ・バレリーナ 作詞 - 只野菜摘 / 作曲 - 石原理酉 / 編曲 - 成瀬裕介(onetrap)(YouTubeリンク)

アイカツ!3年目の2つ目のEDテーマであり、氷上スミレと黒沢凛が組むユニットダンシングディーヴァ」の持ち歌である

ダンシングディーヴァ」のイメージはSPEED。スミレが歌って、凛が横でダンスしている感じがカッコいいんじゃないかと思いました。 - 木村隆一

徳間書店アニメージュ2015年6月号より)

Steady (SPEED)

恋するみたいなキャラメリゼ 作詞 - 辻純更/ 作曲・編曲 - 石濱翔(MONACA)(YouTubeリンク)

コード進行などがとても渋谷系っぽい。

ではなぜ渋谷系なのか。それは、このステージが「レトロクローバー」というブランドイメージしたものであるところにヒントがありそうである

60~70年代レトロフィーチャーなテイストイメージしました。参考にしたのは、ツイッギー(英国の女優、モデル、歌手)のファッション。 - 中屋有貴(バンダイカード事業部

徳間書店アニメージュ2015年6月号より)

華奢な体形からツイッギー(小枝)の愛称で呼ばれ、(藤原みやびが履くのをためらった)「ミニスカート」で話題になったツイッギーから着想を得ている。

そして、ツイッギーといえば連想するのがピチカート・ファイヴの「トゥイギー・トゥイギー」、繋がった。(ただのこじつけ

U-MV053 - Pizzicato 5 - Twiggy Twiggy

薄紅デイトリッパー 作詞 - オノダヒロユキ / 作曲・編曲 - fu_mou(YouTubeリンク)

大和撫子ブランド「桜色花伝」をイメージした曲で、とても和風。

近年よく耳にする「和ロック」な曲であるといっていいだろう。和ロックの出自についてはよくわからないが、「凛として咲く花の如く」「千本桜」などがよく挙げられるようだ。

紅色リトマス「凛として咲く花の如く」iTunesリンク

『初音ミク』千本桜『オリジナル曲PV』

フレンド 作詞 - やまだ麻美 / 作曲 - 山崎佳祐 / 編曲 - 南田健吾(YouTubeリンク)

何を意識して作られたのかはわからないけど、この多幸感がなんかすごい「っぽいな」と思ったので貼りたくなっただけです。

岡村靖幸「だいすき from エチケット」

タルト・タタン 作詞 - 只野菜摘 / 作曲・編曲 - NARASAKI(YouTubeリンク)

氷上スミレの持ち歌で、懐かしの歌謡曲を思わせるような不思議な1曲。

Winkっぽい。音楽理論とか全く詳しくなくてほとんどイメージこじつけてるので公式ソースがあるの以外は参考程度に考えてください。

淋しい熱帯魚(M.V.) / Wink

最後に

アイカツ!にはほかにもたくさん良い曲がある。ロカビリーな曲や映画音楽のような壮大なもの、80年代ディスコ風、渋谷系テイスト……とにかく幅が広い。

自分の好みの曲が必ずひとつは見つかるだろう、というくらいいろいろやっている。

そして、ときどき思わぬ人が楽曲提供をしていてびっくりすることもある。(NARASAKI浜渦正志、ミト(クラムボン)、ナカノモリアヤコ、Kensuke ushioなど)

