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はてなキーワード: ファンタジー小説とは

2016-07-02

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グレンデルって漫画とレディ&オールマンって漫画を読んだ。久々の感想文です。

グレンデル中世っぽいファンタジー世界の話で、一巻だけしか刊行されていないんだけど、物語の広がり方に期待が持てる作品だった。何かしら、世界の裏に潜む真相が見え隠れする物語って読んでいて楽しい獣人亜人存在や、森の怪物ゴーレム魔法みたいな、ありがちなファンタジー要素を網羅しつつも、様々な人物や団体の多種多様な思惑が張り巡らされている感じがびんびん伝わってきて、読んでからとても満足できた。展開が早いのも素敵。濃密な漫画体験を得られる作品だと思う。

また、主人公女性騎士が独特な性格をしているのも面白い。重い罪を犯して死か使命を果たすかを選ばされる人物なんだけど、大体こういった場合その罪事態は止むに止まれず犯している場合が多いと思う。けれどこの主人公は自ら率先して仕えていた主君を見殺しにしている。自分が生き残るために可能性の高い方を選んだわけだけど、こういった我の強い(そしてとてつもなく強い)主人公をよく主役に抜擢したと思う。シュトヘルなんかも似てるっちゃあ似てるんだけど、結構早い段階でユルール和解してる描写があるのがこの作品と違うところかな。

異形の者と人との二人連れって作風結構多いけど、ちょっと毛色が違う作品が出てきたなあって感じ。海外ファンタジー小説にありそうな世界観がとても良いです。

もうひとつのレディ&オールマンシュリーがひたすら可愛らしい漫画だった。もちろん内容もしっかりあるんだけど、兎にも角にもシュリーが可愛らしかったということを声を大にして主張したい。

オノ・ナツメ漫画って、いままで大体主役が男性だったから余計にシュリーが可愛らしく見えた。ウルトラジャンプ掲載されてるらしいから、もちろん読者層を慮っての絵柄なんだろうけど、本当に、本当にかわいい。いつも目がキラキラしてるし、はにかんだ表情とかもう素晴らしいの一言

内容としてはどうやら不老不死っぽい相棒のロブ(この人物もどこかぬけているし憎めないし、愛着が湧く)と共に、昔父親が営んでいた運び屋の仕事シュリーが始めていくっていうストーリーなんだけど、それだけじゃない独特の味わいが出ている作品だった。コマ割りとか台詞わましとか。時代設定もいいと思う。1960年台とロサンゼルス。60年代の気風が見えてくるかどうかと言われるとよく分からないんだけど、ところどころで瀟洒な雰囲気が漂ってくるのが素敵だった。絵だけで魅せる漫画はやっぱり格好いいと思う。

さておき、ゼノンコミックスってどんな読者層をターゲットにしてるのかなあってふと思った。女性向けっぽいのかしらん。ビームコミックスヒバナなんかと同じで、個人的最近購買してしま出版社です。

しかしながら最近漫画まで積読本が増えてきてしまった。困った。小説だけで二百冊くらいあるのに。困った。ヒーロークリッカー、何も考えずに遊べるから楽だし面白いし辞め時がないんだもの

2016-05-23

急に分かる瞬間がきた

昔読んだ漫画だかファンタジー小説だかで、「魔法契約自体は済んでいるけど、理解が出来ずその魔法が使えない」みたいなくだりがあったんだけど、最近そんな経験をしたので。

例えば、というか実際そうなんだけど、それまで全く英語がわからなかったのに、昔受験のために頭に詰め込んだ単発単発の英語の知識が、突然線で結ばれたように繋がりだして途端に英語理解出来るようになったみたいな。

先月の事だったんだけど、その時は資格勉強のために毎日テキストを読みふけっていた時期で、それがある朝目が覚めた時にやたら頭がスッキリしてて、きのう勉強した事がやたら頭に残ってる感じがした日がありまして。

その時は今日調子いいのかなくらいに思ってたけど、その日を境に物事の考え方が違ってたというか、俯瞰でみれるようになったというか、何か今までの自分と違うような気がした。やべー俺覚醒しちゃったわみたいな。

もしかして頭いいやつってこんな感じを昔から持ってたのかなーと。

なんというかゴチャゴチャだった頭の中が整理されたって言い方が一番しっくりくる感じ。

それ以来資格勉強やら何かモノを覚えなくちゃいけない時も、勉強した後に一眠りした後だと、更に理解力が高まってる気がするし、学生時代のように徹夜で頭に詰め込む!みたいなやり方よりも、勉強した後にきっちり睡眠とった方が断然ものを覚えられるようになった。

脳が睡眠の使い方を覚えた!みたいな感じなのかなぁ。

書いてるうちに何を言いたいかからなくなってきたけど睡眠大事ってことで。

それではおやすみなさい。

2015-10-23

ラノベライトファンタジー執筆者にも最低限の思考力あれかし

・“持つ者”(血筋・金銭・出身)と“持たざる者”に二分した世界

・“持つ者”には特殊能力(魔法)がある。

階級は「血筋金銭出自」に拠ってるのか「魔法」に拠ってるのかはっきりしろよ。

・“持つ者”として反乱を抑える軍隊所属

・幼少期に両親が死に、孤児として物心ついた時から軍隊

物心ついた頃から孤児ってことは「血筋金銭出自」は無くしてそうだがなんで特権側に居られるんだよ。

・少数特権階級なのに同じ階級と認める孤児少年兵にするの?変な奴等だなあ。

孤児主人公を拾い、軍隊に入れた男】

軍隊の中では地位が高い。(大佐以上)

・前述の特殊能力が非常に強いため、地位が高い。

特殊能力によって歪な世界を作り上げた張本人

おいおいおい、近いところにラスボス居るなあ。

世界を決定的に変えた男なのにたかだか大佐なの?

カダフィ大佐みたいにそういう肩書き独裁者なのか?

これもまた意味わかんない設定だなあ。

 動機は、【主人公の父親を合法的に消したかたから】

おおおい!

そんなことだけの為に世界に大革命引き起こしたのかよ!

そこは非合法でもばれないようにうまく殺すこと考えろよ。

ばれない殺人を完遂する難易度より革命成し遂げる難易度のほうがはるかに高いだろ。

主人公にとっては父親のカタキであり、自分の恩人。

・でもこの男を消さなかったら自分世界においての存在不明

男がイカレポンチ過ぎて少しも葛藤できない。

キモい片想い男で片想いのためだけに革命やりとげる狂人

みんなが苦しんでるのも全部そいつのせい(主人公の苦しみも含む)とか

殺すしかなさ過ぎるだろ。

父の仇とかどうでもいいレベルじゃねーか。


男「私が特殊能力によって世界、人々を操作、この歪を作り上げたのだー!

お前の父親が邪魔だったのだー!」

主人公「えええええ 自分存在が正しいことを証明するためにも

この世界を正さないといけないのにー」

反応が違うだろ

主人公「え、俺の親父始末するだけの為にどんだけ労力かけるの?

     そのソリューションちゃんと検討した?」

だろ。


男「グワー!!!!!!!!」

世界「元通りになったよ、めでたしめでたし

とにかく自己主人公大好き。

別に自己中じゃないだろ。

男の設定が破綻しすぎてて他のキャラ全部どうでも良くなるわ。

世界中人類を救える(そんなアホ1人に追い込まれ世界人類大草原や)んだから

殺すのは正当化できまくりだし。




お前の設定は

・あまりにも不合理でリアリティのかけらもない(リアルかどうかと言ってるのではないぞ)

・お前が得たいカタルシスにとってすら辻褄が合ってない(別に主人公自己中になれてない)


中学生なのか?

もう少し常識合理性思考力を身に着けれ。

それがあってこそ突飛なファンタジー小説のようなものも描けるようになる。

革命から一世代も過ぎてないのに歴史抹殺成功してヒロインしか真相知らないって設定ガバガバすぎるし

あとヒロイン別にいらねえよなそのプロットだと。本ぐらい拾えばいいし。

ラッキースケベ要員かなんか?

http://anond.hatelabo.jp/20151023133424

2015-08-30

http://anond.hatelabo.jp/20150829215859

ロイス・マクマスター・ビジョルド「影の棲む城」(創元推理文庫)

主人公40歳で2児の母親未亡人で周囲に狂人と思われてる女。

普通に考えたらどう考えても面白くなさそうな設定なのに、クソ面白い奇跡のようなファンタジー小説

ヒューゴー、ネビュラ、ローカス三賞受賞。Amazonレビュー満点。

2015-07-23

恥ずかしいなあ

原作チェックしてみろよ。

お前が嬉々としてあげつらってることなんて、筆者は自分で気づいてて理由も書いてる。

どうせまともに本読んだこともないんだろ?

ファンタジー小説をチラよみする程度のリテラシーもないのに、

「ここがおかし!!!!!」って恥ずかしいよ。プゲラ

http://anond.hatelabo.jp/20150717111517

2015-04-14

平然とブサイク蔑視が為される世の中に絶望

ラノベ作家脱税の件。

   

はてなブックマーク - ライトノベル作家脱税容疑で告発 税扱う作品手がける:朝日新聞デジタル

http://b.hatena.ne.jp/entry/www.asahi.com/articles/ASH48538QH48UTIL01J.html

id:memoryalpha 顔バレ名前バレしたのが痛そうだな、とニュース映像を見ての感想(´・ω・`)

id:apricotbarley ペンネームしか知らず、女性だと思ってただけに実物見がっかり

   

はてなブックマーク - ファンタジー作家脱税容疑 - NHK 首都圏 NEWS WEB

http://b.hatena.ne.jp/entry/www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20150413/3795921.html

id:nekora "橙乃ままれペンネーム" "梅津大輔代表(41)と、著作権管理会社の「m2ladeJAM」" http://www.xanthous.jp/wp-content/uploads/2015/04/thumd4658.jpg 小汚いおっさんだな

   

TV報道での本人のキャプ画像が貼られた2ちゃんだともっと酷い流れ。

脱税したのは確かに悪い。だがそこで外見を揶揄する必要あるのか?

「『小汚い』は顔でなく身なりを指した」と言い訳するかも知れんが

公式会見などでなく突撃取材なんだから、身なりが整ってないのは仕方ないだろ。

こうなるのでは本人が今まで顔写真を表に出してこなかったのも納得だわ。

   

ペンネーム作風とのギャップが……」との意見も有るが

じゃあブサイクは「ガマガエル田吾作」みたいなペンネーム名乗らなきゃダメなのか?

萌えキャラ活躍するファンタジー小説でなく、根暗キャラが鬱々とする小説書かなきゃなのか?

   

身体障害者差別してはいけないのは常識だよね。

もって生まれもの或いは自ら望まずそうなったもので、本人の努力でどうにもならないから

じゃあ何故ブサイク差別は許されるの?

美容整形手術が有るじゃん」?あれが現代医療技術有効なのは、のっぺりした薄いタイプの顔だけ。

それに今の日本では美容整形したことを隠してもオープンにしても馬鹿にされる。

その点では美容整形積極的に認めるブラジルあたりのほうが筋が通ってるわ。

   

外国人女性殺害した市○達也には「市○ガールズ」みたいなのが沸く一方で

遥かに軽い犯罪を犯してもブサイクなだけで只管バカにされる。

   

2ちゃんニュース関連の板で恋愛関連のスレが立つと

「女はイケメンばかり相手にして、ブサイク馬鹿にされるだけ」みたいな意見をよく目にするが

自分達が「ブサイク馬鹿にする」世論に加担してないか?

