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2021-05-03

「勝っているときは、その勢いが永続すると考え、ひとたび負け始めると目を背け、待っていればいつか事態好転するのではないか

https://blog.szk.cc/2021/05/02/fighting-a-losing-battle/

>>どうも日本社会には、「勝ち負け」をめぐる、典型的パターンがあるのではないかと思うのだ。それは、「勝っているときにはその原因や背景を分析することなく、その勢いが永続すると考える」のだが、「ひとたび負け始めると、その現実から目を背け、待っていればいつか事態好転するのではないかという願望にしがみつき損切りのための対策を講じられない」というものだ。

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敗色が濃厚になり、負けの流れが確定すると、人々は「はいはい負けた負けた」と開き直り、それまでの理想をかなぐり捨てて生き延びようとする。

参照先のブログでの指摘だが、この考え方が再生産されているのはなぜだろうか。

第二次世界大戦についての経験はなく、どちらかというとアメリカ的な合理主義に憧れ、取り入れようとしてきた。

米国移民国家にも関わらず合理主義は受け継がれている。

2021-05-02

遠藤周作小説を読んで思ったことだが

私はこの世界を作りこの世界の法を敷いている創造主のことを信仰していないのだなと気づいた。創造主はただの創造をした人であり、それだけの特に担ぎ上げるような、何か頼りになる人間ではないのだ。

私がこのようなことを言うのは、私が中学生の時に負ったトラウマである。私は時の巡り合わせで治安の悪い学校で嫌な思いをし続けた。それで自分はそこで真面目な生徒としてやって来た(まあ怖い先生がいたのもあるが)けども「悪魔」は私の心をすり減らした。そして一時自傷行為に走った。

学校卒業した後もトラウマは残り、他人への不信感なども残った。そしてそのトラウマ逆撫でするような理不尽なことも少なからずあった。そして、それに対し現実を受け止めろといった人もいた。

私はその度に法を敷いた想像主を憎んだ。想像主は最初から私の運命を予定されて、辛く惨めに恥をさらして生きることを天下世界公約したのだと。私はその創造主を殺したいと思ったし、その殺意自分合理主義快楽主義に走らせた。創造主すなわち神は石ころのようなレゾンデートルと同じく本当に絶命しろと呪った。

しか不思議と私は神社にお参りすることは続けたし宗教否定しなかった。単なる世俗行事とか、精神行為として考えてたのだろうが、不思議とそれが私の創造主殺しと矛盾すると考えなかったのだ。

とはいえ結局これが私の心のなかで完結している、人に説明できない事象としてあり続けるのも違和感はあった。そしてその違和感に答え違和感を解消したのは遠藤周作の本であった。自分の心の中の「妄想」を語ってくれて名誉回復をしてくれた気分であった。「海と毒薬」「沈黙」では信者信仰上の苦悩や矛盾唾棄する世界の法やそれに対するキリストの愛を語った。「イエス証人」では、卑怯世界の法を変えられずとも、広く深い満ち溢れる愛を振りまいてきたキリストの姿を描いた。そして、「深い河」では何者をも包摂する存在残酷な法理の世界にもあることを示してくれた。

私はそれらを読んで、私が創造主を憎んでからも、心の縁としていたもの=神の正体を知り安心した。

今はコロナ禍という創造主がずけずけとでしゃばり図々しく存在を示すことが出来て下品な笑いを上げている時である。私にとってはさもありなんと思うが、私は自分を支えるものを知っているし信じている。それは私を今日まで勇気づけてくれたものである。私はそれを神と呼び、自分が生きたいと望むときに神は現れる。

2021-04-06

https://b.hatena.ne.jp/entry/s/www3.nhk.or.jp/news/html/20210406/k10012958561000.html

戸籍の氏名に読みがな 再来年までに改正案提出 上川法相 | NHKニュース

選択夫婦別姓制度反対派の人たちはこれも反対すべきでは?

戸籍の主導権をコンピュータ合理主義者に握られると

なし崩しに夫婦別氏も導入されるぞ

2021-03-05

anond:20210305111040

合理主義念頭においていると失念しがちだが、人間は愛する他者コミュニティに尽くすことで幸福を感じるようにできている

 

きっと個人性格にもよるんだろうけどな。

2021-02-19

anond:20210218231111

そういうのをニュースソースもなく伝聞でかんがえてもしかたがなくない?

感染してすでに抗体持ってるとわかった人には打たないという合理主義なのかもしれないし事情は各国それぞれでしょ

日本でも医療のつぎには年寄から先に打つなんて世代差別っていわれる可能性あるし

だって若くても喘息持ってる人はリスク年寄と同じだよね)

各国が合理的にやってるかどうかはそこに住んでいる国民同士で判断するしかないよね

ネットだけで外国からわかった気になるのどうかとおもうよ

とくに差別不公平感というデリケート問題について

2021-02-15

anond:20210213234937

意思ね。

蔑視肯定する意思なんだったらそりゃ見せないほうがトラブルにはならないよな。

女が差別されたくないって言ったら男に攻撃だって責めるのが攻撃じゃなく、女がいると男が不愉快な思いをするから排除するのが正解になるとかが被害者ぶってるにならないで現実主義になるんだからたいした女尊男卑だよな。

女医より男医問題でも、優秀な女医活躍してもらうためにサポートいっぱい付けるんではなく、優秀でなくいいかげんな仕事ぶりでもいいから男の医者を増やす、増やすのを大っぴらにしなくても女医に厳しい現場を改めないっていう合理主義とは?理性的とは?っていう頓珍漢を続けるのが女尊男卑

いやいやたいしたもんだわ。

2021-02-09

anond:20210209141953

理系合理主義者は役人に向かないだろうなあ。

いつか天職に巡り合えるといいな。

2021-02-02

松井優征新連載『逃げ上手の若君』は打ち切られると思う

前作『暗殺教室』前々作『魔人探偵脳噛ネウロ』読切『離婚調停』と比較しても妙に弱い気がする

主人公北条時行は戦わず逃げることに類まれなる才能を持っている。北条家は御家人であった足利によって瞬く間に滅ぼされる。未来が見えると自称する諏訪神主は肝心なところで言葉を濁すも「逃げる才能で時行が天下を取る」という。

