はてなキーワード: 元請けとは
青年向け漫画の編集者をしていた。といっても若い頃の話だ。都内にある編集プロダクションを辞めて田舎に帰ったのが36の時だから、おじさんの入り口に立った頃か。今では完全なるおじさんである。
働いていた会社というのは、講談社とか小学館とか秋田書店とか、そういう大手出版社ではない。あくまで編集プロダクションである。出版社と編プロがどう違うのかって……ざっくり言うと元請けと下請けだ。出版社が出版事業(今回だと青少年向けの漫画作りや商業展開)の企画をして、漫画家が作品そのものを作って、編プロは雑誌本体を作って、その制作過程で印刷所やデザイン事務所といった専門集団と関係することになる。
イマイチな説明になってしまった。一般社会の例で説明する。民法でいうところの委託(準委任契約)に当たる。公共建築の分野でいうと、公共機関の建築技師が新しい建築物のマンガ絵を作り、建築事務所が基本設計~詳細(実施)設計をして、出てきた成果物を元に大手建設会社が施工監理し、地元にある中小事業者が実際の土木建築作業をする。
自分が勤めていたのは、この例でいうところの建築事務所だ。受益者(国民=漫画読者)の希望に応えたい組織があって、そこから依頼を受けて動いている関係会社のひとつ。そういうアナロジーだ。
出版社との役割分担は、そこまで分離しているわけでもない。漫画編集者といえば、昔の手塚治虫ほかの自伝みたいに、漫画家とアツいやり取りをしているイメージがある。ああいう、企画経営と制作現場の間にあるような仕事は、出版社の社員が直接することもあれば、編プロが出版社(編集部)のオフィスを間借りして行うこともある。
前者の例だと、マガジン、サンデー、チャンピオンなどだ。コンビニや書店にほぼ必ず置いてあるレベルの漫画誌。大手出版社に総合職コースで入社した人が、(編集、取材、制作、資材、宣伝、マーケティング、総務経理人事その他事務)といった多くの部門のひとつである漫画編集部に割り振られて其処に居る。
後者の例だと、大手出版社が出している漫画誌でも、あなたが聞いたことのないやつもけっこうあると思う。そういうのは、編プロが出版社(編集部)の仕事を丸ごと請けて実施していることが多い。自分は、そういう会社で働いていた。職場自体は大手出版社の中にあるが、いわゆる委託先の社員だった。別の言い方をすると、親雑誌に対する子雑誌の関係。
ほかの長文増田の記事を見るに、あまりたくさん書けない仕様のようである。何文字までかは知らないが、文字数制限があると思う。本当は何万字でも書きたいのだが、あくまで自分が書きたいだけであって、あなたが読みたいとは限らない。一万字以内になるよう心掛ける。以下に、自分が関わった漫画家を2人だけ紹介しよう。最後に所感を述べて終わりにする。
その2人(A先生とB先生。どちらも若手)と私は、分水嶺のような関係(追記;わかりにくい表現ですいません。ブクマカのBuchicatさんのコメントのとおりです)だった。ある日、私が担当していた漫画家のA先生が新作の企画提案に来ていて、同じタイミングで別の編集者のところに持ち込みをしたのがB先生だった。その別の編集者が不得手なジャンルだったこともあり、A先生との話が終わった後で、私も一緒にB先生の作品を読んだ。
その後、編集部の責任者を交えた会議で、私が引き続きA先生の新作の担当者に決まった。新人であるB先生の担当になる可能性もあったが、そうならなかったのは、今の漫画界の一界隈にとって幸運なことだった。
A先生は、雰囲気が暗めだった。人間性まで暗いというわけではなく、心を開くと明け透けになるタイプだった。モードに入ると饒舌になる。
弊誌では、読み切りを何度か掲載したことがあった。アシスタント経験あり。小さい賞を取ったことがある。ヒット作はないが、若き漫画家としてはキャリアがあった。
画力が抜群だった。小学校や中学校で、学習ノートにフシギダネの絵とかをソラでゲームパッケージそのまんまに描く子がいただろう。とにかく天賦の才を持っていた。最小限の画量で、それでいて迫力と感情に溢れた1枚1枚を描く。そういう人だった。
難点は、マジメすぎるところか。少し前にやっていたアニメだと、チェンソーマンに登場するアキくんか(少し前……?)。とにかくマジメだった。いや、やはり『直向き』に訂正する。
A先生は、少年誌に見合わない重たいテーマに挑むことがあった。今でもそうだ。彼のマンガには『緩さ』がない。それもいいところなのだが。私は好きだった。はっきりいって。が、読者の傾向に合っているかは微妙だった。
子どもの頃から漫画が好きだったらしい。中学生の頃のイラストを見せてもらうと、俄然キャラクターへの愛に溢れる作画を見ることができた。中学生らしい、プロには程遠いクオリティなのだが、しかし見ていて違和感がないというか、自然にくっきり入ってくる。
私という人間は、具体例で物事を説明する癖がある。上の「中学生らしいイラスト」を別の事例で表現すると……「うるせ~!!知らね~!!FINALFANT ASY」(短縮URL:https://x.gd/L5cc4)だろうか。以前、いつぞやかのid=pptppc2さんのブックマークコメントがきっかけで元ネタを知ることになった。
