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2019-12-19

山口敬之強姦事件刑事民事で逆の結果が出たワケ

山口敬之民事敗訴の件で刑事と違う結果になったがO.J.シンプソン事件そっくりだ。

この事に混乱している人が見られるが、これは法の「仕様」上正常な動作なので少し説明したい。

 

刑事民事では証明責任のあり方が違うのが原因だ。

それに伴い「黙秘」「自白」の扱いも違ってくる。

 

まず、刑事事件で訴えられた者を「被告人」といい、民事事件では「被告」という。両者の混同も多い。

この刑事裁判では、被告人有罪である証明するのは全て検事(国)の責任だ。

更に「相当程度明らかに」まで証明しなきゃいけない。「どっちかというと有罪かな」という程度じゃ駄目なのだ。「こりゃほぼ間違いなく有罪だろ」ってぐらいじゃないと有罪にならないというのがルールなのである

から被告人としては検事の主張や事実摘示に「疑いがある」程度まで崩せればいい。その場合無罪判決となるというのがルールなのだ

 

一方民事事件では請求(金払えとか広告掲載しろとか事実だと認定しろとか)にしろ、それへの被告反駁しろ自分利益、主張には自分方に証明責任がある。

相手方の主張に証拠を出して上手く説明できない場合相手方の主張が通るのだ。

更に証明の程度は半分を超えていればいい。つまり「どっちかというと原/被告の方が正しいな」という程度で勝ち負けが決まるのである。つまり民事裁判は天秤掛けなのだ

 

その為、自白の扱いも違う。

刑事では罪を認めた、警察検察が適示した犯行事実を認めた事が自白となる。

一方民事は「~~という主張がなされていますが認めますか?」と問われて「認めます(認諾という)」と答える事と、「主張を否認しなかった事」が自白となる。

認諾すると答える事も否認しない事も証明責任放棄で同じ事だからだ。

刑事での黙秘被告人不利益にならないが、民事での黙秘相手方の主張の全面的な認諾となるのである

 

予断だが刑事での黙秘でも万能だと誤解されている向きがある。

黙秘するって事は言いたくない可能性が高い。→「だからそれってやったって事だろ?」という推定をしてはいけないというのが黙秘権の権能の一つだ。

この黙秘により出来た「被告人自白が無い」という穴を埋めるのも検事責任だ。

またやっていないアリバイがある、止むを得なかったので情状酌量して欲しい、という主張まで放棄する事になる。

からこの点まで黙秘してしまうのは被告人不利益となるのは論を俟たない。

 

有名フットボールプレイヤー俳優のO.J.シンプソンが恋人とその浮気相手を殺した事件でもOJは刑事無罪になったが民事では殺人認定され天文学的賠償金支払を命じられる事になった。

これは刑事証拠が全て否定されたからで、

事件担当刑事が強いレイシストだった(OJは黒人)

・この刑事証拠捏造していた

法廷犯行現場に落ちていた手袋をOJの手にはめようとしたらきつくて入らなかった

などで、証拠採用出来なくなってしまった。

すると「どうみてもOJが犯人だろ」という状況証拠しかなくなってしまう。この疑いが残る状態有罪としてはいけないというのが法の精神なので無罪となったのである

だが民事では「こいつヤッただろ」を覆すのも被告責任であり、合理的疑いを生じさせただけじゃ駄目なのだ

刑事民事証明責任の違いで、民事では天秤が傾いている方の勝ち、刑事では重い方が地面にぺったり付いてなくて少し浮いてゆらゆらさせれば被告人の勝ちなのである

100kgの錘に対して101kgを用意して自分の手で天秤に持上げないといかんのが民事、0.5kgでちょっと浮かせりゃいいのが刑事だ。

この中間にある事例ではOJや山口敬之強姦事件の様な逆転が起こり得、それは法の仕様だ。

 

こうなっているのは無論刑事事件国家vs.個人という特殊状態であり身柄の拘束もあり得、捜査能力も段違いだからである

尚、国家vs.人でも行政訴訟民事ルールに則っているので注意が必要だ。

また、刑事事件ニュースドラマになりやすいが民事はそうではない。

だが社会生活上では一般には民事のほうが身近だ。

その為司法に疎遠な人の間では刑事事件モデルが想起されやすアジェンダ化しやすいという特徴があり、はてなでもそれが顕著だ。

 

ついでなので山口敬之強姦事件の不起訴についても触れよう。

そもそも何故逮捕取りやめという介入があったかといえば、「証拠収集放棄」の為だ。

日本警察自白偏重であり逮捕して自白調書をとろうとした。これを停止させれば決定的な証拠がなくなるから裁判所では有罪としにくいのである

起訴便宜主義検察には起訴するかどうかの裁量権がある。

この為、無罪判決が出る可能性がある事件では起訴猶予とする事が一般的だ。

逮捕取止めはこれを狙ったものだ。本人自白調書が無い事件公判維持は困難だ。こうする事で警察から検察の行動を制御できる訳だ。

 

戦前警察検察のいいなりとなる義務があった。

だがこれが昭和検察ファッショを招いたと問題視したGHQ警察に一次捜査権を与えた。検察管制からある程度独立捜査する権能を警察に与え、検察の権能を限定化したのである

それは汚職検察ファッショを防御する為にそうしたのであり、こういう事をする為ではない。

起訴便宜主義警察の一次捜査権の脆弱性を利用した悪質な制度ハックだ。

そしてこの事件逮捕中止を命じた中村格氏は順調に出世して現在警察庁長官官房長であり年齢からしてまだ10年はキャリアの残りがある。

この事件は全世界でも報道されており、各国のメディアが注目しているのはこの政治的スキャンダル性だ。

こういう有名事件キーパーソンとして周知のトップの下で全国の警察官はこの先働くのだがどうすんのこれ?

