「LPG」を含む日記 RSS

はてなキーワード: LPGとは

2024-10-30

anond:20241030173814

個人タクシーだと、あくまでも個人事業主なので、車は自分で買う。

法人タクシーだと、運転手は雇われ運転手にすぎず、車は会社支給する。

燃料代(ガソリンLPGガス)は、個人持ちか会社持ちかは会社次第。

法人タクシー場合、1台の車両を二人交代で利用するので、燃料代は会社持ちが多いかな。

2024-10-22

なんで電車の中なのに、ビニールレザーの座席と透明ビニールのシートカバーLPGガスの芳香に満ちたタクシー車内みたいな臭いがするのか😣🤮

2024-07-25

朗報黒人・弥助を神とした元ネタ論文が見つかる。

アサクリの弥助・黒人奴隷と、そこから派生したロックリー・岡美穂子両氏の言説の元ネタっぽいものを見つけたので要約しておく。

○著者:David Wright

題名:The Use of Race and Racial Perceptions among Asians and Blacks: The Case of the Japanese and African Ameridans

○出典:1998年一橋大学社会学ジャーナルhttps://hermes-ir.lib.hit-u.ac.jp/hermes/ir/re/8321/

概要(俺の読解なので是非原本にあたられたし)

16世紀半ばからポルトガル人奴隷等としてかなりの数の黒人日本を訪れていた。

日本人は彼らに好意的で、彼らは尊敬対象だった。特に弥助という者について、信長厚遇した。

ポルトガル人が頻繁に黒人奴隷を献上するので、日本人も彼らを見下すようになり、明治維新の頃にはその見方が定着していた。

・というか白人との接触から日本では白い肌が美しいと言われてたけどね。(その割にはお歯黒は何故?)

・一方で、肌の黒い聖人いたこから黒い肌に対する欧米のような差別感情は持ってなかった。オランダから入れ知恵されてたのに不思議だね。

(以下開国時の話が続く)

この、「日本人は彼らを尊敬していた」「肌の黒い聖者もいた」が、ロックリー・岡美穂子両氏による「弥助は神とされた」等に変換されていったのではないだろうか。

なお、知る限り弥助を神とした、または神に近かった、神のようだったなどとする史料発見されておらず、専門家によるものでは、ロックリー氏や岡美穂子氏が述べているものがすべてのようだ。

特に八幡神は南無八幡大菩薩那須与一)で有名な武士の神であり、これになぞらえるというのはとてつもない厚遇だし、文献にも残っていると思うのだが何を根拠にされたのだろうか。

(岡美穂子氏インタビュー記事より)

信長に関する史料では弥助のビジュアルイメージが「八幡神に近かった」と言われています。あるいは、中国史料ではアフリカ系の人を「黒鬼」と表記している。ですから実用的な屈強さを求めただけでなく、そういう人間自分の近くに置くことで「こんなに強いヤツを従えているんだ」という格付けに役立つと考えた、イメージ戦略の部分もあったと思います

https://www.cyzo.com/2021/02/post_268095_entry.html

(岡美穂子氏インタビュー記事より)

弥助もそもそもアフリカ大陸内の部族闘争で生け捕りにされ、外国人に売られたといわれます

(略)

中国では「黒鬼」と呼ばれていましたが、差別的な意味だけでなく強いものに対する憧れ、神格化も含まれているでしょう。

https://books.google.co.jp/books?id=ueI9EAAAQBAJ&pg=PA45&lpg=PA45&dq=%22%E7%A5%9E%E6%A0%BC%E5%8C%96%E3%82%82%E5%90%AB%E3%81%BE%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%E3%81%A7%E3%81%97%E3%82%87%E3%81%86%22&source=bl&ots=VL8Mdfp5xc&sig=ACfU3U0mVfcGBaVjLwU6pkAfd6NYXORlew&hl=ja&sa=X&ved=2ahUKEwj1_bTS7sOHAxWrb_UHHZRqGX8Q6AF6BAgcEAI#v=onepage&q=%22%E7%A5%9E%E6%A0%BC%E5%8C%96%E3%82%82%E5%90%AB%E3%81%BE%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%E3%81%A7%E3%81%97%E3%82%87%E3%81%86%22&f=false

ロックリートーマス氏によると、当時の都だった京都住民と同様、信長は弥助の背丈や体格、肌の色に畏怖の念を抱いたという。

(略)

信長は弥助を「大黒天」ではないかと考えた。大黒天は豊穣(ほうじょう)の神で、寺院では通常、黒い像によって表現されている。信長は弥助の肌の色は墨によるものだろうと思い、こすり落とそうとした。本当に黒人だと納得すると、直ちに宴会を開いて敬意を表したという。

https://www.cnn.co.jp/world/35138192.html

追記

中国語の「黒鬼」に屈強なという意味はないのでは?

→通常の中国語ではその通りで、日本語に訳すと「黒い幽霊」といった意味合いになる。

あとは道教では鬼というのは死後の世界の人に該当するもので、鬼世界があって普通に鬼が暮らしていて鬼の役人がいたりもする。

いずれにしても中国語の「鬼」には日本のように「強い」「屈強な」という意味はない。(例えば「悪党中世)」・「悪源太(源義平)」・「悪太郎堀内恒夫)」という使い方はしない)。

なので、岡美穂子氏が「屈強な黒人」「神格化」という意味で取り上げたのは、解釈の誤りのように思う。御本人の説明を求めたいところだが。

ただ中国史については良く分からないので、昔はそういう使い方をしていたというのであれば補足よろしく

追記2

そもそも弥助ってアフリカであるとは限らないのでは?

→弥助はモザンビーク出身って記述があるんだけど、前半生は全くの不明で、岡美穂子氏が「部族闘争の結果生け捕りになった」とした根拠不明

当時のモザンビークってインド人大勢住み着いてるので、インド人とか混血の可能性は十分にある。

追記3

信長が弥助のことを大黒天(神)と思った

トップブコメにこうあったが、そんな証拠はどこにもない。

現時点ではロックリー氏と岡美穂子氏の頭の中だけに存在すると言って良い

2023-11-19

池田大作が授与された国連平和賞特に実態のない賞だった

長すぎたし読みづらかったので結論だけ先に書く。

追記)それでも読みづらかったので改行を入れまくった。

結論

それを満たせるだけの大物という意味では、やはり池田大作はひとかどの人物であったのだろうとは思う。

しかしそれだけで内閣総理大臣名で追悼文を出すレベル文化人だったと言えるだろうか。多分言えないんじゃないかな。

結論終わり。

この結論になった経緯を以下にだらだらと書いているので、暇な人は読んでみてほしい。

---------------

国連平和賞は本当にあるのか

岸田首相内閣総理大臣名で池田大作への追悼文を出し、賛否両論を浴びている。特にX上でこれを擁護するポストには大まかな類似性があり、興味深い。

彼らの言い分はこうだ。

池田大作世界中の著名な大学からおびただしい数の名誉博士号を、そして国連から国連平和賞を授与された世界的な文化人であるからして、総理大臣が追悼文を出すのは妥当である

このうち名誉博士号についてはしばしば「金で買った」という噂が飛び交っている。ディプロマミルと呼ばれる詐欺的な学位授与団体現実存在することを踏まえての推測だろうが、真偽は判然としない。

そもそも池田大作創価大学創立者ということになっているのだから提携している大学要請すれば名誉学位程度は手軽に得られるのではないか正規手段とまでは言わないが、少なくとも大手を振って見せびらかすことができるルートで手に入れた学位なのではないかと思われる。

とはいえいくら数百もの名誉博士号を持っていても、それだけで現役の総理大臣が追悼文を出すのは尋常なことではない。

とするとやはり、国連平和賞が効いているのだろうか。

そのシンプル文字列から権威性がほとばしってやまない。誰がどう見たって「国連平和活動関係者に対して贈る賞なのか」とひと目で分かる。

X上では「国連平和賞だけはガチの実績がないと取れない」「国連平和賞が金で買えると思ってんの?w」等のポスト散見される。

ただ引っかかるのは、私が「国連平和賞」なる言葉を知ったのは今回が初めてだということである

いや国連平和賞って何だよ。

俺が知らなかったのにネット逆張りイキりしてる有象無象が知ってたわけねえだろ。

絶対胡散臭いだってこんなの。

そう思ったので少し調べてみた。

調査

皆も検索してみてほしいが、まず国連平和賞Google検索すると以下のような検索結果に大別される。

実質的wikipediaくらいしかまともな情報源がないので眺めてみる。

概要についてはこうあった。

国連平和賞(こくれんへいわしょう、英語表記United Nations Peace Medal)とは、国際連合が発行するメダル顕彰ひとつ国連ピースメダルとも日本語表記される[1]。受賞者には、ミュージシャン文化活動家、政治家宗教家映画監督などがいる

国際連合が発行するメダル顕彰ひとつ」とはっきり書かれている。これは驚いた。本当に国連が授与している賞らしい。実はまともな賞なのか?

沿革について。

> 第3代国際連合事務総長ウ・タントによって創設された[2]。各国代表が習慣的に贈答品の交換を行っているうちに贈呈されるようになった[2]。また、国際連合総会総長として尽くしたものにも授与される[2]。

ごめんやっぱりまともじゃないかも。

贈答品の交換を行っているうちに贈呈されるようになったって......もしかしなくてもコネってこと?

