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はてなキーワード: 背水の陣とは

2019-04-27

俺のヒプノシスマイクは死んだ

ヒプノシスマイクにとても夢を見ていた 女尊男卑面白いラップミュージック面白い音楽言葉で左右される世界、なんて面白いんだろう!ジェンダー論に興味があるしラップミュージックが好きだ 二次元女性向けとされたジャンルでどう展開されてゆくのか、楽しみで仕方なかった

しばらく経って まず、コミカライズ女尊男卑設定がガバガバの浅慮なものだと知った 幻滅した ラップミュージック代替わりしただけの「兵器」だと知った 心底、幻滅した なにもワクワクしなかった 絶望さえした シナリオライターは、きっとジェンダー論に興味も無ければ、ラップミュージックも好きではないと思った

ならば、ならば愛した男たちの、そのコンテクストバックグラウンドはどうだろう?最も焦がれた男は、母親父親を殺して自殺したという悲惨環境にも関わらず、よく笑い、妹の誕生日にはフルコース手料理し、珈琲の淹れ方に拘り、タワーマンションで暮らす男だった

心底、幻滅した 殺してやりたいとさえ思った

プロジェクト始動時に公開された、あの殺意に満ちた声色はどうした?もう背水の陣だと言わんばかりの、鬼気迫る台詞回しはどうした?おい、その目の前の男は、心底執着して、憎んで、殺してやりたいほど、何も、微塵も、譲れない、宿敵なんじゃないのか?どうして、そんな他愛ない言い争いをしている?

じゃあ、もういい わかった 賢い消費者なので、手にする商品を選ぶことができる 大丈夫 見たくないものは見ないし、要らないものは手に取らない それでいい 楽曲は、歌は、言葉だけは正しいだろ それだけがわたしの中のほんとうであって、正義大丈夫 そうして、4/24を待った

終わった そう思った 俺のヒプノシスマイクは終わった、死んだ!

正直TDD楽曲の時から引っかかりは感じていた 作曲者アニソン畑の人間なこと、伝説グループ代表曲だというには、少しばかりポップなチューンだということ いや、それもただ、ささいなこと、ささいなことだった 目を瞑れた Hoodstarのサビが急にブロードウェイになるのも構わなかった 目を瞑れた

TLでstellaの感想を読んだ!心底、心待ちにした トレーラーすら聞かなかった 全ての楽曲の中で、最もPCCSが好きだ、愛している!世界もっと面白いはずだと、そう親愛なる共犯者が言ったので!だったら彼らの作る曲は、歌は、紡ぐ言葉は、いつだって奮い立たせると 本気でそう思った

絶望した これが絶望というものだとわかった

まず語りから入るのがダメだった ポエトリーラップですらない、ただのキャラクターとしてのセリフ ダメだった だってそれはラップミュージックというか、アートというか、キャラクターソングであって、それは、音楽というか、キャラクターセリフではないか

うその時点で興味は八割失せていた 彼らのなにを聞いてもダメだった 心が、受け付けなかった もうこれは、ダメものだと そう思ってしまった

それでもTLの親愛なる彼らは楽曲を絶賛した Stellaは最高!やっぱり楽曲は信じられる!アルバム、ハズレ曲なんて一つもない! 目を疑った 嘘だろ、わたしにとっては、どれも当たってない

ああ、終わった もう本当に、「呼ばれていない」 そう思った

以前から度々友人と話していたことには、わたしらは「呼ばれていない」のだと 客層ではない ヒプノシスマイクビジネスだ 彼らの求める顧客層というのは、掛け軸を五万で買う人間であり、バトルとなれば何十万と金を掛けて票を投じる人間であるのだ

そもそも論アーティストとして彼らを見ている姿勢こそが、楽曲アート性を求めることそのものが、わたしが、ダメなのだ、呼ばれていないのだ、わたしは、ヒプノシスマイクの客に、なれなかった

悲しい 悲しいなあ だってよかったじゃん、楽曲 なんだよ 今更そんな、そんなことする?なんで、なんでキャラクターにするんだ なんで だってチグリジアだって、PCCSだってBBBだって、デスリスペクトだって、よかったじゃあないか、なんで、なんでだよ、あんな良い曲だったのに、なんで、なんでだ、

でも、あのね、これは「女性向け二次元コンテンツ」なんだよ、アーティスト視することそのものが間違いなんだよ、わかるだろ、キャラクターソングじゃないか!と憤ることが、嘆くことが、それこそがそもそも間違いなんだよ、わかるだろ、顔と声の付属品なんだよ、曲は なあそうだろ?

なんかもう、脱力だよ もう何もいいや あーあ

2019-03-03

anond:20190302235720

1ヶ月だろう?

意外と向こうも背水の陣かもよ

「今さらどうした」っていう態度でイニシアティブを握ろう

2019-02-03

平和ボケして戦争が遠い世界のことだと錯覚する日本人が増えた

コンビニにたむろするヤンキーがいなくなったせいだな

戦争ミサイル鉄砲がないと出来ない起こらないと勘違いする子供が増えた

相手の退路を完全に封じると徹底抗戦される背水の陣を知らんのかね

追いつめるなよ

2019-01-23

ミリシタでASの出番が少ないという意見は、なんか違うと思う。

TH@TER CHALLENGE

先日、アイドルマスター ミリオンライブ シアターデイズ(ミリシタ)内で投票企画が行われました。

予め用意された役柄を、どのキャラクターに演じてほしいか投票する企画です。

この企画自体は3回目で、グリーミリオンライブ存在していたこから年に一回のペースで開催されています

今回の企画通称TCでは、前2回から投票対象キャラクターが拡大されました。

765ASと呼ばれる、アイドルマスターシリーズ最初からキャラクター13名が、満を持して投票企画に参加できることになったのです。

(最初期なら真美含めても10名ですが、そういう細かいこと言わない)

この企画が初めて開催されたときASの不参加を残念がる人間は多かったのですが、同時に仕方ないかという空気もありました。

グリマスユーザー間では、長くサービスを続けてくる中で、グリーからの追加キャラクターたち(シアター組。最近ではMSとも)の人気はASに勝るとも劣らないまで育ってきていたと思います

が、投票企画ともなれば、普段グリマスを遊んでいない人たちも参加してくるのは予想され、その人たちは昔からキャラクターであるAS応援したくなるでしょう。

グリマスアクティブと、アイマス全体の潜在的人口を考えれば、ASがほぼ全ての役を埋めてしまい、投票企画が成り立たないこともあり得ました。

たらればの話に過ぎませんが、そんなに的外れでもないと思います

シアター組の躍進

時が経ち、ミリシタの健闘によって、シアター組の知名度は以前と比べてグッと上がりました。

今ならASも含めた765プロ52名でいい勝負ができる、と運営も踏んだのだと思います

勝負は白熱しましたし、企画も盛り上がりました。

蓋を開けてみれば、ASは5名、シアター組は10当選と、悪くない結果だったと思います

(当選テーマが偏ったことについては、今回は関係ないので割愛します)

人数比で見るならAS当選率が高いとも言えますが、この企画の特徴として、過去当選経験のあるキャラクターは勝ち上がりにくい空気があります

投票システム自体には、当選経験の有無による有利不利はありません。

単純に、人情的にまだ当選したことのない子を応援したいという人が少なくないようです。

実際、今回の当選者のうち、過去の未当選者は15役中12名でした。

当選者の残り人数を考えると(AS8名、シアター組4名)、今回の結果は悪くないと思います

主題

さて、そうして盛況に終わったように見えるTCですが、勝者と敗者が出る以上、不満の声はやはり出ます

不満の中に、こんな声があって、それに色々思うところがあったのでこのブログを書くに至ったのですが。

「シアター組の子たちは、待ってても出番がある。ASはないから、何としてでも役を取りたかったのに」

意図はわかるんですよ。

ミリシタにおいて、ASプレイアブルキャラクターでありながらも、前作からゲストキャラみたいな立ち位置になってしまうことが、ままあります

具体的にはメインコミュ(月2回更新)でのソロ曲実装がシアター組優先であるため、現在ASソロ曲ミリシタに実装されていないこと。

また、ミリシタのイベントに連動でリリースされている新曲シリーズMTGに、恐らくASは全体曲のUNION!以外参加しないであろうこと。

まりASは(ミリシタ代表曲BNTとUNION!を除いて)ミリシタから新曲がない。少なくとも現時点でこれは事実です。

同じプレイアブルキャラクターなのに、ASはシアター組より出番や新曲を与えられてない。

ミリシタ以外の展開も、今のところ今後の予定が見えない。

から投票企画で勝ち取るしかないんだ!AS背水の陣なんだ!