あの時のA先生のイラストは、ベルセルクのセルピコだったと思うが、力強い表現だったのを覚えている。セルピコがファルネーゼを抱きかかえて、
「申し訳ありません 道案内を頼まれまして 少し席を外していましたもので」
と言うシーンの模写だった。
さて、そんなA先生だったが、ある時これまた重量級のテーマで描きたいものがあるという。先ほどの、編集部での新企画提案の話だ。
その際、A先生からプロットをもらい、私のデスクで拝見させてもらったところ……うちの雑誌では持て余しそうだった。作品の質が低ければ普通に打ち切りになりそうで、作品の質が高くても――弊誌の売上規模だと会社グループ全体の機会損失になりそうだった。私の前でパイプ椅子にかけているA先生は、不安げな面持ちだった。
内部の話で悪いが、例えば「甲」という雑誌の亜流の「乙」という雑誌があるとする。ビッグコミック(オリジナル、スピリッツ、スペリオール)みたいな感じだ。この時、甲と乙に明確な上下関係があった場合、乙誌に掲載された漫画が甲誌に引き抜かれることがある。その際、甲誌の編集部から言われるのが、
「なぜうちの編集部に見せなかった?」
という意見だ。これは、ストレートに言われる場合もあれば、暗に言われる場合もある。だが、事前に上流の雑誌に見せていたとして、多くの場合は玉虫色の返事があるだけだったりする。
話を戻そう。この時の自分は、編集部の自分のデスクのあたりでA先生の次回作を見せてもらっている。確か缶コーヒーを飲んでいた。
自分としては、A先生のマンガを弊誌に載せたいと思っていたが、先ほど述べたとおり、後ろ髪を引かれる思いもあった。社会派の少年漫画というのは扱いが難しい。その作品が「あしたのジョー」の影響を受けているのは明白だった。「A先生であれば、きっと面白い作品にしてくれるのだろうな」という期待はあった。
うーん、大いに悩むところだ。どうしよう。思いあぐねていたところで、別の編集者から声がかかった。要約するとこんなところか。
「持ち込みに来た人がいる。私の専門じゃないので判断が難しい。門前払いにするレベルではないので、あなたの判断を仰ぎたい。上の人間は今出かけている」
要するに、自分の専門外なので判断できないよ、と言っている。ここも会社なので、編集者の上には当然上司がいる。その人達がいなければ同輩に相談するのが基本だ(余談だが私は後輩だった)。こういう原則は一般の会社と変わらない。
その『別の編集者』というのは、儚い感じの純文系が得意なタイプだった。一番わかりやすい喩えは……『はちみつとクローバー』みたいなやつだ。ああいうのが得意な人だった。
その時は、A先生との話が終わったら行くと告げた。それで、しばらくそのまま話を続けた。
「この作品はいい意味で重たいね。ちょっと考える時間がほしい」
と言って、その日は解散した。A先生は、「お願いします!」と言ってパイプ椅子を立ち、そのまま帰っていった。いつもだったら喫茶店でご飯をおごっている。
A先生は、『いい子』だった。あまり感情は出さないけれど、人間に対する愛を持っている。そういう子だった。私が当時、A先生にご飯を奢って、彼がおいしそうな表情で食べている時、私は幸せだった。A先生が幸福だと、自分も幸福だと思えた。A先生が漫画という手段で自らを表現している時、まるで自分もそれに劣らぬような喜びを得ていた。
ヘンな表現かもしれないが、例えば読者がA先生を褒めている時、自分とA先生との区別がなくなっているというか。彼のことが、自分のことみたいに嬉しかった。これは愛なのだろうか。
持ち込み部屋に行くと、別の編集者と、持ち込みに来た子が対面で座っていた(ちょこんと挨拶をしてくれた)。自分が座る席には作品が置いてあった。綴じられていない原稿用紙がある。ページ数にして30枚ほどだった。もっと多かったかもしれない。記憶があやしい。
実際、B先生の作品は面白かった。コテコテの学園ものかと思いきや、登場人物それぞれに適度な制約があって、キャラクターも立っていた。これまでのキャリアを聞き取ったところ、作品が雑誌に掲載されたことがあるようだ。アシスタント経験もある。
絵の方は、自分がこういうのも大変失礼だが、上手な方ではなかった。どちらかというと、脚本や設定、キャラ作りが得手のように映った。当人が情熱を注いでいる箇所はすぐにわかる。キャラ絵が有名漫画家の影響を受けているとか、キャラクターの台詞回しがハリウッド映画風とか、背景や小物を手を抜くことなく全部描いているとか、そんな具合に。
光るものがある作家だった。これを見抜けないようなのはモグリ――そんなレベルで輝いていた。
私は作品を読み終えた後で、「ちょっと待ってね」と自席に戻り、少し残っていた缶コーヒーを飲み干して、思案を重ねつつ持ち込み部屋に戻った(どうするのが最良かわからないケースだった……)。
それで、テーブルではこういうやりとりをした。
私「イイ作品だと思います。特に、セリフ回しにセンスを感じます。掲載ができるとかここでは言えないけど、話は通してみますね」
B「ありがとうございます」
私「それで、担当はね……縁なので。あなたがするのがいいのでは?」