まあコネは金で買える場合とそうでない場合があるので「金で買えない」のは部分的に正しいのかもしれない。

日本人受賞者を眺めてみると、政治家岸信介福田赳夫笹川良一など錚々たる顔ぶれ。宗教関係者では池田大作立正佼成会青年部......どっからどう見ても国際勝共連合草生える。これにはマザームーンもニッコリ。てかマザームーンいないの?逆に。

まあ共産主義と戦うことは、広義の平和活動なのかもしれない。国連立場的にそれでええんか?

冗談はさておき芸術家系の受賞者はあまりそういった政治色はなさそうなので、そういった政治性のある賞ではないようにも見えた。

海外の受賞者にもそういった激烈な党派性は見当たらないので、やはり仲良しグループコネコネしたという方がしっくり来る。

英語検索

日本語ではこれ以上まともな情報が出てこなかったので英語検索することにした。

幸いなことに日本語wikipediaには "United Nations Peace Medal" という英語表記が載せられている。これで検索すれば国連公式の受賞者リストや受賞基準などが出てくるかもしれない。

そうして一番上に出てきた検索結果は、メルカリだった。

United Nations Peace Medalが大量に出品されている (https://jp.mercari.com/search?keyword=united%20nations%20peace%20medal)。

いやそうはならんやろ。何で急にそうなるんだよ。

もしかして界隈では昔から有名な案件だったりするのか?わけがわからん。急に胡乱な話になってきたな。

商品紹介ページを見ていると「国連本部のビルで売ってた」とか「昔は国連寄付すると記念品としてもらえた」という話が出てきた。なるほどね。なるほどね?

そしてやはり、国連公式説明文書が引っかからない。United Nations Medalについてはヒットするものの、これは国連平和維持活動に参加した軍人警察官に贈られるもの記述があるため、明らかに宗教関係者が授与されるようなものではなさそうだ。

実際日本語版のwikipediaにも「国際連合PKO要員へ授与するUnited Nations Medal(国連メダル)とは別物である。」とある

仕方がないので英語版のwikipediaを読んでみた。

The United Nations Peace Medal is a commemorative medal produced by the United Nations to promote peace. First made by Franklin Mint in 1971,[1] a new design is produced annually, with limited editions offered for sale in gold, silver, and bronze.[2] Gold medals may be formally presented by UN officials as a diplomatic gift to heads of state, former UN Secretaries-General, and dignitaries visiting the UN Headquarters.[3][4]


国連平和メダルは、平和を推進するために国際連合制作した記念メダルです。(中略)。毎年、新しいデザイン制作され、金、銀、銅の限定版が販売されています金メダルは、国連の高官によって国家元首、元国連事務総長国連本部を訪れる要人に対する外交的な贈り物として公式に授与されることがあります

なるほどね。完全に理解した

私は国連平和賞胡散臭い賞ではないかと推測したが、それは誤りだった。そもそもこれは「賞」ではない。何というかその......メダルだ。

この訳は流石にミスリードを狙っているとしか思えない。訳した奴は一生反省し続けてほしい。

国連平和賞(こくれんへいわしょう、英語表記United Nations Peace Medal)とは、国際連合が発行するメダル顕彰ひとつ

この日本語wikipedia記述があまりにも味わい深い。

なるほど、嘘は書いていなかったのだと深く理解できるし、叙述トリックを受けていたかのような感動がある。wikipedia叙述トリックをするなナメてんのか?

流石に爆笑しかけたが、英語版のwikipediaの内容が捏造されている可能性も当然ある。

そもそもこれを外交的な贈り物としていたのなら、国連公式ソースがあってしかるべきだ。しかしそれが見当たらないのはどういうことか。

wikipedia脚注を見ると、公式文書があるようだがリンク切れしている。

幸いなことに国連デジタルライブラリー (https://digitallibrary.un.org/) にあったので見てみると、なるほど確かに一般人にも売っていたらしい (https://digitallibrary.un.org/record/98028?ln=en)。

メダル図柄記載されているほか「国連職員20%割引があるよ!」とか書いていて少し笑える。どうも注文書らしいフォーマットだ。

また公式ではないが1981/10/18に書かれたNew York Times記事 (https://www.nytimes.com/1981/10/18/arts/numismatics-the-value-of-smart-long-term-investments.html) にもメダルについての記載がある。

この記事は「堅実な投資先としてコインって案外良いんじゃね?」という少し頭の悪そうな内容の記事だが、そこでUnited Nations Peace Medalについての記載があった。

1981年国連平和メダルフランクリン造幣局によって製造されている。(中略)。この作品は、クルト・ヴァルトハイム国連事務総長が各国首脳やその他の訪問高官に公式に贈るために鋳造されているほか、コレクター向けに限定販売されている」

ゴールドシルバーバージョンはどちらも直径39ミリで、価格はそれぞれ1200ドルと55ドルである

どうやらそういうことらしい。

また、Encyclopedia of Violence, Peace, and Conflict という書籍のp.799でもその旨の記述がある。

URL: https://books.google.co.jp/books?id=TG2kN033mDkC&lpg=PP1&ots=6bsz6qC8-W&dq=Encyclopedia%20of%20Violence%2C%20Peace%20and%20Conflict%2CAcademic%20Press%2C&lr=lang_ja%7Clang_en&hl=ja&pg=PA799#v=onepage&q&f=false

It is presented to heads of state in the course customary exchanges of gifts, and to those who have served as president of UN General Assembly

「恒例の贈り物交換の際に各国首脳や国連総会議長を務めた人物に贈られる」とある

高官たちの贈答品交換の際に、国連側の贈答品のオプションとしてあるのだろう。つまり寄付の代価ということにもなりうるのか?

しかしそうなると芸術家に対して贈られているのはよく分からない。というのも、このメダルは元々パブロ・カザルスという著名な音楽家に対して贈られたものらしい。

もしかして平和活動を行う芸術家に対しては真面目に選考して授与しており、政治家たちには贈答品として授与しているということだろうか。

ともあれ特段表に出ている授与基準はなく、もっぱら国連事務総長をはじめとする高官がわりとノリで渡せる程度のものであるらしいことは分かった。そもそも同じ物を1200ドルで売っていたのだから......。

池田大作国連平和賞って何だよ

岸田首相内閣総理大臣名で池田大作への追悼文を出し、賛否両論を浴びている。特にX上でこれを擁護するポストには大まかな類似性があり、興味深い。

彼らの言い分はこうだ。

池田大作世界中の著名な大学からおびただしい数の名誉博士号を、そして国連から国連平和賞を授与された世界的な文化人であるからして、総理大臣が追悼文を出すのは妥当である

このうち名誉博士号についてはしばしば「金で買った」という噂が飛び交っている。ディプロマミルと呼ばれる詐欺的な学位授与団体現実存在することを踏まえての推測だろうが、真偽は判然としない。

そもそも池田大作創価大学創立者ということになっているのだから提携している大学要請すれば名誉学位程度は手軽に得られるのではないか正規手段とまでは言わないが、少なくとも大手を振って見せびらかすことができるルートで手に入れた学位なのではないかと思われる。

とはいえいくら数百もの名誉博士号を持っていても、それだけで現役の総理大臣が追悼文を出すのは尋常なことではない。

とするとやはり、国連平和賞が効いているのだろうか。

そのシンプル文字列から権威性がほとばしってやまない。誰がどう見たって「国連平和活動関係者に対して贈る賞なのか」とひと目で分かる。

X上では「国連平和賞だけはガチの実績がないと取れない」「国連平和賞が金で買えると思ってんの?w」等のポスト散見される。

ただ引っかかるのは、私が「国連平和賞」なる言葉を知ったのは今回が初めてだということである

いや国連平和賞って何だよ。俺が知らなかったのにネット逆張りイキりしてる有象無象が知ってたわけねえだろ。絶対胡散臭いだってこんなの。

そう思ったので少し調べてみた。

読者の皆さんも検索してみてほしいが、まず国連平和賞Google検索すると以下のような検索結果に大別される。

実質的wikipediaくらいしかまともな情報源がないので眺めてみる。

概要についてはこうあった。

国連平和賞(こくれんへいわしょう、英語表記United Nations Peace Medal)とは、国際連合が発行するメダル顕彰ひとつ国連ピースメダルとも日本語表記される[1]。受賞者には、ミュージシャン文化活動家、政治家宗教家映画監督などがいる

国際連合が発行するメダル顕彰ひとつ」とはっきり書かれている。これは驚いた。本当に国連が授与している賞らしい。実はまともな賞なのか?

沿革について。

> 第3代国際連合事務総長ウ・タントによって創設された[2]。各国代表が習慣的に贈答品の交換を行っているうちに贈呈されるようになった[2]。また、国際連合総会総長として尽くしたものにも授与される[2]。

ごめんやっぱりまともじゃないかも。

贈答品の交換を行っているうちに贈呈されるようになったって......もしかしなくてもコネってこと?

