はてなキーワード: 親ロシアとは
https://uscnpm.org/2022/03/12/hu-wei-russia-ukraine-war-china-choice
露・ウクライナ戦争は、第二次世界大戦後最も深刻な地政学的紛争であり、9.11テロをはるかに上回る世界的影響をもたらすであろう。この重大な局面で、中国は戦争の方向性と国際情勢への潜在的影響を正確に分析し、評価する必要がある。同時に、相対的に有利な外部環境を目指すために、中国は柔軟に対応し、長期的利益に合致した戦略的選択を行う必要がある。
ロシアのウクライナに対する「特別軍事作戦」は、中国国内で大きな物議を醸し、その支持者と反対者が激しく対立している。本稿はいかなる政党を代表するものでもなく、中国の最高意思決定レベルの判断と参考のために、起こりうる戦争の影響とそれに対応する対策の選択肢について客観的な分析を行ったものである。
1. ウラジーミル・プーチンは期待した目標を達成できない可能性があり、ロシアは窮地に立たされる。プーチンの攻撃の目的は、ウクライナを電撃的に破り、指導者を交代させ、親ロシア政権を育成することで、ウクライナ問題を完全に解決し、ロシアの国内危機から目をそらすことであった。しかし、電撃戦は失敗し、ロシアは戦争の長期化とそれに伴う高コストを支持することができなくなった。核戦争を起こせば、ロシアは全世界の反対側に置かれることになり、勝ち目はない。国内外の情勢もますます不利になっている。仮にロシア軍がウクライナの首都キエフを占領し、高いコストをかけて傀儡政権を樹立したとしても、それは最終的な勝利を意味しない。現時点でのプーチンの最良の選択肢は、和平交渉によって戦争をまともに終わらせることであり、そのためにはウクライナが大幅に譲歩することが必要である。しかし、戦場で得られないものを交渉の場で得ることも難しい。いずれにせよ、今回の軍事行動は取り返しのつかない過ちである。
2. 紛争はさらにエスカレートする可能性があり、最終的に西側諸国が戦争に巻き込まれる可能性も否定できない。戦争がエスカレートするとコストがかかるが、プーチンの性格や権力からして簡単にはあきらめない可能性が高い。露・ウクライナ戦争は、ウクライナの範囲や地域を超えてエスカレートし、核攻撃の可能性さえ出てくるかもしれない。そうなれば、米国や欧州も無関係ではいられなくなり、世界大戦や核戦争の引き金になる。その結果、人類は破滅し、米露が対決することになる。この最終対決は、ロシアの軍事力がNATOのそれに及ばないことを考えると、プーチンにとってさらに不利なものとなるだろう。
3. 3.ロシアが必死の賭けでウクライナ奪取に成功しても、政治的にホットポテトであることに変わりはない。その後、ロシアは重荷を背負い、圧倒されることになる。このような状況では、ヴォロディミル・ゼレンスキーが生きていようといまいと、ウクライナは亡命政府を立ち上げ、長期的にロシアと対峙する可能性が高い。ロシアは欧米の制裁とウクライナ領内の反乱の両方にさらされることになる。戦線はかなり長く引かれることになるだろう。国内経済は維持できなくなり、やがて引きずり降ろされる。この期間は数年を超えないだろう。
4.ロシアの政治状況は、欧米の手によって変化するか、あるいは崩壊する可能性がある。プーチンの電撃作戦が失敗し、ロシアの勝利の望みは薄れ、欧米の制裁はかつてないほどになった。人々の生活に深刻な影響を与え、反戦・反プーチン勢力が集まる中、ロシアで政治的な反乱が起こる可能性は否定できない。ロシア経済が崩壊寸前である以上、露・ウクライナ戦争の敗北がなくても、プーチンが危うい状況を支えることは困難であろう。仮にプーチンが内紛やクーデターなどで政権を追われるようなことがあれば、ロシアはさらに欧米と対峙しにくくなる。欧米に屈し、あるいはさらにバラバラになり、ロシアの大国としての地位は終焉を迎えるに違いない。
1.米国は西側世界の指導力を取り戻し、西側諸国はより結束を強めるだろう。現在、世論はウクライナ戦争は米国の覇権の完全崩壊を意味すると考えているが、実際には米国からの離脱を望んでいたフランスとドイツがNATOの防衛枠組みに戻り、欧州の自主外交・自主防衛の実現という夢が壊れることになる。ドイツは軍事予算を大幅に増やし、スイスやスウェーデンなどは中立を放棄する。Nord Stream 2が無期限停止となることで、欧州の米国産天然ガスへの依存度は必然的に高くなる。米国と欧州は未来を共有する緊密な共同体を形成し、西側世界における米国のリーダーシップは回復するだろう。
2.鉄のカーテン」は、バルト海から黒海までだけでなく、西側支配陣営と競争相手の最終対決まで再び崩壊するだろう。西側は、民主主義国家と権威主義国家の間に線を引き、ロシアとの対立を民主主義と独裁の間の闘争と定義するようになる。新しい鉄のカーテンは、もはや社会主義と資本主義の2つの陣営の間に引かれるものではなく、また冷戦の中にとどまるものでもない。それは、西側民主主義に賛成する者と反対する者との間の生死をかけた戦いとなる。鉄のカーテンの下での西側世界の結束は、他の国々にもサイフォン効果をもたらす。米国のインド太平洋戦略は強化され、日本など他の国々は米国にさらに密着し、前例のない広範な民主主義統一戦線を形成する。
