はてなキーワード: 固有名詞とは
「ほら! 起きて! しっかり!」
朧げだが、既視感のある声が聴こえる。
俺はゆっくりと瞼を開いた。
「あ、やっと起きた。あの後キミはぐったりしちゃってね。ボクの船まで運んで、休ませていたのさ」
どうやら、また気絶してしまったようだ。
「……いつつ」
全身の倦怠感と共に、頬に僅かな痛みを感じる。
俺を起こそうと、ガイドがまたも引っ叩いたのだろう。
全くもって嬉しくないが。
「大丈夫? メディカルキットで見る限りは大きな創傷はないようだけど……」
現状を把握しきれていない状態だったが、俺はとりあえずガイドに拳骨をお見舞いした。
それだけは真っ先にやっておこうと、潜在意識が働いたのだと思う。
「あたた……ひとまず元気そうなのは分かったよ」
こんな漫然と暴力を振るったのは初めてだったが後悔はしていない。
今回の出来事は大局的に見れば、こいつが原因じゃないのは分かっている。
それでも俺に対して、払うべきツケがないといったら嘘になるだろう。
なし崩し的に酷い目に合った身から言わせれば、むしろ拳骨一発はリーズナブルだとすら思っている。
「で、今どういう状況なんだ」
「おかげで次元の再結合は果たされた。後は因果力によって、裂かれた箇所は自然と修復されるだろう」
「そりゃあ、何よりだな」
やれやれ、これでようやく帰れる。
「ほら、モニターを見てみなよ。次元の縫い目が出来て、徐々に接合されて、跡すら綺麗に……って、あれ?」
もう完全に休憩モードだったのに、ガイドが不穏なリアクションをする。
俺はそれを見なかったことにして、そのまま寝てしまいたかった。
当然そうもいかないのは分かっていたが。
「なんだよ、その反応は。再結合は成功したんじゃないのかよ」
俺もモニターを覗いて確認してみるが、イマイチよく分からない。
「そもそも俺は何が自然か知らないんだが、何がどう不自然なんだ」
「“綺麗に分かれすぎてる”んだよ。自然に破けたら、こうはならない」
そう言われてみると、確かに次元が分かれた箇所は平行に破けている。
いや、これでは破けたというより、まるでハサミで切り取られたみたいだ。
「じゃあ、何か? 誰かが意図的に、次元を分裂させたってか?」
「恐らくね。それでも、ここまで芸術的な分かれ方は……まさか!?」
ガイドの素っ頓狂な声が船内に響き渡る。
どうやら心当たりがあるようだ。
「これは……“フラッガー”の仕業だ!」
「なんで俺が?」
「キミじゃなきゃ次元に直接干渉できないからだよ。厳密には“普遍的存在”じゃなきゃ、だけど」
さも当然のように、また固有名詞を出してきた。
いや確かに、この“普遍的存在”って言葉と、俺がそうらしいってのは以前も聞いたことはある。
ガイドの説明によると、この世に存在するものは、有形無形によらず流動的なものだという。
世界が変われば人も変わる。
俺のいる世界ではマイナーで無害な新興宗教でも、ここでは一大カルト教団だ。
しかし中には、そういった変化に乏しい存在もいて、それを“普遍的存在”というようだ。
「それ嫌味か?」
“お前はどこまでいっても変わらない人間だ”って言われているみたいで癪なんだが。
「それは初耳だぞ」
「何となく分かるだろ。だからタイムスリップも許されているわけで」
そもそもSFまがいの概念に馴染みがないんだから、分かるわけがない。
「あくまでボクは“未来の世界で普遍的存在”なんだ。時間軸が違う」
「あ~ん?」
自分なりに咀嚼してみたが、要はXYグラフみたいなものだと思う。
ガイドは“蓋然性という横軸”は合っていても、“時間という縦軸”が合っていない。
その両方がより近いのが俺ってことなのだろう。
「いわば“波長が合う”ってやつさ」
この世界にいるはずの俺は粛清されているので、“波長が合う”といわれてもしっくりこないんだが。
「詳しく説明している暇はない。“彼ら”だって、いつまでも待っててくれるわけじゃないんだ」
信者達は未だ痙攣しているが、いずれ回復するだろうし、増援がくる可能性だってある。
何だか言い包められている気もするが、悠長なやり取りをしていられる状況じゃないのは確かだった。
「じゃあ、具体的なやり方を教えてくれ」
「まず、ボクが“入り口”を開こう」
ガイドは銃らしきものを取り出すと、次元の歪みに向かってレーザーを打ち出す。
レーザーは弧を描くと、空間にぽっかりと数十センチほどの“穴”を開けた。
「さあ、中にある“次元が裂かれた箇所”を掴んで」
不可思議な“穴”を、俺は恐る恐る覗き込んだ。
そこには俺の目では知覚しきれない、凄まじい情報量が詰まっていた。
だが目を凝らしてみると、一点だけ“糸”のようなものが存在感を放っているのが見える。
“次元が裂かれた箇所”とは、あれのことだろうか。
「ぐっ!」
それを見た瞬間、俺の頭に衝撃が走った。
後で知ったが、俺の鼻や耳からは血が流れていたらしい。
「あ、あんまり見続けちゃダメだよ! 多次元の情報は、肉眼で見るには刺激が強すぎる。脳に過負荷を与える」
穴の中に右手を突っ込む。
「掴んだら、引っ張って!」
朦朧とした意識の中、俺は言われるまま“それ”をガムシャラに引きずりだした。
「さっきの続きだが、“本来なら存在しなかった世界”って何だ?」
「分岐によって自然発生的に生まれた世界ではなく、次元の過干渉により発生した世界。システムの不具合、バグのようなものだよ」
それからガイドは色々と説明してくれたが、俺はSFが得意ではないため雰囲気で理解することにした。
可能性の数だけ枝分かれするが、逆に言えば可能性が0ならば枝分かれもしない。
しかし“本来なら存在しなかった世界”は、その“0を無理やり1にする”ことで生まれる。
