はてなキーワード: 疑問視とは
というだけの話では。だから個人間の惚れた腫れたの交流は(個人の尊重っていう大前提に抵触しなければ)特に問題視されないと思うし、「自分はなにをやっても加害になってしまう」というのはつまり、性差別を内面化しすぎて相手を尊重する方法がわからなくなってるってことじゃないのかね。『リベラル』な価値観を受け入れるということは、「自分のやっていることが果たして加害的な態度になってしまっていないか」というのを当事者(この場合女性)の話を聞きながら自省する、という作業なんだから。
だから「相手を尊重しながら恋愛なんてできねえよー」と投げやりになるのではなく、投稿主がなぜ「俺みたいな人間が好意を持ったり近付いたりする[こ]と自体が加害」と思ってしまうのかを見つめる作業が必要なんじゃないのかい。もし自分の見た目がどうとかの話だとしたらそれはルッキズムの内面化であって別の問題だし、もし女性に興味を持ってもらえないってことならそれは相手の女性の個人の自由なんだから諦めるか、興味を持ってもらえるように趣味とかファッションとか何かしらに気を遣って頑張れという話にしかならん。
まあ、一部の連中はこれが理解できなくて「腫れた惚れた」に権利を介在させようとするから、「我々には現実の女性と交流する権利がある」と言い出して、インセルが生まれていくんだろうな……
私は就職活動をしている。教育を学ぶ大学生であり、子ども関連の企業をみている。
そのような折、採用サイトで「キッズライン株式会社」を知った。
ベビーシッターのマッチングプラットフォームを運営する会社で、女性が子育てをしながら活躍できる社会を目指しているようだ。
その後キッズラインについて調べていると、衝撃の事件が私の目に飛び込んできた。
→https://news.yahoo.co.jp/byline/nakanomadoka/20200612-00182683/
(事件の全容はこちらにも詳しくまとめられている→https://note.com/komazaki/n/n080bd2efa2d4)
子どもを狙った性犯罪が保育の現場で起こってしまったこと自体が、とてつもなく悲しい。
実際に被害に遭われたお子様やご家族の心中を思うと、胸が苦しい。
しかしこの事件が大きく報道されることとなったのは、キッズライン側に不審な点が多々あったからだ。
(この件については各メディアで詳しく報道されているので割愛する)
面談を予定していた会社がこのような事態になり、私は辞退しようか悩みに悩んだ。
しかし判断するのは直接話を聞いてみてからでも遅くはないと思い、面談を受けることにした。
実際に社員の方はこの問題をどう受け止めているのか、聞きたくなったのだ。
私は面談で、一番気になっていたことを聞いてみた。今回問題になっている「統計的差別」についてだ。
キッズラインは男性シッター二人が逮捕されたことを踏まえ、「専門家から性犯罪が男性により発生する傾向が高いことを指摘されたことなどを鑑み」た結果、「男性シッターによるサポート一時停止」を発表した。(https://kidsline.me/contents/news_detail/605)
例えば出産や結婚を機に離職する可能性が高いことを理由に女性を採用しない、といったものは、典型的な統計的差別の一種だ。
個々人がどう生きたいか、どんな能力や思いを持っているか、といったことを抜きにし、「女性」というラベルのみで判断をすることは無論あってはならない。
もちろん、男性も同じだ。
キッズラインは、女性が統計的差別を受けることなく一人ひとりが活躍できる社会を目指し、ベビーシッターサービスを展開してきたと私は認識していた。
しかし今回キッズラインがしたことは、男性に対する統計的差別だった。
これに対し面談担当者は、「子どもの安全を考えた上で今すぐにできる対応として、男性シッター活動停止をやむなく決断した。これから先安心安全に運営ができる体制が整い次第、活動を再開したいと考えている」と話した。
この回答自体は、「今回の対応が統計的差別に当たることについてどう考えるか」という私の質問に対する答えにはなっていないのだが、担当者は「今すぐにできる対応」の部分を強調していた。果たして、差別にあたるのではないかといった議論は社内で出てこなかったのだろうか。
また虚偽のレビューを会社側が書いていたことや、事件発覚の知らせがきちんと利用者に届くようなされていなかったことなど、会社として不審な部分が明るみに出た。
そのことに対し、代表自ら表に出て説明責任を果たすといったことは一切していない。
私にはそのような会社を信用できるはずもなく、面談後、選考を辞退することにした。
私もそうだが、多くの就活生は、企業の理念やビジョン、実現したい社会に注目する。その方向性に自分も共感するか、一緒に同じ社会を目指していきたいかといった指標は、重要な軸となる。しかし就職活動において、キラキラとした理念やビジョンと、企業の実態が合っているか否かを判断することは、非常に難しい。
これはキッズラインに限ったことではない。すべての組織において、実際に中に入ってみないとわからないことは多いだろう。
今回はたまたま選考中の企業が報道されたために、内部事情を知ることができ、辞退という判断に至ることができた。
しかし、就職したあとに、自分が共感した部分と乖離したやり方を目の当たりにしたとすると、相当大きなショックを受けるに違いない。社会に出ればそんな理不尽いくらでもあると言う人もいるだろうが、限りある人生の中で、心をすり減らして働き続ける時間ほど無駄なものはない。
キッズラインは、「子どもにとって優しい社会」を目指しているように見えた。少なくとも私の目には。
だが実態を知ってからは、利益を重視しすぎたあまり、歪んでしまったようにしか思えなかった。すべての責任がキッズラインにあるとは思わないが、組織の歪みがさらなる被害を招いたとも言えるだろう。だからこそ、悲しかった。
私のように、ビジョンと実態の乖離について疑問視している社員はいないのか、と。「あれ、これって私たちが目指しているものに向かう上で正しいことだっけ?」と気づけなかったのか、と。
これに対しては、「会社の方針と個人の思いはどこの組織でも大なり小なりあるものだ」という前置きののち、「社員のもやもやには社長や経営陣が直接答え、それぞれが落とし所を見つけた上で業務に励んでいる」との答えが帰ってきた。
その上、「これは私たちのように小さな会社だからできることであって、大きな会社だとそうもいかないでしょう」とのアドバイスもいただいた。
あっけにとられてしまった。これだけ歪んだことを、納得しておこなっていたというのか。本当だとすれば、もはや洗脳に近い。組織とはおそろしいものだと痛感した。
就活生の視点からキッズラインの件について書いてきたが、やはり利用者、シッター登録者、就活生などかかわる人すべてが求めていることは、代表自らが説明責任を果たした上で、適切にサービスや組織体制を改善していくことだと思う。
特に男性シッターの方々、利用者の方々のショックはとてつもなく大きいことだろう。「安心安全」だと信じていたものに、裏切られたのだから。
しかし逆に言えば、こういったときこそ、企業の真価が問われるのではないだろうか。不十分な説明でかかわる人に不安を与えたままなのか、間違っていたことは間違っていたと認め、しっかりと説明して進むのか。この違いは、大きな分かれ道となると若造ながらに思う。
面談担当者は、「ここで絶対に歩みを止めたくない」と話していた。私自身も、キッズラインの目指す社会には共感している。
だからこそ、子どもや家族が不幸な目に合わないようなサービスとして、ビジョンと実態に乖離のない健全な企業として生まれ変わることを願っている。シッターのサービスを求めている人も、保育の現場で働きたい人もいるのだから。
キッズラインには、かかわるすべての人に誠実な対応を求めたい。
保育者の無犯罪証明書発行を求める運動に署名をしました。性犯罪がなくなり、子どもが安心して育つことのできる社会、子どもと関わる方が安心して働ける社会に近づけるよう、小さくてもできることをしていきたいです。
でソレスタルビーイングとアンドレイについて僕が思っていた事は結構書けた。僕が00についてこんな思っていた事を書き出すのはこれが初めてだと思う。まだまだこの作品について書きたい事はあるかもしれない。
沙慈・クロスロードというキャラクターが居る。三大国家群の一つ「ユニオン」に属する経済特区・日本で両親の遺してくれた保険金などを頼りに姉と二人で暮らす工学部の学生で、日本に引っ越してきた刹那のお隣さんでもあった。
彼にはルイス・ハレヴィという仲の良いガールフレンドが居た。スペインからの留学生であり、沙慈は彼女のお母さんから公認を受けお付き合いをしていた。沙慈とルイスとお母さんのやり取りは、00の本編には珍しく底抜けに明るい。
視聴者目線の平凡な立ち位置のキャラクターなのかな?と思いきや、ルイスが何か事故に巻き込まれたと聞くや否や居ても立ってもいられず単身日本からスペインまで飛ぶなど行動派である。ペアリングを渡して愛の告白もする。
ルイスはソレスタルビーイングの実働部隊である「チームトリニティ」の襲撃により両親と親戚を失い、自身も左手首から先を失った。ガンダムのビーム兵器に含まれる毒性により、再生医療も受けられない程の障害を肉体に負った。
報道機関に勤務する沙慈の姉であり唯一の肉親「絹江・クロスロード」は、ソレスタルビーイングとその創設者「イオリア・シュヘンベルグ」の謎を追いイオリアの追跡取材をする内に真実へ近づいてしまい、傭兵サーシェスに殺害される。
この二つの事件が立て続けに起こった事から、沙慈はそれまであくまでその存在を疑問視するだけだったソレスタルビーイングという組織に対して明確な悪意を持つようになる。プトレマイオスチームが直接の犯人という訳では無いけど…。
二期でも彼はメインキャラクターとして登場する。日本を離れスペースコロニーで若き技術者として働いていた彼は、地球連邦政府の保安局に反政府勢力に加担している嫌疑をかけられある日突然逮捕された。お、Zガンダムみたい。
沙慈は囚人を収容するコロニーで反連邦政府勢力を専門に対応する特殊部隊「アロウズ」の囚人掃討作戦に巻き込まれ、対人兵器ロボットにもう殺される!という危うい所で刹那に救出される。刹那、生身でロボット倒したよ!
