はてなキーワード: 生データとは
業務で機械学首(データマイニング)、Web(業務システム)、組み込み(産業インフラ設備)の経験があるので、分野ごとの相違点と発生しがちな軋轢を書いておく。
- | 機械学習 | Web開発 | 組み込み開発 | 発生する軋轢 |
コードの寿命 | 半年間 | 20年間 | 40年間 | 組み込み開発er「産業系の組み込みは発売から40年後にアップデートするケースもあるので、ドキュメントは、開発担当者が全員退職して誰も残っていなくても理解できるように書いてください!」 |
コードのアップデート頻度 | 試行錯誤しつつ随時 | 2週間に1回 | 半年~5年に1回 | Web開発er「組み込みはどうしてそんなに時間がかかるの?アジャイルを導入してください。ウォーターフォールは硬直的でデメリットばかりですよ」 |
アップデートの提供方法 | -(コードは少人数の同僚だけで使用) | サーバに自動デプロイ | 技術者が現地訪問してアップデート | 組み込み開発er「アジャイルだから最初は若干のバグを残して発売し後日アップデートするって?グローバルで既にXXX台受注しているけど、誰が現地に行くの?費用を負担する部署はどこ?」 |
開発者の属性 | 数理系の修士~博士、少数精鋭 | 専門学校~修士、文理混在、大人数 | 電気系、機械系、情報系の修士~博士 | 機械学習er「数式で表現できない知識は民芸品です。エンジニアを名乗っちゃダメでしょ」 |
関係部署 | マーケティング・企画 | 顧客 | ハード開発・工場 | 組み込み開発er「納期3カ月前なのにソフトが完成していないの?生産立ち上げを工場に相談していない!?スケジュールをゴールから逆算できなかったの??今回は船便での輸送になるけど、それも計算に入れてあるよね?」 |
計算資源 | 潤沢 | 予算次第 | 貧弱 | 組み込み開発er「データマイニングやってたKさんがOSSを使うらしいけど、サイズが5MBあるんだぜ。5MB全部必要なのか聞いたら一部機能しか使わないんだって。で、他チームとの容量調整は丸投げされたの。感覚を破壊されるよな。」 |
3rdパーティライブラリ | OSS | OSS | 買ってくる | 組み込み開発er「OSSに不具合があったらどうやって修正して顧客にデリバーするつもりなんだろう?リスク移転の考えで、不具合の補償契約込みで買えばいいのに」 |
通信プロトコル・データフォーマット | 生データが王様なので、生データに従う | 最新のものを取り込む | 実績重視 | Web開発er「HTTPの実装がないの?TCPを直接使う!?暗号化や認証はS社の独自プロトコル?古いプロトコルを使い続けているから開発効率が低いんだよ」 |
電源OFFタイミング | 任意にコントロール可能 | 定期メンテナンス | コントロール不可 | 組み込み開発er「ファームウェアアップデート中に電源OFFしたらどうなるの?ファイル書き込み中の電源OFFは?状態遷移図って知ってる?」 |
性能 | 出来高 | 顧客要件、常識、予算に従う | ミリ秒~マイクロ秒単位のタイムスライスで管理 | Web開発er「性能改善でXX関数の10ミリ秒を1ミリ秒以下に短縮するために2週間も試行錯誤したって?プロパ社員の人件費は7万円/日だから70万円を消費したね?AWSでEC2の性能を調整すれば2000円/月で解決だよ。損益分岐点は350カ月だけど顧客のこれまでのリプレース実績から判断してこのシステムはそこまで長期間使われない」 |
学会発表・特許 | 結構ある | ほぼなし | 年1件の特許出願ノルマ | 組み込み開発er「学会発表も特許出願もなく、何を開発したの?ドメイン知識をソフトウェアに翻訳してAWSでポチポチやっただけなの?開発行為ではなく作業だね」 |
分野ごとに要求される製品特性が異なるから、異分野に移ると文化摩擦が起きるという話だと思う。製品特性の違いを理解し自らの行動に反映できるようになるには、ベテランでも数年かかるケースがある。開発期間10年のテーマを経験したことがあるが、そうした場合だとワンサイクルを経験するのに10年かかるので。経験から学ぶのが愚者、歴史から学ぶのが賢者ともいうが…。
無能のデスクにどんどん仕事が溜まっていくので仕方なく一部の仕事を肩代わりすることにした
1000枚くらいの伝票からPCにデータを起こす作業なんだけど
「この①Excelファイルにまず伝票番号と種別を打って、次にもう一回伝票を見て②Excelファイルに日付と数量を打って、
最後にもう一度伝票を見ながら③Excelに数量と種別を打ってそれぞれ間違いがなければExcel内の集計結果が一致します」
こんな新人とかバイトにでもやらせた方がいいバカ向けの作業をそのまま実行するほど暇ではないので
まず生データのExcelファイルを作り伝票番号、数量、種別、日付を一通り入力してそこから3つのExcelにデータを転記するPythonを書いて仕事の手順を簡略化した
これで無能が1週間かけてやっていた作業が1日で終わるようになったが、一通り処理して伝票と集計結果を無能に渡したところ
「引き継ぎの時に言わなかった自分も悪いが伝票は役所に提出する関係でこういう順番に並び替えて持ってきて」と鼻で笑って突き返してきた
専門外なので教えていただきたいのですが
https://media.rakuten-sec.net/articles/amp/43634
これとかで出てきている株式の「インフレ調整後の」平均リターンが年7%って本当ですか?
