はてなキーワード: 信濃とは
艦これは勿論、大昔のMMOの頃から存在していたことだが、ユーザが運営批判すると、どこからともなく運営を擁護する奴が現れるのが不思議で仕方ない。
「いいや、お前のやり方が悪いだけ」
「俺は目一杯楽しんでるけど?」
とか、個人の問題に話を矮小化して論破した気になってんじゃねーよ肉屋を支持する豚どもが、という感じである。
お前が楽しめてるかどうかなんて知ったこっちゃない、ゲームとしてその仕様はおかしくね?という話をしているわけだが、どうにも通じない。
あるいは
とか、楽しむために遊んでいるのにストレス感じたら単純に面白くねーだろ、そんなの人として当たり前じゃねーかと思うのだが、これもわがままと取られて話にならない。
「だったらやめるべき」
などと噛んで含めるように言ってくる奴も必ずいる。
遊んだゲームに不満を言うのも、やめるかやめないか決めるのもこっちの勝手だボケ。
ネトゲのコアユーザって、どいつもこいつもこういう奴しかいないので参る。
ちなみに批判対象となるクソ仕様、直近の艦これでいうとサラトガ建造の仕様かな。
神威を大型で建造して、それから彼女を秘書にして大型回さないと出ませんよとか、完全にゲームの楽しみをスポイルしに来てる。
こっちは入手した艦娘を愛でたり育てたり艦隊で活躍させるのが目的であって、彼女らを出すためにギャンブルの如く資材をぶち込むことじゃねーんだよ。
なにが「入手についても提督の愛が試される」だバカじゃねーの。
あとさ、信濃がサービス終了間際まで出そうにないと、殆どの提督に見切られていて、実際全く実装される気配がないとか、運営というかあの腕組みデブは恥も外聞もないのか?と結構呆れている。
浅ましいやり口がユーザにバレていることを何も問題視しないとか、面の皮が厚いだけで済ましていいことじゃないと思うんだが。
というか、HTML5化なんてどうでもいいので、とにかく信濃実装してくれたら、こっちはさっさとケッコンまで育てて、心置き無く艦これ引退できるので出して下さい。
そして引退したことを心底後悔するくらい、その後の艦これを盛り返してください。お願いします。
そんなこと絶対起きないのは知ってるけど。
逆にここまでクソゲー化した以上、信濃が出てケッコンするまで育てたら速攻引退する気満々。
ちな空母好きとしては、アメリカ空母でもサラトガとエンタープライズくらいは確保したかったんだが、見事に心をへし折ってきやがった。
どこまでクソ化すりゃ気が済むんだって感じだわ。
そもそも涼月に限らず、秋月型の実装を超スローペースにしていたり、雑木林に至っては実装する気配すら無いのが、もうあからさまに延命策しまくってる感ありすぎなんだよなあ。
HTML5化は、仮に失敗してゲームを畳むことになった場合、信濃が実装されるのかが気になるね。
まあするんだろうけど、逆に信濃はサービス終了間際まで出ない気がする。
友軍は…まあ今年いっぱい動きはなさそう。
ハイスクール・フリートRUNも9/22が申し込み締め切りですので、お忘れなきよう!
晴風は大和型の排水量偽造のために架空計上されていた陽炎型がそのまま建造された設定だからです。
まず、史実だと空母に改装された信濃はそのまま大和型戦艦の3番艦として進水しました。
航空機の無いこの世界では空母に改装する必要ありませんからね。
あと、天城型巡洋戦艦は4隻すべて建造されました。
天城は史実だと関東大震災で大破して解体処分されますが、はいふり世界ではちゃんと巡洋戦艦となっています。赤城もはいふり世界では空母ではなく巡洋戦艦。
なので・・・重巡としての高雄と愛宕ははいふり世界には存在しないのです。
航空機のないはいふり世界では鳳翔などの最初から空母として建造された船はいない、
と思われるかもしれませんが、実はちゃんといます。
名前からして扱うのが飛行船なので、史実の鳳翔とは異なった外見をしていそうです・・・。
他にも史実との違いはあるのですが、
そのほかのところは自分でも調べてみてくださいね。きっと楽しいですよ!
さあ、本日はここまでです!それではまた次の機会に!
コンプティーク情報だと、空母の運を活かすシステムを追加するとか?
誰か言ってたけど、これって多分、満を持してエンタープライズを実装するための布石?
彼女は運の強さこそ「どこのヒーローだ」ってくらいの強運だったけど、規模・性能は蒼龍型以上翔鶴型未満レベル。
だから強さを際立たせるには史実における運の強さか、ダメコンの優秀さを活用しないといけないのはそのとおりだと思う。
でもそうなると、既存空母だと瑞鳳と鳳翔が輝くのはいいとして、飛龍・瑞鶴・サラトガが強くなりすぎてバランスブレイカーになる悪寒がしてならない。
結局ここの運営も、凡百のネトゲ運営同様に浅ましいアップデートしまくるのは既に分かっているので、またせっかくの素材の良さが殺されるのかーと思ってしまう。
あとあれだね、このアップデートで信濃はますます実装が遠のいたね。
低速の装甲空母でしかも運が最低レベルなんて、使い所に困るだけだし。
これも本当にいただけない。
http://anond.hatelabo.jp/20170506031453
↑の元増田です。
今回、他の全てを差し置いて最優先だったRoma・朝霜は無事入手。
残りの期間は他のドロップの掘りに充てるとして…その前に2015夏以来のイベの感想を書いてみる。
今回、難易度の星の数が、E-6は2015夏E-7と同等の15、E-7に至っては16となり、歴代最高難度になったのはご存知の通り。
そしてそれまで最難とされた2015夏E-7は、丙ですら信じがたい難しさで、かくいう自分も攻略中、一時的に燃料と弾薬が自然回復上限を下回るという、丙らしからぬギリギリの状態に追い込まれた。
したがって今でも「零時迷子」と揶揄されるほど悪名高いのも頷けるし、もし今後のイベントが丙でもこれだけ難しいと、正直言って攻略不可能だと、当時は思わされたものだ。
というか、いつの間にかそこまで全提督にやり込みを強いるゲームに変貌したのか…と大いにショックを受け、ほどなくゲームから離脱することになった。「ぶっちゃけ、付き合い切れない」ということである。
正直、一昨年の夏イベに照らし合わせるなら、丙であってもE-6だけで資材3万、E-7だったら5万くらい吹き飛ぶだろうと予測した。つまり全くクリアできる気がしていなかったし、「ふざけんじゃねーぞ」と大いに憤慨させられた。
しかし…確かにストレートで瞬殺にはならなかったというか、沼りかけた局面はあったものの、一昨年のそれと比べたら「楽勝」に含まれる程度の労力でクリアできてしまった。
といっても、離脱当時と比べて別にウチの艦娘たちが何か変わったわけではない。長門・鈴熊・鬼怒・駆逐数隻が改二になり、鹿島と瑞穂がやってきて、五航戦が装甲空母に化けた程度の変化は「強くなった」に含まれないだろう。
大きな違いは基地航空隊の有無と、32・33号電探を各3個から各7個にほぼ倍増させた程度だが、そんなの敵艦隊も連合艦隊になった時点で帳消しなわけで。
というわけで、見出しにある疑問が湧いてきたわけだ。もし違うというなら、15夏イベE-7の難易度設定だけが壮絶に狂っていたというか、超絶クソだったということか。
ともかく終わってみれば、乙で挑戦する選択はあったかもしれない。
あ、レベリングと装備改修が死ぬほど嫌いな時点で甲を選ぶことは今後も絶対ないけどな!
