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2022-12-19

面倒くさい病で助かった

二度結婚したが二度とも結婚式をしていない、面倒くさい

他人冠婚葬祭はできるだけ出たくない、面倒くさい

小学3年生から夏休みの宿題を出したことが無い、面倒くさい

夏休み明け数日督促され叱られるが、諦めてくれるのを待つほうがコスパ高い

そんな人間からワクチン接種券が届き説明書を眺めていたら目眩がした

予約して会場行って注射を打てと、自宅まで来てくれないのだ

超絶面倒くさい

だがさすがに命には代えられない

面倒だが説明書を読み進める、専門用語だらけで頭の悪い俺は内容が理解できん、クラクラしてきた

 

俺はある行で躓いた

「本ワクチンの成分に対し重度の過敏症の既往歴のある人」

 

意味わからん

文字通り解釈するなら既往歴が無ければ良いわけだが

仮に俺がその成分に過敏症があり、今までたまたまその成分を接種したことがないか顕在化しなかっただけで

今回このワクチンで初検証をする、という事になるのか、いやだ怖い

成分を見る

 

トジナメラン、

ALC-0315:[(4-ヒドロキシブチル)アザンジイル]ビス(ヘキサン-6,1-ジイル)ビス(2-ヘキシルデカン酸エステル

ALC-0159:2-[(ポリエチレングリコール)-2000]-N,N-ジテトラデシルアセトアミ

DSPC:1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリ

コレステロール、塩化カリウムリン酸水素カリウム塩化ナトリウムリン酸水素ナトリウム水和物、精製白糖

 

うんわからん

かろうじて分かるのが塩化ナトリウム、塩だろ?

塩化カリウムも具体的にどの食品に入ってるか意識したことはないがミネラル一種か?しらんけど

たぶん食うたことはあるだろう、食うのとダイレクトインは違う気がするが面倒なので考えるのはよそう

かい事は気にしない

コレステロールもなんとなく大丈夫な気がする

精製白糖?わからんなんやそれ

 

トジナメランとかALC-0315に過敏症があるかとか聞かれても知らんがな

既往歴が無ければいいんだと

あったらどうするんだ、誰が責任とるのだ、残された家族はどうする

 

仮に接種して死んだ場合補償してくれるらしい。

家族は安泰、4000万円くれるんだとか、ぜんぜん安泰ではない。

 

相談電話番号が書いてあったので聞いてみた

これらの成分がなんであるのかすらわからず既往歴を判断しようがない事前にアレルギー検査できんか

 

回答を要約すると、「そんな事気にするな、嫌なら打つな強制はしていない、事前検査などしない」

 

。。。。。

 

どうすればいいのだ、俺はコロナで死にたくない、ワクチン打ちたいよー

だがリスク不明ものを体内に入れたくない

激しいジレンマ

 

ぴこーん、そうだ、様子見しよう

みんな打って実験すれば副作用効果は見えてくる

過敏症が沢山報告されたら政府対策するだろ、接種前に各成分のアレルギー検査ができるようになるとか

 

いやいやいや、それ以前に接種したら感染しないらしい

まり集団免疫でありウイルスは行き場を失い封じ込められる

あっという間にコロナ禍が終わるらしい

 

みんな打ってくれれば俺一人くらい打たなくてもよくね?

うひひひひ

 

2021年秋頃には一気に接種が進み、さぁコロナ禍は終わるぞと眺めていた

あれ?

あれれ?

 

2022年突入、謎の感染爆発が起きて未接種者が糾弾され始めた、肩身が狭い俺。

未接種はこの世で俺一人だと思ったら同類偏屈国内だけで数百万人

なに拗らしてんださっさと打て、ボケ

 

街行く人が白い目で俺を睨んでいる気がする

マスクをしていないせいだろうか、わからん

家族からも「意固地にならずにさっさと打ちなさい」と叱責、辛い

夏休みの宿題を出さなくても怒らなかった優しい母親である

妻は呆れてなにも言わない。

 

(ちなみに高齢両親の接種予約は俺がしてやった、PC2台スマホ2台を駆使し市の一般高齢者接種開始の初日分で2人分ゲットしたった

ドヤ顔で打ちに行ったそうだ、接種会場で予約は無いが打たせろとゴネてた老人がいたと嬉しそうに語っていた、その後周りが予約すら取れず混乱とパニックの中、一抜け自慢ドヤって周ってたらしい、可愛い

 

発熱外来救急で運び込まれるのはほとんど未接種者だと報道があった。

厚労省統計を見ても発症重症、死亡、殆どが未接種者

やばいやばい、俺死んじゃう

ワクチンはやっぱり効くのだ、こうしてはいられない

面倒くさいが予約し、インクの出るペンを探し、接種希望書にレ点を書き込む超面倒くさい作業をして

クソ面倒くさいが徒歩1分の病院に行って、ダルい問診を受けて、痛い注射してもらい、黙って5分間待機してトボト帰宅するのを二回我慢するだけで死なずに済む

面倒くさい言うてる場合ではない、命だぞ命

 

と思ったが寝たらどうでも良くなった、まぁたぶん俺は大丈夫根拠は無いけど、

面倒くさいが勝った

 

だって打てるなら打ちたいが面倒くさいのだ。

なぜそれがわからん

自宅まで来てくれて各成分のアレルギー検査して安全確認され、打ってくれて、

数日間経過観察に付き添ってくれるなら打ちましょう

なんでそんな事がわからんのか

政府も俺みたいなダメ人間を手厚くサポートすべきではないのか

こんなアホみたいな理由で打ちたくても打てない人間がいるのだ。

国家に切り捨てられた孤独感に苛まれる。

 

面倒臭い症候群病気だ、俺が悪いのではない、脳のどこか、何かが壊れているのだろう

えーんえーん

 

と思っていたら案の定2022年の春に感染発症した。

家族全滅

抗原検査で二本の赤い線がくっきり、はいアウト。

3ワクの妻、ノーワクの俺、3歳の息子(当時はまだ打てない)、ちーん

ほぼ同日で症状も同じ

 

金曜日の昼に軽い自覚症状があった、あぁこりゃかかったな、俺死んじゃうな

気休めに葛根湯を飲んで寝た。

 

俺の感染がわかっているのに息子を保育園に入れておくわけにはいかない、妻に仕事を切り上げてもらい引き取りにいってもらう

てか妻もしばらく休まなきゃしょうがない

この時点で息子は平熱(高め)だった、妻平熱、

土曜日の朝、息子微熱、抗原検査アウト

息子はミャオーみゃおーと叫んでいる、幸せそうだな奴

だが息子よ、パパは余命いくばくも無い、面倒臭がって未接種のまま発症した愚かなパパはもすぐ死ぬ

ワク信のママと二人で強く生きてくれ、キミを育てた三年間は最高に幸せだった、ありがとう

なんて妄想しつつ、土曜日の夜に39℃まで上がり、記憶T細胞キラーT細胞、B細胞の発動を確認

予め準備していたカロナールを飲んだ。

普段薬を飲まないのですぐに効く、37℃後半まで下がる

だがすぐに上がり始める、39℃を超えなければ良かろう、体が痛いが我慢する

我慢するのはキライなのでカロナール追加。

 

喉が痛いのではちみつ舐める

息子は3歳だが大丈夫だろうか、はちみつダメなんだよな、喉が痛そうだが、まぁ我慢せぇ

走り回っているか大丈夫だろ、咳しながら俺のベッドで飛び跳ねてる、アホだ。

飛び跳ねるなと叱りつけるとジャンプ力がアップする謎のシステム

日曜日感冒症状がほぼ消える、息子は平熱でピンピンピョンピョン。

暇だ遊びに行きたいとゴネる。状況がわかってない、ヤレヤレ

妻は38℃ちょいでカロナールを飲みまくってる、愚かな。まぁ好きにせぇ

 