まあコネは金で買える場合とそうでない場合があるので「金で買えない」のは部分的に正しいのかもしれない。

日本人受賞者を眺めてみると、政治家岸信介福田赳夫笹川良一など錚々たる顔ぶれ。宗教関係者では池田大作立正佼成会青年部......いやあのこれどっからどう見ても国際勝共連g(ry)。これにはマザームーンもニッコリ。てかマザームーンいないの?逆に。

共産主義と戦うことは、広義の平和活動なのかもしれない。実際一理あるかもしれない。国連立場的にそれでええんか?というツッコミは置いておこう。

冗談はさておき芸術家系の受賞者はあまりそういった政治色はなさそうなので、そういった政治性のある賞ではないのだろう。

海外の受賞者にもそういった激烈な党派性は見当たらないので、やはり仲良しグループコネコネしたという方がしっくり来る。

日本語ではこれ以上まともな情報が出てこなかったので英語検索することにした。

幸いなことに日本語wikipediaには "United Nations Peace Medal" という英語表記が載せられている。これで検索すれば国連公式の受賞者リストや受賞基準などが出てくるかもしれない。

そうして一番上に出てきた検索結果は、メルカリだった。

United Nations Peace Medalが大量に出品されている (https://jp.mercari.com/search?keyword=united%20nations%20peace%20medal)。

いやそうはならんやろ。何で急にそうなるんだよ。

もしかして界隈では昔から有名な案件だったりするのか?わけがわからん。急に胡乱な話になってきたな。

商品紹介ページを見ていると「国連本部のビルで売ってた」とか「昔は国連寄付すると記念品としてもらえた」という話が出てきた。なるほどね。なるほどね?

そしてやはり、国連公式説明文書が引っかからない。United Nations Medalについてはヒットするものの、これは国連平和維持活動に参加した軍人警察官に贈られるもの記述があるため、明らかに宗教関係者が授与されるようなものではなさそうだ。

実際日本語版のwikipediaにも「国際連合PKO要員へ授与するUnited Nations Medal(国連メダル)とは別物である。」とある

仕方がないので英語版のwikipediaを読んでみた。

The United Nations Peace Medal is a commemorative medal produced by the United Nations to promote peace. First made by Franklin Mint in 1971,[1] a new design is produced annually, with limited editions offered for sale in gold, silver, and bronze.[2] Gold medals may be formally presented by UN officials as a diplomatic gift to heads of state, former UN Secretaries-General, and dignitaries visiting the UN Headquarters.[3][4]

国連平和メダルは、平和を推進するために国際連合制作した記念メダルです。(中略)。毎年、新しいデザイン制作され、金、銀、銅の限定版が販売されています金メダルは、国連の高官によって国家元首、元国連事務総長国連本部を訪れる要人に対する外交的な贈り物として公式に授与されることがあります

なるほどね。完全に理解した

私は国連平和賞胡散臭い賞ではないかと推測したが、それは誤りだった。そもそもこれは「賞」ではない。何というかその......メダルだ。

この訳は流石にミスリードを狙っているとしか思えない。訳した奴は一生反省し続けてほしい。

国連平和賞(こくれんへいわしょう、英語表記United Nations Peace Medal)とは、国際連合が発行するメダル顕彰ひとつ

この日本語wikipedia記述があまりにも味わい深い。

なるほど、嘘は書いていなかったのだと深く理解できるし、叙述トリックを受けていたかのような感動がある。wikipedia叙述トリックをするなナメてんのか?

流石に爆笑しかけたが、英語版のwikipediaの内容が捏造されている可能性も当然ある。

そもそもこれを外交的な贈り物としていたのなら、国連公式ソースがあってしかるべきだ。しかしそれが見当たらないのはどういうことか。

wikipedia脚注を見ると、公式文書があるようだがリンク切れしている。

幸いなことに国連デジタルライブラリー (https://digitallibrary.un.org/) にあったので見てみると、なるほど確かに一般人にも売っていたらしい (https://digitallibrary.un.org/record/98028?ln=en)。

メダル図柄記載されているほか「国連職員20%割引があるよ!」とか書いていて少し笑える。どうも注文書らしいフォーマットだ。

また公式ではないが1981/10/18に書かれたNew York Times記事 (https://www.nytimes.com/1981/10/18/arts/numismatics-the-value-of-smart-long-term-investments.html) にもメダルについての記載がある。

この記事は「堅実な投資先としてコインって案外良いんじゃね?」という少し頭の悪そうな内容の記事だが、そこでUnited Nations Peace Medalについての記載があった。

1981年国連平和メダルフランクリン造幣局によって製造されている。(中略)。この作品は、クルト・ヴァルトハイム国連事務総長が各国首脳やその他の訪問高官に公式に贈るために鋳造されているほか、コレクター向けに限定販売されている」

ゴールドシルバーバージョンはどちらも直径39ミリで、価格はそれぞれ1200ドルと55ドルである

どうやらそういうことらしい。

また、Encyclopedia of Violence, Peace, and Conflict という書籍のp.799でもその旨の記述がある。

URL: https://books.google.co.jp/books?id=TG2kN033mDkC&lpg=PP1&ots=6bsz6qC8-W&dq=Encyclopedia%20of%20Violence%2C%20Peace%20and%20Conflict%2CAcademic%20Press%2C&lr=lang_ja%7Clang_en&hl=ja&pg=PA799#v=onepage&q&f=false

It is presented to heads of state in the course customary exchanges of gifts, and to those who have served as president of UN General Assembly

「恒例の贈り物交換の際に各国首脳や国連総会議長を務めた人物に贈られる」とある

高官たちの贈答品交換の際に、国連側の贈答品のオプションとしてあるのだろう。つまり寄付の代価ということにもなりうるのか?

しかしそうなると芸術家に対して贈られているのはよく分からない。というのも、このメダルは元々パブロ・カザルスという著名な音楽家に対して贈られたものらしい。

もしかして平和活動を行う芸術家に対しては真面目に選考して授与しており、政治家たちには贈答品として授与しているということだろうか。

ともあれ特段表に出ている授与基準はなく、もっぱら国連事務総長をはじめとする高官がわりとノリで渡せる程度のものであるらしいことは分かった。そもそも同じ物を1200ドルで売っていたのだから......。

結論:

国連平和賞」は賞ではない。普通に買えるし、コネがあると貰える。

国連平和賞マジで実績が必要」は完全な間違いであることが分かった。何故ならそのような賞がないので。

国連平和賞が金で買えると思ってんの?」はジョークとして奇跡的な完成を見せている。United Nations Peace Medalはまさしく金で買えるものだった。インターン生も含めた国連職員にはディスカウントもあるよ!

池田大作国連平和賞をもらえるほどの文化人だった」という主張には一考の余地がある。というのも、United Nations Peace Medalを「もらう」ことは一般人にとって極めて難しい。それを可能にする人脈と知名度、そして最低限与えても問題ないだけの外面が要求されるだろう(A級戦犯被疑者岸信介笹川良一がもらえるんだから大抵の瑕疵は何とかなるのだろうが)。それを満たせるだけの大物という意味では、やはり池田大作はひとかどの人物であったのだろうとは思う。

しかしそれだけで内閣総理大臣名で追悼文を出すレベル文化人だったと言えるだろうか。多分言えないんじゃないかな。

2023-07-04

anond:20230704171203

都市ガスLPG加えて熱量調整とかしてるみたいだし、市販されてるガスは厳密に規格化されてるし、誤検知防止のため区別しても不思議じゃなくね?

2022-04-08

anond:20220408195040

別に日本のガスはサハリンプロジェクトだけに頼ってるわけじゃないし、日本のガス輸入はパイプライン主体じゃなくてLPG船やLNG船なのでカタールオーストラリアアメリカ天然ガス輸入の代替として検討できるから大丈夫だよ

単にサハリンプロジェクトを諦めると投資額を回収できなくなるから投資損失の補填日本国内の天然ガス販売価格転嫁しなきゃいけなくなるので騒がれてるだけ

天然ガスの原価自体ロシア代替国を比較しても大幅に変わるわけじゃない

(追記)

あれ?もしかしてサハリンプロジェクトがあまりにも報道されたから、日本天然ガス輸入の主体はガスパイプラインとかって思い込んじゃっている人が結構居るのかな?

もしくは日本天然ガス輸入元はロシアしかないみたいに思い込んじゃっている人も実は結構多い?

