はてなキーワード: 無造作とは
あつまれどうぶつの森、たしかにスローライフっぽさはあるんだけど家具とのインタラクションが足りない
椅子には足を前に突き出した変な座り方で座れるだけだし、せっかくいいベッドに寝ようとしても掛け布団の上に無造作に転がるだけで寝てる感が薄い 風呂とか温泉みたいな家具に至っては足をつからせることすらできない
食事・排泄も申し訳程度に果物食ったりその効力をなくすためにトイレを使ったりするくらい 生の果物・たまごをかじることしかできないって点で食事要素はかなり薄いと言っていい
とにかく、ああ見えて生活してる感は全然ないんだよな 家具を置いて好きな部屋を作るって点では凄くいいんだけど、じゃあその好きな部屋で何をするのかっていうとほぼ何もできない
もう少し生活の部分にフォーカスしたゲームはないのかな サバイバル系のゲームはある種そうなんだけど、あれだって開拓とか戦闘とかがメインで生活そのものはおまけに見える
ホームセンターに出かけて家具を買って家に置いて、風呂に入り飯を作って寝て、バイトをやって金を稼いでいい部屋に移る どうぶつの森の現代都市・生活全部盛り版みたいなゲームはないものだろうか
みんなゲームのなかでそれをやるのは虚しいと思うのかなあ いいと思うんだけどな…
ずっと代わり映えしなければ購買欲がそそられないので、流行という「売れ筋」を作らなければ食えない商売だから。
まあ特に若い人狙いなのは間違いないけどね、若い人狙いであれば「それ昔流行ったわー」ではなく「新鮮!」というリアクションが期待できるし。
で、最新のオシャレな髪型だが、女性の前髪ぱっつんカールは「俺が中学生の頃女子がやってたわー」くらいの懐かしさで済んだ。
しかし自分のこととなると、刈り上げの前髪分け、それも七三とか何の冗談だと思ってしまう。
とにかく、キッチリスッキリサッパリシャープにというのは、俺の場合髪も服も似合わない。
タイトでショートでナローで、それでいてソフトで装飾的じゃないとダメなので、要するに今の流行は基本合わない。
実際、行きつけのお店の美容師さんにも全く勧められなかったし。せいぜいワックスをクリームかポマードに変えるくらい?
ついでに言えば、ここ数年のデカメガネっぽいのもコードネームが「メガネ」になりかねないくらい似合わない。
法律ギリギリの苛酷な労働環境、杜撰なスケージュル管理などを赤裸々に書いた暴露本は物議を醸しました。
田尾:以前から意識にズレは感じていました。『Mの活劇』は皆で作りあげるものなのに。
菜華役の田尾さんは、暴露本を書いた経緯をそう語りました。
田尾:現場で働くスタッフたちの苦悩を、世間の皆様に知って欲しくて書いたんです。
津久田:(彼女が暴露本を出したことについて)驚きはしませんでしたね。同級生だし、長いこと一緒に仕事をしてる仲でもありますから。
増林:あの子はそういうので承認欲求を満たしたり、お金を稼ぎたがるタイプ。普段から不満が漏れ出てた。
影田:ちょくちょく講習会なんか開いちゃったり、ニュース番組でコメンテーターとして出演したり、「とうとう、そっちに行っちゃうんだ」っていう。
『Mの活劇』チームと、撮影現場の雰囲気は良くも悪くも変わりませんでした。
AD:現場の空気を悪くしてた常習犯は彼女(田尾さん)でした。部屋が乾燥してるだとか、ケータリングが気に入らないだとか。テイク数が増えると、露骨に態度に出てくる気難しい人でした。
プロデューサー:本の内容自体、上手く誤魔化してはいるけど極めて恣意的で、要はただの愚痴です。そういう自覚が多少あるからこそ、一般大衆を味方にしようと考えたのでしょう。
ディレクター:彼女は某所で意識の高いことをよく言っていますが、本を書いたきっかけは出番が少ないことと、ギャラが減ったことへの当てつけでしょう。そもそも端役だから出番が少ないのは当たり前だし、ギャラが少ないのは彼女が演じるキャラクターの関連商品が売れないからです。
津久田:あの本も、八割がたゴーストライターが書いてるだろうね。あの子、学校の読書感想文いつも最低評価だったから。
「よし、そろそろ行くか」
最後の一人が蕎麦を食べ終えるのを確認して、俺はおもむろに立ち上がった。
「えー、もう行くの? ドキュメント番組終わってからでもいいじゃん」
「こういう番組は、どうせ最後は前向きなこと言って終わりだ。後はせいぜいVTRを見た人が、それっぽいこと言うぐらいだろう」
皆が上着を着始めているのに、弟はコタツに入ったまま、ぶーたれる。
日の出を見ることは以前から決まっていたし、そのために俺たちは集まった。
何より、それを真っ先に提案したのは弟だ。
「早めに行かないと混むかもしれないし。どうせ日の出を見るなら、いい場所で見たいだろ?」
「そうかもしれないけどさあ、なんか体が動くことを拒否してるんだよ。自分でも上手く説明できないけど、何か医学的な理由があるに違いない」
だからといって、容赦するつもりはないが。
「このまま、なあなあにすればワンチャンあると思っているのかもしれないが、言いだしっぺが不参加なんて許さんぞ」
弟は体のほとんどがコタツに取り込まれており、頭以外は露出していない状態だった。
そこに身内への慈しみは存在しない。
「ぎゃあっ」
抵抗むなしく弟は引きずり出された。
ウェブじゃなく冊子ね。
コツを掴めば洗車はカンタン!みたいな内容。
生徒役の女性の全身が写った画像、上は黒の長袖ニットで下は白のロングスカート。
こんな格好で洗車するの?と思ったら、洗車途中の行程では上は黒の長袖ニット(上記とは違う服)と下は白の長ズボンに着替えてる。
洗車完了!の写真の女性の全身、上は黒の長袖ニットで下は白のロングスカートに戻ってる。
上下同じ色の組み合わせなので、最初パラパラとめくってる時は着替えてることに気付かなかった。
「アドバイス」として「時計や指輪は洗車の前に外しておこう」とある。
だが、ロングスカートは無造作にしゃがむと濡れた地面に付くし前かがみになると濡れた車体に付くのでズボンに着替えよう、との注意書きはない。
いろいろ思い出して検索してみるも出てこない。誰か教えてください...