幸いというか、今回初体験の輸送護衛部隊での出撃は、E-6のギミック解除のための1回だけで済んだ。
ちなみに輸送護衛部隊は、本隊こそ資材消費は軽いものの、道中・ボスマス共に支援が必須になるため、トータルでの消費は水上打撃部隊や空母機動部隊よりも多分重い。
そこにきて輸送ゲージだけど、これもう明らかにドラム缶の有効活用から安直に決めたとしか思えないんだわ。
そんなことのためだけに、攻略を無駄にしょっぱくするんじゃねーよというのが感想。
だからさ、育成が安定するとボーキが余り始めるからって、別にイベで吸い上げなくてもいいだろって話。
おかげで敵さんまで連合艦隊になったじゃねーか。基地航空隊も初体験だったけど、結構うんざりさせられた。
もしかしたら敵艦で連合艦隊組ませたいという思惑と一致したのかもしれないが、それが結局のところ、今回のE-7甲をあれだけ難しくした元凶になってんだろーが。
ジャンプの黄金パターンじゃあるまいし、敵の強化と仕様追加のいたちごっこを際限なくやったら、ユーザが離れるだけじゃねーの?
まあ、何か新要素の一つもなければ飽きられるというのもあるんだろうけど、当初のシンプルな仕様に惹かれてゲーム始めた人間からしたら迷惑。
あとwikiの基地航空隊のページだけど、初心者向けの説明として、ただ使ってみるだけなら
それすらないとか、誰も使えねーよ。
信濃実装されたら、育ちきったところで今度こそ本当に提督引退するつもりなので、さっさと実装してくれ。
あとエンタープライズな。
https://anond.hatelabo.jp/20170805145112
それでいよいよイベが始まったわけだが、一番気になるのはもちろん朝霜とRomaの掘り。
wikiのコメだと、朝霜はE-3、RomaはE-6でドロップ確認報告が。
えー…どっちも資材消費が重い連合艦隊MAPじゃん。軽い編成で掘れないのかよ。
そしてRomaはいつも通りというべきか、後段作戦海域でドロップ。いい加減もう少し手前のMAPでドロップして欲しい。
なお、今判明している情報を総合した時点で、E-7はイベ開始前からクリアは無理と判断。
てか、自分が艦これを離脱するきっかけの一つになった、2015夏イベE-7の☆の数を上回るとか何の冗談だよ。
毎年夏イベが大規模になるのは想定内だけど、難易度更新とか付き合いきれん。
ちなみに当時「零時迷子」で悪名を轟かせた2015夏イベE-7、自分は丙で挑んだけど、一度ギミックの0時リセットを食らったこともあり、丙であっても資材が一時自然回復上限を下回るくらいまでに落ち込み、更にギミックとイベ残り日数の関係で、休日という限られた時間に勝負するしかなかったことから、かなり追い詰められて、死にそうな思いでクリアしたわけで。
あれからギミックの効果は少しは分かりやすくなったのか?多少ダサくてもいいから、どんなバカ提督が遊んでも分かるようにしろっての。
とにかく、まさに阿鼻叫喚というか、理不尽極まりない思いをした上に、その後程なく離脱し長期放置だったこともあって、資材がイベ前の状態まで回復したのはようやく先月という、当鎮守府に深い爪痕を残していきやがった。
んで、そんな鬼畜MAPを上回ると公言してきたやつが今回の最後なんでしょ?アホかー!って感じだわ。
なんでイベント海域の話に限定されているのかよくわからんけど、元増田が最後にやった2015夏イベは、正直丙でも壮絶にしんどかったんだが。
とても付き合いきれないと思うには十分だったくらいにはキツかった。
直近のGWイベはE-2丙までしかやってないから何とも言えないけど、wikiで遡って確認した限り、あの時からイベの難易度が下がったようには全く感じられない。
むしろ基地航空隊だ輸送護衛部隊だと、さらに複雑で運用方法もよく分からない要素が追加されてるし。
結局、どれだけ艦を育成してもヤバいのでは?と思わずにいられないんだわ。
だから次回の夏イベだって、最深部クリア報酬に信濃が来るのでもない限り全くやる気が起きない(エンプラだったら少しは考えるかも、大鷹型同型艦だったら多分やらない)。
https://anond.hatelabo.jp/20170528012818
さて、GWで再開した艦これで、またしても文句を言いたくなったので書き捨てておく。
エアプでとやかく言うのはフェアじゃないけど、それなりに身銭切ってやり込んだ文句は好きに書かせてもらう。
あっという間の2か月だったが、その間に五航戦、長門、鈴谷と改二にしたところでとうとう勲章が残り2個になってしまった。
そこに来て、昨日鬼怒が演習あと1回で改二改造レベルという所まで到達してしまい、急激にやる気を失いつつある。
というのを付け加えたい。
MAPのルート固定に伴う艦種縛りに、出撃可能な艦種制限、任務における艦縛りとある現状、好きな艦種だけ育てていると攻略が極めて困難ないし不可能になる。
この場合、育成とは各艦種で強い子をピックアップし、最低でも改二レベルまで育て、関連任務をクリアすることを意味する。
そこに来て昨今の改二改造に要求される高レベル、ありゃ一体なんなんだ。
駆逐艦でも大抵Lv70以上、中大型艦種だと更に上のレベルが要求されるとか、大して興味のない艦種でそこまでのレベリングを強いられるのは苦痛でしかない。
改造後の任務も大概エグい。
たとえば空母任務で悪名高い二航戦リランカ任務・五航戦カタパルト任務、自分は航空主兵提督の空母スキーだったからやり通せたけど、特に二航戦リランカなんて、好きじゃなかったら絶対投げ出していたと思う。
実際、例の新編三川艦隊5-1任務(元々は鳥海改二のための任務)はクリアできていないし(そして無情にも基地航空隊開放のための一連の任務に組み入れられてしまった)。
更に駆逐艦の改二ラッシュとか、とても手が回らない。いい加減にしろと言いたい。
悪いけど、こちとら
「元々この艦種は全然興味なかったけど、○○を改二まで上げる過程で、彼女のセリフやwikiでその艦の歴史を知り、今では好きになりました。より楽しく遊べるようになりました」
とか本気で思うほど殊勝な人間じゃないし、そういう提督はいっぱいいると思う。
まあアクティブユーザを繋ぎ止めるためとか牧場防止とか色々事情はあるんだろうけど、その結果、今の艦これは
×「育成キャラゲー」
という感じである。
この運営ツイートから3年半以上経っているのは公然の秘密ですか?
