はてなキーワード: トレインとは
明日の健康診断に向け、便を2日分採取せよ、との通達が届いた。
いつ催しても良いように検便キットを鞄に忍ばせ職場へと向かうが、待てども待てども門番は固く閉ざしている。便通が良くなると信じ大して好きでもない緑黄色野菜を食べる。数日前は門番に賄賂を渡しながらなんとか駅間隔8分のdeathトレインを凌ぎきったのだ、検便はすぐに終わるはずだ。
なのに、なのに、ヤツはぱたりと気配を消してしまった。
こうなっては2日分どころか一度も採取できぬまま当日を迎えることになってしまう。検便キットを手に職場のトイレに篭城を決め込む。出ろ、出ろ、と念じる。となりの個室に人が入っては出る音を聞きながら待ち、5回転ほどが過ぎても何もない。暇つぶしに持ち込んだスマホには上司から「どこにいる?」という旨の連絡が届いている。まさか検便中だとも言えず、無視を決めこみ、尻に意識を集中させる。祈りが通じたのか、そのうちひとつだけ、コロリ、と落ちた。
トイレットペーパーを尻にはさみ、慌てて立ち上がって便器を覗き込んだ。ウヰスキーグラスに収まりそうな美しくなめらかで丸いヤツがいた。検便キットの取手をとり、そっと表面をなぞり、ミッションコンプリート… のはずだったが、コロリとしたヤツは鋼のように硬く、なぞるどころか検便キットの先を差し込むことすらできない。焦っているうちにヤツは無残にもコロコロ、とトレールペーパーの隙間をすり抜け、海溝に飲み込まれていった。
私にはもう、なにも回収できなかった空の検便キットと、力みすぎてイボ痔になりかけている尻しか残っていない。
ジョーブログの動画が面白くて(特に、【危険】走る電車に飛び乗ったら大惨事【アメリカ0円横断#18】はヒッピーが路上でギターを弾くラフな感じとか、トレインホッピングで限界を攻める感じとか、見たことのない世界を見せてくれて楽しい)2時間ぐらい見てた。USA!な部分が見れたので、PRONTOから出た時は久しぶりにDisturbedを聞いてテンションを上げた。最近はFM-84とかMitch Murderなどの80's風ハウスミュージックを聞くことが多く、凄く新鮮な気持ち。「あー俺も旅したい、仕事で気持ちが死んでたけど思い出してきた…!」的なことを考えてた。
そして今、突如湧き上がる死にたくなる感情。なんだろうなこれは。ルールからはみ出るとこんなにも不安になるものなのか(いや、俺はただ動画を見ただけなんだけど)。自分が貯金を使ってヒッチハイク旅に出る場面を想像すると、「俺はこんな凄いことをしてるんだ」って自慢したくなると思うんだけど、あとから凄く虚しくなると思うんだよね。じゃあ、その後の展開とか考えてるのかなとか、受け容れてくれる人間とかいるのかなとか。一過性でテンションは上がるんだけど、ふと現実に目を戻すと直視したくないものがそこにあって、途端に不安に襲われる。きっと孤独が嫌なんだろうな。その場のノリで自分を取り巻く常識からはみ出すということは、現状に対して目を背けるということでしょう。結局何もしてない状態って居心地が良いんだよね。そしてその居心地の良い環境を失ってしまうのが怖い。
以前、ぶらりと夜の川崎を一人で散歩した時にも遭遇した感覚だよ。ちょっとはみ出して人の行かない場所に行こう、廃れた場所に行こうとか考えてノリで行ってみる。最初はアドレナリンが出て刺激的で楽しいって感じるんだけど、あれ、だからなんなんだ、何をしているんだ俺はという気分になる。そして死にたくなる。一人ではみ出した先には底なしの暗闇が広がってる。その暗闇を見たくないから、集団のルールに迎合しがち。そりゃそうですよ。怖いもの。
仲間がいれば多少は和らぐんでしょうけどね。ちょっと人と違うことをしようかなと思うと途端に闇が見える。そして後悔する。その繰り返し。
ローカルトレイン変な取り組み界の王者は琴平電鉄高松が走行中の車内でお芝居を上映したやつ、横綱は京阪電鉄が中の島駅ホームを居酒屋にして乗客がついフラフラ飲み始めてしまうやつ。ローカル線再生といえば名前が出る名人・いすみ鉄道の取り組みは不思議と印象に残っていない。たま駅長とかも思えば酔狂な取り組みだよね。北海道の駅は簡易宿泊所になっているところもちょこちょこあって、ホームでバーベキューするのが夕食なんだって。やってみたい。
今は大雄山線が吊り広告を取っ払って大量の増加を天井からぶら下げたヒスイカズラトレインを運行中らしい。その電車でスーツ着て出勤するのとかシュールだろうなあ。全国のローカル線にはこれからもバンバン変なことしてほしい。ちゃんと見てるから。
昨日、春のダイヤ改正があった。
今年も色んな車両、列車が消えていった。189系特急型電車、キハ183系特急型気動車、高崎地区の115系近郊型電車、阪和線の103系通勤型電車、特急「あさぎり」、E351系特急型電車「スーパーあずさ」などなど…。
ところで、近年の車両引退時の様子がおかしい。主にファンがおかしい。
車両に接着剤をつける、線路内に進入して列車を緊急停止させる、一般の利用者に迷惑のかけるような乗り方をしている等々。
このような行為自体は昔からあった。一説によると、1960年代の鉄道雑誌の読者投稿で既に問題視されていたともされる。
ではなぜ近年おかしいのか。
なんといっても、インターネットで拡散されるため、それらが目につきやすくなったことだ。特にTwitterと鉄道趣味は相性が良いらしく、悪質な行為を見かけたら撮影→拡散→炎上までが高い頻度で起きる。目につきやすくなったため、急激に増加したように感じられる。