追記: すみません、年齢は必要でしたね。現在30歳です。つまり20年ぐらい前。4つ上の兄の机の足下に無造作に置いてありました。
・「バージンなのに超巨乳」というよくわからない煽り文句を見た気がする
・その煽りどおりペッティングはあるもののセックスには至らない話ばかりだった。「ヤング○○」な雑誌だったからというのもあったと思う(正確にどの雑誌だったかまでは思い出せず
・大まかなストーリーは主人公の女性が至るところでエッチなトラブルに遭ったり逆に男性を翻弄する、的な話。例えば:
・「18歳以上でギャルぶっている女性は『オバギャル』だ」などというナンパ男性2人組相手に大人の魅力を伝える(確かそれが第1話)
・寿司屋で働いている主人公の友人(これもまた確か巨乳の女性)にけしかけられて、主人公がどこまで大食いできるか賭けをする
→主人公の想像以上の食いっぷりに危機を覚えた友人がわさびを大量に仕込んだため、主人公ギブアップ
→ 実は河原でであった犬に股間をなめられているときに見た夢だった(?)
・(この話、犬と河原とイケメンぐらいのキーワードしか思い出せず)
・覚えている限りのストーリーはそんな話だった。読んだのはその1冊だけですべて同じ巻の話のはず(多分第1巻)
電子書籍で入手できるならほしい
ご存知の通り、2019年7月1日から施行された「改正健康増進法」では、第一種施設(病院・学校・行政機関)では敷地内全面禁煙となった。
例外として「屋外で受動喫煙を防止するために必要な措置がとられた場所に、喫煙場所を設置することができる。」※1 ということで、施設によっては敷地内に喫煙室を用意し愛煙家の方々に配慮をしているところもある。
オリンピックを迎える2020年の4月1日には、全面禁煙対象となる施設がさらに増え、屋内は原則禁煙となる。
この増田では、改正健康増進法の施行から3ヶ月経過した現状を、とある大学を例に挙げ報告したいと思う。
ここに挙げる事例を、2020年4月1日の「屋内原則禁煙」に向けての反省材料として、広く活かしてもらえればと思う。
東京X大学。最近はメディアの露出も増えてきたことで、以前は間違われがちだった他大学と混同されることが少なくなってきた。これを読んでいるあなたも、恐らく名前くらいは聞いたことがある程度の知名度の大学だ。
しかし悲しいことに、都心に位置しつつも、お国からの運営交付金は国立大学の中でも下から数えた方が早いレベル。都内の大学に限っていえば、下から数えるのに五指も必要ない。
そしてこの社会情勢である。「生産性がない」「社会にすぐに還元できる研究がされていない」「論文数が少なすぎる」「運営交付金の無駄だから早く潰したい」とすら考える政治家・役人もいるだろう。
さて、そんな東京X大学にも改正健康増進法の波が押し寄せてきた。
先に書いておくと、もともとこの大学の学生の喫煙率は高い。入試の倍率が高く、成人済みで入学してくる学生が多いのも理由の一つだろう。
数十年前と比較したら少なくなったのだとは思うが、それでも喫煙者は教職員・学生の5%前後はいると思われる。
普段からタバコを燻らせている学生をよく見かけたし、喫煙所には常に人がいた。タバコ臭い研究室でゼミを行うなんてこともザラだった。
心配を横目に、その日は近づきつつあった。
学内のいたるところには「7月1日からは学内禁煙」となる旨を周知するポスターが貼られ、喫煙所であった場所からは灰皿が全て撤去された。
一部(法改正を理解していない)学生の反対運動があったりもしたが、準備は万端かと思われた。
「やればできるじゃないか」
敷地内禁煙のために奔走した事務職員は安堵したことだろう。
改正健康増進法施行後しばらくは、学内で喫煙をする者を見ることはなかった。
「受動喫煙を防止するために必要な措置がとられた喫煙場所」のお陰かとお考えのあなた。
甘い。
運営交付金下位の貧乏大学である東京X大学に、「必要な措置が取られた喫煙場所」を設置する金銭的な余裕はない。
喫煙場所を作らずに7月1日を迎えたのだ。これにはタバコを吸う・吸わないに関わらず、色々な立場の人から異論が出たと思う。
他の大学同様、この大学も7月末には前期が終わり8月からは夏休みが始まる。