2014-03-25

仮想現実という幻想

直接を受けてはこれ。

http://fanfiction-novel.com/archives/544

仮想現実物のアニメラノベについての雑記

ただし、別に反論とかそーいう代物ではないです。

?B から REV さんの

http://lightnovel.g.hatena.ne.jp/REV/20100128/p2

ゲームの中が舞台ラノベ

も参考にしてます

 

web小説のVRMMORPG物とかが書籍でまであふれていて、いくつかのそういうラノベの状況への批評を読んで、そういうのに対してもにょもにょとした感覚を持ってたのだが、アウトプットしてないなと。で、アウトプットしたいなという感覚がとっても大きくなってしまったので落書いてます

で、自分領域だと ?D も ?H も Tw も読む人が皆無なので、自分のところよりは読む人が多いであろう増田借ります

結局のところ独りよがりチラシの裏なので、嫌いな方はページを閉じてください。

また、ねたばれを平気で入れます

 

よござんすか?

 

よござんすね?

 

そんじゃ、チラシの裏を徒然なるままに。

物語類型

一番最初に気になったのは、物語類型としての分類。

ぽすてぃぶさんが

仮想世界物の「SF」がSAO

仮想世界物の「異世界召喚物」がログ・ホラ

仮想世界物の「サスペンス」が.hackこうではないでしょうか?

としていたのですが、これの SAO を疑問に思いました。

SAO最初は、ゲーム仮想世界に閉じ込められて、命がけのデスゲームを行うというものです。

そこで、確かに世界の作り方は SF なのですが、では「物語世界」を考えると、これは「ファンタジー」の方が近いのではないかと考えています

ぽすてぃぶさんが持ち出した SAO の要素として

思考加速、人工知能ロボット、A.Iが住み管理する街、これだけ聞くと完全にSFです。

とあるのですが、作中でこれらのギミックが「SFとして」活用され始めるのは、少なくともアインクラッドを抜けた後になりますユイのボディを現実につくるためには?など。

そう考えたとき、少なくとも最初アインクラッドでは、彼らの世界ファンタジーと同一の代物でしかありません。行き過ぎた科学により魔法と見分けがつかない代物です。そして彼らにとっては、それだけが世界」です。

 

同様の構造クリス・クロスにも見られます

ダンジョンの中に閉じ込められ、クリアするまでログアウトできない。ゲーム中の死はそのまま本人の死につながる。

作中のスキル「ゲーム」という設定なので「SF」ではありますが、キャラクター世界にとらわれいることからゲームの中だけが知覚できる「世界」になっています。そしてその「世界」の中には SF ギミックは問題ではありません。

 

これらに比べてログホラで違うのは「キャラクターの死」が「プレーヤーの死」と直結していない、というルールが典型でしょうか。

しかし、作中キャラクターにとっての「世界」とは何か?を考えたとき、彼らの世界はもともとの現実と全くつながっていない、「世界はいま生きているそこだけ、という意味では、同じになります

 

その意味で、彼らの物語類型を考えた時に重要なのは

このように設定された「世界であるのではないかと考えています

 

となると、これらはすべて「貴種漂流譚」の系譜とみるべきではないかと最初に思いつきます

貴種漂流譚?

しかし貴種漂流譚とした場合物語類型としては明らかに違うものがあります

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B2%B4%E7%A8%AE%E6%B5%81%E9%9B%A2%E8%AD%9A

VRMMORPGMMORPG場合主人公は貴種というわけではなく、また、多くの同様の他人と一緒に異界に漂流しています

これは明らかに貴種漂流譚とは違う特徴です。そもそも貴種漂流譚は神話類型で、英雄譚のいくつかにみられる特徴なので、そのまま当てはまるものではありません。

行きて帰りし物語

となると、他に近い分類を考えると、「行きて帰りし物語」というのが出てきます

http://hiki.cre.jp/write/?YukiteKaerisiMonogatari

これは乱暴な言い方ですが、貴種漂流から「貴種」の特徴をとっぱらったものといえます

結果残るもの

というパターンになります

多くの場合冒険に駆り出される理由は「日常からの欠落」が起き、「冒険の中でその欠落したもの、あるいは替わるものを見つけ」「日常に帰ってくる」というものです。スターウォーズなんかこれの典型ですね。

 

ここまで来ると、物語類型であり、一方で物語論として「読者に受ける物語とは何か」という話にもなってくるのですが、そちらの論は話の方向性微妙に違うので割愛

 

さて、では素直に「行きて帰りし物語」の類型としてまとまるでよいのでしょうか?

集団漂流というジャンル

ところがここでも問題が、行きて帰りし物語場合冒険に投げ出されるのは「主人公」とかその周辺がせいぜいです。

また、「日常に帰ってくる」というのも重要になりますログホラの場合ゲーム中に行われている冒険では「日常に帰ってくる」のですが、「現実世界」の意味では帰ってきていません。

 

では、さらに共通項をと考えた時に残ってくるのが「集団漂流物」というジャンルになります

これの古典で有名なのは十五少年漂流記(小説)ですね。

個人的に思い出すのは、空飛ぶ!竜峰学園(ラノベ)とか、勇者110番(NG97)とか、かなりマイナーどころになるわけですが。

類型とその違い

ということでもう一度元に戻り、SAOログホラ、.hack で考えてみた場合

という分類になるのではないか……と考えたのであります

なお SAO ですが、実際には細かく変わっていて

というのが物語類型での分類になると思われます

異界へのギミックや、異界で使う技術「ゲーム」ベースであるため、一見 SF なのですが、実際なところはあれらは「魔法」と物語上ほぼ変わらないものほとんどです。

となると、物語類型を見る場合にはもっと重要ギミックがあるのではないか?ということで、このような分類を夢想しています

ゲームという題材が特殊なのか?

ここで気になったのが、では「ゲームという題材が特殊なのか?」ということです。

で、最初の方に戻る。

web 小説や、そこから現実書籍になったものが、いろいろと「似通ってるな」という印象は、はたして「本当なのか?」。そして「似通ってるな」と思ったものは「何か?」。

個人的に多くなったなと感じているのに、確かに VRMMORPG に取り込まれるってのがあります。そして俺TUEEEEE。

しかし同様に、異界漂流物も多くなってるなとも思うわけです。ファンタジー世界で「生まれ変わる」とか「召喚された」とか。そして俺TUEEEE

で、これらを考えた時、ある意味昔っから変わってないのではないかと思うわけです。ファンタジー世界に行って無双っての。ゲートも戦国自衛隊ファンタジーにしただけだ、と乱暴に切り取ってみたり。

結局「無双の理由づけ」に何を使っているのかという部分で、VRMMORPG というのが身近になったのかなと。

 

そもそも「コンピュータを用いたゲーム的異世界」で冒険というのであれば、いろいろと話は出てきます

それこそ、最初は「ジャックイン」でしょうか。ニューロマンサー('84)。これのジャンルだと SFサイバーパンクですね。この場合マトリクス現実世界の裏にある(人工)異世界という視点で見れば、ファンタジーの一種とみることも不可能ではありません。

同じくサイバーパンク電脳世界があるもので、漫画で有名になったのがサイレントメビウス('88)でしょうか。

他、こちらはハビタットのような電脳街という感じの世界ですが、BOOMTOWN('92)という漫画もありますAI が住み、自己増殖する電脳世界に入り込み、バグ退治を行います表現SF 側です。

そして、ゲームといっても電源不要東京N◎VA('93)なんかが思い浮かびますサイバーパンクなTRPG

一方、完全にゲームの味付けでは、クリス・クロスが '94、クラインの壺だと'89ですね。

 

そしてこの「ゲームな味付け」で「異世界」となると、コンピュータを捨ててファンタジーにぐっと寄ったものとして思い出せるのが遥かなる異郷ガーディアン('90)。死亡無し、バイト感覚ファンタジー世界魔王を倒そう!という話です。あるいは、日帰りクエスト('93)なんかも近い代物でしょうか。これらは日常の延長として異世界ちょっと冒険してくる代物ですね。

これらと .hack が似てると思ってて、ギミックに「異世界」が絡む程度なんですよね。物語世界の構築法の話であって、物語としてはその異世界重要なのですが。

 

そして、完全にファンタジーに話を持って行ってしまえば、作品は一気に広がります

世界現実を行き来するってのでは、ナルニアとか。

個人的には魔法使いになる方法(ダイアン・デュアン著)を持ってきたいです。翻訳がまた止まった……。こちらは、現実世界の「裏」にある世界なので、ナルニアのように現実世界の「隣」にあるのとは違っていますが。

 

ここで VRMMO を題材に使っているのを考えてみますと。

VRMMO は現実世界の「隣」にしかなれません。アクセルワールドのように現実世界を模した世界であっても、現実世界に影響は与えていません。

その中で主人公プレーヤー集団が「命」であったり「記憶」であったり「思考」であったりの影響を受けるという、世界以外が対象になります

となるとこれは別にゲームではなくファンタジーであっても同じなので、ここの類型から考慮しないでも済みます

 

一方、魔法使いになる方法では、魔法使いだけに見える世界というのは、現実世界と表裏一体です。魔法世界で変化があれば、それは現実世界にも影響を及ぼします。

これは電脳世界を用いた場合でも同じギミックがあるように作ることもできます

N◎VAもそうですし、サイレントメビウスもそうですね。

 

このような違いを見るに、ようするに「VRMMO などに見えるゲーム世界・異世界」というのは「現実に影響を与えない箱庭」という概念でくくれるように見えます

世界漂流ファンタジーもその多くは「現実に影響を与えない箱庭」的世界です。

このように、完全に切り離されている異世界かどうかというのが重要ポイントなのかもしれません。

俺TUEEEの源泉

ちょっと話が散乱したので、少し戻します。

無双の理由づけ」です。

VRMMO 、あるいは「ゲームルールがある異世界」を用いた場合、「俺 TUEEEE」に対してこじつけが作りやすいのが、この分野が氾濫している理由なのかなと思ってみたりしてます

どういうことか?

 

多くの場合対象となる異世界は、技術文化水準が現代より低いです。

FPSSLベースにした場合は逆もありますが、氾濫しているのは多くが「ファンタジー世界」として「中世西洋」がベースです。

そこで俺TUEEEとして従来のファンタジー神話伝説英雄譚、ファンタジー小説などがとった手法が「貴種」です。

これは現実にも祭事が政であった時代に、「神の信託を授かる巫女」(卑弥呼など)とか「神(竜)の血統」(中国皇帝日本天皇)とか「神に認められた」(キリスト教や同影響下の国々の王など)が用いた手法で、何か特殊存在が力を認めているから「偉い」という考えから来ている物と思われます精霊信仰や祖霊信仰なども同様なので、世界中で行われた、あるいは現在進行形の考え方ですね。

 

そして、漫画アニメラノベでもこの手法はいくらでも使われています。作品は割愛。 

では、一般人ではダメなのかってところから始まったのが、異界に行った時に「異物」なので強くなったというものです。この場合だと貴種である必要性がなくなります

この場合重要になるのが、多くは「機転」や「思考」だったりします。その世界にない視点で物事を考えることで、打開するなどもありますね。

 

VRMMO の場合、この後者の考え方を用いて俺TUEEEをするというのが基本ですね。

ログホラがわかりやすいですが、異世界にはないけど現実世界にあったものを再現することで、異世界でのアドバンテージを得る。蒸気機関はこのギミック

この手の異世界で発想で先手を取るってのが、他だとアウトブレイク・カンパニーであったり。あるいはくじびき勇者さまを思い出してみる。他にも新書であったような記憶があるのに、題名全然出てこない。

まおゆうも「その世界になかった概念を持ち込む」事で「世界に影響を与える」という部分で、ログホラとそっくりなことを味付け変えてやってます

 

