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はてなキーワード: 煙草とは

2022-11-04

anond:20221104010751

そんなこと言ってないんだけど。脳内補完でしょそれ。

調べないならもういいよ、俺は太ってる人には関知しない。

煙草は消えろ。

anond:20221104003849

いや、先に「太ってる人は医療費自己負担率一律500%にしても足りない」って主張したのは元増田なんだから元増田自分で調べなよ

俺に対して主張すんなら調べろって話だけど、調べないなら俺は太ってる人については関知しないよ

煙草が嫌なだけ

anond:20221104003145

ありがとう

俺もあの後すぐ調べて同じ記事見つけたわ

まあ煙草は全く要らんわ、なんでどこにでも普通に売ってんのか全く分からん(いや分かるけど)

anond:20221104002437

喫煙喫煙とNCD(生活習慣病)に詳しい

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/tobacco-summaries/t-03

たばこを原因とする肺の病気COPDって言う

 

デブもがんと糖尿病危険因子

 

行動リスク要因は、煙草・不健康食生活運動不足・過度の飲酒

 

アルコール摂取者も加えるべきですな。あとガリ

anond:20221104001246

太ってる人は知らん

煙草は俺にとってなんの利益ももたらさないのでとりあえずこの世から消えて欲しい

2022-11-03

花丸のまるっと100点人生

くりっとした目で可愛いと評判の吉田花丸の唇から煙草の煙がたゆたう

友達の花丸が喫煙後にゲボみたいな口臭をただよわせるのが好きだ。

私と花丸は幼馴染である

そばにいてくれた、ちっちゃくて顔がいい友人を今も推している。

昔はきりっとした鋼のようなかっこいい意志が好きだった。

今は焦点が合わない目で恨みつらみを吐くようになった。

可哀想可愛いところが好きだ。

ちいさくて可哀想なやつ、ちいかである

今は花丸ではなく、ちいかわが好きだ。

花丸と私が子どもの頃、ちいかわはできがいい奴だった。

成績もよく運動神経もすぐれた花丸は芸術でも勉強でもスポーツでも賞状をもらっていた。

出来がいいくせに愛想が良くない花丸は同級生からまれいじめられていた。

可哀想なちいかわ…!

花丸の束になった賞状の束を持ち帰る手伝いをしていた。

 「ママからたかだか数十枚の賞状をもらっただけで生きている価値がお前にあると思うなって言われてね。」

 「怒鳴り声でキンキン響く頭で暖炉でメラメ賞状を燃やすの。」

 「賞状金色ギラギラしながら消えると、気持ちがいい」

他の人には自分の話をしないちいかわが私だけに語ってくれて嬉しかった。私だけのちいかわ。

うわさで花丸の両親が厳しいことを知った。

花丸がリストカットを始めた頃だった。

なんでもできるくせに、なんでも知ってるくせに、自分のことだけ話せない。つらいよって、それだけ言えばいいのにね。

馬鹿なちいかわ。

食べ物好き嫌いがないちいかわ。

全部おいしいんだって野菜も肉もスープも水も。

ぜ〜んぶきらいと一緒じゃん。気持ち悪い。

みぢめなやつ。

才能の頭の良さも運動神経適応力もゴミ箱に捨てて、ファミレスアルバイトをするちいかわ。

店長の家に入り浸っているんだってSNSで書いてあったよちいかわ。

男に依存しないと生きていけないの?ちいかわ。

花丸にとって未来を奪った虐待のあかしの暖炉

今は煙草暖炉代わりにして楽しい・明るい心と未来自分で燃やすいかわ。

なんて、みぢめなちいかわ。

みぢめなやつを見ていないと落ち着かない私ももみぢめなやつ。

わたしもちいかわなのかな。

2022-11-01

ちょっと切れた

私は育休中。娘は1歳になったばかり。

 

夫が

冷蔵庫の中と炊事場とトイレはきれいにしていないと貧乏神が来るんだよ」

と言って、食後、食べた皿をそのままにして煙草を吸いに行ったので内心若干切れた。

 

タバコを吸いに行っても、私が皿洗いをしているのをよそに、スマホをいじりながらテレビを見ているので

「そこで寝ているなら、娘を寝かしつけて」と頼んだ。

 

夫が寝室に連れて行くも娘は、ギャン泣き

結局、台所の片付けをして居間を片付けて、娘のオムツを替えて、その後、私が、授乳しながら娘を寝かしつけた。

 

悪いと思ったのか、その後夫は私の腰をもんでくれた。

 

ただ、育休中で家にいるんだからもっと片付けや掃除とかしろよ、って夫は思っているんだろうなーと思う。

私としてはハイハイする1才児の娘がいるので最低限ではあるけど掃除はしているし、洗濯物も片付けているし、食事作って、夫の弁当も用意しているんだから、これで勘弁してくれって感じ。

 

夫も夕食後の食器の片付けや皿洗いはいつも一緒にしてくれるので、しなかったときは疲れているんだろうなあ、と、そのときは私一人で皿洗いするんだけど。

ゴミ捨てもしてくれるし、洗剤の補充とかこまめにしてくれる夫なので、全く家事をしない夫ではないんだけど。

 

それでも、たまに、こういうチクッとした物言いでカチンときちゃう

2022-10-31

anond:20221031031014

別に増田はしなくていいんだぜ

煙草より精神に悪そうだけどなw

2022-10-29

仮面ライダーBLACKSUNを観た。

まだ2話までしか見てないけど。

ブラックシャドームーン、二人とも子供時代に改造されたことになってるのか……かわいそうに。

シャドームーン幼少時代の子の二重あごのぽっちゃりぶりがかわいい(気の毒なシーンなのにそんなどうでもいい所に着目しててごめんね)

ルー大柴を久しぶりに見たが、ルー大柴だってエンディング見るまで気づかなかった。

スズメの怪人が二人揃っているととても可愛いなって思った。

ゴルゴム党」っていう字面がなんか面白くて噴いた。

日本のグレタちゃんみたいなあからさまなキャラってどうなの。ちなみに仮面ライダーとは関係ない話だが、自分プロパガンダのために子供を矢面に立たしてワッショイすること自体を好かない(のでグレタちゃんのことも支持してない)

日本のグレタちゃんスズメ男子の住んでる界隈って実際にある街なの? それともセット? なんか『攻殻機動隊』の九龍城っぽい背景を思い出すけど、今となってはそういうネタは使い古されてしまい、駄々漏れ意識の高さと相まって若干痛々しい感じがするのだが……。

