はてなキーワード: 列島とは
ワンチン神聖扇動有産有識者会議出立魔道者契約連盟主導性超新体系先駆型社会世界生成直接型共産主義平和共和国連邦及びウドーン・チュウカメーン・ソバ・カキアゲ列島超国家共和連邦( - しんせいせんどうゆうさんゆうしきしゃかいぎしゅつりつまどうしゃけいやくれんめいしゅどうせいちょうしんたいけいせんくがたしゃかいせかいせいせいちょくせつがたきょうさんしゅぎへいわきょうわこくれんぽうおよ - れっとうちょうこっかきょうわれんぽう)とは、パラレルワールドのアフリカ中西部に位置する超巨大国家。ポリネシア諸島の一部ウドーン・チュウカメーン・ソバ・カキアゲ列島をも領土に持つ。共産主義。永世中立国。あまりにも国名が長いため、「ワンチン」、「チンコクーッ」の略称で知られる。ワンワンのぴーではない。残念。
去年、「日本語の原郷」についての論文(Robbeets et al. 2021)が話題になった。増田は専門外の素人ながら疑問を持ったのでツッコミを入れたんだけど(anond:20211121124146)、今年の6月に入って専門家集団から「あの論文は取り下げろ」という反論論文が出ていた(Tian et al. 2022)。といっても、プレプリントサーバのbioRxivに置いてあるだけで、学術誌に掲載されたわけではないんだけど、まあいずれどこかには載るよね多分。
そういうわけで、反論論文の内容を(素人なりに)紹介していくよ!
ふええ……知らない人ばっかりだよぉ……
22人の共同著者による論文だけど、その多くは中国人研究者。ほかは数人のヨーロッパ人。中国人研究者については全然わからない。漢字で書かれれば一人か二人は名前を聞いたことがある人がいるかもしれないけど、ラテン文字で書かれているので誰が誰やらさっぱりなんだよな……
ヨーロッパ人研究者のうち、ラッセル・グレイ氏は聞いたことがある。20年くらい前に『ネイチャー』に印欧語族の起源に関するレター載せてた人だ(Gray and Atkinson 2003)。ホセ・アロンソ・デ・ラ・フエンテ氏は以前ロベーツ氏の著書に辛辣な書評書いてた人で、去年の増田でも引用した。
そしてトマ・ペラール氏は、日本では有名な研究者だ。彼は宮古島の北4キロに浮かぶ人口数十人の離島大神島の方言について博士論文を書き、それが「母音あるいは声帯を震わせて出される音を含まない単語がある」という世界でも珍しい特徴を持った言語であることを明らかにした(Pellard 2009: 80–85;ペラール 2011: 28–29)。ペラール氏は母語のフランス語だけでなく英語や日本語でも論文や共著を発表していて(最近だとペラール 2021とか)、琉球諸語の言語復興についても発言しているので(ペラール 2013; 2015)、琉球諸語に関心を持って調べたことがあれば一度は名前を聞いたことがあるはずの人物だろう。
要するにこの反論論文には、そのへんの日本人よりはるかに日本語に詳しい研究者が参加しているってこと。
反論論文は、ロベーツ論文で挙げられている同根語(cognate words)が少なすぎると指摘する。
同根語というのは、「起源を同じくする単語」のことだ。ある言語から分かれた娘言語たちは、いずれも共通した同根語を(二次的に失ったのでなければ)持っているはずだ、というのが比較言語学の基本的な考え方だ(生物学でいう原始形質/祖先形質にあたる……と思う。多分)。もちろん、偶然の一致とか、言語の場合は借用語とかがあるので、言語学的な検討を行って「これは祖語から受け継がれた同根語である」というのを確定させて、それをもとに言語の系統関係を判断していく。
たとえば印欧語族だと、次のような対応関係が見いだせる(例はウィキペディアの「印欧語彙」のページから持ってきた)(*がはてな記法の一部と認識されちゃうっぽいので*で代用)。
- | 印欧祖語 | 英語 | ラテン語 | サンスクリット語 | トハラ語 |
父 | *pH₂tér- | father | pater | pitṛ́ | pācar |
2 | *dwóH₁ | two | duo | dvā́ | wu |
足 | *ped- | foot | pēs | pā́d- | pe |
馬 | *ék̂wos | 古英語eoh | equus | áśva- | yuk |
