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2018-07-04

https://anond.hatelabo.jp/20180703201819

リフレというかインフレ目標を、「インフレにすることが目標インフレにすれば雇用その他がうまく行くとする政策」、のように間違っている人が非常に多いのだが、どこかにそういう嘘の発信源があったりするのかな。それとも名前が、というかtargetの日本語訳の仕方のせい?

2018-05-30

朝日新聞真人 経済成長永遠なのか 「この200年、むしろ例外

2017年1月4日 [脱成長論][成熟社会][定常社会]

 いつしか経済成長」は私たちにとって当たり前のものになっていた。だが、それは永遠のものなのだろうか。

 アベノミクス大黒柱である日本銀行異次元緩和はお札をどんどん刷って国債買い支えるという、かなり危うい政策である。にもかかわらず世論の支持が高いことが不思議だった。

 思えば「成長よ再び」という威勢のいい掛け声と、「必ず物価は上がって経済は好循環になる」と自信満々の公約に、人々は希望を託したのかもしれない。

 希望をくじいたのはくしくも日銀が放った新たな切り札マイナス金利政策」だった。昨年1月に日銀が打ち出すや世論調査で6割超の人が「評価できない」と答えた。いわばお金を預けたら利息をとられる異常な政策によって、人々がお金を使うようせかす狙いだった。これには、そこまでする必要があるのか、と疑問を抱いた人が多かったのだろう。

 政府国民も高度成長やバブル経済を経て税収や給料が増えることに慣れ、それを前提に制度人生設計してきた。

 だがこの25年間の名目成長率はほぼゼロ。ならばもう一度右肩上がり経済を取り戻そう、と政府財政出動を繰り返してきた結果が世界一借金大国である

 そこで疑問が浮かぶゼロ成長はそれほど「悪」なのか。失われた20年と言われたその間も、私たちの豊かさへの歩みが止まっていたわけではない。

 その間、日本ミシュラン三つ星店は世界最多になったし、宅配便のおかげで遠方の特産生鮮品が手軽に手に入るようになった。温水洗浄便座の急普及でトイレは格段に快適になった。

 若者たちが当たり前に使う1台8万円の最新スマホが、25年前ならいくらの価値があったか想像してほしい。ずっと性能が劣るパソコンは30万円、テレビ20万円、固定電話7万円、カメラ3万円、世界大百科事典は全35巻で20万円超……。控えめに見積もったとしても、軽く80万円を超える。

 スマホに備わるテレビ電話や会話する人工知能機能となると、25年前ならSF映画世界の話だった。

 ただ、この便益の飛躍的な向上は国内総生産GDP)というモノサシで測ったとたんに見えなくなる。80万円超の大型消費が、統計上はスマホの8万円だけに減ることさえあるのだ。

 そこで見えなくなってしまう豊かさの向上を考慮せず、「どんな政策手段を使ってでもとにかくGDPを膨らませよ」というのがアベノミクス思想である

 人間はそうまでして成長を追い求めるべきなのか。

 実は、いまのような経済成長歴史が始まったのは200年前にすぎない。長い人類史のなかでは、ほんの最近だ。GDP統計が初めて作られたのは、さらにずっとあとのこと。1930年代大恐慌、第2次世界大戦がきっかけだった。

GDP、語られぬ限界

 昨年夏、GDP統計をめぐるちょっとした論争があった。所管官庁内閣府日本銀行が「実態より過小評価されているのではないか」と問題提起したのだ。

 きっかけは日銀の若手職員が発表した個人論文。ただ論争には日銀上層部意向も働いていた。アベノミクスの主軸として史上空前の超金融緩和をしながらインフレ目標を実現できず、成長にも結びつかない。現実へのいらだちがあった。

 数字ひとつ財政金融政策を動かし、人々の景況感にも影響するGDP。その歴史は、長い人類史のなかでは意外と短い。

 世界で初めて国の経済全体の大きさを測ろうとしたのは英国。17世紀の英蘭戦争のためにどれくらい戦費が調達できるか知ろうとしたのだ。そこから現在のようなGDPになったのは、さらにあと。1930年代英国米国大恐慌対策を探り、第2次世界大戦に向けた生産力の分析を進めるためだった。(『GDPダイアン・コイル

 一般的には1760年代英国産業革命が成長の起点とされる。だが西暦1年~2000年代世界の成長を人口歴史資料から推定した経済学者アンガス・マディソンによると、1人当たりGDPがはっきり伸び始めた起点は60年ほど後の1820年ごろだった。

 その理由投資理論家で歴史研究家のウィリアムバーンスタインが『「豊かさ」の誕生』で分析している。1820年ごろになると、ようやく私有財産制度資本市場が整い、迅速で効率的通信輸送手段が発達。技術進歩や新しいアイデア評価する文化制度ができて、成長を後押しする基盤が整ったという。

■もとは冷戦期の産物

 社会思想家の佐伯啓思京都大名教授によると、国家が成長を必要としたのはもともと冷戦期に資本主義陣営が社会主義陣営に勝つためだった。「それだけのことにすぎない。なぜ成長が必要なのかという根源的な問いに、経済理論には実は答えがないのです」

 冷戦が終わったあとも成長への渇望だけが残った。むしろ成長の限界弊害について、以前より語られなくなったのかもしれない。

 1970年代初頭、世界科学者経済学者たちが集まる民間組織ローマクラブがまとめた報告書成長の限界』は、経済成長謳歌(おうか)する人類への警告だった。人口が増え、先進国経済が膨張しすぎると、資源の使いすぎや環境悪化などからいずれ限界が生じる、という問題提起だった。

 いつしかその問題意識は薄れ、成長信仰だけがひとり歩きしはじめた。

 佐伯氏は「ローマクラブが指摘した問題重要性は今も変わらない。これから無理やり市場を膨張させ、成長させようとする試みは競争格差を激しくして、人間にとってますます生きにくい社会にしてしまうのではないか」と話す。

■低成長容認社会に変化の兆し

 紙幣を発行し、金融政策をつかさどる中央銀行。その「元祖」は英国イングランド銀行とされる。もともと民間銀行の一つだったが1844年の制度改正中央銀行進化した。

 つまり1820年ごろに始まる「成長」とともに誕生した機能だった。

 いま世界経済の成長スピードが落ちている。2008年のリーマン・ショックマイナス成長に陥った先進諸国は、危機から回復した後も以前のような成長軌道に戻れていない。

 サマーズ元米財務長官は3年前、物質的に満たされた先進国簡単に低成長から脱せないという「長期停滞論」を唱えた。

 日米欧の中央銀行はまるで自分存在意義を確かめるように、ゼロ金利政策、量的金融緩和マイナス金利政策……と成長を取り戻すための異例の緩和策を次々と繰り出した。

 「これは長い目でみれば中央銀行の終わりの始まりだ」と言うのは日銀出身金融史にも詳しい岩村充・早稲田大大学院教授だ。

 中央銀行政府から独立する必要があるのは、たとえ政権が代わっても、お金価値が変わらない金融政策を続けることが経済の安定には大事からだ。岩村氏は「政府といっしょになって成長のために異常な金融緩和を進める。そんな今の中央銀行独立性はない。存在意義がなくなってしまった」と指摘する。

 経済史の泰斗である猪木武徳大阪大名教授は、成長を謳歌たこの200年間を「経済史のなかではむしろ例外的な時期」と言う。そのうえで無理やり成長率を引き上げようとする最近政策に異を唱える。

 「低成長を受け入れる成熟こそ、いまの私たちに求められているのではないでしょうか」

 成長の意義も認めてきた猪木氏が最近そう考えるのは、成長そのもの役割が変質してきたからだ。

 「かつて経済成長には個人を豊かにし、格差を縮める大きなパワーがあった。最近国家間の経済格差は縮まったものの、上っ面の成長ばかり追い求める風潮が広がり、各国の国内格差が広がってしまった」

 主要国の成長戦略金融政策は往々にして強く富めるものを、さらに強くさらに富ませる傾向がある。それがトリクルダウン(滴がしたたり落ちること)で中間層低所得層に広がるという想定だ。現実にはそうなっていない。

