はてなキーワード: 鳴かず飛ばずとは
私は以前、ガイナックスというアニメ会社を起業し、社長をしていました。アニメを作るたびに赤字になり、それを救ってくれたのがパソコン用のエロゲーム開発でした。最初に作ったのは『電脳学園』。クイズに正解すると美少女が脱ぐという内容です。よく売れて会社を経済的に救い、同時に私たちはエロであろうともゲーム作りの楽しさを知りました。シリーズ3作目の『電脳学園Ⅲ』では、自社の人気アニメ『トップをねらえ!』のキャラクターを脱がせました。実際のアニメ監督がゲームの監督もしたので、絵は非常に高レベルで評判も高かったのです。ログイン前の続きそのエロゲームの監督こそ、庵野秀明さん。いまや『新世紀エヴァンゲリオン』や『シン・ゴジラ』で世界的に有名な大監督です。私も庵野監督も、エロゲームを作ったことを恥ずかしいと思ったことも、隠したこともありません。その後の活動に支障をきたしたこともありません。というわけで、経験者としては、息子さんの説明も「一理ある」と思います。
同時に、あなたの「息子には人を傷つけるもの、子どもに見せられないものを仕事にしてほしくない」という価値観にも「一理ある」と思います。だから「そんな仕事に加担したくないから、残りの学費や生活費を出さない」のもしかたないでしょう。正直な話、18禁ゲームに関わってる程度で「海外に留学」というのはなんでやねん?と思っている私もいます。
この理由で学費援助をやめても、あなたの望む効果はありませんよ。
アニメ業界では学歴はあまり関係ありません。現に、僕も庵野監督も、大学中退です。
なので大学を辞めたとしても将来、息子が大成功して庵野監督のようにメジャーになるかもしれません。
鳴かず飛ばずのままかもしれませんが、それはしょせん、本人の才能と、やる気と、運次第です。
ただし、どっちにしても
息子は、あなたが自分のやりたいことを認めず学費を止めたことで、非常に傷つき、あなたを恨むでしょう。
おまけに学歴は関係ない業界だから、息子は自分の望む世界に行く可能性は高いです。
まずは話し合いですよね。「あなたにあきらめられない夢があるのと同じに、母には譲れない信念がある」と。どちらも正義はなく、単なる好み・ポリシーのすり合わせと割り切って、話し合ってみてください。
何かと白眼視されがちな仮想通貨取引だが、むしろ俺は今こそ仮想通貨取引を始めるべきだと思う。
この流れには乗っておくべきだ。
乗らなくても後悔はしないが、乗っておくといろいろといいことがあるから。
とりあえず、俺が仮想通貨取引をおすすめする理由を読んでみてくれ。
国内利用者がもっとも多いコインチェックという取引所の場合、アプリで認証して取引可能状態になるまでおよそ1週間。これは早い。まぁ仮想通貨取引になれるとこれでもクッソ遅いと感じるのだが、とりあえず株式投資などに比べると最初のハードルは劇的に低い。
しかも、数千円レベルから始められる。数百円レベルでも行けたかもしれない。詳細は忘れたが。
おまけに、面倒な勤め先情報の入力だとかあれやこれやおすすめされたりというわずらわしさがない。
株式取引が楽天で仮装通貨取引はamazonみたいなイメージだ。
とにかく手軽に、あっという間に取引を始められる。
仮想通貨はレバレッジをかける必要はほぼないので、破産におびえる心配もない。
万人にお勧めできる手軽さだ。
…と、このように書くと非難がすごそうだが、まぁ落ち着いてもう少し読んでくれ。
初心者の投資への心理的ハードルの高さというのは、「なんだかややこしそう」というイメージによるところが大きい。というかこれが全てだ。
チャートを読みとかなくてはいけないらしいし、ややこしい専門用語が飛び交うし。
ともすれば、「投資というのは一部の選ばれた人がやるものだ」と思ってしまいがちだ。
やたら上から目線で煽るやつとかも多いしな。
でも大丈夫だ。投資を始めればわかることだが、大体のやつは大してわかっていない。もちろん俺を含めて。君も含めて。
大してわかってないやつらが一生懸命それっぽく、自分の判断に理屈を付けようと頑張って語っているのが9割で、残りのごく一部ははそんな表に出てこないことが分かるだろう。
コインチェックのチャット画面とかもうびっくりするぞ。動物園かよ。
つまり、そんな「大してわかってないやつらがドヤ顔で投資理論を披露する」のに踊らされて、心理的ハードルを勝手にあげていたのだと理解できる。実に下らん。しかし、それが下らんことだとわかることは重要だ。
株式投資やFXはなかなか手軽に始められないので心理的ハードルはさらに上がる。
しかし仮想通貨は心理的ハードルが極限まで低く抑えられている。だからこそ、投資界隈特有のこけおどしにも早く慣れることができるだろう。
これを学んでおくと、今後の人生で無意味に心理的ハードルを感じる機会が減るだろう。
もちろん、株式投資に比べて仮想通貨取引は赤ちゃん状態なので、そこにいる人のレベルは非常に低い。だが、株式投資が特別に高尚なんてことはない。あくまでもほんの少しだけレベルが高いだけであって、そこにいる人たちは大して頭もよくないし、優れた投資家だなんてことはない。大体頭は悪い。俺も君も同じく。
そして、ゴミのような煽りと暴騰暴落、投資界隈のあらゆるトラブルを手早く体験するのだ。
2017年と違い、2018年の仮想通貨は実需ベースになるだろうとされている。