提督になるのをやめた回答者とかいらっしゃるんですが(多分こういう人は1人2人じゃないと思う)、もったいない話です。
はてなブックマークの人気記事だったので開いてみたのですが、驚くほど中身のない記事でした。
『詳説日本史』を引用するなり参照するなりして、具体的にどこがどうすごいかを語ってほしかったです。
僕も10代の頃はあれが本当に理解できなかった。けど今ならああいう教科書が作り続けられる理由がよくわかる。物事を語るにあたって、中立を維持しようとするとなると、事実しか語れなくなるのである。
ストーリーというものは、基本的には何らかの価値観を元に構築されるものである。日本民族がいかに優れているかという視点で歴史を分析すると、それは右翼的な記述にならざるをえないし、平等であろうとすれば、それは左翼的な価値観を元に記述せざるをえなくなる。
客観的な記述がされている、左右に偏向していない、中立だからすごいゾ、という感想には呆れ果てました。
いったい全体、どこが情熱的ですか? 教科書を読み返さず、いい加減な記憶をもとに語っても、多分これくらいのことは言えると思います。
クソ記事を読んでしまい、あんまりにもムシャクシャしたので、私が自分で『詳説日本史』を引っ張りだしてきて調べました。
例えば「源平の騒乱」という項目は、次のように記述されています。
平清盛が後白河法皇を幽閉し、1180年に孫の安徳天皇を位につけると、地方の武士団や中央の貴族・大寺院のなかには、平氏の専制政治に対する不満がうずまき始めた。この情勢を見た後白河法皇の皇子以仁王と、畿内に基盤を持つ源氏の源頼政は、平氏打倒の兵をあげ、挙兵を呼びかける王の命令(令旨)は諸国の武士に伝えられた。
これに応じて、園城寺(三井寺)や興福寺などの僧兵が立ち上がり、ついで伊豆に流されていた源頼朝や信濃の木曾谷にいた源義仲をはじめ、各地の武士団が挙兵して、ついに内乱は全国的に広がり、5年にわたって騒乱が続いた(治承・寿永の乱)。
平氏は都は福原(現・神戸市)へと移したが、まもなく京都にもどし、畿内を中心とする支配を固めてこれらの組織に対抗した。
しかし、畿内・西国を中心とする養和の飢饉や、清盛の死などで平家の基盤は弱体化し、1183年(寿永2)年、平氏は北陸で義仲に敗北すると、安徳天皇を報じて西国に都落ちした。やがて、頼朝の命を受けた弟の源範頼・義経らの軍に攻められ、ついに1185年に長門の壇の浦で滅亡した。
この一連の内乱の行末に大きな影響をおよぼしたのは地方の武士団の動きで、彼らは国司や荘園領主に対抗して新たに所領の支配権を強化・拡大しようとつとめ、その政治体制を求めていた。
ここには明らかに編者の歴史観と、因果関係の説明が詰め込まれています。
まず、平清盛が後白河天皇を幽閉したこと、安徳天皇を即位させたことは、この教科書では「平氏の専制政治」と評されています。
当時の人たちがそう感じていたのか、それとも教科書の編者がこの評価を下しているのか、どちらなのか判然としませんけど、ともかく本書はこの評価にもとづいて記述がされています。
次に、この「平氏の専制政治」が地方の武士団や中央の貴族・大寺院の不満につながって、 以仁王と源頼政はそういう情勢を見たので挙兵したと書かれています。
これはまさしく因果関係に言及しているわけです。
このように、教科書は単なる事実の羅列ではありません。歴史に対する評価や因果関係がしっかりと述べられているのです。
そこにどういう学問的な裏付けがあるか、歴史学に無知な私はよく知らないです。あのブログ記事ではそのへんの話を説明していると思ったのですけど、まったくの期待外れでしたね。
なお、この教科書とおなじ編者がつくった参考書『詳説日本史研究』(山川出版社)によると、次のように説明されています。
治承・寿永の乱は、一般には源氏と平氏の戦いといわれている。しかし歴史学的にみた場合、この全国的な動乱を単に源氏と平氏の勢力争いとみるのは正しい理解ではない。以仁王の挙兵以降、軍事行動を起こすものが相次いだ。美濃・近江・河内の源氏、若狭・越前・加賀の在庁官人、豪族では伊予の河野氏・肥後の菊池氏らである。彼らはあくまでも平氏の施政に反発したのであって、はじめから源氏、とくに源頼朝に味方したわけではない。彼らの背後には在地領主層があり、在地領主たちは自己の要求を実現するために各地で立ち上がったのである。
彼らの動向をまとめあげ、武家の棟梁となる機会は頼朝以外の人、例えば源義仲・源行家、あるいは平宗盛にも与えられていた。頼朝が内乱に終息をもたらし得たのは、彼こそが在地領主層の要望に最もよく答えたからである。この意味で幕府の成立は、時代の画期ととらえることができる。
教科書である『詳説日本史』では、これがたった一文にまとめられているのです。
この一連の内乱の行末に大きな影響をおよぼしたのは地方の武士団の動きで、彼らは国司や荘園領主に対抗して新たに所領の支配権を強化・拡大しようとつとめ、その政治体制を求めていた。
こういう史観が妥当なのかというのは、私にはちょっと分からないんですが、この点を強烈にプッシュしているのが『詳説日本史』の特徴と言えるでしょう。
他の教科書を読んでみても、三省堂の『日本史B 改訂版』(日B 015)を除き、この史観はあまりプッシュされていないと感じました。
【参考文献】
(このエントリは上記7冊を参照しています。いずれも平成22年ごろ購入。)
伊豆に流されていた源義朝の子・源頼朝も、妻・北条政子の父北条時政とともに挙兵して南関東を掌握し、10月には源氏の根拠地・鎌倉に入った。頼朝は父祖以来の結びつきを背景に、三浦、千葉、上総氏などの有力な東国武士と主従関係を結んで御家人とし
頼朝の挙兵が、東国武士との「父祖以来の結びつき」を背景にしていたものだったということは、他の教科書ではなかなか分からないと思います。
三浦、千葉、上総という武士の名前が沢山出てくるのもおもしろいですね。(三浦氏の名前が出てくる教科書は多いですが、それはこの時点ではなく幕府成立後、十三人の合議制か、宝治合戦のときに唐突に登場します。)
[寿永二年十月宣旨から義仲滅亡までの]この間、鎌倉の頼朝は没収した平氏の所領(平氏没官領)を法皇より与えられ、経済基盤を固めていった。また御家人を統制する侍所を設置し、その長官である別当には和田義盛を任命した。これに加えて、行政・裁判制度を整えるための公文所(のちに政所)・問注所がおかれ、その長官にはそれぞれ京から招かれた朝廷の役人である大江広元・三善康信が就任した。前後して、義経軍らは一の谷・屋島で平氏を追い、1185(文治元)年に壇ノ浦で平氏を滅ぼした。
[]は引用者註。
この教科書の特徴は、幕府の政治機構の形成過程を、治承・寿永の乱の進行に併記していることです。
鎌倉幕府の成立が1192年(いいくに)なのか、1185年(いいはこ)なのかという論争は、世間でよく知られているぐらい有名になりました。どちらが正しいかは諸説あるとしても、ただ一つ言えることは、どこかの時点でいきなり幕府が完成したというわけではありません。治承・寿永の乱が続いていた期間に、徐々に幕府の政治機構が形成されたのです。この教科書はその史観が反映されています。
北条時政の援助によって挙兵した頼朝は、東国武士たちに支持されて、富士川の戦いで平氏を破ったが、その後は鎌倉にとどまって、東国の地盤を固めることに専念した。これに対して平清盛は一時、都を福原(神戸市)に移して態勢を立てなおそうとしたが、まもなく京都に戻り、1181(養和元)年に病死した。一方、義仲は1183(寿永2)年、北陸方面から急進撃して、平氏一門を京都から追い出した。しかし、義仲は後白河法皇と対立したので、法皇は同年、頼朝に東海・東山両道(東国)の支配権を認め、義仲追討を命じた。頼朝は弟の範頼・義経らを上京させて、義仲を討たせた。範頼・義経はさらに平氏追討に向かい、1185(文治元)年、長門の壇ノ浦で平氏一門を滅ぼした。
この教科書は歴史用語の詰めこみを回避しているようで、内容は簡単、文章としても平易です。
上記引用でも分かるとおり、「頼朝に東海・東山両道(東国)の支配権を認め」という記述があるくせに、寿永二年十月宣旨というキーワードがありません。治承・寿永の乱、一の谷、屋島の戦いなどは年表に記載されていますが、本文中に記載なし。養和の飢饉、平氏が都落ちに安徳天皇を伴ったことも言及なし。
というわけで受験生には不向きですが、他の教科書にはない特色もあります。
鎌倉将軍に尽くして家人となった武士のことを、鎌倉御家人といった。鎌倉御家人になる目的は、将軍に面接して(見参)、先祖伝来の所領を承認してもらい(本領安堵)、さらに勲功のあった者は新たな所領を恩賞としてうける(新恩給与)ことにあった。
教科書の中では唯一、桐原書店だけが「見参」を掲載しています。これは鎌倉幕府の権威の構造がどういったものであったかを知るための手がかりになるかも。
(他の教科書ではこの用語がないどころか、「将軍に面接して」という説明も省かれています)
["新恩給与"についての註]
土地そのものよりも土地に対する一定の支配権と、それにともなう収益権を与えられるのが普通で、そのおもなものが地頭職であった。
これは「職の体系」のことを言っています。他の教科書とは違って、地頭をあえて「地頭職」と見なす視点を紹介し、その意味するところを簡潔に説明しているのがすごい!