駅員や他の良識あるファンが注意をしても偽善者扱いで逆ギレされる始末である。本当に居心地が悪い。
列車は誰のために走っているのかをもう一度考えて行動してほしい。
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ここまでは、それこそTwitterでよく展開される鉄道オタクの悪行だ。
近年の異様なまでの過熱、特に引退する車両に対してのフィーバーの元凶は、鉄道雑誌と断言する。
論拠として二点を挙げてみる。
確かに、売り上げ部数はかなり落ちている。インターネットで拾える情報が多いため、雑誌の価値は落ちているだろう。
しかし、雑誌を立ち読みするファンがかなり多いのだ。他の専門誌などでは見られない現象だ。
私は都内の書店(グランデとかではなく、ごくごく普通の書店)に行くと、鉄道雑誌の他にも音楽雑誌やカルチャー誌の書棚を覗くが、鉄道雑誌のコーナーは常に誰かが立ち読みをし、時には本にたどり着けないくらい人が密集していることもある。
以下に、とある鉄道雑誌の2017年発刊分の表紙写真を記載してみる。
・11月号:EF63
JR化後に落成された車両の表紙が一つしかない。なんてことだ。ちなみに、特集記事は注釈を加えていないものは表紙車両とだいたい合致している。
一つ目と比べると新しいものが多いように感じる。が、既に走っていないブルートレインの特集がある。
鉄道雑誌は、かなり昔を向いて書かれた雑誌であることを感じてもらえるだろうか。他のカルチャー誌が今現在のトレンドを追及するスタイルとは非常に対照的だ。
以上二点を合わせると、鉄道雑誌に目を通す多くの人間が旧型車両の写真に触れるということが見えてこないだろうか。
雑誌なので、渾身の作品も掲載されている。乗車ルポも出ている。そして、文末には必ず「後先わずか」と記されている。
整理された情報で、よい作品と魅力を伝えられてしまえば、行きたくなるだろう。それがまだマナーやルールがよく分かっていない中高生であっても、昔の感覚で久しぶりに撮影へ行こうと考える中高年であっても。
もし仮に、鉄道雑誌がここまで古いのを追いかけなければ、近年の現象は多少マシだったのかもしれない。
予想される鉄道雑誌の購買層は40代以上と推測され、その層を狙えば特集が古い車両に偏るのは一応理解できる。しかし、立ち読みをするのは全年齢層だ。そうなると必然的に全ての年齢層が魅力に気付き、残り数本となった車両に殺到してしまうだろう。
そもそも、若年層に買ってもらえないのは編集部の怠慢だ。他の業界の雑誌は必死になって読者の確保をしようとしているのに、安定したファンがついているのをいいことに誌面の刷新は全然行われていない。それどころか一昔前のデザインに戻したりする始末だ。
もう一つ、気になって仕方ないのが、ここまでマナーが問題視されているのに、雑誌では全くといっていいほど触れられないことである。毎年のことだから…と深く考えていないのかもしれないが、もはやそんな悠長な問題ではない。現場にまで迷惑をかけるほどの大混乱ぶりである。
これは本意ではないが、鉄道会社が鉄道雑誌にマナー向上を呼び掛ける全面広告を出してもいいかもしれない。
インターネットでは「マナー問題で炎上しても、破るやつには届かない」という意見もあり、私もそれには同意する。けれど、鉄道雑誌であれば読者層がとても広い。インターネットでやるより、よほど広範囲に現状を認知させることが出来るだろう。まぁ、認知させることができても、行為がなくなるとは思えないが…やらないよりよっぽどましだ。
「本意ではない」というのは、広告ということである。本来なら鉄道会社が「この文章を載せない限り、二度と取材はさせない」というくらいの強気で出たって構わないくらいである。
とある鉄道雑誌の編集長と面接をしたことがある。非常に印象が悪かった。新しいことを取り入れる気概を全く感じられず、ただプライドが高かった。ついでに典型的な圧迫面接だった。かれこれ数年は採用募集しているが、あれでは仕方ないな、とも思った。
鉄道雑誌各社は、「インターネットのせいで雑誌が売れない!!」とただ嘆いてるだけで、実はとてもひどい状態を引き起こしていることにどうやら気付いていないようだ。もしこの調子であれば、このまま滅んでくれたほうが、鉄道趣味にはプラスになる。
https://news.yahoo.co.jp/byline/kunisawamitsuhiro/20170707-00073002/
スマホの電池は2-3年で40%程度まで劣化することも珍しくないので、リチウムイオンは劣化するもんだという観念は広く染み渡っている。ところがそこは設計次第という面があって、放電深度によっては3年/500サイクルより長持ちさせることはできる。らしい。
ネットを見ていると、中古リーフ関連のテンプレには必ずバッテリ満充電容量を確認しろ、可能なら軽く劣化させて保証交換に持ち込め、と書かれている。テスラ関連の掲示板は常に社長の人柄(渡邉美樹に似たタイプだ)とOSアップデートの話をしていて、「バッテリ劣化」と口に出すと「テスラのバッテリは劣化しない」と言って叩き出される。「エアコンの航続距離への影響」も「知らん」の一言で終わる。走行20万kmで残容量93%というデータ(?)もあって、6万kmで90%を割っていると外れ値扱いになる世界なので、車の寿命まで持つから心配いらないというのも一定の事実を含むのかとは思う。