タバコを見ないまま夏休みを迎え、そして後期になるのだろう。敷地内原則禁煙は成功したのだ…。
そう楽観視できたのは、7月に入って最初の1週間だけだったように思う。
7月の第2週にはすでに学内のあちこちでタバコの吸い殻を見かけるようになり、第3週には喫煙者をも見かけるようになった。
施行後1ヶ月経たずして、東京X大学では改正健康増進法は形骸化した。
改正法施行前は学内の数カ所に喫煙所があり、灰皿が置いてあった。
喫煙所はなるべく講義室などから遠い場所に設定され、喫煙所に通じる扉は「開放厳禁」とされ、不完全ながらも一定の分煙がなされていた。
非喫煙者からすれば、たまにタバコの匂いがする場所がありつつも、そこに近づかなければ我慢はできるというレベルだった。
一部の喫煙者は喫煙所の掃除こそしなかったものの、灰皿に溜まった吸い殻は進んで捨て、燃えさしの処理もしていた。
しかし喫煙所が廃止された今、モラルは完全に崩壊し状況は悪化しつつある。
もともと喫煙所だった場所は「人目につく」という理由で、一部の隠れニコチタン達から避けられるようになった。
かわりに非常階段や、木々が茂り枯葉でいっぱいの緑地などがヤミ喫煙所として選ばれた。
よく訓練された喫煙者は未だ「元」喫煙所で喫煙を続け、灰皿がないので、その場に吸い殻を捨てている。
さすがに教授・事務職員レベルの教職員は禁煙ルールに従っているようだが、元喫煙所やヤミ喫煙所では、学生のみならず助手や講師と思しき人々の顔を見かける。
敷地内禁煙を訴える張り紙には、居直ったような趣旨の芸術的なラクガキがされている。
喫煙者が開け放った非常階段は煙の吸気口となり、屋内では改正法施行以前よりも濃くタバコの臭いが充満している箇所さえある。もちろん、階段のあちこちに吸い殻が落ちている。
また燃えやすい木材などの陰、枯葉の近くに無造作に捨ててある吸い殻を見かけることもあり、空気が乾燥する時期には失火の可能性もある。
学内のあちこちで狼煙が立ち昇るようすからは、もはや圧政に弾圧されし悲しき殉教者たちより、反体制を胸に秘めたゲリラが想起させられる。
伝聞ではあるが大学としても禁煙問題には頭を抱えていて、たびたび会議の議題にも上がるらしい。
しかし話を聞く限りでは「吸い殻」の方が問題視されているように思える。
「吸い殻が無い = 敷地内禁煙は成功している」ということなのか、いかにも日本的な論理だ。
学内喫煙をたしなめられた喫煙者が「いや、吸い殻は捨ててないですよ!」と慌てて反論しているのを見かけたこともある。
そういう問題じゃないぞ。
実際に国から違反を指摘され罰金を払う、もしくはタバコが原因の火災などの事故が発生するまで、この大学では状況は変わらないだろう。
これは別に組織を批判しているわけではない。何故ならば下で述べるように、問題は大学に止まらないからだ。
施行後3ヶ月が経過し、第一種施設(病院・学校・行政機関)である東京X大学に頻繁に出入りし、改正健康増進法を調べるなかで以下の問題点を感じた。
以下に、詳細を書く。
補助がないと喫煙場所が設置できない懐事情の組織が、実際にある。ここで述べたように、結果として改正法施行前より状況が悪化する可能性がある。
またもう少し積極的に禁煙を推進するような施策を実施しないと、改正健康増進法自体の意味・意義が薄いと感じる。
この法律について、国は要するに「ルールだけ作って、あとは施設の管理者に全てを丸投げ」しているようにか思えない。
厚生労働省などは、この法律の施行にあたりHPに特設ページを設けている※3。施設の管理者に向け改正法をことこまかに解説していて、相談窓口もある。
非常にわかりやすいし必要な情報は一通りまとまっている。一市民として、法律は常にこのように分かりやすくまとめられるべきだと思う。
しかし同時に、施設の利用者向けの情報がほとんどない点も気になった。例えば喫煙場所に不備がある病院を見つけた場合はどうすればいいのだろう?この増田のように、違反者だらけの第一種施設についてはどこに報告すればいいのか?
罰則規定があるにも関わらず、違反者がいた場合の有効な対処方法を考えてないのではないだろうか?
