はてなキーワード: 副首相とは
各方面の有識者が述べ始めているので屋上屋を架す行為かとは思うが、あるブコメをしたときに、改めて恐ろしくなったので文字数制限のないこちらで整理してみたい。
「岸田さんが麻生氏や菅氏や二階氏らの長老を撫で斬りにして、河野太郎氏や小泉進次郎氏や福田達夫氏らの次代や若手有望株を逮捕して、内閣・党三役・自衛隊を地元子飼の広島市長や県議とかで固め総裁任期も8期に延長して岸田万歳と唱えさせるレベル」
共産党大会終盤での胡錦涛退席。これは衝撃的だった。全て習近平氏の描いたシナリオ通りなのだろう。衆目監視の中、白髪でやつれた胡錦涛氏が退席。江沢民は出席すらしていない。先代の国家主席である胡錦涛氏は江沢民氏率いる上海閥の事あるごとの容喙に悩まされたが、習近平氏にはもはや恐れる長老はいないのだ。革命第一世代は世を去り、上海閥は衰え吸収し、共青団派は根絶やしにした。
日本で例えると、麻生氏・菅氏・二階氏・甘利氏らの大物長老を、公衆の面前で辱めたうえで政界から退場させるに等しい。
2000年代後半から中国政治に少し興味を持った自分だが、今の政治状況は想定できなかった。王岐山に主導させた汚職追放運動、これ自体は間違いではないのだろうが、習近平はこれを老獪にも政治闘争に最大限に活用した。
汚職追放運動で追放された政治家・軍人達だ。みんな失脚前から自分も知っていた大物達。これらを全て終身刑や党籍剥奪にして政治生命を奪っていった。隣国日本から興味本位でのぞいている私から見てもこれだけのインパクトがあるのだから、中国政界ではもっと有為で有能な人材が排斥されることもあったのだろう。もちろん、追放された面々が全て潔白だったと言うつもりはないが、裁く側の手も相応に汚れているだろうとは思う。
今回の共産党大会で政治生命を奪われた共青団系の李克強・汪洋・胡春華を含めて整理しなおすとこうなるか。
過去10年の国家主席在任期間に徐々に進んでいたので麻痺していたが、本当に恐ろしい数の政敵を葬ってきたと思う。
これで真っ先に思い出すのは、スターリンだ。
キーロフ・ジノヴィエフ・カーメネフ・ブハーリン・トロツキー・トハチェフスキー…彼らも粛清されていった。同時代だからなのか、歴史で学ぶスターリンのような苛烈さは感じていなかったが、改めて歴史として振り返ると相似していると感じる。
これは各有識者が指摘しているので、そちらに任せたい。
少し書くと、留任した趙楽際は習近平の父親である習仲勲の墓を盛大に改築し気に入られて抜擢された人物だし、王滬寧は江沢民時代から共産党の思想的正当性を理論化した人で派閥的には中立で取り込んだ方が正当性を確立できる人物。それ以外はすべて子飼の人物だ。権力掌握としては露骨すぎるほど露骨だが、批判を恐れなければ最短ルートなのだろう。
個人的に驚いたのは2点。
:今回の政変で一番驚いたのはこの胡春華氏の放逐。汪洋氏はリベラルすぎるので頂点には至らないとは思っていたが、胡春華氏は最低でも首相だと考えていた。現副首相で、首相の一歩手前と見られていた人物。共青団系ではあるが、習近平氏とも折り合いをつけていたと言われるし、何しろ20代くらいからその俊秀を謳われてその通りに出世してきた。日本的にベタに言ってしまうと、小泉進次郎氏の期待値(言うまでもないプリンス・二枚目・将来の首相候補)と米山隆一氏の個人スキル(東大医学部で弁護士)を兼ね備えた人物と言える。中国全体の才能の集まる北京大学に16歳で飛び級入学しそのまま卒業生総代となり、その後もきちんと業績を上げてきた人物なのだ。もちろん、習近平氏とは政治的主張で折り合わない部分があったかもしれないが、首相にはならなくとも、少なくとも一つ出世した常務委員への昇格で処遇すると思っていた。それをまさかの降格。これは共青団派にとっては一番の衝撃ではなかったか。
:習近平派で重慶書記の陳敏爾氏は常務委員入りするのかと考えていた。少なくとも李強・李希の二李よりは大物だったのじゃないか。この人事を見て、他派閥どころか、自派閥に対しても自分が生きている間は権力を譲らないという習近平の強い意志を感じた。
これも言うまでもない。
安倍さんは2期4年を3期6年に延長したが、習近平氏は2期10年を3期15年以上に延長した。自民党総裁の期間に換算したら7期21年みたいなものだろう(8期と書いたのはなんとなくキリがいいから)。
これまでに毛沢東の文化大革命への反省のうえ鄧小平の遺訓として残されていた集団指導体制は死文化した。現時点では3期15年まで可能だが、今後習近平の望むままに延長できるだろう。
書いていて大分辛くなり疲れて粗雑になってきた。が、今回の共産党大会は習近平の独裁が確立・確定したという意味で、もしかするとロシアのウクライナ侵攻よりも世界史的に大きな事件なのではと考えている。
自分は浅学なので、詳しい人からの意見があれば嬉しいです。是非意見・異論ください。
6/18(土) 9:30配信
【北京・坂本信博】中国新疆ウイグル自治区で少数民族の人権を抑圧する政策を進めたとして米政府の制裁対象となっていた自治区前トップの陳全国氏(66)が、中国共産党の農村政策部門のナンバー2に就いていることが中国メディアの報道で分かった。習近平国家主席(党総書記)の少数民族政策を忠実に実践した功績で、今秋の党大会で昇進するとの説もあったが、事実上の左遷。党中枢の政治局員にとどまることも難しいとみられている。
陳氏は昨年12月、自治区トップの共産党委員会書記の職を退任したことが発表された。習指導部を構成する政治局員(25人)の一員で、さらに要職を務める可能性もあったため、処遇が注目されていた。国営通信新華社が今月15日、陳氏が党中央農村工作指導小組の副組長として会議に出席したことを初めて公に報道した。中国メディア関係者は「実権のない役職で、組長は同じ政治局員の胡春華副首相。その部下になるということは明らかに左遷だ」と語る。
陳氏は2011年からチベット自治区の党委書記を務め、分離・独立運動を封じ込めたことで知られる。新疆トップに異動した16年夏以降、テロ対策を名目に多数のウイグル族を「再教育施設」に収容するなど抑圧的な政策が強まったとされる。
ウイグル族の人口抑制策も陳氏が主導したとみられている。中国では産児制限「一人っ子政策」終了後の16年以降、全国的に不妊処置件数が急減したが、新疆では16年から18年にかけて不妊手術が8・9倍に急増。出生率は17年から2年間でほぼ半減した。
左遷の理由は明らかにされていないが、中国メディア関係者は「やりすぎたということだろう。米国との融和に向けたメッセージの可能性もある」と話した。
左遷だけで済むはずもない
そんな未来って有り得ると思う?