刹那に救出された後、沙慈はプトレマイオスに保護されるのだが…刹那がソレスタルビーイングのガンダムマイスターであり、5年前から武力介入を行っていた事を知り沙慈は怒る。沙慈の関係者を傷付けたのがプトレマイオスチームではないにしても、同じ組織に属していた相手だからしょうがないと思う。一期でロックオンも自分の家族を殺した仇と同じ組織に属していた、というだけで自爆テロとは直接関わりない刹那に怒ったので、これはもう感情の問題だと思う。
沙慈は刹那の同僚であり生まれ付いてのガンダムマイスターである「ティエリア・アーデ」に「君は現実を知らなすぎる」と叱られる。プトレマイオスチームで沙慈を叱る事が出来るのがティエリアだけだったのは、彼が沙慈とは真逆に戦いの中で生きてきた戦いしか知らない人間だった事もあるんだと思う。他のメンバーは沙慈のように平和な日常の中で生きてきた経験もあるので、大切な人と日常を奪われて怒る沙慈を本気で叱る事は出来なかったんだろうか…?と思った。
ソレスタルビーイングの武力介入とその影響で大切な人間を失った遺族の立場から、沙慈はソレスタルビーイングに辛辣な言葉をぶつける。ソレスタルビーイングが掲げる「紛争根絶」という理念とは全く関わりのない事で親しい人間が傷付いたのだから、当然だと思う。ソレスタルビーイングのメンバーもそんな沙慈に「わかってもらおうとは思わない。恨んでくれても構わない」という態度しか取れない。ここら辺はWのヒイロとノベンタ元帥のお孫さんの話を少し思い出すな…。
ところがある時沙慈の立ち位置が変わる。ソレスタルビーイングから反政府勢力「カタロン」の施設に預けられた彼は、脱走を決意する。元々沙慈はカタロンの構成員だと誤解されて死にかけたのだから良い感情なんてある訳がない。
カタロンの構成員に嘘をつき上手く脱走に成功した沙慈は連邦軍に見つかり、カタロン関係者だと思われ連行される。そこで連邦軍屈指の人格者セルゲイ大佐に、自分にかかった嫌疑を解いてもらうためこれまでのいきさつを話した。
そこからカタロンの地下施設の情報が漏れ、アロウズの攻撃を受けたカタロンに数えきれない犠牲者が出てしまう。沙慈はこの時、自分がこれまで非難してきたソレスタルビーイングと同じ加害者側になってしまった。間接的にだけど。
これ以降沙慈は自分を責めるようになり、被害者としてソレスタルビーイングを責める事を控えるようになった。それどころか人員不足のプトレマイオスの戦力を補うために、ダブルオーガンダムの支援戦闘機「オーライザー」のパイロットを務めるようにもなる。一期で戦いを傍観する第三者だったキャラが、二期では自分も戦いに加わる当事者になった。これはソレスタルビーイングの起こした変革であり、戦いは誰にとっても他人事では有り得ないというメッセージだと思う。
…けれど。沙慈の複雑なところは当人も勿論ソレスタルビーイングの活動による犠牲者なんだけど、一期でソレスタルビーイングの出した名もない犠牲者達の代弁者でもあった事だと僕は思っている。沙慈以外に「自分達は武力行使なんかしていなかったのに貴方達の活動の犠牲になった!」とソレスタルビーイングに怒りをぶつけるキャラクターが00には居なかった。ガンダムだから出てくるのはどうしても軍人ばかりで、そういう意味でも沙慈みたいなキャラは珍しかった。
その沙慈がソレスタルビーイングに与するようになったので、機動戦士ガンダム00には「ソレスタルビーイングの犠牲者」という立ち位置の存在が居なくなってしまった。勿論プトレマイオスのメンバー達は自分達の行動が多数の犠牲者を生み出している事を重々承知して、戦術予報士の「スメラギ・李・ノリエガ」が半ばアルコール依存症になっているのはそういう理由から、だと僕は思っている。軽く見返すとスメラギさんはいつでも酒を飲んでる気がする…作戦後とか。
ただ沙慈がオーライザーに乗った事で救われた人間はあの世界に多く存在するし、黒幕の策略でアロウズ側に付いてしまったルイスが最後には沙慈と結ばれたのも沙慈が「ルイスを取り戻すために」刹那達と力を合わせて戦ったからだ。
二期での戦いを終えた後、沙慈はソレスタルビーイングを離れ軌道エレベーターの整備士として働いている。アロウズと戦うソレスタルビーイングの活躍を称える新政権のプロパガンダ映画にも沙慈に相当する人物は出て来なかった。
これは機動戦士ガンダム00という作品において「沙慈はソレスタルビーイングと共に戦った」けど「沙慈はソレスタルビーイングの一員ではない」という表現だったんだろうか?と今になって気付いた。沙慈は戦いをする人ではなかった。
この日記を書くために00を軽く見返していて、「ソレスタルビーイングのメンバーには守る物が無い」事が共通点としてあるのかもしれない…と思った。二期の沙慈は姉を亡くしルイスとも離れ離れでもう失う物がないから命懸けで戦えた。劇場版の沙慈はルイスという大切な人を取り戻せたので戦いから離れた。アレルヤはマリーという大切な人と再会出来たので一時プトレマイオスを降りた。と考えると何だか僕の中では腑に落ちるような気がする…全く根拠はないけど。
グラハム・エーカーというキャラクターが居た。1話でAEUのスペシャルで2000回で模擬戦なエースを倒した主人公刹那を2話のラストで襲う相手で、ガンダム00でアリー・アル・サーシェスと並んで人気が高かった敵役の一人だと思う。
MSに乗らない1話から「失礼!」と断りを入れながら本当に失礼な事をする愉快な人だった。僕は00を視聴する前からこのグラハムという人が人気である事を知っていたし、実際に本編を見てなんと魅力的なキャラだ!と惚れ込んだ。
このグラハムは三つの超大国家群の一つ「ユニオン」の軍隊、ユニオン直属米軍第一航空戦術飛行隊通称MSWADに所属する軍人で、ユニオンの最新鋭MS「ユニオンフラッグ」を与えられたエースパイロットであり、操縦技術も高い。
00に登場したキャラクターの中でも最もガンダムと交戦した回数が多いパイロットだろうし、その度にちゃんと生還しているので操縦技術だけでなく判断力が優れている事が分かる。登場回は大体善戦してるし流石ですグラハム中尉!
この人は幾度となくガンダムと戦いながら一度も仕留めるに至らず、また共にフラッグを駆る「フラッグファイター」であった部下や愛機を改修してくれた恩人ガンダムとの戦いで失った事から、戦う内にガンダムに対して恨みを抱くようになる。同時にMSという兵器を扱うパイロットとして「ガンダム」の圧倒的な性能に心奪われ、魅了された。ガンダムの性能は作中に出てきた台詞から三大陣営の最新鋭機の6倍以上の性能があるらしく、夢中になっても仕方がないとも思う。
ガンダムに対して歪んた愛憎を持ち一期の最期で主役機「ガンダムエクシア」へ襲い掛かる彼を主人公刹那は歪んでいると見なし、断ち切る事を決意した。グラハムは自分を歪ませたのはガンダムの存在だ、と主張した。正しく愛だね。
結局一期最後の戦いはエクシアとフラッグの相討ちという形で終わる。グラハムは亡くなった二人の部下の仇を取れたと満足し、エクシアとフラッグは大破した。中の人はどちらも生きてたけど、二期で出番があるからこんな所で死ねない。
二期で再登場したグラハムは周囲から「ミスター・ブシドー」と呼ばれ刹那の駆るガンダムと戦い決着をつける事にのみ執着する面白いけど歪んだ人物になっていた。一期で生き延びた後他に生きる意義を見つけられなかったんだと思う。
結局グラハムは刹那との決闘に敗れ、刹那に自分のトドメを刺すように求めるが刹那は「生きて明日を掴む事が自分にとっての戦いである」と言い、グラハムにも「生きて戦え」と告げた。グラハムは一期でも二期でも死ねなかったけど、劇場版まで生き延びられて本当に良かったと思う。グラハムは地球連邦軍に復帰し、フラッグの後継機でもある可変MS「ブレイヴ」を駆る強襲部隊ソルブレイヴスの隊長に就任し大活躍する。劇場版はグラハムファン必見だと思う!