つまり、ビットコインのように「何に使われるかわかんねぇけどとりあえず持っておけ」という文字通りの仮想通貨から、「ブロックチェーン技術を使ってこういうことをしたいから投資してくれ」という具体的なビジョンのある暗号通貨へとトレンドが変化していく。
つまり、「とりあえず上がりそうな通貨を買う」という投機でなく、「このプロジェクトを応援したいから通貨を保有しておく」という投資に切り替わるだろうということだ。
まぁ、それでも十二分に投機的ではあるが。
多くの人の仮想通貨へのイメージは「何に使われるかわかんねぇけど」式のやつだろう。
しかしもうすでに一部のサービスは展開されていて、2018年上旬には暗号通貨を使った実際のプロダクトが登場してくる。この流れは今後も続くだろう。
そこで、投資をする際に「自分が応援したい銘柄は何か」「今後成長が期待できるプロジェクトは」と能動的に選ぶ楽しみが生まれる。
しかも、対象はブロックチェーンという未知の領域だ。すでにある程度固まっているマーケットでなく、ポンポンと新技術と詐欺通貨が出てくる玉石混交のマーケットである。
そして、「これは革新的だ!」と確信した銘柄が鳴かず飛ばずで、よく考えたら大したことない技術だった…みたいな投資によくあるミスもするだろう。そういうのを体験しておくのもいいことだ。
ただ、そんなゴミの山からごく少数の本物が生き残る可能性は十二分にある。
ITバブルで生き残ったやつらが今世界を牛耳ってるように、暗号通貨バブルで生き残った本物が今後の未来を決めるかもしれない。
仮想通貨取引では頻繁にICO(これから投資を募るぜ!というイベント)が起きるので、そこで「この通貨は来るんじゃないか?」とか予想するのは楽しい。
そして、明らかな詐欺銘柄に「期待しています!」と笑顔で突っ込んでいく人たちの姿を見て、また君は一つ成長を遂げるはずだ。それは鏡に映った自分かもしれんが。
はてブといえば英語勉強法。また今年も英語勉強法の記事が1000、2000ブクマを集め、実際にそれを実践するやつはほとんどいないという光景が繰り広げられるだろう。
海外で仕事したい?国内にいる外国人とコミュニケーションをとりたい?英語喋れた方がかっこいい?
はっきり言うが、必要に迫られないと英語は上達しない。そもそも日常で必要なシーンがないのなら、情熱は続かない。
ところが仮想通貨取引を始めると、英語が絶対に必要になってくる。どこもかしこも英語だ。英語しかねぇ。
日本語で得られる情報といえば、イケハヤだの与沢だの、もう絶望的なインフルエンサー(笑)しかいない。絶望的過ぎて髪の毛が抜け落ち、体重が増える勢いだ。
それにしても日本の仮想通貨界隈は本当にクソだよな。なんでまともな起業家がおらんのよ。OmiseGoの人とか日本すっ飛ばして東南アジアで始めちゃったじゃねーか。
海外だとまとも(そうな)人が結構いて、ちゃんと開発者集めたりまともな企業と提携したりめっちゃ動いてるのに、こっちはガクトだぜ。泣けるだろ。
だからこそ英語が必要になる。日本語はやめておけ。まぁ、煽られて踊らされて筋肉コインとか買っちゃうのも経験の一つかもしれんが。
仮想通貨取引は、テレグラムなどの各コミュニティが大きな役割を持っていて、自分が保有し応援する通貨のチャンネルに所属して情報を収集するのが一般的だ。
で、その場は当然すべてが英語で書かれるので、まともな投資をしようとするなら最低限英語を読み取る能力が必要で、さらに自発的に質問できたりするとより情報を得られる。
前述のように、仮想通貨取引をやる奴は全世界的に頭がよろしくない連中なので、英語でしゃべってるけど中身は俺らと大して変わらないと思えば、ゴミのような英語力でも質問してみようという気になる。「お前ひどい英語だな」とか言われながらもなんとか意思疎通が図れる。あとはまぁ、どのコミュニティに所属しても結局のところ「金の話」しかしてないわけなので、必然的に会話内容は限定される。だからこそ会話しやすい。「今何サトシ?」「500サトシ」このくらいの会話(?)でも、できたらちょっと嬉しいもんだからな。
投資を始めると、大体の人は気になって毎日チャートを見て、コミュニティの会話を見ることになる。
そこで英語を強制的に使うリズムが生まれるので、英語を勉強するモチベーションは上がる。
それに、俺は多読とかもう本当にやってられなかったからな。何が悲しくて興味のない童話やら小説やらを読まにゃならんのだ。それよりホワイトペーパーだとかサトシの行方について激論してる方がよっぽど楽で実践的だからな。
レバレッジはやめておけ。あと生活費を入れるのはやめろ。儲けが出ちまったら税金分は確保しておけ。
投資する対象を探して、調べて、買って、コミュニティに参加して、盛り上がるという経験はなかなか面白い。自分が投資に向いているかどうかもすぐにわかるだろう。
ハッキングされて自分の通貨を全部失うというマヌケでレアな体験もできるかもしれない。
儲かった成功体験に囚われて大損することもあるだろう。
最悪の(そして面白い)シナリオとしては、今度のG20で規制が本格化して阿鼻叫喚、って渦中にいられるかもしれないしな。
数千円~数万円の単位で、失う金と決めて始めるといいと思う。
手軽に始められるということは、それだけいろんなものがザルだということだ。ここは肝に銘じてほしい。本当にザルだからな。
ひと通りやらかすまではお金追加しないほうがいいぞ。
※※この増田はただの自分語りです。この先生きのこるにはとかそういうのを真剣に話してるわけではないです※※
昨日のニコニコ動画(く)の発表会はまさに「良くなかった」。