 19世紀の経済思想ジョン・スチュアート・ミルゼロ成長の「定常社会」を構想した。だが近代経済学事実上、成長ぬきには語られなくなった。いつしかあらゆる経済理論が成長の持続を前提に組み立てられるようになったからだ。

 むしろ現実社会に変化の兆しが出てきた。たとえば最近広がりつつある、買わずにモノを共有するシェアリングエコノミー。大量消費と一線を画す動きだ。

 四半世紀にわたるゼロ成長期を過ごした日本人の意識に変化もうかがえる。

 博報堂生活総合研究所定点観測調査によると、「日本の現状はこの先も、とくに変化はない」と見る人は昨年54%で、9年前より22ポイントも増えた。さら身の回りで「楽しいことが多い」人が増え、「いやなことが多い」人は減った。

 同総研の石寺修三所長は「人々の意識が定常社会を前向きに受け止めつつある変化がはっきり示されている。いわば『常温』を楽しむ社会です」と話す。

 いま世界が直面する低成長が「成長の限界」を示すものかどうかは、はっきりしない。ただマディソンの2千年の成長率推計を見れば、この200年の2~3%成長が、まるでバブルを示す急騰曲線のようだとわかる。

 成長の鈍化はむしろ経済活動の「正常化」を意味しているのかもしれない。少なくとも成長は「永遠」だと思わないほうがいい。(編集委員・原真人

元ページ(リンク切れ): http://www.asahi.com/articles/ASJDY5DR2JDYULZU005.html

ブコメhttp://b.hatena.ne.jp/entry/www.asahi.com/articles/ASJDY5DR2JDYULZU005.html

2018-01-06

インフレ目標ビットコイン2018年

まあ、素人考え程度に聞いて欲しい事なんだけど。自分経済専門家でもなんでもないんで。でも今年2018年は大変な年になるかもしれないと思っている。

巷はビットコインバブルだと浮かれてるけど、これってかなりまずい状況だと個人的に思ってる。かくいう自分20万円くらいはメジャー仮想通貨買ってはいるのだけど。

ビットコインバブルだという。でももしそれがバブルではなく「本当の価値の転換」だとしたら?

2017年に一番値上がりしたメジャー仮想通貨リップル200倍以上も値上がりして、いまやリップル社のCEO長者番付にのる程だという。

まりリアルマネー価値リップルに対して1/200になったって事。仮に1/200の価値のまま戻らないとすればどうなるか。昨日まで100円だったキュウリ20000円出さないと買えない。つまりインフレ率2万パーセント日本インフレ目標2%なんて遠くかすむ感じだ。まだみんなはバブル期の再来を祝うかのごとく熱狂してるけど、考えてもみて。今まで10000人しかいなかったリアルマネー億万長者が100万人に増えたら。一万円札も100ドル札も紙切れだ。

そうならないうちに早く各国がソフトランディングする対策を打ってくれることを願っています

2017-11-19

anond:20171119184401

給付の維持なんて増税するから大丈夫だよ。子なしの年金給付金を捻出するための増税だし、消費税アップなんだもん。とは言ってもせいぜい今の2倍も払わないと思うけどな。

受給額が150万円ってのはインフレ補正の話?ただ単に貰えないんじゃってこと?前者ならインフレ補正50%から物価が2倍になれば仰る通り150万円の価値しか貰えない。インフレ目標2%ってのは、毎年1%ずつ年金負担が軽くなる目的ももちろんある。後者であれば少子化回復したら無いよ。勘違いしてるかもしれないけど、団塊はあと20年もしないで平均寿命を迎えるから、景気いい状態キープして年金積立金の運用益を出して、消費税10%で、インフレ2%で何とかしのげる。問題団塊ジュニアだ。ここが年金受給開始まであと20ちょっと。つまりは今すぐ出生率回復したら団塊ジュニア年金受給開始の頃に成人になり、働き始めるまでの数年を国債でしのげばだいぶ軽くなる。

少子化回復しなかったら消費税20%コースか、子なしには年金が出ないか少ないか、もしくは60歳以上の保険制限されてつまりはまともな治療受けれずさっさと死ねってところじゃないかな。

別に俺も現行制度を支持してるわけじゃない。しかし、今の制度も知らずに批判をするのは違うと思うぞ。

2017-10-13

https://anond.hatelabo.jp/20171012232731

普通に否定してたよ?日本インフレ目標なんかしなくていいってさ

邦訳本もあるけど同趣旨でproject syndicateのサイト英文があるから探してみるといい

2017-06-29

https://anond.hatelabo.jp/20170628085442

う~ん、まず世界各国の中央銀行意思統一されているのは、プラスインフレ率が経済にとって重要だということ。

から白川日銀までの日本例外として、先進国では上限と下限を明示したインフレターゲット採用されている。

まあ実は白川日銀福井日銀プラスインフレ率が好ましい政策目標としていたし、アリバイ程度に金融緩和はしてたんだけどね。

で、経済にとってプラスインフレ率が重要なのは景気循環にとって欠かすべからざる要素だから

ある経済には自然利子率というもの存在して、おおむね長期国債金利を想定する市場利子率が

これを下回った時に、労働資本設備といった経済生産能力所得の源がフル稼働する。

でも我々が通常目にする国債金利預金金利、ローン金利ゼロを下回るのが非常に難しい(人に貸すより

現金保有している方が得だから)ので、自然利子率がゼロに近いorマイナスになった時には大変困ったことになる。

からその打開策としてインフレ率をプラスに引き上げて、実質的な(この”実質”は実質賃金の”実質”と同じ)

市場利子率をマイナスに引き下げることが、経済のフル稼働を実現するのに必要なわけ。

具体的な流れとしては、まず国債の追加発行を伴う拡張型の財政政策と合わせた金融緩和政策を進め、

インフレ率がプラスになり次第、金融を緩和したまま徐々に緊縮型の財政政策へ移行する。

インフレ率が上昇すれば、金利ゼロに据え置いたままでも実質市場利子率はどんどん低下していくので、

金融の緩和水準を維持するだけで、緊縮財政のショックに耐える余地がどんどん生まれていく。

そして財政収支とインフレ率の両方が各々の目標水準(プライマリーバランスなり目標インフレ率なり)に達したら、

金融の方もいわゆる「出口」や「正常化」を模索し始めるという段取りが望ましい。

昨今言われる緊縮論はこうしたプロセスを全部すっ飛ばしているので、概ねポジショントークと見ていい。

増税による利権に与る人達や、金利ゼロ近傍になると商売あがったりになる人なんかがその中心。

無謬性を志向する官僚組織OBが、過去の過ちを認められずにグダグダ愚痴っている例も多い。

自然利子率は国の長期的な成長率に左右されるから日本のような低成長国にとって

他国比較してなおさらプラスインフレ率の実現が重要であることが、この話で理解できると思う。

まあ低成長といってもマイナス成長になると決まっているわけじゃないけどね。

国の長期的な成長率は労働人口資本設備生産性の伸びが合わさったものから

労働人口が下がってもその他の2要素を(たとえばロボット設備AIの導入など)引き上げていけばいい。

実際労働人口の減少はたかだか1%も成長率を引き下げないので、仕事効率を年率2%も引き上げればまだまだ全然対処できる。

それと「庶民にとってインフレはそんなに甘いもんじゃない」というような見解

アメリカを例にした話だと思うけど、それは景気循環でなく所得分配問題なので

全く的はずれなツッコミになっている。所得分配是正必要だと思うなら、

税なり社会保険料なりを財源として、所得再分配を行えばそれで済む話でしかない。

そもそも経済の不平等度は国ごとに様々なのに、その中でも特異なアメリカの一例だけを用いて、

プラスインフレ目標を持つ世界各国を代表させるのが、無理筋議論であることは理解できるよね?