月曜日の朝には俺と息子は「コロナ?なにそれ食べ物?」完治、

超絶ホワイト勤務先から司令、10日間特別休暇だから会社出てくるなと

からフルリモートじゃん、モリモリ元気な10日の休暇をゲット。

バカ息子が公園に遊びに行きたいとゴネる、アホかと、キミの口から膨大な毒毒ウイルス放出されている

1週間は自宅待機である

説諭したものの、パワー溢れる3歳児、説得は不可能。人がいない秘密公園を知っているので連れてった

桜が綺麗だった。

時間遊ばせ自宅に戻ると瀕死の妻がいた。

ちなみにブースター打ってから1週間目である、効いてねぇじゃん

おかゆを作る、生姜たっぷり入れてやるが発熱したら解熱剤飲んじゃうから意味ねぇよなぁとか思いつつも

そこは愛である

まぁ翌日には治っていた。

 

なんやかや、その後息子は幼稚園入園

夏頃だっけ?厚労省データ捏造が明らかに

接種者の方が発症率も死亡率も高いとか、なんやそれ

 

息子の白組さんはパンデミック学級閉鎖があったが息子はノーダメージ

家族全員後遺症も無く幸せな日々。

 

夏が過ぎ、秋が終わり、もうすぐ2023年

年明けにはワクチンを打ちたくても打てなくなるらしい

あら残念、打ちたかったなぁ

生理で具合悪くなる症状レパートリー多くて自分の体ながら感心すらする

頭痛(じわじわ、じくじく、ズキズキ、ギリギリという圧迫、モワモワとする気持ち悪さ等)

腹痛(こちらも種類あり)

腰痛

肛門

むくみからだの違和感として体感させられる。皮膚の下特に足の裏の不快感

吐き気

胃腸の不調

目眩

喜怒哀楽の哀しみの増強によるメンタル不安定 

暴食か食欲不振

寒気が続く   

筋力の低下(腕の上げ下げすら息切れしたり) 

不眠

疲れやす

無気力

むくみによる不快感頭痛薬で緩和されるのおもしろいよね

2022-12-05

anond:20221205005656

突如として仁藤夢乃温泉むすめ叩きをしたのは、室井佑月とのビーフがやや劣勢な膠着状態になってたから、その目眩ましだろ

なんで仁藤が室井佑月対立することになったかっていうと、彼女の夫の米山隆一政界復帰し、本多平直パージをはじめとした昨今の立憲民主党アイデンティティポリティクスへの傾倒を批判してたからだろ

なんで室井佑月米山隆一出会たかっていうと、朝も晩も右や左の旦那様とレスバしてワチャワチャしてた界隈の仲間だったからだろ

なんで新潟県知事であったはずの米山隆一ツイッター政治レス魔人にならざるをえなくなったのかっていうと、女子大生パパ活して涙ながらに辞職したからだろ。そしてこれは若い女性への性的搾取に反対する仁藤が米山を嫌うきっかけでもあった

米やんスペック通りにモテたらこれらすべて何も起きず平和だったんだよ

2022-11-19

anond:20221119081552

マヌケでも子供を作って家庭を築く権利がある

とか言ってるの見ると目眩がする

2022-11-17

左翼メディアツイッター乗っ取り事件で思ったが

ジョニデ左翼ミームだった

環境防護局 Dept. Environment. Protection (DEP)

左翼踊り子は派手なだけで意識高くないでしょ

ツイッターショータイムやってるうちに、熱海地盤グダグダになってたわけで

しろ目眩まし役が左翼だもんな

2022-11-07

陰謀論者のおもちゃにされてる

知らないうちに俺のSNSアカウント陰謀論者に目をつけられて、「あの事件にはこいつが関与してる」みたいな『検証』をされてる。

俺のアカウントだけあーだこーだしてるならほっときゃいいんだけど、、たまたまつながってる有名人に凸ったり、アカウント名がよく似ている別人の写真転載したりしてて、野放しにしておくのも不安になってきた。俺はSNSにあまり個人情報を出してないのに、全く関係ない人たちの情報勝手に結びつけて「さすがのプロファイリング力!」「正体が見えてきましたね」と褒め合ってる。馬鹿か。

「その写真は別人です、やめてください」って言うか迷ったけど、明らかに話が通じない系。投稿日本語がめちゃくちゃだし、お仲間向けの隠語だらけ。読んでるだけでも目眩がしてくる。

俺が反論したところで、陰謀論に合うよう捻じ曲げられるだけだろうし、俺のことだけ考えれば黙ってる方がまだマシかなと思う。でも周りや全然関係無い人に迷惑がかかるのはしのびない。具体的に殺人犯だとかレイプ魔だとか書かれてれば弁護士相談するんだけど、「あの組織の手先だ」みたいなぼやっとした妄想なんだよね。どうしたらいいんだろう。

2022-10-26

ダイエットしてよかったのは体重減というより自分の適量がわかること

いやまじこれですわー。

夜とかサラダと魚少しで目眩もしないって分かったのは良い

今まで貧血が怖くて色々食べ過ぎてたんですよ。

バランスよく食べようとすると量が増えすぎる。

2022-09-28

anond:20220928092740

なんの目的ブクマカブコメ転載し続けていてるのか知らんけど

最初からそういう目的職場米国なら従業員社会福祉利用前提の職場ママさんが活躍とか書いてあるでしょ

そういう職場で働いたらイカンよ。仕事比重を置いていない場合もね

 

増田愚痴りに来たんだが、吹っ飛んじゃったよ

ブクマカブクマカを兼ねる増田世界は低レベルかつDQNメンヘラしかいない世界目眩がする

なんて言うか移民(のハードルは高いか日本で働く外国籍労働者?)の子もの日本支援と同じものを感じる

2022-09-24

anond:20220924185806

続き↓

 この日だけは生理にならないで欲しいと念じ、部活に励んでカロリーを消費しまくった時に限って、予定でもなかったのに生理になる。それがぼくのあるある事象で、修学旅行でも、ぼくは三日前から生理になった。荷物の半分が生理用品になる。トイレにやたら時間がかかり、ただでさえ移動中に立ち寄るトイレはとても混雑するのに、ぼくはそわそわとして落ち着けない。レイジとは同じ班になったが、レイジは相変わらず女としての煩い事には無関係の人だから、どこへ行っても楽しそうだ。

 自由行動の日、レイジはぼくがトイレに行ったきり中々戻って来ない間、もっぱら寺社境内で鳩とたわむれて時間を潰していた。ぼくが貧血と歩きすぎとでふらふらの状態トイレを出ると、レイジの周りをうろうろしていた鳩達が一斉に飛び立つ。背の高いセーラー服少女と鳩という、ミラクル光景レイジがつくりだしている。眩しくて目眩がした。観覧した寺社の事なんかろくに覚えていやしないが、その景色だけは今でもよく覚えている。

 夜、泊まった宿では大浴場が貸し切りで使えたが、生理の生徒は部屋の内風呂を使ってよいとされていた。ぼくは当然内風呂に入ることになったが、大浴場を使える女子達はひとの気も知らずに一緒に入ろうよと誘って来る。ぼくはうっすらと屈辱を感じつつ断る。相部屋にも何人か内風呂を使う人はいたが、ぼくは「先に入る?」という気遣いを全部断って一番最後に入った。

 せっかく広いお風呂に入れるはずが、見たことのないほど狭い風呂我慢しなければならないのは惨めだが、レイジの裸を見ないで済んだのは良かった。小学5年生で行った臨海学校風呂を思い出した。あれがぼくが集団で大浴場に入った最後の機会だったが、当時既に同級生には女らしい体型の女子が何人もいて、あれはかなり気まずかった。どこを見ても生々しい女体が視界に入るのが嫌でずっと俯いていたし、落ち着いて湯船に浸かっていられなかった。あの頃は成人女性のような体つきの女子ほとんどは薄手の子供用の肌着を着て、その上に体操着を着ていたのだから、思えば気持ち悪くクレイジー文化を生きていた。それを許していた大人達の気が知れない。

 修学旅行の夜は恋ばなで盛り上がるのは定番だが、同室に奇跡的にオタクばかり集結してしまったので、ぼく達は漫画アニメの話ばかりをしていた。だがみんなそれぞれ好きなものが違うので、話が全く噛み合わない。なのに何故か会話は成立しているように見えた。

 23時を回る頃には話のネタも尽き、昼間の疲れも出てきて、皆口数が減ってきた。ついにここにはいない他人の恋ばなくらいしか話す事がなくなってきた時、レイジがぼくに言った。

「なあ、お前は男同士って、どう思うの?」

 誰にも聴こえるような大声でいうから、同室の極めてお喋りな女子が、

「きゃー、レイジさんったら急に何を言い出すのーー!?