リチウムイオン電池は高価だ。概ね2万円/kWhで、低下傾向にある。つまりリーフの24kWhバッテリには原価が60万円ほどかかっている。リーフの定価は300万円前後なので、1/5がバッテリの原材料費ということになる(分数だ!!!!)。これをテスラ並みの48kWhや72kWhにすれば、24kWhでの公称航続距離は228kmだから、72kWhあれば650kmは走れるだろう。そうするとガソリン車の満タン感覚とも近くなってくるだろうし、仮に1/2や1/3に劣化しても燃費が悪くなったと言って済ませられるのではないだろうか。
もちろんバッテリの容量を2倍3倍に増やせば体積が2倍3倍になるのみならず、実質的にヴィッツとかフィットの価値しかない車が360万円や420万円といった価格帯になる(これはかけ算だ)。BMW 3が候補に入る価格帯だ。電池は重量がある。パワートレインを強化しよう。リチウムイオン電池の劣化は冷却によって抑えられる。冷却システムを改善しよう。そうして技術的に適切な解決を図っていくと、例えば48kWh, 10年後の航続距離が300km、辛うじてコンパクトの車がわずか520万円といった感覚になってくるだろう。そのような車は、東京~名古屋間を無充電で走行し、現地で少し急速充電した後、帰ってくることができるだろう。
同じことがトヨタ カローラにもできる。カローラの新車価格は150万円である。カローラ3.5台分の日本円を用意すると、その機能を保ったまま内燃機関を電池と電動機で置き換えることができる。多くの日本人は今やカローラを購入することに難しさを覚えるようになっている。すると、機能を保たずに新車価格を保つほうがビジネス的に理にかなっている。バッテリの劣化は納車後しばらく、クルマに対する情熱があるうちは明らかにはならない。であれば、技術には涙をのんでもらってバッテリを最大限にしばき倒し、主に都心を動かすシティカーだが頑張ればノートと同等の動きもできるといった宣伝で、うるさい人だけ保証や実費交換で黙らせていけばよいという判断があり、そしてそのようにしているというのがリーフのバッテリ劣化をめぐる状況なのではないだろうか。
何が言いたいかというとテスラのモデル3が欲しい。0-100km/hは5秒を切ってきそうだし、GeForce GTX 1060の搭載が決まっているし、GPLを盛大にぶっちぎってGNU/Linuxで動いているし、量産開始がアナウンスされている。別にどこかから金をもらっているわけではないが。くれるならRC版の3をくれ。
彼女が小学生だった当時、サンタさんが届けてくれた「毛糸のカービィ」を期に、カービィ沼に填まり始めた娘も、この春から高校生になってしまった。表現が「なってしまった」と残念形である点は父親共通ではないだろうかと思う。
一軒家で物置になってる部屋が3つほどある我が家なので、ちゃんと整理すれば子供部屋が作れるんだが、(ギャグではないが)今は居間が彼女の部屋となっていて、ピンク色をした球体が増える一方である。
高校生にもなると父親と出歩きたがらなくなるという風評を耳にするので、いつ我が身に降り注ぐことになるか心配で仕方ないのだが、そんな娘にせがまれて大阪までカービィオーケストラを観に行くことになった。会場は別であるものの、そう遠くないところで「プププトレイン」という物販イベントも開催されていて早い時間から並びたいという。
関ヶ原のあたりで車の調子が異常になるというアクシデントに見舞われつつも、米原駅前の打止め駐車場に車を捨て置き新快速で入阪を果たし、物販イベントの会場である毎日放送の社屋へ移動する。
ところで米原に着く前、助手席の娘に電車の時間検索を依頼したところ、「14000円もかかるんだって、どうしよう!」って困惑していて、聞けばマイバラがマエバラに聞こえたらしく、千葉の前原を起点にしたせいというオチだったんだが、中部地方に住む身として交通の要所たる米原くらいは覚えなさい。
開店(入店)まで90分くらい待つ羽目になったが、何とかお目当てのグッズが手に入って娘は御満悦の様子。それはそれでいいんだが、会場に多数潜伏しているらしいカービィクラスターのフォロワーさんを見つけようと、手にしているタブレットからメンションを飛ばしているのは画面を見ていない私からでも分かり、それがまた不安で仕方ない。
キリがないので「オーケストラに間に合わなくなるぞ」と引き剥がし地下鉄に潜る。本町が最寄駅なので、梅田から御堂筋線で2駅だ。
工夫すれば近い出口まで地下で行けるみたいだが、後ろ寄りの車両に乗ってしまったことに加え土地勘もないため、自動的に出口④に排出される。ちょうど娘と同じくらいの女の子が一人で駅員に道を尋ねていたので、「おまえの同業じゃないのか」と耳打ちすると「ちょ黙って」と叱られた。娘からはカービィの映ったスマホの画面が見えたらしいので、同業であることは確定なはずだが、見ず知らずの人に声をかけること(相手からみたら声を掛けられること)自体が「不審者」という認識らしい。
とりあえず、その女の子が先行したので、距離を置いてついて行くわけだが、中央大通りを横断することなく彼女は左折してしまう。「おーい、そっちじゃないぞー」と大声を出そうとするも、またや娘に制止される。今どきの若者の心理構造は昭和世代には理解し難しい。
開演の30分も前に着いたんだが、会場前の公園に入場待ちの列が既に何重にも出来ており、「開演まで30分も前」じゃなく「開演まで30分しかない」に変わり、付近でランチを取る作戦は未遂に終わった。
昭和世代のお節介焼きとしては、さっきの女の子が気にかかるところだが、スマホがあるのだから徒歩ナビできるだろうし、道に迷いながらも辿り着くというのも後になれば良い思い出になろうと、自分を納得させる。