仕事を持ち帰って家で発表会を楽しみにしていたが、発表終了後は結局なにも手につかなくなってしまった。虚無になって飯食って風呂に入って寝た。
一晩寝て若干落ち着いてきたので、いろいろ書いておく。
実は俺はまだニコニコ動画が好きだ。静画も好きだしニコ生も好きだし大百科も好きだ。
"おもしろFlash"を漁っていた時からアマチュアの作曲家みたいなのにハマりつつあって、muzieのランキングを眺めてたりしていた。
たくさんのユーザーが毎日動画を上げていた。有名Pが曲を上げるとmuzieの再生カウンターとは別次元のスピードで再生数が増えていくのを目の当たりにした。
MADもたくさん見た。ドナルドと兄貴は特に好んで見ていた♂。
そのうち自分も見る側でなく作る側になりたいと思うようになった。
初音ミク、MAD、.*ってみた、様々な動画を上げた。その過程で様々な技能を得た。
動画エンコードのコツやDAW/シーケンサの使い方はもちろん、カメラのライティングからフォトレタッチとかも独学で学んだ。相対音感も得たし若干の絶対フォント感も得た。秋葉原でパーツを買い漁って自作PCを作ったし、ヘッドホンアンプを設計してハンダ付けして、PCから出る音が良くなった。思えばCUIを使えるようになったのもこの時で、いつの間にか自宅サーバが建った。でもせっかく買った電子ピアノは結局弾けるようにはならなかったw
多くの動画が鳴かず飛ばずの3桁再生止まりだったが、1回だけ1万再生を越えた。ランキングに載った。数百のコメントが流れた。「うp主すごいなwwww」と流れた。ついに私も、「うp主」になったのだ!
当時ほど暇ではなくなってしまったが、それでも今もVOCALOID曲を漁るし、MADも見る。自分のうpした最新のミク曲はまた3桁で止まってしまったw
今もニコニコ動画がyoutubeと比較して優れているのは、もちろん動画の上にコメントが流れるとかもあるが、タグ検索(「前衛的けものフレンズ」をyoutubeで検索できるか?)、そして投稿者と視聴者の隔たりの少なさだ。気になるジャンルの動画を探して「自分もこれを作る側になりたい!」と思えるのは未だにニコニコ動画の方ではないか? 逆に劣っているのは…言うまでもないが通信インフラだ(とはいえHTML5導入前辺りと比べればエコノミーモードの画質に関してはかなり改善したといっていいと思う)。
俺はRC2がSP1になった直後辺りに会員登録したようなネット新参なので、ニコニコがyoutubeの動画をそのまま流してたような時とか、もっというとmixiが日本一のSNSだった時とか個人サイトでMIDIがアップロードされてた時とか、そういう時代を伝聞でしか知らないので古参の方々はまた別の意見があるかもしれない。
でも俺はまだニコニコ動画が好きだ。
全ての人間は創作欲を持って生まれてきた(クリプトン伊藤社長の言葉ですが)。その創作欲を刺激してくれたニコニコ動画には本当に感謝している。ニコニコ動画には、まだまだこれからも俺が好きでいられるようなニコニコ動画であってほしい。頼む~~~
推しはとある男子アイドルグループに所属していた。デビューしてからもう数年。所属グループの売り上げは鳴かず飛ばず。正直、人気とは言い難い。むしろ全くと言って良いほど売れてない。この何年かなんてほぼ休止状態に近かったくらい。毎月スケジュールは更新されるけど、それも真っ白。昔からのファンなんて今はもうほぼいない。いるのはタイとかベトナムとか、その辺の海外ファンだけ。自国のファンは皆無といっていい。
活動しなくなってすぐに、メンバーの脱退もあった。辞めてから麻薬でしょっぴかれたメンバーもいた。オタクとメンバーが繋がってたことがそのオタク本人にバラされる、なんて不祥事もあった。なんとも絵に描いたような三流アイドルだけど、それでも私はそのグループと、推しのことが大好きだった。初めて推しに出会った時の感動は今でも忘れられない。
推しは元々ちょっと変わった子だった。芸術肌というか、個性的というか。お姉ちゃんがいるせいか、男の子っぽくない、ちょっと女の子っぽいところもあった。絵を描くのが好きで、ダンスが好き。でも可愛らしい見た目とは逆にゴツゴツしたアクセサリーが好きだったりとか、服も小物も黒ずくめかと思えばやたら極彩色の柄ものをチョイスしてみたりとか。好きなアーティストや映画もちょっと同年代の男の子からはズレてて、いわゆるサブカル男子っぽい感じだった。
でもステージに立っているときはどこまでもキラキラのアイドルで、ファン思いでメンバー思いで、明るくて甘ったれで、なのに時々ハッとするくらい儚くて、綺麗で、かと思うと地方出身だから男らしいところもあって、方言もサバサバしてて、笑い声がうるさくて、年上のメンバーにべったりしたり、年下のメンバーを溺愛してたりして、でも同い年の子にはツンケンしたりすることもあって、そういう色んなとそろのギャップと、どっか不安定で危なっかしいところが好きだった。
グループとしての活動が目に見えて減り、歌を出すこともなくなり、前述のあれやこれやが続いたある日だった。推しがSNSを始めた。推しバレ覚悟で書くけど、ツイッターのプロフィールには一言、paradise。インスタにはbutterfly。こりゃ拗らせてんなあと笑った。