所有権が重層的に重なりあっていたというのは、中世の土地支配の構造を知るうえで一番大切なポイントだと思います。
なお、山川出版の『日本史B用語集』には「職の体系」という用語は不掲載で、かわりに「職」の項でそれを説明しています。
職(しき)②:一般に職務に伴う土地からの収益とその職務自体を指す。荘園の場合、有力者への寄進が何回も積み重なり、下記のような複雑な職の改装秩序を生じた。
この説明は悪くないと思いますが、桐原書店は「土地そのものよりも土地に対する一定の支配権と、それにともなう収益権」のことと明記しているので、その方が的確です。
しかも、いかんせん、『日本史B用語集』は「職」の用語説明を「院政期の社会と文化」のページに掲載しているので、これと鎌倉時代の地頭職との関連が全然分からないです。そして「鎌倉幕府の成立」のページにある「地頭職」の用語説明は、次のようになっています。
地頭職(じとうしき)⑤:職とは役職に伴う権益の意味。地頭職は御家人が地頭に任命されて認められた兵糧米の徴収や免田(給田)経営などの権利。
これは間違っていませんけど、この説明を読んで、重層的な土地支配の構造があったことを理解できますか? 絶対に不可能ですよね?
せめて「職」「地頭職」という用語同士を紐付けて相互参照させてほしいです。ふざけんなってかんじです。
さて、桐原書店の教科書に話をもどすと、欄外にこういう豆知識も載っています。
幕府とは、近衛府の唐名であるが、転じて近衛大将の居館のことをいった。のちには近衛大将とは関係なく、武家政権を意味する語となった。頼朝は1190年に上洛し、右近衛大将に任ぜられたが、まもなく辞任した。
Aについては南北朝時代の武将とする説もあり(伝・藤原隆信筆,京都神護寺蔵)、Bも注目されるようになった(山梨・甲斐善光寺蔵)。
とてもユニークですね。受験には使えないかもしれませんが、知っておいて損はないです。
網野善彦の著作『東と西の語る日本の歴史』に、たしかこの話があったと思います。
他の教科書には載ってませんが、ピンポイントで東大入試に出題されました。
源氏と鎌倉の関係は、源頼信のころに源氏の氏神となった石清水八幡宮を、前九年合戦の際、子の頼義が相模国由比郷に勘請して鶴岡若宮(八幡宮の前身)を建設したことから始まった。鎌倉は前面に海をもち、三方を山にかこまれた要害の地で、切通によって外部と結ばれていた。
鎌倉という土地をこれだけ情熱的に語っているのは、東京書籍の教科書だけです。
上記引用とはまた別に、「コラム 武家の都鎌倉と経済流通」というのも掲載されています。
東大入試では、「院政時代から鎌倉時代にかけての京都と鎌倉の都市の発展」について論述させる問題が出されたことがありますが(1990年)、この教科書はその答案を書くうえで非常に役立つものだと思います。
こののち、後白河法皇は義経を重んじ、頼朝追討の命令を下したが、これに失敗すると、頼朝はその責任を追及し、逆に義経追討の命令を得た。さらに頼朝は義経をかくまっていた奥州藤原氏を滅ぼそうと朝廷に追討の命令を希望したが、法皇がそれを拒否すると、1189(文治5)年に頼朝は追討の命令を待たず、大軍をもって奥州藤原氏を滅ぼした。ここに全国を平定し、その後、法皇死後の1192(建久3)年に頼朝は念願の征夷大将軍に任じられた。
頼朝の悪人っぷりがこれでもか!?というぐらい強調されています。
あいつは自分の野望を実現するため、ときには法皇に逆らって圧力をかけたり、朝廷の命令を無視して独断専行する奴だった、ということを言いたげな記述です。
それはともかく、奥州藤原氏を守ろうとした法皇・朝廷側と、それを潰そうとした頼朝の厳しい対立がわかるのは、この教科書だけでしょうね。
両者のぴりぴりした緊張関係が伝わってきます。
関西にある政権が東北地方を使って、関東独立の動きを牽制するというのは、日本の歴史において繰り返し出てくるパターンなので、この視点を漏らさず記述しているところはアッパレ。
平氏は安徳天皇を奉じて西国に落ちていったが、後白河法皇は京都にとどまり、新たに後鳥羽天皇をたてて政権を維持した。法皇は義仲には平家追討を命じるいっぽう、頼朝には上京をうながして、京都の義仲に対抗させ、武士たちをたがいに牽制させて政局の主導権をにぎろうとした。しかし頼朝は、東国の安定に意をそそいでみずからは鎌倉を動かず、弟の範頼・義経を上京させて、1184(元暦元)年、義仲を討たせ、源氏一族の長となった。ついで義経らは、その当時勢力を回復して都にせまっていた平氏を一の谷・屋島などの合戦でやぶり、さらに翌1185(文治元)年にはこれを長門の壇ノ浦に追いつめて滅亡させた。
この時代に2人の天皇が同時に存在していたとする視点を取り入れているのがナイス。
都落ちした平氏はそのままあっけなく滅んだわけじゃなくて、京都にいる天皇とは違う天皇を奉じて勢力を盛り返していたのです。
どちらの天皇が正統かというのは、つまるところ結果論にすぎません。この教科書はそんな歴史観に基づいて書かれています。
ちなみに、この教科書の編者は、大半が関西の教育機関に属する人たちみたいです。後白河法皇や平氏を主軸にした書き方は、編者の関西びいきが反映した結果なんでしょうか。(笑)
例えば奥州合戦について、「奥州進撃のために頼朝は東国だけでなく西国の武士もひとまず鎌倉に動員し、これを機会に国ごとに御家人組織の整備をいっそうすすめた」とあります。さらに西国の御家人が東国の御家人とどう違うかを説明しているのもおもしろく、この教科書の関西中心っぽい史観は独特です。
君の名は。控えめに言って最高だった。
あまりにも良すぎていてもたってもいられず、この気持ちをひとまず文章にしようと思って書きました。
見てない人はマジでこんな駄文読む価値ないからチケット取って映画行ってきてください。
そして、衝撃。
あれ?こいつらすごく真っ当なキャラ達だぞ?
すごく社交的で友達もいてそれなりに楽しそうな学校生活を過ごしている。
間違っても学校サボって御苑で金麦おばさんと密会なんてしそうにない。
なんかこの時点で、今回の新海監督は今までとは違ったものを作ったんだという実感がビシビシ伝わってきた。
そこからのコミカルな入れ替わりのやり取りはコメディタッチで楽しいんですよ。
TSモノ大好きおじさんとしては、とてもツボなやり取りにニヤニヤしっぱなし。
入れ替わってるのが声からスッと入ってくるから、どんどんのめり込む。
というか二人共めちゃくちゃかわいいし、なんて明るくて楽しい映画なんだ!!
なんて思ってましたよ。
新海監督だってこと忘れて楽しんでたので、中盤隕石落下の下りで
叩き落とされて、そこから這い上がっていく瀧の姿。
で、あのカタワレ時のシーンね。
感動的なのに、口噛み酒やおっぱいで笑かしてくる。
そんなところもすごく楽しかった。
で、マジックが落ちて記憶がなくなっていくシーンは号泣するしかない。
あの、一瞬で音がなくなるシーンは本当に鳥肌が立った。
そこからはずっと泣いてたと思う。
新海イズムみたいなものが全開で、それでもあのハッピーエンド。
で、まず思ったのは、背景。
新海監督の代名詞といえば、あの印象的な背景が上がること多いでしょう。
それが、今回はすごく薄い。
キャラクターの邪魔をしないように、すごく地に足がついた背景になっている。
ただ、一点だけ新海監督らしさを出した部分は彗星の描写でした。
それが効いて、瀧の言う夢のような景色という言葉にすごい臨場感が生まれていたと思います。
メリハリが付いたので、逆に印象的になっていた気がしました
で、でですよ。
あ、これって星を追う子どもと重なるなーと。
まぁその手前でユキちゃん先生が出てきた時点でもうって感じではあるんですが。
そして瀧と三葉の間の繋がりは携帯電話。あ、これってほしのこえかと。
なんか過去作とのオマージュがぐりぐり練りこまれてて、うれしい!うれしすぎる!!
