はてなキーワード: 摘示とは
山口敬之の民事敗訴の件で刑事と違う結果になったがO.J.シンプソン事件とそっくりだ。
この事に混乱している人が見られるが、これは法の「仕様」上正常な動作なので少し説明したい。
まず、刑事事件で訴えられた者を「被告人」といい、民事事件では「被告」という。両者の混同も多い。
この刑事裁判では、被告人が有罪であると証明するのは全て検事(国)の責任だ。
更に「相当程度明らかに」まで証明しなきゃいけない。「どっちかというと有罪かな」という程度じゃ駄目なのだ。「こりゃほぼ間違いなく有罪だろ」ってぐらいじゃないと有罪にならないというのがルールなのである。
だから被告人としては検事の主張や事実の摘示に「疑いがある」程度まで崩せればいい。その場合は無罪判決となるというのがルールなのだ。
一方民事事件では請求(金払えとか広告掲載しろとか事実だと認定しろとか)にしろ、それへの被告の反駁にしろ、自分の利益、主張には自分方に証明責任がある。
相手方の主張に証拠を出して上手く説明できない場合は相手方の主張が通るのだ。
更に証明の程度は半分を超えていればいい。つまり「どっちかというと原/被告の方が正しいな」という程度で勝ち負けが決まるのである。つまり民事裁判は天秤掛けなのだ。
その為、自白の扱いも違う。
刑事では罪を認めた、警察検察が適示した犯行事実を認めた事が自白となる。
一方民事は「~~という主張がなされていますが認めますか?」と問われて「認めます(認諾という)」と答える事と、「主張を否認しなかった事」が自白となる。
認諾すると答える事も否認しない事も証明責任の放棄で同じ事だからだ。
刑事での黙秘は被告人の不利益にならないが、民事での黙秘は相手方の主張の全面的な認諾となるのである。
黙秘するって事は言いたくない可能性が高い。→「だからそれってやったって事だろ?」という推定をしてはいけないというのが黙秘権の権能の一つだ。
この黙秘により出来た「被告人の自白が無い」という穴を埋めるのも検事の責任だ。
またやっていないアリバイがある、止むを得なかったので情状酌量して欲しい、という主張まで放棄する事になる。
だからこの点まで黙秘してしまうのは被告人の不利益となるのは論を俟たない。
有名フットボールプレイヤーで俳優のO.J.シンプソンが恋人とその浮気相手を殺した事件でもOJは刑事で無罪になったが民事では殺人を認定され天文学的な賠償金支払を命じられる事になった。
・法廷で犯行現場に落ちていた手袋をOJの手にはめようとしたらきつくて入らなかった
すると「どうみてもOJが犯人だろ」という状況証拠しかなくなってしまう。この疑いが残る状態で有罪としてはいけないというのが法の精神なので無罪となったのである。
だが民事では「こいつヤッただろ」を覆すのも被告の責任であり、合理的疑いを生じさせただけじゃ駄目なのだ。
刑事と民事の証明責任の違いで、民事では天秤が傾いている方の勝ち、刑事では重い方が地面にぺったり付いてなくて少し浮いてゆらゆらさせれば被告人の勝ちなのである。
100kgの錘に対して101kgを用意して自分の手で天秤に持上げないといかんのが民事、0.5kgでちょっと浮かせりゃいいのが刑事だ。
この中間にある事例ではOJや山口敬之強姦事件の様な逆転が起こり得、それは法の仕様だ。
こうなっているのは無論刑事事件が国家vs.個人という特殊状態であり身柄の拘束もあり得、捜査能力も段違いだからである。
尚、国家vs.人でも行政訴訟は民事のルールに則っているので注意が必要だ。
また、刑事事件はニュースやドラマになりやすいが民事はそうではない。
その為司法に疎遠な人の間では刑事事件のモデルが想起されやすくアジェンダ化しやすいという特徴があり、はてなでもそれが顕著だ。
そもそも何故逮捕取りやめという介入があったかといえば、「証拠収集の放棄」の為だ。
日本の警察は自白偏重であり逮捕して自白調書をとろうとした。これを停止させれば決定的な証拠がなくなるから裁判所では有罪としにくいのである。
この為、無罪判決が出る可能性がある事件では起訴猶予とする事が一般的だ。
逮捕取止めはこれを狙ったものだ。本人自白調書が無い事件の公判維持は困難だ。こうする事で警察側から検察の行動を制御できる訳だ。
だがこれが昭和の検察ファッショを招いたと問題視したGHQは警察に一次捜査権を与えた。検察の管制からある程度独立で捜査する権能を警察に与え、検察の権能を限定化したのである。
それは汚職や検察ファッショを防御する為にそうしたのであり、こういう事をする為ではない。
起訴便宜主義と警察の一次捜査権の脆弱性を利用した悪質な制度ハックだ。
そしてこの事件で逮捕中止を命じた中村格氏は順調に出世して現在警察庁長官官房長であり年齢からしてまだ10年はキャリアの残りがある。
この事件は全世界でも報道されており、各国のメディアが注目しているのはこの政治的なスキャンダル性だ。
こういう有名事件のキーパーソンとして周知のトップの下で全国の警察官はこの先働くのだがどうすんのこれ?
・最高裁まで争うと安倍総理が任命した判事が居るから伊藤氏不利云々
最高裁が法廷を開く事件は限定されます。基本的に憲法判断が無いと審理しないと思ったほうがいい。
あと、人事権に注目した方がいい。
裁判所は内閣から人事権を独立させている。これは大変重要なことで、人事権を掌握されると無言の圧力で利害が誘導されるのです。
そして内閣人事局を設立しなきゃこの事件にしろ、内閣府の職員が公選法違反の有権者への飲食提供などに従事するなんて常識外れな行動も起こりえなかった。
だから裁判所の判断で「総理への忖度が~」とか言ってる人は人事権の問題を理解してないと思うよ。
因みに事件の事実が明らかでも不起訴となるケースは結構多い。特に強制わいせつと強姦では。
それはこれらでは謝罪と示談の成立があれば罪を課さない為に起訴猶予とする事が多いからで、このように被害者が争っているのに不起訴というのは異例というか相当に異常な事例と言って良い。
最後にマスコミへの不満なんだが、警察が空港で張っていた(そこへ逮捕中止の掛電)という事は、警察がTBSに聞き込みで社に発覚→TBSが降格人事で帰国命令→警察が帰国の日時を聞き出して逮捕状請求という流れがあったと見るのが自然だ。
なのにTBSはその事情を知っていたかをコメントしてないしマスコミも突っ込みいれて訊いていない。
更に山口敬之はTBS退社の理由を「韓国軍の慰安所取材のせい」と述べているのだが、実はこの退職理由を言う様になったのは夕刊フジがそのストーリーで韓国叩き記事を掲載した後なのだ。
「なんでそれ以前の説明と変ったのですか?」は意地悪な質問であろうがマスコミは訊いていない。
突っ込み力が足りないですよ。
本件記事は、福島第一原発の問題について、控訴人の振る舞いに起因して海水注入が中断されたこと及び控訴人の側近が海水注入が中断されたことを「試験注入」とごまかし、福島第一原発への海水注入が控訴人の指示に基づくものであるという嘘を流布したことについて、控訴人の政治的責任を追及する趣旨のものである。このことは、「菅総理の海水注入指示はでっち上げ上との見出しに続けて、リード部分で「福島第一原発問題で菅首相の唯一の英断と言われている「3月12日の海水注入の指示。」が、実は全くのでっち上げである事が明らかになりました。」と記述していることからも明らかである。
そして、本件記事が摘示する事実は、①3月12日の福島第一原発への海水注入が控訴人の指示に基づくものであるという控訴人側近の発表が虚偽であったこと、②東京電力は同日午後7時4分に福島第一原発に海水注入を開始したこと、③東京電力は、海水注入と同時に、官邸にその旨を報告したこと、④控訴人が、「俺は聞いていない!」と激怒したこと、⑤官邸から東京電力への電話により、午後7時25分海水注入が中断されたこと、⑥実務者、識者が控訴人を説得したため、午後8時20分に海水注入が再開されたこと、⑦控訴人側近は、午後7時4分に開始された海水注入を「試験注入」と称して、午後7時25分に海水注入が中断されたことをごまかし、福島第一原発への海水注入は控訴人の指示に基づくものであるという嘘を新聞、テレピ等のマスコミに発表したことであり、それ以外の部分は、被控訴人の意見ないし論評を表明したものである。
さて、お望みの被控訴人の主張だが。
どこに「虚偽をばら撒きました」と書いてあるんだ?
