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はてなキーワード: ヒッチハイクとは

2021-08-01

COVIDからフロリダに愛をこめて

ニューヨークからフロリダへとヒッチハイクの旅はトラックを経由した。光り輝くフロリダオレンジ太陽が私の帽子を貫く。木漏れ日に目を細めるとトラック運転手は荷台へ向かって大声を張り上げた。

「おまえさん、こんななにもない場所へどうしたんだい!」

私のうまく起こせない上体はトラックの端にある紐で結ばれている。少し前運転手バスケットコートカメラから見るボールみたいに目を大きくした。私の身体は動かず、車椅子に支えられていたからだ。あんたそんなのでどうして遠出しようってんだ、と運転手は感嘆の声を上げた。それが二時間ほど前のことだ。

私は運転手家族集会があることを伝え、その用事バーベキューであることを教えた。それからフロリダ州の看板が見えたので、コントラストを強く投射する景色を風に流しながら、私の名前を伝える。そうかい、メグっていうのかい、と運転手は陽気に答えた。林立するビルを縫って突き抜ける青が歯科医に飛び込んでくる。フロリダオレンジの国じゃない。避暑地だ。だからバーベキューには都合がいいのだ。多分そうだし、そういうことにしよう。うちの家族に振り回されたことは忘れて。<溶け出しそうな>夏の頃が思い出されたとしても。そういえばあの日もこんな風に感想した風が髪の毛をさらっていったものだ。サングラスが反射する光のその先に目的地があった。





「どうしてそんな事を言うの」

電話の向こう側でケンがなにかの言い訳をしている。言い訳の仕方はまるで父そっくりだ。もうそんなところばかりだ。わたしときたらそんなケンに向かっていつもは冷静なのだけど、彼が父のように逃げ続けるさまを見ていると、どうしても声を張り上げてしまう。ケンはそんな時に決まって「メグはママそっくりだよ」と吐き捨てるようにいう。全く美味しくないチリソースアスファルトにぶちまけるようにだ。理由はこうだ。本当はここで開催される予定だったバーベキュー大会が、父の会社の都合で大きな話になり、他企業を巻き込んだバーベキュー大会に発展したらしい。それも開催地は何故か日本。私はケンに、肉よりも寿司日本でなぜバーベキューなのかと問い詰めたが、頭に血が上っているのかケン日本だって神戸牛があるし、開催地としてアメリカとは違った面白さが出せるんだといい始めた。違う、そういうことじゃない。少なくとも久しぶりの家族バーベキューが行われ、とってもプライベートものだって聞いていたのに、どうしてそれがお父さんの会社と関わっているのか聴きたいのだ。しかケンはこれは日本米国の絆を結ぶためのものなのだ、と主張してやまない。ALS-CoVζ+が未だ収まっていない時期になぜそんなに話を大きくしてしまうのだろうか。そんなことはどうだっていい。それよりも、家族の一致団結できる機会が失われた事実が私にとってショックだった。素晴らしい日差しの下でトロピカルフルーツソーダの飲みながら、サンオイル日焼けをしている人達もいるのに。





「やあケン。今回は会社から大会趣旨が発表されてね。ぜひ神戸牛アンガス牛の対抗戦をという事になったんだ」

「それで、勝った方には?」

「純金製のメダルが贈呈されるだけだよ」

「だけ?」というケンの声がスマートフォン不協和音とともに響いた。父のノキア製は日本ではマイナーだと聞かされて、その音質に少しだけ疑いを持ち始めたばかりだ。父はケン懸念事項がバーベキューの開催予定地のことばかりだと思っていたが、どうやらそのノキアで聞く限りそうではないらしいことが理解された。ケンは明らかに家族集会が壊されたことを怒っており、主催は誰だと問い詰めてきたのだ。父はやむなくドビュッシー会長という人物だと述べたが、俺はクラシック名曲よりも古いラップが好きなんだと皮肉交じりに父の言葉を投げ捨てた。まるでそれじゃあ、ダディはまたしても「お山」の大将「だ」ろうとまでいう。ダディーはクールじゃないとまで言い放った。それは一体何のジョークだいというと、日本版の4chのセリフさ、と返すばかりだった。ゼータ株はあの頃の僕たちのキャンプを奪ったが、父は僕たちから家族の有り様を奪おうとしているのではないか、そんな懸念ケンの頭をもたげた。そのくせゼータ株は活発に人々を結びつけようとしていやがる。ニューヨークからメグを追いかけるケンハンドルを回しながらそうつぶやいた。





ケンがメグと合流して数時間後、隔離完了して未感染者のみが利用できるビーチで突然人が溶けた。その液体は灰色と真っ黒な血をビーチに滴らせ、バーベキューの肉のようにビーチの砂を汚した。それとは関係なく海鳥は通り過ぎ、メグは声にならない声とともにジーザスという単語ピンク色のリップを塗った唇から漏らした。到着したばかりのケンは目の前で人々が弾けて溶けてゆくさまを見て、エボラか何かかと目を疑い、それが数年前に起こった悪夢の再来であることを知覚した。フロリダ州に緊急事態宣言が敷かれ、州知事政府圧力によって州ごと隔離されたことを発表した。通信網は途絶え、父との国際連絡も取れなくなったメグとケンは、暴徒鎮圧用のゴム弾を装備したSWATたちに誘導されて収容施設へと向かった。発電の電源はかろうじて発電機型のバッテリーとして供給され、被災地には水が運び込まれた。しかしそのどれもが決死覚悟で運ばれてくるものであり、運転手は全身防護用の白い服を着て入念な消毒を経た後にフロリダへと入り、そして出てゆく際にも消毒を行わなければならなかった。ひとまずイントラネットとして暫定的に繋がれた外との通信によりニュースだけを見ることができた。

そうして避難所での生活が進む中、ウィルス隔離された人々の間に奇妙な一体感が生まれようとしていた。それはヒステリックな怒りであったり、それを鎮めようとするものであったり、また話し合いによって解決しようとする者達や、殴り合ったあとで肩を組み合うレッドネックたちなどによってだ。彼等はお互いをファミリーと呼び合い、外にいる連中をウォーキング・デッドだと笑いとばした。正気が保てない人々は、普段忌み嫌っている低所得層レッドネックたちの話をよく聞いた。富裕層たちは臨時学校を開いて塾を作り、黒人たちは放課後と称して子どもたちにバスケットボールを教えた。そうして閉鎖空間は小さな社会になった。ケンもメグもよく話し合った。とりわけ、ゼータ株のことについてだ。彼等は先日の家族のことを思い出して悲憤慷慨し、やがてウィルスによって僕たちの絆が深また奇妙さと、ウィルスによって人々がばらばらになった悲劇を語り合った。

