はてなキーワード: ねじ式とは
ガロは書く人も居なさそうなので、元読者の義務感に駆られて書いてみた。リアタイで読んでいたのは80~90年代の一部なのでいろいろ偏っているとは思う。選択の基準としては、漫画史的な重要性や、後世に与えた影響を優先した。バックナンバーや単行本やアンソロジー、関連書籍(が多いのもガロの特徴ではある)などの知識も動員したが、記憶に頼って書いているので誤謬などはご容赦。むしろ先達からの突っ込みが欲しいです。なお、ガロ分裂後のアックス誌の作品にはここでは触れない。
まずはなにを差し置いてもこれ。そもそもガロという雑誌の創刊自体が長井勝一による「カムイ伝」を掲載する媒体を作りたいという並外れた理由によるもので、「ガロ」という奇妙な誌名も作中人物の「大摩のガロ」から取ったものだった。どちらかと言えば現在では「読まれない」作品になりつつある印象なので当時の熱狂を図るのは難しいが、漫画史的には「どうやら漫画という媒体は歴史的・社会的な諸問題を描き得る(と読者に思わせた)」点がエポックだったのではないかと思う。今であればそんなもん当然だろうと思われるかもしれないが、所詮我々はこのような巨人の肩の上にいる。
つげ義春がガロ誌に発表した短編は悉くが傑作なのでとても一本に絞りきれるものではなく、作品の完成度からすればむしろ「ゲンセンカン主人」や「赤い花」ではないかとも思うのだが、後世に与えた影響の大きさを考えればこれを選ばざるを得ない。「見た夢をそのまま描いた」という誤解を受けることも多い本作だが、実のところは多種多様なコラージュや巧みな漫画的技法に満ちていて、きちんとした作為の下に統制して作り上げられた「シュール」の傑作であることがわかる。
若い男女の同棲と破綻の物語と描けば無数の類例が思い浮かぶが、1970年の発表当時には極めて新しかったはずである。なにしろ婚前交渉などという言葉が現役だった時代だ。主人公の職業がアニメーターというのも新しく、しゃれていたのではあるまいか。この作品の画期は、漫画に「俺たちの等身大の青春(あるいはそのように夢想したいもの)」を持ち込んだ点だったのではないかと思う。林静一の洒脱な絵は上村一夫などによる後続作に比べても洗練されていて、今見ても色あせない。
漫画(に限らず表現)とはなにものかを描かなければならないのだというドグマがまだ有効だった60年代、漫画から意味というものを完全に取り去ってしまった佐々木マキの一連の作品はセンセーショナルであったらしい。画風はおそらく杉浦茂の系譜にあるのだが、もはやナンセンスという言葉も不適当だと思われるぐらいに徹底して意味や物語は排除されている。その衝撃は若き日の村上春樹にもはっきりと影響を与えたらしく、のちに佐々木は村上の著作の挿画を担当することになる。
簡素な絵でナンセンス漫画を濫作していた滝田ゆうが、心機一転、自らが少年時代を過ごした戦前の私娼街・玉ノ井の風景をおそろしく緻密な絵柄で描き出した。「三丁目の夕日」的なノスタルジアものの先駆ではあるが、最終回、戦火は玉ノ井の街を焼き尽くして終わる。ここに描かれているものは、卓抜した記憶力と画力により再構築された、失われて二度とよみがえることのなかった風景なのである。
ここまでは疑いなく殿堂入りの作品が並ぶが、ここからは判断に迷う。70年代ガロからは永島慎二や宮谷一彦を外してはいけないかもしれないのだが、活躍のメインはガロ誌ではなかった作家だし、やはり当時の熱狂を現在から嗅ぎ取るのは少々難しい。安部慎一や花輪和一、古川益三(のちのまんだらけ社長)の諸作品も思い浮かぶけれど、ここでは作品の強度と詩情、卓抜した画力を取って敢えて鈴木翁二で。
これも当時の衝撃をいま追体験するのは難しいのかもしれないが、ヘタウマや不条理がどっさり詰め込まれた本作が半世紀近く前のものと考えるとやはり衝撃的だし、こういうギラついた脳天気さは、結局は80年代「軽チャー」の苗床になったのではないかと思わされる。
80年前後のガロにはニューウェーブにカテゴライズされる作家も少なからずいて、例えば川崎ゆきお、蛭子能収、ひさうちみちお、奥平イラなどが挙げられるのだが、個々の作品への愛着はさておいて結局のところ今に至るまで強い影響を与え続けているのはむしろニューウェーブの埒外にいた丸尾末広ではないかと思う。圧倒的な画力は漫画のみならず演劇や音楽にも影響を与えたし、世代を超えたファンも多い。なお本作の初出はガロ誌ではないのだが、代表作として外せないのと単行本は青林堂だったのでご容赦を。
80年代ガロではこの人の名前も外せない。「過激な」作風と言われ「特殊漫画」を自称他称もしている人ではあるけれど、実のところは非常に息の長い物語を紡ぎ出せるストーリーテラーでもあり、日本の近代史や土俗性を容赦なくぶち込んでやるから覚悟しろよというぎらついた野心も垣間見える。その試みがもっとも巧くいった作品の一つが本作。水爆投下とともに発射された精子が自我を持つ話です……と書くと面白そうでしょ?