 

 

 

更についでに、ブクマ見ると散見される誤解だが、

 

最高裁まで争うと安倍総理が任命した判事が居るから伊藤氏不利云々

 

最高裁法廷を開く事件限定されます基本的憲法判断が無いと審理しないと思ったほうがいい。

事実審は高裁までで、最高裁事実の審理はしないです。

から高裁判決がそのまま決め手になるでしょう。

あと、人事権に注目した方がいい。

裁判所内閣から人事権独立させている。これは大変重要なことで、人事権を掌握されると無言の圧力で利害が誘導されるのです。

そして内閣人事局を設立しなきゃこの事件しろ内閣府の職員公選法違反有権者への飲食提供などに従事するなんて常識外れな行動も起こりえなかった。

から裁判所判断で「総理への忖度が~」とか言ってる人は人事権問題理解してないと思うよ。

 

因みに事件事実が明らかでも不起訴となるケースは結構多い。特に強制わいせつ強姦では。

それはこれらでは謝罪示談の成立があれば罪を課さない為に起訴猶予とする事が多いからで、このように被害者が争っているのに不起訴というのは異例というか相当に異常な事例と言って良い。

 

最後マスコミへの不満なんだが、警察空港で張っていた(そこへ逮捕中止の掛電)という事は、警察TBSに聞き込みで社に発覚→TBSが降格人事で帰国命令警察帰国の日時を聞き出して逮捕請求という流れがあったと見るのが自然だ。

なのにTBSはその事情を知っていたかコメントしてないしマスコミ突っ込みいれて訊いていない。

更に山口敬之TBS退社の理由を「韓国軍慰安所取材のせい」と述べているのだが、実はこの退職理由を言う様になったのは夕刊フジがそのストーリー韓国叩き記事掲載した後なのだ

「なんでそれ以前の説明と変ったのですか?」は意地悪な質問であろうがマスコミは訊いていない。

突っ込み力が足りないですよ。

[]日本裁判三審制から地裁判断高裁でひっくり返るかもよ? っと当たり前の事実を述べるだけでもハラスメントになるってマ?

真理省って既に設立されてたんだっけ?

2019-12-16

事務次官は一審では執行猶予なしの懲役になるけどニシン高裁無罪

一発目はニートを殺しただけで懲役5年という重罪にして、庶民が忘れたころに高等裁判所執行猶予無罪にする

母子を殺した巡査事件も同様の結末になるだろう

2019-12-11

殺人って社会に貢献している人ならやったところで微罪なんだろ

息子の妻を埋めた美人母に高裁は「懲役6年」減刑 https://bunshun.jp/articles/-/18100

被害者潔癖症で付き合わされるのに頭に来たら殺していいんだろ

新幹線で暴れた小島普通の日本人が許せないのは無職からだろ

結婚してなくて納税額が低い人は殺人ライセンスを持っていない

2019-12-05

anond:20191205223133

そうだな

地裁廃止して一審を高裁にして、二審を最高裁、二審しかないと不安から三審を新設する超最高裁担当することにすればよくない?

2019-11-29

5万で済んだのに控訴するのか(苦笑)

起訴になったとは言え、逮捕されて拘留されている訳だからコメでも言われている様に真実相当性の立証をする方が事実上不可能に近いよなとは私も思う。

しかしこれ自体記事にも書かれている様にこの弁護士の行動自体侮辱行為に当たる事は事実であり、それでまだ5万円の賠償命令で済んでいるにも関わらず、納得できないか控訴するとか言っている時点で、どこまでもこの人達他罰的な思想の持主なんだなと言う事が良く判るよ。

あの界隈、この弁護士と言い、宇崎ちゃん献血ポスター騒動等でいつもネットで火をつけているあの弁護士と言い、この手の人間しかいないのかなといつもながら思わされるよ。

どちらかと言えば、この弁護士自体元祖みたいなものだけど(苦笑)

しかし昨今少し前の炎上したあの弁護士と言い、弁護士と言う職業自体世間から信頼性が徐々にではあるが、確実に低下している様に思うよ。

弁護士自身の行動によってね。

2019-10-19

裁判所は『絵だからよりダメ』という立場ではない

1.わいせつ図画頒布罪が保護するのは『健全な性道徳である

 わいせつ図画頒布罪という犯罪刑法175条で定められている。現在日本には、たとえゾーニングされた場所大人相手しか売っていなくとも罪になる物がある。裏ビデオはその代表的存在だ。

この法律は何を保護しているかと言うと、そのような性的作品を見て不快になる人の見たくない権利…ではなく、最低限の性道徳である増田はこの解釈に激しく異論があるのだがとりあえず現時点ではそうなっている)

必ずしも件のポスターをめぐる問題と同一視することはできないが、『作品社会的影響力』を問題にしている点は共通している。

そして、チャタレー事件最高裁判決で『平均ではなく、あくまで最低限』の性道徳基準とすること、四畳半の襖の下張事件判決で『その時代健全社会通念に照らして』つまり、その最低限は時代に応じて変化し得るという判決が出ている。

これらの判決を覆すような判例2019年10月現時点では出ておらず、現在有効である

なお、ここで言うわいせつ図画のわいせつ性の基準は(※1.いたずらに性欲を興奮又は刺激し、2.かつ普通人の正常な性的羞恥心を害し、3.善良な性的道義観念に反するものをいう)というのが大枠としてチャタレー事件で示された。(増田漢字・かな遣いを現代に合わせ修正した部分あり)

(余談)