グラハムは劇場版で二期の自分の行いを愚行と呼び、ガンダムではなく刹那を超えたいと言う。そして地球外生命体「ELS」との決戦で刹那の通り道を作るために華々しい最期を遂げた。刹那と対になる主人公のような気がしてくる。
ここからが本題で…グラハムだけでなく沙慈もそうなんだけど、一期の戦いでソレスタルビーイングに恨みを持った人間は二期でソレスタルビーイング寄りの立ち位置になっている気がする。そういう段階は二期で終わったからだろうけどね。
機動戦士ガンダム00では対話と相互理解の重要性が何度も訴えられる。今は敵対していても相手と話し合って分かり合おうと努力した人は何らかの形で努力が実っている。宇宙世紀でニュータイプ達が目指していた物だと思う。
ところで小説版00によると刹那が量子ジャンプを行ってから地球に帰還するまでの50年の間も「世界各地から争いの火は消えなかった。」「大戦に発展しかけた事もある。」とマリナが述懐している。グラハムが主演を務める00の続編もその時代が舞台になると言われている。ELSが平和の象徴である花になっても争いは無くならなかった。コロニー公社と労働者のような問題はELSが居てもどうにもならないだろうし仕方ないのかもしれない。突如現れ地球でも暴走したELSのような存在を人類が受け入れるのも難しかったと思う。その気になれば人間を触れるだけで殺せる存在が、地球全土から集められた軍事力の大半を壊滅させた後何か友好の意思を示してきたとしても、怖いだけだと思うし…。
地球連邦軍の損失率は戦いが終わった後には50%を超えていたと思われる。ELSとの戦いで親族を亡くした遺族は、果たしてELSという存在を許せるだろうか。ELSとは関係なく7年前にソレスタルビーイングが紛争根絶を掲げ武力介入を行っていた時それが原因で親しい相手を亡くした人間はまだ恨みを抱えていたかもしれない。対話や相互理解なんて絶対にごめんだ、という人もひょっとしたら居たかもしれない。作中には出て来ないので僕の想像だけど。
サーシェスやリボンズのように相手と分かり合う気がなく争いをやめる気もない人物は世界から排除される。僕は「劇場版の後だとそういう人は最終的に殺されてしまうんだろうな」と00が好きな人の前で言ってしまった事がある。その時は「どうせ00観てないで言ってるんだろうけど」と相手を怒らせてしまった。確かに劇場版にそういう人物は出ていないから勝手な想像だし、怒らせてしまったこっちの言い方が悪かった。話に水を差してると受け取られても仕方がないと思う。
グラハムが主演が務める続編では、ガンダムマイスターとしてソレスタルビーイングに加わったグラハムがエクシアの改修機に乗り「空白の50年」を戦うと予想されている。ああやっぱり00の続編早く見たいですね!もう楽しみで仕方ない。
【追記】
ソレスタルビーイングは「人類がやがて宇宙に飛び立った時に宇宙で火種にならないように」というイオリアの壮大な願いを実現するための組織…と考えてもいいのかな。実は本編前から結構怖い事もやっていて、ガンダムに搭載するためのGNドライヴは一期が始まる90年くらい前に完成していたんだけど、木星圏で20年以上かけてGNドライヴを作り上げた技術者達を機密保持を理由に皆殺していたり…08MS小隊のギニアス兄さんもやってたけど、悪役っぽいかな。
ところで僕はガンダム00の悪役だとチームトリニティの長男「ヨハン・トリニティ」とイオリアの計画を捻じ曲げていた黒幕「リボンズ・アルマーク」が好きだ。この二人は計画の一部としてやがて死ぬ事が決定されていた。ヨハンは任務以外の何にも興味を示さず狂暴な弟や妹をろくに諫めない人だったけど、ガンダムマイスターとして与えられた使命には誰よりも忠実でストイックな人だったしあの最期にはどうしても同情を禁じえない。リボンズはイオリアの計画を円滑に進めるために生み出された人造人間だけど、使い捨ての駒として終わるのが嫌だったから計画を乗っ取って自分が支配者側になる事を目指すという…冷ややかな性格に見えて実は創造主への反骨心が原動力だったって所がとても良いと思う。
ソレスタルビーイングの計画って人類全体の事を考えてはいても個人の事は全く考えてないんだろうなと思うから…GNドライヴの製作に携わった人達もチームトリニティもプトレマイオスチームもイノベイドも死んで人類のためになってねって扱いなのは正直怖い。だから使われるのではなく自分が使う側になってやるんだってリボンズは悪役だけど「ただ計画に従うだけで終わってたまるか!」ってガッツを感じるのが好きなのかな…と書いていて思った。やってる事は悪役だけど。
ところで機動戦士ガンダム00には「in those days」というキャラクター原案を担当された高河ゆん先生による各キャラクターの内面について掘り下げられた漫画作品があるけれど、僕はこの漫画で描かれたリボンズの解釈が大好きだ。ソレスタルビーイングのスポンサーでもある国連大使「アレハンドロ・コーナー」の小姓をリボンズは結構楽しんでやっていて大使が亡くなった事を本当は少し残念に思っていたり、計画がどんどんズレて次々修整せざるを得ない状況に内心殆ど余裕がなかったり、実は親であるイオリアが人間ばかりを見て子供である自分の方を見ず愛してくれなかった事に大変なコンプレックスを持っていたり…アニメの冷ややかな悪役という雰囲気も良いけど、この漫画の実はとても繊細な内面で打たれ弱いリボンズは人間臭くて「これはこれでとても良い!」と僕は思う。アニメの世界でもリボンズが改心すればまた彼は肉体を作り直して復活できるのだろうか?実際にグラハムは復活したので少しだけ期待しても良いかな。
もしかしてイオリアという人は大切に思える誰か特定個人が居なかったからあんな壮大な計画を思い付き実行出来たのかな?と少し思う。もし居たとしても「世界を良い方向に変革したい」という使命感が勝ったのかもしれないけど。
00の感想を書いている内にやっぱり僕は00が好きなんじゃないだろうか、という気がしてくる。「やっぱり好きな方なんだろうなあ」というこの距離感で00とは末永く付き合っていきたいなあ。
当落線上でもない限り、政党に所属して大きな票田をもっている候補に自分の一票を加えてもさしたる価値はない。それよりも落選確実な泡沫候補に投票した方が一票の価値を高めることができる。そうした候補にとって、供託金没収点を超えるか否かは大きな関心事である。供託金没収点を満たさないであろう候補にとってはなおさら一票の価値は重く、身内以外に投票する人の存在は大きな励みになるはずだ。
私自身は特定の政党による恩恵を得ておらず、当然支持する政党もない。そればかりか政党の存在意義そのものを疑問視している。日本国憲法になんら規定されていない「政党」なるものが立法・行政・司法の三権に大きな影響を及ぼしているのはおかしい。国民の代表者たる国会議員や住民の代表者たる地方議会議員が、政党役員の配下として振舞うのはおかしい。(日本共産党は例外だが)政党であることそのものが政党助成金という大金を得ることはおかしい。選挙においては、政党に無所属であることがマスメディアに泡沫候補扱いされて活動が紹介されないこともおかしい。
そうしたことから、政党に所属している候補はそれだけで私にとってマイナス評価なので、必然的に政党無所属の泡沫候補に投票することになる。この観点からすると東京都民でない私にとって、多くの泡沫候補を擁し多様な選択肢がある今回の都知事選は羨ましい。反現職勢力の票が分散されるという反対意見もあるが、仮に小池氏ともう一人の一騎打ちの形になったとしても小池氏が当選することはほぼ明らかなので候補者数を絞ることに意味はあまりないだろう。それよりも反小池勢力にとっては、多様な選択肢によって小池票を一票でも減らせられる現状は好ましいことだろう。
『エガオノダイカ』には色々言いたいことがあるんだけど、とりあえず一点だけ。
戦争をやめる=科学を否定する、という流れになりがちなのは、多分脚本家がアレルギーなのではなく、おそらくそう見せたほうが演出として開放的だからでしょう。実際にそうなってしまえば作中でステラが疑問視したように文明自体が後退してゆきますし。
そこの論理を説明してないのにステラが説得されたの謎すぎない?
あの世界では、
という前提があって、最終話の時点でユウキと視聴者は全部知ってたけど、ステラは5しか知らないんだよね。
で、ユウキはステラに「戦いを止めるために(民用も含めた)全クラルスを停止したい!」って言うのね。
それに対してステラは「そんなことしたら暮らしがメチャクチャになる」って反論するんだけど、最終的にはユウキに説得されて全クラルス停止に協力するんだよね。
1から4までを知らないのになんで全クラルスの停止に賛同できるの??????
まあこれ、どう見ても核だよね。戦争に使うにはすごい兵器となるけど、実は環境を汚染してしまうっていう。
要するにユウキ様は、核兵器だけじゃなくて原発も止めたいんだよね。
俺たちは、スリーマイルやチェルノブイリや福島がどうなったのか知ってるから、「そりゃ核兵器だけじゃなくて原発も止めるべきやろ」って思えるよ。
でもさ、ステラは放射性物質が撒き散らされるとそこには住めなくなるってこと自体を知らないわけじゃん。ステラが無知なんじゃなくて、国のトップであるユウキにも作中の後半でようやく明かされる最高機密じゃん。
この状態で「戦争止めるために原発止めろ」って言われて納得できる??? 生活のすべてを原発由来の電力で賄っているのに??? 意味不明すぎない???