ガロ最末期の90年代から一人と考えて、古屋兎丸や山野一・ねこぢるなども思い浮かんだけれど、漫画表現の圧倒的な強度に鑑みて本作を選んだ。この地上には存在しないはずなのによく知っている風景がどこまでもどこまでも展開される。いつかうなされながら見た夢が、ここに具現化されているという驚き。「ガロがなければ世に出ることのなかった」作品の一つの頂点であると思う。逆柱作品はどれをとっても傑作なのに単行本の多くは絶版で、とんでもないプレミアが付いてたりする……。
・個人的にはつげ忠男の大ファンで、実際「無頼の街」「河童の居る川」など傑作も数多いのだが、漫画史的重要性を優先して涙を呑んだ。
・赤瀬川原平も言及に迷ったけど、ガロ誌での漫画作品(『お座敷』など)よりも、その外での活躍が多かった人という印象なので選外に。ガロ系の作家ではこういう人も多いのですが。
・「ガロにおける有名作家」という問題もある。水木しげるに矢口高雄に池上遼一といったビッグネームもあれば、のちのどおくまんも一度作品を掲載しており、末期ガロにも吉田戦車のような意外な面々が顔を覗かせる。珍しいところでは、SPA!誌で掲載を断られたゴーマニズム宣言の回を小林よしのりがガロに持ち込んで掲載された例がある。
・ガロ出身で他誌で活躍することになる人も多い。上記の他、新しい世代では花くまゆうさく・福満しげゆき・東陽片岡・古泉智浩あたりか。
・80年代ガロでかなり迷ったのは、トラバでも言及のある久住兄弟や泉晴紀・泉昌之、渡辺和博などの面々。このあたりのナンセンスな作品群はわりと影響も大きかったようなんだけど、作品単体でどうこう言えるものが思い当たらなかったので除外。
・つりたくにこ・やまだ紫・杉浦日向子・近藤ようこといった女性作家たちの極めて良質な作品についても言及しておきたい。特に津野裕子は最末期のガロに、寡作ながら優れた作品を残した作家で、機会があればぜひ一読をお勧めします。
・その他、この10選に選ぶには及ばないけれど間違いなくその人にしか描き得ない作品を残し、ガロという媒体がなければ目にすることもなかったであろう作家たちについても、その名をリスペクトしておきたい。淀川さんぽ、とま雅和、谷弘兒、三橋乙耶、菅野修、等々……。
・90年代ガロは文章ページが(文章ページのほうが……)充実してた感があり、呉智英や四方田犬彦など結構な面々が連載していた。
・投稿ページの「4コマガロ」も相当(雑誌のカラー的な意味で)レベルが高く、ここ出身の有名作家が福満しげゆき。
・同時期にやっていた「ガロ名作劇場」という好企画があって、90年代前半時点では入手困難だった作家を含め、ガロ出身の名作家を回顧的に紹介してくれた。林静一「まっかっかロック」なんてものすごい衝撃受けたし、楠正平や勝又進なんてこんなことでもなければまず読むことができなかった作家だったと思う。
・ねこぢるはやはり入れるべきだったかなーという迷いは今でもあり、代わりに削るとすればペンギンごはんか鈴木翁二か。リアタイ勢だったんだけど初読の際の衝撃は今でも覚えていて、90年代サブカル的にはわりとよくあった「無邪気な残酷さ」が普遍性を持ち得た希有な例だったんじゃないかと思う。(その点では山田花子には自分は少々点が辛い)
・>ビレヴァンいけば売ってる? >なんか漫画系のサブスクはこういうのの乗っかってどんどんセット売りとかして欲しいよな。
これは本当にそう思うところで、ガロの名作群はとにかく作品へのリーチが困難。古川益三の作品なんてマジで読めないし古書には衝撃的な値が付いてたりする。電書にするにしたってタダじゃないのは分かってるけど、なんとかならんかな。
・>「ガロ」はフォロワー・影響度では計れない作家作品が多すぎて。簡単に真似されるような作品はガロ的ではないとも言えるし
