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2024-03-26

東京 練馬区石神井公園駅前の再開発 異例の執行停止のなぜ?』 https://b.hatena.ne.jp/entry/s/www.nhk.or.jp/shutoken/wr/20240325a.html

この記事の反応で、ちょっと補足をしたくなったので。

異例の執行停止見出しにあるが確かに類似する都の都市計画上の手続きだと、昨今一番の話題になった某外苑再開発でも、イコモスなどに怒られていても差し止めにはなっていないので、これは相当異例。

練馬区サイトを見ると粛々と淡々スケジュールがこなされているのが分かる(https://www.city.nerima.tokyo.jp/kusei/machi/kakuchiiki/shakujii/saikaihatu.html)。ここまで(借地権の申告:ここで再開発をするので借地を持ってる権利者は早く言ってね保障するから)来て、土地の明け渡し(土地の所有者が再開発に伴いいったん土地を売却し移転する)を差し止める事案は個人的には初めて聞いた。

一般的には、あらかじめ決められている都市計画建蔽率とか容積率とか住宅専用地域とかそういうやつ、国と地方自治体が決めてる)を超えて特例的な建物タワーマンションとか馬鹿デカビルとか、通常の規定以上にデカく建てて儲けようとする建物)を建てる場合

地元意見集約→再開発しよう!と結束

区議会検討議会承認下りたぞ!

東京都の「都市計画審議会」という会議→何度か冷や汗の出る質疑を乗り越えて

承認下りたら、事業

と、いくつかの関門を経ないと建てられない(ものすごくざっくりとした説明)。デカ建物を建てるためには誰もが通る道。

で、この一番最初の「地元意見集約」がないと、行政は当然すべての再開発事業OK絶対に出せない。民間人が所有する不動産行政勝手に動かすことは基本出来ないから。例えば木造住宅が密集してて道路が狭くて救急車も入れないようなところを再開発したいよなぁと考えていたとしても無理。なのでこの1「地元意見集約」がとても大きな要素になる。

そしてこの「集約する」仕事は、多くの場合ゼネコンデベロッパーなど「ここにタワマン建てて儲けたいでゲス」という目的がある人たちが行う。

建前はあくまでも地元住民地権者から相談を受けて、という形だが、あけすけに言えば、何十人もいる地権者マイルドに立ち退きさせる仕事だ。平成以降の地上げ昭和のころのように放火してなんてことはしない。毎日街のバーサンの家に茶飲み話をしに行ったり、商店会の「有志の会」とか「〇〇町の未来を考える会」なんて名前になりがちの再開発推進派のオッサンジーサンどもと夜な夜な地元スナックで飲み明かしたりして、誰が反対しそうか、どうやったら立ち退いてくれそうかなどを探りながら、数年をかけて『地元住民意見を集約する』ということをやってる。これを綿密にねちねちと、時にはお金を使ったり(金で移転してくれる人は割とかなり多い)して、ぺんぺん草も生えないほどに賛成派を取りまとめることで「再開発準備組合」という、再開発の準備をするための組合ができる。組合員は地元地権者、つまり今まで懐柔してきたオッサンオバハン、ジーサンバーサンなどで、「再開発成功させて無事にみんなで儲けよう」というSameBoatのメンバーになる。

通常、東京都や首都圏の好立地の場合は、地権者再開発中の住まい保障なども含めて一銭も金を出さないことがほとんど。地権者自分がもともと持っていた土地差し出して、その代わりに、再開発間中生活再開発後の開発利益の一部(建物の中の新しい店舗だったり、タワマンに建て替わった新居だったり)を手に入れる。

あくまでも邪推だが、今回は、このSameBoatに乗りたくなかった地権者か、再開発不利益を被る可能性がある周辺の関係者(でかい建物が建つのから周辺環境は一変する)が複数いた可能性があるのかなと思う、まぁ邪推ですけども。

不利益を被るかもしれない周辺住民関係者(店やってる人とかね)」は実は、真っ先に懐柔しておくべきキーパーソンなのだが、この手順で業者が雑な仕事をしたんだろうなと思う。私見だが、N村不動産はこういうところがかなり下手というか雑というか、無視する傾向がある。まぁN村が合意形成にかかわってたのかは全然からないので本当に邪推しかないですが、当該の再開発予定地の周りにすでに恐らく同様の再開発スキームで建てたプラウドタワーが立っているので「行けるっしょ」ってなったのかもね。まぁ分からんけど、知らんけど。

ちなみにこのプラウドタワーは恐らく建物高さ90mぐらいじゃないかと思うのだが、NHK記事掲載されている完成予想パースの、当該建物左側に白でごくうーっすらと半透明に描かれている建物がそれにあたると思う。こういうズルいことをするのがデベロッパーである。ちな建物右側に白でごくうーっすらと描かれてるのはやはり再開発マンション「エミリ石神井公園」で恐らく建物高さ50m程度。石神井公園駅前にこんなに青空が広がってるわけがいから!