そして、現在の『最低限』の基準性器修正しているかであるAV写真集エロマンガエロゲーその他の18禁コンテンツ共通して、男性器と女性器は修正しなければならない。

いっぽうで、乳房肛門などはモザイクが無くとも18禁コンテンツとしては流通できる。

『どの程度修正しなければならないか』の線引き上でAV自主規制団体出版社はしばしば攻防を行っているが、古典芸術ダビデ像などの古典彫刻春画など)や医学書(言うまでもない)を除けばこの原則ヘアヌード以降共通している。

さらに余談だが、AV女性器内を内視鏡で見るシーンなどではある程度中に進むとモザイクが外れているのでどうやら基準は外性器らしい。

2.絵の影響力

実写の写真文章理論上は取り締まられる可能性がある)ならともかく、エロマンガはそこに含まれるのか、を巡って2002年松文館という出版社幹部エロマンガ家が逮捕された。

その事件に対して高等裁判所は『(エロ)マンガであっても(上述したような)健全な性道徳保護するためにはわいせつ図画頒布罪は適用される』とした上で『しかしながら、マンガわいせつ性(上述の要件)は実写に比べ相当に低いので量刑は減らす』という判決(意訳)が出され、2007年最高裁判決でも高裁判決が支持された。

まり、少なくとも性道徳に与える影響に関する限り、裁判所は『実写>(越えられない壁)>漫画』という認識である

2019-10-14

治水について

追記

とても勉強になるまとめをみつけたのでお知らせしたい。

岐阜大の先生が今回の災害を振り返っている。

どういうわけかうまくリンクを貼れないが、ここ→ www.green.gifu-u.ac.jp/~bhdlab/?p=1391

以下、増田駄文。大変不勉強で、特定の方々をディスったりして申し訳なかった。こんなものをみる無駄時間節約してほしい。

ーーーーー

台風19号治水の大切さについていろいろと考えさせられた。

実は、恥ずかしながら、治水ことなど今まではっきり考えたことはなかった。

休日で暇だったのが幸いして文献を読みまくることができた。

一部、ツイッターなどでは事実上運転を開始した八ッ場ダムが2日間で満水にしたこと

利根川洪水を防いだのではないか話題になっている。

何が税金の無駄だ…台風19号 「八ッ場ダム」賞賛の声が相次いでいる – ジャストニュース

ガンダムになぞらえるなど、まるでヒーローのような扱いだ。へー、ダムってすごいんだな、と思った。

それに対して、冷静な反論も多く見られた。いわれてみれば、

利根川水系の治水対策は、八ッ場ダムけが頼みの綱だったわけではないし、むしろ未完成現在では既存利根川流域の治水計画範囲外のはずだ。

台風接近中、いろいろ文献を読んでみた。日本治水というのは、思ったより興味深いものだった。

数々のツイッターが注意しているように、今回の台風19号八ッ場ダム治水効果技術的な検証を待ってから、というのはその通りだと思う。満水したからといって大騒ぎするのは早計。

一見すると冷静っぽいけど、乱暴反論もあった。

Spica on Twitter: "そもそも論として、八ッ場ダムは利根川水系全体のダム貯水量の何%を占めるのか、八ッ場ダムの貯水量を利根川の流域面積で割るといくつになのか(=防いだ水面上昇量)、という定量的な視点なしに「八ッ場ダムが利根川を救った!」という単純な物語に収束していくのが危険で滑稽 https://t.co/IGUM0RUJCc"

とかね。

百歩譲って、流域全体に均一に雨が降るという前提なら成り立つんかね??定量的って、、、、全く。

そのなかでも、ちょっと気になったのは、以前より長い間、八ッ場ダム反対運動をしてきていると思しき人たちのツイッターブログの書きぶり。

あしたの会とかそんなやつ。以下、「彼ら」。

ひとことでいうと、彼ら、存在しない夢の総合治水像ですべての物事を語っている印象だ。しか上記ツイッターと同レベル科学を装っているから始末にわるい。

具体的にもっと違和感を覚えたのは、堤防管理では越水耐性を強化すべきとしている点。

堤防で水際の越水対策をきちんとやっていればダムなど必要ないというわけだ。

一方、国交省は、堤防の耐越水技術確立されていないとして、導入にすら消極的だ。

それに対して、彼らは、いやそれはダム偏重治水だケシカラン!安価で確実なものができるはずだ!ダム派の陰謀だ!と主張。

おおむね、こんな感じ。

応答する論理がぶっ飛んでしまって、彼らは自分だけ左翼っぽい政治闘争のレールに勝手に乗っかってしゃべっていて、

話がかみ合わなくなっている印象だ。

ダム反対派ってこういう感じなのか、、と実感した。今後はそっ閉じかな、と。

少し時間をさかのぼって、昨日の未明のことを話す。読売新聞が、「利根川決壊の恐れ」とのニュース報道した。

国土交通省関東地方整備局によると、埼玉県久喜市栗橋利根川で氾濫危険水位を超え、13日午前3時以降、同県加須市利根川渡良瀬川の合流点で越水し、堤防決壊する恐れもあるという。このため、両市は防災行政無線などで近隣住民避難を呼びかけている。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20191013-OYT1T50008/?fbclid=IwAR3Qx2agzmJXMNhcbSqHfv0ikhreIMAzdALb9YHpsKiUg-hJL24qPzcWqgM

すでに、昨日の時点で、いろいろ文献をあさってて、関東平野治水ちょっとは詳しくなった気になっていたころだった。

決壊すれば、近隣住民避難どころの話ではなく、下流域の春日部市から江戸川区に至るまで広範囲に水没し、カスリーン台風の二の舞になる恐れがある、ということがとっさに分かった。

水位情報確認すると、確かに栗橋観測地点において、氾濫危険水位を超えてじわじわ水位上昇中だった。堤頂から2mくらい下まで水位が来ており、台風強風によるうねり考慮すると、越水が気が気でない状況。