これも本当に同感で、孤立峰みたいな作家が多すぎるんだよなー。熱を込めて語られるけれど模倣はされない、って、表現としてはすごいことなんだけど。
>そもそもコーヒー缶は内圧対応になってないから簡単に爆発する。
以前のアルミ缶洗剤事件でアルミ缶爆発に疑問を持って実験した人をみつけた
再栓式アルミ缶は破裂するか 書きかけ
https://www.shimalith.net/index/labs/can-testing
コーヒーのキャップ式アルミ缶はポンプによる加圧では8気圧程度まで変形しつつも耐えて
ペットボトルの内圧強度と同程度には丈夫らしい
「コーヒー缶は内圧対応になってないから簡単に爆発する」のではなく
「コーヒー缶はアルミに厚みがあり丈夫でねじ式キャップも高い圧力に耐えるがゆえに内部の圧力が非常に高まり最終的に爆発する」
と言えるのではないか
と思ったけど、底面が膨らんだわけでもなさそうなんだよなあ謎
知名度、後世への影響、漫画史的意義などを独断と偏見で考慮した上でサブカルくそ野郎フィルターで濾した二番煎じを俺も作ってみたぞ増田ァ
(追記アリ)
すごいよマサルさん:“外し”た感じの意味わかんない感じが面白いと思う傾向。ホリケン的。
ギャグマンガ日和:なんかすごい勢いで突っ込むのが面白いと思う傾向
銀魂:ギャグマンガ日和に近い+勢いよく、沢山しゃべるのが面白いと思う傾向 --現実でやると寒い
ギャグマンガ日和はつっこみ頼りじゃないという意見を頂きました。
ごめんなさいこの中だとギャグマンガ日和の記憶が一番薄いのでちょっと的外れになってる可能性はあり。
勢いよく突っ込んでる回の印象だけ強く残ってるのかも。
浦安鉄筋家族:チャンピオンのギャグマンガの雄。下ネタ、パロディ、勢いのストロングスタイル。成長過程で卒業していき、その後の影響は少ないと思われる。
王様はロバ:センス系。センス一本で戦う気概を感じる作品。これが好きな人は現実ではボソッとおもしろいことを言うタイプ。
脳みそプルン:マガジンのギャグマンガを渋く支えた功労者。ファンタジー&オフビートな笑いで現実での汎用性は低い
LET'S ぬぷぬぷっ:同じくマガジンギャグマンガのいぶし銀なるもあまり特徴の印象がない
久米田康治 作品「かってに改造、絶望先生」等:当初は下ネタ中心だったが作風が変化、自虐、社会風刺系&おしゃれ系へチェンジ。これが好きだと自虐好きに育つ。
みんなの知ってる千葉県をブコメから拾って、知ってるとこだけコメント付けてみた。
鴨川シーワールド(ー>シャチやイルカのショーが見られるとこ)
マザー牧場(ー>動物と触れ合えたり、花を見られたり、いちご狩り出来たり、ステーキ食べらるとこ)
テブラデスキー(ー>今はIKEAになった ららぽーとスキードームザウス のこと)
ぞうの国
東京ドイツ村(ー>TDRと並び千葉なのに東京を名乗る裏切り者)
たくさんのゴルフ場
なんかすごいらしい地層(ー>きっと チバニアン のこと)
犬吠埼(->山を除いて本州で一番早い初日の出が見られるとこ)
印西のあたりはサバゲの聖地(ー>サバイバルゲームか、少なくても3か所は有る)
木更津アウトレットパーク(ー>東京や横浜の人がアクアライン通って買い物に来るとこ)
九十九里浜(ー>396kmは無いけど長い砂浜があるとこ)
なんか、ひょんなことから月蝕歌劇団(という小劇団が都内にあると思ってほしい)の公演を見に行って、それ以来なんか芝居づいている。
これまで演劇なんてぜんぜん興味がなかったのに。
いくつか劇場に足を運んだところで、もう1回くらい観ればもっと色々と見えてくるものがあるかと思い、また月蝕歌劇団に足を運んでみた。
.
