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2024-11-18

使わなかったキーボードが手に馴染んだ増田す魔弾時何手がドーボー期タッカナ分かつ(回文

おはようございます

私の愛用しているキーボードがもう販売終了で新しいものが買えなく、

インターネッツでいろいろフリマとかそういうで見つけて買い集めていたんだけど、

さすがに

うそ廃版になったキーボードは手に入りにくくなったのよね。

私は諦めて今まで手に馴染まなかったキーボード3つぐらいあるやつ箱に入れたまんま窓から投げ捨てずに済んだものの1つをとりだして使い出したの。

そしたら、

その当時はなぜ手に馴染まなかったのか理由はすっかりすっきりさっぱり忘れちゃっていたけど

なんらかの理由があって気に入らなくて使わなかったのよね。

でも今使ってみたら、

なんの困ることもなく慣れない感じもなく、

あの時の私の感情なんだったのかしら?

そんなことすっかり忘れていて、

今このキーボードを愛用しているのよ。

これ窓から投げ捨てなくてよかったわ!って改めなくても改めてそう思わざるは山の如しタニコーの五徳のようにそう思ったの。

お陰でこれたぶんキーボード耐久性あると思うから

お餅もこれでつけるわ!

ぺったんぺったんぺったん!って

キーボードお餅つくやつがいたんですよー

なーにー!

って怒られちゃいそうだわ。

でもこれで、

もうキーボードを旅する旅は一応結末を終えた感じかな。

たこれが壊れても同じ物を買うことができるので安心よ。

私は決してキーボードクラッシュ坊やではなくて

打ち過ぎて打鍵しすぎてキーボードを壊しちゃいがちなの!ガチで。

でね、

だんだんコントロールプラスシー

まりコピペするときキー感触おかしくなる、

いかに私が日頃コントロールプラスシーを駆使しまくりまくりまくりすてぃーなのかがよく分かる事案だわ。

他は至って普通に使える機能しているボタンが全部なので、

1つのキーけが壊れちゃうのよね。

そうなると支障をきたすの。

今まで買って手に馴染まなかったキーボードもったいないから使わなくちゃねって思っていたこともあるし。

いい加減廃版になったキーボード永遠に手に入り続けるわけではないから、

これを機に新しいものがしっくり手に馴染んでよかったわ。

から

キーボードは手に馴染まなくても一応は保存して窓から投げ捨てずに、

あるときふと思ったとき使える手に馴染むときがくると思うの。

それが私の最近の心温まるハートウォーミングなできごとよ。

から投げ捨てなくて良かった!

でも

これ今まで使ってきたキーボード

若干、

ホームとエンドとページアップとページダウンのボタンの配置が違くて

最初はそこをノールックでできなくて、

今でもまだその右小指のゾーンはノールックで打つことができないので、

慎重に慎重を重ねてノンノルックで打つの

まるで私がルンルンでやってると思ってるかも知れないけど、

その箇所の右手の小指のゾーンが遠いわ。

そんで、

マウスはどうなってるの?って思うかも知れないけれど

マウスマウスですっかりそれを探す旅も終了した感じで

今使ってるもので落ち着き払っているわ。

マウスは結局使っていた気に入ってたマウスがあるんだけど、

その耐久性がほぼ無く

数か月でマウスクリックが効きにくくなる感じ。

私は決してマウスクラッシャー坊やではないんだけど、

まりダブルクリックそしてトリプルクリックしまくりまくりまくりすてぃーなもんだから

マウス右クリックが効かなくなっちゃうのよね。

そんでその手に馴染むマウスも3つぐらい買い直してるから

それならちょっと奮発して1発良いマウスを買う値段と等しくも同じ値段になってしまうから

えいや!って清水の舞台から飛び込み前転で飛び降り気持ちで買ったらこれが良かった!

手に馴染んでってことなの。

探し続けて旅は延々に母を訪ねたばりに3000里歩かなくちゃ行けない

あのマルコアニメ彷彿とさせる感じで

そのアニメのことは何にも知らないまま、

ただただ長いチリ国土

から南か南から北かどっちから進んでいくのか分からないけれど、

その母を探す少年肩には小さなリス的なサル的な動物がいることは待ちがないみたいなの。

ただただ旅をするってだけしか情報が無いけれど

私はその少年と重ねてキーボードマウスを探す旅に終わりを告げることができたわ。

と言うかその少年が旅しているところって本当にチリなの?ってところが疑問になるし

つねに私の疑問の泉は湧き出てくる世界のふしぎを発見する的なそれなんてインスパイヤネクストなの。

でもたぶん、

これで落ち着きそうよ。

畳とタブレットは新しいのがいいなんて言うけれど、

キーボードマウスは手に馴染んだものを長く使いたい派なので、

そういうことなのよ。

これで私の使っていない手に馴染んでいないキーボード在庫が1つ使うことができた反面、

あと2つ手に馴染んでいないキーボードはある時のシーズンがやってきたら突然手に馴染むのかしらね

その不思議についても世界インスパイヤネクストできるように、

思い出したら引っ張り出して使ってみたら

案外その時の当時の手に馴染まなかったことを忘れてすんなり使えるかも知れないしね。

なんでも必要いからって

から何でも放り投げて捨てることはないのよ。

そう気付いた旅でもあったわ。

うふふ。


今日朝ご飯

温めた豆乳飲んできて

そう最近豆乳ベーストマトジュースとかミックスして

なにか良さそうなものを一緒にして飲むのが豆乳流行っているわ。

手順としては豆乳を先に入れてトマトジュースを投入するんだけど、

豆乳に投入ってややこしいけれど、

先入れ投入ね。

何か他に豆乳ミックスして美味しいものが何かを発見したいわ。

ポタージュスープも飲み応えアップしていいし、

豆乳簡単でいいわ。

最近お気に入り

デトックスウォーター

電気ポット好評稼働中で朝起きたら70℃のお湯が沸いている信じられる喜びなそれなんてエヴリーリトルシングなの?って思っちゃうわ。

そのお湯使って

ホッツルイボスティーウォーラーにしたわ。

ホッツを手軽に飲めて

電気ポット大活躍よ!


すいすいすいようび~

今日も頑張りましょう!

2024-11-17

anond:20241117201332

そこまでする気力があればもうとっくに飛び降り自殺してるわ

2024-11-08

anond:20241108120807

から飛び降りようとする人間に声をかけ、大丈夫だと優しく抱きしめるジョン・ボンジョビみたいな人間が一流、それ以外は二流だからしょうがない

2024-11-06

今日誕生日なんだ

今日誕生日を迎えちまったよ。

はじめてはてな存在を知ってから10年か。

そのときに比べたらはてなもだいぶ変わった、と思うが思い出語りはまた別の機会にしようかね。

今日誕生日からまいばすけっとで気になっていた惣菜をたくさん買ってみた。

いつもは納豆キムチ、もしくは冷凍うどんで済ませる俺にとっては、このうえない贅沢だ。

晩酌としてビールも6本買ってみた。

それを飲みながら、今を書いている。

そうだな、10年か。

10年前は日本オワタといいつつドル円90円だかそこそこで、不景気かいいつつも輸入は安定していたよな。

トマト缶は88円だったし、サバ缶も88円。ツナ100円だったか家計応援でそのあたりのレシピが良く出ていたのを記憶している。

鮭もサンマも安かったな。お察しのとおり、増田魚介類好きな人間なので、最近の値上がりのあおりをモロに受けている

最近は、そうだな、

街のラーメン屋ラーメンを食べるとスープが塩っぱくて辛くなってきた

焼き肉なんてもってのほか

休みの日は趣味研究自由研究みたいなもので立派なものじゃない)でセコセコ時間を潰しているが、

平日はほぼ、起きて、仕事して、酒を飲んで、寝ての繰り返し。

まどマギが続いているのは生きる活力だ。

劇場版を楽しみにしている。

まだ創作を楽しむ心があることにほっとする

こうして穏やかに暮らして、穏やかに死ねたらいいと、最近はよく思う

それが一番の贅沢なことは知っているが、本当にそう思うよ。

この年になると、ちょいちょい友人が他界する。

ある友人はアフリカ仕事中に倒木に巻き込まれて死んでしまった。

他の友人は、働きすぎて心筋梗塞で、20代あの世にいっていまった。

高校クラスメートで一番明るく振る舞っていたアイツは自ら高いところから飛び降りた。

結婚したんだと笑っていたアイツは、膵臓がんが見つかってからあっという間だった。

あー、俺は今年も生きちまったよ。

死にたい積極的に思ってはいないが、なんというか、もうちょっとだけ生きていこうかな

2024-11-04

橋を歩きで渡るの嫌なんだよな

無意識に外側にふらふらいって手すり越えて飛び降りそうになる

anond:20241103110051

酸っぱい葡萄してたほうがマシ。リアル職員

とかのほうが現実距離は近い。なまらギャル卒業した女とくっついたところで解決できるかは別の話で、先のほうが長いのだ

2024-10-30

国別衝撃系動画の特徴

要はグロ動画とかの事

増田観測範囲内かつ割と最近の話

アメリカ

警察による容疑者射殺シーンとか乱射事件動画が散発的に出てくる程度であまり存在感はない

あとは集団乱闘ホームレス同士の喧嘩麻薬中毒者がバーガーショップで働いてる動画万引き(窃盗無罪の件)など割と世相を反映している感じはある

南米

ギャングによる処刑動画が恒常的に供給され続けている

首や四肢まで切断するのは怨恨見せしめ脅迫か。グロ度も高いので人気コンテンツだが飽きられつつある気もする

イスラエル

戦争開始時はイスラエル内の動画もそれなりに見られたが最近はあまりない

パレスチナ

空爆による被害を映した動画が頻出

アフリカ

犯罪者私刑にする動画定番。車のタイヤ首に掛けて火を放つタイヤネックレスが有名だが、やられる方があばれて外れるのでうまく機能していないことがほとんど

軍か民族的なあれなのか不明だが、戦闘で敵を殺害したあと内臓をえぐり出して食べるなどする独特の行動が見られる

ほかは謎の宗教儀式的なもの死体損壊・喫食するものや、事故ったガソリン輸送車に群がった連中が燃える動画結構出てくる

中東

イスラム系軍事組織による処刑動画がよくアップロードされる

プロパガンダ的なやつは綺麗に編集されておりBGMSEまでついているがグロ度はあまり高くない

小学生ぐらいの少年兵大人捕虜殺害するものはどういうわけか別格で人気がある

ロシア

ウクライナとの戦闘ドローンを利用した対人爆撃動画が多い

戦争関連以外でも暴行事故飛び降りなどさまざまな種類の動画コンスタント提供されているが

マフィアによる女性への制裁を記録したものが特徴的。内容としては雪上で脱がせる→殴る→髪を刈る→青いインクを顔や身体に塗らせるといったものマニュアル化されている模様