てなところで、俺TUEEEの源泉をあれこれいじってきてるのは増えてきてはいるなとは思った。

今までだと単純に戦闘つえー、魔法つえー、だからねぇ。

とめどなく

結局まとまらないので、適当なまま増田に投げつけて終了。

続きも別に考えてないで投げっぱなし。

2013-02-07

http://anond.hatelabo.jp/20130207151403

横だが。

ラノベ定義って、「あなたラノベ定義したものラノベです。ただし他者がその定義を受け入れるとは限りません」じゃなかったっけ(冗談半分)。

まじめに言えば、ラノベってのは市場との関係性によって定義されるものであって、市場抜きにラノベ定義することはできないだろう。個人的には、娯楽としての文学から娯楽性だけを取り出して純化したものラノベだと、個人的には思っている。娯楽性の定義はその時代時代によって異なるので、作品だけを取り出して「ラノベ」と定義することは困難。

例えば、個人的には水野良ラノベの源流の一つだと思っているが、今ロードス島を読むとかなりしっかりした世界観に驚かされる。だが、当時はファンタジー小説っていうとやたら小難しくて(ホビットの冒険とか、まぁ翻訳物ってのもあったとは思うが)、ロードス島はかなりの革命だったのだよ。

2012-09-27

May_Romaさんに学ぶ!一瞬で億万長者になるたった1つの方法

NHK英語教材いいよね」と発言したら、著作権料を請求されたでござるの巻

人材コンサルタントの常見氏が「僕は最近英語をやり直しているんですが、NHKの教材は最強です。初歩的なことから高度なことまで、月に数百円で学べるなんてすごいですよ。」と発言したところ、元国連職員のMay_Roma氏が「コピーしてんじゃねぇ。俺に金払え、バカ野郎」とお怒り遊ばれたのです。詳しくはこちらをどうぞ→常見陽平氏の発言にMay_Roma氏が怒髪天を衝く


なぜこれほど彼女激怒しているのかというと「NHK英語教材がいい」という発言が、自分パクリであるからだそうだ。

常見氏はポルナレフ状態で

「あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!おれは奴の前で『NHKの教材、いいよね』と当たり前の事を言ったと思ったらいつのまにか著作権料を請求されていた。自意識過剰だとか基地の外だとかそんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ。 もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…」といった気分でしょう。

でも、ただこの案件にげんなりしているのでは意味がありません。私たち世界の嫌な部分からも何かを学び、前に進むことができるからです。

ということで、億万長者になろうと思います

May_Romaさんによれば、「NHKの教材って、馬鹿にならないよね。結構スゴイよね」と英語を多少なりともかじったことのある人なら誰でも語ったであろう言葉をもって、著作権料を請求できるらしい。何を言っているかからねーとは思うが、元国連職員でTwitterフォロワーがたくさんいるMay_Romaさんが言うんだから間違いないのです。彼女の御お言葉は、あまねく娑婆世界を照らすものなのでございますから


NHKの教材いいよね」レベルの発言で著作権が主張できるのなら、この世界には宝の山がドサドシャとあることに気がつきます

そんなわけで、Twitter超人May_Romaさんの方法を真似て、僕も「誰でも言ってそうなこと」を言って億万長者になろうと思います。以下の発言をこれからする人は、敬意と尊敬をもって、僕にお金を払ってください。

レッツ・ビギンサクセスやで!!!

偉大なる僕の著作一覧

  1. オナニーって気持ちいいけど、終わった後、虚無感に包まれるよね
  2. ふぅ…世界もっと平和になればいいのに。
  3. 津田大介金髪だよね
  4. 戦争って出来れば避けたいよね
  5. 今の政治ってぇ、政局の問題ばかりが取り上げられていて、本質的な政策の問題が議論されていないわけですよ。政局ではなくもっと政策の議論をして欲しいですよね。
  6. お金が欲しい
  7. 茂木健一郎のどんな話題でも「これは脳にいいんですよ」と脳に結びつけるトーク、正直もういいよね。
  8. 震災以後の日本には、今まで以上に「絆」ですね、K.I.Z.U.N.Aが求められていますよね。
  9. 津田大介金髪
  10. softbank電波が悪い。
  11. TENGAがあると、はかどる
  12. アンパンマン主題歌で「愛と勇気けが友達さ」って言うけど、友達少なっ!!ねぇ、これチョー受けない?wwwwwwちょッwwwワロリンヌwwwwうぇっwwww
  13. 年功序列は既に崩壊日本という国にも依存できなくなった。これから若者は、グローバルに通用するスキルセットをゲインするために、チャレンジングなオポチュニティにロジカルにジョインしていくことが重要だ。
  14. これからソーシャル
  15. ヒトラー、わるいやつ。
  16. 津田大介金髪。とても金髪
  17. 格ゲーが廃れた原因は、コンボが複雑すぎて初心者にはついていけないからだよね。上級者にただボコボコにされてストレスを溜め込むために100円を払う奴なんていないよね。
  18. 刺青を入れているAV男優は、かなり萎えるのでやめて欲しい
  19. 会いたくて 心が震える夜 不器用パスタつくったら さぁ翼広げよう
  20. 僕らが「オリジナルだ」と考えていることは、大抵他の誰かがすでに考えていたり、発表したりしていることだよね。たとえば、アクション映画をつくるときに、ブルース・リーの影響から離れることは到底不可能だよ、ファンタジー小説を書くのに指輪物語の影響を受けないのは難しい。どれだけ偉大なクリエイターも、他の人の創作物の影響から逃れることはできない。「真にオリジナルもの」なんてこの世には存在しない。あるとしたら、単なるバカか勉強不足のなせるわざだ。だから、多少の類似で「著作権侵害コピーだ」という人がいるとしたら、恥を知るべきだよね。ましてや、それが「NHK英語教材いいよね」と誰でも言いそうな当たり前のことであれば尚更。お前中心に世界は回ってるわけじゃないんだよ。

さぁ、みんなも「誰でも言いそうなこと」を発言して億万長者になろう!早い者勝ちだよ!

2012-03-19

露出の激しい鎧を着て羞恥に耐え闘う奴隷剣闘士

今読んでいるアメリカファンタジー小説タイトルのようなシーンが出てきた。

観客の女性が喜ぶから、色男マッチョ奴隷に性器がかろうじて隠れるような鎧を着せて戦わせる。

日本ではエロ漫画で女戦士の時にしか出現しなさそうなシチュエーションだなぁ、何だか文化体験で面白かった。

2012-03-10

http://anond.hatelabo.jp/20120310152717

mixiはともかくTwitterファンタジー小説にでてくる中世酒場みたいなもん

わいわいがやがや、隣のパーティから聞こえてくる話が面白そうだーってやってる

話す方も、聞くほうも、知らない人が会話したり歌ってるのを眺めて楽しむのを前提で参加してる

自分の発言が人に聞かれてもかまわないし、自分が人の発言を読むのもタブーではないという双方向な前提に基づいてる

そんな酒場で俺は人殺しをしてきたんだぜなんて言ってたらすぐに大変なことになる

それはTwitterでも同じで皆それぞれが自分自身にTwitterで発言する内容はこのくらいの範囲にしておこう、というペルソナを使っている

それってTwitterに限らず会社でも学校でも家庭でも当たり前のことだけども

から知らない人に聞かれたり、知らない人の情報が聞こえてくるのを根っから受け付けない

もしくは知らない人の会話を楽しむというのが嫌らしく下心ある行為しか思えない人には辛い場所だね

一応、鍵という方法はあるけど、Twitterの基本的な流れに反したおまけ的な機能しかない

2011-06-27

BLと在日

注:加筆修正しました

最近商業BL作品ばっかり読んでるから、たまにはネット同人作品も読もうかなと思い立って、某ジャンルのサーチから二次創作サイト巡りをしていたときのこと。リンクを辿っていった先に、管理人韓国人であることを明記しているBL小説サイトがあった。日本語ネイティブじゃないとこれはムリだろと思わせる豊かな語彙の小説や日記・掲示板の内容から判断するに留学生やニューカマーなどではなくて、日本で生まれ育った在日韓国人の方であるようだった。

なんかね、これちょっとびっくりしたんですよ。在日の人もBL書くんだなぁって。

いや、こんなにもアニメ漫画の氾濫する日本社会で生きている以上、日本人だろうが外国人だろうがオタク趣味に染まる人は染まるのが当然だろうし、中にはヤオイ二次創作に興味を持って腐女子腐男子になる在日コリアンがいるってのも理性では理解しているんだけど。実際目にしてみると、なんかこう、感慨深いものがありましてね。

そうかー、在日のBL好きってのもやっぱりいるもんなんだなー、っていうか他にもいるけど明かしてないんだろうなー、としみじみしてたんですが、途中でふと思い出した。あれ、ちょっと待てよ?よく考えてみれば、数少ないながら今までにも在日韓国人が登場するBLがあったりするし、在日朝鮮人のBL作家というのもいたりするんじゃないの?そういえば私、そういうの読んだことあったような……、と。

というわけで、今回はBLと在日と私というテーマで今まで読んだ作品を振り返ってみようと思う。長いよー。私が以下で言及している作品には18禁のものもありますのでお気をつけください。




倉科るり=金蓮花   在日のBL小説家

倉科るりというペンネームで、商業誌からBLを出版している小説家がいる。正確にはいた、と言うべきかもしれない。著作の中には絶版になっているものも多く、また1996年の『王様夏休み』を最後に10年以上発刊はしていないようだから公式サイトにも「倉科るりの商業活動は諸々の事情から不可能だと思います時間がないのです。」と書いてあるので、今後も商業誌でBL作品を発表する可能性は限りなく低いと思う。

けれど、在日とBLというテーマを語るなら、彼女を外すことはできない。

実はこの作家さんは、コバルト文庫金蓮花という名義で少女小説も書いている。むしろ金蓮花(きんれんか)というペンネームの方が世間的には通りがいいだろう。私も残念ながら倉科るり名義の本は読んだことがないけれど、金蓮花名義の本は小中学生の頃にわりと読んでいる。『銀葉亭茶話』、『水の都物語』、『月の系譜』は何度も読み返すくらい好きだった。私が金蓮花=倉科るりというのを知ったのは大学生になってからだったけれど、BL読者やコバルト読者には結構有名な情報だったようで、ネット検索するとペンネームを使い分けるようになった経緯や、その他もろもろの噂が出てくる。それらの噂がどこまで本当かわからないのでここでは紹介しない。

さて、金蓮花は1962年生まれの在日朝鮮人3世である東京に生まれ育ち、大学も都内の小平市にある朝鮮大学師範教育学部美術科を卒業した。作家デビューは1994年、『銀葉亭茶話-金剛山綺譚-』で集英社の第23回コバルトノベル大賞を受賞したのがきっかけだった。この『銀葉亭茶話』シリーズは、朝鮮半島舞台仙人精霊、竜や虎、人間たちが織り成す恋愛を描いた朝鮮ファンタジー小説で、仙境にある一軒の茶屋銀葉亭にさまざまな客が訪れ、店主の李月流(り・うぉるりゅ)に身の上話を打ち明ける、という趣向になっている。

金剛山綺譚』の金剛山は、もちろん朝鮮半島に実在する景勝地金剛山をさす。韓国人外国人北朝鮮国内金剛山観光地区に観光をしに行くニュースを見たことのある人は多いはずだ。『銀葉亭茶話』シリーズ物語に登場する実在の固有名詞は地名だけではない。例えば『蕾姫綺譚』では重要なキャラクターとして李氏朝鮮建国の王李成桂が登場するし、『舞姫打鈴』のヒーロー新羅英雄金庚信である