演目は『ねじ式・紅い花』と『盲人書簡−上海篇』の2本立て連続公演
(前回の観劇の記録は
https://anond.hatelabo.jp/20170925212923
を参照のこと)
ということで、自分のログを兼ねて、また観劇記を残しておくことにする。
御用とお急ぎでない方は、しばしお付き合いを。
.
ただし。
自分は舞台観劇についてはとことん素人なんで、これから書くのは、通りすがりの素人が見た印象批評くらいのつもりで、紹介文としての情報は期待しないでほしい。
(というか印象批評というワードも小林秀雄みたいで偉そうだな。ほんとに感想文くらいの感じで、ひとつ)
.
■全体として
歴史の長い劇団というのは知っていたけれど、今回は公演100回記念とのこと。
で、旗揚げ時代からのライバル劇団その他のビッグネームが集結した大プレミアム公演だったらしい。
普段は若い女性主体の “少女歌劇団” っていう感じの劇団なんだけど、今回はキャストの年齢が大はばに高めだった。
.
ちょっと変わった構成をしていて、1つのシーズンというか公演期間を前後に分けて、2種類の演目を上演する。
さらに各演目について前座というか露払いというか、出演キャストの歌唱ショー、寸劇、詩の朗読その他をまとめたパフォーマンスとして “詩劇ライブ” というのがある。
.
なので、フルで鑑賞すると1シーズンで合計4演目。
これを多いと思うか、アリだと思うか。
いろんな作品世界が見られてオトクだとも言えるし。
リハーサルやシナリオの練り込み等々のリソースは分散されるから内容的に落ちるものになるかもしれないし。
自分が見たところ、器用な高能力キャストと、まぁそうでもないキャストでうまく仕事を振り分けて、不満を感じさせない作りにしている感じだった。
.
順番に見ていってみると。
.
先に不満点を言わせてもらうと。
演目『老人と子供のポルカ』の歌唱。
左卜前役のベテランキャストがカンペ片手に左右のキャスト(岬花音菜、慶徳優菜)を振り回して大暴れ。
休みなく次の曲『本牧メルヘン』が始まり、そのまま岬花音菜がマイクを握るが、息の上がった彼女にはキーが低すぎた。
おかげで貴重な戦力(岬)を空費。
トリの白永歩美がキッチリと『バフォメット(と、あとなにか悪魔がもう一柱)の歌』(詳細不明)で締めてくれたのが、せめてもの救い。
ハプニングなら再発防止策を取ってほしいし、プロットなら、申し訳ない、あれに快哉を送るハイなセンスは自分は持ち合わせていない。
しかし。
詩劇ライブというのがファンミーティング兼同窓会だというのなら。
いとしの大スターがいつにないハジケっぷりを開陳したほうがファンサービスとしてのお値打ち感は高いのかもしれない。
と、思って周囲を見回してみると、自分と同じか、あるいはさらに年配の観客がホクホク顔で舞台を見守っている。
ハテ、招カレザル客ハ自分ノホウデアッタカ。
うん、わかった。
.
■後半の前座『詩劇ライブ 暗黒少年探偵団』
詩劇三傑(←たったいま自分が決めた。はるのうらこ、岬花音菜、そして白永歩美の3人)のパフォーマンスがたっぷり見られたので実に良し。
はるの嬢は前回と同じギター伴奏かと思ったら、ギターからキーだけもらって、ほぼ独唱。それでいてピッチは正確、ハイノートも申し分なく出ていたし、なんというか、 “このヒト、ひょっとして劇団の隠れた屋台骨なのではないか?” という予感がさらに強まる。
(↑それは本編でガツンと証明されるんだけど)
なぜ合唱のときは控え(それはもう、あからさまな控え)にまわるんだろう?