ウクライナ

ドローン対人爆撃のほか、ミサイル着弾動画まれ塹壕内での直接戦闘動画が見られる。ほか銃撃戦は戦争開始直後に少数出回った程度

伝説ウクライナ21のフォロワーが未だにいるらしく、青少年ホームレスと思しき人々を襲撃する動画話題になることも

インド

レイプ動画が多い。

そのほかに電車屋根に乗っていて事故死するものや、なぜか電線接触して死亡する人の動画がちょくちょく出てくる

ミャンマー

内戦関連の動画がかなりの数出回る。

相当強い怨恨が背後にあるのか凶暴性が高く死体損壊程度もちょっと引くレベル

東南アジア

最近インドネシアを中心として、走行中のトラックの前に躍り出て停車させるチャレンジ流行っているようであり、失敗して死にましたという動画がちらほら見られる

それを抜きにしても結構交通事故系(主にバイク)が多い印象

中国

現代におけるグロ動画の主要な供給源。

中華包丁を用いた路上での襲撃、自動車群衆突撃し多数死傷せしむるもの飲食店における事故喧嘩女子学生による性的いじめ小動物虐待などなどバラエティに富んだコンテンツ提供され、画質が高いこともあり人気を博している

日本

トー横で醜態さら若者大久保公園動画のほか、飛び降り電車への飛び込みが稀に出る程度であまり存在感はない。たまにAVの一部を切り抜いたものレイプ動画として紹介されている

ハイチ

市民によるギャング処刑動画が一時期よく見られた。処刑方法は引き回しの上火刑で、アフリカのものに近い

ギャング同士の処刑も多くこちらは死体損壊程度が高い

2024-10-28

妹ばかり優遇されるのってあるあるなのかな

長女は生まれながらにして不幸だと思う。

下の兄弟が生まれた瞬間に不幸になることが決定づけられたようなものだ。

お姉ちゃんなんだから我慢して」と親にも妹にも言われた。妹はいつも傲慢怠惰で短気である

妹を簡単説明すると小学生の時から不登校気味で中学生の今では部活以外で登校はしない。部活演劇部脚本を書いているようだがそもそも活動してるのかすらよくわからない。

両親はとにかくこの妹に甘い。

私が中学時代演劇部に入りたくても運動部以外は認められなかった。入ったバレー部飛び降り未遂をするくらいひどいいじめにあっても部活学校も休ませて貰えなかった。下着姿で家から追い出されたこともあったのに。

妹はとにかく物に当たる。何かを投げたり蹴ったりしてその対象が私のこともあった。私が耐えられなくて言い返したりやり返そうとすると両親は決まって「この子はもう病気から何も言い返さないで、やり返さないで、相手にしないで」と何故か私が怒られる。

私がスマホを持ったのは高校1年生のときなのに妹は小学5年生から持ち始めた。

毎日リビングで顔を合わせる度に「死ね」「消えろ」「出ていけ」と言われる。お望み通りと思い夏休みに1週間ほど大学の友人の家や彼氏の家に泊まり、家に帰ると「なぜ帰ってこなかった」「お前が家にいないせいで家事は私がやることになった」と八つ当たり

私が中学生の時服を買ってもらうのは決まってしまむらかパシオスだったのに妹は常に両親にLIZLISAや夢展望など高価な服を買い与えられている。今でも両親にそんな高い服買ってもらったことは無い。

両親も両親だ。病気かなにかだと思っているならさっさと病院に連れて行って適当入院させてしまえばいい。そうしたら私が救われるのに。

私が受験勉強精神を病んで心療内科うつの診断を受けた時それを甘えと言ったのに妹が中学行きたくないといえば「辛かったね🥹‪よしよし」ですぐに休ませる。

どうして妹ばかり優遇される?すぐに家を出たいけれど大学在学中は実家で暮らさなきゃいけない。

バイトもしてるけど稼ぎは安定しないし稼げて月5万円いかいくらいで大学の教材費や画材費に消えていく。その上妹に「バイトしてるんだから金よこせよ」と言われて微々たる額だが渡さないとまた暴言暴力に襲われると思うと渡さずにはいられない。

私はもうこれ以上苦しみたくない。たすけて。

2024-10-24

読み込みが速くなって使えなくなった電子ペン増田酢魔ノンペシンでタッなく苗活てっな苦や葉が見込みよ(回文

おはようございます

I-DOLLフラワーがカッコいいし可愛すぎて私は大好きなんだけどメインキャラじゃないので全然情報がないのが悲しいわ!

ストーリーに一丁噛みしてくるわけでもなく、

ただの一緒に部隊で戦ってるだけだけど。

それでもいいの!共に行くわ!

でさ、

『NIKKE』のロードが遅くって

そりゃー何年も前の発売された当時最新のタブレットでやったとて今は一昔よ。

一周すればもう遅くなっちゃうので、

タブレットの絵の綺麗さ能力より、

どうしてもどうしてもロード時間我慢できなくて課金しちゃいましたゲーム課金

と言っても虎舞竜さんのロード256章のとは違うロードよ。

ちょうど1年前に

いやちょうど4年前のタブレットでも幸せだったと思っていた。

なので、

清水の舞台からえいや!と飛び込み前転で飛び降りる勢いでの結構な大枚をはたいて!

清水寺の置いてある伝説の重いゼットソードはなんか今日は持ち上げられそう!って思って持ち上げてもやっぱり持ち上がらないほどの

重課金

やっぱり畳とタブレットは新しいのに限るわ!ってな勢いで

つい昨日新しく発売されたタブレットをお店に飛び込み前転して入店して買ったの。

そして、

ニコーの五徳なほど猪突猛進イノシシいの一番突進して行くイノシシの如く新しいので早速遊んでみるの!

ロードロードが超速い!

ももに超光速!ってプリントしてあるパンストを履きたいぐらい超光速

インターネットがやってきたみたい!って

ネット回線の良し悪しみたいに言ってるけど、

まあ当たり前にそれとは意味が違うくて、

ここまで4年前のとタブレットとではこんなに違うか!?って私は驚きを隠せないのと同時に驚きを隠したの。

ここは洗濯洗剤のシーエムで驚きの白さ!って声を吹き込むプロの驚き屋の声をも越える驚きの速さ!

正確には計っていない私のプラシーボ効果も抜群にあるかも知れないけど、

体感でやっぱり倍の速さの読み込みを感じるわ。

こんなに違うものなの?

お陰で超快適よ!

ロードしている間になんか一用事済ませながらーって思っていたけど、

どんどんバトルが進む進む。

めちゃ超快適だわ!

私の部隊のI-DOLLフラワーも強くなった気がする!

そんで意気揚々ゲームを一段落して、

電子ペンお絵描きしようと思って今日の思い出の絵日記よ!

驚愕事実

な!なんとその電子ペン今まで使ってきた同じメーカータブレットでは使えたもの

新しいタブレットだと互換性がないの!

なんちゅーセコさ!

新しい電子ペンじゃないと対応してないみたいで、

そういうのってもれなく対応してると思っちゃうじゃない!

私のこの新しいタブレット

同じメーカーの前のその4年前のタブレットでは使えてるのに、

新しいのとか現行機では対応してないんだってー!

なんちゅーセコさ!

まりにセコすぎて電子ペンプロを買わなくちゃいけないみたいなのよ。

まあ古いタブレットの方でお絵描きはしたらいいのでそれはいいんだけど、

こんな世の中にセコイことってある?

逆にそこで私は洗濯洗剤のシーエムで洗剤の効果が良く綺麗に汚れが落ちる演出をする驚きの白さ!って言う声を吹き込んでもらう驚き屋に驚いてもらわなくても私が驚くわ!

驚きのセコさ!って

まあ嫌味の1つもいいたいところじゃない。

はい

嫌味タイム終わり!

I-DOLLフラワーちゃん可愛いので全てそんなことがあっても許しそして癒やされるわ!

まり普通に何も考えずに繋がるものだと思っていた電子ペン

何度やっても新しいタブレット接続出来なかったので

四苦八苦七苦九苦二五六苦六五五三五苦してていろいろなインターネッツ検索問題解決を試みたんだけど、

もしかして?これって対応してるの?冗談でしょ?まさか!って

思ってスペック表みてみたら、

この新しいタブレットでは今私が使っている電子ペン対応していないと堂々と書いてあんの!

書いてあんの!

私はそこで全てを諦めることが出来て逆に気持ちよかったわ。

なーんだ対応してないんだ!って

もうさ、

こんなセコさある?

電子ペン対応してなくて今売ってる電子ペンプロ対応してるって、

その下の電子ペンUSB対応しているってあるけど、

いまさら電子ペンUSBを買うまでもないしなーってところ。

『NIKKE』のロードの快適さを得た私は

逆に電子ペンが使えなくなるっていうことを捨てたの。

日ペンの美子ちゃんがいたらガンジー並みに助走して殴るレヴェルだと思うわ。

はあ、

なんだか言いたいこと言ったら疲れちゃったわ。

まあ何にも言えないようなそんな世の中じゃポイズンじゃないだけマシか。

『NIKKE』のロードの速さを思いっ切り楽しむしかないわ!

でもあの電子ペン互換性を失わせるセコさ!

まあ私が電子ペンプロがでるかも!って情報を拾えていなかったポンコツアンテナの精度を敏感にさせていなかったのが1番の敗因だったのかも知れないけどね。

令和入ってからのイチのテヘペロ案件っていいたいところだけど、

まりにセコさの方が勝っていて思わず令和入ってからのイチのテヘペロ案件って言うのを忘れるぐらいだわ。

でもそれじゃ、

もしかして電子ペンプロが出る直前にもしかして電子ペンを私買い直していたってこと?

かも知れないわ!

でも

この新しいタブレットがいつ出るか本当に痺れを切らしていたので、

本当に発売発表される前日に買いそうな勢いを止めて逆に良かったし。

逆に考えると被害電子ペンで収まったってことで収めることにするわ。

にしても、

電子ペンのこの互換性のなさ!

セコくない?

何度でもドリカムのように言うわ!

こみ上げてくる涙を!って

泣いてないけどね!

うふふ。


今日朝ご飯

牛乳だけにしました。

マグカップに注いで温めて飲むスタイル

なので、

今日デトックスウォーラーもそこそこ

ホッツ白湯ストレートウォーラー

『NIKKE』をロードしながら沸かしていたけれど

あっと言う間にNIKKEもロードできちゃうし、

あっと言う間にお湯が沸かせるのはティファール!ってぐらい、

沸いている間の時間を持て余せないぐらいのNIKKEの読み込みのロードの速さに快適!

牛乳飲んで元気に出発!

ホッツ白湯ストレートウォーラーで朝の目覚めをってところかしら。

今日も元気に頑張るわ!


すいすいすいようび~

今日も頑張りましょう!