そんな楽曲を女児たちが聴いて成長すると思うと、音楽の未来は明るいなあと思ったりもする。

アイカツ!の○○みたいな曲ってなんていうジャンルなんだろう、と掘り下げたり、○○みたいな曲が作りたい、と作曲に手を出してみたり、

そんな楽しみ方もできるのもアイカツ!の魅力のひとつではないかなあと感じているわけである

2015-10-13

左翼臭さを感じさせる記事

exciteニュース記事について。

"43年間サバイバル生活"という単語に興味を持って開いた記事だが、左翼臭がして調べたらそうでしたというお話

「43年間サバイバル生活洞窟おじさん」注目すべき意外なポイント

ttp://www.excite.co.jp/News/reviewbook/20151013/E1444675485206.html

最初違和感を感じたのは「戦争が終わったことに気付かずにジャングルにずっと潜伏していた日本兵とは大きく異なる。」と書かれていたところ。

なんでここでこの文を入れる必要があるんだろうという疑問と、書き方に思いがにじみ出ていた点で引っかかった。

戦後も何十年と潜伏していた人の話を対比のために出すのはいいんだけども、なくても違和感なく文章はつながる。

まぁ確かに他の事例を混ぜて深み(何て言えばいいのかわからない)を出すのは良いと思うんだけども、本来そういうのって絶対悪でない限り中立的に書くべきものだと思う。

それなのに「戦争が終わったことに気付かずに」という書き方をしていて、嫌悪感というかネガティブな印象を感じた。

そもそも戦争が終わったことに気付かなかったんではなくて、終わったと信じ込まなかったという話だったはずで。

その人のことをまともに調べたことのない俺でも知っている事を、ライターをやるような、話を引っ張り出すような人が知らないわけがない。

とすると、軍への忠誠心からくる行動を「気付かず」に置き換えた点で、"軍"というくくりに嫌悪感を持っているんじゃないのかと考えるに至ったわけだ。

さて、そんな感じで左翼臭いなこのライターとか思ってたら、「戦後復興東京オリンピック新幹線あさま山荘事件ディスコブーム、」とかい単語が出てきたわけだ。

戦後復興から高度成長」という点で例を出すのはいいんだけど、あさま山荘とか経済なの?ディスコ経済と言うにはちょっと違わないか?とか更に思いが強くなった。

で、この人の記事を見ると

株価経済成長幸せへの道でしょうか。半市場経済生き方ってなんだ」

同時多発テロから14年…イスラム教徒に対する偏見はどうなっているのか『日本の中でイスラム教を信じる』」

過労死ラインを超える企業が7割という実情『ルポ 過労社会』」

あぁ、やっぱりってね。

てかなんだよ「大変化時期」って。

そんな言い方聞いたことないぞ。脱字かね。

まぁ何が言いたいかというと、本のレビューとして書いているだけなんだから中立姿勢コメント入れればいれろよっていう。

思想を込めた文章ブロマガとかでやれよっていう。

でもどちらかに傾けた方が、同じ思想を持つ読者が付きやすいんだろうね。

2015-08-31

人生の平手打ち

昔のとある国での話だ。その国には数万円の借金で、10から20歳前までの女子が売られてくる。

そこの置屋金持ち屋敷で営業してた。玄関を開けると大広間があり、

上階に上がる大階段があった。そこに制服でもないが、白いショーツと白いシミーズの女子が、

30人ほど暮らしている。見た目はネバーランドみたいだった。現実的にもネバーランドなのだが。

そんなありきたりな話はしたくない。

初日、知り合いについて置屋に行った。別になんの気もなかったけど、

ぼーっと待っててもいいけど、待ってなくてもいいので、女子を買った。

16、17歳くらい、その中では年長組の方だろう。腕を組んできたり、

アイコンタクトしたり、アプローチしてくる女子もいるが、そんなに労働的じゃない。

まり、なんとなくそ女子を選んで、いや選ばれたのかもしれない。

その女子が暮らす一畳ほどの湿気った部屋で、セックスをした。

セックス気持ちがいい。

その女子と僕は第二外国語で会話ができた。

次の日も知り合いについて置屋に行った。一晩買っちゃおうかな。とウキウキだったから。

その日は待っていた。昨日の女子はいないかなと考えていると、

別の女子に手を引かれ、その女子を買った。その女子のことは何も思い出せない。

早々に終わって大広間で待っていると、昨日の女子が向こうから笑顔、いま思い出すなら悪魔笑顔

で僕にすたすたと歩いてきて、ぺちん。と平手打ちされた。意味がわからなかったが、

周りの女子はくすくす笑っている。どうして私がいるのに他のこと寝たの?