木をいじくって枝分かれさせたり、枝を折って別の土地に植えているってことだ。
「だが、お前も未来からやってきて俺の時代に干渉しているじゃないか。それと何が違うんだ?」
「俺の知る限り、そうとは思えないんだが」
ガイド曰く、その“因果力”ってものが働いているおかげで、多少の変化なら世界は帳尻を合わせてくれるらしい。
要はフィクションとかでよくある“運命は変えられない”ってやつだ。
しかし、その“因果力”を超える程の変化が起きると、運命は変えられる。
そして“因果力”は世界そのものが持っており、分裂すると弱まってしまう。
そのまま弱り続ける(分裂し続ける)と世界は形そのものを保てなくなり、やがて消滅してしまうってわけだ。
「ポケットを叩くとビスケットが増えるが、実際は割れて二つになるだけってことだな。そのまま叩き続けると粉々になる、と」
「その分かりにくい比喩、前も言ってたけど……本当に覚えてない?」
そういえば、何となく覚えがあるな。
同じ喩えを使いまわすとは、我ながらよほど気に入ってたと見える。
このままだと俺のいる世界も消えてしまうから、放っておくのがマズいってのも分かる。
今までガイドの目的を知らないでいたが、こういった次元トラブルを解決するためだったんだな。
にわかには信じがたいが、信じなかった時の代償があまりにも大きいので協力するしかない。
だけど、まだ気になることは残っている。
「もう一つ疑問があるんだが……」
尋ねようとした時、間が悪くアナウンスが入る。
「衝撃ニ備エテクダサイ」
「気をつけてって、一体どう気をつけ……」
その後、体全体に凄まじい衝撃が走り、またも俺の言葉は掻き消された。
「ほら、着いたよ! 起きて! しっかり!」
心なしか、声が聴こえる。
俺はゆっくりと瞼を開いた。
「あ、やっと起きた」
どうやら気絶してしまったようだ。
「気絶って、こんな風になるんだな……いつつ」
気だるさと共に、頬に僅かな痛みを感じる。
俺を起こそうと、ガイドが引っ叩いたのだろう。
「さあ、ついてきて!」
だが、酷い目に遭っているのだけは確かだ。
やっぱりエイプリルフールで、俺は弄ばれているんじゃないのか。
何はともあれガイドの頬を引っ叩こうと、俺は身を乗り出した。
「なんだ、ここは……」
時間 | 記事数 | 文字数 | 文字数平均 | 文字数中央値 |
---|---|---|---|---|
00 | 103 | 11063 | 107.4 | 56 |
01 | 132 | 8395 | 63.6 | 43 |
02 | 80 | 4721 | 59.0 | 48.5 |
03 | 68 | 3682 | 54.1 | 36.5 |
04 | 10 | 384 | 38.4 | 37 |
05 | 10 | 833 | 83.3 | 52.5 |
06 | 27 | 3228 | 119.6 | 67 |
07 | 73 | 6826 | 93.5 | 42 |
08 | 50 | 3832 | 76.6 | 35 |
09 | 99 | 7263 | 73.4 | 35 |
10 | 141 | 12391 | 87.9 | 45 |
11 | 172 | 13032 | 75.8 | 49.5 |
12 | 197 | 20818 | 105.7 | 34 |
13 | 160 | 12859 | 80.4 | 44 |
14 | 189 | 12328 | 65.2 | 31 |
15 | 153 | 12667 | 82.8 | 31 |
16 | 191 | 13605 | 71.2 | 30 |
17 | 131 | 11438 | 87.3 | 35 |
18 | 140 | 9052 | 64.7 | 32 |
19 | 125 | 7817 | 62.5 | 39 |
20 | 130 | 11040 | 84.9 | 29 |
21 | 161 | 12091 | 75.1 | 30 |
22 | 214 | 131311 | 613.6 | 261.5 |
23 | 158 | 15068 | 95.4 | 33 |
1日 | 2914 | 345744 | 118.6 | 38 |
不要不急の外出(5), ロックダウン(10), 75万人(3), 和牛(34), 志村けん(13), 商品券(34), とんかつソース(3), 現金給付(7), ジャリジャリ(3), 大器晩成(3), ドスケベ(8), コンテンツホルダー(3), 二次創作物(3), 封鎖(20), ワニ(47), コミケ(44), 自粛(41), 電通(17), 100日(13), 延期(20), 買い占め(18), ガイドライン(18), イタリア(21), 現金(25), コロナ(154), 要請(15), マスク(63), 開催(27), 二次創作(28), オリンピック(34), 新型(21), 公式(29), 販売(22), 同人(19), 感染(54)
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189年に董卓が呂布を他の勢力から引き抜くために与えるときに登場する。
呂布が旧主を殺して鞍替えするほどだからこのときすでに名馬として評価されている。
そして関羽の手に渡り、220年に関羽が死んでから呉の武将に与えられるが、餌を食わなくなって死ぬ。
初登場時点で名馬ならおそらく3歳以上だろう。
そうすると220年で34歳以上になる。
2014年までのサラブレッド最長寿記録はシンザンの35歳だった。
晩年に呉の武将・馬忠に与えられたときはもうすっかりヨボヨボになっていそうなものだが、孫権はこれを「名馬」として与えたのだろうか?