2024-10-19

わりとイケメン男子中学生の豊泉晴翔が自殺配信した

https://x.com/fidoraharuto/status/1847154501700165931?s=46&t=vmjfatU8tSj_awNs-Ks1eQ

https://i.imgur.com/aLjer6Z.jpeg

https://i.imgur.com/xa2D0T0.jpeg

https://i.imgur.com/lKaExOz.png

飛び降りるだけなので別にグロくはない

友達に好きな女の子のことを話したら、友達がその女のフリして「お前のこと好きじゃない」とメッセージを送ってきて、すぐに友達は種明かしをしてきたが人間不信になって死を決意したという

2024-10-16

主人公最後自殺するゲーム

Golf Club Nostalgia

汚染された地球を捨て火星へ移り住んだ人類のうち、富裕層の間では防護服を来て地球に降り立ちゴルフをするのが流行っていた

主人公ゴルフをしながら荒廃した地球を歩き、やがてある場所で立ち止まる

そこは人類地球を離れるために使った宇宙船の発着場だった

人類の9割を見捨てて一握りだけが火星へ移る計画とは知らされないまま、かつて主人公はその地で好きな女性とまた会おうと約束して別れ、宇宙船を操縦した

移住プロジェクトに貢献した一人として讃えられるも、知らなかったとは言え好きな人を裏切って死なせた負い目があった

もう火星に帰らずに、地球でこのまま死ぬ気でいた

やがて主人公アルビノの子供と出会

地球に残された人類ほとんどが死んだ中で、子供突然変異環境適応し野生児として生きていた

主人公子供と共に暮らすようになり、文字の読み書きを教え、やがて放射能に蝕まれ死んだ

Arrest of a stone Buddha

戦争帰りの男は、要人暗殺請負殺し屋をしている

警備の者も含め一度の仕事で数十人殺害することもある手練れ

仕事の際には激しく戦闘する一方で、日常はなんの刺激もなく虚無

不眠症を抱えているが薬の乱用も禁じられ、決められた眠る時間まであてどなく淡々と街を散歩する

男は冒頭で、カレンダー任意位置にマルをつけている

そのマルをつけた日を迎え、男は自室で自分の頭に銃をつきつけ、自殺する

The Suicide of Rachel Foster

両親の離婚後、疎遠になっていた父が亡くなり、父がオーナーをしていたホテルの検分をすることになった主人公

離婚の原因は、父が主人公と同い年の当時16歳の少女レイチェル不倫していたせい

不倫が発覚したのは、レイチェル飛び降り自殺し、遺体から妊娠していると判明したため

ホテルを探索するうちに自殺事件真相を知った主人公絶望

車の中に排気管を引き込み自殺してしま


漫画小説でも感情移入して俺=主人公となってしまうことはしばしばあるのだが

ゲームはよりその感覚が強いので、俺=自殺はつらい

2024-10-15

ジョン・ボンジョビみたいに、橋の上で飛び降りようとしている人がいたら優しく声をかけて止め、抱きしめることができる人間が真の男であり、ナイスガイだと思う

所謂推し活というものをここ数ヶ月ずっと続けていて、この3連休もずっとそれに費やしていた。幸いにしてお金時間もある。人付き合いが死ぬほど不得意で同担との会話についていけないところと推し方のスタンスが合わないのが悩みの種だけど、気にしていても仕方ないので付かず離れずでやらせてもらってる。

それとは別で、実家のゴタゴタもここ数ヶ月ずっと続いている。こっちでもお金時間を使うし精神もすり減ってきている。二十年以上経って自分の家がおかしいこと、されていやだったことに気付いて、この先実家とどう付き合っていけばいいのか悩んでいる。とはいえ悩みの大半は過去出来事なので今更ジタバタしてもしょうがない。思春期ならしゃーないけど私もいい大人からさっさと割り切らないといけないのはわかっている。

何がスイッチだったのかがわからないけれど、推し活の帰りに突然死にたくなった。

推し活の中で何かあったわけじゃない。というか推しのことだけ考えていればいいのに実家のこととかいろんなことを考えていた。キャパティが溢れたのだと思う。

ホーム線路をぼうっと眺めていたら吸い込まれ感覚に襲われて「やばいな」と思った。思ったのに離れられなかった。飛び降りたら全部楽になると思った。迷惑になるよと冷静になれたので飛び降りなかったが。

数年前、しのうとして失敗したことがある。もともと死にたい気持ちをずっと持っている方で、何かあったらぽっくりいきそうだと自分認識していた。そうならないために先々の楽しみを用意したり、私が死んだら悲しむ人がいるという意識を抱えて生きていた。だけど、あの日はそれが全部どうでも良くなった。全部手放してもいいと思った。アレと同じ感覚がきたと思った。

頭がおかしいかもしれないけど昨日は帰ってから自問自答をずっと繰り返していた。本当に死にたいのか、何が嫌なのか、何が辛いのか、辛いのはどうしたら解消できるのかとか。泣いている間に疲れて眠ったみたいで、今は少しだけスッキリしている。なぜ死にたくなったのかがわからないけど。

先々の楽しみがあっても手放せる自分が嫌だし、死んで悲しむ人の顔が浮かぶのにどうでもいいと思える身勝手さが恥ずかしい。

考えることが多いのがよくないかもしれない。何も考えずにいたい。

2024-10-13

ラストマイルを見た

ラストマイルを見た。

ラストマイル情報は、アンナチュラルとMIU404のキャストが出てくるから見ておいた方がよい、ということだけ知っていた。

少しだけ感じたことをメモに残しておきたいのでネタバレしますが、まだ見ていない方は見てからの方がいいかもしれません。

それから、あまりブログを書きなれていないので読みづらいかもしれません。(自分メモなのでご容赦ください)



結論から言うと、見終わった後の希死念慮がすごくてかなりきつかった。

友人が一緒だったのでなんとかなったが、一人だったらホームから飛び降りたくなっていたかもしれない。


山﨑佑の「ブラックフライデーが来るのが怖い」という感覚に覚えがあった。

あそこまで追い詰められたものではなかったものの、それよりは小さなものが毎週日曜日の夜に焦燥感となって表れた。

私は大学卒業後にブラック企業的な職場に勤めた。エレナのように強い人間ではなかったので三年もかからずに眠れなくなり、食事の味もよく分からなくなった。

やがて朝になっても体を動かすことができず、動悸と息切れ仕事に行けなくなり、病院にかかることになった。

そんな経験があったので、山﨑佑のことが明かされていくたびにつらくなった。自分の辛い記憶を掘り起こされているような苦しさがあった。

本編の内容としては面白かったのですが、ただ手放しで面白いからみんなも見て!とは言えなかった

せーの!で辞められる勇気のある人はいいけど、それができない人はどうなってしまうのだろう。私もあの時誰も頼れず辞められなかったら?

急にずっと前のことをついさっきの出来事のように思い出して辛かった。


それから米津玄師の『がらくた』の歌詞で、「たとえばあなたがずっと壊れていても 二度と戻りはしなくても 構わないから僕のそばで生きていてよ」という歌詞で涙が止まらなくなってしまった。

あのとき適応障害と診断された私は、少しずつ変化していって双極性感情障害と診断された。それがきっかけで数か月入院することにもなった。

私の双極性感情障害発達障害所以するものなので、おそらく治ることはないと思う。

私はこれから先、ずっと壊れたままなのだろう。

それでも、壊れたままこれからも生きろというメッセージをぶつけられて「なんてひどい、残酷なことを言うんだろう」と苦しくなると同時に、壊れたままでもいいのかな、と少しだけ肯定してもらえた気がしてまだ生きてみようかなと思った。

希死念慮はあっても恐怖心が勝ってしまい死にきれずに惰性で生きてきたが、壊れたままでもいいと誰かが言ってくれるのならちょっとだけ頑張れるかな、と思った。


流石に一回でこれだけしんどかったので、もう一度見る勇気はない。

でも、つらい中にも希望の光はあったので、私は見て良かった。



ほとんどメモ書きなのでこれで終わり。

2024-10-04

anond:20241004165711

割腹は、空中で腹切ってるじゃん

毒は、元気に飛び降りてその後元気に腹を切ったものの空中で容態が急変しあえなく毒死とはならないじゃん

anond:20241004163137

毒で死んだらその後の行為ができないから、毒では死んでいない。

難燃性ロープ首に巻いても死なない。

ガソリンを浴びて燃やしても、それで死んでいたらその後の行為ができない。

高所から飛び降り場合に、空中に留まる期間は最大で10秒間である10秒で割腹して死ぬことはできない。

ゆえに死因は全身を強く打ちとなる。

毒を服薬して、首に対燃性ロープを巻いて、全身にガソリンを浴びて着火して、高所から飛び降りて、空中で割腹したら死因は何になるの?

2024-10-02

産後の恨みは一生」は、母親だけの話ではないぞ、という話。

出遅れ話題ではあるけれど、色々と思うことを自分の中で整理するうちに時間が経ってしまった。僕の心の整理のために言語化し、誰かに見てもらうことで、さらに心の整理をしたいと思うので、ご協力いただけるとありがたく思う。

母親の方が大変だ」とか「お前にも原因があるんだろう」とか、そういう相対的な話ではなく、絶対的に僕自身が、「辛い」「死にたい」「許せない」と感じ、深く傷付いたという話。憶測に基づく異論反論もあろうが、それは、僕がどう感じたかということとは関係がない。だって、そう感じたんだから。気分を害する人がいたら、それは申し訳なく思う。お許し願いたい。

さて、僕たち夫婦には二人の娘がいる。今現在、二人ともそれなりの大きさになり、手も離れるようになった。「産後の恨み」からは、それなりに時間のたった今でも、次女の妊娠が分かってから産後1年程度経つまでの、僕にとって地獄のような時間のことは、はっきりと覚えているし、今後も死ぬまで忘れることはないと思う。当時のことを振り返りたい。

妊娠が分かってからというもの、妻の様子が明らかにおかしくなった。元来、精神的に不安定なところはあったが、それがとても強く出るようになった。四六時中というわけではないが、理不尽なことを言われる頻度が格段に増えた。ホルモンバランスの変化だとかも一因だろうが、それだけが原因だったとは思えない。妻はストレスを過剰に感じ、それを自己処理できず、近しい人間(僕やちょこちょこ手伝いに加勢してくれていた義母)に八つ当たりして発散していたようにしか見えなかった。当初は会話による解決を試みたが、妻は頑なで、全く聞く耳を持たない。耐え切れず、反発したことも、声を荒げたことも、恥ずかしながら涙ながらに訴えたこともあるが、僕がどんな反応をしようが、妻のそれが変わることはなかった。

母親ストレスお腹の子どもに悪影響を与えるかもしれない」とか「長女の前で険悪な様子を見せ続けるわけにはいかない」と、ただひたすらに耐えることにした。どんな形であれ、妻の理不尽言動に僕が反応すると、妻は怒り続けたが、全く反応を示さなければ、または物理的に距離をおけば、そのうち静かになる。無反応なぬいぐるみに怒声を浴びせ続けることはできない、というのと同じだと思う。ただ、僕自身がそこに至るまでには相当な時間を要したし、僕はぬいぐるみではないので、心は疲弊し続けた。

