はてなキーワード: 随意契約とは
もう何年経つだろう。
その子を初めて見たのは、とある市町村のふるさと納税制度の運営パートナーを決めるためのプロポーザル型入札の会場だった。
100㎡もないだろう狭い会場の中に私達のグループが入ると、市の職員が数名、一番遠くの壁に並んで立っていた。ふるさと納税の担当部署の職員だった。
その一番左端に、その子はいた。若い職員だった。爽やかなセミフォーマル姿で、装いはパリッとしている。物憂げな瞳を足元に向けて不安そうにしていた。
スライドの正面には、険しい顔つきの幹部職員が座っていた。審査員の顔を見渡し、私達は最初の挨拶(会社と説明者の紹介)を簡単に述べた。副市長の「それでは始めてください」という合図と一緒に、『その子』もすぐ後ろにあった長椅子に他の職員とともに腰かけた。
なぜ、その子の姿が目についたかというと、清潔感だ。清潔感がとんでもなかった。若いっていいな、自分もあんな25くらいの頃に戻りたい、という雑念を捨ててノートパソコンを立ち上げ、レーザーポインタを起動した……
約1週間後、弊社がめでたく第一候補者(※ほぼ内定という意味)として選ばれた。契約書に押印するため、F市役所へと、私が席を置いているオフィスのトップ(所長としておく)と一緒に向かった。
ふるさと納税の事業担当課(地域を盛り上げる的な名前が付いていた)の窓口に行くと、まだ約束の10分前だというのに、その子(Sさんとする)が待機していた。あの時と同じように緊張した面持ちだった。すぐ隣には、四十代半ばくらいの男性上司がついている。
「先日はどうもありがとうございました!」
「緊張しましたよ~」
みたいな世間話をちょっとした後……契約書に印紙を貼って、割り印をして、契約者名のところに押印をして、最後に捨て印を押そうとすると、いらないですと言われ……そして、Sさんに契約書を手渡した。
Sさんが不慣れな手つきで2枚の契約書に市長の印鑑をゆっくりと押すと、はにかんだ笑顔で1枚を返してくれた。
「今後、私がF市の事務担当者になります。今後ともよろしくお願いします」
こんなやりとりだったかな? 男性上司の人は、「この子がメインで渉外を担当します」と説明していた。
衝撃を受けた。想定よりずっと若い人だった。
私がSさんくらいの時は、毎日サークルの部室でごろごろして、アルバイト帰りに仲間と飲みに行って、恋人と別れてショックを受けたりしていた。
それだけに衝撃だった。異常だ、とその時は感じた。でも、それは私達から見た場合の感覚であって、向こうからすれば違う。高校を出てそのまますぐに就職する。そういう人も多くいて、たまたま私達の世界に大卒が多いだけで。それだけの話だった。
大学生ほどの年齢の子が、ふるさと納税という大きなお金が動く舞台で、公務員組織にとっては重大なチャレンジであろうこの機会に、一応はプロのITコンサル(ITだけじゃないけど…)である私達と折衝する役割を担っている。
私の経験上、官公庁側のこういった花形事業の担当者は、〇〇長が付くような役職の人か、30代前半くらいで、昇進が期待されている人が選ばれる。
契約期間は2年だった。
その間に、ふるさと納税制度の導入パートナーとして、システムの整備やら、返礼品の選定やら、業務フローの構築やら、その自治体が安定して制度を回せるまでの準備をしていく。
3年目に晴れて制度がスタートしたら、弊社はシステム保守業者として、毎年度、特命一者タイプの随意契約によって安定的に仕事を得ることができる。
肝心のSさんだけど、こちらの想定よりも頼りになる子だった。普通なら無理なお願いも聞いてくれて、それでいてこちら側の仕事、主にシステム関連の知識をぐんぐん吸収していった。
地頭がよく、それでいて物事に対して本気になることができる。そういう子だった。
ちょっと脇道に逸れる。
この時は、「F市ふるさと納税制度導入パートナー選定業務」みたいな件名で入札が行われたのだが、弊社が勝つ確率は約85%と推定されていた。
というのも、入札実施の前年度に弊社がF市に呼ばれ、「ふるさと納税をやろうと考えているのですが~」といった具合に相談を受けた後、参考見積書と設計書をF市に提出していた。そして、入札にあたっては、その参考見積書と設計書がそのまま採用されている。
おわかりいただけたかと思うが、他社がプロポに入れないよう、提出書類に予め細工をしておくのだ。そうすることで、こちらに有利な形で契約を取りに行ける。実際、プロポに参加した企業は弊社のほかに2社しかなかった。その経済圏におけるライバル企業の数は優に10社を超えているにも拘わらず。
一般に、地方自治体の担当者はIT関連に疎いことがほとんどであるため、こうしたことが通用してしまう――でも、Sさんは違った。上記に挙げた弊社が勝った理由について自分なりに考えて、私達に指摘をしたのだ。
「ほかの自治体でも参考見積書を出したら入札にかなり勝ちやすいんですよね?」と自然に切り出したうえで、他社が入札に参加できないように行った諸々のワザを見抜いた。
Sさんは、システム関連の勉強をして、プログラムの打ち込みに挑戦して、職場でも、電子機器の導入やセキュリティ責任者といった役割を買って出ていた。
一方で、おっちょこちょいなところもあって、メールに添付文書を忘れるのはしょっちゅうだ。褒められると顔を真っ赤にする。急に頭の回転が鈍くなって、とんちんかんな冗談を言ったりする。
一応はコンサルなので、競合他社と同じく顧客の評価やランク付けを行っている。その中でも、F市のランクは高い位置にあった。
無茶な要求をしないし、レベルの低い問題でいちいち呼びつけたりしない(自分達で解決する)し、十分な契約金額と契約期間を用意してくれた。市役所内のシステムの深いところの情報(通常、外部組織に閲覧させるべきではないもの)を見たいといった時も、システム管理課に掛け合ってくれ、数時間もかからず情報を手に入れることができた。
その2年間で、Sさんの表情が曇る時もあった。
年配の職員がSさんの隣に座っていたのだけど、折り合いが悪そうにしている時があった。その先輩がSさんに行った指摘について、私が座っている窓口まで聞こえることがたまにあったが、大抵は些末な内容だった。
文字の送り仮名(行なうじゃなくて行うとか、見積もりじゃなくて見積りなど)や、請求書の処理件名の些末だと思われる部分の指摘、イベント運営マニュアルでの各人の動き方(特にその先輩の)について具体的に文書で示すようにとか、ほかにもグチグチと同じようなことを言っていた。その人との話が終わった後に窓口に来たSさんは、大抵ムスッとしていた。表情が曇っていた。
ある訪問機会のことだった。うちの所長が私と一緒に来ていて、Sさん一人が役所の玄関まで送ってくれたことがある。玄関から離れて社用車へと歩き出す直前、私はついに言ってしまった。
「Sさんは公務員も向いてるけど、コンサル業界も向いてるんじゃない!?」
反射的に「やばい」と思って、所長の顔を見た。
「うん。Sさんウチおいでよ! 歓迎するよ」
所長もノリノリだった。Sさんは俯いて、唇を尖らせていた。
「まだ21なんですけど」
「大丈夫。また今度考えてね。〇〇さん(※私)も応援しているから」
帰りの車の中で、所長が言っていた。
「もちろん冗談だよ。あの子は公務員の方が向いている。でも、うちの採用試験に来てほしいとも思う。働けるだけの実力は多分持ってる」
……それから一か月後。私の携帯に電話が入った。Sさんからだった。
市役所の仕事があんまり好きじゃないんだって。今の仕事は楽しいけど、前の部署で戸籍の仕事をしていた時は、やめたくてしょうがなかったんだって。何から何まで細かすぎるところと、自分で考えて動けないのが嫌なようだ。自分で考えて、自分で動いて、結果に対して責任を取るタイプの仕事がしたいらしい。
私一人で考えてもしょうがないので、所長に報告をして、本社のスタッフ部門にも相談したところ、結論が出た。
・理由①として年齢。大学を出ていないコンサルタントはいるが、そこまで若い人は例がない
・理由②として取引先との関係。人を奪うようなことをすべきではない。彼女が本当にその気であれば止めないが...