その後も、三葉になった瀧がテッシーの自転車に乗ってるところは信濃新聞のCMを思い浮かべるし、
ラストの就活中の瀧の語る人々の記憶に残るような街づくりがしたいって台詞は大成建設の地図に残る仕事と重なるし、
今まで追ってきた新海監督の作品の思い入れもあって、もう胸が詰まりましたよ!
そしてラストね。
もうあのラスト。
みんな騒いでますけど、あれ秒速5センチメートルですよね。
バッドエンドなんて言われますが、自分はそうは思わないし、それも含めていい作品だと思います。
あのラストはあれでいいんですよ。
出会いないからこそ秒速5センチメートルはあの作品たりえたと思うんです。
でも、タカキには、幸せになって欲しかった、出会って欲しかった。そんな気持ちがあるのもまた事実です。
叶っちゃったよぉぉぉぉっぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!!!!!
はぁ〜叶っちゃいましたよ。
出会いましたよ。
間を阻む電車にも負けず、ちゃんと振り向いて声をかけて、三葉も振り向いてくれた。
何回かニアミスしてるんですよ。
新宿で、タカキが仕事に押しつぶされて帰る帰路ですら違ってるんですよ。
でも、三葉は毎回きちんと振り向いてくれて、同じ気持ちを共有している。
もちろん君の名は。はそんなオタクの気持ちなんか抜きにしても良い作品です。
ど真ん中どストレートの直球のようなエンタメ作品だと思います。
映画館にカップルや中高生がいっぱいという話を聞いて、当然だと思いました。
それが嬉しくてしょうがありません。
そんな素敵な門出に、こんなオタクにご褒美をくれる。
なんてうれしいんだろう。
新海監督のファンをずっとしてきたからこそのカタルシスがありました。
小説で川村さんがおっしゃっていたように、まさに新海誠の集大成のような映画だったと思います。
そして、そんな君の名は。で初めて新海監督作品を見た人たちが、過去作でも好きな作品を見つけてくれるとうれしいなと思います。
E-5まで甲甲乙丙丙と進めてきたが、ここに至ってとうとうクリアする前に資材が尽きかねない事態に陥った。
鋼材とボーキは10万あるんだけど、燃料と弾薬が5万台しかない。
ここ一年以上、改二実装されるたび改造レベルまで上げて改造→改修MAXを目的にプレイしてきていて、今は鳥海・加古・阿武隈が対象だけど、一方で吹雪改二以降の駆逐勢には全然手が回らない状態。
そんなんだから遠征のスケジューリングや日々の任務が疎かになった結果なのだが、一体どうやったら燃料弾薬10万超えるんだ?という感じ。
なので今回のイベは正直苦しい。
今思えば、大和レーダー欲しさにE-3を乙でやったらラスダンでハマりかけた(ラスダン5回目くらいで雪風がカットインスナイプ決めてくれたけど)のが、ケチのつけ始めだった。
更に時間が経つにつれて、高難度な内容が判明していきテンション下がりまくり。
そこに来て残るE-6乙は資材に厳しいMAPで、同じことはE-7丙にも当てはまるという。
こちらの準備不足は否定しないが、こんなにモチベを削られたイベントは、一昨年のアイアンボトムサウンド以来かも(あん時は途中で投げ出した)。
クリアに要する回数が意味不明に多いMAPがいくつもあるし、出撃制限もメチャメチャ細かいし、挙句ラストMAPに出せない艦娘が出る。
あとラストMAPといえばE-6以降の雷巡締め出しとか、実質第二艦隊はビスマルクが指定席と言っているようなものだけど、アレは大和型や大鳳と同等か、それ以上に入手育成が大変な艦娘なのは提督なら周知の事実で、自分を含め持ってない提督もいっぱいいるわけで(持っていても育成進んでない提督も多いはず)。雷巡のチート火力を封じたいのは分かるけど、必要以上に提督をふるいにかける結果になっていると思う(俺鎮守府所属の赤ビキニのイタリアは未だに対空がMAXじゃないが、金剛型を使い切った現状はこれしか選択肢がない)。
それで先行実装艦の半数はドロップだから頑張って掘れって、だったらもう少し軽いMAPじゃないと掘るモチベなんて残らない。そもそもマスク情報が多すぎて、依然としてwikiとかでも未検証要素だらけとか、ちょっと異常だろ。
全部丙でクリアすればいいじゃんとかそういう問題ではない。丙だってE-7とか超絶大変そうだし、何より全く楽しさを感じない。
こんな事を続けていたら、多くの提督がイベントを無視するようになるのでは?と感じてしまう。
少なくとも自分は、次回もこんなに難しいイベントだったらやらないと思う。今後絶対に欲しい艦娘は信濃だけで、あとはそれを待ちながら改二に向けてレベリングしているだけの提督としては。
でもカタパルトは欲しかった。元々鶴姉妹のイラスト見て艦これ始めたんだから。あと今回も磯風を入手できないで終わるのが残念。
ま、重婚してレベル100超えの艦娘ハーレムなのは勿論、同じ艦娘を複数育成しているランカー鎮守府とかなら、また違った感触なんだろうけど。
先日当落が発表された今夏の夏コミC88において、艦隊これくしょん(略称:艦これ)のサークル数が大方の予想を大きく裏切って前同維持の1846サークルに留まる事態となった。
艦これの同人サークル数は、ゲームのサービスが開始して以来、常に明確な増加の一途にあった。
それが、種々のコンテンツにおける"最大の華"であるアニメ化をもってしてもほとんど増加を維持することができなくなったことに鑑みれば、艦これの同人界隈はついに最盛期を越えて「秋」の時代に突入したと言える。
約2年で成長の限界に達した艦これの同人界隈は今後どうなって行くのか、これまでの傾向を分析しつつ今後について言及してみたい。
尚、本稿は艦これやその他の作品並びにそれらのファンを煽ったり貶したりするものではないことを先に述べておく。
本稿を読み進める方は、あくまで冷静に数字とその結果を見ていただければ幸いである。
序文で「大方の予想を大きく裏切って」と述べた通り、C88の当落発表まで、Twitterや各種掲示板の艦これコミュニティでは「C88では艦これサークル数が2000を超える」ことがほぼ確実視されていた。
読者の方の中にも、漠然とそう思っていた方は多いのではないかと思う。
そのような意見が支配的だった理由を精査してみると、主に以下の2つの要素が根拠として挙げられていることが分かった。
まずは、これまでのコミケにおける艦これ同人サークル数の変遷を見ることにしよう。
・C86(2014年夏):1498 [+362:前同131.9%]
・C87(2014年冬):1840 [+342:前同122.8%]
※註1)C85時点では「301:艦これ」というジャンルコードは存在しないため、有志が計測した実測値となり誤差が含まれる
このように艦これの同人サークル数は毎回約350サークル増という極めて高い増加率を誇っていたことが分かる。
(尚、C84の締め切りは2013年2月であったが、艦これのゲーム本編の提供開始が2013年4月であるため、C84に艦これのサークルは存在しない)
また、2015年は年始からアニメ版艦これの放映が始まり、結果的に賛否は割れたものの大変な盛り上がりを見せていた。
前述したように、ゲームや小説や漫画を原作とする作品において、アニメ化は一般にコンテンツ最大の盛り上がりを見せる場となる。
この傾向は、例えば最近ではアイドルマスター系列作品やラブライブ、進撃の巨人などの作品でも明らかである。
(比較的誰でも簡単に確認することができて、かつこの傾向が顕著に表れる指標としては、pixiv大百科の各作品タグに掲載されている毎日の閲覧数を示したグラフが分かりやすい)