ところで、学校で歴史を習う前に本シリーズを読んだ影響で、私は現在でも「新羅」という単語を見ると反射的に「しらぎ」ではなく「しるら」と読んでしまうし、「李成桂」を見ると「りせいけい」ではなく「りそんげ」と読んでしまう。私にとって、このシリーズこそが生まれて初めて触れた‘朝鮮文化’なのだった。馬鹿子供だったので現役読者だった小学生の頃は朝鮮半島というのがどこにあるのか知らなかったし(私は当時本気で外国=アメリカであり、世界には日本アメリカの二国しかないのだと思っていた)、儒教文化だとか在日朝鮮人だとかさっぱり理解できない上に興味もなかったので読み飛ばしていたけれど、雪華(そら)や明蘭(みょんらん)という美しい漢字と不思議な響きの名前、美味しそうなチヂミ、ふわりとチョゴリを広げて鞦韆をこぐ明朗な少女、霊山の天辺に位置する天池(ちょんじ)の聖水……どこか好奇心を刺激する異国のイメージの数々を私は大いに楽しんだのだった。特に金剛山の壮大な瀑布や峰々が鮮やかに染まる絢爛豪華な秋の描写などは、幼心にうっとりするような綺麗な文章だなぁとドキドキしながら読んでいた。金蓮花という作家のおかげで、私は隣国と幸福な出会い方をしたのではないかと思っている。そういう意味で、『銀葉亭茶話』は私にとって印象深いお話なのだった。

金蓮花自身にとっても、作家として第一歩を踏み出したシリーズであると同時に、祖国を舞台にしたロマンスであることを考えれば、『銀葉亭茶話』はやはり特別思い入れの深い作品なんじゃないだろうか。

彼女の著作のあとがきでは、自らのルーツを意識した話題が多い。北朝鮮に観光に行って金剛山の絶景に感動した話、伯母が北朝鮮に帰国した話、親戚が日本北朝鮮と中国に住んでいるという話、子どもたちの通う朝鮮学校お祭りのためPTAとして準備に奔走する話など。

そんな彼女がBL小説を書くときは、金蓮花ではなく倉科るりというペンネームを用いた。倉科るり名義の本では特に朝鮮半島と関連のある物語を書いたりはしていないようだ。少女小説コバルト作家としての自分とをきっちり分けたかったのかもしれないし、儒教を尊ぶ在日コミュニティ価値観からするとさすがにBLを在日朝鮮人と明かしている金蓮花名義で出すのは難しかったのかもしれない。少女小説家としてデビューする際も家族からかなり強硬に反対されたと聞く。少女小説を書いているのがバレて家族会議土下座までしたそうな。ましてやBLをや。

まぁ、BLを書くときと少女小説ラノベや一般漫画を書くときでペンネームを変えるのはbasso秋月こお榎田尤利もやっていることで、金蓮花に限った話ではないけれど、少女小説では在日ネタをふんだんに出していた人がBLではそれを一切出さないというのも興味深い話ではある。

ちなみに金蓮花名義の本に一切男性同士の恋愛や性愛が出てこないか、というとそういうわけでもない。

ここでちょっと萌え語りをさせてもらうと、『銀葉亭茶話』シリーズで私が一番好きなキャラクターは長白君(ちゃんべつくん)だった。彼は、朝鮮半島の付け根、北朝鮮と中国の国境にまたがる山(朝鮮語では白頭山中国語では長白山)の守護仙人精霊だったかもしれない)で、シリーズ通してのキーパーソンである李氏(注:男性)に想いを寄せている男性である。李氏に冷たく拒絶されたり、周囲の神仙たちに揶揄されたりしつつも、変わらず李氏に暖かい真心を捧げ続けている好漢なのだ。李氏には他に想い人がいるのでまず間違いなく長白君の恋が成就することはないのだろうが、私は彼の男らしい包容力にときめいたのでぜひ幸せになってもらいたいと思っている。別に相手は李氏じゃなくてもいいから。というか長白君には楓英とか緋鯉の精みたいな豪胆で誠実な男性とか似合うと思うんだよね。




高城響、鷹匠早紀    在日の攻め

studio may-beを結成して仕事をしている高城響と鷹匠早紀は、BLゲーム乙女ゲームシナリオライターとして活動している他に、連名でBL小説を書いて出版したり、漫画原作をしたりしている。音楽業界を舞台にしたBL小説『たぶん、きみが好き』『いつか、翼を広げて』『きっと、空も飛べる』という3冊がマイクロマガジン社から発行されたのは2004年のことだった。この3作は天才指揮者と男性アイドルカップルを描いたお話なのだが、実は高城響と鷹匠早紀がやっているサイトに長年連載していた大長編小説『KT』を手直しして発表したものだという。

そのサイト大長編(まだ完結していないらしい)には、脇役として若手の指揮者同士のカップルが登場する。彼らを主人公にした話もサイトには掲載されており、出会い恋人になるまでを描く『'O sole mio』、体の関係を持つまでに至る続編『hard day's night』、いちゃいちゃらぶらぶしてる『jealous guy』などがある。珍しいことにこのカップルの攻めは在日コリアンである

『'O sole mio』と『jealous guy』では、攻めが在日であることはストーリーの主軸にはほとんど絡んでこない。民族が違うということよりも同じ夢を抱く音楽家同士であることの方が、この物語の中では圧倒的に比重が大きいのだ。

しかし、『hard day's night』の中ではそれらしいエピソードが挿入されている。演奏会の予定が突如キャンセルされてしまった攻め。晴れがましい仕事を一つ失った原因を、受けに問われた攻めはしぶしぶこう語るのだった。「オレ、在日やん」。BLで、差別に直面する在日の姿が描かれているのは大変珍しい。そもそも在日としてのアイデンティティを持ったキャラクターが登場するBL自体ほとんど見かけないんだけどね。

ところで、この物語の攻めは、大阪出身関西弁を喋る陽気な男性だ。大らかで人懐っこい。阪神タイガースファン。長身ガタイが良くて、美男子ではないけれど、受けから見れば十分に魅力的な容貌をしている。そして新進気鋭の指揮者である。実際、読んでいて、彼は魅力的な人物として描かれているように思った。なんとなく関東生まれ関東育ちな自分からすると良い意味で典型的関西人という印象を受けた。

神経質で繊細、あまり感情表現が得意ではない日本人の受けは、自分と正反対の気質の攻めに惹かれていく。自分にないものを持っている相手を反発心を抱きながらも愛してしまパターンというのはわりと恋愛物の王道だが、受けが攻めの才能に嫉妬をして苦悩したり、振り切ってもついてくる攻めに苛立ったり、励まされたりと感情をぶつけ合ううちに自分の恋心を認めざるを得ない展開になるというのは微笑ましくて良かった。




檜原まり子   日韓ハーフの受け

BL小説家檜原まり子の作品の一つに『マリンブルーは密やかに』という小説がある。2008年、講談社X文庫ホワイトハートから発行された。舞台アジアオセアニアクルーズ中の豪華客船。そこに乗り込んだ保険会社から委託を受けた調査員の受けと、元自衛官の攻めのラブストーリーだ。

正直なところ、この物語の一番興味深いところは、ストーリーなどよりも受けの両親だと思う。

受けの母親日本人医師だった。そして父親は在日韓国人の寿司職人。両親が渡米して、一家がカリフォルニアにいたとき受けは生まれた。医師免許が認められなかった母親は畑違いの仕事をして受けを育ててくれたらしい。後に離婚したようだが、受けの両親の話こそ読んでみたいと思った。寿司職人と女医さん夫婦米国滞在記なんていろいろ波乱万丈なドラマがあって面白そうじゃん。

というわけで、本作の受けは間違いなく在日韓国人の血をひいているのだが、特に在日とか韓国に関するエピソードは出てこない。受けが韓国語を喋ったりキムチを食べるシーンがあるわけでもない。彼が民族的なコミュニティ朝鮮半島に思いを巡らすシーンがあるわけでもない。冒頭、地の文でさらりと受けの生い立ちが説明されているだけで、その後はとくに彼が韓国系であることには触れないまま物語は終わるのだ。

なら別に受けが在日の血を引くキャラクターである意味ってないのでは?と思わないでもないけれど、まぁ深い意味がなきゃ在日がBLに出てはいけないってこともないし、これはこれでいいのかもしれない。なんと言ってもこの作品の舞台はいろいろな国籍のクルーが働く豪華客船なのだから。南太平洋を悠々と航海する船上のキャラクターにちょっとしたマージナルな要素を付与したいと作者が思うのもわかる気がする。船長の喜屋武も、受けと同様にマージナルな人物である米軍勤務の軍人を父に持つ沖縄出身の男性で、金髪碧眼という日本人離れした容姿だが自らを日本人だと主張する。とても珍しい韓国系の受けや、沖縄と米軍というデリケートバックグラウンドを持つキャラクターが登場するという点において、このお話はなかなか印象深かった。




タカヒサ亨 渡来人カップル

『うつしみの花』は、幻冬舎リンクスロマンスから2008年に出版された全2巻のBL漫画である。作者はタカヒサ亨。舞台飛鳥時代日本で、有名どころでは葛城皇子中大兄皇子)、皇極天皇、間人皇女などが登場する歴史ロマンBLである。ちなみに中大兄皇子と受けがキスする場面もあったりする。

主人公(受け)は、百済から渡来人で金工職人である実父を持つ美少年。攻めは、受けの父親の弟弟子で、乃楽山(ならやま)の麓に住む百済系渡来人であり以前は都随一と呼ばれた腕を持つ金工職人だった。受けが攻めの弟子となるので職人師弟ものBLであると同時に、渡来人渡来人の子孫が出会って恋に落ちる物語なのである

職人の村で修行をする受けは、師匠であり恋人である攻め以外の渡来系の職人たちとも交流を持つようになり、技術を磨いていく。いつか攻めの故郷である百済に帰還することを夢見るようになるし、自分たちの存在は発展させ続けていく技術に拠って立つのだという強い自負心を持つに至る。彼らのアイデンティティは明確に百済系渡来人であることにあり、ヤマトにはないんだなーと読んでいて思った。

日本舞台なのにあえて渡来人カップルを描くなんて随分通好み(?)だなと思う。こういうのは珍しくて面白い試みだ。同時に、ちょっと私の中の日本人としての感覚が一抹の寂しさというか疎外感を感じなくもなかったような……。この記事のテーマである在日と古代日本渡来人はちょっと違う存在なのでこの作品には簡単に触れるだけにとどめるけれど、思いがけずヤオイを読んでいて自らのナショナリズムが浮上したという点で本作は印象深い作品だった。私が気にしすぎなだけだけなんだろうけれどさ。

もちろん、健気で頑張り屋な受けとクールで格好良い攻めは萌えたし楽しめた。

ところで、作者のタカヒサ亨は、角髪(みずら)に萌えてこのお話を描いたらしい。わかるわー私もみずら萌えです。特に青年の下げみずら姿は可愛くて良い。不評でなかなか描かせてもらえなかったとのことだが、残念だ。もっと見たかったよー。






コメント返し

ハテブやツイッター増田2ちゃんねるコメント下さった方ありがとう。せっかくだし嬉しかったので、いくつかのコメントにお返事します。


興味深い記事/勉強になった。/ほう。/おもしろい。

恐縮です。ありがとう

なんでこんな興味深い記事が増田なんかで書かれるんだ……いやまぁ理由は明確に推測できるんだけど。

自分のブログではこういう記事を出したことがないのでうまく書けるかわからなかったし、書いたとしてもこの記事だけ場違い感がぷんぷんして浮き上がってしまうだろうと考え増田しました。悲しいことですが、BLも在日も荒れやすい話題ですから