そこで同地点の洪水対策をググってみたら、彼らのウェブサイトがヒットした。

NHKが報道した利根川の決壊を想定した浸水のシミュレーション | 八ッ場(やんば)あしたの会

彼らは、2017年当時、NHK報道した利根川決壊を想定した浸水シミュレーション批判し、次のように主張する。

今回のシミュレーションは、利根川栗橋付近埼玉県久喜市)の決壊で溢れた洪水が、中川農業用水の排水河川)を通して東京都内まで短時間で到達するとしたものです。利根川の氾濫洪水が流下するバイパス中川がなることはあり得ることだとは思いますが、そもそも利根川栗橋付近堤防決壊する危険性がどの程度あるかが問題です。

 栗橋付近から上流の利根川中流右岸および江戸川上流部右岸では、土地を買収して堤防の裾を大きく拡げる首都圏氾濫区域堤防強化対策事業国交省関東地方整備局によって進められています

へー、そうなんだ!やるじゃん、国交省!と安心したのが、彼らの主張を見た最初だった。

ところが、このページの締めくくりに書いてあった文章違和感を覚えた。次のように彼らは締めている。

この事業は浸透に対する堤防安全性を確保することを目的とし、国交省は超過洪水対策ではないとしていますが、これだけの堤防強化が行われれば、決壊する危険性がほとんどなくなることは明らかです。その点で、今回のシミュレーションは前提が現実と遊離した仮想計算といえます

 NHK報道は、利根川栗橋付近で行われてきた首都圏氾濫区域堤防強化対策事業堤防の現況などには触れませんでした。洪水への備えは必要ですが、利根川決壊の恐怖を必要以上に強調する報道は、果たして防災の役に立つのでしょうか。

まず第一に引っ掛かったのは、国交省が同地点で実施した堤防強化事業を"超過洪水対策”ではない、としている点。

超過洪水対策?なんのことを指しているのかわからなかったので、検索してみたら、例の耐越水堤防をめぐるダム反対派と国交省のやり取りがヒットしたというわけだ。

次に疑問を持ったのは、

「これだけの堤防強化が行われれば、決壊する危険性がほとんどなくなることは明らか」

結論づけていることだ。国交省が超過洪水対策じゃないっていってるじゃん??根拠がわからない。

しかも、この記事を読んだのは、国交省がまさに台風19号により栗橋付近での決壊の恐れを警告したニュースをみているときだ。

まり、彼らは国交省堤防強化事業について、越水対策下駄勝手に履かせて、その効果を信じているが、国交省は昨日時点で、すでに堤防強化された箇所において、なおも越水危険を警告した、という構図。

現実と遊離しているのは一体どちらなのか??

さらに、たった今気が付いたのだけど、

http://www.ktr.mlit.go.jp/tonejo/tonejo00552.html

によれば、栗橋付近工事、まだ終わってないか、ほぼ終わったばかりじゃねーか!

2017年に終わってるとか嘘じゃねーか、騙されたぜ。

もうひとつ違和感が残った彼らの主張に、カスリーン台風評価がある。

カスリーン台風襲来時、たまたま運よく吾妻川流域の降雨が少なかったというのが俺の理解だ。

それに対して彼らは、国交省カスリーン台風同程度の台風が来たら被害が大きくなるというが、それは妄想だ、カスリーン台風時でも吾妻川流域は持ちこたえたんだよ、と主張。おおまかにいうと。

これもさっきのツイッターと似て、彼らのお花畑では、流域全体に常に均一に雨が降ってんだろう。

https://yamba-net.org/37932/

これ、朝日新聞朝日新聞で悪い。かみ合うはずがない。

それにしても、彼らは、なぜ、それほどまでに堤防事業を全力で信頼しているのか。その答えは、彼らの思い描く理想総合治水像にあった。詳細は彼らのサイト

大まかにいうと、ダムに過度に依存せず河川改修やソフト対策を中心とした総合治水モデル。へー、脱ダムの主張ってこんな感じなんだと感心。

かに、流域によっては、河川改修の方が費用は少ないという試算を出せる場合もあるだろう。雨水対策や遊水地効果を狙って水を河道から逃がす発想も大切だ。

従来の治水思想は、「貯めて、流す」という言葉表現されるように、「水を河道に封じ込めて人間流量コントロールする」というもの

近年は、彼らになびいたわけではないだろうけれど、ダムを大きな治水の柱としつつも、特に首都圏では雨水対策はかなり充実してきているように思える。

しかし、問題は、近年の気象現象の変化によって増大する大規模水害。この発想でどこまでいけるのか?

一体、どこまでのハザードを国や広域自治体(県)が想定すべきかどうかにも関わってくる。

財政的な現実性を踏まえれば、100年確率検討するよりも、50年、30年確率検討したほうが安価だ。

人命を守ることを優先し、床上浸水は阻むが、場合によっては、床下浸水我慢してもらうといった発想だ。

例えば、2010年に当時の橋下大阪府知事が決定した槙尾川ダム建設中止はそうした費用効果分析に基づいている。

流域を個別にみていけば、最適解はそれぞれ異なるだろう。

比較的規模の小さな流域では、高いコストダムを作って「貯める」中心の治水を行うよりも、むしろ頻度の高い少々の洪水には我慢してもらう、という発想はありうるかもしれない。