複数の語派(語族の下位区分)にわたって対応する語彙が存在することがわかると思う。これらの同根語が存在することで、「英語とサンスクリット語は親戚なんだなぁ」というのがわかるわけだ(お墓に卒塔婆って置いてあるじゃん。あれに書いてあるのがサンスクリット語)(足で操作する機構を「ペダル」といったり歩行者デッキを「ペデストリアンデッキ」といったりするのは、英語のfootに対応するラテン語pēsからの派生語なんだよね)(「父権主義」が「パターナリズム」になるのも、英語fatherに対応するラテン語がpaterだから。これがポルトガル語でpadreになり、そこから日本語に入って「ばてれん」になるわけですよ)。
ついでに日琉語族の表も示しておく(Vovin 2017)。基礎語彙において規則的に音韻が対応しているのは、これらの一致が偶然ではなく日本語と沖縄語が親戚であることの動かぬ証拠だ。
- | 標準語 | 沖縄語(首里) |
これ | kore | kuri |
鳥 | tori | tui |
米 | kome | kumi |
場所 | tokoro | tukuru |
しかしロベーツ論文は、ひとつ以上の語族でみられる同根語が317、2つ以上の語族でみられる同根語がわずか50、そして5つの語族で共有されている同根語はたったの2つに過ぎないという(Tian et al. 2022: 2)。思い出してほしいんだけど、ロベーツ論文はテュルク・モンゴル・ツングース・朝鮮・日琉の計5語族が同一の起源を持つと主張しているのね。なのに5語族で共有されてる同根語はたったの2ってどういうこと? って話になるでしょ。全然「トランスユーラシア語族」の証拠になってないじゃん。
っていうか、その50個の同根語リストの中には、ロベーツ氏自身が「これは借用語だよ☆」って書いてる単語が入ってるんだってさ。借用語は除くというのが比較言語学の基本なのに(借用語だと気づかずにリストアップしたならまだしも)借用語だとわかった上でリストアップするのヤバくない? そんなこと言ったら日本語が英語の親戚になっちゃうよ? 大丈夫?
反論論文の著者たちはこれに激おこぷんぷん丸になっていて、ロベーツ論文の「著者たちは彼ら自身の歴史的言語比較の原則を無視し、証拠を彼らの必要にあわせて歪曲している」(Tian et al. 2022: 3)とまで断言している。そりゃ、借用語混じりのたった数十の同根語で「トランスユーラシア語族は、ありまぁす!」って言われたらそう言いたくもなるわな。
遺伝学的にも、ロベーツらの論文は「不当な仮定(unjustified assumption)と、移民についてのありえそうな他の仮説を排除した選択的モデリング」に基づいているとバッサリ。考古学的証拠も「弱い」と切り捨てている。このへんは遺伝学や考古学に詳しいはてなーに解説をお願いしたいところ。
ロベーツ論文の結果を再現しようという我々の試みは[言語・遺伝・考古の]3つすべての面で重要な不一致をみた。さらにいえば、ロベーツ論文はこれら3分野の研究成果を統合するために「三角測量」を用いたと主張するが、その「三角測量」とやらの手法を定義も記述もしていない。したがって、彼らの手法に従って3つの分野に関する訂正を組み合わせることも不可能だ。つまるところ、我々が行った3つのデータセットすべての再検討は、ロベーツ論文の主張を完全に崩壊させた。トランスユーラシア仮説は未実証である。私たちはこの論文を取り下げるよう謹んで勧告する(Tian et al. 2022: 7)。
要するにアルタイ語族2.0は失敗したってことっすね。ロベーツ氏は「民族主義的な議題を持つ人々にとっては、自分の言語と文化の起源が国境の向こうにあるということは不快な真実だが、すべての言語と文化、人間は混じりあっている」って言ってたらしいけど、まずはご自分の仮説がボロボロだという不快な真実に向き合ってほしい。
こんなガバガバ論文を載っけちゃった『Nature』については、まあ……仕方ないところもあるのかな? ちょっとでも言語の系統とかに関心を持っている人なら「これアルタイ語族2.0じゃん」と気づける内容だけど、理系の雑誌の編集者にその目利きを求めるのも酷かな……査読者選ぼうにも誰がこの分野の権威かすらわからんだろうからな……ただし『トランスユーラシア語族ガイドブック』なんてものをホイホイ出版したオックスフォード大学出版会テメーはダメだ。お前んとこは人文系の研究書いっぱい出してるんだからアルタイ語族2.0くらい見抜けるだろうが!
なお、ペラール氏のツイッター(@ThomasPellard)を見たら「そもそも論証の基盤になってる語彙の出典が書いてないやんけ。これスタロスチンが作ったデータベースからのコピペじゃね? っていうかいくつかの言語が対応表に載ってないから同根語を検討できないんだけど?」という趣旨のツッコミをしていた(https://twitter.com/ThomasPellard/status/1536288665936306176)。あっ……(察し)
そろそろ凱旋門賞ですが、タイトルホルダーくん楽しみですね。天皇賞(春)と宝塚記念の圧勝劇(+お姉ちゃん)ですっかりファンになりました。ロンシャンでも逃げ切ってほしいですね。ただ背負ってる期待が大きすぎるドウデュースくんにも勝ってほしい……武豊を凱旋門賞に勝たせるために生まれてきた馬になったら胸熱すぎるでしょ……
あと先日のセントウルステークスは感動で泣きそうになりました。桜花賞のころから推してたので……(ソングラインちゃんも安田記念戴冠おめでとう。BCマイル頑張れ!)。スプリンターズステークスで今度こそ待望のG1制覇を成し遂げてほしいですね……
ユキノビジンは! 引けませんでした!(すり抜けで夏服メジロドーベルとサクラチヨノオーが来たのでまあ良し)
これ見落としてましたわ。教えてくれて感謝。こちらの方がわかりやすいのでみんなペラール氏の解説動画を見てクレメンス。
博士号って持ってないからわからないんですけど食べられるんですか? ご飯粒よりおいしいんですか?
ここでもいくつか紹介されているようにトマ・ペラール氏は日本語でもいろいろ書いているしTwitterやAcademia.eduなどでも積極的に情報や研究を公開していて我々素人にとってはとてもありがたいです
ペラール、ヴォヴィン、ローレンスの3氏は色々academia.eduに上げてくれてて助かりますよね。ところで素人とはいったい……うごごご。
有り難い要約だけど、最後の「アルタイ語族2.0」だから胡散臭い、という部分はやや迂闊かと。当該論文はそうでなさそう、というだけで真に画期的な論文によりアルタイ語族が復権することは可能性としてはあるよね
もちろんそれはそうです。ちゃんとした比較言語学的な手法で「アルタイ語族」の存在が実証できるのならそれは歓迎すべきことで、その可能性は残されています。ただ、これまで数百年にわたって研究が続けられてきて熱心な擁護者も大勢いるのにまだ確固たる同系の証拠が出てきてない、というのは相当に重い事実ですよね……。ロベーツ氏は「民族主義的な議題を持つ人々」のことを揶揄してますけど、日琉語族の分類というのはまさにその「自分たちの言語はどこから来たのか」というルーツ探しの情熱に取り憑かれた人たちがいっぱい研究して、それでもなお結論が出ていないテーマなわけで(cf. 日本語の起源 - Wikipedia)。
増田はドシロートなんでなーんも独自の見解は持ってないですが、古代ロマン的な観点からはanond:20211121124146でも言及した大陸倭語仮説が面白そう(「大陸倭語」の存在はまだ定説にはなってないことに注意)。島嶼倭語(仮に「大陸倭語」の存在が実証されない場合は日琉語)のUrheimatは五十嵐氏の指摘に沿えば近畿地方のあたり(多分四国ではない)。日琉語族が列島と半島にまたがって分布していて、そのうち大陸倭語が南進してきた朝鮮語族に同化されたと考えると古代の日本と朝鮮半島との関わりに色々納得がいく(繰り返すように素人が古代ロマンといくつかの論文に基づいて妄想したものです)。では仮に対馬海峡をまたいだ日琉語族の存在が実証されたとして、そのUrheimatは……どこでしょうね? なんもわからん。
あ、トラバでやたらゲノム研究のURL貼ってる人は、(もし同一人物なら)去年の議論で血統と言語系統を混同したり(anond:20211121201022)、論文や増田の内容を理解できてなかったりする(anond:20211121224311)ような人なので、マトモに相手する価値はないっすよ。一応ご忠告。
仮に台湾有事が起きて台湾島が中国軍に占拠されたら、次は沖縄列島の島々が最前線になるだろう。
現在進行形で行われているウクライナ戦争を見ていると、沖縄列島がどのような経過をたどるか想像がつく。
ウクライナ軍は、首都キーウと第二都市のハルキウだけは、何が何でも死守した。
この二つが無くなってしまうと、ウクライナという国自体が危うくなるのでそれはわかる。
しかしウクライナ東部のドンバスやヘルソンなどの周辺州はどうだろうか。
ウクライナ東部については、かろうじてウクライナ側が戦線を維持しているが、最終的にどちらが勝利するかどうかは未定だ。
ロシアとの停戦交渉では、東部都市のどれかを取られてしまうかもしれないし、ウクライナ側もそれは覚悟しているだろう。
要するにロシアと停戦するために、譲歩するための「捨石」である。
いえ、こちらも大変興味深いやり取りでした。以下に返答をしておきますが、夜遅いですので、後日ゆっくりお読みいただければけっこうです。
しかし本論文は言語学だけではなく、分子生物学と考古学の視点からも考察を行っており、特に分子生物学の成果が大きい。
2010年代以降の考古遺伝学の発達はまさに革命といってもよい。2010年代以降と以前では別物と言っても過言ではない。(この発展については「交雑する人類」を読むと良い)
解析方法の発展と古代人骨の収集によるデータの発展が両輪となって、現代の考古遺伝学はほぼ数理科学となっておりこの論文でもデータセットとソースコードが公開されている。
そこには特に異論はないというか、専門外すぎて口出しできない(『交雑する人類』、日本語版が出た直後に読んだけど面白いよね)。「少なくとも言語学の側面からは」と書いたことからわかってもらえてると思うけど、分子生物学とかそのへんの研究成果について否定するつもりは毛頭ないのよ。
ただ、言語学の見地からは証拠が弱いけど、分子生物学とかで補強しまーす! って言われると、いやいやまずは言語学の見地で証明するのが先やろが、って話になっちゃう。ロベーツさんが自分の「トランスユーラシア大語族」仮説の脆弱さを分子生物学とかの虎の威を借りて誤魔化してるようにしか見えんのよ。
それは「日本人」の原郷であって「日本語」の原郷ではないやんけ。
遺伝的系統と言語的系統はまったく別よ。極端な例だけど、スウェーデンの白人とフィンランドの白人は遺伝的にアメリカの黒人より全然近いけど、言語的にはスウェーデンの白人(印欧語族ゲルマン語派スウェーデン語)とアメリカの黒人(印欧語族ゲルマン語派英語)の方が近くてスウェーデンの白人とフィンランドの白人(ウラル語族フィンランド語)はめちゃめちゃ遠いじゃん(スウェーデン語系フィンランド人とかオーランド諸島とかそういうのはひとまず忘れといてねw)。
もちろん古代の話だから、ヒトという乗り物に乗って言語も一緒にやってきた、と仮定するのが無理のない話だろうし、言語学的に想定された原郷と古人類学の観点から突き止められた原郷が一致するなら「なるほど原日本人=原日本語話者の原郷はここなんだな」という結論になるだろうけど、言語学的に穴だらけの仮説を補強するのに古人類学の成果を持ってくるのは話の順番が違うっしょ。
ちなみに言語学的な原郷が遼河流域という説自体は、個人的にはそれなりに「ありそう」だなと思ってる。大陸倭語の存在もあるから古代の朝鮮半島に日琉語が分布してたのは事実っぽいし、さらに、五十嵐(2021)は関東から東北にかけてを覆う「拡大東日本語派」と九州から沖縄まで連なる「南日本語派」がマトリョーシカ分布を示すことを指摘して、本州西部から四国あたりの地域に日本語の原郷を求めてるけど、仮に日本語の祖先が朝鮮半島から入ってきたとすると「なるほどそこから列島に入ってきたんだな」という感じで辻褄が合うんだよね。ただこれはなんの証明もできない妄想であって、もっとちゃんとした言語学的な証拠が必要だけど。
歴史言語学についてはまったくの素人だけど、最近話題になった「日本語の原郷は「中国東北部の農耕民」 国際研究チームが発表 | 毎日新聞」(はてブ)っていう記事の元になったロベーツらの論文(Robbeets et al. 2021)を読んでみたよ!
トランスユーラシア大語族の系統関係、ちっとも証明されてなくね?
著者のロベーツは過去に著書(Robbeets 2015)を出版して、そちらでトランスユーラシア大語族の系統関係を証明したとしているようである。残念ながら増田はその著書を読めていないので、著書の方では厳格な比較言語学的手法で系統関係が証明されているというなら恐れ入谷の鬼子母神でシャッポを脱ぐしかないのだが、正直言ってめちゃめちゃ怪しく見えるよ……この論文では農業関係の語に絞って借用も含めた系統が論じられているんだけど、正直かなり無謀な気がするし、なんでこれでトランスユーラシア大語族が証明された扱いになってるのかちっともわからん。さすがに著書の方では基礎語彙の対応に基づいた議論してるんだよね? うーん……
細かいツッコミになるけど、論文のSupplementary Informationで、お米を表す「まい」という語について論じている。著者らは琉球祖語に*maïを再建するんだけど、そこから派生した語形として与論語のmai、沖縄語のmeeやmeと並んで奄美語のmisiやmiisɨを挙げている。いやいやどう考えても後者は「めし」の転訛だろ(標準日本語のエ段に対応する母音は琉球諸語だとしばしばイ段になる)。まさかとは思うけど「まい」と「めし」の区別がつかないで日琉語の系統を論じてるの?
(追記:「それそもそも呉音じゃね?」というid:nagaichiさんの指摘を受けて追記。この論文ではちゃんと「The Chinese loan morpheme is also found in Sino-Japanese mai and entered Proto-Ryukyuan as *maï ‘rice’」と書かれていて、漢語からの借用語であることは前提になってます。これは日本語の「早稲(わせ)」が朝鮮祖語*pʌsalから来てるんじゃね? っていうことを説明してるパートに付け足された部分で、借用語であることが誰の目にも明らかな「まい」に言及するのは蛇足じゃねーのと思うんですが……)
っていうか日琉祖語や琉球祖語の「土」が*mutaになってるけど何これ? *mitaじゃないの? 日本語の方言形にmutaがあるから*mutaを再構したのかな? でも先行研究(ヴォヴィン 2009: 11)で指摘されてるように祖語形は*mitaだよね……(cf. 八丈語mizya)(なお標準語「つち」は先行研究によれば朝鮮語からの借用語)
さらに、著者は3年前の論文の中でトランスユーラシア大語族の系統を推定しているが、その系統樹では、南琉球語群(先島諸島の諸方言)のうち、まず八重山語が分岐して、次に宮古語と与那国語が分かれたということになっている(Robbeets and Bouckaert 2018: 158)。……なんていうか地図見ておかしいと思わないのかな。もちろんそんな分岐は絶対にありえないと言うことはできないけど、こんな分岐はこれまでの琉球語研究で提唱されたこともない。もっと言えば、ウェイン・ローレンス(2000; 2006)の言語学的な研究によって、宮古語には見られない改新を与那国語と八重山諸語が共有していることが明らかにされている(つまり南琉球祖語がまず宮古と八重山に分かれ、八重山祖語から与那国語が分岐したと推定される)。大丈夫? 日本語の先行研究ちゃんと読んでる?
余談。本論文はやたらと琉球諸語から例を引っ張ってきてるけど、個人的には「本土日本語」は側系統であって琉球諸語は薩隅方言と姉妹関係にある南日本語派の一分岐だという五十嵐陽介(2021)の分析が妥当だと思うので、根本的に日本語と琉球語を姉妹群とするかのような系統樹には納得できないんだよな(ちなみに五十嵐の研究は活字になったのは今年だけど5年ほど前から活発にあちこちで発表されててレジュメはresearchmapで誰でも読める状態だった。まあプレプリント以前の発表原稿の段階のものを引用しろというのは酷だと思うのでロベーツが参照してないのは仕方ない)。考古学的・人類学的証拠からは、琉球列島へのヒトや言語の流入が比較的遅いことが推測されるけど、その頃にはとっくに日琉語は複数の系統に分岐してるはずなんだから(cf. 『万葉集』の東国語)、琉球語が日琉祖語まで遡る古い系統か? っていうとどう考えても違うわけで。
ロベーツらの研究が依拠しているソースの1つに、セルゲイ・スタロスチンというロシアの研究者による語源辞典がある。しかしこのスタロスチンという研究者は、日本語が「アルタイ語族」に属すという証明のために色々と強引な当てはめをやっているのだ。アレクサンドル・ヴォヴィンは、スタロスチンがいかにテキトーなことを書いているか検討している(Vovin 2005; ボビン 2003: 19–26)。たとえば、スタロスチンは日本語に基づいてアルタイ祖語に*u「卵」を再構するのだが、これはどう見ても「卯」と「卵」の取り違えである。また、スタロスチンは日本祖語に*situ「湿っぽい」を再構するが、「湿」をシツと読むのは音読み(=漢語からの借用)であることは説明するまでもないだろう。こんないい加減な「語源辞典」を使って日琉語の系統を論じるってかなり勇者だと思わない?
(っていうか、スタロスチンをはじめとする「アルタイ語族」説の支持者、与那国語で標準語のyにdが対応する(cf. duru「夜」;dama「山」)のを祖語形の残存だと主張してるのか(Vovin 2010: 40)。思ってた以上にやべーな)
案の定、ロベーツの著書も他の研究者からボロクソ言われているようだ。ホセ・アロンソ・デ・ラ・フエンテは、彼女の著書に対する書評で、「Throughout the book there are inconsistencies which may stem from a lack of familiarity with the languages involved and their scholarly traditions」(Alonso de la Fuente 2016: 535)として、彼女の満洲語転写が実にテキトーであることを指摘している。前述のヴォヴィンはさらに辛辣なことを書いている(Vovin 2017。出典表記は省略)。
The recent attempts to prove that Japanese is related not only to Korean, but also to the “Altaic” languages fare even worse. In spite of the devastating critique that has been leveled at these quasischolarly publications, they [Starostin and Robbeets] still continue to sprout like mushrooms after the rain, greeted, of course, by yet another round of devastating critique...
こんなこと書かれたら僕だったら泣いちゃうな……
なおこの論文、朝鮮祖語の再建にも問題があるらしい。以下の連ツイを参照>https://twitter.com/ian_joo_korea/status/1458706979870838788。
増田は素人なので確信を持って間違いだと言い切ることはできないけど、論文全体から信頼できない香りがプンプン漂ってきてる。
考古学とかそういう方向からの考察は知らんけど、言語学的な根拠については賭けろと言われたら間違ってる方に賭けるね。
(追記:こっちの増田→anond:20211121201022も見てね)
このへんの言語史については、古代の朝鮮半島には幅広く日琉語(大陸倭語;Penninsular Japonic)が分布してたんだけど、北方から朝鮮語話者が進入してきて言語が置き換わった、という説(Vovin 2013)が個人的には面白いなぁと思う(大陸倭語については、Vovin 2017; 伊藤 2019; 2021も参照)。いや、素人の考えだからひょっとしたら大間違いかもしれないけど。ただ、仮に大陸倭語の存在を認めるなら、日琉語の故地(Urheimat)が列島の外にある可能性もあるわけで、故地をめぐる議論どうしようかっていう議論は生まれてくるところだと思う。
あと、この増田で「標準語」って言葉を使ってるのにツッコミが入るかもしれないけど、国が言語の規範を決め全国に普及させているというのを無視して「共通語」と呼ぶのは国家による言語政策の権力性を覆い隠すから良くないと思うので「標準語」と呼ぶ派です。
著者のRobbeetsさんの名字を「ロッベエツ」と書いてる新聞があったけど、日本語表記するなら「ロベーツ」じゃない? ベルギーの研究者らしいけど、bが重なってるのは詰まって読むこと(促音)を示してるんじゃなくて、その前にある母音が短母音である(「ローベーツ」ではない)ことを示すためのものでしょ、オランダ語的に考えて……。
それにしてもマンチュリア(いわゆる満州)を「中国東北部」と呼ぶの、ヤウンモシㇼを「日本北部」と呼ぶようなもので、先住民族である満洲人の存在を透明化し漢人の入植を自明のものとする植民地主義的な用法だから政治的に正しくないと思うんだよな。ちゃんとマンチュリア or 満州と呼ぶべきでは。
A. スプリンターズSではダノンスマッシュ、秋華賞ではユーバーレーベン、菊花賞ではステラヴェローチェ、天皇賞(秋)ではコントレイル、エリザベス女王杯ではアカイトリノムスメの勝利を予想していました。マイルCSではグランアレグリアに賭けてます。ジャパンカップは今度こそコントレイルが勝つはず。
niwaradi そもそも著者が多く日本の大学の学者が共著者に10人以上いてNature編集部とレビュワーも賛同したはずなので学会で揉めてる分野なのかな?日本語朝鮮語の共通祖先はどこかにあると思うが。
共著者が多いのは、色んな分野にまたがって調査してる理系の論文だとよくあることだと思います。Natureは基本的に理系の雑誌なんで言語学みたいな文系領域の事情にはあんまり明るくなかったんじゃないでしょうか。ちなみにその「日本語朝鮮語の共通祖先はある」って考え方にめっちゃ反対してるのが本文で言及したヴォヴィンです。最新の論文(Vovin 2021)では日本語の起源は「アルタイ語族」じゃなくてオーストロアジア語族だーって気炎を上げてます(ほんとかよ)。
大野晋の日本語タミル語起源説はただのトンデモです。結論どうこうじゃなくて方法論の時点でおかしい。詳しくは長田(1998)や山下(1998)を参照してください。
c_shiika 令和の騎馬民族征服王朝説だったか…… / ウマ増田さんはウマの記事もちゃんと増田に投稿するべきだと思うの
手持ちのジュエルを全部つぎ込んだけどメジロドーベル引けませんでした!!1!(代わりにすり抜けでナリタタイシンが来た)
噂話が絶えない船→goship
白昼堂々ヒルクライム
千夜一夜/一粒万倍/一日千秋/一石二鳥/七転八倒/二束三文/八十八夜/三々五々/十人十色/千載一遇/一期一会/一栄一辱/一攫千金/一望千里/一喜一憂/一向一揆/一進一退/百姓一揆/百人一首/三位一体/一都六県/百発百中/一朝一夕/一言一句/一汁一菜/三寒四温/一挙一動/一国一城/万世一系/一世一代/千差万別/五代十国
一都六県に含まれるtrocken
美容師が住んでる岬→襟足岬
ありがたい寺→御の寺
疑似餌のジビエ
舌鋒鋭い蜂
すかしっぺ/スカラシップ
煙に巻かれたフィリップモリス
ロキソ人(ろきそんちゅ)
ビザン人(びざんちゅ)
啼き声がGAFAの烏
UMAの馬
ジュラ紀/受話器
ビビッとくる鮮やかさ
ボー君/暴君
コニャック/こんにゃく
試してgoddamn
コックの訛り→コックニー
名前がローチのコック
酒「人を飲んでも飲まれるな」
むざむざに含まれるザムザ
うーんガンダム
仁和寺の法師→ドツボにハマる
ヴォルリモート
山→n字谷
全然やりたくない人→やりたいのは川川ですが..
ひらくごま
水質オタク
絵売りピデス
さすが官房長官
カルツォーネは重い
明るい寺→カン寺
猪突猛進する豚
ラクダに乗った人「楽だな」
掛け値なし(税込)
ベルリン昼ハーモーニー
うるさい猫じゃらし→猫じゃかし
苔のムース
予告された殺人の記録↔︎受胎告知
物憂い株主
春眠打破
ハーシム家/拍子抜け
有無を言わせるな「うむ、分かった」
哲学書→形而モノ
聖書→啓示モノ
メメント森
地上のもつれ
この誰何(Suica)だれの?
予備のスペアリブ
お好み焼きが嫌いな人
焦点をshorten
掛け算で答えを割り出す
あるざますロレーヌ
夫妻肺片↔︎親子丼
心行くままに書く→まにmanuscript
頭抜けた手腕
東大前頭葉
親のコシヒカリ
アタワルパ「能うるか?」
非jokin’ 講師
新宿ぴえん
声が低いハスキー犬
八十八夜の二子玉の五十六と、四十九日の九十九里の三四郎のミニ四駆
十+八十八ハ/10+88=
88歳に似合う色→ベージュ
すごい夢中な人→ゴリ夢中
onの字
さだまさしの妻「そんなせっしょうな」
Uber「同乗するなら金をくれ」
nicheもsuchもいかない
鋭意ままよ
麦とホッブズ
金曜労働しよう
マシンガンの真贋
ドッジボールの在野
包丁とかけて露と解く→どちらも刃/葉の淵から零/毀れるでしよう
珈琲とかけて狂言回しと解く→どちらも引き立てが美味い/上手いでしょう
製紙とかけて調髪と解く
→どちらも髪を梳く/紙を漉くでしょう
未完成のセーターとかかけまして、文字の強調と解きます→どちらも編みかけ/網掛けでしょう
凍死神託
紅蓮グールド
今どこ?/イタリアに至りました/おシエナい/ナポリ葉掘り/信用をおトスカーナ/取り柄ステていいの?/サンジミアーノ惨事見あの
レンジ老婆
手をこまねくコマネチ
ジングルベルジングルベル駿河なる宇津の山べのうつつにも夢にも人に逢はぬなりけり
非売品のシナモン
ブルシットバルドー
あんぐり口を開けて怒る(angry)
人を殺めたゲシュタポ→下手タポ
お魚くわえたドラレコ
政調と分配
ざらにあるアパレル
スロバキアのクソガキ嫌
当方見聞録
当たり前ロマ二
He developed cancer because he had eaten too many crabs.
カルチェ羅漢
What is your New Year’s resolution?
I’d like to buy a 24 megapixel camera.
I had a Japanese breakfast in the morning, which made me had diarrhea, because it’s incontinental.
同時に笑う人々→一斉にやけ
とかや列島
What do you call a Roman emperor
What do you call an ethical country? Humanitalian
みすぼらしい・ダーダネルス海峡
銃では太刀打ちできない
野蛮ギャルド
What do you call a prominent environmental activist ?
Glitter Thumberg
What do you call a cake that is often stolen? Stollen
匍匐/葡萄
Large part of Rajput
酒とメーデーの神
改善ハワー
ぼったくる魚→ボラ
ドイツ語の独学
色々なところにいる魚→ホウボウ
比類ない地鶏
当たるもユッケ
茨城の道
噂話が絶えない船→goship
白昼堂々ヒルクライム
千夜一夜/一粒万倍/一日千秋/一石二鳥/七転八倒/二束三文/八十八夜/三々五々/十人十色/千載一遇/一期一会/一栄一辱/一攫千金/一望千里/一喜一憂/一向一揆/一進一退/百姓一揆/百人一首/三位一体/一都六県/百発百中/一朝一夕/一言一句/一汁一菜/三寒四温/一挙一動/一国一城/万世一系/一世一代/千差万別/五代十国
一都六県に含まれるtrocken
美容師が住んでる岬→襟足岬
ありがたい寺→御の寺
疑似餌のジビエ
舌鋒鋭い蜂
すかしっぺ/スカラシップ
煙に巻かれたフィリップモリス
ロキソ人(ろきそんちゅ)
ビザン人(びざんちゅ)
啼き声がGAFAの烏
UMAの馬
ジュラ紀/受話器
ビビッとくる鮮やかさ
ボー君/暴君
コニャック/こんにゃく
試してgoddamn
コックの訛り→コックニー
名前がローチのコック
酒「人を飲んでも飲まれるな」
(3) 要約
むざむざに含まれるザムザ
うーんガンダム
仁和寺の法師→ドツボにハマる
ヴォルリモート
山→n字谷
全然やりたくない人→やりたいのは川川ですが..
ひらくごま
水質オタク
絵売りピデス
さすが官房長官
カルツォーネは重い
明るい寺→カン寺
猪突猛進する豚
ラクダに乗った人「楽だな」
掛け値なし(税込)
ベルリン昼ハーモーニー
うるさい猫じゃらし→猫じゃかし
苔のムース
予告された殺人の記録↔︎受胎告知
物憂い株主
春眠打破
ハーシム家/拍子抜け
有無を言わせるな「うむ、分かった」
哲学書→形而モノ
聖書→啓示モノ
メメント森
地上のもつれ
この誰何(Suica)だれの?
予備のスペアリブ
お好み焼きが嫌いな人
焦点をshorten
掛け算で答えを割り出す
あるざますロレーヌ
夫妻肺片↔︎親子丼
心行くままに書く→まにmanuscript
頭抜けた手腕
東大前頭葉
親のコシヒカリ
アタワルパ「能うるか?」
非jokin’ 講師
新宿ぴえん
声が低いハスキー犬
八十八夜の二子玉の五十六と、四十九日の九十九里の三四郎のミニ四駆
十+八十八ハ/10+88=
88歳に似合う色→ベージュ
すごい夢中な人→ゴリ夢中
onの字
さだまさしの妻「そんなせっしょうな」
Uber「同乗するなら金をくれ」
nicheもsuchもいかない
鋭意ままよ
麦とホッブズ
金曜労働しよう
マシンガンの真贋
ドッジボールの在野
包丁とかけて露と解く→どちらも刃/葉の淵から零/毀れるでしよう
珈琲とかけて狂言回しと解く→どちらも引き立てが美味い/上手いでしょう
製紙とかけて調髪と解く
→どちらも髪を梳く/紙を漉くでしょう
未完成のセーターとかかけまして、文字の強調と解きます→どちらも編みかけ/網掛けでしょう
凍死神託
紅蓮グールド
今どこ?/イタリアに至りました/おシエナい/ナポリ葉掘り/信用をおトスカーナ/取り柄ステていいの?/サンジミアーノ惨事見あの
レンジ老婆
手をこまねくコマネチ
ジングルベルジングルベル駿河なる宇津の山べのうつつにも夢にも人に逢はぬなりけり
非売品のシナモン
ブルシットバルドー
あんぐり口を開けて怒る(angry)
人を殺めたゲシュタポ→下手タポ
お魚くわえたドラレコ
政調と分配
アパレルなんてざらにあるよ
スロバキアのクソガキ嫌
当方見聞録
当たり前ロマ二
He developed cancer because he had eaten too many crabs.
カルチェ羅漢
What is your New Year’s resolution?
I’d like to buy a 24 megapixel camera.
I had a Japanese breakfast in the morning, which made me had diarrhea, because it’s incontinental.
同時に笑う人々→一斉にやけ
とかや列島