そこまでならOKだが、増田に記載された アプリ も Twitter垢 も 事務所も 弁護士も それぞれ実在する。
わかっているのは、公開裁判前であり、真偽が不明ということである。
真偽不明な状態で公人ではない人物を祭の道具にするのはよろしくないよね? ・・・という事で「はてな」の運営にご連絡。
通常、ご指摘いただきましたような第三者を摘示しての記述について、その言及理由が、その業務活動、
公的な投稿や発言などに関する問題を摘示するものであり、さらに、法人などの公開情報を掲載している場合、
必ずしもプライバシー侵害には相当しませんので、はてな匿名ダイアリー以外のサービスにおいては、
また、はてな匿名ダイアリーでは、当事者からの削除依頼がありました場合に削除対象としています。
・いや内容の確認は出来てるじゃん?
・そもそもログを取らないサービスってあり得るの?(無いです)
・増田 から はてなblog に移せば良い(anond:20190220212202)という問題でもないよね?
・anond:20190129181517 は完全な別件。実在する住所物件、公人ではない実在するかは不明の人物名(フルネーム)を記載し、ここに住んでいる人たちが不安になるような不穏なことを記載した
http://b.hatena.ne.jp/entry/s/yowai-otoko.hatenablog.com/entry/2019/02/20/210633
http://b.hatena.ne.jp/entry/s/anond.hatelabo.jp/20190220192222
anond:20190220212202 anond:20190220224036 anond:20190221002736 anond:20190221004224 anond:20190221010921 anond:20190221050338 anond:20190221102553 anond:20190221105021 anond:20190221135445 anond:20190221140426 anond:20190221141419 anond:20190221152045 anond:20190221175153 anond:20190221181004
IT部門の苦悩(14):日本企業の「トヨタシンドローム」がITの有効活用を阻む
http://b.hatena.ne.jp/entry/s/japan.zdnet.com/article/35125411/
これ系のコメが多いけど、記事全文を読んだ私の感想とはあまりに違いすぎて驚いた
この記事の要点をまとめると
「金も知恵も出さずに、一流企業並の結果だけ求める三流経営者と、現場信仰の強い組織風土が、IT導入を失敗させる原因」となる
そのダメっぷりを摘示しながら、彼らのベンチマークになっている存在、という文脈でトヨタの名が登場する
組織的な基盤の違いを鑑みずに、トヨタの猿真似を強いる三流中小企業のダメっぷりについて述べた記事であって
トヨタの現場主義も、トヨタのIT管理も批判の対象には実はなってない
"経営の立場からは、限界を突破しろということなのだろう。トヨタ自動車は、世界でも最高峰の強力な企業集団である。そして、実は膨大な費用をITに使って、物量でも圧倒できる存在でもある。一人ひとりの強さの裏打ちは、組織全体としての強さと両輪である。しかし、トヨタ自動車に感化された経営者には、こうした強い組織や巨大な調達力を持っている企業と同じことを、そばにおいて考える人も結構多い。日本最高、世界トップクラスの企業と同じような考え方や仕事のやり方を、普通の日本企業においても実現しろと指示が飛ぶことがあるのだ"(原文まま)
これだけはっきりと「トヨタ自体は批判してない」「その猿真似をする経営者の身の丈に合わない導入戦略の稚拙さ」を嘆いていることが書かれてあるのに
なぜか「的外れなトヨタ批判」と怒るブクマカが多数となったのだ
一体どこをどう読んだら、そうした思考に至れるのか、私にはさっぱり分からない
頭の良い人いましたら解説してください
https://anond.hatelabo.jp/20180331092025
まず論点は「未必の故意の有無」ではない。たぶん誰かに吹き込まれたんだろうが、問題はそこではない。
問題は、”塩入り偽装肥料袋を盗まれそうな位置に置いておく”行為が刑法(および特別法)に定める犯罪類型の実行行為に該当するかどうかだ。
特別法は調べないと分からないが、刑法で言えば器物損壊罪(261条)だろうか(自信なし)。だが、どの犯罪類型かにかかわらず、上記行為は犯罪の実行行為に該当しない。
というのも、実行行為に該当すると言えるには、当該行為に法益侵害の現実的危険性が含まれることが必要だからだ。”塩入り偽装肥料袋を盗まれそうな位置に置い”ただけでは、”ほとんどの野菜が育たなくなる”という法益侵害結果は惹起される危険性は低い。
”ほとんどの野菜が育たなくなる”のは、あくまで上記行為の後に、①肥料どろぼうが塩入り偽装肥料袋を盗んでいき、②それを自分の土地に撒くからだ。上記行為自体には”ほとんどの野菜が育たなくなる”危険性はない。
ということで、増田の行為は犯罪の実行行為に当らない。実行行為に当らない以上処罰規定の適用がない。処罰規定の適用がない以上、犯罪は成立しない。
*追記(ブコメ返信)
id:kido_ari 被害者の行為が介在すること自体は実行行為性を否定する理由にはならないのでは。(実行行為性があることを前提に正当防衛の成否が問題となる教室事例としての)泥棒対策の忍び返しの設置と似たようなものでしょ。
「被害者の行為が介在すること」を理由に「実行行為性を否定」しているわけではない。”ほとんどの野菜が育たなくなる”という結果が生じる危険性が、”塩入り偽装肥料袋を盗まれそうな位置に置いておく”行為自体には含まれない(もしくはきわめて低い)と言っている。
後半についても、もし仮に「『忍び返しの設置と似たようなもの』だから本件でも実行行為性が認められるべき」との議論であれば、法律論になっていない。実行行為性を認めるとの立場ならば、法益侵害惹起の危険性を基礎づける事実を摘示・評価していただきたい。
原爆は例え話なので「規模の違い」とか「具体的な損害の多寡」を直接比較することに意味はない。
「猫に小判だ」と言われて「いや俺猫じゃねーし人間だし」という反論がどれだけナンセンスかはわかるだろう。そちらのほうが「詭弁」である。
いいかい、共通する性質を持つがほかの条件は違うようなことがらを二つ以上並べて、その共通する性質をわかりやすく摘示してみせるのが例え話だ。
この場合の共通する性質とは「結果は手段を正当化しない」ということで、条件の違いは規模や場面だ。対比のためにわざと原爆投下という極端に条件の違う例を引き合いに出している。
例えば(例え話ばかりで恐縮だが)同じ足し算であれば100+100でも100万+100万でも性質は変わらない。つまり規模は関係ない。
じゃあ君のために噛み砕いてエッセンスだけを書くからちょっと冷静に読んでよ。
A.正しい結果は出たものの、その手段は正しいとは言えなかった
このふたつの違いがわかるかな?
Aは結果と手段をそれぞれ別々に評価し、妥当性を吟味している。
一方、Bは手段単体では評価をせず、結果ゆえに正、としている。
今、Bという主張をそこらじゅうで見る。現にこうなったじゃん、だからあれでよかったんだよ、と。メディアまでが(インタビュイーの口を借りるというやり方で)この主張をしている。
たしかにこういう結果になった。バニラは対応を改めたし、世間には障害者の生きづらさをあらためて広く知らしめることにもなった。いい結果を残せたと思う。
しかし結果は結果として、それとは別に、あのやりかたはよかったの? 社会通念に照らしたとき、市民運動のデモンストレーション手法として許容範囲だったの? 航空機の客としてOK? NG?
