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はてなキーワード: 不利益とは

2018-08-16

不利益を被ると腹が立つ

不利益を被りそうになると怒りのボルテージが上がる、がより正しいかもしれない。

ちょっと精神的に悪い方に傾いているのかな。

以前はそんなことなかったのにな。

2018-08-13

お前にはガッカリだ、と父は言った。

今に始まったことではないし急に言われたわけでもないが、そこまで自分感情的にならなかったのが意外だった。

父は言う。おれはお前の歳には結婚してお前を育てていたというのに。個人人生からとやかくは言わないしお前も今の生活を続けたいのだろうけど、その病気の女を一生面倒見るつもりなのか。お前も病気だ。共依存だ。治療しろ。まだやり直せるんだから自由になったっていいんじゃないか、と。

父の隣では母が泣いている。死んだおばあちゃんがお前を見たらどう思うか。その歳にもなって、情けない。親戚にどう説明したらいいのか、と。

続けて父は言う。おまえたちの関係は、一般常識からみてもおかしい。お前たちだけならいいかもしれないが、家族迷惑している。数年間我慢してきたが、いっこうによくならない。おまえ自身が行動しないなら、こちらにも考えがある、と。

普通生き方ではないことは自覚しているし、長男のくせに親不孝者だとは思う。利益不利益を超えて僕のことを思って本心からそう要求しているのだろう。しかし頭は重いが涙は出ない。僕が間違ってましたこからは言うとおりに生きます、とも思わない。どうしたものかな。わかんなくなっちゃった

2018-08-12

甲子園熱中症議論、とっちらかってない?

会議の途中で「あ、これgdgdで終わるやつだ」と感じる瞬間に似ている。

個人的論点を整理したかったので。

(背景としては今年の異常な猛暑と、オリンピック問題と相乗したこと話題が大きくなっているのでしょう。)

熱中症で人が死んだくらいじゃ甲子園やめるわけないよな?

熱中症の被害者が出ても、夏の甲子園が絶対になくならない事情 (1/7) - ITmedia ビジネスオンライン

熱中症、日射病の疑い7人/甲子園 - 野球 - SANSPO.COM(サンスポ)