編「私よりもほかの人がいいと思います。もっと才能を引き出せる人が……」※小さい声で
私「いや、でも恋愛描いてるよ。エンタメだけどいいんじゃない」(こいつ、作家の前でアホなこと抜かしよって)
編「難しいです」
私「でもこれ、縁だよ」(意識が低すぎる……)
編「ほかの作家さんも抱えてるので。いっぱいいっぱいです」
私「わかりました」(トラブル回避のため後で編集長に説明しとこう)
B「すいません。僕の作品はどうなるんですか?」
私「後日連絡しますね。必ずしますから、それまでは他誌への持ち込みは待っていただけますか」
B「あの、はい。できればですが、早めでお願いします。一週間くらいでなんとかなりますか」
私「なんとかしてみます」
作品そのものと、作家プロフィールと、付属資料のコピーを取らせてもらって、彼には外で缶コーヒーを奢った。ビルの入り口まで送ったところまではいい気分だったが、正直、身に余る事態だった。
持ち込み作家の才能がありすぎるのも考えものだ。嬉しい悲鳴というやつ。誰が担当に付くかで今後の雑誌の売り上げに影響がある。重大な意思決定ということになる。
最悪、『進撃の巨人』の時みたいに優れた作家を逃してしまう可能性がある。あれも、実際は諌山先生は門前払いではなく、週刊少年ジャンプの担当が付くか付かないかの微妙なラインだったらしい。それで、誰が担当になるかを押し付けあっている間に諌山先生が他雑誌に持ち込んでしまった、という話が業界団体の公的な飲み会で囁かれていた。
B先生についてだが、一週間後に担当編集が決まった。「別の編集者」でもなく私でもない。当時、若手のひとりだった20代の子が任されることになった。編集部のトップを交えてB先生の原稿のコピーを読んだのだが、「若い感性が光る。年齢が同じくらいの人と組ませる方がいいのでは?」という結論になった。
その20代の子は、上の組織からこっちに出向してきている子で、いわば武者修行の身だった。一流大学出で、本社のプロパー社員。いわゆる総合職である。
最初は、私に選択権があった。B先生の担当になる道もあった。だが当時の私は多忙であり、月に何度も会社に寝泊まりするレベルだった。新人は抱えるべきではない。しかし、才能のある子だから迷いがある。
A先生のこともあった。彼のあの作品を世に出してやりたい。もっと有名にしてあげたい。そんな想いがあった。
私が悩んでいるうちに、例の20代の子が手を挙げたのだ。私としても、彼のやる気と知性と直向きさは買っている。諸手を上げて賛成した。
今思えば、正しい選択だった。もし私がB先生の担当になっていたら、面白い恋愛エンタメを楽しめる読者の数は減っていただろう。これでよかったのだ。
以後のB先生は、例の持込漫画のブラッシュアップを続けた。翌年には、晴れて弊誌に第一話が掲載されることになった。さらに以後は、担当編集とともに二人三脚で躍進を続け、イケイケドンドンの勢いを保ったまま、一度も息切れすることなくスターダムに上り詰めた。今では漫画家として世に知られている。
上で挙げたA先生の意欲作は、読者層に合っていなかった。それでも、高い画力とシナリオ構成の上手さがあったのだろう。その意欲作は、連載期間を積み重ねる度にファンの数が増えていった(業界的には、Amazonの第一巻のレビュー数が人気の代替変数になることが知られている)。
今では、A先生は親雑誌で連載を勝ち取るまでになった。去年だったか。彼の作品をコンビニで立ち読みする機会があったのだが、やはり突き抜けた画力だった。週刊連載であそこまでの画力というのはまずない。
2024年現在、私は東京を離れて田舎で暮らしている。地元の町役場にUターン就職して、実家の農業を手伝いながらスローライフに近い生活を送っている。
実は、編集者だった当時、働きすぎて病気になった。ある日、下腹部の辺りに違和感を覚えて、血の塊のようなものが血管を這っている感覚があった。病院に行くと、「遅くても明日中に入院しなさい」という医者からの指導があった。
それなりに重い病気にかかってしまった。一応は死亡リスクもある。数か月ほど入院した後、どうしようかと考えて、考えて、考えて……編集部に復帰後は、労働を最小限にしつつ転職活動をスタートした。
A先生については、幸いだった。彼の意欲作とは最終回まで付き合うことができた。私が退院した後、無事完結を迎えることができた。あしたのジョーに比べればハッピーエンドだった。
入院中に、A先生とB先生がお見舞いに来てくれたのを覚えている。ほかの編集仲間も来てくれた。A先生は、テンションが低めで、何を考えているのかわからないこともあるのだが、人間への基本的な愛というか、思いやりがある人だった。
もう40才を過ぎている。はてなユーザーの中では平均的な年齢か。思えば齢を重ねたものだが、当時の日々は今でも夢の中に出てくる。
若い頃から編集者をやってきた。身体を壊さなければ続けていたのかというと、多分そうだろう。でも、今の生活も悪くないと感じている。自分語りはここまでにして、締めにしよう。
もしあなたが、Webでも紙媒体でもいい。気になる漫画作品を見つけたとする。面白いものを見つけたと感じたら、ひとまず買ってみるのがいい。Webだと1話単位で売っている。