3.欧米の力は著しく増大し、NATOは拡大を続け、非欧米諸国における米国の影響力は増大する。露・ウクライナ戦争後、ロシアがどのように政治的変革を遂げようとも、世界の反西側勢力は大きく弱体化する。イデオロギーの終焉」論が再燃し、第3の民主化の波が勢いを失い、第3世界の国々が欧米を受け入れるという、1991年のソ連・東欧動乱後の光景が繰り返されるかもしれないのである。西側は、軍事力においても、価値観や制度においても、より多くの「ヘゲモニー」を持ち、そのハードパワーとソフトパワーは新たな高みに達するだろう。
4. 既成の枠組みの中で、中国はより孤立化する。以上のような理由から、中国が積極的に対応しなければ、米国や欧米からさらなる封じ込めを受けることになる。プーチンが倒れれば、米国はもはや二つの戦略的競争相手に直面することなく、戦略的封じ込めで中国を閉じ込めるだけでよい。欧州はさらに中国から切り離され、日本は反中国の先兵となり、韓国はさらに米国に屈し、台湾は反中国の大合唱に加わり、その他の国々は群集心理のもとでどちらかを選ばなければならなくなるだろう。中国は、米国、NATO、QUAD、AUKUSに軍事的に包囲されるだけでなく、欧米の価値観やシステムから挑戦を受けることになる。
1.中国はプーチンと結ばれるわけにはいかないので、一刻も早く切り離す必要がある。ロシアと欧米の対立が激化すれば、米国の関心を中国からそらすことができるという意味で、中国はプーチンとともに喜び、支援さえすべきだが、それはロシアが没落しない場合に限られる。プーチンと同じ船に乗っていると、プーチンが政権を失ったときに中国に影響を与える。プーチンが中国の後ろ盾を得て勝利を収めれば別だが、今のところその見込みは薄く、中国にロシアを支援する力はない。国際政治の法則に「永遠の同盟国も永遠の敵もない」とあるが、「我々の利益は永遠で永久のものである」。現在の国際情勢では、中国は自国の最善の利益を守り、2つの悪のうち小さい方を選び、一刻も早くロシアの重荷を降ろしていくことでしか進めないのだ。現時点では、中国がその余地を失うまで、まだ1〜2週間の猶予があると推定される。中国は断固として行動しなければならない。
2.中国は、二股をかけることを避け、中立をあきらめ、世界の主流となる立場を選択すべきです。現在、中国は国連安保理や国連総会の議決を棄権するなど、国際的な発言や選択において、どちらの立場も損なわないようにし、中道を歩んでいる。しかし、この立場はロシアのニーズに合致せず、ウクライナやその支持者、同調者を激怒させ、世界の多くの人々から中国を不利な立場に置いている。場合によっては、見かけ上の中立が賢明な選択となることもあるが、中国が何も得るものがない今回の戦争には当てはまらない。中国は常に国家主権と領土保全の尊重を主張してきた。この立場は、台湾問題の解決にも資するものである。
3.中国は最大限の戦略的突破力を発揮し、これ以上西側から孤立しないようにすべきである。プーチンと縁を切り、中立を放棄することは、中国の国際的なイメージを高め、米国や西側諸国との関係を緩和することにつながる。困難であり、大きな知恵を必要とするが、将来的には最良の選択肢である。ウクライナ戦争に端を発した欧州の地政学的混乱が、米国の欧州からインド太平洋地域への戦略シフトを大きく遅らせるという見方は、過度の楽観視で扱うことはできない。米国内にはすでに「欧州も重要だが、中国の方が重要だ」という声があり、米国の最大の目標は中国がインド太平洋地域の支配勢力となるのを封じ込めることである。このような状況下で、中国の最優先課題は、それに応じて適切な戦略調整を行い、中国に対するアメリカの敵対的な態度を変え、孤立から自らを救うことである。要は、米欧が中国に共同制裁を加えるのを阻止することである。
4.中国は、世界大戦や核戦争の勃発を防ぎ、世界平和にかけがえのない貢献をすること。プーチンがロシアの戦略的抑止力を特別戦闘態勢に入るよう明確に要請したように、露・ウクライナ戦争は制御不能に陥る可能性がある。正義の大義は多くの支持を集め、不義の大義はほとんど支持を集めない。もしロシアが世界大戦、あるいは核戦争を引き起こせば、世界は間違いなく混乱する。中国は、責任ある大国としての役割を示すために、プーチンの側に立ってはならないだけでなく、プーチンの冒険を阻止するための具体的な行動をとるべきである。中国は世界で唯一この能力を持つ国であり、このユニークな利点を十分に生かさなければならない。プーチンが中国の支援から離れると、ほとんどの場合、戦争が終わるか、少なくとも戦争をエスカレートさせる勇気はなくなるだろう。その結果、中国は世界平和を維持したことで国際的に広く賞賛されるに違いなく、中国の孤立を防ぐだけでなく、米国や欧米との関係を改善するきっかけを見出すことができるかもしれない。