と、そういうことですね。理解はできていると思います

この発言の中の、役を取りたいってところは別にいいんです。当たり前の感情です。

私が引っかかるのは、『シアター組には待っていても出番がある』『ASには先がない』の部分でした。

ASミリシタで冷遇されている?

先に書いた通り確かに平等ではないです。

では、それ以外の面では?

実装される既存曲にはASが入っている曲も沢山あるし、コミュにもCDドラマパートにも出演しています

SSRは全員2つずつ回ってきていて、CS衣装ライバルキャラクター実装されています

ローディング画面のイラスト四コマ誕生日などの細かい要素も平等更新されます

過去コロンビア曲も折に触れ期間限定無料配信、期間を過ぎても有償で買えます

そもそもミリシタ以外の展開が見えない!絶望!とか言ってるのが贅沢な話かなーって。

グリマス以外の展開が見えない!絶望!と口に出すのも憚られる空気、何年続いたかなあ……。

ステラから1年程度で絶望されても……。

もう、何度公式アンケートに、シアター組もCS展開に合流させてほしいと書いたか忘れましたけどね、私はOFAくらいから毎回期待してましたよ。

いつ50人(今は52人)の765プログリマスの外に解放してくれるのだろうかと。

DLC参加させてくれたOFAには感謝していますが、ゆーてもあれ無言のライバルキャラとしてですからね。

結局、PSステラはシアター組の存在なんてない世界観でしたし。

ASだって簡単に今の位置に来たわけじゃない、それは知ってる

こういうこと書くと、AS自分たちで土台を築き上げてきたんだから、シアター組もそうしろって言う人もいます

私は、箱無印からアイモバ以外のアイマス全部遊んで、ライブこそASだけの頃は行かなかったけど、アニメCDも追っかけてきました。漫画面白いと思ったやつは買いました。

ASは嫌いどころかむしろ大好きだし、その軌跡もほぼ把握していると思います

から言いますね。

ASが6年目になるまで、何作ゲームが出て、何作漫画があって、何作アニメがありましたか

(まあ、ゼノグラシアカウントしなくてもいいけど……)

パイオニアたるASの苦労と、後続作だからこそのシアター組の苦労、そういう違いはあります

デレマスのようなキラータイトルが後輩が先輩か、これも大きな差だと思っています

脱線ちゃうので詳しくは書きませんが、グリー時代ミリオンライブ、あれ流行るわけないでしょう。時代遅れの上に、すぐ先をヒット作のデレマスが突っ走ってるのに。

(ちなみにデレマスもモバスアニメ、全部触っています)

映画は、ASだけ聖域化して、シアター組はゲストかいう便利な枠で、キャラ改変に汚れ役モブ役させられたアレはどちらにとってもマイナス要素のが強かったと思っていますけど、一応ミリオンもアニメ出演したとカウントしてもいいかな。

映画ゲスト出演くらいで並び立てる作品数の差ではないと思いますし。

でも、両方知ってるからこそ思います

ミリシタができるまでの4年間、ミリオンライブがコツコツ積み上げてきた50人の765プロという世界

ASと対等に並び立てるまで、少しずつ頑張ってきたシアター組の存在を、私は見てきました。

その過程で、『待っていても出番があるAS』『先が見えないシアター組』を見てきました。

苦しい時代ちゃんと乗り越えて、ようやく与えられたのがミリシタなんですよ。

そのミリシタで、シアター組が優先されて何が悪いんですか?

不快なっちゃった人ごめんね

ここまで喧嘩腰で書いてしまいましたが、グリマスミリシタをプレイしている普通ASPに対して書いてるつもりはありません。

あくまで、被害者意識丸出しで、ASだけ出番なくて可哀想!つらい!みたいなこと言ってる人を見てモヤモヤしただけですので。

こんなしょうもない長文に最後までお付き合いいただきありがとうございました。

2018-08-31

好きな女に振り向いてもらうためにアプローチしていかないとダメなんだろうけど

からしたら気にも留めない・好きでも無い相手からアプローチはうざいだけだって分かってるんだけど

でもイケメンでもない俺がなんとかするにはこちから動くしかないわけで

恋愛下手な俺からすると確実に嫌われるなっていう背水の陣を攻めていかないと勝ち目はなくて

もうどうしていいのか分からないよ

2018-08-27

BBA運転ってどうしていつも背水の陣なの?

「退いたら負け!」とでも思ってるのかな

2018-08-17

この世界に逃げ場などない

インターネットは敗者の逃げ場などではなかった。

ここもまた、現実だったのだ。

現実成功してるやつはインターネットでも成功する。だってインターネット現実から

そしてネットが安住の地だと思っていた敗者たちに現実が襲いかかる!

現実成功者たちがネット民をクズだなんだと罵る。

もはや逃げ場などない。

もはや背水の陣である

負ければ死である

死だけが安住の地なのである

2018-08-09

台風の日の洗濯総力戦

持ってる物資(ハンガーピンチ)出しきる背水の陣みがあって

乗り越えると指揮官前線としての達成感が得られる

2018-08-03

anond:20180803162527

君の周りの男女はそうだったかもしれないが、俺は君とは違う考えだよ。

状況が悪化して真っ先に逃げ出す男もいるし、責任感って本当に男の方が強いのか?そんなことないぞ…?

だってだって、金があって仕事が嫌いになったなら、いつだって退職するよ。

「女は結婚すれば離脱するのが普通である今の社会構造を変えないといかんよ。 

離脱したくないのに、せざるを得ない女性も多いだろうし、特に医者なんて勉強研修も大変よ~。

言い方悪いけど、腰掛の事務職がとかとは違うのよ。女医になって、育児で辞めないといけないなんて悔しいだろうね。

だって子供できて育児で手一杯だから、もう医師辞めろと言われたら悔しいよ。

裁判の事も、男女関係なくないか…?