あと「フリーランチはない」という紋切り型セリフは、緊縮論者が愛好する思考停止ワードの一つだけれど、

ここ数年の日本経済を見ても、財政収支を改善させながら(そう、安倍政権は緊縮政策を布いている)も

雇用が増えているわけで、誰がどう見てもフリーランチ存在したこともやはり理解できると思う。

正直、追記を見てもプリミティブで紋切り型の緊縮論から抜け出せていない。また沢山トラバが付きそうだね。

2016-07-04

それでも(これ以上の)金融緩和に反対する理由

http://anond.hatelabo.jp/20160703171723

それは,一言で言うと「金融緩和してもほぼ全部金融市場が吸い取ってしまい,実体経済に金が回らない」からである

(以下は素人の私が勝手に考えたものだが,もし同じようなことを言っている経済学者がいたらぜひ教えて欲しい。まあ,素人と同じようなことを考える学者はいないと思うが。)

そもそも私がこういうことを考えるに至ったのは,1990年代終わり〜2000年代初頭にかけてのITバブルきっかである。その当時,IT経済を主とする"成長"は「インフレなき経済成長」と呼ばれていた。それは論理的おかしい,何か理由があるはず,と考えた結果,「これは実体経済に回るとインフレを起こすお金の大半が金融経済に回っていて,その結果金融経済が"成長"している一方,実体経済ではインフレが起きていないのでは」という結論に達した。

具体的には,当時のITバブルでは,資金インターネット上の広告を売る新興企業流入した。インターネット上は空間的な制約がないので,それら新興企業はほぼ設備投資をすることな広告いくらでも増やせる。他方,インターネット広告への期待から,それら新興企業広告枠を買う企業が現れる。そうするとそれら新興企業株価が上がる。株価が上がると,それを売って儲ける投資家が現れる。儲けた投資家は,またそれを新興企業投資する。広告一種投資なので,広告枠を買う形で投資を行う者もいる。そうするとまた株価が上がる。

このバブルでは,対象が「インターネット上の広告枠」という無限に近い資源だったこともあり,実体経済には余りお金が回らなかった。せいぜい Sun Microsystemsサーバーが売れた程度である。ただし巨大なバブルだったので,おこぼれといっても巨大で,この後バブル崩壊すると Sun後遺症に悩むことになり,最終的に Oracle に買収されて消滅する。

しかしこのバブル本質は,2次投資,3次投資,...という高次投資によって金融経済の中で資本が循環し,循環の過程で(見かけ上の)資本が拡大していった点にある,と私は考えている(バブルというのは須らくそういうものだが)。

結局このバブルは,「広告いくら投資しても実際に広告対象商品が売れなければ意味なくない?」ということに広告主が気づいたことで崩壊した。つまりいくら金融経済期待値で拡大しても,最終的に実体経済がそれに見合った成長をしなければ,それはバブルであり,バブル必然的崩壊するのである

次に,この考えの傍証として私が注目したのは,金融経済実体経済の規模の乖離である

http://www.meti.go.jp/report/tsuhaku2008/2008honbun/html/i1120000.html によると,2006年時点で,金融資産の規模は実体経済の3.5倍であり,1990年以来の平均成長率は,実体経済が5.7%であるのに対し,金融資産9.1%となっている。

これは異常である,と思う。

投資というのは,最終的に実体経済が拡大しないと,リターンを得られない。

ちょっと金融からは外れるが,土地転がしを例に考えてみよう。土地の値段は,循環取引的な手法を使えば,原理的には無限に上げることができる。その間,資産規模は拡大していく。しかし,それらはどこまでいっても「投資」であり,その投資を回収するためには,その土地建物を建てて商売して利益を上げて地代を払ってくれる誰かが必要である

もちろん投資には期間があって,5年のものもあれば,10年,20年,...といったものもあり,それらが混ざり合っている。従って,必ずしも実体経済と金経済の規模が一致していなくてもよいが,金融経済の方が実体経済よりも速く成長するのは,やはり異常であろう。

この金融経済実体経済乖離は,おそらく1990年代金融規制緩和以降に始まったのではないかと思う。この規制緩和によって,通貨以外のもの通貨と同様に扱えるようになり(例:株式交換による買収),またBIS規制の枠外で高次金融商品金融商品投資する金融商品)が解禁されて,金融商品土地転がしのように転売することで金融経済が拡大することを可能にしたのではないかと思われる。

その結果,金融経済は恒常的なバブル状態になった。実体経済の成長を伴わない金融経済の成長はまやかしだが,そのまやかしがいつ露呈するかわからないので,それまでは疑心暗鬼ながらもチキンレースを続けている。まやかしだとわかっているが,実体経済よりも遥かに楽に大金をを得られるので,やめるにやめられない。それが今の状況なのではないだろうか。だから逆に,ちょっとしたことで株価が乱高下する。Volatilityが高くなってるのも,恒常的なバブルのせいと考えると個人的には納得がいく。

さて,金融緩和はここでどういう役割果たしているかというと,このバブル崩壊させないように金融経済現金を注入する役割を担っているのではないかと思う。

金融緩和恩恵を(最初に)受けるのは銀行投資家大企業である

とにかく最初恩恵を受けるのは銀行。商材であるお金日銀から低利で借りられる=安く調達できる。

次が大規模投資家ファンドや超がつくレベル資産家等)や大企業日銀から直接お金を借りるような大銀行の主要顧客になるようなところ。ここも従来より安い金利資金を借りられるようになる。で,借りた資金を,大規模投資家はより(見かけ上の)リターンの高い金融商品株式等)につっこむ。大企業設備投資したり,やっぱり別な金融商品投資したりする。銀行から借りた資金が,給与を上げる原資に直接使われることはまずないと思う。

まり金融緩和恩恵の大半は最初銀行投資家大企業が取ってしまうし,その大半は実体経済ではなく金融経済の拡大に回ってしまう。その方が手っ取り早く稼げるからだ。残った僅かな(文字通りの)「トリクル」だけが実体経済に回る。だから効果ゼロではないが,金融緩和の規模に比べると遥かに小さいし,また効果が出るのも遅い。設備投資が,さまざまな労働者給与増に波及するのには,時間がかかるだろう。

近年の「異次元」と呼ばれるような金融緩和でもインフレがおきない(インフレ目標すら達成できない)のも,金融経済金融緩和で生み出された資金を吸収し,実体経済ほとんど回ってないから,と考えると説明がつくように思う。

ではどうすべきか

一番良いのは,金融規制1990年代以前と同程度まで強化し,過剰流動性をなくすことだと思う。しかし,ここまでバブルが大きくなってしまうと,その破裂によってもたらされる実体経済への影響は,たとえもともとそれが率としてはトリクルであったとしても,絶対額が巨大なため,悲惨なことになると思われる。なので,風船が急にしぼまないよう,少しずつ空気を抜くような慎重さが必要になるだろう。

個人的には,長期投資実体経済にとっても有益だが,短期投資(=投機)は害の方が多いので,短期投資に高い税率を課し,事実上無意味にしてしまうような政策が取れればいいのに,と考えている。株式債券,その他の金融商品在庫管理と同様の手法管理し,例えば今日買った株を今日売ったら税率99%,逆に20年持ち続けた株を売った時は税率1%というようにすることで,長期投資を促すような政策手法的には可能だと思う。

また高次投資有害性が高いので,税率を高くする。例えば株式の売買は2次投資から課税対象だが,配当は1次投資のリターンなので,非課税にするなど。株式はトレーディングの対象ではなく,本来の「直接金融によってリターンを売る権利会社支配権」の位置に戻した方が良いのではないだろうか。

最後に,これは妄想だが,金融経済実体経済可能な限り切り離す,というのが本当はできればいいと考えている。具体的には,金融経済はそれ専用の独自通貨を作り,その中で自由になんでもやっていい。ただし実際の通貨に交換できるのは,世界実体経済GDPの3%まで,とか決めておく。誰がその3%を使えるかは,金融経済の中で,専用通貨オークションでもやって決めればよい。まあでもこれは残念ながら実現不可能だろう。

終わりに

というわけで,今以上に金融緩和をしても無意味なんじゃないかな,と思ってる。

ところで,なぜ財政政策のところが「再分配(例:富裕層への課税強化&低所得層への扶助)」じゃなくて「財政出動」なんだろう?