あるいは元名馬の功労馬扱い?
関羽の崇拝者でもないのにそんな馬をもらってもという感じだが。
名馬といっても戦争の道具なんだし衰えた馬をいつまでも置いておくものだろうか?
これで現役なら化け物だ。
三国志演義では呂布も関羽も超人的な化け物なので、馬の常識を超えた化け物として描かれているのかもしれない。
赤兎馬はあくまで品種であって固有名詞ではないともいえるが、「人中に呂布あり、馬中に赤兎あり」という言葉もあるし、関羽の手から離れた直後に死んだので、関羽の愛馬であるあの1頭の赤兎馬であることが強調されている。
最初に登場した赤兎馬とは代替わりした可能性もあるが、2頭以上手に入るなら関羽だけが赤兎馬に乗る理由がない。関羽の息子達が乗っていてもいいはずだ。
これはどこにでもいる普通のオタクが「金を払って観る悪夢」「SAN値チェッカー」と名高いカルト映画、CATSを観てきた感想文です。
ネタバレが盛大に含まれていますので、その辺りお気を付けて頂けると幸いです。
昨年12月の暮れに海外で一足早く上映が始まり、その評価を読み「絶対に見る」と心に決めて1ヶ月、私はようやく映画館へと足を踏み入れた。
やれポルノだの玉ねぎだのと聞いているので期待は最高潮、何しろ私はホラー映画が大好きで、そしてクソ映画が大好きです。
今日は一人で悪夢を観に来たことを忘れて売店で巨大なポップコーンとジュースを買い、はやる心を抑えながら入場開始を待つ。
上映前に最後に流れた「それでは、夢のある映画の旅をお楽しみください」のアナウンスは、この後の展開が「悪夢」であることを啓示しているかのようでした。
私はオタクの中でも日陰に生きる人間でありますゆえ、正直CATS本編と同じくらい実写オタ恋のCMも滅茶苦茶キツかったんですが、この辺りについては口を閉ざし静かにスクリーンへと目を向けます。
劇場の照明が落ち、暗闇の中映るのは夜空。
猫の映画ですよ〜!という事を示唆するかのごとき可愛らしい雲、ここからどうなるのか期待が高まります。ちなみにここが唯一ここからの110分の中で「これは猫だな」と理解できた部分になります。
さて、開始して1分ほどですがここで早くも私の脳は処理の限界に達してしまいました。
ドラクエIIIの夜のピラミッドのBGMを不協和音にしたようなBGMが流れる中、夜の街を闊歩するのは人間によく似た体躯にうっすらと全身毛のテクスチャを重ねた「何か」。
一瞬、誤ってメイドインアビスのシアターに来てしまったのかなと思いました。人間性の喪失の結果と言われれば納得も出来るのですが、そもそもこれは「人間」では無く「猫」らしいんですね。
BGMの中、四つん這いの合成獣(キメラ)の集団が道路をぐるぐる回る姿はムカデ人間の続編かと錯覚を覚える絵面ですが、その中心で蠢く頭陀袋も嫌な予感しかしないし、案の定悪夢が飛び出すし、今の所パンドラの箱なのですが果たして最後に希望は飛び出してくるのでしょうかね。
そう言えば海外の評判ではやたらと性的な印象がありましたが、ただでさえ限りなく全裸に近い全裸なのに動きがこう猫々しいしやたらと柔軟性をアピールするし妙に動物的な飲食シーンを盛り込んでくるし、観客の無意識の奥底にあるなんらかの性的衝動を呼び起こそうとしてるのかなって感じは分かるんですけど。ですが、残念ながら扉のノックの仕方がシャイニングのジャック・ニコルソンなんですよね。へただなぁ…欲望の解放のさせ方がへた…こんなんじゃ歴戦のケモナーだって裸足で逃げて行きますよ。
さてなんの説明もないままに話は進み、ジャ…ジェ…?なんか分からないけど固有名詞がいっぱい出てくる、完全にルシがファルシでパージ状態。私は原作のCATSを知らないので、知ってたら話の流れが分かるんですかね?知ってたら開幕1分で席を立ちそうですけども。
さて墓場で歌って踊るシーンではふとBloodborneを思い出しましたが、ひょっとしたらこの夜は獣狩りの夜だったのかもしれません。私の啓蒙も爆上がりしていきます。
トイレで歌うシーンは真っ先にトレインスポッティングを思い出しましたし、ひょっとしたらこの映画も薬でぶっトんでる狂人の見た夢かもしれないし、狂ってるのは私だったのかもしれないと思い始めました。
まだ始まって30分も経ってないんですけど。あんな猫やこんな猫の説明を歌っているけど私にとっては全てが邪悪なモンスターにしか見えない。
さて、かく言う私もだんだんと目と心が慣れてきました。