もちろん、投稿内容もお察しである。ツイートはポエムと呼んで差し支えない感じだし、インスタの写真はモノクロか彩度MAXフィルター5枚重ねみたいなのばっかり。公式でファンクラブ名があるのにも関わらず、なぜか自分のファンのことをbutterflyと呼び始めたのも面白かった。私も自分のことbutterflyですって名乗ってた。この辺りまではまだ、推しの行動をそれっぽいなあって笑いながら見れていた。
でも、そういう不思議な行動にだんだんと違和感を覚えるようになった。最初にあれ?と思ったのはツイッターで生配信を始めたあたりだった。初めは推しだけがずっと見れるなんて!と思って喜んで見てたけど、見てるうちに初めは小さかったその違和感がどんどんハッキリしていった。
こんな喋り方する子だったっけ。
こんなこと言う子だったっけ。
そんなことがちょっとずつ増えていった。でもカバー動画とかダンス動画みたいなのも出してたから、歌やダンスが嫌になったわけじゃなさそうだし、それくらいは好きにしたらいいよ、と思っていた。
そうしたら少し目を離した隙にものすごい長髪になってた。ろ、ロン毛ブームなのかな?と思って見守っていたら、とうとう首の後ろにタトゥーを入れたらしい写メを上げてきた。ファッションタトゥーで済まないような、毒々しくて大きいやつ。親が泣くからタトゥーはしないって言ってたのに。この辺りから、いよいよちょっと変なんじゃないかと思い始めた。
元々そういうところのある子ではあったけど、歯止めがきかなくなったように思えたというか、これは明らかにおかしいなと思うほどになっていった。ファッションで済まないようなタトゥーもそうだし、生配信で虚ろな目で1時間近く、淡々と猟奇殺人事件の話したりとか、事務所の後輩とあんまり仲良くない、好きじゃない、と吐き捨てるように言ったりとか、あとはそこにコメントしてくるファンにマジギレして配信ぶち切ったこともあった。その時は本当にショックだった。今までの推しなら絶対やらなかったようなことだった。ファンにはとろけるような甘いことしか言わないし、怒ってもメッ!て感じだったし、心配だから言うんだよって言ってくれるような子だったから。
そういえばマネキンの生首に名前つけて友達って紹介してたこともあった。怖くて名前は忘れたけど、もうなんかその頃にはなんにも笑えなくなってた。
何かがおかしいって、ズレてきてるって思った。もう止められないところまできてるなって。推しがものすごい勢いで暗い方へ転がり落ちていくのがわかった。でも私たちには、そしてメンバーや事務所にも、多分どうしようもなかった。
そしてある日、決定的な事件が起きた。
外出先からの配信だった。もう明らかに様子がおかしかった。泣きながら「死にたい」って言ったり、道路を背景にして、笑いながらどの車に飛び込もうかなって選び始めたり、泣いてたかと思ったら狂ったように笑い出したり、ものすごく情緒不安定だった。見ていられなくって携帯の電源ごと切った。そして、もうダメだって思った。きっとこの子はもう限界なんだろうって。薄々感じてたことが、確信に変わった瞬間だった。
そこからしばらくして、インスタに投稿があった。今見たら消えてたから正確には思い出せないけど、「皆さん心配かけてすみませんでした。僕は今、治療を受けています」と、そんなようなことが落ち着いた文章で書いてあった。
涙が溢れた。病院に行くほど酷かったんだという思いと、ちゃんと治療を受けてるんだという安心と、推しが心を病んでしまうほど辛いことがあったんだって現実とで、泣いた。もちろん幻滅したわけじゃないけど、ただただ辛かったし、これまでのいわば奇行みたいなものにきちんと理由があったんだってわかってホッとした部分もあった。
そこからは辛くて、怖くて、推しの動向を確認するのをやめた。ただ、久々に配信を見た時に自分がAセクシュアルであることを明かしたのにはちょっとびっくりした。けど、それに関してはなんとも思わなかった。人それぞれだし。ただ個人的にはバイなのかなぁと思っていたので真逆でびっくりしたくらい。つくづく現代を生きづらそうな子だなぁ、とだけは思った。
そこからは一時期より落ち着いた、まあ拗らせてるな、くらいの更新が続いた。事務所の指示なのか本当に安定してたのかはわからないけど、表面上は元気そうだった。実家にも帰ってるみたいだったし、家族は変わらず仲良さそうだし、仲のいい友達とも遊んでいるみたいだし、それで安心していた。
何だろうと思って、でも本当は読む前から何となくわかっていた。不思議と落ち着いた気持ちだった。
そこにはいろんなことが書いてあった。最初にメンバーが脱退したときすごく辛かったこと、笑って見送らなきゃと思ったけど本当は心が引きちぎれるくらい辛かったってこと、ずっとそばにいるって約束したファンのみんなに申し訳ないって、約束を守れなくてごめんなさいという言葉が何度も出てきた。今まですごく辛かった、たくさん泣いた、というくだりで、とうとう耐えきれずにわあわあ泣いてしまった。
最初に辞めたメンバーは推しとすごく仲が良くて、本当のお兄ちゃんみたいに懐いていたから、当時はものすごく心配していた。案の定あの子はあの時それを抱えきれなかったのだと思うと、そして珍しくぽつぽつと囁くように語られたあの子のセクシャルも、きっと長年抱えていた大きな悩みや痛みのもとであったのだろうと思うと、推しの味わったであろう途方もない悲しみと痛みに涙が止まらなくなった。胸が苦しくなった。そんな中、気丈に頑張っていたのだろう推しの、アイドルとして見た最後の笑顔が頭をよぎった。これまで話した色んなことを思い出した。