それはちょっと勘違いしてるから天然ガス生産ランキング価格日本天然ガス輸入インフラがどうなってるのか調べて足りない情報を補完したほうが良いと、純粋な思いでオススメしたい

2021-10-01

anond:20210930195307

FCV全然あり得るだろ。理由は以下のとおり。

2021-08-27

anond:20210827090027

あと、トヨタイムスのCMしか見てない浅いオツムで考えただけだが、

水素を直接燃焼させるエンジンは、けっこうイケるんじゃねーかと思う。

これまでも、LNGとかLPGを燃料にした商用車がそこそこ実用になってたワケだし。

2021-08-20

どうも「水素社会」はうまくいかない気がするな

「MIRAIには未来はない」理由を、理系のはてなーにわかるように書く の続きで、バストラックFCV化の可能性について書こうとしたんだけど、そこからだんだん水素社会自体について考え始めてしまったのでダダ漏れで書きます

バストラックFCV化はまだ目があるのか

増田ブコメで「バストラック分野についてはEVよりFCVのほうが優位なのでは?」という指摘を何件かもらった。技術的には概ねその通りだと思う。前増田で挙げたFCVの諸課題は、(2代目MIRAIが実際にそうしたように)車全体のサイズを大きくするほど希釈・軽減されていく性質がある。一方でEVのほうは、車が大型化し、求められる航続距離と出力が大きくなるほど必要電気容量も増え、それに伴ってバッテリセル部の大型化・重量増・充電時間の長時間化という問題が重くのしかかってくる。

からFCV自家用車スケールに展開しようとすると技術的に無理が生じてくるし(たとえば、軽自動車サイズ実用的な航続距離を持つFCVを作るのはあまり現実的でない)、逆にEVを大型商用車スケールに展開しようとすると実用性の面で問題が生じてくる(高価格・高重量で給電にも時間がかかる)。言い換えれば、EVFCVは、その特性が活かせるスイートスポットが違っているEV二輪車自家用車レベルに向いていて、それより上へのスケールアップには課題がある。FCVは大型商用車用途なら一定の強みを発揮できる可能性があるけど、自家用車以下へのスケールダウンには向いていない。だから「乗用/大型商用で線を引いて棲み分けする」という選択肢は確かにありうると思うし、当のトラックメーカー側も、日野いすゞダイムラーボルボあたりは現状はEVFCVの両ベット戦略で進んでて、しかFCVのほうが将来有望だと考えているように見える。

※大型商用車EV化については、バストラックバッテリセル部がモジュール化されて、トラック向けの幹線ガソリンスタンドのような「バッテリ換装ステーション」でメーカーや車種を問わず換装課金される仕組みが整う可能性もあるんだけど(外付け換装型の商用EV自体日本では川崎市のゴミ収集車などで中国では大型トラックで導入されている)、かなり大規模なインフラ変革になるので、バストラック業界全体が早急にこの方向でまとまるとは考えにくい。

一方で、実際に大型商用車EVFCVのどちらに寄っていくかは、単純に技術的・コスト的な優位性だけでなく、社会行政がモビリティの分野で「EVベース電気社会」と「FCVベース水素社会」のどちらがリアル選択肢と考えるかによって大きく左右されるかもしれない。個人的には、大型商用FCV技術的にはEVに対して現状優位にあるけれど、この「社会的なリアリティ」という点から見ると、だんだん厳しいことになっていくような気もする。国と資エネ庁は、モビリティ分野に留まらず我々の社会全体に水素というエネルギー源が浸透する「水素社会」という壮大な絵図を描いて、自家用FCVをその中核的存在位置づけてきたわけだけど、自家用FCVの将来が怪しくなってきた今、「水素社会」というエコシステム全体にも、それが翻って大型商用FCV未来にも、陰が差し始めているんじゃないかと。

水素社会」の夢と現実

資エネ庁の水素社会の見取図には、実現しつつある「水素社会」の具体例として、

エネファーム

業務産業燃料電池

水素ガスタービン

水素発電実証設備

燃料電池自家用FCVフォークリフトバストラック

が掲げられている。このうち①②は、ガス網を経由して送られた天然ガスを改質して水素を作り、さらにそこから電力と熱を取り出す技術だ。この反応過程水素が介在していることで、「水素社会」の尖兵みたいな扱われ方をしてるけど、改質段階で結局CO2排出してるので、実は全然カーボンニュートラルではない。天然ガスの持つ反応ポテンシャルを余すことなく高効率に使ってるだけ。

③④は、水素を何らかのインフラ経由で地上の固定設備輸送し、そこで電気を取り出す技術だ。カーボンニュートラル水素には、主に「グリーン水素」(再エネの電気で水を電気分解して作る水素)と「ブルー水素」(天然ガスなどを改質して水素を取り出し、同時に発生するCO2はCCSで地下や海底に圧入貯留する方法生産される水素)の2種類があるけど、グリーン水素で③④をやるのは「電気製造した水素物理的に運んで、その先で水素を使ってまた電気(と熱)を作ること」に等しい。そんなエネルギーロスを繰り返すぐらいなら最初から送電網で送った電気を使えばいいわけで、基本的に③④はブルー水素しかやる意味がない。

ところが日本政府が「水素社会」実現時期のベンチマークとしている2050年にはブルー水素はグリーン水素よりコスト高になるとの予想も、いや2030年にはそうなるという予想もある。そうなった時点で、③④は「電気より割高なエネルギー源」を使って電気を作る、社会的に無意味アプリケーションになってしまう。

そう考えると、実は「水素社会」のビジョンって、石油・ガスなどの化石燃料エネルギー関連産業と、その産業に紐づく重電企業商社・省庁が、既存資源技術インフラを使い廻しつつ「我々もカーボンニュートラルできます! やります!」つって延命するために目いっぱい膨らませてみた風船なんじゃないか、という気がしてきた。

エネルギー企業はこれまで通りLNG石油を掘り、それを改質し、ブルー水素を取り出し、CCSでCO2を地中に送り込む。商社既存エネルギーと同じようにそのブルー水素を輸入する。重電企業既存LNG火発のガスタービン技術を使って、ブルー水素で発電する。ガス会社既存都市ガス網やプロパンガス供給網への水素混入度を高め、情勢を見つつ緩やかに水素ガス供給網に転換していく。こういう、既存産業構造がそっくりそのまま生き残れる「ありき」の姿から逆算して「水素社会」のビジョンが立ち上げられ、そこに①②③④が繰り込まれてるんじゃなかろうか、と思ってしまった。

このパンパンに膨らんだビジョンを針でつつくと、「水素社会」の絵図の中には⑤の燃料電池自家用FCVフォークリフトバストラックけが残る。確かに設備送電網を結線して、そのまま電気を利用する」ことができない分野=非結線のモビリティ自動車気動車船舶航空機など)なら、エネルギーを一旦「水素」という物体に変えて持ち運ぶ必然性が出てくるし、コストや容量の面でも「送電から無際限に送られる電力」ではなく「有限のバッテリに蓄電される電力」と競うことになり、水素陣営から見た競争条件はだいぶマシになる。でも前増田でも書いた通り、そのモビリティ市場の核となるはずだった自家用FCVは、技術的にだんだん死に筋に入りつつある。

…と考えているうちに、自分は大型商用FCVの将来にもそれほど明るい見通しが持てなくなってきた。「水素社会」の現実的な利用分野が大型商用FCVぐらいしかないとしたら、我々の社会はそれでも「水素社会路線を推進するんだろうか。そのときFCV向けの高純度水素現実的価格流通するんだろうか。もしかしたら大型商用FCVEVに対する技術的優位性を発揮して、LPGCNGバス/トラック/タクシーみたいに(一般人には馴染みが薄いけど、社会を支える縁の下の力持ち的な存在として)地道に普及していくのかもしれない。あるいは、この分野のためだけに「水素インフラ」を全国的に整備するコスト社会負担できず、大型商用車分野でもバッテリ換装や超急速充電などを駆使してEV化が進んでいくのかもしれない。どっちにしても、いま官民が推し進めている「水素社会」の壮大なビジョンとはだいぶかけ離れた、なんだかシケた未来像が思い浮かんでしまった。

モビリティ分野の他に、「水素社会」の普及・浸透が見込めるような「これだ!」って新分野はあるんですかね〜。水素焼肉? 速い水素乾太くん?

2021-07-31

anond:20210731230927

LPGガスタービンとかだって、ガスを普通に燃やしてるわけで爆発させてるわけじゃない。

なんで、ゆっくり燃やせば何年も燃える燃料を爆発させて全部吹っ飛ばす必要があるのか?あほなんちゃうん?

2021-07-22

五輪自転車コースアスファルトぶちまけの背景を説明したい

府中市内の五輪自転車コースアスファルトが撒かれていた廉で会社員逮捕された件で、報道警察発表の素通しな為にミスリードされてる人が多いので説明したい。

報道はこれ

https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20210722/1000067668.html

ブクマ

https://b.hatena.ne.jp/entry/s/www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20210722/1000067668.html

 

合材のこと

アスファルト舗装の為の建材の事を合材と呼ぶ。小石や砂とアスファルトを混ぜたもんである石油精製塔で軽い方からLPGガソリン灯油と抜いていって一番下に残ったのがドロドロのアスファルトだ。

冬にはカチカチだが真夏にはぐにゃぐにゃする、それ位のちょう度を持っている。屋根の防水には素のアスファルトを使うが、道路舗装には砂と砕石を混ぜたものを使う。これが合材。

 

合材をそのまま撒いてロードローラーで固めても一応の舗装にはなるが非常に脆く直ぐにボロボロと崩れてきてしまう。だから舗装に使う合材は150度位のアチアチな状態にして現場に持って行く。

砂や砕石などの土木用資材を扱う卸業者砂場と呼ぶが、アスファルトはこの加熱の要があるので専門の業者の扱いになる。砂場結構あちこちにあるが、アスファルト屋は数が少ない。

工事の流れ

 

道路工事の流れはざっとこんな感じになる

  1. 午後8~9時に現地集合、工事開始
  2. バリケード工事帯を作る
  3. ユンボで掘る
  4. 埋設物の交換など、工事目的作業
  5. 埋め戻し このあたりでダンプで合材を取りに行くか電話して合材班に指示
  6. 合材到着 ロードローラーで転圧
  7. 午前6時までに作業終了

 