感覚的に言うと「有色はマシ」「服あると相当マシ」「全裸はほんとキツい」「白系マジで無理」、要するにヒロイン枠の生物が一番キツい。黒人の敵とマジシャンが比較的視覚へのダメージが少ない。それだけで若干好きになる、だから頼むから帽子を脱ぐなコートを脱ぐな。あと手先と足先が人間なのがマジで拒否反応を起こす、黒人の手の平が肌色なのでも認知が「?」ってなるのにこの生き物の手足見てると「??????????????????」ってなる。かといって靴だけ履いてるのも異常なんですけど、タップダンスだけ見たら凄い出来なのに他の全てが恐怖。
あと衣類については黒人っぽいキメラが首からbling-blingなおさかなネックレス下げてるのは良いなと思いました(数少ないポジティブな感想)。
この作品、猫だけでなくGの者等も等しくキメラになっているとの話はうっすら聞いていたのですが、正直全裸じゃないし着ぐるみっぽさあるからこっちの方がだいぶマシではあったんですけど、喰い始めた時は流石に驚愕のあまりポップコーン食う手が止まりました。
ネズミとか、子役?っぽく見えたんですけどこれを見たご両親は「可愛い〜💕」「◯◯ちゃんの演技最高〜!」って思うのでしょうか、人生開始してまだ間もないのにこのような罰を受けるのはあまりに酷ではないでしょうか。
あと犬の存在が示唆されているのに画面に映らなかったの、犬はキメラじゃなく犬ですよってことなんですかね?製作陣や太いスポンサーの中に敬虔な犬好きでも居たんでしょうか。なんにせよ、助かった動物が居るのは良いことですね。
個人的に認知的不協和を感じるポイント、デザインや動き以上に「大きさ」があるんですけども。人間の体躯に猫の動き、街並みは人間の大きさの中で人間らしき体躯の生き物が「猫のサイズと言うには高さは合っていても細身すぎて違和感」で「人間とは思えない位小さい」姿で街を這い回り走り回る。人間の脳には大きさや距離感を自動的に調節してピントを合わせる機能があるはずなんですけどそれが全部ぶっ壊れる。
脳の機能に直接影響する映画、感覚にダイレクトに伝えてくるこの作品はいっそ4dxでも上映してほしい。余談ですが私はこれを観ながら「TOHOシネマズ限定のかっぱえびせんポップコーン」を食べていたので、こいつらがゴミ箱から拾ったエビ食うシーンでセルフで臭覚で新感覚の映画体験をしてしまい大変不愉快な思いを致しました。
定期的にあったのですが、このキメラ達が猫の鳴き声で「ミャー」とか「ニャーン」とか鳴くのがかなりキツい。というか主役級は顔がアップになったりすることが多くて「あー、人間の顔と身体した獣のキメラだなぁ」って思えるんだけど、ヒキで後ろに映ってるその他大勢がヤバい。意味不明な物体が四つ足で這い回ってる、フォーカスが手前に当たってるせいでぼんやりとボケた画面の奥で蠢いている人間ではない何か。私が観てたのってひょっとしてサイレントヒルだった?と誤認してしまいそうだし、私は悩める私に胸を張って「違うよ、CATSだよ」って言ってあげられない。
そこそこ話が進んでもストーリーか理解できない。一番歌と踊りが上手い奴が選ばれるオーディションなのは分かるけど、選ばれたら転生って死ぬやつじゃん?あと黒人男性なんでよく分からない魔法使ってるの?確かに猫よりは魔獣って感じだけど、それやるとますます猫の概念から遠ざかるよ。観ていてふと私が思い出したのは「悪魔ネコ」でした、懐かしいですね。
ところでこいつら猫?ってことは乳首6つあるんですよねってふと思って心底ゾッとしたし、この時点で完全に食欲を失っているのでポップコーンは封を閉じられている。
この時点で唯一覚えてる名前がヴィクトリアだけだし、ヴィクトリアったら捨てられた飼い猫割には異様に順応高いな…こうやってこの映画に慣れてきてる自分もひょっとしたら既にヴィクトリアなのかもしれない…と正気を失っていたら家無き捨て猫で「子猫」であることが発覚したのですが、私の中の子猫の概念がグチャグチャのベコベコに狂うのでこの件については早めに酒飲んで忘れようと思いました。
さて、物語の結末、私の刑期の終わり近付いて来ました。
ゲイビの男優かインナー無くしたマリオみたいな格好のキメラが踊ったり、黒人キメラがコートも帽子も脱いだせいで一瞬マジで全裸かと目を疑いましたがそんなことは無く。あとヤク中の流れあったんでやっぱりヤク中の見る夢だったオチも考えたのですが残念ながら物語は大団円へと向かいます。
マジシャンが無茶振りされる流れ観てると「いじめか?」と思いますが天下のハリウッドがそんなことをするわけが無いのです、ちゃんとなんとかなりハッピー的なエンドです。