推しや推しのいたグループのメンバーと、そこのファンは最早友達か近所のお兄ちゃんかみたいな距離感だったので、私も推しとはとてもファンとアイドルがしないような話をたくさんした。学校休んでサイン会に行ったりしてたまに叱られることもあったけど、もう本当にしょうがないんだからって笑ってくれた。そして必ず手を握って目を合わせながら、いつもありがとうね、って笑ってくれた。手の骨が折れた時もギプスでガチガチに固めた手で踊りまくってサイン書いて、痛くないよって笑うような子だった。チョコレートが好きで、渡すとその場ですぐに食べちゃう子だった。あげた手紙をちゃんと読んで、次に会った時にその話をしてくれる子だった。誕生日も先にお祝いしてくれた。そんなことを次々と思い出した。
推しが弱かったと言われればそれまでだ。アイドルに向いてなかったと言われればそのとおりだと思うし、甘えだと言われればそうかもしれない。同じような経験をしたって、もっと辛いことがあったって、立派にアイドルしている子なんて大勢いる。
でも、私の推しは耐えられなかった。そしてアイドルを辞めた。それが全てだ。
周りに推しや推しのグループを好きな人が皆無だったので、この気持ちを分かち合える人がいないのが辛い。でも、推しの方が多分もっと辛いし、辛かったはずだ。
辛かったよね。しんどかったよね。嫌なこと、苦しいこと、悲しいこと、傷ついたこと、たくさんたくさんあったよね。大丈夫だよ。そんなに気に病まなくていいよ。私は辛くないよ。あなたが辛かった時に笑いながら「辛くない」と言ってくれたように、今度はこっちが言うから。大丈夫、ちゃんと笑ってお別れできるから。大丈夫。だからもう休んで良いよ。辛い時は辛いって言って、たくさん周りに甘えていいよ。
だけどお願い、これだけは守ってほしい。頼むからもう二度と死にたいなんて言わないで。自分から死のうとなんてしないで。あなたが死んだら悲しむ人が、あなたの思ってるよりたくさん、たくさんいるから。
本当に、本当に、今までたくさん頑張ってくれてありがとう。思い出をありがとう。私の十代の終わりと、二十代の初めにあなたがいてくれたことが、何よりも幸せだった。誰よりもキラキラしたアイドルだったあなたのをことを、わたしはずっと忘れません。ありがとう。ずっとずっと、大好きです。
半生を振り返ると上司、社長、先輩経営者、出世していった友人など、俺に一目置いてくれた人達の誘いをやんわりとスルーし続けてきた、理由はやる気がなかったからとか面倒だったとかやりたいことじゃなかったとか他に優先するものがあったからとか
嫁とのフラグはしっかり立て幸せな家庭を築いてるけど、仕事上の目立った実績は何もない、1人でやってる会社も鳴かず飛ばず
仕事、家庭、あと1つ何か忘れたけど人は3つのうち2つまでしか手に入れられないって言うけど俺の場合は仕事が外れてしまったようだ、まあそこそこ幸福ならそれで良いか
スカウトされて前途洋々で来た奴が
そのまま飼い殺されちゃって
ももクロがまさにそんな感じで
追記
口利きしてもらえないと新人はオーディションに応募する機会すらないし
https://anond.hatelabo.jp/20160822142254
1. 高部知子のニャンニャン事件をモチーフにした話。干されて「仕事をください。」って言いながらSEXしてた。
2. 処女を捨てたい女の子の話。昔はグループサウンズやっててモテモテだったが今は鳴かず飛ばずの歌手のおっさんと初体験をしてた。
3. 蒲田行進曲のパクリでアニキが病院に入院して看護婦に言い寄る。でも看護婦は見舞いに来ていた弟分が好きでアニキが毛じらみ持ちなのでアニキの下半身の毛を剃ってSEX。その後弟分と看護婦が井の頭公園でアハハウフフと追いかけっこしてEND。
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(参考/追記)いずれも1984年3月上旬封切りのようです。劇場は(中上健次も通ったという)練馬映画劇場でしょうか。僕は90年代半ばの一時期に高野台と光が丘で暮らしており、その頃、江古田文化劇場とともに、かつて存在した名映画館の名前を知りました。足を運んでみたかったです。
id:dusttrail さん にゃーん😺
釣りか盛りまくってるぽい。二次創作同人誌50部とオリジナルゲーム100部の相関性に違和感。
人気ジャンルでコメディorエロの同人誌200~300部なら、オリジナルゲームはよくて20ぐらい。
でもあえて付き合うと
まずこの人の「真に創作に打ち込むべきか」の捉え方に、混ぜてはいけない考えが混ぜられてる。
A、真に創作者として一線級になる
B、魅力的な絵を描く
この二つは、全然まざらない。片方が実現されても片方は実現されない。
片方が実現されたときに両方が実現されるのは、人気ジャンルの二次創作同人誌の世界だけしかない。
Aを目標にするなら、
二次創作でクダなんて巻いてないで、さっさとオリジナル描いて、出版社持ち込んだり、コミティアの出張持ち込み持っていけ。
そこで商業作家としてプロデュースしてもらうためには何が足りないのか、ボコボコに叩かれて、成長するしかない。
このとき、絵なんてそれこそ魅力的な絵でなくていい。
ポプテピピックみてみろ。戦国コミケみてみろ。カイジでもいい。ハンターハンターの真っ白な背景でもいい。
真の作家としてヒット性が優先されるとき、絵はただの自己満足の領域になる。
バガボンドやベルセルクのキャラ・背景がどれほど美麗に書き込まれていても、読者はそれを理由に休載されちゃたまらない。