シャドームーンの人が鎖で繋がれてる場面を見て、私の脳内ハンジ・ゾエさん(CV朴璐美さん)が「エェェェルrrrrェェェェェン!!」って叫んだ。なにこのエレンみ。

日本のグレタちゃん意識の高さがしんどい。この黒歴史最中を歩いている感じ。

ホームレスっぽい人の借金踏み倒しに怒った光太郎さんがホームレスっぽい人に容赦ない暴行を加えて金をもぎ取るシーン、意識高ぇーと思った。お札のシワシワさ加減が特に

ドヤ街っぽい所にある懐かしの煙草屋のような窓口の所でスパイ映画よろしく闇の仕事斡旋が行われているところが、実に意識高い。そこのおばさんを演じてる人のしゃべり方が綺麗なのはちょっと気になった。

ホームレスボコす光太郎さんまではギリ受け入れられる感じだったが、金のために意識高い女子中学生日本のグレタちゃん暗殺を容易く請け負う光太郎さんというのは、ちょっと許容範囲を超えちゃったな。

シャドームーン幽閉された場所の看守のような人が栄養ゼリーの残りをチューチューするというアクションを敢えて入れるところが意識高くてよかった。

力に目覚めて手枷を引きちぎり自由になったシャドームーンがふと上を見上げると、そこにはコンクリートによって四角く切り取られた青空があったのが意識高かった。ていうか屋根なかったんかい

長らく幽閉されて見た目が仙人尊師みたいになってしまった男が、汚い洗面台の前で身繕いを行い、実は案外年若い男好きのするタイプイケメンであったことが判明するという過程を丁寧に描写するのが意識高い。特に塗りたくったシェービングクリームは水で流さずにグイッと手で拭うだけ、肌荒れなどに負けない俺様意識高さたるや、気高くてよい。

ところでこの手の男好きのする顔面の男をイケメンと思ったことが私はあまりなかったのだが、最近は歳のせいでどうでもよ、もとい、許容範、もとい、守備範囲が広がったのかああイケメンですなと思えるようになった。いい傾向だ、たぶん。

埃の溜まった床から拾い上げた小さな四角い箱が懐かしのオレンジガムの箱でそこから回想シーン入るのが意識高い。

どう見ても猥褻画以外の何物でもない落書きを、猥褻アートか女に判定させてアートだと言わせるのが意識高い。

70年代って私はよく知らないので、この時代の男の服装を見ると「木刀の竜だ!」って感想しか出てこない自分の見識の無さを反省したりなど。

反怪人の団体があからさま在○会でふふっとなった。そんな集団日本のグレタちゃんを立ち向かわせるのが残念な意識の高さ。

仮面ライダーブラックさんが蜘蛛怪人の内臓を引摺り出し頭をちぎり取るシーンは実に意識が高い!! こんなグロいこと実写では滅多に出来るもんじゃないですな、うん。

そして暗殺するはずがうっかり救出してしまった体になるのが意識高いなと思った。

太郎さんの一切の無駄口の叩かなさがまた意識とても高い。しかし当たり前だがいざ口を開くと名探偵ピカチュウの声が出るというギャップ萌えやよし。

最近俳優さんってあまりそうは見えなくても結構体を鍛えていてすごいなって思う。あのスーツの下にこんな筋肉隠してるなんてすごいぜシロさん。急に『きのう何食べた』の話になっちゃってごめんやでー。

西島さんを見るとカッコいいと思う前に内村光良に似ている気がしてしまう。

口だけ威勢がいい感じの日本のグレタちゃんが意外と応急処置力と生活力を持っている設定なのが意識高い。別に大したものは作れませんけどーって感じで黄身がレアレアレア目玉焼きを作る器用さが非常に意識高い。

朝ごはん中に揉めてせっかくのご飯無駄になるところが意識高い。

完全に絆されて日本のグレタちゃんをご両親との待ち合わせ場所まで連れていってあげる光太郎さん……ただのドクズじゃなくてよかった……というところが意識高い。

お花の怪人がいかにも頭がパーな感じで、難しいミッションを受けて成功させたらゴルゴムの女幹部ポジションが欲しいって言ったら、女幹部キャットファイトを始めるかと思えば始めず、むしろ「いいよ」って若干百合ほのめかすところが意識高い。

スズメ男子スズメ化した頭がお花怪人のハイヒールで踏みしだかれて凹み、目玉が半ば飛び出しているところが非常に意識高い。こんな残酷表現意識がとても高くないと成し得ませんよね!

スズメ男子、けっこう気に入ってるキャラだけど復活しない方が個人的にはよかったな。

お花怪人の腹をシャドームーンが咬み千切ってしまうシーンは意識が高かった。傷口から内臓の出ているところを実写のしかも仮面ライダーでするなんて、意識が高くないと出来ない所業だ!


あー、なんか書き疲れちゃったな。もっと沢山意識高いなと思うシーンはあったんだけど。なんかいつまで経ってもルー大柴が「藪からスティックに」って言ってくれないし、もう眠くなって来ちゃったから私は寝るね、お休み~。

あ、ついでにYouTube期間限定公開されている『仮面ライダーBLACK』も観たんだけど、光太郎が改造されるシーンは観る人にある種の癖(ヘキ)を植え付けるやつだね……私は幼稚園時代に癖、植え付けられ済みだよ……。

2022-10-23

偽装無能おっさん管理職の夢を見ない

昇進して管理職になって会社のためにバリバリ働くぞい!なんて思考は欠片もなく、ただただ金が欲しい!という一心だけで昇進試験を受けた。

正直、全く勉強する気が起きなかったので結果は散々。これで受かってたら試験結果なんて一切考慮されてないと自信を持って言える。

勉強する気が起きなかったのは所詮言い訳に過ぎないが、真面目に考えたら自分のような無能管理職として働けるイメージが全く沸かなかった。

管理職として必要能力というのは要するに、金を自ら稼ぐための方法戦略を立てそれを自らと部下で実践していく強力なエネルギーを使う能力小手先技術知識はあれば良い程度の物でしかない。

他人と関わるとHPが減っていく偽装無能陰キャにそんな大それたことができるイメージが全く描けなかった。ただでさえ自分自己アピールや"偉い人が好む経営戦略的なポンチ絵"が苦手だ(普通プレゼン技術的なポンチ絵は描ける)。管理職仕事ぶりを見てると、"大きな目標としてのお絵かき"能力はかなり重要であるように見える。いわゆるJTC特有のものかも知れないが。