 と盛り上げてくる。レイジのご指名はぼくだったから、全員が興味津々でぼくの答えを待っている。

「うーん、」

 そういえばレイジって「やおい」が好きなんだったなと思いつつ、ぼくは答えた。

「男同士も、ぼくはいいと思う。ただし、美しいのに限る」

 皆はぼくの答えにキャーキャーと黄色い声をあげた。ぼくは半ばレイジに当て付けて言った。いつもぼくを驚かせてばかりいるんだから、たまには君もぼくの言うことにびっくりしろと思った。レイジにはぼくの意図が伝わったらしく、

「ああそうかよ、つまんねーな」

 といい、さっさと布団を被って寝てしまった。

 同室の女子達はカマトトぶっていたが皆「やおい」が大好きだった。学校までエロ同人誌を持って来て回し読みをしている連中(そういう奴らに限って本当はオタクではない)は他の部屋だったにしろ、みんな男同士の禁断の関係性に興味があった。禁断だからこそいいという価値観の共有されているところへぼくが堂々と「いいと思う」と言ったのはかなりウケた。隠すべきとされているものを隠さなくていいと言ってのけるのは、その時はまだ新しすぎる考えだったのだ。

 実はレイジは「やおい」の愛好者で、そうとうの数のやおい同人誌を持っているらしかった。一年生の頃、ぼくの家にレイジが遊びに来たことがあるのだが、その時レイジ同人誌を何冊か持って来た。二人で格ゲーで遊ぶのに飽きた頃に、レイジが鞄からそれらを取り出して見せてくれた。それは幽遊白書同人誌で、レイジが開いて見せてくれたページには、いやにリアルな筆致で描かれた幽助と蔵馬があられもない姿でぼくには理解不能なことを行っていた。ぼくは気持ち悪くて無理だと言った。ついでにいうとぼくの一番好きなキャラクターは軀だから、軀が出てこない時点でかなりがっかりだとも言った。するとレイジ

まだ子供のお前には早かったな」

 と言って本を仕舞い、代わりにもっぱらギャグ漫画ばかり載っている同人誌を出して、ぼくに貸してくれた。たぶん、レイジは「やおい」というものの中でもぼくが「気持ち悪い」と切って捨てた部分こそが好きだったのだと思う。

 やおいというもの自体はわりと好きだとぼくは思った。でもぼくはそれを男同士というよりは人と人同士だと思って読んだ。女でなければ無性別性別が無いというのは人として完璧なのではないかと、あの頃のぼくは思っていた。今となって思えば、そんな考えは母親譲りの潔癖症的な考え方であまり良いとは言えないのかもしれない。

 修学旅行から帰った後、ぼくはレイジとは違う高校に進学しようと決めた。レイジは市内にある名門女子高を受けるといっていたので、ぼくは電車で何駅もある遠くの共学を受けることにした。レイジの行きたい女子高はぼくの母親の母校だったから、そこを目指すのは母親の思うつぼにはまったようで嫌だったのもある。

 レイジと二人でつるむのは楽しいが、いつまでもそしているとぼくの世界は広がらないのではないかと思った。ぼくは一人で新天地を目指したい。だがそれは大きな間違いだと知ったのはそれから何年も先のことだ。現実には、一人でいるとずっと独りぼっちになりやすい。二人で楽しそうにしていると、それを見て何人もの人が集まってくる。友達が増えれば世界が広がる。独りきりで見える世界は、とても狭苦しくて窮屈だ。

 だが、誤った道を選んだおかげでぼくの今の暮らしがあると思えば、それはそれで良かったのかもしれない。

 レイジとは別々の高校に進学して以降は二度くらいしか会っていない。いつだったか、一緒にどこか遊びに行こうと約束して待ち合わせたら、レイジはまるでデキる女の休日ファッションみたいなスタイリッシュ服装に薄化粧までして現れた。ぼくはといえば、男ものの服を着れば男の子のようになれると信じた結果、ただの引きこもりみたいなダサい格好をしていた。どっちに合わせても相手が浮くし、そもそもお互いに学チャリで来て一体どこに行けるのかということで、近場の公園のベンチに座り、レイジがわざわざぼくに食べさせようと作ってくれた焼き菓子を食べながら雑談をした。

 最後に会ったときはぼくはもう結婚していて、久しぶりに実家帰省した際にレイジの家に遊びに行った。中学時代レイジがぼくの家に遊びに来たことは何度かあったが、ぼくがレイジの家に行ったのはそれが最初最後だ。

 レイジの部屋はすっきりと片付いていた。オタクらしいのは座卓の上を立派なデスクトップパソコンとその周辺機器占拠している事くらいだったが、それだって配線がごみごみと見えないよう置き方が工夫されていた。オタクの部屋というよりは仕事でよくパソコンを使う人の部屋といった感じだ。

漫画同人誌をいっぱい持ってるって昔言ってたけど、もう全部捨てたのか?」

 ぼくが問うと、レイジは「いや、」と言い立ち上がって部屋の奥の襖を開けた。

「さあ見れ!」

 その時ぼくは初めて、筋金入りのオタクは押し入れを改造して大量の蔵書を隠し持つのだと知った。

「だが、お前の読むようなものは何もないけどな」

 レイジお子ちゃまはそんなもんよりもこれでも見てろと言い、パソコンを起動させて秘蔵の面白動画を見せてくれた。ぼくらは中学時代のようにくっついてそれを見て、腹がよじれるほど笑い、床を転がった。

「お前ほんとに中学の頃から変わらないよなぁ」

 と、レイジは言った。

レイジだって服装以外は大して変わっていないだろ」

 ぼくはそう言い返した。

「そうかもな」

「でもぼくはもう結婚した。だからけっこう変わったと思う。ところで、レイジはぼくが結婚なんかするなんて変だと思わないの?」

 ぼくはレイジに聞いてみた。ぼくの家族特に母親はぼくの結婚をついに人生に敗北したと言って馬鹿にするし、昔の同級生からも祝われるよりも先に引かれがちだった。

「変だとは思わねーな。だいたいお前、中学の時だってなんだかんだ好きな男いただろ。案外普通女子なんだなと思ってたよ俺は。ずっとふらふらしてるより早々に結婚ちゃう方が良かったんだろ、実際」

「確かに……。ぼくはかなりモテいから、夫と結婚しなかったら永遠に独身だという自信がある。けど、ぼくだってぼくなりに頑張って、何人かと付き合ってはみたんだが、まあ色々と、無理だったかもしれない」

「色々っちゃなんだよ」

「言っても引かない?」

別に引かない。俺は自分に話す事が何もないぶん聴き手に回り易いから、ダチの恋ばなを聞き慣れてるんでね。だからさら何が飛び出しても驚かないぜ」

「じゃあいうけど、夜のあれがつまらなくて……別に苦手な訳ではないのだが……」

あはははははははは!」

「笑うな! 何が飛び出しても驚かないって言ったじゃないか

「いやいや驚きゃあしないって。むしろお前らしくて笑うわ。お前、本当にいつまで経ってもお子ちゃまなー」

「うー、うるさい。でも、否定は出来ない……。ぼくはもっとこう、セックスとは楽しいものかと思ったけど、全然そうならないんだ。しか十中八九、ぼくのせいで盛り下がっているという、自覚がある」

「なぁ、膝出してみ?」

「膝? はい

 いぶかしみつつもぼくは素直に片膝を立てた。そこへレイジが指をさわさわと這わせた。

「ひゃあ! くすぐった! しか気持ち悪いっ!」

「それだからお前はなー。じゃ、今度は俺に真似してやってみ?」

 ぼくはレイジの膝を擽った。だがレイジはぞくぞくするどころか擽ったさも感じないと言う。

「まぁまぁ。毎日部活に出て稽古に励んでも全然強くならなかったほど、運動神経のないぶきっちょさんのお前さんがさ、セックスの時だけ上手い事やれるなんて、その方がおかしいだろ? 女だからやれて当然じゃないんだ。才能のないもんはどうしようもない。諦めろ」

「そういうもんかな」

「おー。そういうもんだと俺は思うぜ。でもまあ結婚はしたんだからよかったじゃん。婚姻届出しゃあもう、お前のエロさが足りないなんて理由簡単に別れる事なんか出来ないんだぞ」