ネウロは第1話、実父が殺害されたヤコの元に魔人ネウロが現れる。

壁に対して垂直に立っているという構図がすごかった。

手首まで貫通している遺影の実父が笑い、投げられた骨壷から溢れた灰はネウロと同じポーズでケタケタ笑う。

トリックが用いられた事件人智を超える頭脳魔界能力で早々に解決するも犯人動機には一切興味が無い。

理解し難い動機犯行に及びバレれば豹変する犯人

笹塚さんや吾代さんや怪盗Xや電人HALなど敵味方問わず魅力のあるキャラクター

葛西二郎シックスジャンプ史に残る名悪役だと思う。

すごくおもしろかった。


暗殺教室は学園モノだか朝の点呼で生徒全員が一斉に射撃タコの姿をした教師は全ての銃弾を避けて点呼をとる。月を破壊地球破壊すると予告している化け物。でも教師としての仕事はしっかりとして、不良行為や捨て身の攻撃を許さない。タイムリミット卒業まで。

あの手この手暗殺しようとし、それを躱す殺せんせー。

AI生徒だったり天才赤羽だったり自分もっと若い時に見てればさらにハマったと思う。

こちらも烏間先生ビッチ先生という頼りになる大人がいる。

合理主義だけど教育者としての理念は揺るがない浅間理事長もよかった。

物語が進むにつれて明らかになる殺せんせーの秘密と開花する渚の暗殺の才能。

そしてE組の卒業式。

大ヒットしてしっかり終わらせてくれた。

離婚調停は干上がった地球舞台で巨大な何でも切れる剣を引きずったおじさんの話。

道中で出会った少女に巨大ポンカンを分けてもらい、お礼に水を独占する地主を懲らしめる。

正体は神で引きずっている剣は地球を切っているのだという。

奥さんに愛想をつかれて財産分与として地球を半分にしているという。だから離婚調停

出会った少女はおじさんの方の地球に行きたいなという。

読み切りにしては随分綺麗でさっぱりとした読後感だった。

このまま行くと和をテーマにしているだけに鬼滅の後追いをして爆死したと揶揄されそう。

まだ二話目で物語も大きく動いている感じはしないから三話に期待。

あとどうでもいいけど神主諏訪って光属性だよね。望月さんや宮迫醍醐のような変態で光属性

2021-01-14

パートナー食事とかどうでもいい、掃除とか家事とか、頼んでもいないことを勝手に頑張られても知らないとか言われたりして、一時期泣きながら家事していた。体調を心配するのもこちらだけ。心配とか意味がない医者じゃないから出来ることがないと言われた。出来ることを考える頭もないしやる気もない。できもしない…

家で怪我して傷口を押さえるのを一瞬頼んだときもそんなこと出来ないわからないと喚いていた。押さえることすら。絶望する。 

痛みを堪えながら病院を探し自分で車を運転して病院に行った。

事故起こさないでよと迷惑そうに言われた。

その後傷の様子とか一切聞かれもしなかった。  

自転車のチェーンが外れて自分で直せないなら相談するか店に寄る、困ってる旨連絡すればいいものをしない。いかにも苦労して帰ってきたようにしてたが、自分が見てみたら三分で直せた。(これはもう何度めかわからない。)合理主義を気取るならもっと自分能力を把握して早く助けを求めるべき。人に聞いて解決を探ることもしないとか。

有事に一緒にいるのは命に関わると思う。こちらが助けてもあちらは助けられないよできるわけないから仕方ないと見捨てるだろうし、どのみち助ける能力もない。台風ときは本当に胃が捻れそうだった。

百困っていても解決目前かほぼ片付いて支障ないために後回しにしてた一とか二くらいをドヤ顔で手出しして満足そうにしてる。

こういう人間でも出来る仕事があるのだから現代は素晴らしいね

2020-12-27

anond:20201227164112

自分の中に価値観がなく、周囲への迎合しかできない人間は多いよ

日和見自称合理主義者だな

しかしそういう人間何となく幸せに暮らせるのも確かなのだ

逆に医学部行けるのに東大理系行くような人間は苦労するだろうね

D進した挙げ句研究に適正がなく医学部行っておけばよかったと思う人間大勢いるだろう

そして選択はやり直せない

どちらが正しいのか、それは誰にもわからない

2020-12-12

AED徴兵制

 1980年代ミサイルの台頭で歩兵だの徴兵制だのは不必要という科学万能ファンタジー爆誕しました。

 理由簡単剣道大好き右翼VS合理主義左翼の構図を叩きこまれていたから。

 無抵抗原理主義よりは現実的

 2010年代辺りでドローンアンチ左翼爆誕。「ドローンを護るための下っ端が浪費されるぞ」と左翼共がいきり立つ。

 2018年 【イラストでまなぶ! 戦闘外傷救護 -COMBAT FIRST AID-】発売。

 現在ツイッターにおいてAEDを扱えない男性に対する剥き出しの憎悪蔓延

 大真面目に使い方を調べてみたら 人工呼吸→心臓マッサージAED 人工呼吸のグダグダは飛ばすとして、きちんと心臓マッサージが出来る人間がどれだけいるのでしょう? 手書き文字を描くのとはわけが違うです。

 この調子でいくと「ミサイルドローン徴兵制否定の道具になったけど医療機器徴兵制推進の道具になった」という左翼ジョーク爆誕しますね。

2020-10-06

anond:20201006182152

働かないで貰った方が(AI工業用ロボで自動化する)長期的に見てコスパ良いという話だぞ

労働者が要らない時代はとっくにきてる

テック大国・超学歴社会合理主義米国ですら、未だに事務員を完全撲滅できていないが、

事務職を撲滅するのにAIなんぞいらない

 