実際に生データから計算されているかたの計算ではそうでもないような気がしますが…
https://shotaro37.com/inflation-adjusted-return/
たまにSP500銘柄で外挿しているときがありますが、それはインデックス開始まで生き残った銘柄をチェリーピックすることになるので嘘インデックスになりますよね…
増田はマテリアルインフォマティクスや超伝導の専門家ではないんだけど。
専門家からすると、常温ながら高圧下で超伝導の存在ですら怪しいのに、高圧ですらない報告は眉につばも付けたくなるだろう。(LK-99は本当に常温常圧超伝導を達成しているのか - 理系のための備忘録)
Cu_2S の一次転移を常温超伝導と見間違えたのでは?との報告が上がっている。(https://twitter.com/tjmlab/status/1689076343114493957])
LK-99に関連して、常温超伝導を示す物質を機械学習を使って見つけられないのかという疑問をはてなブックマークやTwitterなどで見かけた。
端的に述べると、機械学習を用いた物質探索は既に広く行われているが、今回のような未知の性質を有する物質の探索には不向きである。
物質探索で機械学習が注目されるようになったのも最近のことだ。
2019年には選択性の高い触媒を機械学習で予測する研究がScience誌に投稿されている。(高選択的な不斉触媒系を機械学習で予測する | Chem-Station (ケムステ))
物質の探索の他にも、生データの帰属やそこから得られたデータ同士の解析などにも機械学習が用いられている。
機械学習によって、経験によると勘とマンパワーと一握りの運で支えられていた「予測→合成→測定→解析」のサイクルを早められるようになった。
その一方で、より広大な未踏の探索領域が存在し、さらなるマンパワーが必要であることが明確化された。
HUNTER×HUNTERで暗黒大陸が明かされた状況に似ている。
機械学習は暗黒大陸の道案内役になりうるが、より効率的な探索のために実験や測定の自動化も必要となり、そのような研究も始められている。
機械学習が様々な物質を予測しても、その合成できるかは別問題だ。これは機械学習に限った話ではない。
理論的にすばらしい性質が予想された物質であっても、技術的に合成できない、合成できても予想された性質を示さないことは科学の世界ではあるあるだ。
原因は様々であるが解決のためには、技術の進歩とブレイクスルーが必要となるし、そもそも予想が間違っている可能性だってある。
たとえば、2000年にノーベル化学賞を受賞したポリアセチレンは、古くから量子化学的に導電性を持つだろうと予想されていたが、合成する方法がなかった。
1958年にナッタらが開発した触媒によって初めて合成されるが、粉末しか得られず電気特性を測定することができなかった。得られた粉末は溶媒にも溶けず熱で溶融もしないためフィルムにできなかったのである。
その後の1967年に白川らがフィルム化に成功し金属光沢を示すもののほぼ絶縁体であった。電気を流すにはドーピングという更なるブレイクスルーが必要だった。
機械学習は、目的とする性質を持った物質を探索することは可能だが、全く新しい性質を示す物質の予測には向いていない。
過去の結果から高い転移温度を有する物質を類推可能だが、これまでの超伝導とはメカニズムが異なるであろう常温超伝導を示す物質を予想することはできない。せいぜい異常な振る舞いを予測するくらいだ。
超伝導の恐ろしいところは2000年以降も様々な性質が予想され発見されていることだ。
例えば、ワイル半金属(1937年予想、2016年発見)、トポロジカル絶縁体(2005年提唱、2007年確認)、ネマティック超伝導(2016年発見)などなど。
全く新しいメカニズムによる性質に関するデータが無い以上、このような性質を示す物質を機械学習で探索するのは無謀だ。
もちろん、既存のデータをよくよく洗い出してみると、新しいメカニズムで上手く説明できるケースもあるが、それを機械学習へ利用するには・・・・・・。
今までは「俺の作品に金払ってもいない奴にケチつけられたくね~~~。つうかケチ付けるやつはどうせ金出さないから金出してるかどうかで作品鑑賞の権利を打ち切りて~~~」を実現するための舞台が無かったから、仕方なく同人誌を印刷していたというだけ。
ネット初期も個人が自分の作品を見たければお金払ってくださいをするのは簡単じゃなかった。
コミケを介さなくても結局通販とかになって、CDのプレス等が必要だった。
でも今はDL販売やサブスクで場所を借りることで「ここから先はお金払ってください。クソみたいなケチつけるならせめて金払って買ってからにして」が出来るようになった。
むしろ即売会で同人誌を売るほうが立ち読みでペラペラめくっただけの奴に意味不明なケチをつけられるリスクが増えた。
これは本当に大きい。
即売会で丸一日椅子に座ったり売り子を頼むのに比べれば手間もかからない。
圧倒的なメリットがある。
売るものの形式も自由で、今まで通り漫画で売っても良いし、イラストだったら相手側モニターの質にもよるけど印刷よりも鮮明かも知れない生データをぶん投げることだって出来る。
逆に言えばわざわざ印刷するという手間をかけて得られるものが圧倒的に少なくなった。
この状況でまだ同人誌に固執しているのは、「オタクは同人誌を売るもの・買うもの」という古い習慣への固執が抜けてないだけの人達。
言ってしまえば老害、もしくは初期の憧れに対して現実を知る前のニワカ。
オタクの全世代化と一般化の一般化(ニコニコ黎明期から数えてもう10年以上経つ)が進んだことでそういった層も決して多くなくなってきている。
こうして同人誌文化は「オタク活動の頂点」から、あくまで手段の一つとなった。
それだけの話しだ。
玉座からの転落というよりも、最終的な出力方法が複数に増えたというハッピーな状況だな。
飯を摂取できる可能性が増えれば手段も経緯もどうでもいいと考えるよりピュアなオタクにとってはいい状況だ。