やっぱ考えれば考えるほど、管理職に求められる能力が決定的に欠けているんだな。

でもやっぱり金は欲しい。残業代が無くなることで一時的に減ることになるだろうが、どれ程の無能でも管理職でさえあれば退職金が増えるのは間違いない(はず)。

(もし部長以上に出世しようとするなら酒と煙草ゴルフ必須らしいので、何れもやらない自分はどんなに頑張っても下っ端から上がれないだろう)

何せ確定拠出年金拠出からして倍以上違うんだからどう考えても有利だ。とうに後輩達は管理職となって早数年、既に部下もいて成績を上げているし正直羨ましい。

管理職以外の昇進コースがあればいいんだがそんな都合の良いものは無い。技術品質だのを掲げていても給与には反映されない。

働かずに老後の金が欲しいです。

鬼滅の刃嗅覚人間の本性その他の話(1)

 世間流行の移り変わりとは無関係に、私は度々『鬼滅の刃』の原作単行本を読み返しているのだが、またも同作を読んでいる。

 ここ最近の読み返す切っ掛けの一つとなったのは、例によって金関丈夫の『木馬と石牛』である。何度目だ。

 ひとまず最初に紹介しておく金関丈夫論文は「わきくさ物語」と題する一篇である

 これは、腋臭(わきが、えきしゅう)や体臭肯定的に捉えるか否定的に捉えるか、その相違について、人類学的な統計データに基づいて西欧人と東アジア人の腋臭体質の多寡(出現頻度)を比較するとともに、東西文学作品や文献に於ける腋臭体臭に関する記述比較したという内容である。今さら気づいたが、論文題名は『若草物語』のパロディである

 金関丈夫の論旨を大雑把にまとめて紹介すれば、次のようなものである。「人類学的に見て、西欧人の集団では腋臭体質の人の出現頻度が高く、日本中国などの東アジア人の集団では出現頻度が低い。それに呼応するかのように西欧では、身体臭い肯定的に捉えて讃美する詩や文学作品が見出される。それとは対照的日本中国では、身体臭いを讃美する文学作品記述は見られない。ひどい体臭の人が周囲から疎んじられるといった、否定的記述内容は見出される。日本文学においては、田山花袋の『蒲団』など西洋文学の影響を受けた近代の少数例を除けば、体臭文学存在しなかったのではないか」云々。これも今さら気づいたが『大衆文学』の駄洒落である

 それはともかく、かのナポレオン愛人に宛てて「近々戦場から戻るから風呂に入らずに待っているように」と手紙を書いたという有名な挿話を知っていると、金関丈夫の主張にも頷けるところがある。

 しかし、体臭文学に関して言えば、確かに金関丈夫の言うとおり国文学の中では劣勢なのかもしれないが、嗅覚のものは、時代の変遷や題材の違いによる差異はあれども、国文学においても大なり小なり着目したり描かれたりしてきたのではないかと思う。源氏香(※)のような遊びが生まれたぐらいなのだから香り匂いを味わうことの悦びを昔の日本人も持ち合わせていなかったわけではないだろう。それにまた、腋臭のような刺激的な匂いに対する肯定的記述が見られないからといって、体臭のものに対する愛好癖が日本人の間に存在しなかったとまでは断言できまい。好ましくない体臭に対する認識があったのならば、好ましい体臭に対する認識があってもおかしくはない。したがって、いま少し詳細な再検討必要ではなかろうかと思われる。[※注:源氏香は、室町末期以降の遊びであるが、源氏物語各巻の見出し源氏香の記号が付記されるようになったのは明治以後のことらしい。また、その記号は、組合数学テキストで例として挙げられることもある。]

 とまあ、こういった具合に「わきくさ物語」を読み直したことが切っ掛けで、嗅覚について色々と思いを巡らせていたところ、竈門炭治郎のことも連想して『鬼滅の刃』を再読し始めたという次第である

 ところで、上に述べたとおり、私は金関丈夫の主張に対しては批判的な考えを抱いているわけだが、そのような批判的思考は私の独創ではない。以前に読んだ本の記憶から「はて、国文学でも、それなりに嗅覚重要視されていたはずではなかったか?」と思ったので、金関説にも疑問を抱いただけなのである

 さらに、その時に本で読んだ内容には『鬼滅の刃』を妙に連想させる記述も含まれていたと記憶していた。そこで本棚を漁ってみたところ、それらしきものを再発見した。次に、それを紹介しようと思う。

 『鬼滅の刃』の主人公たちである竈門炭治郎、我妻善逸、嘴平伊之助の三人が持つ優れた感覚は、それぞれ、炭治郎=嗅覚、善逸=聴覚、伊之助=肌感覚(触覚)である。炭治郎や善逸は、相手人間か鬼か、人間であれば善人か否かを、これらの感覚によって看破できることは、漫画を読んだりアニメを観たりした人ならばよくご存知のことと思う。

 この三感覚と同じ取り合わせを、私が目にしたのは、小松和彦の著書『神々の精神史』(講談社学術文庫)に収録されている「屍愛譚(しあいたん)をめぐって 伊弉諾(いざなぎ)・伊弉冉(いざなみ)二神の冥界譚を中心に」と題する論文の中であった。

 まず、私が『鬼滅の刃』を連想させるもの記憶していた箇所を、少し長くなるが同論文から引用しておこう。

 「男と女の愛の語らいは、昔から夜中に行なうのが一般的であった。言い換えれば、愛とは、第一次的に視覚依存するものではなく、香り(嗅覚)や声・物音(聴覚)あるいは肌触り(触覚)のなかからかに創り出されるイメージの、想像力による夢幻世界における営みであった。そして、日本女性美の一つは、この視覚的な隔離から発生しているともいえよう。『堤中納言物語』の「虫愛づる姫君」のなかに「鬼と女とは人に見えぬぞよき」とあるが、この言葉が苦しまぎれに吐かれた言葉にせよ、実に見事に女の美のあり方を、愛のあり方を示唆している。」

 奇しくも、小松論文の中で三つの感覚が挙げられる順序は『鬼滅の刃』の物語主人公たちが登場する順序と一致している。果たして吾峠呼世晴は、小松和彦論文著作を読んでいたのかどうか。真実は分からないが、そういった想像をしてみるのは楽しいことである

 さて、小松和彦論文は、国文学などにおいて見られる、妻・夫・愛人などに先立たれた人が、パートナーの亡骸を屍姦したり冥界を訪れるという物語記述について論じたものである。その中でも題名のとおり特に、亡くなった妻のイザナミ恋しさに黄泉の国を訪れたイザナギ物語、そこで語られる覗き見の禁忌、その侵犯について考察している。