あとは既得権益側が不利益を被るからできるだけ仕事効率化させたくない

たとえば、弁護士なんかもそうだ、弁護士どころかパラリーガルも消えてない

法律過去判例解釈ボタンひとつで引っ張ってこれるんだから専門家

ましてやその補助なんて、真面目にやれば殆ど要らなくなるはずだが、

特定案件に絞って問題解決するbotサービス程度しかないよ

 

そんなこんなで働く気が本質的にない人は働かないでいて貰った方が社会にとって有益だよ

本質的に働く気がある人は、働く必要がなくても、ジョブを得られるよう新たな分野の勉強や訓練の取り組みを始めると思うし、

各種研究メインカルチャーサブカルチャー創作をしたり、NPO活動すると思うよ

まだ無くせないけど社会必要フィジカルワークは適切な賃金になるか

誰も辛い仕事をしないで済むよう技術システム効率化が進むと思うよ

2020-09-26

anond:20200926181303

いいえ、働かないでいて貰った方が無駄金無駄時間使わずに済んでコスパがいいからだぞ

世界はブルシット・ジョブで溢れている

 

それに労働者が要らない時代はとっくにきてるぞ

テック大国・超学歴社会合理主義米国ですら、未だに事務員を完全撲滅できていないが、

事務職を撲滅するのにAIなんぞいらないぞ

 

あとは既得権益側が不利益を被るからできるだけ仕事効率化させたくない

たとえば、弁護士なんかもそうだ、弁護士どころかパラリーガルも消えてない

法律過去判例解釈ボタンひとつで引っ張ってこれるんだから専門家

ましてやその補助なんて、真面目にやれば殆ど要らなくなるはずだが、

特定案件に絞って問題解決するbotサービス程度しかないよ

 

まぁそんなこんなで働く気が本質的にない人は働かないでいて貰った方が社会にとって有益だよ

2020-08-27

anond:20200827132250

これをITの非専門家が読んでわかりやすいだろう、って思ってるとしたら相当やばい

現実のモノをモデルプログラミングしようというのが、オブジェクト指向定義です。

そもそもプログラミングという行為がわかっていない非専門家に対して

現実に物がありますよね。これをモデルにしてプログラミングする、それがオブジェクト指向です」

って言われて理解できると思ってるの?

モノという考え方は、18世紀哲学者カントに遡りますカント純粋理性批判において、理性と経験によって認識できる以前の「物自体」という概念提唱し、大陸合理主義イギリス経験主義を統一しました。オブジェクト指向におけるモノとは、カントのいう物自体です。

しかもそのモノについていきなりカントを持ち出してくるとか正気の沙汰とは思えない。本当にカント物自体議論経験論を踏まえた上で言ってる?それを相手理解していることを前提としてるの?

2020-07-18

渡辺明孤独な闘い

 藤井聡太棋聖誕生し、世間は大きく湧いている。

 けれど、ここでは、番勝負で敗れた渡辺明二冠の話をさせてください。

羽生藤井の間

 渡辺明は、昨年このような発言したことがある。

「今の棋士自分も含めて、歴史的には羽生藤井の間、という位置づけになるんじゃないですかね」

2019年2月27日付「日本経済新聞」夕刊)

 いつものようにニヒルな笑いを浮かべて、彼はあっけらかんとこのようなことを言った。

 しかし、この発言は私にとっては結構な衝撃であった。渡辺明は、羽生の次は藤井時代だ、自分時代を作る棋士ではない、そう言ったのである

 この言葉意味は、とてつもなく重い。

 渡辺明は、紛れもない「天才である

 中学生棋士になり、20歳将棋界の最高タイトル竜王を獲得する。

 玉を堅く囲い、針の穴に糸を通すような細い攻めを見事に通す。理路整然としたその将棋は、美しく、絶品である

 2008年には、羽生善治との頂上決戦を3連敗4連勝という劇的な結末の末制し、初代永世竜王の座を手にする。

 こうやって書くと、渡辺棋士人生は栄華に満ちているようであるしかし、そうではない。彼の棋士人生は、常に孤独との闘いであった。

 渡辺の同世代で、彼と同じレベルトップを張り合える棋士はいなかった。渡辺は、若いから、一回り以上も上の羽生世代と「たった一人で」しのぎを削り続けた。

 羽生世代は、底知れぬ力を持った将棋怪物たちである渡辺は、たった一人で怪物たちと剣を交え、互角以上の戦いを続けてきた。

 最強の羽生世代と争ってきた彼は、これまで年下の棋士タイトルで敗れたことがない。はっきりいうと、「格」が違うのである。踏んできた場数も、積んできた経験も、何もかもが違う。孤独と闘ってきたものけが持つ、底知れぬ「凄み」のようなもので、彼は年下の棋士たちを蹴散らしてきた。

 2017年度には、大きく勝率を下げ、プロ入り後初の負け越しを喫する。「衰え」がきたのか-そう思った人もいたかもしれない。

 しかし、渡辺は死ななかった。自らの将棋を大きく改造し、再び上昇気流に乗る。鬱憤を晴らすように勝ちまくり、再び三冠の座に上り詰めた。

 そんな渡辺明という天才が、当時まだタイトルを獲得していない棋士を、タイトル99期の羽生の次だと言った。自分飛ばして、である

 渡辺明は、本音をはっきりと口にするタイプで、お世辞で人を持ち上げるようなことはしない。

 いいものはいい、ダメものダメと、はっきりと言う。

 「羽生藤井の間」との発言も、率直な彼の実感なのだろうと思った。そう思うと同時に、私は恐ろしくなった。

 藤井聡太とは、いったいどれほどの棋士なのか。どこまで行く棋士なのか。

 天才しか、見えない世界があるのだろう。言わば藤井聡太は、「天才から見た天才」。雲の上の、そのまた雲の上にあるような世界は、想像も及ばなかった。

 想像も及ばないから、見てみたいと思った。渡辺明と、藤井聡太によるタイトル戦。その舞台を、心待ちにした。

抗いの舞台

 待ち望んだ舞台は、時を経ずに実現する。2020年6月渡辺が保持していた棋聖タイトルに名乗りを上げたのは、藤井だった。

 