国営メディアの編集者が「もうすぐ出てくる」と言ったからには、洗脳済みか替え玉かはともかく近日中に出てきて、おそらく以下のようなことを言うのだろう。
「微博への投稿は他人のなりすまし。元副首相との関係は一切無かった。事実無根の騒動に巻き込まれて体調不良になったのでテニスは引退する。党や国内の競技団体には大変良くしてもらい感謝している。この件を報じた外国メディアや軽率に便乗した競技関係者を批判する。今後は家族と静かに過ごしたいのでプライバシーを尊重して欲しい」
森「女の話は長い」元首相みたいに元副首相がキャンセルされるなんてことには絶対にならない。
万が一、中国が元副首相による性的暴行を認めて法の裁きを下したら、ここで「アップデート」できる中国は油断ならんなと警戒してしまう。
元副首相との不倫告発の中国女子テニス選手が消息不明 WTAが深い懸念表明(東スポWeb) - Yahoo!ニュース
https://b.hatena.ne.jp/entry/s/news.yahoo.co.jp/articles/c8926ab19ce3e3c18ea9cb14f8d88218db6eaf2f
RRD まーた日本の深い根っこを皮切りに中国ヘイトが始まった。常識で考えたら、こういう時には危険から身を隠すだろうよ。友愛とか粛清とか、殺した呼ばわりするのは完全なヘイトでアウト。
grdgs 告発で身を隠す必要があるのも異常だが、首相の虚偽を糊塗するため意に沿わない業務をやらされて官僚が自死するのも異常な政府だな。それを問題ないと支持する者もね。
中国テニス選手行方不明事件についてちゃんと第一報で日本叩きをしている
2021年11月20日 11:36 発信地:トリノ/イタリア
男子テニスのノバク・ジョコビッチ(2021年11月19日撮影)。(c)Marco Bertorello / AFP
【11月20日 AFP】男子テニス、世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)は19日、中国のスター選手である彭帥(Peng Shuai、35)の安否が不明のままで、同国の前副首相による性的暴行疑惑が調査されないのであれば、同国とのビジネス関係を解消する用意があると警告した女子テニス協会(WTA)への支持を表明した。
WTAのスティーブ・サイモン(Steve Simon)最高経営責任者(CEO)は18日、彭の無事を確認するためには、数億ドルの価値がある巨大マーケットの一つである中国とのビジネスを失うこともいとわない姿勢を示した。
イタリア・トリノ(Turin)で開催されているATPファイナルズ(ATP Finals 2021)に出場しているジョコビッチは、サイモンCEOを支持するとして「彼女が見つかり、元気で何事もないことを願っている。少なくとも最悪の事態は避けたい。統括団体であるWTAおよび協会会長のコメントについて、自分は完全に支持する」と報道陣に話した。
四大大会(グランドスラム)で通算20勝を誇るジョコビッチはまた、「テニス界全体が彭とその家族を支援し、彼女が無事で元気でいるのを確認する必要がある。この状況を解決せずに中国で大会を開催するのは少しばかり違和感を覚えるだろうから、WTAがこのような立場を取るのは理解できる」と語った。(c)AFP
女性の人権を護れと訴えてるはずのツイフェミが、中国の元副首相にレイプされたと告白した女子テニス選手が安否不明な件に全く言及せずスルーなのはさすがにどうなの? これ看過したら女子選手の命が危ないからWTAや国連が必死に安否確認してるのに。クッソどうでもいい温泉むすめとかより、人の命が関わってる分緊急性高いと思うんだけど。他所の国のことには関わらないスタンスなのか? でもオーストリアで売春宿がワクチン接種してる件にはブチ切れてたよな。なぜどうでもいいことにだけほたえて、本当に重大なことはスルーしてるのか?
こういうと「ウイグル話法」と言われるけど、「権力者が女性をレイプして、女性がそれを告発したら抹殺されようとしている」ことに何の声も上げない、連帯の意思表示もしないフェミニストって何なんだよ。最低限、関心を持ってるポーズだけでもすべきじゃないのか?
http://japan.hani.co.kr/arti/economy/39113.html
韓国で1月、就業者減少人数が100万人に迫る「雇用ショック」が発生した。通貨危機に見舞われた1998年12月以降、最大の下げ幅だ。失業者も初めて150万人を超えるなど、新型コロナウイルスの感染拡大以来、雇用状況が最も深刻な水準に悪化した。
統計庁が10日に発表した「1月の雇用動向」によると、先月の就業者は2581万8000人で、前年同月に比べ98万2千人減少した。1998年12月の減少幅(128万3000人)以降、最も大幅に減少した。昨年12月の減少人員(62万8000人)よりもさらに増えた数値だ。昨年11月に始まった第3波による雇用ショックは、1~2カ月の時差を置いて深刻化している様子だ。
今回の第3波による雇用ショックは、昨年春の第1波当時よりさらに大きい。季節による雇用の変動要因を除いた「季節調整就業者」を見ると、昨年の就業者数が最も少なかった4月(2655万1000人)より先月(2648万5000人)の就業者の方が少なかった。
社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)の強化に伴い、対面サービス業を中心に多くの雇用が消えた。宿泊・飲食店業で36万7千人が減少し、卸売・小売業では21万8千人が減った。理・美容業、結婚・葬儀業種が含まれた協会や団体、修理およびその他の個人サービス業でも10万3千人が減少した。サービス業全体で減った雇用だけで89万8千人に達する。
製造業は4万6000人減少したが、輸出回復の影響で昨年12月の減少人員(-11万人)よりは少なかった。
賃金労働者のうち臨時・日雇いが合わせて79万5千人減り、全体就業者の減少幅の大半を占めた。常用労働者は3万6千人増えた。従業員のいる自営業者は15万8千人減少し、従業員のいない自営業者は3万2千人増加した。
15歳以上の雇用率は57.4%で、前年同月に比べて2.6ポイント減少した。15~64歳の雇用率は64.3%で、前年同月より2.4ポイント下落した。
全年齢層で雇用率が下落したが、20代が最大の被害を受けている。20代の雇用率(53.9%)は、前年同月より4.2%ポイント下がった。1月基準で2000年以後最も低い数値だ。コロナ禍で新規採用が萎縮し、若年層が多く従事するサービス業種が打撃を受けたのが主な原因だ。
30代の雇用率(74.4%)は2.3ポイント下落し、40代(76.2%)と50代(72.6%)も1.9ポイントずつ減少した。コロナ禍でも増加傾向にあった60歳以上の雇用率(36.4%)も1月の寒波に加え、財政雇用事業の再開が遅れ、2.2ポイント下落した。先月の失業者数は157万人で、前年同月より41万7000人増えた。1999年6月に統計を取り始めて以来最多で、初めて150万人を超えた。先月の失業率は5.7%で、前年より1.6%ポイント上がった。1月基準で2000年以来の最高値だ。
先月の非経済活動人口は1758万人で、前年同月に比べ86万7000人増加した。1999年6月の統計作成以来、最も多い。このうち特別な理由なく休んだ人口は271万5000人で、前年より37万9000人増え、統計作成(2003年1月)以来最多を記録した。働く意思はあるが望む働き口がなく、求職活動をしない「求職断念者」は77万5000人で、前年より23万3千人増えた。統計を取り始めて(2014年1月)以来最も多い。