夏の甲子園 熱中症で球審が急きょ交代 | NHKニュース

論点1

まず、「今までも大丈夫だったからこれから大丈夫だろ」派 vs

「今までもダメだったか対策すべし」派 + 「今年は猛暑から中止か、特別対応すべきだろ」派

調べてみると、確かに結構から甲子園熱中症問題議論されている様子。識者からすれば「今更」なのかもしれませんね。

結局は今年も普通に開催されたわけですが、慎重派の懸念通り体調不良者は出ているようですね。

個人意見としては来年以降、何かしら追加の対策を期待します。

健康面はもちろんですが、気候のせいでパフォーマンスを落とすのはアスリートとして望ましくないでしょう。

目にした対策案としては「時期をずらす」「時間をずらす」「ドーム開催する」など。

良いと思います。が、地方大会も含むとかなり大規模な大会なので、「簡単に言ってくれるなぁ」という意見もわかります

甲子園 熱中症対策で試合中に初の休憩と給水 | NHKニュース

↑こういうのでもいいんですよ、できることから改善して欲しいところ。

論点2

部活任意参加、自己責任」派 vs 「あれは強制参加」派

後述するコミケ問題にも関連するのですが、参加する本人の自由意志に関する論点

かに高校では部活任意参加のはず。大会にも自分意思で参加しているのだから

体調不良になろうと自己責任というロジック。なるほど、一理あります

一方で強制参加という考え方。まず甲子園大会に巻き込まれるのは野球部だけではありません。

応援に駆り出されるブラスバンド(吹奏楽部)や一般生徒(私も経験あります)はどうでしょう

野球部と吹奏楽部に関しては晴れの舞台なので承知の上とも取れますが、

仮に体調面に不安のある部員がいて「甲子園は参加したくない」と思ったとして「甲子園だけは不参加」が通るのでしょうか。

通ったとして、この日本という国でその後不利益を被らない保証はあるのでしょうか。

そもそも高校生とはいまだ子供。そこまで自己主張できるのでしょうか。

単に高校野球楽器がしたく部活に入るだけで健康リスクのある大会に駆り出される、と考えると問題はありそうです。

(ちなみに一般生徒だった自分応援強制参加だったと記憶してます

と、ここまではいいんですよ。ちゃん議論になってて、どちらの意見理解できます

問題は次。

論点3

スポーツ vs オタク

コミケ熱中症ダブスタ

これがさっぱり分からない。

ブコメなど見ていると、「オタク野球部が嫌いだから甲子園を潰そうとしている」という意見散見されるのですが、

これって何か元ネタになる人とか記事があるんですかね?唐突感がすごくて最初2度見しちゃいました。

私も漫画アニメはよく見ますが、周りで野球をそこまで憎んでいる人間は知らないです。

というか、「野球回」があるのはコメディ系の作品あるあるですし、オタクが一番好きなスポーツ野球、まであるでしょ。

なぜこのような対立に持ち込もうとしているのかがよく分かりません。

コミケ #C94 倒れて運ばれる人が続出 - Togetter

で、次に出てくるのが「コミケ熱中症対策できてないかオタク甲子園叩きはダブスタ」論です。

論点2 の自己責任論の延長と考えれば分からなくもないのですが、「だから甲子園OK」とはならないですよね。

そもそも気になっていたのが「甲子園熱中症議論は誰のためのものか?」という点。

私は当然、高校生の健康のためだと思うのですが、どうもオタク対立を煽っている人にとっては

甲子園という「システム」(もしかすると「娯楽」)に対する「攻撃」だと捉えている節があるように思います

だって、「コミケ熱中症対策をして欲しい」というのは参加者や参加サークルのためになるもので、

彼らオタクから出てくるはずの言葉です。自身のためなのですから、それは「自己批判」ではなくただの「要望」。

これが不統一でも、普通ダブルスタンダードとは呼ばないでしょう。

念のため書いておくと、私も甲子園と同様、コミケでもできる限りの対策をすべきだと思います

視点を戻せば、「甲子園当事者である高校生の意見を一番に聞くべきでは?」とも言えますね。

ここまで甲子園問題大人が熱くなるのは、あくま子供健康を気にしてのこと、だと私は思っています

子供を持つ親にすればなおさらでしょう。

おわりに

気付くとすごい長文日記になってしまいましたが、だいたい思ったことはまとめられました。

論点3 のあたりで強く感じたのが、甲子園に対する崇拝といいますか、アンタッチャブル雰囲気です。

大相撲土俵上で、救護のシチュエーションにも関わらず「女性土俵から降りなさい」とアナウンスした男性が頭をよぎります

甲子園(夏の高校野球全国大会)ってなぜくそ暑い真夏の昼間に... - Yahoo!知恵袋

↑かなり前の記事ですし極端な人間だとは思いますが、このベストアンサーみたいな人もいるんですよね・・・

プロ以外のスポーツあくま選手のためのもの学校のためでも、周りの大人のためでも、ましてや神事でもありません。

高校球児のために、より良い大会にしていくべきだと思いませんか。

サマータイムが実現しない理由

ここ数日Twitter界隈で猛烈に叩かれているサマータイム

システム的な面を中心にどれだけ不利益が出るかの解説は出尽くしていますが、まだの方はこちらなどをご参照ください。

サマータイム実施不可能であるhttps://www.slideshare.net/tetsutalow/ss-109290879

本稿では、そのような反対論が特段意味をなさない、すなわち私が「サマータイムに反対しようが賛成しようがどっちみち実現しない」と考えていることについてお話します。

キーワードは「戸籍」「民法」「法制局」の3つです。

まず、これらの記事を見てください。特に後者安岡孝一先生京都大学人文科学研究所教授)のブログは、本エントリを書くきっかけになり、同時に執筆に当たり大きく参考にしています(一つ一つ参照元の文を示すことは省略させていただきしたことをご容赦ください。)。安岡先生感謝申し上げます

東京五輪終わっても「サマータイム」恒久的運用へ 議員立法による成立を目指す : スポーツ報知https://www.hochi.co.jp/topics/20180808-OHT1T50025.html

日本法令における「一日」と「二十四時間」 | yasuokaの日記 | スラドhttps://srad.jp/~yasuoka/journal/623028/

そして前者から一文を引用します。

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夏時間への切り替え方 導入初日を4月の最初日曜日とした場合は午前2時に2時間進め午前4時に合わせる。夏時間が始まる日曜日は 1日が22時間になる。10月最後日曜日サマータイムが終わる日とした場合は午前4時に2時間戻し午前2時に合わせる。この日は1日が26時間となる。

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必ずしもこのような立法がなされるとは限りませんが、少なくとも夏時間採用した場合には、同日に同じ時間が2度到来します。2時間をずらすサマータイムであれば1日26時間の日が発生します。そしてこの場合、2つのパターンが想定されます

①午前0時~午前1時59分59秒の終わりまでが2回あるパターン

②それ以外のパターン

ある4人の事例

さて、では戸籍に話を移しましょう。

日本戸籍では、時間単位記載が行われる事項は必ずしも多くはありませんが、有名どころとしては死亡時刻が挙げられます

なぜこれが必要かといえば、死亡の先後によって相続順位に変動が起きるからです。

祖父・父・息子・息子の妻の4人を思い浮かべてください。この4人には、これ以外の身寄りが一人もいません。そして、サマータイム終了日には、午前4時の時点で時計を午前2時に戻すものします(上記②のケース)。

さて、父がある日の午前3時ちょうど、息子がその1時間30分後に亡くなったことを想定します。民法規定に従えば、父が死亡した時点で相続が発生し、父の財産の全ては息子に相続されます。そして、息子が死亡した時点で、父と息子の財産の全てが息子の妻に相続されます簡単ですね。

しかし、日本戸籍は残念ながら24時間表記ではなく、午前/午後n時という記法採用しています。彼らの戸籍はどうなるでしょうか。現行制度に基づけば、父の死亡時刻は「m月d日午前3時」と、息子の死亡時刻は「m月d日午前2時30分」と記載されます。さて、これで両名の死亡順序が入れ替わってしまいました。この通りの記載であれば、まず息子の財産を父と息子の妻で分配することになります。そして、父の死亡によって父の財産の全部と息子の財産の一部は祖父相続されます

何を言いたいかといえば、死亡の順序によって相続割合は変動するのです。

戸籍電算化

上のような不具合回避するためには、「午前2時」から「午前3時59分」までの間の時刻に、例えば「一回目」や「二回目」といった表示をする必要があります

昔ながらの手書き戸籍であれば、これは割合簡単なことです。しかしながら、全国の4自治体を除く全ての地域戸籍コンピューター化(電算化といいます。)されています。その自治体名などはこちらをご参照ください。

戸籍電算化 | 晴れのち曇り時々雨 http://www.kumori.net/koseki/

電算化された戸籍システムでは、当然この「一回目」というような文字記号を挟み込む機能がありません。そして、上記①の場合でも、戸籍24時間表記ではありませんから、やはり「午前0時~午前2時」が2回生ますから同じことです。さらに、自治体使用する戸籍システムは、法務省統一的に開発したものではなく、各自治体が個別ベンダー契約して導入したものです。ベンダーはおおむね数社に集約されていますが、互いに独立したシステムですので、その改修はシステムごとに行うことになります

政治日程諸々

次に、スケジュール的なことを考えましょう。「サマータイム法」を提出しうるのは最速でこの秋の臨時国会ですから、まあ10月頭ぐらいでしょうか。そして、サマータイム法案議員立法(下記参照)であって、決して成立が確定していませんから、早くとも法案の提出時点から前述の戸籍記載に関する法務省令なり通知なりの立案を始めることとなります

「【東京五輪酷暑対策サマータイム導入へ 秋の臨時国会議員立法 31、32年限定(1/2ページ) - 産経ニュース https://www.sankei.com/politics/news/180806/plt1808060002-n1.html

法案成立後なるべく急いで法務省令なりを出すとして、戸籍記載方法各自治体に通知されるのはどんなに急いでも10月頭~中旬となります

さて、戸籍というものは決して間違いがあってはならないものです。この「間違い」というのにはいくつか意味があり、代表的ものとしては、

A.内容に間違いがあってはならない

B.情報保全に間違いがあってはならない

の2つを挙げることができます

まず、Aについては、先ほどの例を挙げるまでもなく、戸籍に関する記載を誤れば一発で国家賠償訴訟管理職以下懲戒処分まっしぐらです。そのぐらい戸籍は重いものです。そして、Bについても、例えば市民離婚歴や本籍などの情報流出した場合こちらも一発でやばいことになります。そのぐらい(ry この2つの帰結として、戸籍システムは、改修に当たっても決して脆弱性を生じてはいけないものであり、同時に、改修後のシステムにもエラーがあってはいけません。

では、これらを満たす改修について、今年度中に全自治体見積もりを取り、来年予算に反映させるか最悪来年度補正予算に盛り込み、再来年度までに実装までを終えることができるでしょうか。無理ですね。