ひとかどの漫画家というのは、自らが産み出すモノを本気で高めにいっている。あなたのフィーリングが合ったのなら、ひとまず1巻だけでも読んでみる方がQOLが高まると思う。ハズレを引くことはあるだろうが、アタリだってちゃんとある。人生は運試しである。
通常の雇用者と被雇用者は力関係が一方的になりやすく、労働者は搾取されがちなので、そうさせないために労働法規がある
しかし、個人事業主は被雇用者という立場の労働者ではないため、独立した立場での元請けとの業務提携や共同プロジェクトの関係となってしまう
Vtuberも個人事業主となるため、組織的な交渉力を持たないことになる
個人事業主は自分が社長のようなものなので、Vtuber企業は個人事業主である配信者を雇用するのではなく、契約を結ぶ関係である
マネージメントや、ソフトの提供、キャラクターのIP管理などを業務提携、または委託という形になっているはずだ
よって、現実は一方的に弱い立場であるにも関わらず、法で守られる立場にない
適応できるとすれば下請法の関連法規やガイドライン等になるだろう
しかし、ガイドラインがあれば元請け企業と下請け企業のような組織対組織の交渉はましになるだろうが、個人事業主ならば個対組織の交渉になり、性格や知識量によって難しいケースは多いだろう
フリーランスで個人で仕事をしている方は同じような苦労をしていると思われる
企業系Vtuberになればフリーランスの人以上に組織の拘束が多いはずだが、交渉力は同様に弱いままだ
最近、トラブルを起こすVtuberとの契約を解除する企業が目立っており、それ自身は仕方のないケースも多かろうが、解除されたライバー側の立場があまりに弱いのは問題であると感じる
中の人だったことを明かす行為も契約で禁じられており、自身のアバターやSNSアカウントも凍結されるため、実質的に反論する機会を完全に失う
契約内容を守らない素行不良のライバーに警告をしたり、逆にライバーに不利益な行為を飲まそうとする企業を止めたりする権力はどう考えても必要だろう
プロ野球選手は球団に雇用されるわけではなく、個人事業主として野球業務を請け負う関係である
そしてプロ野球選手は弱い関係を守り、強い球団と交渉するため、選手会という労働組織を持っている
同様に、健全にVtuber組織が成熟していくためには、プロ野球の選手会のようなVtuber組合が必要になるだろう
誰かやりませんか?
ある企業(以下、元請け企業)が顧客企業からITプロジェクトの参加を依頼された。プロジェクトは顧客企業内で行われる開発であり、元請け企業にもメンバーを常駐させて顧客企業側メンバーと共に作業を行ってほしいというものだった。
元請け企業はこの依頼をそのまま別のIT企業(以下、下請け企業)に出し、下請け企業のメンバーAが顧客企業で作業を行うこととなった。
ところがAのスキルは顧客企業の望むレベルに達しておらず、元請け企業にクレームが入った。元請け企業は下請け企業に改善策の提示を求めたが、結果として交渉は決裂し、下請け企業は契約期間をまだ残したままメンバーを撤退させた。
顧客企業が元請け企業に残期間の費用を支払わなかったため、その相当額を損害として下請け企業に賠償を求めて裁判となった。しかし下請け企業は「この契約は事実上元請け企業側から解除したものだ」として、本来支払われるはずだった費用の支払いを求める反訴を提起した。
これどういうことだろ??
こんなことエンジニア派遣業界では日常茶飯事にあることなんだけど、提訴って相当だろ・・・。
いったいどんな背景があるのか気になる。
たぶんそうじゃないかなあ、程度の俺のあくまで勝手な妄想です。
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冷凍ケーキの件だけど、ブランド先製造ってこの手の大規模な製造問題を起こさない、
定期的に工場監査して問題発生時のトレース能力の確認を求めてくる。
分かりやすく言えば金と工数だけかかるクソ面倒なISO認証(食品だとFSSC)とかも求めてくるし、
力量怪しければ信頼できる業界大手を元請けに入れたりコンサル投入してくる。
受託製造の人間による記録外の原因究明力とか改善力とかそこまで見ている。
そんな状態で製造ラインに乗せて出ていった冷凍ケーキの多数が崩れていましたなんて
明らかに製造・搬送ラインまたは付帯設備のコントロールポイント管理を極めて重篤に怠ってないと出てこないので
受託製造の社員クラスなら原因100理解ってるし、発注元のブランドも検討つく程度には理解ってる。
これは断片的な報道からの俺の予想というか、受託製造あるあるだけど
製造ロット数の見極めやら、発注元の要求による難製造工程でライン大規模調整とか
発注自体がかなり遅いとか、原料入手の情勢が極端に悪化とかで(ケーキで言うと濃縮乳、鶏卵、生果物とか怪しいよね)
結果的に発注側の責任か情勢悪化による、受託側に責任のない難納が発生するときがある。
そんなときでも特定の期間商品では結構な割合で発注側の利益優先で、
万が一があっても知らんですよと受託側が折れて製造することがある。