喫煙場所の設置には排煙設備・敷地などが必要だ。組織の規模によっては大きな負担となりうる。施設の管理者側に立てば「滞在中くらいはタバコを我慢できるだろう」と考えたくなるのはよくわかる。
しかし喫煙者のニコチンに対するリビドーを甘くみてはいけない。外を歩いているときに下を向いてほしい。道端に捨てられているゴミのほとんどがタバコの吸い殻だということに気づくだろう。
施設の管理者は「喫煙者のために喫煙場所を用意せねば、必ず環境が悪化する」という認識でいる必要がある。
目先の負担を気にしてばかりいると、長期的には環境維持コストがそれを上回る可能性もある。施設や組織によってはブランドイメージの毀損にも繋がると認識した方が良い(もしブランド力があれば、の話だが)。
もしあなたが東京X大学の学生であり学内喫煙者であるならば、改正健康増進法には罰則規定があること、違反した場合には施設管理者に50万円、違反した喫煙者に30万円の過料が課せられる※4ことを覚えておいてほしい。
学生が払った学費は、いずれ改正健康増進法の過料として支払われることとなるかもしれない。
貧乏大学の学びの環境の悪さを憂う前に、襟を正してみてはどうだろうか。
そしてもしあなたが教職員なのであれば、もう少しちゃんとこの問題に取り組んでほしい。
※1 https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000489407.pdf
※2 中小事業者向けの補助・控除はある。第一種施設については記述を見つけられなかった
※3 https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/
※4 https://www.mhlw.go.jp/houdou_kouhou/kouhou_shuppan/magazine/2018/11_01.html
古いからってデカイ顔してるだけで純粋な大きさとか機能性ではそのへんに建ってるビルに遠く及ばない パルテノン神殿もコロッセオもアンコール・ワットも
新宿とか梅田に無造作にある名前も知らんオフィスビル、あれが1000年前からある遺跡だったらたちまち世界一人気の観光地になるよ(鉄筋コンクリートは千年保たない、というのはここではどうでもよくてデカさの話 古さが同じだったらどっちが偉いかということ)
俺が言いたいのはだから世界遺産はクソだということではなくて、世界遺産に向けるくらいの目をそのへんのビル(とか球場とか空港とか)に向けるのもいいよね ということです。実際デカくてすごいよ 全部世界遺産と思って街を歩け
帰宅の電車の中でやっと座れて、一番端の席だったからもたれかかっていたところで腕にくすぐったい違和感があった。
わたしの隣で浅く座ってた女性が腰まであるロングヘアを無造作に下ろし、傷んでいるのかパサパサ広がっていて、それがわたしの腕に当たっていた。
他人の髪の毛なんて気持ち悪いな…と思いながらすこし腕を引いたら、その人の膝に生後5ヶ月くらいの赤ちゃんがいるのが見えた。
何となしに見ていたらヨダレまみれの手がこちらに伸びてきて、わたしの鞄に触れた。
知らない赤ちゃんのヨダレが鞄にべっとり付いてポカーンとしていたところ、その女性が一言も発さずにハンカチでわたしの鞄を勝手に拭いた。
人のもの触る前にひと声かけてよ!!!と思ったけど何か不気味で何も言えなかった……
今の弟にとって、一ヶ月“も”残っている夏休みは一ヶ月“しか”残っていない。
吹きすさむ熱風は、既に秋を運んできていると感じている。
「やっぱり面倒くさい、難しいやつから片付けていこう」
弟はやらないと決めたらやらないが、やると決めたらやる。
つい先ほどまで全くやる気のなかった宿題を、今は無性にやりたくなっていた。
「ようし、まずは言語だ」
それらを組み合わせた雑多な表現。
弟はその言語の複雑さを理由に、この国に生まれたことをよく俺に愚痴っていた。
客観的に考えても有数の習得難度だとは思うが、弟の場合は書き取りなどの作業が嫌いなだけである。
そして嫌いなものが好きになるほど、やる気というものは魔法の力を持ってない。
こんな思考を巡らせている時点で、気力が持続するのも時間の問題だ。
このままでは、どの宿題から片付けるかで悩み、勉強の準備をしただけで力尽きる。
「あーみだ、アミーダ、阿弥陀籤~、漢字で書くとワケわかめ……ここ、もう一本引いとこ」
そこですぐさまアミダくじを作り、天に指示を仰ぐことにした。
こんなことをする位なら、書き取りの続きでもやったほうがいいとは思うが。