目出度く「ゴルディアン・ノット」作戦こと21世紀型ABCD包囲網の打破を目指すロシアン真珠湾の概要が公表されたので訳す。なお註釈のうち文中のものはすべて英訳者により、数字のものは註釈ではない和訳者のたわごとである。例により和訳者は頭の悪いのと精神病質者が大嫌いだがまあ共産趣味者とかインテリゲンツィヤとかアリストクラットが労働者を"対象"と捉えるのは今に始まったことではないから特に後ろめたく考えてはいない。
第三次世界大戦は始まったようだ; 同僚たちはシャンパンの封を切っている[1] - イラン・米国間の戦争は核合意を阻害しロシア産原油のイラン産原油による置き換え余地を封じる。ホルムズ海峡の避けられぬ封鎖は原油価格をうなぎ上りにする。筆者は[ロシア・イラン間の]一般的には理解不能な合意がある可能性すら信じているが、裏付けるいっさいの事実は持ち合わせていない。
今日はただわれわれ[組織としてのFSBにとって、#WindofChange個別ではなく]の目から見て差し迫ったロシアの"出口"と、クレムリンの"廷臣"について伝えようと思う。(帝政における皇宮について言っている)
これは(実際の摘要の)"複写"ではないがきわめて正確な再話であり、いかように扱ってもかまわず、内容を伏せずに全文を転載してもよい。
この作業はまだ取り掛かったばかりであるので現在はまだ輪郭があるのみで、最終的な報告書は分量があり、詳細で、より堅固になる。今はイラン-米国紛争にかかりきりであるので、筆者はのちより自身の(この新計画に対する)意見をくわえる予定である。『ゴルディアスの結び目』は深く修正・適合される(イランが在イラク米軍基地へミサイルを発射しているため)。
モスクワなど、西側の大都市に住む若者はほとんどプーチンを支持していないが、ヒトラーのような独裁者であるという認識もない。
子供が生まれたら、粉ミルク、おむつ、離乳食が無料でもらえたり、幼稚園はもちろん無料だし、医療費もほぼ無料だったり、意外と福祉国家だからだ。
または、プーチンは財閥を解体し、独占企業による価格のつり上げを防ぐなど、庶民にやさしいこともしている。
しかし、選挙は信じていない。そのため、モスクワでは投票率が低い。
田舎では、プーチンの支持者は多い。田舎も食料自給率が高いから、メシに困るレベルほどの貧困は目立たないが、ネットインフラが弱く、プロパガンダたっぷりの国営放送しか見られない家庭が多いからだ。
国内でも政権でも賛否両論。意外と賛成者が多いのは、西側諸国とロシアは、異なる事実をもとに判断しているからだ。
日本を含む、西側諸国の認識は、「ウクライナには一切の非がなく、ロシアがいきなり侵攻してきて、首都で民間人を攻撃している」だろう。
多くのロシア人の認識は、「ウクライナ政府は、アゾフなどの反ロシア過激派団体を援助し、ドンバスなど東部の親ロシア地域やクリミア、オデッサでロシアの虐殺をしている。この戦争のゴールは、ゼレンスキーにそれをやめさせることだ。それに、ロシアは民間人を攻撃していない。民間人への攻撃は、ウクライナとアゾフの自作自演だ。NATOや西側諸国は、情報操作をしてロシアを悪者しようとしている。ウクライナに軍事基地を作り、ロシアに戦争を仕掛ける気だ。ロシアは国と、ロシア人を守るために戦う」
多くのロシア人は、この戦争についてかなり詳しい。自分事であるし、プロパガンダ放送を見るからだろう。
ロシア人は、ウクライナの惨状も、民間人の被害も知らない。アメリカが中東を民主化するためにしかけた戦争を支持するように、当然ロシア人は自分たちを守るための戦争を支持している。
実際のところ、ロシアの言い分が事実でないという証拠はない。結局のところ、9.11の陰謀論も、原爆を落とす前に日本が降伏していかも、従軍慰安婦がたんなる売春だったのかも、私たちには知るすべはないのと同様に、偏向報道をするメディアと、フェイクニュースを垂れ流す一般市民から情報を得るしかないので、何が真実なのかはわかりようがない。
生活に問題はない。いつも実家と連絡とっているし、こんな状況でも「日本での生活に困っていない?お茶でも送ろうか?」というメッセージがくる。
ただ、InstagramなどのSNSで「死ね」などのメッセージはたくさんきた。今はフォロー関係にない人をブロックしているで、そういうメッセージは来ないが。
知り合いは、鬱になり、ODしたらしい。その人は、いわゆるノマドワーカーで、英語がペラペラなので海外企業にウェブデザインなどのサービスを提供していたらしい。
ところが使用していたクラウドソーシングサイト、UpWorkがロシア人のアカウントと口座を全部ブロックして、集客用のSNSで死体の写真を送り付けられたり、かなりひどい目に合っていたらしい。
ウクライナ←親ロシアのテロリストを殺した!戦争の発端を作ったのはコイツらだ!