 死して黄泉の国の住人となってしまったイザナミは、自分を現世に連れ戻すために訪れた夫イザナギに対して「それでは、現世に戻れるのかどうか、殿内に入って黄泉の神と協議します。私を待つ間、決して中を覗かないようにして下さい」と言い残して黄泉殿内に籠もる。しかし、妻と黄泉国神との協議が終わるのを待てなかったイザナギ禁忌を犯し、黄泉の国におけるイザナミの変わり果てた姿(肉体が腐敗して蛇に集られている有り様)を覗き見てしまったがために、彼女は現世に戻ることが不可能となり、二人は別れざるを得なくなる。

 この禁忌を犯す場面において、イザナギは彼の御髻(みみずら)に挿していた湯津爪櫛(ゆつつまぐし)を抜いて、それに火を灯してから黄泉の国の殿内を覗き見るという筋書きになっている。この灯火を焚く必要があったということは、つまり黄泉の国でイザナギイザナミが語り合ったのは、闇の中であったことを示している(そうでなければ、黄泉の国で最初に再会した時点で、イザナミの肉体的変貌にイザナギは気づいていたはずである)。ここには、現世でも黄泉の国でも何ら変わることのない「男女の愛の営みや語らい(ピロウトーク)は暗闇の中でこそ行われる」という形式がある。

 小松和彦論文でも指摘されていることであるが、日本イザナギイザナミの冥界譚やその他の屍姦譚・屍愛譚には、中国大陸の物語から影響を受けた節が窺える。小松論文でも紹介されているが中国東晋時代書物『搜神記』における屍姦譚の一例として、次のような話がある。

 美しい女性結婚した男が、妻から「私は普通人間ではないので、結婚してから三年経過するまでは、夜、明かりで私の姿を照らさないで下さい」と言い渡され、それを守りながら夫婦生活を送り、二人は子まで設けた。しかし、どうしても夫は我慢が出来ず、ある夜、明かりで照らして妻の姿を見てしまった。彼が目にした妻の姿は、腰から上が普通人間女性で、腰から下は干からびた白骨というものであった。妻は「私は死者であるが、あなたが、あと一年だけ我慢して私の今の姿を見ないでいてくれたならば、完全に蘇生することが出来たのに。しかし、あなたが禁を破ったがために、最早それは叶わなくなった」と言い残し、形見として袍(うわぎ)の端布と二人の間に生まれた子を残して、男の元を去ってしまった。その端布を持って嘆き暮す男のことは、スイ陽王(スイは目偏にオオトリ旁)の知るところになり、袍の端布が王の若くして亡くなった娘姫のものと同じであったこから、娘姫の葬られた墓を暴いたとの嫌疑で男は取り調べられることになった。男が語った事の経緯を信じられない王と家来が、娘姫の墓を検分したところ、墓暴きに遭った形跡も認められず、念のために墓内に入って棺も確かめると、袍の裾が棺の蓋の隙間からはみ出ていた。それを見て「さては、本当に墓を抜け出して夫婦生活を送っていたのか」と、王も家来も信じるようになったとの由。この生者の夫と幽霊の妻も、彼らの愛の営みを、妻の申し渡した禁忌を犯さないように、明かりの無い暗闇で行なっていたことは確実である

 イザナギイザナミ冥界譚と『搜神記』における人間・死者婚姻譚との間に共通するのは、妻の本当の姿を見ることの禁忌、それを夫が犯したために妻の蘇生が叶わないという点である

 特に前者の覗き見の禁忌について、小松和彦考察し、その本質は「女性が『ありのままの姿』を公に晒すのは好ましくないという、昔日の社会における男女観・価値観倫理観の反映」であり「女性の本性を覗き見ることについての禁忌」だったのではないか推理している。それを裏付けるかのように、生者であるパートナーに対して自分の本当の姿を見ないように要求する死者の話は、圧倒的に女性要求する側であることが多いのである。また、禁忌を犯した夫イザナギに対するイザナミの怒りの言葉は「吾に辱(はぢ)見せつ」(私に恥を晒させた!)というものであるさらに、類似物語として、豊玉姫(トヨタマヒメ)が出産の時、産屋に籠もり、それを彦火火出見尊(ヒコホホデミノミコト)が覗き見ると、豊玉姫の正体はワニ(サメ)の姿であったという話もまた、女性の本性を見る禁忌の事例として挙げられる。

 死者にしろ生者にしろ、隠れている女性の姿を覗き見る男の性向というのは、時代を下っても変わらない。例えば『伊勢物語』の「むかしおとこうゐかうふりして」という出だしで有名な最初の一篇でも、田舎には不釣り合いな雅やかな女性が里に暮らしていることを知った主人公(在原業平)は、垣根の破れた所から彼女たちの姿を覗き見る。ずっと時代を下った現代においても、男性向けアダルトコンテンツは、視覚表現重要性を持つことは周知の事実である。このように、イザナギ在原業平の昔から変わることなく、男性は「視覚的な欲求」を満たすことを強く好むと言って間違いない。

 ところで、この「屍愛譚―」論文を再読し、期せずして気づいたのであるが、論文の著者である小松和彦の行なう考察もまた(覗き見の禁忌を論じて考察する必要から、当然のことではあるとはいえ)、やはり「視覚範疇」に留まっている。これもまた、視覚を重視する男の性向の顕れと言えるかもしれない。しかも、上に引用した箇所で「夜の闇の中での男女の愛の営みや語らいにおいては、嗅覚聴覚・触覚が重要である」といったことを述べているのにも関わらず、同論文は、それらの三感覚重要な働きを示している国文学上の具体例を、特に挙げてはいないのである。あるいは、国文学に詳しい人たちからすれば周知の事実なので、態々挙げる必要がないとして言わなかっただけのことなのだろうか?