絵なんてのは需要内での品質の最低ラインを越えていれば、それ以上は「無駄なこだわり」として歓迎されない。
Bがしたいだけなら、
Aになりたいなんて都合良く誤解した考えは捨てるしかない。
大勢がヒットの下地を全部用意してくれた人気ジャンルの二次創作同人誌で、
フリーライダー(ただ乗り)してお山の大将しとくしか、どのみちできない。
超美麗な絵で買い手が増えるのは、公式が公式ゆえにエロを供給できない美少女ジャンルや腐向けジャンルしかない。
べつに、その範囲内で自己満足や趣味としてBを目指しても全然いい。
だがその場合、真に創作側(A)になりたい・なれるかもなんて、
本当にAを目指して動いてるやつや出版関係者の前で言ってみろ。
なんか凄く残念なものを見る目で、言葉少なに切り上げられるぞ。
どっちになりたいのか、混同せずに考えた方がいい
本当に創作側でありたいと思うならA
実際はこの人のいう「魅力的な絵」ではない「絵」ですらいいんだけどな。
例えばアイマス(デレステ)は誰もが「そこそこ上手い」程度に感じる絵、
何の捻りもないバストアップとか(作者も全然本気でない)で、いいね7000~13000がボーダー。
同作者で丁寧に気合いの入ったオリジナル描いても、いいね100もいかない。
二次で人気者になって一次デビューとか、別ゲーのお抱えとかなったけど、鳴かず飛ばずってよくあるでしょ。
本人たちもそれを認めちゃってる感が悲しいけど。
自分が何をしたいのか
ベンチャーで自社プロダクト(WEBサービス)を開発する仕事について15年になる。大きく分けて3つのプロダクトを、立ち上げ初期の頃から5年ずつ面倒を見た。どの会社のプロダクトも死んでないので、自分がやってきたことはまあ間違ってないと思う。ので、まとめておく。
例えば、自社プロダクトがオーブンだったとしよう。温度を指定すると、庫内をその温度にする機能がすでに正しく備わっているとする。サービス係はこの自社プロダクトのオーブンを使って、最高の料理をする。
事業は鳴かず飛ばずの調子で動いてはいる。すると営業かコンサルが、「日本を市場にするなら米を作らねなならない。オーブンに米を炊くためのボタンをつける必要がある。ボタンを押すと、初めチョロチョロ、なかっぱっぱ、と火力を自動でコントロールして、赤子泣いても蓋を空けられないようにする、って機能のボタンをつけてくれ」って言ってくる。
俺の実力があれば、そのくらい作れますよ!と言ってしまう人は、ベンチャーで自社プロダクトの開発をしてはいけない。まったく向いていない。やるべきことは、すばやく要件を整理し、ステークホルダーと開発者の立場でささっと議論を交わし、作るものをシンプルな機能のみに絞ることだ。あるCTOは、この仕事を取締役ではなく「取縮め役」と呼んでいた。
今回の機能について言えば、ご飯を炊くボタンなんて要らない。必要なのは以下だ。
ご飯を炊くボタンをつけてはならない理由が大きく分けて2つある。
まず第一に、目的に特化した複雑な機能は壊れやすい。どんなに優秀なエンジニアでも、複雑な機能よりシンプルな機能のほうがバグを混入せずに作れる。人手の少ないベンチャー企業で、品質の悪い自社プロダクトを抱えることは自殺行為だ。バグがほぼ起きない、シンプルな構成のプロダクトを持つべきである。
第二に、複雑な機能はその後の開発を阻害する。ベンチャー企業のプロダクトは常に進化しなければならない。自社プロダクトを常に進化させるには、自社プロダクトの仕様も実装もすべてを熟知している必要がある。しかし、複雑な仕様を持つプロダクトの全仕様を理解できるのは、コアエンジニアの2、3名に限られてしまう。一言二言で語れるシンプルな仕様を持つプロダクトであれば、社員全員がそのプロダクトの本質を理解し、プロダクトの改善をすすめることができる。
ワンタッチのボタンをつけずに人力のマニュアルに頼ることは、タスクの自動化に逆行しているように感じるかもしれない。しかし、そうではない。タスクを自動化するにはタスクが固定化されてなければならない。しかし、ベンチャーではタスクも進化する。進化できないタスクを抱えてしまったら、それはベンチャー企業としては足かせだ。人力にすることで業務フローを日々進化させ、進化しきって枯れたところで外部APIでも作ってそこから最適化されたすごいフローの「コメを炊く」という機能を実装すれば良い。最初から自動化して進化を妨げるべきではない。
ベンチャー企業の社員は何でも屋で、なんでもやることが大切だ。が、自社プロダクトはシンプルに保たなければならない。自社プロダクトに何でもやらせてはいけない。エンジニアが死守する必要がある。
少なくとも俺はそうやって15年生きてきた。今でもそのやりかたでうまくいっているし、営業サイドと議論しながらプロダクトを作っていくのは楽しい。
>いちご100%の良さって少年漫画なのに少女漫画的価値観だと思うのだが
こう言ってる奴もいる
決め付けても駄目
でも作者さんは少女漫画やBL漫画のフィールドで鳴かず飛ばずで出戻ってきたわけですよね?
俺もラブコメより少女漫画含む女性向け漫画のほうが好きなんだよ
その観点から見てあの作者の漫画つまらんわ、少女漫画的価値観で評価するとね
童貞マインドの男にそこそこ受ける絵と萌えシチュを提供できたからで、
ついでにラブコメの手強いライバルも居なかったからっていうだけ
AKBのなんとかさんと同じ
AKBの人達も、美貌や歌や踊りだけで立つ能力が無いから童貞マインドに媚びた処女キャラやってんでしょ?