一応は今回のコンサートに備えて過去のゲームを予習しておくべく、2週間ほど前からゲームボーイを手にして夜な夜な挑み、なんとか初代と2はコンプリートしておいた。2の最後のデデデをどうしても倒せず娘に攻略法を聞くと私がコピー能力という機能を使っていなかったせいだったことが判明。つまり、デデデよりも前のボスまでは全て吸って吐くだけで倒してきたということになる。
オーケストラの内容については、語れるほどの知識を持ち合わせていないので割愛するが、幾度かコックリしそうになりかけたということは内緒である。たぶん気がつかれていまい。
初めてお目にかかったカービィの父親たる桜井氏は私の同じ歳か一つ年上くらいの、ほぼ同年代の方で、初期のカービィのプログラミング上の技(メモリー節約術)を講話して下さった。PC-8001mk2からパソコンに触れていた私にとっても、その話は非常に懐かしいものがあり頷きながら聞いていた。ゲームボーイは背景との重ね合わせ処理をハード側でやってくれていたようだが、それを手動で(マスク用のビットマップ用意した上で)やっていた世代からするとちょっと羨ましい。
コロコロカービィだったっけか、カセットの中にモーションセンサーを内蔵した型破りゲーム。ゲームボーイアドバンスで遊びにくいということで、娘に頼まれてICの天地反転をやってあげたが、最近のゲーム筐体ではあーいう着眼が不可能になっている点、21世紀になって失った物の一つに数えられる気がしてならない。
アンコールが終わりウルウル感動している娘の横顔を見ていると、それだけで幸せな気分になるものの、会場を出たら、先ほどの物販イベントと時と同じようにメンションを飛ばし始め、父親としてはなかなか辛い。女性フォロワーさんはともかく、男性フォロワーさんにまで「会いたい」は自制してほしいと父親としては強く要望したいが、中学4年生と言っていい田舎の天然系女子高生が納得する説教を垂れる自信もないので、眼球の隅で監視するに留める。
昼夜2回公演の夜の部を待つ人が会場に吸い込まれてから公園は落ち着きを取り戻し、先ほどまで長蛇の列だった撮影向けオーケストラの看板の周囲は片手で数えられる人しかいない。看板をバックに記念写真を口実に公園から踏みだし、乗じて地下鉄の駅に足を向かせることに成功した。
さて、これからどうするか。娘としては難波・心斎橋あたり徘徊したいみたいだが、強い希望はないようなので、父親が主導権を握る。ずばり、海遊館だ。結婚前に嫁と来たことがあるが、今度は娘を海遊館に誘う。
大阪港駅から随分と(15分くらいだが)歩くのは予想外だったが、特徴ある外観は20年以上たった今でも鮮明に覚えていた。
館内では、タブレットを使って水槽の中を撮る娘 を撮る父親、の構図であったが、傍から見て親子に見えたかどうかは興味深い。(年の離れた兄妹 もしくは カップル くらいに見られていたのだとしたら嬉しいところだが、さすがにそれは自惚れすぎか)
エイやサメに触れるコーナーでは、一瞬だけ小学生に戻った娘を見れた気がする。
見て回るのに2~3時間かかるという前評判とは裏腹に1時間ちょっとで退出。母親への土産を買うというので「あいつはジンベエザメが気に入ってる」と助言してやったが、これは感謝されてよいと思う。ただし支払いは私だ。
まずは梅田に戻るわけだが、朝から食べ物を全く口にしていないことに気がつく。
もし米原に置いた車が動かないとなったときに備えて、車が使えずとも終電まで家に着ける時間を逆算すると、あまりゆっくりしていられないのではあるが、駅ビルの中の「カフェ ラ・ポーズ」で少し小腹を満たす。なぜその店であるかの説明も割愛するが、嫁とはファミレスや定食屋ばかりで、いわゆる「カフェ」には行ったことない気がする。
20時台の新快速は朝と違って凄い混んでいたが、長浜行きのその電車は米原に近づくにつれて空席が目立つようになる。「駅に着いたら運転なんだからパパは寝てて。起こしてあげるから。」と最初は気丈だった娘だったが、草津に差し掛かるよりも前にウトウト始め、ついにはオーケストラの続きを見始めてしまった。長浜まで行っちゃうと後がないのだが。
「絵師は幼い頃に頭を強打している」みたいな都市伝説を耳にしたことがあるが、この娘も小1の時に家族での登山中に滑落した経験が幸いしてか、今は絵師の端くれをしているようだ。一ノ越から黒部平に向けてタンボ平を下山中、先頭でハシゴを登っていた娘があと数段のところで手を滑らせて崖側に転落したのだ。学生時代から山をやっていた私はとっさに死を覚悟し、気を失いそうなくらい動転したが、落石の音が止んだと同時に泣き声を発してくれたのだ。1ミリたりとも動くな、と声をかけて落ちていった場所に近づく。ちょうど2階建の屋根から落ちたくらいの高さだったが、付近は鋭利なガレが窪地を埋め尽くしていて、重登山靴を履いてるからこそ何とか歩けるような状態。そんな中に半畳だけ、あきれかえるほど平らな岩があって、その平らな岩の上に娘が倒れていた。これまでに見たことのない巨大なタンコブを額に作っていたが、出血もないしタンコブが出来るのは大丈夫な証拠でもある。平らな岩がなかったら、落ちた場所が50cmでもズレていたら、尖った岩々が確実に娘の頭蓋骨を叩き割っていたはず。
黒部平のロープウェイの駅まで1時間ほど負ぶって下山し大町の病院のCTで異常なしを確認。翌日は包帯を巻いたまま登校し、そのまま9年間無欠席を続け義務教育期間皆勤賞を得るに至ったが、あのとき奇跡が起きてなかったら、いまこうして電車に乗ってることもなかったのだと思いふけっているうちに長浜行きは米原駅に滑り込んだ。