で、近年に再開発された両隣のタワマンの高さが恐らく90m、50m程度なので、「なんで100mをOKしてんだよ」とツッコミは入るよなとは思う。

まぁ、10数年前にできたプラウドタワー石神井公園よりも高く積まないと今の高騰する事業環境では採算が取れないんだろうなーと予想はできるので、そう言えば裁判で戦えたんじゃとと思うんだけどね。都市計画審議会でそういう言及でもあったら「だってその高さにしないと事業ができません、事業ができないと困る地権者もいるし道の整備もできません」と言えたと思うんだけどなー。さすがに都市計画審議会議事録を見るのは面倒なので、これもあくまでも邪推

で、ブコメにいくつかコメントをしたい。

「街のにぎわいを棄損してる」これは一面では本当にそうなんだけど、一方で、現地を知ってる人やGoogleMapを見た人ならわかると思うが当該地は正直、再開発した方が良い場所ではあると思う。

このあたりとか見るとなぁ。https://maps.app.goo.gl/oacM7JfmgrEmFjsw9 ブッコメにも「まなマート返してくれよ」とあるが、まなマートの辺りとかうっかり火事が出たら大惨事は免れないと思う。私もこういう地元密着スーパー大好物ではあるので気持ちは痛いほどわかるが。特に既に南でも北でも再開発マンションが建ってる石神井公園周辺では最後オアシスのような路地ではあるので本当に惜しい、が、地震火事リスク…。

でも味のある路地と古くからある店がなくなるのは、増田としてもとても寂しいことだよなとは思う(だからこそとても丁寧に反対意見が出ないほどに、広めに地元の人たちと話をする必要があるのだが。これを気合を入れてやったのが小田急下北沢再開発)。

優遇しすぎな面」

計算してないかわからんが、図書館公共用途)、もともとあった区道建物を貫いて再保存しているところから公共用途への供出がそこそこあるプロジェクトのようである。(https://www.city.nerima.tokyo.jp/kusei/machi/kakuchiiki/shakujii/saikaihatu.files/jigyoukeikakusyo-2.pdf)そのせいで、ある程度補助金が手厚いのでは、と思う。事業費や公共床の比率などで補助金額には色々制限があるので、この件だけが手厚いということはないのでは…。むしろそうだとしたら大問題だが恐らくそれはないんじゃないかな(適当な言いきり)。

野村不動産なら割と空間に余裕のある良い建物建てそう」

それは広告イメージ戦略に乗せられておりますな。タワーマンション容積率制限の緩和を受けてはじめて建てることが出来る。その代わりに一定計算式のもとに地面部分に「公開空地」を設けることが法律で決められていて、どのデベロッパーもその最低限度しか公開空地は用意しない。「建物を建てられる面積」は少しでも確保したい、タワー型ならなおさらである規制より多く空地を設けるのはデベロッパー業界ではほぼ有りえない。

そして分譲マンションとして売るので、ほとんどのデベロッパーは、事業を圧迫しないように最低限確保した公開空地を公園のように整備することが多い。何かい雰囲気になるからね。これは野村に限った話ではないっすね。そして一方で「いい感じの公園っぽくする」のは住友不動産にだけは当てはまらない。住友のタワマンの足元は本当に管理がしやすそう(で無味乾燥)、そういうのが好きな人もいるよな!管理費も節約できそうな気がする!

ちなみにこの「高いビルやタワマンの足元まわりの公園状のなにか」=公開空地は、「みんなが憩える空間を整備した代わりに容積を許してやったぞ」という空き地なので、みんなどんどん散歩したり休憩したりしようぜ!