繰り返すが、出た結果の良し悪しと、選んだ手段の良し悪しは、個別に評価すべきである。
悪者を捕まえられるからといっておとり捜査はしちゃダメよ、とか、違法に入手した証拠は裁判では採用しないよ、とかと、まあちょっと違うが、同じ理屈である。
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はてなブックマーク - バニラ・エアに声をあげた障害者に「クレーマー」、広がるバッシングに疑問の声
id:(略)←無知 「公共の交通機関を提供している航空会社であれば、身体に障がいのある乗客に対し、身体の状況を事前に告知すべきことを要求することはできない」https://twitter.com/ktgohan/status/880081514070892544
はてなブックマーク - 車いすで飛行機に乗る時は | いすみ鉄道 社長ブログ
貴方敗訴します「公共の交通機関を提供している航空会社であれば、身体に障がいのある乗客に対し、身体の状況を事前に告知すべきことを要求することはできないところではある」https://twitter.com/ktgohan/status/880081514070892544
https://twitter.com/ktgohan/status/880081514070892544
あとになって見つけましたが、「公共の交通機関を提供している航空会社であれば、身体に障がいのある乗客に対し、身体の状況を事前に告知すべきことを要求することはできないところではある」(大阪高裁平19(ネ)2425、判例時報2024p20)との判例があり、本来の原則はこちらです。
これなん?
http://ci.nii.ac.jp/els/contentscinii_20170629092629.pdf?id=ART0009677741
判例の引き方を知らないから孫引きで長いから流し読みで略しまくりだけど。
(略) ⑵ 本件に至る経緯 ① 原告は、平成15年7月30日から同年8月 4日までの日程でタイ王国(バンコク)へ の旅行を計画した。 (略) ② 原告は、前記の予約に際して、両上肢及 び両下肢に障害があって車椅子を使用する こと、言語障害があること、同行者はなく 単独搭乗を予定していることを旅行会社に 伝えず、そのため、被告はこれらの情報を 当日まで知らなかった。 (略) ④ 同日午前8時50分ころ、被告の日本支社 関西国際空港支店空港カスタマーサービ ス部長である E は、原告及び B らに対し、 原告は介助者の同行がなければ搭乗するこ とができない旨告げるとともに、その理由 として、原告に言語障害があり、意思の疎 通がスムースにできないこと、上肢及び下 肢に障害があることを挙げた。 B らは E に対し、搭乗拒否の理由につ いて具体的な説明を求めるとともに、原告 の状態を説明するなどして単独搭乗を認め るよう要望したものの、E は原告の単独搭 乗を認めず、結局、原告はSQ973便に搭 乗することができなかった。 (略) 神戸地裁尼崎支部平成19年8月9日で は、航空会社である被告が原告の単独搭乗 を拒否したことについて、原告が、本件搭 乗拒否は旅客運送契約上の債務不履行であ り、かつ、公序良俗に反する不法行為であ るとして、被告に対して慰謝料等を請求し た事案において、原告には、身体を抱えて 移動させるとともに、緊急脱出を円滑に行 うという客室乗務員にとって対応困難な援 助が必要であるから、原告の身体の状態は、 本件規定の安全上の理由があることが認め られ、被告が原告のこのような身体の状態 を知ったのは、本件飛行便の出発約2時間 前であるから、被告において、原告の身体 の状態を考慮した人的、物的な対応を期待 するのも無理な状況であったと認定し、被 告従業員による留保解除権の行使によって 原告の単独搭乗を拒否したことは、本件規 定に基づく正当なものであるとして、原告 の請求を棄却した。そこで原告は、一審判 決を不服として控訴した。
2 大阪高裁平成20年5月29日(控訴棄 却・確定) (略) ⑴ 被控訴人の債務不履行の有無について 公共の交通機関を提供している航空会社 であれば、身体に障害のある乗客に対し、 身体の状況を事前に告知すべきことを要求 することはできないところではあるけれど も、前記認定の控訴人の身体の障害の状 態、動作の実情、これまで航空機に搭乗し た経験等の諸事実に照らすと、時間的余裕 を持って上記の諸事実が被控訴人に知らさ れていれば、控訴人が単独搭乗することに ついて必要とされる介助や緊急時の援助態 勢に関する検討をすることは十分可能であ り、それによって、被控訴人が控訴人の安 全確保に関する不安を払拭できたのではな いかと推測することができる。 しかし、E は、控訴人に対し、D からの 前記報告以外に、その情報を一切知らされ ていなかったために、SQ973便の搭乗手 続直前の段階における D からの情報に基 づいて、前記の検討をした結果、上記のと おり控訴人に対する介助や緊急時における 控訴人に対する援助態勢について不安を持 ち、介助者の同行を求めるという極めて慎 重な態度をとったものであるが、限られた 情報と時間的余裕のない中で、E の取った 対応が、航空会社として不合理に過ぎる判 断であったとまでは言い難いものである。 以上の点を考え合わせるならば、身体に 障害のある人の積極的な社会参加、そのた めの移動の自由の確保及び旅客航空機の社 会的役割に着目し、客室乗務員が乗客に対 し、これまでに述べた意味での適切な援助 を提供すべきであること等を考慮してもな お、E が留保解約権を行使して、控訴人に 対する本件搭乗拒否に及んだことが、当該 時点において E が認識していた事実関係 のもとでは、不合理であったとまではいう ことはできない。 したがって、本件搭乗拒否が E の故意・ 過失による違法な判断に基づくものとし て、被控訴人に対し、その債務不履行責任 を問うことまではできないと言わざるを得 ない。 ⑵ 本件搭乗拒否が公序良俗に反するとして 被控訴人に不法行為責任が生じるか否か) について 上記の事案の概要等で摘示した本件搭乗 拒否に至った事情及び判断に記載のとお り、E は、控訴人の前記身体の状況や外観 によって控訴人を差別的に取扱い本件搭乗 拒否に及んだものではなく、控訴人につい ての限られた情報と時間的余裕のない中 で、控訴人には単独搭乗を拒否できる前記 特別の援助が必要との判断に基づき本件搭 乗拒否に及んだものであって、このことが 公序良俗に反するとまでは言えず、本件搭 乗拒否について、被控訴人に不法行為責任 を問うことはできない。 ⑶ 以上のとおりであるから、原判決は結論 において相当であり、本件控訴は理由がな い。よって、主文のとおり判決する。
これ同じやつかな。
することはできないところではあるけれど
全確保に関する不安を払拭できたのではな
いかと推測することができる。
https://twitter.com/ktgohan/status/880081514070892544
で言われてる原則のあとに「けれども」つってなんか色々続いてるけど。
以下は論旨全体への反論というよりは事実誤認の摘示(むしろ論旨全体には賛成の立場)
・著者への尊重はない(そもそも目的外使用の許可も取ったことはない)
→→・著作権32条の条文そのものより判例法のほうが現在の主流。文化庁HPで「地の文の目的を補強する目的でやむを得ず(だらだら長く引用しない)」「原典しっかりかく」など3項目あげられているので読んで。
・AIに判定させるデータに使うのはそれは鑑賞なり解釈しようとした上の「引用」どころか加工、「改変」なのでは。
→この場合は同一性保持権を定めた著作権法20条2項3号(電子計算機での利用)または同3号(利用の目的または態様に照らしやむを得ない改変)が適用される余地がある。
→→引用32条とは別個の条文であり合法か否かの基準がそれぞれ異なっています、条文解説よく読んで。元増田は32条にこだわっているので書きました(32条条文だけみて「はいはいあてはまる」としてしまってはおい、プライバシー権は?っていうところに話がおよばないためにこの長文を書いています)。ていうか著作権法自体が、2条1号よめばデータベースが著作物に入るわけないのに十の三でやっぱり入るワとしているなど、矛盾の多い条文。つぎはぎパッチだらけ。立法趣旨をよむと20条などはグーグルなど検索サイトのキャッシュやサムネイルやスニペット(短文引用)などのことである。ネットからみると全部バラッバラにちらばっていて背骨がないのが著作権法。判例法で通常と異なる言葉の意味から(レコードにはCDやmp3を含むんだなとか)いちいち解釈し判断していかないといけない。