・あなた達がそこまで推すなら、23才になったら採用試験を受けてもいい。ふるさと納税導入パートナーの契約期間が終わるまでは必ず待つこと。
あと1年ちょっとだった。
私はこの時、Sさんにとってどんな道がいいのか? と思案していた。
普通に考えれば、地方公務員の方がいいだろう。コンサルタントの道を勧めてよかったんだろうか、あの子を不幸にしやしないかという不安に捉われたのを覚えている。自分で言い出しておいて、本当に勝手なことを考えていた。
それから約1年後。弊社が借りているオフィスの一室に、Sさんがスーツ姿で現れた。
相変わらず、清潔感が抜群だった。真白のシャツがよく似合っている。
試験は何の不安もなかった。書類選考は顔パスだし、筆記試験(Webテスト)は限りなく満点に近かった。
一次面接を務めた私と所長は、Sさんに対してほぼ同じ結論を下した。内容としては、①地頭がいい。頭の回転の速さも悪くない、②温かみがあり、顧客の安心に繋がる話し方である、③偉ぶったところがなく謙虚な姿勢が見える、といったものだった。
本社での二次面接も無事に終えた。面接官だったディレクター(日本企業でいうと本部長~役員くらい)に電話で話をうかがったところ、「概ね一次面接の印象のとおりの子だった。難点として、芯が弱いところがある。強烈なキャラクターの顧客相手だと通用しないだろう」とのことだった。
「次の面接には進めますか」と聞いたところ、「三次面接を行う必要はないと判断した。他社も受けているとのことだったので、ここで内定を出す。弊社のほかは辞退するように伝えてほしい」
当時のメモによると、私はディレクターとこうしたやり取りをしていた。懐かしい思い出だ。
当時は、「Sさんが採用されますように! 弊社でなくても、ほかのコンサルに入れますように」と毎週のように祈っていた。それくらい、Sさんは性格のいい子だった。今でも、あの笑顔を思い出して幸せの余韻に浸ることがある。
そろそろ結末について話す。
Sさんの退職時期と、ふるさと納税導入パートナー企業としての契約期間の満了はほぼ同時だった。
最後にSさんの職場を訪れた時の、あの男性上司の苦渋の顔を忘れることは難しい。
やるせない表情をしていた。見た目は笑っているけど、心の中でなにかヘドロのような汚物がブンブン飛び回ってるんじゃないかって、そんな顔つきだった。
Sさんがうちに来てくれたのは嬉しいけど、本当に申し訳ないと思った。
さて。通常のパターンだと、ふるさと納税を運営していくための基幹システムの整備や地元産品の手配体制、業務フローの構築などを終えると、弊社はシステムの保守管理を地方自治体から請けることになる。
……タイトルにもあるように、弊社は入札の指名を受けられなくなった。法律上は指名停止の理由にあてはまらないので、指名リストに載ったまま『除外』された。弊社はもう、F市から参考見積書や設計書の提出を依頼されることはないし、プロポーザルに呼ばれることもないし、参加申込ができたとしても必ず負ける。
システムの保守管理は、F市が戸籍や市民税のシステム保守を請け負っている会社が一任することになった。その後、弊社のスタッフがF市を訪れたことは一度としてない。
当初は、「ウチのスタッフがいないのに保守なんてできるの?」と疑問に思っていたけど杞憂だった。Sさんが気を吐いて、どんな職員や業者に当たってもシステムの運用管理と保守が担えるように引継資料を作っていた。
今回のような事態を予測したり、意識していたわけではないだろう。ただ、Sさんが仕事に対してひたむきな人だったから、物事に対して本気になれる人だったから、普通の地方公務員のレベルをはるかに超えて、みんなのために頑張ることができた。それだけだ。
筆に熱を込め過ぎた。反省している。
あれから4年以上が経って、私は別の会社に転職した。SさんはITとは別の分野に異動になり、忙しい毎日を送っている。はてな匿名ダイアリーを見ている可能性は0%といってもいい。それくらい忙しい環境だ。辛い日々を送っているかもしれない。いや、確実に辛いだろう。それこそ地獄のように。
今でも思い返すことがある。私があの時、Sさんを誘ったのは本当に正しかったかということだ。
私はSさんが職場で悲しい顔をしていた時、なんとかしてあげたかった。そんなことはできるはずもないけど、それでも助けてあげたかった。だから、無責任な立場ではあったけど、うちに来てみないかって、声をかけた。
本人にとって良き選択だったのか、それがわかるのはまだずっと遠い未来のことだけど……過去でも、現在でも、未来でも、私はSさんの幸せを願っている。
一緒に働けたのは短い間だったけど、楽しかったよ。また会おうね。
本人は大した症状はなかったがICUかそれに近い所に隔離され、
退院後に話を聞いたが以下のことがわかった。
少なくとも知人が掛かった病院や保健所では、こういう扱いを取られていたので、COCOAの目的としては全く機能していない。
実際に直近でこの知人と一緒にご飯を食べた人には通知は飛んでいない。
通知は飛んでいないものの、検査の上陰性だったのは不幸中の幸いだった。
私はCOCOAのgithubでコードを見た程度にはどういうアプリなのか確認したが、
一般人の認識としては、”過去に近くに陽性者が居たら通知してくれるアプリ” 程度の認識しかないのかもしれない
いくら過去にCOCOAが、"陽性者情報を登録しても、接近者に通知しない" というバグがあったとしても、現状は直ってるはずだ。
#本当に直ってるかどうかは知らん
パーソルプロセス&テクノロジー株式会社がろくに動かないアプリを自身を持って納品していたとしても
その利用までろくに成されない状況では、このアプリの存在意義は何なのか
このままでは、
そういう何の役にも立たないどころかデメリットしかないアプリではないか
地方公務員になって13年が経った。
元は民間企業の営業をしていて、諸事情があって公務員に転職した。
面接官ではないが、補佐役として面接中の受験者の斜め後ろに座って、喋り方やその他の挙動をチェックする仕事をしている。