 「なるべくなら藤井と当たりたくない」そう言って笑っていた渡辺だったが、藤井聡太にとって初のタイトル戦を待ち受けることになるのは、自分だった。

 このあたりは、強者宿命である。あるいは、将棋神様が、渡辺に課している試練なのかもしれない。

 渡辺明は、自らが「時代を作る棋士」と評した最強の挑戦者と、盤を挟むことになった。これまで蹴散らしてきた年下の挑戦者たちとは違う。そのことは、渡辺自身が、始まる前から一番分かっていただろう。

 棋聖戦5番勝負が、幕を開けた。

 第1局、矢倉選択した藤井は、凄まじい、人間離れした踏み込み渡辺を圧倒する。1三の地点に、飛車と角が次々に飛び込む。鮮烈な寄せ。驚異の見切り。

 将棋から、地割れの音が聴こえた気がした。

 第2局。この将棋に関しては、今も冷静に振り返ることができない。これまで見てきた将棋の中で、一番の衝撃だった。

 先手番で矢倉選択した渡辺将棋は、基本的には先手が主導権を握ることのできるゲームで、特に渡辺の先手番は抜群に強い。用意周到な作戦で一局を支配する、それが渡辺である

 その渡辺が、何もさせてもらえなかった。王手すら、かけることができなかった。藤井が放つ異筋の手が、渡辺矢倉破壊した。観戦しながら、頭が割れるような、足元が崩れ落ちるような感覚に陥った。こんなことは、もう後にも先にも訪れないかもしれない。

 「いつ不利になったのか分からないまま、気が付いたら敗勢」。渡辺ブログでそう回顧した。理路整然とした彼の口からたことが信じられない言葉だった。

 2連敗。これまでタイトル戦でストレート負けをしたことのない渡辺が、あっという間の土俵である羽生の次は藤井時代だといった渡辺言葉は、残酷にも証明されようとしていた。私は茫然とした。最強の渡辺明が、手も足も出ない。自分が見ているものは、悪夢だと思いたかった。羽生世代という怪物たちと剣を交えてきた渡辺。その渡辺の、剣先すら届かない。こんなことがあるのか。私は叫び出したい気持ちだった。

 2020年7月9日棋聖戦第3局。私は仕事を休んでこの将棋を観戦した。藤井聡太の初タイトルを見るためではない。渡辺明の「意地」を見るために、仕事を休んだ。このまま終わる渡辺ではない。そう自分に言い聞かせながら、食い入るように盤面を見つめた。

 第3局、渡辺は角換わり腰掛け銀で、90手目のあたりまで想定していたという、圧倒的な研究を投入する。研究の多さと深さは棋界随一の渡辺だが、今回投入したのは、とっておきの中でもとっておきの研究だったと思う。藤井聡太から白星を挙げる。たった一点の至上命題を果たすため、渡辺はついに、極限まで研ぎ澄ました剣を抜いた。序盤から中盤、ほとんど時間を使わない渡辺研究範囲時間を使わずに指す、この徹底的な合理主義渡辺の特徴だ。用意周到な研究リードを奪い、抜群のゲームメイクで、渡辺は一局を支配し、離さない。藤井の追撃も凄まじかったが、序盤を飛ばして残しておいた時間最後に物をいう。渡辺、腰を落とし、崩れない。そして、ついに藤井が頭を下げる。

 渡辺明藤井聡太に初勝利。「これが渡辺明だよ!」今度は、本当に叫んでいた。もし、渡辺が何もできないまま3連敗していたら、私はしばらく将棋を見られなくなったかもしれない。しかし、3連敗する渡辺ではなかった。3連敗など、するはずがなかった。

 この勝利は、たんなる1勝ではない。もはや渡辺明の「凄み」としか言いようがない。盤を挟んだ目の前にいる棋士は、まさに今、次の時代を切り拓こうとしている。渡辺にとって、その「圧」は凄まじかったと思う。自らを飲み込もうとする圧倒的な濁流に、渡辺は自らの強みである研究」で立ち向かい、そして振り払った。あの舞台でこんなことができる棋士は、渡辺明以外にいない。大舞台で、濁流に抗う。孤高の棋士渡辺明が報いた、最強の「一矢」だった。

 棋聖戦第4局。先手番となった渡辺は、第2局で完敗した急戦矢倉作戦を再び用いた。胸が熱くなった。「気付いたら敗勢」そう振り返った、渡辺にとって悪夢のような将棋である。負けたら終わりの一戦で、再びこの作戦選択することには相当な勇気がいる。しかし、渡辺悪夢悪夢のまま終わらせておく男ではなかった。自身が完敗した将棋を徹底的に研究し、改良手順を藤井にぶつけたのである妥協を許さない、トッププロとしての威信をかけた将棋だった。

 渡辺研究は功を奏し、互角からやや渡辺有利の形勢で局面は進行する。しかし、藤井は全く崩れずに渡辺のすぐ後ろをひた走る。紙一重の攻防の中で、渡辺盲点の一手があった。藤井の攻め駒が、気付けば渡辺の玉を左右から包囲していた。「負け」。渡辺は、このあたりで覚悟を決めたという。

 ピンと背筋を伸ばした渡辺が、「負けました」と声を発する。渡辺明棋聖戦が終わり、史上最年少タイトルホルダー、藤井聡太棋聖誕生した瞬間である

 

次の機会

 激闘を終えた当日の深夜、渡辺自身ブログ更新した。そして、自身将棋を、淡々と、それでいて的確に分析する。信じられないような完敗を喫した第2局の後も、タイトルを失った第4局の後も、その姿勢は全く変わらなかった。目を覆いたくなるような将棋を、淡々と振り返る。それも、当日の夜に。普通人間なら、抜け殻のようになっていてもおかしくない。すぐに敗局の分析をする。これもまた、渡辺の「凄み」である