リハーサルの負荷をソロに集中させるためか。
岬花音菜はカッパの舞。そして小阪知子を舞台に引き出してカッパの相撲。
あいかわらず、この人は歌って動いてが実に良い。
そしてトリは白永歩美。
朗読、歌唱と大活躍。
いつ見ても、この人は安定しているなぁ。
はかなげで、あやうげで、その状態のままガッチリ安定しているという不思議なキャラクター。
そういえば『Those ware the days』に日本語歌詞をつけたものを歌ってたんだけど、受付で立ち読みしたセットリストにそんなのなかったぞ、と思って調べてみたら、『悲しき天使』なんていう日本語版があったのね。
知らなかった。
.
さて本編。
.
■前半の本編『ねじ式・紅い花』
つげ義春の原作、『ねじ式』『紅い花』『女忍』『沼』『狂人屋敷の謎』をまとめて1つのストーリーにしてある。
実を言うと、前回の公演を見たあとに、某氏から、
「なに、月蝕歌劇団が面白かったって? それじゃアレだ。主催の高取英のアレ読んどけアレ」
といって勧められたのが、『聖ミカエラ学園漂流記』(小説版と戯曲版)。
前回の公演を観たときに、
「この人の持ち味は “奔放に見えて実は緻密な複数世界のマッシュアップ” だろうな」
と感じていたのが、この本で確信に変わったのだけど。
原作が2作品や3作品なら、例えば2つの世界の登場人物が呉越同舟で共闘する、みたいな展開もあり得るけど、さすがに5作品同時となるとメドレー形式にならざるを得ない、という感じ。
.
さて、もう1つ、高取氏の特長と思ったのが、ストーリーに必ずクライマックスを用意する、という点で。
(それが、エンターテイナーとしての氏の本性によるものか、それとも “客にはなんとしてもカタルシスを持ち帰ってもらわないと次につながらない” という興行師としての冷徹な計算によるものか、そこまではわからない)
それが、つげ義春の茫漠としたアンチクライマックスな世界とどう折り合いをつけるのか、そこに興味があったんだけど。
これが『紅い花』を中心に最小限の改変を加えただけで、見事に全ての原作が一斉に収束に向かうオチといえるオチになっているのは、さすが。
最後にはねじ式青年が『パーマー・エルドリッチの3つの聖痕』(P. K. ディック)みたいに無限増殖するあたりの幻想テイストが高取氏らしい。
.
あと、前回公演みたいな「身捨つるほどの祖国はありや」的な大きな主題は今回は抑制されている。
.
助成金云々の楽屋落ちは生臭いので忘れたことにする。
.
そして、この劇団特有の時間がゆがむ感覚をまた味わう。
今回は、サヨコの祖父の楽屋オチ的な台詞。
.
「最近、嵐山光三郎が書いたんですがね、松尾芭蕉は忍者だったんですよ」
.
えーと、嵐山光三郎の “芭蕉忍者説” は2000年代なんですが。
高取氏の作品世界が戦前、戦後、昭和30年代、1960年代、1980年代みたいに複数の時代を放浪するように、劇団自体も、60年代、80年代、そして2000年代の全ての時代に存在しながら、どの時代にも存在しないような不思議な立ち位置。
それが、この劇団の持ち味でもあり。
.
あ、あと、狐舞の意味がやっとわかった。
なんのことはない、 “ここから現実感と見当識がゆるんで、心象風景と象徴劇が始まりますよ” という演出効果だ。
多色発光LEDを掲げた葬列も、夜光塗料の試験管をもった少女たちも、おそらく同じ。
少女漫画で「なんでクライマックスに花びらが飛び回ってるの?」とか訊かないでしょ? アレと同じだ。
そういえば、最近の子供は漫符(怒りの青筋とか緊張の汗とか)がわからないケースが多いらしい。
つまり自分は月蝕の鑑賞において子供だったわけだ。
というあたりで。
.
そして、問題の↓
.