君がいなかったから…と第二外国語で話してる間もよく分からなかった。

知り合いが後で「そりゃそうだよ」と教えてくれるまで、分からなかった。

その夜は僕もその女子を一晩買った。そしてディスコに行った。

大雨でどうしようかという我々の手を引き、行こう!行こう!とびしょ濡れで行った。

フラッシュコマ送りのように踊る女子二人が、僕の顔を見ながら、

流れる音楽を口ずさみ "It's my life." と繰り返した。

年代想像されるのが嫌だが、書かなくちゃいけないことは、

ボン・ジョビの同名曲より前の話だ。その曲をもう一度聞きたい、

けど、それはその思い出をもう一度繰り返したいと同じことだ。

よくある話だ。誰にでもあるような話だ。

この話はエロ本質では無い。とこんな説明書きたくないが。

人生普遍的気持ちを共有できるのが、ニュータイプだよ、カミーユ

2015-07-06

静音ファンクが揺さぶもの

静音ファンクってなんだ?って話ですが、ファンクをあれこれ聴いていると、アッパーに持って行かない曲を耳にすることがあります

数は多くないけど。

個人的にそうした曲を静音系とかダウナー系、あるいはイントロ曲って呼んでいます

タヒタとした感触の抑制されたリズムデリカシーのあるホーンアレンジ、スペイシーなシンセ類、象徴的なフレーズ執拗に繰り返すメロディ楽器類。そうしたもの構成される静かでダウナー雰囲気を持つ曲。

あるいは、今にもはじけ飛びそうなテンションをぐっと抑え込み、ひたすら熱をため込んでいく長い長いイントロのような曲。

それらは、ガツンとぶつかってくるのではなく、静かに体に注ぎ込まれ、内側からおれの体の中にある"動物/生物としての何か"を強烈に揺さぶるわけです。ファンクはもともとそうした部分を刺激する音楽ですが、これらはダイレクト内面リーチしてくるため、ファンクのコアを感覚として理解やすいと思っています

そんなわけで、しずかに、しかし熱く、おれにファンクを注ぎ込んだ曲たちを紹介しようかと。


The JB's - JB's Monorail

https://www.youtube.com/watch?v=n6DAqMFe97E

ファンクのオリジネイターでありかつ到達点であるJB70年代に彼の音楽的な足元を支えていたのはフレッドウェズリー率いるJB'sだったわけですが、JB's名義で何枚かアルバムが出ており、どれも良いです。その中で最もおれを揺さぶった曲です。

注意深く刻まれハイハットからまり、小刻みに揺れ、上に向かうフレーズを繰り返すサックス抑制的なロングトーンスムーズな流れを強固にするトロンボーンドラムベースは1拍目を強調するスタイルで、ハネのエッジもきっちり立っていてこの曲がファンクであることを主張します。

何度聴いても、曲が終わりに近づくと「ああ。この満たされた時間はもう終わってしまうのか。」という喪失感を味わいます



Kool & The Gang - Summer Madness

https://www.youtube.com/watch?v=2SFt7JHwJeg

一定以上の年齢の人にはディスコブームの中心的バンドの一つとして記憶されていることが多いであろう K&G ですが、この曲はファンク期の名曲中の名曲

トレモロの効いたスペイシーなシンセが揺れ重なりあい、おれの体をひたひたと満たしていきます。やがてコンピーな音で物憂げなソロを取り始めるギター、後半それにとってかわるシンセソロ。曲はそのまま最後シンセの上昇シフトで締めくくられます。そして曲が終わった後の一人ぼっち感。。

この曲が入っている Light of Worlds はアルバムタイトル曲をはじめとして名曲が多いので是非。Light of Worlds 以外でもファンク期のアルバムは良いものが多いです。一時期入手性が悪くなっていたアルバムもありましたが、最近はそんなこともないし。love&understanding を海外ショップから購入したらカセットテープだったのは良い思い出です。



roy ayers everybody loves the sunshine

https://www.youtube.com/watch?v=M36OGCfYp3A

純粋ファンクというよりはジャズファンクですね。後にレアグルーブなどと呼ばれたりもしましたが。ヴィブラフォンの人であるロイエアーズ代表曲

印象的なボイスの繰り返しが極上のトリップ感を与えてくれる一曲。ボイスが印象的ですが、シンプルコード進行を支え、間を多くとりつつもところどころで動きを見せるベースも良いです。