男は逃げ場がなくて背水の陣から信用できるってのもよくわからん

anond:20180803162200

状況が悪化すると女は自己利益を優先して逃げる可能性が高い 

男は医師立場を失うとただのオッサン進化する人が多いから逃げず責任をもって仕事する(可能性が高い)

医師女は十分に金があるからいつ退職でもいいし結婚すれば堂々と離脱できるし気に食わないことがあれば裁判だって気軽だ 

男は逃げ場がなくて背水の陣から信用できる

2018-06-04

通信制高校に行くなら高認試験の方が良い話

まあ全日高校から通信制高校に行く人も居るかと思います

その後、専門大学に進学を考えている場合高認試験の方が100倍良いと言う話をしようと思います

通信制高校レポートスクーリングテストがありますが、テストは事前に回答が配られ、スクーリングスマホで遊んでるなど正直言って適当です

そんな所に年間50万円以上のお金を使って行く必要はありません。通信制高校に行くくらいなら高認試験から進学した方が100倍安いです

費用通信制高校卒業までに150万円以上掛かりますが、高認試験ならなんと8500円。 150倍お得やぞ

要するにな。通信制高校お金が掛かり過ぎなんや高認文部科学省実施しとる試験から安心やし

通信制高校に掛かる費用を他に回すことも出来る。更にスクーリングレポートをやる必要もない

高認はもよりの市役所教育から受験必要書類を貰って応募してテストを受けるだけ

テストは年2回あって普通は一発合格出来るから安心せーや。シマリス高認対策本買ってやれば余裕で合格出来たわ

進学せん奴は通信でもええやけど工業高校じゃあるまいしロクな所に就職出来んから進学した方が良いぞ

専門大学で途中で中退したら中卒というリスクもあるんやが、通信行って中退するリスクもある訳

高い通信行って更に専門大学中退するのに比べたらマシや。それに高認なら背水の陣で専門大学に通えるからお勧めやぞ

結論通信高校から高知大学に行くのがええで🙋

2017-12-23

anond:20171222221541

集中は近いけど微妙ニュアンス違うなー

なんていうか、退路を作らないというか背水の陣というかそんなところ

俺が求めている真剣さは

2017-12-01

日本電車マジでヤバイ

なんとしてもこの時間に乗る!という日本人当事者意識が密集してる。

こんなにギュウギュウでも平然と乗ってやがる。

 

なんで一本待たないの?って明確だよ

「いまを逃したら次はない」背水の陣精神日常生活に染み込んでるんだよ。

まいったな、サムライスピリッツを見つけちまったよ。

コレが日本人か。

あいつらは常にいまを生きている。

2017-09-22

anond:20170922212904

人と会話しないで済む金を稼ぐスキルを伸ばしまくるチャンスだな。背水の陣

ふと思ったんだけど、例えば自分自分動画撮るときはうまく喋れるんだろうか

それが出来るなら人と会話できないyoutuberとして人の同情を引いて映画化まで持っていけるんじゃね?

2017-09-05

どこぞで見かけた恒例の「男女のスレ違いネタ

「楽をしてもらおうと『冷蔵庫にあるもの適当に〜』と言った」とかって「夫」のセリフの聞きかじり感が、中学生の書いた小説生活描写みたいだなと思った。

この「夫」は「スパイスから調合した本格インドカレー」と「普通にカレールーで作ったカレー」で作業量が劇的に違うと漠然と思い込んでるレベルなんだろうなあ。

「楽」をしたきゃ、トースト目玉焼きで済ませるとか外に食いにいくとかまで行かないとだめだよw

 

俺も世界の狭さでは偉そうなことは言えないけど、今はこういう無知ゆえの軽率マウンティング軽率世界拡散して、あっという間にクソどうでも良いことに背水の陣を引いちゃうことになる奴ばっかだから剣呑だ。

ほんと、今の時代こそ「僕が馬鹿でした。無知過ぎてアホなこと言いました」ってあっさり謝れる訓練をしなきゃだめだよ。

2017-08-12

リア充になれなかった俺がせめてネト充になろうとして失敗した話

先程はてなIDを取得した足で投稿する。ここについては匿名チラ裏できる場所という程度の認識しかない。

あわよくばニコニコニュースで取り上げられたり、有名な「保育園落ちた日本死ね!!!」みたいな壮大な反応を貰えるかもしれないという希望のみでこれを書く事に決めた。

俺の唯一の情報発信源、Twitterではフォロワー数293。社会問題等に対策を発案したりと、どれだけ社会に一石を投じた気になっても誰もリツイートなんかしちゃくれない。

俺の悩みは実は結構サイレント・マイジョリティではないかと思う。現代若者代弁者のつもりで一筆書かせていただく事にする。

俺は漫画家志望歴13年目を迎える20代中盤の非正規雇用者だ。今の職場ホワイトだが持病のせいで来年も居れる保証は無い。

確かなのはどんな職に就こうがクリエイターへの憧れを捨てきれないだろうな、という確信のみである

だが実の所、そんなに創作活動をしている訳でもない。産みの苦しみというのはイライラするし、むしろ創作は嫌いなのかもしれない。

いつも作品の断片的なもの妄想しては創作した気分に浸って床に就いている毎日だ。最早俺は、老後のように生きる目的を失っている。

大学に入った。漫画に専念するためにあえて地方バカ私大を選んだ。そして漫研の部室に籠りっきりの青春を送った。

当時から薄々感付いてはいたが、それに気付きたくはなかった。数こなせばどうにかなると信じていた。要するに、俺は要領が悪過ぎたんだ。

どんなに描いても上達しない。不器用過ぎて何を描くにも時間がかかり過ぎる。結果、かけた時間の割に何の成果も出なかった。

どれくらい下手かというと、昼間は彼女を小脇に麻雀三昧、夜は彼女とよろしくやってるような半端な志の後輩にも劣る程だった。

何度か持ち込みの経験もさせてもらったが、結局俺は在学中に漫画家デビューする事はできなかった。

1年のフリーター期間を経て、俺は体よく上京するために今の職に就いた。詳細は省くが、サーバー室でPCをカタカタやってる仕事である

これが見事に向いてなかった。業務煩雑だしどれもこれも似通っていて覚えきれない。メモを取る余裕も無い。一度は教えてくれた先輩も今や辟易している。

自律神経をやられて奇行が出始め寮の先輩にもどやされる毎日。慰めてくれる彼女もいない。自分存在価値を疑うようになる。自殺一歩手前の精神状態だった。

そんな折に思い出した。そうだ俺は漫画家を目指していたんだ。漫画家にはなれなかったけど、これまで伊達に頑張って来た訳じゃない。

たとえリアル悲惨でも、ネット上ならばこの力でひと花咲かせられないだろうか。これが俺の唯一の生きる希望になった。

当時から俺の情報発信手段フォロワー250そこそこのTwitterのみである目標としてはこの10倍は欲しい。

最初仕事愚痴ばかりだった。とにかく同情して欲しかった。だけど誰も相手にしてくれなくて腹が立った。その怒りをツイートに込めても一向に反応は来なかった。

一方で職場環境が一変する。勘違い上司による一喝で俺は精神的にノックダウン、しかホワイトな社風に救われ、雑用係的なポジションに転属となった。

考えようによっては余計に存在価値を疑う業務だが、とりあえず創作活動を行うだけの精神的余裕を確保した俺はTwitter作品投稿を始めた。

確認させてほしい。画業10年以上の中の人によるTwitterアカウントであるフォロワー数、ふぁぼ、RT期待値は如何程であろうか。

勿論俺はそれ程の期待をしていたし信じていた。リアル悲惨反動ネット上で大ブレイクを巻き起こす。そんな一発逆転ストーリーを世のダメンズたちに届けたかった。

結果は2である。これは俺が投稿した絵に対するRTやふぁぼの中央値である。もう一度確認させてもらうが、画業10年以上のアカウントである

働かない言い訳クリエイターを目指してるニートアカウントではない。これほどに無情な事があってたまるものであろうか。

俺は偏屈オタクなのでひとつマイナーな界隈に居続けているが、それでも絵師と呼ばれる連中はフォロワー数に関係なく100ふぁぼくらい余裕で集めていた。

まり期待値100ある界隈で、たったの2しか得られないのである。俺の10年間は何だったのか。職場での臥薪嘗胆の日々は何だったのか。

憤慨していると、TLにまるで俺を煽るかのように、神絵師様の作品が3桁の成果を引っ提げてRTされてくる。何様のつもりなんだ。

俺はお前と違って趣味で楽しくお絵かきしてきた訳じゃないんだ。背水の陣を敷いて死ぬ思いで描いて来たんだ。正当な評価を寄越せ!