 とりあえず、男女の機微の話は後回しにして、ひとまず、妖怪識別する手段としてのこれら三つの感覚について、話を進めることにする。

 聴覚妖怪識別に用いる事例は、比較的容易に見出される。例えば、誰そ彼(たそかれ)時・彼は誰(かはたれ)時・夜のように、人間なのか物の怪なのかを視覚的に区別をつけ難い時、相手妖怪が発する声によって正体を見抜くという事例は幾つも見つけられる。カワウソなどの物の怪は、人間から「誰じゃ?」と問いかけられると「俺じゃ」と言えず「おねじゃ」とか「かわい」などとしか言えないので、正体を見破られてしまうという。これは、言霊の力とも解釈できるが、音声(聴覚)による正体識別の事例と考えても許されるであろう。また、仮に人間の方が話し掛けたり問い掛けたりしなくても、妖怪の方から自発的に何らかの独特な声や音を発してくる(アズキアライ・テングダオシのような怪音、ヤロカ水の怪しい呼び掛け声など)ので、それを聞けば正体が分かるという例もある。これらも聴覚による妖怪識別に含めてよさそうである

 触覚の方はどうだろうか? 例えば、厠(便所)で河童などの物の怪に人間が尻を触られるという怪異の話は数多い。そして、それらの怪異譚は「毛むくじゃらの手である」といったような、通常の人間とは何かしら異なる手触り・肌触りの特徴を持つことを窺わせる描写が伴うことが多いように思える。厠が家屋の中では暗い場所に分類されることを併せて考えれば、これも視覚には頼り難い状況下で、触覚により妖怪識別する事例と考えることが可能ではないだろうか。他には、猟のために山に分け入った猟師が、夜になり「これでは鼻を摘まれても分からないな」と独り言を呟いたところ、突然「これでもか?」と何者かの手に鼻を捻られたという怪異譚もある(参考:千葉幹夫『全国妖怪事典静岡県の部)が、これは残念ながら手触りについて伝えていない。しかし、このように暗い場所時間帯において、物の怪に身体の一部を触られるという怪異譚は、枚挙に暇がない。これらも触覚によって人か物の怪かを判断するという事例に含められないか否か、再検討してみるべきかもしれない。

 問題は、嗅覚により妖怪識別する話や本性を看破する話なのだが、残念ながら今のところ、これといった事例を見つけられずにいる。逆に、妖怪嗅覚の方を利用し、何らかの臭いを発するもの人間が用意することで魔除けにするという事例ならば、比較的容易に幾つも見出だせるのであるが。例えば、焼いた鰯の頭を魔除けとする例は有名である。また、今でこそカカシといえば田圃に立つ人形のことであるが、日本神話でオオクニヌシスクナビコナと出逢うくだりに記されているように、本来の古い和名はソホド乃至ソフドである。それがカカシと呼ばれるようになったのは、稲を荒らす鳥を追い払うのに、鳥の死骸を焼いたもの竹竿の先に紐で括り下げて掲げるという風習があり「臭いを鳥に嗅がせる」という意味でカガシと呼んでいたものが、鳥避け人形混同されるようになったかである。上に挙げた鰯の頭も、ヤイカガシ・ヤッカガシ(焼き嗅がし)と呼ぶ地方があり、明らかに鳥避けのカガシと同じである。他にも、山中でタヌキやムジナの類いに化かされたことに気づいたならば、煙管(煙草)を一服すれば妖怪は逃げていくとか、小便をすると臭いを嫌がる妖怪を避けられるとか、人間嗅覚ではなく妖怪嗅覚を逆手にとって利用して払う例は多い。

 小松論文では具体例が挙げられていないものの「視覚的に本性を見ることが禁忌とされた状態特に暗闇の中で、何者かと一対一で対峙する状況において、重要役割を果たすのは、嗅覚聴覚・触覚である」という見解は、説得力を感じさせられるものであることは確かである特に、愛の営みに関しては、そうである人間がお互い裸一貫となって同衾する時、見た目の虚飾は、ほぼ通用しなくなるのだから。したがって、これら三感覚重要性が高まることは、必然であるように思われる。

 とはいえ「思われる」ということと、国文学などにおいて実際にどのように捉えられていたのかは、もちろん別問題であるから、これは検証必要があるだろう。あるいは(素人である私に言われるまでもなく)既に専門家の間では検証済みなのかもしれない。国文学中の、特に男女の愛の営みや語らいにおける三感覚が占める役割について、どのように描かれ、語られてきたのか、可能ならば識者の見解を知りたいものである

―――――――――――――――――――――――――――――

 さて、私は上で、男女の機微の話を後回しにして、妖怪の正体を識別する感覚的な手段の話をすると書いた。そこでいよいよ、男女の機微、すなわち異性のパートナーのことを暗闇の中で知る手段としての嗅覚聴覚・触覚の三感覚について論ずる順番がやって来た。といっても、上の文章を読んでもらえば分かるとおり、専門的な知見を私は持たない。そこで、識者の見解とは無関係に、今の私個人が思うところを書くことにする。したがって、これより以下は全くの駄文である

文字数制限のため分割したので、続きは⇒anond:20221023224411

anond:20221022210257

視聴者芸人含め千鳥を「理想芸人像」みたいに見てる人が多いのは

千鳥ロケが評判になって売れたというのが大きいだろうなと思う

もちろん漫才面白い

M-1決勝4回、THE MANZAIで3位・2位・2位って成績もめちゃくちゃ凄いんだけど

全国区で人気が出始めたのはロケ仕事で笑い取りまくって

それの切り抜きとかが出回ったのが一番の理由だと思う

(YouTubeで「千鳥 ロケ」で検索すると数百万再生動画ゴロゴロ出てくる。違法アップロードだけど)

なんでロケの実力が評価されるのかっていうと、俺が思うに

最近視聴者芸能人に「裏表がないこと」を求めてるから

一般人店員と絡むとなるとガチガチ台本みたいなのは疑いづらい

(実際台本かもしれないんだけど、スタジオ収録のバラエティ番組に比べたら難しい)

それに加えて千鳥の2人の一般人に対するボケツッコミがかなり自然であることも重要

思った感想とか思いついたボケをそのまま言う、という姿勢自体評価されてる

長文でたとえツッコミした時の「家で考えてきただろ?」みたいな違和感

東京進出直後にはあったものの今ではかなり消してる

ノブが「クセがすごい」みたいな具体的な説明を省いたツッコミが受けるのも

本当に困った時ってこうなるよな、みたいな感情受け手に与えているか

千鳥の2人はこういう「技術を感じさせない技術」にめちゃくちゃ長けてる

この「裏表がない」ことを最近お笑い用語では「ニン」と言ったりする

まり「客前でも素の自分が出ているか?」「これはこの芸人本来の姿か?」というのを視聴者が気にするようになった

完璧ネタを書いて完璧に演じるだけでは不十分で

芸人同士がプライベートで仲が良いかとか、キャラクターに嘘がないかとかまで評価されるようになっている

千鳥でいうと大悟は酒・煙草・女・ギャンブル好きみたいなあからさまに昭和芸人チックなキャラクターを早い段階からアピールしたおかげで

(それ自体嫌悪感を抱く人もいるのだが)