合材は冷めたらいけないので直前まで取りに行けない。また持ってくるときカバーをかけて冷めないようにする(量が多い場合は表面積/体積比が大きくなり冷めにくいので省略することもある。)

工事が終わらず通勤時間にずれ込むと渋滞の原因になり、工事許可を出す警察署に怒られるので前倒しの計画にする。つまり工事自体は3時とか5時に終わって合材待ちの状態にすることが多い。

 

この事件場合、合材の散乱が見つかったのが明け方なのでばら撒きはその直前のやはり明け方だろう。

するとこれは通常の工事で合材を持ってくる時間である。なので意図的に撒いたとする可能性は低くなる。

合材の種類

日本生活していて雨の日に車が跳ねた水被ったという経験がある人は居ないのではないか?少なくとも20年前からは無いと思われる。

また真夏の日にアスファルトがドロドロに溶けてしまったり、バス停停車場所に出来た轍からバスが抜けられずに四苦八苦した事も見た事がないだろう。

雨の夜の運転で路面が光ってどこが車線だか全くわからんっていう経験も。

 

これは90年代の中ごろに合材の技術革新があり、浸透性舗装というのが開発され日本ではそれの採用例が増えてきた為なのである

これを開発したのはアメリカ会社で水はけを良くするのが主目的だが多くの利点がついてきた、かなり画期的ものなのである。利点はこういう感じ。

  

路面に水が溜まらないので水撥ねもしない。雨が降ると従来型舗装では路面に水膜が張られ、それが対向車線ヘッドライトを反射するので車線がどうなっているのか判らず雨の夜の運転危険だった。その危険も無くなった。

従来型舗装の上を車が走るとタイヤの水捌けの為の溝によりゴムの角が打ち付けられるのでゴーーというロードノイズが発生する。浸透性舗装では路面が穴だらけなのでそこに音が吸収され渋滞型と比べると無音に近いと言っていいほど静かだ。録音スタジオなどの吸音ボード構造が似ているからだね。

従来型舗装が熱せられるとアスファルトのちょう度が下がり、砕石から遊離して表面の方に寄ってくる。この為酷暑では路面表面がドロドロ化するのが常態化しそこに重量のある車が止まると凹んでしまう。特に停止線前での轍が酷くバイク事故の原因になっていたりした。バス停では毎度同じ場所バス車輪が止まるので4か所が凹んでしまい、出発時にバスがそこから抜け出すのにシーソーのように何度も車体を揺するユーモラスな光景が良く見られた。浸透性舗装技術評価では従来型に轍掘れ耐性は劣るとされているが、実際は酷暑アスファルト緩みに起因する事が多いので段違いに浸透性の方が良い。

夏の日光も乱反射するから照り返しが穏やかだ。しかも路面の下の水分が蒸発する時の気化熱で路面温度も下がる。

摩擦表面はつるっぺたの方が表面積が高くてブレーキ理論的には良く効くのだが、実際はほこりや水など不安定要素が多く、浸透性舗装のように引っかかる角が連続するような構造の方が安定して制動力が得られる。

 

いい事ばかりだが欠点もあって

 

普通の合材はアスファルトと砂、砕石を混ぜただけだが、それでは浸透性のような雷おこし構造にならない。

そこでポリマーに水と乳化剤を吸わせ、それをアスファルトに混ぜて砕石にまぶすという方法で雷おこし構造を実現している。石同士が柔軟性のあるアスファルトで接着されているが、石同士が噛み合っているので転圧されても潰れないって状態だ。美味しんぼの銀五郎もこの構造真似すれば良かったね。

こんな特殊構造なのでかなり高額な上にホムセンなどには卸されていない。専門の卸業者からトン単位で買わなきゃならない。

道路は上から見るとアスファルト舗装しか見えないがその下には必ず50cm位の砕石層を入れなきゃならない。

一番下は砂でそれを転圧、その上に砕石を50cm入れて転圧、最後に合材を撒いて転圧だ。浸透性舗装では水が路面の下にじゃんじゃん行くので特にこの辺りをしっかりやっておかないと砂が流れて陥没してしまう。この辺もコスト高の原因だ。

この辺の構造知ってたらこういうニュース 

https://www.asahi.com/articles/ASP7M6FXVP7MUTIL04W.html

見ると「豊島区区道路整備課アホやろ」と思ってしまう。路面の下の砂が流れちゃってるのが原因なのだよ。それが路面下の施工不良のせいなのか水道管破損のせいなのかが問題朝日記者も突っ込めよ。

 

この合材を使ってるのは日本の他限られた国だけだから外国に行った時には雨での路面水撥ねやスリップ、路面光りなんかは解消されていない事もあり注意が必要だ。雨の夜に特段の注意をしなくて済むのは日本他その合材採用した国だけなのだ

NHKさんさぁ

合材の技術革新すげぇんよって事言いたくて長くなってしまったがNHKのこの映像最後のシーンを見て欲しい。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210722/k10013153791000.html

落ちてる粒と歩道舗装の粒が同じじゃないか歩道舗装は浸透性だ。対比として従来型舗装がこれだ。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%B9%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%AB%E3%83%88#/media/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Asphalt.jpg

故に撒かれた合材も浸透性合材である。浸透性合材はホムセンとかじゃ買えずに専門卸でホカホカのを買うしかいか五輪嫌がらせの為に撒いたという可能性は低くなる。

しか道路工事で合材取りに行く時間だ。これは工事業者が誤って落としたのではないかという気しかしない。

ダンプ普通トラックと違い後ろアオリが上ヒンジになっていて、下側にロックがある。そのロックをし忘れると下側からザラザラーと流れ落ちてしまう。それで落としたんじゃないか

逮捕はやり過ぎじゃね

まず逮捕するには居場所不定で逃亡や証拠隠滅の恐れがある時(罪状が重い場合も逃げる動機が大きくなるので加重評価される)に限られる。合材を道路に落とすと言うのはかなりの迷惑行為なのだが、それにしたって逮捕はないだろう。

植物油に「コレステロール0」表記みたいな報道

この報道は「間違っている事を書いていないがミスリード」の典型だ。「アスファルトの粒が」となったら浸透性舗装合材だしそれは普通の人は買えない。そこは説明しないと視聴者の多数は判らない。未明に通行となったら道路工事で合材を取りに行く時間と重なる。これも説明なくば視聴者多数は判らない。

そこで「会社員が」と言われれば昼はスーツ着て働くリーマンが夜に撒いたってイメージになる。土木会社作業員や運転だって会社員から間違ってはいないが視聴者認識は間違いだ。

因みに植物油には植物性レストロールが含まれるがこれは体内に吸収されずに排出されるのでコレストロール0と表記しても間違いではない。しかし全ての植物油はその故にコレストロール0なのでその表示を見て買う顧客優良誤認している。

 

「間違っていないかミスリード起きててもヨシ!」みたいな報道は止めて欲しいもんである。それはまるで浸透性報道といった趣だ。浸透性舗装は優れているが浸透性報道は劣後なものだ。

 

最後トリビアだが、昔のミシン機械などは真っ黒の艶てか処理がされていたがこれにはアスファルトが使われていて「ジャパン/ジャパニング」と呼ばれていた。

チャイナ陶器ジャパン漆器だったのでその延長で言われたのだが、アスファルト日本は切っても切れない縁なのであった。そんな日本で足元のアスファルト技術革新が起きてるのに気が付かないのはよろしくない。

2021-06-04

anond:20210604125009

というか、友人の居る自動車メーカ落ち目なだけだろ。

友人の勤め先ホンダとかだろ。

何もできてないのに、エンジン止めてEVしますとか言ってる。

トヨタアライアンストヨタダイハツスバルマツダ)系はトヨタEVへの対応盤石だからなんとかなるし、

日産(と三菱)もなんだかんだで元祖量産価格EVだけあってもうすぐ新型SUV EV出す。三菱PHEVは得意だしな。

そう考えると、一人負けしそうなのってエンジン()ホンダwだけなんだよな。

スズキは軽だけだからトヨタに助けて貰うとかなんとかしてもらって、あと商用車系がどこまで電動化できるかは水素LPG次第かね。

2020-02-11

anond:20200210183214

FCEV(燃料電池) vs BEV(電気自動車)について返答してみる。FCEV水素をいれるよりも、BEVを充電した方が効率が良いという話です。

水素を作る際に投入する電力のうち、数割は熱に変わってしまう。この点をBEV比較しようと思う。Well-to-Wheelではなく「Grid-to-Wheel」で見た場合となっている。

燃料電池車(FCEV)の効率

製造

水素製造する際には電気分解が主流だ。(石油からの生成もあるが、今回は電気分解とさせていただく)

なお電気分解の際は、送電グリッド交流)での変換とすると、まず交流直流に変換する必要がある。この効率92%とする。

92%】

電気分解法としてPEMを考えると、効率が80%であるから、この時点で:

92% * 80% = 74%】

となる。

充填(貯蔵)

燃料が問題なのは、「物質であるために、「貯蔵」と「輸送」が必要になる点だ。

貯蔵に関して言えば、(水素密度が低いので)貯蔵する際に液化または高圧にする必要があり、必ずエネルギーを消費する。

輸送に関して言えば、重さのある物体を動かすわけなので、必ずエネルギーを消費する。

ここで、燃料を貯蔵する際に使うエネルギー効率を見てみると:

まり貯蔵方法として圧縮する場合、今までの効率を掛け合わせると

92% * 80% * 87% = 64%】

となった。タンクに充填する段階までで、投入電力の36%は熱として失われる。

使用

さて、ここまで製造した水素水素タンクに充填した。次はその水素使用するわけだが、ここでもロスが生じる。

燃料電池に貯蔵されたエネルギー直流で取り出される。この効率を95%とする。また、取り出した電流ACに変換する必要がある。例えばMiraiのモーターは交流同期モーターで、DCからACへの変換効率を90%とすると、

92%(ACDC) * 80%(PEM) * 87%(充填) * 95%(FCスタック効率) * 90%(DCAC) = 55%】

となる。

電気自動車(BEV)の効率

バッテリへ充電する際、ACDC変換の効率92%、充電の効率を80-90%、インバータDCACの変換効率を96%とすると

92%(ACDC) * 80-90%(充放電) * 96%(DCAC) = 70-79%】

となる。

すなわち、同じ電力を投入する仮定のもとでは、電気自動車を充電した方が効率が高い。燃料電池車は、「水素製造」〜「燃料電池からの電力を取り出すまで」の間に、投入した電力のうちの45%の熱を出すわけだ。

数字をよくみると、問題なのは PEM電気分解 と 充填 の効率だ。ここが余分に入っているせいでFCEV効率が悪くなっている。これらを再生エネルギーでやればいいのでは?と思うかもしれないが、そういう話ではなく、その再生エネルギーをBEVの充電に使った方が効率が高いよね、という話なのだ

電気分解をしない場合FCEV効率

電気分解をしないケース(石油精製時利用する水素を使うケース)で見ると、

87%(充填) * 95%(FCスタック効率) * 90%(DCAC) = 74%】

となり、まぁ悪くないような感じになる。ただ、このケースではCO2を出している。

水素輸送ロス (anond:20200210183214)

水素燃料の輸送ロスについて」への返答としては、「場合によるが(余り物の水素を使うなら効率が高い)、BEVよりも劣る」だろう。

輸送の際の話は答えていないので答えると、液体水素輸送する場合ボイルオフ(気化していく)によりロスが生じる。圧縮する時にはエネルギーを投入する必要がある。パイプラインを引けばロスはない。

燃料電池寿命

燃料電池スタックにも寿命がある。BEVとの比較データがないので難しいが、ここはおあいこのようだ。

水素貯蔵の安全性について (anond:20200210183214)

Miraiとかはかなり頑丈なプリプレグでタンクを作っており安全性は高い。

リチウムイオン危険性も確かにあるが、今は切ったり突き刺したりしても燃えないように作られている。

安全性を語る時はケース(事故)を色々考えないといけないので論ずるのは難しいが、一般論で言えばどれも極端なケースを除けば安全に作られていることは確かだ。

ガソリンは使い方を間違えれば兵器にもなるわけだし、あれほど危険ものをある程度安全に使えているので、安全性に関しては規制でなんとかなるという見解だ。

蓄電はどうするのか (anond:20200210183214)

EVに蓄電するケースは自然エネルギーとの付き合い方では最も最適だ。EVバッファとして使う。その際にパワーグリッドの需給状況に応じて充電電流などを変える必要があるだろうが、CHAdeMOはすでに遠隔監視のために携帯電話網に接続されたものもあることから、あとは制度次第で可能だろう。

水素で蓄電することももちろんできて、各水素ステーションの改質のタイミングを電力のオフピークに行えば良い。ただ書いたように、同じ電力を使うならEVに充電した方が効率は高い。

水素社会 (anond:20200210183214)

LPG車が細々と残り続けていることからも、こういう形で燃料電池車が使われるのではという確証の無い予想をしている。

現在リチウムイオン電池エネルギー密度が低く、例えばトラックなどがEV化した場合、目指す航続距離にもよるが、トラック自重の半分とかが電池の重さになるだろう。大型トラックでも25tまでしか許されないので、電池ばかりを積むこともできない。航続距離が欲しいなら積載量を削ることになり、積載量を増やしたいなら航続距離を減らすことになる。

リチウムイオン電池ブレークスルーがなければ、燃料電池車もある程度日の目を見るだろう。

ただ、トラックバスEVFCEVにするのはあまりにもコストがかかるわけで、もうしばらくはハイブリッドのままなのでは無いだろうか。

技術はどうなるのか誰にも予測できないので、確証はないけれども。

2020-02-10

anond:20200209170643

ICE効率の点ではEVに遥かに及ばないよ。印象だけでは語るとデマになるので、少し計算した方が良い。

エンジン (ICE: internal combustion engine) 効率

追記: 過小評価していたので熱効率を上げました)

原油⇒精製(90%)⇒輸送(98%)⇒エンジン(30-40%)⇒変速機(80-90%)

=20%-35%程度

効率向上の限界

一番の問題は、熱機関は最良でもカルノーサイクルの壁を超えられないこと。つまり入力と出力の温度差による限界が来るわけ。

エンジンの素材は金属なので、良くても数百度かにしかできないわけで、予算度外視でどんなに効率をよくしても量産車で60%に至ることはありえない。

エンジンアルミか鉄なわけで、そこまで高温にできない。それで30-40%止まりと言うわけ。最近50%近いエンジンができたーとか言うニュースもあるが、もう熱力学上、天井は見え始めている。これは物理学なので、どうしようもならない。

(ちなみに、燃焼温度を上げると今度はNOxなどの問題顕在化してくる。そのため、むしろEGRなどにより温度を下げるのがトレンドエンジン開発はいろいろなトレードオフなのだ。)

ディーゼルエンジン効率比較的高く、CO2排出ガソリンエンジンよりも少ないとされるが、NOx/PMなどの排出が多い問題がある。NOxについてはマツダが頑張って尿素SCRなしのエンジン作ったけど、結局、PMについては、DPFを用いて微粒子を捕獲している。そのDPFの煤焼き運転必要だったりするので、その分の燃料は無駄になるわけだよね。

で、エンジン車の問題として、トルクバンドが上のほうにあるので、クラッチトルクコンバーター等と変速機が必ず必要となる。その際にロスが出てしまう。AT/MT/DCTは段数が少ないとパワーバンドを生かしきれない。段数が多いと重い。CVT滑るし、CVTルードは温まるまで粘度が高くてロスになる(ダイハツCVTサーモコントローラーとかで頑張ってるけど)。

エンジン効率への批判について

エンジンの熱効率50%に達したという記事JSTの「革新的燃焼技術」)で反論する方がいらっしゃるが、そのエンジン実験室の563cc単気筒エンジンだ。もちろん単気筒なんて自動車では振動などで使い物にならないから、最低でも3気筒からとなる。そうしたときに、気筒が増えて動弁系などのフリクションの発生によって効率は下がるはずなので、そのまま量産車に適用することは難しい。実用車では気筒数増加による動弁系の負荷、オルタネーターなど補機系の負荷などもかかってくることも頭に入れておきたい。

日産が45%のエンジンを開発しているとの記事もあるが、これはe-Powerの「発電専用」エンジンだ。ハイブリッドなので、こういう芸当が可能だ。

45%からは数%上げるだけでも相当血のにじみ出るような開発の労力がいるだろう。

燃焼温度についての批判

燃焼温度アルミや鋳鉄の融点よりも遥かに高いと言う指摘があった。その通りです。

しかし、熱力学説明たかっただけで、例えば入口・出口の温度差を数万度にしたならば、熱効率はかなりのものとなるが、そんなものは物性的不可能ということを示したかった。

なので、燃焼温度は限られるという意味

BEV (Battery EV) 効率

原油火力発電(超臨界発電) 50-60%⇒送電 (95%) ⇒バッテリへ充電(90%)⇒変換(96%)⇒モーター(95%)

=39-45%

効率アップの方法

PHEV, BEV場合、上に示したうちで一番効率の悪い「火力発電」の部分を再生エネルギーや水力に転嫁することで、CO2削減を目指せる。もちろん、原発にしてもCO2は減らせる。

なお日本火力発電所のSOx/NOx排出海外に比べてもとても少なく、優秀である

発電所の部分では、現状でも50-60%の効率は稼げる。なぜ熱機関なのにここまで効率が出せるかと言うと、巨大なプラントで高温に耐えるコストの高いタービンを回してるから

それによって熱機関効率が高められるから。車のエンジンは小さくてスケールメリットが働かないよね。でも発電所レベルなら巨大で、コストも充分かけられるのでこう言う芸当ができる。

で、電気輸送に関しては送電線なので一度つなげたらしばらくはCO2を出さない。送電効率も超高圧送電(100万ボルト以上)によって高まっている。

また、インバーターとかモーターに電気を流す部分はパワーデバイス(GaN等)の発展によってどんどん効率が上がっている。

なお、モーターのトルク特性としてエンジン車のように変速不要のため、クラッチトルコン変速機などによるロスはない。将来、インホイールモーターが実用化されれば、モーター→タイヤへの伝達効率さらに上昇する。

回生

ちなみに、xEV回生充電もできるために、ブレーキ時に運動エネルギーICEほど熱に変わらない。

(一方ICEエンジンブレーキを使ったとしてもエネルギーに変えているわけではないので(多少オルタネータの充電制御は入るが)、ブレーキ時には運動エネルギーを熱にしてしまう。せっかく石油を燃やして運動エネルギーを得たのに、そのエネルギーを回収しないで熱に変えるわけ。)

まあxEV回生できるとはいえ回生時にパワーデバイスとかの充電ロスがあるから、実はコースティング回生も何もしない)で空走した方が距離を稼げる。なので、前の信号が赤にかわったときEVに関していえば、ブレーキも何も踏まないで空走状態を維持し、空気抵抗だけで0kmにするのが一番効率が高い。まあ、そんなことしていたらノロノロすぎてウザがられるので、妥協点として回生ブレーキを使ってちょっとはロスするけど、エネルギーを回収しながら止まるってことだね。

ICEだと、エンジンブレーキ積極的に使って、ブレーキを踏まない運転を心がければ良い。やってはいけないのは、Nに入れて空走すること。Nに入れるとエンジンアイドリングを維持するために燃料を消費する。ギアを入れたままエンジンブレーキをかけると、その間は燃料噴射をやめても回転が維持できるので、エンジンは燃料噴射をやめて、実質消費はゼロとなる。)

BEV製造時の負荷は?