なんでもかんでも山河コンクリートで固める時代は確かに終わったと思う。

からこそ土砂災害防止法2001年制定され、避難などのソフト対策へのシフトも謳われた(土砂災害ちょっとジャンルだが)。

しかし、政治的意思決定は、自治体財政的なインセンティブに左右されてしま可能性もあるかもしれない、というのが当時の橋下府政に関する文献をみた印象だった。

そうすると、広域自治体によっては、経済的安価なよりコンパクト治水事業が知らず知らずに選択されかねない。

住民の目からすれば「ちょっと床下浸水くらい我慢してね、あとは自助だよ、自助、逃げろ走れ、だよ」と広域自治体から言われ、

基礎自治体からは、市町村合併して公務員縮小してるところなんで、避難体制整備まで人回せません。。みたいな、ね。

正直、日本中山間地域含む地方は、そんな風に途上国化してもやむを得ない状況だと思っている。

しかし、首都圏洪水から守るという発想は正直、次元が違うというのが、ここ二日間、暇に任せて学んだ印象だ。

総合治水の在り方は、守るべき価値の大きさとのバランスだと思う。栗橋付近決壊で、東京ダウンタウン住民数百万人に、一斉に逃げろ、みたいな構図は、正直ありえない、あってはならない。

国のシナリオでは100兆円34兆円(*訂正)をこえる被害想定も算出されている。

百歩譲って、首都圏を守るための治水事業においても、脱ダムして、河川改修を中心とした対策シフトすべきだ、としても

彼らのように、現実にありもしない堤防越水対策などを謳って独自の想定シナリオ提案し、脱ダム必要性を訴えるのは、行政サイドからは話がズレているとしか思われず、空回りするだけだろうと思われた。

河川改修の重要性、これに異論があるわけではない。例えば新潟三条流れる五十嵐川とか、拡幅工事がなかったら終わってたわけだし。だけどダム否定する論理にはならない。

しかし、議論するなら説得力は相当に必要だ。相手にされなかったときに、やっぱりダム利権が絡んでいるからだ!と政治闘争路線に走るのも彼らのお決まりコースなのが残念なところ。

ドラえもんの道具を謳いたいなら、それは科学論文証明してもらわないと。

科学技術的な論文勝負してもらいたい話を政治の話にすり替えるのは卑怯だし、見苦しい。

そんなことを思いながら、貴重な休日が終盤に差し掛かりつつある。。

+++++

追記その1訂正

首都圏大規模水害の被害想定は34兆円が正解。土木学会が取りまとめた高潮被害混同してました。。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A6%96%E9%83%BD%E5%9C%8F%E6%B0%BE%E6%BF%AB%E5%8C%BA%E5%9F%9F%E5%A0%A4%E9%98%B2%E5%BC%B7%E5%8C%96%E5%AF%BE%E7%AD%96

http://committees.jsce.or.jp/chair/system/files/%E4%BB%98%E9%8C%B23_%E6%B2%B3%E5%B7%9D%E5%88%86%E7%A7%91%E4%BC%9A%E5%A0%B1%E5%91%8A%E6%9B%B8.pdf

追記その2

長くなりすぎるので割愛したけど、調べている途中で見つけた新潟県及び三条市の過去15年年にわたる五十嵐川治水の取り組み、見附市刈谷田川田んぼダムソフトハード絶妙な組み合わせ。素晴らしいものがあると思った。

市町村合併云々のくだりは倉敷市真備町の事例を参考にした。雨水対策は、中堅都市では岡崎市住民参加型の取り組みも興味深く拝見した。

本来このような話を本文で書くべきだったのかもしれないがあしからず

追記その3

「彼ら」含めた原告団最高裁まで争って敗訴決定したのは2015年こと。住民の疑問点は一顧だにされなかったと憤慨されている記事もある。しかし、そのあとにも引き続き、いろいろと従前の主張を繰り返しご発言なさってるという状況は留意しておいてもいいことだと思ってる。治水の話かと思いきや、左翼レッテル張りの記事に見える(個人の感想です - fn7のコメント / はてなブックマークに対するコメントとして。→ええ、そうだよ、思いっきりディスってるよ。

負けたなら黙れっていってるわけじゃないが、高裁判決に対してろくに反論もしてない時点で、キャッチボールになってないんだよ。そういうもの無視して同じ主張を繰り返すくらいなら、主戦場を変えたら?って思う。

2019-10-11

anond:20191009151407

男は女の性格なんて見てないよ

ホストを視察した女の時だって掲示板で男はみんな超かわいいなあこんなこと高裁できたらなあと

自分が助け出して無人島に一緒に逃げて死ぬまで一緒の妄想をしている人が男の99パーだった

2019-10-05

anond:20191005230516

いちおう高裁とかまでいくと技官サポートが入るとかどこかで聞いた

 

そんで医療過誤についてはしない自信があっても「自分はいかにセクハラで訴えられそう」と思って産婦人科を避ける人もいるんじゃないの

どういう考えでもいいけど政府こみで全員一眼となってしっかりやってほしい、

産婦人科少子化対策入り口なんだから

小児科が出口かな、そっちも少ないって聞いた

世をすねて増田で女叩きしてる場合じゃねえからマジで

2019-09-02

菅野完

N国の立花氏と立ち話

https://youtu.be/pmnhXV3J05g

菅野アメリカ犯罪を犯して罪を償っていないそうだ。

週刊現代報道によれば、1997年8月27日セントラルテキサスカレッジ在学中、当時交際していた同級生日本人女性に、電話料金の支払いを断られたこから暴行を働き、鼻の形を変形させるなどの怪我を負わせ、同年9月5日にキリー市警察に傷害罪逮捕され、1998年5月29日テキサスベル郡第2裁判所により罰金650ドル12か月の保護観察処分が言い渡された。しかし、この判決が出る前の同年5月23日にも同女性暴行し、「家族同居人への傷害罪」すなわちドメスティックバイオレンスで2度目の逮捕保証業者に立て替えさせ2,500ドル保釈金を納め保釈されるも逃亡し、1999年6月25日に開かれた公判にも出廷せず、当日出された「仮判決文」では保釈没収宣言され、「被告の再逮捕の令状発行を求める」と記された[72][73]。テキサスベル当局は、米国での菅野逮捕状について「アクティブ有効)です」と断言。弁護士の島伸一は、テキサス刑事訴訟法では州外に出れば時効は停止し、逮捕状が有効であれば逮捕される可能性があるとしている[74]。菅野本人は自ら運営するホームページで、報道された2件の暴行事件事実と認め、自身が「国外逃亡中」の身であるとした上で「実母の死去や生活に追われ出頭することができないまま、司法機関相手方からの強い要請もなく、裁判収束に向かったと合点しておりました。」と説明し、認知行動療法などのプログラムを受けていると弁明した[75]。なお、菅野週刊現代記事掲載された直後の8月1日2017年10月4日から出演していたRKBラジオ櫻井浩二 インサイトインサイトコラム降板した。”