先に挙げた JB's の生き残りや K&G最近は衰えを隠せないのに比べて、ロイはいまだに元気なステージを見せてくれるので、機会があればライブおすすめツアー毎にメンバーを入れ替えていてるようで、その辺もプラスに働いているのではないかと。


Parliament Chocolate City

https://www.youtube.com/watch?v=DZaVA3NS7zE

P-funk名盤 Chocolate City のタイトル曲でありオープニング。「さあ、はじまるぜ!いくぞ!やるぞ!」とはじけそうな期待感をこれでもかとじらす長い長いイントロのような一曲。ドロドロのファンクをブーツィーがニヤけ顔でおれの腹に注ぎ込んで、そして「もっとだ!もっとくれ!」と言わせる。そんな光景想像させます

こうした半開の状態を長く続けるのはファンク勢が得意とする手法で、その中でも p-funk のそれは抜きんでているのではないかと。

ほぼハイハットだけのリズムの上に、ピアノやらボイスやらホーンやらが出入りするのだけれど、それらがいちいち気が利いています。そしてモゴモゴ動き回るエンベロープフィルタの効いたベースは、もう「これがファンクです。」としか

そして2曲目 Ride On で心置きなくはじけ飛べるので、忘れずに下記を!

https://www.youtube.com/watch?v=8PbK48jMyxc




Bossa Nostra - Home is where the hatred is

https://www.youtube.com/watch?v=69GGjbITB6k

最初からこれも入れようと思っていたんだけど、改めて聴いてみたら静音系というにはちょっとうるさいですね。ただ、内側から来る感じはちゃんとあるし、良い曲なので入れておきます

JBバックダンサーだった ヴィッキー・アンダーソン(カーリーン・アンダーソンのカーチャン) が歌う ギル・スコットヘロン という面白い 1 曲。

アレンジ今日的で洗練されており、ファンクのものというよりはファンク色の強いソウルといったところ。エレピののっぺりと抑制されたプレイダウナー雰囲気をかもしつつ、ヴィッキーアッパーさが曲をピリっとさせます

ドラム/パーカッションベースは洗練されつつもマッチョに曲を下支えしてファンキーさを強く感じさせますワウを踏んだギターさらファンク感をあおっています

2015-05-27

http://anond.hatelabo.jp/20150527102924

あいうのは実際はパソコンのものすらまともに使ったことないような連中だろ。

いまどき「スタバmacでドヤ」なんて「東京さ行ってディスコで踊るだ」みたいな古臭いイメージ

スタバmacも一般化しまくってそこらじゅうに溢れてるんだから、いまさらどうこう言うようなもんじゃない。

多分彼らはスタバに入ったこともないから何か物凄い高級なオシャレ空間だとでも思ってるんだろう。macも同様。

2015-05-03

http://anond.hatelabo.jp/20150502164612

1980〜1988: アニソン(3歳くらいに聴いたゴダイゴの999が意識的音楽聴くようになった起点)

→ 1988〜1990: 邦楽

→ 1990〜1991: ハードロック

→ 1991〜1993: ヘビメタ、クラッシック 

→ 1993〜1995: 洋楽ヒットチャート系(90年代Tokio hot 100) 、J-Wave経由で渋谷系HipHop

→ 1995〜1996: アシッドジャズ洋楽ヒットチャート系(90年代Tokio hot 100)

→ 1996〜1997: ボサノバジャズレゲエ

→ 1997〜2000: テクノブレイクビーツビッグビーツミニマルディスコソウルドラムンベース

→ 2000〜2005: ディープハウスドラムンベースジャズディスコトリップホップアニソン

→ 2005〜2009: chillout、ambientdeep-houseアニソンボカロ

→ 2009〜2014: EDM( dubstep、brostep、drumstep、drumbase、trap、glitch-hop、deep-house、Juke/Footwork、trip-hop、chillout、chiptune、electro、disco)、アニソンボカロ

→ 2015〜   : アニソンremix(ナードコア類,Jトランス類を除く)、EDM (ワブルベースonlydubstepを除く)、邦楽remix

 