次女が生まれからも、それは変わらなかった。「どうにかなりうなほど辛い気持ちになる。そんな言い方はしないでくれ。」と訴えたこともあるが、「私が悪いと言うのか。」と、火に油をそそぐだけだった。

子どもの世話という点では、母親のほうが父親よりも大変だということは言うまでもないのだろうが、父親だって大変だ。子どもが生まれたからと言って職場での仕事が減るわけではなく、自宅に帰ってから子育てというプラスアルファタスクをこなさなければならないし、夜中に起こされることも日常茶飯事なので、体力と精神を削られる。男性10人に1人が「産後うつ」になると言うが、僕は実体験としてよく分かる。

とりわけ、うちには理不尽まりない妻がいる。「仕事疲れたけど、家には帰りたくない」と毎日思ったし、「この橋から飛び降りしまおうか」と何度も思ったし、「あいつ、事故かなんかで、死なねーかな」とずっと思っていた。案外「殺してやる」というような感情が湧いてくることはなく、ただただ近付きたくなかった。この辺りで、妻に対する愛想は完全に尽きてしまっていたんだと思う。後に妻は大病を患うことになるのだけれど、それが分かったときも、僕は憐憫感情は抱かなかったし、なんなら「なんだ、死なねーのか」くらいに感じていた。

なぜ、離婚しないでいられたのかと言えば、ただただ子ども達の存在に尽きる。子ども達は、心の底から大事存在なので、離れ離れには決してなりたくない。「その大事子どもを産み、育てたのは妻の存在ありきだろう」という指摘があるとすれば、それはごもっとなのだが、妻が僕や子どもにしてくれたことと妻が僕にぶつけ続けた理不尽言動とは、少なくとも僕の中では、決してトレードオフ関係にはならない。僕が「辛い」「死にたい」「許せない」と感じ、深く傷付いたことと、僕が妻に抱く感謝の念とは共存し得るものだ。ただ、僕は妻に物理的に触れたくないし、触られたくもないと感じるようになった。

いまだに妻は不安定な部分はあるものの、次女が生まれる前程度には安定し、理不尽言動をする頻度は減ったので、生活はしやすくなったし、子ども達は相変わらず愛おしい。だから、少なくとも今のところは、離婚しようだとかい気持ちはないし、楽しい思い出も増えていくのだろうという予感もある。ただそれでも、あの時抱いた「産後の恨み」は一生忘れることはないだろうし、どんな言葉を重ねられたとしても、それを許すことはないと思う。