どいつもこいつも成果成果というがこちとら出せる力の全てを出している。これ以上どうしろと言うのだ。改善点があるならば受け手問題だろう。

青春の全てを捧げて、親に凄まじい出費をさせて生きてきてこの成果である。世の中何のために生きているのかわからない糞野郎がのうのうと暮らす中、

大志を抱いて身も心も削って来た俺にはこの仕打ちなのか。いや、怒りをぶつけるべきはこの十数年間全く成長できない自分なのか。

でも知った事じゃあない。俺はベストを尽くしたんだ。その片鱗を見出せない衆愚を恨むべきか。

もう全部が狂っている。俺は経歴相応の実力を発揮すべきだし、絵師はその席を譲るべきだし、ロム専は作品本質を見抜く目を養うべきだ。

それが社会活躍できない俺みたいなのに対するせめてもの対価だと考える。クリエイター職は一般社会適応できなかった連中の一発逆転の最後の砦であり、

才能溢れる天才技術をひけらかす場であるべきではない。そういう奴はそもそもまれ持っての器量があるんだから絵なんか描いてないでネクタイ絞めてろ。

去年、俺はADHDの診断を受けた。社会人としての才能が無い証明と、芸術家としての可能性を秘めている証明である

こんな人間ワーカホリック用の仕事押し付けたって無駄である。いいから絵の仕事を寄越せ。それが世の中に一番貢献できるんだ。

俺はこれでしか世のために尽くせないんだから絵師は黙って身を引いてビジネスマンとして1千万でも2千万でも稼げばいいさ。

なんて長々とかいたが結論。『いいね寄越せ』それがこのネット社会における第一の願望だ。

ひい爺さんみたいに戦争で死にたくはないし爺や親父のように会社に出て家族を守るだけのアリみたいな一生を送りたくもない。

目立ちてえんだ。あわよくば法外な金が欲しい。だからその訳のわからねえ絵師様にいいねする暇があるくらいなら、俺にも寄越せ。それが全てだ。

※※追記※※

コメントくれた方、ありがとう2chボコボコにされた事とTwitter無視を決め込まれた事しかいから、もっと死ね死ね言われるものだと思っていた。

そうであっても反応を貰えるという事自体が破格の待遇であった中、建設的なアドバイスや率直な感想をいただいけて幸せ者です。

ニュースサイトに紹介される程の記事でもないだろうけど、積りに積もってた鬱憤を吐き出せてこれはこれで満足した。

まあ、今後も似たような投稿をするだろうけど、これはもう十数年間積りに積もった事なのでいただいたアドバイスをすぐにフィードバックさせるのは難しいかもしれない。

こんな奴もいるんだなというファンタジーをみるつもりで見守っていただければ幸いに思う。

2017-07-19

EVO 2017の個人的面白かった試合備忘録

The King of Fighters XIV

半裸の巨漢柔道男児である大門が躍動するKOF XIVのグランドファイナル台湾E.T.選手が安いコンボ(総合火力が低い)を連発するので、日本語解説の二人がひたすら突っ込みを入れる実況が見所。コンボを覚えたら世界最強ですよ、とまで言われたE.T.選手がけっきょく優勝して綺麗にオチがつく。

ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3

パイプ市長ハガー(ファイナルファイト)が大好きなPARADIGMさんの試合面白すぎた。

解説ハガーを中心としたチームです。バランスもクソもないですね」

解説「この人ハガー使いたいだけですから

ベスト8に入るだけあって、操作うまいのだけど、とにかく半裸のガチムチおっさんが鉄パイプを振り回してフライングボディプレス、すべてを解決するダブルラリアット、怒りの腹パン披露しながら並み居る壊れキャラボコボコにしていくところが痛快きわまりない。

あと空をくるくる舞うRYANLYの春麗も、ストリートファイターシリーズとのギャップがでかすぎて笑うしかなかった。

MVCカジュアル永久パターンとか、壊れすぎキャラとか、棚ぼたのハッピーバースデーがあるからゲームプレイしたことがなくても見ていて楽しい

BLAZBLUE CENTRALFICTION

りゅうせい選手カルルのハメ殺しに対するふぇんりっち選手ジンの脅威のガードぢからものすごかった。グランドファイナルリベンジ成功からの、2ゲーム取られて背水の陣からの怒涛の追い上げでフルセットもつれ込む展開が熱すぎた。

ただ、ピリピリした試合というには、お互いにこやかにEVO壇上で声を掛け合っていて、あまり頂上決戦という感じはなかった。今日4Gamerインタビューを読んで、リアルピンポン状態だったんだと驚いた。

りゅうせい選手

 そういうわけじゃないんですけど,ふぇんりっち選手との試合だけは別で,戦っていてめちゃくちゃ楽しかったですね。大会はいつも優勝と準優勝を交互に取り合っているようなライバルで,彼とは大会の前にもホテルの部屋で対戦していたんですが,そのノリをEVOの壇上にも持っていけました。2人で楽しみながら対戦しているような気分だったんですよ。

 ただ勝ちにいくという戦いじゃなくて,「プレイの内容がいいほうが勝ちにしようよ」みたいな感じで。もちろん,お互いに真剣だったんですけど,楽しんでプレイできました。

「EVO2017]決勝は2人で楽しみながら対戦できた――「BLAZBLUE CENTRALFICTION」部門優勝者,りゅうせい選手インタビュー」(http://www.4gamer.net/games/378/G037875/20170719048)

2016-12-29

職能自己肯定感

このエントリ転職おじさんに捧げる。

職能自己肯定感、この二つは密接な関係を持っていないだろうか?

例えば、仕事が出来なくて自信を持てない、というのはよく聞く話である

もし、どんな職業もそれをこなすための職能を手に入れるのが簡単であればいい。しかし、向き不向きが割としっかり現れる職業も多い。

早いうち、例えば20代とかに自分に合った職業、少なくともその仕事をこなすための職能普通に身につく職業に就けたら、それは幸いである。

だが、それが見つからないまま30代も半ばになってしまったらどうだろう?

30代も半ばになると、ある程度職歴が積み上がる。その積み上がった職歴を見て職能判断される。ある程度経験を積んでいる職業ならば、それなりの職能を身につけていると期待されるのである

から自分が苦手な仕事に就いたまま、職能が身に付かず、職歴だけを重ねていってしまった場合地獄が訪れるのだ。

この状況に陥ると、自己肯定感はどんどん低くなっていく。それは言うまでもなく、幸せ寄与しない。

人生3分の1は寝ているのだから睡眠重要だ、という言葉があるが、大雑把に言えば人生3分の1は仕事をしている。つまり仕事もまた重要であり、そこでの職能次第で自己肯定感が左右されるのは当然のことである

仕事で失われた自己肯定感を取り戻すには、様々な方法がある。しかし、不向きな仕事自己肯定感を削りに来るのだ。栓をし忘れた湯船にどれだけお湯を注いでも無駄なように、仕事自己肯定感を削り続ける限り安定した自己肯定感を得ることはできない。

では、湯船に栓をするにはどうしたらいいのか?