「だといいけど」

浮気されたら愚痴でもなんでも聴いてやらぁ。そういうの聴かされるのは慣れてるからよ」

レイジ何気にひどい事いうよね」

「ははは。それより、子供が出来たらちゃんと連絡くれよ。そしたらお祝い包んでやるからさ」

「そういうのはいいよ。友達なんだし、変に気を遣わなくても」

「単に俺がそうしたいだけなの。うちは兄貴結婚しそうにないし俺はこんなだから、がきんちょにお小遣いくれてやる機会があまりなくてな。ダチの子供にお年玉やると、俺も大人になったなーって思えるし、気分がいいんだ」

 そんな事をレイジは言った。

 確かに子供のためにお金を遣うと大人になったという感じがする。一度に三万円は痛いが、それで子供達が喜んでくれたのだから、大した事のない出費に思える。しかしぼくは今やただの大人じゃなくて親だから子供にしてやらなきゃいけないことは、他にも沢山あるけれど。

公務員負け組なのは知っていたが大学の同期に年収ダブルスコアはいい加減心が折れそうだ

入って10年が経たったが状況は変わらず。

倍率は同じだが金額上の差は広がるばかり。

しかも同期は「転職とかも考えてるんだよね。年収が1.5倍ぐらいになるかも」とか言っている。

3倍……?

もう駄目だ。

そもそも俺は転職なんて絶対にできない。

俺がこの10年で学んできたもの

電話対応のやり方

・紙の書類に上手にスタンプをして綺麗にキングファイルに挟む技術

メモリGBPCをぶん殴りたい衝動を抑える忍耐力

飲み会で繰り返される昭和パワハラ世界観愛想笑いと訴えるぞオーラを同時にぶつける処世術

こんなもの……転職の時にスキル欄にかけるはずがない。

仕事WordExcelを10年使ってました」とでも無難に書いても、ゴミのように重たいPCマクロを使うと応答なしになるせいでほぼ数式と手打ちで切り抜けて続けて何も学べていない。

GBー(WIN10OS+データ抜き取り防止の監視ソフト無駄に重いアンチウイルスソフト)=マクロの動かないパソコン

それでも数式を組み合わせてなんとか業務効率化しても、結局最後はペーパーワークこそが最重要だ。

鍛え抜いた押印術は欠けまくったスタンプ死ぬほどノリの悪いスタンプ台を使ってなお99%以上の成功率を発揮する。

多少失敗しても上から綺麗に二重押しするぐらいお手の物だ。

こんなもの転職面接で自慢気に語ったらその時点で履歴書シュレッダーに行くだけだろ!!!

俺はもう駄目だ。

俺の人生はもう駄目だ。

大卒後の10年をゴミのような仕事に使ってしまった。

これでせめて部下の一人でも育てていれば良いのだが、超高齢化年功序列社会の中ではいまだにほぼヒラの主任しかない。

業務の細分化人員削減の繰り返しで主任の下に部下は居ない。

複数肩書兼任する係長の元で働くだけのヒラでしかない。

もう無理だ。

俺の年収はこのまま同期たちの1/3のまま推移し続けるのだろう。

目眩がしてきた。

一生底辺暮らし

結婚しようにも共働きは確定だろう。

だが、そこまでしても子供の面倒を見れるのは1人か2人か……。

ふぅ……貧しいな。

この国は貧しい。

公僕をやっているといやというほど分かるが、本当に貧しく、そして一部の老人だけが本当に豊かだ。

娘のブラを買いに行く。

 次女の誕生日のあと、長女の誕生日があって、その直近の祝日、二人に誕生日プレゼントと服を買ってやるために買い物に出た。トータルで三万円くらいかかった。はぁ。

 服を買う時に、ついでに長女に今のうちに生理用品とかブラを買っとこうぜ、と言うと、長女は思いの外喜んだ。

 長女は11歳になったのだが、最近爆速身長が伸びると共に体型も大人に近づきつつある。彼女は小さい頃から今に至るまで安定の痩せ体型だ。身長に合わせてズボンを買うとウエストブカブカだったのが、今は150のズボンを履いてもずり落ちなくなった。痩せているなりに身体の厚みは増しているのだ。

 最近の長女は胸が急に育って来ているのが悩みらしい。そういう事をぽつぽつ言うのだが、ブラが欲しいと自ら言う事がないので、親であるこちから提案した方がいいんだろうなあと思った。

 長女を子供下着売り場に連れて行くと、彼女は種類の多さに圧倒されていたが、ぼくが

ステップ1とか2とか3とかタグがついてるな。まずはステップ1でいいんじゃないか?」

 と言うと、それらを物色しはじめた。

「すごーい、いっぱいあるー。こんなのが欲しかったの!」

 などと言うから可愛い色のやつを買うのかな? と背後で見ていたら、スタンダードな感じの、キャミソールと一体型の白いのを二枚選んだ。黒や紫もあるし、ブラだけ独立していて、同色のショーツとセットになったものもあるよとぼくが言っても、「絶対これがいい!」と長女は譲らなかった。まあ、白無地はアウターに響かなくていいよな。もし、ぼくがユニクロの白のエアリズムばかり着てることに影響されたのだとしたら、なんかすまないなと思うけれど。

 今時の小学生女子は、他の子がどんな下着を着けているのか、気になりはしないのだろうか? ぼくが子供の頃は、女子はそういう事についてはかなり煩かった。白い「初めてのブラ」なんか着けていると、露骨馬鹿にされたものだ。

 ぼくが子供の頃、ぼくの母親はどういう訳か我が子の二次性徴について捻れた考えを持っていた。だからぼくはなかなかブラを買ってもらえなくて、確か中学に上がってしばらくはノーブラで過ごしていた。部活の時以外は胸が目立たないよう猫背で下を向いて歩きがちだったように思う。

 当時はぼくの母親だけでなく、世の母親達の考えは大抵いい加減かつバラバラだったので、胸が既にかなり大きいのに「子供から」という理由ノーブラ女子というのはしばしばいた。ぼくはそれが好きじゃなくて、自分はそうはなりたくないと思ったのだが、無駄に性に対して厳格な家庭でしかも鈍感な母親にブラが欲しいなんて強請るのはあり得ないと思って我慢していた。ただ、ぼくの場合は胸が発育しかけだとしても限りなく俎板に近い胸をしていたので、ブラを着けていないことを誤魔化すのはそんなに難しいことではなかった。

 だが、体育の授業や部活の授業の前後更衣室で着替える際だけは誤魔化しなどは利かない。

 体育の時の着替えはまさに針の莚に座るような心地だったが、部活の時はそうでもなかった。更衣室では先輩達が下着姿で悪ふざけをしていたし、彼女達の下着はみなカラフルでまるで見せるためのもののようだった。たった一、二学年違うだけでどうしてこんなにも文化が違うのか不思議だった。ぼく達の学年はいつまで経っても白いペラペラ下着で、誰が一番先に「色気づいて」大人のようなブラを使い始めるのか、監視し合い足を引っ張り合っているのに。

 先輩の一人が日曜日に買ったばかりだというグリーンのチェックのブラを見せびらかしている時、ぼくはホワイトボードの下にレイジと二人で潜り込んでぴったりと身を寄せ合って先輩達の馬鹿騒ぎを眺めたり、今週のジャンプの話したりしていた。ブラの自慢をしていた先輩がぼくらの所にやってきて、

今日も二人、異様に仲がいいよね」

 といい、ぼくはそこに含みがある事に素で気づかず、

はい、ぼくとレイジ友達なんです」

 と答えた。

 レイジとは中学に上がってすぐの部活見学期間のある日に出会った。レイジ武道館の片隅に一人で体育座りをして、先輩達の稽古の様子を眺めるでもなく膝の上に顔を伏せていた。最初レイジがぼくを見たが、話しかけたのはぼくの方からだ。当時のぼくは既にはみ出者気質を全開にしていたが、今よりは社交性があったのかもしれない。

 レイジ第一印象は、大人しそうな男子、といった感じだった。目が合って、一言二言交わしただけですぐに気が合いそうだと思ったのと、ぼくと同性である事に気づいたのとは、どっちが先だったろうか。立ち上がれば性別を間違いようはない。レイジはぼくよりずっと背が高く、正面から相対すると迫力のある胸が視界を圧倒してくる。まるでモデルのように手足が長く、メリハリのある体型をしていた。