ユウキはなんでステラが1~4を知ってる前提で喋ってんの??? まずは1~4を説明しないとユウキの主張がそもそも理解不能すぎるでしょ???
ほんとここでステラが説得されたのが理解できないんだよね。だって1~4を知らなければただのたわごとだもん。戦争を止めるために軍用だけならともかくなんで民生用のクラルスまで止めないといけないか理解できる? 俺はわかるよ、ユウキ側の描写を見てクラルスの特性を知ってるから。でもステラとユウキは初対面で、ステラはどう見ても最高機密を知り得ない下っ端だろ? どうすればこれで納得できるの?
ユウキの論理は、反戦的なものと反核的なものがごっちゃになっている。ごっちゃになりすぎていて、傍から見ると意味不明だ。
ユウキが全クラルスの停止を目指すのは、反核的な論理に基づいている。つまり、例えるなら軍用民用を問わず核エネルギーの利用が土壌を汚染するということだ。だったら彼女は、ステラに向かって、こんなエネルギー使ってたら土地が汚染されて住めなくなる、と主張すべきだった。
ところが彼女は実際には、戦争を止めたい、という反戦的な論理を口にした。そしてその反戦的な論理にステラは説得され、クラルス停止に協力する。
でも、反戦を訴えるなら、軍用クラルスの停止だけで十分だろう(いや、軍用だけ狙って止められるかどうかは知らんが)。民用のクラルスまで停止しないといけない理由は、反核的な論理じゃないと理解できない。
反戦も反核も実にけっこうな話でそれがテーマのアニメを作るのはお好きにどうぞという感じなのだが、2つの論理が脚本家の脳内でごっちゃになった結果、ユウキの議論が支離滅裂になっている。
最終話のクライマックスでこんなドッチラケやられたんですよ。どう思うこれ?
『エガオノダイカ』が腹立たしいのは、出来が壊滅的に悪いわけじゃないところなんだよね。見られちゃうんだよ、それなりに。だから『ソラとウミのアイダ』みたいな1話Aパートが終わった段階で切ったようなアニメと違って最後まで見たんだけど、こんな感じで理不尽な展開が続くから腹立たしく、でもひょっとしたらクソアニメじゃないのかも……最終話で世界の真実が明かされたり感動的な結末を迎えたりするのかも……って思いながら見続けて、最終話でこんな崩壊した論理を見せつけられた気持ちわかる? 1話切りしたアニメは翌日にはもうすっかり忘れてるから腹も立たないけど、3ヶ月これに付き合ったらめちゃくちゃ腹が立ちますよ。しかもこれ完全新作オリジナルアニメだから予習とかできないからね。3ヶ月分の小さなイライラが最終回で大爆発ですよ。お前ふざけんじゃねえよこのクソアニメって言いたくなるわけですよ。この気持ちわかる?
増田で糞アニメとして名高いので一体どんなもんかなと思って視聴終了。
このアニメを簡潔に述べると、まず政治・経済的な前提なしで帝国とソレイユ王国の開戦状態から始まります。片方の国ソレイユの姫様ユウキは最初戦争状態にあるとは知らされていません。しかし彼女は幼馴染の死から真実を知らされ、なんとか両国の人間が死なないように軍を指揮しようとします。その作戦手法とは主に両国の兵士たちが最小限の犠牲で済むというものでした。いろいろ省略して最終的には両軍の兵器のエネルギー源を止める方法が見つかり、両軍の兵器は沈黙して終了、仕方ないから両国の国交が暫定的に回復するという話です。
で、そこそこ背景があります。まずソレイユ国。これは新型兵器クラルス(作中であまり触れられないが、動力源。動いてるロボの名称は別にある)を擁していて、この動力源はもともとベルデ公国を仲介して帝国とソレイユが共同開発していたものでした。そして12年前にテロ事件が起こるのですが、ソレイユの幹部が「帝国のせいにしちまって新兵器の動力源はうちに牽引しようぜ」、と画策します。このやり口が帝国の逆鱗に触れて戦争状態となります。
まあ政治的背景を真面目に考えりゃソレイユが資源独占して相手が帝国主義だったのは、なんかかみ合わせ悪かったねとしか思えまえん。というよりソレイユが資源を独占しようとしたという背景が姫側近のレイラから伏線で話されるのですけど、帝国からしたら王国が資源独占した挙げ句攻め込んだら全部破棄にされた話でしかなく、そういう側面から考えるとちょっと身も蓋もない感じがしました。ソレイユって国家としては悪じゃんと。背景には明らかに利益の綱引きがあったと思うんですけど、冷戦構造みたいなものは全く無い描かれ方をしている。だけど途中で第二次世界大戦をモデルにしたような描写は出てくるので、多分作品としてやりたいことが違うんでしょう。あと、共同開発していた新動力へのテロリズムを一方的に強大な敵国のせいだ、としてしまえる外交手腕って何なんでしょうか。素人目に日本とアメリカをモデルにして考えても、まずありえない行動です。
ただこれ、いわゆる戦略戦術政治の面から見るもんではなく、全体の逼迫した状況下で個人の思いが殺されてゆく話だと思うわけです。かつてのアニメでいえばヤマト、ガンダム、銀英伝のような敵の事情もはっきりわかった上でどっちも死んでほしくない、という感情を想起させてゆく作りではあります(必ずそうなるとはいってませんけど)。ヤマトの場合好敵手、ガンダムや銀英伝の場合主義思想の違いで殺し合うわけですが、エガオノダイカにはなぜ殺し合うかというテーマは希薄です。実際に武人が生き様のために死ぬ、という描写は控えめですし、そういった時代錯誤的な意志の強さはあまり重視されません。それはテーマが "生きる" ことに集約されているからです。
ステラは常に生き方を探します。ユウキは戦時でも生かすことを見出し、ゲイルも孤児を引き取りながらメンバーを活かすことを考えて行動します。イザナの子は戦争の途中で父の死と引き換えに生まれてきます。このように戦争状態という皆が嫌々参加している状態からもキャラクターたちは生きることを見出します。このため前項における全体的な利益のために死ぬ武人、という自己犠牲的な生き方は重視されていません。そんな意味でユウキというキャラクターは最も自己犠牲的であるにも関わらず、最後まで両軍を生かすために我を通した、という意味でコンセプトは一貫していました(戦争中にあんな指揮官いたら嫌ですけど)。反面帝国は死を利用してプロパガンダを行い、分隊の隊長の死など気にもとめません。このへんの対比はやりたいことが出来てるとは思います。
ただ、視聴者的に言えばハロルドとゲイルという二大キャラがなぜ衝突しなかったのか、と思うことしきりだったでしょう、参謀的なイザナがモブに撃ち殺される、というあっけなさもよくありません。
タイトルのエガオノダイカは自明で、沢山の笑顔が犠牲になって平和が訪れた、あるいはたくさんの犠牲により笑顔がもたらされた、という意味です。
戦争をやめる=科学を否定する、という流れになりがちなのは、多分脚本家がアレルギーなのではなく、おそらくそう見せたほうが演出として開放的だからでしょう。実際にそうなってしまえば作中でステラが疑問視したように文明自体が後退してゆきますし。
というエントリにあったような読み方は流石にまずいかなと。一応コンセプトと設定とキャラクターの持つテーマはしっかりつくっていってるのでそこは読んだ上でケチつけたほうがいいかなと思いました。
江崎 禎英
2020年5月21日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 http://medg.jp
新型コロナウイルスへの対応のなかで、その危機のシンボルのように扱われてきたマスク。ここに来て仮設店舗や飲食店などでも50枚入りが一箱2000円前後で販売されるようになり、ひと頃のようなマスク不足の状況は改善しつつあります。
そうした中で、政府が実施している一世帯2枚の布マスクの配布について、これを疑問視する意見が増えています。配布されたマスクに髪の毛や糸くずが入っていたり、カビと思われる変色したマスクがあったとの報道を耳にされた方もいらっしゃるでしょう。問題のあるマスクは速やかに交換する対応を行っているところですが、実際に手にされた方に不安と不信感を与えてしまいましたことは、心からお詫び申し上げたいと思います。
布マスクを巡る一連の対応への批判は、政府としてこれを真摯に受け止めるのは当然です。しかしながら、実際にマスクを製造した事業者にも厳しい批判の目が向けられていることは、この作業をお願いした立場にある者として誠に申し訳なく思っております。今後市場に出回るマスクの供給量が増え、マスク不足に対する危機感が薄れるにつれて、今般の布マスクの生産に携わった事業者に対していっそう厳しい目が向けられる可能性があります。緊急時の対応が平時の基準によって評価されることは往々にしてあり得ることですが、懸念すべきは、そうした評価が広がることによって、今後、国の緊急事態に協力しようとする企業が現れなくなってしまうことです。
先日の国会審議の中では、「政府が配る布マスクはその大半が不良品であり全て廃棄すべき」といった趣旨の議論が展開されたため、その経緯を理解していただくために、質疑に割り込む形で答弁をさせていただきました。しかし、私の答弁は通告された質問に答えるものではなかったために、怒号と叱責の中で十分にお伝えすることができませんでした。そこでこの場をお借りして、多くの方の疑問にお答えする形で、その背景と経緯について書き記しておきたいと思います。
<なぜ、布マスクだったのか>
再利用を前提とした長期間使用可能な布製マスクを大量に生産・調達することによって需給ギャップを埋め、使い捨てマスクを医療関係者等に優先的に回せる環境を整えようとしたのが、布マスクに取り組んだ最大の理由です。