製造CO2

バッテリーの製造時の負荷は確かに高い。しかし、製造には電気を使っているので、電力構成によりCO2排出は変わる。つまりグリーンエネルギーを使えば問題なくCO2を減らせると言うこと。

なお id:poko_penマツダのWell-to-Wheel理論を持ち出しているが、あれば古い時代バッテリ製造時のCO2データを使っていて、CO2排出過大評価している。最近テスラLi-ion電池工場では、再エネを利用して製造しているのでCO2は少なくできる。こうした、製造時のCO2排出問題工場や電源構成アップデートしていけば減らせる問題だ。

マツダはBEVよりもICE派で、SPCCI(圧縮着火)とかで頑張ってるからバイアスがかかってるのは仕方ないと思うね。私は内燃機関デザイン周りで頑張るマツダは大好きだけど、SKYACTIV-Xが思ったよりも微妙だったから株売っちゃったわ。)

リチウム採掘

Li-ion電池10%含まれリチウムは、採掘時に水を大量に使ったりする問題はある。ただ、これは「製造時」に限った話であり、内燃機関を使うたび、原油のために油田をあちこち掘り返したり、オイルタンカー座礁して原油を撒き散らしたりするのに比べれば遥かにマシというものだろう。

あと、専門外だけど、海水から抽出する技術研究中とか。

コバルト貴金属

xEVには必要となる貴金属類には依然として供給リスクとか採掘時の「児童労働」とかの問題を孕んでいる。ここら辺は全世界的に解決するしかなさそう。需要が増えれば、世界の目がこう言う問題に向くはずなので、我々技術者はそれを期待するしかない。

地域によるCO2排出量の差

例えば沖縄石炭火力の比率が高いため、EV効率を持ってしてもCO2排出HVとかより高くなる。しかし、それ以外の都道府県ではICEよりBEVの方がCO2が低い。原発が動いていない現時点でもね。

その他xEVとBEVとの比較

HV, PHEV

PHEVはもちろんICEより遥かにCO2を出さないが、BEVには勝てない。ただ、電力構成によっては逆転もありうるが、ほとんどの都道府県ではBEVの方がCO2を出さない。

燃料電池車 (FCEV)

(追記: anond:20200211034316 に FCEV vs BEV効率比較を書いた)

燃料電池車に関していえば、無用の長物と言える。水素製造する場合にも電力が必要だが、まあこれを再エネで行ったとしても、水素輸送タンクに注入する際の水素圧縮時のロスは非常に大きい。その圧縮の際に再エネを使ったとしても、結局そのエネルギーでBEVを充電した方が効率がいいのだ。

そもそもBEVならば、送電線さえあればいいわけで、わざわざ水素のように輸送する必要がない。

また燃料電池化学反応なので、アクセルレスポンスが遅いと言う欠点があり、反応のラグを補うために燃料電池車には結局バッテリーが積まれている。

ただ、航続距離は長いために、俺は現代におけるタクシーとかのLPG車みたいに細々と残るとは思う。航続距離重要トラックバスタクシーなどには燃料電池が使われるかもしれない。

効率以外にも、めんどくさい高圧タンクの法定点検とか、割と問題は多い。水素ステーションは可燃性の水素を貯蔵するわけだからEV充電スタンドよりも法的なめんどくささがあるのも確か。

水素ロータリー

これは燃料電池車より論外。カルノーサイクルに縛られてしまうので、電気分解よりも効率が悪くなる。水素の使い方としては燃料電池よりも悪い。

PHEV, BEVと再エネ

再エネは不安定と言われる。確かに自然相手なので、予測も難しい。しかし将来的にEVが普及すれば、EVバッファとして利用することで、不安定さを吸収しグリッドを安定させられる。

これは再エネを導入する動機にもなる。職場に着いたらEVCHAdeMOを挿しておいて、電力の需給バランスに応じて充電開始、とかが普通になるかもね。

気候

寒さ

BEVは寒さに弱い。リチウムイオン電池特性上、寒くなると容量が可逆的ではあるが減る。そのためテスラにはバッテリーヒーターが搭載されている。(ちなみに、寒いノルウェーでもテスラが爆売れしているし、なんと新車の半分くらいの売り上げがBEVという。もはや寒さは問題ではないのかも?(まぁ優遇政策があるからだけどね))

FCEV寒いと反応が弱まって出力が減るので、そこらへんは考慮されている。

一方ICEも、冬になると燃費悪化するとされる。US DoEによると、理由は、オイルの粘度低下、温度上昇までの暖機、ガソリンの配合が夏と違う(日本でも同じかは謎)など。他には空気密度によるエアロダイナミクス悪化とかがあるがこれはEVでも同じだ。オイルなどが原因となって燃費悪化するのはICE特有だろう。

暑さ

BEVはまた暑さにも弱い。Li-ionは熱によって不可逆的なダメージを受けて、寿命が縮む。そのためテスラにはエアコンを利用する水冷バッテリクーラーが搭載されている。リーフは空冷で、これが問題だったのか、劣化問題でざわついていたリーフオーナーも多かった。今は改善されているらしい。

用語

ソース

URLを多く貼るとスパム認定されるから貼れないけど、US DoEとかCARB、日本だと日本自動車研究所あたりの公開資料を見ればソースに当たれる。

一つだけ、EV vs ICE効率について、13分程度で詳説してある動画URLを貼っておく。英語字幕もないが、割と平易なので、見てみてほしい。論文ソース動画の中でよく書かれている。

製造時の負荷」「化石燃料の発電でEVを使うのは利点あるのか?」「リチウム採掘の負荷」の3つで説明されている。簡単に箇条書きにすると:

https://www.youtube.com/watch?v=6RhtiPefVzM

おまけ&追記

マツダLCAについて

前述のようにマツダEVと自社のICEについて、Well-to-Wheelでライフサイクルアセスメント比較している。その比較におけるLi-ion製造時のCO2排出量のデータだが、2010年〜2013年のデータとなっており古い。しかも、Li-ion製造時のCO2排出量は研究によってばらつきが大きく、いろいろな見方があり正確性があまりないのが現状。また現状を反映していないと考えられる。例えばテスラギガファクトリー」のように太陽電池をのせた自社工場場合などについては考慮されていないのが問題だ(写真を見ると良い、広大な敷地ほとんど太陽光で埋まっている)。

また、マツダ研究バッテリ寿命を短く見積りすぎている点で、EVライフサイクルコストが大きく見える原因となっている。テスラのようにバッテリマネジメントシステムBMS)がしっかりとしたEV寿命が長く、またLi-ionの発展によって将来は寿命を伸ばすことは可能だろう。事実、今まで電極や電解質改善によってサイクル寿命は伸びてきた。

テスラは現時点で最も売れているわけだし、このことを考慮しないのは少々ズルいと言える。

なぜ水素エンジン効率が悪いか ( id:greenT )

"Why Hydrogen Engines Are A Bad Idea" でYouTube検索したらわかりやすいが、噛み砕くと

あと補足すると「エンジン」は爆発によるエネルギーを使っているが、全てを使い切れていないこと。十分に長いシリンダーを使って、大気圧まで膨張させるならエネルギーをかなり取り出せるが、そんなもの実用存在できないので、爆発の「圧力」を内包したまま、排気バルブを開けることになる。この圧力ターボチャージャーで利用することも可能ではあるが、全て使い切れるわけではない。

あーでも、水素エンジンメリットが1つあった。燃料電池(PEFC)は白金必要とするため Permalink | 記事への反応(16) | 01:34

2019-11-27

タクシー車椅子乗車拒否の件、何故タクシーの怠慢は擁護される?