アニメが華と言われる理由はいくつかあるが、本分析のテーマである二次創作や同人に限れば「お金を払ったり特別な装置を用意したりせずとも、TVで見るだけで手軽にその作品の世界に触れることができ、新規のファンが増える」「声や映像によってキャラクターの所作や性格がイメージしやすくなる」という点が大きい。
上述の①及び②のような状況を見て、C88の1846サークル [+6:前同100.1%]という壊滅的な成長率を予想するのはほとんど不可能であろう。
特に②の要素は、他作品の当時の傾向に鑑みれば、本来であれば艦これ同人界隈に大きなプラスの寄与をもたらしたはずである。
C88での艦これサークル大幅躍進を確信する声がほとんどだった一方で、ごく少数ではあるがアニメの出来が良くなかったため、C88ではサークルが艦これから離れるのではないかという意見もあった。
確かに、艦これのアニメに関しては、一部の作画の問題やシナリオの迷走などで賛否が大幅に割れていたことは否定できない。
(賛否の割れた例としては、加賀の弓の構え方、赤城の食べていた大盛りカレーの描写、如月の轟沈、提督が吹雪を採用した理由など、激論が繰り広げられていたのを覚えている方は多いのではないかと思う)
これはニコニコ動画での放送後アンケートの結果からも見て取ることができ、特に3話及び9話以降で顕著である。
しかしながら、アニメが艦これの同人サークル数に負の影響を与えたという考え方には否定的にならざるを得ない。
C88の参加申し込み期限は、郵送が2/4(水)、オンラインが2/12(木)であった。
艦これのアニメ放映開始が、一番早いところで1/7(水)深夜であったため、C88の申し込み締め切りまでに4話あるいは5話まで放送されていたことになる。
アニメの前半期で大きく評価の割れた回は3話の如月轟沈の回のみであり、1~2話及び4話以降はしばらく相対的に評価の高い回が続いたため、サークル数の伸びをここまで抑え込むほどの壊滅的な影響があったとは考えにくい。(則ち、9話以降の影響は申し込み期限の時点では現れない)
もう一つの理由として、堅調なアニメDVD&BDの売り上げが挙げられる。
あれほどまでに賛否が割れたにも関わらず、アニメのBlu-ray Discの売り上げは初巻で2万枚に達するほどの売り上げを見せている。
もちろん、BDの売り上げが艦これの同人界隈の盛衰をそのまま反映する指標であるとは思わない。
また、全巻同時予約かつ予約キャンセルを受け付けない前提で別途特典を付けるなどの一部の販売方法の影響も少なからずあるかもしれない。
しかしながら、それでもなお2万枚という販売数は昨今のアニメBDの中でもかなりの上位に位置しているものであり、それだけアニメに否定的でないファンがいるということであり、言い換えれば艦これファンの絶対数自体がまだ多いということに他ならない。
また、後述するが、同人界隈の動向を調べる上で相関性の高いpixivやニコニコ動画の投稿数等も、アニメ放映中に増加していたことも付け加えておきたい。
以上を考慮すると、アニメがC88のサークル数増加に負の影響を与えたとは言えないと結論付けるべきである。
では、同人界隈と相関性の高いpixiv、ニコニコ動画の投稿数や実際の同人誌即売会のサークル数はどのように変化していたのだろうか。
同人界隈の各種分析を行っているありらいおん氏の所見では、「2周年を迎えた艦これの二次創作は、pixiv・ニコ動とも現在も拡大を続けています。アニメ放送後も、今のところ艦これの二次創作投稿が目に見えて減衰するような様子はありません。(中略)これからの1年も艦これでは活気のある二次創作活動が続くでしょう。」と結論付けていた。
http://ascii.jp/elem/000/001/001/1001334/
しかしながら細かく数字を見ていくと、実際には2月をピークに緩やかに減少を続けていたことが分かり、特に記事の掲載後には一部の指標で前年の極小値を下回る数字が現れていることが分かった。
言い換えれば、兆候はすでに現れていたということに他ならない。
pixivは同人サークルが多く利用している投稿サイトであり、そこでの作品投稿数と即売会でのサークル数の間には強い相関関係が見られる。
【月ごとの週平均投稿数】
・ 9月:3653
・10月:3266
・12月:3997
・ 1月:4089
・ 2月:4516
・ 4月:4001
・ 5月:3790
上記の調査結果から、艦これは昨年10月に極小値を示したあと、アニメ化の影響を受けて急回復し、今年2月にピークを迎え、その後緩やかに減少していることが分かる。
6月現在の投稿規模は昨年9月とほぼ同程度であり、アニメ化によるプラスの影響は全くなくなってしまったと言ってよい。
ここで注目したいのは、C88の申し込み期限であった2月の投稿数が極大値(実際には過去最大値)を示していることである。
C87の申し込み期限は8/21であったが、投稿数が当時の2割増しの状態でなおC88の申し込み数はほとんど増えなかったことになる。
・ 9月:13.15
・12月:13.98
・ 2月:15.61
・ 3月:15.57
・ 4月:13.84
・ 5月:13.02
となり、著しく減少していることが分かる。
特に6月はまだ全体平均が出せないとは言え、11月の極小値を下回る結果が出始めていることは驚きに値する。
pixivの傾向を見れば創作者、閲覧者ともに艦これ離れが進み始めていることが明らかになりつつある。
ニコニコ動画も伸び悩む。
投稿数を見ると、やはり2月の週平均投稿数1200を境に下降の一途をたどり、現在は週平均500未満まで落ち込んでいる。
これは昨年10月~今年1月の平均値とほぼ同じで、やはりアニメ化による効果は消滅したと考えて良い。
閲覧数もアニメ最盛期に週平均約13,500あったことと比較すると、現在の約8800という数字はあまりに寂しい。
これもやはりアニメ化以前の極小値である昨年10月の数字とほぼ同じである。
オールジャンルイベントではない、艦これのみを対象としたいわゆるオンリー即売会が振るわないという話を耳にしたことはあったが、実際にサークル数の増減を検証してみると、
・駆逐してやる!なのです!4:41(-4:前同93%)
・(舞鶴)砲雷撃戦!よーい!16:106(-23:前同86%) ※註2)
・海ゆかば3:133(-74:前同64%)
※註2)「砲雷撃戦」は開催地ごとに規模が全く異なるため、同じ開催地のもので比較
と軒並み前同を割り込む事態となっており、増加したのは
・西海ノ暁5:145(+81:前同179%)
など、わずかであったため、そのような話は強ち間違いではないことが判明した。
参加するサークル数が万遍なく減少しているということは、それだけ艦これの同人サークルが少なくなっていることに他ならず、コミケの参加サークルが頭打ちになっている傾向にも合致する。
無論、艦これはオンリーイベントが比較的多く開催されているためサークルが参加するイベントを選りすぐって見かけ上分散しているという可能性もあるが、昨年と比較して開催されるオンリー即売会の数自体も減少しており、疑問が残る。
コミケと同様に、艦これはその他のオールジャンルイベントでもサークル数が伸び続けていた。
しかしながら、実際に直近のイベントで検証してみると、どうやらすでに頭打ちの兆候は見えていたことが明らかとなった。
・コミックトレジャー:381(-34:前同91%)
直近の同人誌即売会の状況を分析する限りでは、C88での艦これサークル数の頭打ちはむしろ予想されてしかるべきものだった可能性が高い。