ここまで観ていて、ストーリーの中の時間が夜から夜明けまでで12時間も経っていないことに恐怖を感じる。映画も2時間足らずだし、体感的には6時間くらい苦しんでるんだけど。
最後の最後に、老いた猫は画面のこちら側ん見据えてこう言います。
これは、ここまでこの映画を観続けた私にとって実質「死刑判決」でした。啓蒙が上がり過ぎて狂ってしまいました、私は人間のつもりだったけれど、実は限りなく画面の中の生き物によく似た「なにか」であると告知されました。
ホラーにある「次はお前だ」的なアレであり、告発やシリアスな社会派にある「他人事ではないぞ」みたいなアレを感じます。あと夜闇に紛れた姿も怖かったけど朝日の下よりは大分マシだったみたいです。朝日の下のキメラ達は、エグいアダルト作品を観た時のような性的興奮よりも先にショックに殴られる感覚がありました。もうこの辺りは感想をメモすることも忘れました。
しかしまぁ終わってみて改めて考えると、歌のクオリティは当然の如く相当高かったです。私はあのビジュアルで日本語でミュージカルやられると「理解できないおぞましいものを無理やり理解させられる」感覚に負けて脳が爆発四散してしまいそうだったので字幕で観ましたが、吹き替えの役者さんが好きな方は吹き替えで観ても良いのではないでしょうか。あの生き物達が好きな人間の声帯で歌い喋っている姿を観て立っていられるのならばですけども。
一言で感想をまとめるなら、「目を瞑って観たらそこそこ満足度の高いミュージカル」だと思います。ただ残念ながら、目を開けると死んでしまうので気を付けてください。神話にありがちな奴ですね。
見るなのタブーだと思えば納得できる作品です、いや無理だできねぇな。
ここまで色々書きましたが、最期まで走った身としては「マジシャンの猫ならギリ抱ける」と思いました。
どうやら私も完全に狂ってしまったみたいです、その内全身の皮膚に薄ら毛が生えてきて服を脱ぎ捨て夜の裏路地に四つ足で走って行くでしょう。まだ日本語を語れる今の内に、これにて文面を終えようと思います。
とあるYouTuberについて思ったことです。調べればわかるでしょうが宣伝するわけではではないので固有名詞は避けます。
昔、趣味でアーケードゲーム、特にメダルゲームをよく遊んでいた。
生活スタイルの変化と共に自由な時間も無くなり現在はほとんどやらなくなってしまったが、YouTubeで検索したらプレイ動画が結構上がっていたので、いくつかのチャンネルの動画を見るようになった。
そんな中の一つにその人はいた。いろんなYouTuberが例えば顔出し配信をしたり他がやらないような企画を考えたりすることで登録者数を増やそうとする中、
その人は自分で撮ってきた動画を編集して、後からアフレコ実況を被せるというオールドスタイルな実況プレイを淡々と同じ時刻に毎日1本、
機種が違うだけで毎日延々とメダルゲームを見せ場が来るまで回して見せ場が来たら終わり、そしてそれを実況。このスタイルを数年間維持していた。
昔やってた人は懐かしみ、現役でやってる人は一緒に盛り上がる。長くやっているのもあり、登録者数も地味に伸びて1万人を超えている。
まとめて収録しているであろうとはいえゲームプレイだけでも数十分、そこから編集、実況録音、さらに編集と1本作るのにもそこそこ時間かかると思うのだが、その人は数年間休むことなくほぼ毎日決まった時間に動画を上げていた。いつしか彼の動画を寝る前にサラッと見るのが日課になっていた。
ところがその人が最近唐突に「重要なお知らせ」と題した動画をアップした。
・ついては月末までは毎日投稿できるがそこから週一での投稿予定になる
という内容。
そこで彼のTwitterを初めて見たら、明らかに症状はヤバそうな雰囲気。驚いた。何故なら彼の実況は後付けで編集もされているため、病気の気配が消されていたからだ。(稀にやっていた生配信では咳が明らかにやばい時があったらしいのだが、生配信は見ていなかったので知らなかった)
彼は肺癌に侵されていたのに喫煙者だらけのゲーセンに足繁く通い動画を撮影していた。(恐らく肺には良くはないだろうが…)
そして体調悪いであろう状態なのに入院対策で20本近い動画のストックまで作っていた。
何がそこまで彼をYouTubeの動画投稿にに駆り立てたのだろうか?金なのか?自己顕示なのか?そこまでするほど、ゲームセンターが好きだったのか?