歴史上に残る凶悪犯たちの遺伝子で作られた人間を目覚めさせるという夢で目が覚めた

CIAとか特殊部隊が乗り込んで飛行機輸送してたけど何かの間違いで目覚めさせてしまい機内の兵士を全員殺してパラシュート無しで飛び降りてなんともなく地上におりてくる

そいつ人間何人かで戦わせて成果を確認する殺され屋側の1人として俺がいてたんだけどもはやそんなの調べるまでもなく

とにかく全員散り散りになって逃げた

なぜか空を飛べるようになってるが地上2メートルくらいしか飛べなくてそれ以上は空にコンクリート天井がある

いかけてくる怪物

ごつごつとした、普通の人の三倍くらいの手が迫ってくる、というところで目が覚めた

 原口さんはそこでちょっと絵を離れて、画筆の結果をながめていたが、今度は、美禰子に向かって、 「里見さん。あなた単衣を着てくれないものから着物がかきにくくって困る。まるでいいかげんにやるんだから、少し大胆すぎますね」 「お気の毒さま」と美禰子が言った。  原口さんは返事もせずにまた画面へ近寄った。「それでね、細君のお尻が離縁するにはあまり重くあったものから、友人が細君に向かって、こう言ったんだとさ。出るのがいやなら、出ないでもいい。いつまでも家にいるがいい。その代りおれのほうが出るから。――里見さんちょっと立ってみてください。団扇はどうでもいい。ただ立てば。そう。ありがとう。――細君が、私が家におっても、あなたが出ておしまいになれば、後が困るじゃありませんかと言うと、なにかまわないさ、お前はかってに入夫でもしたらよかろうと答えたんだって」 「それから、どうなりました」と三四郎が聞いた。原口さんは、語るに足りないと思ったものか、まだあとをつけた。 「どうもならないのさ。だから結婚は考え物だよ。離合集散、ともに自由にならない。広田先生を見たまえ、野々宮さんを見たまえ、里見恭助君を見たまえ、ついでにぼくを見たまえ。みんな結婚をしていない。女が偉くなると、こういう独身ものがたくさんできてくる。だから社会原則は、独身ものが、できえない程度内において、女が偉くならなくっちゃだめだね」 「でも兄は近々結婚いたしますよ」 「おや、そうですか。するとあなたはどうなります」 「存じません」  三四郎は美禰子を見た。美禰子も三四郎を見て笑った。原口さんだけは絵に向いている。「存じません。存じません――じゃ」と画筆を動かした。  三四郎はこの機会を利用して、丸テーブルの側を離れて、美禰子の傍へ近寄った。美禰子は椅子の背に、油気のない頭を、無造作に持たせて、疲れた人の、身繕いに心なきなげやりの姿である。あからさまに襦袢の襟から咽喉首が出ている。椅子には脱ぎ捨てた羽織をかけた。廂髪の上にきれいな裏が見える。  三四郎は懐に三十円入れている。この三十円が二人の間にある、説明しにくいもの代表している。――と三四郎は信じた。返そうと思って、返さなかったのもこれがためである。思いきって、今返そうとするのもこれがためである。返すと用がなくなって、遠ざかるか、用がなくなっても、いっそう近づいて来るか、――普通の人から見ると、三四郎は少し迷信家の調子を帯びている。 「里見さん」と言った。 「なに」と答えた。仰向いて下から三四郎を見た。顔をもとのごとくにおちつけている。目だけは動いた。それも三四郎真正面で穏やかにとまった。三四郎は女を多少疲れていると判じた。 「ちょうどついでだから、ここで返しましょう」と言いながら、ボタンを一つはずして、内懐へ手を入れた。  女はまた、 「なに」と繰り返した。もとのとおり、刺激のない調子である。内懐へ手を入れながら、三四郎はどうしようと考えた。やがて思いきった。 「このあいだの金です」 「今くだすってもしかたがないわ」  女は下から見上げたままである。手も出さない。からだも動かさない。顔も元のところにおちつけている。男は女の返事さえよくは解しかねた。その時、 「もう少しだから、どうです」と言う声がうしろで聞こえた。見ると、原口さんがこっちを向いて立っている。画筆を指の股にはさんだまま、三角に刈り込んだ髯の先を引っ張って笑った。美禰子は両手を椅子の肘にかけて、腰をおろしたなり、頭と背をまっすぐにのばした。三四郎は小さな声で、 「まだよほどかかりますか」と聞いた。 「もう一時間ばかり」と美禰子も小さな声で答えた。三四郎はまた丸テーブルに帰った。女はもう描かるべき姿勢を取った。原口さんはまたパイプをつけた。画筆はまた動きだす。背を向けながら、原口さんがこう言った。 「小川さん。里見さんの目を見てごらん」  三四郎は言われたとおりにした。美禰子は突然額から団扇を放して、静かな姿勢を崩した。横を向いてガラス越しに庭をながめている。 「いけない。横を向いてしまっちゃ、いけない。今かきだしたばかりだのに」 「なぜよけいな事をおっしゃる」と女は正面に帰った。原口さんは弁解をする。 「ひやかしたんじゃない。小川さんに話す事があったんです」 「何を」 「これから話すから、まあ元のとおりの姿勢に復してください。そう。もう少し肱を前へ出して。それで小川さん、ぼくの描いた目が、実物の表情どおりできているかね」 「どうもよくわからんですが。いったいこうやって、毎日毎日描いているのに、描かれる人の目の表情がいつも変らずにいるものでしょうか」 「それは変るだろう。本人が変るばかりじゃない、画工のほうの気分も毎日変るんだから、本当を言うと、肖像画が何枚でもできあがらなくっちゃならないわけだが、そうはいかない。またたった一枚でかなりまとまったものができるから不思議だ。なぜといって見たまえ……」  原口さんはこのあいだしじゅう筆を使っている。美禰子の方も見ている。三四郎原口さんの諸機関が一度に働くのを目撃して恐れ入った。 「こうやって毎日描いていると、毎日の量が積もり積もって、しばらくするうちに、描いている絵に一定の気分ができてくる。だから、たといほかの気分で戸外から帰って来ても、画室へはいって、絵に向かいさえすれば、じきに一種一定の気分になれる。つまり絵の中の気分が、こっちへ乗り移るのだね。里見さんだって同じ事だ。しぜんのままにほうっておけばいろいろの刺激でいろいろの表情になるにきまっているんだが、それがじっさい絵のうえへ大した影響を及ぼさないのは、ああい姿勢や、こういう乱雑な鼓だとか、鎧だとか、虎の皮だとかいう周囲のものが、しぜんに一種一定の表情を引き起こすようになってきて、その習慣が次第にほかの表情を圧迫するほど強くなるから、まあたいていなら、この目つきをこのままで仕上げていけばいいんだね。それに表情といったって……」  原口さんは突然黙った。どこかむずかしいところへきたとみえる。二足ばかり立ちのいて、美禰子と絵をしきりに見比べている。 「里見さん、どうかしましたか」と聞いた。 「いいえ」  この答は美禰子の口から出たとは思えなかった。美禰子はそれほど静かに姿勢をくずさずにいる。 「それに表情といったって」と原口さんがまた始めた。「画工はね、心を描くんじゃない。心が外へ見世を出しているところを描くんだから見世さえ手落ちなく観察すれば、身代はおのずからわかるものと、まあ、そうしておくんだね。見世でうかがえない身代は画工の担任区域以外とあきらめべきものだよ。だから我々は肉ばかり描いている。どんな肉を描いたって、霊がこもらなければ、死肉だから、絵として通用しないだけだ。そこでこの里見さんの目もね。里見さんの心を写すつもりで描いているんじゃない。ただ目として描いている。この目が気に入ったから描いている。この目の恰好だの、二重瞼の影だの、眸の深さだの、なんでもぼくに見えるところだけを残りなく描いてゆく。すると偶然の結果として、一種の表情が出てくる。もし出てこなければ、ぼくの色の出しぐあいが悪かったか恰好の取り方がまちがっていたか、どっちかになる。現にあの色あの形そのもの一種の表情なんだからしかたがない」  原口さんは、この時また二足ばかりあとへさがって、美禰子と絵とを見比べた。 「どうも、きょうはどうかしているね。疲れたんでしょう。疲れたら、もうよしましょう。――疲れましたか」 「いいえ」  原口さんはまた絵へ近寄った。 「それで、ぼくがなぜ里見さんの目を選んだかというとね。まあ話すから聞きたまえ。西洋画の女の顔を見ると、だれのかい美人でも、きっと大きな目をしている。おかしいくらい大きな目ばかりだ。ところが日本では観音様をはじめとして、お多福、能の面、もっとも著しいのは浮世絵にあらわれた美人、ことごとく細い。みんな象に似ている。なぜ東西で美の標準がこれほど違うかと思うと、ちょっと不思議だろう。ところがじつはなんでもない。西洋には目の大きいやつばかりいるから、大きい目のうちで、美的淘汰が行なわれる。日本は鯨の系統ばかりだから――ピエルロチーという男は、日本人の目は、あれでどうしてあけるだろうなんてひやかしている。――そら、そういう国柄から、どうしたって材料の少ない大きな目に対する審美眼が発達しようがない。そこで選択の自由のきく細い目のうちで、理想ができてしまったのが、歌麿になったり、祐信になったりして珍重がられている。しかいくら日本的でも、西洋画には、ああ細いのは盲目かいたようでみっともなくっていけない。といって、ラファエル聖母のようなのは、てんでありゃしないし、あったところが日本人とは言われないから、そこで里見さんを煩わすことになったのさ。里見さんもう少しですよ」  答はなかった。美禰子はじっとしている。  三四郎はこの画家の話をはなはだおもしろく感じた。とくに話だけ聞きに来たのならばなお幾倍の興味を添えたろうにと思った。三四郎の注意の焦点は、今、原口さんの話のうえにもない、原口さんの絵のうえにもない。むろん向こうに立っている美禰子に集まっている。三四郎画家の話に耳を傾けながら、目だけはついに美禰子を離れなかった。彼の目に映じた女の姿勢は、自然の経過を、もっとも美しい刹那に、捕虜にして動けなくしたようである。変らないところに、長い慰謝がある。しかるに原口さんが突然首をひねって、女にどうかしましたかと聞いた。その時三四郎は、少し恐ろしくなったくらいである。移りやすい美しさを、移さずにすえておく手段が、もう尽きたと画家から注意されたように聞こえたかである。  なるほどそう思って見ると、どうかしているらしくもある。色光沢がよくない。目尻にたえがたいものうさが見える。三四郎はこの活人画から受ける安慰の念を失った。同時にもしや自分がこの変化の原因ではなかろうかと考えついた。たちまち強烈な個性的の刺激が三四郎の心をおそってきた。移り行く美をはかなむという共通性情緒はまるで影をひそめてしまった。――自分はそれほどの影響をこの女のうえに有しておる。――三四郎はこの自覚のもとにいっさいの己を意識した。けれどもその影響が自分にとって、利益不利益かは未決の問題である。  その時原口さんが、とうとう筆をおいて、 「もうよそう。きょうはどうしてもだめだ」と言いだした。美禰子は持っていた団扇を、立ちながら床の上に落とした。椅子にかけた羽織を取って着ながら、こちらへ寄って来た。 「きょうは疲れていますね」 「私?」と羽織の裄をそろえて、紐を結んだ。 「いやじつはぼくも疲れた。またあした天気のいい時にやりましょう。まあお茶でも飲んでゆっくりなさい」  夕暮れには、まだ間があった。けれども美禰子は少し用があるから帰るという。三四郎も留められたが、わざと断って、美禰子といっしょに表へ出た。日本社会状態で、こういう機会を、随意に造ることは、三四郎にとって困難である三四郎はなるべくこの機会を長く引き延ばして利用しようと試みた。それで比較的人の通らない、閑静な曙町を一回り散歩しようじゃないかと女をいざなってみた。ところが相手は案外にも応じなかった。一直線に生垣の間を横切って、大通りへ出た。三四郎は、並んで歩きながら、 「原口さんもそう言っていたが、本当にどうかしたんですか」と聞いた。 「私?」と美禰子がまた言った。原口さんに答えたと同じことである三四郎が美禰子を知ってから、美禰子はかつて、長い言葉を使ったことがない。たいていの応対は一句か二句で済ましている。しかもはなはだ簡単ものにすぎない。それでいて、三四郎の耳には一種の深い響を与える。ほとんど他の人からは、聞きうることのできない色が出る。三四郎はそれに敬服した。それを不思議がった。 「私?」と言った時、女は顔を半分ほど三四郎の方へ向けた。そうして二重瞼の切れ目から男を見た。その目には暈がかかっているように思われた。いつになく感じがなまぬるくきた。頬の色も少し青い。 「色が少し悪いようです」 「そうですか」  二人は五、六歩無言で歩いた。三四郎はどうともして、二人のあいだにかかった薄い幕のようなものを裂き破りたくなった。しかしなんといったら破れるか、まるで分別が出なかった。小説などにある甘い言葉は使いたくない。趣味のうえからいっても、社交上若い男女の習慣としても、使いたくない。三四郎事実上不可能の事を望んでいる。望んでいるばかりではない。歩きながら工夫している。  やがて、女のほうから口をききだした。 「きょう何か原口さんに御用がおありだったの」 「いいえ、用事はなかったです」 「じゃ、ただ遊びにいらしったの」 「いいえ、遊びに行ったんじゃありません」 「じゃ、なんでいらしったの」  三四郎はこの瞬間を捕えた。 「あなたに会いに行ったんです」  三四郎はこれで言えるだけの事をことごとく言ったつもりである。すると、女はすこしも刺激に感じない、しかも、いつものごとく男を酔わせる調子で、 「お金は、あすこじゃいただけないのよ」と言った。三四郎がっかりした。  二人はまた無言で五、六間来た。三四郎は突然口を開いた。 「本当は金を返しに行ったのじゃありません」  美禰子はしばらく返事をしなかった。やがて、静かに言った。 「お金は私もいりません。持っていらっしゃい」  三四郎は堪えられなくなった。急に、 「ただ、あなたに会いたいから行ったのです」と言って、横に女の顔をのぞきこんだ。女は三四郎を見なかった。その時三四郎の耳に、女の口をもれたかすかなため息が聞こえた。 「お金は……」 「金なんぞ……」  二人の会話は双方とも意味をなさないで、途中で切れた。それなりで、また小半町ほど来た。今度は女からしかけた。 「原口さんの絵を御覧になって、どうお思いなすって」  答え方がいろいろあるので、三四郎は返事をせずに少しのあいだ歩いた。 「あんまりでき方が早いのでお驚きなさりゃしなくって」 「ええ」と言ったが、じつははじめて気がついた。考えると、原口広田先生の所へ来て、美禰子の肖像をかく意志をもらしてから、まだ一か月ぐらいにしかならない。展覧会で直接に美禰子に依頼していたのは、それよりのちのことである三四郎は絵の道に暗いから、あんな大きな額が、どのくらいな速度で仕上げられるものか、ほとんど想像のほかにあったが、美禰子から注意されてみると、あまり早くできすぎているように思われる。 「いつから取りかかったんです」 「本当に取りかかったのは、ついこのあいだですけれども、そのまえから少しずつ描いていただいていたんです」 「そのまえって、いつごろからですか」 「あの服装でわかるでしょう」  三四郎は突然として、はじめて池の周囲で美禰子に会った暑い昔を思い出した。 「そら、あなた、椎の木の下にしゃがんでいらしったじゃありませんか」 「あなた団扇をかざして、高い所に立っていた」 「あの絵のとおりでしょう」 「ええ。あのとおりです」  二人は顔を見合わした。もう少しで白山の坂の上へ出る。  向こうから車がかけて来た。黒い帽子かぶって、金縁の眼鏡を掛けて、遠くから見ても色光沢のいい男が乗っている。この車が三四郎の目にはいった時から、車の上の若い紳士は美禰子の方を見つめているらしく思われた。二、三間先へ来ると、車を急にとめた。前掛けを器用にはねのけて、蹴込みから飛び降りたところを見ると、背のすらりと高い細面のりっぱな人であった。髪をきれいにすっている。それでいて、まったく男らしい。 「今まで待っていたけれども、あんまりおそいから迎えに来た」と美禰子のまん前に立った。見おろして笑っている。 「そう、ありがとう」と美禰子も笑って、男の顔を見返したが、その目をすぐ三四郎の方へ向けた。 「どなた」と男が聞いた。 「大学小川さん」と美禰子が答えた。  男は軽く帽子を取って、向こうから挨拶をした。 「はやく行こう。にいさんも待っている」  いいぐあい三四郎追分へ曲がるべき横町の角に立っていた。金はとうとう返さずに別れた。

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一一

 このごろ与次郎学校文芸協会切符を売って回っている。二、三日かかって、知った者へはほぼ売りつけた様子である与次郎それから知らない者をつかまえることにした。たいていは廊下でつかまえる。するとなかなか放さない。どうかこうか、買わせてしまう。時には談判中にベルが鳴って取り逃すこともある。与次郎はこれを時利あらずと号している。時には相手が笑っていて、いつまでも要領を得ないことがある。与次郎はこれを人利あらずと号している。ある時便所から出て来た教授をつかまえた。その教授ハンケチで手をふきながら、今ちょっとと言ったまま急いで図書館はいってしまった。それぎりけっして出て来ない。与次郎はこれを――なんとも号しなかった。後影を見送って、あれは腸カタルに違いないと三四郎に教えてくれた。

 与次郎切符販売方を何枚頼まれたのかと聞くと、何枚でも売れるだけ頼まれたのだと言う。あまり売れすぎて演芸場はいりきれない恐れはないかと聞くと、少しはあると言う。それでは売ったあとで困るだろうと念をおすと、なに大丈夫だ、なかに義理で買う者もあるし、事故で来ないのもあるし、それからカタルも少しはできるだろうと言って、すましている。

 与次郎切符を売るところを見ていると、引きかえに金を渡す者からはむろん即座に受け取るが、そうでない学生にはただ切符だけ渡している。気の小さい三四郎が見ると、心配になるくらい渡して歩く。あとから思うとおりお金が寄るかと聞いてみると、むろん寄らないという答だ。几帳面わずか売るよりも、だらしなくたくさん売るほうが、大体のうえにおいて利益からこうすると言っている。与次郎はこれをタイムス社が日本百科全書を売った方法比較している。比較だけはりっぱに聞こえたが、三四郎はなんだか心もとなく思った。そこで一応与次郎に注意した時に、与次郎の返事はおもしろかった。

相手東京帝国大学学生だよ」

いくら学生だって、君のように金にかけるとのん気なのが多いだろう」

「なに善意に払わないのは、文芸協会のほうでもやかましくは言わないはずだ。どうせいくら切符が売れたって、とどのつまり協会借金になることは明らかだから

 三四郎は念のため、それは君の意見か、協会意見かとただしてみた。与次郎は、むろんぼくの意見であって、協会意見であるとつごうのいいことを答えた。

 与次郎の説を聞くと、今度は演芸会を見ない者は、まるでばかのような気がする。ばかのような気がするまで与次郎講釈をする。それが切符を売るためだか、じっさい演芸会を信仰しているためだか、あるいはただ自分の景気をつけて、かねて相手の景気をつけ、次いでは演芸会の景気をつけて、世上一般空気をできるだけにぎやかにするためだか、そこのところがちょっと明晰に区別が立たないものから相手はばかのような気がするにもかかわらず、あまり与次郎の感化をこうむらない。