いや,財政出動でもいいんだが,富裕層への課税強化を同時にやっちゃダメなの?

2016-03-28

blueboy ずっと「インフレ目標景気回復」と言っていたクルーグマンが、ようやく財政政策必要性をはっきり認めた。1~2年ぐらい前からか。私は 10年前からそう言っていたよ。「金融政策だけでは無効だ。減税が必要」と。

俺産まれた時からそう思ってたけど。

2015-07-18

アベノミクス経済学的にどういうものなのか

アベノミクス代表的政策解説してみたいと思います


~インフレ目標政策について~

単純な値上げだけでなく内容量減少という実質値上げも含めれば、最近は凄まじい物価上昇ですね。牛丼ですら最近は値上がっています。なんでこんなことをなっているのかというと、円安政策や量的金融緩和の影響もありますが、基本的には日銀が前年比2%のインフレ目標を掲げ、この目標を達成するために色々やっているからです。


~インフレ目標政策がなぜ必要なの?~

なぜこんなことをするかというと、デフレ脱却が一番の目的です。デフレ経済というのは供給過剰の状態の経済であり、需要が足りない状態です。供給過剰の結果として生産物の減産や価格の値下げが行われ、経済に悪い状況を与えます。このように、経済学ではデフレ基本的に悪いもの経済がうまくいっていないとデフレになる)です。

それだけでなく、急激なインフレデフレ経済を混乱させます。例えば、2年前は150円だった牛丼が去年は1000円になり、今年は20円になったとします。こんなむちゃくちゃな経済ではみんな困ってしまますね。そこで日銀インフレ目標を発表し、インフレ予想というものに働きかけることで実際のインフレ率を安定化させようというのがインフレ目標政策です。

~何が問題か?~

インフレ目標政策経済を「安定化」するものであって、経済を刺激するものではありません。インフレ目標政策によって日本経済が安定化することはあってもV字回復しません。経済を刺激する政策である量的金融緩和拡張財政政策とは違ったものです。

また、フィリップス曲線根拠に、インフレ率上昇(デフレ脱却)には雇用拡大効果があるとも言われます。また、インフレ率上昇は実質賃金を減少させるのでその分雇用拡大するのではないかとも言われますしかし、スタグフレーションのようにインフレ率が上昇しつつ実体経済悪化する場合や、逆にアメリカニューエコノミーのような場合もありえるため、インフレ率上昇が必ず雇用拡大に繋がるわけではありません。

~金融政策について~

金融政策には色々手段があります日本はずいぶん昔からゼロ金利政策という金融政策を取っていますが、あまり効果がありませんでした。そこで今回チャレンジしているのが量的金融緩和です。これは日銀がどんどんお金を刷って、そのお金市場にじゃぶじゃぶ投入する政策です。これによって市場でのお金価値が下がりインフレ率が上昇し、また外国為替市場では円安になります。これは経済を刺激する(景気底上げ政策です。

~何が問題か~

量的金融緩和はいつか必ずやめなくてはいけません。量的金融緩和をやめられない場合、極端に言えば経済ハイパーインフレーションに陥ります。でも、だからといって量的金融緩和を急にやめれば景気悪化します。極力悪い影響を与えずにどうやって量的金融緩和をやめるのか、その戦略出口戦略といいます出口戦略アメリカですら苦戦するもので、量的金融緩和を始めたはいいけどどうやってやめるのか、いつやめるのかは課題となっています

さらに量的金融緩和通貨価値を下げ、通貨安状態になります日本円も下がっており、それによる貿易収支改善が期待されていますしかし、通貨安政策というのは通貨競争につながるもので、本来IMFが禁止しており、やってはいけないことです。それでもIMFが黙認しているのは、日本が「量的金融緩和副作用として通貨が下がっているだけですよ。意図したものではないですよ。」という態度をとっているためです。