現在彼は入院している、胸水を抜いたらしい。匿名とは言え悪い事は言いたくないので頑張って良くなって欲しい。
動画は未だ毎日、ストック分が淡々と同じ時間に上げられている。実況の彼は病気の話はせず楽しそうに自分のゲームプレイを実況している。これが毎日上がらなくなったら、僕は喪失感を感じるのだろう。
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2020年01月05日 17時20分 公開 「こんな記念硬貨は存在しない」「異世界の硬貨っぽい」 10年前に発見された「謎の記念コイン」にTwitter民騒然、財務省・造幣局を取材して成分分析してみた (1/3) - ねとらぼ 672 users
- w_bonbon ねとらぼ有能だなぁ。 2020/01/06
- workingmanisdead 色んなところに取材に行ったねとらぼ偉い 2020/01/06
- yuichi0613 なんだろうねこれ/それにしてもねとらぼさん、丁寧な調査報道というか、調査リポートかな。 分析 twitter 貨幣 ねとらぼ 3 clicks 2020/01/06
- uturi ねとらぼなのにガチ調査してて驚く。成分としては通常のコインと同等だけど、政府と関係なく製造したんだな。亡霊のような存在という表現が興味深い。 twitter 雑学 ねとらぼ 2020/01/06
- hankatsuu ハリジャンぴらの氏がコイン2枚を所有。ぴらの氏tweet開始2019年10月14日。J-CAST2019年10月26日初報。ハフポスト安藤健二氏2019年12月17日初報。ねとらぼKikka氏2020年1月5日初報。 2020/01/06
- Wafer ねとらぼの成長とそれに伴う信用の獲得にドラ息子の生き様を見る思い 2020/01/06
- weekly_utaran すごい、ここまで調べたのか。ねとらぼはネットメディアの中でも一線を画すよね。 40 clicks 2020/01/05
- amakanata 「ねとらぼ」がまさかこんな良質なメディアになるとは思わなかった。 2020/01/05
- call_me_nots ねとらぼでこんな渾身の取材するんじゃないよ!→“JOGMEC「われわれとしてはこのコインは、10年、20年に一度、忘れたころに現れる亡霊のような存在です。」 165 clicks 2020/01/05
- kei_ex ねとらぼが頑張ってる 10 clicks 2020/01/05
- japonium ねとらぼが脚使って取材仕て居る所初めて観た。此の手の品は丁度500円硬貨が発行された頃に流行ったよな。中には正に今起きて居る様な謎硬貨ブームを狙って手作りで兀々と世の中に流仕て居るアーティストも存在為る。 2020/01/05
- star_123 ねとらぼガチ調査してて笑う。/「われわれとしてはこのコインは、10年、20年に一度、忘れたころに現れる亡霊のような存在です」 13 clicks 2020/01/05
- n-styles ねとらぼとハフポストで特定合戦になってる 2020/01/05
この記事は上場当日に自分が社内ブログに投稿した記事を編集したものである。
なぜそれをこうして公開する気になったかと言うと、もしかしたらこれからIPOを経験する人の参考になるかもしれない、というのは理由のひとつだ。
もっと大きな別の理由は、この記事には自分が以前に勤めていた会社のことが書いてあるのだが、昨日の忘年会で会った当時の同僚たちに読ませたところ「懐かしすぎてもだえ死ぬ」という好評価をいただいたので、もう少し広く仲間内で盛り上がるためである。
そして何より、年末の休暇にすることもなく暇だった。
中学受験体験記 https://anond.hatelabo.jp/20170206102543
内容的には今回の記事とは何の関連もないのだが、匿名とはいえ単一の人格として認知されたいと思ったので書かせてもらった。
では、以下投稿本文。
本日めでたく東証に上場した。このタイミングで皆に話をしないといけないと以前から勝手に思っていたことがあるので、長文だが昔話に付き合って欲しい。
勤めている会社がIPOするというのは、自分にとっては二度目の経験である。
最初にIPOを経験したのは、大学を卒業して新卒で入社した会社だった。
4月1日、入社式が終わるとオリエンテーションが始まる。しかしそのオリエンテーションで、なぜか銀行の人が前に出て話し始める。
「皆さんはとても運がいい。御社はIPOを目指している。皆さんには持株会を通じて未公開株式を取得するチャンスがあります。30万円を支払えば持株会に入会できます。お金がなくても心配はいりません。我々の銀行がお貸ししましょう!」
入社早々、新入社員に借金を背負わす会社があるか?むちゃくちゃ怪しくないか?もしかしてヤバい会社に入ってしまった?
しかし未公開株という言葉は魅惑的だった。ちょっと前まで世間を騒がせていたリクルート事件のニュースでよく聞いていた。が、聞いたことがあるだけで、実のところそれが何を意味するのかを理解していた人間はほとんどいなかったはずだ。
結局、同期のほとんど(全員?)は30万円を支払って持株会に入会した。自分も含め、ローンを借りた者も多かった。
また、毎月の給与からの天引きで持株会に拠出する制度もあり、自分は毎月1万円に設定した。
入社して半年ほど経ったある日、全社員に「持株会に追加拠出できます」というアナウンスがあった。1口 30万円、最大3口まで追加拠出できるということだった。
ローンを借りると翌月から返済が始まるので、たぶんその負担を考慮したのだろう、自分は2口 60万円を追加で借りることにした。
入社2年目の冬のことだった。IPOが決まった!というニュースが流れた。
この頃までに累積で110万円くらいを拠出していたはずだが、公開価格で計算すると5倍!