 与次郎第一に会員の練習に骨を折っている話をする。話どおりに聞いていると、会員の多数は、練習の結果として、当日前に役に立たなくなりそうだ。それから背景の話をする。その背景が大したもので、東京にいる有為青年画家をことごとく引き上げて、ことごとく応分の技倆を振るわしたようなことになる。次に服装の話をする。その服装が頭から足の先まで故実ずくめにでき上がっている。次に脚本の話をする。それが、みんな新作で、みんなおもしろい。そのほかいくらでもある。

 与次郎広田先生原口さんに招待券を送ったと言っている。野々宮兄妹と里見兄妹には上等の切符を買わせたと言っている。万事が好都合だと言っている。三四郎与次郎のために演芸万歳を唱えた。

 万歳を唱える晩、与次郎三四郎下宿へ来た。昼間とはうって変っている。堅くなって火鉢そばへすわって寒い寒いと言う。その顔がただ寒いのではないらしい。はじめは火鉢へ乗りかかるように手をかざしていたが、やがて懐手になった。三四郎与次郎の顔を陽気にするために、机の上のランプを端から端へ移した。ところが与次郎は顎をがっくり落して、大きな坊主頭だけを黒く灯に照らしている。いっこうさえない。どうかしたかと聞いた時に、首をあげてランプを見た。

「この家ではまだ電気を引かないのか」と顔つきにはまったく縁のないことを聞いた。

「まだ引かない。そのうち電気にするつもりだそうだ。ランプは暗くていかんね」と答えていると、急に、ランプのことは忘れたとみえて、

「おい、小川、たいへんな事ができてしまった」と言いだした。

 一応理由を聞いてみる。与次郎は懐から皺だらけの新聞を出した。二枚重なっている。その一枚をはがして、新しく畳み直して、ここを読んでみろと差しつけた。読むところを指の頭で押えている。三四郎は目をランプのそばへ寄せた。見出し大学の純文科とある

 大学外国文学科は従来西洋人担当で、当事者はいっさいの授業を外国教師に依頼していたが、時勢の進歩と多数学生の希望に促されて、今度いよいよ本邦人講義必須課目として認めるに至った。そこでこのあいだじゅうから適当人物を人選中であったが、ようやく某氏に決定して、近々発表になるそうだ。某氏は近き過去において、海外留学の命を受けたことのある秀才から至極適任だろうという内容である

広田先生じゃなかったんだな」と三四郎与次郎を顧みた。与次郎はやっぱり新聞の上を見ている。

「これはたしかなのか」と三四郎がまた聞いた。

「どうも」と首を曲げたが、「たいてい大丈夫だろうと思っていたんだがな。やりそくなった。もっともこの男がだいぶ運動をしているという話は聞いたこともあるが」と言う。

しかしこれだけじゃ、まだ風説じゃないか。いよいよ発表になってみなければわからないのだから

「いや、それだけならむろんかまわない。先生関係したことじゃないから、しかし」と言って、また残りの新聞を畳み直して、標題を指の頭で押えて、三四郎の目の下へ出した。

 今度の新聞にもほぼ同様の事が載っている。そこだけはべつだんに新しい印象を起こしようもないが、そのあとへ来て、三四郎は驚かされた。広田先生がたいへんな不徳義漢のように書いてある。十年間語学教師をして、世間には杳として聞こえない凡材のくせに、大学で本邦人外国文学講師を入れると聞くやいなや、急にこそこそ運動を始めて、自分の評判記を学生間に流布した。のみならずその門下生をして「偉大なる暗闇」などという論文を小雑誌に草せしめた。この論文零余子なる匿名のもとにあらわれたが、じつは広田の家に出入する文科大学小川三四郎なるものの筆であることまでわかっている。と、とうとう三四郎名前が出て来た。

 三四郎は妙な顔をして与次郎を見た。与次郎はまえから三四郎の顔を見ている。二人ともしばらく黙っていた。やがて、三四郎が、

「困るなあ」と言った。少し与次郎を恨んでいる。与次郎は、そこはあまりかまっていない。

「君、これをどう思う」と言う。

「どう思うとは」

「投書をそのまま出したに違いない。けっして社のほうで調べたものじゃない。文芸時評の六号活字の投書にこんなのが、いくらでも来る。六号活字ほとんど罪悪のかたまりだ。よくよく探ってみると嘘が多い。目に見えた嘘をついているのもある。なぜそんな愚な事をやるかというとね、君。みんな利害問題動機になっているらしい。それでぼくが六号活字を受持っている時には、性質のよくないのは、たいてい屑籠へ放り込んだ。この記事もまったくそれだね。反対運動の結果だ」

「なぜ、君の名が出ないで、ぼくの名が出たものだろうな」

 与次郎は「そうさ」と言っている。しばらくしてから

「やっぱり、なんだろう。君は本科生でぼくは選科生だからだろう」と説明した。けれども三四郎には、これが説明にもなんにもならなかった。三四郎は依然として迷惑である

「ぜんたいぼくが零余子なんてけちな号を使わずに、堂々と佐々木与次郎署名しておけばよかった。じっさいあの論文佐々木与次郎以外に書ける者は一人もないんだからなあ」

 与次郎はまじめである三四郎に「偉大なる暗闇」の著作権を奪われて、かえって迷惑しているのかもしれない。三四郎はばかばかしくなった。

「君、先生に話したか」と聞いた。

「さあ、そこだ。偉大なる暗闇の作者なんか、君だって、ぼくだって、どちらだってかまわないが、こと先生人格関係してくる以上は、話さずにはいられない。ああい先生から、いっこう知りません、何か間違いでしょう、偉大なる暗闇という論文雑誌に出ましたが、匿名です、先生の崇拝者が書いたものですから安心なさいくらいに言っておけば、そうかで、すぐ済んでしまうわけだが、このさいそうはいかん。どうしたってぼくが責任を明らかにしなくっちゃ。事がうまくいって、知らん顔をしているのは、心持ちがいいが、やりそくなって黙っているのは不愉快でたまらない。第一自分が事を起こしておいて、ああいう善良な人を迷惑状態に陥らして、それで平気に見物がしておられるものじゃない。正邪曲直なんてむずかしい問題は別として、ただ気の毒で、いたわしくっていけない」

 三四郎ははじめて与次郎を感心な男だと思った。

先生新聞を読んだんだろうか」

「家へ来る新聞にゃない。だからぼくも知らなかった。しか先生学校へ行っていろいろな新聞を見るからね。よし先生が見なくってもだれか話すだろう」

「すると、もう知ってるな」

「むろん知ってるだろう」

「君にはなんとも言わないか

「言わない。もっともろくに話をする暇もないんだから、言わないはずだが。このあいから演芸会の事でしじゅう奔走しているものから――ああ演芸会も、もういやになった。やめてしまおうかしらん。おしろいをつけて、芝居なんかやったって、何がおもしろものか」

先生に話したら、君、しかられるだろう」

しかられるだろう。しかられるのはしかたがないが、いかにも気の毒でね。よけいな事をして迷惑をかけてるんだから。――先生道楽のない人でね。酒は飲まず、煙草は」と言いかけたが途中でやめてしまった。先生哲学を鼻から煙にして吹き出す量は月に積もると、莫大なものである

煙草だけはかなりのむが、そのほかになんにもないぜ。釣りをするじゃなし、碁を打つじゃなし、家庭の楽しみがあるじゃなし。あれがいちばんいけない。子供でもあるといいんだけれども。じつに枯淡だからなあ」

 与次郎はそれで腕組をした。

「たまに、慰めようと思って、少し奔走すると、こんなことになるし。君も先生の所へ行ってやれ」

「行ってやるどころじゃない。ぼくにも多少責任があるから、あやまってくる」

「君はあやまる必要はない」

「じゃ弁解してくる」

 与次郎はそれで帰った。三四郎は床にはいってからたびたび寝返りを打った。国にいるほうが寝やす心持ちがする。偽りの記事――広田先生――美禰子――美禰子を迎えに来て連れていったりっぱな男――いろいろの刺激がある。

 夜中からぐっすり寝た。いつものように起きるのが、ひどくつらかった。顔を洗う所で、同じ文科の学生に会った。顔だけは互いに見知り合いである。失敬という挨拶のうちに、この男は例の記事を読んでいるらしく推した。しかし先方ではむろん話頭を避けた。三四郎も弁解を試みなかった。

 暖かい汁の香をかいでいる時に、また故里の母から書信に接した。また例のごとく、長かりそうだ。洋服を着換えるのがめんどうだから、着たままの上へ袴をはいて、懐へ手紙を入れて、出る。戸外は薄い霜で光った。

 通りへ出ると、ほとんど学生ばかり歩いている。それが、みな同じ方向へ行く。ことごとく急いで行く。寒い往来は若い男の活気でいっぱいになる。そのなかに霜降り外套を着た広田先生の長い影が見えた。この青年の隊伍に紛れ込んだ先生は、歩調においてすでに時代錯誤である。左右前後比較するとすこぶる緩漫に見える。先生の影は校門のうちに隠れた。門内に大きな松がある。巨大の傘のように枝を広げて玄関をふさいでいる。三四郎の足が門前まで来た時は、先生の影がすでに消えて、正面に見えるものは、松と、松の上にある時計台ばかりであった。この時計台時計は常に狂っている。もしくは留まっている。

 門内をちょっとのぞきこんだ三四郎は、口の中で「ハイドリオタフヒア」という字を二度繰り返した。この字は三四郎の覚えた外国語のうちで、もっとも長い、またもっともむずかしい言葉の一つであった。意味はまだわからない。広田先生に聞いてみるつもりでいる。かつて与次郎に尋ねたら、おそらくダーターファブラのたぐいだろうと言っていた。けれども三四郎からみると二つのあいだにはたいへんな違いがある。ダーターファブラはおどるべき性質のものと思える。ハイドリオタフヒアは覚えるのにさえ暇がいる。二へん繰り返すと歩調がおのずから緩漫になる。広田先生の使うために古人が作っておいたような音がする。

 学校へ行ったら、「偉大なる暗闇」の作者として、衆人の注意を一身に集めている気色がした。戸外へ出ようとしたが、戸外は存外寒いから廊下にいた。そうして講義あいだに懐から母の手紙を出して読んだ。