自分のことを思い出すに、採用試験の面接では筋違いなことをして相当に苦労した。
できた!と思った面接でも、今になって思い返すと不採用にしてくれと言っているような、そんな内容だった。
受験1年目は公務員になれなかった。苦節の末、2年目でなんとか第一志望に合格できたけど、もっと早く知っておけばよかったという観点がいくつもある。
今回は、先達の1人として、地方公務員を目指す人のために面接試験で大事なことを話してみたいと思う。3点に絞って説明する。
というのも、一般人の平均を超える知能がなくては務まらないタイプの仕事が多いので、地方公務員に比べると筆記試験のウエイトが重くなる。
地方公務員にそこまでの知能レベルは求められない。ほとんどの業務は、中学校までに習うレベルの知識があれば十分に務まる。
※地域を盛り上げるためのイベントの企画・運営や、組織全体の予算を管理する業務などはもちろん除いている。
地方公務員の場合は、一にも二にも人柄や気質、人格などの人間性が重視される。理由は後述する。これが備わっているかどうかを面接で確かめることになるので、必然的に面接試験のウエイトが高い。
5段階評価で4以上の人を採用する。採用したい人の数と同じくらいしか4以上はつけないし、つかない。3を取った人は当落線上にあり、最終調整で選ばれるか、あるいは補欠合格になる。2の場合は自動的に不合格だ。少なくとも、うちの自治体で合格する可能性はない。
「筆記試験で満点近く取れたぞ!」とガッツポーズを決めることができたとしても、そんなに意味はない。仮に満点を取ったとして、面接官に「こいつ頭いいな」と思われるくらいだ。
2.どんな人が高い評価を受けるのか?
その前に、国家公務員と地方公務員の仕事の傾向の違いを述べる。ここでいう地方公務員は市の職員を、国家公務員は一般職を想定している。
・地方公務員の方が地域住民との折衝が多い。国家公務員の折衝先は法人が多くなる。ここでいう地域住民には、市会議員や工事業者なども含まれる。子ども時代に知り合った人が窓口にお客さんとして来ることは実際にある(小中学校の元担任や、高校で同じ部活だった先輩や後輩など)。
・地方公務員の方が業務の幅が広い。例えば、国土交通省だと、どこの部署に行っても、河川や道路の管理をする可能性が高いが、地方公務員の場合は、全ての中央省庁の仕事がひとつの組織内にまとまって存在する。よって、専門的な知識や技能を広く薄く身に着けることになる。
・地方公務員の方が同質性が強い。多くの自治体の場合、在籍している職員の卒業した学校(特に小中高)が被ることが多い。そのうえ、同期の1割~2割しか途中で辞めないので、どの部署にも同じような文化が定着する。例えるなら学校だ。卒業まで40年近くかかる学校といってもいい。それが市役所だ。年齢がいくつになっても「あの代は優れている。あの代は谷間の世代だ」といった話題が交わされる。
こんな世界で心も体も健康に生きていけるのは、誰とでも仲良くなれる人間であることは論を待たない。
特定の者としか仲良くなれない職員は必然的に孤立する。年を経るごとに、周りとの協調が必要になる仕事がやりにくくなり、頼られることが少なくなっていき、多くの場合は定年前に早期退職制度に応募することになる。
面接に臨む際に意識すべきは人柄だ。面接が始まれば終始スマイルを保ち、質問にはゆっくりと落ち着いた口調で最大限のわかりやすさで回答し、不明な点があればわかりませんと言い、回答に詰まったら、そのことを素直に認める。
私は凄い!とアピールしてはならない。本当に凄かったとしても駄目だ。そういうのは黙っていても伝わるものだし、面接官はエントリーシートをすでに読んでいる。
むしろ、アピールが過ぎると自意識過剰であると判断される危険がある。聞かれたこと以外は実績のアピールをすべきではない。どうしてもやりたいなら、数字で表現可能なものに限定する。
しつこくなるが、地方公務員の場合は能力よりも人柄重視で採用を行う。今では絶滅危惧種だが、かつては素行不良の公務員が多かった。市民にため口をきいたり、空残業をしたり、自宅のごみを市役所のごみ置き場に捨てたり、公用車に乗って家に帰ったり、自分は昇進できなかったので市に尽くす義務はないと宣ったり、逆に、俺は労働組合に言われて無理やり昇進させられたと言って部下にすべての仕事を投げたりといった具合に、やりたい放題の連中がたくさんいた。
それでもクビにはできない。処分できるかも怪しい。素行不良の公務員を守っている解雇規制は、同時に市民や仲間のことを思いやれる優れた職員も同時に守っているからだ。評価が低い職員がポンポン免職処分になっている官公庁があったとすれば、おそらくは政治的理由により、評価が高い職員もそれなりの頻度で免職や降格になっている。
今の40代・50代の職員は、こういう市役所の悪いOBをたくさん見ているので、同じ失敗を犯さないよう最大限に気を払っている。その対応のひとつとして、受験者の人柄を見ている。
面接に合格する可能性を高める情報しか集めてはならないし、触れてもいけない。
私の経験で有益だったのは、予備校の一室に置いてあった受験者の面接体験談だ。
この時ばかりは、高いお金を払って受講生になってよかったと思えた(社会人向けのコースを受けていた)。
今思えば、予備校講師による模擬面接もためになった。当時は、公務員ではない人間が面接指導などできるのか?と半信半疑だったが、彼らは受かる人間と受からない人間をごまんと見ている。
そんなキャラではだめだよ、と直観力をもって指摘することができる。予備校で面接指導をする講師の中には、傲慢だったり不遜だったりする人はもちろんいるが、それでも多くの講師から訓練を受けるべきだったと今では思う。
逆に、無益どころか害悪になる情報源もある。現役あるいは元公務員が書いたブログだ。