上述の各種指標が示す通り、艦これ二次創作の勢力が昨年最も低下した時期と同程度まで落ち込んでいて、尚且つ今もなお減少を続けていることを考慮すると、艦これ同人界隈はすでに成熟期を越えてその先へと足を踏み込んだ地点に達したというべきであろう。
アニメ化を経てその隆盛を維持することが困難であった理由を考察するのは容易ではないが、敢えてその愚を犯して私見を述べるならば、艦これそのものの手軽さゆえに訪れた結末なのではないかと思う。
艦これが多くの人に支持された一番の理由はやはり片手間で遊べる手軽さであると思う。
しかしながら、それ故にシンプルなデザインは大幅な要素の追加を許さず、システムの改良やシナリオの設定・追加などの大幅な改定が行われることはほとんどなかった。
加えて国産艦で追加できる艦は最早ほとんど残されておらず(「信濃」を除けばほとんどが駆逐艦のみ)、海外艦に活路を見出そうと試みているものの、必ずしもユーザーに好意的に受け取られているわけではない。(「ローマ」「リットリオ」などは残念ながらあまり芳しい評価を得られなかった)
イベントや改二、大型建造、キャラクターボイスの追加などで拡大・維持してきた人気を、ついに保てなくなる線まで達してしまったのではないだろうか。
言い換えれば、大変失礼な言い回しであることは承知の上で敢えて使うが、作品としての寿命が近づいているということになる。
再びC88に目を向ければ、半ば公式の同人サークルであるC2機関が落選していることも興味深い。
個別の当落をあれこれと詮索するのは良くないことだが、同規模の「東方Project」で言えば「上海アリス幻樂団」が落選するに等しい事態であり、今後の動向に注目が集まるのは必至である。
以上を踏まえると、今後艦これの同人サークル数が増えるというのはなかなか厳しい想定になると結論せざるを得ない。
これ以降もVita版やアーケード版の発売はあるが、アニメ以上のインパクトファクターになるとは考えにくい。
それというのも、艦これは先述の通りその手軽さがユーザーに受け入れられた大きな要素であり、専用のゲーム機を必要とするVita版、衰退著しいゲームセンターに設置される大型のアーケード版などはむしろその流れに逆行するもので、一時的な話題性はあるにしても、アニメほどの起爆剤には決してなり得ないからである。
各々の創作者に迷惑をかけかねないため詳細は敢えて省くが、すでに一部では「ポスト艦これ」を探る動きも出始めている。
これらは間違いなく即売会のサークル数にも影響してくることだろう。
すでにコミケのサークル数が減り始めている東方Projectの場合は、しかしながら各地のオンリー即売会がなおも堅調で、特に博麗神社例大祭の参加人数が一転して増加に転じるなど一部ではむしろ復調の兆しすらも見られるが、これはひとえに東方ファンが10年以上にわたって積み重ねてきた"基礎体力"とも言うべき根強い人気に下支えされての結果である。
近年のコンテンツ消費サイクルの激しい中、2年もの間同人人気を拡大し続けた艦これではあるが、そのような理由で「単に規模が似ているから」と今後の艦これ同人界隈の行方を東方Projectの現状をもとに比較することは困難である。
昨日イベをクリアしたが、一昨年9月に着任してから、ここに来て思うところがまとまったので書いてみる。
それにしても冬イベがこのタイミングとは少し驚いた。
まあでも甲乙丙と難易度を自己責任で選択できるようになり、その上でクリア褒章のうち、一番の目玉である先行実装艦娘は必ず入手できるように計らっていたりと、運営も中々の配慮だと思った。
廃人を必要以上に厚遇せず、かつ袖にせず、相応の満足感をもたらす塩梅は実際かなり難しいはずだが、この点、艦これの運営は上手くやっている方だろう。
・・・と、一応一通り褒めた所で本題。
今まで個人的には全然気にしていなかったものの、以前から一部で言われていたゲームの根本的不満点について、今回のイベを通じて自分も大いに実感させられた事を書き留めておく。
そもそも艦これをどういうジャンルのゲームとして捉えるかは千差万別というか、人それぞれだろう。
要するに好きなキャラを重用し、鍛え、そういうキャラ達だけでデッキ(?)を組み、暁の水平線に勝利を刻みたいのだ。
しかし提督諸兄はよくご存知だと思うが、艦これにおいてこの遊び方は、大きな制約を伴う。
艦これ最大の敵と揶揄される羅針盤は、要するにルーレットで、振り出しから上がりのボスマスまで、いくつにも枝分かれするルートを決める役割を持っている。
そこに来てほぼ全てのマスが戦闘マスかつ、4回目の連戦から火力と回避が落ちてしまうため、ボスまでの最短ルーティングは攻略の必須要素なのだ。
そしてこの羅針盤、通常6隻(連合艦隊だと12隻)の艦隊の艦種を上手く調整することにより(例えば戦艦2・空母1・重巡1・駆逐2とか)ボス到達が容易になる、いや、調整しないと到達不可能という海域が非常に多い。
基本的に、中盤以降の通常海域および最近のイベント海域は全てそうなっている。
このため、自分がそもそも興味ない艦種の艦娘であっても、何隻かずつは、それも出来ればステータス的に強い娘を結構なレベルまで育成していないと、攻略がおぼつかなくなる。
ちなみに自分はいわゆる「航空主兵提督」で、正規空母や装甲空母がとにかく大好きということもあり、具体的な例で言えば大鳳が出るまで大型建造を回すのも、二航戦を改二まで育てるのも、雲龍型をレベル50まで育てて改造するのも、さほど苦ではなかった。
正直に言えば、他の艦種だと育成に伴うデメリットばかり目につき、面倒で仕方がない。
そして入手・育成の手間はどんどん増大してきている。
大型建造の確率が相変わらずシビアなのに加えて、強化改造可能レベルが70や80なんて艦娘も出てきているし、更に改造設計図も要求されたり。
しかし面倒だからといって入手・育成の手間を惜しむと、上に書いたゲームの仕様上、楽しんで遊ぶことも難しくなってくる(いわゆる「練度が備わっていない」艦隊になってしまう)のだ。
今回のイベでも「ああ、彼女らは今後絶対必要だろうし、現に今育っていないことで結構ハンデになってるなあ」と思わされた。
結局、「空母ばっかり贔屓して飛行機で蹂躙するZE☆」という、自分的キャラゲーは殆ど実現できていないどころか、ますます実現可能性は低くなった。
結論から言えば、最深部であるE-5の報酬が酒匂の先行実装というのは、うまい落とし所だったと思う。
そもそもイベ最深部のMAPというのは、"Extra Operation"と銘打ってある通り、今も昔もユーザ全体の2割くらいしかクリア不可能と言われる高難易度MAP。
まさしくやり込んでいる少数の提督向けのおまけ的MAPなのだ。
そして春イベの酒匂についても、今もあまり不満が表面化していないところからすると、それは正しかったと言えるだろう。
なので、ユーザ的に最も注目されている未実装艦である信濃についても、大鳳同様、イベでの先行実装なしで、いきなり大型艦建造による実装になることを希望する次第。
それで他の艦が当たる確率が相対的に減ってしまうのが問題なら、ビスマルクのケースのように、大和を秘書艦にして戦艦レシピなら武蔵、空母レシピなら信濃が出るようにするとかね。
同じく注目されているMI作戦のイベの最深部の報酬は、大淀とかにしておけばいい(秋月型は駆逐艦最強格になる可能性が高いので、E-3の報酬くらいがいいと思う)。
こういう、入手希望者がかなりいそうな有名艦は最初から誰にでも入手できる機会があった方がいいし、それくらいしたって減るもんじゃないし。
・・・などと思っていたのだが、どうも周囲の提督の考えは違うようで、「信濃のイベ先行実装はあるべき」という意見が多い。
全く理解できない。