そのあたりの問題もあっさりクリアした

浮気週刊誌報道されても大してイメージダウンしなかった、というのがその証拠

まとめると、

「思いついたことそのまま言ってそれがバンバン笑いになるってそりゃみんな千鳥に憧れるよな」ってこと

もちろんその根底には下積み経験に裏打ちされたさり気ない技術があるんだけどね

2022-10-03

相棒再放送で初期の平成切り裂きジャック編やってたから見たんだけど、みんなそこらでスパスパ煙草吸ってて驚いた。右京さんまで吸ってた。

昭和じゃないよ。2000年くらいの番組だよ。

今度亀山が復活するけど、煙草吸ってなかったらサロウィンに行ってる間に禁煙成功したことになるんだな笑。

2022-10-02

20歳彼女持ちにも関わらず片思いをして撃沈。

タイトル通りです。最初に言っておきます。僕はクソみたいな人間です。否、クソです。

何事も成し遂げられていないし、ただ飯を食って排泄をしているのと何ら変わらないゴミ人間です。

そんな僕なんで、誰も話せそうな友人は当たり前のようにいません。いないのでここに殴り書きます

彼女とは付き合って約1年半になります最初ジェットコースターの到達点ぐらい好きだったんですが、ぐんぐんと下っていって今は好きかどうかも分からなくなっています。今は多分、惰性で付き合ってます

それは僕にもお相手さんにも原因があるなと思うのですが割愛させて下さい。

僕は大学生なのですが、最近対面授業が本格的に始まり彼女とは諸事情で一緒に受けていないです。代わりと言ってはなんですが一緒に授業を受けている女の子がいます。まあ単刀直入に言えばその子が好きだった訳なんですけども。

自身こんな状態でその子を好きなのも可笑しいと思うし、何よりも現時点で付き合っている彼女申し訳ないと感じていますしかし、好きになってしまったらバカかい出来事が無い限りその気持ちを終わりに出来なくて。恋心はゴミ人間を更に奈落へ加速させていきました。

の子はある男性片想いをしていて、僕がよくその話を聞く立場にいました。正直、地獄みたいな立ち位置ですがその子と関わる事が出来ていたらまあ良かったんです。顔がこちらに向いているだけで幸せでした。

話を聞いていくうちに毎回その子男性に対しての感情が高まっていくのが分かりました。僕は嫌われたくも無いし、臆病な人間なので好きだとは伝えられませんでした。段々と日にちが経つにつれて、向こうの男性もその子の事が好きだという事が分かったみたいでとても嬉しそうに報告して来ました。告白はされていないものの結ばれるだろう事は明白になり、胸が痛くなりました。そして最近の子告白されたらしいです。またそれを嬉しそうな表情で伝えて来れられるので僕の中は色々な感情がごちゃごちゃにかき混ぜられて図画工作終わりの筆洗の様になってます。そのまま排水溝にでも流せたらいいんですけど。

チャンス的なタイミングは僕にもあったはずなんですけど、色んな物が足枷となり、1歩踏み出さないで傍観しているだけでした。20年間生きてきてずっとこんな調子なので慣れました。

「俺って、しょーもな」って。

今はそんな感じでこのブログというか心情を夜勤バイト最中に書いています。何かで心を埋めたくて彼女LINEを即レスしたり、煙草は少し怖さがあるのでモバイルシーシャで煙を出している自分をカッコつけてます

誰が見てくれるかは分かりませんが、何も成し遂げていないクソみたいな若者戯言でした。

2022-10-01

anond:20220930213101

(最下部にブコメ返しあり)

この増田はいつ頃、どういう入り方で、陸海空どの自衛隊のどの隊にいたのだろうか?

なんでみんなそれすら確認せずにこの情報を信じることができるのか?現場経験してないからなのか?

まずそれくらいの情報はないと真偽の判断ができない。

俺も自衛官だった時期がある。身バレしない程度に、俺が経験したことを具体的に書く。ちなみにめちゃくちゃ長いです。

俺は2007年8月2010年3月まで、任期制隊員として陸自関東方面隊にいた。任期制隊員についてはググって。まだこの制度あるのかな。

今はどうか知らないけど、当時は入隊してから半年教育は前期3ヶ月と後期3ヶ月に分かれていた。

前期は武山駐屯地自衛隊法とか小銃の組立解体とかの座学と、徒手空拳とか5段階ある匍匐前進の仕方とか寝撃ち膝撃ちみたいな小銃の撃ち方とかの実技演習と、定期的に実施される体力テストのための体力づくりが中心だった。

俺はちょっとした事情で、教育中はなかなか野外訓練についていけなくて悔しい思いをした。

前期の教育中、同じ班の人が「24時間拘束されてこの給料じゃ国の最低賃金下回るじゃん」みたいなことを若い奴らに喧伝して支持を集めてたけど、少なくとも教育中は長時間拘束されるなんて入隊前から分かりきってるんだからそもそも入隊しなきゃ良かっただろ、士気下げるだけだからさっさと辞めちまえばいいのに、と言う人たちもいた。

印象的だったのは、教育隊の隊長2尉だったかな?20代後半のなよなよした人で、それに対して10の班を纏める40代くらいの2曹ミッシェルガンエレファントドラマーシュワちゃんばりにおもくそ屈強にしたみたいな、子供時代想像できないタイプいかにも鬼軍曹な人で、まあその人も話してみると意外と優しかったんだけど、最初から幹部で入ってるっぽい人と現場叩き上げでこうも違うのかと思ったな。

あとは、軍事オタクよりアニオタの方が多かったとか、選ばれし者だけが習志野の空挺に行くことを許されるとか、同期に柔道全国6位とか特殊な人がまれにいたりとか、入隊前の書類実家信仰する宗教を記入する欄があったとか、ある日全隊員が会議室に集められて特定生命保険への加入を(隊友会のめちゃくちゃ安いやつじゃなかったと思う)半強制的に勧められたとか、東富士での三日三晩の訓練の後に叩き起こされてみんな絶望的な顔をしながらとある部屋に集められて「次の任務を言い渡す。これを飲め」と配られたのがキンキンに冷えたコーラ任期制未成年いるからね)でめっちゃ安心して涙が出るほど美味かったとか、普段全く笑わなくて班員のやらかしが発覚すると班の部屋に潜入しバームクーヘン毛布を全員分グチャグチャにすることで「台風」のあだ名がついた班長休日に部屋へやって来てすわ何かと身構えたらPSP取り出してはにかみ笑いでモンハンやろうぜって言われて一緒に遊んだりとか、まあ色々印象的なことはあった。

後期は普通科施設科需品科とか、隊員たちがそれぞれの職種対応した駐屯地に分かれて、ある程度専門的な教育を受けた。あんまり言うと特定されそうだから詳しくは書けないけど。