さら日本でも

日本での性的暴行

2012年7月9日菅野が携わっていた政治運動賛同した女性を「新聞意見広告が載ることになった」「会って挨拶したい」などと都内マンションに誘い出し、切羽詰まった様子で「某国会議員が俺のことを公安経由でかぎまわってる」「今日一日、ずっと尾行されている」「すぐにパソコン作業をする必要があるから家に行っていいか」などと説明し、録音を条件に応じた女性原告)が悲鳴を上げるのも構わずベッドに押し倒し「怖いねん、抱っこして」と性行為要求し、キスを迫るなどの性的暴行を与えた。被害者仕事を辞めて、精神カウンセリング治療のために病院に通い続ける事態になった。 これを受けて女性2015年末に200万円の損害賠償を求めて菅野提訴[76][77]。被害者から謝罪損害賠償以外に「twitterアカウントを削除」「女性の権利問題に関する言論活動を今後しないこと」を求められたため示談交渉は決裂した[78]。菅野は「性的行為を働いた」と認めて謝罪文を書き署名・捺印していたが裁判になると主張を180度変えた[79]。一審・東京地裁判決後に菅野側は「(性的暴行の)回数が1回で短時間」「特に性的自由侵害の程度が高い部位には触れていない」「事件報道社会的制裁を受けた」と主張して、「慰謝料は5万円を超えることはない」と慰謝料100万円の減額のために控訴した[80]。

2018年2月8日、同訴訟控訴判決東京高裁でおこなわれた。阿部潤裁判長は女性側の主張をほぼ認めた一審・東京地裁判決を支持し、「慰謝料100万円は高額ではない」「不当な社会制裁ではない」「被害者苦痛は慰労されていない」として菅野側の控訴棄却した。被害女性高裁による控訴棄却判決後、被害者は、「心から反省言葉が得られないことで、より傷つきます」と述べている[81][82][83][84]。その後菅野最高裁判所への上告は行っていない[85]。

事件を含め「自分の加害癖、ハラスメント癖」「自分の子供さえを含む自分の周りにいる「自分より弱い人」「自分より立場の悪い人」に対して、自分は極めて横暴に振る舞い、相手尊厳自己決定権を踏みにじる行為に及ぶことが往々にしてあることを、痛感した」ため、2018年7月現在認知行動療法をはじめとする様々なプログラム継続して受け続けているという[75]。

2019年5月警視庁菅野強制わいせつ未遂容疑で書類送検した。容疑を大筋で認めているという[86][87]。その一方で自身Twitterでは「それ(知人女性の自宅マンション女性に性行為を迫り、ベッドに押し倒し、キスなどをしようとした)で強制わいせつになるのなら、是非とも、厳罰に処してくれ」とも発言している[88]。”

と。。。




・・・

クズやん・・・

2019-07-20

anond:20190719232221

亡くなった人の逸失利益評価をめぐる裁判が近年相次いでいるね。

ドーナツを自ら口に詰め込んで亡くなった人物逸失利益棄却されたけど、これは恐らく高裁で見直されるだろう。

八王子施設から脱走して亡くなった人物については、逸失利益一般人に近づける判決が出た。

何が言いたいかというと、亡くなった人の生前の業績を考慮し、個々の評価を行って逸失利益査定するしくみは将来的に廃止される。

命の価値平等に扱い、一律同額とする時代が来るだろう。

アニメ収益作品の名声は考慮しないのが令和の趨勢だ。

2019-06-18

地裁程度に人生語られてもなー感あるけど気のせいか

高裁最高裁でよく判決がひっくり返ってるからいまいち信用がない

2019-05-23

anond:20190523211731

どのみちお前らには関係ないだろ。

日々手術をしてる医者に比べたら満員電車に揺られてる程度のお前らが起訴されるリスクなんてたかが知れてるってことだよ

あと高裁まで行った医者わいせつ事件って初耳なんだけど、どの事件

anond:20190523211456

医者かどうかだったのをせん妄かどうかにすり替えるのやめていただけませんか。

それに重要なのは証拠が廃棄されても高裁までいくという点ですよね。

anond:20190523205919

証拠が廃棄されても控訴されて高裁まで持ち込まれる話に医者かどうかはあまり関係ないよね

2019-05-13

anond:20190513020327

若者に教えるのは女子学生ともしかしたらと思うから

高裁は無理でも若者グループ一角には入れてもらえるかもと思うからじゃないのか

2019-03-09

裁判所人事異動ぶりから見れば

高裁の女書記官なんか手を付けられまくりなんで

自分も頭よりマンコ鍛えとけばよかったわ

2019-02-06

https://www.nikkansports.com/entertainment/news/201902050000313.html

裁判で確定するのって相当先だよね

4年経っても高裁で争っているようなのもあるよ

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190206-00010002-kantele-soci

犯罪者ではないかもしれないか配慮すべしということな

逮捕して実名報道したら社会的制裁を受けるんだからそもそも逮捕だけでは報道できない

さらに言えば強制性交起訴されるのは全体の半分程度なんだけど、不起訴ときはどうするの?