ホン・ナムギ副首相兼企画財政部長官は同日、関係長官会議を開き「第1四半期に直接90万人以上の雇用を創出し、若者や女性に合わせた雇用対策を設ける」と述べた。韓国政府は公共機関上半期の採用人員を年間目標(2万6000人)の45%以上達成し、第1四半期に体験型インターン4300人を雇用する方針だ。
日本をとっくに追い抜いてる。
こんなコロナのさなかに海外移住なんか考えてる人がいるかは知らないが、ニュージーランドを今選ぶのはやめておけ。
幸福度ランキングとかで上位に来るこの国で何が起きているかを書く。
今年の9月に選挙がある。この結果でニュージーランドファーストという政党が連立与党に入ったら今後数年はこの国に移住できないと思ったほうがいい。
前回の選挙からは3年が経っていて、すでに移民政策は絶望的な状況になっている。誰も何も言わないが、俺はニュージーランドファーストのせいだと思っている。
まずこの政党はガチガチのアンチ移民政党だ。移民を入れないと国が滅ぶといわれても多分国が滅ぶ方を平気で選ぶだろう。そのくらいのアンチだ。というか、移民は絞るだけしぼって捨てりゃいいとしか見てないかもしれない。
この政党は普段は議席数もそんなにない泡沫政党だったが、前回の選挙で連立与党成立のためのとてつもなく重要な議席数を手に入れた。
今の政権はニュージーランドファーストの機嫌を損ねれば秒で終わるくらいの議席数になっている。
今の政権でこの政党の党首は副総理になっている。労働党と長いことともに戦っているグリーンを差し置いてこれだけのパワーを与えたのだ。どれだけのバーター取引に応じたかは想像できると思う。
若き女性首相ジャシンダアーダーンが産休をとっている間、首相代行をしたのがこの副総理、ウィンストンピーターズだ。2018年6月から8月の間に彼が何をしたのかは調べていないが何かしらしたことは想像に固くない。
さて、2018年12月から永住権の処理があからさまなレベルで遅延するようになった。政府は遅延と言っているが、実態は放置だ。このあたりから何もしていない。何千ドルもの申請費用をとっておいて放置するんだから詐欺と言ってもいいかも知れない。
これだけならニュージーランドファーストのせいとは言い切れないが、この政党は現在移民政策を狙っている。
先日移民大臣イアンギャロウェイが浮気でクビになった。このあとのインタビューで、副総理が移民政策に口出ししたことがほのめかされている。
いまニュージーランドでは永住権を取ると親を呼び寄せられるようになっているが、片方の親を呼ぶには年収10万ドル、両方呼ぶには15万ドル必要になっている。
このあまりにナンセンスな数字について、ニュージーランドファーストの党首が口を出したと言っている。移民大臣はいくらなんでもありえないといったが押し切られたようだ。
いまニュージーランドの永住権も年収10万ドルを超えている人はとっととビザが発給されている。超えていない人はひたすら待たされている。これが国際問題にならないのも驚きだ。内政干渉かな。ならないか。
ニュージーランドファーストが次に与党に入ったとした場合、さらなる譲歩を求めると言っている。この政党は今の首相がいる労働党に、お前ら何一つ譲歩してないだろと堂々と言っている。そして移民政策をよこせ、と言っている。
大事なことだからもう一度いうが、ニュージーランドの移民政策はいま凄まじい危機に直面している。
もし次の選挙で万が一ニュージーランドファーストが与党に入り、移民大臣を出したらこの国に来るのはやめておけ。仮に永住権が取れてもろくなことにならない。
ニュージーランドは経済を移民にガッツリと依存している。移民がなければ商売は成り立たない国だ。そんな国が移民廃除の方向に動き出したらどうなる?経済は間違いなく傾く。金持ちばかり入ってきたらインフレが加速して貧富の差が広がる。この国の貧富の差はすでにかなりのレベルだ。そうなればおそらく治安も悪くなる。
そしてニュージーランドファーストの狡猾な点は、この貧富の差を移民のせいにしているところだ。この政党の支持層は地方のうだつの上がらない人々だ。
ニュージーランドは都市部は富んでいるが地方は結構ヒイヒイ言っている。北の方は毎年ひどい洪水に悩まされている。そんな彼らになんと言っているか。政策を見ればだいたいわかる。
あなた方が苦しんでいるのは政府が移民政策を推し進めたからだ、本来はあなたがたの教育やトレーニングに使われるべき税金を移民を呼ぶことに使っている、そんなのは許されない
そう言っているのだ。
要はポピュリズム政党だ。彼らは常に外国人を排斥しないと国民が苦しくなる、と言い続けている。そしてそんな彼らを支持する層もそれなりにいる。支持者たちはもしニュージーランドが外国人を排斥したらどうなるかわかっていない。
ニュージーランドファーストの言う外国人のせいであなた方は苦しめられている、を素朴に信じている。
この政党が移民政策の舵取りを手に入れた場合、ニュージーランドへの移住に関するコストは跳ね上がる。時間も金もだ。不可能になると言ってもいいだろう。
だから言うが、もしニュージーランドを移住先の一つに考えているなら、今度の選挙の結果をまて。ニュージーランドファーストが与党に入れば、パワーを手に入れたら間違いなく金が無駄になる。
まず、支持基盤は日本で言うヘイトスピーチとかしちゃう人々だ。深く考えずに外国人のせいで俺らの生活が苦しくなっているとか言っちゃうような人々だ。
なのでこの政党が移民に意地悪したらしただけ支持はより強くなる。支持者たちがそのせいで貧困にあえいでもどうでも良い。外国人をもっと追い出さねば、と思うだけだろう。しらんけど。
それよりも重要なのは、永住権を申請している人々はワークビザを持っている人たちで、そんな彼らには選挙権がない。つまり、ワークビザホルダーをどう扱ってどう思われようが選挙には何一つ影響しない。困るのは人材が安定しなくなる企業だが、自国民を雇わないからだと言われて終わりだ。逆にワークビザホルダーに永住権出し始めたらこの政党は終わるかもしれない。つられて労働党も終わるかもしれない。
長くなったのでまとめる。
いまのNZ政府、与党にニュージーランドファーストがいる。この政党はガチガチのアンチ移民政党で、現在移民政策を狙っている。
いまのNZ政府におけるこの政党の立ち位置は副首相で、アーダーンが産休を撮っていた間は党首のウィンストンピーターズが首相代行をしていた。
来月行われる総選挙の結果次第では本当に移民政策を手に入れる可能性があり、もしそうなれば一部の金持ちや高収入の人しか永住権は取れなくなり、今後NZの外国人労働者は数年で切れるワークビザホルダーばかりになるので人材供給は凄まじいレベルで不安定になる。国内で頑張る企業ほど割を食うようになる。
仮にニュージーランドファーストがなんの力も持たないレベルまで議席数を減らしたとしても、すでに起きているビザプロセスの放置から正常な状態に戻るまでは年単位でかかるだろうから、多少マシかもしれないが、人材はやはり供給不安定になる。結局不景気になる。
行政は毎年最低賃金を上げるのでインフレ傾向は終わることはない。貧富の差の開くスピードは加速する。
*****追記
なんか妙にブクマとかされてて驚いた。いくつかコメントをもらったので追記という形で答えておこう。
まず、この記事には伝聞や自分の考えが多い。そこは全くの同意だ。次に、勢いで変なこと書いてある部分もある。突っ込んでくれた人ありがとう。もっと冷静に文章をかけるようになるよ。