いったいどこがクソなのかと言うと――ブログ記事を読んでいてわかる。どんなに偉そうなことを言っていても、この人達は職場で高い評価を受けていない。むしろ低い評価を受けていて、その恨みつらみをブログという手段で発散している。
もしあなたが、面接対策として現役公務員や元公務員のブログを読むとしたら、この点に気を付けてほしい。そういう記述を見つけたら、すぐにタブを閉じて別のサイトに行こう。
以下に記事内容を例示する。
・残業時間が少ないと高い評価を得られない、飲み会を断れないなど職場への不満を多数漏らしている
・能力が低い職員を馬鹿にする発言(こういう人間は市民も馬鹿にする)
・副業を推奨している(アフィリエイトは100%懲戒処分案件なので特に注意する)
・給与や休暇などの福利厚生の話題や、得をする働き方など、金銭的な内容を扱った記事が多い
具体的には、これらのブログが該当する。
http://ps-kimotaku.officeblog.jp/
https://www.lifehacking360.com/
[番外にして論外]
公務員として、どんな人間が高い評価を受けるのか調べたい場合は、上に挙げたブログを読むべきではない。まして面接対策など論外だ。
逆に、これから面接対策をするにあたって効果的であると思われるブログもある。これらを挙げて結びとする。
(簡素な見た目で読みやすい。扱う内容も具体的で生々しい。下にある無料レポートは受け取らなくていい。オンライン講座への勧誘を受けることになる)
https://katigumikoumuin.com/siyakusyo-mennsetu/
(業務を進める中で起こった問題を赤裸々に表現している。後学として参考になる)
官公庁への営業活動を担当するあなたへ~元地方自治体の契約担当者による随意契約のコツ~
(元公務員のサラリーマンが書いている。実務を行う公務員の思考回路をリアルに描いている。有料(250円)だがそれ以上の価値はある)
https://note.com/innocence1/n/ne81f2831a9ae
画一的なマニュアルに沿って実施されるからだ。マニュアルがなければ、個人の経験や勘で採用活動をしてしまうことになる。だから、相性のいい面接官に出会って、個性が評価されて~というパターンは少ない。正しい受け答えの姿勢を身に着ける必要がある。
当時小学生でよくわかりませんでしたが、大人になった今の自民党がクソすぎて、そのクソやクソの支持者が言う「悪夢の民主党政権」がどんなに酷かったのか気になりました
今の自民党政権で個人的に悪夢すぎるだろと思うことを羅列してみます
・森友学園
→籠池夫妻への手のひら返し、証拠隠滅、官僚の自殺も無視、私物化
・麻生太郎
→逆張りジジイ、勢いしかない、何もしない、生まれしかいい所がない、ローゼン閣下とかダサすぎるだろ
→さっさと証拠出せよ、反社の定義なくして世の中の反社チェックのはしご外し、税金の私物化
・甘利明
なんで返り咲いてるの?
・アベノマスク
→癒着。反社と付き合いのある会社にいきなり随意契約?おかしんじゃないの。
これのアクロバティック擁護で目にしたのは「法人登記だけでギャーギャー騒ぐな、10万でもなんでも払ってテメェで商業登記を自分で取って、福島市くらいんなら住居表示と地番同じだけん、住所から土地建物の不動産登記取って、差押の後競売にかけられてっか確認すりゃーいーと思った。私はやらん」
法人登記簿が取れない点で鬼の首を取ったように怪しい怪しい言ってたはてなの皆様、
何の登記をしていたかというと、事業目的の変更登記だったようです。
3.発電及び売電に関する事業
6.前各号に附帯関連する一切の事業
↓
3.発電及び売電に関する事業
6.ファクタリング業
8.貿易及び輸出入代行業並びにそれらの仲介及びコンサルティング
9.前各号に附帯関連する一切の事業
令和2年4月1日変更 令和2年4月10日登記
曇りなき眼で想像すると、マスクの特需にあやかって、海外製マスクを国内で販売しようと行政に営業活動を行っていた所、
経産省から布マスクの調達についての随契の話が出てきて、それに乗っかった。
業として輸入業を行うため、今後の世間からのツッコミに備え、急遽事業目的に輸入業を追加して登記を行った。
曇りある眼で想像すると、マスクの調達にあたって、政府の偉い人から名指しで件の会社が指名され、
業として輸入業を行うため、今後の世間からのツッコミに備え、急遽事業目的に輸入業を追加して登記を行った。
https://etsuran.mlit.go.jp/TAKKEN/takkenKensaku.do
また、本社住所となっている不動産は、テナントを賃貸しているものと思われます。
鉄骨造亜鉛メッキ鋼板葺平屋建で、ストリートビューで見てもそれなりの鉄骨柱が見えるため、
また、商品を輸入して、そのまま1箇所へ納品する事を考えれば、
登記が取れないからといって、ペーパーカンパニーだとブコメが荒れていましたが、
実際に事業を行っているのかいないのか、根拠に乏しいのが現状です。
脊髄反射で汚職を疑い荒れるブクマカは、相当な勇み足に思います。
攻撃の仕方がまったく分かっておらず、正直、ブクマカがこれほど短気で単細胞だとは思いませんでした。
http://www.city.fukushima.fukushima.jp/keiyaku-keiyaku/shigoto/nyusatsu/shimegyosha/710.html
https://www.pref.fukushima.lg.jp/site/nyusatsu-shikakushinsei/nyusatsu-112.html
https://www.chotatujoho.go.jp/csjs/ex016/StartShikakushaMenuAction.do
通常、一定の規模の案件を受注するためには、それなりの業務実績や営業年数、
その結果、業者名簿に登録された場合にはじめて入札等に指名されます。
この点について、当該業者の社長が答えられるのか、行政は何を根拠にこの業者を指名したのか?