その頃からメグの夢枕には、なくなった叔父の姿が映るようになった。叔父家族の異事で何かをいいかけていたが、そのたびに消えてしまう。そんな夜が繰り返された後のある朝、フロリダ海岸にある変化が起こった。その変化はイントラネットTVに映し出されると、やがて通信の全てが回復した。日本企業ソフトバンク提供する緊急ブロードバンド回線につながったメグたちのスマートフォンは、あるものものしい人物たちを映し出した。それは水陸両用車両のようにも見え、中から防護服をつけた人が降りてくるのが見えた。車両には見慣れない文字が書かれており、不意にケンがそれを見て叫んだ。まるでパーティーが始まったかのような喜びようだった。見なよ、あれは"セルフディフェンスフォース"だぜ! ケンの指差す画像の向こうにあったもの。それは自衛隊揚陸艇であった。第十七小隊、フタマルマルこれより状況開始。という声とともに彼等は海岸に落ちた血や散らかった廃棄物、まるでタイフーンにやられた風に映るカビの生えた建築物撤去し始めた。そんな作業が一週間もつづくと避難場所衛星問題はすっかり快適になり、自衛隊の面々と記念写真すら取れるまでに改善した。ケンはその時彼等にどうして来たのが十七小隊なんだいと問いかけたが、ある隊員は、十七小隊は俺達のメダルみたいなもんさ。と笑って返すのみだった。ケンはそれを聞いて、じゃあ俺たちはあんたたちに助けられたから十六小隊でいいさ、と破顔した(筆者注:2021/08/01)。





日本にいる無責任な父は流石に心配な顔をして息子たちを迎えた。ただし父は両名が無事であることを確認すると1、バーベキュー大会玉石混交パトルロワイヤルでありジャパニーズヤキニクとチンギスハーン、バーベキューの三つ巴の戦いだったと熱く語り始めた。勝敗の決し方があまり不透明競技だが、メグにとってそんな話はもはやどうでも良かった。怪しげなバー審査員のことにも興味がなかった。父がミヤゲに持って帰ったネギマをケンは頬張っていたが、メグはどうしたって騙されることはなかった。クールビューティーと目される荒川静香イナバウアーが見たかったというわけの分からい答弁を無視して、メグは今回の隔離事件顛末を事細かに語った。父はそんな事知ってるさと遮ろうとするが、メグは人差し指を父の唇に当てると子供を諭すように父と目を合わせた。彼女は、「それで今回の事件でとっても頼もしいステディな人ができたのよ。自衛隊員の人なの」、という。父は喋りかけていた口を閉じると、目を白黒させた。あのフロリダオレンジの目を見開いたトラック運転手のようにである

しかしやはり父は普通人間と少し違った。それなら早く紹介しなさい。次のバーベキュー大会があるんだ、と彼を巻き込もうとし始めたのだ。メグは両手を上げて首を横に振ると、やはりちょっと前の出来事を少しだけ回想しながらジーザス、と小声でつぶやいた。

ケンはそんな様子を見て、口の中のネギをすっかり胃袋の中に押し込めながら、こいつにケチャップをかけると日本人とも仲良くできるかもね、と一人で口角を上げた。ゼータ株が運んだ全ての問題は、まるでその性質のように全てを溶かして人々をつなぎ、父子は空港で呆れながら仲良く語り合った。避難所メンバーメール着信がなり響いてメグがその知らせに目配せする。

ちょっぴり滅茶苦茶なナリタに醤油匂いが少しだけ香った。


※別作者です。おしまい

2021-05-30

ひとりでどこかに行って目的もなく放浪することが好きだ。

俺はそれが旅だと思っていて、同じような人たちと情報交換をしたくて旅人と呼ばれる人たちの界隈に入ってみた。

旅を仕事にしようとか、旅の価値をあげようとか、そういうツイートが流れてくるようになった。

その人たちが言うには、旅は目的があった方がいいらしい。誰かと出会うとか、どこかに到達するとか、世界を一周するとか。

あと、国内ヒッチハイクしがちで、ノマドワーカーに憧れ、noteを書き、コーチングを学び、クラウドファンディングを身内で行う。旅だ旅だと騒ぐ割に旅行経験も少ない。多様性をという割に差別的発言もする。

もう二度と旅人とは名乗らない。Twitterアカウントは削除した。

2021-02-04

ヒッチハイク

年度末も近づいてきて有給休暇を消化したく、今日休みをとった。

ずっとマグカップが欲しかったので、散歩がてら近所の幹線道路沿いのニトリまで行って買い物をしてきた。

そのニトリの近所のコンビニあたりでヒッチハイクをしているカップルがいた。

数ヶ月前にもその場所ヒッチハイクをしている大学生くらいの男の子がいたのだが、今回も同じくらいの歳のカップル

しかすると男の子は同じ子なのかもしれないが、服装ラフで軽装でバックパッカーとかでは無さそう。

カメラも回してないように見えたのでYouTuberでも無さそう。

掲げていた目的地の紙の内容までは見れなかったが、どこへ行こうと思ってるのだろうか、何者なんだろうか、などと考えながら歩いていたのだが、

コロナ禍で緊急事態宣言も出てる中、見ず知らずの人を車に乗せるってどうなんだろう?

それでもきっと乗せる人はいるんだろうな。

彼らはどこに行きたいんだろう。

2020-12-09

東京バカかいナスビが生えまくって欲しい

隕石とか地震とか宇宙人とか、そういう(悲劇的だけど)映えるような、映画とかで描かれるような破滅じゃなくて、ほとんど誰も死なないでダサい形で東京が滅んで欲しい

ある日突然アスファルトを割ってナスがどんどん生えてくる

インフラが寸断され、電気水道交通も全部ストップ つってもドカンとくるわけじゃないから、そんなに派手に人は死なない

でも地味〜に効いてくる 電柱とかが全部ナスに覆われて壊れるし、道路がガタガタで機材を運べないから復旧もできない バカかいナスには除草剤も何も効かない 抜きにくいし、抜いてもすぐまた生えてくる

そういう状況になって、文化資本享受してきた東京人たちが突如家なき子になるのを絶対に見たい

ゲラゲラ笑いながら東京に行って、ナス記念撮影をして帰りたい

 

ナスはツル植物じゃないぞ

マジかよ完全にツルのイメージだった でも俺の巨大ナス植物というよりはむしろ憎悪の具現だから現実には縛られないんだよな

なんで自分だけ安全だと思うんだ

俺の妄想からに決まってるだろ 東京もっと言うと23区狙いのナスから23区の外には生えないの

どうやって東京まで行くのか

……ヒッチハイク……?

食う

食えません 紫色をした憎悪の塊だから 

2020-11-30

ヒッチハイクしたことある人に聞きたい

ヒッチハイクした女性が車の持ち主らしき人から刺されたニュース見て思ったんだけど

ヒッチハイクしてて、いざ止まってくれた車というか運転手雰囲気が「なんかヤバそう」って感じだったら

あ、やっぱいいです、大丈夫ですって断るの?