「……」
そうして決まったのが自由研究だった。
となると、今度はテーマを考えなければならない。
「これと……これだ」
そして書いた言葉に線を平行に引き、それらを繋ぐ横線を引いて梯子状に……
まあ、回りくどい説明を省いていうなら、とどのつまりアミダくじである。
「あーみだ、アミーダ……これかあ」
「要は働く人に取材して、こんな感じの仕事をしてまーすって、まとめればいいんだろ」
奇しくもドッペルの決めたテーマ、それに加えて方向性までカブってしまった。
確実に内容を比べられるし、手を抜く気まんまんの弟じゃあ圧倒的に見劣りする。
ドッペルは弟の格好をよく真似するが、今度は弟がドッペルの宿題を真似していると思われるかもしれない。
なんとも間の抜けた話である。
「取材は父さんのとこだな。いや、ここは母さんもアリか。家で取材できるから楽だし……あ、そういえば兄貴は今バイトだっけ」
そんなことを知る由もなく、弟はもはや直進を始めていた。
後はどこで曲がるかってだけだ。
どこに信頼要素があるかは分からないが、弟はこの短期間の間にアミダくじに判断丸投げだ。
もう自由研究を「アミダくじ」にしたらどうなんだってくらい、頼りっぱなしである。
最近 健康に気を使うようになり、最低でも週1回、できれば3回は魚を食べるようにしている。
だいたいは大ぶり3切れのチリ産サーモン550円を買ってすぐ冷凍し、週の間に焼いて食ったり、刺身用のアジを買ってなめろうにしたりする位なのだが。
それらを買う魚屋で、今週は鱧が入っていた。
鱧。
京都の料亭などで供されることで有名だが、関東では空想上の存在とされる霊魚(ウソ)。
身に小骨が多いので、食べるには細かい包丁をミリ単位で入れる「骨切り」という工程を入れねばならず、その事で更にハードルが高くなるのだが、その鱧はしっかり骨切りもされている。
もちろん食べたことはないんで興味はそそられるが、1尾1300円という破格なお値段。
「いやさすがに・・・」と思ったが、どうしても「鱧、美味しいよねー」と言ってみたい。それに骨切りもされてるし。
「えいや」で買い求めると、店員のオジさんはビニール袋に長い身を無造作に流し込み口を縛って提供した。
手元にスマホがあったのが幸いだ、レシピを検索すると、湯引きして薬味と梅肉のつけ汁で食うと美味いらしい。
八百屋で大葉とミョウガ、潰れてお安い紀州海を買いもとめ、これで準備は完了、幸い家には甘辛口の日本酒、碧龍もある。未知の相手だが勝算は十分だ。
さて、お盆にやっつけておきたい読書、洗濯、運動不足を解決するための全力バーピージャンプ、最近新調したパソコンのセットアップなどを済ませたら、夜になった。
待て。鱧だけでは晩餐が味気ない。
八百屋では一袋100円という別の方向で破格の生椎茸も買い求めていた。
これを切り分けて、バター焼きにする。
バターで炒めた椎茸から森の息吹と旨味が混ざった香ばしい匂いが立ち上った。
信頼できる手堅いプレーヤーが脇を固めた。
さあいよいよ主役の登場だ。
ビニール袋から取り出した鱧はやや魚臭かった。やはり足は早いようだ。
1回で食べきれない長い身を両断し、半分をジップロックに詰めて冷凍する。
つけ汁も用意する。
ここからはあっという間だった。
沸かした湯に鱧を放す。
湯に放たれた身が柔らかな白に色を変え、くるっと丸まれば、骨切りされた鱧は鞠状に花をつける白菊のようだ。
すぐに上げて次は氷水に放つ。
その作業を数回繰り返せば、伝説上でしか知らなかった京料理、「鱧の落とし」が完成した。
晩餐は碧龍、カブの柚子皮甘酢漬け、紫キャベツのピクルス、椎茸のバター焼き、そして鱧の落としである。
まず椎茸。
肉厚で程よく薫る森の香りに、グアニル酸とバターの旨味。約束されていた勝利だ。
碧龍で口を洗いたいところだが、ここで酒を入れてしまえば、アルコールの作用によりなんでも旨く感じてしまう。
それはそれで幸福だが、まずは初めての出逢いは酔った頭の夢見心地ではなく素面で向き合いたい。
鱧よ、お前の真価、透徹なこの目と舌で確かめさせてもらうぞ。
白菊を思わせるそれにミョウガと大葉を乗せ、梅肉に浸して口に運ぶ。
白い身は口の中でわずかな弾力を生じた後、柔らかに解け、蛋白質と繊細な魚の脂が梅肉の酸味と大葉、ミョウガの鮮烈な香味と一体になって消えた。
滋味深い夏の味、これが鱧であるか。
こうなればもう酒と合わせて味わえばよりその滋味も際立つと言うもの。
ええい、美味きゃ全ては良しなんだ、澄ましているお前も本当はそうなんだろう?