ロシア←軍事的作戦なのに民間人を殺す必要性はない!コイツらは現代の悪魔だ!
ウクライナ人←戦争になることがわかっていた!お笑い大統領を祭り上げて戦争を煽った!
海外にいるウクライナ人←国に帰るなら黙って帰れ!平和な我々を煽るな!
海外にいるロシア人←ざまあみろ!プーチンから逃げようと思っても祖国の貧困具合からは逃げられなかったようだな!
NATO←あくのちゅうすう
アメリカ←でぃーぷすてーと
日本←大日本帝国魂再来願!!中国韓国北朝鮮露西亜全方位竹槍爆撃神風特攻!!!靖国敬礼!!
中国←超宇宙規模絶対的悪顕在嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼遺憾乃意!!!!!!!!!!!!!!!
なの?
みんなウクライナのこと言及してるし増田にこれ言ってる人いるだろうなって思ったら見つけられなかったので書く。
大雑把に言うとプーチンはほぼ国際社会版「無敵の人」になってしまった(なったというより、そうであることが明らかになった?)のではないかということだ。
もちろん自分はこの戦争を支持しない。直ちに停戦すべきだと思っている。
ウクライナを防衛している人々を尊敬する。自分のような弱い人間にはできないだろう。
素朴な気持ちとして、椅子に座ったまま嘘をつき、人々を死地に追いやる政治家は憎い。
ただ、考えれば考えるほど今回の戦争において「プーチンは無敵の人」なのではないかと思い始めた。
まるで、ひどく悪趣味なNTRものを読んだ時や、個人的に嫌いな人間に何かで負けたときのような、やり場のない絶望感がある。
BBCではJames Landaleという人によって、以下のような5つの「終戦」シナリオが論じられていたので、それに沿ってどう彼が無敵であるか整理してみようと思う。
https://www.bbc.com/news/world-europe-60602936
ロシアが圧倒的武力でウクライナを破壊しつくす。何千人もの人が亡くなり、キーウは陥落し、ウクライナ大統領は殺されるか亡命し、ロシアは親ロシアの傀儡政権をウクライナに立てる。反乱や将来の紛争が想定され、ウクライナの政情は不安定になるかもしれない
おそらくウクライナにとって最悪のシナリオだろう。個人的には最近の戦闘のエスカレートぶりを見ると十分ありえるのではないかと思っている。
この場合プーチンは「勝利」したことになる。反乱が起きようが殺せばいいのだ。ジェノサイドをしているとみんなが言っても、映像が出ても、証人が出ても、結局誰も手出しできない。チベットがそうだ。誰かあれを止められたか?
彼の権勢は強まるだろう。国内向けに言っている「ネオナチ」との戦いに勝った偉大な指導者なのだ。旧ソ連の領土を平定し、NATOに一泡吹かせたのだ。今の姿勢を見るに、アメリカはこの終わり方の後に手を出すこともなさそうだ。
ソ連が崩壊したように、何年も経って、プーチンが死に、ロシアの国内情勢が大きく変わればその時初めてウクライナ難民は帰れるのかもしれない。
なんにせよ、彼は一度勝ったことになる。
ロシア軍のモラル低下と補給失敗により戦闘が泥沼化する。占領した街のコントロールすら難しくなるかもしれない。時が経ち、西側諸国が武器を送り続けることでウクライナ軍は有効な反乱を起こすことができる。何年もの後、ロシア軍は撤退するかもしれない
意外とこれが一番プーチンにとって辛いかもしれないと思う。経済制裁が続く中で軍を送り込み続けるのは難しいだろう。
とはいえすでにロシアから彼を批判するメディアは一掃された。ロシア国民は苦しむが、国民ほど彼が苦しむことはない。
ネオナチと戦い続ける偉大な指導者として君臨し続け、北朝鮮のような状態になるかもしれない。
ただ、彼は(彼の中では)負けていない。あまり明確にも勝ってないけど。ゆえに、最近の状況を見る限りこれを避けようとロシアは動いているように見える。
プーチンが旧ソ連構成国、特にNATOに加盟していないモルドバやジョージアに進軍する。それは誤算やエスカレーションによるものかもしれない。プーチンが敗戦に直面し、これが彼の政権を存続させる唯一の手法であると感じれば、ヨーロッパ戦争のリスクを受け入れてさらにエスカレートするかもしれない
これはNATOや西側諸国にとって最悪のシナリオだろう。ロシアは核保有国だし、これが起きた時ばかりはどうなるかわからない。
ただモルドバやジョージア(EUでもNATOでもない)であればウクライナと同じ手法で持っていかれるんじゃないかと思う。
このシナリオでプーチンが負けたことになる時は、NATOやEUと全面戦争になり、ロシアが敗戦する時だろう。核爆弾の一発や二発は打たれてそうだ。