超断りにくいと思うんだけど。

2020-10-19

anond:20201019131855

逆だろ。細かいことをいちいち予約するのは陰キャだ。陽キャどもは予約なしのノープラン旅館料亭ソープ行ったり、ヒッチハイクしたりとその場の思い付きで行動してるぞ

2020-08-15

テレ東ツアー宣伝番組見てたんだが

首都圏出発4時間上高地日帰りヒッチハイクを紹介していた

世の中とんでもない日帰りツアーがあるもんだな

2020-05-03

山梨女子話題だが

この時期にヒッチハイクしている若者もいらっしゃる

医療従事者とかそういうのではなく、未だ通勤している人もいるわけなんで、流石に連休はいないと思うけど

なかなかどうしたものかねぇ

2020-04-25

高速道路サービスエリアヒッチハイクしてる奴

なんでこの時期にヒッチハイクしてるの?

コロナを撒き散らしているテロなの?

なにあいつら

おかしくね?

2020-02-27

きいてくれ

糖質制限ダイエットしてる。食事糖質、たとえばお米やパスタなどはほぼ口にしない。

主にキャベツもやし赤身肉とかササミ食べてる。

そんな生活で6ヶ月で18kg位落としたんだけど、最近深刻なのがやたらうんこが固いこと。

ネタじゃなくてマジでうんこが出てこない。

から肛門まで来てるんだが、肛門から固くて一向に出ない。

水分が足りてないのか、ササミが消化できてないのか、それとも別なのか原因がわからん

のだけど、とにかく固い。便座で思い切り踏ん張って、肛門出口にちょっとうんこが顔出すんだけど

そこから出てこない。うんこ引きこもり

そういえば昔、有吉ヒッチハイクの旅で貝殻食ってうんこが出てこなかった

ときに「指を穴につっこんで掻き出した」って言ってたのを思い出した。

もうね・・・謎の屈辱感なんだけど、トイレットペーパーを折りたたんで指を

穴に突っ込んでグリグリしたんだよ。そしたら、うんこちょっと掻き出せた。

その勢いでウォシュレット肛門に水ぶっかけながら、踏ん張る。

10分以上格闘したかな。

やっと詰まってたうんこがでた。長かった・・・踏ん張り時間も、うんこサイズも。

そして、中指トイレットペーパーを突き抜けてうんこを直接掻き出したせいで

めっちゃくさい。

アラフォーおっさんがひとり踏ん張ってうんこ掻き出すなんで、地獄だ。

2020-01-09

窓のない部屋

 バスが止まると、乗客たちは押し黙ったまま次々と降りて行く。車窓から見える煤けた家々の影に吸い込まれて行く彼らを眺めていると、いつの間にかバスの中には僕と運転手けがとり残されていた。分かるはずもないポルトガル語でなにかを伝えようとする運転手の表情を見て、ようやくここが終点のモシンボアプライアだということに気付いた。

モザンビーク共和国の最北部タンザニアとの国境に最も近い街、モシンボアプライアナンプーからミニバスに揺られること10時間、日も傾き始めた午後4時頃、やっとのことで到着した。

21世紀になった今でもまだ未開の森が残っているというモザンビーク北部。小さな村と村を辛うじて繋ぐ細い道路は言うまでもなく未舗装で、その上を走るトヨタハイエースミニバスは、重ねて言うまでもなくオフロード向きの車ではない。乗車定員をまるで無視したぎゅうぎゅう詰めの車内で、膝の上に拷問器具さながらの重たいバックパックを載せて、しか悪路を走る振動に耐えながらの10時間は、気の遠くなるような長い時間だった。

 あわてて荷物を引っ張って外に出ると、空になったバスはそそくさと何処かへ行ってしまった。降り立った場所バスターミナルなんて大層なものではなく、石造りの家々が建ち並ぶ小さな村の一角にポツンと広がった、ただの砂地の広場だった。広場の端に植えられたヤシの木の陰には何人かの女性や老人が座っていて、サトウキビバリボリ齧りながらこちらをじっと見ている。ああ、ここ数日と同じだ。

 モザンビーク最大の都市首都マプトは、南北に長い国土の一番南の端にある。南アフリカから陸路入国した時、最初に到着した街もマプトだった。首都首都なりに近代的なガラス張りの高層ビルが建っていたりもするのだけど、そこから北へ向かって縦断を始めると、車窓から見える景色がどんどん田舎に、自然に近づいていくのがそれはもう如実に分かる。白人観光客がいるのはせいぜいマプトの次の街のイニャンバネ辺りまで。国土のちょうど真ん中辺りを東西流れるザンベジ川を超えると舗装道路ほとんど無くなる。北部の街キルマーニを超えるともう公共交通機関が当てにならないので、道端にはヒッチハイクの代行をして日銭を稼ぐ子供達が居たりする。モシンボアの手前のペンバ辺りまでは、自分以外の酔狂バックパッカーを見かけることもあった。しかし、ここに来てついに異邦人自分だけになってしまったらしい。

 いわゆる発展途上国場合自分のような旅行者は、バスから降りるなり土産物押し売りホテルタクシー客引きにもみくちゃにされてうんざりするのが常だ。しかアフリカのこんな僻地まで来てしまうと、そもそも旅行者が訪れることなほとんどないはず。外国人慣れしていない土地人達も、突然バスから降りてきた肌の色の違う人間に驚きつつもどう対処したらいいかからないのだろう。一挙手一投足を全方位から遠巻きに観察されているような視線は、動物園パンダにでもなったかのような気分にさせてくれる。

惚けていても始まらない。まずは今晩の宿を確保して、それから英語の分かる人間を探さないと。ここまでの街で集めた情報によれば、モシンボアからは毎朝早くに国境行きのバスが一台出ているらしい。できれば明日の朝そいつに乗り込みたい。ここ数日、ATMもなければクレジットカードも使えないような場所を通ってきたせいで、手持ちの現金はもうほとんど尽きかけていた。今はできるだけ早く駒を進める必要がある。とにかく、話のわかる奴を探して情報を聞き出さないといけない。僕は檻から抜け出すようにしてその広場を後にした。

 重い荷物を背負って村の中へ入って行くと、ここでも同じように奇異の目を向けられる。それでも、こういう時は一度誰かにしかけてしまえば後は簡単だ。それをきっかけに周りで見ていた人たちも次々話に入ってきて、いつの間にか自分の周りは人だかりになっている。その中には英語を喋る奴が大抵一人くらいはいもので、今回もその中の一人、僕と同い年くらいの青年を見つけた。彼が言うには、自分兄貴が毎朝国境行きの車を運転しているとのこと。この村に来る外国人十中八九陸路タンザニアへ向かおうとしている奴だから、客になりそうな外国人がいると聞いてすっ飛んで来たらしい。村の奥、青年の指差す方向には一台のピックアップトラックが止まっていた。手を引かれ、群衆をかき分けながら近づいていくと、荷台に腰掛けた白いタンクトップの男がサトウキビバリボリ齧りながらこちらに視線を投げている。トラックの前まで来ると、男はサトウキビの食べかすを地面に吐き捨て、挨拶もそこそこに言った。