法制局チェック

ここからが大切です。

法案を書く場合には、必ず「法制局」のチェックを受けなければいけません。官僚さんが書き、内閣提出法案(閣法)として提出する場合は「内閣法制局」、議員さんの発案で議員立法として提出する場合は「衆議院法制局」または「参議院法制局」のチェックを受けることになっています。そして、法制局の方は、ここまで書いてきた不都合を当然ながら分かっています。そして、きちんと「無理です」とおっしゃいます。もちろん、原理的には法制局のチェックを受けずに法案を提出する権限国会議員にはあります。そうでなければ、言ってみれば公務員に過ぎない法制局職員国会議員以上の権限を有することになり、国民主権に反します。しかし、実務はそのように動いておらず、法制局と何かしらの妥協に至ることになります(明らかに憲法違反議員立法提案される先生方も現在与野党わずいらっしゃるようですが、その辺は法制局の方が努めて雅な言い回し案文に落とし込まれているようです。)。しかし、これに関しては法制局の方も法務省民事局の方と一緒になって「無理です。」と言わざるを得ません。妥協余地がありません。そして、このエントリよりも遥かに分かりやす不都合説明されます。この時点でサマータイム法案は葬られます。以上。

まとめ

ここまでのことを極めて短く書けば、「サマータイム法制局チェックを通らないので実現しない」ということになります。みなさんどうぞご安心ください。

それでもサマータイムが実行された場合、それは本格的に明白な違憲立法法制局無視してバンバン通りうる社会になったということです。サマータイム以前の問題なので共に悲しみましょう。

補遺

なお、刑法刑事訴訟法上の刑期や勾留期間を含めた1日が24時間であるという前提に基づく各規定については、確かに23時間や25時間の日の存在を想定していないというのはそのとおりですが、おおむね①時間単位規定しなければならないほど短い期間は時間で、②乱暴な言い方をすれば数時間の誤差は許容されるような期間は日数以上の単位規定されていますので、混乱が生じることはあっても法制上そこまでの支障にならない気がします。

安岡先生こちらのコメント(なお、こちらのリプライ先になっている刑事訴訟法に関する指摘は私のものではありません)

https://srad.jp/comment/3459182

は、危惧としてはもっともですが、時間計算であればきっかり実際の時間の経過に合わせた例えば「四十八時間後」に期限が到来することになろうかと思います。この辺は民法138条以下と民法解説書をご参照ください(民法規定ですが、特則がない限り全ての公私の期間計算適用されます。)。あくまで本エントリ目的は「サマータイムが実現しない理由」を述べることですのでこれ以上踏み込みません。

2018-08-09

無職としての学問

 特に文系において、大学研究を取り巻く環境が厳しいので、少し愚痴を書かせていただきたくお邪魔します。

* * *

 研究生活が実生活、ことに家庭生活に対し極度の不安定性を与えることは、今日に始まったことではない。

 例えばかの有名なマックス・ウェーバーによる1919年の講演の中では、「大学に職を奉ずるもの生活はすべて僥倖支配下にある」と語られており、「精神的に打撃を受けることなくこうした境遇に堪ええたためしは極めて少ない」とまで言われている。

 このような状況は、100年の時と洋の東西とを超えた今日日本においても、同様である。むしろ人口減少と学問に対する軽蔑——それはおそらく、ウェーバーが講演の中で強調した、学問がなんの「救い」も「啓示」ももたらさないということを、多くの人々が正しく認識たからに他ならないが——に直面している極東島国の方が、研究生活を取り巻く環境過酷であるといえるだろう。

 博士号を取ったとしても多くの人々には就職先がなく、あっても有期雇用で、しか低賃金であり、長期的な研究生活の途を描くことは全く不可能である

 日本より恵まれ研究環境を有する国、例えば博士課程から給与が出るアメリカや、高等教育がほぼ無償であるフランスの例を持ち出すことは簡単であるしかし、研究生活はその研究者が根ざしている言語文化、あるいは人的ネットワークにある程度は依存せざるをえない。また、他国研究環境は、一部だけを切り出せば外面的には羨望の的になりえるが、実際は、給与と引き換えに研究テーマ選択制限されたり、あるいは無償で得られる研究環境には限りがあったりするのである

 当然のことながら、研究者における研究成果はそれぞれのおかれた研究生活の諸条件に左右されるのであり、それは資本的な制約を大きく受ける理工学系のみならず、人文系についてもそうなのである

 ハンナ・アーレントのように、生地での生活を根こそぎ奪われ、新天地で大きな研究成果を挙げる例もないわけではない。大学官職への道を閉ざされてから活躍したカール・マルクスそもそも学歴のなかったピエールプルードンなども、偉大な思想家としてのちに崇められる存在であるしかしながら、すべての人が偉大な人、指導者のような人、あるいは預言者になることを目指して研究に励んでいるわけではない。実態はむしろ逆であり、陽が当たらない部屋で日がな一日、誰も読まないような古雑誌の1ページをどう解釈するかについて考え、その謎を解けた時に無常の喜びを感じる、そういう人が研究生活に入るのである。そのような、全くつまらないことこそ重要研究成果なのであり、むしろ大きな社会的反響を呼び起こす御宣託が科学的な研究成果とは全く呼べないようなものであることは、ウェーバーの指摘するところであり、歴史が度々証明してくれたところでもある。いずれにせよ、研究生活とは社会的名声や富と全く関係がないどころか、資本主義社会ではしばしばそれらは相反するものとなるのである

 尤も研究者も所詮人間であるからして、研究のものの「客観性」や科学位置付けとは無関係に、それぞれの求める研究生活上のあり方というのは存在する。名声や富を求めて研究に取り組む人もいるのかもしれない。しかしそれは明らかに悪手だ。羽生名人でも挽回できないぐらいの悪手だと思う。

* * *

 さて、反面、家庭生活はまさに「経済」の必要に駆られるところのものであり、十分な収入、定住可能な住居、そして可能な限り多くの家事労働自動化が進んだとはいえなお労働集約的だ)が投入されて、初めて成り立つものである

 収入がないなどもっての外であり、亡命収監失踪放浪なども、家庭生活とは相容れないものである

 歴史を顧みれば、自死発狂、子捨て、虐殺に至るまで研究に身を置いた人々の末路は様々であるが、なんとかしてそのような事態は避けたいと誰しもが願うところであろう。

 できれば平穏無事に、昭和時代理想とされたライフスタイル、すなわち夫婦円満子供と共にマイホームに住み、安定した立場で働き定年後は年金生活という人生を歩みたいところである(これは皮肉である)。