本年1月頃から、それまで国内供給の8割程度を占めていた中国からのマスクの輸入が途絶え、マスクの品薄状態が始まりました。このため2月にはマスクを求めて早朝から店舗の前に行列ができる状況となり、国会等でもマスクの供給を増やせとの指摘が相次ぎました。2月下旬には、マスクの買い占め防止のためにネットオークションの自粛を求めると共に、国内生産設備の増強を含めた供給量拡大に取り組みました。
しかしながら、当時の国内におけるマスクの供給能力は月産4億枚程度であり、その殆どが不織布を用いた使い捨てタイプでした。国内生産力増強のための補助金に応募した企業も全て不織布を用いた使い捨てマスク用の設備投資でした。この頃、感染症の専門家などからは、使い捨てマスクの再利用を行うべきでない旨の見解が出されており、需給ギャップは拡大の一途を辿るおそれが生じていました。
このため、ハンカチやキッチンペーパーによる手作りマスクなど、使い捨てマスク以外の対応を考える中で、政府としてたどり着いた結論が、ガーゼマスクでした。かつて小学校などで給食当番の際に使っていたガーゼマスクは、洗濯して何度も利用されていました。そこで「健常者による飛沫感染に対する予防としては、手すりやドアノブなどに触れた手で自らの鼻や口に触れないことが重要との観点から、布マスクによっても有効な対応は可能である」と医療関係者に確認し、布マスクの生産・調達プロジェクトはスタートしました。
<布マスクは何時までにどれくらいの量を調達しようとしたのか>
「マスクが手に入らないことに対する国民の不安を軽減するためには、繰り返し使用できる布マスクを来月(4月)末までになんとか1億枚規模で調達できないか」というのが当時の認識でした。私自身がこの布マスク生産・調達プロジェクトに参画し、事業者との調整に携わったのはまさにこの頃です。
本年3月には、ドラックストアやスーパーの店頭からマスクが消え、一日中マスクに関する報道が流れ、国会でもマスクの供給不足に対する政府の対応を非難する質問が続き、マスク供給のためにあらゆる手を尽くせと責め立てられる状況でした。全国民が一斉にマスクを買い求めるというこれまでに経験したことのない爆発的な需要増の一方、中国からの輸入が全く見通せないなかで、1億枚という規模の目標が形成されていきました。
そもそもマスクの材料となるガーゼは中国でしか生産しておらず、ガーゼの国内在庫も殆ど存在しない状況でした。
このため、国内で供給できる布マスクは、せいぜい1万枚から多くても10万枚のレベルで、およそ1億枚といった規模には届かない状況でした。仮になんとか国内に材料となるガーゼを持ち込んでも、布製マスクを縫製する設備(ミシン)や人員を揃えることも困難な状況でした。現在でも、「布製マスクを作るなら日本で生産すべきだ」との意見も多いのですが、国内の生産設備の殆どが不織布を用いた使い捨てマスク用の機械装置です。
今年3月時点で、海外で1億枚規模のマスク用ガーゼを調達するネットワークを有し、布製マスクを材料の調達から裁断、縫製、検品、袋詰めまでを一貫して行える企業は、興和しかありませんでした。
ただ、興和単独では1億枚規模の生産は困難であったため、中国で縫製関係の業務経験のあった伊藤忠とマツオカコーポレションの協力を得て生産体制を構築したものです。
当初、これら3社からは、4月末までに1億枚の生産など到底無理だと言われましたが、日本の窮状を救うためにあらゆる手を尽くして目標を達成して欲しいとお願いしました。結果、ベストシナリオで約9千6百万枚まで積み上げ、1億枚規模の目標達成の可能性ありとして、直ちに材料の確保、製造ラインの立ち上げをスタートしていただきました。
4月末までに1億枚規模の生産を行うために、興和だけでも中国において約20カ所の縫製工場と約1万人の縫い子と検査要員を確保しています。
これには、興和が中国に有する様々なネットワークを駆使して、尋常でないスピードでこの体制を整えたと聞いています。伊藤忠やマツオカコーポレーションも独自のネットワークで東南アジアの国々に縫製工場と人員を確保し、生産を行っています。
これだけの人員を集めても、縫い子さん1人当たり1万枚ものマスクを縫製する必要があり、24時間体制での生産を行っています。各工場で一定量生産が進んだ段階で検品・梱包し、直ちに航空機で日本に運ぶといったオペレーションになっています。
<なぜ、不良品が発生したのか>
当初、興和からは「興和の名前が出る以上、従来通りの国内検品を行うのでなければこの仕事は引き受けられない」と強く言われました。しかし、興和の国内検品は、一旦全てのマスクを一か所の検品施設に集め、1ミリ程度の縫い目や折り目のずれ、布のほつれも不良品として弾いてしまうというレベルの対応です。このため従来どおりの国内検品作業を行っていたのでは目標の半分も達成できない可能性があり、緊急避難的な対応として現地検品を基本とするオペレーションに変更してもらいました。
日本に持ち込んだ後は、配布準備段階で最終チェックを行うのですが、ここでのチェックをすり抜けた不良品が利用者の手元に届いてしまったことは誠に申し訳なく思っています。また、自治体によっては、こうした作業を保健所に依頼したことで、保健所職員の作業を増やす結果になったことも反省点として認識しています。
ちなみに、特定の医療用マスクを除き、マスクに対する国際的な品質基準は存在しません。また、国内におけるマスクの業界団体が出している品質基準もホルムアルデヒドの検出基準が示されているだけで、各社毎の自主基準による検品が基本となっています。
不良品の報道を受けて、現在では事業者においても自主的に国内検品を実施していただいているところです。「受注した以上、企業は完璧な製品を届けるのが当然だ」といった意見はもっともですが、それはあくまで平時における常識で、緊急事態の対応にまでこれを要求することは酷だと思います。それ故に、これを補う形で国が改めて検品を行っているのですが、この費用に国費を充てるのは問題だとの意見が寄せられているのが現在の状況です。
<なぜ、配布が遅れているのか>
4月末までに1億枚の布マスクを生産して国内に持ち込むというのは、元々極めて厳しい目標でしたが、緊急事態ということで各社全力で取り組んでいただきました。しかし現実には、急遽集めた1万人に及ぶ縫子さんの教育から始まり、中国国内での物流の障害(企業活動の制限)、更には中国政府によるマスクの輸出規制によって通関で止められるなど次々に問題が発生しました。
しかも入国制限によって、これらの問題を解決するための職員を中国に派遣することができません。大使館の協力も得ながらなんとか通関を突破しても、日本へ運ぶ航空機の確保ができないといった状況にも見舞われました。生産、物流、通関等々、二重三重の障害を乗り越えて国内に持ち込む中で、スケジュールが後ろ倒しになる状況が続いてしまいました。
これに加えて、今般の不良品問題の発生によって、メーカーが全量回収の上国内検品を行うとともに、更に万全を期すために国による検品も行っているために、配布スケジュールにしわ寄せが生じる結果となっています。
<最後に>
現在も、関係者の尋常ならざる努力によって布マスクの生産・調達が続いています。国民のマスク不安を解消するための布マスクの生産・調達でしたが、状況が落ち着くにつれて、「量、スピード、品質」全てに完璧が求められるようになりました。まだ全体のオペレーションが終了していませんが、こうした一連の作業の結果、事業者にとっては大きな持ち出しになることを懸念しています。興和では今も職員を総動員して布マスクの検品作業を行っています。
また、現状では不良品や国による検品費用ばかりに議論が集中し、こうした布マスクの取り組み自体が全て失敗であったかのような議論がなされているのは誠に残念なことです。特に、日本の危機的な状況を救うために協力してくれた事業者が、結果的に社会的批難を受けることがあってはならないと感じています。また、日本のために今も昼夜に亘って布マスクを製造してくださっている1万人を越える海外の縫子さん達のためにも、是非事実を知っていただきたいと思い、筆を執りました。
もちろん、だからといって不良品が許されるわけではありません。現在検品には万全を期していますが、万が一不良品が届いた際には速やかに交換させていただきますのでご協力をお願いします。その上で、不良品の状況はきちんと確認・評価し、今後の反省材料にしてまいります。
なお、まだ一部の方々にしか届いていない布マスクですが、実際に手にされた方からは良い評判もいただいております。新型コロナウイルスへの対応は長丁場になる可能性が高いと言われています。是非、多くの方々の努力によって届けられる布マスクをご活用いただき、この災禍を乗り越えていただきたいと思います。よろしくお願い致します。(令和2年5月18日)
江崎 禎英
2020年5月21日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 http://medg.jp
新型コロナウイルスへの対応のなかで、その危機のシンボルのように扱われてきたマスク。ここに来て仮設店舗や飲食店などでも50枚入りが一箱2000円前後で販売されるようになり、ひと頃のようなマスク不足の状況は改善しつつあります。
そうした中で、政府が実施している一世帯2枚の布マスクの配布について、これを疑問視する意見が増えています。配布されたマスクに髪の毛や糸くずが入っていたり、カビと思われる変色したマスクがあったとの報道を耳にされた方もいらっしゃるでしょう。問題のあるマスクは速やかに交換する対応を行っているところですが、実際に手にされた方に不安と不信感を与えてしまいましたことは、心からお詫び申し上げたいと思います。