金蓮花くらいしか思いつかなかった。/金蓮花さんは有名だよね。/ 金蓮花は私がコバルトを熟読してた時代の後の人で懐かしい。/金蓮花の作品なら子供の頃読んだことあるな。/金蓮花さんなつかしい

私は金蓮花の初期の作品が好きでここ7~8年の著作は読んでないのですが、作品だけじゃなくて作家自身も本当に興味深いなと思ってその動向は注目していますラノベ界でも稀な在日外国人であることを明かしている作家さんですよね。まして日本と関係が良好でない国を祖国に持つ人ですから日本社会で生きる彼女自身、悲しみや自負心を含め複雑な感情はあったんじゃないかなと想像しています。日朝首脳会談が開かれ拉致問題が発覚した2002年、この年に発売された『伽椰琴打鈴』を最後に、彼女の著作の中で一番‘朝鮮’を押し出している銀葉亭茶話シリーズが発行されていないというのは、偶然かもしれないけれどなんとなく象徴的に見えたり……。

違う文化がベースから、私から見たらよく分からないのかもねと当時は思ってた。アメリカ人日本とか中国に感じてるオリエントな感じってこういうのを言うのかなーと中学生の私には興味深かった。/舞台設定もそうだけど、登場人物たちの価値観や倫理観が自分の知っているものと異なる面もあって、それはそれで興味深かった。

確かに文化が違う、価値観や倫理観が異なっている、と強く感じる点はいくつかありましたね。面白いなと好ましく思う相違もあれば、モヤモヤする思いを抱える相違もありました。私の場合女性の描かれ方や女性の置かれた立場というのが結構気になりました。『蝶々姫綺譚』で、女性が子を成さずに死ぬのは罪である、罰として死後の世界で償わなければならないという設定には、儒教ベースにしたファンタジーだとこうなっちゃうのか、とびっくりしたなぁ。日本日本よりフェミニズムの強い欧米発のファンタジーじゃそういう設定ってないでしょう。まぁ、当時の価値観を反映させた設定であることが良いという考えもあるとは思いますが、現代女性としてはファンタジーとはいえその世界の女性は生き辛そうだなという感じたのも事実でした。

「オレ、在日やん」。か。読んでみたい。/記事中の作品をどれも読んでみたい。

ネットで読める作品もるし書店図書館に置いてある作品もあります。個人的に、興味や関心の度合いが在日>BLという人よりは、BL>在日の人の方が楽しめるとは思いますが。

日本では掛け算、欧米では×ではなく/(スラッシュ)なので割り算。

全然関係ないけど、最近アメリカスラッシュ翻訳されて日本書店の店頭に並び始めましたよね。日本語海外スラッシュが読める日が来ようとは思わなかった。嬉しい。

「「新羅」という単語を見ると反射的に「しらぎ」ではなく「しるら」と読んでしまうし、「李成桂」を見ると「りせいけい」ではなく「りそんげ」」あるあるwww

お仲間発見。やっぱり他にも同じ経験のある方がいるんですね。

この語り口、既視感が。/この特徴的な文体Twitterのどこかでみたような?

皆さんがどなたをイメージしているのか興味あるなー。私は弱小ブログを書いてますが、Twitterはやっていないんですよ。

韓国人って恋愛もの入れ込むよね。日本人もだけど、なんかより情熱的っていうか

韓国人日本人よりも情熱的、確かにそういうイメージありますよね。こんな記事書いといて言うのもなんですが、家族友人知人に韓国人や在日の人っていないんで実際そうなのかはよく知らないけれど。

しかし、作者や登場人物が在日だろうとハーフだろうと、作品に影響なければ関係ないのでは?/BLを前にしたら作者が在日とかどうでもいいんだけど、気になる人もいるんだ

確かに作品が面白ければ作家は関係ないというのは仰る通り。私も普段は書き手には興味がないんですが、今回は冒頭で書いた某サイトにはなんだか妙に感慨深くなってしまいまして。

在日コリアンに限らずこういう風に創作の中に登場するマイノリティを振り返ってみるというのは興味深いよね。/こういう考察もあるのだねー。/いわゆる『キャラ属性』のフレーバー要素として、在日コリアン・その他を入れるか等。ただ、ふらっと使おうにも"実はよく知らない"事が多いのも、また事実。/彼も特にエスニシティ面で特筆されるような描写はないが、魅力的。

創作の中のマイノリティ、本当に興味深いですよね。読み専なので創作の苦しみは知らないのですが、創作物にマイノリティを登場させる際書き手さんはやっぱり慎重になるんだろうなぁ。セクシュアル・マイノリティが登場するBLは殊にそういう姿勢を求められているジャンルですし。常に政治的に正しいお行儀のよいBLである必要はないと思うけれど、読者が引くような差別的な描写が垂れ流しにされてるBLは読みたくないと思います。私はまだガチでがっつり民族問題を盛り込んだBLというのは読んだことがありません。今後もそんな作品は出ないんじゃないかなと思うし、たとえ出版されたとしても読みたいとは思わないかも、と考えています。娯楽作品には悲惨な差別とか貧困とかの要素は求めていない性質で、どちらかというとイチャイチャ、ドキドキ、ワクワク、エロエロアマアマラブラブって感じのノリの方が好きなんですよ。なのでフレーバー的な登場のさせ方や特筆されるような描写がなくても私はOKなんですが、作家がまったくその問題の背景に無知ではキャラクターの魅力的な属性にはできないわけですしね。作家は10調べたことのうち1を書く(100調べたことのうち1を書く、だったかもしれない)と聞いたことがあります。BLを愛する者の一人として、そういうBL作家さんが今まで以上にたくさん出てくれるといいなぁと願っています

2010-06-22

http://anond.hatelabo.jp/20100622111621

また俺理論発表大会が開かれただけだろ。

元の話に対して語った内容にツッコミが入って、更にそれに反論、の繰り返しで元の話は殆ど関係なくなった場外乱闘になってるけど。

答えの出ないことを大見得切って語り出したもんだから、自分論理の正当性をどうにかして認めさせるか、引くに引けなくて出来るだけ自分論理に近いところに話を収束させようと必死になってる奴ばっかしだ。

人が評価されるのが気に食わない小物や、「皆こいつが言ってることは違うぞ、俺が言ってることのほうが正しいだろう、こっちのほうが「リアル」だろう?」といつものはてなの議論(笑)を作り話(その作者)相手に始めちゃった虚構と現実の区別のできてないアホがいるってだけだよ。

ドキュメンタリーノンフィクションでもなく、どこかの経済関連の論文として提出されたりもせんだろうに、使えそうなネタの使えそうなところ持ってきて娯楽のために書かれてるファンタジー小説相手に高説タレてる奴が多くて、見てる分には面白いけどな。

2010-01-06

ふたば二次裏某鯖でまとめられていた書評

ふたば二次裏でまとめられていた、中高生のための100冊」シリーズの外伝的ネタ

『夢渓筆談』 沈活

宋代中国に書かれた古代中国科学史研究する上での必読書だけど

今俺たちが読めば民明書房気分を味わえる名著だし仲間に入れてくれよ

ミーナの行進』 小川洋子

小学校6年生の病弱な子がすごくよかった

『糞尿大全』 柳内伸作

とにかく世界中および歴史上のありとあらゆる糞尿に関する事柄をまとめた本

なるほどそんな事がと頷かせながらも

日常においてまったく役に立たない無駄な知識が!!

『味覚極楽』 子母沢寛

読んでると

腹が

減る

はてしない物語』 ミヒャエル・エンデ

読書を始めた

あの

頃に

新世界より』 貴志祐介

ホモホモしたり百合百合したり、大興奮間違いなし!

つい盛り上がってしまいパンツを脱いでしまったが大後悔!

その後待ってるのはグログロドロドロのトラウマワールド

ダークライン』 ジョー・R・ランズデール

小悪魔っぽいお姉ちゃんが可愛かったり親友が失踪したりする

ゼーガペイン 忘却の女王』 日下部 匡俊

言わずと知れたゼーガシリーズの外伝

記憶喪失カップルが南の島で超すごいガルダを駆って大暴れ!

先輩も出るよ!

玩具修理者』 小林泰三

ようぐそうとほうとふ!

ようぐそうとほうとふ!

ようぐそうとほうとふ!

『ニンギョウがニンギョウ』 西尾維新

たくさんの妹とケモ少女と主人公のキャッキャウフフストーリー

あと拳銃は右手で

黎明に背くもの』 宇月原晴明

美濃のマムシボンバーマンが実はイスラム暗殺教団の兄弟弟子、

果心居士はハシムに通じロリショタ可愛い

ちびっこ吸血鬼ミステリーがお好き』 アンゲラ・ゾンマー・ボーデンブルグ

アントンが一人で留守番をしていると部屋の窓に人影が。その正体は「ちびっこ吸血鬼」のリュディガーだった。

それはおいといて妹のアンナ可愛いんだよ

ものすごくアンナ可愛いんだよ

『不滅刑事アレクサンダー・マッケイ』 ハヤカワミステリ文庫

汚職に直接関与する事件のみならず副次的な殺人すら隠蔽せねばならぬことにうんざりした

アレクサンダー・マッケイはなんとか政治的な判断を相手に促しつつも事件の過熱化を防ぐために奔走するが

関係者よりも力を持つ上院議員とのコネを繋いだところでマッケイは殺害される

少女が戯れに試したインディアンのおまじないにより復活し殺人ではなく刑事としての復讐を開始した

最後は怒りに満ちたマッケイが人間の尊厳を選択したところで絞め

『異常の門』 柴田錬三郎

例によって「夢殿ウタタ」という名前に一癖ある主人公が、エロゲ展開とシリアス路線を並行して、物語の謎を解きあかしていく

主人公を助ける強力な右腕、ルートから外れたヒロインのひどい始末、クライマックスの盛り上がりという、シバレン小説の醍醐味が一冊で味わえるのでおすすめ

『死ぬことと見つけたり』 隆 慶一郎

月姫スタッフオススメの本

厨侍が厨性能で唯我独尊状態

娘の黒髪おっぱいは必読

『牢屋でやせるダイエット』 中島らも

1ページ目からやっぱり常人とは違うと思い知らされる

独特の人生観が貫かれてる傑作

『永遠も半ばを過ぎて』 中島らも

-永遠も半ばを過ぎた。わたしとリーは丘の上にいて、鐘がたしかにそれを告げるのを聞いた-

「幽霊の書いた小説」を出版社に持ち込んだ詐欺師。それが文壇を揺るがす大騒ぎになってしまい…?

詐欺師写植屋と編集者の女の真善美トリオが繰り広げる痛快娯楽詐欺小説!

四畳半神話大系』 森見登美彦

(書評1)異性との交際、学問への精進、肉体の鍛錬、

そんなものとは無縁な大学三回生の物語

まるで「」の活躍(?)を見るようだった

(書評2)来るべきハッピーエンドを目指したいけどそんなのは軟派だと世を拗ねてみるけどやっぱりなんとかしたい、という

まさに大学生「」というべき男が主人公

一緒に「夜は短し歩けよ乙女」も読むと幸せになる気もする

失われた時を求めて』 マルセルプルースト

いもげの100冊がいもげの1冊になり兼ねない恐怖の書

タイトルの通り読破した「」は失われた時を求めて彷徨う事になる

膨大な時間と引き換えに「プルースト要約選手権」への参加資格が手に入る

『グラマリエの魔法家族』 クリストファー・スタシェフ

急に読みたくなった

冴えないおっさんが若い女性に誑かされたりするよ!

『眠り姫、官能の旅立ち』 アン・ライス

(書評1)エロ面白い

ホント扶桑社海外文庫は地獄だぜ!