駅に置いた車は何とか動きひとまず安堵だが、また調子が悪くなるといけないので、深夜の名神はトラック並のスピードで。そういえば、嫁と結婚する前は、やたら高速をゆっくり走っていたなぁ。いまなら2時間のところを当時は3時間かけて。
ホットエントリを見てると「本当にオススメする3DSのゲーム10選」みたいなタイトルの記事をよく見る。見始めの方は楽しく読んでたけど、オススメできる良作なんて有名どころしかないし、そもそも絶対数も少ないから、どうしてもマンネリ感がある。そして、ちょっと前に増田の記事であったけど、あの手のランキング記事はゲームを紹介して、アフィでそのゲームを買ってもらうことを目的としている場合が多いから、どうしても買ってもらうために面白いゲームしか紹介しない。
でもね、ゲームって、良作ばかりじゃないし、かと言ってクソゲーばかりでもない。
どうにもこうにも、多少は面白いけど、う~ん……と思ってしまうような微妙なゲームのほうが圧倒的に多いハズ。そして、微妙さ故に話題にもならないし、クソゲーみたいに突き抜けてもいないからネタにもされない。紹介したって、買って貰えるはずもないから、前述のアフィ目的の記事で紹介されるわけない。
前置きが長くなったが、ないなら書いてしまえ、というわけで、この増田が今まで遊んだ3DSのゲームの中で、微妙なゲームを紹介する。
あくまでも、良作でもないし、クソゲーでもない、そんな語るに困る微妙なポジションのゲームについて、さあ語ろう。
2012~13年にスクエニがメディアミックスを仕掛けていたコンテンツ『超速変形ジャイロゼッター』の3DS版。同名のアーケードゲームもあるけど、そちらとはロボットに変形した車で戦うという内容は同じだけど、こっちはRPG。アニメの40年後の世界が舞台になっている。
車が題材のゲームなので移動は全て車になっているという変わり種で、ポケモンのノリでジャイロゼッターを集めながら、世界を滅ぼそうとする敵を倒すというまあそんな感じ。アニメの40年後が舞台なので、アニメを知っていると色々感慨深いシーンも多い。とくにエンディングはアニメと同じ内容かつ、アニメの第一話につながる内容になっているので、アニメを知ってれば、「おっ!」となる。
でもアニメを知らなきゃ、移動が全て車の変なRPGだし、中盤以降のゲームバランスも何かおかしいし、そのくせガイドが妙に丁寧だったり……。ジャイロゼッターに関心のある人なら、とっくに購入済みだろうし、そうでない人なら何とも微妙に反応に困るRPG。パッケージの時点でアニメイラストなので、知らない人ならまず買わないだろうけどね。
逆転裁判シリーズの番外編。明治時代の日本、イギリスが舞台で、時代故に指紋判定などの科学捜査ができない状態での裁判となっていて、メインシリーズとは趣がぜんぜん違う。とはいえ、基本的に犯人扱いされてピンチ状態の依頼人を逆転につぐ逆転で、勝利をもぎ取るという基本スタンスは全く同じ。
で、ここで紹介しているということは、このゲーム、つまらんとは言わんけど、面白くない。
捜査パート、裁判パートにおいてメリハリがなく、終始グダグダした進行が進み、とにかく長い。そのくせ話の核心にはあまり触れられずに、話が終わるエピソードが2本もある。続編が発表されたとは言え、ラストのぶん投げた感じの締め方は本当に酷い。続編が出たら、評価は多少は変わるかもしれないけど、それでも終始グダグダした空気が流れてる裁判はちょっとね。もうちょっと何とかならんのか。
逆転裁判の番外編では、レイトン教授とのコラボもあるけど、そっちは本編ほどではないけど、結構面白いよ。
Farming Simulatorシリーズの3DS版。VITA版やPS4版もある。
農場を運営するゲームだけど、うん、地味。淡々とトラクターで畑を耕し、淡々と種を巻き、淡々と刈り取って収穫し……を淡々と続けるゲーム。シリーズが何本も出てるし、ハマる人にはハマるゲームなんだろう。
でもあまりにも淡々とした内容には結構面食らった。一昔前の洋ゲーみたいに、説明が乏しくやたらと不親切だったり、挙動が妙にリアル(だそうだけど、実際のトラクターに乗ったことはないからわからん)だったり。そのおかげで慣れるまで操作しづらい。
こんな淡々としたゲームだからか、公式サイトはやたらハッチャケた内容になっているから、そっちはオススメ。サイトを見て、どんなものかこのゲームを買ったんだけど、本当に地味で淡々としたゲームでねえ。どうせならグラのいい、PS4版の方が良かったかも。
聞いたこともないような地方のローカル鉄道ばっかりで、どこに需要があるのかサッパリわからなく、そういう意味でも微妙なソフト。自分の中ではまだ知名度のある「叡山電鉄」がテーマになっているソフトがあったので、とりあえず購入。
基本的には『電車でGO!』とほぼ同じ。ただ、予算がそれほどないのか、それとも時代の流れからなのか、運転席から見える風景は実写映像が流れる。そして、車内放送が妙のリアルというか、たぶんこれ実際の音声をそのまま流しているような気がする。
まあ興味のある鉄道が舞台なら、買ってもいいんじゃないの。現在出てるのは、叡山電鉄の他に長良川鉄道、鹿島臨海鉄道、近江鉄道、ゆいレール、上方電気鉄道、会津鉄道、大井川鐵道の7本。