 「負け方がどれも想像を超えてるので、もうなんなんだろうね、という感じです」

 渡辺はそう述懐した。藤井聡太と初めてタイトル戦を闘った男の、偽らざる本音なのだろうと思った。棋界のトップを走り続ける男が、「想像を超えている」と述べた。その意味は果てしなく重い。

 渡辺トッププロとしての矜持を胸に、全力で闘い抜いた。第1局、第2局では、昼食に高額なうな重を連投した。これは、藤井聡太が昼食の値段を気にせず、好きなものを頼めるようにした配慮だと言われている。藤井聡太が残り時間3分の場面でトイレに走った時、渡辺は次の手を指さなかった。そこですぐに指せば、藤井の持ち時間を減らし、追い詰めることもできた。しかし、渡辺藤井が戻るのを待ってから盤上に手を伸ばした。藤井を戸惑わせるような「盤外戦術はいらない。時代が動くか動かないかというこの戦いにおいて、そんなものは「邪道」でしかない。渡辺は、藤井が全力を出せるように環境を整え、「将棋」で真正から勝負した。

 結果は、1勝3敗での敗退。「羽生の次は藤井時代」という渡辺言葉が、現実のものになろうとしているのかもしれない。藤井聡太時代が、今まさに幕を開けたのかもしれない。

 しかし、渡辺抗う。自らが発した言葉に抗い続ける。そう信じている。

 「次の機会までに考えます渡辺はそうブログを締めくくった。渡辺は、もうすでに「次の機会」を見据えている。ここからまた、渡辺明の闘いは続く。

 渡辺明二冠、棋聖番勝負、本当にお疲れ様でした。これからも、ずっと応援します。

2020-07-15

anond:20200714180052

市場原理基本的には正しいが

業界が潰れる事で歴史文化が失われる

合理主義から歴史伝統は生まれない。

遠い未来まで日本を食わせてくれる観光を考えたら今後強みになるのは合理性ではなく、非合理な伝統

合理性によって均一化した未来観光面白みはない。グローバル企業大手チェーン、同じような家、同じようなスーパーマーケット

失業者の再教育コストを何も考えていない

業界が潰えた大半の失業者は単純にマックジョブに行きつく。

資本論理は独占に行きつく。go to Amazon

脱線するけど、以下ミルトン・フリードマンならある程度同意してくれると思う)

市場原理主義者が考えている市場原理主義は、本質的市場原理主義ではない)

市場原理といいつつも、勝者はその実

ブランド知的財産権特許法律的資格などのあらゆる障壁に守られている。

真に市場原理を導入するならこういうもの

全て排除し、誰でも完全に真似て供給できるようにすべきである

2020-07-08

anond:20200708111752

っていうか軍事は徹底的な合理主義から運用効率重視で「個体差」なんぞとは対極の思想だぞ。

権利の話と相性悪過ぎるからこの辺でやめといた方がいいぞ。

2020-06-09

十二国記の謎と次回の短編集について、勝手に予想し、語る。

初めに

私は一介の十二国記ファンである中高生の頃にはまり、「白銀の墟 玄の月」で再燃した。

記事では、十二国記世界の疑問点について語り、次回の短編集の内容について、時には私の好みで脇にそれつつも、予測したい。その途中で、私自身のこの作品に対する解釈思い入れにも立ち入るかもしれない。

記事のおおよその内容

十二国記の今までの流れ。

十二国記シリーズ外伝を含め、次の順に出版された。

物語のあらすじについては、熱心な読者が多いと思われるので、略す。さて、この順で読み返すと、次のような傾向がみられる。すなわち、王と麒麟視点から見た世界よりも、庶民から見た世界比重が大きくなっているのだ。確かに、「月の影 影の海」では陽子は大変な苦労をして玉座上り詰めるし、「風の万里 黎明の空」「黄昏の岸 暁の天」では、いかに王としての責務を果たすかが語られる。一方で、同じ「風の万里 黎明の空」は民衆レジスタンス物語であり、それがさら大輪の花を咲かせるのが「白銀の墟 玄の月」だ。これは都市の規模ではなく、国家規模にわたる抵抗だ。

もう一つの傾向とは、読者層の拡大である。もともと少女向けレーベル出版されたからだろうか、十代の少年少女にとって教訓となるような個所は少なくない。「風の万里 黎明の空」における鈴、祥瓊の扱いを見れば顕著だ。一見同情すべき境遇にいるようでいて、それに甘んじている彼女らを待ち構えているのは叱責であり、罰である。この年齢になって読み返すと、幾分説教臭く感じなくもない。

しかし、「丕緒の鳥からシリーズ全体の印象ががらりと変わった。組織の中で働く官吏や、避けられない災害を前にして自分のできることに必死になる民衆の姿は。年齢を重ねた読者の心も打つ。少女向けとされる小説から最も縁遠いように思える、中高年の男性もうならせるだろう。この作品は、あまりにも不条理世界で生きる人々へのエールとなっている。

まり、これから尚隆や陽子視点から物語が描かれることは少なくなるのではないか。きめ細やかな民の物語を描くとき、王の存在は強すぎる。「東の海神 西の滄海」も、一歩間違えれば「俺TUEEE」っぽくなってしまう(そうならならずに尚隆が有能かつ魅力的に描ける腕前がすごい)。そう考えると「白銀の墟 玄の月」で出てきた尚隆は作者なりの大サービスだったのかもしれない。それに、神隠しにあった泰麒で始まった物語は、一応は解決しているのだ。王や麒麟のこの先に物語は、長編としては出てこないかもしれない。