・「幼稚園児の書いた母の日の絵を、(勝手に持ってきて)保護者の肥満認定に使う」
→このたとえ自体は適切だし、このケースは確実にプライバシー権が上回る。
ただ、今回の論文のケースでは、少なくとも当該論文だけでは著者のプライバシーは一切明らかにならない点にある。
だって、IDと文章だけでは、その人の氏名も住所も容貌も、その人を特定する情報は何一つ明らかにならないのだから。
たとえ幼児のものであっても似顔絵として身体的特徴を描いた絵画とは根本的に異なる。
逆に言うと、あの論文に書かれており、URLをたどったpixivだけの情報で、それらがわかるというなら、どうしてわかるのか教えて欲しい。
なお、作者自身がプロフィール欄やその他のSNSで自分の個人情報をダダ漏れにしている場合はその限りでないし、そんなプライバシー情報に対する侵害のハードルは高くなるのは当然。
→→文体と「マストドンあたりがあやしい」とのわずかな情報で必死で御隠れになった神をおいかけなければならない信者の立場になってください、というわけで即売会に出ている人なら一発(ピクシブに即売会でうちのブースに来てくれという広告的な情報を載せる人が多い。当然、ペンネームをある程度の期間に一貫させておくことが創作活動や創作スタンス表明の基本になる)。ペンネームだとかピクシブ限定というところにこだわっているが(ふつう会員同士でなければ見れない情報とかはいざさらしにあった幼稚園の母親にだって意味がないなぐさめ。興味本位でたどり着かれる可能性があるというだけで恐怖です)、ネットにはもっとひどいことに特定班というのがいるわけです。http://dic.nicovideo.jp/a/%E7%89%B9%E5%AE%9A%E5%8E%A8 コミュニケーションってのはすべてが善意前提で成り立ってる世界です。あの人に伝えたい、なんならもっと多数の人にもみてもらってよい、という意志から、隠れたいという意志に代わるきっかけをもたらした罪は大きい。法的にも問題ないしここならさらに問題ないだろう、とおもって「都条例ではわいせつでない」ものを公表しておいてこのありさまですから、油断していたとの反動でとにかく消しまくっているかもしれません。マイピク限定にしていたってツイッターに鍵をかけていたって、結局は無駄だった、というのは唐澤弁護士だって引っかかった罠だと思います。
http://dic.nicovideo.jp/a/%E5%94%90%E6%BE%A4%E8%B2%B4%E6%B4%8B
あとプライバシー権でいう個人情報は個人情報保護法の個人情報とも、また、著作権でいうペンネームhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%9F%E5%90%8D%E3%81%AE%E7%99%BB%E9%8C%B2 とも当然異なる可能性がある。なんたって、プライバシー権こそ判例法しかないんだから。ブブカ事件とかピンクレディー事件では芸名でちゃんと議論されてたと思うよ。
以下は論旨全体への反論というよりは事実誤認の摘示(むしろ論旨全体には賛成の立場)
この場合は同一性保持権を定めた著作権法20条2項3号(電子計算機での利用)または同3号(利用の目的または態様に照らしやむを得ない改変)が適用される余地がある。
このたとえ自体は適切だし、このケースは確実にプライバシー権が上回る。
ただ、今回の論文のケースでは、少なくとも当該論文だけでは著者のプライバシーは一切明らかにならない点にある。
だって、IDと文章だけでは、その人の氏名も住所も容貌も、その人を特定する情報は何一つ明らかにならないのだから。
たとえ幼児のものであっても似顔絵として身体的特徴を描いた絵画とは根本的に異なる。
逆に言うと、あの論文に書かれており、URLをたどったpixivだけの情報で、それらがわかるというなら、どうしてわかるのか教えて欲しい。
なお、作者自身がプロフィール欄やその他のSNSで自分の個人情報をダダ漏れにしている場合はその限りでないし、そんなプライバシー情報に対する侵害のハードルは高くなるのは当然。
岩崎 啓眞 氏のFacebook の 12/17の投稿で判決がでたっぽい感じの書き込みがあります。
https://www.facebook.com/hiromasa.iwasaki/posts/1316633058378308?pnref=story
元 Appbank Games社長の宮川義之が書いたブログ記事について、発信者情報開示等の裁判手続において名誉毀損などが認定された。
== 引用開始 ==
まず,本件記事は,講演者である原告の実名が記載されたセミナーの記事を引用した上で,原告のイニシャル「Iさん」を用いて原告を特定し,「lさんの水増し経歴…(中略)… 一つとして人並みのことをするつもりがないのが本性」と摘示している。この摘示は,一般の閲覧者の普通の注意と読み方を基準にすれば…(中略)…本件投稿は,原告の社会的評価を下げるものとして,名誉毀損に当たるというべきである。
また,「なぜうんこを踏むのか水増し経歴といううんこ」という表現は,原告へのいわゆる侮蔑表現であり,そこに本件発信者の自戒の念を読み取ることは困難である。そして,甲7から11及び弁論の全趣旨によれば,本件記事は真実であるとは認められず,ほかに本件記事につき違法性阻却事由の存在をうかがわせる事情は存在しない。
したがって,本件記事は原告の名誉を毀損するものというべきである。
== 引用終了 ==
簡単にまとめると、
・2015/10/19に宮川が書いたブログは名誉毀損に該当する。
・内容は事実とは認められない。
・慰謝料の支払い
ということになった。
あわせて、元 Appbank Games社長の hotmiyacchiの日記 を見ると
http://hotmiyacchi.hatenablog.com/entry/2016/12/17/184610
何をもって終結というのか?というのはあるけれど、これで Iさん=岩崎 啓眞 氏で、さらに裁判上で名誉毀損が認定されたみたい。
あと、当該記事もちゃんと消えています。 http://hotmiyacchi.hatenablog.com/entry/2015/10/19/105940
これらの事実から、たぶん裁判があったのは間違いっぽい。でも少し気になるところがあったので並べておきます。
発信者情報開示の相手方は通常はプロバイダやサービス提供者で、今回の場合は誹謗中傷記事がはてなブログに書かれてたから、株式会社はてなを訴えることになる。普通は匿名掲示板(2ch等)へ匿名で書き込まれる→発信者情報開示→本人名が分かる→本人へ損害賠償・削除請求といった手順だと思われます。この辺は、岩崎氏も弁護士まかせでしょうし、単に勘違いなのかも。
端的に言えば、ネットに掲載した内容で誰かの社会的評価を下げたら名誉毀損が成立します。「Aさんは借金まみれで、会社にも借金取りが来た」というのが客観的にも証明できる事実であっても、それをネットに掲載すると、名誉毀損が成立しうるはずです。
・本件投稿は,原告の社会的評価を下げるものとして,名誉毀損に当たるというべきである
・本件記事は真実であるとは認められず,ほかに本件記事につき違法性阻却事由の存在をうかがわせる事情は存在しない。
とあります。わざわざ投稿と記事を分けているのがちょっと分かりませんが、中略が多い文章なので推測にすぎませんが、記事自体ではなく記事を投稿する行為=本件投稿について名誉毀損が認定されたのでしょうか?多分、2つのブログポストについて争いがあったというわけではないと思います。(それなら本件投稿1, 2 とかなる)
もう一つの可能性は、本件投稿=ブログポスト全体、本件記事=ブログポストのある段落、ということ。なぜかというと、元 Appbank Games社長の投稿中には「Iさんがサイドビジネスのために会社を休んだ」ような趣旨の記述があって、この部分に限ればふつうに立証出来たはずで、「真実とは認められない」とはならないはず。あと上の判決文でも「本件記事」の文章はすべて水増し経歴にかかる文章なので、「本件記事」は水増し経歴についての段落のことなのかなぁ?