20世紀末、日本経済はITバブルに沸いていた。そんな中、その会社の株も「有望」とみなされ、株価は上昇を続けていった。
当時はインサイダー規制も緩くて、みんな比較的自由に自社株を売ることができていた。周囲からは景気の良い話が次から次へと聞こえてくる。豪邸を建てたとかフェラーリを買ったとか。
同期で集まって酒を飲んだりすると、株や金の話になる。
「みんなで金出し合ってマンション建てようぜ」
「無人島とか買ったら楽しくない?」
億万長者が最も多くいる会社として、週刊誌の記事で取り上げられたりもした。
株価は上昇の一途。3日くらい連続でストップ高が続く時期もあった。自分の持株の含み益も1億円くらいになっていた。
でも周囲には5億、10億の人がざらにいたし、全然特別感はなかった。
この頃は狂っていた。株価が下がるのが怖くて株を売るやつはいない。逆に、自分が売った後にさらに株価が上がるのが怖くて売れないのだ。
「あいつは仕事もしないで株価チェックばかりしている」と言われる人が少なからずいた。
オフィスの自席の電話から大声で証券会社に売り注文を出す人間もいた。(当時、インターネットでの売買は現在ほどは普及していなかった。)
一方で、持てる者と持たざる者との分断も発生した。
IPO後に入社した人は、株をほとんど持っていない。周囲で自分には関係のない浮かれ話をされて面白いわけがない。しかも仕事をしないのである。
なにせ、ストップ高ともなれば、含み益が1日で数100万円増加、3日も続けば自分の年収を大きく超える金額になるのだ。何のために働いているのか分からなくなる。
冷静に考えれば、自分は1億円に値する働きをしていない。しかし当時の自分は「こういう会社を選んだのも自分の才能」と、完全に思い上がっていた。
世の中ちょろいと思っていた。自分には才能があるから、金なんかいくらでも稼げると思っていた。
株価が頂点近くのときに、試しに10分の1だけ売ってみた。数日後に銀行口座に950万円が振り込まれた。その金は1ヶ月半でなくなった。
追加の資金調達がきっかけだった。ついに株価の急落が始まった。連日のストップ安。
しかしそんなことはなかった。数ヶ月後には株価は半分以下、2年で数10分の1になった。
結局、数年後に残った株を処分したのだが、数100万円にしかならなかった。
しかし意外と悔しくはなかった。
結局、あの1億は自分の実力ではなく単に運が良かっただけなのだと思い直したし、出資した金額に比べればはるかに大きな利益を手にはしてたし、20代のうちに特異な経験をすることができたのだ。
自分の知り合いの事例をいくつか紹介しておく。
ある人は「これからは毎日サーフィンと株価チェックして過ごす」と言って辞めていった。そのうち自宅でデイトレードを始めたが、今は普通にサラリーマンをしている。
ある人は株を売って得た大金を、ソフトバンクや光通信など、他の流行りの株に投じ、結局手元には何も残らなかった。
ある人はフィリピンパブのお姉ちゃんと仲良くなり、家族を捨ててフィリピンに移住していった。
ある人は滝のある豪邸を建てた。高級車も買った。きれいな奥さんと結婚した。六本木での夜遊びは続けた。離婚して財産をほとんど持っていかれた。
ある人は息子たちがいい年になってもろくに働きもせず、親の金で夢を追いかけ続けた。
別にこの人たち皆が不幸せになったわけではない。そもそも消息を知らない人もいるし。
が、もしこういう人生を望んでいないのなら、過去事例を知っておいて損はないだろう。
入社6年目の終わりに会社を辞め、大企業に転職したものの、物足りなくなって1年半で再度転職した。
値下がりしきった株を処分するなどして作った1000万円を、自社のシードラウンドに投じた。
その会社は30億円以上を調達したものの最終的には立ち行かなくなって、現在ではゾンビ企業と化している。今でもその株式を持っているが、何の価値もない。
次に、今では超有望ユニコーン企業となっているスタートアップ企業に転職した。
しかしここでは満足のいく成果を出すことができなかったし、ストックオプションもなかったし、そもそも当時は全然成長路線ではなかったので、ここでは夢を見られないと思い辞めた。
スタートアップ2社で消耗しきったので小休止が必要だった。それでいったん大企業に転職した。
しかし数年働いているうちにまた元気が戻ってきた。もう一度スタートアップの世界で勝負したい。
そしてこの会社にやって来た。
あのITバブルから20年、「次こそは」とスタートアップに身を投じてから15年、ようやくここまでたどり着いた。
熱狂と失望の後、その会社は本当につまらない会社になってしまった。
多くの人間が株に狂って会社を辞めていったし、上がらない株価を見ながら「あの頃は良かった」と昔の思い出に浸るやつ、持てる者と持たざる者の間に生まれたしこりも残った。
別にそれが主因ではないだろうけど、業績も悪化して早期退職を募集することにもなった。
自分は、この会社にはそんなことにはなって欲しくないと願っている。
この記事を書いているのはそのためだし、これを読んだ人にとって何かしら考えるきっかけとなってくれたらうれしい。
もちろん今はITバブルのときとは状況が違うから、同じように狂う人間が大量発生するとは思えないけど、それでも自制心は必要だと思う。
せっかくなのでいくつかアドバイスしておく。
「上場初日に読めてよかった」「背筋が伸びた」「何度も読み直した」などなど、うれしいコメントももらった。
その後、この記事の効果かどうかは分からないが、幸いなことに社内に浮かれた雰囲気は全くなく、株価の話をする人間もほとんどいない。入社以来、勝手に感じていた使命を果たすことができたような気がしてほっとしている。