若い頃はまだ『逃げる』という選択肢有効である若さは新たな仕事への挑戦を許す切符からだ。

だがその切符をなくしてしまったら、不向きであっても死ぬ気で職能を上げる以外の道が残されていないのだ。それがどんなに辛かろうとも。

もしくは、歳を食ってからの挑戦を許してくれる機会に巡り合うまで死ぬ気で逃げ続けるかだ。

どちらにせよ、背水の陣である

そこまで追い込まれた人に、たやすく頑張れとは言えない。

けれども、死なないでくれ。仕事自己肯定感関係するのは事実だが、仕事自己アイデンティティ最後の砦にはしないでくれ。それだけは、仕事以外のところから見つけてくれ。

仕事が出来なくても、生きてていいんだ。

そして生きていることは、時が流れることを保証する。時間が流れることも絶望かもしれないけれど、でも時間はきっとそんな気持ちすら押し流してくれるから

2016-10-02

人生八方ふさがり

朝。

目が覚めても、そしてかろうじて朝食コーンフレークを食べても、

1日をワクワク迎える気持ちがやってこない。

数日前。ためしてガッテンで、言っていた。

脳は一日に約18万の項目を考えているんだって

そのほとんどは、過去の後悔と未来への不安なんだって

今日休日、無理して職場に行かなくてもよい休日

なのに今日1日を過ごすことに怯えていて、怯えている自分をつくってきた今までの人生を後悔して、それに耐えるだけで4時間が過ぎた。

ためしてガッテンの言うとおりだ。

自分運動音痴だ。

学生ときは、比較的お勉強はできていた方だと思う。

けどそれは「お勉強」についてであって、頭はすこぶる悪い。

運動音痴は、トロい。

人生がまったく自分の望む方向に進んでいないと感じた20代前半、

自分を見つめなおして新しい方向へ歩みはじめた。

新しい方向への歩みは、順調であると感じていたし、

進んでいた数年間は自己肯定感を持てていた。

なのに、望んだ仕事に就いたはずの自分は、

想像していた自分にはまったくなっていない。

仕事に楽しく取り組んで・・・

ワーカーホリック気味にのめりこんで・・・

自分を高めていける・・・

と思ってた。

現実はどうだ。

失敗ばかりで、職場でうまくコミュニケーションもとれず。

任されたことがうまくできなくて、乗り越えられない。

乗り越えられないから、無力感が高まって、無気力になっていく。

新人なんだから、周りを頼ればいいだろうと2年前の私は言うだろう。

いま、人を頼れない。頼れるようになったはずだったのに・・・

職場環境にも原因はあるだろう。

から自分環境を変えるよりも、自分のあう環境で力を発揮する性格だったように思う。

けれど・・・

今こんな状態になっている主な原因は自分自身にあるんだろう。

自分を見つめなおしたと思ったとき

自分を見つめなおしたというよりは、環境を変えたかったんだろう。

違う環境への道を切り拓いたのは、自分ことながら凄まじいエネルギーだった。

努力の結果、環境が変わったことで、満足してしまったのかもしれない。

新しい環境で、私は本当の自分であれるような気がしていた。

そもそも、運動音痴で、頭も悪くて、

それでも認めてくれる人もいるし、どうにかして幸せに生きていけるって

思えていたのだけれど。

背水の陣で臨んだ人生改革だった。

もう前に進む以外道がない。

なのに前に進むエネルギーがわいてこない。

いったいどうしたらいいんだ。

2016-09-30

なぜ大学を辞める必要があるのか

起業大学を辞める必要はない。

しろデメリットばかりだ。

それでもやめるのは意志が続かないからだ。

必要に迫られないと何もやらない。

意志が強いものはそれでもやるかもしれない。

だが、意志永遠に続くことはまれだ。

追い込まれとき人間が発揮するパワーはすさまじい。

あえて自らを死地に追い込み、前しか見ない状態にする。

背水の陣

モチベーションがアホみたいに上がる、大きなメリットだと思う

進め若者!やる気が損得勘定に消されていく前に!

2016-07-14

とても責める気にはならない

夫に優しく出来なくて辛い

http://anond.hatelabo.jp/20160713160607


なんか言いたくなったのではじめて増田で書いてみる.

一応参考までに自分スペックも書いておくと,アラサーで4歳と6歳の子持ちの夫.

勝手なきめ付けをもとにじゃんじゃん書いていくので

的外れだったらどうか読み流してほしい.

うーん.

まず,二人とも,疲れている.あなたもだんなさんも疲れている.とても.

あなたのことを簡単にけなすためのとっかかりのような事実がたくさん書いてあるけれども,

それにもかかわらず私はあなたを責める気にはならない.

あなたがまったく悪くないとはさすがに思わないけれど,あなたがやったひどいことをあげつらう気にはならない.

夫婦としてやってはいけないこと言ってはいけないことをしてしまったと責めるコメントもあって,

しかそうかもしれない旦那さんも気の毒だけど,

一方で,やってはいけないことをやってはいけないとわかっていながらも

やってしまうほど追い込まれているあなたのことも同じくらい気の毒だ.


2歳の子と3ヶ月の子がいる.とっても手がかかる時期だよね.

乳児だけで死ねるのに,さらに2歳児もいる.

あなた疲弊するのも当然のことだ.

自分場合を思い出しても,そう.というか,より正確に言うなら,もう思い出せない.

余裕がなさ過ぎてうつ状態だったので記憶あいまい

例えば,23時まで働いて疲れている旦那家事を期待するなという意見が出ている.

これは一見すると正論だが,じつは机上の空論だ.なので無視してよい.

確かにあなた旦那さんがモーレツに働いているのはたぶん事実だろう.

だけど,たとえばどっちがより働いているかって言えば,それは間違いなくあなたでしょう.

3ヶ月の子の面倒だけでも24時間ほぼ不眠不休で動いているはず.

さらに上の子と,家事がある.

ただし,さらに言えば,どっちが疲れているかなんていう議論もそもそも不毛だ.

結論は明らかで,それは「どっちも疲れている」.

そして結論が分かったところでなにも解決しない.

二人ともが疲れきった時点で,二人の力では打開が難しい状況になっているという認識が持てれば良いと思う.

あとは問題解決の助けにはならない.


そうだなたとえば,性格の良い親が元気で近所に住んでいるとか,

家計に余裕があってシッターや家政婦などのサービスいくらでも気兼ねなく使えるとか,

家にルンバブラーバが5台くらいあってオイシックスを頼みまくれて

自動ドラム洗濯機のほかにもセパレートのガス乾燥機があって家も広くてオムツ半年分買い置きできる場所があって,とか.

最低でもそのくらいの外部の力が必要になる.

そんな二人ではキャパオーバーな状況をあなたはなんとかしたくて,

でもできないのであなたイライラしているように思える.

自分にも相手にもまだまだ期待しているからこそ,イライラしている.

ここまで苦しいのに,諦めずにちゃんと相手にも自分にも期待が持てて,

高い理想を保ち続けるあなたは立派だ.

念のために言っておくけど,これはいやみではない.まじで.


理想を下げろ,家事をするな,などの意見も出ている.

場合によっては有効だが,あなた場合はうまくいかなそう.

それに,そもそもあなたは意地でもそうしたくないのではないか

ここまで切羽詰っていれば,手抜きをする人はもうとっくに手抜きをしているはずだ.

あなたがそうしない理由は,勝手な推測だけど,家事を手抜きすると手抜きをしたことで

もっとイライラしたり,もっと落ち込むタイプから?例えばだけど.