このへん、判決文の一部しか出ていないので、投稿全部が「真実とは認められない」のか、一部がそうなのかわからないです。ただ、投稿全体はふつうに名誉毀損にあたりますよねー。
・Iさん事件については記事内容が真実でないか、すくなくとも元 Appbank Games社長は記事内容を立証できなかったみたい。
→ ネット上で他人を批判する時は、少なくとも事実と証する証拠があるときだけにすべき
→ そもそも、実際に会社の勤務態度が悪く証拠があっとしても、そのことをネットに書くと、名誉毀損になる可能性が高い。「公然と〜」が成立しない在籍企業あてのメールでも、民事上の責任はある。
・FBの最後にこんな風に書いてあって、この投稿も訴えられるかもとこわい><
先に男根のメタファーなるものが話題になったが、それでは男根の直喩とはなんだろうか、という疑問が呈された。
考えてみると、画像や映像で「メタファー(隠喩)」という表現は使われるのに直喩はみない。それはどうしてだろうか? また男根の直喩はありうるのか? その場合はどういうものがそれに相当するのか?
比喩とは、異なる2つのものを性質の共通性によって連想(類推)させ、結びつけるものである。
それゆえ比喩は比喩対象(=比喩されるもの。「被比喩物」)、比喩しているもの(比喩対象以外のものであることを要する。「比喩物」)、両者の性質の共通の3点を満たす必要がある(以上を「比喩要件」と呼ぶことにする)。
してみると、隠喩は比喩要件を最小限に満たしたもの、直喩はそれに加えて比喩性を明示したことをいう、と考えられる。
ところで比喩であることを明らかにするには「ようだ」など、比喩性を直接に明示する文言を使うことが一般的である。
辞書の定義には「ようだ」「ごとし」「似たり」などの比喩を表す文言を用いたもの、とまで書くものもある(広辞苑など)。
しかしそれ以外の方法で比喩性を明らかにすることが妨げられないのではないか。比喩であることが明らかなもの、という定義も存在する。大体にして「などの比喩を表す文言」という定義自体、曖昧であり却って議論を混乱させる。本質としては比喩であることが明示されているか否かが重要だろう。
そこで、凡そ一般に比喩性を明らかにすれば、直喩が成立すると考える。
比喩性は比喩要件を満たせば認められるが、同時に我々は比喩要件を満たした表現を見ると、それを比喩であると認識する。
この観点に立つと「ようだ」「ごとし」「似たり」などの文言を使う方法は、比喩要件充足を包括的に示す方法と言える。
それでは「明示」とは何を意味するのか。
これは、受け手に高い蓋然性を以って<上記の比喩性=比喩要件充足を伝えようとしていること>が理解されるものと考える。
まず比喩要件を各個に検討し摘示するような表現が考えられる。比喩要件を各個に検討し摘示する表現はかなり不自然な表現であるから、<上記の比喩性=比喩要件充足を伝えようとしていること>が理解される。すなわち、比喩要件充足が明示された、と言える。拙い例で申し訳ないが「あの子は虎だね。強くて大きくて五月蠅いが、それでいて可愛げがある」などの言い方を例にしたい。最初の文単独で見れば隠喩のように見えるが、しかしこの文章全体からしてこの言い回しは直喩である、ということになる。本来受け手の側で「発見」される(後述)性質の共通性をわざわざ述べる不自然さが比喩性を明示するのである。
しかし方法はそれだけか。私はほかに「比喩するものの存在の明示すること、及び比喩対象(被比喩物)の存在が特定できるほどに明確に共通の性質を示す」という方法でも可能ではないかと考える。何故ならそれにより結局比喩物、被比喩物、共通の性質が明示され、比喩要件充足及び比喩要件充足を示そうとしていることが高度の蓋然性を以って理解される、と思うからである。
(またこのほかに、そもそも被比喩物を模したことが公知の事実となっている比喩物というものもある。男根と張型の関係はこれに当たろう)
さて後者の「その他の方法」をわざわざ提示するにはそれなりの理由がある。これは、言語表現以外で比喩性という一種の関係を伝えることには困難が伴うと考えるからである。
詳述するとこういうことである。画像や映像における「メタファー(隠喩)」は言語表現とは異なる。言語表現においてメタファーは比喩物と被比喩物を示し、共通性は読者が発見するという形を採る。なぜ読者がわざわざ発見するのかと言うと、それは比喩物と被比喩物がズレているのにも拘らず、同一性を示す言い回し(AはBだ、が典型)が使われるからである。
映像では被比喩物が示されず、ただ比喩物のみが存在するという場合がある。その代わり、比喩物と被比喩物の関係は共通性が見出しやすいものとなっている。それは同一性に気付く手がかりがないからそのように設定して用いざるを得ないところもあるが、画像や映像は情報量が多いため、共通の性質を見出すことが容易であることも大きな理由であろう。
こういう性質を持つがゆえに、画像や映像において「~のメタファー」なるものは見いだせるのに、直喩は見いだせないのである。しかし、先に示した直喩の考え方によるならば、画像や映像においても辛うじて直喩は認め得るのではないか。映像や画像であれば、似たものを並べれば、それは比喩物、被比喩物、共通の性質を同時に示したことになり、これは「各個の明示」に近い。
またそうでなくとも「その他の方法」によることも可能である。例えば動作を含めれば、共通の性質がより鮮明に打ち出され、それにより被比喩物が特定されるだろう。画像・映像表現ではこちらが使いやすいのではないかとも思われる。
以上より、画像や映像における直喩は成立しうる。そして如上の直喩概念によるならば、男根の直喩とは、例えば次のようなものが考えられる。
張型(物自体)
http://matome.naver.jp/odai/2144753442305118301
鋼兵さんとKUNさんのやり取り(今までの経緯知ってる人用)
鋼兵氏、KUN氏の動画の通報示唆【鋼兵×KUNの今までの経緯知ってる人用】
鋼兵さんがKUNさんの生放送にコメントした証拠を自分で手に入れる方法
http://anond.hatelabo.jp/20151114122143
http://j-net21.smrj.go.jp/well/law/column/1_14.html