西側諸国も大きなダメージを受ける。世界の各地が破壊され、多くの人が死に、広島や長崎のような惨状が世界に再び広がっているかもしれない。
ただプーチンがこのシナリオを選択するとはあまり思えない。双方に痛みが大きいし、勝ったことにはなっても失うものが大きい。
NATOやアメリカもいつまで経っても外から遺憾砲を打っているだけだし。偽善者どもが、所詮手を出せないくせに。スーカブリャット。俺がこいつら全員殺すところを黙って見てなとばかりにプーチンはあざ笑っているだろう。
西側諸国が全員ブチギレて、東欧を、ひいては地球を不毛の地にする決断をしない限り、彼は勝っている。
すでに交渉がされているように――まだめぼしい成果はないが――プーチンは交渉による停戦の可能性を受け入れているように見受けられる。しかし、戦争が彼の地位を脅かす時、終戦の屈辱より戦争の継続がより偉大なリーダーシップだと判断するかもしれない
これについてはウクライナが条件として有利になることはまずないだろう。現状、西側諸国の分析を見ても押され気味だし、損失も大きい。
それでも高潔な彼らが戦いを選んだとて、ロシアが武力で1.のシナリオに持っていくのではないか。その後は交渉しなかったときよりひどい結末が待っているだろう。
プーチンが負けた格好で交渉が終わることは到底ありえない。何かしら勝った格好で終わらせることしか許容していない。
これは起こりそうにもない、ただ世界は変わった。もし戦争がロシアにとってひどい災禍をもたらせば、国民が革命を起こす脅威がありうる。もしくは、プーチンから利益を得ていた人々が、彼は財産を守れないと考えれば、このような結果はありえる
これが彼の唯一の負けシナリオである。ここまで書いてきたシナリオも、最終的にここに行き着く可能性がある。
そうなれば彼は無敵の人ではない……が、国内のメディアも抑え、ロシア国民の反戦感情も大したこと無い、みたいな状態でこれがどれほど近い時期に起こりうるだろうか?
怪しい人間を殺して回っても良いのである。西側は手出しできない。これまでも毒殺とか色々やってきたしノウハウはある。
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以上5つから、プーチンは「ほぼ自分が何かしらの形で勝てる」と思ってこの戦争を続けているんじゃないかと思った。まあそうじゃないと始めないと言われればそうだけど。
西側諸国も薄々感づいているんじゃないか。絶対言わないだろうけど。そして建前ではロシアを批判し、ウクライナの人々にただただ武器を含んだ物資を送るだけに終止している。
ウクライナが滅びる時、家族と祖国を失った彼らが「西側諸国は結局助けてくれなかった」って言ったら、どんな顔をするつもりなんだろう?
以下支離滅裂
ロシア「親ロシア派が嫌がっているのにNATOに入ろうとするとは何事だけしからん、『親ロシア派を守る行動』を取ろう」
と言いつつ実際は殴り込みで戦争をしている。一般人も大勢殺害している。
そしてウクライナを強引に子分にしよう企み乗っ取ろうとしている…?
あるいはロシアはウクライナそのものを亡きものにしてロシアの一部にしたがっている…?
過去にウクライナはソビエト時代にスターリンからの圧政で大勢の人が餓死したりしたこともありロシアとは縁を切りたがっている?
アホな自分の単純な頭では「ウクライナ人の多数が親欧米だからウクライナの国内から親ロシア派がいなくなればいい」とも思っているが多分事はそんなに単純じゃないんだろう。ただ、どう単純じゃないかは分からない。
ウクライナ内の親ロシア派が占めている地域を「ウクライナじゃない」ことにしたら(新しい国が生まれたり、ロシアの一部になったりする)何やらそれはロシアに屈する事になるらしい。何でもロシアにとっては念願の不凍港が手に入ることで他国にカチコミしやすくなるとかならないとか見聞きしたような気もするけどどうも分からない。
親ロシア派はロシアが好きなんだからウクライナ内の親ロシア派をロシアに追い出してウクライナを親ロシア派がいない国にしたらいいのかとも思ったがそういうことでもないらしい。かといってこれから先親欧米でやっていきたいウクライナにしてみたら国内に親ロシア派がはびこっているのは嫌だろうなとも思う。
ウクライナはNATOに入っていないのでNATOの軍隊がロシアを追い払ったりはできない。経済制裁はやっているらしいがそれでもお構いなしにロシアは攻め込んできている。むしろ経済制裁でプーチンがなお一層キレているようにも見える。このままだと核兵器を使いかねないところまで来ているらしい。ウクライナが第2の被爆国になるのは嫌だ。軍事力のあるアメリカは中東の石油のように金儲けができないと戦わないからウクライナは見殺されてしまうのだろうか?