あんた、国境に行くんだろ。300メティカル明日の朝こいつの荷台に載せて連れてってやるよ。早朝三時にここに来な」

 なんとなく予感はしていたが、国境へ行く手段というのはバスや乗り合いタクシーの事ではないらしい。このトラックの荷台に乗って、荷物のついでに運んでもらうということなのだ。トラックの荷台には、明日の同乗者になるのであろうコーラの空き瓶が入ったケースや何が詰まっているのかわからない大きな頭陀袋が山と積まれているだけで、当然ながら座席のようなものは見当たらない。今日の移動もなかなか骨だったが、明日今日に劣らずタフな一日になりそうだ。

 運賃として提示された300メティカル日本円にしておよそ500円少々。交渉が前提になっているようなひどく高い金額でもないし、村を歩いて探し回っても他の交通手段があるとは思えない。500メティカルなら、あと一日くらいこのモシンボアに泊まってゆっくり骨を休める余裕ができる。聞く所によればこの男は毎日国境まで行っているようだし、出発を一日先延ばしにしてもさほど問題にはならないはずだが、でもこの時はそうしなかった。前へ前へと懸命に移動することに、ある種の快感のようなものを覚え始めていたのかも知れない。とにかく僕はこのトラック明日の朝、国境まで行く事に決めたのだ。

 握手を交わすと、男は表情を和らげて言った。

「寝る場所必要だろう。弟に宿まで案内させるから今夜はそこで休め。寝坊しても起こしに行ってやるから安心しろ

 男が目配せをすると青年は頷き、ついて来いと言って歩き始めた。もう一つの懸案だった宿の方も、彼らが世話してくれるらしい。それもそのはず、人や荷物国境まで運ぶ商売をしていれば、僕のような旅行者を載せる機会も幾度と無くあっただろう。そんな旅行者への宿の斡旋も、彼らの商売の一部なのだ

 青年背中を追って歩いていくと、少しずつ村の中心に近づいていくのがわかった。舗装された道幅の広い道路があらわれ、ガソリンスタンドや錆びたコカコーラ看板商店食堂などが民家に混じって見え始める。顔を少し上げると、視界の端にわずかに入るヤシの木や、朽ちて傾いた丸太電信柱の向こうに、どことなく湿った雨期の青空がいっぱいに広がるのが見える。

10分も歩かないうちに、僕らは一つの建物の前で立ち止まった。周りに見える民家や商店より少し大きい、ちょうど郊外コンビニくらいの大きさのその建物は、宿泊施設としてはやや小さく思える。水色のペンキで塗り染められた石の外壁には大きなひびが入り、風雨や土埃に晒されてくすんだ色になっていた。やれやれ想像通りのボロさである

「ここが宿だ。少し汚いけどこの村には宿はここしかない。悪いけど我慢してくれよな」

青年はそれだけ言うと、あっけにとられる僕をその場に置いて来た道を逃げるように帰っていった。僕が宿にいちゃもんをつける前に立ち去りたかったのだろうか。

入り口にかかる簾をくぐり、薄暗い室内にに踏み込む。簾に付いた鈴が音を立てると、奥のカウンターの向こう側から一人の老人がゆらりと立ち上がった。部屋が欲しいんだと大袈裟ジェスチャーを交えながら伝えると、彼は黙ったまま横の壁の一点を指差した。目をやると、石の壁に赤のペンキで直接文字が書かれているのに気付いた。

"Single 1200. Twin 1600."

シングルの部屋が日本円にしておよそ2000円ほど。いままで泊まってきた宿の中では一番高い金額だが、さて、どうするべきか。村にある宿がここだけだと言う青年言葉は、この宿の大きさから考えて恐らく嘘だろう。ここより安いという確証はないが、土地人間が使うゲストハウス位はどこの村にも幾つかあるものだ。しかし、重い荷物を再び背負って表を歩き回るのはやはり億劫だった。壁に書かれた赤いペンキの文字酸化してほとんど茶色くなっていた。いつからこの値段でやっているのかは知らないが、少なくとも僕を金持ち旅行者と見てふっかけているわけではないようだ。値段の交渉は望み薄だが、僕は試しに聞いてみた。

「もう少し安くはならないの?」

老人は困ったような、それでいて僕がそう言い出すのを知っていたかのような苦笑いを浮かべ、少しの間を置いて言った。

「窓のついてない部屋が一つあるが、そこなら600でいいよ」

なんと、意外なほどあっさり宿賃が半値になってしまった。一泊1000円なら上出来じゃないか。窓が無いというのは、まあ多少風通しと明るさに問題があるとは思うがこの際妥協してもいいだろう。どうせ明日は日が登る前にここを発つのから

「部屋を見せてくれる?」

僕が言うと、老人は鍵を引き出しから取り出し、カウンターを出て奥へ伸びる暗い廊下を歩き始めた。僕もその後を追った。

つのドアの前で立ち止まると、老人はドアノブに鍵を突き刺して、ガチャガチャ乱暴に鍵穴をほじくり始めた。なかなか開かないようだ。このボロさでおまけに窓の一つも付いていないときたら、本当に地下牢のような荒んだ部屋なのだろう。そんなことを考えながら、鍵と格闘する老人の背中を眺めていた。しばらくして鍵が開く。額に汗した老人は僕の方を向いて意味深な笑みを浮かべ、ドアを開いて見せた。

開け放たれたドアの前から覗いた部屋は、想像通りとても簡素ものだった。だが、想像していたより酷くもなかった。六畳程度の部屋のど真ん中にはセミダブルくらいの大きなベッドが石の床に直接置かれ、部屋の隅にはちゃちな木製の小さな椅子と机が、客室の体裁を取り繕う申し訳のようにちょこんと置かれている。そして、奥の壁の大きな窓からレースのカーテン越しに差し込む夕陽が、数少ない部屋の調度品と埃っぽい室内を舞う無数の塵を照らしていた。しかしこの部屋、さっきと少し話が違うんじゃないか

「いや…ご主人、僕が見たいのは半額の部屋の方なんだけど」

「ん? この部屋は600メティカルだが」

だって窓が付いてるじゃないか

僕がそう言うと、老人は黙って部屋へ入って行き、カーテンをめくる。そこにはあったのは確かに窓だった。窓だったが…窓にはガラスが入っていなかった。僕は思わず笑ってしまった。窓が付いていないというのがまさかこういう意味だったとは。明るくて風通しの良いこの部屋は、僕が覚悟していた牢獄の様な部屋よりよっぽどマシに見えた。しかし、中と外の境界を作るのが鍵の掛けようのない無い薄いカーテン一枚というのは、やはり安全面に問題ありすぎる。こんな部屋でおちおち寝ていたら命が幾つあっても足りないだろう。強盗マラリア、野犬、その他諸々の野生動物危険は数え出したらキリがない。半笑いでそんな事を考えていると、いつの間にか隣に来ていた老人に小突かれた。