アイカツっぽい何かだった前作とは違い、アーケード版を一応再現したようになっているけど、キャラが無表情、リズムゲームの判定がやたら厳しい、キーの割り当てがおかしい、という中々頭を抱える出来。遊べる曲を増やすには特定のコーデは必要だけど、そのコーデを作るためにはミニゲームを延々とやって材料を集める必要があるってのも、けっこう面倒な感じだった。
とはいえ、アーケード版っぽいアイカツが家で遊べるのは良かった。人気絶頂時に頑張って出してきたのは良かったと思う。
最終作の『My No.1 Stage!』はアーケード版をほぼ完全に再現した内容になっているから、今『2人のMy Princess!』をわざわざ遊ぶ理由はとくにないかな。でも人気絶頂時に発売されたこれと、最終作では売上が1/5くらいにまで激減しているのは物凄く悲しい。
パックマン バットマン ファットマン アントシアニン キトサン オリゴ糖
もののふスリーが心技体なら、おうさまスリーは臣義退だろうか 寝偽怠だったらやだな
でもカンガルーにも袋はある マンホールからはコアラが噴き出る ウォンバットの方が可愛い気がする アイワナビーワラビー
ワニは根はいい奴 だけど塩水に漬けると目が充血して狂暴になる エクアドルのマクワウリを与えると落ち着く ウニは性格がクソ
ギリシャとペルシャはR-Syaで繋がっているからベンジャミンバトンからのジェイソンステイサムみたいなもん
スティーブを倒せ スティーブを倒せ セネガル人でもセガールには勝てない ブーメランタイプの武器はやめとけ
起死回生の十手(物理) 危機管理能力の切除 意思薄弱につき検挙 ハムサラダの夢はレタスの国じゃ罪
アヤちゃんちょっと共感性調整してもらってきたら? 高度脳機能調整センターでカジュアルに脳をいじってもらう平和な世界 前頭葉盛っときますね
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なんだかんだで各軍選りすぐりのベストナイン歩兵のはずなのにすぐに寝返る豆腐メンタル 洗脳するための道具レンタル
キプロスの界隈ではサイキックタイキックの研究が盛ん ニフラムの効果は深海ハイキングで真価を発揮する
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ジャンパースカートのツナギ感 背骨の周りの肉 カルドアテナの火で炙ろう プリン体はよく燃える 糖質100パーセントスウィーツ
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頭のネジがプラスかマイナスかわかんないからとりあえずグーで殴ってみるスタイル 一発殴った後優しく触診するインパクトドライバー
アポロのカサのキノコの山が食べてみたいな アフロにカプリコを無理やり食わせると多分吐く ではアムロにカクリコンならどうか
玄関とかいうホームドア 嫌韓こじらせオールドワン 老害に足突っ込んで泥沼 回路がイってる自称事案
友達失くして 嫁に逃げられて 親も死んで 仕事失くして それでも全然平気な顔して割りばし齧りながら生きてるのに
空の蒼が綺麗な日は無性に電車にダイブしたくなる 俺みたいのでも動脈血ならちゃんと朱色かな ああもうホームドア邪魔だ そういうのがイヤだ
トリプル青い鳥のから揚げ 四葉のクローバーのおひたし 黒猫のインナーマッスル 種馬はフィンガーハッスル 今日も空は飛空艇日和
パートナーに朝起こされながらも半分無視して眠っていたら出社時間を見事に遅刻した。
代わりに、悪夢とは言えないけれども緊張感がずっと続く、
映画のような夢をはっきり思い出せるほど見ていたので良いかと思う。
ゾンビが出てくる夢でした。
正確には、ゾンビに半分浸潤された世界のゾンビと人の境界域で人がいなくなった家を家探ししては生計を立ててる一団の子供……という立場。
ハンドルを握っているのはもちろん自分ではないし、義理の父母は全く知らない顔という心ぼそさを抱えながら、必死に生きてました。
夢の中で家探しをする間、夜眼に動く人影がないか見張るのが自分の役目で、見つけた後は逃げる自動車の後部座席から後ろの状況を実況するという。
ゾンビの活動期に繁閑期があって、ちょうど繁忙期にあたってゾンビのトレイン行為を引き起こしながら難民キャンプを突き抜けるのが夢のハイライトでした。
礫死体が去り行く風景に明らかにごろごろしていて、それとそれを跨ぎながら走り寄ってくるゾンビの群れを見ながら、よく分からない奇声で自分は泣き叫んでいた。
走りきった後、釣りをするあたりで誰かが戯けて、それを見ながら乾いた声で笑いながら夢は終わった。
今思い返してもうまく消化できない。
もうすぐ家族も出来る中で、映画の主役に夢の中でもなれないことに、今思い返せばとても凹む。
朝置いてかれたのは、夜実際に叫んで煩かったからなのだろうか。
実際に起こされたのかもしれないが記憶にない。
起床した後、ここ十年くらい続いている、右耳に心因性の低い音がいつものように反響していて、誰かさんの唸り声に聞こえなくもなかった。
駅で電車を待っていた時の事だった。
70歳位のお婆さん(2人連れ)が、50歳位のおじさんに○○駅まで行きたいのだが、この後の各停に乗れば良いか、それともその数分後にくる快速に乗れば良いのか?と尋ねていた。
その後の快速の方が良いですよ。とおじさんは回答した。正解だ。途中で各停は快速に追い抜かされる。
お婆さんは、あらあらありがとうございます最近は便利になりましたけど私わからなくてねあらあらなどと言っていた。
数分後、各停が到着した。ドアが開き、人が流れる。
するとお婆さん達、あらあら乗った方が良い?あらあらどうする?乗りましょうか乗りましょうね。などと言いながら各停に乗りこんでしまった。