(書評2)それ近くの図書館で高校の時に見つけてな…… 何度か借りて一年くらい使えた

二巻、三巻は男の子も多くて実に「」向きだよ

『神秘の島~ミステリアスアイランド~』 J・ヴェルヌ

十五少年漂流記のもっと凄い版

ほぼ何もない状態での無人島サバイバル

海底二万マイルと実は繋がってる

『肖像画、馬車』ゴーゴリ/平井肇訳

神絵師になれるかもしれない才能を持った若き絵師「」が

悪魔のような肖像画に出会ったために破滅の淵へ追いやられる「肖像画」

のどかな農村で繰り広げられるホラ話と、それによって大恥をかく「」ちゃんが出てくる「馬車」の二編を収録

神絵師を志してる「」ちゃんは、「肖像画」の方だけでも読んでおくいいんよ

ショスタコーヴィチの証言』 S・ヴォルコフ

ソ連を代表する作曲家であったショスタコーヴィチの回顧録

長年真贋が論議されてきたが今ではほぼ偽書ということで確定している

ただ全部が嘘じゃなくて半分くらいは真実じゃないかというのが現在の評価

スターリン支配下にあったソ連芸術家がどういう立場にあったかが分かる

あとアネクドートとかそういうので面白い

『私の一世紀』 ギュンター・グラス

20世紀百年、それぞれ一年につき一編の短編が収められた連作短編集と長編の間の何か

WW1を振り返る五年間がレマルクとユンガーの架空対談に費やされているという時点で

ドイツスキッヒにはたまらないだろう

『キッチン』 よしもとばなな

名前は聞いたことあるけど、あまり「」が読まない本だと思う

だけど地味に面白い

今でも通用する小説だと思う

こころ』 夏目漱石

読書感想文課題で読まされた中高生に深い傷を与える一品

さかしま』 JK ユイスマンス

17世紀ヨーロッパ貴族ひきこもりでオタの主人公が

自分の趣味に没頭する話

400ページくらいの本編に脚注が400くらいある

『かえるくん、東京を救う』 村上春樹

村上春樹短編の中では一番好きかも

かえるくんいいなあ

いいなあかえるくん

白痴』 坂口安吾

白痴の人妻と「」がキャッキャウフフするお話

限りなく透明に近いブルー』 村上龍

主人公が仲間と薬やったりセックスしたりぐだぐだぐだぐだしてたら気が付いたらみんな月日と共に去って行った

村上龍が描く太陽の季節的な何か

孔子神話』 浅野裕一

孔子詐欺師ぺてん師パラノイアであることを文献引きまくって描く

呉智英推薦

『りかさん』 梨木香歩

人形好き、骨董好きな人おすすめ

『故郷』 チェーザレパヴェーゼ

WW2後イタリアの田舎で友達の妹とキャッキャウフフする物語

カラフル』 森絵都

自殺した中学生の肉体に、天使が記憶喪失の魂を入れ直して第二の人生を生き直させるお話

キャッキャウフフあり、青臭い中学ドラマあり、少年の心を忘れない「」にお勧め

オチのカタルシスは語りつくせないのでぜひ一読を

『ガルガンチュワ物語』 ラブレー

世界一お下劣な文学と名高い

ケツの拭き方が24通りも載っているのでメルターの「」には必携の書

キララ、探偵す』 竹本健治

もう60近い年齢の方がメイドさんの小説を書いてると思うと時代ってのはすごいなと感じる

途中からエロ小説 とってもライトな読み味でいい

フェルマーの最終定理』 サイモン・シン

暗号解読』 サイモン・シン

前者は20世紀における数学大事件の一つであるフェルマーの最終定理の証明を、数学の歴史に沿って、数学が苦手な人にも分かるように説明された良書

後者は楔形文字からエニグマから量子コンピュータまでの暗号と数学と人の歴史をこれまた専門外の人でも楽しめるように書かれた良書

断章のグリム』 甲田学人

「本当は怖いグリム童話」を怖いところを薄味にしてラノベに仕上げたような作品集

作者は流血とかが苦手らしいのでそういうのはぼやかした表現とかカットとかしてある

『楽園の知恵』 牧野修

気持ち悪い、悪趣味なお話がわんさとつまっている短編

お気に入りは「逃げゆく物語の話」

人型の物語再生機の面々が当局による弾圧から逃れようとするお話でせつない結末が待ってる

『シグナルとシグナレス』 宮澤賢治

鉄道本線の信号機シグナルと、軽便鉄道信号機シグナレスの恋物語

鉄道信号機擬人化恋愛モノというまさに「」風の尖ったセンスに脱帽すること間違いなし

ピタゴラス派の天球運行の楷音です」って台詞が大好き

『バルタザールの遍歴』 佐藤亜紀

多重人格リア充貴族が物凄い勢いで没落していく話

幽体離脱という必殺技を身に付け、財産を奪っていった奴らへの復讐が今始まる

飛ぶ教室』 エーリッヒ・ケストナー

外国作品で一つ選ぶならケストナーから選びたい

それくらいハズレなし

男の子同士の友情を、少年サイドと中年サイドから迫った「飛ぶ教室」は人気が高いね

エーミールも好きだが、続きのないこちらを推そう

『おれの中の殺し屋』 ジム・トンプスン

凶暴な殺人衝動を抱えながらも愚鈍のふりをする保安官助手が、

魔性の女に会ってにんとかかんともならなくなる話

人がいっぱい死ぬ

大川隆法の霊言―神理百問百答』米本 和広、島田 裕巳

カルト専門ジャーナリスト幸福の科学の本を読んでたら突然偉人が乗り移ってきて…

大川隆法の著作をパロって

大川が偉人が乗り移っていったと書いている内容を著者に乗り移った偉人が批判する

タイムリーな本なのに絶版

寄生虫実話』

小説じゃなくてムックだけど寄生虫全般・害虫に関してのデータがどっさり詰まって面白い

アメリカ日本サナダムシは気性が違ったりとか

『メルキオールの惨劇』 平山夢明

自分の息子の首を切ったお母さんにインタビューしに行く話

同じ作者だと『独白するユニバーサル~』もおもろいんだけど、夏だしホラー長編読んで涼もうぜ! 的な

『ワルの恋愛術 ワルな男は3秒で女を虜にする!』 内藤詛人

恋愛指南書という「」からもっとも離れたところにある本だが、

心理学者である著者の語るテクニックは心理学の実験や理論を基にしており

そこいらのホストの書いた本よりも興味深く、真実味にあふれる

また、作者が前もって宣言している通りわかりやすい口調で書かれており

心理学入門書としても楽しめる良著

表紙のメイドさんや挿絵がかわいらしい

博士の愛した数式』 小川洋子

「私の記憶は80分しかもたない」

事故で記憶容量に80分のリミットがついた天才数学者の爺さんと、そのヘルパーの女性、そしてその息子通称ルートが数式によって親密になってゆくお話

数学嫌いの俺でもすらすら読めた

数式が「美しい」ってのを肌で実感できたのは初めてかもしれない

『百頭女』 エルンスト

「あの猿に聞いてごらん――百頭女って誰なの?

教父さまみたいに彼は答えるだろう――百頭女をじっと見つめるだけで、わしにはあれが誰なのか分る。

ところが君が説明を求めるとそれだけで、わしにはその答えが分らなくなってしまうのじゃ。」

『わが友 石頭計算機』 安野光雅

絵本を模して、コンピューターや二進数の原理をわかりやすく説いた本

あちらこちらにジョークをちりばめユーモラスに書かれているが、内容はいたってきっちりとしているので

全く判らない素人にもお勧め

絶版なので図書館を探すこと

銀河旅行』 石原 藤夫

ロケットの基礎原理から化学エンジン原子力エンジン反物質エンジンの各特徴と、なぜ化学エンジンでは銀河旅行が出来ないかなどの、宇宙機に関する基礎的な物理がわかりやすく解説されてる。

ロケットのわかりやすくて基本的な解説書の決定版ともいえるのに絶版だが図書館などで見つかると思う。

涼宮ハルヒの憂鬱』 谷川流

SF要素をふんだんに盛り込んだヒロイン達に振り回される学園もの

一巻は良かったんだ一巻は…

ハーモニー』 伊藤計劃

健康至上主義な近未来の超絶監視社会を舞台に、

倫理とか意識って何なんだって話をつきつめてく話。

シノフサの先輩の人で、こないだ亡くなりました

『ふわふわの泉』 野尻抱介

もしこの世に空気よりも軽い物質があったらどんな風になるかを書いた作品

ぶっちゃけ小説としては2流だけれども科学マインドがあふれてて面白い

インターネットはからっぽの洞窟』 クリフォードストール

ハッカー追跡で突然コンピュータ専門家になってしまった天文学者が

ネットワーク社会の未来について憂う

精霊の守り人』 上橋菜穂子

現代の日本ファンタジー小説では外せないだろう

ゼロからの世界構築でありつつ、どこかで見た(聞いた)ような気がするので決して障害にならない

アニメで見た「」もぜひ読んでほしい

2009-10-11

ファンタジー小説漫画を、他作品の設定を根拠に考察しても説得力ゼロ

ファンタジー小説漫画考察ブログを読んでいて、他の作品の設定を根拠に考察しているのを見るとガッカリする。

例:fate吸血鬼は○○という特徴もあるから、××という作品の吸血鬼も○○という特徴があるに違いない。

別個の独立した他作品の設定を持ち出すのは、SSだけにして欲しい。

メールで「考察記事書きました、感想ください」って言われても、困る。

2009-09-02

http://anond.hatelabo.jp/20090902130946

そうやって、最後まで読んで的確な感想をしてもらえると、書いている側としても非常に嬉しいですヽ(´ー`)ノアリガトオオオ

投票者には抽選で10名に一万円があたる!

http://2style.jp/tsue/monogatari.htm

アルファポリス第二回ファンタジー小説大賞!!!

HP宣伝4回目

2009-07-27

事実小説よりも奇なり

どんなファンタジー小説よりも

宇宙空間があって、銀河があって、太陽系地球という惑星

人類が生まれて、文明が進んで、僕がパソコン増田に投稿して

そして君がそれを読んでいるっていう状況が、なによりも荒唐無稽お話だと思わない?