■後半の本編『盲人書簡−上海篇−』
あー、うん。
むかし『草迷宮』(寺山修司)を観て途方に暮れたことを思い出した。
あるいは、さらにむかし『原始人』(チャーリー・ミンガス)を聴きながら、
「これは良い音楽なんだ、良い音楽なんだ、みんながそう言ってるから良い音楽なんだ」
と歯を食いしばっていたことを思い出した。
.
はっきりしたこと。
自分に “前衛” を受け止める感受性はない。
.
それでも、なんとか受容を試みてみる。
.
(1)1930年代の第二次国共合作を背景にした不穏で混沌とした上海共同租界。
(2)明智小五郎と小林少年という、戦前・戦後の言ってみれば “陽のヒーロー” をどす黒く改変したキャラクターと、堕落した母親としての小林少年の母。
(3)白痴の少年と娼窟の姉妹がからむ、不快にユーモラスな人物群。
.
この3つの人物群を主なストーリーラインとして、失明した小林少年を中心に “目明きと盲(めしい)、世界が見えているのはどちらか” という問いを主題として話はすすむ(ように見える)んだけど。
.
途中、影を喪失した少女、みたいな挿入話をはさみながら、ひたすらグロテスクなストーリーとも言えないストーリーの断片が続く。
クライマックスは小林少年と恋人(?)のマサ子の再開を中心にしながら、全てが虚構の中の虚構、悪夢の中の悪夢、という入れ子の構造をあからさまにするところで、唐突に終わる。
最後の最後には第四の壁も突破して現実のキャストの名前まで出てくる。
.
うーむ、書いておいてなんだが、なんの説明にもなっていない。
ねぇ、寺山修司って、ホントに70年代、80年代の青少年のカリスマだったの?
(今度、『書を捨てよ云々』でも読んでみるか……)
.
可能性としては、今どきの若者がP. K. ディックやら筒井康隆やら読み慣れてるせいで、 “崩壊する現実” やら “虚構の中の虚構” を普通においしく摂取しているのに対して、当時はその種の超現実的な幻想悪夢ワールドが知的にトガった青年だけの愉悦であったとか。
.
ま、さておき。
これ以上はどうにも言いようがない。
自分にとって確かなことは。
ということ。
.
さて。
キャスト、演出その他については、以下の通り。
.
■白永歩美
女忍コジカの息子、宗近と小林少年を好演。
このヒトが、登場するだけで舞台が猟奇的でビザールな空気になるような、言ってみれば “嶋田久作” 的な怪優でありながら、それでいて結構な美人サンである、というのは劇団にとって大きなアドバンテージなんじゃなかろうか。
劇団のカラーを一人で体現しているような。
ビジュアル、演技、歌唱、トップの名称は伊達じゃない、って感じ。
.
というか。
実のところ、トップというネーミング自体はどうでもいい。
それがプリマドンナでもソリストでもエースでも四番でも同じことで。
その種の人に求められるのは才能でも鍛錬でも、ましてやプロデューサー/ディレクターの寵愛でもなく。
それは「いつ、いかなるときでも、自分が前に出ていってなんとかする」という思考形態だと思う。
.
例えば才能、というか生まれつきの資質なら。
前回の公演には高畑亜美という彼女に負けず劣らずのビザール美人さんがいた。
.
例えば技能なら。
前回の公演で、白川沙夜というキャストは、ストーリーテラー、コメディリリーフ、仇役という3つの仕事を3本の腕で同時につかんでブンブン振り回して大暴れしていた。
.
でも、彼女たちは今回はいない。事情は知らない。
いっぽうトップには「事情により今回は出演しません」という選択が無い。
脚光も浴びる、注目もされる、そのかわり劇団の出来が悪ければ矢オモテ、火ダルマ、槍ブスマと。
群像劇主体の劇団で、ある程度は負荷が分散するにせよ、あの細っそい体にかかっている重責を想像すると、なんというか、なんというか。
長くなった。
ともあれ、健康にお気をつけて。
.
■川合瑞恵
前回までは “作りようによっては、いかめしく見える” ビジュアルを活かしたワンポイント役だったのが、今回は『女忍』パートのキーとなる女忍コジカに大抜擢。
これが大根だったら目もあてられないところを、実に器用に演じきってしまった。
本職はモデルさんだと思ってたんだけど。違うの?