事実なのは、現在の連立与党でニュージーランドファーストがかなりの発言力を持つ地位にいる、という点。現在のNZ与党はレイバー、グリーン、ニュージーランドファーストで構成されており、レイバーとグリーンだけでは過半数が取れない。与党でいるためにはNZFが必要不可欠だ。NZFにしてみれば野党側のナショナル、ACT側に行っても別に構わない。あちらも過半数を取れていない。どっちに転んでもNZFは得しかしない。
次に、この政党は凄まじいレベルのアンチ移民政党であり堂々と移民政策をよこせ、と言っている点だ。
3つ目、この政党は現在の世論調査では支持率2%とかなり低くこの通りに選挙が終わればニュージーランドファーストが連立与党に居座ることはできないだろう。ただ、こちらでは誰一人安心していない。ドナルド・トランプの例を見ればわかるだろ?本当に投票をやってみたらNZFがむしろ議席を伸ばすことだってあり得る。
ビザの話だ。外国の就労許可(ワークビザ)や永住権を取得するときもこれらに応じたビザを取得する。ただ、観光ビザや学生ビザみたいな気楽さはないので、軽く説明をしておく。ちなみに、大学に入る学生ビザやワーキングホリデーにも就労許可はあるが制約はかなり厳しい。学生ビザをもらって仕事を手に入れて学校をサボれば国外追放、ワーホリなら例えば半年以上同一雇用主のもとで働いてはならないとか決まっている。
まず、ワークビザは、大雑把に考えて2種類あると思ってほしい。一つはこちらの学校を卒業することでもらえるもの(もらうまでに数万ドルの学費と現地で1年以上の生活をする必要がある)、そして雇用者が移民局に申請して認められたら取れるワークビザだ。前者は永住権に続かなくていいなら別にどんな仕事についても構わないが、後者については移民局は基本的には「自国民を雇え」で終わる。雇用者にとっても負担が大きいのでやりたがる雇用者は聞いたことがない。
次に永住権だ。永住権はワークビザよりも基準が厳しい。そういえば永住権ではなく居住権と言ったほうが良いかもしれないが永住権と言っておく。永住権は「申請するための申請」というステップがある。移民局に学歴、職歴、現在の職、英語力などなどを証拠付きで提出し、それが認められると「永住権の申請を許可する」ということで申請書が送付される。これで申請ができる。名目上は「ぜひあなたに来ていただきたいので永住権を申請して下さい」が正しい。
申請ができた後しばらく待つと移民局の職員が実際に割り当てられてインタビューなどを受けてこれが通れば永住権になる。職業についても「この職業なら認める」というリストが常に公開されているし、収入もその業界の平均を超えていないといけない。要は「NZ人の平均をかなり超えた人材」でないと永住権は申請できないということだ。ちなみに金持ちが取る永住権はこれとは別にあるが数億円必要になる。
最後に「NZ現地の人たちを職から追い出してでもほしいのか」という反応についてだが、答えから言うと「追い出してでもほしい」だ。当たり前だろ?その編織り込み済みでやってるんだ。ただ、NZでは雇用者の権利がかなり厳しく守られているので、今雇っている人がいるならそいつを首にしてあなたを雇うというのは基本的にできない。トライアル中の人をすげ替えるのはできる。ただこの辺にはNZのというか移民国家の暗部はあるので機会があれば書いても良い。
『ニュージーランドは経済を移民にガッツリと依存している。移民がなければ商売は成り立たない国だ。そんな国が移民廃除の方向に動き出したらどうなる?経済は間違いなく傾く。金持ちばかり入ってきたらインフレが加速して貧富の差が広がる。』
ここについてだが、まず、金持ちを入れたからインフレになるかと言うと別にそんなことはないね。変なこと書いてごめん。インフレは政府が主導で行っている。毎年最低賃金を上げて、業者はそれを価格に普通に反映する。営業努力で価格据え置きとかやっていない。最低賃金が上がれば他の賃金も上げざるを得ない。
経済を移民に依存している、というのは、要はこの国は人がそもそも足りていない。最近やっと500万人を超えた国だ。出生率もあまり高くない。年間2万人ちょいかな生まれてるのは。人口は増えてはいるが、経済の成長速度に対して足りておらず、移民をぶっこむことで労働力をブーストし、それで経済をぶん回していると言うのが俺から見えるNZ経済だ。
ところで、「むしろ今移民したほうが良いんじゃない?」というコメントが一番印象に残ったので俺の考えを書いておく。
今移民するのは得策ではない、というのが俺の答えだ。
移住のよくあるコースは留学してワークビザもらって就職して永住権なんだが、まず留学、NZへの渡航費は今めちゃくちゃ高い。この時点で諦める人もいるだろう。そして学生が集まらないので、開講見合わせなんて言う学校も出てきている。今のコロナの状況で入国できるかすら怪しい。
次に、卒業してもらえるワークビザの期限は基本1年だ(学位や学校の所在地で最大3年)なので、ワークビザが期限切れになる前に永住権がとれるかというと望みは薄い。多分今だと2-3年かかるだろう。ワークビザは期限を延長することは可能だが、それも雇用者がめんどくさがったらもうおしまいだ。
逆に、年収が10万ドル(具体的な数字は違うが)を超える仕事をとれるなら狙ってもいいだろうが、これは平均収入の2倍という数字だ。これだけの年収を労働者として得ている人がNZで全体の何%か、以下のページを見りゃだいたいわかる、ほとんどいない、だ。
https://www.ird.govt.nz/about-us/tax-statistics/revenue-refunds/wage-salary-distributions
重傷者は気軽に動き回ることなんか出来ないんだから、感染拡大防止を本気でやるなら軽症者、特に無症状者の把握が最も重要なのはバカでも分かる。
現状その手段がPCR検査しかないんで、そのキャパ拡大は必須だ。
検査を強制するかどうか以前に、そもそものキャパ拡大しないと話にならない。
PCR検査はCOVID-19だけにしか使えないわけじゃないんだし、今後同様に発生するかも知れない新たな感染症の対応も含めて整備したって問題ない。
現状は明らかに数が足りてないわけだし。
それでもCOVID-19感染拡大から半年が経過したにも関わらず、根本的な原因を放置して枝葉の問題に場当たり対応しかしないって、ホントにスゴいよな。
副首相が民度がどうのとか言ってたが、絶句した人がホントに居たとするなら、今頃腹抱えて笑ってるよ。
この国のトップ2がこそこそ逃げ回ってるの見てると、怒りを通して哀れになってくる。
ここまで惨めな真似して一体何を守ってるんだろう。
先日、スペインのサンチェス首相に対する数万人規模のデモがマドリードで開かれ、前与党・人民党のカサード党首や右派政党市民党のリベラ党首、極右政党ボックスのアバスカル党首、さらにノーベル文学賞受賞者バルガス・リョサ(ペルー出身だがスペイン国籍も保有)やバルス元フランス首相(バルセロナ出身)が参加しました。デモ隊はスペインの統一を支持し、サンチェス首相がカタルーニャ州政府に妥協の姿勢を見せていることに反対しています。日本で喩えるなら、民主党政権時代に国会前で数万人規模の「沖縄に妥協するな」デモが開かれて自民党総裁や維新の会代表やカズオ・イシグロや李登輝が参加してるような状態です。
さて、どうしてこういう状況になったのでしょうか。住民投票に至る経緯は「5分でわかるカタルーニャの住民投票と独立問題」(anond:20170910082231)とその補足(anond:20170912060013)で説明したので、今回はそれらを踏まえて住民投票後のカタルーニャ情勢について簡単に説明してみたいと思います。なお一昨年の増田ではPartido Popularを「国民党」と書いていましたが、今回は「人民党」と表記します。