地域を作り替えたい業と地元民として街を守りたい業のせめぎ合い」

このブコメは本当に言いえて妙。上にだらだらと書いたが、「街を守りたい業」の人もいる。この手の件は共産党は必ず絶対に反対に回る、が、本件は商店会の偉い人が表に出てるので共産党とはちょっと違う筋なんじゃないかニャーという気はする、知らんけど。

政治的な話は置いておいても再開発エリアの線引きに入れなくて損した気がする人が反対、なんてのは普通にあるある。どっちも商店会メンバーでどっちもJCにも消防団にも入ってて、それで大ゲンカして大変、とかね。

2021-07-22

五輪自転車コースアスファルトぶちまけの背景を説明したい

府中市内の五輪自転車コースアスファルトが撒かれていた廉で会社員逮捕された件で、報道警察発表の素通しな為にミスリードされてる人が多いので説明したい。

報道はこれ

https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20210722/1000067668.html

ブクマ

https://b.hatena.ne.jp/entry/s/www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20210722/1000067668.html

 

合材のこと

アスファルト舗装の為の建材の事を合材と呼ぶ。小石や砂とアスファルトを混ぜたもんである石油精製塔で軽い方からLPGガソリン灯油と抜いていって一番下に残ったのがドロドロのアスファルトだ。

冬にはカチカチだが真夏にはぐにゃぐにゃする、それ位のちょう度を持っている。屋根の防水には素のアスファルトを使うが、道路舗装には砂と砕石を混ぜたものを使う。これが合材。

 

合材をそのまま撒いてロードローラーで固めても一応の舗装にはなるが非常に脆く直ぐにボロボロと崩れてきてしまう。だから舗装に使う合材は150度位のアチアチな状態にして現場に持って行く。

砂や砕石などの土木用資材を扱う卸業者砂場と呼ぶが、アスファルトはこの加熱の要があるので専門の業者の扱いになる。砂場結構あちこちにあるが、アスファルト屋は数が少ない。

工事の流れ

 

道路工事の流れはざっとこんな感じになる

  1. 午後8~9時に現地集合、工事開始
  2. バリケード工事帯を作る
  3. ユンボで掘る
  4. 埋設物の交換など、工事目的作業
  5. 埋め戻し このあたりでダンプで合材を取りに行くか電話して合材班に指示
  6. 合材到着 ロードローラーで転圧
  7. 午前6時までに作業終了

 

合材は冷めたらいけないので直前まで取りに行けない。また持ってくるときカバーをかけて冷めないようにする(量が多い場合は表面積/体積比が大きくなり冷めにくいので省略することもある。)

工事が終わらず通勤時間にずれ込むと渋滞の原因になり、工事許可を出す警察署に怒られるので前倒しの計画にする。つまり工事自体は3時とか5時に終わって合材待ちの状態にすることが多い。

 

この事件場合、合材の散乱が見つかったのが明け方なのでばら撒きはその直前のやはり明け方だろう。

するとこれは通常の工事で合材を持ってくる時間である。なので意図的に撒いたとする可能性は低くなる。

合材の種類

日本生活していて雨の日に車が跳ねた水被ったという経験がある人は居ないのではないか?少なくとも20年前からは無いと思われる。

また真夏の日にアスファルトがドロドロに溶けてしまったり、バス停停車場所に出来た轍からバスが抜けられずに四苦八苦した事も見た事がないだろう。

雨の夜の運転で路面が光ってどこが車線だか全くわからんっていう経験も。

 

これは90年代の中ごろに合材の技術革新があり、浸透性舗装というのが開発され日本ではそれの採用例が増えてきた為なのである

これを開発したのはアメリカ会社で水はけを良くするのが主目的だが多くの利点がついてきた、かなり画期的ものなのである。利点はこういう感じ。

  

路面に水が溜まらないので水撥ねもしない。雨が降ると従来型舗装では路面に水膜が張られ、それが対向車線ヘッドライトを反射するので車線がどうなっているのか判らず雨の夜の運転危険だった。その危険も無くなった。

従来型舗装の上を車が走るとタイヤの水捌けの為の溝によりゴムの角が打ち付けられるのでゴーーというロードノイズが発生する。浸透性舗装では路面が穴だらけなのでそこに音が吸収され渋滞型と比べると無音に近いと言っていいほど静かだ。録音スタジオなどの吸音ボード構造が似ているからだね。

従来型舗装が熱せられるとアスファルトのちょう度が下がり、砕石から遊離して表面の方に寄ってくる。この為酷暑では路面表面がドロドロ化するのが常態化しそこに重量のある車が止まると凹んでしまう。特に停止線前での轍が酷くバイク事故の原因になっていたりした。バス停では毎度同じ場所バス車輪が止まるので4か所が凹んでしまい、出発時にバスがそこから抜け出すのにシーソーのように何度も車体を揺するユーモラスな光景が良く見られた。浸透性舗装技術評価では従来型に轍掘れ耐性は劣るとされているが、実際は酷暑アスファルト緩みに起因する事が多いので段違いに浸透性の方が良い。

夏の日光も乱反射するから照り返しが穏やかだ。しかも路面の下の水分が蒸発する時の気化熱で路面温度も下がる。

摩擦表面はつるっぺたの方が表面積が高くてブレーキ理論的には良く効くのだが、実際はほこりや水など不安定要素が多く、浸透性舗装のように引っかかる角が連続するような構造の方が安定して制動力が得られる。