椎茸、カブ、紫キャベツ、日本酒、鱧が入り乱れ、夜だ宴だ酒池肉林だ。
元増田です
今後の参考にします
せっかく生徒がいないから普段はできない作業をまとめてやっちゃうぞ~~と思ってたら
生徒の夏休みが終わるまでにあれとこれとそれをやっといてね!!って先週の金曜日に急に言われて
多すぎないですか?勤務時間内に終わらないですよ、っていうのをそれとなく伝えたけど全然分かってくれなくて
(意地悪してるんじゃなくて本当に分からないだけなんだと思う。自分の説明が下手なのもあると思うけど……)
今日は本当は9時半~15時までの勤務だけど9時に来て16時半に帰ったよ
そうしないととても終わりそうにないから
仕事を指示してきた先生はたくさん休み取ってるから午前に一瞬会ったけど昼には帰ったっぽい
今後もたぶんそんなに会えないと思う
勤務超過してることは誰にも気づかれなかった
研修もあるし学校に生徒が来て応対しなきゃいけない日もあるし今時は夏休みが短いし
それを考えるとあんまり残りの日数がないから毎日16時半に退勤になるかな
帰りが遅いから家族が不審に思っててそろそろ「情けない!!定時に帰りますってはっきり言えーーーー!!」って怒鳴り散らされそうでそれも憂鬱
普通なら年度末に面接や簡単な筆記試験を受けて、経験者だからってわりとあっさり採用されてまた次の学校に……っていう流れになると思うけど
ちょっと最近精神的に限界で急に涙がポロポロ出てきたり他にも体の不調があったりして
もう辞めたい……と考えるようになった
学生の時に工場のバイトやったことあるけど鉄粉飛びまくってるし高いところに鉄パイプが無造作に積まれてるし姿勢ほとんど変わらないからめちゃくちゃ首と肩痛くなるし要領悪すぎて他の人より明らかに作業進んでないしでこれを一生やるのは自分には無理だなあって思ったけどしょうがないのかな
なるべく早く寝るぞ
里帰り出産のため、実家に帰っている。和室にベビーベッドと私の布団をおきたいと思っていた。リビングにあるソファーが壊れていることを知り、まだ壊れていない和室に置いてあるソファーと入れ換えてリビングのソファーを捨てたらどうかと親に相談した。和室からソファーがなくなれば和室がスッキリして私も助かる。
父親は了承した。
伯父に軽トラを出してもらって運ぶということになり、母親とずっと和室を掃除していた。母親が和室からソファーを出せる段階になってから伯父に相談すると言われた。伯父だって用事があるから前々から相談するべきなのではと言ったけれど、母親が伯父に連絡しないのでひたすら和室の掃除をした。準備を整えてから伯父に相談すると母親は言った。お盆休みに妹が来てくれるから人手が増える。もし伯父に協力してもらえばソファーを移動できると思っていた。
一生懸命、いらないものを捨てて整理したのに、母親から急にソファーを入れ換えるのは後々(両親の老後の意味?)になってからじゃないとできないと言われた。伯父だって、お盆は忙しいかもしれないと。じゃあなんで前々から伯父に相談しなかったんだろう。それに、軽トラさえ貸してもらったら父が運転して父親、母親、妹で協力してソファーを運ぶっていっていたのに。
急に裏切られた気持ちになった。
和室からソファーがなくなる。リビングの壊れたソファーも捨てれて、実家が整うと思っていたのに。
母親はそれまで、ソファーをうまく運ぶプランの話をしていたのに急にできない話をしだした。
そういう展開もあるのかなと考えた。
実家は私の部屋ではないし、もう好きにしろよと思った。うちのリビングには四つ立派な時計があるが、そのうち時刻が正確な時計は1つだけ、来客はうちの時計を見て、混乱することが多い。壊れたソファー、使われないマッサージチェア、時間が合ってない立派な時計、溢れる不要品、この家のリビングに招かれた客は「この家の住人は知性がない」と思うだろう。
母親は60歳を越えてもフルタイムで働き続けるらしいので老後の掃除というものはできない。今家の大掃除ができているのは私が里帰り出産のために帰省しているから。特別なきっかけでもないと実家を大掃除する必要はない。老いた両親の二人暮らしだし、父親は全く家事をしないし、母親は週6のフルタイムの仕事と日常の家事に追われて、細かいところまで気を回す余裕はない。
父親は母親より物が捨てられない性格で、本当にいらないものを集めたがる。琉球グラス、カメラ、本、パソコン、時計、フィギュア
綺麗に並べるわけでもなくただ無造作に置かれているだけで、父親はコレクションが減っても気づかないだろう。
断捨離、ミニマリストとは真逆の住民が住む私の実家はこれからも、きっとこの不要品をずっと貯めながら生きていくんだ。虚しいと思う。
私の父親は車を二台所有している。通勤用と娯楽用。母親も車を一台所有しているので二人暮らしなのに車が3台ある。当然車検代や保険代の費用が発生する。先日実家のコンロが壊れて十数万の費用が発生したが、最大限の回数でローンで支払うことにしたらしい。良い歳の老夫婦なのに十数万円のお金も一括で払えない経済状況だ。コンロを修理してくれた業者は「おたく立派な車を持ってますね」と明るい話題をふってくれたが、私は「この人にはうちの両親が良い暮らしをしてるように見せかけて実は貧困層ってことがバレちゃったな」と気まずくった。