まずはこの点を攻めていくべきと考えます。
高齢者向けにマスク配布されたという新聞社か通信社の記事で、マスクについているタグにベトナムのURLが書いてあるものは見た記憶がある。ちょっと変わった形状で、耳にかけるゴムに伸縮性があまりなさそうなやつだった。ベトナムかー、と印象にのこったのを覚えている。
それはいいんだけど、通関通してるはずだから国会議員は通関での輸入申請・許可の内容を開示してもらうように要請したらよいのではないかな。原価が明らかになるから事業者としては嫌だけど。4億5千万(130円・350万枚という話がでてる)〜として、通関できちんと税金払っているのだろうか。あるいは、輸入から「ユースビオ」までにもいくつかオトモダチを経由していたり。
第十五条二項
A. カルテルは,事業者間の協定や申合せに限らず,事業者団体の活動として行われる場合が少なくありません。
事業者団体が,団体としての意思決定によって,構成事業者の価格,供給数量などを制限したり,入札談合を行うことは,競争を実質的に制限する行為として,独占禁止法で禁止されています。
独占禁止法が規制する事業者団体の禁止行為は,行為の態様(相互拘束や支配・排除)に制限はなく,競争の実質的制限に至らない行為でも規制されます。例えば,団体に加入しなければ事業活動を行うことが困難である場合に,加入を拒否したり,一定地域における店舗数や既存店舗との距離を加入の条件としたり,加入希望者と競合する既存の構成事業者の承認を加入の条件とすることなどは,一定の事業分野における事業者の数を制限するものとして違法となり得ます。また,価格,数量,販売先,広告活動などについて,構成事業者の自由な事業活動を制限する場合も同様です。
ギリシャ、TV放送免許オークションで290億円調達 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
記者クラブ―情報カルテル ローリー・アンフリーマン, Laurie Anne Freeman (原著), 橋場義之 (翻訳)
収賄額0円の収賄罪…“抹殺”された福島県元知事が“現在”を語る (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)
福島汚職「賄賂0円」判決の前代未聞 FACTA ONLINE
前回(「軽減税率対応の周知・普及」案件でパソナが随意契約 https://anond.hatelabo.jp/20190828032359 )の続きです。
今回、中小企業庁の随意契約(委託費)について調べた中で興味深かったのが、平成26年度までは0件だったパソナが、平成27年度以降、件数、金額ともに急激に大きくなっていることです。
平成26年度 0件
平成27年度 3件 計 約18.3億円
平成29年度 6件 計 約27.1億円
平成30年度 2件 計 約8.7億円
平成30年度までの4年間で随意契約が14件、計77.1億円です。平成30年度だけ急に落ち込んでいますが、別の官公庁案件にリソースを傾けたのかもしれません。ちなみに、前回の投稿で触れた電通は同庁の随意契約(委託費)は少なく、直近5年で平成30年度の1件(約9000万円)のみとなっています。
前回(中小企業向け「軽減税率対応の周知・普及」費用は46億3620万円 https://anond.hatelabo.jp/20190828030401 )の続きです。
前回の投稿で「軽減税率対応の周知・普及」の中小企業向け費用は46億3620万円であると書きましたが、そこに含まれているはずの「窓口相談等事業」で新たに「競争入札」および「随意契約」が行われていることが分かりました。
まずは「競争入札」について。
平成30年度消費税軽減税率対応窓口相談等事業(事業者支援措置に係る講師派遣等による周知・広報事業)
株式会社パソナ 2018年4月6日契約締結 7213万3200円
平成30年度2次補正消費税軽減税率対応窓口相談等事業(消費税軽減税率制度に関する周知・広報及び講師派遣等事業)
株式会社電通 2019年3月28日契約締結 6億7500万円
以上について、応募社数の記載はありません。また、落札率についても非公表です。
https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/nyusatsu/zuikei/koukyounyuusatuitaku30fy.htm
続いて「随意契約」について。
平成29年度消費税軽減税率対応窓口相談等事業(事業者支援措置等に係る講師派遣事業等実施事務局)
株式会社パソナ 2017年9月22日契約締結 5935万6947円
https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/nyusatsu/zuikei/zuikei_itaku_29fy.htm
「消費税軽減税率制度に係る事業者支援措置(補助金等)説明会」講師派遣事業ホームページ(http://keigen-zei.jp/)を確認したところ、講師派遣事業の事務局(軽減税率対応講師派遣相談窓口(事務局))を、株式会社 パソナ 官公庁事業部 官公庁第2チームが担当しているようです。
株式会社電通に関しては、軽減税率対策補助金ホームページのプライバシーポリシーページ(http://kzt-hojo.jp/privacy/)で軽減税率対策補助金事務局を担当していることが記載されていました。
元々、平成27年度に開始された、「消費税軽減税率対応」に関する講習会・フォーラムの開催、相談窓口の設置、専門家派遣は、全国商工会連合会などの中小企業団体等に委託されており、こちらは41億7700万円となっています。
パソナや電通への支出と重複するのか否かは資料が見つからずはっきりしませんが、時期を見るに、中小企業団体等への委託後に、追加で競争入札及び随意契約が行われているようです。では、なぜそれが必要だったのか。
もう1点、パソナへの委託について、平成29年度は随意契約ですが、平成30年度では競争入札になっています。これは各業務内容が異なることを指しているのか、それとも別の理由によるものなのか。いくつも疑問が浮かびます。
(次回、平成27年度以降、中小企業庁のパソナの随意契約(委託費)が急増 https://anond.hatelabo.jp/20190829175345 に続きます)
中小企業や小規模事業者の皆様は、消費税軽減税率制度に関するパンフレットや講習会などの案内を受け取られたことでしょう。同周知案件の担当は、経済産業省・中小企業庁ですが、それらのコストに関するExcel資料がWeb上で公開されています(以下ご参照)。