 そんなレイジだが、ほとんど大人同然の背格好をしていたにも拘わらず、ぼくと同じくまだ「子供」というカテゴリーに押し込められていた。つまり中学に上がってもしばらくはノーブラで過ごした。その点でぼくにとっては類友でもあった。

 いつだったか、先輩の一人がそんなぼくらを見かねて声をかけてきた。ブラをしないと恥ずかしいとか乳が垂れるぞとか、そんなことを言われ、ぼくらは「はーい」と返事をしたが、すぐに他愛ない雑談に戻った。レイジは先輩に言われたことなど全く意に介していないようだったけれど、ぼくは内心かなり気にしていて、やはり母親にブラが欲しいとお願いしなくてはならないのだろうか? と考え、まだ何も行動しないうちから屈辱に打ち負かされたような気になっていた。

 記憶に間違いがなければ、ぼくらは少なくとも一年夏休みまでは「子供カテゴリーのままでい続け、それぞれ親の方針通りに子供肌着制服の下に着続けていたと思う。そのことによってレイジがどんなデメリットを被ったかはぼくは知らないが、ぼくの方には人には言えないようなデメリットがあった。

 ある日、竹刀を振った瞬間に身体の内側から「ぶちっ」と音がした。腕のつけ根辺りがヒリヒリと痛くなった。家に帰ってから服を脱いで見てみると、鎖骨のすぐ下辺りに赤い皹が入っていた。まるで鋭利刃物でひと突きしたような傷は薄い表皮で繋がっていて、出血はない。どうやら急に大きくなった胸の重さに皮下の肉が負けて裂けてしまったようだった。奇妙な傷はその後いくつも増えていき、白い痕になって残った。

 肌にいくつもの傷が残るほどに、ぼくの胸はお荷物になりかけていたのだが、だからといって目立って大きいのかというと全くそんな事はなく、服を着ている限りは相変わらずの俎板に見えるほどだった。なのに、ただ普通に生活していくだけで服の下に隠れた部分が傷だらけになっていく。その原因がさして膨らんでいるようには見えない胸であるなど、親に相談出来る訳もなく、ぼくはひた隠しにした。

 その件はレイジにも話した事はない。そもそもぼくとレイジは「親友」だと言い合っていたのにも拘わらず、お互いに相手内面には踏み込もうとしなかった。ぼくらは校舎の内外を、ひとの目も気にせず手を繋いで歩き、座る時にはスズメきょうだいのように身体をくっつけた。部活の合間の休憩時間には互いの背中を背もたれにしたり、膝枕をしあったりした。

 ぼくがレイジの太ももを枕にしている時、ぼくの鼻先にはレイジの胸があるのに、そのぼくの胸の何倍も大きな肉の塊はレイジにどんなダメージを与えたのか与えなかったのかなんて知らなかったし、レイジレイジで、ふざけて指でつついたぼくの貧相な胸がぼくにとってはけっこうな凶器だった事など知らないままだった。

 レイジに対してのぼくの隠し事なんて大した数はないが、ぼくにとってレイジは謎の多い奴であり続けた。真面目そうに見えてちゃらんぽらんで、部活だって、ぼくとレイジとはたった二人だけの新入部員なのに、レイジはよくサボり、ぼくを一人にした。夏休み部活に、レイジは半分も顔を出さなかった。なのに試合に出ればそれなりに勝つの不思議だ。何故レイジはそんなに休むのか、ぼくはしばしば先輩達から聞かれたが、わかりませんと首を振るしかない。

 親友の癖にぼくはレイジ個人的な事をほとんど知らない。そのことが気にならない訳ではなかったのだが、いざレイジと顔を合わせると、数々の謎の解明などどうでもよくなってしまう。レイジとする話は好きな漫画アニメの話ばかりで、端からみればそれは終始うわべだけの話をしつづけているだけで、それのどこが親友なのか不思議だったかもしれない。

 ぼくとレイジは心が遠くにあるのを補うかのようにスキンシップだけは過剰に行った。一日の中で最初に会ったときは、相手存在を視認したらどんなに遠く離れたところからも全力で駆け寄り、

「カーラミーア!」

「モンシェ!」

 と叫ぶとひっしと抱擁し合う。隙あらば、学校内のどのカップルよりも密着して過ごした。

 夏の間、ぼくはろくに飲食をせずに部活でしごかれていた。これ以上身体無駄な肉がつくのを止めたかったし、生理出血をなんとか止めたいと思って行った無謀なダイエットだったが、消耗したわりに効果はいまいちだった。ひと夏で顔だけげっそりしたぼくだったが、片やレイジ夏休み前と少しも変わらず飄々としており、健康のものに見えた。実際、心ない男子がぼくらに対して目障りだ死ね罵倒を浴びせるやそいつを蹴り倒しプロレス技をかけて泣かせるなどワイルドに暴れることもあった。

 ぼくは安心した。実はぼくの母親がぼくとレイジが仲良くなったのを知り、ぼくの同級生母親達の情報網を使ってレイジ個人情報仕入れており、聞いてもいないのにぼくにそれを話したのだ。ママ友ネットワークをもってしてもレイジの事で確かな情報は得られず、噂程度のことしか仕入れられなかったようだ。それによれば、レイジは何らかの病気で定期的に通院しているという。だがその病気が何であるのかは誰も知らないらしい。

 ぼくが知っているレイジ個人的なことといえば、レイジには兄が一人いて両親も健在で、四人家族で仲良く暮らしているということくらいだった。

「ねえレイジ、どうしてレイジレイジなの?」

 ある日、ぼくが何気なく訊いたら、レイジはこう答えた。

「うん? うちは兄と俺との二人きょうだいから

レイジのジは二番目のジってこと?」

「そそ」

「納得した」

 きょうだいの二番目だからレイジ」と名乗るレイジとぼくとは部活つながりの親友クラス出身小学校が違うせいでお互い相手の事で知らないことが多いかもしれないが、そんな事は関係なく、ぼくらはとても仲がいい。

 秋になった。ある日、学校から帰るとぼくの部屋に大きな買い物袋が置かれていた。母親が開けてみろというので中身を見たら、「はじめてのブラ」と書かれた厚紙つきの白いブラが三着ほどと、その他下着類が入っていた。母親によれば、「ぼくに必要から買った」というより「みんなが必要だと言うから買った」ようだ。母親他人の言う事になにかと流される。

 しかし、断られる可能性が高いと思いつつこちらから羞恥心を堪えつつ頭を下げてお願いすることもなしに、必要ものが手に入ったのは良いことだ。ぼくは「はじめてのブラ」を着けてみた。ところがサイズ全然合っていなかった。それはAカップだがアンダーが85cmもあって、上半身だけは骨の浮くほどガリガリだったぼくにはユルかった。

 翌日から「はじめてのブラ」を着けて登校したが、いざ日常生活を送ってみると、ユルすぎるブラはぼくの助けになるどころか邪魔邪魔で仕方のないものだとわかった。ちょっと身体を動かしただけで背中ホックが外れる。これまでの習慣通りに猫背にしていると外れるし、かといって背筋を伸ばしてもまた外れる。走るとどんどんブラが浮いてきて胸の上までずり上がってくる。それを狼狽しながらも誰にも気づかないよう適正な位置に引き下ろさなければならない。

 なんなんだこれ……。母親に苦情を言うべきではないかと思わなくもなかったが、母親がぼくにブラを買い与えた時、牽制するように「デブで胸のないお前にはサイズがそれしかない」と言ったから、解決策は何もないとぼくは思い込んだ。デブ言いがかりだ。ぼくはチビの癖に肩幅と腰幅があり、脚も太かったから、セーラー服を着るとずんぐりむっくりに見えたが、上半身ガリガリに痩せていたのだ。

 何でぼくだけこんな事に……と思いつつ、部活の際に先輩達がふざけながら着替えている間は、いつもの様にぼくは部室の隅っこにレイジとぴったりくっついて体育座りで待っていた。先輩達は相変わらず可愛いブラを着けていて、それらはぼくの「はじめてのブラ」のようにズレたりホックが外れたりはしない。どうしてぼくの「はじめてのブラ」はこんなにも役に立たないのか、すぐそこに何事にもあけすけな先輩達がいるにも拘わらず、ぼくは誰にも打ち明けられない気がして、勝手孤独に浸っていた。隣のレイジは、元からそういう話をすべき相手ではない。