「で、どうするんだ」

「…窓が付いている部屋も見たいな」

「だろうな」

ニヤリと笑みを浮かべた老人は静かに扉を閉めると、一つ隣の部屋の扉を開けて僕に見せてくれた。さっき見たのと一見全く同じ部屋だが、こっちのほうが心なしか手入れがされているように見える。中に入ってカーテンをめくってみると、くすんだガラスがしっかりと嵌めこまれた窓と網戸が見えた。

「1200メティカルだけど、いいよな?」

振り返ると、勝ち誇ったような笑みを浮かべた老人と目が合った。やれやれこちらの完敗である

「…いいよ。この部屋にする」

宿賃を渡し、僕は笑ってそう答えた。老人は僕の肩にポンと手を置いて、隣の部屋のとはまるで違う綺麗に磨かれた鍵を渡してくれた。やっぱり、あの部屋には最初から客を泊めるつもりなんてなかったのだろう。

明日の昼まで停電から電気はつかないよ。ロウソクが引き出しにあるから使うといい」

「一本いくらですか?」

サービスだよ」

僕が皮肉半分に聞いたことを知ってか知らずか、老人はどうだ気前がいいだろうと言わんばかりの誇らしげな笑みを見せ、ドアの外へ消えて行った。やり返してやった気にはまるでならなかった。

靴や荷物についた砂を振り払い、ベッドに寝転んだ。疲れ切った身体を動かす体力はとうに尽きていたが、不思議と気分は高揚していた。蓄積した疲労の中に滲む自虐的とも言える旅の充足感に気付いたのだった。

2019-11-29

さな自慰メロディ


あれはマザーファッキン4月のことだった。

私たちはクソ水泳大会に出るため、ブルシット目黒全裸ウェットスーツで向かっていた。


しかし手を挙げようにもちんぽこタクシーはまったく捕まらない。

恋人キリンの交接器のように赤ら顔。ファイト突入する。


「ハン! なぜ日本Uberが普及しないかわかったわ! カーセックス文化根付いていないからよ! あなたといればよくわかるわ! 竿は短し手コキに易しとはまさにあなたのような日本不能者のことよね!」


応戦する私はロッテリアのてりたまバーガーおすすめ)を脇の下でつぶす。

アポクリン腺破壊したので、もう腋臭バーガーを食うことはない。


「君はすぐにセックスを引き合いに出してばかりだな! それは自分がオルガズム未開拓者だとバニラしているようなものだぞ! たまには自慰のことを考えてみたらどうだ! ほうら! オーナニ! オナニ! 高感度! オーナニ! オナニ! 大乳輪!」


恋人ヒステリックグラマーと化し国道へ飛び出す。

強引にヒッチハイクを試みるが、ダイナにはねられて二週間の入院


病院へ見舞いに行くと、待合室には若かりしジャック・ワイルドがいた。

湿った長髪。どこか寂しげな瞳。かわいい


「おにいさん、それおいしそうだね」


ジャックは私の脇に挟まったクア・アイナパインバーガーへ手を伸ばす。

私はその手を叩き落として、キチガイクレーマーとしての本領発揮。

土下座強要しインスタストーリーにアップしながら激昂する。

どうやらジャック日常的にスリを嗜んでいたらしい。


「手癖の悪い子だね! ポリに突き出すよ!」


不安と恐怖で泣き出しそうなジャック

かわいい。食べちゃいたい。


「それが嫌ならあたしの召使として働くことだね! あんたなんていうんだい! ジャック? たいそうな名だね! あんたは今日から痔だ! 痔! 40秒でついてイキな!」


赤ら顔でイッた痔。その姿をオカズにイッた私と共に病院へ出てオフィスへ向かう。

痔は存外仕事の飲み込みが早く、ボスの鶴ボイスによりあっという間にPMに昇格。

私はインスタントバリスタ兼ペーパーアサシンに任命され日々を優雅に過ごしていた。


そんなある日、いつものようにリモコンバイブを入れたまま出社すると、

私のデスクはまるごとなくなっていた。


「どういうことです!」


ボスに詰め寄ると私のインスタを見せてきた。

しっかり濃厚4.4牛乳全裸で浴びている動画だ。


ミートゥーだよ」


愚かさに愕然とした。メイトゥのロゴ。わが社の最大のライバル

タイミング良くイッた。


そんなこんなで私のホワイトカラー生活終焉

多摩川は水質も改善されとても住みやすくなった。

やくざ者に頼まれ戸籍を売ったり、大麻を育てたりして生計を立てた。

しか流行病の性器リウマチとなり、いよいよ死を考える。


「久しぶりです。覚えてますか」


テントに入ってきたのは痔だった。

ずいぶんと老けてしまい、もう頼まれても絶対食べたくない。


「ぼく過労のストレスアル中なっちまいまして」


そいつはひどい、と言おうと思ったが性器リウマチが頭をよぎりやめる。


あんたに最後、お礼をしたくてきました」


なにを思ったか痔は私に馬乗りになる。

私のズボンを無理やり下ろし始める。


「やめな! なにすんだい! エッチ!」


あんたおれが好きだったんだろう! ずっと見てたじゃないか!」


抵抗する私はテントから飛び出し、川の中を走る。

いかけてくる痔。おっさん二人の迫力のない鬼ごっこ

石を踏み外して沈む私。水のなかで溺れる。

よぎる死。とっさに辞世の句を読み上げる。


「イキぬべき 時知りてこそ 世の中の 尻も尻なれ チンもチンなれ」


薄れゆく意識の中、私はなにかと接吻するのを感じる。

全盛期マッスル北村おっぱいだといいな。


目覚めると、そこは黄色天井の病室だった。


「みっともないわね」


差し込む西日。夢精した私のブリーフを洗う恋人の後ろ姿。

そうだ。あの日トラックに轢かれたのは、私のほうだったのだ。


「ずいぶん気持ちよさそうにしてたわよ。何の夢を見てたのかしら」


枕の横にはつぶれたパインバーガーが転がっている。

一口けが減ったパテはしなびてカビを生やしている。


性器リウマチの夢さ」


白髪恋人はくすくすと笑う。少女に戻ったかのように。

窓の外では痔の瞳によく似た色の鳥たちが飛んでいた。

クラウドファンディング世界一周する知り合いを見て

別に友達と呼べるほどでもない、たった1日だけ話した、SNSで繋がってるだけの知り合いがクラウドファンディング資金を募り世界一周しようとしてるらしい。

彼と出会ったのは2年前のバンコクゲストハウスたまたま同じ宿に泊まっていたらしくロビー声かけられ、酒を飲みながら話した程度だ。

私も海外旅行が好きなので彼とは話が合うのかなーと期待していたが、話をして3分で馬が合わないことに気づいた。

とにかく自慢話だった。外人と仲良くなって朝まで路上で酒飲みまくった、酔っ払ってドミトリーぶっ壊した、野宿して警察に怒られた、日本ヒッチハイクして移動しまくったとかしょーもない自慢。彼は自称進学校を経て中堅大学に進学し、特に勉学に励むわけでもなく友人と毎晩遊び歩く典型的文系大学生だった。