後期は大抵5年〜10年ほど自衛隊にいてだらけきった(後述する)人たちが上官になるので、前期に比べると圧倒的にヌルかった。

武山駐屯地教育隊はというと、彼らは教育専門の部隊で、年中そればっかりやってる人たちなんだよね。そのことは後期に入って初めて知った。

ただ、後期は冬だったから野外訓練が死ぬほど寒かった。キツかったのはそれくらい。

教育期間を振り返って思うのは、確かにパワハラ的なことは全くなかったとは言えないんだけど、当時のご時世とか考えると、高校部活の延長みたいなもんだった。むしろ強豪校にいた人にとっては前期もヌルかったんじゃないかな。訓練はどうしても体力のない人に合わせる形になるからね。

それに、少なくとも教育中は、この増田が言ってるようなことは全く無かったな。自衛隊法は学んだけど、「神と虫」なんて言ってるのは聞いたことがない。上は「教官」じゃなくて別の肩書だったし。前期の休日で外出する場合制服着用って言われたけど、彼女待たせてる人は当然外で着替えるし、横須賀中央とかのあたりはその辺を軍服の人が歩いてるのが日常からそんなに忌避感もなかった。

一定の耐性がついてる人は多少制限を与えられても抜け道とか自由をその中に見出してなんとかするし、何か洗脳っぽいことを言われても自分ちゃんと考える。そういう意味では増田教育の時点で抜けたのは正しい判断だったのかもね。まあそもそも、この増田がやってることこそ洗脳な気もするんだけど。

とにかく。話変わって、パワハラみが増したというか、俺にとって地獄だったのはむしろ教育が終わってからの方だった。

教育が終わって、俺は地元にまあまあ近い駐屯地に配属になった。

そこでまず知らされたのは、春以外の入隊員は季節隊員という半ば蔑称に近い形で呼ばれて、「使えない・すぐ辞める」隊員が多いというレッテルを貼られていること。「部隊エース」という言葉文脈によって、本人の与り知らぬところで蔑称になること。新入隊員は慣習的に、部隊長の半長靴磨きという業務時間外の仕事を割り当てられること。訓練での活躍なんかよりも、休憩時のお茶汲み、上長煙草を吸っていたら煙缶を持って来る、ビール瓶のラベルを見えるようにして上手く酌ができる、飲み会で要領よく挨拶回りができる、そういう「空気の読める」隊員が良しとされる風潮があったこと。

んでもって極みつけは、所属大隊隊長が、金正恩もびっくりの「お前屈んで半長靴の紐結べねえだろ」ってくらい不健康そうな出っ腹だったこと。

別にルッキズムなんて持ち合わせちゃいないし、市井の人はいくら太ってても気にしないけど、有事に人を守る自衛官としてそれはあんまりだろ。

いかにも、「俺は権力です」を体現したような身体だった。

俺はこれからこんなやつらの下で働かなきゃいけねえのかと思った。この半年学んだのは何だったんだと思った。

んで、それでも我慢してやってみようとしばらく過ごしてみると、よりその地獄みは鮮明になった。

一年のうち3分の1ほどが、草刈り車両整備・消防点検やらお偉いさんの来訪前などに頻繁に行う寮の清掃・持ち回りの風呂掃除警衛などに費やされる。

さらに、これは駐屯地によると思うけど、俺のいたところは糧食班もあって、食堂で飯作りと配膳を3ヶ月ほどの持ち回りで担当する(対象陸士)。

よって、訓練や体力づくりに精を出すのは一年の半分を満たない。当然毎日定時。通勤1分。

長靴磨きとか迷彩服アイロン掛けとか定時外にやることはあるけど、隊長の半長靴陸士の間で持ち回り、それも一番下の立場の時だけなので、自分の下が来ればそいつらに引き継いでやらなくなる。自分の半長靴イベントがあったとき磨けばいいくらいだし、迷彩服私物って言ってアイロン掛けの要らないタイプを買ったり貰ったりしてたから、やっぱりイベントで官給のやつを使うときしか掛けなかった。

ついでに、たまの訓練で遠征するとなると、7tの荷室で人員輸送されてる最中は密閉された幌の中で何人もがバカスカ煙草を吸いまくる。煙草を吸わない俺にはそれが無茶苦茶辛く、かと言って指摘すればたちまちエース(笑)扱いになる未来が見えていたので、繊維が肌に刺さるほど質の悪いカーキ色の官給毛布で顔を覆って耐えるしかなかった。さすがに今はそんなことはないと思いたいけど。

自衛隊車両運転免許を取りに行くとか、観閲式の準備対応とか、あとはさっきの糧食班とかは、普段部隊から離れてかつ自由時間が大幅に増えるので「おいしい仕事」と呼ばれていた。駐屯地の中にクラブという名の安っぽい飲み屋があって、酒を飲まない俺でも週に2日くらい連れて行かれた。

そんなわけで、大体の人は教育期間とのギャップから怠惰になる。怠惰にさせられてしまう。だから大隊長に限らず太ってる奴らは多い。

こっからは完全に自慢になる。

俺はそんな怠惰環境が嫌でしょうがなくて、体育学校に行きたいと思った。ほぼ帰宅部人生教育期間もほぼビリケツの筋力だったんだけど、幸い持久力だけは人並み以上にあったので、かなり頑張れば3000m(5000mだったかな?)走の資格に手が届きそうだった。

ちなみに、カナヅチだった俺は駐屯地内のプールでシンスプリント治療がてら練習しまくった結果遅い遠泳ならできるようになったけど、立ち泳ぎができなかったのでレンジャーはハナから諦めてた。

とにかく、2年弱走りまくっていたら、3000mの歴代中隊記録を更新して、さら大隊内で一番体力テストの成績が良くなった。2年弱の間に糧食班にいた期間の自由時間とか自衛隊内の教育とかを使っていくつか資格を取った。そんなこんなしてたら件の大隊から表彰状を貰った。この場で破り捨てたらどうなるかなと思った。

もう少しで体育学校に行けるというタイムまでこぎつけたところで、別にやりたいことができた。体育学校に行くのは良いけど、現役を引退した後も自衛隊にいるとまた空気を読むだけの怠惰生活が始まって面倒そうだとも感じたので、2任期目の途中で退官することに決めた。

半年ほど前に申告したにも関わらず、結構直前まで揉めた。まあ任期制隊員なのだからある程度は仕方ないんだけど、なんか中隊長を納得させるためか会社事業計画個人版みたいなものを作らされた記憶がある。1年後にこういうことをして、3年後には海賊王に俺はなりますみたいなやつ。