 しか今日の若き研究者は、子供はおろか結婚もままならず、マイホームマイカーも持たず、年金制度破綻を前に怯えながら年老いるのである

 もしあなた結婚したとすれば、それはパートナーの全く寛大な心によるものか、パートナー無知蒙昧で完全に誤った選択をしたかのいずれかであろう。

 さら子供がいるとすれば、当然あなた研究生活放棄するか、あるいはなんらかの安定した不労所得に拠って研究生活と家庭生活の両立を試みねばなるまい。(あるいは、あなたが非常に体制時代に順応的な研究をなしていたとすれば、すでに十分な収入に恵まれいるかもしれない。これこそウェーバーの言った「僥倖である。そういう人には心から祝福を送ろう。願わくば同じような僥倖が数多の迷える研究者たちにあらんことを。)

 多くの研究者たちにとって、結婚出産研究生活首にかけられた縄である

 女性研究者の研究生活性別役割分業的発想や家庭生活に対する支援パートナーから十分に得られないなどの理由によりすぐに縛り首になってしまうが、男性研究者の研究生活も同様に性別役割分業的発想や金銭支援パートナーから十分に得られないことですぐにギロチンにかけられてしまう。

 いずれにしろ他者にとって金にならず有用性のわからない行為としての研究は、家庭生活に直面すると挫折する公算が大きいのである

 だからといって、家庭生活を全く否定してしまうことも困難である穂積陳重来日本の身分法学者は、日本国民の位置付けを次の三つの身分のいずれかあるいは複数に属するもの定義した。すなわち、夫婦、親子、親族である

 しかし、親が死に、結婚もせず、親族との紐帯も弱いとなれば、その人は社会的にも法律的にも、全く孤立した存在となってしまう。

 その人は十分な社会保障の対象にならないことはもちろん、社会生活上の様々な面で制約や不利益を受けることとなる。

 実際上の問題として、社会的要請として家庭生活に入ることを我々は求められており、多くの人はその生活が全く不幸であり耐え難く絶望的なものだと感じていたとしてもなお、家庭生活に甘んじているのである

 当然、研究をしていなければ家庭生活が楽になるとは全く言うことができない。しかし、少なくとも研究生活が家庭生活と激しく対立することであることは自明であることのように思われる。

 あるいは「家庭」という理想像の崩壊高齢者二人世帯や単身世帯シングルマザーの増加、生涯独身者の増加などによって、家庭生活という名付け自体空虚ものになっているという批判があるかもしれない。

 しかし反面で、なお結婚出産経験する人は半数を占めており、「家庭」に代わるほど普遍化された結婚出産を前提とした私的領域生活モデルはいまだに存在しないわけだから、やはり家庭生活という呼称を用い、特に若い研究者たちにとってはそれを重視せざるを得ない現状もあるのだ。

* * *

 収入、定住、家事労働を求める家庭生活は、無収入、度々の転職と転居をもたらし、にもかかわらず時間の余裕を求める研究生活とは、完全かつ深刻に対立する。

 では、この間の解決はどのようにしてもたらされるのか。非研究であるパートナーの忍耐によってであろうか。あるいは研究生活の適度な抑制によってであろうか。

 前者はこれまでの男性研究者がしばしば採用した方法であり、女性人権がない時代であればよかったが、21世紀にもなってこの方法採用しようと思っている人がいるなら、その人は妻を見つけることができないであろう。

 後者方法は、実際には採用し得ないものであり、つまりそれは相撲レスラー炭水化物摂取を控えるとか、プログラマーが1日3時間しかモニターを見ないようにするとかいう話であって、研究生活を「適度に抑制する」などということは単に研究生活否定しかない。

 研究者はその人をして全的に研究に没頭せしめなければ、素晴らしい「霊感」を得られないものである。そうでなければ、特に人文学研究においては、それは単なるジャーナリズムに陥るであろう。

 そして、これもウェーバーと同じく声を大にして言いたいところであるが、そのような素晴らしい「霊感」、今日言葉であれば「イノベーション」などというものは、研究のみならず仕事や様々な形の労働の中でも、それに没頭し専心していなければつかむことの能わざるものであり、行政府が旗をふって労働時間の長短や職業訓練の有無をいくら弁じ扇動しようとも、生まれてこないものなのである

 家事労働ワークライフバランス長時間労働問題は、まさにこの没頭の可能性にあるのであり、特に家事労働時間を細切れにしてしまうために人をして何かに没頭させることを妨げること大であるワークライフバランスも、結局その目的とすることが明らかでないか低賃金かつやることのない中途半端余暇をもたらすだけである長時間労働改善しても、人々が自ら欲するところのものに取り組めるような労働時間の設定でなければ、それが長かろうが短かろうが、人々の不満は変わらない。いくら労働時間が短いとしても過労死は起こりうるし、長く労働していても過労死しない場合があるのは、この理由によるのである

 とにかく、家庭生活の求めるもの根本的に否定しなければ、研究生活は成り立たないのである

* * *

 では、解決方法は何か。家庭生活問題点は、それが夫婦という二者で成立するように想定されていることである。それゆえ、収入と定住を男性が支え、家事労働女性が支えるという構図が出来上がった。

 しかしこの想定は噴飯ものであり、シングルマザーは全て一人でやらざるを得ず、あるいは逆に親族から支援収入不安が軽減されたり、実家を譲り受ければ定住も可能というように、家庭生活の諸条件の実現は夫婦という関係性の外部で決まっていることが多い。

 もし家庭生活に関与してから研究生活継続するためには、家庭生活を成立するためのリソースを外部から調達することが最も望ましい。(逆にいえば、外部からリソース調達できなければ、ついにここで研究生活のお墓を立てるしかない。自分研究というアイデンティティよ、さようなら、と。)

 ただ、ここには二つの問題がある。一つは、リソース調達である大川周明のように徳川家から調達したり、大杉栄のように政治家からぶんどってくることができれば最高だし、あるいは明治時代のように女中を置いたりできれば最高だが、なかなかそういうわけにはいかない。もう一つは、その調達個人能力に帰せられることで、研究能力とは別にそれに取り組む環境規定されてしまうということである

 この二つの問題解決するためには、若い研究者同士で研究生活を支えるための生活ネットワークを構築するしかない。あるところには金がある人もいるだろう、あるところには手が余っている人もいるに違いない。

 どうせ研究生活に勤しんでいる人以外に若い研究者に対して同情を寄せてくれる人はいないのである

 アカデメイアリュケイオンがどうだったかはわからないが、古今東西大学に併設されている寮や大学街(カレッジ)では生活上でも学術上でも研究者のコミュニティ形成されていたはずだ。修道院のようなものである