ならそれやるしかないじゃん
そんな立派な大人は『いちご100%』もAKBの投票券も買ってくれねーですよ
勘違いしすぎ
当時一番好きだったバンドがユーストリームで弾き語り配信をするというので観ていた。
そのバンドはインディーズ時代には期待のギターロックバンドとして注目されていた。
本当にかっこよくて、中学生のころに地元のライブハウスにきた彼らを観にいった日のことは未だに鮮明に覚えてる。
しまいには大衆ウケのいいJPOPに路線変更したけどそれでも売れず。
それでも自分はどうしてもそのバンドのことが好きでずっと聴き続けていた。
そんな状態だったけども、その日50人くらいはその配信をみていたと思う。
メンバーは視聴者からリクエストされた曲を歌っていて、コアなファンの自分はとても興奮しながら観てた。
メンバーのほかに見知らぬ30代のいかにもクリエイター風の眼鏡男がうつっていて
誰だろうと思っていたら、一度ミュージックビデオの監督として一緒に仕事をした人らしく
それから時々飲みに行ったりする仲とのことだった。
休日の夜ってこともあってメンバーも眼鏡男もお酒をたくさん飲んでて楽しい雰囲気で、配信開始から1時間くらい経った頃。
どんな会話の中でか忘れたけど、眼鏡男が「けどお前ら終わったバンドじゃん」って笑いながらメンバーに向かって言った。
「えっ?」と思った。メンバーも同じ気持ちだったのか、ボーカルが「今なんて言いました?」って軽く聞き返してた。
そしたら眼鏡男はまた悪気なさそうに「え?終わったバンド!」って答えてた。ありえない発言だと思った。
そこで眼鏡男が話題を変えたのでそこでこの話は終わったんですよ。メンバーもそんなに気にしてない様子だった。
けど自分は怒りに震えていた。好きなバンドのことを「終わったバンド」って言われたら普通怒る。
本当はコメント欄で「お前今なんて言った?」ってブチ切れたかった。けど場を壊したくなくて我慢した。
今でもこのバンドの曲を聴くたびにこの日の眼鏡男のことを思い出すし、あの時ちゃんとコメント欄でブチ切れておけばよかったと思う。
もう33歳になる。
この数年、何とか歯を食いしばって耐えたおかげで、ぼちぼち厚待遇の仕事に就ける。
開くと、それなりに楽しそうな生活の場面を披露する、知り合いたちの写真。
その中に
彼は今年34歳になる。
私が26歳のときに知り合った。
その頃に始めたバンドは続いてない。
34歳、バンドマン。
出会った頃には「潰れかけのショップの経営を建て直した」「いつでもオレには帰る場所がある」と嘯いていた。
売れっ子に対する斜に構えた評、洋楽・ジャズに対する拘りのあるポーズ。
泣けるほどみっともない。
音楽、映画、海外ドラマ、話題の作品はチェックして、遅れないようにする。
34歳、バンドマン。
ローカルなコミュニティで広報のお手伝い。クソダサい仕事も笑顔でこなす。
もう、あんた死んでるよ。
帰る場所だったはずの店はなくなって、
あんたもう若くない。
できたはずのこともできなくなって、
いつまでやってんの?
それ、いつまでやってんの?
40歳過ぎてもやれんの?
やれるつもりなの?
本当はライターがやりたいわけじゃない。マンガが描きたい、ギャグマンガ。同級生の間じゃ爆笑王。うすた京介とか松本人志とか、トンがった笑いが好き。っていうかオレの方が面白いし。
「あ、父さん。インタビュー記事載ってるよ。献本だとかで家に届いた」
「え、あれ載せたのか」
父はまるで載らないと思っていたかのような、意外そうな反応をする。
俺はインタビュー記事のあるページ]を開いた状態にして、雑誌を父に渡した。
父はそれに目を通すと、ため息をついた。
そのため息は何を意味しているのだろうか。
「はー……どうするんだろうと思っていたが、随分な編集しているんだな」
「え、本当はもっと色々あったってこと?」
「色々あったっていうか……いや、お前が聞いてもあんまり面白くない話だし、この内容でいいのかもしれないな」
そう言うと父は本を閉じて、俺に返した。
詮索したい衝動に駆られたが、父に聞いてもロクな答えは返ってこないことを察して、俺は本を一瞥すると近くの棚に放り込んだ。
フォン:大丈夫ですか。シューゴさんは割とズケズケ言いますから危なっかしい。
ーー大丈夫です。出来る限りリラックスした状態で、素直な姿勢で語って欲しいので。どうしても載せにくい部分は編集します。
シューゴ:それなら、気軽に答えていこうかな。
ーーでは最初の質問ですが、『ヴァリアブルオリジナル』はこのスタジオ初のオリジナル作品という試み。そのきっかけはなんなのでしょうか。
シューゴ:そりゃあ、“アレ”だよ。その前にうちが携わってた『女子ダベ』(※1)のアニメが大コケしたからだよ。
※1…週刊ダイアリーにて連載されていた日常系の四コマ漫画(全4巻)。「女子がダベる(喋る)」ので略して『女子ダベ』。方言女子が出てくるわけではない。没個性な作風も手伝い、方言女子を期待していた層からガッカリ漫画の代表格として、しばしば挙げられることも。作中の「観賞用の花が、高嶺の花とは限らないだろ」というセリフは、本作をまるで知らない人にすら使われているほど有名。
マスダ:シューゴさん。それもなくはないですが、どちらかというとその時期の企画がそれしかなかったのと、予算の配分がおかしかったのが原因ですよ。
ーーえっ!? その話を詳しく。