今はこんなご時世だし多少は改善されてると思いたいな。

えっと、ほんとにめちゃくちゃ長くなった。何が言いたかったんだっけ。

とにかくだ。洗脳って言葉を使うのであれば、教育期間は俺にとって洗脳でもなんでもなかった。当然咄嗟には受け入れられない出来事もたくさんあったけど、それは、「人を守る仕事」という前提と、当時の時世ということで鑑みれば納得できた。

しろ教育が終わってからの方が、耐性のない、考える力のない人は洗脳されやすいと思う。それくらいにあの場所怠惰だ。その「人生楽勝な感じ」に大半の人が流される。騙される。

そんなんじゃ人は守れないからと、一部の「強い」人たちがその人たちなりに必死こいて、あの組織を「人を守れる組織」としてなんとか保っているのが実情なんだと思う。当然この場合の強さってのは権力でも、武力でもない。精神的なタフさと、ひたすらな良心だ。

断っておくけど、「だから俺は強いんだぜ、すげえだろ?」がやりたいんじゃない。俺はむしろ弱い。あの組織怠惰に抗い続けることができなかった。さっきは自慢話にしたけど、その場その場の怠惰に流されたことも何度もあった。

居続けることで結果的に「弱い」人間になる。そんな場所になってしまっているということが、あの組織の悪いところだと俺は思うよ。

大切なのはいつでも、考え続けることだ。

別に自衛隊に限った話じゃない、普遍的な話だ。

2022-10-01 15:20 小変更

2022-10-01 15:34 小変更

2022-10-01 23:17 ブコメ返信追記

学校もそうですが世間の目が届きにくく指導者管理者裁量が大きい場所下の人間への扱いの振れ幅が大きくなり信じられないようなことも起こりますどちらの話も嘘だと断定はできないと思います

信じられないようなことが起こりうるというのはほんとそのとおり。

まあもう身バレしてもいいかなと思ってるから言うけど、当時俺が在籍してた駐屯地で、教育隊の幹部が新入隊員たちに爆薬を食わせる事件があった↓

https://ja.m.wikinews.org/wiki/%E9%99%B8%E4%B8%8A%E8%87%AA%E8%A1%9B%E9%9A%8A%E3%81%AE%E4%BA%8C%E7%AD%89%E9%99%B8%E5%B0%89%E3%81%8C%E6%96%B0%E4%BA%BA%E9%9A%8A%E5%93%A1%E3%81%AB%E7%88%86%E8%96%AC%E3%82%92%E9%A3%9F%E3%81%B9%E3%81%95%E3%81%9B%E3%80%81%E9%9A%8A%E5%93%A1%E3%81%8C%E8%96%AC%E7%89%A9%E4%B8%AD%E6%AF%92%E3%81%AB

俺の言うことを信じろと主張するつもりは毛頭ないんだけど、「神と虫」の件に関しても時期によっては事件扱いになっていておかしくないので、調査のためにもう少し具体的な情報元増田には尋ねたい。

2022-10-02 08:02 ブコメ返信追記

人は自分が都合の良い用に考える。日々、警察不祥事批判しているニッポンリベラルは、なぜか「AED女性に使って良いか問題では、警察100%理性的に行動し、AED使用者逮捕するはずないと信じる人が多い。

人は自分が都合の良い様に考える。そうだね。

考えるとき自分のそういう偏りを常に意識する。

ついでに。

別に情報拡散だとか発言の際に絶対に失敗すんなって言ってるわけじゃなくて、そりゃみんなもっと慎重になるべきじゃねとは思うけど、うっわ失敗したーと感じたら無理に軌道修正しようとせずに素直に認めてアップデートすりゃいいんだよ。

それが考え続けるってことだと俺は思ってる。

ニッポンリベラルという言葉が具体的にどういう思想の人たちのことを指すのかちょっと調べた限りではよく分からんのでここでは触れない。

2022-10-02 08:19 ブコメ返信追記

真偽は判らんけど、増田元増田とでは、一回りくらい世代が違うかな~て印象は持った。

元増田の言ってる経験がたとえば2020のものか、1980年のものかで、その情報を受け取る側の印象はだいぶ違う。

俺の書いた経験だって今の自衛隊には当てはまらいかもしれない。

2022-09-28

https://anond.hatelabo.jp/20220928004848

なりません。

何かまるで「煙草禁止されたら次は酒も禁止される!!」とかい理論だなあ

全然違うものを無理矢理に並べて

次はこっちも規制される!と言い出している。

2022-09-27

anond:20220927075442

元増田意見もっともで

自分にとっての快不快・美醜(好き/嫌い)」と

善悪(良い/悪い)」

はまったく別の価値軸なんだよね

これが矛盾なく一致できるとは限らない

表現規制問題もこれが理由

酒や煙草身体に悪くても好きな人はい

野菜を食わんといかんことは頭でわかってても好きでない人は多い

幼児レイプされる表現が大好きなのはいっさい実行に移さなくても良い趣味と言えなそうだが

フェミ非難されると断固反発する人もいる

からヒトラー君もユダヤ人嫌いって心の中で思うだけなら良かったんだよ

差別いじめ非難されるのも

内面自由まで侵害するべきとは思わないが

人目につくところで公言するのはどうかという話で

2022-09-25

20代煙草吸ってるやつ

全員バカらしいです

2022-09-21

禁煙した理由禁煙が続いた理由

シンプルに吸える場所がなくなったんだよ

もう家と喫煙所しか吸えないと言っても過言じゃないだろ

そうなると常時短時間禁煙してるようなもんで辛い時間のほうが多かった

いっそ禁煙したほうがよほど楽に生きられるんじゃねって試しに禁煙したんだけど、案の定こっちのほうが楽だった

多分ファミレスとか居酒屋煙草が吸えるなら死ぬまで禁煙しなかったと思うわ

2022-09-13

anond:20220913134032

どうでもいいけど「ピル」っていう呼び方ひどくない?

「薬」じゃん

情報量ゼロじゃん

「いつもの」でいつもの煙草を持ってこさせようとするおっさんかよ

2022-09-07

禁煙開始から二ヶ月半

もう煙草吸いたいと思うこと殆どないんだけど

話題のサブスク有料喫煙所ディズニーランド喫煙所は二つとも行ってみたいし、なんなら両方で煙草吸いたいと思った

2022-09-06

anond:20220906172514

子供暴力的性的ものを見せるのは虐待レーティングは守るべし」ってのがアップデートされた現代価値観だろ

昭和子供が酒飲もうが煙草吸おうがエロ漫画読もうが平気だったが今は違う

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