2014-11-25

民主党支持者としての執行部のアベノミクス批判への愚痴

タイトル記事内容に合ったものに変更しました。内容は変えていません。


http://twitter.com/InsideCHIKIRIN/status/535980176283566080

「円安が好きな人ってほんとーにわからない。自分の国を安く売って何が嬉しいのかな。」

http://twitter.com/InsideCHIKIRIN/status/534181673152565248

消費税が逆進的だ(所得の低い人に厳しい)という人は多いけど、円安もかなり逆進的だよね。円安で利益がでるのはトヨタなど大企業ばっかり。

その一方、格安な輸入食材商品が軒並み、円安で値上がりして、低所得者層は出費が増える。」


この2つのツイートへの返答をマクラにしつつ、アベノミクス(このダサいネーミングはなんとかならないのか)の良い点と悪い点、

民主党執行部への愚痴(これがメイン)なんかを書いていこうと思います

そもそもなぜデフレは駄目なのか


ここ15年ぐらいずっと言われてきた「デフレ不況」、デフレとは、物価が持続的に下落している状態を指します。

単純に考えればモノの値段が下がることはうれしいはずなのに、なんでデフレ問題なんでしょうか。

そんなことわかってるよと思われるかもしれませんが、順を追って説明するために書いておきます

物価が下がって企業の売上が減ると、企業収益が減ります企業利益を出すためには費用も減らさなければいけません。

新規設備投資を減らしたり人件費を抑えようとします。

今回はこのうち、人件費を抑える、というポイントにしぼって話をします。

物価が下落したのと同じ割合社員全員の給料を減らせれば何の問題もないのかもしれませんが、そういうふうにはできないですよね。

正社員給料は、物価が下落する割合ほどには下がりません。これを「賃金下方硬直性」と言います

じゃあどうなるかというと簡単です。失業者が増えるんです。

リストラされずにすんで定収入がある人たちはデフレで少しずつ得をしますが、その分をリストラされて収入が無くなる人がかぶるんです。

ただし、リストラをするには非常に煩雑手続き必要です。

結局この被害を一番受けるのは、これから社会に出て仕事をしようとする若い世代です。求人が減って有効求人倍率が下がります

企業はすでに雇用している人を解雇するよりも先に、新しく入ってくる人を減らすので失業率が高くなります。真っ先にこの影響を受けるのは若者です。

これがデフレ問題視するべき大きな理由です。若年失業者が増え、世代間格差が拡大していきます

物価上昇率失業率にははっきりとした相関関係があって、フィリップス曲線と呼ばれていますが、物価上昇率が低いと失業率が高くなります

過度のインフレデフレを抑えるための金融安定化政策


ここからは少しマクロ経済学のお勉強です。

ここまでに書いたとおり、景気変動によって不況時にはデフレによって失業という経済問題が起こります

また、好況時にはインフレーションという問題が起こってしまます。だから過度のインフレデフレも望ましくないのですが、

経済は常に循環してるのでほっておくと景気変動は避けることができません。

金融安定化政策とは、このような景気変動平準化するために政府がとる政策のことです。

インフレ時には世の中に出回るお金の量を減らすことで景気の過熱をおさえて、デフレ時には出回るお金の量を増やすことで景気を温めます

この政策効果がよくわかるのは、リーマンショック以降の各国の金融政策です。

リーマンショック以降の金融政策と円高不況


中央銀行日本だと日本銀行)が供給している通貨の総量をマネタリーベースと言います

リーマンショック以降、アメリカは大規模な金融緩和によってマネタリーベースが急増しました。

それに対して日本はあまり増えていません。不況下でも出回るお金の量を増やさなかったことでデフレ不況が加速していきました。

また、出回るドルの量が増え円の量が増えなかった影響で円高ドル安も加速しました。

ドルはたくさん出回っているから安くなり円はあまり出回ってないから高くなります

ここで大事なのは通貨の交換レートというのは出回っている量の比率で決まるものしかないということです。

最初に紹介したちきりん女史のツイートでの誤解はここにあって、円が高いかいかと、自国を高く売るとか安く売るとかはなんの関係もありません。

その国の通貨がどのぐらい出回っているか金融政策によって決まりますが、それは好不況の影響を平準化するための結果でしかありません。

通貨の交換レートは目的ではなくて結果なんです。

リーマンショック前には1ドル110〜120円だったのが、2011年には1ドル70円台というとてつもない円高ドル安に突入しました。

円が高くなったからと言って日本が豊かになったわけでないのはご存知の通りです。

アベノミクス(もう一度言うけどこのネーミングはダサすぎると思う)ではこのデフレ不況に対して、やっと金融緩和をして出回るお金の量を増やしました。

今まで金融緩和をしてこなかったのが異常なだけで金融政策に関してはごくごく普通政策なんです。

じゃあなぜ民主党政権では金融緩和をしなかったんでしょうか。

ここからが本題です。というか民主党支持者としてのただの愚痴です。はぁ…

日本銀行マスコミ知識人らの金融緩和アレルギー


日本銀行には、第一次石油危機の時の高インフレや、バブル経済時代金融緩和をしすぎた記憶からインフレは悪だという認識が根強くあります

デフレでも良いからとにかくインフレにならないような金融政策を行ってきました。

38度の熱を出してしまったトラウマが忘れられなくて体温を34度に保って体を鍛えようとしている人がいたらまず36度ぐらいまで体を温めろよと言うと思うんですが、

体温を上げるのは絶対に許せないと言う考えが日本銀行には強くあります

それと、マスコミ知識人に多いのがイデオロギー的に金融緩和アレルギーを持っている人たちです。バブル時代自民党政権好景気の中で金融緩和を進め

赤字国債を発行し財政支出を増やしていきました。この時期の「自民党的」な政策に対するアレルギーから金融緩和政策に対して脊髄反射的にバブルの再来、

という言葉を使いたがる傾向がありますバブルを知らない私にはこの感覚が全くわからないんですが、バブルトラウマはこんなにも大きいのか、と心から思います

ただ、ここまででも書いたとおり金融政策イデオロギーとは関係ない技術的な問題です。

インフレ時には引き締め、デフレ時には緩和する、それ以上でも以下でもありません。

金融安定化政策マクロ経済学の中での位置づけ


また少しだけ経済学のお勉強です。

国の経済政策についての学問であるマクロ経済学には、大きく分けて二つの考え方があります。「新古典派」と「ケインズ学派」です。

おおざっぱにいうと新古典派経済政策というのは、経済活動市場に任せていれば最適化されてうまくいくから国はなるべく介入すべきではない、という考え方です。

それに対してケインズ学派の経済政策というのは、新古典派経済学特殊環境しか成立しないから、国が環境をうまく整えるべきという考え方です。

金融安定化政策というのは、ほっといたら物価勝手に上がったり下がったりしてひどいインフレデフレになったりするからそれを安定させようとする政策なので、

当然ケインズ学派に属する政策です。ケインズという経済学者が書いた「雇用・利子および貨幣の一般理論」という本の中で提言されていて、

マクロ経済学の中で重要位置を占めています

アベノミクス(だからこのネーミングはダs(ry))が提示した3つの論点について民主党自民党比較


アベノミクス(ry)が設定した3つの論点は1,金融政策2,財政政策3,成長戦略です。経済学的にも妥当論点の設定だと思います

タイトルにも書いているように私は民主党を支持していますが、現政権政策経済政策に限らず私が唯一支持しているのが1の金融政策です。

そしてこの点についてずっと民主党に不満をもっています金融緩和アレルギーの項で、金融政策を体温の上げ下げに例えましたが、とにかく36度ぐらいまで体温を

上げないと何も始まらないという現政権金融政策否定する理由特にありません。ただ、その上でどんな栄養を取るかだったりどういう風に体質改善するかについて

は全く支持できません。金融緩和短期的(2~5年)に企業収益を押し上げ失業率を低下させます個人的にはこの失業率低下が超重要!)。

そして長期的(10年以上)なスパンで考えると制度疲労がおきている仕組みを変更したり不要規制撤廃するための体質改善トレーニング必要です。

この体質改善の部分については民主党を支持しています。だからこそ民主党金融緩和をしてほしかった。そして実際にそのチャンスもあったと思っています

でも結局できなかった。なぜなのか私なりに感じていることを書いてみます

デフレ脱却議連民主党ガバナンス


民主党政権時代民主党議員を中心とした超党派デフレ脱却議連というのがありました。遅すぎるだろうという不満はともかくとして、

デフレ脱却のために金融緩和をすべきということを民主党内にも真剣に考える議員達がいました。2010年6月と7月にはこんな記事がでています

今見るとある意味衝撃的ですね。

政権金融緩和、円安進む-民主デフレ脱却議連事務局長http://www.bloomberg.co.jp/news/123-L3GOBZ0D9L3501.html

民主デフレ脱却議連インフレ目標導入など財務相提言http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-16524520100730

でも結局政策として実現することはありませんでした。民主党の最大の問題点ガバナンスだと思います人材がいても執行部のイデオロギー的な好みで実現しない

ことが多すぎるのではと思っていますデフレ脱却議連人達は今の海江田代表枝野バカヤロウコノヤロウ幹事長体制をどう見てるんでしょう。

三党合意不況下の増税の罪


2012年民主党野田首相自民党谷垣総裁公明党山口那津男代表が三党合意によって10パーセントへの増税をおまけみたいな景気条項つきで決定しました。

実際には景気の悪い時に増税して、財政再建成功した例は世界的にみてもありません。この後、年末の解散で安倍政権誕生して金融緩和が始まりましたが、

あのタイミング金融緩和をせずに増税してたらと思うと本当に恐ろしいです。

歴史的に見ても、名目GDPが増えない限り、財政再建には成功しません。日本でもかつて2005年から2008年くらいまで、名目GDPが多少増えた時には、

基礎的財政収支の対GDP比が減りました。

一番大事なのは、まず経済が成長することです。成長することで税収を増やしていく。

実際に2013年度に関しては、経済成長のおかげで3.6兆円ほど税収が増えています

リベラル政権長期政権にならない理由個人的に感じるリベラル傲慢さについて


こういう話をすると結局カネかよ、という反応をされることがあります。正しい政策を主張しているのはこっちなのに景気さえ良ければいいのかと。

リベラル一定数いるこういう浮世離れした反応が正直に言って一番苦手です。安倍政権は大嫌いだし自民党には投票しないけど支持が落ちない理由理解できます

自民党投票する人を見下して笑ってれば支持が増えると思うならそうすればいいですよ。安倍首相は表舞台からいなくなってる間、デフレ脱却のために真剣

マクロ経済勉強をしたおかげで、いまだに支持率が40パーセント以上あって長期政権になりそうです。このことを民主党政治家はを本気で考えてほしいです。

最初に書いたとおり定収入保証されていたり資産が十分にある人にとってデフレは得なんです。

そして何度でも言うけどデフレ下での金融緩和は直接的に失業率を下げる効果があります。実際に下がっています

まり報道されていませんが、中小企業景況調査報告書を見ると中小企業景況感も良くなっています

http://www.chusho.meti.go.jp/koukai/chousa/keikyo/137keikyo/137sokuho.pdf

収入がある人達賃金アップはその後に来ます金融緩和は上位3パーセントけが得をする政策だと一生懸命に主張している人達には

下位5パーセントは見えていないのか、それともイデオロギーのほうが大事なのかどっちなんでしょう。

私が民主党を支持する理由をあえてイデオロギーを強調して書くと、保守が再分配に興味を持つよりもリベラル金融緩和するほうが可能性があると

今でも思っているからです。それなのに、実際にこの二年間でデフレ脱却のための道筋をつけた現政権の支持者を馬鹿にしてる人とケンカになったりすると、

自分が何を支持してるのかわからなくなるんですよね。

金融政策イデオロギーに回収されないためにどうしたらいいんでしょう


一回まとめておきます。私が望む経済政策は、金融政策によって過度なインフレデフレを抑えつつ、子育て世代社会的弱者への厚い再分配や余計な規制の緩和、

同一労働同一賃金を実現して世代間格差の緩和や財政健全化を目指すことです。そんな政党があれば今すぐ飛びつきます。飛びつきたくてしょうがないです。

それなのに現状デフレ下で金融緩和に賛成している政党自民党以外だと維新の党次世代の党、もうなくなったけどみんなの党みたいに

再分配に興味がない政党ばかりで泣きそうです。どんなに失業率が少なくなっても失業者ゼロになることはないです。

この二年で雇用を増やして失業者を減らしたけど、それでもまだ失業している人への再分配には興味がないのが現政権で、

再分配に興味はあるけどその原資のために景気を良くしたり失業率を下げるための政策最後まで採らなかったのが前政権です。

今回の選挙で私はどの政党投票すればいいのか

知らん。誰か教えてください

2014-11-03

2014年10月展望レポート2015年度の物価見通しの弱気化を意味する?