2017年10月1日、カタルーニャ自治州政府は独立の可否を問う国民投票を強行します。中央政府は警官隊を派遣し、投票箱の押収や投票所の封鎖、投票者の鎮圧などの手段によって阻止を試みました。
この投票で独立賛成は9割を超えましたが、独立反対派はボイコットしたため投票率は5割を切っており、州民の過半数が独立に賛成したとは必ずしも言えません。ただし州議会が制定した州法によれば、たとえ1票でも独立派が勝てば独立宣言するとしています(中央政府はその州法は違憲無効であると主張)。翌日には中央政府のカタラ法相(1961年生まれ)が憲法155条に基づく自治権停止措置を示唆し、3日には国王フェリペ6世(1968年生まれ)が独立派を「法律と民主主義の外に出てしまった」と非難しました。
18日にプッチダモン州首相が自治権を停止するなら独立宣言を強行すると表明、翌日には自治権の部分的停止が決定されます。国王と最大野党の社会労働党はラホイ首相を支持しましたが、カタルーニャ州側ではプッチダモン州首相だけでなく独立反対派のクラウ・バルセロナ市長(1974年生まれ)も自治権停止を非難しました。
27日にカタルーニャ州議会はカタルーニャ共和国の独立を宣言します。同日、スペイン上院は155条適用を承認しました。翌日、スペイン政府は州議会の解散総選挙と州首相解任、州政府幹部の更迭、カタルーニャの在外公館閉鎖などの措置を発表しますが、この日は土曜日のため、週明けの30日にカタルーニャ政府の建物を制圧し、同国検察はプッチダモン首相ら当時の州政府幹部を国家反逆罪や公金横領罪の容疑で捜査すると発表します。スペイン政府のサエンス・デ・サンタマリーア副首相(1971年生まれ)が自治州首相の職務を代行することとされました。
(公金横領罪といっても、賄賂を取っていたとかそういうことではなく、違法な住民投票に公金を支出した容疑です)
11月3日、スペイン当局はジュンケラス副首相(1969年生まれ)を含む当時の州政府幹部8人の身柄を拘束し、ブリュッセルに逃亡したプッチダモン首相に欧州逮捕状を発行します。プッチダモン首相はブリュッセルで「これがあなたがたが作りたい欧州か」とEUを批判しました(EUは明白にスペイン側を支持)。スペイン憲法裁は独立宣言が無効であることを宣言し、州議会は解散され、選挙が行われることになります。
なぜスペイン側が自治権停止にこだわったか。それは州議会における独立派と反対派の勢力が拮抗しており、自治権を停止して解散総選挙に持ち込めば反対派が勝つだろうと踏んでいたからのようです(135議席中、独立宣言に賛成したのは70議席)。ところが12月21日に投開票された選挙では、独立派がギリギリで過半数(70議席)を維持してしまいました。ただし70人の当選者のうち7人が当局に拘束されているか国外滞在中であり、彼らが議会に出席できない限り過半数にはなりません。プッチダモン首相はSkypeを通して執務することを模索していましたが、ラホイ首相はプッチダモン首相が州首相に再任されるなら自治権停止を継続し再選挙も有り得ると警告します。州議会は独立派のトゥレン州議(1979年生まれ)を議長に選出し、プッチダモン首相の信任投票を試みますが、スペイン政府はカタルーニャ州議会を憲法裁に提訴し、結果として投票差し止め命令が出ました。
ちなみにこのとき、与党・人民党の政治家は「トゥレンには2人の子供がいる。(信任投票が行われると)どうなるか分かるだろう」と公言していました。州政府要人を何人も逮捕・拘禁している側がこれ言ってるんですよ。しかも同じ口で「カタルーニャの民主主義を守れ」とか言ってますからね。EUは流石に何か言うべきだったと思うんですが特に何も言いませんでした。まあ、人民党が加盟している欧州人民党はEUの与党ですからね、仕方ありませんね(EUの執行機関である欧州委員会の委員長は欧州議会選挙で勝利した会派から選ばれ、現在は欧州人民党のユンケル委員長[1954年生まれ]。ところで欧州理事会常任議長をEU大統領と呼ぶなら欧州委員会委員長もEU首相と呼べばスッキリすると思うんですがその辺どうでしょうかマスコミの皆様)。
最終的にプッチダモン首相は州首相就任を諦め、何人もの候補が模索されては消えていった結果、2018年5月14日に独立派のトーラ州首相(1962年生まれ)が選出されることになりました。スペイン語圏出身のカタルーニャ人に対してヘイトスピーチまがいの発言してた過去があり、また「本当の州首相はプッチダモンで自分は暫定的な州首相」と述べるなど物議を醸しましたが、ともかくも6月2日に新しい州政府が発足します。
これにより中央政府の直轄統治は終了したわけですが、今度は中央政府の方を危機が襲います。人民党幹部の汚職事件によりラホイ内閣に不信任案が提出されたのです。最大野党の社会労働党(84議席)は、極左政党ポデモス(67議席)だけでなくカタルーニャ独立派を含む各地の地域政党からも支持をかき集めました。2018年6月に350議席中180議席の賛成でラホイ首相は不信任、社労党のサンチェス書記長(1972年生まれ)が新首相に選出されます。
就任直後のサンチェス首相は自治権を拡大するための住民投票をやろうとトーラ州首相に持ちかけます。ところがトーラ州首相はあくまで独立を目指す姿勢を捨てず、提案を拒否しました。カタルーニャとの和解のためにバルセロナで閣議をやろう! と言い出して実際にバルセロナで閣議を開いたりもしたのですが、独立派による大規模な抗議デモで迎えられたりもしていました。まあそりゃ独立派にしてみれば彼らは占領者なわけですから、ケンカ売ってるようなもんですよね……。
社労党内部にもカタルーニャとの対話推進派とカタルーニャ絶許派がおり(http://shingokatoo.blogspot.com/2018/06/1811.html)、サンチェス首相自身は以前はカタルーニャを「ネーション」として認める案を支持していたようなのですが、現在は護憲派としてカタルーニャ自治州と対峙しています(http://shingokatoo.blogspot.com/2018/06/2017.html)。カタルーニャとの対話を訴えたポデモスがそのせいで支持を落としているようなので、あんまりカタルーニャに妥協することもできなさそうです。
スペインの主要政党がカタルーニャ独立問題に対して採っている態度は、概ね次のように分類できます(議席数は下院)。
- | 独立は憲法違反だしカタルーニャはネーションではないよ派 | 住民の意思を尊重すべきだしカタルーニャはネーションだよ派 |
---|---|---|
独立反対 | 人民党(134議席)、社労党(84議席)、市民党(32議席) | ポデモス(67議席) |
独立賛成 | - | カタルーニャ共和左派(9議席)、カタルーニャ欧州民主党(8議席) |
ちなみにスコットランドの独立を問う住民投票ではこんな感じでした。
独立には反対だけど住民の意思を尊重するよ派 | 独立賛成派 |
---|---|
保守党、労働党、自由民主党 | スコットランド国民党 |
スコットランド情勢が落ち着いててカタルーニャ情勢が荒れてる理由はだいたい上の表を見ればご理解いただけるのではないかと(こんな諷刺画もあるくらいです→https://www.eldiario.es/vinetas/mala-suerte_10_304919512.html)。
さて、人民党は下野後に党首選挙を行い、2018年7月、右派のカサード副事務局長(1981年生まれ)が新党首に選ばれました。カサード党首は、スペインの主権への攻撃に断固とした対処を取る、国民党は分離主義者と交渉しない、と主張し、分離主義に対抗して刑法改正を目指すとまで公言しています。中国共産党かな?