 その時、ツンツンと脇腹をつつかれた。隣を見れば、レイジが膝の上に半分顔を埋めたまま、いやーな顔で笑っていた。

「お前、これなんなの?」

 レイジはニヤニヤしながら、ぼくのTシャツの上からブラのバックベルトを引っ張った。

「何でもいいだろ!」

 ぼくは小声で身をよじりながら言った。その反応がレイジには面白かったらしく、レイジは「なんなの、なんなの」と言いながらぼくのブラのあちこちを引っ張り、脇を擽ってきた。そんなぼくらの攻防戦を先輩達はいものじゃれ合いだと思ったらしく、「今日も二人は仲良いよねー」と言った。

 その日以来、レイジはぼくがブラを着けているのを面白がり、やがて服の上からブラのホックを外すという技を会得した。レイジ通りすがりにぼくの背中を叩くと、ホックが外れる。とんでもない悪戯だが、ぼくのホック悪戯をされなくてもしばしば外れるし、ぼくとレイジクラスが違うので、被害を受けたところで大した事にはならない。それでぼくとレイジの仲が決裂するという事もなかった。

 ただ、レイジがぼくをブラのことでイジッてくるのは意外だと思った。同級生女子の中には、他の女子が「色気づく」のを嫌って意地悪をしたり他人の足を引っ張るような事をする奴が何人もいたが、レイジはそんな陰湿女子どもとは最も遠い存在のような気がしていた。でも、その頃レイジはまだ「子供カテゴリーの内にいて、それをぼくなんかみたいな貧乳の方がイチ抜けしたのだから、変に執着されるのはおかしい事ではないような気もした。

 人の心理としてレイジの反応は特におかしものではない。が、ぼくらの関係性の絶妙バランスをレイジの方から崩して来ようとするのは……逆にぼくの方から壊しにかかるなら自業自得なのでまだしも……どうしていいのかわからない。わからなさすぎたので、ぼくは何事もなかったかのように過ごす事を選んだ。

 二年からはぼくとレイジは同じクラスになった。一緒に過ごす時間は益々増えた。レイジ休み時間教室ですれ違いざまにぼくのブラを外して遊ぶ事もあったが、ぼくは責任を取ってホックを元に戻せとレイジ要求し、レイジは「はいはい」と言ってぼくの制服背中に手を突っ込んでホックを掛け直した。

 いつの間にかレイジはその遊びをしなくなった。

 その頃にはレイジは既に「子供カテゴリーを脱していたのだと思うが、ぼくにはその件については全然記憶がない。少なくとも、ぼくはレイジからされたようにレイジがブラを着け始めた事をからかうことはなかった。

 教室が一緒だと、友達同士なら休み時間ごとにお互いの机のところを行来するものだ。ぼくは授業が終わってもすぐに教科書しまって離席することがないから、レイジの方からぼくの席にやって来がちだった。ふとぼくが顔を上げると、視界の全面をレイジの胸が塞いでいる。よく、胸の大きな女性が「(男は)私じゃなくて私の胸に挨拶をする」と言うが、レイジ場合はぼくに胸から挨拶して来るようなものだ。ぼくはレイジに知られないよう視線を外した。だからレイジの胸がしょっちゅうぼくの目と鼻の先にあったのに、ぼくはレイジのブラ事情など全く知らない。一方レイジはといえば、ぼくをからかえるだけからかって恥ずかしい思いをさせたのに。

 レイジは狡いと思ったが、他の女子といがみ合うようにレイジと争うのは嫌だった。レイジ喧嘩する事があるとしたら、それとは全く関係のない、取るに足らない事が原因だ。そしてベッタリと仲がいい分喧嘩するのもわりとしょっちゅうだった。大体はぼくの方から吹っ掛ける。そこにレイジは狡いという思いがなかったとは言えないと、当時を振り返って思う。

 レイジは胸が大きくて手足が長くてモデルのような体型をしていたが、女としてはある意味で無敵だった。ぼくはといえば、自分身体がなにかとコンプレックスで、わざと身体に合わないダボダボな格好ばかりしているから、本当はガリガリに痩せていたのにすんぐりむっくりのデブだと思われがちだったうえに、貧相な体つきのわりにはきっちりと女であることのデメリットを受けた。すなわち生理が異常に重くて一月のうち絶好調なのは三日ほどしかなく、あとは瀕死

 レイジは不調知らずで常に元気いっぱい走り回っていた。何かの病気で通院しているという噂はデマに過ぎないのではないかとぼくには思われた。だがレイジはよく部活をサボった。同じクラス親友のぼくにも何も言わず放課後になるといつの間にか姿を消している。ぼくは既にレイジはそんなものだと思っていた。部活顧問から来年女子部長は消去法でぼくに決まりだと聞いて軽く絶望した。レイジの方がぼくよりもずっと強いのに、部長は実力よりも真面目さが大事だと顧問は言う。だがぼくは顧問が思うほど真面目ではない。絶不調ながら毎日律儀に部活に出ているのはほとんど、稽古カロリーを消費しつくせば生理にかけるエネルギーが少なくなり、来月こそは体調がましになるのでは? と期待していただけに過ぎない。

 そんな馬鹿な事をしていたせいで、ぼくはある日、体育の授業中に具合が悪くなった。その日のメニューは1000メートル走だったが、ぼくは運動神経がない癖に中距離を走るのが大好きで得意だったので、生理中だというのに無理をした。酷い目眩がして手足が冷たくなり、震えが止まらなくなった。爪が真っ青になり、顔色も青を通り越して真っ白だと、ぼくを見た体育教師が言った。体育教師は厳しい人で滅多な事では生徒を休ませないのだが、ぼくが芝生に座っても一向に回復しないので、保健室に行って休めと言った。ぼくは保健委員に付き添われて保健室へ行った。ベッドに寝かされた途端に意識が落ちた。

 気がついたらベッドの側にレイジがいた。

「おはよー。今どんな気分?」

「どんなって、最悪だけど。でもさっきよりはましな気がする」

「ははっ、体育の時はヤバかったな。こいつマジで死ぬんじゃね? って感じの顔してて、先生がさすがに焦ってた」

 そう言うとレイジはぼくのほっぺたをつまんで引っ張った。

「ほっぺぷにぷにー。すべすべで真っ白ー。でもさっきよりはましー」

 レイジはぼくの肌をすべすべで真っ白だとよく言う。小学校時代は徒歩通学で、中学に上がってから自転車通学で、それなりに日に焼けていたから、ぼくの肌も黒くて荒れているはずだと自分では思い込んでいたが、レイジに指摘されてはじめて、ぼくは色白で肌質がいいのだと知った。少なくともレイジのほっぺたよりはぼくのほっぺたの方がすべすべで白い。

「今どんな気分?」

「君が血色が戻ったというなら、思ったよりもいいんじゃないだろうか。確かに吐き気はしないし、頭痛もしない」

「ふーん。俺にはそういうのが無いからわからないけど、まあ無理すんなよ」

はいはい

 レイジはいいな。ぼくと性別が同じでもぼくのような思いはしないんだ。でもぼくみたいにひ弱なのはレイジには似合わないから、それでよいのだと思った。

トラバに続く。

2022-09-22

anond:20220922204218

やっぱり女はイージーモードじゃん。涙が止まらない。震えが収まらない。目眩がする

2022-09-21

糖尿病っぽいかダイエットがてら運動しようと思ったんだが

糖質減らすと目眩ヤバイ

油断するとフラフラするしぶっ倒れそうになる

病院行ってないから診断が下りた訳じゃないがやっぱ糖尿病に片足突っ込んでるわこれ

糖質減らしつつ最低限は摂るってむずくね?