布マスクを巡る一連の対応への批判は、政府としてこれを真摯に受け止めるのは当然です。しかしながら、実際にマスクを製造した事業者にも厳しい批判の目が向けられていることは、この作業をお願いした立場にある者として誠に申し訳なく思っております。今後市場に出回るマスクの供給量が増え、マスク不足に対する危機感が薄れるにつれて、今般の布マスクの生産に携わった事業者に対していっそう厳しい目が向けられる可能性があります。緊急時の対応が平時の基準によって評価されることは往々にしてあり得ることですが、懸念すべきは、そうした評価が広がることによって、今後、国の緊急事態に協力しようとする企業が現れなくなってしまうことです。
先日の国会審議の中では、「政府が配る布マスクはその大半が不良品であり全て廃棄すべき」といった趣旨の議論が展開されたため、その経緯を理解していただくために、質疑に割り込む形で答弁をさせていただきました。しかし、私の答弁は通告された質問に答えるものではなかったために、怒号と叱責の中で十分にお伝えすることができませんでした。そこでこの場をお借りして、多くの方の疑問にお答えする形で、その背景と経緯について書き記しておきたいと思います。
<なぜ、布マスクだったのか>
再利用を前提とした長期間使用可能な布製マスクを大量に生産・調達することによって需給ギャップを埋め、使い捨てマスクを医療関係者等に優先的に回せる環境を整えようとしたのが、布マスクに取り組んだ最大の理由です。
本年1月頃から、それまで国内供給の8割程度を占めていた中国からのマスクの輸入が途絶え、マスクの品薄状態が始まりました。このため2月にはマスクを求めて早朝から店舗の前に行列ができる状況となり、国会等でもマスクの供給を増やせとの指摘が相次ぎました。2月下旬には、マスクの買い占め防止のためにネットオークションの自粛を求めると共に、国内生産設備の増強を含めた供給量拡大に取り組みました。
しかしながら、当時の国内におけるマスクの供給能力は月産4億枚程度であり、その殆どが不織布を用いた使い捨てタイプでした。国内生産力増強のための補助金に応募した企業も全て不織布を用いた使い捨てマスク用の設備投資でした。この頃、感染症の専門家などからは、使い捨てマスクの再利用を行うべきでない旨の見解が出されており、需給ギャップは拡大の一途を辿るおそれが生じていました。
このため、ハンカチやキッチンペーパーによる手作りマスクなど、使い捨てマスク以外の対応を考える中で、政府としてたどり着いた結論が、ガーゼマスクでした。かつて小学校などで給食当番の際に使っていたガーゼマスクは、洗濯して何度も利用されていました。そこで「健常者による飛沫感染に対する予防としては、手すりやドアノブなどに触れた手で自らの鼻や口に触れないことが重要との観点から、布マスクによっても有効な対応は可能である」と医療関係者に確認し、布マスクの生産・調達プロジェクトはスタートしました。
<布マスクは何時までにどれくらいの量を調達しようとしたのか>
「マスクが手に入らないことに対する国民の不安を軽減するためには、繰り返し使用できる布マスクを来月(4月)末までになんとか1億枚規模で調達できないか」というのが当時の認識でした。私自身がこの布マスク生産・調達プロジェクトに参画し、事業者との調整に携わったのはまさにこの頃です。
本年3月には、ドラックストアやスーパーの店頭からマスクが消え、一日中マスクに関する報道が流れ、国会でもマスクの供給不足に対する政府の対応を非難する質問が続き、マスク供給のためにあらゆる手を尽くせと責め立てられる状況でした。全国民が一斉にマスクを買い求めるというこれまでに経験したことのない爆発的な需要増の一方、中国からの輸入が全く見通せないなかで、1億枚という規模の目標が形成されていきました。
そもそもマスクの材料となるガーゼは中国でしか生産しておらず、ガーゼの国内在庫も殆ど存在しない状況でした。
このため、国内で供給できる布マスクは、せいぜい1万枚から多くても10万枚のレベルで、およそ1億枚といった規模には届かない状況でした。仮になんとか国内に材料となるガーゼを持ち込んでも、布製マスクを縫製する設備(ミシン)や人員を揃えることも困難な状況でした。現在でも、「布製マスクを作るなら日本で生産すべきだ」との意見も多いのですが、国内の生産設備の殆どが不織布を用いた使い捨てマスク用の機械装置です。
今年3月時点で、海外で1億枚規模のマスク用ガーゼを調達するネットワークを有し、布製マスクを材料の調達から裁断、縫製、検品、袋詰めまでを一貫して行える企業は、興和しかありませんでした。
ただ、興和単独では1億枚規模の生産は困難であったため、中国で縫製関係の業務経験のあった伊藤忠とマツオカコーポレションの協力を得て生産体制を構築したものです。
当初、これら3社からは、4月末までに1億枚の生産など到底無理だと言われましたが、日本の窮状を救うためにあらゆる手を尽くして目標を達成して欲しいとお願いしました。結果、ベストシナリオで約9千6百万枚まで積み上げ、1億枚規模の目標達成の可能性ありとして、直ちに材料の確保、製造ラインの立ち上げをスタートしていただきました。
4月末までに1億枚規模の生産を行うために、興和だけでも中国において約20カ所の縫製工場と約1万人の縫い子と検査要員を確保しています。
これには、興和が中国に有する様々なネットワークを駆使して、尋常でないスピードでこの体制を整えたと聞いています。伊藤忠やマツオカコーポレーションも独自のネットワークで東南アジアの国々に縫製工場と人員を確保し、生産を行っています。
これだけの人員を集めても、縫い子さん1人当たり1万枚ものマスクを縫製する必要があり、24時間体制での生産を行っています。各工場で一定量生産が進んだ段階で検品・梱包し、直ちに航空機で日本に運ぶといったオペレーションになっています。
<なぜ、不良品が発生したのか>
当初、興和からは「興和の名前が出る以上、従来通りの国内検品を行うのでなければこの仕事は引き受けられない」と強く言われました。しかし、興和の国内検品は、一旦全てのマスクを一か所の検品施設に集め、1ミリ程度の縫い目や折り目のずれ、布のほつれも不良品として弾いてしまうというレベルの対応です。このため従来どおりの国内検品作業を行っていたのでは目標の半分も達成できない可能性があり、緊急避難的な対応として現地検品を基本とするオペレーションに変更してもらいました。
日本に持ち込んだ後は、配布準備段階で最終チェックを行うのですが、ここでのチェックをすり抜けた不良品が利用者の手元に届いてしまったことは誠に申し訳なく思っています。また、自治体によっては、こうした作業を保健所に依頼したことで、保健所職員の作業を増やす結果になったことも反省点として認識しています。
ちなみに、特定の医療用マスクを除き、マスクに対する国際的な品質基準は存在しません。また、国内におけるマスクの業界団体が出している品質基準もホルムアルデヒドの検出基準が示されているだけで、各社毎の自主基準による検品が基本となっています。
不良品の報道を受けて、現在では事業者においても自主的に国内検品を実施していただいているところです。「受注した以上、企業は完璧な製品を届けるのが当然だ」といった意見はもっともですが、それはあくまで平時における常識で、緊急事態の対応にまでこれを要求することは酷だと思います。それ故に、これを補う形で国が改めて検品を行っているのですが、この費用に国費を充てるのは問題だとの意見が寄せられているのが現在の状況です。
<なぜ、配布が遅れているのか>
4月末までに1億枚の布マスクを生産して国内に持ち込むというのは、元々極めて厳しい目標でしたが、緊急事態ということで各社全力で取り組んでいただきました。しかし現実には、急遽集めた1万人に及ぶ縫子さんの教育から始まり、中国国内での物流の障害(企業活動の制限)、更には中国政府によるマスクの輸出規制によって通関で止められるなど次々に問題が発生しました。
しかも入国制限によって、これらの問題を解決するための職員を中国に派遣することができません。大使館の協力も得ながらなんとか通関を突破しても、日本へ運ぶ航空機の確保ができないといった状況にも見舞われました。生産、物流、通関等々、二重三重の障害を乗り越えて国内に持ち込む中で、スケジュールが後ろ倒しになる状況が続いてしまいました。
これに加えて、今般の不良品問題の発生によって、メーカーが全量回収の上国内検品を行うとともに、更に万全を期すために国による検品も行っているために、配布スケジュールにしわ寄せが生じる結果となっています。
<最後に>
現在も、関係者の尋常ならざる努力によって布マスクの生産・調達が続いています。国民のマスク不安を解消するための布マスクの生産・調達でしたが、状況が落ち着くにつれて、「量、スピード、品質」全てに完璧が求められるようになりました。まだ全体のオペレーションが終了していませんが、こうした一連の作業の結果、事業者にとっては大きな持ち出しになることを懸念しています。興和では今も職員を総動員して布マスクの検品作業を行っています。
また、現状では不良品や国による検品費用ばかりに議論が集中し、こうした布マスクの取り組み自体が全て失敗であったかのような議論がなされているのは誠に残念なことです。特に、日本の危機的な状況を救うために協力してくれた事業者が、結果的に社会的批難を受けることがあってはならないと感じています。また、日本のために今も昼夜に亘って布マスクを製造してくださっている1万人を越える海外の縫子さん達のためにも、是非事実を知っていただきたいと思い、筆を執りました。