ところで、スペインの右派政党で最も国会での議席が多いのは人民党(134議席)ですが、右派政党である市民党(32議席)の人気も上昇しています。人民党は伝統的な保守政党ですが、市民党は経済的自由主義に立脚したスペイン・ナショナリズムを掲げる政党です(日本で言うところのみんなの党みたいな路線)。彼らは保守的価値観にはあまり興味を示しませんが、スペイン国家の一体性には強くこだわり、カタルーニャ独立に対する反対を表明しています。
もともと市民党はカタルーニャ・ナショナリズムに反対するカタルーニャ自治州の地域政党として2006年に誕生し、州内の行政や学校教育でのカタルーニャ語優先政策に反対、スペイン語使用の権利を訴えてきました。2006年のカタルーニャ州議会選挙で3議席を獲得後、2013年から他州にも拠点を築き、2014年には欧州議会、2015年にはスペイン下院に進出します。独立宣言後の州議会選挙ではアリマーダス州議(1981年生まれ)のもとで36議席を得て第一党になりました(選挙前は25議席で第二党)。ちなみにこの選挙では人民党が11議席から4議席に転落して惨敗しています。
そして2018年12月、アンダルシア州議会選挙で極右政党ボックスが議席を獲得します。ボックスは2013年の暮れに人民党右派が離党して結党された政党で、スペインの中央集権化とバスク・カタルーニャ独立への反対、反移民を唱えています。同選挙では
政党 | 議席 | 選挙前議席 |
---|---|---|
社会労働党 | 33議席 | 47議席 |
人民党 | 26議席 | 33議席 |
市民党 | 21議席 | 9議席 |
ポデモス・緑の党などの左派連合 | 17議席 | 20議席 |
ボックス | 12議席 | 0議席 |
このような議席分布となりました。過半数は55議席なので、右派連合は過半数を得るためにはボックスと手を結ぶ必要があります。2019年1月18日、人民党と市民党はボックスの支持を得て連立政権を発足させました。
このように、現在スペインではカタルーニャへの強硬姿勢を支持する3党の勢力が増しています。これが2019年2月10日にマドリードで開かれた大規模デモの背景です。もし今選挙が行われればこの3党が過半数を得る、と世論調査は予測しています。彼らはカタルーニャという共通の敵の存在と、それに対する政府の「弱腰」っぷりをアピールすることで政権交代を狙っているのです。
12日にはマドリードのスペイン最高裁でジュンケラス副首相らカタルーニャ政府要人の裁判が開廷されました。検察側はジュンケラス副首相に禁錮25年を求刑しています(弁護側は無罪を主張)。そして昨日、スペイン下院は2019年度予算案を否決しました。サンチェス首相が独立を問う住民投票の再実施を撥ねつけたため、カタルーニャ独立派が反対にまわり、過半数を確保できなかったのです。これによってサンチェス政権は解散総選挙の瀬戸際に立たされています。仮に総選挙になれば市民党やボックスが躍進し、きわめて反カタルーニャ的な政権が誕生する公算が高いでしょう。
ここまで来るとカタルーニャをネーションと認める方向で憲法改正した上で自治権を拡充するくらいしかカタルーニャの動きを鎮める方法はないだろうと思うのですが、人民党・市民党・社労党の一部は「カタルーニャはネーションじゃない!」で凝り固まっていて、カタルーニャもカタルーニャで急進的な独立派は「今更自治権拡充程度じゃ生ぬるい」となってるんで、なかなか難しいものがありますね……
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181211/k10011743181000.html
北方領土問題をめぐって、ロシアのラブロフ外相は、第2次世界大戦の結果、北方領土はロシアの領土となったことを日本が認めない以上、
交渉は進められないと日本側をけん制したほか、トルトネフ副首相も、強い姿勢で交渉に臨むと強調しています。
こうした発言について、河野外務大臣は、11日の記者会見で、記者団から見解を問われたのに対し、「次の質問をどうぞ」と4回にわたって
繰り返し述べ、質問には、一切答えませんでした。
ほんとどーしようもないチキンな屑だよな。
韓国相手だと国際法違反だなんだとロクに条約内容も理解できないオツムで暴言振りまきながら
露相手だとこれかよ。日本の公式見解は露の不法占拠状態であると外務省HPにも書いてあるが
アレはなんだ。これこそ本当の国際法違反じゃないのかよ。
麻生首相への意味不明な個人攻撃(ほっけの煮つけ、カップ麺の値段
実現する訳ない公約
菅政権で更に降下
の一連のリベラルコンボがトラウマで、左翼とメディアがアホな批判すればするほど、現政権を守らなければ自分(と社員)の生活を守れないという防御反応がでるという自覚がある。左翼の反対が概ね正解だと考えている自覚もある。それだけ第一次安倍政権以降、第二次安倍政権誕生までの時間に恐怖を感じたという事だな。よほどまともな野党が現われて10年単位で継続的に自民党と同等の政治感覚を証明し続けない限りは支持できない。
現実的に期待するのは、公明党が何らかの意見の相違で袂を分かって第一野党になる事だけど、個人的には創価は嫌いだし世間の大半もそうだろうから難しいのだろうな。希望の党がブレる事無く、旧民主党系を拒絶して保守系色を維持して第一野党の座を確保していれば、それこそ希望になり得たのにと思う。あれも左翼のいう事の反対が正解だったという一つの事例だろう。自民から石破が分離されたとしても現在の言動を見る限り、民主党系との合流は不可避だろうから期待は出来ない。保守系議員であれば安倍首相と袂を分かつ理由は合理的には存在しない。
左派議員が自発的に賢明になるしか道がないが、それはウサギに芸を仕込む位の難題ではないかというような絶望感から消極的に選択肢を消している状況。安倍首相に強い不満がある訳ではないが、他に賢明と思われる選択肢は存在しない事に強い不満と不安を感じているというのが実情。
今後、想定しうる最低のケースは、安倍首相及び麻生副首相などの与党幹部の金銭がらみのスキャンダルが出て来て、左派議員が低能なまま世論によって政権交代が実現してしまう民主党政権の再来を招くこと。三期目の安倍政権に望むのは、それだけは絶対にやめてくれということ。安倍政権の現状の政策には、総論で賛成できるし方向に異を唱える必要を感じてない。各論では強い支持が出来るものと消極的な反対のものとがあるけど、TPP批准が正解だったことを見ても消極的な反対も無知故というのはあるかもしれないと思う。この6年間の外交経済の成果については評価できるし、テロ対策法案については絶賛しかない。今後の国会では敵となる左派が育つことは期待できないかもしれないけど、ソフトランディングで三期目を終えて欲しい。
麻生政権はリーマンショックを乗り切りつつあったのに、鳩山政権で急降下したことが忘れられている模様。歴史捏造主義万歳
https://ameblo.jp/the-snark2/entry-12223134579.html
内閣不信任決議案において、賛成は固より欠席でも造反とみなし除名処分にする。
欠席しても賛成しても、どちらも同じならば、賛成した方が、国民に対しては申し開きが立つ。不信任が通ったら、閣僚を解任してでも解散をぶつと主張しているとなれば、なおさらである。民主党を除名された方が、選挙においては通りが良い。自発的離党者や隠れ民主と言われるくらいならば、不信任案に賛成して除名されたとアピールした方がマシとなる。
賛成者を除名した上で解散したら、民主党の衆議院議員数は一桁台にまで減る。当然、参議院の勢力が民主党の党内力学の主成分となる。
民主党の参議院議員数は106人。小沢派37人、鳩山派10人では、過半数に8人足りない。参議院議員を8人以上抱えているグループのトップは、小沢・鳩山連合に与するという選択肢しか、残っていないとなる。解散総選挙で生き残るには、不信任に賛成して除名された方が有利であるが、除名された後、復党するには、参議院における多数派をキープしておく必用があるからである。民主党の衆議院議員が一桁台にまで落ち込んだとしても、参議院議員の多数派との連携によって、復党できる。一時的に離党する事になったとしても、ここで旧社会党の膿を出し切れた方が、都合が良いとなる。
いちばん困るのは、不信任が通った後で、除名はするが、解散はしないという展開であるが、この場合、除名した以上、民主党は衆議院で多数を取る事ができない。菅元首相は民主党総裁に居残りするだろうから、自民党と民主党の連立はありえない。おそらく、自民党と除名者とが野合した連立政権となる。