曰く「最深部をクリアできるくらい常日頃レベリングと貯蓄に励み、イベを頑張り抜いたのだから、それに見合う報酬じゃないとおかしい」と。
そもそもクリアできた人の不満と、クリアできなかった人の不満、どっちが多くなると思ってるんだか。
御存知の通り、去年秋イベ最深部の報酬は武蔵の先行実装で、これが元で艦これクラスタが荒れまくった過去がある。
確かに当時は、更にその前の夏イベで先行実装された大和が一向に本実装される気配がなかったので、本気になったユーザも多かったという事情はあった。
でも根本的な話として、クリア可能な一部の提督ばかり優遇し、クリア不可能な8割のユーザを蚊帳の外に置いたように取られかねない先行実装が悪いと思うわけで。
こういうこと言うと「だったらやらなきゃいい」と反論する奴がいるけど、それでイベ最深部をクリアできず不満を抱いている人が納得することはあり得ない時点で、黙らせたいだけにしか聞こえない。
もちろん、今の大型艦建造の仕様が全く問題無いとは思わない。
何十回何百回と連続して外れるのは非常に低い確率だと推測されるけど、なまじユーザ数が多いので、そういう不幸な結果になる人が結構な数で出てしまっている。
だからこそユーザ数が多い場合の確率調整は非常に難しいんだけど、ここはもう少し何とかして欲しいかな。
しかし、だからと言って先行実装するべき理由にはならないけどね。
「それはそれ、これはこれ」ってやつです。
今流行りの艦これきっかけでもいいし、その前からの軍艦好きでもいいんだけど(自分は後者)、日本の空母の戦没の経緯について調べると、あまりの惨状に目を覆いたくなる。
ミッドウェーで米艦載機の奇襲を受け、たった数発の爆弾で海の藻屑と消えた南雲機動部隊の4空母。
潜水艦の魚雷攻撃で艦載機用燃料タンクを損傷、気化したガソリンが充満→引火爆沈した翔鶴と大鳳(特に大鳳は魚雷一発だったはず)。
数々の海戦をほぼ無傷でくぐり抜けた歴戦の殊勲艦なのに、飛ばす飛行機がなくなってしまった結果、最後は僚艦ともども米艦載機の囮になって沈んでいった瑞鶴。
「昼間の艦載機の攻撃と夜間の潜水艦の雷撃、どっちがヤバいんですかねえ・・・」という究極の選択の結果、潜水艦の魚雷であっけなく沈んだ信濃。
こういう史実を目の当たりにすると、当時の日本海軍が軽視していた要素がハッキリ見えてきてしまう。
即ちダメコン、レーダーやソナー等の電子機器の開発、そして兵站。
いくら国力というかマンパワーに限りがあるにしたって「艦が燃え出したら実質助からない」だの「目視で何とかする」だの、ちょっとあり得ないでしょうって感じ。
そしてこれらを軽視した結果、空母のみならずあらゆる艦種において、日本海軍は地獄を見ることになったわけで。
結局、海戦に限って言えば、日本は航空機と潜水艦に負けたと言っていい。
一応、戦後はそれを教訓にダメコンと電子機器は徹底的に強化したらしいけど、海自結成後に一度も実戦が行われてない以上、本当に?という感は拭えない。
というかかなり不安を感じる。
勿論これらが充実していたから太平洋戦争に勝てたかどうかは別問題だけど(そもそも開戦時ですら国力が10倍くらい違っていた相手と戦うという決断は・・・という話も)。
togetterなんぞにリンクを送る気など毛頭ないのですが、あまりにおかしな言説なので叩いておく。
「艦これ」を契機に学ぶ、日本海軍とSEGAの類似性とは? - Togetter
艦これが流行って『なんで日本海軍負けたの?』って聞かれる事が増えたのだけど、『着眼点は非常に鋭く、良い戦術を多数生み出すも微妙に足りてない上層部と時代先取りしすぎておっつかない開発コストで先細った』に対する『あぁつまりSEGAってこと?』で壊れた腹筋を返せ。
大日本帝国海軍の上層部が生み出した「良い戦術」ってなんだろう?
急降下爆撃は帝国海軍発祥じゃないし、航空戦で強かったのもゼロ戦の機体性能とパイロットの腕、爆撃・雷撃を命中させるのもパイロットの腕と魚雷の性能だったし。
運用中の陸上攻撃機の航続距離が異様に長いのを利用してイギリスの東洋艦隊を航空兵力で壊滅させたり、フィリピンを爆撃して航空機根こそぎぶっ壊して戦争序盤を優位に進めた、くらいしか戦術的に良かった点なんてないと思うんだが。
「時代先取りしすぎておっつかない開発コスト」との指摘も、曖昧すぎて何を指しているのかわからない。
三式弾なんてコスト以前にパフォーマンスがダメダメだったし、彗星の水冷エンジンなんて稼働中から整備士に嫌われてたらしいじゃん。
艦上戦闘機の次世代機もなかなか性能面でゼロ戦上回れなかったし、レーダー類や通信技術もミッドウェイ海戦の時点でアメリカに遅れを取ってたわけで。
航空母艦の飛行甲板だって色々試してたわりには全然時代先取りしてなかったし。
時代を先取りしすぎってのは「変なものばっかり作って」という揶揄のつもりなのかな。気球爆弾とかは確かにあったけど、そういうの明確な敗因として挙げるのはキツい気がするが。
そもそも「微妙に足りてない上層部」と「開発コスト」が足りてれば勝てた、というのが大きな間違いで、あのまま勝つには、後釜のいない空母機動部隊を終戦まで無事に運用できる戦術・戦略と、ゼロ戦がジェットエンジン積んだ戦闘機と互角に格闘できる戦法を組織的に確立し、大和の対空砲手が爆撃機を「トンボとりでもするかのように」撃墜しまくり、彗星程度の機体性能の爆撃機がVT信管の炸裂すら避けつつ敵空母に急降下爆撃を命中させまくる、くらいの奇跡が重ならないと無理だったわけで。
その他海軍の敗因
・どう考えてもそのタイミングじゃねぇだろって所で無駄に巨費を投じる
・多方面に手を伸ばし過ぎて維持できなくなる
これもどこで無駄に巨費が投じられたのか具体的に書いてないからわからない。戦中の大和型3番艦信濃の改装か、戦前の大和型建造くらいしかないと思うが、他に無駄に巨費を投じたプロジェクトってあったか?
軍艦を運用する石油がないから南方作戦が必要なんだし、ニューギニア・珊瑚海方面も大量の資源の供給元であるオーストラリアとアメリカ本土の遮断が目的なんだから、どっちもやらないと戦争終わらないし。
南方もニューギニア~珊瑚海も手出しせずにアメリカ海軍とだけ正面で戦ってれば良かったなんてのは、艦隊決戦で勝ったほうが戦争勝利、みたいな取り決めでもあると思ってるんだろうか。
インド方面のことであれば、あれは陸軍の作戦だから、海軍はあまり関係ないしね。イギリスの東洋艦隊を追っ払う意味でインド洋までまで機動部隊が出撃したことはあるけど、それは一時のことだし「維持できなくなる」原因にはなってない。
陸軍と海軍の仲の悪さは確かに有名だけど、別にこれで重要な作戦に何度も失敗してるわけじゃないしなぁ。
確かに問題点の1つだったとは思うが、明確な敗因として挙げるのは無理があると思う。
「一回盛大にコケたら最後まで取り戻せない、つまり一度もコケられない薄氷を踏むような戦況」は敗因ではなく、敗因はその戦況の原因であるところ「兵器を生産する資源の少なさと工業力の低さ」「レーダー類や戦力の高い航空機を開発する技術力の低さ」なんじゃないの。
確かにメガドライブあたりの家庭用ゲーム機ハード戦争で緒戦は好調だったセガが、次世代機のセガサターンでは他社の兵站の前に屈してドリームキャスト投入を余儀なくされ、そこでも決定的な負けを喫して撤退、その後は平和憲法を守るように戦争には参加していないというのは「大日本帝国海軍はセガ的」なのかもしれないが、その理由が『着眼点は非常に鋭く、良い戦術を多数生み出すも微妙に足りてない上層部と時代先取りしすぎておっつかない開発コストで先細った』で共通する、というのは間違った認識なんじゃないの。