■0140 消費税軽減税率対応(委託費・補助金) - 経済産業省
https://www.meti.go.jp:443/information_2/publicoffer/review2017/saishu/28014000METI.xlsx
「消費税軽減税率対応の周知・普及」に関するコストは大きく分けて2種類。「パンフレット制作」と「講習会・フォーラムの開催、相談窓口の設置、専門家派遣」です。
まずは、パンフレット制作。印刷・発送などを含む支出が1億5920万円で、これは凸版印刷しか入札者がない「一者応札」です。
また、講習会・フォーラムの開催、相談窓口の設置、専門家派遣は、全国商工会連合会などの中小企業団体等に委託されており、こちらの支出は41億7700万円です。
合計すると、46億3620万円。いずれも「軽減税率」という国民を混乱させるような分かりづらい制度がなければ必要のなかった支出です。
穿った見方かもしれませんが、わざと分かりにくい制度に設計して、説明・広報のための案件を(官邸のお友達企業に)発注しているのではないかと疑念を持つ人もいることでしょう。そこで思い浮かぶのは、あの企業です。
(次回、「軽減税率対応の周知・普及」案件でパソナが随意契約 https://anond.hatelabo.jp/20190828032359 に続きます)
詳しくは以下リンク先の経産省のEXCELをご覧いただきたいのですが、「軽減税率対応の周知・普及」に伴うパンフレット制作の入札が経済産業省の外局である中小企業庁の担当で実施されていました。
■0140 消費税軽減税率対応(委託費・補助金) - 経済産業省
https://www.meti.go.jp:443/information_2/publicoffer/review2017/saishu/28014000METI.xlsx
ちなみに費目は
事業費 パンフレット加工編集、印刷、発送等 1億3390万円
その他 人件費 1060万円
とあります。
■中小企業庁:「消費税軽減税率対策に関するパンフレット」を公表します
https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/zeisei/2017/170307zeiseikaisei.htm
1億3390万円という数字の多くは印刷費が占めるのでしょうが、とはいえ、企画・デザイン・編集を含め、この金額に見合うものとは思えません。
そもそも、なぜ冒頭のEXCEL資料を見つけたのか。それは、なぜここまでややこしい「軽減税率」制度を導入したのか、と疑問を感じたことが出発点でした。
もしかしたら、わざと分かりにくい制度に設計して、パンフレットなどの広報資料を(官邸のお友達企業に)発注しているのではないか。そんな仮説を立てて、いくつかのキーワードで検索したところ冒頭のEXCELを見つけました。
国民の関心事である消費税増税、そして軽減税率に紐づく本来必要のなかったはずの広報案件のコストになぜ関心を持たないのか。これは自戒を込めて言えば、マスコミで報道されない情報は大した情報ではない、という刷り込みがされているからだと思います。
疑問を感じたら、自分で調べて、一次情報にたどり着く。その大切さを今回改めて思い知りました。
本稿では多くを指摘しませんが、全国商工会連合会などの中小企業団体等に委託した、講習会・フォーラムの開催、相談窓口の設置、専門家派遣の費用、41億7700万円も本来、軽減税率という国民を混乱させる制度がなければ必要のなかった支出です。そのことについても批判があってしかるべきであり、多くの方々の関心事となることを期待しています。
※修正前の投稿では「随意契約の疑いあり」などと無知なことを書きました。競争性が十分に確保されているかどうかは疑問ですが、「競争入札」は「競争入札」ですので、訂正いたします。
昨今、官への働きかけに余念のないベネッセコーポレーション。文部科学省に絶大な影響力を持つ慶應義塾元塾長・安西氏との癒着関係や、元文部科学省事務次官の天下り受入れ(役員待遇)について指摘が相次いでいる。最近では、文部科学省が招聘した外国の有識者の旅費と報酬を肩代わりしたという報道も記憶に新しい(不正無しと文部科学省が結論)。
一方、そのような文部科学省との強い関係により、ベネッセは十分な果実を得ているように見受けられる。全小中学校で全生徒を対象に行われる「全国学力・学習状況調査」を受注したり、大学入試センター試験の後継となる新試験(2021年導入)においてベネッセが実施する英語試験「GTEC」の結果利用が認められたりと。だからといって不正とは限らない。法令に反しない範囲で行っていることであろう。しかし、このような濃厚すぎる蜜月は、「国民の見えないところで取引が行われている」という疑惑をかきたてたままだ。
新宿に「株式会社 学力評価研究機構」という会社がある。なんともいかめしい研究機関のような名前であるが、通常の株式会社であるようだ。名前だけからすると、ベネッセとの関わりは見いだせない。
https://www.crlea.co.jp/company.html
2017年創業の新しい会社である。ウェブサイトには従業員数や取引先など詳しいことは何も書かれていない。あたかもペーパーカンパニーのように見えるが、そうではない。事実として、設立直後から文部科学省関係の事業を次々と落札し、受注しているのである。
https://www.crlea.co.jp/company.html
代表取締役社長とされる服部氏は、プロフィールも何も書いていないので同一人物とは断定はできないが、ベネッセ社員に同姓同名の者がいたことがわかる。
本社所在地住所は、ベネッセ東京本部新宿オフィスや、多くのベネッセグループ会社が居を構えるところとまったく同一。仮に上の者が独立・起業したにしては不自然である。
以上から、同社はベネッセの子会社、あるいは子会社相当のグループ関連会社であると強く推測できる。重要なのは、容易に推測できるにもかかわらず、それをウェブサイト上どこにも明らかにしていないことである。一見、ベネッセとは無関係の社名であるというだけ。不正の要素はどこにもなく、今後疑惑を投げかけられたとしても、「隠していない」として逃げる準備はできているということだ。
文部科学省側としては、「すでに社会の批判を受けている以上、なんでもかんでも業務をベネッセに丸投げするわけにはいかない。一方で、信頼関係・利害関係のあるベネッセに仕事をお願いしたい。中身はベネッセで、看板だけ別という会社などないだろうか」
ベネッセとしては、「文部科学省とより強い関係を築くためには、合法ならば手段を選ばない。別会社をひとつ作るくらいは造作もない」
……そんなところだろうか。
この推測が現実に当てはまるか否かは増田読者諸兄の判断にゆだねたい。しかし、頭皮はともかく考えていただきたいのは、近年の文部科学省とベネッセの激しく緊密な官民関係を良しとするか、ということである。本件のふしぎなベネッセ関連会社も、すでに、確実に、その強化へ連なっているのだ。
b:entry:twitter.com:sahoobb:status:1047061214176661504
データの紛失と配付資料コピーの件は(マンガの主張の通りなら)相手(M山氏)がクソだね、で終わりだけど、肝心の会場キャンセル料のギャラからの天引き埋め合わせについてどうしても公務員として引っかかる部分があるので。
役所の支払いとして絶対にありえないんですよ。公務員やってたら冗談でも思いつかない発想なんです。
①すべてM山氏の冗談で最初からギャラは全額払うつもりだった。
②M山氏は区の職員だが、マンガ教室は区の事業ではなく、区職員M山氏個人の資金による個人事業だった。
③M山氏は区の職員ではく、ギャラの支払いも区役所からではなかった。((M山氏は役所から教室開催を委託された業者・団体の従業員で、「役所の事業でマンガ教室をやります」と言うのをさほ氏が「役所職員なのでそう言っている」と勘違いした。))
のいずれかしかあり得ない。個人的には③の可能性が高いと思います。
①はそんな冗談を言っても相手を不快にさせるだけで実行不能で意味がないし、②は役所職員がそんな資金豊富だとは思えないので。
役所(に限らず県庁や省庁でも基本は同じ)の何の創造みもない予算執行・契約業務の説明なので面白くもなんともありません。①~⑤は飛ばして⑥だけで結構です。いや全部読まなくてもいいんだけど。
役所の中ではこんな事やってんだな、こんな世界があるんだなってことで。
そのために確保しておくお金の枠を「予算」と言います。(マンガでもこの言葉が出てきますね)
役所がやりたい事業の計画を立てて、必要経費の見積もりをとって足し上げたものが「予算」額になります。
ちなみに「予算」は使途ごとに「費目」が決まっていて、費目ごとに金額を決めて予算を作らなければならず、今回の場合は「マンガを子どもに教える」事を役場から個人・団体に委託するので、「委託料」になります。
委託料として確保した予算は、委託する事以外には使えません。(たとえば会場借用料とかキャンセル料とかには使えません。「使用料」とか「補填・賠償金」になります。)
縛りガチガチですね。公金ですから好き勝手に使えたら困りますからね。
(費目間流用という例外処理もありますが、非常に面倒な手続きが必要だし、事前手続きが必須で「当日現場でいきなり」できることではないので省略します。)
事業を執行する部署(今回でいうと文化振興課かこども育成課か)が好き勝手に予算額を決めることはできず、まずは役所内で「(予算を決定する部署である)財政課による査定」を受けます。
財政課は常に「財政赤字を減らさねば。予算を削減せねば、部署に節約させねば。」と考えてますので、事業や経費の必要性を説明しても根拠資料不足だと差し戻しされたり、事業全部が不要だと却下されたりして、何度も査定室に足を運び、ようやく認められたものが「予算案」になります。
「案」です。
(財政課内でも査定担当VS上司のバトルがあるんですが省略します)
議会の予算決算委員会で委員から細かく審議されたあと、問題なければ本会議にかけられて可決されたら正式な「来年度予算」として成立します。(これは首長と議会が激しく対立してない限り、否決されることはまずありません。委員会で審査されるのも事業そのものの必要性で、積算まで見られることはありません。良くありませんね。でも議員さんが役所の全部署全事業の予算案を積算レベルまで細かく分析するのは現実的ではないでしょう。)
(事業に関わる予算要求~支払までの文書は公文書であり公開請求すれば見られるので、オンブズマンがチェックしてる部分もあります。)
さあ、新年度になりました。さっそく予算を使って事業を始めましょう。
これも事業担当職員で好き勝手にはできません。なんせ使うのは公金ですからね。
まずは「予算執行伺」の決済を取らなければなりません。「こんな感じの事業でこのくらいの金額を、この予算のこの費目から使いたいんですが、いいですか」という伺いを文書化して、契約書の案(印鑑が押して無いだけで実際の契約書と同じ)を添付して、担当→係長→課長と審査をうけて決済をもらいます。だいたい文書を回すだけですが、目新しい事業や大きな事業だとデスクの前に呼ばれて口頭説明も必要になります。(金額によっては部長とか首長レベルまで決済をもらわないといけないが、だいたいは課長決裁。)
まあ前年度に予算案を作る段階で課内でも財政課でも厳しくチェックされてるので、今更なんですが。
次は、事業のためお金を出す人・団体と契約します。今回でいうと、さほ氏や会場店ガリレオですね。
契約相手はどうやって選ぶ?なるべく費用を抑えるために原則は入札。
だけど細かい契約まで入札・開札作業してたら大変なので、限定された使途と一定以下の金額に限り、担当職員が契約相手を選ぶ随意契約をして良いことになっています。
その場合は相見積もりと言って、複数の相手から複数の見積書をもらって最も安い相手を選ばないといけません。
「この付近にはこの会場しかない」とか「この技能を持つのはこの人しかいない」と合理的な理由がある場合には一業者・一人だけ選んで見積もりを取っても良いことになっていますが、これは例外処理なので本当にその相手しかいないのか起案文書できちんと説明しておかないといけないし、上司からも細かくチェックされます。
次はまた決済です。今度は「支出負担行為」の文書を回さないといけません。
使う予算の費目(今回なら使用料と委託料)、使途、実行月日、円単位の金額、支払い相手先名、振込口座情報(役所の支払いは原則口座振込です。研修参加費を現地受付で払うとかでない限り、職員から現金払いする事はありません。)を記載した上で、イベント関係書類と見積書を添付して、また職員→係長→課長と決済を回します。今回は課長で終わりません。
課長から決裁印をもらったら、今度は役所の対外支払機能を一手に担う会計課からも決済をもらわないといけません。
首長から独立した「会計管理者」が役所の資金口座を握っていて、会計管理者の部下である会計課職員が役所のお金の出入りの全てを行っているんです。
会計管理者は「部長」並みの偉い人なので大きい金額の契約を見ていて、今回会計課に持ち込んだ「支出負担行為書」は、会計課担当→係長→会計課長で決済されたのでしょう。(会計課にいたことがないので細かい内部処理は不明)
そうやって初めて、相手と契約できます。「依頼」ではありません。「契約」です。
役所の契約行為は極一部に限定された例外(職員が出張で使うJRきっぷとか航空券とかの購入)を除いて、必ず文書契約です。口頭での契約は絶対にできません。(お金を出す証拠が残らないので不正支出になる。)
契約書はだいたいテンプレートが決まっていて、支払い相手、金額がきっちり明記されています。
これを2部用意して、2部ともさほ氏に渡して押印してもらい受け取って、役所では総務課に行って総務課員のチェックを受けたうえで公印(首長印)を押印し、1部をさほ氏に渡して1部は役所で保管して契約成立です。
そうして無事契約が成立して、ようやく「役所から依頼された」ことになります。
契約を結んではじめて役所はさほ氏に「教室で子どもにマンガを教える債務」を負わせることができます。
そして教室開催当日を迎えました。
ん?担当者が会場を2カ所抑えていて、キャンセル料が必要になった?一カ所は有料のところ(ガリレオ)で、もう一カ所は無料のところ(公民館とか)だったのかな。
キャンセル料は「費目・使用料」では払えないので、帰庁して急ぎキャンセル料の支払いのため「費目・補填賠償金」の支出手続きをしないといけません。
でも、一店だけ予約していたのが講師の都合で急に開催できなくなってキャンセル、なら支払う理由も成り立つんですが、担当者個人のミスで2会場予約していて、しかも当日までキャンセルしてなかったからキャンセル料が必要になった、なんて理由は上司や会計課に説明しづらいし、公金の支出としても市民からツッこまれそうです。(自分だったら、ダブルブッキングは無かったことにして自分の財布から出します。それが一番簡単なので)
ここでM山氏が言った「さほ氏へのギャラからキャンセル料を差し引いて払いますね」は可能でしょうか。
まず「決まった報酬(委託料)から急に発生した別費用を差し引く」というのは不適切な支出です。相手に委託する業務内容に対してこの金額で委託すると一度決めたのですから、業務内容が変わらないのに減額するなんて役所内の決済で絶対に認められません。
これまで支出するために役所内で行った支出負担行為書には支払相手・支払口座・支払金額が明記されています。契約書にも相手・金額が記載されています。
後から支出負担行為書を二重線で消して訂正印を押して見え消し修正する・・・無理です。訂正が効くのは誤字脱字くらいで、支払金額とか支払相手先とかの重要項目の修正はどの役所でも認められてません。契約書の訂正も必要です。
役所保管の契約書を担当者が首長印をコッソリ使って勝手に訂正したとしても(今はどこも公印の管理は厳重になってるので難しいけど)、会計課はそれによる支払を認めないし、さほ氏の持っている契約書には修正前の金額が記載されている(双方の合意に基づいてない)ので、奇跡的に会計課チェックをスルーして(ありえない)減額した金額でのギャラ払いが成功したとしても、後からさほ氏保管の契約書を提示されて不足分の支払請求をされたら、口座振込による支払金額記録が残ってますから、役所は追加払いしなければなりません。
追加払いするためにはまた一連の予算執行手続きがイチから必要になりますし、M山氏はいずれにせよこの段階で不正支出・公文書偽造により懲戒処分です。金額という重要項目の訂正・契約書の片方印だけによる訂正を見逃して支払ってしまった会計課の担当や上司も処分を受けるでしょう。(まあ会計課はどこも細かいのであり得ないけど)
教室が無事に終わりました。
相手が債務を履行したのを会計担当が確認してからでないと支払えません。(例外もあるけど省略)
帰庁後、担当者は会計課にお金を支出してもらうための書類「支出調書」を作ります。文書仕事ばかりでウンザリですか?公金だから仕方ないんです。
ここでもまた、予算の種類、費目、支払相手名、支払金額、支払口座、支払予定日、債務発生日(教室実行日)、支払内容、等を記載して、(システム化されてて支出負担行為と紐付けられてるので、ほぼ自動入力)
先に決済済みの予算執行伺・支出負担行為書・役所保管分の契約書原本・相手が委託内容を実行した証拠(マンガ教室の写真等)と検査調書を添付して、
課内で担当→係長→課長と決済をもらって、会計課に持ち込んで会計課内でもまた会計課担当→係長→会計課長と決済を経て、
はれて会計課が銀行に口座振替依頼データを送信して、さほ氏の口座にギャラが振り込まれることになります。
もちろん課内でも会計課でも、事前に決済を受けた支出負担行為書や契約書に記載された金額・相手名と、支出調書に記載された金額・相手名は照合されますので、「こっそり減額した金額で支払い」しようとしても「書類間不一致」でハネられます。
まあ、減額したとしてもガリレオさんへのキャンセル料の支払い手続きはされて無いので、予算が余るだけで意味ないんですけどね。
これで「事業」としては終わり、なんですが、担当の仕事はまだあります。
年度末の決算作業。決算書ができたら決算特別委員会の想定問答の作成。
翌年度に行われる部内監査((事業執行課の総括課が行う))、定期監査((外部から任命された弁護士や有識者の監査委員会の下部機関である監査事務局による、昨年度に誤った処理がなかったかの検査。支払関係は特に細かくチェックされる。こっそり書類書き換えとかしてもここでまずバレる。))、監査委員自らによる委員監査の監査資料作成や当日の対応。
もし予算に国庫補助金が入っていたら、補助金の実績報告書提出や受け入れ手続き、国の会計検査院による検査の受検((非常に細かく厳しい。ここで不適切な支出とされたら国庫補助金返還となり、返還金の予算確保のために予算流用手続や補正予算編成作業や議会対応が出てきて死ぬ))。来年度の補助金の事業計画や交付申請、等々・・・
と長々と説明してきましたが、帰宅してからずっと書いてて誰が読むんだこんなの。
役所の担当が持ってる事業は1つではありません。複数分野を担当していて分野ごとに複数の事業があります。
教室も1回で終わりではなく年間に何回かやるんでしょう。
教室開催ごとに講師をやってくれそうなマンガ家を探して、コンタクトを取って、ギャラ交渉して、日程調整して、契約して・・・
広さと場所が適した会場を探して、見積もりとって、後払い振込払いの了解もらって、予約(契約)して・・・
講師から教材データをもらって内容チェックして、コピー製本して必要部数を用意して、当日会場に教材持ち込んで様子を写真撮影して・・・
そして毎回ごとに講師と会場に②~④の予算執行・契約・支払手続きもせにゃいかんわけです。
ということで、役所がこの手のイベントをやる場合、教室・講師の手配などイベント開催をまるごと民間業者やNPO団体などに「業務委託」 Permalink | 記事への反応(0) | 21:42