犯罪者じゃないよねってなるのかな?

2018-11-03

医学部地域問題

https://charitsumo.com/interview/9259

ここに

奨学金の返金は年利10%

厚生労働省からの各病院へのブラックリストさらし者にし、病院への補助金を減額

ってことが書いてあるが、事実

もっといえば厚生労働省からの云々に関しては補足がある。

http://b.hatena.ne.jp/entry/www.asahi.com/articles/ASK984DS2K98UBQU00W.html(元記事削除のため)

看護学校学費の代わりにその病院一定期間働くことに対し、期間内退職しても学費返還必要ないとの高裁判決

労働基準法14条は、契約中の退職自由が認められない契約期間の上限を3年(一部職種は5年)と定めている

労働契約を果たさな場合損害賠償を予定した契約を禁じる同16条

という判例がある。

そういう状況のなかで地域からすり抜けたに罰則を与えるのはまずいと判断したのか、病院への補助金を減らすという間接的手段罰則を与える非常に姑息手段が執られている。

やろうとしていることは法律上認められていないんだけど、同じことを脱法的に厚生労働省がやっちゃう

地域問題ってのはそういう世界



んで、医学部地域問題に関して、よく言われるのが「それを理解して入学してきたのだから」という言葉

ちがう。

これについて説明したい。

地域入学者の処遇について受験時・入学時には細かい説明はなく、地域から脱出できないという説明はない。

それどころか入試要項や奨学金契約書などをよくみると契約が解除できる旨が記載されていたりする。

これは都道府県によって異なるが、ある県では

大学募集要項医師修学資金給付制度制度奨学金)の規程により、県内診療従事することを確約できる

修学資金制度規定:次のいずれかに該当するときには契約は解除される d:修学資金の貸与をうけることを辞退したとき

となっている。

地域から抜け出せないどころか、契約としては抜け出せるようになっているはずなのである

そのような契約のもとで大学はいってきた学生たちは6年生になって突然の理不尽に遭遇する。

大学から突然に、「地域枠どおりの就職をしないならば、卒業を認めない(卒業延期)処分とする」との通達がやってくるのである

ひどい場合は、就職内定を得た後に大学からこの事実を知らされ、内定辞退をして大学病院就職するか卒業延期かの決断を迫られたりする。

入るときには公式に認められた地域ルートからの出口はあったはずなのに、知らないうちに決定した非公式な慣例によりいつの間に出口はふさがれている。

「それを理解して入学してきたのだから」という言葉に対しては、こう返したい。

「そうでないことを理解して入学してきたのに、なぜそれを強制されないといけないのか」


ちなみに、理不尽に対しての意見を述べると、「大学に恩はないのか」「医師の育成には1億円かかっているのに」「たとえ実際にそういう規程であってもモラルとしてダメだ」「認められない」「納得できないなら退学すればよい」等々のわけのわからない暴言一教レベルではなく教授会レベルから滔々と説教される。

これが医学部地域問題現実

2018-10-18

岡口Jの分限は残念でもないし当然

東京高裁岡口基一裁判官について最高裁戒告分限処分を下したことについて,法曹界からは岡口氏を擁護する言説ばかり喧伝されているので若干のコメントを。

彼の擁護者らは,裁判官自身表現の自由無くして市民表現の自由を守れるのか云々などといった声を上げる者がいるけれども,もしかかる主張が,裁判官特殊地位に鑑みて裁判官私的表現の自由一般市民のそれよりも強く保障されなければならない,という意味だとすれば,全くの失当である裁判官表現行為について,憲法保障する表現の自由によって保護されるべきであることは言うまでもないが,裁判官はその職責上,品位を保持し国民の信頼を得ることが何よりも求められており,その職責の点から私的行為についても一定節度あるいは限度があるというべきであり,その意味では,裁判官身分との関係では裁判官私的表現の自由一般市民のそれよりも制約されると解さなければならない。

要するに,表現の自由と言ったところで,およそどのような表現を行うことも自由であるかというと,そんなことはない。

たとえばもし仮に,現役裁判官が,Web週刊ポストの「都内の人気公立小学校 小渕優子の息子のクラス学級崩壊」という記事リンクとともに,

小渕優子の息子が一番暴れてたりして(^_^)

http://www.news-postseven.com/archives/20180309_658021.html

8:15 AM - 9 Mar 2018

Twitterに投稿した想像してみてほしい。上記ツイートは,公人でもない一人の児童について,それが政治家の子であるというだけで,個人特定して揶揄するものであり,憲法禁止する門地に基づく差別表現である。仮にこのようなツイートを現役裁判官投稿したならば,裁判官人権感覚ひいては司法制度に対する国民の信頼が害される。これが戒告で済めばむしろいくらいである。

このように,裁判官ツイートには一定節度限界がある。彼の支持者らは,この前提から争うような主張を繰り返すのであるが,全くの失当である

以上を前提に検討するに,本件で問題とされたツイートは下記の通り。

公園放置されていた犬を保護し育てていたら,3か月くらい経って,もとの飼い主が名乗り出てきて,「返して下さい」

え?あなた?この犬を捨てたんでしょ? 3か月も放置しておきながら・・

裁判の結果は・・

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180517-

なお,「裁判の結果は」元の飼い主である原告の勝訴である

通常の理解力を有する一般人上記ツイートを見たときに,「岡口氏は原告請求が不当だと思っているな」という感想を抱く者が,10人中1人もいないと,言えるであろうか。

岡口氏は,上記ツイートは単に両当事者の主張を要約したに過ぎない,リンク先に対する予告編でありリンク先を読めば原告勝訴とわかる,すぐに消したか問題ない,自分裁判官であるとは明示していない,等と反論している。