発車、オーライ。
理系はてなーのみなさんは、MIRAIに関するさまざまな問題点の指摘をすでに目にしているだろう。
曰く、水素自動車に使われる水素は結局は電気で作るほかなく、その電気は化石燃料含めた既存の発電設備で作る。化石燃料をそのまま使う内燃機関車や、電気の段階でエネルギーを受け渡すEVより多段階のエネルギー変換をしているわけだから、そのぶんエネルギー効率が落ちている(実際、コストで比較するとHVやEVよりも燃費は悪い)。水素ステーションという社会的インフラ基盤を整備するコストも高い。液体ではなく気体を扱うわけだから設備にもそれだけ高い保安性能が要求される。1拠点で1億円かかると言われている。エネルギーロスがある技術に、多大な社会的投資が必要になる。
これらはすべて、MIRAIという車両の「川上」に属する問題だ。でも、MIRAI自体の問題について指摘した文章をあまり目にしていない。そこにこそ「MIRAI(FCV)には未来がない」ことの雄弁な証拠があるというのに。
なんでMIRAIには未来はないと思うのか。端的に、でかすぎ、重すぎなのだ。クラウンよりも5mm短くて横幅が15mmでかい。同サイズ以上。車重は2000kgオーバー。定員は4名で、後部座席の足元は前席下に入らない。トランクは狭小。これが、FCVに未来がないことの証拠だ。
そんなことがなぜ問題なのか。「初代の実験的販売車だからいいじゃないか。そのうち改善されていくだろう」。そうではない。たとえば初代プリウスはMIRAIより全長が600mm、横幅は100mm短く、車重は1200kg台で、定員5名だった。MIRAIより800kgも軽いのだ! 初代プリウスをあれだけコンパクトなパッケージにまとめたトヨタが、MIRAIでは会社の命運を賭けてもここまでのパッケージングしかできなかったということが、FCVの将来を暗示している。MIRAIはHVに比べても、積載している技術要素が多く、しかもそれぞれ小型軽量化するのが困難な技術的制約があるから、この大きさと重さになってしまっている。以下、それぞれの技術要素について言及する。
まずFCスタック、燃料電池部が重くてでかい。この重さと大きさでどうにか155psを確保した。2tを超える車重を動かすにはおっつかっつのレベルだ。しかも、その性能(重量出力比)を規定しているのが化学反応の領域なので、技術革新のペースが電子技術や機械技術よりも格段に遅い。これは燃料電池だけでなく、電池技術の一般的な命題として知られている。実用車として必要な出力を確保するには、大幅な小型化は難しいだろう。
高圧水素タンクも重くてでかい。でも、これ以上小さくすると650kmという内燃エンジン車の平均的航続距離を切ってしまう。タンク圧を上げればそれだけリスクが増す。現状でも水素自動車スタンドでは危険性を考慮し、専任オペレータがチャージしなければならない(=セルフ補充はできない)仕様なのだから、これ以上の高圧化の可能性はないだろう。そしてタンクの耐用年数は15年だ。しかも2年毎に定期点検が必要になり、一般の車検場では検査はできない。とてもエコだのサステナビリティだのを胸を張って主張できるような代物ではない。
水素ガスの供給系も重いしでかい。燃焼性の液体を発火プラグの直前で気化する内燃機関に比べて、気体を高圧タンクからスタックまで送り込むのだから、配管の気密性もポンプの性能も桁違いに保安基準が高く、それだけ重く大きくなる。これも技術的制約であり、簡単に解決できるようなものではない。ちなみにこの車には数ヵ所に水素ガスのガス漏れ検知装置がついている。
廃熱系も重くてでかい。水素自動車は水しか排出しない。つまり排ガス経由で廃熱を抜けない。しかし燃料電池部分はかなりの発熱を伴う。FCスタックで起きているのは、酸素と水素から電気と水と熱を作る反応だからだ。だからあの異形の巨大グリルが必要になり、その内部に大型のラジエーターが鎮座している。これも化学反応の特性に紐付けられた制約だから、技術革新で容易に克服できるものではない。
バッテリも、EVほどではないにしろ、それなりに重くてでかい。FCスタックだけでは柔軟な出力制御や回生はできない。だから大型の補助バッテリセルを積んでいる。FCスタック+モーター+バッテリというパワートレイン。これエンジン+モーター+バッテリとパラレルな、要はHV車と同じような構成なのだ。HV並みにパワートレインの構成が複雑で、構成部品も多い。しかも可燃性気体を扱うぶんだけ重く大きくなる。これは技術革新だけでどうにかできるような問題ではない。FCVという特定のテクノロジーの組み合わせによる、固有の限界、固有の制約というものがある。それがMIRAIの初期モデルの性能と価格を規定している。こう説明すれば、理系はてなーは直感的に「あっこれ、技術的に筋が悪いな」と感じるのではないだろうか。
だから値段も高い。補助金なしなら700万円オーバーだ。そこに、国民の皆様の血税が220万円注ぎ込まれて、やっと500万円程度になる。ちなみに初代プリウスは補助金なしで215万円だった。おわかりいただけただろうか。だからMIRAIには未来がないのだ。