そういえばプーチンは昔のソビエトに憧れていると聞いたことがある。今回の戦争も昔のソビエトを復活させるための行いなのか?というか本当に昔のソビエトを復活させて良くなるのかも分からないけれど。とはいえ今回の戦争でプーチンは世界各国からバッシングされて経済制裁も受けている、そんな強引なリーダーに国民はついていきたがるのか疑問ではある。となると失脚するのだろうか?もし仮に失脚したら今後どうなるのだろうか、アホの頭ではそこまで回らない。
今回の戦争で一番得をするのは何やら中国らしい。どういう大風桶屋かは分からないけど中国らしい。中国が力をつけてきたら台湾や日本を侵略をしてくるという考えも見たような気がする。なんとかという政治家が馬鹿の一つ覚えのように9条9条と連呼していたが力づくの国は言葉だけでどうこうなるもんじゃないというのが今回の戦争で明らかになったようにも思える。日本も核兵器を持つ域までいくかどうかまでは分からないけれども少なくとも交渉とか会談でおさまらない恐怖みたいなものを感じた。平和ボケという言葉は使いたくないが結局戦争狂いになるしかないのだろうか。極端なことを言えば右寄りの人に「平和」という単語自体がタブーな気さえすることもある。
などと頭の中のものを出してみたけれどアホなのでこれが限界だった。加えて別に強い権力を持っているわけでもないのでこんなことを考えることに何の意味があるんだろうとさえ思えてきた。
昨年までカザフスタンのQ-POPについて、これから日本でも世界でもQ-POP来るかもね!なんて書こうかと思っていたが、昨年後半からカザフスタンの政治状況が激変し、更にロシアとウクライナの戦争まで始まってしまい気軽に音楽どうよ〜とか言ってる場合じゃなくなってしまった。
というわけでQ-POPと彼らを取り巻く政治状況とウクライナ関係をちょこっとだけ書いておく。
詳しくはウィキペディアをみてもらえばわかるが、主にK-POPから音楽・ファッションともに大きな影響を受けたカザフスタンの音楽である。
2000年代からカザフスタンでも韓国ドラマや音楽が人気となり、若者たちにも影響を与えた。
そして2015年、ボーイズグループNinty Oneが結成される。名前はもう皆さんピンと来ると思うが、ソ連が崩壊しカザフスタンが独立した年にちなんでいる。独立と自主を表す名前である。
彼らのファンはNinety OneのようにK-POPの影響を受けた、カザフスタン人によるカザフスタンの人々のための音楽をQ-POPと名付けた。
https://en.m.wikipedia.org/wiki/Q-pop
始祖とも言えるNinety Oneに続き多くのミュージシャンがデビューを果たしている。最近はガールズグループもいるようだ。
まだ生まれて間もないQ-POPだが、カザフスタン以外でもファンは増えてきているようだ。ちなみに隣国キルギスでも大人気で、Q-POPの音楽祭が行われたりしているそうだ。
NINTY ONE / DARN
カザフスタンはイスラム教徒が多く、文化はかなり保守的。(とはいえカザフスタンではかなり戒律はゆるい方で、飲酒も行われているとか。大っぴらに飲めるかどうかまでは寡聞にしてわからないが。)
Ninety Oneがデビューした時はかなり激しい反対運動が起こった。Ninety Oneは髪を染め、ピアスをし、細身の服に身を包んでダンスし、歌った。それが若い男性を中心とした保守グループからの怒りを買ったのだ。「カザフスタンの家父長制を破壊するものだ」と激しい批判を浴びせ、保守的な都市では保守グループの反対集会も行われ、コンサートを禁止されてしまう。音楽祭等でも他の伝統的な音楽をやっているミュージシャンからは「同じ舞台に立ちたくない」と共演を拒否されることも。
それでも現代のカザフスタンの若者達を取り巻く問題や悩みについて歌う彼らは多くの若者の支持を得、今では多くのQ-POPミュージシャンが彼らのあとに続きデビューしている。
このように、保守層からは忌み嫌われているQ-POPではあるが、Ninety One
は政府との仲は意外と良好であった。理由はカザフ語とラテン文字にあるようだ。
カザフスタンでは公用語はカザフ語とロシア語の2つである。しかし都市部では主にロシア語が使用され、カザフ語が話せない人もいる。そこで与党ではカザフ語の普及、更にはラテン文字の導入も推進している。カザフ語でカザフスタンの歌を歌い、ラテン文字の名前を使うNinety Oneは政府にとってはいい文化スポークスマンになりえたのだ。なので彼らは与党の集会でライブを行ったりもしていた。
ROLESCast#007 カザフスタン情勢の急転―突発的な政権動揺の背景と影響
https://www.fsight.jp/articles/-/48557
ざっくり説明すると、昨年からガス値上がりにより全土にデモと暴動が拡大、大統領の家宅まで襲撃される事態となり、ロシア主導の治安維持部隊が派遣された、という話。
親ロシア政権で独裁体制は前大統領ナザルバエフ時代から。後継者に選ばれたトカエフ大統領のもと、ナザルバエフ−トカエフ体制で長年政権は安定していると見なされてきた。
しかしガス値上がりが引き金となり、長年の独裁と汚職に対する国民の不満が爆発、全土にデモと暴動が拡大。トカエフ大統領はロシアの治安維持部隊を投入、警告なしの発砲を行い200名以上が殺害されている。
ちなみにこの記事は今年1月上旬のもので、対談が行われたのはおそらく前大統領ナザルバエフの失脚前のもののようだ。今年1月5日、暴動を抑えきれなかったナザルバエフは、トカエフ大統領によりカザフスタン共和国国家安全保障会議議長を解任され、カザフスタンから脱出。その後もトカエフ大統領はナザルバエフと近かった治安機関トップを国家反逆罪で拘束したりと政府からナザルバエフの影響を排除しようとしている。
ちなみに北京オリンピックではロシアとも中国とも親密な関係をアピールしていたのだが、昨日トカエフ大統領がロシアからのウクライナ派兵要請を断った、というニュースが流れた。
ロシア的にはナザルバエフとプーチンは同志的な関係であったし、トカエフもナザルバエフの路線を継承した親ロシア政権、カザフスタンの暴動は反ロシアではなく反カザフスタン政府であったので、ウクライナのように侵攻する気はなかっただろう。しかしトカエフ大統領がプーチンの要請を断ったことでこれからどうなるかわからない。
トカエフ側としてはロシアは今はウクライナで手一杯、国際的にも孤立、更にロシア国内でも反戦デモ、とカザフスタンに派兵する余裕はない、国際的にも派兵を断ったほうが孤立を避けられる、と見てのことかもしれない。しかしこれからどう転がるかはわからない。トカエフ体制もいつ崩壊するかわからない瀬戸際である。
カザフスタンのインフルエンサーによれば、近年の価値観の変化は激しく、若者であっても3〜4歳下の若者とのギャップは両親とのギャップ以上であるという。
いくつかQ-POPのPVを貼っておく。言葉わからないけどJ-POP、K-POP好きならめっちゃ聴けるタイプの音楽では?