そもそも宇宙空間」からして気に食わないよねっ!あんまりに唐突で意味不明だと感じるでしょ、空間

ていうか存在全般が気に食わない。不思議すぎる。わかるかなあこの気持ち。

2009-04-15

それじゃ便乗して民族学校通ってた在日ちょっと書いてみるか。追記

http://anond.hatelabo.jp/20090414170900

強い人だなあと思った。ご結婚おめでとうございます。お幸せに。

よい文章だったのでちょっと便乗して書いてみようかなと思う。

読み返してみたら元増田に較べてグダグダな上に人間的にもよわっちいなと思ったけど在日にも色んなのがいるって記録になってくれたらなと。

 

 

私は中学校までチマチョゴリ着て電車乗って学校通ってたよ。貧乏ではあったけど父が民族の理想に燃える人だったので朝鮮学校に通ってた。

父親は総連系の(革命家に憧れ、結局今はもう精神的にボロボロな)活動家で、母は20代の時に民族意識に目覚めて本名を名乗るようになった(父親の稼ぎが悪すぎて苦労ばっかりしてきた)飲食店経営者、でもって娘はちょっと半端なオタクサヨクというそんな一家です。

父は拉致問題発覚した時は本気で沈み込んでものすごいショック受けてた。母は「ありうるなとは思ってた」そうだ。おとんピュア過ぎるだろ。

(家にあったマルクス資本論の中表紙に「これを理解できずして何が革命家か!」(ハングルで)と万年筆で殴り書きしてあっただけあるよ…)

…まあ、そういう「総連」の下っ端もいましたよ、と。活動としては何をやってたんだというと、在日朝鮮人の権利保障とかそういう折衝をやってた。

 

父も母も通名は持ってるけど私は持ってない。別に通名なんてほしくはないけどお店とか病院の予約取る時に大概名前を聞き返されるので面倒ではある。

母には日本人の血も入っててガキの頃そっちの親戚と法事なんかで集まると、私の名前を訓読みで読み下して呼ぶ人がいて「誰だそりゃ!気持ち悪い!」となったりしたし、母のイトコだかハトコだかの旦那さんに警察関係の人がいて、なんかすごく家族ごと邪険にされたのは覚えてる。父も母も後ですごく怒ってたけど、今考えるとハトコの旦那さんもかわいそうだよなあ。純日本人と結婚してるのにソッチの親戚に総連系活動家だもん。勤め先で何か言われてても不思議じゃないし、そしてやっぱりそういう話って耳に入ってくるもんだ。うちら家族に責任はないけど旦那さんにも責任はないわけで文句言うなら勤め先だろとサヨクな私は思うけど、理不尽気持ちになることはわからなくもない。

 

 

高校からは日本の公立高校に進んだ。大学受験資格の問題とかで高校からは日本の学校へ進学する子は多い。私の場合は純粋に人間関係うざかったからなんだけど。だってクラスの半分が9年間ずっと一緒の顔ぶれ、もしかしたら12年一緒の子もいるかもしれない、って孤独オタクからしたら恐怖だよ! 特に体育会系の強い学年だったこともあってオタクな自分からすると肩身がせまいことこの上なかったんだよ。小学校時分はいじめられっこだったしな。今でも友人は高校以後のオタク仲間がメインだし、全員日本人だ。

高校は社会科の先生が担任取ってくれた。いわゆる「サヨク的な」教師だったけれど気配りはとても上手だったし、私は在日であることを隠さず本名涼しい顔してたこともあって苦痛に思ったことはない。政治問題社会問題を語る上で在日に触れることはあっても私個人に在日を背負わせようとはしなかった。どっちかといったら私が背負い込みすぎてて拍子抜けしたくらいだ。

外国人登録取りに行く時も、ちょうど指紋押捺が撤廃された頃だったので気にはなってたらしいけど向こうからは「公休な、わかった」と書類にハンコ押してそれっきりだった。私の方から「外登見ますー?」「おう、どれどれ」なんて言ってた。在日だからって何も特別なことはないって、そう思いたくて逆にそういうのを何気なくやり取りしようとしてたし、先生もそれは汲んでくれてたようだった。

ただ思うのは、小中と朝鮮学校という集団にいた&高校ではリベラル教師の下で過ごしてたおかげで、自分には「在日」をかなり軽く考えてたフシがあったってことだ。「私は私だし、それでいいじゃん」って。後々どれだけずっしりのしかかってくるかも知らずに。

 

いやー、それにしても日本の公立高校には感動したね!

何だここ! 今まで私が通ってた学校って何だったんだ!

ここは図書室はあるしプールはあるしグランド広いし音楽室は防音完璧だし!

図書室の本もちゃんと整理されててブッカーかかってるしさ! 貸し出しカード渡された時は感激したよ!

何せ中学まで図書室とは名ばかりの空き教室に事務用スチール本棚並べて、父兄からの寄付/処分品と「どう見てもフリマで買ったか公共図書館で『御自由にお持ちください』状態のものを必死で集めてきただろ!」ってな本が突っ込んであるだけだったからね! おかげでアイリッシュとか読めたんだけどさ! 小学校ではかろうじて江戸川乱歩ルパンとマガーク探偵団があったけどさ! しかも図書室が開くのなんて年に数回でその時しか貸し出しがされてなかったもんだから、マガークの続き読みたくてこっそり窓から忍び込んで無断持ち出しで全巻読破するという有様だったしな!

から今でも本棚整理する時は子供向けにしても大丈夫そうなラノベとかSFは寄付することにしてるよ! オタクは国境や民族越えると信じてる。

(何でもかんでも手弁当でやるのが十八番朝鮮学校だけれども、さすがに跳び箱の革を張り替える金すらないと聞いた時は思わず笑っちゃった)

あー、あとJR定期券割引とかないから一条校じゃないから普通の学割より割高だったくらいだから中学の時、定期券安くしてくださいって嘆願のハガキ書かされたし! 大人になった今だって普通に通勤定期買ってるから

大検資格も免除してくれるところはありがたいけど大体は通信制高校に通うか大検受けてるし!

 

 

それでも今考えてみれば朝鮮学校に通って良かったとは思ってる。

言葉も一通り習得できたしチマチョゴリ着て歩くことで、わかりやすい「徴」をつけて歩くことの意味も身を以て理解した。私自身は在日の親戚がほとんどいなかったけれど、何かあるごとにクラスメイトの親類達が祭祀(法事)や集りを行ってたのを見て「民族的もの」を肌に感じることもできたしね。その分、父兄同士のビミョーな力関係が子供達にも影響してて在日の親戚がいなかった身としては色々鬱陶しいこともあったけど。

から見れば思想教育云々って危惧があるのはわかる。でも正直なところ教師含めて本気で「将軍様~」とか思ってる人は誰もいなくて、教科書の中身は笑っちゃうようなものだったけど(それも今は改訂されたと聞く)もうそういう部分は惰性でやってたと言うしかない。電車に乗って学校に通うから中吊りの雑誌広告とかっていやでも目に入るんだけど、見出しを読むと学校で聞いてる話とは全然違うのよ。文春新潮から朝日まで色々だけど「自分達が学校で教わってる『我が祖国』ってのはウソだよな」って生徒はみんな思ってるわけ。多色刷りの中吊りが真実を告げているように見えてくる。テレビ新聞と違って雑誌の見出しってインパクト重視だし。そこらへんの間で揺れながら話し合う子も多かった。

将軍様~」絡みの授業はかったるかったし誰もあんな授業好きじゃなくて、気の利いた先生だったらそのコマを「怖い話」や「ビデオ鑑賞」とかにしてくれてた。

音楽の時間もコマの中で将軍様の歌とかはさっさと終わらせてクラシック観賞(別名昼寝タイム)や、朝鮮民謡、あとウェルナーの「野ばら」を朝鮮語訳にして合唱したりしてたよ。特に理系芸術系の先生はそういうことをよくやった。宮沢賢治の本を朗読して、この物語の絵を描いてみましょうとか。

そりゃまあ勿論、カリキュラムの建前は「将軍様」「主体思想万歳」なわけでそれが自分に影響及ぼしてないとも言わないけどさ。今の北朝鮮の姿勢については否定するけど、父親のしょぼくれた背中眺めたりしてると擁護もしたくなるしさ。子金孫金(今の将軍様とその息子ね)はどーでもいいけど金パパ死んじゃった時はさすがにショックだったしな。

 

あと、朝鮮学校の中にいるとすっごく世界がせまくなるなと思う。校内に従兄妹やハトコも多いし親だってほとんど親類縁者、同僚同業者顔見知りだし。日本の同世代との交流なんてほとんどなくて、私なんかは近所の子達と遊んでると話したら「おまえ日本人の友達いるの?!」と言われたこともある。正直学校の友達よりよっぽど仲良かったですが何か。

晴れ着にあたるチマチョゴリは綺麗だし、他の民族衣装もかっこいいしキムチ美味いし焼肉好きだし朝鮮民謡大好きだし、ハルモニ(ばーさま)、ハラボジ(じーさま)が踊ったり歌ったりするのも素敵だし、歴史読んだらかっこいい人物いっぱいいるし、だから韓国朝鮮民族は大好きだけれども、私が付き合わなくちゃいけなかった在日コミュニティはあまり私と合わなかったのも確かだ。生徒の絶対数の少ない朝鮮学校の中で、一般的に少数派であるオタクの割合を代入したらそりゃもう孤独なことになるわけで、親類がコミュニティの中にはいなかったこともあって居心地はあまりよくなかった。窮屈な場所だったと思う。私自身は左翼だけど、父以外の総連系に関わる気はまったくない。ていうか、今関わったらきっとあの体育会系の連中に出くわすに決まってる。そのくらい狭いんだよ、あの世界は!! 結束は必要だと思うけど私はもうあの場所には戻らない。

 

元増田「GO」に共感したようだけど、私は李相日の「青~Chong~」が自分の過ごした時期と重なって一番思い入れがある。パラフィン紙で顔の脂取ろうとするあたりとか。

映画での朝鮮学校描写の年代差はなかなか面白くて「パッチギ!」→「GO」→「青~Chong~」の順で下ってる。そして登場人物達もどんどん「在日」である自分を捉えづらくなっていくんだよね。強固な仲間意識(パッチギ!)から、そこを突破しようとして民族に足を取られもがく子が出てきて(GO)、ぼんやり境界線の上を漂って地に足の着かないままの子が今生きてる(青)、という具合に。朝鮮学校の中にいてもそうなってる在日青少年の実情がよく見える流れだなと思う。

ついでに言うと和菓子大好き短歌大好き、京都大好き、寿司はうまいマンガ好きだし、NO GAME,NO LIFEだと思ってるし、J-POPも民謡も好きだし、好きな作家ほとんど日本人だし、チャンバラ時代小説すっげー面白い山田風太郎竹本健治火浦功は天才だと思ってる。

 

で、先述したようにチマチョゴリを着て歩くっていうのはなかなか忘れ難い経験で、朝鮮学校女の子が大人びて見えるのはそれがあるからじゃないのかなって思ったりもする。「徴」をつけて歩くことはすごく振舞いを意識させられるんだよね。もう見るからに「自分は朝鮮人です!」って表明してるわけだから「私」が何かすると「朝鮮人」が何かしたことにされちゃう、っていう意識だけは絶えず持ってた。それで帰り際にB'zのCDとか買ったりもしてたわけだが。自意識過剰かもしれないが「朝鮮人女の子がB'zのCD買ってった」って思われるのかな、と思いながら歌詞カード眺めたりしてたよ。

今はもう見かけなくなったけれど、自分が卒業した後も街でチマチョゴリ女の子を見かけると「こう見えてたんだ」って思って迂闊なことした記憶と共にアタマ抱えたくなったりもした。

聞こえよがしになんか言う人もいたが、暴力でさえなければその場ですれ違って終わりだから黙ってた。

そうやってやり過ごせばいいと思ってた。

考えてみれば本名で通すのもそれと同じようなものだし、私の日本の友人の中では「在日」と言ったら私なんだよなあと気がついて結構怖くなったりもするんだけどね。うわ、ヘマできねえ…!とか、仲がギクシャクしちゃった友人の在日観とか考えると頭抱えたくなったりもする。本名を名乗る、在日だと告げるってのは少なくともそういうことになる。代表してるつもりはないけど代表になってしまう。そうじゃなければ一番いいけど、そこはいかんともしがたいので行動には気をつけてる。

 

 

自分の「在日」がものすごく重くなったのはネットでの嫌韓発言に出くわしてからだ。

在日三世にもなると面と向かって「チョーセンジン!」を罵倒に用いる人はそういないし、元増田が書いてた通り斜め上に飛んだ気遣いの方が鬱陶しい。私が本名で渡っていけるのも、父母が通名くれなかったから名前が一つしかないてのと同時に、そんな罵倒をする方がどうかしてると私だけではなく「社会が」判断してくれると信じてたからだ。それが一世、二世の苦労を知らない、三世の中でも特にお気楽な部類の私の感慨だった。

けどネットの嫌韓コピペだの在日認定だのブログ炎上だの見てそれはガラガラと崩れてった。

見ず知らずの多くの人間が、私に流れてる血に向かってすごく軽い気持ちで憎悪を向けているのを見るのは本気で怖い。ヒットポイントをがしがし削られて死にそうな気分になる。