ただし、自民党としては、違法子供手当ての鳩山、1億円ザブトン4個の小沢、南鮮人から政治献金を受け取っていた前原・菅が存在する政党とは、連立を組めない。除名レベルの不祥事をしでかしている議員と、同じ釜の飯は食えないのである。鳩山・小沢・前原抜きの、除名者新党というのが最低条件となる。院内会派としてならば組めるから、票読みにおいては計算に入れられるのだが、有権者に対するケジメとして、そういう配慮が必要となる。連立政権においては、解散権に対して拒否権を持つ副首相ポストと、副大臣全部、政務官半分というのが、除名者新党側のポストの落し所となるであろう。
野党に転落した菅民主党は、参議院の勢力に恃む事になるが、ここで、民主党参議院議員団の過半数を支配している事が、意味を持ってくる。総裁任期がくれば、菅総裁は落選となり、次の党代表の下で除名者新党の吸収による民主党の再構成が行われる。除名した議員が大手を振って戻ってくるのを見たら、いかに恥知らずの菅氏と言えども離党するであろう。結果的に、自民と民主の連立という形になるが、このタイミングで、連立政権が解消されて、解散権に対する拒否権が消滅し、解散総選挙となるという可能性が高い。
http://www.spiegel.de/international/world/0,1518,731580,00.html
ドイツ:
グッテンベルク国防相(人気ナンバーワンの政治家)が米外交官に副首相の悪口&告げ口
ロシア:
メドベージェフ大統領夫人が亭主への「忠誠心」を欠いている軍人を恨み帳にリストアップ
アリエフ大統領(2代目)の嫁さんは全身サイボーグ、遠目には彼女自身の娘と見間違わんばかりだが、なぜかほとんど無表情
露伊:
クリントン国防長官がプーチンとベルルスコーニの関係にご興味を持たれたようです
ケニア:
「ケニア大統領?首相?どうでもいいじゃん」という文句が公電のそこかしこに
トルコ:
イラク:
小沢一郎は民主党代表選に出馬する方向で話がまとまったようである。
一度裏切った奴は、何度でも裏切る。菅首相を支え、幹事長兼副首相として内閣に入ったとしても、検察が黒といってきたら、菅首相は訴追許諾を出すであろう。
小沢氏を切る事でクリーンさを訴えられるし、小菅送りにして公民権を剥奪してしまえば、一年生議員は草刈場となる。
民主党を離党して新党を立て、自民党と連立して政権を奪って小菅から解放させるという展開をやれるような人材は、小沢氏の下には居ない。
小沢氏が娑婆に居続けるには、自身が首相になるしかないが、この場合、民主党の政権担当能力の無さが致命的になる。
そこで、小沢氏を娑婆に出しておいた方が得な勢力と連立して、副首相になるという次善の選択が出てくる。
自民党は、自民党の外に居る限り、小沢氏が娑婆に居てくれた方が民主党のダーティなイメージを宣伝できる。
首相と大臣を全部やるから、副首相と副大臣と政務官を全部くれというあたりが、ポストの割り振りとなるであろうか。
首相の専決案件に対して副首相は拒否権を持つという一文も重要である。この約束を菅首相との間に結んでも有効なのではないかと考えるのは、間違いである。
民主党議員は、副大臣や政務官や常任委員会の委員長になりたければ、天下り中の元官僚か今年天下る予定の官僚を、自分の選挙区で市会議員や県会議員に当選させろ、一番多く当選させた奴から希望のポストにつけてやるというのが、ポスト分配のルールとなるであろう。
専門分野や本人の希望などという建前はあるだろうが、小沢一郎の評価基準は、選挙と政局と金集めである。ポストの割り振りも、それで決まると考えるべきである。
菅首相は夏休みに入ったそうだが、そのままずうっと休んでいて、二度と官邸には戻ってこないでもらいたいモノである。
民主党の代表選挙規約によると、投票日は任期満了日の前30日以内、選挙運動期間は告示日から14日間。したがって、9月14日を投票日にすると、9月1日が告示日となる。
立候補の為には、この告示日に、20人以上、25人以内の所属国会議員の推薦状を添えて、届け出なければならない。
つまり、臨時国会が閉じて8月末日までが、議員票の票固めの期間であり、告示日から投票日までが、サポーター・党員票対策期間となる。
で、問題は、誰を次の党首にするかということなのだが、まず、今の首相である菅直人氏は、選挙に勝つ為に入れ替えたのに、鳩山内閣を居抜きにした為に、変化をさせられず選挙に負けた。さらに、国際会議でも空気を読めず、内政においても国益を損なうばかりとなっている。
自民党がダメだから自民でなければどこでも良いとして民主党に政権が転がり込んだが、自民党への批判票に支えられているという事を忘れ、民主党の政策を進めて、国民の不満と不信を集めている。これでは、春の統一地方選挙を戦えない。
内閣改造でイメージチェンジをしようにも、余計な事を、菅首相の名前でやりすぎているのである。
民主党が政権を維持するには、菅首相の首を切るというのが、最善の選択肢となりつつある。
そこで、誰を次の首相にするかという話になるのだが、民主党には、首相はもとより、大臣ですら、勤まる人材がいない。
小沢グループがまとまるのは、小沢氏が自ら代表選に立った場合だけで、それ以外では、ばらばらになる。鳩山氏が再び立つことは出来ないし、鳩山グループは鳩山氏のお金に集まったグループであり、ナンバー2がいないので、草刈場である。
その他のグループの代表者が立っても、いずれも、小沢・鳩山の両派から支持を集めなければならないが、固まる可能性は無い。あれだけの大所帯を作り出して維持するには金も人手もかかっており、それを負担できない者を支持するなんて、できっこない。
民主党が挙党一致体制を作るには、代表戦での圧倒的な勝利で弱小派閥を蹴散らす以外に無く、必然的に、小沢氏自身が立つ以外に道は無い。しかし、この場合、小沢氏が首相となり、各派閥から大臣・副大臣を引き抜いてというやり方では、残念な事に、国民の支持は得られない。挙党一致体制を作れても国民の支持を得られないのでは、春の統一地方選でボロ負けして、解散総選挙になる。参議院選挙で負け、統一地方選で負けたら、自民党政権に向かって、今必要なのは解散総選挙ではないかと、さんざん言っていた台詞が、丸ごと帰ってくるのである。
挙党一致体制を作り、かつ、自民党との大連立で、政策協定として自身の訴追の廃止と民主党の売国政策を自民党に飲み込ませて、自分は副首相に納まり、実務は自民党にやらせるというのが一番利口な手法なのだが、これに、民主党の弱小派閥が従うかどうかというのが、問題となる。
代表選挙での圧倒的勝利が必要なのだが、勝利の先が大連立では、反小沢・反鳩山の弱小派閥は、離党して野党に戻るという行動を取るであろう。このとき、どれだけが離党するかという話になる。衆参両院で過半数が取れるだけの数が残らなければ、casting voteを公明党に握られかねない。
全ては、民主党の代議士達に政権担当能力が無い事が原因であり、民主党が政権を持ち続けようとする限り、日本の政治の迷走は続く。迷走を続けるか、それとも、解党の危険を覚悟して、政権を担えるまともな政党に脱皮する道を選ぶかという選択なのである。
09年7月27、28日の二日間、米国の首都ワシントンで「米中経済戦略対話」が開催された。中国からは戴乗国・国務委員(外交担当)と王岐山・副首相(経済担当)が、200名もの代表団を率いてワシントンへ乗り込んだ。迎える米国側はガイトナー財務長官とクリントン国務長官。ふたりとも中国大好き人間、オープニングにはオバマ大統領が特別に出席し、「米中関係は二十一世紀最大の同盟関係」と高らかに宣言した。もはや米国にとって日本はどうでもいいという宣言だ。
米中経済戦略対話が始まったのは2005年、米側はゼーリック国務副長官とポールソン財務長官。「副」長官でOK、大統領は出席せず、しかも当時の(といっても僅か四年前)米国は中国に「人民元を切りあげなさい」「貿易ルールを守りなさい」とお説教口調で諭し、同時に人権尊重を呼びかけたものだった。
それから四年がたち、中国の外貨準備は二倍に膨らみ、人民元は対米レートを20%切り上げ、それでも米中貿易不均衡は是正されず、米国の苛立ちは強まった。ところが、中国は米国債を8015億ドル保有し(09年7月現在、世界一)、ほかに米国社債、株式、金融商品、不動産そのほかで、合計一兆五千億ドルが、米国建ての中国の対外資産を誇り、米中関係の基本を変えた。