 この冬休みには帰って来いと、まるで熊本にいた当時と同様な命令がある。じつは熊本にいた時分にこんなことがあった。学校休みになるか、ならないのに、帰れという電報が掛かった。母の病気に違いないと思い込んで、驚いて飛んで帰ると、母のほうではこっちに変がなくって、まあ結構だったといわぬばかりに喜んでいる。訳を聞くと、いつまで待っていても帰らないから、お稲荷様へ伺いを立てたら、こりゃ、もう熊本をたっているという御託宣であったので、途中でどうかしはせぬだろうかと非常に心配していたのだと言う。三四郎はその当時を思いだして、今度もまた伺いを立てられることかと思った。しか手紙にはお稲荷様のことは書いてない。ただ三輪田のお光さんも待っていると割注みたようなものがついている。お光さんは豊津の女学校をやめて、家へ帰ったそうだ。またお光さんに縫ってもらった綿入れが小包で来るそうだ。大工の角三が山で賭博を打って九十八円取られたそうだ。――そのてんまつが詳しく書いてある。めんどうだからいかげんに読んだ。なんでも山を買いたいという男が三人連で入り込んで来たのを、角三が案内をして、山を回って歩いているあいだに取られてしまったのだそうだ。角三は家へ帰って、女房にいつのまに取られたかからないと弁解した。すると、女房がそれじゃお前さん眠り薬でもかがされたんだろうと言ったら、角三が、うんそういえばなんだかかいだようだと答えたそうだ。けれども村の者はみんな賭博をして巻き上げられたと評判している。いなかでもこうだから東京にいるお前なぞは、本当によく気をつけなくてはいけないという訓誡がついている。

 長い手紙を巻き収めていると、与次郎そばへ来て、「やあ女の手紙だな」と言った。ゆうべよりは冗談をいうだけ元気がいい。三四郎は、

「なに母からだ」と、少しつまらなそうに答えて、封筒ごと懐へ入れた。

里見お嬢さんからじゃないのか」

「いいや」

「君、里見お嬢さんのことを聞いたか

「何を」と問い返しているところへ、一人の学生が、与次郎に、演芸会の切符をほしいという人が階下に待っていると教えに来てくれた。与次郎はすぐ降りて行った。

 与次郎はそれなり消えてなくなった。いくらつらまえようと思っても出て来ない。三四郎はやむをえず精出して講義を筆記していた。講義が済んでから、ゆうべの約束どおり広田先生の家へ寄る。相変らず静かである先生茶の間に長くなって寝ていた。ばあさんに、どうかなすったのかと聞くと、そうじゃないのでしょう、ゆうべあまりおそくなったので、眠いと言って、さっきお帰りになると、すぐに横におなりなすったのだと言う。長いからだの上に小夜着が掛けてある。三四郎は小さな声で、またばあさんに、どうして、そうおそくなったのかと聞いた。なにいつでもおそいのだが、ゆうべのは勉強じゃなくって、佐々木さんと久しくお話をしておいでだったという答である勉強佐々木に代ったから、昼寝をする説明にはならないが、与次郎が、ゆうべ先生に例の話をした事だけはこれで明瞭になった。ついでに与次郎が、どうしかられたかを聞いておきたいのだが、それはばあさんが知ろうはずがないし、肝心の与次郎学校で取り逃してしまたかしかたがない。きょうの元気のいいところをみると、大した事件にはならずに済んだのだろう。もっと与次郎心理現象はとうてい三四郎にはわからないのだから、じっさいどんなことがあったか想像はできない。

 三四郎は長火鉢の前へすわった。鉄瓶がちんちん鳴っている。ばあさんは遠慮をして下女部屋へ引き取った。三四郎はあぐらをかいて、鉄瓶に手をかざして、先生の起きるのを待っている。先生は熟睡している。三四郎は静かでいい心持ちになった。爪で鉄瓶をたたいてみた。熱い湯を茶碗についでふうふう吹いて飲んだ。先生は向こうをむいて寝ている。二、三日まえに頭を刈ったとみえて、髪がはなはだ短かい。髭のはじが濃く出ている。鼻も向こうを向いている。鼻の穴がすうすう言う。安眠だ。

 三四郎は返そうと思って、持って来たハイドリオタフヒアを出して読みはじめた。ぽつぽつ拾い読みをする。なかなかわからない。墓の中に花を投げることが書いてある。ローマ人薔薇を affect すると書いてある。なんの意味だかよく知らないが、おおかた好むとでも訳するんだろうと思った。ギリシア人は Amaranth を用いると書いてある。これも明瞭でない。しか花の名には違いない。それから少しさきへ行くと、まるでわからなくなった。ページから目を離して先生を見た。まだ寝ている。なんでこんなむずかしい書物自分に貸したものだろうと思った。それから、このむずかしい書物が、なぜわからないながらも、自分の興味をひくのだろうと思った。最後広田先生は必竟ハイドリオタフヒアだと思った。