十二国記で一貫してきたテーマは何か

前項でも述べてきたが、次に尽きるだろう。

十二国とはどういう世界

十二国では天帝が定めた天綱が憲法としてあり、王が定める国法、地綱はそれに反することはできない。また、州の法律も王が定めた法に反することはできない。

天帝は民に土地を与え、それを耕すことで生計を立てるように命じた。逆に言うと、天の設計した社会では、民衆は生まれた里で農業だけをして過ごすことしか想定されていない。

しかし、現実はそうではない。「図南の翼」に出てきた珠晶の家族のような大商人もいるし、「白銀の墟 玄の月」に出てきた宗教関係者もいる。冬器を作る工房もある。私塾もあれば宿もあり、雁のように豊かな国では副業で馬車を出す者もいるし、事実上奴隷だっている。

そして、最大のイレギュラーが定住民でさえない黄朱の民だ。彼らが歴史に関わってくるあたり、実際の中国の歴史にもよく似ている。

言い換えると、天は王と官吏農民だけの世界を想定していたが、天の条理の隙間を縫う形で民は複雑な社会形成してきた。そして、この世界民衆ルールの穴をつき豊かに暮らしているし、謀反を起こす力もある。これは、専制君主世界ではあるけれども、ランダムで選ばれた大統領支配される民主国家の姿に、少し似ているのだ。私たち世界大統領首相も間接的に選ばれるため、民意がどこまで反映しているか、はっきりしていないところがある。十二国世界は、実は私たち世界鏡像なのだ

今後の作品の傾向としては、黄朱の民のように条理からはみ出てしまった人々にもスポットライトがあることと思う。と同時に、黄朱の民はこの世界の条理に生じた大きなほころびでもある。現に、彼らの里木はよそ者が触れれば枯れる、大きなペナルティを負っている。

それと、この世界では思いのほか宗教がしっかり根付いていた。我々が最初にこの世界宗教を教えてくれるのが合理主義者の楽俊だったため、この世界の人々はあまり天に頼らない印象を受けたが、子供を授かるには祈るほかはないわけで、むしろ熱心な信仰がないと不自然であった。

十二国記女性

十二国記が元々は少女向けに書かれたことをうかがわせる設定はいくつかある。例えば、王と麒麟運命的な出会いだ。女性向けフィクションにはオメガバースをはじめとして、そうしたパターンが多い印象がある。もう一つはときとして未婚の女性をひどく不安にする妊娠出産からの「解放」だ。女性苦痛が大幅に減らされており、またこちらの世界とは異なるいくつかの価値観女性に優しい。王も麒麟官吏も(軍人を除けば)男女同数だし、子供のいる女性再婚相手としてむしろ歓迎される。ジェンダーSFフェミニズムSFとして十二国記を読み解くことも可能だろう。血縁意識が薄いのもその傾向を示している。とくに、楽俊はこちらの遺伝について、似たような顔をしたやつが同じ家にいるのが薄気味悪いのでは、と漏らしている。

しかし、この期待は裏切られる。ここはけっして楽園ではなかった。「白銀の墟 玄の月」のなかで李斎は、男社会軍隊で生きる女性の苦しさを吐露する。また、明らかに暴力を受けた女性も登場する。それに、序盤からすでに妓楼も登場している。この世界セックスワーカーがどれほど過酷生活を送っているか不明だが、妓楼に行くことはあまり道徳的に褒められたものではないようである(余談だが、楼閣が緑色に塗られているのは現実中国にもあった習慣であり、「青楼」と呼ぶそうだ)。

考えてみれば、官吏女性も多いとされながらも、登場する官吏の多くが男性である育児負担こちらよりもはるかに少ないので、昇進や待遇に差があるとも思えないのだが、これも隠されたテーマかもしれない。

それと、生理問題がどうなっているかもはっきりしない。初期作品の傾向からすると生理から解放」されている可能性が高かったが、女性の苦しみをテーマとするならば、生理のしんどさやそれにまつわる迷信タブーが出てくると考えるほうが、筋が通っている。

天帝女性

天帝女性、または西王母兼任している可能性が、ふと浮かんだ。別に女性が王になれるのだから天帝西王母より偉い理由別にない。

十二国記って男性しかいない場所がないこともなんだか怪しい。軍隊も三割は女性だ。逆に、女性ばっかりの場所が蓬山である麒麟を育てるのは女仙たちだからだ。これも天帝女性説を補強しないだろうか? また、妖魔が雄だけというのも、なんだかそれに関係しそうだ。単純に作者が女性だというだけのことかもしれないが。そもそも「いない」可能性もあるが、根拠は全くない純粋空想だ。

天帝ラスボス

考察サイトが華やかなりしころ、いくつかのサイトでは天帝ラスボスなのではないか、という説がまことしやかにささやかれていた。確かに黄昏の岸 暁の天」での天の対応はあまりにもお役所的ではある。ルールに従わなければ何もできないところが、法律に定められていなことは原則としてできない公務員によく似ている。

だが、もともと中国道教死生観がそういう面がある。「救急律令」も、法令を守るように促す言葉であり、古代中国役人賄賂に弱かったように、今でも神々に心づけを渡す習慣がある。

そして、自分天帝ラスボスになりえないと考えている最大の理由が、十二国記不条理にあらがう人々の物語であるからだ。天帝を倒した後どんな世界を作るにせよ、人間が作り上げた世界である以上はやっぱり不完全なものになるだろうし、仮に完璧世界を作ってしまったら、それは理想郷を描いた現実逃避のための小説になってしまう。「黄昏の岸 暁の天」のなかでも陽子はつぶやいている。天が実在するのならそれは無謬ではありえないのだ、と。

結論

私が次回の短編集に出てくると予想する要素としては、今までの物語を受けて次の通りだ。

また、

そして、長編がありうるとしたら

と考えている。

おまけ1 奏が滅びるとしたらどのような形か

しろくでもない空想をしてみる。六百年の大王朝が滅びるとしたら、それはどうやってか。

王朝最後はいくつかの傾向がある。一つは陽子暗殺しようとした巧の錯王や、慶の予王のように、王個人劣等感に押しつぶされるパターン。もう一つは芳の王(祥瓊の父)や一つ前の才の王(黄姑の甥)のように、長所裏目に出るパターンだ。祥瓊の父は清廉な人柄であったが、完璧主義者で罰が苛烈に過ぎた。黄姑の甥も正義感にあふれていたが、現実検討する能力に乏しかった。