2014年10月日銀から発表された展望レポートCPI(除く生鮮食品)の政策委員見通しの中央値2014年+1.2%・2015年+1.7%と、7月時点の見通しである2014年+1.3%・2015年+1.9%から引き下げられた。

2015年度中には2%のインフレ目標に達すると述べていることと比べれば2015年度が前年比+1.7%はかなり弱気になったように見える。特に2015年度の+1.7%は展望レポートと同時に発表された金融緩和拡大を前提とした上でのものなので問題視する声も聞かれる。

そこで以下のような制約を置いてCPIがどのように変化していくという想定なのかを機械的に逆算して眺めてみることにする。



年度/月 2013年2014年2015年2015年度(前年比)
4月 99.80 101.28102.47 +1.18%
5月100.00 101.37 102.69 +1.30%
6月100.00 101.37 102.91 +1.52%
7月100.10101.50 103.13 +1.61%
8月100.40 101.50 103.36 +1.83%
9月100.50 101.50 103.58 +2.05%
10月100.70 101.63 103.80 +2.14%
11月100.70 101.75 104.02 +2.23%
12月100.60 101.88 104.25 +2.33%
1月100.40 102.00 104.35 +2.30%
2月100.50 102.13 104.37 +2.20%
3月100.80 102.25 104.40 +2.10%
平均 100.38 101.68 103.61 +1.90%


年度/月 2013年2014年2015年2015年度(前年比)
4月 99.80 101.28102.17 +0.88%
5月100.00 101.37 102.38 +1.00%
6月100.00 101.37 102.60 +1.21%
7月100.10101.47 102.82 +1.33%
8月100.40 101.47 103.03 +1.54%
9月100.50 101.47 103.25 +1.75%
10月100.70 101.55 103.47 +1.89%
11月100.70 101.63 103.69 +2.02%
12月100.60 101.71 103.90 +2.15%
1月100.40 101.79 104.12 +2.29%
2月100.50 101.87 104.12 +2.21%
3月100.80 101.96 104.12 +2.13%
平均 100.38 101.58 103.31 +1.70%

ここから分かることは

結論として、2015年度の物価について特段に弱気になったことを意味する見通しではないと言える。

2014-10-11

答えはカンタン

「明確なインフレ目標の導入とその遵守+ベースマネーの拡大」

というリフレ政策が実際に行われるようになり、当面それが

取り止められることがない情勢なので、やることがない。

次は数年後、データが出揃ったとき分析なりして将来の礎に

する作業だから、それまでは暇なのだ

いま頑張らなきゃならないのは、反リフレ派の皆さんであって

リフレ派は適当にそれをあしらって遊んでれば十分。

結果は嫌でも数年後にははっきりするのだから

http://anond.hatelabo.jp/20100620093154

2014-09-16

http://anond.hatelabo.jp/20140916030024

インフレ目標国債購入を支持するのがリフレ派なんだろ?

だったらそれに加えて消費税に賛成している人たちもリフレなのだから

どうして消費税に反対している一部のリフレ派が賛成派を反リフレ

と呼んだ場合に、リフレ派がおかしいことになるんだ?増税賛成のリフレ派の意見自己認識はなぜ考慮しない?

あくまリフレ派の一部がおかしい(というかインフレ目標国債購入

だけでリフレ派か否かを判断するというものに賛成していない)

ということは言えるだろうけど、それがなんでリフレ派全体のように

大きくなってしまうの?

2013-11-12

期待インフレ率が高まれば強制的に引き締めが起きるって論理がまったく分からん

https://twitter.com/makotosaito_v3/status/278295239465254914

専門家として)社会必要インフレ目標ゼロ金利離陸後に導入すべき。ゼロ金利時導入では、期待インフレ名目金利の上昇で滞留日銀券を日銀が回収せざるをえず、大規模売りオペか準預高利付与で資金捻出(厳しい引き締め政策)する必要が生じるから

https://twitter.com/makotosaito0724/status/400035025648775168

金融調節で政策金利を誘導する状況と、貨幣市場の需給均衡で市場金利が決まる状況は、経済理論ではかなり前から厳密に区別されている。日本金融論の教科書がその区別無頓着だっただけ。ナンチャラ論争も無頓着の表れ。『金融技術の考え方・使い方』『NLAS マクロ経済学』では区別している。

インフレ期待が上昇すればタンス預金をしてたら勿体無いのでタンから日銀券が掘り起こされて、一部は消費に回され、一部は銀行に行くってのは分かる。

消費に回った分はその支払を受けたお店が、インフレ期待が高くなればお金のままでは持っていたくないのでやはり使うか銀行に持っていくだろうというのも分かる。

そして、消費者やお店から日銀券を持ってこられた銀行インフレ期待が高くなった状態では目減りする日銀券のままで持っていたくないので、最終的には国債投資しようとするだろう。

しかし、市場にある国債の量は銀行国債を欲しくなったからといって増えたりはしないので(他の銀行だって日銀券よりは国債を持っていたいのは同じ)、

銀行日銀券を日銀に返す代わりに、日銀の保有する市場に出ていない国債を貰おうとする、ここまでは分かる。

ここからが二重に分からない。

一つ目は、仮に日銀が、銀行から持ち込まれた日銀券と日銀が持っている国債とを交換したとして、確かに売りオペが起きていることになるがこれは引き締め効果を持つのか?という点。

銀行タンス預金から蘇って持ち込まれた日銀券を国債と交換しているが、これによってどこかの企業にしていた融資を回収にまわったり、あるいは予定していた融資を減らしたりする必要はない。

まり経済活動に直接的なネガティブな影響は起きていない。

また、銀行による国債への需要増に応じた分だけ日銀国債市場供給するに留まるので、国債価格低下(金利上昇)ともならない(なる必然性がない)。

インフレ期待の上昇にともなう国債価格低下(金利上昇)は起きるだろう。垂直な市場への国債供給曲線に対して需要曲線が左シフトする。それはタンス預金やそれの日銀による回収とは関係なく起きることである。)

まり金利を通じたネガティブな影響も必然ではない。

上記の話は、日本銀行バランスシートが縮小することを嫌って準備預金の付与金利を引き上げて対処した場合も基本的に同じである銀行融資を減らしたりすることはない。

二つ目は、そもそも日銀は、銀行から持ち込まれた日銀券と日銀が持っている国債とを交換する義務があるのか?という点。

日銀銀行から国債を売ってくれと言われた場合に、果たしてそれに応じる義務はあるだろうか。無期限の負債であるというのが、日銀券の大きな特徴なはずだ。

確かに市場価格は大切だ。日銀市場価格乖離した高い値段で国債を購入することには問題がある。利益供与行為だ。しかし、日銀市場価格を提示されたからといってそれで国債を売らなければならない義務はないはずだ。

日銀銀行券を引き受けてくれないとなれば(日銀券と国債の交換に応じてくれないとすれば)、銀行インフレ期待が高くなった状態では目減りする現金を持っていたくないので、何らかの形で使うしかなくなる。

そして、それを受け取った人も同じくそほとんどを使うしかなくなり、そしてまたそれを・・・と続くことになる。いわゆるホットポテト効果である

最終的には経済活動が活発となってそれによりGDPが増え、取引需要が増えて必要とされる日銀券の量が増え、タンス預金から蘇ってきた日銀券が普通に需要されるところまで経済規模が拡大することになる。