http://j-net21.smrj.go.jp/well/law/column/2_12.html
http://j-net21.smrj.go.jp/well/law/column/3_8.html
名誉棄損罪は人間に対して社会が与える評価を害されることによって成立する。
ただし刑法230条2項により、
問題の発言が事実である証明があった場合は名誉棄損は成立しない。
ハンドルネームに対する社会的評価・経済的価値は、具体的な本人特定の可否で異なる。
具体的な本人特定ができる場合は、名誉棄損には異論は発生しずらいが、
なぜなら、ネットの世界で社会的評価が低下した場合であっても、
また「プロバイダが調べれば特定できる」というようなレベルでは特定のうちには入らない。
以上の事から、網浜が現実世界での社会的評価を害されたと主張しない限り、
http://j-net21.smrj.go.jp/well/law/column/2_21.html
http://www.cric.or.jp/qa/hajime/hajime2.html
他人の著名な商品等の表示と同一・類似のものを、自己の商品等の表示として使用等する事は著名表示冒用行為(不正競争防止法2条1項2号)となる。
もしハンドルネームと顔文字が「著名な商品」として認められた場合、
さらにKUNが網浜に事前にハンドルネームの使用の許諾を得た事が無効と認められれば成立すると思われる。
おそらく、ハンドルネームと顔文字が商標登録されているかどうかが分かれ目。
ハンドルネームと顔文字が著作物として認められる場合は、著作者人格権が行使できる。
そうなった場合、同一性保持権により後から許諾を取り消すことができ、
著作権侵害を訴えることができるようになる。
そのため、ハンドルネームと顔文字が著作物として認められるかが分かれ目。
網浜が法的手段に出るとすれば、ハンドルネームの商標権をめぐる動画への申し立てになると思われる。
網浜側は現実世界での社会的評価の損失と商標・著作権の侵害の証拠をかき集め、
KUN側は網浜のネット上に留めた反撃を狙うのが得策と思われる。
現在、網浜側はKUN側への反撃にノリノリであり、KUN側は網浜を攻撃する理由が生まれたので今まで以上の活動を期待できる。
しかし、法的措置により裁判沙汰になった場合、流れが失速し、網浜が情報戦で有利になる可能性もある。
そのため、今後は持久戦となるだろう。
これ読んで
久谷女子様の件で弁護士さんに相談してきました。泣き寝入りします。 - 一人暮らし・フリーターでも30歳までに1000万貯蓄出来たアンビバレント女々がはてなユーザーの力を借りて高学歴になるブログ。
さすがに可哀想だなと思ったので、id:mememememitiが泣き寝入りせずに済む方法がないかと調べてみた。
まあ女々氏は法律相談に行っているらしいので、私が調べる必要もないかも知れないが。久谷女子に弱い者いじめの勝ち逃げをさせたくなかったので。
『名誉毀損』でひたすらググったところ、次のようなサイトを発見した。
インターネットと名誉毀損、プライバシー (LastUpdate2006.5.15): 弁護士梅村陽一郎のブログ(千葉県弁護士会所属)
名誉毀損についての解説は以下。
公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。
条文上、名誉毀損罪が成立するためには、次の要件を満たす必要があります。
「公然」
不特定または多数人の認識しうる状態をいいます。数名でも「多数」に当たる場合があります。ホームページの場合、多数の者の閲覧が可能ですから、「公然」に当たります。また、メールの場合であっても、数名の者に送信すれば、「公然」に当たります。
具体的に人の社会的評価を低下させるに足りる事実を告げることをいいます。
ここにいう事実は、抽象的事実では足りず、具体的事実でなければなりません。価値判断や評価だけでは具体的事実とはいえません。たとえば、ホームページ上で、ある人物を「あほ」「ばか」「税金泥棒」としただけでは、抽象的事実にとどまり、具体的事実ではありませんので、この要件を充たしません。ただし侮辱罪の成立する可能性があります。
そして名誉毀損に関する実際の事例も載っていた。
平成9年10月、女性の氏名と電話番号、異性を誘うかのようなみだらな文書をホームページ上に書き込んだ秋田の石材工が名誉毀損罪の容疑で逮捕されましたが、秋田区検は同年11月19日、この石材工を侮辱罪で秋田簡易裁判所に略式起訴しました。秋田簡裁は同日、科料9900円の支払いをこの石材工に命じました。
平成9年11月、電子掲示板に知人の女性の名前と電話番号とともに「失楽園して」などと、この女性が不倫を望んでいるかのような内容の文書を掲載した者が、名誉毀損罪で逮捕されましたが、同年12月、侮辱罪で東京簡易裁判所に略式起訴されました。
平成11年1月、ホームページを開設している者が、有料会員に配信したメールに、数人の女性の氏名・住所・電話番号・年齢、さらに性的な文言を記載したため、名誉毀損罪の容疑で千葉県警に逮捕され、同年2月、千葉地方裁判所に名誉毀損罪で起訴されました。同年3月29日、名誉毀損罪で懲役1年・執行猶予3年の判決がでています。なお、情報を提供した者2名も起訴され、1名については、懲役1年・執行猶予3年、もう1名については、懲役1年・執行猶予4年の判決がでています。
……あれ?
これ、名誉毀損で警察に被害届を出せば、女々、普通に勝てるんじゃね?
少なくとも久谷女子が女々の言動を『妄想』と書き立て、その同人誌を複数の人間に配布した事は、上記の事例に負けず劣らず酷い名誉毀損であると思う。
そんなわけでアンビバレント女々氏は、
従来、金銭の支払いに関わるトラブルの解決法の一つとして、裁判で債務の確認と支払い、強制執行権の付託を求めて争った。しかし、訴訟金額が少額である場合、例えば
などでは、わざわざ裁判に持ち込むには、時間の面や費用の面で見合わず、結局、泣き寝入りせざるをえなくなる。そこで、少額の金銭のトラブルに限って、訴訟費用を抑え、また、迅速に審理を行う制度として設けられた。
……あれ?
これ、たかだか五千円のホテル代を返さないオチューン相手にぴったりのやり方じゃね?
・1回の期日で審理を終えて判決をすることを原則とする,特別な訴訟手続です。