SEVENLIGHT - Núkte Official MV
ちなみに当増田はJPOPもKPOPもあまり聞かないタイプである。
何故Q-POPに興味持ったかというと、カザフスタンの伝統音楽を調べていたのがきっかけであった。
カザフスタンにはドンブラという伝統楽器がある。何かが流れてきそうな名前だが、こんな弦楽器である。
カザフスタンの若者の間ではドンブラパーティと呼ばれているフラッシュモブ的な街角でのドンブラ演奏会が行われているそうで、ものすごくカオスでフリーダムな情景を思い描いたのだが、実際YouTubeで見てみるとのどかなものだった。
こんな達人級がゴロゴロいて、週末になるとあちこちの街角でドンブラを演奏しているのである。そりゃQ-POPに拒絶反応も出ますわな、と思わされた。しかしみんな違ってみんないい。個人的にはどちらも聞きたい。
ウクライナの一連の動きを見ていて、日本が近隣諸国から仮に侵攻を受けた時にどのようなことが必要かということを考えた。仮想敵国は中国ないしロシアとする。北朝鮮はどうかと言う点では、彼らが本気で我が国と戦う場合は核による大規模な攻撃を早い段階で仕掛けざるを得ないだろうから、以下の議論とは全くレベルが異なってくるので今回は考えない。
核を保有し、国際経済と結びつきが強い国家に対しては、国際社会の反撃の動きは思いのほか鈍いと言うのが今回のひとつの学びだ。日米安保があるうちはアメリカからの支援が期待できるかもしれないが、そもそもが日本が直接攻撃を受ける事態というのは日米安保が何らかの経緯で弱体化しているという状況だろう。
時間が経つにつれ国際社会は侵攻国側に対して明確な反対を打ち出すというのが、この週末での各国の動きである。一定の効力を持つ非軍事的な制裁措置が発動するまでに2週間、その後の軍事支援も考えると自力で1ヶ月程度持ち堪えることが必要だと思った。
ヨーロッパ各国がウクライナ支援に傾いたのは、ゼレンスキー本人がメディアを使って抗戦の姿勢を明確に打ち出したことが影響していると思う。ウクライナがある程度粘れそうだ、という印象を国際社会に与え、いわば「判官贔屓」と「勝ち馬に乗る」の両方の反応を引き出すことに繋がっているのではないかと考える。
仮にウクライナの親ロシア勢力が多数派で、ゼレンスキーの抗戦姿勢を支持しなかったら、軍の士気と国際社会の支援に対して影響していた恐れがある。ロシアによる支配をウクライナ国民自身が受け入れない、というのはロシア政府とウクライナ政府の主張の正当性を判断する上で重要な基準だからだ。
ウクライナ東部での親ロシア勢力の支配地域をロシアが承認した段階では、全面戦争を避けるためにこの地域を「人身御供」として差し出すという雰囲気がかなりあったと思う。現在においても停戦のための材料としてこれらの地域が取引の対象となってしまう可能性がある。例えば中国と日本が戦争となった場合、中国が南西諸島や沖縄を実効支配した状況で戦線が膠着してしまうと、これらの地域は停戦条件として中国のものになってしまうかもしれない。
いずれやるなら、やりたいなら、中国にとっては今が一番のチャンス。
キシダとか、親ロシアのシンゾーとか、そういう方に票が集まるんだよね…
まあ、ウクライナがこうなった今であっても、じゃあ原潜を調達しましょう、
とはいかないだろうというか、おカネとかね…
あと、原潜に核、大陸間弾道ミサイルはセットでないと意味がない
つまり、日本が完全に焼け野原になったとしても、日本の原潜が地球上のどこかに潜伏していて、
日本の国土の上に核ミサイルがあっても、それを破壊すればいいんであって、
地球上の公海のどこかの日本の原潜が敵国にミサイルを撃ってくれれば、
抑止できなかったとしても、逆転というか、一矢報いることぐらいは可能になる
だから、沈黙の艦隊よろしく、原潜と核を米国に提供してもらいたいわけだけど、
ウクライナがこうなっても難しいかなぁ、という気がしないでもない
日本が独自で核を管理、更なる改良のための核開発、研究もセットでなければならない
プーチンは戦略核に非常に前向き、肯定的なのは以前から知られているので、
気軽に核攻撃をしてくることは想定できる
人命はともかく、サリンのような毒ガス、戦略核は都市単位の制圧に向いている