まあそうよね、超超超特定の期間商品で大した違いもないのに百貨店ブランドで安くない値段取って
Amazonのセール期間みたくお届け遅れました原因は百貨店側ですなんて、百貨店ブランドの面で客に言えるわけがない。
受託「この納期無理です」発注「いやなんとか!ここなんとかすればいいでしょ、後の責任持つんで~」みたいな風景、
B2Bの会社だったらあるでしょ、風景見えてこない?見える見える。
結果理解してたのか理解してなかったのか、見えないアウトの線を踏み越えて製造をしてしまったことになる。
見えないアウトの線ってのが今回のミソ。
製造の話に移るけど、
食品製造ラインは一定の品質保つために工程毎の温度管理と時間管理を徹底していて、
これは基本的には食品の汚染を防ぐ事が主目的であるんだけど、形状とか見た目の品質維持にも効果がある。
大きく逸脱しない限りはほぼ同質の製品が得られるようにされている。
似たような物を扱っていた会社にかつて居たので冷凍ケーキの経験はないが、
まあ下記の工程が標準工程として監査や認証時、そして試験製造にて確認されているはず。
滅茶苦茶ざっくり書けば
スポンジは何処其処でウン度の低定温庫で入庫ウン時間からウン時間で使用して
クリームの温度はウン度冷蔵で仕込みはウン日前で、オーバーランのエアはウン度で粘度はどうだ。
充填と手加工や機械加工の通過時間はウン分までで定期的な風味検査。
窒素トンネルはウン度でウン分、トンネルフリーザーはウン度ウン時間で定期的に固化状態見る。
箱詰めのタイミングは冷凍前か後か知らんが、恐らくトンネル出てからウン分の間に封函。
冷凍工程に紙入れたら結露してふにゃってコーティング紙でもかなり強度落ちるからたぶんそう。
パレ積みされてリフトで冷凍倉庫に置いてその間に細菌検査の結果見て出荷準備して、
冷凍ケーキほどの大きさでなくても、窒素トンネルやトンネルフリーザー程度では表面が固化するだけで、
サニタリサーモぶっ刺して-18℃でも中のスポンジは良くて5℃とかそんなもんと思われる。
(空気の層ってかなり冷えづらくて、家を二重窓にしたらなかなか屋外と熱交換しないのと一緒)
通常の期間商品であれば中継の冷凍倉庫で場合によっては1ヶ月以上保管されることもあり、その間に固化している。
これは結構暗黙知な部分で、冷凍倉庫で固化が進むことを製造工程として書きたくても、
自社倉庫を出庫してからは運送屋や倉庫屋に固化の責任を負わせられないし、
では完全に固化するまで自社の冷凍倉庫に入れる事は現実的に無理。
ここに保管期間という見えないアウトの線が引かれている。
これ出荷指示してる人間が理解ってんだか理解ってないんだか知らないけど、
工程管理上にも書いてないんやからええやろ、クリスマス間に合わんかったらどうすんねん転がすぞコルァ!と
報道でもあるように冷凍時間を2週間から25時間に短縮すると、
(これを冷凍時間と呼ぶのかは微妙なところで諸事情で保管期間と言いたいが)
それはまあサーモグラフィで見ると真っ青で、抜き取りサンプルにサーモぶっ刺して-18℃の記録が取られてても、
中は全然凍ってませんがな、ということになる。
冷凍車やってる運送屋さんは、この手の事情は多少知っているので万が一があると丁重に扱うけど、
物流拠点のそれも冷庫仕分けなんて、息ゎ苦しいしマヂ苦しい酸欠で死にそうシュワッチ…シュワッチ!なマジのキツイ職場なんで、
そんな暗黙知は知らないし教えても理解しない奴しか来ないので、やっぱり雑に扱われて凍ってなければグシャッとなる。
ただ物流拠点に来た時点で中身凍っていることはそもそも前提だし、
凍ってないものを一般的な所作で流して潰れた責任までは彼らは負わされていない事だけは擁護したい。
よって
百貨店「(なんでや!俺悪ないのになんで俺が悪い言われるんやねん)」←悪い
御客様「オラァ!どないなってんねんや!ケーキみたいにグシャッと転がすぞコルァ!!」
こうなります
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余談なんだけど、受託側の責任で難納期発生や製造上の問題が発生したら、
機会損失も含め損害賠償する契約になってることが結構あって、ブランド元が顔真っ赤で乗り込んでくるんよな。
でも今回は報道で取材されてた受託側責任者が、百貨店に聞いてくれ責任はあっちなんて言う状況。
百貨店が青い顔してすっとぼけてのは、百貨店が何かしらでチョンボしてると見る。
あと一般的な期間商品の冷凍品てのは大体半年前までに試験製造入れて、
俺が知ってる頃でも倉庫料きつい言うてたので今はもっとギリギリ攻めてるかもしれん。
品質保証の規定作成に深く関わったことが無いから想定だけども、
恐らくそれはHACCPで定める清潔区域に出来ない都合であって、
例えば倉庫がトラック搬出の都合で外部と貫通せざるを得ないので汚染区域にするしかないとか。
結局工程扱い出来ないのだから冷庫保管の時間の根拠を示すことはないのだが、
実質工程扱いなので時間と根拠を示したら示したで汚染区域で製造工程とはけしからん。
となるはずなので現場の人間は、冷庫保管はあくまで検査結果待ちとか出荷指示待ちの建前で、
これは誰がやりだしたんか知らんけど、