もちろん、だからといって不良品が許されるわけではありません。現在検品には万全を期していますが、万が一不良品が届いた際には速やかに交換させていただきますのでご協力をお願いします。その上で、不良品の状況はきちんと確認・評価し、今後の反省材料にしてまいります。
なお、まだ一部の方々にしか届いていない布マスクですが、実際に手にされた方からは良い評判もいただいております。新型コロナウイルスへの対応は長丁場になる可能性が高いと言われています。是非、多くの方々の努力によって届けられる布マスクをご活用いただき、この災禍を乗り越えていただきたいと思います。よろしくお願い致します。(令和2年5月18日)
江崎 禎英
2020年5月21日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 http://medg.jp
新型コロナウイルスへの対応のなかで、その危機のシンボルのように扱われてきたマスク。ここに来て仮設店舗や飲食店などでも50枚入りが一箱2000円前後で販売されるようになり、ひと頃のようなマスク不足の状況は改善しつつあります。
そうした中で、政府が実施している一世帯2枚の布マスクの配布について、これを疑問視する意見が増えています。配布されたマスクに髪の毛や糸くずが入っていたり、カビと思われる変色したマスクがあったとの報道を耳にされた方もいらっしゃるでしょう。問題のあるマスクは速やかに交換する対応を行っているところですが、実際に手にされた方に不安と不信感を与えてしまいましたことは、心からお詫び申し上げたいと思います。
布マスクを巡る一連の対応への批判は、政府としてこれを真摯に受け止めるのは当然です。しかしながら、実際にマスクを製造した事業者にも厳しい批判の目が向けられていることは、この作業をお願いした立場にある者として誠に申し訳なく思っております。今後市場に出回るマスクの供給量が増え、マスク不足に対する危機感が薄れるにつれて、今般の布マスクの生産に携わった事業者に対していっそう厳しい目が向けられる可能性があります。緊急時の対応が平時の基準によって評価されることは往々にしてあり得ることですが、懸念すべきは、そうした評価が広がることによって、今後、国の緊急事態に協力しようとする企業が現れなくなってしまうことです。
先日の国会審議の中では、「政府が配る布マスクはその大半が不良品であり全て廃棄すべき」といった趣旨の議論が展開されたため、その経緯を理解していただくために、質疑に割り込む形で答弁をさせていただきました。しかし、私の答弁は通告された質問に答えるものではなかったために、怒号と叱責の中で十分にお伝えすることができませんでした。そこでこの場をお借りして、多くの方の疑問にお答えする形で、その背景と経緯について書き記しておきたいと思います。
<なぜ、布マスクだったのか>
再利用を前提とした長期間使用可能な布製マスクを大量に生産・調達することによって需給ギャップを埋め、使い捨てマスクを医療関係者等に優先的に回せる環境を整えようとしたのが、布マスクに取り組んだ最大の理由です。
本年1月頃から、それまで国内供給の8割程度を占めていた中国からのマスクの輸入が途絶え、マスクの品薄状態が始まりました。このため2月にはマスクを求めて早朝から店舗の前に行列ができる状況となり、国会等でもマスクの供給を増やせとの指摘が相次ぎました。2月下旬には、マスクの買い占め防止のためにネットオークションの自粛を求めると共に、国内生産設備の増強を含めた供給量拡大に取り組みました。
しかしながら、当時の国内におけるマスクの供給能力は月産4億枚程度であり、その殆どが不織布を用いた使い捨てタイプでした。国内生産力増強のための補助金に応募した企業も全て不織布を用いた使い捨てマスク用の設備投資でした。この頃、感染症の専門家などからは、使い捨てマスクの再利用を行うべきでない旨の見解が出されており、需給ギャップは拡大の一途を辿るおそれが生じていました。
このため、ハンカチやキッチンペーパーによる手作りマスクなど、使い捨てマスク以外の対応を考える中で、政府としてたどり着いた結論が、ガーゼマスクでした。かつて小学校などで給食当番の際に使っていたガーゼマスクは、洗濯して何度も利用されていました。そこで「健常者による飛沫感染に対する予防としては、手すりやドアノブなどに触れた手で自らの鼻や口に触れないことが重要との観点から、布マスクによっても有効な対応は可能である」と医療関係者に確認し、布マスクの生産・調達プロジェクトはスタートしました。
<布マスクは何時までにどれくらいの量を調達しようとしたのか>
「マスクが手に入らないことに対する国民の不安を軽減するためには、繰り返し使用できる布マスクを来月(4月)末までになんとか1億枚規模で調達できないか」というのが当時の認識でした。私自身がこの布マスク生産・調達プロジェクトに参画し、事業者との調整に携わったのはまさにこの頃です。
本年3月には、ドラックストアやスーパーの店頭からマスクが消え、一日中マスクに関する報道が流れ、国会でもマスクの供給不足に対する政府の対応を非難する質問が続き、マスク供給のためにあらゆる手を尽くせと責め立てられる状況でした。全国民が一斉にマスクを買い求めるというこれまでに経験したことのない爆発的な需要増の一方、中国からの輸入が全く見通せないなかで、1億枚という規模の目標が形成されていきました。
そもそもマスクの材料となるガーゼは中国でしか生産しておらず、ガーゼの国内在庫も殆ど存在しない状況でした。
このため、国内で供給できる布マスクは、せいぜい1万枚から多くても10万枚のレベルで、およそ1億枚といった規模には届かない状況でした。仮になんとか国内に材料となるガーゼを持ち込んでも、布製マスクを縫製する設備(ミシン)や人員を揃えることも困難な状況でした。現在でも、「布製マスクを作るなら日本で生産すべきだ」との意見も多いのですが、国内の生産設備の殆どが不織布を用いた使い捨てマスク用の機械装置です。
今年3月時点で、海外で1億枚規模のマスク用ガーゼを調達するネットワークを有し、布製マスクを材料の調達から裁断、縫製、検品、袋詰めまでを一貫して行える企業は、興和しかありませんでした。
ただ、興和単独では1億枚規模の生産は困難であったため、中国で縫製関係の業務経験のあった伊藤忠とマツオカコーポレションの協力を得て生産体制を構築したものです。
当初、これら3社からは、4月末までに1億枚の生産など到底無理だと言われましたが、日本の窮状を救うためにあらゆる手を尽くして目標を達成して欲しいとお願いしました。結果、ベストシナリオで約9千6百万枚まで積み上げ、1億枚規模の目標達成の可能性ありとして、直ちに材料の確保、製造ラインの立ち上げをスタートしていただきました。
4月末までに1億枚規模の生産を行うために、興和だけでも中国において約20カ所の縫製工場と約1万人の縫い子と検査要員を確保しています。
これには、興和が中国に有する様々なネットワークを駆使して、尋常でないスピードでこの体制を整えたと聞いています。伊藤忠やマツオカコーポレーションも独自のネットワークで東南アジアの国々に縫製工場と人員を確保し、生産を行っています。
これだけの人員を集めても、縫い子さん1人当たり1万枚ものマスクを縫製する必要があり、24時間体制での生産を行っています。各工場で一定量生産が進んだ段階で検品・梱包し、直ちに航空機で日本に運ぶといったオペレーションになっています。
<なぜ、不良品が発生したのか>
当初、興和からは「興和の名前が出る以上、従来通りの国内検品を行うのでなければこの仕事は引き受けられない」と強く言われました。しかし、興和の国内検品は、一旦全てのマスクを一か所の検品施設に集め、1ミリ程度の縫い目や折り目のずれ、布のほつれも不良品として弾いてしまうというレベルの対応です。このため従来どおりの国内検品作業を行っていたのでは目標の半分も達成できない可能性があり、緊急避難的な対応として現地検品を基本とするオペレーションに変更してもらいました。
日本に持ち込んだ後は、配布準備段階で最終チェックを行うのですが、ここでのチェックをすり抜けた不良品が利用者の手元に届いてしまったことは誠に申し訳なく思っています。また、自治体によっては、こうした作業を保健所に依頼したことで、保健所職員の作業を増やす結果になったことも反省点として認識しています。
ちなみに、特定の医療用マスクを除き、マスクに対する国際的な品質基準は存在しません。また、国内におけるマスクの業界団体が出している品質基準もホルムアルデヒドの検出基準が示されているだけで、各社毎の自主基準による検品が基本となっています。
不良品の報道を受けて、現在では事業者においても自主的に国内検品を実施していただいているところです。「受注した以上、企業は完璧な製品を届けるのが当然だ」といった意見はもっともですが、それはあくまで平時における常識で、緊急事態の対応にまでこれを要求することは酷だと思います。それ故に、これを補う形で国が改めて検品を行っているのですが、この費用に国費を充てるのは問題だとの意見が寄せられているのが現在の状況です。
<なぜ、配布が遅れているのか>
4月末までに1億枚の布マスクを生産して国内に持ち込むというのは、元々極めて厳しい目標でしたが、緊急事態ということで各社全力で取り組んでいただきました。しかし現実には、急遽集めた1万人に及ぶ縫子さんの教育から始まり、中国国内での物流の障害(企業活動の制限)、更には中国政府によるマスクの輸出規制によって通関で止められるなど次々に問題が発生しました。