そういった手段に躊躇しないことはソヴィエトの性質から想定できていたわけで、
じゃあ導入したいのでくださいで終わる話でもないという…
まあ、遅すぎたね
「国境地帯」「ウクライナ側」の「幼稚園」という、一種象徴的な場所に着弾。親ロシア勢力武装勢力、ウクライナ軍ともに相手側の攻撃と主張。誰がやったか知らないけど、戦争になってほしい、撤退しかけたロシア軍に戻ってきてほしいと願っている勢力があれば、彼らの利益になる事件。 https://t.co/d4NgHkTPel— kaz hagiwara(萩原 一彦) (@reservologic) February 17, 2022
・戦争になってほしいと思っている勢力がいてそこから利益が生まれると本気で思っている(ガンダムSEEDみたいな世界観やな)
ほとんどすべての国が考えることと同じだ。自国の領土と権益を守りたい。ウクライナにNATOの基地ができたら、米国は数分でモスクワを破壊できることになって、米国との核抑止も怪しくなる。ウクライナ国境からモスクワまでは平原が広がっており、陸軍で侵略するのも簡単だ。キューバ危機と同じ構造だと思えばいい。当時はアメリカが引かなくて危うく核戦争になるところだった。
ロシアの国家モデルと権力システムが魅力的なものである必要があった。しかし、ロシアは魅力的なシステムを作ることができなかったので、ウクライナは、欧米に行ってしまった
これを正論だという人がいるが、これは不正義だと私は思う。「欧米に行く」というのは、ロシアと欧米が対立していることを仮定している。「欧米」は軍事面でも経済面でもロシアよりずっと強力で、欧米がロシアと本気で敵対したら、ロシアに勝ち目はない。そんなことはロシアもわかっていて、冷戦終了後はロシアはかなり歩みよっていた。
その流れを変えたのはNATO側だと私は思う。おそらく決定的な事件は、コソボの独立だろう。NATOが親ロシアのセルビアに空爆を行い、強制的にセルビアからコソボの独立を認めさせた事件だ。軍事攻撃で中央政府を恫喝し、無理やり一地方の独立を認めさせる、というのは、第二次大戦以降ではコソボが初めてだ。コソボではNATO軍に保護された住民投票によって独立が決定したが、普通、一地方の住民投票では国家からの独立はできない。また、コソボでは多数民族と少数民族が激しく対立しており、セルビアから独立するという決定を、単純多数決で行うのはかなり疑問が残る。実際、少数民族は独立後に激減している。ロシアがクリミア地方にやったこととほぼ同じだと思う。ただ、米国主導のコソボの独立は、ロシアと違って、どの国からも経済制裁を受けることはなかったけどね。
同時期のNATO東方拡大と合わせると、たとえロシアが欧米のルールを尊重しながら融和路線を取ったとしても、欧米はルールを無視して軍事力を使いながらロシアの影響力をじわじわと奪い取ろうとしてくるに違いないとロシアが感じてもそれは妥当だと思う。ウクライナにNATO基地ができたら、例えば対中国包囲網とかでロシアと欧米の利害が対立した時、軍事力をちらつかせながらロシアに屈服をせまるのは容易に想定できる。
これは私の想像だが、西側諸国が安定しているとロシアにとってはろくなことにならない、とプーチンは考えているのではないか。それ以外に、サイバー攻撃などで米国の大統領選挙に介入する理由が思いつかない。世界最強の軍事力を持っている国を怒らせるリスクよりも、アメリカが安定して世界の警察官始めちゃうリスクのほうが高い、と思っているんだろう。アメリカは、ヨーロッパと違ってロシアと戦争になっても本土が戦場になることはないから、ロシアには強気一辺倒だ。負けることはないし、軍需産業でも復興でも儲かるしなあ。
そもそも、軍事同盟として米国と西欧を含むNATOは強力すぎて、周囲に脅威を与える。ロシアだけじゃなくて、イスラム諸国もNATOに対する警戒感は強いし、軍拡の理由になっている。本来の目的であるソビエト連邦は消滅したにもかかわらず、拡大を続け、NATOと全く関係のない他国(セルビア)を分割するために軍事介入した事例のある危険な組織だ。NATOの軍事をつかさどる参謀総長は常にアメリカ出身者が占めている。もし平和維持軍的な軍隊が世界に必要なら、それは国連を中心としたものであるべきだと思う。