 

いい事ばかりだが欠点もあって

 

普通の合材はアスファルトと砂、砕石を混ぜただけだが、それでは浸透性のような雷おこし構造にならない。

そこでポリマーに水と乳化剤を吸わせ、それをアスファルトに混ぜて砕石にまぶすという方法で雷おこし構造を実現している。石同士が柔軟性のあるアスファルトで接着されているが、石同士が噛み合っているので転圧されても潰れないって状態だ。美味しんぼの銀五郎もこの構造真似すれば良かったね。

こんな特殊構造なのでかなり高額な上にホムセンなどには卸されていない。専門の卸業者からトン単位で買わなきゃならない。

道路は上から見るとアスファルト舗装しか見えないがその下には必ず50cm位の砕石層を入れなきゃならない。

一番下は砂でそれを転圧、その上に砕石を50cm入れて転圧、最後に合材を撒いて転圧だ。浸透性舗装では水が路面の下にじゃんじゃん行くので特にこの辺りをしっかりやっておかないと砂が流れて陥没してしまう。この辺もコスト高の原因だ。

この辺の構造知ってたらこういうニュース 

https://www.asahi.com/articles/ASP7M6FXVP7MUTIL04W.html

見ると「豊島区区道路整備課アホやろ」と思ってしまう。路面の下の砂が流れちゃってるのが原因なのだよ。それが路面下の施工不良のせいなのか水道管破損のせいなのかが問題朝日記者も突っ込めよ。

 

この合材を使ってるのは日本の他限られた国だけだから外国に行った時には雨での路面水撥ねやスリップ、路面光りなんかは解消されていない事もあり注意が必要だ。雨の夜に特段の注意をしなくて済むのは日本他その合材採用した国だけなのだ

NHKさんさぁ

合材の技術革新すげぇんよって事言いたくて長くなってしまったがNHKのこの映像最後のシーンを見て欲しい。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210722/k10013153791000.html

落ちてる粒と歩道舗装の粒が同じじゃないか歩道舗装は浸透性だ。対比として従来型舗装がこれだ。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%B9%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%AB%E3%83%88#/media/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Asphalt.jpg

故に撒かれた合材も浸透性合材である。浸透性合材はホムセンとかじゃ買えずに専門卸でホカホカのを買うしかいか五輪嫌がらせの為に撒いたという可能性は低くなる。

しか道路工事で合材取りに行く時間だ。これは工事業者が誤って落としたのではないかという気しかしない。

ダンプ普通トラックと違い後ろアオリが上ヒンジになっていて、下側にロックがある。そのロックをし忘れると下側からザラザラーと流れ落ちてしまう。それで落としたんじゃないか

逮捕はやり過ぎじゃね

まず逮捕するには居場所不定で逃亡や証拠隠滅の恐れがある時(罪状が重い場合も逃げる動機が大きくなるので加重評価される)に限られる。合材を道路に落とすと言うのはかなりの迷惑行為なのだが、それにしたって逮捕はないだろう。

植物油に「コレステロール0」表記みたいな報道

この報道は「間違っている事を書いていないがミスリード」の典型だ。「アスファルトの粒が」となったら浸透性舗装合材だしそれは普通の人は買えない。そこは説明しないと視聴者の多数は判らない。未明に通行となったら道路工事で合材を取りに行く時間と重なる。これも説明なくば視聴者多数は判らない。

そこで「会社員が」と言われれば昼はスーツ着て働くリーマンが夜に撒いたってイメージになる。土木会社作業員や運転だって会社員から間違ってはいないが視聴者認識は間違いだ。

因みに植物油には植物性レストロールが含まれるがこれは体内に吸収されずに排出されるのでコレストロール0と表記しても間違いではない。しかし全ての植物油はその故にコレストロール0なのでその表示を見て買う顧客優良誤認している。

 

「間違っていないかミスリード起きててもヨシ!」みたいな報道は止めて欲しいもんである。それはまるで浸透性報道といった趣だ。浸透性舗装は優れているが浸透性報道は劣後なものだ。

 

最後トリビアだが、昔のミシン機械などは真っ黒の艶てか処理がされていたがこれにはアスファルトが使われていて「ジャパン/ジャパニング」と呼ばれていた。

チャイナ陶器ジャパン漆器だったのでその延長で言われたのだが、アスファルト日本は切っても切れない縁なのであった。そんな日本で足元のアスファルト技術革新が起きてるのに気が付かないのはよろしくない。

 
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