まり長く話す時間はなかったが、またどこかで会うかもしれないからとSNSを交換しようと言われた。またどっかで会うかもしれないならSNS交換する必要ねえだろ、と思いつつも彼をフォローし、別れた後にこっそり投稿を見てみた。

彼のSNSには、変人しかいない高校の仲間、一生ダチのコンビニバイト仲間、終電を逃してでも共に飲み明かす大学の仲間との思い出たちがもれなく半々の男女比の写真と共に"感謝"の言葉を添えて投稿されていた。また、彼の周りにはたった2ヶ月くらいの大学生の長期休みバックパッカーをしに行くだけで送別会を開いてくれたり空港まで見送りしてくれる恵まれた仲間がいることもわかった。

その時私は、彼が海外旅行に来てるのはなく「バックパッカー」をしに来ていたということに気が付いた。彼は、周辺環境はいないバックパッカーというアブノーマル人間になって注目を浴びたい、なるべく多くの逸話を引っさげて故郷に錦を飾りたい、という気持ち原動力東南アジア一人旅をしていたのだろう。それを表すように、彼の投稿にはほぼ全て「#バックパッカー」というハッシュタグがついていた。

そんな時代あったな、と懐かしくなった。かくいう私も彼と出会ったバンコクは1人で海外旅行している最中だったし、過去に何度か1人で海外旅行をしている。1人で海外に行くことにこれといった理由特になく、写真しかたことないところに行ってみたい、1人だと誰にも気を使わなくて済むから、みたいなそんな感じだ。

そんな私ですら、初めて1人で海外に降り立った時はなんでもできるスーパーマンだと錯覚していた気がする。しかし、旅先で様々なアブノーマル人間出会い、自分ノーマル人間だとすぐ気づいた。本当にアブノーマル人間は関わりたくない、こうはなりたくないと思うほどアブノーマルだったし、こいつらがバックパッカーなら自分はただの旅行者でいいな。という気持ちになった。そういう点ではよく旅人が言いがちなセリフだが「価値観」が変わったのかもしれない。SNSバックパッカーを名乗りアブノーマルを演じる彼も、帰国するまでに「価値観」が変わるだろうし、今は好きにやっとけと思った。

しかし彼は違った。帰国後に彼のSNSを覗くと、せっかく広い世界を覗いたのにも関わらず、元々いた狭い世界に戻り恵まれた仲間の前であぐらをかいていた。

彼は恵まれた仲間と「お前変わってるよwww」「まあなwww」みたいな会話をし(想像)、バックパッカー経験を生かして相も変わらず目的のないヒッチハイクなどを続けていた。

2ヶ月の東南アジア一人旅では彼の生活言動、行動は変わることなく、唯一変わったのは誰にでもできる経験をして自分は大きい人間だと勘違いする歪んだ「価値観」だと、SNS越しで悟った。

まあ関東圏に住む彼とは二度と会うこともないだろうし、SNSくらい好きにやらせてあげればいいな。と飯の写真しかSNS投稿しない私は思った。

そんな彼がクラウドファンディングを始めたらしいということを耳にした。この話を聞いた途端、2年前のむず痒い感覚が突如としてこみ上げてきた。

どうやら彼は大学卒業するまでの間に世界一周をするため、クラウドファンディング資金を募るらしい。ホームページを早速見てみると、クラウドファンディング支援してくれた人々へのリターンは「”あなたらしく”生きるためのメッセージ動画」らしい。なるほどわからん

ページの彼の自己紹介欄には、辛い過去を乗り越えて自分らしく生きている現在への経緯が書かれていた。彼の過去否定しているつもりはないが、ありきたりの文脈すぎてどこかにテンプレート販売してるのかとすら思った。そして「私が私らしくを生きることで、あなたあなたらしく生きる」という崩壊したロジックで押し切ろうとする姿はむしろ清々しく思えた。

リターンの動画撮影する機材もGoProらしく、おそらく映像編集プロ並みの技術ではなくかじったことある程度だろう。なぜなら彼はリターンとして自分経験動画という形に残るもの他人押し付けるのであって、それを支援する人も彼の行動力に対して支援を行い、メッセージ動画などもちろんどうでもいいのだろう。

なぜほぼ赤の他人とも言える人間を見てこんなにもむず痒くなるのか。おそらく、私も海外旅行が好きだからこそ、「同族として見られたくない」という意識がかなり強いからだろう。そして周囲の人間から私と彼は同族に見られているかもしれない、という被害妄想をしてしまい、反射的にむず痒くなってしまうのだ。

彼のクラウドファンディング現在資金調達途中で、量は多くはないもののそこそこの資金を集めているように見えた。

しかしたら私自身がノーマル人間だと悟っているからこそ、アブノーマルに見える彼と、目的のない旅にすら支援してくれる恵まれた仲間がいる環境、そして歪んだ「価値観」でも前に進み続ける行動力を羨ましく思ってるのかもしれない。

あー、人の金で世界一周したいな。

2019-10-31

anond:20191030235030

『ザ・インターセクションズ』はどうだろう。

酔ってチンピラに義父殺しを依頼しちゃった学生が、そいつに付いてって義父を殺しにいくストーリーと付いていかなかったストーリーが同時に展開するちょっと変わった映画

徐々にチンピラから逃げようとする展開になる。ネタバレは調べないで見たほうがいいけど、結構好き嫌いは別れるかも。

アクションコメディだと意外と「逃げ切れちゃった」みたいな作品スッキリする映画が多いのかも。

少し違うかもだけど、結構オススメなのがロバートデニーロの『ミッドナイトラン』。

ギャングの金を横領した会計士賞金稼ぎデニーロ護送するんだけど、いろんな奴に終われてアメリカを横断する羽目になる映画

デニーロ自身お気に入り作品らしい。

『ノッキンオンヘヴンズドア』は男二人が海を見に行くためにギャングの車を盗んで逃げ続けるアクションコメディ映画だけど、追う側の敵が確信にゆるい作風だし、主人公達は不治の病で死ぬことが決まってるから、また少し違うのかなー。