で、奏の特徴としてはのんびりとした気風がある。これが欠点となるのは、のんびりした気風で対応できないほどの速さで十二国世界に変化が起きる場合だ。つまり、利広の情報収集を絶てばいい。彼が旅先で死亡するか、家族が業を煮やして彼を王宮に拘束するかだ。ところが、「帰山」では、しばらく王宮暮らししろ、という趣旨台詞がある。

これが奏の滅亡フラグかといえば穿ち過ぎな気もするが、宗王一家は全員同じ筆跡で公文書が書けて、しか御璽を押した白紙が大量にあるので、一度分裂したら矛盾した命令が出されまくって国家の体をなさなくなり、あっと言う間に沈む危険がある。白紙委任状ほど危険ものはない。ああいう仲のいい家族崩壊する様子を書くのって、日本人作家は上手だというイメージがあるが、数ページで滅んだ、と示されるのもまた冷たくていい。

おまけ2 「王気」という言葉について

「王気」という言葉一見すると単純な造語であるしかし、景麒は、自分は半ば獣なのだ、と述べている。さて、「王気」にけものへん「犭」がつくとどうなるか。「狂気」になってしまうのである。失道は避けられないのかもしれない。

おまけ3 四令門の名前

黄海を取り巻く四令門のある街で、雁では未門と申門の代わりに人門、恭では辰門と巳門の代わりに地門がある。では、言及されない才と巧ではどうなるか。陰陽道を考えると、才では丑門と寅門の代わりに鬼門、巧では戌門と亥門の代わりに天門、と思われる。

おまけ4 「戴史乍書」の記述はなんであんなにそっけないのか

十二国記を初めて読んだときには、本編と「戴史乍書」の関係って、講談や旅芸人お話と、正史みたいなものだと空想していた。三国演義歴史書の三国志やその注釈から成立した、みたいな話だ。つまり、本文も旅芸人の語りであり、実際に起こった歴史とずれている可能性がある。

また、中国の歴史を知るにつれて、歴史書の記述はわざとそっけなくしていると考えるようになった。春秋の筆法というか、どのような事件が起こったかをどのくらいの濃度で書くかによって、歴史的な出来事に対する価値判断が含めているわけである。細かい経緯を書いた記録はたぶん別にある。

最近は、国家機密をぼかす目的もあると踏んでいる。阿選の幻術なんかの記述があっさりしているのも、たとえば妖魔が符で使役可能だとか、王と黄朱とのつながりとか、暴力行使可能麒麟がいるとか、かなり危険情報だ。事情を知っている人が読むと「ああ」ってなるが、それ以外の人は読み飛ばすようにできている。

おまけ5 登場人物名前元ネタ

楽俊の姓名である張清は水滸伝に出てくる。しかし、水滸伝盗賊活躍するピカレスクロマンである文人肌の楽俊とはだいぶ違う。

桓魋は少し近い。孔子を襲った荒くれ者と同じ名前だ。そして、面白いことに「魋」だけで「クマ」意味がある。「熊どん」というほどの意味を持つ字なのだおるか。

祥瓊の父の字は仲達で、三国志諸葛亮ライバル司馬懿と同じだ。雁の白沢瑞獣名前。「白銀の墟 玄の月」の多くの官吏たちも、実在する中国官僚文人たちから名前が取られている。とはいえ名前が同じだからと言って同じような人物像とは限らないので面白い

おまけ6 遵帝はなぜ「帝」なのか

「帝」という称号始皇帝の考えだしたものだ。諸侯が王を名乗ったため、王のタイトルに重みがなくなってしまった。そこで、王の中の王を意味する称号が生まれたのである

しかし、それを考えると十二国記世界では帝の称号が生まれないはずだ。なにせ、侵略戦争がありえないのだから、王よりも上が出てくるはずがない。そのため、王より上の称号は、山客か海客由来の語彙ということになる。

語彙だけではない。現実中国文化には、周辺の異民族との交流からまれてきた要素が結構あるので、十二国世界でそれらが取り入れられたいきさつも妄想するのは楽しい。例えば、スカートキルトではない、ズボンパンツ状の服は騎馬民族に由来することが多い。そこまで考えるのは野暮かもしれないが、十二国世界匈奴西域の影響の薄い中国文化を持っていると空想するのは、歴史ヲタにとってはきっと楽しい時間だ。

おまけ7 景麒の角の文字

十二国記アニメで、景麒が塙麟に角を封じられるとき、「生心気鎮風」と読める金文が刻まれるのだけれど、あれって根拠があるのか。私にはわからなかった。

終わりに

つらつらと書いてしまった。

残念ながら、小野不由美の他の作品との比較検討はしてこなかった。未読のものが多いためだ。また、作者の細かいインタビューも入手できていないので、見落としているものがあるかもしれない。

積んである本を片付けたら、ホラーは苦手だがぜひぜひ読んでみたい。

そして、次回の新刊のんびりと待っている。小野不由美先生、本当に泰麒の物語物語を完結させてくださり、ありがとうございました。

2020-04-30

左翼リベラル派が安倍政権から10万円もらうのはおかしいか

左翼リベラル派が安倍晋三を嫌うのは

「俺たちが考える国民のためになる政策」をやっていないと思うから

(無論、安倍晋三個人が嫌いという者もいるが…)

もし「俺たちが考える国民のためになる政策」をやり出したら

「その調子もっとバンバンやれ」と言うのは矛盾ではなく筋が通る

・・・

左翼リベラル派が安倍政権から10万円もらうのはおかしい」と言う右派

もし仮に今後、日本民主党政権共産党政権

憲法改正竹島奪還、北方領土奪還を実行しても反対するのだろうか???