冷凍品の製造業と冷凍倉庫の関係を無視した汚染作業区域とか清潔区域を設定させて
凍結具合を管理してないしコントロールしてないならそれ工程じゃないよね。
更に清潔区域ではない場所で製品凍結させてるとか駄目でしょ。(超要約)
ワイならそうする。
読んだ感じ分析すると
と言う分析を元に、どちらか一択ならA社に入る方が良いと思う。
何故かと言うと、B社のような会社は、恐らく出世が難しいから。ポストが限られていて、一定以上の偉い人クラスは、だいたい天下りを受け入れる形になりがち。
その人脈と、業界独特の商習慣による参入障壁の高さで事業を成り立たせているところがあると思うので、増田の「飽きっぽい」「勉強は好き」というステータスだと、それほど長期間いる会社では無いように見えるから。というか、そう言う会社は往々にして若い人は一定の年限で転職するのが前提みたいなこともよくあると思う。と言うのは、キャリアの国家公務員がそうだから。半民半官の会社だと、そう言う文化を受け継いでいるケースが多い。
一方で、社員数が少ないので、プライム、元請け的な仕事の動かし方を経験するには良い会社だと思う。故に、最初に入った後、概ね10年ぐらいを目処にA社的なところに移るようなつもりで、キャリアプランを立てるのがベターな気がする。可能ならね。
一方でA社は、ネガティブ要素として上がっている部分もカバーが可能な様に見える。
全体として扱う金額が大きいなら、出世を目指すなり、社内で転属してキャリアを磨けるならこちらでも恐らく金は扱えるはず。
また、「飽きっぽい」「一緒に働く人でかなり生産性が変わる」という自己分析から、ハズレを引いたときのダメコンが難しいタイプだと思うんだけど(ワイもそう)、大きい企業の方が、社内でキャリアチェンジがしやすい。社内で無理なら、A社のようなブランドがある会社名が入ると、履歴書が華やかになって転職時の幅がかなり広がるかもしれない。
あと、この類いだとA社の方が福利厚生は充実しているはず。(B社が相当に特殊な会社でない限り、だけど)賃金が同等レベルだとすると、A社の方が、実質的収入は1割ぐらい多めになるぐらいのインパクトはあるかもしれない。
非モテを客にした商売しといて非モテはそもそも結婚諦めろ、だとか
病人老人を客にした商売しといて老人を生かしておくだけの医療は無駄だ、とか
なんちゃってシステムを商売にしといて顧客と元請けが非効率過ぎると嘆いてみたりだとか
身の程を知れよという話
おまえらはそれで食ってるのよと
自分はシステム開発に携わっているが、お客様やら元請けやらのやり方で効率の悪さを感じることもある
一度修正したものを逆に直すようなことがあると、ヤレヤレと思ったりする
けど自分の会社と自分自身の給料のことを考えたなら、別にそれはネガティブでもなんでもないのだ
お客様は段取り悪く余計な作業を増やし、元請けはその作業を開発として頂き工数をふっかけ、自分はその元請けからの作業を受けて今月も飯が食える、と
そういう仕事は無駄だなと思うことも無いでは無いが、それによって生かされている我が身であることを思うと、まあどんな仕事も大事だよなと
顧客と元請けが要件詰めて開発したシステムは、いまだに利用者が少ないと話題に上がる
根本的にシステムの方向性を再検討したほうがいいんでは、という指摘も無いではないが、それを言える場所に自分の席はなく
それでも数少ない利用者が要望を上げており、それゆえに相変わらず自分は作業担当者として雇用されているのだから、それはそれでと
飲食はリモワ出来ないこと以外は手堅いと思うやで。飲食の経験あるから飲食にはいつでも戻れるって感じなら
もう無資格でもさっきのワードで引っかかるところ数受けて入っちゃった方がいいと思うな
ずっとSIは死ぬって言ってるひとたちがおるんやが消えて無くなりはしないだろうけど
エンジニアの活躍の場は、SIerからユーザー企業へ
――開発者ではなくユーザーになるとしたら、エンジニアの仕事はどうなるのですか?
「全員が食っていける」のは、あと10年くらいじゃないですか。それまでにいわゆるゼネコンシステムがなくなって、SIがいらなくなるはずだから。
現時点ではいまだに日本企業の約7割がレガシーシステムを使っているので、クラウドに移行する作業が残っていますが、それが終わればSIに発注する企業はなくなりますよ。AmazonからAWSを買ってくれば、わざわざ外注しなくても、自社でいくらでも運用できますから。
それにIT業界のゼネコンシステムがいかに無駄な仕組みか、企業側も気付き始めています。最近もメガバンクが立て続けにシステム障害を起こしましたが、銀行が元請けに原因を問い合わせても、下請けや孫請けに丸投げしているから分からないっていうのが大体の回答でしょう。同様の構造が東京オリ・パラやコロナ関連のアプリ開発でも行われていることが報じられた。
それでも今はまだテクノロジーに疎い世代が経営層にいるので、しばらくは外部に発注する流れが続くかもしれませんが、10年後には今の40代が組織の意思決定者になるので、「外注するのは無駄だから、自前でやろう」となります。
――自社サービスに携わるエンジニア以外は、10年後には職場を失うと?