しかし,原告の主張については「返して下さい」と鉤括弧を付けているのに対し,岡口氏が言うところの「被告の主張」には鉤括弧がなく,むしろ情感を込めた独自表現になっている。

(鉤括弧がなくても自身見解ではない,との言い訳をするためであろうか,岡口氏はしばしば,彼の好みに適う他人表現を,引用であることを明示せずにTwitterFacebook投稿する。)

このツイートを見たときに,「え?あなた?この犬を捨てたんでしょ? 3か月も放置しておきながら・・」という表現が岡口氏の意見であるとの印象を持つ人がいたとしよう。岡口氏や彼の支持者らは,そのような理解をした人は知能が劣るかあるいは精神異常者であると言うのだろうか。

もしそうでないとすれば,上記ツイートは,相当数の一般市民に対して「高裁裁判官から見ておかしな主張をする原告がいる」との印象を与えるものであることを認めなければならない。リンク先まで読めば,高裁判事である岡口氏が地裁判決をも批判しているとの印象を抱くであろう。

本件ツイート上記欠陥は,岡口氏やその支持者が大量の紙幅を費やして弁明したからといって治癒されるものではない。むしろ説明に大量の紙幅を要していること自体が,本件ツイートの欠陥を如実に示している。

そして,一般人ツイッター閲覧・利用方法を前提とした評価は,ツイートスクリーンショットのみから判断可能できるから最高裁としては,それ以上の事実関係に関する資料の提出を求めて審理を継続する必要は無いであろう。なお,分限裁判性質上,職権探知主義妥当するものと思われるが,岡口氏の本件に関する近時の言動や,情状資料としてのその他の事情収集されなかったのは,むしろ幸運ですらある。たとえば岡口氏がChange.orgでの署名集めを試みたがごときは,あたか裁判官署名証拠価値を高く評価するかのごとく受け取られかねない(署名基本的多数決原理であって,司法と相容れない)。署名目標である100人に達せず,証拠提出しなかったのは,国民司法に対する誤解が未然に防がれた点で幸運であった。

なお彼の支持者らは,本件の分限裁判結論をもって裁判官表現活動が萎縮する等と声高に叫ぶ。

しかし,そのような宣伝活動はあたかも本件分限裁判裁判官表現活動を厳しく制限たかの如き誤解を広めるものであって,却って裁判官表現活動を萎縮させること大である

彼の支持者らこそ,補足意見の末尾2段落音読してほしい。

5 ちなみに,現役裁判官が,ツイッターにせよ何にせよ,SNSその他の表現手段によってその思うところを表現することは,憲法保障する表現の自由によって保護されるべきであることは,いうまでもない。しかしながら,裁判官はその職責上,品位を保持し,裁判については公正中立立場で臨むことなどによって,国民の信頼を得ることが何よりも求められている。本件のように,裁判官であることが広く知られている状況の下で表現行為を行う場合には,そのような国民の信頼を損なうものとならないよう,その内容,表現選択において,取り分け自己を律するべきであると考える。

 そして,そのような意味での一定節度あるいは限度というものはあるものの,裁判官も,一国民として自由表現を行うということ自体制限されていないのであるから,本件のような事例によって一国民としての裁判官の発信が無用に萎縮することのないように,念のため申し添える次第である

2018-09-08

ブリーフ裁判官懲戒裁判面白い

3つ目は、岡口裁判官はこの問題の返す刀で「裁判官のあるべき姿」を国民、あるいは最高裁判所自身に語らせようとしているところだ。

今回の「懲戒騒ぎ」のそもそもの発端として、真山勇一参議院議員法務委員会でのやり取りが挙げられている。

さすがに陰謀論すぎではないかとの指摘もあるが、最高裁の人事局長堀田眞哉)が真山議員にネチネチ嫌みを言われているので、ここが発端でもおかしくないなという気もする。


まり民進党

https://okaguchik.hatenablog.com/entry/2018/08/17/122807

2018年4月10日 参議院法務委員会 民進党 真山勇一

https://www.youtube.com/watch?v=cDDz9aRlC-U


真山議員は悪意ではなく善意で「裁判官のあるべき姿」を語っているのだが、これが実に醜悪面白い

政権批判をしている」「おちょくっている」「こんなことを裁判官が書いてもいいのか」とネチネチ人事局長を責め立て、

「岡口裁判官書き込み問題である」との言質を引き出そうとする。

(こんな偉そうに他人を責め立てておいて、この3カ月後には西日本豪雨の件で自身炎上するのだから人生はわからない)

真山議員醜悪さはさておき、この動画で気づくことは、「裁判官のあるべき姿」とはなんなのかということだ。

岡口裁判官行為とがめるならば、最高裁判所は「裁判官のあるべき姿」について具体的に想定し、触れなければならない。

これはなかなかに面白い事態だと思う。

さて、長々と書いてきたのだが、「岡口裁判官が明らかに最高裁判所高裁上司をおちょくっている」つまり

鼻くそをほじくるような態度で分限裁判に臨んでいる真の目的は、以下のような点にあると思う。

裁判官に求められる品位とは何か

ツイッター意見を表明することは品位(もしくは裁判官中立性)を貶める行為なのか

国会から圧力に、司法が一部屈しているのではないか

④法を守るべき裁判所内において、(障がい者水増し問題などの)違法行為パワハラが横行しているのはなぜなのか

権威を保持しようとするあまり司法サラリーマン裁判官を量産し、裁判官人間性秘密ベールに閉ざそうとしているのではないか自縄自縛になっていないか

⑥「人が人を裁く」ということはどういうことなのか

岡口裁判官は、これらのことを最高裁判所自身に語らせようといている、と書くと持ち上げすぎかもしれない。

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