財閥チャイナに目がくらんだということだ。ワシントンは人民元が「不正に操作されている」とも言わず、ましてやウィグルの民が虐殺されたばかりなのに「人権」問題を議題に取り上げなかった。かくて米国は大国の矜恃を失った。
ガイトナーは一月の指名公聴会で「人民元は不当に為替操作されており、米国は『中国は為替操作国』と指定する方向だし、オバマ大統領もそう認識している」と証言した。
その舌の根の乾かぬうちに前言撤回、三月のレポートでは中国が為替不正操作国リストからはずされ、こんどの戦略対話では、「米中貿易不均衡の縮小が人民元問題より意義がある」と発言した。
「目の前にあるのは赤字国債一兆八千五百億ドルの購買先だろう」とウォールストリートジャーナルは揶揄的に書いた(7月28日付け)。
「米国債の安全性とドルのレートに関心がある」と朱光耀・財務副大臣が言えば、ガイトナーは「財政赤字の解消に米国は取り組んでおり、ドルの安定、国債の安全に問題はない」と釈明する始末だった。これではまるで「中国に米国の当局者が査問されている図」ではないか。
米中双方は「世界的経済回復の共同の責任を負う」とオバマにおだてられた中国と、「米国ドルの安定を保障せよ」と言われっぱなしの米国という結末となった。わずかに王岐山が「中国は内需拡大に努力し、経済構造を質的に転換している最中、時間がかかる」と発言したのが前向きと言えばせめて前向きの言葉だった(博訊新聞網、7月29日)。
李克強訪豪を前に「上海派」と「太子党」が陰湿に胡錦涛執行部へ揺さぶり
第十七回党大会は、江沢民の懐刀だった曾慶紅が「引退と引き替えに」、習近平を三階級特進させた。浙江省書記からまず上海市書記に栄転させ、ついで政治局常務委員、国家副主席と三段階を一気にまたいだ。
曾と、その背後にいる江沢民と意思である。
同時に曾慶紅は賀国強と周永康を法務公安規律のポストに送り込んだ。つまり習、周、賀の三人が政治局で「江沢民派」であり、同時に習近平は太子党の利権を代弁する。
だから筆者は書いた。
「中国では石川五右衛門と長谷川平蔵は同一人物である」と。いうまでもなく利権汚職と捜査の元締めが同じだから(呵々大笑)。
さて上海派と太子党にとって「団派」(共産主義青年団)ほど疎ましくも邪魔の存在はない。胡錦涛、李克強、李源潮、王洋らが団派である。
共産主義の理想を追求し、汚職にときに立ち向かい、政治改革を獅子吼し、五月蠅いのだ。
したがって団派 vs 上海派+太子党 の対決構造が、いまの中国の権力構造の基軸にある。
さて、先週あたりに李克強の子分たちが、周永康の「捜査」により汚職で断罪されようとしている事は述べた。李克強のパワーを弱め、引いては胡錦涛の指導力を弱体化させるのが目的である。
リオ・テントは豪の鉱山会社だが、中国が買収をしかけ、豪政府が資源ナショナリズムに立脚して中国鋸業(チャナルコ)を退け、BHPとの提携に踏み切った。
リオとBHPの合併は世界最大の鉄鉱石鉱山企業の誕生、カルテルと実質は同じ。
いずれ、執拗な中国のことだから、なにか政治的意趣返しがあるだろうと予測されていた。
案の定、リオ・テントの中国駐在社員四人をスパイだと言って拘束し、豪勢府はすっかり慌てた。豪中関係がにわかに緊張した。
もうひとつ背景があった。
このスパイ事件は背後に権力中枢の闘争が絡んでいると指摘したのは博訊新聞網(7月19日付け)である。同紙によれば来週から豪訪問を予定している李克強(副首相、次期首相候補に有力)への当てこすり、一番やっかいな外交を李が、どれほどの能力で処理できるかの試験にもなるとばかり上海派と太子党が仕組んだ。
というのも、習近平は副主席になって一番目の訪問先は北朝鮮、つぎに北京五輪の責任者に抜擢され、外国首脳とつぎつぎとあった。それからメキシコを訪問したが、評判は芳しくなかった。外交能力に疑問符がつけられた。ならばライバル李克強いは外交もうまくこなせるのか、と団派への面当てが再開したわけである。
この事件で浮き彫りになったことは胡政権の脆さと、最高意思決定機関の内部闘争の深刻さ、要するに上海派の横暴に対して、適宜適切な対抗措置がとれない実態である。
まさかと思われるほどにスピーディである。
7月1日、IMF理事会は設立以来60年で初めとなるIMF債券をSDR建てで発行することを正式決定した。従来、日米英ならびにEU加盟国からの融資に依存した資金調達手段の多様化が走りだす。
この舞台裏では英米の妥協がある。
第一はIMFと中国との先鋭的対立が急速に和解した。ウォールストリート・ジャーナルの中国語版(華爾街新聞、7月2日)に拠れば、かねて対立していた両者の関係はIMF側が折れて、中国の四月の経済成長率を6・5%から7・5%に嵩上げしたことで突如の和解となった。
第二に09年六月、ロシアのエカテリンブルグにおけるBRICs会議の合意をふまえ、中国、ブラジル、ロシア、インドが700億ドル(約6兆7000億円)分を購入する方針が示されてIMF理事会を揺さぶっていた。
第三にIMFの英米主導が終わる流れの始まりを英米が認めた。
IMFの主導権の一部をBRICs諸国にも明け渡した歴史的ターニングポイントとして記憶するべきかも知れない。
これからIMFが発行する債券は、合成通貨の「SDR」建て。つまり実際の通貨ではなく概念上の人工通貨で米ドル、ユーロ、日本円、英国ポンドの四つのバスケット(中国はこのバスケットにスイス・フランと人民元を参入させようとしている)。
▲周小川、王岐山らの動きは揺さぶりではなく、ホンネだった
新規SDR債券は最長で5年。加盟国と中央銀行の間で売買が認められ、将来は債権マーケットの流動性も生じる可能性がある。
SDR債権は三月に王岐山副首相が主唱し始め、ロンドンのG20サミット直前には周小川・中国人民銀行総裁がSDR通貨発行を突如言い始めて日米欧をすっかり慌てさせたが、いまから考えればこれらは政治的伏線だったのだ(詳しくは拙著『人民元がドルを駆逐する』に詳述)。
中国、ロシア、ブラジル、インドのBRICs四カ国が国際準備通貨としてのSDRに着目し、SDR債発行に合意したのは中国の主導、ロシアの追認が大きく、ドル基軸通貨というIMF体制の根本を揺らす目的がある。
2012年の第十八回中国共産党大会で、おそらく習近平(国家副主席)と李克強(副首相)が、それぞれ国家主席、首相になるだろう。現在の胡―温体制が「習―李」体制に移行する。
現代中国の政治は「保八」と「保穏」の二つに集約される。GDP8%成長死守と「安定化社会」、これに執権党の改革と強化、つまりリーダーシップの確立である。
さて、次の次の世代である。
現在の第四世代は党官僚エリート出身、次の第五世代「習―李」は太子党と青年団との連立になる。青年団とは共産主義青年団。いわゆる「団派」(トァンパイ)。
胡錦涛は団派のボスでもあり、共産主義イデオロギーを学習してチベットへ赴任し、トウ小平に見いだされた。だから団派重視である。
「団派」は党幹部の子弟という理由だけで利権がらみ、特権階級の維持が目的の「太子党」を嫌ううえ、思想を投げてビジネス志向の「上海派」とは肌が合わない。
だが胡錦涛は党総書記、国家主席、党軍事委員会主席という最高ポストを三つも握りながら、その権力基盤はまだまだ弱く、上海派に妨害されて軍を掌握しきれないために、新しい人事は時間をかけて、徐々に徐々に第六世代のリーダーに団派出身を当てるのだ。
第六世代で注目は周強(湖南省省長)と胡春華(河北省省長)だろう、と世界的に有名なチャイナ・ウォッチャーのウィリー・ラムが予測する(『チャイナ・ブリーフ』09年5月16日号)。
とくに周強(49歳)は胡錦涛とおなじ経歴を重ね、団派の第一書記もつとめた。胡春華も北京大学時代から青年団書記、それからチベットへ赴任、20年間をチベットですごし、08年に河北省省長代行、09年に省長。周と胡はともに河北省出身。
この列に第六世代の注目は努爾白克力(ヌルベクリ)新彊ウィグル自治区副書記、孫政才(農林大臣)、陸晃(北京副市長、団派書記)らが後を追う。
また欧米留学からの帰国組(海亀派という)は20万人もいるが、すでに12名ほどが閣僚級レベルに抜擢されている。
胡錦涛は『21世紀の中国のあり方』として、科学技術の発展により競争力の強化、経済運営の効率化を重点目標としている。
このため党官僚のマンネリ化を克服するには政治能力の高い者を抜擢し、親の七光り(太子党)の無能力者を次第に排除してゆく方向にあるという。
(注:「陸晃」の晃は「日」の下は「天」)