このようなケースでは、厳しい引き締め政策となるどころか、タンス預金存在は非常に景気刺激的なものとなる。

確かに、この二つ目のケースは危険をはらむ。タンス預金から蘇ってきた日銀券が普通に人々や企業に持たれるほど取引需要が増えるまでGDPが上昇する前に、供給力が限界になるパターンが考えられるからだ。

この場合インフレが昂進するだろう。しかし、これは経済が活況過ぎるということなので引き締め策が求められることになること自体には何ら問題はない。

問題があるとすれば、インフレ期待の上昇にともなう国債価格低下が大きくて、売りオペを十分にするだけの見合いがないという点になるだろうが、

これは滞留日銀券を日銀が回収するための大規模売りオペが厳しい引き締め政策になってしまうという議論とは明らかに異なる。引き締めが出来ないという問題だからだ。

しかも、滞留日銀券にともなうその問題を抑えるだけなら、銀行融資抑制したりしない日銀券と国債の交換という一つ目のパターンを重視するだけでいい。

うーん、期待インフレ率が高まれば滞留日銀券の日銀還流強制的に引き締めが起きるから、利下げでその影響を相殺できないゼロ金利時には期待インフレ率を高めるな、って論理はまったく分からん

2013-06-06

http://www.nikkei.com/article/DGXNASFL050LJ_V00C13A6000000/

所得倍増計画きたでー

首相、1人あたり国民総所得10年後に150万円増やす

というわけで、今のGNIは300万ぐらいなので、大雑把に収入が1.5倍近くになる。計算

ということは(構造改革無き、金融政策だけでこれを実現する場合物価も1.5倍になると思われ 10年で50%のインフレ目標ということですね。

 

おそらくですが、物価スライドシフトするので、なんだろう。借金している人には朗報ですが、貯蓄している人には悲報ですね。

それにしても50%のインフレ目標とか・・・ また、先送りなんでしょうか?

 

大切なこと数字(How much)ではありません。HOW to do どうやってそれを達成するかです。

※まぁ、所得が増えない人もいるかもしれませんので・・・なんだろう。あんまり庶民には関係ない話ですねぇ。

所得倍増計画はもう1度やっていて、それがどうなるか?(借金を生んだり・物価が上がったり・消費税が上がったり)というデメリットがすでにわかっているので、そのデメリットに対する処方箋を待ちたいものです。

2013-02-25

http://anond.hatelabo.jp/20130224221810

リフレ政策自身に反対だあなんて書いたものはありませんぜ。

それは失礼しました.

財政マネタイズじゃないか

世の中,かなりの話は『程度問題』だと思うのですよね.「財政マネタイズ」という(通貨の信認とか構造改革とかと同じように)おどろおどろしい,そしてたいていの場合空虚言葉というのは,黒か白かはっきりするよな定義のある話ではなく.インフレ税ないしシニョリッジというのが財政寄与するなら,実はどの国も常に「財政マネタイズ」してると言えるのかもしれない.日銀乗換は日銀引受と違うという強弁だって『程度問題』でしょう.

『程度問題』ともう一つ私が念頭に置きたいキーワードは『言葉より行動』です.人が何を言うかよりも,どう行動するかが重要.「市場関係者がこう言っている」よりも「市場がこう動いた」の方が確か.市場だってもちろん間違えるが,「メディアが取材したシジョーカンケーシャの言葉」なんてのは,ほぼノイズにすぎないですよね.

http://anomalocaris89.blog69.fc2.com/blog-entry-208.html にあるとおり中央銀行独立性は別に金科玉条ではない.財政マネタイズも,まあ今のところは「やってはいけません.これは中央銀行にとって神聖不可侵な教義です」という振りをするのがお約束となっている,くらいの意味だと思っています.実際は100%か0%かの話ではなく,行動を見れば少しはやっていると見えなくもない.

リフレ政策の肝が期待だからこそ…

ヘリコプター・ベンが,サマーズと組んでヘリコプターマネー政策を実施しても,さらに,購入した国債ロールオーバーし続ける(日銀乗換に当たるものを無制限に増やしていく)と発表しても米国債暴落なんかしなかったのは「財政支出をやって,猛烈に通貨発行を増やしてますけど,財政マネタイズじゃないですよ〜」と言った言霊オカルト効果ではなく,もっと単純な市場予測米国債を売ると損をする可能性が高い)の結果でしょう.

で,リフレ政策で肝要な期待(expectation)ってのは,人々の気持ちとか意思とかじゃなく,まさにそういう『将来についての市場予測』のことを言っているに過ぎません.「それを財政マネタイズと呼ぶかどうか」という曖昧な話じゃなく,「政府が今後どう行動するか・その結果どう行動すると得か」について市場予測した結果.それがリフレ派の言う期待でしょう.だから,「中央銀行独立性」「財政規律」とかいう「意図を表すレトリック」なんかではなく,例えば「いつまでに何を買う」「いつまでにいくら支出する」と言った具体的な行動の予測資する情報によって(のみ)市場は動く.まあ市場予測に影響する気分(センチメント)というのはあるでしょうし,それは言い方で動いたりするのかもしれませんが,それはむしろ「すぐに修正される予測のズレ」を表す言葉でしょうね.あんまり重要でない.

同じような政治的圧力により引き締めを妨げられるのではないか

これも『程度問題』ですね.デフレに(少なくとも例えば賃金企業収益や税収にとって)はっきりした害があって,5%や10%のインフレにそれほどの大した害が知られていない.なのに,デフレを止めるための日銀への介入でさえこれほどの大騒ぎになる.

そこで,インフレを止めるような介入がそんなに容易だと市場予測するなら問題でしょう.

すいません.誤読してたので訂正(どっちにせよ,根拠のない無茶な介入は簡単じゃないだろうと思うんですが…)

これも『程度問題』ですね.インフレ恐怖症の方々はもとより,リフレ派でさえ反対するような「引き締めを妨げるような介入」がそんなに簡単なら確かに問題でしょうが

追記:一つの担保としては,日銀にも政府にもそう簡単に方針を変えられないような歯止めを法制化しておくことでしょう.曖昧な「日銀独立性」という言葉が指す内容がどういうものか,例えば「中期的な望ましい物価水準は政府日銀合意によって定める・それを達成する手段は日銀の専管事項」という趣旨の条文を日銀法に入れるとか.え,法律なんか政府インフレにしたくなったら簡単に変えられる? そうかなあ…程度問題ですが,法律がない場合より「簡単」ではないと思いますね.

ギャロピングインフレにつながるんじゃないか心配する声が有るなら

まあ,既に書いた通り,債券市場参加者「声」とか,割りとどうでもいいと思ってますんで…

追記: インフレ目標と,日銀の(上記のような)独立性の法制化は,ひとつの歯止めとして市場の期待を安定化するのに有用だと思います

まとめ

2013-02-24

id:maeda_a氏へのお答え

ぶこめにコメントいただき、ぶこめで返せる分量でないので、増田借ります。もとのブコメは次の通りで、

id:BUNTEN氏の通りリフレ政策は期待が肝だが、サージェントの通りハイパーインフレも期待が肝。財政マネタイズを否定しない者も多いリフレ派がハイパーインフレは絶対起こらないとはダブスタの極みで嗤うしかない。

いただいたコメントは次の通り。

id:torrysGalley ハイパーインフレ心配しといてインフレ目標の導入に反対するのはまさにダブスタhttp://www31.atwiki.jp/anti_deflation/pages/1.html#Q23