「俺たちオタク極めてるフッッフ~~~」したい括弧つけでオタクやっているよく分からん連中にとってはネガティブなニュースなんだろうが、そんな奴ら知ったことかよと多くのオタクは思ってる。
暗黙的にJSTとして時間を使ったせいでUTCで作った場所で盛大にバグる
応急処置でバグったところを+9とかやってしまうと、それ以降に逆に誰も気付かずに更に影響範囲が拡がったりする
海外展開しようとしたときにバグに気付くがどうしようもなくなって途方にくれて海外だけは別アプリになったりする
UNIXTIMEを使えば楽なんだけれど、そうすると生データぱっと見で時間を判別できないので困ることも多い
素直にUTCでISO8601が良い
とりあえずUTF-8にしとけば大丈夫、ってことで実装を進めた結果、Mac/Winでハマる
他にもBOMでハマったりして、むしろSJISの方が良かったんじゃ無いか、とか言い出す
DBが統一的になっている場合はまだ後からどうにかできるが、変なところでキャッシュされてたりすると凄い困ることになる
MySQLなりPostgreSQLなりでUTF-8を正しく扱う方法はいろんな記事があるのでちゃんと読んでおけば問題無い
とかよく分からないことを言い出して価格を浮動小数にしてしまう
確かに米国なら$2.43みたいな感じで価格を使ったりするし、むしろ小数点以下が無い通貨の方が珍しいのだけれど
丸め誤差を考えないで作ってしまってバグが見つかりめちゃくちゃ揉める
何が書いてあるか、誰が書いているか、の違いか|文学作品ならそら後者やろうけど、技術書や理論論文で後者重視したら権威主義への傾倒でしかないな
いや、文学研究でも「何が書いてあるか」です(「何が書いてあるか」を解釈する上で「誰が書いたか」という情報が必要な場合があるだけ)。たとえば、ピケティが英語で書いた論文なら英語から訳すべきで、ピケティがフランス人だからといってフランス語から重訳するのはおかしい。逆に、仮に著者がイギリス人でも、フランス語で書かれた本ならフランス語から訳すべき、そういう話です。文系が大事にしているのは「文章それ自体」であって、文章それ自体を忠実に原語から訳すことが重要である、というのが文系の考え方。
(だって、「オリジナルの文章」こそが我々にとっての生データですからね。もちろん完全にオリジナルなのは難しい場合が多いけど、なるべくオリジナルに近づける努力をすることは必要で、原文にあたるのはその基礎的な作業であって学部生とかの未熟な人でない限りは省くべきではないプロセスですよね、ってこと)
さえぼう氏側は「間違いが起こり得る」としか言わず、具体的にどこが「間違いだった」という指摘がないから、屋上屋を架す空論でしかない。具体的に誤訳だったという指摘、出版から随分経つけど今までにあった?
これはもう「具体的に間違いがあるから問題だ」ではなくて「重訳なのがけしからん」という話なので……具体的な実害の問題じゃなくて規範の話をしてるんですよね。ただ、その規範が他の分野の人たちに受け入れられていない、という状況。
たとえば増田は、ちょっとマニアックな事柄についての論文を有名な査読誌に投稿したことがあるんですけど、「よく調べてあるけど学術的インパクトが足りない(要は面白くない)。却下」という趣旨のやり取りを何度かして、もういっか、めんどいから載るとこに載せよ、って思って当時所属してた機関の紀要に無査読の論文書いたことがあるんですよ。業績欄には当然その論文を載っけてます(もちろん査読の有無は明記した上で)。で、この論文が形式上査読なしであることに特段の問題はないですよね。だって研究結果が間違ってるわけじゃないもの。ただ有名な雑誌に載るほど面白くないだけ。それでも、論文には査読がついていて当然、という人たちは「いや、査読なしだと間違った論文が載るリスクがあって、だから査読がないものは論文と認めるべきではなく……」って言いたくなるんじゃないですか? 「重訳だと誤訳のリスクが……」ってのもそういうことですよ。
物理学そのものではないですけど、いちおう、文系には科学史という分野もあり、そこでは物理学の歴史について原語を使った研究がされてます。たとえば、 isbn:4486021746 なんかは、ソ連時代の物理学をめぐる論争について研究した本で、がっつりロシア語の文献を読み込んでます(ネットで読める論文だと、DOI: 10.34336/jhsj.47.248_193とか)。外国の学者が書いたこの本 isbn:4815808090 も、英語以外の文献も読んでたような(この本は面白いので超オススメです)。アインシュタインはドイツ語で相対性理論の論文を書いたわけですからね(DOI: 10.1002/andp.19053221004)。もちろん、繰り返すようにこれらはあくまで「物理学を対象とした文系の学問」であって、物理学そのものではないので、「物理学では基本的に英語版からの翻訳」というのはそうなんだろうなぁ、と思いますが。
これ、医学系が人文系にIF要求するような無理筋を感じる 読者がやるのはピケティの研究じゃなくてピケティを踏まえた研究では
これメチャクチャ思いました。過去の査読云々の論争を思い出しちゃいましたよ( anond:20181009070341 とか、 anond:20181011090428 とか、このへんの話ね)。「翻訳するときは原典から訳すのが当然だろ!」「いや、別に重訳でも意味が取れてればそれでいいじゃん……」「出版のスピード感も大事だし……」っていうやり取り、まんま過去の「論文は全部査読するのが当然だろ!」「ええ、別に無査読で載せても、後続の論文でしっかり吟味されてればそれでいいじゃん……」「出版のスピード感も大事だし……」っていうやり取りとソックリというか。増田は「なんで原典にあたるという当然のことを重要視しないんだろう……」って思っちゃうんですけど、理系や経済学の人たちも「なんで査読という当然のことを重要視しないんだろう……」って思ってたわけですよね。まあだから、あんまり自分野の基準で他分野にケチつけるのはよろしくないなぁと、自戒を込めて。