疲れていてもがんばって部屋を掃除したほうがまだ気力が回復するようなタイプの人は

手抜きすればするほどどんどんうつ状態になっていって,やっている仕事は減っても

精神状態はよけいに悪くなったりする.

さら勝手あなたのことを決め付けると,あなた自分でもそうなるのが分かっていて

なんとかそうならないように食い止めようとがんばっているように思える.


「私の視界からさっさといなくなってくれ」なんて内容のLINEを送ったとある

これだけ見れば「離婚すれば」なんて意見が出てくるのも分からなくもない.

これだけ見れば確かにあなたは「最低」なのかもしれない.

だが,問題はそんな単純なことじゃない.

あなた自分で分かっているように,そんな最低のLINEを送らざるを得ないレベルまであなたは追い詰められている.

そしてそれをわかって欲しいけれど,旦那さんは具体的に理解を示してくれない.

そんな絶体絶命,背水の陣四面楚歌のような状況でも

あなたはまだ「子供の前では仲の良い夫婦」であり続ける力を振り絞っている.

あなたは最低な人ではない.むしろ超人的にがんばっているといいたい.本当に立派だと思う.

なにはともあれ,私はあなたという人間は立派な存在ですと心から褒めたい.


ただ,旦那さんは,頭では疲れているのだからしょうがないと理解してくれている可能性もあるが

少なくとも心では傷ついていると思うので,ここはひとまず率直に誠実に謝ったほうがいいともう.

ちなみに私だったら,突然でもいいので「あんLINEを送ってごめん,疲れてイライラして自分でもどうしたらいいのかわからなくて」と言われたら,これからも一緒にがんばろうという気持ちになるかもしれない.



さて現状の原因を,あなた旦那家事分担のありかたのせいだと書いているが,

そこは実はまったく関係ないと思う.

すこし思考実験をしてみてほしい.もし,今すぐ家事サービス無限大資金をつぎ込めるようになって,

もしくは家事が異常に好きなフシギな小人たちがとつぜん毎日のように真夜中にわらわらと現れて,でもいいけど,

あなた旦那さんも一切家事をやる必要がなくなったら,どうだろう.

旦那さんにたいしてイライラしなくなるだろうか.

残念ながらおそらく状況はほとんど変わらないんじゃないだろうか.

結局のところ,状況が開けてこないように思えるのは

疲れきってイライラして困り果てているというこの現実

せめて旦那さんと分かち合うことでなんとかやり過ごしたいけど

それすら出来ていないから,なんじゃないだろうか.

具体的に家事分担の話し合いをすることが無駄とまでは思わないけれど,

現状で二人はとても疲れていて困っているということを共有するコミュニケーション

あっていいんじゃないだろうか.

異なる人間が二人で一緒に暮らしていくためには,最低限必要なふれあいというものがあって,

それは具体的に言えば,あなたとしては,旦那さんにわかって欲しいし,

旦那さんのことをわかってあげて優しくしたいけど

出来ない,それがつらいんですよね?

そこは二人で共有したいところ.


その上で,私からお勧めするのは,

旦那さんの至らないところを個別に指摘するのはかまわないと思うけど

家族生活がうまくいかないのをすべて夫のせいにしないこと.

何も解決しないどころか,あなた理想とする夫婦からさらに離れてしまうように思える.

あとは,自分理想の形を変えていくことをもう少し恐れなくてもいいんじゃないのかな

とも思います

あとは子供のことはなにも書いてないので,それって逆に良い感じのお子さんなのではと邪推します.

大きくなって自分でご飯もトイレもお風呂も出来て,自分で考えて自分で喋るようになると

それはそれは面白くて,いつの間にかこの時期のつらさが良い意味で思い出せなくなったりするよ.

すくなくともそれまでなんとかやり過ごして欲しい.

ぶっちゃけ何も解決策を書けていない気がするけど,

すくなくとも一時間くらいかけてあなたを励まして応援したい人がいることをここに示したい.

あ,ちなみに僕も桃は大好物です.

2016-06-16

[]16:増田の興亡

 後増田氏と同盟を結んだ増田(八)軍は西から進撃してくる増田軍を迎撃するため、みやこの脇を流れる増江川に陣を張った。

 敵味方あわせて十五万をこえる大戦のはじまりである

 東の増田軍公称十万の指揮官は、数倍の敵(今日の友)を何度も破った武功でその敵に推薦されて大抜擢された増田左混であり、

副将には増田金吾がつけられていた。

 大将が後増田家の人間ということもあり、彼らは四万の兵を派遣し、残りが増田家(八)の兵である

前の経験から増田左混は同盟軍を信頼していなかった。

 西の増田軍は後顧の憂いがないことを活かして、八万と号する全領地の兵をひっくるめ、当主が指揮している。

 両軍はまず、川を挟んで向き合い、小競り合いを繰り返した。

増田軍の部隊は勝つこともあったが、雑魚ナメクジ増田軍は美しいほど全てに負けた。

 自信をつけた西の増田軍は伍除海の計をかけた上で、敵前渡河を強行した。

 それに対して東の増田軍は、何もしなかった。

 増田金吾が

「敵の半分が渡ったところを攻撃するべきです」

 と勧めても、

「敵が隊列を整えている間に仕掛けるべきです」

 と訴えても、増田左混は同意しなかった。

 あまりに余裕のある敵の様子に、西の増田軍は疑心暗鬼に駆られた。

当主なら「舐められたらおしまいだ」と攻撃を仕掛けるのだろうが、

それより慎重な弟は(何か策があるのでは?)と勘ぐってしまう。

 おりしも増田(四)軍が待ち伏せの策略により奇跡的な勝利を収めた後でもあった。

 しばらく睨み合っていると西の増田軍に不吉な空気が流れはじめる。

「我々を背水の陣にして一網打尽にする自信があるのでは……」

「小競り合いで負け続けたのも、わざとなのか?」

 一方で当主突き上げてくる古参指揮官もいた。

背水の陣とは弱体で忠誠心の低い兵を戦わせるための策。

 殿は我々がそのような兵だともうされるのか!?

 敵が動かず結果的背水の陣になったのだから、ひどいいちゃもんである

このままでは戦えないと判断した当主は、下策と知りつつ再度川を渡って後退することを決めた。

 何もしていないのに敵が下がっていく――

 東の増田軍は目の前の情景に目をみはった。

一戦もしていないため隊列は整い粛々とした動きだ。しかし、士気が落ちているのは明らかだった。

「半分が渡ったところで攻撃を仕掛けるべし」

 増田金吾はいきおいこんで主将に訴えた。今度ばかりは増田左混も重々しく頷いた。

 こうして川に分断された敵を勇躍襲撃した増田軍は――ボコボコに殴り返された。

東岸に残っている増田軍は精鋭ばかりであり、数ほどは戦力が低下していなかった。

 このとき増田軍は「釣り増田」と同時に「捨てトラバ」を用いた。

 捨てトラバトラバース)とは、下がる部隊が次々と横に動くことで雁行をなし、

反撃に際しては一瞬で斜線陣に化ける戦術とされる。

 また、雁行の法則性から部隊を追っていくと、途中が忽然と消えており、

肩すかしを食らったところに斜め前後の隊列から挟撃を受けることもあった。

 もちろん、釣り増田も絶好調

「これは地方とみやこの戦いにござる」

「なんだと!?

「これからはおなごもいくさに活用するべきでござる」

「なんだと!!?