しかも入国制限によって、これらの問題を解決するための職員を中国に派遣することができません。大使館の協力も得ながらなんとか通関を突破しても、日本へ運ぶ航空機の確保ができないといった状況にも見舞われました。生産、物流、通関等々、二重三重の障害を乗り越えて国内に持ち込む中で、スケジュールが後ろ倒しになる状況が続いてしまいました。
これに加えて、今般の不良品問題の発生によって、メーカーが全量回収の上国内検品を行うとともに、更に万全を期すために国による検品も行っているために、配布スケジュールにしわ寄せが生じる結果となっています。
<最後に>
現在も、関係者の尋常ならざる努力によって布マスクの生産・調達が続いています。国民のマスク不安を解消するための布マスクの生産・調達でしたが、状況が落ち着くにつれて、「量、スピード、品質」全てに完璧が求められるようになりました。まだ全体のオペレーションが終了していませんが、こうした一連の作業の結果、事業者にとっては大きな持ち出しになることを懸念しています。興和では今も職員を総動員して布マスクの検品作業を行っています。
また、現状では不良品や国による検品費用ばかりに議論が集中し、こうした布マスクの取り組み自体が全て失敗であったかのような議論がなされているのは誠に残念なことです。特に、日本の危機的な状況を救うために協力してくれた事業者が、結果的に社会的批難を受けることがあってはならないと感じています。また、日本のために今も昼夜に亘って布マスクを製造してくださっている1万人を越える海外の縫子さん達のためにも、是非事実を知っていただきたいと思い、筆を執りました。
もちろん、だからといって不良品が許されるわけではありません。現在検品には万全を期していますが、万が一不良品が届いた際には速やかに交換させていただきますのでご協力をお願いします。その上で、不良品の状況はきちんと確認・評価し、今後の反省材料にしてまいります。
なお、まだ一部の方々にしか届いていない布マスクですが、実際に手にされた方からは良い評判もいただいております。新型コロナウイルスへの対応は長丁場になる可能性が高いと言われています。是非、多くの方々の努力によって届けられる布マスクをご活用いただき、この災禍を乗り越えていただきたいと思います。よろしくお願い致します。(令和2年5月18日)
それこそみんな変に厭世ぶってないってことじゃん
今時「いやw俺のタイムラインにはあんなのに騙された奴いねえからw」とか言ってる奴いたらやっぱバカじゃん
だからどっちでもいいのよ、今更アベちゃんに不満が溜まってこんな騒ぎをしてようが、お友達に誘われたまんまでよくもわからずはしゃごうが
対抗して変なタグでおちょくろうが、流石にそこは踏み外してませんか?のラインが大体のタイムラインで認識出来たんだから
「安倍総理は頑張ってる!すごい!現人神!」なんて言ってる馬鹿でも「政治とかキョーミねーしw 誰がやっても同じっしょw また工作で騒いどるわw 」って言うタイプでもなく
『あーあー、なるほど、それは不味いだろうね。安倍さんの時代には上手く出来てても、勘違いした野党が勘違いした政権してもっととんでもになっちゃうからね』とかいう発言が並んでるだけマシ
#付けて例のタグ呟いてるだけの人は多分テレワークついでのお仕事でやってんでしょ、今回の場合あまりにも『そんなこと言いそうに無い人達』が言い出した為騒然となったけど。
でも以前から兆候はあったしね、小泉今日子とかがまるで芸能界のドンみたいな面して「安倍総理は芸能界を敵に回した!」とか言ってんの、ウケる〜お前らが一番の敵なのになんでそれを改めて表明するんだよ〜
お前ら水商売の沸騰したらすぐ消えるタイプのクズたちは好き勝手に今までの総理や政治家を馬鹿にしてきたじゃないか、それなのに『芸能界は政治の敵じゃなかった』だと?
もっと基本に立ち返れよ、一生懸命政治してるのを笑うお前の仕事はどんな仕事だと思われてるんだ?そして自分の政治信条だけは正義でいられると思っていたのか?
敢えて言おう、今回の出来事は歴史的惨敗に終わると、芸能界の政治のせの字もわからん馬鹿を主導にして本当にダメな部分を指摘しているのに安倍をクビにすることが出来なければ、これはただの敗退ではなく歴史的な大敗になると。
そして歪んだ安倍政権は更に異様な形を取ることになり、また民主党シンパが解体されてしまうと
どれだけ確定的な情報を持っていても、どれだけ安倍晋三の悪行を掴んでも、どれだけ現政権の非効率さを否定しても
この足並みではお前らは現在の裏切られ尽くしてもう戦うことを恐れてしまった民衆達の関心を引くことは出来ないと
だから一つずつしっかりと証拠を掴んで真綿で首を絞めるような格闘戦をするしかなかったのに、その真綿に変なハッシュタグを付けて、本来の用途で使わせなかったばかりに負ける。
これから多くの賛同した連中があまりにもお粗末な理由で賛同を取り消すだろう
本当に貫きたい主張なら三権分立を守れなどではなく、ただの説明責任への追及で終わったはずなのに
これでは与党が「こんなんで三権分立は崩れませんよ」って言ったら終わりではないか。いや終わるのか。終わってしまうんだよなぁ。
与党の中に疑問視する奴もいるだろうに、それを仲間に入れるでもなく、ただ自分達のストーリーを展開して終わるじゃあないか。
誰もちゃんと説明しないから。デカいプロパガンダの下で暴れられると思ったらあまりにもしょうもなくわかりづらい理由だから暴れられないではないか。
だがまぁ、この時期なら、仕方ないかなぁと思う。
コロナの騒動も収まらずに、仕事もまともに出来ないままで、政府の話をまともに聞いていたらずっと孤独のままの状態を続けていかなければならなくなるから
それとも、もしかしたらあと2、3年後に安倍が辞める時に勝利宣言をするために始まったことかもしれない。
あの時、あの夜みんなで立ち上がったから悪の総理は潰えることとなったと。
でも私はそんなことで喜んでいる人を見て微笑むのだ
「いや何年前の話だよ」とほくそ笑むのだ
感染拡大後、HPに「訪日歓迎」 安倍首相の春節祝辞削除 外務省
祝辞で首相は、春節の連休期間(一月二十四~三十日)と、夏の東京五輪・パラリンピック開催時の訪日を要請。「多くの中国の皆さまが訪日されることを楽しみにしています」と呼び掛けていた。連休初日に祝辞をHPに載せると、これを疑問視する書き込みがネット上に相次ぎ、外務省は三十日に削除した。
政府筋によると、祝辞は新型ウイルス感染が表面化する前に作成。当時の段取りに基づきHPに掲載した。習近平・中国国家主席の国賓来日へ友好ムードを盛り上げたい首相の意向を踏まえた対応だったとみられる。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/202002/CK2020021502000266.html
https://hyperlapse.zendesk.com/hc/en-us/community/posts/360042777433-01-04-2020-Ничто-не-случается-дважды-2-сезон-5-серия-смотреть-качество-HD-
https://hyperlapsepro.zendesk.com/hc/sos/community/posts/360042565774--Ничто-не-случается-дважды-2-сезон-7-серия-01-04-2020-качество-HD-
https://hyperlapsepro.zendesk.com/hc/sos/community/posts/360042770553--Солдатки-3-серия-01-04-2020-в-хорошем-качестве-
https://hyperlapse.zendesk.com/hc/en-us/community/posts/360042774993-01-04-2020-Паромщица-9-серия-хорошее-качество-смотреть-
https://hyperlapse.zendesk.com/hc/gol/community/posts/360042773453--Карпатский-рейнджер-21-серия-01-04-2020-смотреть-в-хорошем-качестве-от-1-апреля-
https://hyperlapse.zendesk.com/hc/sos/community/posts/360042568614-01-04-2020-Паромщица-5-серия-смотреть-бесплатно-в-хорошем-качестве-
https://hyperlapse.zendesk.com/hc/sos/community/posts/360042570954--Паромщица-3-серия-01-04-2020-смотреть-качество-HD-от-1-апреля-
https://hyperlapse.zendesk.com/hc/sos/community/posts/360042774493-01-04-2020-Паромщица-5-серия-смотреть-в-хорошем-качестве-от-1-апреля-
https://hyperlapse.zendesk.com/hc/gol/community/posts/360042567374--Место-под-солнцем-34-серия-01-04-2020-в-хорошем-качестве-от-1-апреля-