私も両親の血を引いていて、なかなか物が捨てられない女だし、部屋を汚くして夫を怒らせてしまったけど、これからはもっとミニマリストになって、自分の子供には不要品に囲まれたゴミ屋敷での生活をさせないようにしようと思う。
panties、通称「パンティー」。女性器から臀部、おおむね脚の付け根からへその下までを覆う女性向けの下着のことだ。2000年代に急成長し、現在では300億円以上と言われるその市場規模は、全体的に低迷している下着業界の中で大きな存在感を放っている。
一般の下着と違い、布地が多めで構成物が少なく、荒唐無稽な内容で専門的な知識がほとんど無くても作れる気軽さのため、パンティー製作志望者は非常に多い。それらを拾い上げる新人賞も充実しており、また、最近ではWEBでの無料公開から人気を得て下着化するケースも増えている。
そんなパンティーが、意外なことに暴力団の資金源となっているという。現在最も精力的にパンティー事業を手がけているといわれる、とある暴力団の幹部に取材を行った。
* * *
「これが、ウチの扱ってる主なパンティーですね」
言いながら暴力団幹部はテーブルの上に、無造作に十枚ほどのパンティーを並べた。いずれもフリフリのリボンが前面を飾っており、暴力団事務所の厳しい空気にそぐわないこと甚だしい。
アニメ化などのメディアミックスを果たしている人気パンティーも確認できる。増田たちの心をつかむ可愛らしくカラフルなフリルの裏側では、実は黒い金が動いていたのだ。
「ウチがやっているのは、表向きには『パンティーエージェント』ということになっています」
パンティーエージェント。パンティー作家の代理人として、下着会社へパンティーの販売権を売り込む職業である。日本ではまだ馴染みが薄いが、欧米では広く普及している仕組みである。
「パンティー投稿サイトでランキング入りしている素人に、手当たり次第に声をかけるんですよ。下着会社に作品を紹介して製品化の提案をするという触れ込みで。新規登録料が○○で月々の会費が✕✕」
幹部が示した金額は、いずれも決して安いものではない。それに見合った利益が登録者にあるのだろうか。
「実際には、こちらからの売り込みみたいなことは特にしません。ウチがやるのは、下着会社から作家に製品化の申し込みが来た時の交渉だけですね。それもほとんど形式的なものですけど。それだけで、パンティー税の4割がウチに入るという契約になっています」
呆れるほどの中間搾取だ。登録している作家たちから苦情の声などは出ていないのか。
「仮にクレームが来ても、こちらの実態は向こうからは見えないので、製品化の打診が来ればウチのおかげ、そうでなければ作家の実力不足という説明だけで通ります。それに、作家になりたい連中は藁にもすがる気持ちなんでしょうね。そもそも文句はほとんど出てなくて、感謝されることの方がずっと多いですよ」
パンティーを製作している者であれば、パンティー作家としてデビューしたいと思うのはごく当たり前のことだろう。その純粋な願いが結果的に、このような詐欺としても粗雑な商売を成立させてしまっている状況はあまりにも哀しい。
作家との間に立っているのが暴力団であることに、下着会社の側は気づいていないのだろうか。
「わざわざこちらから明かすことはありませんけど、向こうも薄々気づいてると思いますよ。WさんやSさん、それにもう一つのSさんなんかは、ほぼ確信してるでしょうね」
パンティーレーベルを持つ大手下着会社の名を次々に挙げる幹部。耳を疑うが、平然とした幹部の顔からは真実を語っているとしか思えない。
それにしても、パンティーと暴力団、あまりにも畑違いの取り合わせに思えるのだが、なぜこんな活動を始めようと考えたのか。
「生物と静物の違いこそありますが、女を使ったシノギと考えればソープやデリヘルなどとそう変わりません。実際、流用できるノウハウがいくつもありますしね」
そういえば、パンティー店の看板には「萌え」イラストが(無断で)流用されていることも多い。たしかに、パンティーを含む美少女産業と暴力団の相性は、それほど悪くないのかもしれない。
「作家志望者をターゲットにしたオンラインサロンなんかにも手を広げようとしているところです。パンティー研究家という名目で、私自身が講師をやってもいいんじゃないかって話も出てて。大した知識も要らないわりに儲かるんですよ、あれ」
そう言って、幹部は屈託なく笑った。
* * *
パンティーは衣服的な価値こそ低いものの、下着文化を経済的に支える存在としては期待されていたジャンルだった。それが今では、パンティーの販売・購入が間接的に反社会的勢力への加担に繋がりかねない事態にまで陥っているのだ。
私は今30台前半で90年代は小学生、中学生だった。あのときのインターネットは本当の黎明期ではなかったかもしれないけど、そんな感じがまだあった。
個人がホームページを手打ちで作り、掲示板を建てていた。httpが普通だったし、FTPが当たり前だった。Yahooの検索が正義だったしIEで見るのが当たり前だった。
そして誰も本名でインターネットをしていなかった。違法ファイルはありまくりだし、著作権など存在しなかった。ファイルを分割して画像に埋め込むツールとかあったりした。なによりもあのときのインターネットはネット先が誰かなど気にしたことがなかった。だから平気でクソみたいなことをやれたし、言えた。ほんと最低の時代だ。
