はてなキーワード: 底抜けにとは
先月末、Switchで昔ガラケーで配信されていた「女神転生外伝 新約ラストバイブルII 始まりの福音」が配信された。
このゲームはゲームボーイやスーファミで展開されていたラストバイブルシリーズで、こんなタイトルだけど2のリメイクではなくて完全新作。
そしてラストバイブルシリーズどころか、本家の女神転生シリーズを全てひっくるめてもトップクラスの鬱ストーリーになっている……という噂を耳にしたことがあり、一度遊んでみたいと思っていた。だがしかし、何せガラケー末期に配信されたアプリであり、噂を聞いたときはスマホに移行済みだったから、遊びたくても遊べなかった。このたびSwitchへ移植されたことでようやく遊べた。めでたい。
遊び終わった感想はというと、最初から最後まで本当にシナリオがエグくて、本家の女神転生シリーズを全てひっくるめてもトップクラスの鬱ストーリーという前評判は伊達じゃない。メガテンシリーズは全て遊んだわけじゃないけどね。
ただ、元がガラケーアプリということもあって、ググってもほとんど話題がない。あまりにも衝撃を受けたこのゲームの話がとにかくしたいのだ。
というわけで、シナリオを解説しつつ盛大にネタバレしながら語るぞ。
※1度遊んだだけなので、うろ覚えによる勘違いがある可能性あり
この疫病は空気感染するタイプで潜伏期間が3年~不定期、発症率は2~3割で年齢が低いほど発症しやすい。ホルスの住民のほぼ全員が感染しているのではないかと考えられている。
発症すると耐え難い痛みに襲われ、10年以上の月日を重ねて徐々に衰弱していくというもの。
やけに病状が具体的に提示されるのが、恐ろしさを伝えている。
ガラケーアプリで配信された2008年の段階ではそこまでの意図はもちろんないだろうけど、2022年の今遊ぶとパンデミックの恐ろしさが凄くよくわかる上に、病状はコロナよりもちろんヤバい。
ホルスのあちこちの街にある病院では全てのベッドが患者で埋まっており、自宅療養するしかないと告げる看護婦や、街によっては床に雑に寝かされているところもある。
そして、年齢が低いほど発症しやすいので、子供や孫の身内を失った老人が姥捨て山のように住まう村がある。そこにある大きな建物に入ると、フロアにびっしりとベット寝たきり老人が大量に映し出されるのは恐怖でしかない。これは所謂2DRPGだからできたことの表現だろう。
そこにいるまだ元気な老人も死への恐怖から必要以上に騒いだり、人生に悔んだり……。
物語の終盤、人間を苦しみから解放するという名目でルシファーがやってくるが、それは殺害することで苦しみから解放するというものだった。
主人公たちはルシファーを倒すが、この村の村長からはどうせ苦しんでいるだけなのだから一思いに死なせた方が良かったんだと嫌味を言われる。そしてルシファーから助けたはずの老人は病による苦しみから自殺してしまう。後味が悪いというレベルじゃないんだけど……。
この病気に対する薬も開発されているが、麻酔のようなもので、痛みを失くす効果はあるが根本的な治療にならない。
そして街によってはその薬すら満足に供給されず(数少ない薬はお偉いさん方しか使わないという政治腐敗っぷりもある)、死して魂を解放することが幸福であるという、謎の宗教みたいな教えを伝達して誤魔化しているのも、この世界の退廃っぷりを表している。
また、仲間の一人であるルナは行方不明となっている母と父を探しているという設定であるが、この母と父は疫病の進行のため、薬の過重投与によって植物状態になり、聖王軍から"楽園"と呼ばれる施設に同じような症状の患者とともにいた。
ルナはそのような状態になってしまった母と父にショックを受け、弟のカミュの魔法で記憶を改竄して貰っていたのだ……。
"楽園"にたどり着くことで真実を知ってしまったルナは、元々の勝気な性格が嘘のようにショックを受け、しばらくパーティから離脱することになる。
なお、当然ながら弟のカミュはこの真実を知っている。母と父がそのような状態になってしまったからか、姉であるルナに異常な愛情を向けるようになり、ついに自分の思い通りにならないのならそんな姉はいらないというヤンデレ思考でルナを含めた主人公一行と戦うことになる。
敵に操られていたとかそんな理由で肉親と戦うのではなく、セルフで狂って戦うことになってしまうのは、この物語の世界観のエグさを物語っていると思うぞ。
また狂ってしまうのはカミュだけではない。仲間の一人、レオンも物語の終盤に兄のように慕っていたアインは自分をかばってなくなっていたこと、自分たちの責任の重圧に耐えきれず、ルナを誘って逃げようとする。しかし、ルナは亡くなったアインの代わりに自分を新しい依存先にしようとしているという正論パンチを食らわし、痛いところを突かれたレオンは狂乱の中、ルナへ刃を向けることに(この後、ルナと一騎打ちになるが、レオンはメチャクチャ弱い。なお、レオンはその後、反省し、覚醒してパーティに戻る)。
一応ストーリーラインとしては、この疫病で苦しんでいる星で、世界を支配する王であるカインが狂王を名乗り、圧政や異世界から魔獣(メガテンでいうところの悪魔)を召喚してさらに世界を混乱させている。
主人公は冒頭で妹を魔獣に食われ、そしてその魔獣は父と母も殺害してしまう。この魔獣はあざ笑うかのように、妹が持っていた仮面や衣服を着用し、妹の笛を吹いて現れる。父親の死の間際、その魔獣(以下、笛吹き)とそんな魔獣を呼び出したカインへ復讐して欲しいということを語り、当面はまずカインを倒すことを目的に話が進む。
狂王カインへの対抗組織として聖王アベルが率いる聖王軍というものがある。この聖王アベルは前述の薬を作って配布するなど、この星に住む人の希望となっている。
……しかし、主人公たちはカインを倒したときに真実を聞かされることになる。
カインは、疫病への恐怖から誰彼構わず魔女狩りを始める国民に心を痛めており、自分が狂王となり悪役を演じることで全ての不満を自分に向けるように仕向けたこと。その裏で、聖王アベルという架空の存在を作り、疫病への対策を行っていたこと、そして狂王を演じるうちに次第にカインの精神を蝕み、狂ってしまったこと(結局、魔獣を召喚したのはカインであるかどうか不明)。
そうこうしているうちに、主人公を導き、暗躍していた魔獣の女王を名乗るミストラが魔獣王を決めるということを言いだす。
世界の各地に魔獣の卵のようなものがあり、ミストラがそのような提案をすると、サタンとルシファーが孵り、それぞれが魔獣王へ立候補し、彼らは大元の思想は違えど人類を滅ぼすという最終目標は変わらず、主人公はそれを止めるために扮装するが、どちらも倒したものの逃げられてしまう。
そしてミストラが魔獣王を決める際に、サタンとルシファーは合体してメタトロンになり、自分こそ魔獣王にふさわしいと名乗りを上げるが、ミストラが魔獣王として選んだのは、笛吹きであった(笛吹きはその後、各地で子供をさらっているなどして、何度か主人公と戦っている)。
ミストラは笛吹きと合体して、魔獣王ルインとなる。メタトロンは部下として従えることになった。
これまで主人公一派に協力的だったミストラの豹変っぷりはなかなか怖い。淡々と語りだすし。
ルインおよびメタトロンの目的は、人類を滅ぼすことで解放すること。そのための手段として月を惑星ホルスへぶつけるという大掛かりな手段を使おうとしてくる。
刻一刻と迫ってくる月、対策として月を爆破する選択を選ぶが、そのためには月にいるルインおよびメタトロンを倒す必要がある。
しかし、こちらには力が足らない。そのためには主人公にフォースの力を解放させるしかないという展開になり、主人公の心の中で、力の解放のため自分と向き合うことになる……。
気が付くと、主人公は森の中にいた。歩いていくと見慣れた光景が広がっていた、自分の育った家、父、母、そして妹。
妹は誕生日プレゼントで貰った笛と仮面を貰って楽しそうにはしゃいでいる。ここにはあの笛吹きの魔獣はいない。
……あのとき主人公が望んでいた光景が広がっているのだ。父は主人公に大切な話があると語る。
それは主人公は捨て子であり、実の子ではないこと、そして出来れば妹と結婚してずっとここにいないか?と提案してくる。
主人公はその提案を……拒否する(提案を飲むと、月がホルスにぶつかり「HappyEnd」という名の「BadEnd」になる)。
そして主人公は過去の迷いへ決別するために、夢の中の親や妹と戦うことになる。
ここまで読むと、わかるだろうけども、ぶっちゃけると「鬼滅の刃 無限列車編」の夢の世界とほぼ似たような展開となってる。こっちの方が早いけど。
鬼滅では炭治郎が夢の中で自殺することで戻ってこれたけど、ラストバイブル2では家族を殺害することで夢の中から脱出するからその分鬱度が高い。
ちゃんと戦闘になり、プレイヤーの手で攻撃方法・対象を選んで倒さねばならないのだから……。キツい……。これもゲームシステムを利用した演出なんだろう。
月にたどり着くと、いよいよラストダンジョン。その名は"地獄"。ストレートすぎる名称だろ。なんで月に地獄があるかっていうと、おそらくルインが作りだした幻かと思われる。だからこそこの地獄は狂気に包まれている。
この地獄では、人々がやや支離滅裂気味で話す苦しさを全て聞かないと先に進めないので、精神がゴリゴリ削られる。
あと最後までたどり着いてようやく気が付いたのだけど、ミカエルだのルシファーだのが出てきたり、タイトルにバイブル(聖書)という名称が入ってくるくせに、このゲームの世界観は仏教がベースなのよ。ラスボスの前座で出てくる敵は「四苦」と「八苦」。「四苦八苦」という四字熟語があるが、「四苦八苦」とは仏教用語であり、生苦・老苦・病苦・死苦・愛別離苦・怨憎会苦・求不得苦・五蘊盛苦を表す。ちょっと病苦を全面的に出し過ぎてる気もするが。
なんとかラスボスのルインを倒すが完全には倒せていない、そうこうしているうちに月はホルスに迫る。
もう用意していた爆弾だけでは、月を破壊できたとしても破片がホルスにぶつかって大損害を与えることが必至。完全に粉々に月を爆破する必要があり、主人公はレオンとルナをトランパ(ドラクエでいうルーラ)で逃がし、フォースの剣で更なる力を込めて月の破壊しようとする。
まだ死んでいないルインがやってくる。主人公はルインと心を通わせることで、笛吹きの魔獣……ラミレスの正体を知ることになる。
笛吹きの魔獣はラミレスという名で、正体はレオンの双子の兄である。
ラミレスとレオンは望まれない形で生を受けたため、親から虐待されて育てられた。食糧事情が悪化した際、ラミレスとレオンは親に捨てられた。
レオンは山へ、ラミレスは海へ。レオンはたまたまそこにいたアインに拾われて育てられることになった。
一方ラミレスは海に流された後、あまりにも不憫に思ったミストラにより、身体は魔獣として命を取り戻すことになる。そして主人公が冒頭で暮らしていた島へ流れつく。
仲睦まじく楽しく暮らす家族を見ると、親の愛情を受けずに虐待して育てられたラミレスは苦しみだす。なぜ自分はこんな目に合うのか。
ラミレスは家族の愛に飢えていた。だからこそ、主人公の妹を喰らい、妹が来ていた仮面や服を着ることで、自分はあの幸せそうな妹にすり替われることができるのではないか、と考え実行する。
もちろんすぐにバレるため、主人公の父と母から拒絶され、そのまま殺害してしまう。
家族が欲しいというラミレスの願望は一向に癒されず、各地で子供をさらって食うという猟奇的な行動に出てしまう。
そして、全てを理解した主人公は苦しむラミレスの魂を開放すべく、最後にとどめを刺す。そして月と運命を共にする。
あとは平和になったホルスのエピローグが語られて、「女神転生外伝 新約ラストバイブル2」が終了。
最初から最後までこれでもかというくらい陰鬱な話が続くが、そのための清涼剤としてか仲間はみんな底抜けに明るい。
だからこそ、仲間の辛い過去が判明したり、狂いだすのも結構キツいものがあったりする。
あと、このゲームは2であり、ところどころ1を遊んでいないとわからないと思われる部分もあるが(結局ミストラって何者なの?とか)、まあメインの部分は1をやっていなくても大丈夫。自分も遊んでないし。
まず最初に「美人は人生イージー」についての是非を問う日記じゃないです。
そう感じる人は多々いると思う。
こんな反論もあると思う。
確かにそうだと思う。
しかし最近ふと「まなちゃん(仮)」という女性がいたな〜〜なんて思い出した。
なぜ思い出したかというと、最近こんなブログを読んだのが始まり。
https://anond.hatelabo.jp/20220321231143
弱者男性がモテるために努力して、結局モテないというブログなんだけど、
性格・所得どうこうはさておき、外見でモテない人は恋愛も結婚も一筋縄じゃいかないよな〜〜、
じゃあ逆にこの人の反対側はどんなんだろう?そういえば「まなちゃん(仮)」って反対に近いかもな?て感じで。
日々の情事ブログに載せる裏垢女子インフルエンサー的な女性で、やり取りの中でそのブログを教えてもらったんだけど、
結局その後話題がなくなって自然消滅したけど、暇なときそのブログをちょくちょく読んでた。
今日は城○○似のセフレに会ったとか、今日は初めて5pしたとか、今日は○○とハプニングバーに行ったとか、それはもう酒池肉林の日々。
ブログに載せている彼女の写真を見ると確かにモテそうだと思った。(芸能人だとauのCMの高杉くんのやつの女優と姉妹か?ってくらい似てた。)
ギャルとかより清楚っぽい子の方が実はすごいんだな〜とか思った。
そんな内容8割で、残り2割は「寂しさを埋めるために抱かれてる」とか、「私は幸せになれないしなる気もさらさらない」など内面的な内容で、
まぁ確かにこんだけセックスしまくってると心に闇を抱えてるんだろうなぁなんて思いはしたけど、
なんだかんだいって顔がいいから、理解のある彼氏くんが現れて、今までのことなんて嘘だったかのように人並みの幸せを手に入れるでしょと思った。
寧ろそうなってしまったら、外見は何にも勝るということを理解しないといけないから、そうならないでくれ〜〜とさえ性格の悪い私は思った。
そして数ヶ月が過ぎ、まなちゃんのブログは彼氏一色になっていった。もう結末はわかり切っていた。
散々イケメンとセックスしまくって最後に全てを受け止めてくれる男性に出会い結婚する女。
そんな立場の違う二人の人生。否が応でも他者との比較について考えさせられるよね。
幸せに生きるには「他者と自分を比較しない」なんてよく聞くけど、無理じゃね??
1/4まで無料一挙公開されてるって知って慌てて一気読みした
ADHDっぽさ重視なのかなと思ったらそうでもなかった
それが特徴のマンガだと思ってたからだんだんそれっぽさが薄くなっていって、良くも悪くも普通のマンガになっていくのは個人的にはさびしかった
つまらなかったわけじゃないけど
生きづらさを感じる人間と、底抜けに「大丈夫」な人間とかもいたりして
あとから知ったけど春のムショクの作者だったんだね
あのころに比べたらめちゃくちゃ絵もマンガもうまくなっててめっちゃびっくりした
よくダダンダンが週一更新すごい書き込みっていわれるけどこっちも負けてない
これで単行本でてないのはやっぱり掲載メディアの問題なのかなあ
人の絵柄、主人公以外の顔の表情とかの書き方が、すんごく「来世は他人がいい」に似てるなと思った
だんだんとお話は進んでる気はするけど、いつ終わっても不思議じゃない感じもする
うーん手元においときたいがいまんとこは無料期間おわったら1日4話限定でこのサイトで読むしかないらしーしなあ
まあ1日に4話もよめればいいか
とも思うが、いつ公開終了になってもおかしくないと思うとなあ・・・
うーんどうにかしたいが
俺は最近植物園の温室がすごく好きなので、その魅力について語りたい
なんかこう、お気に入りの公園とか、店とか、施設とか、各々のそういう好きな場所についての話も聞きたい
死んだらどうなると考えているか、死ぬのは怖いか、自分がいずれ死ぬということにどのくらい実感を持っているか そういう話がしたい
嫌いなものというよりは、恐怖・畏れの対象についての話がしたい
海洋恐怖症、集合体恐怖症、閉所恐怖症 そういう怖いものについて話す人の顔がけっこう好きだ
死生観の話にも関係するけど、一回怖いものの話をしてたときに「俺は死ぬことが怖い…すごく怖い!」と語り出されたことがあって、なんというか、すごく良かった ああいう話が聞きたい
行ったことの場所についての、無根拠で無責任な憧れの話が聞きたい
俺にとってのそういう憧れの場所はわりとベタなんだけどハワイで、なんというか、絵葉書みたいで、底抜けに明るくて、すべてが商業化されていて、めちゃくちゃ快適な場所だと勝手に思っている
実際には行ったことがないっていうのが大事だと思う 憧れの話が聞きたいから
普通に参考にしたい
俺はこういう陰気な話がしたい
酔っ払って陰気な話をしようぜ
恋バナなんてやめてさあ!
いや、恋バナも楽しいけどよ
やっぱこう、普段はおちゃらけてる人が、マジメな顔して、死ぬことがすごく怖いって語りだしたときの、あのカタルシス(?)が忘れられないんだよな
ガチの趣味の話とかだと、専門性というか、深すぎてシンプルに何言ってるかわかんなかったり、興味を維持できなかったりする
俺はそういう話が聞きたいんだ
創業経営者と比べると、大企業の経営者による「私の履歴書」はいったいに面白くない。とくに金融系はつまらない。それにしても、石原氏の連載には刮目させられた。底抜けにつまらないのである。他の大企業経営者と比べても、つまらなさの次元が違う。それがたまらなく面白い。
読んでいない方のために内容をかいつまんで紹介する(ある意味で読みどころ満載なので、要約するのが心苦しい。ぜひ原文に当たることをお薦めする)。日比谷高校から東京大学法学部に進学。東京海上に就職する。新人時代の使い走り時代を経て、商品開発部門に配属。専門書で勉強し、世の中の変化に合わせて保険商品をつくる楽しさを知る。仕事が終わると先輩と2時3時まで飲み歩く日々。しかし、非常事態に対応するのが損害保険会社。翌日の仕事に差し障るのはプロとしてよろしくないと、日付が変わるまでに酒席を終えるようになる。
顧客対応の難しさ。人が行きかう駅で土下座をすることもある。代理店から出禁をくらっても、粘り強く何度も足を運び、ようやく納得してもらう。丁寧に意図を説明して誤解を解き、信頼を勝ち得るために努力を惜しまないことが大切と知る。
部下と上司の板挟みに苦しんだ課長時代。ストレスで十二指腸潰瘍を患う。職場の雰囲気がギスギスしていて、3人の女性社員が辞めたいと言い出す。ムードを和らげることに努めた結果、「まだ続けます」といってもらったときの嬉しさ。
■ヤマはない。オチもない。波乱も万丈もない。
畑違いのシステム部門に異動に。勤務先は国立市のコンピューター・センター。初対面の人ばかり。打ち解けるために週末を除いて56日間連続で部下と飲み、本店からの無理難題で疲弊しているシステム部門の現場の悩みを知る。本店との風通りをよくしようと努力を重ねる。ときには丸の内OLになりたくて入社した女子社員が国立に行くのがイヤだと駄々をこねることもある。本店まで自ら迎えに行って、国立勤務を受け入れてもらう。
取締役に昇進し北海道本部長に。当時、取引先の拓銀は破綻の危機。正月、拓銀の守り神の神社にお参りし、「拓銀さん、今年もどうか頑張ってください」と祈る。支援に奔走するが、拓銀はあえなく破綻。「いろいろご支援いただきましたが、こういう結果になりました。本当に申し訳ありません」という副頭取にかける言葉もなかった――。
こういう調子で、淡々とした仕事生活の回想が延々と続く。ヤマはない。オチもない。波乱も万丈もない。強いて言えば、連載17日目(これを書いている時点で最新の回)の次期社長を打診されたときの話がヤマといえばヤマだ。
前社長に「後任は君だ」と言われ、予想もしなかった話に呆然とする。「考えさせてください」とだけ答え、帰宅してから仏壇の両親に「大変なことになりました」と語りかける。それをひそかに見ていた夫人(またこの奥さまが石原氏にお似合いの「古風でしっかりした」女性。女子大を出たばかりのときに高校時代の美術の先生の紹介でお見合い結婚。内助の功をいかんなく発揮。もちろん美人)が「お受けしたら……」。で、受けることにした――と、これだけなのである。
経営者の「私の履歴書」にお決まりの「のるかそるかの大勝負」とか「修羅場での決断」がまるでない。目の前の仕事に誠実かつ真摯に向き合う。こつこつと着実に小さな成果を積み重ねていく。「週末を除いて56日間連続で部下と飲む」ということは、ちゃんと日数を数えていたわけで、この辺真面目としか言いようがない。
大企業の経営者が書き手の場合、月の半ばから後半に入るころに、「次期社長は君だ」のエピソードが出てくるのがお決まりのパターンとなっている。社長のポストを打診されて「青天の霹靂だった」とか「思ってもみないことであった」というのがこれまたお約束なのだが、読んでいる僕にしてみれば「よく言うよ。絶対自分が次の社長になる、それだけ考えてやってきたんじゃないの……」と思わせる人が多い。ところが、石原氏の場合、本当に「予想もしなかった話に呆然」としたのではないかという気がする。それだけ筆致が率直なのだ。
はじめは単に「面白くないなあ……」と流し読みしていたのだが、そのうちぐいぐいと引き込まれ、連載10日目を過ぎたころからは襟を正して読むようになった。その桁違いのつまらなさに、むしろ保険会社の経営者としての凄みを感じたからだ。
すごく好きになったアニメ監督がいて、もうアニメを見なくなった今でも、その監督の作品は見る。
ただ、底抜けに明るいか全く動じない主人公が、持つものすべてを失った上で叩きのめされるような目に遭う。
乗り越えるのは分かっている。でももう生まれてからずっと酷い状況だったのに、少し上向いてきた頃にこんな目に遭わなければならないのかと思って辛くなってきた。
幼少期に読んでいた漫画の螢子ちゃんが呆然とするシーンの意味をやっと知った。どうしてここまでしなくてはならないの。正確な言葉は思い出せない。検索しても見つからないくらい、大したシーンでは無かった。でもその漫画のクライマックスに不自然に大きいコマでそう呟いた表情だけが焼き付いている。
子供はどんなに現在の価値観として幸福でも、人権を侵害されて生きなければならない。逆らいたくても生きる術は無い。見方によってはそうとも言える。辛く無かったわけじゃない。やっと自由を手にしても打ちのめされるような目には遭った。みんな遭うだろう。
今はもう大人になって、社会システムに取り込まれると、大抵の理不尽は自分の力が足りなくても憲法に守られている。何かしたければ成し遂げられる人脈と資本もある。
でも乗り越えただろうか。年齢が上がったら、今までも蔑ろにされるべきでは無かった人権が、他人に勝手に尊重されるようになっただけだ。あの頃の無力感も絶望もなあなあのままで、年齢だけ同じ状況になったら耐えられない。
何がしかの力を得たはずの存在なのに、主人公が打ちのめされ、乗り越えていく様を、眺めることしかできない。今の自分にあの頃の自分が救えないように。
何かできただろうか。今なら何かできるだろうか。何もできない。言葉ひとつかけられない。待つしかない。
主人公も子どもたちも、きっと何もしなくても乗り越えて生きていく。残るのは宙に浮いた無力な手とただ大きくなった身体。
あんな主人公の印象のままで終わりたく無いから、続きを見たいけれど、なんかもう、悲しくて辛い。そんな目に遭うべきでは無かった。
良い作品を見て、ただ見ているだけの自分を脱して、かつての自分だったかもしれない子を救いに駆け出すべきなのだ。でももうただ辛い。乗り越えられなかったし救われ無かった子どもとして横たわってしまう。主人公たち程では無かったのに。
釣られとくわ。
うるせぇよ、馬鹿。
全ての作品に対してそんな尺度でしか評価出来ねぇんならテレビ向いてねぇよ。文化レベルを平安末期まで戻して鳥獣戯画でも見とけやタコ。
あのな、トロプリはお前の根性のようにねじ曲がってヒビだらけのメガネで見るような作品じゃねぇんだよ。
脳みそ取り出したとこに可愛いの箱をねじ込んでその中に本編を直でブチ込むアニメなんだよ。
能面かと思えばトロピカるなことには体が動いちゃうみのりん先輩
不良だから友達いないと思いきや割と面倒見が良くて友達少ない原因がマジに分かんねぇあすか先輩
今のところ完全にペット枠のくるるん
どうにか退場しないでくれとSS以来に願ったあとまわしの魔女たち
こいつ等がテレビの中で大暴れしてくれるだけでいいんだよ。それだけで楽しいんだよ面白いんだよ。
日常パートも表情豊かで底抜けに明るくてこれを見るだけでステキな日曜を迎えられるんだよ(余裕があったら一時間前に放送するアイカツプラネット!も見てね)。
バトルも絞めるとこは絞めるけどギャグをやるとこはとことんやるんだよ。
"昼飯食い損ねたから戦闘中空腹に襲われる→敵を氷漬けにしてる間に弁当かきこむ"
もうね、コロコロコミックか?ギャグ世界の住人だから多分フリーザ軍の攻撃効かんぞ。大好きだよお前ら最高だ。
子供は大人が使ってるものに無条件に憧れるんだよ。お姉さんキャラがメインターゲットに人気あるの知らんのか?そういうもんなんだよ。もう"大人"が憧れの対象なんだよ。
「可愛いは追及するな。全員がしなくてもいい」とかもういいじゃねぇか。
かっこよくなりたいから。
綺麗になりたいから。
単純に使いたいから。
これでいいじゃねぇか。
「自分をエンパワメントするためのメイク」に噛み付いてるのはよく分かんねぇけど、本編で一度とてそういう話題出たのか?メインターゲットはそこ気にするのか?大人が勝手な理屈で勝手にメインターゲットのこと心配するのもどうなんだ?余計なお世話じゃねぇのか?誰もそんな目でプリキュア見てねぇよ多分。
エンタメだよエンタメ。大前提でエンタメなんだよ。政治的テーマを入れるような作品じゃねぇだろ。
そういうの欲しかったらHUGプリでも見とけよ。うっすら表面化してるからあっちは(個人差があります)。
よく分からん釣り針垂らすのを後回しにしないのはあートロプリ見てんなぁって関心するけどさぁ、
もういい加減お前の肥大化した妄想だけで作品を評価するのをやめろ。なーにがルッキズムだよ。バカフェミはなんであいさつ代わりにぶん殴ってくるんだよ。ブクマ乞食の為にトロプリを利用するのはやめろ。
いま仕事がとてもしんどい。中途3社目で2年目だけど、リファラルなのになんやかんや事前に伝えられていた業務と違うし、誇張なしで上司に騙されて年収がバカほど下がった。
ついでに協業会社との矢面にたたされて、仕事大好きだったはずが、もう薬飲まないと仕事が出来なくなっていた。辞めようにもそろそろ転職回数に響くし、元々長く勤めようと思っていた分ライフプランが崩れるのが怖い。ついでに「仕事」というものに対してのモチベーションが果てしなく下がり、何をしても上手くいく気がしない。
そんな折、底抜けに明るくてバカなタイプの友人と、ふと飲んだ後にふたりで話す機会があった。
厳しいと有名な業界で働く彼は、順風満帆に見えたが実はそうではなかったらしい。
仕事が死ぬほど精神的にキツイと。元々ギリギリで仕事をしていたところ、嫌な客にあたってしまい、心が折れてしまったと。
ああ分かる、分かるよ。状況は分からんが仕事しんどいよな。誰にも助けを求められない状況で、やることだけは増えていって、何を目的に仕事してんのか分からなくなるよな。
ずっと上司にも同僚にも言えなかった「しんどさ」がスルスルと出てきて、彼に「お前も大分きついな」と笑われたら、なんだか少し救われた気がした。
コロナ禍ってこともあり、人と会う機会も減って、周りの近しい友人はライフスタイルの変化があってそれぞれ大変そうで、愚痴なんて言うことも出来なかった。
身内に相談しても、新卒から勤続50年近くで、定年過ぎて役員までやってる父親には全く理解されないし、専業主婦の母親は尚更。
ただ、状況は違えど自分と同じように仕事に心が潰されそうになってて、理解してくれる友人が身近にいて本当に良かった(良くはないけど)
彼は行きたい会社があるのでそこに転職するために活動中らしい。
そこに対するモチベーションは天と地ほどの差があるが、ただ死ぬほどしんどいということが誰かに分かってもらえて救われたっていうはなし。
「モルカーは面白いらしいけど勧めてくる人がつまらない人ばかり」という物言いが横行しているらしい。
そのつまらない人間は勧めてくる人のセンスを信じられないという意味だろうか? それとも純粋に「センスが悪い」という意味だろうか?
もし「人としてつまらないけどセンスは悪くない」という意味なら観るべき。
なにより「作品としては面白いのにあいつらのせいで台無し」と被害者面したいのなら「こっちだって悪質韓流ファンに名作してんだ!!」というしかない。
つまり、これが言いたかっただけなんだよ。「せっかくのいいアニメがキモオタのせいで台無し」と被害者面するなら日頃から正しい感想を言うまでネトウヨ連呼の駄々っ子に襲われ続けている方の身になってくれ。
っていうか底抜けに「作品としては面白いのにあいつらのせいで台無し」論法の人達ってさぁ、誰かに信用された事ある? 「そういうおまえはどうなんだ」って? 何故、オタクが一般人という言葉を使うか真剣に考えてくれ(あんたらが思っているより気を使ってんだよ)
ほんこれ。
自粛でコトを収められれば人権制約も少ないまま、将来的な経済的コストも安上がりで済むんだけど
といって増田のように既存の社会保障制度や治安維持にフリーライドされては社会が持たない。
効率を重視すれば中国みたいに人権抑制が強まるし、自由に全振りすれば社会保障が底抜けになる。
そして我々民主主義国家では自由に全振りする権利も留保されている。
特に年金なんかは世代間扶養方式だし、若い人は放り出す方にインセンティブがあるんだよな。
その結果アメリカのような、ある種の修羅の国になるわけだけど、そちらを国民が選ぶのならどうしようも無い。
ほんとどうしたらいいんだろうね。
本業での年収、額面で一千万を少し超えるぐらいだけど、タイトルに書いたようなことをやっている。面白半分といったら申し訳ないが、色々な仕事を体験してみたいと思ってはじめたのがきっかけだけど、仕事して家に帰って、趣味らしい趣味もなく過ごしている中では絶対に会えないような種類の人に出会えると、やっててよかったな、と感じる。
メルマガ登録してると、支社に案件が登録されると募集のメールが来るようになってる。面白そうな仕事が来ると、登録し、それにあわせて有給をとる。もちろん本業の調整がつきそうなときだけ。
例えばこの次期だと倉庫内軽作業がアツい。通販事業者の発送を受託してる倉庫業者が、通販で受け付けた注文を保管棚からピッキングしたり、梱包したりして、運送会社に引き渡す準備をする仕事。同じタイプの仕事でも別な事業者の仕事をやると、棚への番号の振り方がいまいちだな、とかピッキングのフローに工数が多いな、とか色々気になったりする。でも一日だけだから非効率でも我慢してやる。
同僚は場合によってまちまちだが、片手に収まる程度が多いかなと思う。集合場所からの輸送の都合もあるのだと思う。バンに載せて移動できる程度。会話することも少ないが、夢追い人もいればくたびれたおっさんもいて、概ね仕事へのモチベーションみたいなものは低い。鈴木くん(仮名)という底抜けに明るい若者と同じ案件になったのだが、何故かやたらとなつかれたことがあった。移動時間、休憩時間と声をかけてきて、解散間際に連絡先をきかれて今度遊びましょうと言われた。鈴木くんには本当に申し訳ないがブロックした。悪趣味な遊びをしているという自覚は持っている。
こんな感じで本業と全然関係ないところで仕事すると、「あーいろんな仕事があって、いろんな人がいて社会が回ってるなー」と思えて楽しい。副業バレ対策に住民税は以前から普通納付。まぁ年に数回程度だから特別納付でもたいした話ではないのだけれど。
(元増田です)
少しわかる。
しかし、坂道系は3種類できたことで少なくとも表題曲、選抜曲においてはわりと各グループのコンセプトが明確になっただけな気もするし、ライブ沸き系の表題曲は日向坂46が担っていくのではないかと思う(日向坂46の楽曲が合わないなら申し訳ない)。
AKB48も、ブーム時代はアイドル業界を背負って表題曲だけでもいろいろなコンセプトの楽曲を出していたけど、今はもう何も背負う必要も無いのだから、アイドルらしさ、AKBらしさの原点に戻って、ライブで盛り上がれる底抜けに明るいだけの曲を出してもいいんじゃないかと思っている。
モーニング娘。が一時期「LOVEマシーン」や「恋愛レボリューション」でその枠を勝ち取ったけど、今ならその枠が空いてる(時代が求めるかどうかはわからないけど)。
FPS下手くそ勢なのでまつりちゃんのゲーム関連は、かなりわからないのでその点はごめんなさい。
ホロライブ一期生の元気な後輩系Vtuber。とっても明るくて人懐っこい。ホロライブ内外で繋がりが多くてみんなに好かれてる子。好きな人のことを海よりも深く愛して、好きになってくれる人をそれ以上に好きになって、絶対に逃さない魅力のある女の子。
とても人を気づかうことがうまくて、細かいところにも気付けて、でもそれは彼女がしたいからしていると断言しているところ。真実なんだろうけど、好きな人のために行動を起こせる所が非常に魅力的。自分の好きにも、とっても正直でリスナーに直接何度も何度も何度も何度も好きだ伝えて、リスナーもそれに応える幸せな関係。いつ見ても、今が一番幸せなんだなって。
コラボ放送が一番輝いてる。周りに真摯だけど、甘えるところで底抜けに甘え尽くす。怪しい発言も多くリスナーをやきもきさせたり、そういう発言を通して相手の良い所を引き出すのが本当にうまい。かわいい女の子とイチャイチャしてるのが本当に楽しそうでこっちも楽しくきちゃう。色んな人といっぱい遊んで欲しい。
Vtuberをやっている。
もし仮に今この瞬間に活動を停止したとしても向こう5年は生きていける。
だから自分の動画と配信を見に来てくれる人、スパチャを投げてくれる人には嘘偽りなく感謝の気持ちがある。
その人たちがいなければ収入には繋がらなくなり仕事とは呼べなくなるから。
自分の能力・嗜好にマッチした仕事をいただけることに感謝してもし切れない。
見つけてくれたからには配信者としての矜持を見せなくてはならないと思っている。
色々企画を練ってはいるものの、GOサインが出ずに実現に至らないものがたくさんあるがそれでも誰かを楽しませることを常に工夫するように心がけている。
ただ、この業界の、というよりはこの国の、ひょっとしたら人類規模かもしれないがこの業界の基本構造はとても残酷だなと同時に感じている。
それがタイトル。
著名イラストレーターが描いたヌルヌル動くLive2Dで女の声で喋るだけでこんなに自分のことを好きになってくれる人がいるという事実が、嬉しいけども困惑している。
楽器が弾けるとかの特技も何もなく、雑談も歌もゲームも別にうまくもないのに、言動は全肯定される。ファンアートもたくさん描いてくれる。勿論アンチもたくさんいるけど。
大手事務所を除いて男だとまずそれだけで活動ハードルが上がるんだな、女だとまずそれだけで活動ハードルが下がるんだなと思った。
どっちかがフラットで標準なのではなく、性別により大きな差がある。これはリスナーの性別比がそうなっているからだと思う。
女のファンもいるけど、怪文書、男根画像、LINE IDを一方的に送られるなどが日常茶飯事だと男のファンが圧倒的に多数なのだろうと思う。
私は自分を偽ることが出来ないので配信は「誰かの悪口は言わない」ということだけに注意を払って、それ以外は何も考えずに思ったことをそのまま口にしている。
だが、いい意味でも悪い意味でも配信中と配信外とで人格がまるで違う人もいる。
配信中は底抜けに明るくてアホなことを言ってリスナーからツッコまれ続ける人が、配信外では冷静に物事を分析するとても頭のいい人だというのを目の当たりにした時の衝撃は大きい。
テレビの中でしか見たことがない芸能人のオフの姿を直接目にした時の感覚に似ている。
それはそういうキャラクターを売っているからだと芸能人に例えて漸く納得がいった。
良い悪いの話ではなくその人はそういうキャラクターを売りにするという選択をしたという単なる事実の話。
私には出来ないがその人は出来ると判断してその方向に進んだのだから、そういう意味でも尊敬している。
タイトルの「アホな女」は流石に言い過ぎとは思ったが、隙のある女だったら男は守りたくなる、それがこの業界のビジネスの基本構造なんだろうなと思った。
私は突出した能力はないけど仕事を与えてくれる存在として誠実にファンに向き合っているつもり。
それでファンがいてくれるのはありがたい。けど、もし私が男だったらこんなにファンはつかなかっただろうなという恐ろしさも同時に感じる。
男女平等にしろとかなれとか言うつもりはないけど、実態がこんなに残酷だというのは恐ろしい。
今の所その様子はなさそうだけど、ジャニーズがタレント・ユニットごとにyoutube配信をし始めたら勢力が変わるのかなあ、なんてぼんやり考えている。
https://note.kishidanami.com/n/n0b2033a6652f
本当に24時間で消えてしまうのは惜しいのでここに。なぜかweb魚拓は撮れなかった。
岸田 奈美
2020/07/27 19:06
Instagramには、24時間で消えるストーリーという機能がある。フォトジェニックじゃない(=映えない)写真を、気軽に投稿できるのが良いそうだ。というわけで、これはフォトジェニックでもエモーショナルでもない、24時間で消えるnoteだ。おもにわたしの醜いモテへの執着や、頭を抱えたくなる恋愛の話に使われる。
彼は、愛すべきバカの友人の紹介で知りあった、愛すべきアホだった。底抜けにアホで、底抜けにお人よしだった。
いつも良いことがあったみたいに微笑んでいて、箸が転がっても楽しそうで、だれかの良いところを褒めることが大好きで、褒められたらわんわん泣いて、飲み会で輪にはいれていない人に一番に声をかけ、信号の点滅する交差点でおばあさんがゆっくり歩いていたら自分の荷物がペシャンコになろうとも放り出して一目散に駆け寄る人だ。たまに大きな犬に見えるときがある。
だけど悲壮感に満ちたおもしろい失敗や事件に巻き込まれてしまう引力はわたし以上で、いつも「なんでこんなことに」と半泣きになりながら、不運に揉まれるアホの彼が書く文章は、ちょっと息を飲んでしまうくらい上手だった。彼はわたしと同じ作家だった。書き残す言葉でだれかの呪いを解ける、尊い人だと思った。
友人として、作家仲間として、アホ同士だいたい4人くらいで仲良くやっていたのだが、思いもよらず彼から「好きだ」と言われた。
あまりにも予想をしていなかった展開なので、わたしは「虫だ」と聞き間違えて、そっか虫がいるんだと黙っていた。わたしがしばらく黙っていたので、考え込んでいるものと思い、彼は律儀にその沈黙を守っていた。実に無駄な3分間を過ごした。
「付き合ってほしいです」
「い、いやです」
「えっ!?」
彼は目を丸くした。目を丸くしたいのは、こちらの方である。だってきみとはずっと良き友人でいたいと思っていたし、こう言っては申し訳ないけど、まったくもってタイプではなかった。
彼は底抜けにアホで、底抜けにお人よしなので、たくさんの人と運命から愛されている。彼が誰かの悪口を言っているのは聞いたことがないし、誰かが彼の悪口を言っているのはもっと聞いたことがなかった。
でも、彼はスマートとはほど遠いのだ。モテないわたしが選り好みして、本当にごめん。醜いことは百も承知で、神戸のド田舎から出てきて、Sho-comi(覇王・愛人)を恋のバイブルにし、最近はツイステッドワンダーランドのリーチ兄弟に夢中なわたしは、スマートな男と付き合ってみたいのだ。
彼を恋愛の目線で言い表すとしたら、なんだろう。童貞が最後に見る夢。失った青春の延長線。交響詩篇エウレカセブンのレントン・サーストン。ボーイ・ミーツ・ガールドリブン。奥田民生になりたいボーイ。近所のタバコ屋に住み着いた大きな野良犬。振り向けばだいたい自動ドアに挟まってる。本当にごめん、ひどすぎる言葉しか出てこない。
これでわたしを嫌ってくれたらいいなと思いつつぜんぶ言ったら、ものすごく神妙な面持ちで「まあ童貞みたいなもんだからね、よくわかったね」と感心していた。感心をするな。
「というかね、信用できないんやわ」
「なにを!?俺の恋心を?」
「君の恋心をだよ。だってわたしたち、二回しか会ってねえのよ」
そう。時期が時期だったので、知りあってからはほとんど、友人たちを交えたリモート飲み会で話していた。直接彼と会ったのは、たった二回。一回目は奇しくも害獣に襲われて怪我をし、二回目は引っ越した家を悲運にも七日間足らずで失っていた。事件が過ぎる。
ともかく二回しか会ってないのだ。マチネの終りの福山雅治でも、もうちょっと会ってた。
つまりこれはひと夏の思い出にすべてを賭けてきた、まごうことなき童貞ドリブンだと思った。詳しくは書かないが、告白の場所もひどかった。いまどきの小学生ですらもうちょっと良い場所を選ぶ。
どこをどう見てもタイプではない童貞に、心を乱されているわけには、いかないのだ。どこかで優しくて素朴でかわいい女の子と一緒になってほしい。
「わかった。俺はいつまでも待つよ。誓うよ」
「なにを?」
「人生を」
「なんて?」
人生を誓われてしまった。誰から頼まれたわけでもないのに、やたらと重いものを後さき考えずに背負い込む、己に十字架を課す、これぞ童貞ドリブンじゃないか。もうやめてくれ。誓わんといてくれ。
それから、何度か彼とご飯を食べたり、お茶をしたりした。書いていて死にたくなるのだけど、目が合うたびに、かわいい、本当にかわいい、すごい、きれい、と初めて動物を見た子どものような表情で褒めてくれた。
わたしは、自分の外見に強烈なコンプレックスがある。もったりとした奥二重、並びの悪い前歯、突き出た上唇、団子を貼りつけたみたいに低い鼻。どこをどうとっても、褒められなかった。取材などで撮ってもらう写真を見るたびに、現実を突きつけられて、悲しくなる。だから、彼のかわいいを信じることができなかった。
あと、人から好きだと言われて付き合ったことがない。いつもわたしは異性を追いかける方だったから、尽くして愛することこそが、自分の価値だと思っていた。
あまりにもわたしが、かわいくないからやめてほしい、と頼むので、彼ははじめてむっとした顔を見せた。
「なみちゃんのかわいさが、なみちゃんに伝わってないのはいやだ」
そして思いついたように、わたしが買ったばかりのライカQというカメラを手にとり、夕暮れの街を歩きはじめた。ぶらぶらと歩いていて、彼はなにも言わずにシャッターを切った。
写真を撮るならもうちょっと、ポーズの指定とか、背景のこととか、考えるもんじゃないのと思ったのだが、そういうのはなかった。
樹木希林と内田裕也の関係性から学ぶこととか、かわいい犬が歩いているのを見るだけで脳汁が出そうになることとか、ブタクサの油炒めはどんな味がするのかとか、そういうアホな話をしていた。いつのまにか彼は、何度もシャッターを切っていた。
カメラを見ながら「うわっ、かわいい」「びっくりするくらいかわいい」「こっちかな」「いや、こっちだな」「まぶたに焼きつけたい」とアホなことをつぶやくので、したたかにどついた後、見せてもらったのがこれだった。
L1030088のコピー
生まれてはじめて、自分のことを、ちょっとかわいいと思った。なんだろう。汗でメイクも落ちてるし、服だって適当なワンピースだし、手はむくむくしている。でもなんか、良かった。
「俺には、なみちゃんがこう見えてる。なみちゃんは心の美しい人だから、誰よりも美しく見えるよ」
発言は相変わらずアホだったし、何度見ても顔はタイプではなかったし、彼はこのあとすぐ自転車にひかれかけていたのだが、ひとつだけわかったことがあった。
写真というのは、レンズが人を映すのではなく、人が人を映すのだ。
ファインダー越しの表情、身体の動き、まわりの風景には、関係性が透けて見える。いい顔をさせられるというのは、いい関係性であるということで、もっと言えば、撮る人の恋や愛みたいな言葉にできない感情も確かに伝わってくる。文章も同じだ。だからわたしたちは作家なのだ。
わたしの凝り固まったコンプレックスが、他人の視点を通して、少しずつ溶かされていくような感覚になった。わたしのことをこんな風に見てくれる人たちがいると思えば、この世界はそれほど悪くない。
告白の返事はしていない。付き合うかどうかもわからない。ただ、写真を撮ってもらうことが増えた。そのかわりエッセイにしていいかとたずねると、決まっていたみたいに快諾してくれた。
今日は「俺と付きあった方が良い48016個の理由」というメッセージが届いて、1から順番に送られてきたけど、ひとつ一分で語ったとしても八百時間かかるのがバカだと思った。
いつかこのバカのことを、好きになる日はくるのだろうか。勝手に誓われた人生を、わたしはどう持て余せばいいんだろうか。とりあえずわたしは、恋よりも、いまはなにかを書きたい。今日もわたしは、恋人がいない。