2024-09-30

 三四郎はじっとその横顔をながめていたが、突然コップにある葡萄酒を飲み干して、表へ飛び出した。そうして図書館に帰った。  その日は葡萄酒の景気と、一種精神作用とで、例になくおもしろ勉強ができたので、三四郎は大いにうれしく思った。二時間ほど読書三昧に入ったのち、ようやく気がついて、そろそろ帰るしたくをしながら、いっしょに借りた書物のうち、まだあけてみなかった最後の一冊を何気なく引っぺがしてみると、本の見返しのあいた所に、乱暴にも、鉛筆でいっぱい何か書いてある。 「ヘーゲルベルリン大学哲学を講じたる時、ヘーゲルに毫も哲学を売るの意なし。彼の講義は真を説くの講義にあらず、真を体せる人の講義なり。舌の講義にあらず、心の講義なり。真と人と合して醇化一致せる時、その説くところ、言うところは、講義のための講義にあらずして、道のための講義となる。哲学講義はここに至ってはじめて聞くべし。いたずらに真を舌頭に転ずるものは、死したる墨をもって、死したる紙の上に、むなしき筆記を残すにすぎず。なんの意義かこれあらん。……余今試験のため、すなわちパンのために、恨みをのみ涙をのんでこの書を読む。岑々たる頭をおさえて未来永劫に試験制度呪詛することを記憶せよ」  とある署名はむろんない。三四郎は覚えず微笑した。けれどもどこか啓発されたような気がした。哲学ばかりじゃない、文学もこのとおりだろうと考えながら、ページをはぐると、まだある。「ヘーゲルの……」よほどヘーゲルの好きな男とみえる。 「ヘーゲル講義を聞かんとして、四方よりベルリンに集まれ学生は、この講義を衣食の資に利用せんとの野心をもって集まれるにあらず。ただ哲人ヘーゲルなるものありて、講壇の上に、無上普遍の真を伝うると聞いて、向上求道の念に切なるがため、壇下に、わが不穏底の疑義解釈せんと欲したる清浄心の発現にほかならず。このゆえに彼らはヘーゲルを聞いて、彼らの未来を決定しえたり。自己運命を改造しえたり。のっぺらぼうに講義を聞いて、のっぺらぼうに卒業し去る公ら日本大学生と同じ事と思うは、天下の己惚れなり。公らはタイプライターにすぎず。しかも欲張ったるタイプライターなり。公らのなすところ、思うところ、言うところ、ついに切実なる社会の活気運に関せず。死に至るまでのっぺらぼうなるかな。死に至るまでのっぺらぼうなるかな」  と、のっぺらぼうを二へん繰り返している。三四郎は黙然として考え込んでいた。すると、うしろからちょいと肩をたたいた者がある。例の与次郎であった。与次郎図書館で見かけるのは珍しい。彼は講義はだめだが、図書館は大切だと主張する男である。けれども主張どおりにはいることも少ない男である。 「おい、野々宮宗八さんが、君を捜していた」と言う。与次郎が野々宮君を知ろうとは思いがけなかったから、念のため理科大学の野々宮さんかと聞き直すと、うんという答を得た。さっそく本を置いて入口新聞を閲覧する所まで出て行ったが、野々宮君がいない。玄関まで出てみたがやっぱりいない。石段を降りて、首を延ばしてその辺を見回したが影も形も見えない。やむを得ず引き返した。もとの席へ来てみると、与次郎が、例のヘーゲル論をさして、小さな声で、 「だいぶ振ってる。昔の卒業生に違いない。昔のやつは乱暴だが、どこかおもしろいところがある。実際このとおりだ」とにやにやしている。だいぶ気に入ったらしい。三四郎は 「野々宮さんはおらんぜ」と言う。 「さっき入口にいたがな」 「何か用があるようだったか」 「あるようでもあった」  二人はいっしょに図書館を出た。その時与次郎が話した。――野々宮君は自分の寄寓している広田先生の、もとの弟子でよく来る。たいへんな学問好きで、研究もだいぶある。その道の人なら、西洋人でもみんな野々宮君の名を知っている。  三四郎はまた、野々宮君の先生で、昔正門内で馬に苦しめられた人の話を思い出して、あるいはそれが広田先生ではなかろうかと考えだした。与次郎にその事を話すと、与次郎は、ことによると、うちの先生だ、そんなことをやりかねない人だと言って笑っていた。  その翌日はちょうど日曜なので、学校では野々宮君に会うわけにゆかない。しかしきのう自分を捜していたことが気がかりになる。さいわいまだ新宅を訪問したことがないから、こっちから行って用事を聞いてきようという気になった。  思い立ったのは朝であったが、新聞を読んでぐずぐずしているうちに昼になる。昼飯を食べたから、出かけようとすると、久しぶりに熊本出の友人が来る。ようやくそれを帰したのはかれこれ四時過ぎである。ちとおそくなったが、予定のとおり出た。  野々宮の家はすこぶる遠い。四、五日前大久保へ越した。しか電車を利用すれば、すぐに行かれる。なんでも停車場の近辺と聞いているから、捜すに不便はない。実をいうと三四郎はかの平野家行き以来とんだ失敗をしている。神田高等商業学校へ行くつもりで、本郷四丁目から乗ったところが、乗り越して九段まで来て、ついでに飯田橋まで持ってゆかれて、そこでようやく外濠線へ乗り換えて、御茶の水から神田橋へ出て、まだ悟らずに鎌倉河岸数寄屋橋の方へ向いて急いで行ったことがある。それより以来電車はとかくぶっそうな感じがしてならないのだが、甲武線は一筋だと、かねて聞いているか安心して乗った。  大久保停車場を降りて、仲百人の通りを戸山学校の方へ行かずに、踏切からすぐ横へ折れると、ほとんど三尺ばかりの細い道になる。それを爪先上がりにだらだらと上がると、まばらな孟宗藪がある。その藪の手前と先に一軒ずつ人が住んでいる。野々宮の家はその手前の分であった。小さな門が道の向きにまるで関係のないような位置に筋かいに立っていた。はいると、家がまた見当違いの所にあった。門も入口もまったくあとからつけたものらしい。  台所のわきにりっぱな生垣があって、庭の方にはかえって仕切りもなんにもない。ただ大きな萩が人の背より高く延びて、座敷の椽側を少し隠しているばかりである。野々宮君はこの椽側に椅子を持ち出して、それへ腰を掛けて西洋雑誌を読んでいた。三四郎はいって来たのを見て、 「こっちへ」と言った。まるで理科大学の穴倉の中と同じ挨拶である。庭からはいるべきのか、玄関から回るべきのか、三四郎は少しく躊躇していた。するとまた 「こっちへ」と催促するので、思い切って庭から上がることにした。座敷はすなわち書斎で、広さは八畳で、わりあい西洋書物がたくさんある。野々宮君は椅子を離れてすわった。三四郎は閑静な所だとか、わりあいに御茶の水まで早く出られるとか、望遠鏡試験はどうなりましたとか、――締まりのない当座の話をやったあと、 「きのう私を捜しておいでだったそうですが、何か御用ですか」と聞いた。すると野々宮君は、少し気の毒そうな顔をして、 「なにじつはなんでもないですよ」と言った。三四郎はただ「はあ」と言った。 「それでわざわざ来てくれたんですか」 「なに、そういうわけでもありません」 「じつはお国のおっかさんがね、せがれがいろいろお世話になるからと言って、結構ものを送ってくださったから、ちょっとあなたにもお礼を言おうと思って……」 「はあ、そうですか。何か送ってきましたか」 「ええ赤い魚の粕漬なんですがね」 「じゃひめいちでしょう」  三四郎はつまらものを送ったものだと思った。しかし野々宮君はかのひめいちについていろいろな事を質問した。三四郎特に食う時の心得を説明した。粕ごと焼いて、いざ皿へうつすという時に、粕を取らないと味が抜けると言って教えてやった。  二人がひめいちについて問答をしているうちに、日が暮れた。三四郎はもう帰ろうと思って挨拶しかけるところへ、どこから電報が来た。野々宮君は封を切って、電報を読んだが、口のうちで、「困ったな」と言った。  三四郎はすましているわけにもゆかず、といってむやみに立ち入った事を聞く気にもならなかったので、ただ、 「何かできましたか」と棒のように聞いた。すると野々宮君は、 「なにたいしたことでもないのです」と言って、手に持った電報を、三四郎に見せてくれた。すぐ来てくれとある。 「どこかへおいでになるのですか」 「ええ、妹がこのあいから病気をして、大学病院はいっているんですが、そいつがすぐ来てくれと言うんです」といっこう騒ぐ気色もない。三四郎のほうはかえって驚いた。野々宮君の妹と、妹の病気と、大学病院をいっしょにまとめて、それに池の周囲で会った女を加えて、それを一どきにかき回して、驚いている。 「じゃ、よほどお悪いんですな」 「なにそうじゃないんでしょう。じつは母が看病に行ってるんですが、――もし病気のためなら、電車へ乗って駆けて来たほうが早いわけですからね。――なに妹のいたずらでしょう。ばかだから、よくこんなまねをします。ここへ越してからまだ一ぺんも行かないものから、きょうの日曜には来ると思って待ってでもいたのでしょう、それで」と言って首を横に曲げて考えた。 「しかしおいでになったほうがいいでしょう。もし悪いといけません」 「さよう。四、五日行かないうちにそう急に変るわけもなさそうですが、まあ行ってみるか」 「おいでになるにしくはないでしょう」  野々宮は行くことにした。行くときめたについては、三四郎に頼みがあると言いだした。万一病気のための電報とすると、今夜は帰れない。すると留守が下女一人になる。下女が非常に臆病で、近所がことのほかぶっそうである。来合わせたのがちょうど幸いだから、あすの課業にさしつかえがなければ泊ってくれまいかもっともただの電報ならばすぐ帰ってくる。まえからわかっていれば、例の佐々木でも頼むはずだったが、今からではとても間に合わない。たった一晩のことではあるし、病院へ泊るか、泊らないか、まだわからないさきから関係もない人に、迷惑をかけるのはわがまますぎて、しいてとは言いかねるが、――むろん野々宮はこう流暢には頼まなかったが、相手三四郎が、そう流暢に頼まれ必要のない男だから、すぐ承知してしまった。  下女御飯はというのを、「食わない」と言ったまま、三四郎に「失敬だが、君一人で、あとで食ってください」と夕飯まで置き去りにして、出ていった。行ったと思ったら暗い萩の間から大きな声を出して、 「ぼくの書斎にある本はなんでも読んでいいです。別におもしろものもないが、何か御覧なさい。小説も少しはある」  と言ったまま消えてなくなった。椽側まで見送って三四郎が礼を述べた時は、三坪ほどな孟宗藪の竹が、まばらなだけに一本ずつまだ見えた。  まもなく三四郎は八畳敷の書斎のまん中で小さい膳を控えて、晩飯を食った。膳の上を見ると、主人の言葉にたがわず、かのひめいちがついている。久しぶりで故郷の香をかいだようでうれしかったが、飯はそのわりにうまくなかった。お給仕に出た下女の顔を見ると、これも主人の言ったとおり、臆病にできた目鼻であった。  飯が済むと下女台所へ下がる。三四郎は一人になる。一人になっておちつくと、野々宮君の妹の事が急に心配になってきた。危篤なような気がする。野々宮君の駆けつけ方がおそいような気がする。そうして妹がこのあいだ見た女のような気がしてたまらない。三四郎はもう一ぺん、女の顔つきと目つきと、服装とを、あの時あのままに、繰り返して、それを病院の寝台の上に乗せて、そのそばに野々宮君を立たして、二、三の会話をさせたが、兄ではもの足らないので、いつのまにか、自分代理になって、いろいろ親切に介抱していた。ところへ汽車がごうと鳴って孟宗藪のすぐ下を通った。根太のぐあいか、土質のせいか座敷が少し震えるようである。  三四郎は看病をやめて、座敷を見回した。いかさま古い建物と思われて、柱に寂がある。その代り唐紙の立てつけが悪い。天井はまっ黒だ。ランプばかりが当世に光っている。野々宮君のような新式の学者が、もの好きにこんな家を借りて、封建時代の孟宗藪を見て暮らすのと同格であるもの好きならば当人随意だが、もし必要にせまられて、郊外にみずからを放逐したとすると、はなはだ気の毒である。聞くところによると、あれだけの学者で、月にたった五十五円しか大学からもらっていないそうだ。だからやむをえず私立学校へ教えにゆくのだろう。それで妹に入院されてはたまるまい。大久保へ越したのも、あるいはそんな経済上のつごうかもしれない。……  宵の口ではあるが、場所場所だけにしんとしている。庭の先で虫の音がする。ひとりですわっていると、さみしい秋の初めである。その時遠い所でだれか、 「ああああ、もう少しの間だ」  と言う声がした。方角は家の裏手のようにも思えるが、遠いのでしっかりとはわからなかった。また方角を聞き分ける暇もないうちに済んでしまった。けれども三四郎の耳には明らかにこの一句が、すべてに捨てられた人の、すべてから返事を予期しない、真実独白と聞こえた。三四郎は気味が悪くなった。ところへまた汽車が遠くから響いて来た。その音が次第に近づいて孟宗藪の下を通る時には、前の列車よりも倍も高い音を立てて過ぎ去った。座敷の微震がやむまでは茫然としていた三四郎は、石火のごとく、さっきの嘆声と今の列車の響きとを、一種因果で結びつけた。そうして、ぎくんと飛び上がった。その因果は恐るべきものである。  三四郎はこの時じっと座に着いていることのきわめて困難なのを発見した。背筋から足の裏までが疑惧の刺激でむずむずする。立って便所に行った。窓から外をのぞくと、一面の星月夜で、土手下の汽車道は死んだように静かである。それでも竹格子のあいから鼻を出すくらいにして、暗い所をながめていた。  すると停車場の方から提灯をつけた男がレールの上を伝ってこっちへ来る。話し声で判じると三、四人らしい。提灯の影は踏切から土手下へ隠れて、孟宗藪の下を通る時は、話し声だけになった。けれども、その言葉は手に取るように聞こえた。 「もう少し先だ」  足音は向こうへ遠のいて行く。三四郎は庭先へ回って下駄を突っ掛けたまま孟宗藪の所から、一間余の土手を這い降りて、提灯のあとを追っかけて行った。  五、六間行くか行かないうちに、また一人土手から飛び降りた者がある。―― 「轢死じゃないですか」  三四郎は何か答えようとしたが、ちょっと声が出なかった。そのうち黒い男は行き過ぎた。これは野々宮君の奥に住んでいる家の主人だろうと、後をつけながら考えた。半町ほどくると提灯が留まっている。人も留まっている。人は灯をかざしたまま黙っている。三四郎は無言で灯の下を見た。下には死骸が半分ある。汽車は右の肩から乳の下を腰の上までみごとに引きちぎって、斜掛けの胴を置き去りにして行ったのである。顔は無傷である若い女だ。  三四郎はその時の心持ちをいまだに覚えている。すぐ帰ろうとして、踵をめぐらしかけたが、足がすくんでほとんど動けなかった。土手を這い上がって、座敷へもどったら、動悸が打ち出した。水をもらおうと思って、下女を呼ぶと、下女はさいわいになんにも知らないらしい。しばらくすると、奥の家で、なんだか騒ぎ出した。三四郎は主人が帰ったんだなと覚った。やがて土手の下ががやがやする。それが済むとまた静かになる。ほとんど堪え難いほどの静かさであった。  三四郎の目の前には、ありありとさっきの女の顔が見える。その顔と「ああああ……」と言った力のない声と、その二つの奥に潜んでおるべきはずの無残な運命とを、継ぎ合わして考えてみると、人生という丈夫そうな命の根が、知らぬまに、ゆるんで、いつでも暗闇へ浮き出してゆきそうに思われる。三四郎は欲も得もいらないほどこわかった。ただごうという一瞬間である。そのまえまではたしかに生きていたに違いない。

anond:20240930173941

「男は女より自殺率が高いから女より恵まれなくて辛いんだ!」

っていうけど、

自殺率が高いほど恵まれなくて辛いなら、日本人の方が発展途上国人間よりも恵まれてないことになるぞ

幸福度も同じ。世界一幸せな国ブータンネット解禁されただけで下がるような代物だぞ

イスラムみたいな男尊女卑の国ですら男の自殺率が高いんだから、そんな単純なものだと思えない

一説によると自殺方法が違うようだ

男は拳銃飛び降り自殺など、成功率の高い方法自殺するが、女は手首切ったり薬飲んだり、成功率の低い方法自殺する。なぜか世界共通

中国例外的女性自殺率が高いのは、中国では強力な殺鼠剤を使うかららしい

あとは、衝動性というか元々の性差

トキソプラズマ感染した人間積極的になってリーダーシップを発揮し、何事も恐れなくなり、でも自殺率高まるそうだ

これ、女と比較した男の特徴じゃないか

積極性と行動力があると、自殺もしやすくなるらしい

自由席民度低すぎ。空席を荷物占領するババアとかジジイとか今すぐ飛び降りろ。

一駅だしこの時間だしと思って自由席にしたけど

マジで後悔。

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