・60万円以下の金銭の支払を求める場合に限り,利用することができます。
・原告の言い分が認められる場合でも,分割払,支払猶予,遅延損害金免除の判決がされることがあります。
・訴訟の途中で話合いにより解決することもできます(これを「和解」といいます。)。
・判決書又は和解の内容が記載された和解調書に基づき,強制執行を申し立てることができます(少額訴訟の判決や和解調書等については,判決等をした簡易裁判所においても金銭債権(給料,預金等)に対する強制執行(少額訴訟債権執行)を申し立てることができます。)。
これオチューンが欠席裁判したら自然に勝っちゃうよね? 問答無用でお金取り返せるよね?
と言うか、オチューンがいつまでもダンマリで金返さないのが元凶なんだから、少額訴訟起こしさえすれば解決じゃね?
そんな訳でアンビバレント女々氏は
色々と書きましたが、女々氏の心身恙無きことを祈ります
宇奈月温泉亊件スルコトハ明カニ所有權侵害ノ不法行爲ニシテ反社會性ノ行爲ナルコト論ヲ俟タス法律的秩序ヲ紊亂シ須臾モ存在セシムヘキモノニ非ス宜シク之レヲ排撃シ不法行爲ナカラシメ所有權ヲ圓滿ナル状態ニ囘復セシムヘキコトハ正義ノ命スル処ナリ之レカ不法行爲ニ忍從シ其ノ不法ヲ恣ニセシムヘキ義務アルコトナシ而シテ原判決ハ引湯管ノ敷設ニヨリ多大ノ便益ヲ得ツツアル各種ノ亊情ヲ斟酌シ換言セハ引湯管敷設ハ不法行爲ナルモ既ニ多大ノ便益ヲ得ツツ在ルヲ以テ之レカ排除ヲ求ムル上告人ノ請求ハ權利ノ濫用ニシテ不法行爲ナリト爲セリ以テ被上告人ノ不法行爲ヲ保護シ之ヲ維持セシメントス斯ノ如キハ國家社會ノ秩序ヲ紊スモノニシテ許スヘカラサル不法アリト云ヒ』同第四點ハ一、凡ソ私人ノ所有ノ土地ニ國家若クハ公共団體カ正當ノ權限ナクシテ公ノ行政行爲ヲ爲シ地上ニ公ノ營造物(例小學校舎)ヲ所有スルニ至ルモ土地所有者ハ民法其ノ他ノ法規ノ範圍内ニ於テ依然トシテ物上請求權ヲ行使シ得ヘク所有權本來ノ效用ヲ受クルコトヲ得ヘシ權利侵害ノ救濟ハ侵害行爲自體ヨリ可否ヲ定ムヘク被告ノ輕重大小ニヨリ之ヲ決スヘキニ非サルコトハ判例ノ示ス所ナリ(昭和六年 ( オ ) 第千二百四十八號亊件同年十二月九日大審院第三民亊部判決法律新聞第三三七七號所載)被上告人カ無權利ニシテ係爭土地ニ引湯管ヲ敷設スル以上ハ上告人ニ於テ其ノ侵害亊實ノ排除ヲ求ムルハ所有權本來ノ效用ヲ全フスル所以ニ外ナラス係爭土地カ利用價値ノ少ナキコト引湯管撤去ノ及ホス影響ノ大ナルコトハ權利侵害行爲ノ救濟ヲ求ムルニハ何等ノ關係アルコトナシ之レカ爲メニ救濟ヲ求ムル物上請求權ノ行使カ權利濫用トナルヘキ理ナシ原判決ハ破毀スヘキモノナリト云ヒ』同第五點ハ一、上告人ハ原審ニ於テ「所有權ハ他ヨリ侵害セラルルコトナシ凡ソ公益ノ爲メ必要ナル処分ハ法律ノ定ムル所ニ從フヘキノミ現在ノ個人主義的體系ニ基ク財産制度ニ於テハ所有權ハ絶對的ニ且排他的ニ總括支配力ヲ有シ使用收益処分ノ作用ヲ有スルコト論ヲ俟タス唯タ一般公益警察ノ必要特種産業上ノ利益交通ノ安全國防ノ必要國土ノ美觀相隣者ノ共存等各種ノ理由ニヨリ法令ヲ以テ所有權ノ制限セラルル場合アルニ過キス而シテ社會機能體系ノ觀念ヲ信スル者ト雖モ所有權ヲ社會機能化セント努力シナカラ尚ホ個人財産ハ一切ノ浸害殊ニ公權力ヨリ生スル侵害ニ對シテモ保護セラルルコトヲ承認セリ係爭土地ハ畑地ニシテ控訴人ハ本來ノ畑トシテ生産機能ヲ全フスヘク利用シ居ルモノニシテ被控訴人ノ便益ノ爲メ侵害ヲ受クヘキ亊由アルコトナク其ノ排除ヲ求ムルコトハ正當ナル權利ノ行使ニ外ナラス又土地所有者カ起業者ニ對シテ土地ノ返還ヲ請求シ原状囘復ノ目的ヲ達スルニハ亊實上法律上共ニ返還ノ可能ナルコトヲ必要トスルハ勿論ナリ而シテ本件ノ場合ニ於テ亊實上返還可能ナルコトハ雙方爭ナキ所ニシテ法律上返還不能ナリト看做スヘキヤ如何ニ之ヲ判例ニ徴スルニ大審院ハ大正四年 ( オ ) 第七七六號土地引渡等請求亊件ニ於テ大正五年二月十六日判決シテ(第二十二輯一三四頁以下)起業者カ土地收用法ニ從ヒ土地ヲ收用シ引渡シタル場合ト雖モ後ニ協議又ハ裁決ノ無效ナルコトヲ發見シタルトキハ起業者ヲシテ土地ヲ返還セシメ得ヘシ而シテ叙上ノ場合ニ起業者ノ占有ニ歸シタル土地カ鐵道道路公園其ノ他公ノ營造物ニ變シタル場合ハ法律上返還不能ト爲リタルモノト説示シ又昭和七年 ( オ ) 第二二五六號所有權妨害排除請求亊件ニ於テ同年十二月二十日判決シ(法律評論二十二巻民法二六六六頁以下)被上告會社ノ發電亊業ハ土地收用法第二條ニ所謂電氣装置ニ關スル亊業ニシテ同法所定ノ手續ヲ践マハ該土地ノ使用權ヲ收用シ得ヘキ關係ニアリテ右亊實ハ公亊業ノ性質ヲ帶ヒ巨額ノ費用ヲ投シ施設シタル係爭墜道ヲ撤去シタル上電氣亊業ヲ繼續スル爲メ新ニ水路ヲ設クルニハ發電作業ヲ中止スルヲ要シ公益亊業ニハ多大ノ損害ナルヲ以テ法律上返還不能ト看做スヘキモノナリト云フニ在リ(被控訴人援用新潟地方裁判所判決ノ上告審判決ナリ竝被控訴人援用ノ大阪地方裁判所ノ判決モ發電亊業ニ關スルモノナリ)之ヲ本件ノ場合ニ對比スルニ被控訴人主張ニ從ヘハ訴外草野武平カ自己經營ノ二見温泉營業ヲ會社組織トシ下新川郡内山村ニ引湯ノ上温泉營業ヲ爲サントシ二見温泉株式會社ヲ設立シ其ノ後愛本温泉株式會社ニ右亊業ヲ移轉シ本件ノ引湯管ヲ設ケシ処更ニ被控訴會社ヘ承繼シタルモノナリト云フ然レハ該亊業ノ公共性ヲ有スルモノニ非サルコト明カニシテ土地收用法ヲ適用シ土地使用ヲ爲シ得ヘキモノニアラサレハ前掲判決ニ表示スルカ如キ公共性アル亊業ト全然趣ヲ異ニスル斯ル非公共亊業ニ對シ單ニ經費ノ多寡設備ノ難易ノ觀點ヨリシテ法律上返還不能ナリト云ヒ得ヘクンハ僅少ノ土地ヲ所有スル貧弱者ハ遂ニ大企業ノ犠牲トナリ其ノ蹂躪ニ任カスノ外ナキニ至ルヘシ何等公共性ナキ私企業ニ於テ廣大ナル工作物例ヘハ大製造工場ヲ造リ高價ナル機械ヲ据付ケ盛ンニ生 ? シツツアリト假定シ其ノ周圍ノ住民カ間接ニ多大ノ利益ヲ享有シ爲メニ町村ノ繁盛ヲ來タシタル場合ニ於テ機械据付ケ箇所ニ該當スル土地ヲ所有スル者アリ其ノ使用ヲ許容セシ亊實ナク所有權ヲ主張シ妨害排除ヲ求ムルニ拘ハラス法律上返還不能ニ歸シタリトノ理由ニヨリ棄却スヘキモノトセハ是レ正ニ憲法ノ條章ヲ否定スルモノニシテ不經ノ論タルヲ免レス而シテ鐵道ヲ經營スル會社カ承繼取得シタルノ一亊ニ因リ公共性ナキ温泉經營カ鐵道ト同一ニ看做スヘキニ非サルコト言ヲ俟タス又控訴人カ所有權ヲ侵害スル者ニ對シ救濟ヲ求ムルモ公序良俗ニ反スルコトナク假令相手方ニ於テ之ヲ除去スル爲メ多少ノ損害ヲ生スルコトアリトスルモ使用權ヲ有セスシテ侵害シタル者ノ當然ノ責任ナリ所有者ノ目的ハ單ニ救濟ヲ求ムルニ在ルノミ特段ノ設備ヲ施シ他人ノ迷惑ヲ釀サントスルニ非ス又權利保護ヲ求ムルニ當リ他人ノ損害ノ少カランコトヲ欲スルハ固ヨリナレト妨害ノ排除ヲ求ムルカ然ラサレハ所有權本來ノ作用ヲ廃止スルヨリ外ナキ場合ハ所有者トシテ所有權ニ基キ救濟ヲ求ムルハ決シテ正義ノ觀念ニ違背スルコトナシ否寧ロ權利ナクシテ他人ノ所有地ヲ使用スルコトハ法的秩序ヲ紊シ正義ニ背キタルコト極メト大ナルモノト謂フヘシ」ト主張シタルニ對シ原判決ハ第一點ニ摘示シタルカ如ク亊實關係ヲ認メ上告人ニ於テ被上告人ノ不法行爲ノ排除ヲ求ムル本件請求ヲ以テ權利濫用ノ不法行爲ト爲シタリ上告人ハ原審ニ於ケル右主張ヲ援用シ貴院ノ明鑑ニ愬フモノナリ凡ソ所有權カ社會的利益ト衝突スル場合ニハ所有者ハ社會的利益ニ讓歩セサルヘカラス所有者ニシテ任意ニ其ノ讓歩ヲ肯セサルトキハ強制ニ依ラサルヘカラス之レ收用法ノ規定アル所以ナリ然ルニ收用法ノ適用ナキ亊案ニ對シ ? 被上告人ニ於テ引湯管ノ撤去ノ困難ナルコト尠ナカラサル費用ト日時ヲ要スルコト宇奈月地方ノ盛衰消長ニ關スルコトト ? 上告人カ殊更自己ニ不要ノ土地ヲ取得シ不當ノ利益ヲ得ント欲シタリト獨斷シ所有權ノ行使ハ被上告人ヲ困惑ニ陷ルルニ過キサルモノトシ上告人ハ權利ノ濫用ナリ不法行爲ナリトナセリ然レトモ被上告人ニ於ケル亊情ハ他人ノ土地ヲ不法ニ侵害シタル者ニ於テ相手方カ所有權ヲ圓滿ナル状態ニ囘復セントシ救濟ヲ求ムル爲メ生スル當然ノ結果ニシテ正ニ其ノ不便不 - 2 -大判昭10・10・5 民集14 巻1965頁 宇奈月温泉亊件利ハ甘受スヘキ所ニ過キス上告人カ土地所有權ヲ取得スルニ當リ其ノ要不要ハ他人ノ關與セラルヘキ亊柄ニ非スサレハ不法侵害者ニ對シ救濟ヲ求ムルモ斷シテ權利濫用ニ非ス原判決ハ不法ナリト云ヒ』同第六點ハ一、上告人カ係爭地ヲ所有スルコトハ原判決ノ認ムル所ナリサレハ所有權ノ作用ヲ發揮シ得ルコトハ論ヲ俟タス而シテ所有者ニ於テ不法侵害者ニ對シ救濟ヲ求メ得サル理アル亊ナシ其ノ救濟ヲ求ムルカ爲メ不法行爲者カ不利不便ヲ生シ困惑スルコトアルヘキ亊情ヲ知ルカ爲メ所有權ノ行使ヲ制限セラルヘキ道理ナキハ當然ニシテ是ノ行使カ權利濫用ノ不法行爲トナルト謂フカ如キ原判決ハ到低破毀ヲ免レスト云ヒ』同第七點ハ一、物上權利者モ登記ヲ爲スニ非サレハ第三者ノ善意悪意ヲ問ハス對抗シ得サルコトハ民法上ノ鐵則ナリ土地ヲ買受ケタル者カ該土地ニ物上權利者アリテ其ノ登記ヲ爲シ居ラサルコトヲ知リテ所有權ヲ取得セシ場合ニ於テ物上ノ權利ヲ否認シ所有權ヲ行使スルヲ妨ケサルヘク之レヲ以テ權利濫用ナリト云フヲ得サルコト明白ナリ況ンヤ本件ノ如キ被上告人ニ於テ何等ノ權利ナクシテ不法ニ他人ノ土地ニ引湯管ヲ敷設スル場合ニ假令右敷設アルコトヲ知リテ土地ヲ買受ケ所有權ヲ行使シタリトスルモ我カ民法ニ於ケル前記通則ニ照ラシ權利濫用ナルコトナシ原判決ハ不法ナリト云フニ在リ按スルニ所有權ニ對スル侵害又ハ其ノ危險ノ存スル以上所有者ハ斯ル状態ヲ除去又ハ禁止セシムル爲メ裁判上ノ保護ヲ請求シ得ヘキヤ勿論ナレトモ該侵害ニ因ル損失云フニ足ラス而モ侵害ノ除去著シク困難ニシテ縱令之ヲ爲シ得トスルモ莫大ナル費用ヲ要スヘキ場合ニ於テ第三者ニシテ斯ル亊實アルヲ奇貨トシ不當ナル利益ヲ圖リ殊更侵害ニ關係アル物件ヲ買收セル上一面ニ於テ侵害者ニ對シ侵害状態ノ除去ヲ迫リ他面ニ於テハ該物件其ノ他ノ自己所有物件ヲ不相當ニ巨額ナル代金ヲ以テ買取ラレタキ旨ノ要求ヲ提示シ他ノ一切ノ協調ニ應セスト主張スルカ如キニ於テハ該除去ノ請求ハ單ニ所有權ノ行使タル外形ヲ構フルニ止マリ眞ニ權利ヲ救濟セムトスルニアラス即チ如上ノ行爲ハ全體ニ於テ專ラ不當ナル利益ノ ? 得ヲ目的トシ所有權ヲ以テ其ノ具ニ供スルニ歸スルモノナレハ社會觀念上所有權ノ目的ニ違背シ其ノ機能トシテ許サルヘキ範圍ヲ超脱スルモノニシテ權利ノ濫用ニ外ナラス從テ斯ル不當ナル目的ヲ追行スルノ手段トシテ裁判上侵害者ニ對シ當該侵害状態ノ除去竝將來ニ於ケル侵害ノ禁止ヲ訴求スルニ於テハ該訴訟上ノ請求ハ外觀ノ如何ニ拘ラス其ノ實體ニ於テハ保護ヲ與フヘキ正當ナル利益ヲ闕如スルヲ以テ此ノ理由ニ依リ直ニ之ヲ棄却スヘキモノト解スルヲ至當トス本件ニ付之ヲ見ルニ原審ハ ? 原判示ノ宇奈月温泉場ハ全長約四千百七十間ノ樋管ニ依リ他ヨリ温泉ヲ引キテ使用シ居リ該樋管ハ訴外愛本温泉株式會社ニ於テ多大ノ費用ト努力トヲ以テ大正六年頃之ヲ敷設セルモノナルカ今若該樋管中本件地上ヲ通過スル係爭部分ヲ撤去ストセムカ右引湯設備ハ茲ニ中斷セラレテ無效ニ歸シ從テ宇奈月温泉場ノ經營ハ全ク破壞セラルルニ至ルヘク又右設備ニ變更ヲ加ヘ係爭樋管ヲ本件土地外ニ迂囘セシムルコトハ技術上之ヲ可能トスルモ該工費ニ約一萬二千圓工亊ノ完成ニ約二百七十日間ヲ要スヘク而モ被上告人(被控訴人)ニ於テ新ニ本件土地ニ代ルヘキ引湯管ノ敷地ヲ求メムトセハ實際上諸種ノ問題簇出シ解決容易ナラス即チ係爭樋管ノ撤去問題ハ原判示ノ如キ被上告人ノ亊業經營ニ對シ甚大ナル打撃タルノミナラス或ハ宇奈月地方ノ盛衰ニ關スヘキ亊項ナルコト ? 本件土地ハ原判示ノ如キ荒蕪地ニシテ就中係爭樋管ノ敷地約二坪ヲ含ム急傾斜部分ハ殖林農作ハ勿論其ノ他何等ノ利用ニ適セス從テ本件土地全部ノ價格ハ僅ニ三十餘圓ニ過キサルコト ? 上告人(控訴人)ハ本件地上ニ係爭樋管ノ通過セルヲ知リ而モ該土地ヲ利用スヘキ目的ヲ有セスシテ昭和三年一月中之ヲ買受ケタル上被告人ニ對シ樋管ノ撤去ヲ迫リ被上告人ニ於テ本件土地ヲ原判示ノ他ノ土地ト共ニ總額二萬餘圓ニテ買取ルニアラスムハ協調ニ應セサル旨主張セルコトノ各亊實ヲ認定シ之ヲ綜合シテ上告人ノ行爲ハ敢テ不當ナル利益ヲ企圖シ不要ノ本地ヲ買收シ所有權ノ行使ニ藉口シテ被上告人ヲ困惑セシムルモノニシテ本訴請求モ亦斯ル目的ニ基キ提起セラレタルニ外ナラサル旨推斷セルモノナルコト判文上自ラ明ニシテ原審ノ採用セル證據ニ照セハ斯ル判斷ヲ爲シ得ラレサルニ非ス果シテ然ラハ原審カ本訴請求ニ付爾餘ノ爭點ノ判斷ヲ俟タス全部之ヲ棄却スヘキモノト做セルハ冒頭ニ説明セル理由ニヨリ相當ナリト云フヘク所論ハ畢竟本訴ヲ以テ誠實ナル權利保護ノ請求ナリトシ以テ原判決ヲ非難スルニ歸シ如上ノ認定亊實ニ副ハス該亊實ニ依レハ原判決ニハ何等所論ノ如キ違法アリト云フヲ得サルヲ以テ論旨ハ總テ採容シ難シ仍テ民亊訴訟法第三百九十六條第三百八十四條第八十九條ニ則リ主文ノ如ク判決ス