ブコメへの追記:歩合制で労働環境が悪いから、法律違反をしても仕方が無い、とかって、ちゃんとやってる運転手迷惑からやめてよ。何事も、違法行為基準にするのは間違っているよ。

義務個人企業も同時に規制を受けるのだから、分ける意味も無いよ。意味もないから、ここで個人けが問題だ、会社けが問題だ、と分けた覚えは無い。書いてないことを勝手に読みとらないでくれ。もしそう誤解したとしても、それは間違いだと明確に書いておく。

そして、なすりつけ合っていても被害を被るのは利用者社会(これは優遇措置Uberなどが参入出来ない事による損害を含む)、そしてまともにやっている同業者なので、いわゆる「かわいそうランキング」で対処は間違っていると思う。

追記その2:

トヨタは改良前に売られたJPN TAXIについても、ほぼ同等になるように無料で部品を配っているそうなので、今走っているJPN TAXIは、性能的には概ね3分から4分程度でできるようになっているはずです。

追記3:

朝日新聞報道や、通達みても分かるとおり、悪質なケースについては行政指導対象になると明記されており、すでに飴と鞭の鞭の方のインセンティブはあります

行政指導対象になると、名前公表されて、公的な所の仕事を失う事もあるので。

で、飴の方ですが、これは下でも書いてます公共機関としての優遇措置と、導入補助金でもう前払い済みです。

これ以上だと「違法行為をしている奴らが金を得る」という事になって、遵法に行っている大多数の人(今回のアンケートは3割弱が乗車拒否を"経験"と言う話なので実際には遵法にやっている人がほとんど)に比べて全く不公平で、まさにごね得状態になってしまますよ。

以下本文

このネタだけど

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191127/k10012192321000.html
https://www.asahi.com/articles/ASMCW3T3WMCWUTIL01G.html

いろいろとよく問題理解されていない方が多いで書いておく
できたらこれを機会に、皆さんも公共交通交通バリアフリーというものをもうちょっと考えてみてほしい。

三行で言うと

本文

今回の件の反応を見ていると、誤解は二つあって

  1. タクシー運転手義務がないことをやらされてかわいそう。追加料金を払うべきである
  2. JPN TAXIが使いづらいのが悪い

と言うことで、それぞれ見ていく

タクシー運転手義務がないことをやらされてかわいそう。追加料金を払うべきである について

前提条件として、以下を抑えてないとこういう議論になりがちなんだけど

ということで、車椅子を乗せられるタクシーに乗っている運転手が、車椅子理由乗車拒否するのは全に義務果たしてないことになる。違法なのだ

一方で、タクシーに対する話は義務だけではない。たとえば通常は認められないカルテル価格規制、参入規制などが許されていて、簡単に言えばこれがあるからUberなどは簡単に参入できないようになっている。
また公共交通定義されているため、何か問題があったときには公共団体がケツを持つ事も可能になっていたり、交通関係で調整が発生した時に考慮されるようになっていたり、地方部では自治体補助金をだす根拠法になっていたり、と、かなりの優遇措置がある。

ここで「追加料金は払うべきではないか」という議論は残るんだが、例えば、障害者電車に乗るとき、あるいはベビーカー電車に乗るとき特別割増料金を取ったりしたら、おそらく批判殺到すると思う。実はタクシーも同じ構造なのだ。それを考慮して運賃がほぼ認可制になっているので、全体を上げろと言うことなのだ。そして、今の価格で遵法にやっている所があるのだから、やってないところのいいわけにはならない。

にもかかわらず、何故かタクシーけが特別擁護されているのはちょっと微妙だ。
先に挙げた文書にも以下の様に記載されている。

タクシー適活法第五条ではタクシー事業者団体の責務として「地域公共交通として重要役割を担っていることを自覚」することを示しているが,実際に各事業者自身がその自覚を持っていることは必ずしも保証されない.この点については調査を行わないと断定できないが,バス鉄道事業者との決定的な差と考えられる.

今回の問題の最大の問題点はここで、お前ら、法律保護されてるんだからきちんと自覚もって義務を果たせと言う話に尽きる。
また、この構造で、インセンティブ必要だ、と言う話になると、義務を果たさずに違法な事をやっている連中に金を配れ、と言う事になってしまって、既に大多数が遵法でやっている中では非常に問題が大きい。

JPN TAXIが使いづらいのが悪い について

かに当初出たときは酷かったのだが、現在時間とすると5分程度で展開ができる。
なんか見ている人は「複雑すぎて無理」と感じているようだけど、実際、普段普通の車として使え、乗せるときだけ座席を折りたためるタイプの車と比較するとそれほど手順は複雑というわけではない。と言うか、そう言う事を言っている人、実際に操作したこと無いんじゃないかな。それか比較対象座席折りたたみ型じゃなくて、専用車と比較しているんじゃないだろうか。手間以外にも、たとえば、横から出入りするのも、整備された場所で乗り降りすることが前提の福祉車両と、通常のタクシー乗り場や道ばたで乗り降りする都市型タクシーの違い、とかでいろいろと違う。

前は確かに時間がかかるという批判があった。やり方変えても時間がかかると言う話もあった。けれど、それは大幅に改善されている。
Responseの動画はたった2:55しかない。(何故かこれを引用して「無理」と言っている人がいて謎。本当に内容見てる?)

また、今回の調査について記載たこ記事では
https://digital.asahi.com/articles/ASMC163DDMC1UTIL068.html

運転手男性は、少し戸惑った表情を見せたが、後ろから取り出したマニュアルを何度も確認しながら車いす用のスロープを取り付けた。作業を始めて4分岡本さんを後部座席に乗せて出発した。時刻は午前10時50分。調査開始から時間20分がたっていた。岡本さんが尋ねたところ、この運転手車いす利用者を乗せたのは初めてだったという。
「乗車するとき比較スムーズだったが、とにかくタクシーに止まってもらうまでが大変だった」と岡本さん。「利用者は少ないかもしれないが、運転手の方はもう少し車いすのことを気にかけてほしい」

車椅子利用者を初めて乗せた運転手が、マニュアルみながらで4分でできてる。

動画デモンストレーションとしても、時間がかかると愚痴運転手の言う「20分」やら「30分」やらって、職務怠慢以外の何?って思う。

「使い方がわからいからできない」「習熟度が足りないので時間がかかるから乗せたくない」とは、仮にこれがバス電車運転手車椅子の乗せ方がわからない等と言ったら、誰もが論外、そんな会社は駄目だ、訓練不足だ、と思うと思うのだが。

NV200との違いと、トヨタ戦略について

NV200と比較しているひとがいるけれど、NV200と大きく違うのは「JPN TAXIは全車種ユニバーサルデザイン」というところ。

例えば、JPN TAXIとNV200 UDと比べると

が違う。これをJPN TAXIで実現するには、おそらく以下の点を犠牲にしなきゃならない

これ、車椅子ではない一般利用者向けにはマイナスの影響しかない。そうなるとオプション化しなければならないわけだ。
事実、NV200は、主力の通常タイプ車椅子で乗れない。UDタイプでないとだめで、町でNV200を見かけてもおそらくほとんどが車椅子のままは乗れない。

トヨタはそれをよしとせず、JPN TAXIならば必ず車椅子のまま乗れる環境を創りたかったものだと思われる。
そこで、絶対数では滅多に乗らない車椅子利用者へのサービスを損なわず、できる限りローコストで実現することで、全車に搭載したのだと思う。いくらすばらしい車椅子対応車ができても、普及しなければなにも改善しないから。

補助金を入れれば従来車種のクラウンコンフォートとほぼ同価格
結果、トヨタに「クラウンコンフォートの後継車種をくれ」というと、このJPN TAXIが出てきて自動的UD車が普及していく状況ができているわけだ。

今回の問題は「27%が乗車拒否体験している」ということになったけど、これ、前の状況を考えるとかなり改善しているのだ。
前はそもそも車椅子が乗せられる車というのは特殊車両扱いで、車種をみただけでそれが車椅子が乗せられるかなんてわからなかった。
乗車拒否なんて議論できるような話じゃなかったんだ。それが一変して、国内で最も売れているタクシー専用車がUD対応になった。
これは大きな前身だと言える。

で、タクシー運転手は、本当は対応したくなかったのにUD対応して車椅子乗せなきゃならなくなった、と思ってる人もいると思う。
けど、おそらくトヨタと、それから国交省意図的にやってると思う。そう言う連中はいくら公共交通だと言われてもUD車を入れる事は無い。
それらに普及させるには、よい施策だったと思う。

この点、プロでも誤解しているようで、既存介護運送業のブログには、専用装備を調えた車両と比較して批判する記事を挙げているけど、専用車じゃなくても、町のタクシー乗り場にいけば追加料金なしで乗れる、と言う状況を作ろうという話なんで、一般営業時に影響が出るような専用仕様を作ってもただUD車が普及しないだけとなって、あんまり意味が無いんだよね。

参考リンク

http://dpi-japan.org/blog/workinggroup/traffic/ud%e3%82%bf%e3%82%af%e3%82%b7%e3%83%bc%e3%81%ae%e9%80%9a%e9%81%94%e3%81%8c%e3%81%a7%e3%81%be%e3%81%97%e3%81%9f%ef%bc%81%e3%83%a6%e3%83%8b%e3%83%90%e3%83%bc%e3%82%b5%e3%83%ab%e3%83%87%e3%82%b6%e3%82%a4/

2019-03-05

LPG差別はよくない

都市ガスのほうが上だとかLPGぼったくりだとか差別をしてはいけない

LPGは人々の生活を守るために雨風に耐えて仕事を全うしてくれているんだから

みんなが不便な生活しないように、あのボンベを身にまとって頑張ってくれてるんだ

ただ料金が高いだけで差別はよくない、みんなでLPGを認めよう

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん