2013-02-02

ゼロ金利下における金融政策効果に対する評価

村上尚己─池田信夫論争にあるWoodfordの主張について / ニュース社会科学的な裏側

http://www.anlyznews.com/2013/02/woodford.html

を読んでいて、こういう表にしてまとめてくれたら分かりやすいのになと思った。

あくまでゼロ金利下で金利政策という手段が使えない場合かつ、緩和方向の政策に限ったときの評価です。

池田信夫高橋 洋一村上尚己浜田宏一岩本康志齊藤BernankeKrugmanWoodford
ゼロ金利期間の指定(目標政策と絡めない時間軸)××
目標政策(インタゲからNGDPLTまで)の導入・引き上げ××× or △
貨幣代替資産(残存の短い国債など)の購入××××××
貨幣代替物(5年より長い残存の国債株式ETFMBSなど)の購入× or △

・・・効果あり

・・・効果はあるが非常に小さい、もしくは効果はあるが副作用の方が大きく望ましくない

×・・・効果なし

注)バランスシートの規模を通じたアナウンス効果貨幣代替資産(残存の短い国債など)の購入の項目に含まれるとした。

異論があればトラバでどうぞ。訂正した評価と参照すべきものを教えて下さい。

他につけくわえたい人がいる場合も同様に。

P.S.1

http://anond.hatelabo.jp/20130202195230

各種の目標政策は、時間効果中央銀行ガバナンス手段の二つの目的で語られているので、分けた方が宜しいかと思います

岩本康志氏は、インフレ目標の導入を提言していますね。

http://blogs.yahoo.co.jp/iwamotoseminar/37778074.html

岩本氏の当該部分は、デフレ脱却をめぐるごたごたを終結させるための提言という特殊な状況におけるものであること、

またより直接的には

http://blogs.yahoo.co.jp/iwamotoseminar/32738553.html

・「ターゲットを1~3%に」現時点で必要なし。現在ターゲットから外れているので,ターゲットの変更がインフレ期待に織り込まれる効果は期待できない。現在ターゲット(0~2%)に入ったところで,CPI上方バイアス等のターゲットを決定する要因をあらためて見直す。

と述べられていますので、目標政策をただ引き上げることの効果には否定的であると判断します。

なお、中央銀行ガバナンスというのも「信憑性のない口約束」に縛りをかけることで時間効果を高めるものであるため、分ける必要はないと考えます

P.S.2

http://twitter.com/night_in_tunisi/status/297643475992735744

ミスリーディングな部分も。たとえばクルーグマンゼロ金利の期間を指定してるんじゃなくて、4%インフレの期間を指定してる。全然違う。

ここは確かに悩んだ部分でして、

http://www.nytimes.com/2011/08/26/opinion/bernankes-perry-problem.html?_r=0

などを読むと、目標政策と絡めない、ただ期限を示すだけの時間軸政策にも賛成であると判断できるものがありましたので○としました。

ただ、確かに目標政策と絡めないものよりは、目標を定めての時間効果の方が効果であると考えているであろうこと、

また最近金融政策におけるKrugmanのスタンスは、完全にWoodfordに賛同、と思われる発言もあるため、Woodfordと同じく△へと変更します。

たとえばクルーグマン・・・と述べられているということは他にもミスリーディングと思われる部分があるということと思いますので、指摘して頂けると幸いです。

記事への反応 -
  • 各種の目標政策は、時間軸効果と中央銀行ガバナンス手段の二つの目的で語られているので、分けた方が宜しいかと思います。 岩本康志氏は、インフレ目標の導入を提言していますね。...

    • P.S.1 http://anond.hatelabo.jp/20130202195230 各種の目標政策は、時間軸効果と中央銀行ガバナンス手段の二つの目的で語られているので、分けた方が宜しいかと思います。 岩本康志氏は、インフ...

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん