はてなキーワード: 救急車とは
いつでもどこでも適切な医療が受けられる仕組みが崩壊している状態。
普段ならすぐに救急車がきて病院に運ばれて助かる程度の怪我(動脈が切れたとか)でも病院の受け入れが遅れ、死ぬ可能性がある。
本来入院すべき患者(パルスオキシメータの値94%以下は平常時なら即入院)でも入院できなくなり、謎の新しいボーダーライン(90%以下、患者に自覚症状がなければオッケーなど)が現場の判断で作られるのがこのころ。
ガンの手術や慢性病の手術が中止にはならないものの遅れ始める。
病院に行けさえすれば適切な医療が受けられるという社会の前提が崩壊する。
コロナの重症病床に移すべき患者に適切な医療を受けさせることができない。その結果として死ぬ患者が増える。
入院すべきだった患者が家や施設で重症化しバタバタ死に始める。
病院のキャパシティの限界を超えており大部分のコロナ患者に適切な治療を行うことができない。
重症病床の逼迫率が150%を越える。つまり重症患者の3人に一人は重症病床に入れない。
マスコミの取材に対して、コロナ患者を受け入れる病院の66%が「現在の状況は病院の持つ機能の限界を超えている」と答え、90%近くが一般診療に影響が出ていると答える。
一般診療を含めて病院に行ってもほとんど治療を受けられない状態。
重症病床の逼迫率は400%を越える。
原因不明の死者が増えるがそのまま燃やされて検査されないためコロナの患者にカウントされない。
重症病床の逼迫率1000%以上。
ある男が神のお告げを聞き、1回押すと人が一人死ぬスイッチを受け取りました。
男はそれが神より自分が授けられた使命だと思い、スイッチを押し続けました。
男は日頃の恨みやこれで世界が変えられるはずだという信念のもと三日三晩の間、スイッチを押し続けました。
三回目の朝を迎えたとき、男は体の気だるさと充実感に満たされ、眠りにつきました。
次に男が目覚めたとき、何もかもが夢だったのではと少し疑いましたが、彼の傍らには確かにスイッチがあり、彼の手には関節の痛みが残っていました。
男は自分がしでかしたはずのことを調べるためにテレビをつけましたが、ヒルナンデスでは南原が笑っており、バイキングでは坂上忍がしかめっ面をしていました。
チャンネルを続けて変えましたが、リモコンのスイッチを押す手が痛むだけで、原因不明の死者増加のニュースはなく、世界は何も変わっていないようでした。
ネットも確認しましたが、Twitterではvtuerが配信したゲームがトレンドに入っており、ユーチューブではカワウソの動画をお勧めされ、はてなははてなでした。
回数が足りなかったのだろうかとそこからまた半日ほどスイッチを押し続け、腱鞘炎になりました。
それでも世界は何も変わらずそこにありました。
男は痛みに耐えかね、 病院に行きました。
男は手の治療を受けながら、何もかもが嘘だと思えたらよかったのにと思っていました。
男には確信が二つあったのです。
一つは、自分にお告げをしてくれた存在が確かに神であったこと。
疑うことすら叶わぬ強烈な印象を神は持っていたのです。
男は足りないものは自分にあったのではないかと何度も何度もスイッチを押しましたが、世界に異変は起こりませんでした。
それからしばらくは男は暇な時間にスイッチを押しましたが、世界は何も変わらないのでめげてスイッチを押すことを止めてしまいました。
それから5年ほどたち、男がネットサーフィンをしているととある動画を見つけました。
全身が血だらけで、顔がつぶれたトマトみたいになった男がひしゃげた車体から顔をのぞかせて這い出し、ねじ曲がった体を動かしながら奇妙な歩き方でカメラに近づき、「キルミーキルミー」と話しかけてくるというものでした。
できそこないのホラームービーみたいな動画でしたが、よくあるネタ動画と違ったのはその自動車事故を目撃した大勢の人物がいたらしいということ。
「キルミーキルミー」とつぶやく同じ男を別の角度から撮影した動画が他にも5つほど出てきました。
テレビをつけると「キルミーキルミー」の男が羽交い絞めにされ、病院に運ばれている映像がニュースで流れていました。
アナウンサーは「この事故は一昨日アメリカのミネソタ州で起こり、男は病院に運ばれたそうです」としか言いませんでした。
「病院に運ばれ間もなく死亡しました」という決まり文句を言いませんでした。
明らかに致命傷を負ったはずのトマト頭はまだ生きているということらしい。
病院の病床はいっぱいになり、町中には救急車の音が鳴り続け、大事故からの生還者のニュースは日に日に増えていきました。
どうやら世界で誰も死んでいないらしい。
メディアはおおっぱらに報道はしないがネットでは致命傷を受けているはずなのに死んでいないゾンビの動画にあふれていました。
男は押し入れからほこり被ったあのスイッチを取り出し、1回押してみました。
男はすぐさまネットで検索すると、すぐに別のゾンビのライブ放送が見つかりました。
男はスイッチを押すと、画面の向こうのゾンビはぐしゃっと音を立てて倒れました。
何度か同じような放送で試しましたが、ゾンビは男がスイッチを押した途端電池が切れたように倒れるのでした。
男はこのスイッチが1回押すと一人を殺すスイッチではないと悟りました。
また、とある人物に死因が訪れたとき、このスイッチがあらかじめ押されていたらその人物はすぐに死ぬ。
しかし、死の許可を与える回数がその人物の前に切れていたら、致命傷を受けていたとしてもその人物は死ぬことができず、生き続ける。
このスイッチは押した回数だけ、死の許可を予約することができ、その回数が切れると世界中の誰も死ねなくなる。
人をゾンビのままにするのも、殺すのもいまや男の意のままに操ることができます。
気が狂うほどに高橋名人がごときスピードで、笑いながらスイッチを押し続けました。
男が押せば押すほど、死ぬはずだった人が順当に死に、世界はゾンビ楽園から元の死んだら死ぬ世界に戻っていきました。
それから100年後、男は体がボロボロになりながらもスイッチを押し続けていました。
昔は押すごとに高揚感のあったスイッチも今や彼の義務のようになっていました。
男は二つのことに気づいていました。
ひとつはこのスイッチは押すことで自分以外の誰かに死の許可を与えるものだということ。
自分が老いさらばえた体でいつまでも生き残っているのはこのスイッチを自分が押しても自分に死の許可を与えることができないからだと。
その証拠に男は何度も何度も死に至るほどの痛みを経験してきていました。
そしてもうひとつはだましだましつかってきた自分の体に限界がきていること。
このままでは自分は死に至るほどの痛みを抱えながら動くことも死ぬこともできず、ずっとずっと生きてしまう。
なるべく他者に容赦なく残忍で、人の死に快楽を覚えるほどストレスがたまっていて、腱鞘炎になるほど一つのことに熱中できるようなやつがこのスイッチにはふさわしい。
うちの男どもはみんなキャンプバカで、私が小さい頃から、兄ちゃんもお父さんもおじいちゃんも、しょっちゅう仲間たちとキャンプ場に数日籠もっては、別人かってくらい日焼けして帰ってきていた。
お父さんの取引先?が持ってる山奥の豪華な別荘地に泊まる年とかもあって、
あとで写真とか動画を見せてもらうと、めっちゃ綺麗なコテージ。テントもピカピカしてて、楽しそうな雰囲気ではあるのだけど、
「じゃあメグも来るか?」と言われると、酒飲んで騒いだり、踊ったり、時には号泣するようなノリにはついていけないかな…と思ってしまう。
今は部屋で絵を描いてる方が楽しいし、私だって子供なりに友達付き合いとかあるし。
コロナになってすぐ、おじいちゃんがゲーセンで感染して入院してからも、残った二人はキャンプ活動を続けていた。
お母さんは心配そうにしてたんだけど、5月のある日、仕事から帰ってきたお父さんが嬉しそうに「今年はうちの庭でやることになった」と宣言したのを聞いて、とうとうキレる。
「うちの庭って、この庭でしょ?」
お母さんにつられて窓から薄暗くなった庭を見てみる。
広く見積もっても車2台も入らないと思う。私は聞く。
「何人来るの?」
「でも、キャンプファイヤー実際に見たら…感動するよ?」
という訳のわからない弁解に、工場勤めから帰ってきた兄ちゃんが「それは確かにそうだ」と同意しだしてバカが一人増えるけど、看護師として働くお母さんは理路整然と撥ね付ける。
「誰かがウイルス持ってたらどうするの?検査は簡単にできないし、ワクチンも間に合ってない状態で、集団感染しないようにキャンプする方法を提示できる?できないよね?もし感染したらおじいちゃんの面倒を見れなくなるし、私も仕事できなくなるよ?」
「キャンプの間、窓を締め切ってれば安全なんだよ!そのためにリーダーが完璧なマニュアルを」
「ちょっと待った」
「なんだよ」
「……『リーダー』って誰よ」
その後の両親とバカ兄の喧嘩とも呼べないようなやり取りによると、お父さんは数年前から「キャンパーズ」なるグループの一員になっていたらしい。
取引先やら飲み友達やらのキャンプ好きが集まって、毎年誰かの家や別荘とかでキャンプを開く、15人程度のサークルで(このあたりで兄ちゃんが「やべえ!」と叫んで会話が中断)、遂に今年のキャンプ地をうちが勝ち取った、それはとても名誉なことだし、今更覆せないと、お父さんは主張している。
「いや違うけど」
「取引先でもないんだよね?」
「だからさっきから言ってるだろ、行きつけのバーのオーナーで」
「じゃあ断れるでしょ!」
「だから!ウチの理事も通ってる店で、理事の友達なの!このキャンプがうまくいったら、確実に出世できるんだって!メグの進学とか……あるだろ?」
いきなり私の名前を出されてお母さんが黙り込み、グダグダだった空気に気まずさが加わる。
「…私はいいよ、大学行けなくても…このままでも」と私は言うけど、私の本音を知っているお母さんは何も言わない。
「感染とか金は心配しなくていいから…絶対家には迷惑かけない。お前はいつも通りにしていい。きっといいキャンプになるよ。な?」
お母さんを抱きしめながら言うお父さんに、兄ちゃんが泣きながら頷いている。
私は誰とも目を合わせられない。
◆
近所で感染者数が少しずつ増える中、1ヶ月後に控えた庭キャンプの準備は着々と進んでいる。
後で兄ちゃんから聞いたら、お父さんはキャンパーズに「うちの庭は狭いけど、キャンプには最適で、家族も大歓迎と言っている。そして何より病床の父に希望を与えたい」と、だいぶ話を盛ってプレゼンしていたらしい。
てか兄ちゃんもいつの間にかキャンパーズのメンバーになっていた。
キャンプで得られるサバイバルの知恵とか、協力することの素晴らしさとかを、食卓で私やお母さんに毎回説明してくるようになったけど、キャンプそのものを否定しているわけではないことに、兄ちゃんは気づかない。
テントなどの資材がメンバー持ち込みじゃなくて全部うち負担だったことが発覚して、両親の喧嘩は激化する。
庭キャンプまで残り7日。
夜中、部屋で新しいペンタブを試していたら怒鳴り声がして、リビングに行くと、お母さんがテンティピの高級テントをケースから出して、裁ちバサミで切ろうとしていた。
「やめろ!」とお父さんが止めに入るけど、かんたんに撥ね飛ばされる。お母さんも長年の病院勤務で腕っぷしは強いのだ。
「これ、リーダーのために買ったんでしょ」静かな声でお母さんが言う。「キャンプが終わったらリーダーにプレゼントするって、ケンから聞いたけど」
「あいつ」
「いくらしたの?」
「………」
「領収書見せてよ。あるんでしょ?」
右手のハサミが反射でギラリと光る。
「…わかった。キャンパーズの事務所に置いてあるから、明日持ってくる」
「……………」
「わかってくれよ…このキャンプで、きっと我が家はいい方向に進むんだ。メグの未来のために、な」
「…私をダシにしないで」
気づいたら口が勝手に動いていた。
「お父さんがキャンプしたいだけでしょ…?そんな高そうなテントとか、ピカピカのウッドデッキとか、バーベキューセットかいっぱい買ってきて、それも全部私のため?私の夢とホントに釣り合い取れるの?」
「………」
「知ってる?クラスの皆、うちのことでヒソヒソ言い合ってんだよ?友達も遊びに誘ってくれなくなったし、フェイスブックで『殺人キャンプ一家』とか書かれて、すぐ先生が言って消してくれたけど…夏休みじゃなかったら、私…」
絶対泣きたくないと思ってたのに、出てきた涙は止まらなかった。
「もう夢とか言わないよ…キャンプなんてやだよ…」
お母さんが私の肩を抱いてくれるけど、お父さんは「絶対大丈夫だから。お父さん疲れたから」とか言いながら2階に行ってしまって、私は追いかけられない。
翌日、お父さんが会社に行ったまま帰ってこなくなる。
その夜キャンパーズからの連絡で、お父さんが胃炎を理由にキャンパーズを脱退したことを知る。
「もしかしたら癌かもしれない。続けられないのが無念でならないが、息子のケンが立派に後を継いでくれる」と言ってたらしいけど、癌は多分嘘だ。会社にはどっかから律儀に通っているらしく、後日フェイスブックで、ステーキを美味そうに完食してるのを撮られていた。
責任を押し付けられた兄は、父を恨むこともなく、よりキャンプ一筋になる。
当然家からお金は出せないので、付き合ってる彼女に借金を無心して、即座に振られる。かわいかったのに。
◆
残り5日。
兄は「感動キャンプのライブ配信」を掲げてSNSでクラウドファンディングを呼びかけるけど、このご時世でのキャンプなんて世間の理解を得られるわけもなく、その日のうちにバッシングをドバドバ浴びる。
でも、一部の好事家が結構な額を出してくれたらしく、リーダーからTwitterで褒められた兄ちゃんは泣いて喜ぶ。
残り4日。
「キャンパーズ」が金持ちの道楽趣味で、中流階級から搾取しているみたいな大げさな記事もあって、反対意見が飛び交う中、「環境に優しい取り組み」「SDGsにも沿っている」「悪と断じるわけにはいかない」みたいな支持コメントもあって、兄ちゃんがまた泣く。
残り3日。
「キャンパーズって、金持ちもそうでない人も、男も女も、どんな人種でも、誰でも参加できるキャンプを目指してるんだ」
最近女性メンバーが増えたキャンパーズが、ネットで脚光を浴びたのをきっかけに、世間に顔向けできる団体になろうとしてるらしい。
「だったら庭キャンプを中止してよ」と言いたいけど、兄のまっすぐな瞳を見上げて私は黙ってしまう。
兄ちゃんはすぐ泣くし鬼バカだけど、長年見てきてたから純粋なキャンプ愛はわかる。
何があっても一つのことに打ち込む姿はかっこいいと思うし、だから私も叶わぬ夢に追いすがっている。
「メンバーにメグのこと言ったら『大歓迎する』って」
「…窓から見てるだけじゃだめ?」
「うん…全然いいんだけど、キャンプファイヤーって実際に皆で囲んだ方が感動が大きいからさ…返事は当日でも良いよ」
そう言って兄ちゃんは買い出しに出かけていった。
残り2日。
リーダーがやってくる。
アウトドア派とは思えない、ゆったりとした体格で高そうなスーツに身を包んだリーダーは、玄関で私たちに深々と頭を下げる。
「この度は、ここをキャンプ地としてくれて、ありがとうございます」
兄ちゃんが例のテントを抱えて持ってくると、リーダーの隣りにいた使用人みたいな人が受け取って、なぜかベンツのトランクに載せる。
それを確認したリーダーがうちの中を眺めながら「僕はどの部屋だい?」と聞いてきて、お母さんと私は「は?」と声を揃える。
あのバカ親父は、リーダーだけテントじゃなくて、部屋に寝泊まりすることを約束していたらしい。
お母さんは出ていった父の部屋を掃除して、ついでに父がキャンプの度に持ち帰ってきた古い雑誌コレクションをすべて処分する。
キャンプ前日。
おじいちゃんが死んだ。
「葬儀はキャンプ後に執り行って欲しい」というリーダーの頼みを、兄ちゃんは断れなかった。
お父さんに連絡すると「安全面を考えて明日のキャンプファイヤーには参加しません」という謎メールが返ってきて、私はすぐ削除する。お母さんは手続きや仕事で疲れて寝込んでいる。
◆
キャンプ当日。
朝から兄ちゃんは資材チェックや芝刈りを一心不乱にやっている。
隣近所の住民たちは、コロナ感染を恐れ隣町に行っていて、いつも以上に静かだ。
夕方、我が家の庭に、リーダーを含む8人の男女が集まってくる。メンバー20人の半数以上が参加を辞退したらしいけど、それでもウチの庭には多すぎるような。
兄ちゃんに負けないくらい瞳がキラキラしているメンバー達は、準備していた資材をものすごい速さで組み立てていき、1時間もしないうちに庭がキャンプ場になる。
空間を無駄なく活用して、コンパクトなテントや炊事場、キャンプファイヤーが整然と並べられていくのを、窓越しに眺めながら思わず「凄い」とつぶやく。
この日から連休を取ったお母さんは、時々メンバーの人にお水をあげたり、手伝ったりしている。せっかくの休みなのに、お母さんは本当に偉い。
そんな様子が兄ちゃんのスマホ越しにインスタライブで配信されていて、1万人くらいが見ている。
やがて日が暮れて、キャンプファイヤーが始まった。
メンバーはそれぞれ、おしゃれな服に着替えて火を囲む。マスクもカラフルだ。
兄ちゃんは既に泣いている。勝負服のジャージはダサいけど、揺らめく炎に照らされてなんとなく様になってる。
昔はお父さんと一緒にキャンプしていたお母さんも、この時だけは幸せそうに火を眺めている。
私も参加しなきゃと思うけど、恥ずかしくて窓を開けることができない。
「皆さん、第20回キャンパーズ定例キャンプへようこそ。この場所に集ってくれたすべてのキャンパーに感謝を伝えます…」
それからしばらくの間、コロナとか社会情勢とかキャンプ用品に関する話が続くけど、死んだおじいちゃんの名前は一回も出てこない。
「…そして今夜、新たなキャンパーが私達の仲間に加わってくれます。メグ!」
ウトウトしてたところで名前を呼ばれて、驚いて目を開けると、火を囲む皆がこちらを見ているのに気づく。体がビクってなったの見られてたかもしれない。
「あなたは希望の象徴です。あなたの参加は、きっと世界中に勇気を与えることになります。どうぞ、共にこの火を囲みましょう」
かなり大げさな歓迎ぶりは鼻につくし、恥ずかしいけど、お母さんを見たら優しく頷いてくれるから、窓を開けようと思った時、リーダーが「さあメグ、立ち上がって」と言った後「ヴフッ」と笑うのを見て、私は一気に冷める。
他のメンバーさんや兄ちゃんには悪いけど、こいつと同じ空気は吸いたくない。
「どうしたんだメグ?…っ今から、君のエホッ、キャンブがっハ、始ばるんだよゼヒ」
リーダーの声が、いつのまにか強烈な咳に変わっていて、振り返るとリーダーの顔が真っ赤に歪んでいる。
ていうか、溶けてる?
「窓をッ、バハ、開げでぅレん」
そのまま崩れるように倒れ、シュウシュウ音を出しながら溶けていくリーダーを見たメンバーから悲鳴が上がる。
「ゲホッ、何だこデべ、デュぼホッ…」
見ると、他のメンバーも咳き込みながら、倒れはじめて、お母さんが駆け寄る。だめ、お母さんも感染する。
「お母さん!」
「開けちゃだめ!!!」と叫ぶお母さんも、苦しそうだ。
庭を見渡したけど、兄ちゃんはどこにもいなくて、勝負服のジャージが脱ぎ捨てられたみたいに芝生に落ちている。
◆
2年前の冬、北欧で見つかった新型コロナウイルス「ALS-CoV」は、宿主の肺胞を溶解させてしまう、致死性ウイルスだった。
感染力は高いものの、寒冷地でのみしか発症例が無かったため、アメリカ南部では感染対策が結構緩かった。
体が頑丈だったおじいちゃんも新型を甘く見ていて、ニューオリンズ郊外のゲーセンで若い兄ちゃんとマスクをせず口論になった時にウイルスをもらって、肺が溶けて亡くなった。
そして、ルイジアナ州の一軒家で突然変異した「ALS-CoVζ+(ゼータプラス)」は、感染後即座に発症するだけでなく、内臓はおろか筋肉や骨組織まで溶かしてしまう最低最悪のウイルスだったらしい。
「らしい」というのは、私が入院中に看護師から盗み聞きしたり、SNSから拾ったりした眉唾情報だからだ。どうやらネットニュースやTVでは報道を差し止められてるっぽい。
でも私はこの目で見た。
きっと買い出しで熱い中毎日駆けずり回ってた超人的な兄ちゃんの体でウイルスが変異したんだと私は勝手に決めつける。
我が家周辺が封鎖されて数ヶ月後、ゼータプラス株の全身溶解現象は消え、ショッキングなライブ動画は「悪質な合成だった」という結論で、みんなすぐ追いかけるのに飽きていった。
残されたキャンパーズも解散、おじいちゃんの葬儀は私の知らない所で執り行われ、お母さんと兄ちゃんのお墓はどこにもないままだ。
私は、CDCの検査と手厚い補償を受けながら、病室で絵を描いている。
1ヶ月前、人懐こいマフィアみたいなおじさんがやってきて「ここに閉じ込めているお詫びがしたい」と、最新型のモジュールを持ってきた。
確かにそれも私の夢だったけど、私以上にその「足」を必要としてる人はいるはずだし、別に立ち上がらなくても、私は私だ。見世物じゃない。笑うヤツは溶けてしまえばいい。
◆
そういえば、50年くらい前、同じようなウイルス流行の真っ只中で、大々的なスポーツイベントを行って世界中から人を集めた国があったらしい。
それまでなんとか感染者数を押さえていたのに、そのイベントの影響で感染者数が爆上がりして病院がパンクしたとか。
きっと、その時も家族をなくして悲しんだ人がたくさんいたに違いない。
キャンプ当日の朝、兄ちゃんお母さんと3人で撮った写真は、ずっと枕元に置いてある。
◆
コロナまじきつい。
便乗して体験記。
感染経路不明。かなり慎重に生活、買い物以外の外出や外食もなし。
起床時のだるさ。牛乳が「鉄くさい味」。
検温36.9度。夜には38度台に。
自宅療養開始。
県から送られてきたパルスオキシメーターで酸素濃度をはかり、朝9時に体温と共に報告するよう指示がある。
高熱、食べられない、起きられない、眠れない、下痢。
酸素濃度の数値は頻繁に93以下になる。
24時間対応の療養サポートに電話を入れるが、「計り直せ」「指をかえてはかれ」「ダイニングテーブルの周りを10周歩いてからはかってその数値を報告しろ」。
「患者はあなただけじゃない」「またあなたですか」「入院したい人はたくさんいる」「入院できたとしても市外、そこからかなり遠方」「救急車呼びたかったら呼んでもいいけど、たらい回しかも」等。
かなりきつい「指導」に、メンタル疲弊。途中保健所から連絡がくる。
起きられないが眠れもしない。このまま死ぬのかもと思う。
9日に「明日、入院対応になる。朝9時に電話を」と療養サポートから電話がくる。
昨日の指示通り朝電話を入れるが「これからカンファレンス。入院したいひとはたくさんいる」と言われて不安になる。
昼近くに「入院決定。2時に移送車」と連絡がある。自宅から8キロくらいの地域の中核病院。市内、しかも近隣。
病院での検温40度超え。
酸素投与。
鼻からの酸素で食事やトイレ時に80台に落ち込むため、マスクでの酸素に変更。
点滴も飲み薬も効果は出ていず、入院後からさらに悪化している。
通常の酸素投与で酸素濃度が上がらないため、ネーザルハイフロー開始。
回復傾向が見られ始める。
退院。
退院後の再診。
30代男性。独身一人暮らし。既往歴なし。喫煙歴なし。ワクチン接種予定あったが接種日前に発症し、未接種。
リモート中心。出勤は月に1日程度。出勤してもF2Fで社員と話すことはほぼない。出勤退勤もラッシュの時間はずらしてた。地下鉄で10分も乗らない距離。
熱っぽい症状。体温計の電池がなく、測定できず。
普段から高熱が出やすい体質なので、まぁいつものことか くらいの気持ち。
熱っぽい症状が続く。咳、鼻水等、その他の症状はなし。食事はUberEatsで対応。
完全に高熱。身体が動かない。何もできない。トイレに行くのもやっと。
咳症状が出始める。
Amazonで注文した体温計がやっと届く。(最近プライム会員でも、届くの遅くなったよね。)38.5度くらいあった。やはりコレはまずい。
朝一で発熱相談センターに連絡。近くのクリニックを紹介される。 移動方法や陽性だった場合の対応について質問しても、「こちらではお答えしかねます」の一点張り。とても無愛想な対応。現場も忙しいんだろう。
クリニックへ連絡後、4時間後に来るように指示。クリニック外で30分ほど待機。辛かった。
血液検査結果、CRPが高値(基準値の3倍くらいで、思ったより低い印象)、WBCは若干の低値。
連絡来ず。自宅待機。咳がひどくなる。
常に39度を超える発熱。何もできない。
クリニックから連絡。陽性とのこと。
続いてて保健所から連絡。ホテル療養もしくは入院とのこと。電話中咳が止まらずまともに話せない。呼吸困難等になったら遠慮せずすぐに救急車を呼ぶように指示される。とても丁寧な対応。
保健所の判断で、入院すべきとのこと。地域の大きな病院(全国的にも有名な病院)へ。専用の介護タクシーで移動。
到着後、主治医より説明。高熱と咳であまり覚えていないが、「うちにはECMOとかはないし、治療はできない。重症化しても、救急車では輸送しない。民間のタクシーで移動してくださいね。」と言われた事が印象深い。「なんで?」って聞きたかったけど、そんな余裕なく、「はい。はい。」と聞くのが精一杯だった。未だに何故なのか疑問。
「SpO2がもっと下がったらレムデシビル使うかも」とのことで、同意書みたいなものを複数書かされる。今思えば、「治療しない」って言ってたことと矛盾してるよね。
入院やらなんやら、ひたすら住所や緊急連絡先を書かされる。どうにか簡略化できないものか…。まともに読んで、書いてられるほど時間はもらえず。ナースコールで急かされてしまった。特にレムデシビル関連の内容は良く理解した上で同意したかった。
その後、血液検査とCT撮影。CRPは引き続き高値だが基準値の3倍くらいで、思ったより低い。肝臓パラメタは若干高値。
CTは典型的なコロナ肺炎像。メロンの皮様初見。素人が見てもすぐ分かる。
ひたすらスマホと睡眠で過ごす。隔離部屋。3食の持ち運びと、朝の清掃のみ看護師と顔を合わせる。その他の看護師とのコミュニケーションは、タブレットを通じて遠隔。素晴らしい。
医師とは毎日30秒程度の遠隔コミュニケーションのみ。どの医師にも同じ質問をされた。カルテとかに記録してないのかな?って感じ。
本来の専門科じゃないだろうし、まぁモチベーションないのは理解できる。申し訳ない。
起床時間から消灯時間までWi-Fi繋がるのは助かった。17 Mbps。
熱も36度台に下がり、咳もなくなる。身体も楽になってくる。味覚障害もなくなる。
このまま症状が落ち着けば7/22に退院になる旨伝えられる。メンタルもやられてきていたので嬉しかった。
ただ同じ体制でスマホをいじってるせいか、頭痛と眼精疲労が酷い。
退院のcriteriaに引っかからないか心配だったが、頭痛の頓服使用なので問題ないとのこと。
普段からロキソニン飲んでいる事を伝えると、「いつでもロキソニン切り替えるので、まずはアセトアミノフェン飲んでみて」とのこと。
頭痛は改善せず。普段からアセトアミノフェンは効かない事を伝えると、「ロキソニン投与で脳炎になる報告がある。あなたの責任で飲むなら処方する」とのこと。承知して、飲む。頭痛軽快。
「ロキソニン投与で腎炎になる可能性があるから、処方しない」と言われる。脳炎なのか、腎炎なのかどっちなんじゃい。
「昨日は投与してもらったが?」と伺うと、「じゃー処方します」とのこと。
退院日は7/23か7/24予定と告げられる。「7/22と聞いたが何か変更があったか?」と伺うと、「アセトアミノフェンとロキソニンの投与があったから」とのこと。「頭痛での頓服使用は、退院のcriteriaにはまらないと聞いていたが?」と聞くと「7/22でした。サーセン」とのこと。医師によってはやっつけ仕事。
退院へ。血液検査やCT、PCR検査等はなし。看護師に聞くと「治療しなかった人は退院時検査しない」とのこと。
「株はなんだったのか?」と聞いたが、「あなたは、調べていない」とのことだったが、ニュースで伝えられている情報って網羅性低いのかな?全例調べてるのかと思ってた。
部屋内の移動でも疲れる。コロナ完全前と比較して、完全に心肺機能が落ちている。呼吸が浅い。
平日日中のテレビ番組見て過ごしてたけど、酷いね。同じニュースの繰り返しと、胡散臭いテレビショッピング。しょうもないコメントしかしないコメンテーター。なんだかメンタルやられる。
4連休に帰省する人とか、オリンピック選手移動観てる人とか、インタビューされてる人ってどういう気持ちで答えてるんだろう?
オリンピック実施中の緊急事態宣言ってことで、守ってらんねーよ!って気持ちも分かるけど、インタビューされたから受けよう!って気持ちは分からない。
一方で明らかにやっつけ仕事な方も居たのは事実。本来興味ない専門科だと雑にもなるよね。
マジで自粛できるなら自粛したほうがいい。平均的な人より明らかに人との接触は少ないはず。だけど感染した。どこで感染したか本当に検討つかない。
飲み会とか、旅行とか、オリンピックとかしてるけど、暴露する可能性、高いよね。気をつけて下さい。本当に。
39度近い高熱がかなり続いた。インフルエンザのピークがずっと続くイメージ。コロナ、舐めないほうがいい。
退院しても、家の中の移動ですらキツい。
オリンピックとか、何が感動を届けたいだよ!って感じはある。スポーツで感動を届けてほしいなんて頼んだ覚えないし、「これまで練習してきたし、オリンピックでないと飯食えないから、オリンピックやらせてください」って言って欲しい。 特定の人達の利益のために、税金が使われてるってどういうことなんだろう。その分を医療に回して欲しい。
まぁ金メダルでも取っちゃえば、日本人はすぐに忘れちゃうんだろうけど。情けないね。
開会式みてて思った以上に海外から人来てるんだなーとおもってボヤきです。
個々人は貴重な青春とか日常を我慢して過ごしているなか、オリンピックしててるし、ヤケになる気持ちはわかるけど、自粛出来る人はしたほうがいいです。誰のためでもなく、あなたのためです。コロナ、むっちゃきついよ。
看病してくれる人がいないと衰弱死するリスクがインフルエンザ程度には高そうなので対策を考える。
あくまで個人の意見です内容の正否はすべて自己責任で判断してください。
## 問題
## 対策
時間 | 記事数 | 文字数 | 文字数平均 | 文字数中央値 |
---|---|---|---|---|
00 | 155 | 20068 | 129.5 | 31 |
01 | 104 | 11969 | 115.1 | 45.5 |
02 | 76 | 9733 | 128.1 | 58.5 |
03 | 27 | 6332 | 234.5 | 47 |
04 | 27 | 4811 | 178.2 | 36 |
05 | 36 | 5312 | 147.6 | 71 |
06 | 81 | 7531 | 93.0 | 45 |
07 | 87 | 4921 | 56.6 | 36 |
08 | 140 | 15858 | 113.3 | 38 |
09 | 160 | 17897 | 111.9 | 38 |
10 | 169 | 13177 | 78.0 | 42 |
11 | 190 | 18250 | 96.1 | 44.5 |
12 | 252 | 24233 | 96.2 | 37.5 |
13 | 228 | 15952 | 70.0 | 37 |
14 | 213 | 21405 | 100.5 | 42 |
15 | 178 | 15409 | 86.6 | 32 |
16 | 231 | 22317 | 96.6 | 44 |
17 | 203 | 14969 | 73.7 | 33 |
18 | 240 | 25575 | 106.6 | 45 |
19 | 185 | 24696 | 133.5 | 37 |
20 | 226 | 23758 | 105.1 | 41 |
21 | 177 | 18131 | 102.4 | 45 |
22 | 157 | 18474 | 117.7 | 42 |
23 | 179 | 19951 | 111.5 | 35 |
1日 | 3721 | 380729 | 102.3 | 40 |
コバケン(22), SWC(11), 小林賢太郎(69), サイモン・ウィーゼンタール・センター(7), 防衛副大臣(15), 夏野剛(6), ラーメンズ(81), 解任(50), 好し(6), 23年前(4), Nazi(3), エスタブ(3), Holocaust(3), インクルージョン(3), 国際感覚(3), 小山田(65), 小山田圭吾(34), カルチャー(26), ナチス(24), バック(58), 統合失調症(32), 虐殺(20), 辞任(26), 東京五輪(24), 反日(16), 五輪(113), オリンピック(211), キャンセル(30), 連休(20), イジメ(28), 演出(34), サッカー(19), 擁護(55), 笑い(27), 過去(87), 障害者(36), 選手(32), 世界中(22), いじめ(52), アウト(25)
■作品を褒める感想は別に要らない。身の程を知ってくれ /20210721220919(23), (タイトル不明) /20130907131219(21), ■はてな民が見たくない現実 /20210722134334(18), ■それでも俺は人々の物語愛を信じている /20210722014640(15), ■人間関係の難しさを思い知った話 /20210721231320(14), ■中国「日本には核攻撃する」 /20210721135023(10), ■熱中症で救急車に運ばれた /20210722080302(10), ■ /20210722154147(10), ■ガス代が高すぎる /20210722095729(10), ■誰も得しないからやめた方がいいやつ /20210721142509(9), ■ファンの贔屓でガチもんの差別主義者になっていくラーメンズファン /20210722222848(8), ■知らなかった /20210721142940(8), ■そろそろ食べるの飽きてきた /20210721145643(8), ■就職氷河期世代の管理職には働き方改革や女性活躍は絵に描いた餅 /20210722034037(8), ■小林賢太郎の炎上は防げたのか /20210722140554(8), ■借金玉先生が本当に心配 /20210722095355(7), ■ルックバックに「正解」はあるのか? /20210721205442(7), ■はてな民は何故、騙されるのか? /20210722120156(7), ■統合失調症患者への差別を助長するルックバック /20210719195613(7), ■anond:20210722120156 /20210722140443(7), ■knoaさん… /20210721135308(7), ■さよならインターネット /20210722151446(7), ■ /20210721202842(7), ■ /20210721021638(7)
それ、本当に熱中症ですか?
似たような経験をしたけど、その日を境に自分は極端に暑さに対して弱くなりパニック障害になり通勤もままならなくなりました。
頭痛を持ってるのも、水をそれなりに飲んでいたのも一緒。
救急車で運ばれたけれど、病院で言われたことなんてあとから考えると的外れ全然参考にならず。
あなたのには書いてないけど自分はこれに加えて下痢になりやすくなって、それが本当に大変で・・。
原因は未だにわからず、自律神経失調症っていうよくわからないときにつけられる感じの病気っぽいです。
何が言いたいかというと、暑いから症状が強く出ただけで違う病気の可能性も十分ありますよってことで。
っていうか、自分の例でいうと塩分たくさん取らなきゃって思って熱中症対策の飴なめてたけど
彼は独自にミステリーを研究していて、2周目からは犯人の名前やキーになるセンテンスに線を引いたり丸で囲んだりする。
一緒に住み始めて本を貸してもらおうと思った時に知った。
曰く作家や時代ごとに伏線の貼り方の傾向があるそうな。さりげなくも印象に残る仕掛けはピンクのマーカーを使っていた。
ネタバレ覚悟でその解説を聞いたことがあるが、主人公以外で何番目にセリフがある人がどうとか、この作家は最初は名前だけ誰かに言わせるキャラは犯人にしないとか、なるほど一貫性があり、ネットで調べてもそういう考察をしてない話もあって関心していた。
彼は去年亡くなった。
救急車に乗る前に亡くなったそうで、受け入れ先がなくとかじゃなく、無駄に何かを恨まなくて良いのが救いだった。
落ち込んで誰にも言えなかった。
彼の話を聞かれた時はいつも犯人の名前に印をつけるから読めないんだよという話で笑いを取った。そうすれば帰った時にいてくれそうな気がしていた。
家には本しかないので読み始めた。
ネタバレを食らうのも癪なので、既読かつベタなそして誰もいなくなったを手に取る。登場人物紹介のところから丸をつけてあって吹き出してしまった。
笑っても泣いても、彼と共有したかったという気持ちは消えないけど、私にとっての彼の生き方を示すものがあるのはホッとする。
その方も「読みたかったけど印を見るの怖いです」と言っていて笑った。
朝起きたら水分が足りなくて1L以上水を飲んで塩飴をなめたのに、まだ水分が不足していたらしく、電車の中で頭痛と吐き気がした。さすがにおかしいと思ったので最寄り駅で下りて駅員さんに救急車を呼んでもらったが、車中で嘔吐。診察後、少し休んでから退院して無事帰宅した。
久し振りに後輩とオンラインで雑談していたが、妙に眠気を感じたので早めに切り上げて10時ごろに就寝。冷房は弱めにして扇風機はつけていた。比較的すぐに寝入ってしまった。
猛烈なのどの渇きと共に目を覚ます。すぐさま枕の脇に置いてあったペットボトルの水を飲んだがそれでも足りず、もう1本分を続けて空けた。朝食を普通に食べ、念のために塩飴をなめて外出。相変わらずのどが渇いていたので鞄に水を補給したペットボトルを忍ばせた。
ホームで電車を待っていると軽い頭痛がする。明らかに脱水していると思い、さらに塩飴と水を飲む。車内は冷房が効いているので少しは楽になるだろうと踏んだが、電車の中で本を読んでも内容が頭に入らない。10分から15分で急に息苦しさが悪化し、マスクをつけているのが非常につらくなる。水もほぼ飲み干したが吐き気までしてくる。これはただごとではないと思い、最寄り駅で下車した。
外の熱気で具合が悪くなる。ひとまず、キオスクでスポーツドリンクをもう1本買って飲み干す。ついで経口補水液はないかと外のコンビニに当たるが無いとのこと(後で調べたら薬局併設の所でないと売っていないらしい)。飲食できるコーナーがあったので席を借りてスポーツドリンクを飲む。そこで買ったものではないので申し訳ないと思いつつ過ごす。しかし、吐き気はまったく収まらない。スマホで検索すると、熱中症を防止するサイトやスポーツドリンクの会社のページに、吐き気は熱中症がだいぶ進んでいる状態なので受診が必要と書いてある。職場に遅れると連絡し、家族には病院に向かうと伝えた。
駅員さんに事情を話し、救急車を呼んでもらう。おおよそ5分から10分で到着するとのこと。みんなのトイレのベッドで横になることをすすめられるが、間が悪く空いていない。代わりに車いすに乗せてもらい、氷嚢を借りた。駅員さんの目の届くとこにいたため、少し暑かった。
救急車が来ると車いすから1、2の3でストレッチャーに運ばれる。ストレッチャーで運ばれるとこういう景色なのか、とぼんやり考える。ここで駅員さんに氷嚢を返す。よく考えればそのまま持っていればよかった。
子どもの頃に一度だけ救急車で運ばれたが、その時に比べると車内は狭く感じられた。
搬送されながら、向かう先の病院名を説明され、氏名や住所、服用している薬などを質問される。それから、家族に電話するのでスマホでかけてほしいとのこと。通話して渡すと、緊急隊員さんが病院名と住所を伝えた。車内は冷房が効いていたがやはり暑さを感じた。氷嚢はもらいっぱなしにするべきであった。
ところで、意識ははっきりしていたので会話に支障はなかったが、それを文字で書いてくれと頼まれると途端に具合が悪くなった。仕方がないので口頭で説明する。救急車に入ったときに、腹の上に洗面器を乗せてくれたのだが、そこに二三度嘔吐した。病院までの道がでこぼこしていて酔ったせいもあるかもしれない。本当に嘔吐するとオロオロとうがいのような音がするのだなと妙な事に感心した。そのまま吐瀉物を抱えたまま病院の緊急用入り口に入っていった。洗面器が吐瀉物で8割ほど一杯になったので、運ばれる中たぽたぽしてこぼれやしないかと気が気でなかったが、意外と段差が少ないので平気だった。
吐瀉物が持ち去られてから、病院でも改めて氏名を確認され、腕に指名の書かれたシールを貼られる。嘔吐して楽になったせいだろう、もう自分で症状を説明できる程度に回復していた。内科の検診のように胸や腹に聴診器を当てられ、舌の裏を見せてくれとか、上下左右に動くお医者さんの指先を目で追ってとか頼まれたりした。これは脳梗塞など脳や神経の病気ではないことを確認するためらしい。診断によれば、入院が必要な病気ではないらしく、熱中症・立ちっぱなしによる疲れ・混雑による体調不良などの複合要因らしい。
ベッドに運ばれ、横になって家族の到着を待つ。席を立つときはナースコールを押す必要がある。一度排便のために立ち上がったが、ここでも個室に鍵を掛けないように頼まれた。また、ベッドに戻るときにもトイレの呼び出しボタンを押すようにと指示された。
点滴はされなかった。体温も高くなかったので、その必要がないと判断されたのだろう。
寝ていると家族が来て、再度お医者さんからの説明があった。それから、もう少し休んだら退院してもよいと言われた。意外と早かった。最近は具合がよくなったら早めに退院するのは本当らしい。
それから、ベッドから降りて廊下のソファで休んでいる間、家族が病院の診断書を作ってくれた。保険証を常に携帯していてよかった。
ところで、妹が持ってくるべき荷物を手早くまとめてくれたらしく、経口補水液だけでなく着替えまで準備してくれていた。おかげでゆったりした服で帰宅することができた。これが非常に楽だった。妹は冷静沈着である。それから、帰宅したら父が大量のスポーツドリンクを準備して待ってくれていた。
その後、一日中横になっていた。夕方には読みかけていた本を読み終えるほどには回復した。
大したことなかったのに救急車を呼んでしまってよかったのだろうか、という反省もあるのだが、呼ばかなったら悪化していた可能性もある。
元々私は片頭痛持ちであり、半年に一度くらい猛烈な吐き気を伴う強さの頭痛に悩まされる。今回の熱中症はその時の症状によく似ていて、ほとんど区別できなかった。もしかしたら、片頭痛と熱中症に同時に悩まされたのかもしれない。
普段から定期的に運動しているのにもかかわらず、比較的熱中症にかかりやすい体質のようで、この時期少し外出しただけで頻繁に頭痛に襲われる。単純に微妙な体調の変化に気づきやすく、敏感なだけかもしれないが、今後も直射日光は避けたい。調べてみると、暑さに慣れるには運動だけでなく湯船につかることも大切らしい。私はシャワーで済ませがちなので、案外原因はそこかもしれない。
また、お医者さん・看護師さんの動きには無駄が一切なかったのも心強く感じた。
ところで、母は危うく別の病院に向かいそうになっていたらしい。救急隊員さんが住所もきちんと説明してくれたおかげで、行き違いになることが防げた。確かに○○総合病院、〇〇労働病院など、似た名前は多い。
妹から聞いたのだが、最近のスマホはログインしなくても個人情報や緊急連絡先を表示できる機能があるそうだ。万一私が倒れてもこれで家族に連絡できるそうで、さっそく登録した。アンドロイドの場合は以下の方法で設定できる。
https://support.google.com/android/answer/9319337?hl=ja
以上。
ギランバレーだからといってコロナワクチン打てないという公式情報はないし、仮に夫がワクチン打てない体だとしても自分が打たない理由にはならないし(むしろ夫にうつさないために打つべき)、医療のメインストリームで言われていることよりもマイナーな情報を信用しようとしているところがね。
普通の人ならまだしも、SF作家なら、人類がどのようにして科学の知識を積み上げてきて、その正しさを厳しく検証してきたか知っているはずと思っていた。その過去の研究者たちの巨人の肩に乗ってその先の空想を描くのがSFだと思ってたから。
とうとううちに接種券が来た。
これまでは反ワクチンと反反ワクチンの論争を横目に打つべきか打たぬべきか迷いあぐねていたが、今日が年貢の納め時。
接種券が届いてしまった以上、自分事として向き合わないとと思い、色々調べ始めた。
理由は3つ。
以下に書いておくので参考にしてくれ。もしくは反論があれば書いてくれ、参考にするから。
もちろん、少なくとも短期的には特に大きな問題がないことは明らかになっている。が、10年後、20年後と長期で見た場合に問題がないかはまだ不明だ。
2、仮にコロナにかかっても、年齢的に重症化リスク、死亡リスクが低い。
厚労省のデータによると30代の陽性者39432人に対し、死者は10人(約0.03%)、重症者は0人(0%)、入院治療等を要する者は3728人(約10%)、とのこと。
コロナにかかる確率×重篤な症状に陥る確率=ほぼゼロとみていいだろう。
武漢が壊滅し、イタリア、イギリス、アメリカと先進国だと思っていた国々が溢れかえる患者に対応できず、バタバタと死人を積み上げていく様を見て、本当に怖いと思った。
国内でも第3波のときのように救急車に何時間ものせられながら病院をたらい回しにされるニュースを見て、より一層健康に気をつけて生活をしていた。
医療従事者のワクチン接種がほぼ完了し、大仰な感染対策をとらなくてよくなった。
重症者を量産する高齢世代も8月頃にはワクチンを打ち終わる予定だ。
医療リソースを食いつぶす要因が消えたので、万が一コロナに掛かり、そして億が一入院する事態に陥ってしまっても安心して病院に掛かれる。
ワクチンを打たない場合のリスクとワクチンを打った場合のリスクを比べた結果、今のところ打たない場合のリスクの方が低かったので打たないことに決めた。
もし自分がアラフィフだったら迷うことなく打っていたし、アラフォーだったら迷った結果たぶん打つことに決めただろう。重症化・死亡リスクが桁違いに高い。
また、もし今後重症者数、入院者数が減らず、それどころか爆増し、医療が逼迫する情勢となれば、打つことにするかもしれない。事態は流動的だ。
が、少なくとも今のところワクチンを打つことはない。
離乳食を食べたがらないで皿を天井に投げたり、バナナを握りつぶすのにはまったり、机の上によじ登って止めたら暴れて泣いたり、熱出して仕事休んで夜中も起きて泣き出すので一睡も寝ないで看病とか、夜中に落ちてたクッキーのかけらを誤嚥したので急いで吐かせて救急車で病院にいくとか、ベビーゲートをこじ開けて玄関に激突して怪我とか、寝ないので何時間も本読んで寝かしつけるとか、学校でのゴタゴタで危うく裁判沙汰とか、部活の送り迎えを週に何回もさせられるとか多額の費用で塾にいくとか、数え切れない。社会性もコミュニケーションも取れないほぼ動物の、弱い未成熟個体を自分の時間と金銭の多くを注ぎ込んで安全と成長と社会的や文化的な教育を責任を持って…ほぼ絶対に辞めることができない、何年も関わり続ける、ってやっぱり大変だと思う。大変だった。我慢の連続だ。配偶者をたしなめたり、たしなめられたりもした。
自分の事だけ考えてはいられなくて、常に子供を優先して我慢している。小さいことなら自分のために買ってきたケーキでも子供が食べたがったらまああげるし、本でもゲームでも何でもまあそう。大きいことなら仕事などのキャリア、人生の選択、教育費などのお金はやっぱり基本的には子供優先になる。
子供は子供で、あげる!これあげるよ。すきだよ。だっこして!とたくさん愛してくれた。子供こそが無償の愛を親にくれるのだと解った。こんなに愛してもらったのは生まれてはじめてだろう。経験できてよかった。ありがとう。最近は口も聞いてくれなくなったけどまあ自立の一歩なんだろうと思う。いつか子育てを経験してほしいと思わなくはないけど、まあそれは本人が決めることだろう。
それね、オレもなる。
そんでね、症状ちゃんとおぼえといて胃腸科にいったほうがいいよ。
潰瘍性大腸炎(安倍元首相の病気)とかクーロン病とか過敏性大腸炎とか小腸イレウスとかなんかの病名つくかも。
オレは痛みで絶叫して汗びっしょりで壁をコブシでぶち破りそうになった。かわりに太ももなぐって青あざつくった
そのあと目の前まっくらなってへたりこんで立ち上がろうとして目から星(閃輝)がでてこれは死ぬとおもった
あと行った胃腸科でレントゲンでざっと見たあげく「うつ病の薬とおなじ成分の薬」か「一番強い痛みどめ」をだされたらドクターショッピング。オレは3件まわった。
とりあえず下痢中か直後でないとMRIと内視鏡で病気を発見することもできんからそうなったらしいが。
自分を急患としてあつかっていいぞ。
みっともないかもしれんけど大人用おむつ1枚ジップロックにいれてカバンに隠しもっとくといざというときトイレから這い出て病院にかけこみやすいぞ。でかくて邪魔だけど。