ワブルベースは聴き過ぎると飽きるけど、ワブルベース+なんか だとまだ聴ける

アニソンEDMremix的な相性は凄く良い。ただしナードコアやJトランスユーロビート(!)の系譜remixが多いのは辟易とする。なんていうかインドネシア方面におけるFunkotを彷彿とさせる。だけどEDMシーンを下敷きにしてるremixは凄く良い。

あとiTunes is Dead.

soundcloud多様性は凄いし、みんなsoundcloud聴こう

 

https://soundcloud.com

2015-05-02

はてなー音楽遍歴おしえて

ください。GWですし。

わたしはおおざっぱに

邦楽ロックミスチルとか)

ukロックFranz Ferdinandとかアクモンとか。ガレージロックダンスロック

⇒usインディーCYHSY, Neutral Milk Hotelとか。マイブラシューゲイザーも)

エレクトロJusticeとか。ビート志向に。エレクトロニカでなく。歌なしを敬遠しなくなる)

ビートミュージックドラムン、ダブステ(Flying Lotus, Onra, Vex'd, 2562, Spor, Noisiaとか。音響志向に)

ハウステクノディスコソウルダンス系いろいろ。DJ文化に興味。BPMレーベル意識しだす。リミックスとミックスの違い知る)

アンビエントドローンノイズ民俗系とかいろいろ(耳疲れしだして聞くようになる)


年代ちゃうな。

ジャンルとか不毛」ならアーティストでも。きっかけとか聞きたいです。

今気づいたけどブコメに書きにくいですね。

2015-02-06

アイドルポストモダン

http://seana.hatenablog.com/entry/2015/02/05/230648

アイドルの曲は、アイドルが歌うことに意味があるということに気づけただけでも、ジャニーズを好きになってよかったなと改めて思います

アイドルファンのみんながみんなそうというわけじゃないよ、という話も。

そもそも「音楽とはその演者の主張である」という基準自体が、常に正しいとは限らない。

何の主張も、意思も、意見も、欲求も何もなく、音楽はただ音としてあるだけでも許されるはずだ。

それは、西洋哲学古典文脈で、「世界には何らかの真理があるはずだ」とされてきた価値観に似ているかもしれない。

これはおそらく、人間コミュニケーション手段、あるいは記録・伝達の手段の発達に関係していると言えそうだ。

音楽を伝える手段は、口伝から楽譜レコードからCDデジタルデータへと発展してきた。

一番最初は「自分たち音楽をいかに奏でるか」から始まったし、実際にそういう手段や発想しかなかったわけだが、

文明の発達によって「楽器を弾かなくても音楽が作れる」、「発表した数分後には世界中の誰でも聴くことができる」ようになり、

音楽のありようは大きく変わってきた。

音楽もまた、それがそれ自体として価値を持って存在しうる、

まりシニフィエを持たず、純粋シニフィアンとして存在しうるものに変わってきた。

音楽を奏でる上で、その主体自分の顔や外見を聴衆の前に晒し

その言葉が本人の主張であると常に解釈されなければいけない時代は終わったということだ。

人間、あるいは自己の「表現」としての「音楽」には限界がある。

なにより、自分以上の音楽を奏でることができない。

そもそも「音楽」と「自己」とは関係なく存在しあってもいいものであるはずだ。

自分たち音楽とは、自分たち表現だ」という自己規定は、そのうちに必ず自家中毒を引き起こす。

いわゆるアイドル戦国時代と言われたところから、近年のヒットチャートアイドルが占拠するようになったこの音楽のあり方は、

何も正当性がないただの「衰退」や「退廃」とは異なる、文化としての次のステップ意味を示している。

音楽」と「自己」、あるいは「音楽」と「意味」の離別は、音楽のもの純粋さをより推し進めるものともとれる。

たとえばそれは、女性キャラしか登場しなくなったアニメや、10代の若者世界を救うジュヴナイル作品とも近いもしれない。

その「音楽」をより純粋な形で届ける上で、最適な手段を探した結果、それが「アイドルだった」としても実は不思議なことではないのだ。

ポップスという大衆音楽には、その音楽性やジャンル自体制限はない。

あらゆる音楽性はポップスに含まれうるが、しかし外見や表現を含めてもそうだといえるだろうか?