それがいつの間にか、検索はGoogleになり、httpsじゃないと弾かれるようになり、Chromeが覇権をとって、違法ファイルは表から見えなくなった。
わかるよきれいになったよインターネットは、あの時と比べて。でもなんとなく歩きにくいんだよ。少し前に二子玉川は人生が正しくない人には辛いみたいな記事があったけどそれと似てるかもしれない。この原因はわかってる。ネットの先の誰かを気にしないといけなくなった、それが理由だ。現実が嫌でインターネットを見始めたのに、いつの間にか現実がインターネットを飲み込んでしまった。いまじゃ愚痴一ついうのに気を使う。こんな掃き溜めのような増田も2chもいつまであるかわからない、現実がすべてを飲み込むのも時間の問題だろう。
でもわかってほしい、自分が求めているのは深層webみたいな世界じゃないんだ。自分が求めているのは分化されていない、ありのままの、ごちゃまぜのインターネットが無造作にポンっと置かれていたあのときなんだ。
「何でこんなことをしたんだ! 盗みが犯罪だなんて分かっているはずだ。それともバレなきゃいいとでも思っていたのか?」
この事件で危うく犯人にされかけたこともあって、表情からは怒りが滲み出ていた。
しかし従業員の怒りは収まらず、余計に火に油を注いだようにみえる。
従業員はかなり感情的になっており、今にも掴みかかりそうな勢いだ。
「しかもこんなにたくさん盗んで、持って帰る気マンマンじゃないか」
「えーと、家族にも食べさせようと……」
「盗んだパンを家族に食べさせるって? そんなので腹を満たせて家族は喜ぶか?」
従業員の詰問は高圧的であったが、言っていること自体は正論だったので間に入りにくい。
おかげでコッペパンを食べ損ねたのだから、文句の一つくらい言ってやりたくもなる。
ただ、怒りに割くエネルギーすら惜しい状態だったので静観していた。
「ごめんなさい、許してください!」
「ちょっと待ちな!」
従業員の怒りがいよいよピークに達そうとしたとき、それを静止する言葉が食堂内に轟く。
その声の主はオバチャンだった。
「事情はよーく分かった。今回は勘弁してやろう」
「ええ!? どんな事情があれ、盗みは盗みだろ。それを許すってのか?」
「そうするしかない理由があったんだから、大目に見てやろうじゃないか。『盗みは盗み』だからと冷たくあしらう、“罪即罰”なんて世の中は寂しいだろう」
犯人探しを血気盛んに始めた張本人にも関わらず、この場においてオバチャンは慈愛の心に溢れていた。
「ちっ……分かったよ」
「ありがとうございます、ありがとうございます……」
なんだか酷い茶番を見せられている気がするが、とりあえずこれで一件落着ってところか。
この場にいる人間が許すというのなら、水を差すようなことを言うつもりはなかった。
その様子を静観していた俺に、カジマが話しかけてくる。
「ほら、マスダ。待望のコッペパンっすよ」
そう言って犯人のバッグに入っていたパンを手渡してくるが、もはやそれは俺の望むものではない。
無造作に詰められていたものだから拉げていて、ジャムのせいで全体的にベトベトしている。
とてもじゃないが俺のコッペパン欲を満たせるものではなく、すぐに突き返した。
「いや……いらない。ジャムでグチャグチャになってるし、食う気しねえよ」
「ジャム……?」
そんな俺たちの何気ないやり取りを聞き、オバチャンが妙な反応を示す。
「まさか、アンタ……このコッペパンにジャムをつけたのかい?」
さっきまでの態度が嘘のようなドスのきいた声色で犯人に尋ねた。
「え……は、はい」
そして犯人の返答を聞いた瞬間、オバチャンの仏のような表情がみるみる内に鬼のように変貌していく。
「どうやら、アンタを許すべきじゃないようだね」
「ええ?」
オバチャンの心境の変化に、俺たちまで戸惑った。
一体、何が逆鱗に触れたんだ。
「え、さっきパンを盗んだの許してくれるって……」
「アタシが許せないのはね、“パンを盗んだこと”じゃないんだよ。その“盗んだパンにジャムをつけた”ことだ!」
そう言ってオバチャンは犯人の首根っこを引っ捕まえ、食堂の奥へ消えていってしまった。
取り残された俺たちは、その場に呆然と立ち尽くす。
「ね、ねえマスダ。オバチャンはパンを盗んだことは許したのに、何でジャムをつけた途端に怒り出したの?」
そんなの、こっちが聞きたい。
「多分だけど……“盗んだパンにジャムをつける”のは、“味を楽しむ程度の余裕がある”ってことになるから……じゃないか?」
なるほど、そういうことか。
飢えて心身共に余裕がないとか、或いは誰かのためにやったとかならオバチャンは許すつもりだった。
だけどジャムをつけるという、余計な欲やエゴを認めるほど寛容ではなかったようだ。
「はえ~、ジャムをつけただけで、そこまで話がややこしくなるなんて変な話っすねえ……そうだ、これを『パンジャム理論』って呼ぶのはどうっすか?」
「何言ってんだ、お前」
この出来事が俺の期末レポートにどのような影響を及ぼしたかというと、結論からいえば何も関係ない。
腹を満たしたわけでも、代わりに何かを得たわけでもなく、結局はBのマイナスだったので全くもって無駄な時間を過ごした。
だがカジマは学び取れるものがあったらしく、『パンジャム理論』を考案。
レポートにまとめて提出し、見事D評価を貰って補習が決定したらしい。