ここに公開するにあたり、オリジナル版にあった固有名詞や株価の推移を示すチャートなどを削除しているので、文章からいくらか臨場感が失われているかもしれない。しかしもしこの記事がこれからIPOを経験するかもしれないどこかの誰かの役に立つのなら、望外の喜びだ。
なお、15年かけて再びIPOを経験できたのだからさぞや嬉しかろう、と思う人もいるだろう。
実のところ、嬉しさよりも社会的責任の重さに身が引き締まる思いのほうが強い。格好つけているわけではなく本当に。
ストックオプションを行使できるようになるのはまだしばらく先だし、その頃に株価がどうなっているかなんて分かりやしない。事件・事故を起こすことなく、しっかりと業績を上げていくこと以外にできることはないのだ。
俺も大人になったもんだ。
この手の「日常に潜む差別語」の議論、英語のhusbandの語源が「家長」だと知ってから一気にバカバカしくなったな。
wiktionary先生によれば「古英語:hūsbonda(家長)<古ノルド語:húsbóndi(hús(家)+bóndi(家主))」らしい。バリバリ家父長制の名残で草。
一時期自分の旦那を「ハズ」と呼ぶのが流行ってて進歩的だと思われてた時期があったけど、あれみんなこぞって「家長」「家長」って言ってたんだな。くっそウケる。
「ご主人」も「奥さん」も、別に本当に男は女を支配すべきだと思っているわけでも女は奥に引っ込んでろと思ってるわけでもなく、単に「男である配偶者」「女である配偶者」って意味で使ってる場合が大半なんだから、別にいいんじゃねえのって感じ。
「ご主人」に文句つけてる人が英語でhusbandって言ってたら「そんな言葉を使うとは家父長制主義者だな!」って言ってやればいいんじゃねーの。割と本気で。
「『ご主人』を使うのは男尊女卑」が通るなら「husbandって呼ぶのは家父長制」も通らなきゃおかしいでしょ。語源がそのものずばりの家長なんだから。英語圏の出羽守諸氏にはお気の毒だけど。逆に言えば現状husbandはほぼ許されているんだから「主人」もオッケーだと思う。
husbandは良くて主人はダメなんて通らない。どっちも許すかどっちも許さないかのどちらかにすべき。まあ私はどちらも許すべきだと思いますが、主人と呼ぶのはけしからん派の諸氏は今後英語でどんな自己紹介するんでしょうね。そういう人たちがhusbandって口を滑らすたびに馬鹿にされる風潮を作っていこうな。
法的な定義や公的な書類でならともかく、「あなたの配偶者さん」「部長の配偶者の方」みたいな表現って現実社会で一度も聞いたことないんだけど。もうちょっと実用的な語を提案してくれませんかね。
「夫」「妻」も、自己紹介とかでは使えるけど、「あなたの妻」「部長の夫」って言うとなんかよそよそしさがあるよな。世間話とか社交的な場面では「あなたの奥さん」「部長の旦那さん」みたいなやわらかい言い方が普通じゃん? 「配偶者」にはそういう実用性が欠片もない。
パートナーでいいのでは。
基本的にモノガミーにしか対応していない語なので、カップルに対しては使えるけれどたとえば男3人とか女1人に男2人とかそういうポリアモリーな関係の人らには使えないよなぁ。まあでもそれは「主人」や「奥さん」もそうか。このへんの語彙は今後考えていく必要があるんだろうね。
ロシア語とか、過去形を作るときにも男性名詞と女性名詞で別の形になるからなぁ。日本でよくある「実は女でした」系の叙述トリックが使えなさそうで大変だと思う。真面目にああいうのを翻訳するときってどうやってるんだろ。
妻のことを「主人」と呼ぶシーンを想像した上で、嫌な気持ちにならなかった奴だけ賛同すべき。/ 嫌なんだよ、「お気持ち」とか言って封殺すんな。つかあと数十年したら変わるから諦めろ。
よくよく読めばわかるけど、この増田では「主人もhusbandもけしからん」派の人は一切否定してないよね。私とは意見が合わないけど尊重に値する意見だと思う。主人は嫌だというあなたがhusbandも撲滅すべきと主張するなら筋は通っている(「主人」を批判するのと同じくらいの強度と熱意で「husband」を批判しろとは言ってない)。
「主人と言うのは男尊女卑! 英語みたいにhusbandと呼ぶべき!」派の人は馬鹿だしそんな意見は尊重に値しないよねって言ってるだけ。別増田でそういう意見がピックアップされてたけど(anond:20191224163418)、まあこういうご意見に対してはバカバカしいお気持ち扱いでいいんじゃないでしょうか。
続柄で呼ばないポリシー自体は結構だと思うんですが、「あの人だれ?」「ああ、あの人は田中さんの旦那さん」みたいな局面はどうしてるんです? 純粋に気になる。「ああ、あの人は田中さんといって、うちの部署の田中さんの配偶者」みたいな感じ? 二度手間では。
あと例えばそれほど親しくない友達の配偶者を呼ぶときに、事実婚とか実生活では別姓で通してるとかならともかく完全に夫婦同姓な場合はどうするんだろ。「そういえば山田さんは元気?」お前の目の前にいるのも山田だ。「花子さんは元気?」いったいいつからお前は名前で呼ぶほど親しくなったんだ。「配偶者の人は元気?」なんでそんなお役所口調なの……。「奥さんは元気?」これでしょ。
繰り返すけど、続柄で呼ばないこと自体にケチをつけるつもりはないです。私だっていちいち人を紹介するのに続柄はつけない。「こちらは○○を担当している佐藤さん」が普通でしょう。でも続柄で呼ぶのが一番しっくりくる場面というのは実生活に厳然とあるわけで、そういう場合に特に差別的意図がなく「奥さん」や「旦那さん」「ご主人」を使うのくらい別にいいでしょ、というのが趣旨。