ダンスミュージックディスコ、あるいはプログレハードロックメタル

これらはそのファッションスタイルと相まって存在していた音楽文化だ。

ヒップホップ音楽性には、ヒップホップファッション必要で、ヒップホップなアティチュードが求められる。

一人の人間、あるいはバンドでこの様々な音楽性の表現は一貫して行うことができるだろうか?答えは「No」だ。

なぜなら自己表現として音楽存在すると仮定した場合多種多様音楽を奏でることはそのまま分裂症的に解釈されてしまうのがオチからで、

これはつまりドゥルーズの言うリゾームの話に近づいてくる。

純粋音楽表現において、多種多様音楽をできるだけピュアな形で届けるには、アニメアイドルといった、

何の主張も持たない、時にはフィクショナルな存在の方が向いているということは起こりうるのだ。

から、私はアイドル音楽が好きだ。

彼ら、彼女たちと、そこで歌われる、奏でられる音楽は、本当の意味で結びついてはいない。

(つまり歌詞言葉どおりに彼らが考えているわけではない)

しかしながら、いや、だからこそ、その音楽純粋存在しているし、鳴っているのだ。

ともすれば、その歌詞支離滅裂意味を持たなかったとしても、

ナンセンスであるほどにその身体性、サウンドとしての純度は高まるかもしれない。

ひと昔前であれば、優れた40代50代の音楽家表現しうる音楽手法、伝える手段は、より限られたものだったろう。

今は、アニメアイドルボーカロイド…。様々な手段によって、自己の肉体や外見とは関係なく、純粋音楽表現できる時代になったのだ。

そして、リスナーとしての我々にとっても、より純粋フィクション文化として、

音楽作品に溺れることができる時代になったということも同時に意味しているというわけだ。

2015-01-24

ジャズは古臭いと思ってるあなたに捧げる10

今この増田を読んでるあなたは、「ジャズ」、と聞いたとき、何を思い浮かべますか。

十中八九、そこらへんのファーストフード店喫茶店で流れている、”おしゃれ”な音楽を思い浮かべるでしょう。あるいは、スウィングガールズ効果で、吹奏楽界隈でも一時期流行ったSing Sing Singのような曲も、頭の中で流れるかもしれません。

これは、まさにそうした人々のための増田です。広いジャズ世界の中でも極々一部の曲を聴いてジャズを知った気になる、あるいはジャズはどこか古いものだと思ってしまう、これほどもったいないことはありません。

前置きが長くなりますが、以下から本題です。動画サイトへのリンクも張っておいたので、気に入った方は今後のジャズ界の振興のためにもAmazonなりiTunesなりなんなりで高音質のものを買ってください。

"Not Yet" by Michle Camilo

http://youtu.be/tZOCdrwGch4

最高。何も考えずに聴きに行くべし。

これだけだとあまりにも不親切だからもう少し何か書くと、Anthony Jacksonのベースライン聴くだけでも絶頂できます

"Barcelona" by Metropole Orkest

http://youtu.be/-GcTk91J0iE

二発目は稀代のコンポーザー/アレンジャーVince Mendozaを擁するメトロポールによるバルセロナ。聴けば分かるように、オーケストラビッグバンドコラボレーションが、一昔前の映画音楽でよく見られたような、ストリングスストリングス独立していて、前でなんかジャズの奴らがごちゃごちゃ遊んでいるというものではなく、不可分のものとして一つの芸術作品を作り上げていますはい意味が分からないという人は、ぜひ一度だまされたと思って聴きに行っていましょう。

"Cerulean Skies" by Maria Schneider

http://youtu.be/HS-x4-_tCAE

演奏慶應義塾大学Light Music Society通称慶応ライト。恐らくこれを聞いた人は、これがジャズなの!?と驚くでしょう。ジャズです。心が洗われるような、美しいその音楽性には涙を流すほかありません――大自然の息吹を感じるのです。Maria Schneiderはこの他にも多くの曲を出していますが、初期のアルバムもっとジャズ色が強めな一方、最近アルバムクラシックにかなり傾倒しているので、この曲が収録されているSky Blue前後作風が好きです。