 いま、若い研究者は官僚主義的な大学制度によって互いに分断され、地方に散住し、有能なもの国外へ出て行ってしまっている。もう最後タイミングである

 いま我々若い研究者が団結して助け合わなければ、この国の研究はすぐになくなる。もし研究のなくなり方が緩やかであれば、日本語で達成された学術的成果を、多少なりとも国際的に、人類のために遺す時間猶予が生まれるかもしれない。あるいは、国外から救いの手が差し伸べられるやもしれぬ。「タコツボ」を脱しなければならない。近くで助け合って生活し、なんなら雑誌なども出して(いまであればブログでいいのかもしれないが)、特に文系では消え掛かっている研究の灯火を、なんとか引き継いでいかねばならぬ。ならぬと思う。

いや、それとももう、研究生活を諦めるべきなのか。

2018-08-07

まだ働いてないのに性別だけで働かないでしょと決めつける事こそが差別偏見と分かってない

https://blog.tinect.jp/?p=53033

この人が言ってる事も多くの医者が言ってる事も、差別偏見の基本を理解せずに言ってる

個人医者の生涯の効率について、統計上の事実(これも怪しいが)を用いて判断する事がおかしい事を理解していない

性別や年齢ラベルで、そう言う人が多いからと同じ権利を与えずその個人権利侵害する事がそもそも差別偏見なんだ

医者になる権利というのは生涯年収という意味でも社会的地位という意味でも個人にとって大きな権利な訳。

あるのとないのと全く違うよね

それを性別や年齢ラベル説明選択権も与えず断罪する事が差別であり人権侵害

得られたはずの何億円、何十億円もの収入東京医科大学は弁済するくらいしてもいいくらいだ

実際に多くの男医でも働かない奴もいれば、女医でも働く奴もいる

当たり前だが集団属性の傾向と個人の実際は全く違う

貴方はじゃあ男は圧倒的に犯罪率が高いから行動制限されるのもいいのか

いや少しの人権侵害なら統計上の事実に基づいて不便も許す人も多いだろう

でも生涯の大きな不利益を、個人を見ずに統計上だけで勝手断罪される事が一切許されることではない

こんなの偏見差別の基本だよ

仮に医療崩壊だと言うのなら、一大学や一医者断罪するのでなく国家として対応を考えるべき。

ただどこの国でも四割達成してる現状、実際に合理的説明は出来ないんだろう。国家として、文科省厚生省擁護してないし。

何年も頑張って勉強し実際には達成していたのに何十億円も得られる筈だった権利を、そう言う奴多いらしいと言うアヤフヤな集団傾向とやらで奪われる国で本当にいいのか

例えば九州男児は働かないらしいと理由就職制限されて更にそれを通知もしないそう言う事が許されて然るべきなのか

女は大変な診療科に行かない傾向がある?

実際には外科に行く女医だって整形外科に行く女医だっている。

個人集団傾向は違う。当たり前だから

なのに「女」だってだけで最初から個人の大きな権利を奪う事、こんな事が一切許されることではないし擁護できる余地なんてない

最近差別範囲広がりすぎてね?

「両親の職業は」「出身は」って聞いただけで差別になるのか。

差別って言葉弱者強者に対して使える「盾」と「武器」になってきてるし、

そもそも被害妄想だ」と言ったところで「差別だ!」って喚かれそうだし、

もうやってられないね

差別」とは、

「本人の努力によってどうすることも出来ない事柄不利益な扱いをすること」をいいます

出身地」「職業」「学歴」「性別」「家柄」「民族」などによって、上下値打ちをつけ、

その人や団体の自由権利無視侵害するなど不当性、不利益性を被る関係が生じることをいいます

上下値打ちもつけてなく、ただの話題づくりだったとしても

出身聞いたら人によってはアウトなんでしょ?きっつい。

上下値打ちをつけ、

その人や団体の自由権利無視侵害するなど不当性、不利益性を被る関係が生じることをいいます

これやってなくても差別とかきっつい。

anond:20180807002712

問題は休むことではなく連絡や引き継ぎの怠り。それがないなら何も気にしなくていいし(だって給料発生しないんだから向こうに不利益ないし)、そこに落ち度があるならそれをちゃんとやればいいだけ。

休みがちな人ってたまにいるけど他で補えてりゃ気にならないよ。

2018-08-06

anond:20180804075428

じゃなくて、北欧人の売春婦はたぶん自分不利益が起こったら労働運動とか自力で始めるよ。

ということがいいたかった。

全国の医学部入試で三郎以上を不合格としていたことがわかった

私立のみならず国公立医学部医科大学で三郎以上の受験生不合格としていた

三郎、四郎、五郎・・・などは不合格

太郎、一郎、次郎、二郎合格

とくに名字天草で、名前が四郎の場合見せしめとして「不合格者」として氏名を掲示していた。

大学側は「性別や年齢で不利益を蒙ることはない」として静観する構えをくずしていない。

2018-08-05

anond:20180805210055

それがないから言ってるじゃん

産まないって思ってる女性はけっこういるんだよ

産めない女性も合わせ優秀な人材を切る方が不利益

東京医大ニュース見て思うのは

女性差別っていうフォーカスの仕方が嫌だ。

俺は性差別が嫌いだ。性差別は男女ともに不利益である

アファーマティブ・アクションも嫌いだ。

逆差別必要悪とでも言うのか。

性差別した機関刑事しろ。それでいいだろ。

anond:20180805075431

いちいち後輩に情を持っていたら何も言えなくなるぞ。

後輩がヘソ曲げないように気を使って、好ましくない、間接的に業績を下げるような行いをしていても、致命的なミスでないなら何も言わない。結局そんな態度で接することになる。ある程度突き放した方が教える側も教わる側も不利益を被らないと思うがな。

2018-08-03

anond:20180803155430

そう

学力で人に位階を作るのを正当化して

自分不利益を感じた時だけ騒ぐ

女に産まれ自分が悪いのか

女に生まれるだけで、大学入試の点数を下げられたり、ほとんどの女性が性暴力にあったり、その他色々な不利益を被っている日本という国。

私も女に産まれしまった。

入試の時に母が「女の子から浪人はさせない」と言っていたのも、もしかして性差での足切りを気にしていたのだろうか。

勉強して、社会のことを知って、私自セクハラパワハラや性暴力にあったりして。

日本男尊女卑は変わらない。これが社会から」って、理不尽を受け入れるしかないのだろうか。

人権意識が高まり、不当な扱いにはNOと言って、女性が声を上げることも増えて、様々な問題可視化されてきた。

下の世代に受け継がせない、理不尽毅然と立ち向かうことは本当に大事だと思う。

だって、いままで声を上げて勝ち取られたたくさんの権利を持っている。

だけど、不当な扱いを受けすぎて、そのたびに絶望を重ねて、それでもできるだけ声を上げ続けてきたけれど、なんだかもうすりへってしまった。

問題解決できる立場人間は、保身ばっかりで何もしてくれないことはもうわかってしまった。

世論だってそう簡単に変わらない。

何か声を上げても、頭のおかしい人が何か言ってるで切り捨てられてしまう。

もう政府も信じられないし、この社会構造や抑圧してくるものの中で生きていくのもしんどくてたまらない。

だったら日本を出て行けというのも正論だと思う。でも手取り16万、都内一人暮らしでかつかつに生きているから月に少額貯金するのが精いっぱい。

運良くやりたい仕事には就けたけど、業界賃金水準正社員ですら20いかないのが普通なので、海外に出ていけるだけのお金も貯められない。

日本から出ていくより現世から出ていくほうが確実に楽でしょう、こんなの。

私は抑圧されたくないし、男性と対等でいたいし、やりたい仕事もしたいし、安全暮らしたいだけなんだけどな。

なんでこんなところに女として産まれしまったんだろう。

生きているだけで息がしづらくて仕方ない。

子供を産まないのは生産性がないとか政治家が言っていた。

3人は産めと言った人もいた。

こんな地獄犠牲者を産み落とすくらいなら産まない方が良いんじゃないかな。

あー、人生リセマラしたい。

来世は北欧に産まれるか、カナダの家猫が良い。

もう、はやく死んでしまいたい。

2018-08-02

女子受験差別医療受験者には暗黙の了解だったみたいだけど

それでよく女医に大きい顔を出来てたなぁ

自分より賢い女子不利益かぶせて大幅な裏口入学させてもらってるみたいなもんなのに男の医者は後ろめたくないんだと驚いてしま

杉田氏の文章を全文読んだ上で批評する

要約を最下部に載せています。全文読んでない方は要約も見て下さい。

反論

彼女エッセイの主張はシンプルだ。

A)そもそも日本は古来から同性愛に寛容だが、欧米同性愛者が迫害されてきた。社会構造が違うのに、欧米的な多様性容認していく流れを見習うべきという論調が目立つ。

B)多様性に寛容になり様々な性的指向を認めていくと際限がなくなる。「常識」や「普通であること」を見失うと秩序が保てない。

C)多様性肯定的報道はそれを助長することになりかねない。

以上が主な主張だ。反論は下記。

a)日本LGBTに寛容という点は、男色文化があるし同意できる部分もあるが、杉田自身が示した朝日新聞記事( https://digital.asahi.com/articles/ASL3K32F4L3KUBQU002.html )に「『周りの人の多くは性的少数者偏見を持っていると思う』と回答したのは、性的少数者層の当事者の48%に上った。」「性的指向性自認に関する言葉嫌がらせを受けたことがあるのは、非当事者の10%に対し当事者は29%。」とある。これで、寛容といえるのだろうか。

b)際限がなくなる危惧理解するが、現状では際限をなくしたい訳ではない。いままで「常識」や「普通であること」の外にいる人も包摂した社会にしたい。それまで中にいた人にとっては苦痛だろうが、心の中まで犯そうとは思っていない。男と男が手をつないでいて違和感を感じたとしても、その違和感自体否定しない(違和感がないことは理想だが)。ただ、その人たちも同じ日本に暮らす仲間として受け入れ、そういうパートナーシップがあることを理解し、異性愛者と同様の社会制度を作って欲しい。

c)肯定的報道が際限のない多様性拍車をかけているという因果関係を具体的に示していないので、報道云々の箇所は論拠を示して下さいとしか言えない。(そもそも多様性は既に現に「ある」のに、どう広げるというのだ)

以上。

感想

枝葉に目をこらすと、看過できない表現もあった。

1、『LGBTカップルのために税金を使うことに賛同が得られるものでしょうか。彼ら彼女らは子供を作らない、つまり生産性」がないのです。』

この文章が置かれている文脈では、議論右往左往しているので掴みにくいが、概ね下記の主張だろう。

日本では実際LGBT差別されているか疑問だ

  →LGBTの「生きづらさ」は親の無理解が大きい

    →親は自分の子供が同性愛者だと孫ができないのでショックを受ける

    →親の無理解クリアできれば、だいぶ「生きづらさ」は解決する

      →しかしそれは制度を変えることでは解決しない

  →そもそも社会は「生きづらい」のにリベラルメディア社会制度のせいにする

    →「生きづらさ」を自分で乗り越える力をつけさせるのが教育

    →「生きづらさ」を行政解決することには賛成する

      →しかし、行政が動くということは税金を使うということだ

        →子育て支援などは少子化対策という大義名分がある

          →しかし、LGBT子供をつくらないのに税金を投入すべきか疑問だ

しかに、少子化対策の枠でLGBT支援をするのは難がある。だが、全ての予算は「子供をつくる」ためにある訳ではない。「生産性」を広い意味で捉えたとしても、すべての税金の使いみちが「生産性」を追い求めるべきなのか。であるなら、クールジャパンファンド赤字を、ぜひとも批判してほしい。

なお、エッセイ後半の多様性容認のくだりをみるに、彼女が指す「LGBT支援とは、カップルに関することだけではなく、学校においてトランスセクシャル向けのトイレ制服を作ることも含まれていると思わる。性的マイノリティ暮らしやすく、「自分らしい」生き方ができる社会を整備することは充分に税金効果はあると思うが、そうした整備にも税金を使うことが躊躇われるようだ。

 

 

2、『「多様性時代から女性男性)が女性男性)を好きになっても当然」と報道することがいいことなのかどうか。普通恋愛して結婚できる人まで、「これ(同性愛)でいいんだ」と、不幸な人を増やすことにつながりかねません。』

それは同性愛者だったということであり、「これでいいんだ」と思えたなら、素晴らしいことではないか

同性愛になるか異性愛になるかは、人にどうこう言われて変わるものではない。

 

 

3、『LGBTからと言って、実際そんなに差別されているものでしょうか。』

杉田氏は『成長するにつれ男性恋愛して、普通結婚していった』と述べてる。つまり、異性と恋愛せず結婚しない同性愛者は「普通ではない」というのだ。

一方、エッセイ最後で『「常識」や「普通であること」を見失っていく社会は「秩序」がなくなり、いずれ崩壊していく』とも書いてある。

『「普通であること」を見失っていく』の主語社会と捉えるにせよ、その発端は「普通でない」同性愛である

杉田氏は、同性愛者に対して「あなた存在は秩序を崩壊させる」と言っているのだ。

これが差別以外のなんなのか。

 