あるいは安倍晋三がいきなり心変わりして

平和憲法絶対維持や尖閣諸島中国に譲ると言い出しても支持するのか???

・・・

保守派前近代価値観大事にするので

個人に対する忠誠心政敵ならばマイマスの忠誠心

を重視しているのかも知れないが

左翼リベラル派が前近代価値観より合理主義的な損得を取るのは矛盾しない

・・・

高度経済成長期までは社長政治家に忠誠を尽くせば利得が得られた

しかし、21世紀に入って以降の自民党政権が進める新自由主義

勤労者を差し換え自在のパーツのような非正規雇用に変えてしまった

企業家族のように従業員の面倒を見ることを辞めてしまった状態

かつての時代主君に対する臣下のような忠誠を期待するのは無理な話である

・・・

戦時中日本タカ派政治家官僚鬼畜米英と言っていたのに

戦後占領軍方針転換による右派公職追放解除を受け入れた

左翼リベラル派が安倍政権から10万円もらうのはおかしい」論法に立つなら

右派公職追放解除を拒否して獄中に残るべきだったのではないか

2020-04-20

自動車への課税規制を強化して自転車を増やそう。そうすると地域が良くなる。

自動車を減らして自転車を増やす地域から渋滞と重大事故と公害が減って地域が良好化する現実

なのでパリニューヨークロンドンアムステルダムオスロなど先進諸国首都代表都市積極的自転車優遇自動車抑制政策レベルで進めているんですよね。

ノルウェー首都オスロに至ってはマイカーもっと有害で最悪な移動手段だと位置づけ。

その為、マイカー公道走行違法化を進めており、自転車環境にも健康にも良い善良な移動手段だとして自転車が使いやす環境整備を次々と進めている。

日本マイカー禁止自転車優遇、そして自転車シェアリングも含めた公共交通の整備を積極的に進めたほうが本当は合理的なんですよね。

しかトヨタホンダなど自動車産業からの悪しき圧力が癌となって交通行政改善を阻んでいるのが日本の悲劇。

余談ではありますが「自動車は40年間で3396万円以上も無駄になり損をする負債」というコラムも注目を集めましたね。自動車は持っているだけで損をする金食い虫のお荷物であると。

負債とは、カネを生み出さず、費用がかさんでカネを失わせる持っているだけで損をするお荷物を指す。

更にこういった事実もある。交通刑務所懲役囚人のほぼ全員は自動車運転手、そして自動車乗車中の年間死者数は1200人以上にもなる。

これは国民保有台数がほぼ同数である自転車比較して3倍の数字。つまり自動車依存者は短命、早死に。自転車活用したほうが長生きできるという事実を示す。

資産1億円以上を有する堀江貴文西村博之経済評論家上念司など合理主義の利口な人ほど現代自動車という負債を所有も運転もしないのが現実

実業家西村博之さんは自転車には乗ります

2020-04-17

anond:20200417193223

考え方は色々あると思うけど、俺の考えとしては

10万が足るかどうかで言えば生活をどうこうするには全然足らないと思うけど

そもそも全員に10万配るというの自体が無理があると思っている

 

もっと生活ができない人に絞って10万以上支給するようにしないと

困っている人は全く足りないし、困ってない人はお小遣いもらって貯金するだけになる

それでいて国の予算手続きコストはやたら食いつぶしてしま

 

せめて最初の条件あり30万にしないと継続的補償できないからやるだけ無駄になる

最初の厳しい条件30万なら、複数回可能だろう)

政府には、世論に押されて意見を曲げずに、もっと血も涙もない合理主義を貫いてほしかった

2020-04-01

在している点が挙げられる。 インドイギリス植民地となって久しい19世紀に、ベンガル州を中心に知的エリート層によってキリスト教ヒンドゥー教知的交流が盛んになり、西欧的な合理主義に基づいて、インド近代化ヒンドゥー教復興改革

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2020-02-23

anond:20200223103614

コラボをやるなら他人迷惑をかけないように行いましょうって意味です。必要ないものは全て削除しろとか合理主義の鬼みたいなことは思いませんしそんなこと言う人間から協調性は感じません。

2020-02-15

自動車を減らして自転車を増やす地域から渋滞と重大事故と公害が減って地域が良好化する

ちなみに自動車を減らして自転車を増やす地域から渋滞と重大事故と公害が減って地域が良好化する現実

なのでパリニューヨークロンドンアムステルダムオスロなど先進諸国首都代表都市積極的自転車優遇自動車抑制政策レベルで進めているんですよね。

ノルウェー首都オスロに至ってはマイカーもっと有害で最悪な移動手段だと位置づけ。

その為、マイカー公道走行違法化を進めており、自転車環境にも健康にも良い善良な移動手段だとして自転車が使いやす環境整備を次々と進めている。

日本マイカー禁止自転車優遇、そして自転車シェアリングも含めた公共交通の整備を積極的に進めたほうが本当は合理的なんですよね。

しかトヨタホンダなど自動車産業からの悪しき圧力が癌となって交通行政改善を阻んでいるのが日本の悲劇。

余談ではありますが「自動車は40年間で3396万円以上も無駄になり損をする負債」というコラムも注目を集めましたね。自動車は持っているだけで損をする金食い虫のお荷物であると。

負債とは、カネを生み出さず、費用がかさんでカネを失わせる持っているだけで損をするお荷物を指す。

更にこういった事実もある。交通刑務所懲役囚人のほぼ全員は自動車運転手、そして自動車乗車中の年間死者数は1200人以上にもなる。

これは国民保有台数がほぼ同数である自転車比較して3倍の数字。つまり自動車依存者は短命、早死に。自転車活用したほうが長生きできるという事実を示す。

資産1億円以上を有する堀江貴文西村博之経済評論家上念司など合理主義の利口な人ほど現代自動車という負債を所有も運転もしないのが現実

実業家西村博之さんは自転車には乗ります

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