からリアルでは本名を名乗るけどネットでは匿名に紛れてる。はてなのid、ある意味ではこれが私の「通名」だ。

あんな悪意と無神経を正面からかぶるなんて絶対無理だ。ネットで自ら在日であると表明しているid:F1977さんは本気ですごい。

 

拉致問題が大きく取り上げられてから(この問題自体はきちんと解決せねばならないと思ってる)の嫌韓、嫌朝の流れは本当にキツかったわ、うん。

例えば、私の前を歩いてる人がハンカチを落としたので、拾って「落としましたよ」と声をかけた時、「この人は笑ってありがとうと言ってくれたけど、もし私が朝鮮人だと知ったらどんな顔をするんだろう」とか考えちゃうんだよ。考えても仕方ない、意味のないことだしはっきり言って卑屈だと思う。でも考えちゃう。考えて自分で落ち込む。アホじゃないかと思いながら振り切ろうとして、なのに嫌韓なコピペ書き込みを思い出してまた沈む。

この「もし私が朝鮮人だと知ったら」というのが、通名を名乗るか本名を名乗るかid:F1977さんが逡巡することと共通するとこなのかな、と思う。もし違ってたらすんません

そしてそういった逡巡や怯えが存在するんだよ、と伝えることの難しさにまた凹む。

結局今でも色々凹みっぱなしなんだけどねー。元からダメ人間でもあるので更に凹みがちだしなあ。オマケに非モテ非コミュなので元増田みたいにこれから生活展望とか語れる物がないw

 

 

で、最近はどうかというと。

高校時代の友人(A)の一人と会って話す機会があったので、他の友人たちの消息も聞いてみたら、その中の一人(B)がネトウヨになったという。「はァ?!」と聞き返すとmixiで典型的嫌韓嫌中発言をしてるというので頭を抱えた。私はmixiのアカウントを持ってないので事実確認はできておらずどの程度の嫌韓発言なのかもわからない。伝聞で判断したくはないが、もし事実だったら私は泣くし多分しばらく立ち上がれないだろう。Bとは趣味が近かったおかげで一緒にでかけたりもしたし、卒業後も何度か酒を飲んだりもした。今だって会えば普通に飲める気がする。

「元からBってそんな感じだったじゃん。でも会えば普通に飲めるんじゃないの?」とAも言う。

Bだって私の前で嫌韓発言するようなことはしないだろう。

けどなあ。

それってどういうことなんだ?

韓国人朝鮮人は嫌いだけど、おまえは別」ってこと?

いやいやいやいや、私は朝鮮人からあなたが嫌いな朝鮮人から。別じゃないから朝鮮人から私だけ切り分けられても困るからネトウヨ嫌韓発言にキリキリしてる朝鮮人から

韓国人朝鮮人は嫌いだけど、おまえは嫌いじゃない」ならまだ納得する。

私自身「ネトウヨは嫌いだけどBのことは好き」だから

…と考えて、でもそんなこと聞きようもないし、第一事実確認からして怖くて出来てないし、どうすりゃいいんだと途方に暮れてたりする。頼むからAの誇張表現であっていてくれ。ていうかこんなこと一人で考えててもどうしようもないのに何やってんだろ私。

 

…とかそういうことを日々考えてしまう一人の在日がここにおりますよ。やっぱり割り切ることが未だに出来てないんだよなあ。

元増田とは違って、私は子供のことは考えないでいいので今のところは(父)親孝行のためにもまだ朝鮮籍でいようかと思う。韓国行きたいのも確かだからいずれ韓国籍に変えるかもしれないけど。

追記 すんませんトラバ先間違えてました…!

http://anond.hatelabo.jp/20090415070440

うわ、まさかお返事いただけるとは思わなかったので恐縮です。

ネトウヨさんの何が怖いってあの軽やかさとコストパフォーマンスです。ブログコメントたった二行でこっちは一日グロッキーだったりとかする。街に出るのも杞憂とわかっててもやっぱり怖くなりますよね。

何かあってからでは遅いという御心配もよくわかります。私が上げたidの方の文章に私は強く惹かれていて、応援したいと思うのも確かだったりします生活を守ることと気持ちを伝えることがどこかで衝突してしまうのは苦しい。うまく着地点があるといいんですけど。

韓国は、いずれ行きたいと思っています。私も本籍地が今はどうなってるやら。肉大好き!なのでかなり夢が膨らみました。

お互い、がんばっていきまっしょい!ですね。ありがとうございました。

 

http://anond.hatelabo.jp/20090415073233

日本の人を考慮してないように見えるかなあ。うーん。

ちょっと思ったのは、日日間での暴力差別についてはまた別の文脈で私は言及することにしてるかなあ。別に「在日です」と宣言する必要のない問題だし、やはり「在日」と宣言するというのはその属性をある種代表してしまうことになるから。私個人の意見なのに「在日の意見」になっちゃうと議論にとっても有害だと思う。だから私は在日とは明かしてないidでのブクマとかでしょぼしょぼとサヨクしてて、日日間での軋轢や暴力(というのが増田の指してるそれと一致するかはわからないけど)についての言及はそういうところでやってる。在日が「在日です」って断わりを入れてから物を言う時ってのは自分の経験などを語る上でそれが必要だからするのであって、必要ないなら(特にネットでは)せずに済ましたいというのが私の本音

 

ついでに言うと在日は在日のことで手一杯なので、というのも結構正直なところで、権利の追求しか、と言われても「実際ここが何とかなってくれればなー」と思うこと多いしなあ。

うちのじーさまがいわゆる「無年金」の人で80過ぎまで働こうとしてたのを父が必死で説得してただでさえ少ない給料から生活費捻出してたし。そうやって実際見てると権利追求することは別に悪いとは思わないんだよね。同時に日本の人でも窮している人は権利追求すればいいと思うし半端なりにサヨクなので私は応援&支援する。

 

日本人は、って一括りにしてるように見えたのならそれは申し訳ないです。在日にも色々いるし日本の人にも色々いるのは当たり前ですし。

在日です、って表明するってことは相手にもある種の対応を迫ってるみたいなとこあるから(そーいうのがなくなればいいんだけどね)、個人的には気を使うようにしてる。でもみんなが気を使わなくちゃいけない!とはあまり思ってない。そうなるとまた斜め上の気遣いとか出てきちゃうと思うし。うまく折り合いつけられるといいんですけどねー。

通名に関しては、いかんせんずっと実名使ってきてるからかいことはわからんです。役立たずですんません。もうちょっと物を調べてからもしかしたら増田でまた書くかもしれません。ただ、通名は別に在日じゃなくても使えるのではないかなあ。これも調べて考えてみますあやふやでごめんなさい。ただ「特権」という感覚は今のところあまり持てずにいます

更に追記(ブクマコメへ局所的返信)

火浦功マジで天才だと思います!!

チマチョゴリでの通学中、「すたーらいと☆」シリーズとガルディーンと死に急ぐ奴らの街とを矢継ぎ早に読んで惚れ込んでから十ン年、今は絶望的な思いと共にパクパクと口を開けながら新刊を待ち続けるばかりです…。

ちなみにすたーらいと☆の三作目にはニンジン嫌いの「キム・ウィルソンさん」が出てきたりする。

 

お昼休み増田に来たらえらいことになっとるー?! 100ブクマ超えってなんですカー!

ついでにちょこっとお返事。

 

KQZ 読み物 もしかしたら知り合いなのではないかと思うくらい普遍的な話なのかと好感。ただ「歴史読んだらかっこいい人物いっぱいいるし」というくだりには「それ、ファンタジー小説から!」と突っ込んでさしあげたい。

もしリアル知人だったら見て見ぬ振りしてやってください。すんません

ところで、えー、金庾信とかかっこいいと思うんだけどダメですかねえ。この人、朝鮮学校の歴史の授業でも悪者扱いだったんですけど半島三国統一した人でなかなかかっこいいと思うんですよね。

 

HEX68 差別, 在日 火浦功に触れた時点で僕の中の何か壁みたいなものが氷解した。人を隔てるのは「血」ではないのだよなあ。

すいません、ありがとうありがとうブクマコメント読ませて頂いて、このコメントでじわっと来ちゃったじゃないですか。お昼休みなのにー。

とりあえず結論火浦功は偉大ということで。

 

これ以上は自分の方がキリなくなっちゃうので、この辺で失礼しますコメントトラバくださった方、ありがとうございました。

すごく久しぶりだけれどこれだけは言いたくて追記します

b:id:cider_kondo

「昭和な街角」読みました!

火浦の新刊だーーーーー!!!と勇んで買ったものの、中を見たら全部20世紀の作品じゃねぇか!…そしてたった2ページ+数行の掌編がべらぼうに面白い上に竹本泉の挿絵も最高とか火浦過ぎるだろ火浦…。楽しいラジオ七面鳥~。

2009-04-07

http://anond.hatelabo.jp/20090406145804

ただ,統合された世界観というものに対する欲望は失われたんだなあと。架空世界経済を考え政治を考え地図を描き年表を作り言語でっち上げたりするような,ある意味で病的な熱意は,きわめて20世紀的なものだったのだなあと。

統一化された云々というより、単純にそういう世界観がもう限界(新しさが無い)ってことじゃないかな。

その手の世界観の元祖D&D(いや、俺はあまり詳しくないから、もっと前にあるのかもしれないけど)が出てから、いろんな小説ゲームTRPGコンピュータRPG)が同じような世界観で出てきた。で、苦労して世界観をカッチリ作りこんでしまったら、それを覆して新しいシステムを取り入れるのが難しくなる。

古臭くなっちゃうんだよな。古典的なファンタジーを(飯の種として)ゲーム小説とするには限界があると。

かといって、

現代的な「ファンタジー」はこうした前提を置かない。現代と過去の要素を無差別に混ぜ合わせて成立する。剣と魔術は出てくるが,炸薬入りの弾丸を撃ちまくる銃も同時に出てきたりする。人々は当然のように規格化された工業製品を用い,印刷された書物に接する。やたらと派手な服を着ているが,その生産流通を支えているはずの社会のありかたといったものは片鱗すら見えない。

こういうのも、もういいかげん賞味期限が来ているんじゃないか、とか思ったりしなくも無い。

出始めは目新しかったけど、もうみんなやってるし。

ちなみに元増田が指すような、昔のファンタジー小説(多分「指輪物語」とか)は読んだ事はない。

だけど自分で細々と書いてるファンタジー設定では、現代的な「ファンタジー」として工業製品なんかが入ってきても破綻しないような設定をでっち上げたりしています。むしろ「どうやってねじ込むか」って思考実験が割と楽しかったりするもんで。

まぁ、これは本業じゃないから可能なんだろうけど。

2008-11-01

中華料理屋の女将キャバクラ客引き青年がにこやかにおしゃべりしている。

本屋店頭母親SFを籠にたたき込む横で双子の姉妹が父親にファンタジー小説をねだっている。

携帯屋のお嬢さんが熱心にチラシをまいている。

酒屋の店頭でおっさんとじいさんがワンカップで乾杯している。

ああ、世界はこんなにも。

2008-03-05

http://anond.hatelabo.jp/20080305095901

男性向けのエロティック小説は、女性にとってはほとんどファンタジー小説だからなぁ。

逆に女性向けのエロティック小説が、男性にとって一般小説と感じても不思議はないか。

といっても官能ポイントは男女の傾向は大きく影響するにしても、

個人差もかなりあるから、性差で簡単にくくれるものでもないけど。

ただ、ハーレクインを参照するかぎり、単に性描写が過激なものよりは、

どれだけ劇的空間に没頭させてから官能描写に共感させることができるかがポイント

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