 

4、『自分の好きな性別トイレに誰もが入れるようになったら、世の中は大混乱です。』

藁人形である

文科省は通知を出していて「好きな性別トイレを使っていい」という指針にはなっていない。

トイレ多目的トイレ職員トイレ更衣保健室多目的トイレを利用することを推奨している。

http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/28/04/__icsFiles/afieldfile/2016/04/01/1369211_01.pdf


さいごに

私はLGBT当事者ではない。同性とセックスすることはあるが、あくまで性欲に紐づくものであって、愛に紐づくものではない。なので、基本的にはストレートだと自認している。

そして、前提として、日本無秩序にしたい訳でもない。

従来の「ふつう」以外も認めて欲しい。そして、「ふつう」以外の人も包摂する社会制度を再設計したい。

もちろん、いままでの「ふつう」を崩すとどこまで崩すのか、と不安になる気持ち理解できる。

私は、他人に深刻な不利益をもたらさない限りで、かつ、従来の根本的枠組(人の定義etc.)の延長で、最大限の多様性を許容する社会制度

また、「同性を好きになったり、同性とセックスするヤツは気持ち悪い」と思うのを止めたい訳ではない。思うのは無意識化だから仕方がないことだ。

それを個人的感情にも関わらず「ふつう」という、さも一般化した言葉に置き換えるのをやめて欲しい。

杉田氏や反LGBTの人も含めた、すべての人が最大限の幸福を得られる社会になってほしいと心から願っている。

参考:杉田エッセイの要約

LGBTで各新聞キーワード検索したところ、朝日新聞毎日新聞記事数が多い傾向があった。この2紙はリベラル系でありLGBT権利を認めて支援する動きを報道することが好きなようだが、違和感がある。背後には権利を守ることに加えて、LGBTへの差別をなくし、その生きづらさを解消してあげよう、そして多様な生き方を認めてあげようという考え方が伺える。

しかし、LGBTからといって実際に差別されているか疑問だ。私は自分の友人が同性愛者でも気にしないし、職場でも仕事さえできれば問題ない。多くの日本人も同様ではないか

キリスト教イスラム教社会は、教義によって迫害されたり命に関わる問題にもなっていた。一方で、日本には同性愛者を「非国民だ!」という風潮はないし、迫害歴史もない。むしろ寛容な社会だった。欧米日本では社会構造が違うのに、日本マスメディア欧米を見習うべきという論調が目立つ。

LGBT当事者から聞くと、親に理解してもらえないことの方が社会的な差別よりつらいという。親は自分の子供が自分と同じように結婚して、子供をもうけてくれると信じているから、それができない同性愛者だと分かるとショックを受ける。LGBTの両親が受け入れてくれれば、日本はかなり生きやす社会になるのではないかしかし、これは制度を変えれば解決できるものではない。

リベラルメディアは「生きづらさ」を社会制度のせいにする。しかし、そもそも世の中は生きづらく、理不尽である。これを自分の力で乗り越える力をつけさせることが教育目的のはずだ。「生きづらさ」を行政解決するのが悪いことではないが、動くには税金必要である

・例えば、子育て支援子供ができなカップルへの不妊治療税金を使うというのであれば、少子化対策のためにお金を使うという大義名分がある。しかし、LGBTカップルのために税金を使うことに賛同が得られるものなのか。彼ら彼女らは子供を作らない、つまり生産性」がない。そこに税金を投入することが果たしていいことなのか。にもかかわらず、行政LGBTに関する条例や要項を発表するたびにもてはやすマスコミいるから、政治家が人気とり政策になると勘違いしてしまうのです。

・ここまでLGBTという表現を使ってきたがLGBと、Tは分けるべきだ。トランスジェンダーは「性同一性障害」とい障害であり、自分の脳が認識している性と自分の体が一致しないというのは辛いだろう。政治家として、医療行為を充実させることは考えていいことかもしれない。

・私は中高一貫女子校出身だ。女子校では、同性の同級生や先輩が疑似恋愛対象となるが、それは一過性で、成長するにつれ男性恋愛して、普通結婚していった。しかし、マスメディアが「多様性時代から同性を好きになってもいい」と報道したら、普通恋愛して結婚できる人まで、「これ(同性愛)でいいんだ」と、不幸な人を増やすことにつながりかねない。

朝日新聞調査LGBTが281人、自分が男女いずれでもないと感じるXジェンダーが508人、性自認性的指向が定まっていないQ(uestioning)が、214人いた。合わせて1003人にもなる。LGBT世間が騒ぐから「男か女かわかりません」という高校生が出てくる。また、思春期から社会の枠組みへの抵抗もあるだろう。(記事https://digital.asahi.com/articles/ASL3K32F4L3KUBQU002.html

・多様な性に対応するために、自分認識している性にあわせて自由制服選択できることに肯定的報道をよく目にする。例えば朝日記事で「多様性、選べる制服」。また、オバマ政権下では公立学校において、自分認識した性に応じて更衣室を使えるように通達を出した。果たして、それはいことなのか。Tに適用されたら、LやGにも適用される可能だってある。自分の好きな性別トイレに誰もが入れるようになったら、世の中は大混乱する。(記事https://withnews.jp/article/f0180330006qq000000000000000G00110601qq000017068A

最近LGBTに加えて、QやIやPなど訳が分からない。なぜ、男と女の2つではいけないのか。パスポート性別欄に男でも女でもない「X」と記載できる国がある。タイでは18種類の性別があるというし、Facebookでは58種類の性別が用意されている。冗談のようなことが本当に起きているのだ。

・様々な性的指向も認めたら、同性婚容認だけにとどまらず、例えば兄弟婚や親子婚、はたまた、ペット婚、機械結婚させろという声が出てくるかもしれない。どんどん例外を認めると、歯止めが効かなくなる。

・「LGBT」を取り上げる報道は、こうした傾向を助長させることにもなりかねない。朝日新聞が「LGBT」は、冷静に批判してしかるべきではないかと思う。「常識」や「普通であること」を見失っていく社会は「秩序」がなくなり、いずれ崩壊していく。私は日本をそうした社会にしたくない。

記事リンクは、筆者が探した。杉田氏が示した大阪版とリード部などが異なるが、本文はほぼ同一。

2018-08-01

世の中に潜む父親差別

世の中には母親には配慮されているが、父親存在がその配慮対象から抜け落ちているケースが多々ある。

これは明確な「父親差別」だと自分は思っている。

子供オムツスペースなんかは良い例だと思う。

だいたいどのデパートでも用意されているんだけど、女性しか入れない授乳室や女子トイレに併設されていたりする。

他には学校PTAでもシングルファザー家庭のPTA役員だけ何故か免除されていたりする。(本人のやる気に関わらず)

「女しか子育てしない」って言う母親への差別母親だけの不利益になるどころか、子育て積極的父親への不利益としても現れているんだと思う。

世の父親もっと声をあげてもいいと思うぞ。

2018-07-30

生産性が無いって発言差別なの?