2022-09-19

欧米流のポリコレ欧米とは文化の異なる日本に無理矢理そのまま当てはめようとする偽善者リベサヨのアホらしさは異常

https://togetter.com/li/766518

セクシャルマイノリティ」をまんま「女性」に入れ替えても同じ事が言える。

何年も前から言ってるけどこのベクデルテストかいうの、日本萌え豚キモヲタコンテンツなら全て「合格」するうえに、

それどころか萌え豚コンテンツでは逆に男がいっさい登場しなかったり、出てきても一言も喋らなかったりするんだが。

ならばそれをもって「日本萌え豚コンテンツポリコレ的に正しい進歩的コンテンツである」と言えるのかというと、言えないだろ。

女ばかり登場するったって、「美少女動物園」と揶揄されるだけあって、ペットを愛でる視線であり、人間扱いしてないわけだからな。

前回のセクシャルマイノリティの扱い、百合とかやおいも、それ。

百合叩きはともかく、やおい(腐女子)叩きは女性差別正当化するために「腐女子どもがセクシャルマイノリティ差別してる!」としてセクシャルマイノリティを利用する陰謀であり、トランスカルトルーツだけどな。

ただしそれはそれとしてやはりセクシャルマイノリティ人間動物園のごとく見世物扱いで楽しむ性的搾取から差別差別なんだが、登場するだけマシだから欧米より進歩的だとかい屁理屈を後押しする事にしかならんのだわ、欧米基準文化の異なる日本に無理やり当てはめたりしたら。

https://togetter.com/li/766518

てか、このまとめ自体がもう、原文にはないポリコレ叩きを無理やりくっつけたと指摘されてるんだが、

それを指摘してるのが今TRAやってる人というね。

ポリコレ叩きとポリコレゴリ押しはやはり表裏一体なんじゃないかという陰謀論を抑えきれないね。俺の脳内で。

欧米流のポリコレ文化の異なる日本にそのまま当てはめようとする偽善者リベサヨがまず怪しいうえに、

そういう偽善者リベサヨにとって都合のいい「欧米スタイル差別主義者」が、ポリコレ話題になった時だけ突然、どこからともなく、欧米とは文化が異なる日本に、急に大量発生するのが、ほんと怪しい。

俺以外みんな見逃してるけど、俺様けが特別に鋭くて頭いいのではなく、他の奴らが見事に目眩ましされて騙されてるだけなんだわ。

ポリコレゴリ押しするほうも、ポリコレに反発して叩くオタクも、どちらもなんだか日本人じゃないみたいに見えるんだよ。

どちらもセンス欧米なの。

欧米人どうしがやりあってるのを日本語に翻訳たかのような不自然な感じしかしない。

ポリコレ陰謀  俺でなきゃ見逃しちゃう

そもそも日本オタクコンテンツでは昔からセクシャルマイノリティキャラが「いて当たり前」どころか「いなくてはならない存在」だったのを知ってるくせにスットボケる偽善者リベサヨって何なの?

正体バレないとでも思ってるの?

だいたいなぜ、ポリコレ話題になった時だけ急に「アニメ漫画セクシャルマイノリティが登場するのを嫌がるオタク」などという偽善者リベサヨ白人脳内しか存在しない架空の生き物が大量発生するの?

自作自演なんじゃないの?

日本オタクコンテンツにおけるセクシャルマイノリティキャラの扱いも差別的だという批判ならわかる。

しか日本にはセクシャルマイノリティ存在自体を嫌がるオタクなんてものは「存在しない」のだよ。

セクシャルマイノリティ自体を忌み嫌うのは、キリスト教イスラム教文化の基礎になっている欧米のみ。

欧米キリスト教文化圏におけるセクシャルマイノリティの扱いをそのまま文化宗教の異なる日本直輸入しようとするからこういうズレが生まれるんだよ。

日本オタクコンテンツセクシャルマイノリティキャラが不可欠の存在として出てくるからといって「日本にはセクシャルマイノリティ差別存在しない」という事にはならない。

日本欧米では差別スタイルが違うのだよ。

日本ではそんなふうに面白キャラとして扱って性的搾取する差別スタイル

欧米イスラム圏では存在することすら許さない、捕まえて死刑にしなければならない、という差別スタイル

どっちがマシとかじゃない。

差別スタイルが異なる日本欧米流のやりかたを押し付けるなと言ってるんだよ。

逆に言うと、キモヲタどもが「日本では昔からセクシャルマイノリティキャラが登場するから日本の方が欧米より進歩的」などとイキり散らすのを後押しするんだよ、それじゃ。

存在すら認めてなかった欧米よりも、差別的な扱いだろうとなんだろうと「存在し登場するのが当たり前」だった日本の方がマシって事になるからな。

言うまでもないが女性差別でも全く同じ事が言えるんだよ。

https://togetter.com/li/766518

セクシャルマイノリティ」をまんま「女性」に入れ替えても同じ事が言える。

何年も前から言ってるけどこのベクデルテストかいうの、日本萌え豚キモヲタコンテンツなら全て「合格」するうえに、

それどころか萌え豚コンテンツでは逆に男がいっさい登場しなかったり、出てきても一言も喋らなかったりするんだが。

ならばそれをもって「日本萌え豚コンテンツポリコレ的に正しい進歩的コンテンツである」と言えるのかというと、言えないだろ。

女ばかり登場するったって、「美少女動物園」と揶揄されるだけあって、ペットを愛でる視線であり、人間扱いしてないわけだからな。

前回のセクシャルマイノリティの扱い、百合とかやおいも、それ。

百合叩きはともかく、やおい(腐女子)叩きは女性差別正当化するために「腐女子どもがセクシャルマイノリティ差別してる!」としてセクシャルマイノリティを利用する陰謀であり、トランスカルトルーツだけどな。

ただしそれはそれとしてやはりセクシャルマイノリティ人間動物園のごとく見世物扱いで楽しむ性的搾取から差別差別なんだが、登場するだけマシだから欧米より進歩的だとかい屁理屈を後押しする事にしかならんのだわ、欧米基準文化の異なる日本に無理やり当てはめたりしたら。

https://togetter.com/li/766518

てか、このまとめ自体がもう、原文にはないポリコレ叩きを無理やりくっつけたと指摘されてるんだが、

それを指摘してるのが今TRAやってる人というね。

ポリコレ叩きとポリコレゴリ押しはやはり表裏一体なんじゃないかという陰謀論を抑えきれないね。俺の脳内で。

欧米流のポリコレ文化の異なる日本にそのまま当てはめようとする偽善者リベサヨがまず怪しいうえに、

そういう偽善者リベサヨにとって都合のいい「欧米スタイル差別主義者」が、ポリコレ話題になった時だけ突然、どこからともなく、欧米とは文化が異なる日本に、急に大量発生するのが、ほんと怪しい。

俺以外みんな見逃してるけど、俺様けが特別に鋭くて頭いいのではなく、他の奴らが見事に目眩ましされて騙されてるだけなんだわ。

ポリコレゴリ押しするほうも、ポリコレに反発して叩くオタクも、どちらもなんだか日本人じゃないみたいに見えるんだよ。

どちらもセンス欧米なの。

欧米人どうしがやりあってるのを日本語に翻訳たかのような不自然な感じしかしない。

「配属ガチャ」という言葉に対する反応

マイナビ就活生に行った「配属ガチャ」に関する意識調査で、希望しない職種や勤務地などへの配属に、調査に応じた就活生の半数以上が不安を抱えているという記事が出た

それなりに体力がある企業採用した人材の配属希望を聞き取った上で経歴や資格、適性検査などの結果を吟味して配属先を決定しているのだが、そうでない企業も多いのも事実である

かつては「家を買うまでは希望職種や勤務地へ、家を買ったら希望街の職種や遠隔地へ転勤や単身赴任を」などというやり口で人材の分配をする企業すらあった

そんな話を聞けば「配属ガチャ」という言葉が生み出されるのにも納得がいく

とかく「親ガチャ」や「隣人ガチャ」、「上司ガチャ」と、本人ではどうともできない現実に対し、責任他者転嫁嘲笑して諦観するような風潮が市民権を得てしまった

しかし、今までもさまざまな格差現代社会の生きづらさを言葉遊びをとおして現実逃避する手法年代を問わずあったわけで、「○○ガチャ」という言葉必要以上に反応してしまうのは「ガチャ」風潮についていくことを諦めた中年以上の世代努力不足なのかもしれない