誤解のないように言っておきますが、エンジニアの仕事は、その後もずっとなくなりません。ただ、私が言いたいのは、エンジニアの活躍の場がSIerからユーザー企業へ移るということ。企業がAWSやAzureを使うにしても、それを担う技術者は必要なので、自社でエンジニアを雇うようになるわけです。
ワイは最後のところについて、こう思ってるやで。非IT職でもプライベートでITに触れる世代が決裁権を持つわけでお寿司
いわゆる「中抜きおじさん」系の仕事をしています。謙遜と自虐とネット的なシニカルへの媚びを込めた自己紹介にはなりますが。
「中抜きおじさん」なので自分が直接手を動かして実作業をすることはまずありません。
やるのは他の会社に実作業をふることと、発注元や上司に向けた資料作成ばかりです。
業務が無事完了しても「ここは俺がやったんだよな~~~」と思う部分は全くありません。
なので「あの仕事に関わっていたんですか~~~凄いですね~~~」と言われても全く響きません。
だって自分がしたのは業務発注の交通整理だけで、最終的に自分が手を動かして何かをやったという実感はないのですから。
反対に「あの仕事ってここが駄目だったですよね~~~」と言われると自分の責任を猛烈に感じてしまいます。
もっと早く発注をかけられていれば工期にもう少し余裕があっただろうにとか、この仕事はあっちの会社にやらせた方が効率的だっただろうなとか、そういったことが頭をよぎります。
クオリティコントロールにおいても、自分がビビらずに毅然とした態度で接していれば曖昧にせずに済んだ部分が数多くあったはずだと頭を過ぎることばかりです。
何より辛いのは実際に「まだ終わってないのか」「もっと上手くやれたんじゃないのか」「コミュニケーション不足だろうが」という非難を受けることです。
なまじっか自分の手元にはいくつかの選択肢があったわけですから、その中で他の道を選んでいればというタラレバが頭の中でずっとグルグルしてしまう。
その癖して「今回はよかった」「流石ですね」と言われたときには、「単に今回は予算があっただけだよ」「結局褒められているのはウチの会社のネームバリューや人脈でしょ?」としか感じ取れない。
仕事をすればするほどネガティブな感情が溜まっていくのに、プラスの感情は全く蓄積されない。
足りない分の精神力は日常生活の中で少しずつ回復する分から吸い取られていくので、仕事をすればするほどにただただ衰弱していく。
もう仕事なんて全くやりたくない。
頑張って仕事をするほど仕事を増やされてドンドン心が痛めつけられ、仕事をしなければ結局仕事上の失敗が積み重なって心が押し潰されていく。
辛い。
仕事を通して「俺って今回に限ってはよくやったよな~~」ぐらいのことを感じたい。
この仕事をしていると他人に何を言われても「結局お前は俺が管理している財布の中身にしか興味がないんだろ?」「ハンコを押してくれればあとはどうだっていんだろ?」という気持ちばかり湧いてくる。
持ち上げられようが貶められようが、予算と承認をこっちから引き出すための権謀術数に過ぎないんだろうなと穿った気持ちでしか考えられない。
もう何もかもが嫌だ。
自分の手を動かして出来たものを眺めて自己満足に浸れるような仕事をしてみたかった。
そう思って入ったはずの業界だったのに、気づいたら右から左にものを流すだけの仕事をしている。
何も面白くない。
俺のやっていることは電話交換手と何も変わらない。
それが本当に単純作業で脳を殺して働けばいいだけなら耐えられたかも知れない。
実際には複雑なパズルだったり間違い探しだったりをいくつも繰り返した果てに、やってきた仕事をほぼ丸投げするだけの仕事をしては、存在もしない満点を基準に罵声を浴びている。
そもそも元請けが直に作業者に発注していればよかっただけじゃないかという憤りと、もしもそうなったら自分たちは仕事を失うのだなという焦燥感と、そもそもそれでいいじゃねえかという逆ギレがいつだって入り混じっている。
仕事が辛すぎる。
転職したいが、この仕事を通してなにか能力が身についたとは全く思えないし、そもそももうこの業界でもこの業態でも働きたくない中で、どうやって他所に逃げれば良いのかもロクに思いつかない。
なんだかもう世の中が全部嫌だ。
どの仕事をやっていても、結局自分の性格だと同じように感じるのだろうか。
実際に手を動かして仕事をした所で「元請けが取ってきた仕事を単にやっているだけのロボットでしかない」と感じ、それでいて「俺がもっと細部を煮詰めていればもっと良いものが出来たはずなのに」と悩んでいたのだろうか。
そしてどこまでいっても褒められた時は単にその立場そのものが持つ機能への称賛だとしか思えず、ネガティブな言葉は自分に多くの責任があったと感じて落ち込むのだろうか。
どうすればいいんだ……。
https://www.afpbb.com/articles/-/3251221?cx_amp=all&act=all
裁判所によると、時間と金がかかる法廷闘争が不利益となること恐れた覃受刑者は、魏さんを「抹殺」するために200万元(約3000万円)を払い、殺し屋として奚広安(Xi Guangan)受刑者を雇った。
だが、自分の手を汚したくなかった奚受刑者は、莫天祥(Mo Tianxiang)受刑者に自身の報酬の半分の金額で仕事を請け負わせた。
今度は莫受刑者が、77万元(約1200万円)で楊康生(Yang Kangsheng)受刑者に、簡単に金がもうけられると考えた楊康生受刑者は、70万元(約1100万円)で楊広生(Yang Guangsheng)受刑者へこの仕事を下請けに出した。
そして楊広生受刑者は5人目の殺し屋となる凌顕四(Ling Xiansi)に声を掛け、凌受刑者は元請けの契約金の5%に当たるわずか10万元(約150万円)で仕事をこなすことに同意した。
じゃあ元請けで買えばいいじゃん
上司からは「プロパーのAがいなくなって、これから仕事が楽になるのに何で辞めるのか」と聞かれた。
それはA以外にもヤバい奴が多すぎて、もうこの会社そのものに嫌悪感しかなかったからだ。
ヤバいのはA一人ではなく、上司や同僚も同じようなノリで仕事をしているらしい。
「課題解決のためなら残業も徹夜も当然」な脳筋理論が蔓延しているとのこと。
Aが現場に無茶な量の仕事を投げ込むのも「下請けに何件仕事をさせたか」「下請けに何件指摘したか」が評価基準になっているためらしい。
うちに詳細仕様を展開する上流工程の部署もそんな有様だったので、こちらは大変苦労させられた。
内容を理解せずに仕様書を更新しているらしく、展開メールには更新内容を絶対に書かないので
メールが届き次第、送信者の席に直接向かい、更新内容を口頭で確認する必要があった。
変えたはずの箇所が変わってない、変えてない箇所まで変わっている、といったことは日常茶飯事だった。
これらの仕様書の誤りによる作業遅延は、うちの部署が残業や徹夜でカバーする羽目になった。
この部署に「仕様書の更新方法や、メール展開の仕方まで人によってバラバラなので統一してくれ」と何度もクレームを入れたが
半年もしないうちにほとんどのメンバーが入れ替わり、クレームも引き継がれず無かったことになり
それを取り仕切る部長の言動が、社会生活を送れているのか怪しいレベルでヤバかった。
その部長は、下請けから機材を借りたいと依頼があると、おもむろにフロアを徘徊しだし
他の下請けが借用中の機材を、相談もなしに持ち去ろうとするのである。
ある時などは、私が使用中の機材を突然持ち去ろうとして
増田「これはうちの会社で借用しています!勝手に持っていかれると困りますよ!」
部長「いつも使ってるわけじゃないでしょ?」
増田「毎日使ってますよ!これがないと仕事止まっちゃいますから!」
部長「ふーん…そっかぁ」
もし席を外していたら、確実に強奪されていただろう。
一部の下請けは、数が限られた機材を他社からぶんどるために、この部長を利用していた。
ある朝出社すると、借用機材が机ごと無断で移動させられており
部長に確認したところ、他社との共用機材にさせされていたこともあった。
クレームを入れたが「もう決めたから」と相手にされなかったため
常に借用機材の席に自社社員が常駐している状態にし、分捕ろうとした会社に使わせないことで対抗した。
慌ててサーバ管理者らしき人を探し、バックアップから復元できないか相談したが
「今はサーバ自体の管理者はいない。以前は下請けが管理者だったが、退場した」
との恐ろしい回答が返ってきた。いままでの業務成果物は、全部そのサーバに入っているのだが…
Aに事の次第を説明したところ、資料の作り直しと再レビュー、および再発防止策を要求された。
再発防止策は「成果物はすべてバージョン管理ツールにpushして格納する」となったが
ビルドしたソフトなど、容量が大きすぎるものは既存のサーバに格納することになった。
部署内でしか使わない、レビューが終われば誰も見向きもしないレビュー資料を大事に管理し
他部署や顧客に渡す機会の多い重要なソフトはそのまま、という不条理極まりない対策だったが
Aは満足していたようだった。
なお、私の退場後、そのバージョン管理ツールのバージョンアップが失敗し
格納されていたソースコードやレビュー資料は全部消えてしまったと聞いた。
復旧に一か月かかったらしい。
「いやぁ~電車内での白い目、ヤバかったすわぁ~」と言いながら出社し、1日中大声で咳をするプロパーがいた。
自席で大人しくしているならまだしも、咳をしながらフロア中を歩き回って挨拶回りをしていた。
当人も異常だが、ほかのプロパーも誰も気にしていないのも恐ろしかった。
おわり
自動車メーカーのプロパーAが異動になり、今の現場を離れることになったという。
聞いた話では、今回10名が退場した件で、自動車メーカーと元請け間で話し合いが持たれ
「Aを現場から外さないならば、うちは全員撤退する」と元請けが啖呵を切ったらしい。
怠慢な元請けがここまで動くということは、自動車メーカーか下請けと訴訟沙汰になりかけていたのではないかと予想している、
部下が全滅した後に撤退命令を出し、指揮能力を誇っている間抜けにしか見えなかった。
今まで一緒に仕事を回してきた同僚も、睡眠障害で起きれなくなり退場。
Aから戦力外通告を受けていたメンバーも、ようやく次の職場が決まった。
残ったのは私一人と、Aが残した数百件の改善指摘だけだった。
Aが私に丸投げしていた、他部署からの問い合わせ対応も無くなった。
「そちらがリリースしたコードをいじってビルドしたら動かなくなったんだけど、デバッグしてくれない?」
「君らのリリースしたソフト、容量が大きすぎてローカルにダウンロードできないんだけどどうにかならないの?」
のような、これが世界規模の自動車メーカーの開発現場か?というレベルの質問に数時間付きっきりで対応する必要があったからだ。
いずれ元請けがねじ込んでくるであろう、補充要員の世話をまた0から始めるのもウンザリだった。
上司は難色を示していたが、ここ最近の残業の件で労基に相談に行くと言ったら
「数百件の改善指摘を全部片づけるなら」という条件でOKが出た。
退場したメンバーの残した指摘は、知識が浅い状態でレビューを受け、指摘の意味も分からぬまま記載されたものが多かった。
不快なことに、それらを解読できるのはAからの理不尽な指摘を長年さばいてきた自分だけだった。
その手の資料は、作業ミスの発生時に再発防止策として追加されたものであったし
教育環境のない職場なので、レビュー用資料を作ることで内容を学んでいく側面もあった。
プロセスの削減や自動化の結果、また「手順書通りにやっただけで中身は知りません」な人材が増えるのも容易に想像できた。
すべてが不毛で不快な職場だったが、後を濁さず退場できたことは、唯一達成感を感じることができた。
余談に続く