ちなみに、この演奏は生で聴いていました。

"As Seen from Above" by Jan Garbarek

http://youtu.be/Fzeb7paMftM

これもまたきれいな曲です。前曲よりもフュージョン寄りですが、ドンキーコング2のとげとげタル迷路と、どことなく似た雰囲気を持っていると思いませんか?独特なソプラノサックス音色と共に歌い上げられるメロディミニマル雰囲気を生み出しているバック。気分は海の中に漂っているようです。少なくとも私は広大な海原に一人放り出されて息を止めたまま海流に流されるままの自分夢想しながら聴いています

"Expansion" by The Orchestra

http://www.nicozon.net/watch/sm9452541

北欧ビッグバンドでは有名どころの一つです。ディスコ音楽ジャズの融合という、見た目だけだとゲテモノ間違いなしですが、いざ聴いてみると違和感はありません。まあ、もともとジャズもみんなで楽しく歌って演奏して踊るものだったのですから親和性は元々高かったのでしょう。映像からも分かるように、踊っています。というか、思いっきディスコです。ちなみに、このバージョンショート版で、アルバムにはロング版が収録されており、ロング版のテナーサックスソロは必聴です。

"Tortoise and the Hare" by Yellow Jackets

http://youtu.be/hMGz0-fJ-Xw

Yellow Jacketsのナンバーはどれもかっこいいのですが、今回はこの「ウサギとカメ」をチョイスしました。ピアノの美しいイントロドラムによって加速するドライブ感、そしてサックスのどこかゆったりとしたフレーズと絡み合うせわしないピアノ――ここに、ウサギとカメの名称の由来が来ているのだと私は勝手に思い込んでいます。これはかっこいい曲だ。

"Return of the Kung Fu World Champion" by上原ひろみ

http://youtu.be/rk7_dXIKt0Y

みなさんもグラミー賞を取ったということでご存知の上原ひろみ。ですが、この人の曲を実際に聴いたことがある人ってどれくらいいますか?ということで、数ある曲の中から、変わり種に入りそうな、シンセサイザーがかわいらしくピコピコ鳴っていて、どことなく8ビット香りも漂ってくる、ただでさえ聴いていると体力が奪われるのに、ライブから余計に疲れる、カロリーの高い曲をチョイスしました。目まぐるしく変化していく曲調にあなたは目を回すこと間違いなし。

"First Circle" by Pat Metheny

http://youtu.be/LEmL6tIaYWU

ジョジョエンディングテーマ演奏していることでネット界でにわかに脚光を浴びているPat Methenyによるナンバー。この人も良い曲をたくさん持っているのですが、今回はメセニーらしさがぞんぶんに出ている曲を選びました。よくわからない拍子、男声ヴォーカル、爽やかな雰囲気はい、メセニーですね。ただ、こだわりのエレキギターの音を聴けないのが残念です。

本当はメセニーの世界を余すところなく堪能できるOrchestrionを紹介しようと思ったのですが、長すぎるのでやめました。

"Phobos" by Darcy James Argue's Secret Society

http://youtu.be/bEd6fIq-WnM

名前からして古臭さを一切感じさせないですね。フォボスとか、宇宙にまで行っちゃいましたよ。そしてこのバンド名も厨二病溢れる名称。曲も退廃的な雰囲気を漂わせちゃって、なんか厨二病っぽいです。テナーサックスソロ厨二病っぽいです。

"Toys" by Vertu

http://youtu.be/9NcEo9I_flU

曲調がしょっちゅう変わる曲その2。とにかくにぎやかで豪華で壮大で荘厳でいかめしくていかつくて以下省略。とにかく聴いていて飽きません。疲れません。おなか一杯になりにくいです。上原ひろみのものと比べたら、耳にやさしいです。あえて無駄にでかい虚栄心を張ったスケールの曲なので、ラストにふさわしいでしょう。

いかがでしたでしょうか。

ジャズの新たな世界は開けましたか

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