そしてその最たるものTwitterで見かけた「配属ガチャというが、こちらも新入社員ガチャだ」という経営者ツイートである

一見、論拠がしっかりしている反論のように見えてしまうが、配属という受動的な事象に対して、採用という能動的な行為をぶつけるという、話の噛み合ってなさが如実に現れた独り相撲目眩すら覚える

さらにいえば、採用試験時には志望者は実にさまざまな書類を提出し、何度も面接を繰り返し採用側に丁寧に吟味される

そこで人となりを完璧に見抜けなどとはいわないが、志望者側にそれほどの労力を課して採用側もリソースを割いて判断したのだから、「新入社員ガチャ」という意見は「俺らまじ見る目ないから」という自白のもので、反論としては不適格だろう

採用試験は嘘の吐き合いと揶揄されることもある

志望者が嘘をつき自分下駄を履かせ、採用側はその嘘を見破り人間性を問う戦いとのことだ

なんだこの無間地獄

就活生も企業もアホだろ

双方ともに謙虚さを失って、「売り手市場」「買い手市場」などと主導権争いをするからここまで劣化したんだろ

配属ガチャが嫌なら起業しろ

新入社員ガチャが嫌なら経験者の中途採用だけにしろ

それぞれ過大な条件をお互いに突きつけあって陰で文句をいうとか、生産性がないことをいつまで続けるんだよ

と、明日の午前中に新卒採用試験を控えるストレスフルな採用担当者の憂鬱な心情でした

2022-08-28

スプラトゥーン3が始まってしまって憂鬱

スプラトゥーン3の前夜祭が始まってしまった。

世間的にはお祭りなんだろうが俺にとっては地獄しかない。

俺は極度の3D酔い持ちなのでスプラトゥーンが遊べない。1のころから何度も挑戦してるが開始3分目眩吐き気がするレベル。識者に教えてもらって色々設定をいじったりしたが改善されることはなかった。

そもそもプラに限らずカメラが回転するタイプゲームはほぼ100%酔う。モンハンはもちろん3Dマリオゼルダも無理だ。

まあそれだけなら自分が遊ばないってだけで全然いいんだけど、なんかスプラトゥーンゲーム好きの周囲のやつらもSNSフォロワーもみんなやってるし薦めてくる。なんか「やってないやつは人生損してる」レベルで驚かれる。

話題もスプラ一色になっていくし、普段見てる実況者もみんなスプラしかしなくなるので見れなくなる。

こういうこと言うと「こうするとおススメ」とか「みんなやってるわけじゃない」とかくるけど、まあ個人的地獄なのでそういうのはいいよ。

別にみんな楽しんでくれたらいいんだけど、またスプラ2のときみたいな地獄の日々がはじまるなあと憂鬱になるだけ。

完全に恨み節だけど、任天堂はスプラなんて世に出してほしくなかったなあって思う。

こんなこと増田しか書けないけどね。

2022-08-26

anond:20220826122037

これ、ただの統一教会ニュース目眩しに使われてるだけで、岸田も全然やる気ないで

2022-08-25

anond:20220825105301

そんなの、揚水発電の方が遙かに効率良いだろ。

重力発電は、馬鹿投資家のための目眩まし、かつ水の無い地域向けだぞ。

馬鹿投資家自然エネルギー派、コストとかエネルギー効率考えずにすぐに重力発電とかマイクロ水力発電とか言い出すから

足し算できないんじゃないかと思ってる。

2022-08-17

最近あんきも(Unlucky Morpheus)についていけない

Unlucky Morpheusというメタルバンドがある。私は中学生の頃からファンだ。

昔は東方アレンジを作っていた。作風メロスピで、この頃が1番好きだった。

2014年からオリジナルを作り始めた。この頃もまだメロスピだった。

2020年頃、ほぼ完全にオリジナルに移行し、アルバム「Unfinished」を出した。

この頃からメロスピというより、普通メロディックメタルになっていった。

私は少し心にもやを感じつつも、まだあんきも音楽を楽しんでいた。

2022年、「evolution」というアルバムを出したのだが、これが私の求めているあんきもとは違うものだった。

具体的には、「evolution」は今までと違いライト層向けで

メロスピ曲の「"M" Anthem」と「Serene Evil」、「"M" Revolution」以外は

アマリリス」…あんきも曲と言うよりFuki氏のソロプロジェクトの曲。歌い方が軽すぎる。

「誰が為に」「The Black Death Mansion Murders」…普通メロディックメタル

夢幻」…メタルバラード最後に来るのはスッキリしない。

「Welcome to Valhalla」…今までのあんきもからは信じられないほどの遅い曲。最初聞いた時目眩がした。

といった具合で、「うおおおお!!暴れてえ!!!!!」という私にはあまりにも、あまりにも物足りないアルバムだったのである

…話は変わるが、少し前にあんきも界隈でこんな話があった。

名古屋ライブであるファンライブ中に、アコースティックパートで「アコースティックなんて需要ない」

とぼやいたそうだ。

あんきもライブアコースティックアレンジパートをやるバンドで、これも私にとっては「いらねえ」ものである

(もちろん、ライブ中にぼやくのはマナー違反であり、心の中に留めておくものである)

しかし、Twitterでの炎上とは裏腹に共感している私が居た。前述の通りの「暴れたい私」である

この「暴れたい私の求めるあんきも像」は、メロスピを奏で、アコースティックなどせず、最初からevolution」のようなアルバムは出さないと思っている。

もうお分かりであろう。私はあんきも的には「老害」「めんどくさいオタク」「解釈違いを訴えるオタクなのだ

まり界隈の足を引っ張る存在である。なんと迷惑で、嫌な奴だろうか。

結論を言えば、私はここから離れるべきなのだ

CD封印し、SNS自衛をし、目に入れぬ努力をし、二度と戻らない方がいいのかもしれない。

しかし「暴れたい私」が期待してしまうのだ。かつてのあんきもを。

ああ、めんどくさいファンだこと。

ポリコレ金持ち陰謀

鬱陶しいフェミニスト自己中なBLM、そんなポリコレは全て金持ち目眩ましなんです。本質的問題は富の偏在、経済的格差社会階級固定化、こういったところにあるのです。そこから目を背けさせるためにジェンダーがどうの人種がどうのといった取るに足らない問題大事にさせているのです。頭の悪い人達簡単洗脳されるのでこういった取るに足らない問題に熱を出してしまうのです。本当の敵は金持ちです。金持ちを焼くしかないのです。ポリコレ金持ち陰謀なのです。まだ分からないんですか。

2022-08-03

みんな難しく考えすぎなのではないか

政教分離とか、信仰自由とか、ポスター貼りをしてもらったかどうかとか、そういう問題ではないでしょ。

ジャパンライフと同じだって

詐欺野郎はアウト。

詐欺片棒担いだやつもアウト。それだけ。

それ以外のことを言い出したら、それはご飯論法目眩し。

あれ、ジャパンライフの件もまだうやむやなままなんだっけ?

2022-07-16

anond:20220715151420

ブコメを読んだら「そんなクソみてえな理由で人を嫌えるんだ馬鹿じゃねえの」的なコメント結構来てて悲しい

自分はコレ嫌いって表明したら叩きコメ来て悲しい…って言い出すあたりすげえバカだな。

「そんなクソみてえな理由で」が都合よく見えなくなってんの何なの?

すげえバカは、こいつじゃん。

糖質入ってるわ。」

医師免許もないしょうもないにわかのお医者様気取りが、他人を診断してて目眩がしてきた。

ちょっとキツイ言い方になるとエクスキューズすれば何を言ってもいいことにはならない。

冗談ですよ? ネタですよ? 本気で受け取らないでくださいね? って体裁にして言いたい放題する邪悪なやり方は其処彼処で横行している。文句を言われたら「低知能だ」と返せるわけだ。

——…バレてないと思ってんなら頭が悪いのは、こいつの方だろ。

「他のキャラカモフラージュキラについて理詰めで批判されてキレたんだろうなこいつ。」

医者様の不養生に、呆れすぎて逆に笑えてきちゃった。

こんな風に大嫌い、って言っちゃってもドリフターズの7巻が出ればめっちゃ面白い流石ヒラコー!って掌返し平野先生の事を持ち上げてるんだろうなあ…

こういう部分も見落としている。誰かが言っていた。

言ったことを素直に受け止めるタイプ、頭の悪いやつはヒラコーさんと相性が悪いそうだ。

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