ラスト全然悲惨じゃないんだけど。

ちなみにドイツ映画ね。恐ろしい事に、長瀬主演の日本リメイクがある。

他には、

ヒッチハイクしてきた宇宙人を乗せて政府組織に追われる『宇宙人ポール』、

実在詐欺師刑事主人公にした、長年にわたる追いかけっこのスピルバーグキャッチミーイフユーキャン』、

あと『なんちゃって家族』も麻薬輸送するコメディで、タイトルの割りに普通に面白い

古いけど『お熱いのがお好き』は女装して逃げる映画で、流石に名作なだけあって今見ても楽しめる。

『ザ・チェイス』っていうチャーリー・シ-ンのコメディ映画もあったな。人質とって逃げるだけの映画。そこまで面白いかは微妙

「逃げる」とは少し違うかも知れないけど、『ミッドナイトラン』みたいに護送中に敵に追われるアクション映画面白いのが多い。

強盗ボス護送する主人公たちとそれを追う銀行強盗を描いた西部劇の『3時10分、決断の時』や、

ブルースウィリスの『16ブロック』。これは結構ダイハード』の続編っぽくてそっちのファンにもおすすめ

詐欺師とか犯罪者が主役だと、デカ事件に巻き込まれながらどう逃げるか?という話は多いかも。

有名な『スティング』とか『フォーカス』、

ロックストックトゥースモーキングバレルズ』、

グランドイリュージョン』『マッチスティックメン』『コンフィデンス』とか。

大泉洋の『アフタースクール』は、逆に逃げた友人を追う内に色々ややこしい事情が明らかになっていく。

『バニシングin60』とかそのリメイクの『60セカンズ』は車がメインだし、爽快感あるかも。

そういえば『ワイルドスピード』も結構逃げる話だな。

シリーズ見てないなら、5作目の『ワイルドスピード MEGA MAX』くらいから見始めてもいいかも。ドウェインジョンソン出るし。

シリーズ的には4作目の『ワイルドスピード MAX』あたりからレースよりも追われて逃げるカーチェイスがメインの映画になってる。

ボーンアイデンティティーシリーズは国自体相手からアクション映画ながら結構逃げ続けるだけかも。逃げるテクニックに爽快感あるし。

逃亡者』『エネミーオアメリカ』『イーグルアイ』も近い感じはあるけど、どっちかというと戦って勝つことがメインのストーリーか。

逃げつつ一矢報いる系だと『ランナウェイ/逃亡者』やスピルバーグの『激突』どうなんだろう。

「え、おまえが逃げるの?」みたいな変則的な逃げの映画だと『ノーカントリー』とか。でもこれはスッキリしないしやっぱり多分違いそう。

ホラーだと『イットフォローズ』がそういう映画かも。

ゆっくり歩いて追いかけてくるからスリリングな展開ではなくて、じんわり追い詰められる系だし、ホラーからやっぱり後味はそんなによくないんだけど。

ファイナルデスティネーション シリーズ』も一応逃げ続けるだけかな、でも逃げ切れなかったみたいなパターンも多い。

『リング』なんかは逃げ切るパターンか。これも続編がアレだけど。

ホラー基本的に敵わない相手に追い詰められるのでそういう作風になるけど、でも最終的には戦っちゃう作品が多いしなあ。

エイリアン』『ターミネーター』がそういう作風で、『ターミネーター2』も割ときっちり最後まで逃げ続けるけど、最後は戦うし。

ストーカーものも逃げる系か。ジェニロペの『戦慄の誘惑』とか『ケープフィアー

ゾンビものにも逃げる作品はあるけど、どちらかというとそこからどうやって生活していくかというポストアポカリプス的な作風も多い。

ロメロの『ゾンビ』『死霊のえじき』『ランドオブザデッド』はそういう作風で、逃げたり隠れたりするのは一作目の『ナイトオブザリビングデッド』とそのリメイクの『死霊創世記』、あとゾンビリメイクの『ドーンオブザデッド』か。

28日後...』は割と逃げる系?

ゾンビじゃないけどロメロの『ザ・クレイジーズ』とそのリメイクも逃げる系かな。

逆に閉じ込められた状況から「逃げようとする」ことがメインの映画はどうなんだろう。ソリッドシチュエーションかいうやつ。

キューブ』『ミザリー』『フォーブース』とか、変り種だと『私が、生きる肌』。

『ソウ』は違うか。

これまた逆に、冤罪とか脱獄とか、刑務所にいる状況から逃れようとする話も違うのかな。

ついに逃げた!って爽快感がある作品も多いけど。

ショーシャンクの空に』とか『真実行方』とか、古くは『大脱走』とか『パピヨン』とか。

逃避行ものアメリカンニューシネマに多いけど、悲劇的なラストが多いしなあ。

俺たちに明日はない』『明日に向かって撃て!』『イージーライダー』『続激突 カージャック』とか。

2019-07-27

貧乏学生だけど生活が苦しいから助言が欲しい

貧乏学生」でググって出てくる「お役立ち情報」がどれも現実離れしてる。

学生時間を持て余してるって前提なのもクソだし、学生人間からストレスフルになると病む。

実際の学生(私)は講義毎日9時から18時まであるし、ゼミの日(週2)は20時まで。

バイトには週4~5で入るし、レポート試験も、発表系の講義もあるから勉強てんてこまいだ。

ゼミの発表がある週はゾンビの方が瑞々しい生命力に溢れている。

そこで、こっちは遊びじゃねえんだぞ~~と検索結果を巡回し続けていると、

過去増田の「貧乏学生だけど何をしているのかわからなくなってきた。」を見つけた。

https://anond.hatelabo.jp/20161017031727

コレはかなり共感できた。

そこで、先人に倣って増田愚痴らせてもらう。あわよくば助言が来たりしないかな。

まずは自分について。雪国底辺国立大に通っている、ド文系大学3年生。

家族構成は、定年間近の両親と、休職中の兄と、大学3年の私と1年の弟。

教員になるために多めに講義を取っている。

趣味旅行観劇文芸演劇サークルに入っていた頃は、脚本を書いていたのと、制作や舞監といった役割を主に担っていた。

そんな趣味をとうとう絶たざるを得なくなってきたので、こうしてクダを巻いている。

若い頃の苦労は買え、みたいなことわざがあるけれど、私は今本当に苦労を金出して買っている気分だ。

そのくせ将来への展望もない。

毎日をどうしよう、どうやって残り何円で生き延びよう、と思いながら生きている。

そして、9月からは5週間の教育実習、10月以降も卒論調査が本格的に始まるので、全然バイトに入れない。

演劇サークルに入っていたけど、バイトを入れるため、それから人間関係に嫌気がさして辞めた。本当はもっとやっていたかった。

他の大学演劇サークルの同期たちが活発に旗揚げしたり公演打ったりしているのを見る度に、お前らは私みたいに苦労してないか演劇ができるんだ、なんて酷いことも考えてしまう。

それもこれも金が無いからなんだ。ちょっと冷静になって、自分の一か月の金策を振り返る。

まず収入は、貸与の奨学金3万とバイト代平均6万。合計9万。

このバイト代が9月はゼロ、10月以降は3万ほどになって、合計3~6万ほどになることが予想されるので、今切羽詰まっている。

それから、親から4万借りている。これは学費のため。半年学費26万を、親から借金24万+どうにか捻り出した2万で払っている。

次に支出

家賃は3万。後期入試大学に入ったため、お得な物件は埋まっていて、ここが一番安かった。

水道光熱費は1万。高すぎると思うだろうか。しかし私が住んでいるのは雪国なので、冬にはストーブ灯油代がかかる。

夏は7千円(上下水道2500+電気2000+ガス2500)くらいで済んでいる。しかし冬に備えて一月3千円の積み立てをしているので、出費としては1万円だ。

冬場は灯油ストーブを焚かなきゃ死ぬ。これは必要経費だ。

通信費家族割で安くなっているらしいと聞いて、特に何も聞かず親の口座に1万入れている。

ちゃんと聞いていないのは、後で詳しく書くけど親と仲が悪いからだ。1万も入れれば足りてるだろう。余った分は親が要求してやまない仕送りってことで。

交際費に1万。飲み会に行ったり友達の誕プレを買っていたらすぐ消える。ここは10月から減らせないかと考えているところ。

貯金に1万。ここで貯めた分でサークル費を払ったり、旅行観劇に行っている。

自慢したいんだけど、私は貧乏旅行が得意だ。北国から神戸京都に一泊二日で行って、飛行機代等全部ひっくるめて3万だった。

ヒッチハイクで行けばもっと安かったと思うけど、それだと時間がかかるから。ぱっと行ってバイト入った方がプラスだと思うし。

・残り2万が食費等。これが足りないらしく、バイト給料日前には残り10円とかになっている。

一応今の所生活は成り立っている。ストレスを溜めすぎないようにちょこちょこ飲みに行ったり、趣味旅行観劇もできている。(文芸はほぼ費用ゼロだし)

しかし、10月から収入が減る。書きながら思ったんだけど、教員採用試験勉強もあるから予想していたのよりもっとバイトに入れないかもしれない。

ここから3~4万分はカットする必要がある。

厳しいなあ。まだ学費を親に借りれているだけましだけど。

奨学金を増額すればいいのかもしれない。でも、私は卒業したら親に学費を返さなきゃいけないし、加えて仕送りをしなければいけない。

というのも、私が卒業する年に、両親が定年退職する。うつ休職中の兄はまだ奨学金を返しきっていない。弟は院進を考えている。

教員給料家族4人を支えていかなければいけない事を考えると、奨学金の返済にあてる分は出来るだけ少ない方が良い。

こんな事なら進学しなければ良かった、なんて考えることもある。

両親は、私が中卒で就職すると思っていた。そこを必死に頭を下げて、高校大学まで進んできた。

実家は山奥の限界集落にある。高校まで片道2時間、通学バス定期券は1か月1万円強。お小遣いは基本無し、必要な時は用途を明確にして頼むこと。

教科書や授業で使う問題集のほかは、シャー芯と赤ボールペンと授業で使うノートの分くらいしか頼めなかった。

私はその地方東北北陸とか)で一番の大学に行きたくて、職員室のミスプリントをパクって勉強用のノートにしていたし、放課後お腹がすいたら学校水道から出る鉄臭い水を入れて飲んでいた。

弁当は家にあるもの自分で作っていた。だいたい塩むすびだった)

結局その大学には前期試験で落ちて、センター逃げ切りの形で今の大学に入った。

今の大学でたくさんの尊敬する人たちや大切な友だちに出会たから、後悔はしていない。

でも、大嫌いな両親の顔が一層見れなくなった。受験のために、余計にお金をかけてしまった。

私が両親を嫌う理由は、前時代的な観念体現したような二人だからだ。進学させてもらった事に感謝はしているが、それとこれとは別だ。

私が女だから進学には猛反対したし、高校で入っていた部活で全国入賞しても、全く興味を示さなかった。

から私は両親が嫌いだ。

それでも、卒業就職して両親と縁を切れば、残された兄と弟はどうなるのか。それを思うと、仕送りは確実にしなければいけない。

兄と弟のことは好きだ。同じ親の下で生きてきた同房だから

兄は復職の目途が立っていない。今は働いていた時の貯金から奨学金を返済しているが、このままだと踏み倒して自己破産だろう。

弟は、私が仕送りしなければ院どころか4年間の学費もままならなくなるだろう。両親が退職して4万の仕送りが出来なくなるんだから

私は兄弟を助けるためにも仕送りをしなければいけない。嫌いなクソ両親もそれを望んでいるし。

まてよ、学費の返済に月4万、弟の学費分4万、兄の返済分は今ちょっとからないけど……月10万は仕送りしなきゃいけないやつ?

え、、詰みじゃん、、

何の話をしていたんだっけ。つい愚痴になってしまいました。申し訳ない。

あ、そうそう。将来を考えると奨学金は増額できないから、どうにか支出から3~4万削らなきゃいけないんだった。

増田を見ているみなさんのご意見が聞きたいです。以下に整理してみます

当方

国立大ストレスフル学部3年

趣味を絶つとストレスフルで多分死ぬあまあまメンタルです

収入

奨学金3万+バイト代6万、10月以降3万前後の予定

支出

家賃3万

水道光熱費1万

通信費1万

交際費1万

貯金1万(あ、好きなバンドライブに行くため今貯めてる分は8月に使い切ります

食費等2万

ぜひぜひご意見お願いしま!!!

2019-07-02

ヒッチハイクアメリカ横断の中学生現在

今年のはじめ頃に炎上してた、アメリカヒッチハイクで横断中学生

今どうなってるのかツイッター見に行ったら、中学生から高校生になってて

アメリカ炎上後すぐにマレーシアか何かを横断してて、夏はオーストラリア縦断するとか言ってて

なんか周囲の人たちもそういう人ばっかりで

あとツイッター信者みたいな応援しま軍団がよく構ってているようで

企業スポンサー集めて旅行するとか言ってたり

ビジネスを始めるとか言ってたり

西野の本に感動してたり

あの時すごい炎上したのに、あんまり変わってないなぁ

なんか若いバカっていいなーと思った。

https://twitter.com/REIbahobahoanta

顔写真の表情、いつも目が死んでてちょっと怖い感じしてる

2019-05-11

ヒッチハイク中学生不登校ユーチューバーの反応見るに最終的解決社会による一元的子育てに思える

子供がそんな馬鹿たことしてるなら止めるのが親・保護者の役目」というなら「何が馬鹿げてることで何が馬鹿げていないのか」判断するプロフェッショナル外子育てするべきじゃない

2019-02-18

アメリカ横断ヒッチハイクとか馬鹿やる無鉄砲さが0.1%くらい欲しかった

それくらいのアホさな人生どんなでもある程度楽しいだろうに

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