2021年6月16日、ホンダ・クラリティFuel Cellの生産中止が発表された。ホンダ、FCV生産中止 販売低調で : 日本経済新聞 理由は販売低調。そりゃそうだ、高い(783万円)、でかい(全長4915mm・全幅1875mm)、買いにくい(リース専用)。2021年6月時点でも全国の水素ステーションの数は147箇所止まり。助成金たんまり乗せて官公庁と法人に買ってもらうしかマーケットがない。そもそもクルマとしてのユーティリティが乏しいFCVで、さらにあえてホンダ車を選ばなければならない自治体や企業はほとんどない。全世界での累計販売台数はわずか1900台だったそうだ。FCV全体を断念するわけではなくGM合弁でFCVは続けるということだが、あくまで保険的なムーブだろう。
もう一方のトヨタ・MIRAIはどうなったかといえば、こちらも累計販売1万台・国内販売3700台と全く振るわない状況だったが、2020年12月にガラッと雰囲気の変わった2代目が出てきた。https://toyota.jp/mirai これが実にお見事なのだ。といっても「これなら売れる! FCVの時代が来た!」という意味ではない。5年前にこの増田で書いた諸問題をまったく解決できないまま、それでも「FCVには将来性がある」という幻想を維持するために、針の穴に糸を通すようなコントロールで商品企画をやり直し、それにある程度成功している、ということだ。
どういうことか。まずボディサイズだ。レクサスLSと同じGA-Lプラットフォームを採用して、全長4975mm・全幅1885mmに。ちなみに初代は全長4890mm・全幅1815mmだった。初代よりひとまわりデカくなっているのである! 価格は? 細かくグレードを刻んで710万円〜860万円。こちらも高くなっている! 高圧タンクはどうなった? なんと3本に増槽している。しかも1本は運転席の真横に据え付けられている。
全幅1885mmにして、巨大なフロアトンネルにも水素タンクを入れて、750〜850kmという航続距離を確保。全長4975mmにして、ゴルフバッグ3個分のトランクを確保。大径タイヤを採用して地上高を上げ、タンク寸法を拡大。とにかく、全体をデカくすることでどうにかした。「技術的課題を解決しないという解決をした」ともいえる。
一方でトヨタはさすがだなと思うのは、そういう「FCVの限界に気づかせないための、ほぼ唯一の正解ルート」を新型MIRAIでちゃんと選んでることだ。上司に「お前、FCVなんとかしろや」と言われた時に現場が練ってくる商品企画としては、ほぼ100点満点といえる。つまり、デカさと高さを「これはあくまで高級車、ラグジュアリーカーなんですよ〜」という建て付けにすることで、「要素技術的に小型化・低価格化が困難」という自家用FCVの致命的欠点を希釈したのである。
自家用FCVの「デカい・狭い・高い問題」を誤魔化せるのは、もともとボディサイズが大きいスポーツ寄りの大型セダンか大型SUVぐらいしかない。だがエコカーの上得意である自治体や法人はSUVを買わない。だからMIRAIは「レクサスLSみたいな、スポーツ寄りの大型セダン」になった。2代目MIRAIは、顔つきこそスポーツカーっぽいが、シルエット的にはギリギリ自治体・法人用のショーファードリブンカーにも富裕層向けのドライバーズサルーンにも見えるし、実際に両方のニーズをそこそこ満たせるように作ってある。辻褄は合ってる。
ショーファードリブン用途に供するために、狭い車内で後部左右席をめいっぱい広く取った。だから後部中央席は実用に向かない。あくまで「5人定員」というカタログスペックのためのエマージェンシーシートだ。これはファミリーカーなら大きな欠点だが、ショーファードリブンやドライバーズサルーンなら別に困らない。ほとんど使わないから。辻褄は合ってる。
後部中央席を実際に使わない想定なら、フロアトンネルを大きくしてそこに水素タンクを増槽してもいいよね、となる。結果として航続距離が伸び、600km→850kmになった。これで水素ステーション不足の問題をある程度緩和できている。辻褄は合ってる。
ガッチガチの制約条件の中で唯一の正答を導く論理パズルみたいなことになってて、しかもちゃんと正解してる。さすがトヨタ。だがこれは「やっぱりFCVで大衆乗用車(5人乗り+5ナンバー)を作るのは無理でした」という事実上の敗北宣言でもある。やはりMIRAIには未来がないのだ。
おそらくトヨタも、自家用FCVという路線にはもう勝ち目が薄いと認識していると思う。そこで繰り出してきたのが水素エンジンという隠し球。技術的にはそう目新しくなく、過去にも複数メーカーが販売している。ただカーボンオフセットが問題視される以前は既存のガソリン内燃車に比べて全く優位性がなかったし、そもそも世の中に水素燃料のサプライチェーンが存在していないから普及することもなかった。
でもFCV普及が厳しくなった今、水素エンジン車は、既存自動車メーカーが手持ちの技術資源を使ってEV勢に対抗しうる希少な選択肢になる。内燃で培った基幹技術の多くを使い回せるので、今からでもイノベーションで先行するEV勢にキャッチアップしやすい。ミッション系ほか大手下請サプライヤーもそのまま連れて行ける。ガソリンに比べて重量エネルギー効率はかなり悪いが、お得意のHV機構と絡めれば何とか燃費も実用域まで持っていける可能性はある。官民を巻き込んだ水素ステーション全国展開というプロジェクトの延命もできる。モジュール化に不向きなので中長期ではEV勢に対してどうしても不利になっていくが、レガシーの技術を延命させて戦えるとこまで戦うというのも旧主派勢力の立派な戦略だ。3代目MIRAIは、出るとしたら普通の水素エンジンHV車に生まれ変わっているかもしれない。
(続きを書きました https://anond.hatelabo.jp/20210820195856