お答えは次の通りです。

  1. リフレ派」を批判しているかリフレ政策に反対だと認識するのは、あまりに党派的な判断じゃありませんかねぇ。ルターイスラム教徒ユダヤ教徒だったかローマ教皇を批判したんですか? インフレ目標の導入その他のリフレ政策自身には大筋で賛成なので、ダブスタとのご指摘は当たりません。過去のぶこめにしても、「リフレ派」批判はいっぱいしてるけど、リフレ政策自身に反対だあなんて書いたものはありませんぜ。
  2. で、「リフレ派」の多くの人びとはインタゲ設定すりゃインフレ昂進は杞憂だと、お示しのfaqに好例の通り言うわけですが、じゃあキング総裁BOEQEに当たり、財政マネタイズじゃないかと問われてなぜあれほど強く否定したのか。インタゲ設定してりゃ財政マネタイズ懸念は払拭できる、と安心できるとは限らないからでしょう。インタゲ設定してたところで、財政マネタイズ期待が広がってしまったらインフレ率はギャロップするおそれがあるから、その芽は早めに摘まなきゃいけない。(当時はインタゲは設定してなかった)バーナンキ議長FRBだってQEの時には同じように財政マネタイズ性をきっちり否定してたけど、まあ同じことでしょう。
  3. まして日銀は、嫌がっていたリフレ政策を政治的圧力により受け入れさせられたわけで、インタゲ上限に達するからといって引き締めようとした場合、同じような政治的圧力により引き締めを妨げられるのではないかとの期待が醸成される蓋然性は、BOEFRBよりも高いと言わざるを得ません。インタゲ設定さえしておけば引き締められると楽観視する「リフレ派」は、自らの立場に沿った政治的圧力が逆向きに働いたらどうなるか、想像力が足りないんじゃないかと。
  4. というわけで、個人的評価軸としては、リフレ政策の肝が期待だからこそ、それがギャロピングインフレにつながるんじゃないか心配する声が有るなら、財政マネタイズ(の期待の醸成)に繋がらないような取り組みが必要だ、というのがあるべき議論です。「リフレ派」は、究極的には財政マネタイズすりゃインフレになるよ(程度はともかく)という「バーナンキ背理法」を持ちだしたり、東日本大震災からの復旧・復興財源として国債日銀引受提唱していたりしたんだからインタゲ設定しとき大丈夫なんて無責任な議論をして欲しくないなぁ。まして、素朴な貨幣数量説が如く、今だって国債日銀引受(乗換)はあるんだから多少は増やしたって大丈夫といっていた人々(たとえば高橋洋一センセ)には、期待なんて語ってほしくありませんな。

2013-02-04

ゼロ金利下における金融政策効果に対する評価・追記

P.S.1

http://anond.hatelabo.jp/20130202195230

各種の目標政策は、時間効果中央銀行ガバナンス手段の二つの目的で語られているので、分けた方が宜しいかと思います

岩本康志氏は、インフレ目標の導入を提言していますね。

http://blogs.yahoo.co.jp/iwamotoseminar/37778074.html

岩本氏の当該部分は、デフレ脱却をめぐるごたごたを終結させるための提言という特殊な状況におけるものであること、

またより直接的には

http://blogs.yahoo.co.jp/iwamotoseminar/32738553.html

・「ターゲットを1~3%に」現時点で必要なし。現在ターゲットから外れているので,ターゲットの変更がインフレ期待に織り込まれる効果は期待できない。現在ターゲット(0~2%)に入ったところで,CPI上方バイアス等のターゲットを決定する要因をあらためて見直す。

と述べられていますので、目標政策をただ引き上げることの効果には否定的であると判断します。

なお、中央銀行ガバナンスというのも「信憑性のない口約束」に縛りをかけることで時間効果を高めるものであるため、分ける必要はないと考えます

P.S.2

http://twitter.com/night_in_tunisi/status/297643475992735744

ミスリーディングな部分も。たとえばクルーグマンゼロ金利の期間を指定してるんじゃなくて、4%インフレの期間を指定してる。全然違う。

ここは確かに悩んだ部分でして、

http://www.nytimes.com/2011/08/26/opinion/bernankes-perry-problem.html?_r=0

などを読むと、目標政策と絡めない、ただ期限を示すだけの時間軸政策にも賛成であると判断できるものがありましたので○としました。

ただ、確かに目標政策と絡めないものよりは、目標を定めての時間効果の方が効果であると考えているであろうこと、

また最近金融政策におけるKrugmanのスタンスは、完全にWoodfordに賛同、と思われる発言もあるため、Woodfordと同じく△へと変更します。

たとえばクルーグマン・・・と述べられているということは他にもミスリーディングと思われる部分があるということと思いますので、指摘して頂けると幸いです。

2013-02-02

ゼロ金利下における金融政策効果に対する評価

村上尚己─池田信夫論争にあるWoodfordの主張について / ニュース社会科学的な裏側

http://www.anlyznews.com/2013/02/woodford.html

を読んでいて、こういう表にしてまとめてくれたら分かりやすいのになと思った。

あくまでゼロ金利下で金利政策という手段が使えない場合かつ、緩和方向の政策に限ったときの評価です。

池田信夫高橋 洋一村上尚己浜田宏一岩本康志齊藤BernankeKrugmanWoodford
ゼロ金利期間の指定(目標政策と絡めない時間軸)××
目標政策(インタゲからNGDPLTまで)の導入・引き上げ××× or △
貨幣代替資産(残存の短い国債など)の購入××××××
貨幣代替物(5年より長い残存の国債株式ETFMBSなど)の購入× or △

・・・効果あり

・・・効果はあるが非常に小さい、もしくは効果はあるが副作用の方が大きく望ましくない

×・・・効果なし

注)バランスシートの規模を通じたアナウンス効果貨幣代替資産(残存の短い国債など)の購入の項目に含まれるとした。

異論があればトラバでどうぞ。訂正した評価と参照すべきものを教えて下さい。

他につけくわえたい人がいる場合も同様に。

P.S.1

http://anond.hatelabo.jp/20130202195230

各種の目標政策は、時間効果中央銀行ガバナンス手段の二つの目的で語られているので、分けた方が宜しいかと思います

岩本康志氏は、インフレ目標の導入を提言していますね。

http://blogs.yahoo.co.jp/iwamotoseminar/37778074.html

岩本氏の当該部分は、デフレ脱却をめぐるごたごたを終結させるための提言という特殊な状況におけるものであること、

またより直接的には

http://blogs.yahoo.co.jp/iwamotoseminar/32738553.html

・「ターゲットを1~3%に」現時点で必要なし。現在ターゲットから外れているので,ターゲットの変更がインフレ期待に織り込まれる効果は期待できない。現在ターゲット(0~2%)に入ったところで,CPI上方バイアス等のターゲットを決定する要因をあらためて見直す。

と述べられていますので、目標政策をただ引き上げることの効果には否定的であると判断します。

なお、中央銀行ガバナンスというのも「信憑性のない口約束」に縛りをかけることで時間効果を高めるものであるため、分ける必要はないと考えます

P.S.2

http://twitter.com/night_in_tunisi/status/297643475992735744

ミスリーディングな部分も。たとえばクルーグマンゼロ金利の期間を指定してるんじゃなくて、4%インフレの期間を指定してる。全然違う。

ここは確かに悩んだ部分でして、

http://www.nytimes.com/2011/08/26/opinion/bernankes-perry-problem.html?_r=0

などを読むと、目標政策と絡めない、ただ期限を示すだけの時間軸政策にも賛成であると判断できるものがありましたので○としました。

ただ、確かに目標政策と絡めないものよりは、目標を定めての時間効果の方が効果であると考えているであろうこと、

また最近金融政策におけるKrugmanのスタンスは、完全にWoodfordに賛同、と思われる発言もあるため、Woodfordと同じく△へと変更します。

たとえばクルーグマン・・・と述べられているということは他にもミスリーディングと思われる部分があるということと思いますので、指摘して頂けると幸いです。

2012-12-20

http://anond.hatelabo.jp/20121220232745

以下の2点に納得しない人には何言っても無駄のような。あとは勝手インフレ目標やったらもっとインフレ率がコントロールできなくなると主張すればいいと思うよ

現在ブラジルインフレ目標が導入されていてハイパーインフレではない

ハイパーインフレ時のブラジルインフレ目標を導入していない

http://anond.hatelabo.jp/20121220231607

仮にインフレ目標とか金融政策より他要因のほうが物価への大きいなら

ますますインフレ目標ハイパーインフレの関連が弱くなると思うんだが

相手の話を否定しようと躍起になってドンドン支離滅裂になってないか

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