フォン:えーとですね。これの前に制作していた『女子ダベ』はそこそこ好評だったんですけど、残念ながら興行的には赤字だったんです。巷では「壮大な雑談アニメ」、「無駄に高クオリティ」だってよく言われてます。
シューゴ:そりゃ、持ってきた企画それだけな上、予算もやたらと多いからな。しかも次の企画を持ってくる予定もないのでスケジュールはガバガバ。よほど無能でなければ、時間もお金も人手もありゃ良い物できるのは当たり前なんだよ。
マスダ:「作画の無駄遣い」だなんて言われているけど、スタジオ内でも「このシーンに、こんなに枚数使うの?」って皆が度々言ってたよ(笑)
シューゴ:ウチが1本作るのにかけている予算が平均○○○○○だってのに、あのアニメその数倍予算かけているからね。でも元のコンテンツがコンテンツだし、ジャンルがジャンルだから期待値低いし赤字確定。
マスダ:大赤字がほぼ確定だと分かっていながら、クオリティだけは上がっていく過程はツラかったですね。
フォン:企画が少ないのは、元請けのコンテンツにロクなものがなかったからだと上は言っていました。注目されている原作は他のところに持ってかれているか、既にアニメ化されていたりで。『女子ダベ』は競争もなくすごく安く入札できたので、その分の予算を割いたと言っていましたね。
シューゴ:だからって、その分の予算を一つのアニメに、しかも期待値の低いコンテンツに割くかね。まあ、フォンさんが予算決めたわけではないから、ここで言っても仕方ないけれども。
フォン:一つのアニメが多少コケても大丈夫なように、予算ほどほどにして企画数を増やすってのが定石なんですが、上がこれ一つに数本分の予算割こうと言い出したときは何かの冗談かと思いました。
マスダ:上はよっぽどこのアニメで黒字に出来る自信があったみたいですね。委員会、スポンサーとかもロクに募っていなかったようで。
シューゴ:それで赤字になったらこちらのせいにしてきて、次にアニメの話あっても企画くれない、もってこれない。出資してくれる所もないって、バカじゃないかと。
マスダ:ほんと上の方々には企画の確保と、予算の配分はちゃんと考えておいて欲しいですよね。その割を一番食うのはこちらなんですから。それが杜撰なせいで潰れたスタジオも数年前にありましたし。
ーーえ、あのスタジオ潰れたのって、『暴力団サンタ』が鳴かず飛ばずだったからだと思ってました。
マスダ:あ、どのスタジオか分かっちゃいます? まあ、アニメそのものの売り上げが多少悪くても、関連商品とかイベントなど、製作委員会によるリスクヘッジは用意してあるもんですから。ちょっとコケたくらいで潰れるようなら、それはアニメが悪いんじゃなくて経営が悪いんですよ。
フォン:まあこのスタジオも、そうなりかけてたんですけどね。特にヤバかった時期は、『女子ダベ』の制作も佳境なのに次の企画がまだ用意できていなかった頃です。
推しが結婚をして数年経った。
私は相変わらずリア恋おたくを続けている。
既婚者への恋は不毛と聞くが、相手が鳴かず飛ばずの舞台俳優ともなると、不毛どころか地獄である。
私は推しのおたく歴6年ほどで、出演舞台に全通したり、毎公演長ったらしい手紙を持っていったり、プレゼントボックスにしょうもないプレを投げ込むだけのささやかなおたくだ。
推しの奥様は女優で、かつかなりの頻度で推しと共演するため、推しの舞台に全通するということは、それだけ奥様を見るということでもある。
推しがツイッターに上げる◯◯が見に来てくれました!という写真にはその◯◯君を挟んで推しの反対側に奥様がおり、奥様のツイッターには後輩と戯れる推しが写った写真が投下される。
ささやかなりにリア恋おたくであるので、推しが別の女性にデレデレな様を見るくらいなら死んだほうがマシなのだが、死にたくないという気持ちよりも推しの姿見たさが勝り、推しと奥様のツイッターをチェックし、予想通り死ぬだけである。
薄目を開けるなどしてなんとか推しの姿だけを見ようとしても、写真と同時に呟かれる非リア恋おたくな友人たちの「夫婦かわいい!」「□□と▲▲尊い;;(□□、▲▲には共演した舞台の役名が入る)」というツイートまでは避け切ることはできず、おめーらはりあこじゃねーからいいけどよ!!!と声にだけ出して(ツイートはせず)そっと画面を閉じる日々である。
推しに認知されており(ひとえに多いとは言えない推しのファン人口のおかげではある)何十回も接触しているにも関わらず、私は巷で見かける #推しに言われたこと タグのような気の利いたことが一つも言えない。
忘れもしない数年前の初春、その日の接触も推しを前にろくろく舌も回らずどもり続けていると、推しが「そうだ!」と言って裏へ行ってしまった。
生粋のネガティブなのでプレでも突き返されるのか(推しは善良な人間なのでそんなことはしない)と最悪の想像をしていると、
推しが奥様の腕を引いて戻って来て、
「この人が☆☆さん!」と、推し。
「✖✖がお世話になっております!」と奥様。
「ともどもよろしくお願いします!」と、推し。
世間広しといえども推しに配偶者を紹介されるリア恋おたくは珍しいと思う。
動揺しておりその後の記憶は無い。
私は推しが結婚してもリア恋を続け、推しに奥様を紹介されてもリア恋を続けている。
リア恋と自称するからにはできれば推しと付き合いたいのだが、万一願いがかなってしまうとそれは不倫であり、リア恋とは別種の地獄へお引っ越し、というだけのことである。
それでも私は引っ越しがしたい。