大通りを走る(牛)車は狂人の乗り物にござる」

「おう、そうだな」

容姿に恵まれないと人生は全部ダメでござる」

武功をあげろよ」

 後増田兵は釣り増田に引っかかりまくった。「増江のダボハゼ」の異名を授かるほどだった。

 なお、増田兵(八)は話題に加わらず(田舎者同士が何を言ってやがる……)と上から目線でさげずんでいた。

 ちなみに大将増田左混は本当に何も考えていなかった。以前、彼が連勝したのは敵が弱すぎたのと多大な運のおかげであった。

もっとも、増田金吾の献策通りに戦っても結果は変わらなかったであろう。それくらい両者の実力は隔絶していた。

 東の増田軍は増田家(八)諸将の導きで、ほうほうのていで撤退した。

みやこ周辺は彼らにとって逃げ慣れた道である。あがりはじめた満月が彼らの退路を照らした。

 いっぽう、西の増田軍はみやこを陥落させた。

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2016-06-12

[]12:増田展望

 北の増田家(一)が謀略によってあっさり滅亡したことで増田家(四)は周囲から孤立した。

 さいわい増田家(八)が増田家(五)との戦いに集中していることは、いろいろな情報源から明らかになっている。

控えめにみつもっても二倍の国力差を埋めるべく、増田家は用意周到に戦いの準備を整えた。

 増田家(三)も戦の準備を着々と整え、戦う前に勝負は決まっている状態を作って南下をはじめた。

 なお、増田家(五)を増田家(八)と折半する戦略は、増田家(五)が好意的な態度を示していたこから否決された。

増田家(四)を併合して増田家(三)が圧倒的な存在になれば、増田家(五)は戦うまでもなく屈するはずだった。

 せいぜい、敵に滅ぼされない程度に耐えてくれていればよい。

 総兵力六万を号する増田軍は自慢の鯖街道を伝って一路、南進。国境を越えた増河のほとりで、

乾坤一擲迎撃作戦に出てきた増田軍二万五千と遭遇した。

背水の陣か……」

 増田家(三)の当主は遠眼鏡で敵陣を観察した。

 敵軍は増河が馬蹄形に屈曲した部分の内側に立てこもっており、カーブする上流と下流が約1kmまで最接近した部分に戦列を連ねていた。

 側面から攻撃は難しく、まずは正面から攻撃するしかない。その点では利に適っている。

 だが、すいすい背水の陣危険な戦法だ。兵は死力を尽くして戦うかもしれないが、負ければ河に退路を塞がれて壊滅は免れない。

この一戦に負ければ後がないとの増田家(四)の覚悟が伝わってくる。

 当主は足止め部隊を残して敵軍を無視して先に進む妄想をもてあそんだが、

ここは海岸へ向かう重要な渡河点の近くであり、足止め部隊が負ければ、背水の陣になるのは自分たちの方だ。

 敵がゲリラ戦に走らず、雁首そろえて出てきてくれたことを幸いとして、叩き潰すにしくはない。

 増田軍六万は敵軍の前に堂々と展開した。

 右翼には裏切りによって味方についた旧増田家(二)一門を中核とする増田勢、

中央にはもっとも頼りになる譜代勢、そして左翼には本領国人衆と北の傭兵軍団。

前衛には降伏直後で信用されていない旧増田(一)勢が配置された。

 秘蔵のカラトラヴァ騎士団は全軍の後方に配置され、名にしおう増田騎馬軍団の出現と、両翼部隊の万が一の裏切りに備えている。

戦闘正面が狭い問題をのぞけば万全の布陣だった。

それも旧増田(一)勢を使いつぶしにして波状攻撃しかけることで最終的には数の優位を活かせる算段だ。

 増田家(士)が増田家(十)攻めに使ったのと同類の戦法である

 一方、増田軍は二倍以上の敵を前にして多くの兵士脱糞を済ませていた。

おかげで、はらわた刃物にえぐられても感染症死ぬ可能性が低下した。大量のうんこも背水に排水できた。

 増河は赤く染まる前に茶色く染まった。

 下っ端には到底勝てると思えない状況なのだが、当主は泰然自若としていた。

それがブラフなのか、本当に秘策があるのかは、火蓋を切るまでわからない。

 戦いを先にしかけたのは劣勢の増田軍であった。すべての敵を視界におさめておきたい事情は彼らも同じだった。

激しく銅鑼をうちならし、一部の兵が増田前衛に突っ込んでくる。

昨日までの敵にむりやり戦わされている前衛部隊はそれでも勇敢な兵士たちであり、敵の攻撃を真っ向から受け止めた。

 しばしもみ合い両者が離れた時には、大地は両軍の血で汚されていた。

「追えーっ!」

 前衛部隊から誰かの声があがり先制攻撃しかけて来た敵を追う。釣られて六万にのぼる増田軍全体が動き出した。

 迎え撃つは増田軍の歩兵戦列。堅固に隊列をくみ、長柄の先をそろえた彼らは肝を据えて、馬蹄形陣地の栓になった。

なにせ背水の陣なのだ

 増田軍の第一波はおしかえされ、前衛指揮官は冷や汗を流しながら、まずは弓と投石で敵を崩そうとする。

飛道具で狙われた長柄兵は置き楯の後ろに隠れ、増田軍(四)の弓兵が応射する。

味方の支援の下に増田前衛突撃すると、矢の雨が止んだ一瞬をついて、長柄兵が再配置され敵を押し返す。

 その繰り返しは増田家(三)当主を苛立たせたが、確実に敵の体力を削っていった。

「両翼からも弓兵を寄騎にまわしてやれ!」

 噂の手銃がたくさんあれば……と当主は唇を噛んだ。

 いよいよ損耗が深刻になってきた増田軍の第一線は大量の矢を浴びながらやっと後退する。

だが、後退は交代であり、すぐ後ろには第二線の歩兵が穂先を連ねていた。

 しかも、第一線と二線の間には浅い溝が掘られていて、いきおいをえて突撃した増田前衛は転んだところを刺されて大損害を被った。

「下がらせよ」

 不機嫌そうに当主は言い捨て、こちらも前線にたつ部隊を変更させる。

両翼と中央から抽出させた精鋭部隊だ。さらに両翼の部隊には一部に増河をわたらせて敵の側面や背後に出るように命じた。

 直接攻撃するにはもう一度、河を渡らなければならないので実害を与えるのは難しいが、心理的に与える影響は大きい。

裏目に出て背水の陣意識を強めてしま可能性も含めて……。

もっと増田軍は敵の迂回を歓迎していないらしく、渡河部隊は岸にたどり着く直前に伏兵攻撃を受けた。

増田騎馬軍団だ!」

 増田軍の中から悲鳴があがる。川岸に展開した増田軍の騎兵は水中で身動きの取りにくい敵を、馬上から次々としとめて行った。

同じ騎兵相手をしようとしても武具が水を吸っていて分が悪い。何よりも渡河中で相互支援ができなかった。

 おかげで両翼での戦いも思うようには進展しない。

「ワタシたちが出ましょうか?」

 カラトラヴァ騎士団グランドマスダー、アトビーノは増田騎馬軍団の出現を受けて、当主に進言した。

「……しばし待て」

 増田騎馬軍団に河を渡ってくる力がなく、迎撃に専念するなら、突破力のあるカラトラヴァ騎士団中央での決め手として使いたい。

両翼にはせいぜい騎馬軍団を引きつけてもらおう。

 増田家の当主はそんな判断で両翼の渡河作戦を続行させたのだけど、それをみた増田家の当主わずかな焦りをみせた。

「やむをえぬ……我が自ら出るぞ。馬廻衆は続けぇ!!」

 彼は第二線の直後まで本陣を進めて、盛んに督戦した。

大将首だ!」

ヒャッハー!!」

恩賞は思いのママぞ~」

 著名なションベンタレ(魚類、別名タカノハダイ)の前立てを目撃した増田兵が戦場中央殺到する。

その先から屈強な怖いお兄さんたちに追い散らされても次々と新手が押し寄せてくる。

 血と泥と汗の渦、その中心に増田がいた。先に脱糞していなければ、脱糞していたかもしれない。

激闘は数刻の長さに感じられたが、実際には太陽ほとんど動いていなかった。

「御館様!これ以上は!!」

 敵を刺して折れた槍を捨て、太刀を抜いて馬廻りが叫んだ。

同士討ちの危険無視して弓矢が当主の近くまでびゅんびゅん飛んでくる。

「おのれ!ここまでか!?

 増田軍は第三線への切り替えをめざし、二度目の後退をはじめた。

「もらった!つっこめぇーーッ!!」

 敵が下がるのを知った増田当主中央譜代衆に命令をくだした。

最大の手柄は自分たちが収める。複数地域支配する家ならではの狡猾さが現れていた。

 下がる増田軍は一気に圧力を増やされ、今度は思ったところで踏みとどまれなかった。

後ろは河なのにずるずると下がり続けてしまう。それをみて、敵は嵩にかかって攻め立ててくる。

 もはや増田軍は風前の灯火。ついに殿をつづける当主を見捨てて、武具も脱ぎ捨て河を泳ぎ渡る兵士が出没しはじめた。

忠誠心の期待できない増田家(六)出身兵の行動だったが、動揺は増田軍全体に広がっていく。

「もうだめだぁ」

「お助けを」

 武器を捨てるもの、敵の慈悲にすがるもの戦意を失ったものパラパラと現れる。

「御館様、ここはお下がりください」

「敵の勢いが激しすぎます

 近侍の諫めに対して、増田当主正反対の行動で応えた。

「ここで生きながらえて意味があろうか。死中に活を得ん!」

 最前線に躍り出て、鞘を抜き放つと、太刀を陽の光にかざして叫ぶ。

「我こそは増田鎮北将軍なり!討って手柄とせよ!!」

 戦場が一瞬、鎮まり――どよめき立った。

「鎮北将軍だとぉ……!?

 敵の名乗りを聞いた増田当主は顔を歪めた。

鎮北将軍といえば、かつて増田家(六)の血筋東北支配に任じられた極めて高位の官職であり、

その権力増田家(三)の現支配領域全体におよんだ。

 増田家(六)の血筋を奪ったことで無理矢理名乗っているのであろうが、当主にとっては非常に不快である

頭の一部では挑発理解しつつも、兵をけしかけてしまう。

「あの僭称者の希望通りにせよ!首をとった者には一城、いや一国を授けるぞ!」

「「おおっ!!」」

 目前に高価な肉をぶら下げられて六万人が一人の殺害に心を合わせた。

まさに殺到が起こり、圧死者が敵味方に発生する。もはや人の津波である。汗の蒸気が霧になり、戦場を覆った。

ちょっと言い過ぎたか……?)

 自称鎮北将軍は鎧の中で冷や汗をかいた。

ちなみに戦場の喧噪の中で鎮北将軍は、ちんぽこ将軍と聞こえた。

 もはや六万人の大半が馬蹄型の内部に入り込み、隊列の入れ替えも難しい状況だった。

目端の利く指揮官は川沿いを走らせることで、敵の側面攻撃を狙った。

彼らが最初被害者になった。

 太鼓の乱打音を受けて対岸に配置されていた増田軍(四)投石機部隊偽装撤去、全力射撃を始めたのだ。

「せーの!」

 数十人が力をあわせて綱を引き下げると、腕木が旋回し、反対側にくくられた飛礫が高速で飛翔していく。

敵だらけなので狙いを付ける必要もない。ただ発射速度を優先して撃ちまくる。

綱を引くだけなら戦闘訓練なしの人材でも行える点も便利だった。

 増田軍は決戦のために領内の投石機をかき集めていた。新造もおこない三十メートルに一基の密度で砲台を築いている。

さらに吊り井楼まで投入され、一挙に高所にあがった精鋭弓兵が対岸の的を射まくった。

 増田兵が吹き飛び、苦悶の声をあげて倒れ、死体が折り重なっていく。射撃から逃れる遮蔽物といえば、その死体しかない。

 増河屈曲部は地獄絵図と化した。

バカ!?野戦あんものを準備できるはずが……ッ」

 増田家(三)の当主絶句する。ただ配置するだけではなく、偽装完璧とは信じられない。

最近の設置であれば動きを察知できたはずだ。自分たちの進撃路は完全に読まれていたと言うのか。

「やつは海から一日行程以上離れない。そして、ここの先には有名な漁港がある……」

 賭けに勝った増田家(四)当主はひとりごちた。長年にわたる地道な諜報活動のたまものであった。

東北で勝ち抜いたのが、以前から国境を接している増田であることが幸いした。

他の二家であれば、ここまでの情報は集められなかったはずだ。

 射程三百メートルを超える投石機の猛射撃によって増田軍はやむなく馬蹄型空間の中心に集められていった。

当初はひとりあたり六平方メートルあった空間が一平方メートルになってしまい、

武具や馬の存在を考えれば満足に体の向きを変えることさえできない。

本陣だけは馬廻りのスクラム空間が確保されていたが、押しつぶされるのも時間問題に思われた。

「ワレラが退路を切り開きもうす」

 アトビーグランドマスダーが当主に告げた。

「よし、いけ!」

 カラトラヴァ騎士団蝟集する味方を吹き飛ばして後方へ走った。

だが、そこには敵の視界外から長駆して進出してきた騎馬軍団が展開を終えていた。

本当の増田騎馬軍団だ。両翼に伏せていたのは増田軍(四)の騎兵にすぎない。内通者によって、その誤認は導かれていた。

 彼らは重騎兵との正面衝突をさけ、騎射でもっぱら馬を狙った。

卑怯者ガ!!」

「ふんっ、武士畜生と言われようが勝つことにござる」

 増田典厩は騎士の主張を鼻で笑う。彼らは戦場からの脱出を試みる敵をことごとく網に掛けていった。

 そうこうしている間にも増田軍本隊は末期状態に陥っており、三国出身者が混在しているせいで同士討ちさえ起こっていた。

「まて、拙者は増田軍だ」

「どの増田軍だ」

「味方だ」

「俺がどの軍か分かるのか」

増田軍だ!」

 もはやグダグダである。一部の兵士にいたっては自分空間を確保するためにあえて味方を殺傷していた。

「降れ!降れ!」

勝負はもう着いた」

 もっともな勧告が正面から聞こえてきて、傷つき疲れ果て恐怖のあまり脱糞した増田軍はついに武器放棄した。劇的な逆転であった。

 カラトラヴァ騎士団のみが何とか組織を維持して戦場離脱する。

 増田家(三)の当主三国の太守から一転、毎年サバ一年分の捨て扶持を与えられる身になった。

「おのれ!我が青ザリガニ大事に育てていることがバレるとは!!」

 ……そんなことは誰も知らなかった。

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http://anond.hatelabo.jp/20160611095343

次回

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2016-05-03

anond:20160501232542

背水の陣国士無双、と他にも現代に使われる用語を産んだのが楚漢戦争。何故かジャップは見向きもせずに三国志妄想)やキングダム失笑しか知らない。呂布?王騎?項羽に瞬殺レベル諸葛亮韓信にも勝てない策しか無いだろ?

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