増田に書いたことは原文ママじゃなくて要約です。当たり前でしょ……(ほんとはきちんと細かく落とす理由を書いてあったけど自分の専門分野も出した雑誌の名前も言いたくない)。まあ「大意」とか「趣旨」とか書いておくべきだったかもしれないけど流石にこの文面見たら要約だとわかるっしょ? って思ったんですけど伝わらない人もいるんだなぁと新鮮な驚きを感じたので「趣旨」って付け足しておきましたわ。要約を鉤括弧で括ったこちらにも非はあるし。
だから丁寧に「有名な査読誌に出して面白くないからと蹴られた」話をしたんですけど伝わりませんでした? 間違いがあるとかじゃなくて、マニアックすぎてうちの雑誌に載せるには面白くない、っていう理由で却下されたんですよ。まさかそこに引っかかる人が出てくるとは。ちゃんと経緯は書いてあるでしょ。
でもまあ、反射で「査読ついてないなんてけしからん」って思っちゃうってことですよね。重訳もそういうことです。反射で「直訳しないなんてけしからん」って思っちゃう、っていう話。
わざと言ってます? それとも本当に読めてない? 「よく調べてあるけど」と前置きしたでしょ? 研究成果それ自体への疑義は査読者からは呈されていません。むしろ称賛されてます。その上で面白くないから書き直せってやり取りを何度もしたの(再投稿を可とするリジェクトだった)。何度か書き直して、ああこれは先方が求める「面白さ」と増田がこの研究に感じている「面白さ」が噛み合うことはないな、と思ったので再投稿せずに無査読紀要に載せることにしました。自分にとっては自明なことなので説明不足になっていたきらいはあり、そこは申し訳ないけど、もとの文章ちゃんと読んでくれませんか?
だいたい、研究成果の正しさはディジタルじゃなくて、「部分的には正しいが、しかし……」みたいにグラデーションがあるものでしょ。査読で100%の正しさが保証されると考えているならそれは大間違いですよ。増田の研究だって、研究手法と結論的に「正しいか、間違いか」なんてディジタルに言えるような研究じゃないっす。なので査読で「間違いだとわかる」なんてこともほぼあり得ない(資料の読解間違いとかはあるかもしれないけど、増田の論文が総体として「間違い」であることを示すには増田の論文と同程度以上の調査をし論文を書く必要があるんで、普通の査読じゃ「間違い」とか言えないはず。関連する資料を全部諳んじてる大家なら別だけど)。
そもそもピケティ先生は狭い学術ギルド内論文として書いたんじゃなく経世済民の書として世に問うたわけだから増田の話(や一部ブコメ)は大分ズレてるのでは。例えば「翻訳とか無駄で原本を参照汁」的な暴論との文字数
学術業界だけじゃなくて、一般書の方でも最近は「原語から訳すべき」という流れが定着しつつあったじゃないすか。スタニスワフ・レムも昔はロシア語からの重訳だったけどポーランド語からの新訳が出てるし、昔はフランス語経由で訳されてたイスマイル・カダレも今はアルバニア語から訳されてるし、バスク語やチベット語やイディッシュ語の文学が翻訳されてきたでしょう? そういう流れが出てきてたのに有名なフランス語の本を英語から重訳するなんて、というショックは当然ありますよ(だから私は『三体』も相当ガッカリしましたよ。中国語版には検閲が入ってる、と聞いて納得したけど。エーレンデュル捜査官シリーズの方は、重訳自体はもう仕方ないけど、頼む~~~せめて著者の名前がおかしいのくらいはどうにかしてくれ~~~って感じ。重訳のせいで著者の名前すらおかしな表記がされてるんですよね……)。時代を巻き戻す気か、と反射で思っちゃうのも無理はないです。
偉い人の思いつきでDX予算が着いたらしく、流行りのビッグデータによるデータサイエンスやAIを駆使した販売促進システムの開発プロジェクトに巻き込まれてて月曜の出社が苦痛すぎて辛い。
詳細はぼかすが、店舗でのポイントカードの購買履歴に基づいてAIがリアルタイムで自動的に販売動向をチェックし、効果的な販促(アプリからのプロモーションとか)ができるシステムを作ろうとしてるんだけど、仕様を決めてる偉い人のセンスが壊滅的で盛大に炎上している。
何がヤバいかっていうと、元々のポイントカードの購買データがAIによる処理に向いていないと言うところだ。ポイントカードには年齢、性別、職業とかのデータが紐づいているけど、そのデータが登録時から更新されることはまれである。なんで素のデータをそのままAIに渡して処理するのは危険だったりする。
例を上げると、全国的に30代独身女性がアンパンマンのおもちゃ付きのお菓子を好んで買うというデータがあったとして、それは実態を表していない可能性が高いと言うことがあったりする。
人間の目でデータを分析して見ると彼女たちがポイントカードを作ったのは20代の独身の時で、今アンパンマンのおもちゃ付きのお菓子を買っているのは結婚して子供ができてその子供にねだられて買っている(=商品が刺さる層は小さい子供で母親が買っている)という仮説を容易に立てられるわけだけど、機械はそうじゃない。
なんで、こういうデータを扱うときは人力で生データを加工して使えるデータに補正しないといけないわけだけど、補正の手間って思っている以上に大変なのだ。例えばアンパンマンならまだ判別ルールを組み込みやすいが、実際に30代独身女性が自分用に買っている可能性が考えられる、すみっこぐらしのおまけ付きお菓子とかならどうするかとか悩ましい問題があって、人手と現場のノウハウが要求される泥臭い要素が結構あったりする。
だけど、口の回るコンサルやSIerに乗せられた偉い人は完全に自動でできると思ってるし、システムが稼働したら運用コストはサーバー管理費用程度だろうくらいに考えているんで、理想と現場の現実との板挟みでマジで辛い。実際にシステム構築する側からすれば、常に人力でのデータ加工が必要な筋が悪いシステムで、そんなシステム作ってもまともに運用できないと思ってるんだけど、俺の考え間違ってるかな?
別部署の上司「ワイ君、ここの画像なんかぼやけてない?こないだslack経由で上げたの使ってよ」
ワイ「すんまへん、でも使っているのがそれです。」
ワイ「すんまへん、頂戴した画像が小さいんですわ」
別上司「……わかった。少し待ってろ」
====3日後====
有能別上司「ワイ君、上司。販促用の資料根こそぎ奪(と)ってきたぞ!(画像生データ、販促用動画etc)」
上司「うえ、これどうしたんですか?」
別上司「審議中のものも含めて、交渉してもらってきた。修正あったら交換するって条件でな!お得意様の特権だ!」
ワイ「うわぁ仕事を増やしやがりましたな(増やしやがったな)」
別上司「よ・ろ・し・く・ね」
ワイ「ぐぬぬぬぬ」
問題視する人:
問題視しない人:
これは、SYNODOSに掲載された田中辰雄氏の記事( https://synodos.jp/opinion/society/27932/ )
の図4と図5から抽出したもの。それぞれの特徴が意見にどれくらい影響するかは、記事に当たってほしい。
なお、#をつけた項目は統計的に有意ではない数字によるものだけど、参考までに載っけとく。
「放送禁止用語やポリコレが言論・表現活動を萎縮させている」「差別発言、ヘイトスピーチ、天皇侮辱表現も規制・禁止すべきではない」「反日的な発言、下劣な発言も社会的に許容されるべきだ」「言論には言論のみで対抗すべきだ」などの意見に賛同するかどうかをいう。
言い換えると、言論や表現に法的規制はもちろん自主規制もすべきでないし、社会的配慮も不要と考えるか、十分な理由(社会正義)があるなら一定の規制・配慮はやむなしと考えるか、かな。
男性は[女子高生の表象を「性的アイコン」と捉えがちで、]「萌え絵」=[男性目線のいやらしさを含んだ]漫画・アニメ調の絵に慣れているため、「萌え絵」広告にも違和感が薄く、容認的である。年齢が上がっても意見はそれほど変わらない。
女性は[女子高生の表象を「子供時代のかつての自分」と捉えがちで、][一般的な漫画・アニメには男性と同様に触れていても、]「萌え絵」に触れる機会が少ないためか、「萌え絵」広告には違和感を抱き、批判的になる。また、年齢が上がり、女子高生との年齢差が大きくなるほど[高校生が子供に見え、]批判的になる傾向がある。
※[ ]の中は、仮説のための補助線的な仮説。
男性目線のいやらしさを含む「萌え絵」が今後、より一般的になる(=日常風景に溢れ、女性向けの作品にも女体の強調表現が増える)場合は、男女とも慣れ、現在よりは容認的になる。ただし、クリエイター層は「萌え絵」広告に批判的な傾向があるため、日常風景や創作作品に「萌え絵」が広がるかは消費者の需要による。
また、現在の若年層女性が将来年齢を重ねると、未成年を描いた「萌え絵」に批判的になる可能性がある。
田中氏は調査の生データを持っている。記事には記載されていない判断材料があるのかも。増田は生データを持ってない。SYNODOSで調査結果の記事を読んだだけ。
田中氏は男性のデータを考察に使用せず、全体のデータと女性のみのデータから結論を出している。増田は反応に男女差が大きい理由が気になったので、男性のデータと比較しながら考察した。
考察の流れについては
https://anond.hatelabo.jp/20220426233859
https://anond.hatelabo.jp/20220427230024
あとこれもついでに
https://anond.hatelabo.jp/20220428000622
藁人形叩きはあまりうまくないってことと、社会調査は便利で楽しいよってこと。
自分と意見が異なる人の像はよく見えないので、ステレオタイプを投影してしまい、反論はしばしば藁人形叩きになってしまう。
たわわ広告を問題視しない人には、問題視する人が「オニババみたいな顔で若い女の子を苛めている性嫌悪のクレーマーオバサンフェミ」に見えているかもしれない。
問題視する人には、問題視しない人が「女の子の身体を舐め回すように視姦してるロリコンの変態非モテオタク」に見えてるかもしれない。
でもそれが本当の姿とは限らない。
最初に挙げた特徴は、あくまでも統計的な傾向なので、個々の人を見ると外れてることも多いはずだ。殆どに当てはまっていても逆の意見だということだってあり得る。
ただ、様々な属性の人が問題視したりしなかったりしてることは分かると思う。
「漫画が好きじゃない未婚男性」「自分でも漫画やイラストを描いている既婚女性」「漫画のことはよくわからないが、年頃の娘のいる既婚男性」のどれなのか、
問題視しない人が
「漫画が大好きでよく読む若い女性」「漫画のことはよく分からないけど、アイちゃんと同世代の娘がいる女性」「漫画が好きだし、自由を重んじたいと考える男性」のどれなのかなんて、透視できないよね。
ステレオタイプな藁人形を攻撃したって、反論したい実際の相手に届く訳がない。
社会調査や統計は、ステレオタイプを壊す助けになる。何より、あーでもこーでもと考えるのはとても楽しい。
田中氏の調査結果について、より妥当な解釈をされた方は、ぜひシェアしてほしい。
田中氏の記事の図2(全体。n=3154)・図3(女性のみ。n=1585)では、単に問題視するか否かではなく、たわわ広告を見てどういう意見を持ったかを少し細かく聞いている。
男性のみ(n=1569)の割合やグラフが記事内になくて不便なのだが、その他の数字から逆算して、以前の増田で簡単な表にしたので、再掲する。
ちなみに計算は電卓と紙でやったので、どなたか検算してくれるとありがたいです。
意見 | そう思う(女) | 思わない(女) | そう思う(男) | 思わない(男) | そう思う(全体) | 思わない(全体) |
1.男性目線のいやらしさを感じる | 45.6% | 43.9% | 22.5% | 68.2% | 34.1% | 56.0% |
2.新聞広告としては不適切 | 34.8% | 50.5% | 14.7% | 71.8% | 24.8% | 61.1% |
3.女子高生を性的に扱っており問題 | 32.1% | 54.8% | 13.8% | 74.7% | 23.0% | 64.7% |
4.はっきり言って不快 | 23.5% | 64.8% | 5.8% | 83.1% | 14.7% | 73.9% |
5.性的な要素はあるとしても問題ない範囲 | 52.1% | 36.7% | 64.2% | 25.8% | 58.1% | 31.3% |
6.女の子が可愛くて素敵 | 50.4% | 38.1% | 64.7% | 24.8% | 57.5% | 31.5% |
7.全体として表現の自由の範囲 | 46.8% | 41.4% | 63.5% | 27.9% | 55.1% | 34.7% |
のそれぞれに、価値観と漫画・アニメ調の絵に対するリテラシーが反映されることで、
「問題ない」派の中には
「どこが性的なの?こんなん全然エロくないじゃん。露出も少ないし」
「性的で不快だが、未成年の性的な表現であれ、表現の自由の観点から広告規制はすべきでない」
という人たちが共存し、
「問題ある」派の中にも、
「エロカワで好きな絵柄だけど、この子制服着て通学カバン持ってるし、中高生でしょ?子供じゃん。子供のエロカワな広告を堂々と新聞が載せるなよ。しかも何のつもりだよ、このボタン」
「いやらしい。大きな胸して、はしたない」
「性的な絵はちょっと……いきなり人前では見たくないかな。朝、電車の中で見てびっくりしちゃった」
「漫画などという低劣なものを日経新聞ともあろう大メディアが。ふざけとるのか」
という人たちが同居している。
繰り返しになるけど、藁人形叩きはうまくない。無駄な悪感情の応酬になるだけだ。
せっかく俗世のしがらみなく、様々な他者と意見交換ができるネットにいるのだから、藁人形だけじゃなくそれぞれの意見に目を向けてみないか。
※漫画・アニメ調の絵に対するリテラシー(表現の読解力)と、男性からの性的視線(male gaze)を感じ取るセンサーのようなものは、一部重なるにしても異なるものだと思うけど、田中氏の問題意識から外れていたのか、それぞれの影響を今回の調査項目では測定できない。意見の男女差とクリエイターの傾向が考察材料にはなる。
「で、お前は『どっち側』なんだよ?」と、敵か味方かが気になる人もいるかもしれない。『どっち側』かは、以下に書くことで自由に判断してください。自分としては、別にナントカ陣営に属しているつもりはない。
改めて、これほど興味深い調査結果を無料で公開してくれた田中辰雄氏に感謝したい。
https://shin-fedor.hatenablog.com/entry/2022/04/24/220716
の真摯な長文には感銘を受けた。増田という匿名スペースからの言及になり、失礼。
だいたいいつも投稿ボタンを押してから書きたいことを思いつくんだよな。
女子高生の表象は男性にとって「性的なアイコン」とされがち、と書いたけど、小学生とは扱いが違うということ。
ランドセル背負って黄色い帽子かぶった女の子の、洋服の胸の部分がぱつんぱつんではち切れそうな様子を高い画力とこだわりで たわわ)) に表現されたら、その漫画が新聞で全面広告されたら、違和感ないかな。
それは、小学生は性的な存在という意識が一般的ではないからだと思う。昔、というか女子高生ブーム以前は、高校生もそうだった、と思う。
それが表象の力ってやつ。
マニア向け?としては、90年代に身体はオトナ♡な女子小学生のソフトエロコメもあった記憶はある。石川さんという漫画家の「よいこ」。あれが日経の全面広告になったらビビる。
現代なら題材的に、青年誌では難しいかもしれない。女子小学生表象が当時一般的な性的アイコンだったからではなく、田中氏の表現だと「ジェンダー論の広がり」によって、「身体だけオトナ、頭脳と心はまだ子供の女子小学生が繰り広げるちょっとエッチなコメディ漫画」、普通は性的な存在とは見なされない女子小学生を性的に見ることのギャップがギャグで済まない方向に、社会は動いたと思う。
※言うまでもないが、絶版にしろとかそういう主張じゃない。「昔の漫画」として読まれるのでなく「今の漫画」として始めるリスクを一般青年誌は取らないだろうということ。漫画は今でも入手可能だと思う。
「オタク」の変質はあるように思う。
黎明期のオタクはリテラシーが高く、創作や批評・評論をものしたものと記憶している。現代のオタクは、リテラシーがさほど高くない消費者の割合が高いのではないかと……。批評・評論を難癖・攻撃と捉えてしまうようなタイプの。
https://togetter.com/li/1878738
興味深い話があり興奮してしまった。
https://anond.hatelabo.jp/20220428103925
既往研究では化学物質等の危険なものについて、子供の有無に関係なく30代から40代の女性が他の属性よりも危ないと感じやすいという一般的傾向が確認されている
SYNODOSの、日経たわわ広告アンケート記事の感想にいくつか補足。
はてな記法は少しだけ使えるようになった。改行が足りなかったんだな。
ネット調査であることによる標本の偏りを指摘したトラバを見かけた気がしたけど、なくなってる?
確かに、インターネットでのアンケートに回答する人は、普段ネットを使わない人より広告に肯定的だろうと直感的には思う。田中氏の調査では10代以下の子供や60代以上の老齢者も対象じゃないから、日経新聞を購読してる層全体を見れば、実際はもう少し批判的になるのかもしれないね。
https://anond.hatelabo.jp/20220427084110
で、自分が気になったのは、9)性別役割分業志向と10)男性優先社会の認識だけどね。
本来ならこれは同じ方向をむく、というか合わせて「フェミニズム志向」と呼ぶべきものだろう。
でも実際は、10)男性優先社会の認識は明確に反対傾向があるけど、9)性別役割分業志向は有意じゃないけどどちらかといえば逆方向
ごめんこれ、何言ってるか分からない。9)性別役割分業意識は、「男性は仕事に専念してお金を稼ぎ、デートや食事のお金を負担すべきだ。女性は感情的で、女性らしい感性を持つ。仕事より育児に傾注するべきだ」に賛同するか否かの、保守的な男女観を持つかの傾向をみる質問だよね。
フェミニズムとは全くの反対だと思うが……。
この数字も有意ではないので、田中氏にはあっさり流されてるけど、どちらかといえば逆、つまり保守的な男女観を持つ方がたわわ広告に肯定的かもしれないのは興味深い。
SYNODOSの記事でたわわ広告を問題視しない人が着目されていない理由について、前の増田で「たぶん無関心」と書いたけど、違う理由も考えられる。可燃性がすごいんだ。
に並べて、
広告を問題視しない人が多いのは、未婚者、自分では絵やイラストや漫画を描かない非クリエイター、痴漢に厳罰を求めない人、フェミニズムに賛同しない人である。また、主に男性である。
と書けるか?自分なら恐ろしくてよう書かんわ。書いたけど。
記事で触れなかったのは何故か、何らかの配慮かもしれないが、本当のところは田中氏でないと分からない。ただ読者は、書かれてないことに気づき、その理由を考察できるはずだけど、増田の見た限りあまり言及している人はいなかった。
明示されない限り、何が伏せられてるのか気づく人が少ないのも、結構エグい、と思う。
透明性、無徴性の話にもつながるんだけどね。
前の増田では、「萌え絵」にカギカッコをつけて表記した。前提なしに使うにはふわっとしすぎてるんだよな。
田中氏は、
漫画やアニメ調の絵が電車や街角ポスターなどに大々的に出始めたのはおそらく2000年ごろ以降である。現在の20代の若年層にとって萌え絵は生まれたときから周りにある日常風景であり、抵抗が少ない。これに対し40代以上の人にとっては萌え絵の日常世界への大量進出は大人になってから体験した出来事であり、違和感がぬぐえないのではないかと考えられる。
と書いてるけど、漫画やアニメ調の絵=萌え絵 ってこと?それって自明かな?
40代・50代の男性も20代男性と傾向が全然違うなら分かる。慣れないから違和感があるんだなと解釈できる。けど、9%と12%~14%の差だよ。20代女性(18%)より50代男性(14%)のほうが「萌え絵」に抵抗が少ない要因を、電車や街角の日常風景の時代性だけで解釈するのは無理がないだろうか。
うる星やつらのラムちゃんや宇宙戦艦ヤマトの森雪は70年代のヒロインだし、少し前もはてぶは90年代のアニメで盛り上がっていた。
はいからさんが通る、ガラスの仮面、ときめきトゥナイト、ふしぎ遊戯、天使なんかじゃない、フルーツバスケットなど、女性たちに支持されてきた往年の少女漫画はないことになっているんだろうか?
同じ時代を生きてきた40~50代の男女でこれほど意見が違うならば、たわわ広告のような「萌え絵」とは、「漫画やアニメ調の絵」全般ではなく、「男性目線のいやらしさを含んだ漫画・アニメ調の絵」を言うんじゃないか?
田中氏の示した調査結果だけでは、年齢が意見に与える影響が「漫画・アニメ調の絵への慣れ」によるものとは言えないように思う。
男性全般の抵抗感の低さは、「萌え絵」(男のエロ目線を含んだ漫画・アニメ調の絵)への慣れに影響されているのかもしれない、とも思う。
男性には違いが分かりづらいらしい、一般の漫画・アニメ調の絵、例えば少女漫画の絵と「萌え絵」を、女性はどこで見分けているのか。
2000年代以降の漫画、たとえばハチミツとクローバーやカードキャプターさくらやとんがり帽子のアトリエはなぜ「萌え絵」扱いをされず、女性に受け入れられているのか。男性評論家か何かに萌え絵扱いされてるのは前に見たけどね。
これは増田の仮説に過ぎないが、肉体の生々しさの強調ではないかと思う。
顔や髪の毛の表現は似通っていても、衣服の布が体のラインをなぞり、皺や陰影で凹凸を強調する描写への念の入れ方が違う。
たとえばアツギの企画のメイン絵師なら、黒タイツから透ける脚や足の肉感の描写に並々ならぬこだわりがあった。
極端にいうと、リカちゃん人形の顔にリアルなセックスドールの身体がくっついているような感覚を、女性の45.6%と男性の22.5%は受けているのだと思う。
この仮説は田中氏の調査では検証できない。検証には、対象者にいろいろなタッチのイラストを見せて判定してもらうという方法などが考えられるけど、残念ながら増田には調査設計から実施、検証までやる余裕もスキルもない。興味のある誰か偉いひと頼んだ。
では、女性の43.9%、男性の68.2%はなぜ「萌え絵」に男のエロ目線を感じないのか?男の性欲が自分に与える効果のクリティカルさが大きいと思うし、クリエイターの反応が考察の参考にはなるけど、ひとまずおいておく。
なぜ女性は年齢が上がると、子供がいなくてもたわわ広告に批判的になり、男性は年齢が意見にそれほど影響しないのか?
これも増田の仮説に過ぎないのだけど、
女子高生の表象が、男性にとっては「性的なアイコン」であり、女性にとっては、子供だった頃の「かつての自分」だからではないかな。
田中氏の記事では統計的に有意ではない数字とされていたけど、中高生の娘がいると、全体で2.0%、女性のみでは-1.3%批判的に傾くことから、男性は中高生の娘がいる場合、広告にかなり批判的になるように見える。
おそらく女性は、自分に子供がいなくても、かつては自らも女子高生であったため、女子高生が10代の若い人間、子供に見えている。歳を取り、年齢が離れるほどますます女子高生が幼く見える。
男性は、自分に年頃の娘がいて初めて、女子高生が「性的なアイコン」ではなく、人間、子供に見え出す人が多いのかもしれない。
たわわ広告へのネットの反応を見ていたら、子供(未成年)に性的な視線を向けることを社会として許容しないでほしいという声が多く上がっていた。
増田も、新入社員や新入生がこの広告を見て、女子高生に向けられる性的な視線、男のエロ目線を感じ取り、いやな思いをしてほしくない、不安や怯えを味わってほしくない、と思ったのを、この増田を書いていて再認識した。
当の新入社員や新入生自身は、特に気にしていないのかもしれないけどね。
ただそれは田中氏の記事では分からないんだ。図2・図3には年齢別の詳細がないので、「広告として不適切とまでは言わないが、不快だ、いやらしいと思う」と感じる20代女性がどれだけいたかは、生データを見ないとなんとも言えない。
1.男性目線のいやらしさを感じる
4.はっきり言って不快
6.女の子が可愛くて素敵
については、1.思う、2.思う(日経新聞等、一般紙の広告として)、3.思う、4.思わない、5.思わない、6.思う(絵柄は好みの方)、7.「表現の自由」が出てくる意味がわからないので、どちらとも言えない。
たわわがヤンマガに連載されるのも、広告が日刊ゲンダイや週刊現代に載るのも、一般の書店で高校生が買えるのも、問題ないと考える。
月曜日のたわわというマンガ。ストーリーへの感想はともかく、性加害描写がないと評価する言説があった。いや、あるだろ。そこ否定してどうする。女から男への痴漢、同性間のセクハラと、かなり暴力的だと思った。
SYNODOS掲載の、田中辰雄氏による日経たわわ広告に対する調査の記事は、女性の反応しか見ず、男性の反応を無視してデータを解釈したことで、少し的を外した結論になっていると思う。
増田としては、
男性は(女子高生の表象を性的アイコンと捉えており、)「萌え絵」、つまり男のエロ目線を含んだ漫画・アニメ調の絵に慣れているため、違和感が少なく、「萌え絵」広告に容認的である。
女性は(女子高生の表象を「かつての自分」と捉えており、)男性ほど「萌え絵」に触れる機会が少ないため、違和感が強く、男性より批判的になる傾向がある。また、年齢が上がり、女子高生と年齢差が大きくなるほど批判的になる。
時間の経過とともに容認する人が増えるかはなんとも言えない。男性目線のいやらしさを含む「萌え絵」がより一般的になる(日常風景に溢れ、女性向けの作品にも肉体の強調表現が増える)場合は、男女とも慣れるので、現在よりは容認的になる。ただし、現在の若年層女性が将来、未成年を描く「萌え絵」に批判的になる可能性はある。と読むかな。
もちろん、追加の調査等で、田中氏の仮説と予想「若年層は漫画やアニメ調の絵に慣れているため萌え絵広告に容認的である。時間の経過とともに容認する人がしだいに増えていく」が正しかったと分かるかもしれない。田中氏は調査の生データを持っているので、記事には表れていない情報をもとにこう分析している可能性はある。
とにかく、これだけ面白い調査内容を無料で公開してくれたことを田中氏に感謝したい。萌え絵広告とその反応を考える上でとても貴重な記事だと思う。
日経は謝罪すべきか?というと、個人的には全く思わない。出してもどうせご不快メソッドだろ。
たわわと絡めず、「日経新聞社は未成年を性的に扱うことを認めない」というメッセージを何らかの形で出してもいいとは思う。社会の公器だかオピニオンリーダーを気取るなら、それくらいはね。