生産性が無いから、子供が居ないからなんなのと個人的に感じるので差別であるとするのに違和感を感じる。

ただ、子供が居ない、作れない人がそのことに負い目を感じているなら傷つくだろし差別になるのかもしれない。

ただ教えてもらわないとこの発言差別だと認識はできなかった。

参考: http://blog.livedoor.jp/skeltia_vergber/archives/51543955.html

LGBT権利拡大の手助けをする朝日新聞おかしいとか

日本にはLGBTへの差別が無かったとか子供を産み育てない連中に金を使うなとか

社会の秩序を乱すなとかめちゃくちゃなことばかり書かれてて、

こっちの方が明確に権利制限しようとしてる分だけ差別してるように聞こえるんだけど

何でだか生産性云々の方が注目されちゃってて何でだろ。

生産性が無いを知能が低いに、LGBT黒人に置き換えると明確に差別だと思うんだけどそこの違いは何なんだろう。

そのレッテルによる社会不利益想像しにくいからかなあ。

杉田議員LGBTに関する発言

いきなり本題から

議員が「LGBT生産性がない。よって彼らを優遇するな。」と言ったとする。

この裏は「生産性のある人は優遇されるべきである。」ということになる。

元来、「国が○○を優遇する」ということに対しては極めて慎重でなくてはならないはずだ。

(○○に”アーリア人”などと代入すればわかる)

誰かの優遇と誰かの冷遇は表裏であるし、国が人々をある状態積極的誘導することは良心の自由に対する緩やかな侵害であるからだ。

しかしその中で、「子供を産み育てる」ということは優遇されるべきこととして広く容認されている数少ない行為ひとつである

なぜなら、われわれは全員いつか老人になり誰かの子供に食わせてもらうことになるからだ。

いくら自己決定云々言ったって、誰かが子供を産み育てないと国が続かないからだ。

よって、LGBT優遇することに慎重であるべき、という議員の主張は正しいと思う。

同時に、彼らに対する排除や不当な不利益排除することも議員の務めである。そのことも忘れずに頑張っていただきたい。

2018-07-29

自称弱者が聞いて呆れる

感情吐露それ自体は良い。

自分が被っている不利益を知ってもらうための活動としては十分に認められるべきものだ。

ただし、どれだけ大きな反響が得られたとしても、理路整然としていなければ個人感情しかない。

なぜ弱者として保護されなければならないか、他の弱者をどう扱うか、そういったことが説明できなければ、同情はされても制度が守ってくれることはないだろう。

どんな社会的活動も、元は個人感情だったに違いない。

感情昇華させて社会的価値のある思想に変え、人々を動かしたのだ。

そんなわけで、「キモくて金のないおっさん」をどう扱うかで、弱者弱者様の区別は付けられる。

キモくて金のないおっさん」を切って捨てるなら、所詮弱者様止まりであり、支持するに値しない。

2018-07-28

規制バカのためのもの

農地アパートが乱立する事態を見ると、規制バカのためのものであることがよくわかる。

農地アパート建築ラッシュ 規制緩和受け、需要無視朝日新聞デジタル

https://www.asahi.com/articles/ASL7T6FCZL7TULFA035.html

バカバカであるがゆえに正しい判断ができないので、バカ搾取しようとする人間からバカを守らなければならない。

そのために作るのが規制だ。

から規制簡単撤廃してはならない。バカの言うことを聞いてバカを守るための規制撤廃すれば、結局バカ不利益になる。

農地アパートを建てても、家あまり時代に人が入って儲かるわけがないのに、農家バカな老人は、それが禁止されていないとわかったら、健詫屋にそそのかされてやってしまう。

コメ野菜を育てて生計を立ててきた農家の老人は、アパートを建てたら、野菜が生えて育つように、人も増えるという農民的な他力本願の推論をしてしまう。それが間違っていることが自分では理解できない。ウン十年もその考えでうまいことメシを食ってきたと思っているから、考えを変えられない。

こういう人を守り、国土環境を守るために規制があったはずなのだが、撤廃されたおかげでバカバカであることが明らかになっただけだった。

2018-07-26

anond:20180726093559

俺にとっての差別は、自分は一切何もしていないのに何処に行っても忌み嫌われ、

見た目だけで入店拒否され、罵詈雑言を投げられたり殴られたりすることかな。

これはちょっと範囲狭すぎでしょ

変えるのが無理か難しい属性によって何らかの不利益被るのは全部差別だと思うけど

さすがにロリコンは隠せばどうにかなるし良いと思うんだがな。

これも今の社会じゃ通らなくね?

LGBTは隠せばどうにかなるし良いと思うんだがな」なんて言ったら袋叩きにされちゃう

2018-07-24

anond:20180724173508

客観的にというのは、「誰が、いつ、どういう状況で、誰に、何を言ったか」を確認するということ。

「それは差別だ」と言われている状況なので、その「差別だ」という主張の内容が事実合致するかを確認すれば良い。

「誰が、いつ、どういう状況で、誰に、何を言った」が客観的事実が正しく主張されているか。これが正しくなけれれば、「あなたの主張は事実誤認に基づいたものです」で終わり。裁判と同じで、訴えられている側は訴えが正しくないことを指摘すれば十分。

客観的事実が正しく主張されている場合、今度は、「誰に対するどのような差別」と言っているか確認する。

仮に本当に差別であれば、発言によって、差別被害者に何らかの不利益が生じていなければならず、その不利益の内容が、主張する内容と合致している必要がある。これもさっきと同じで、どこかに正しくない部分があれば、それを指摘して終わり。

ここでも主張が正しいことが確認されたら、主張を認めるしかない。

anond:20180724150952

人口維持が大事ってんならそこに直接インセンティブ付ける予算配分主張すりゃいいだろ。

配偶者控除扶養控除はそもそもそれを意図してるだろうが

ゲイレズが乗っかろうとしてるが

俺は子無し差別独身差別自体は、程度問題だけど許容するぞ。

これが認められるなら、LGBTの「税制上でも不利益」程度も受け入れられるはずだが。

社会の維持に協力しない点では子無しや独身者と変わらない。

養子代理出産等には「人身売買」という重すぎる問題も絡んでくるしな。

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