芸能関係って器用な人が多いのよね。
.
■岬花音菜
演技はさておき、まずは狐舞。
今見ているのがカラダのオモテなのかウラなのか、腕なのか脚なのか分からなくなってくる超絶変態空間機動がひっさびさに大炸裂!!
これだ! これが観たかった!
いや、じつは、このところモヤモヤしていた。
「いや、たしかに踊りも歌も演技も良いけど、ここまで追っかけるほどか?」
でも、たしかに思いちがいじゃなかった。
.
そこには、たしかに岬花音菜がいた。
およそ2ヶ月前、片目の猫の舞で自分の脳味噌をブチ抜いた岬花音菜が。
.
ちなみに。
あとから取材を試みたところ。
あの一連の動きは、ボランティア(アルバイト?)のダンス教室で子供たちに最初のウケを取るために編み出した動物踊りがオリジナルだとのこと。
.
するとなにか。
自分の鑑賞眼は子供レベルか。
まあいいけど。
.
というか、彼女の狐舞に視線をもぎ取られ、ねじ式青年と女医のベッドシーンの大半を見逃していたことに、劇場を出てから気がついた。誠に申し訳ない。
.
さて。
キャストとしては『紅い花』パートのシンデンのマサジ、『盲人書簡』で白痴の少年を担当。
この演技、周囲の評価はウナギ昇りだろう。
じっさいTwitterを中心にネットを見ると、彼女と慶徳優菜の評価はウナギ昇っている。
ただ。
自分としては評価は保留としたい。
なぜって?
あまりに、あまりにもハマり役すぎて、いま見ているのがキャラクターなのか、それともキャスト本人なのか、観劇素人の自分には判然としないから。
(これ、自分の中では笠智衆と同じ位置づけだ)
大竹しのぶがアニーを演じたり、同じ劇団でいえば白永歩美がピーターパンを演るのとは、意味が違う。
『紅い花』ではプレ思春期の少年のいら立ちを、『盲人書簡』ではスケベなアホの子を、と、いろいろ打ち出しているのは分かる。
分かるけど、いずれも、まずは本人あっての効果であって。
このあと彼女は “月蝕きっての永遠の少年役” として存在感を増していくのだろうか。
それもアリだと思うけど。
.
■慶徳優菜
『紅い花』キクチサヨコ役。
だけど彼女の評価も保留。
理由は岬花音菜と同じで本人そのものだから。
その意味では、娼窟の妹と小林少年の想い人のほうが、本人のポテンシャルがよく分かる気がする。
そっちの方はというと、うん、悪くない。
ただ、これは自分の思い込みかもしれないけど。
なんというか彼女は “月蝕、次世代のプリマドンナ育成枠” というのに完全に入っている気がする。
この直感が正しければ、それはおそらく本人の十分な資質と劇団の目算があってのことだろうけど。
なんかモヤっとする。ほかの新人も若手も、ひとしく頑張っている(ように見える)のに。
.
■はるのうらこ
なんというか、詩劇ライブのときは “ひかえめな、でもシャレのわかるおねーさん” というオモムキの彼女。
キーとなる配役のキャスティングが多いから、信頼の厚いキャストなんだろうな、という以上の認識はなかったんだけど。
(そしてそれは、ねじ式青年という大役を見ても動かなかったんだけど)
これが。
『盲人書簡』娼窟姉妹の姉役。実にすごい。
あのフワっとしたキャラが、女の嫌なところを全部集めて煮詰めたようなキャラクターに大変身。
慶徳優菜をサポートに娼窟パートのカラーというか空気を完全に支配していた。
.
あと、些細なことだけど。
キーアイテムとなるタバコをチャイナドレスに入れ忘れたか、取り出せなくなったか。
取り出そうと悪戦苦闘して2秒。
見切りをつけてアタマの中でプロットを切り替えるのにコンマ2秒。
架空のタバコをふかして場面転換の決め台詞につなげるまでの時間の空費がわずか2.2秒。
はるの氏にとっては迷惑な賞賛かもしれないけど、ここの所作の切れ味に地味に鳥肌が立った。
.
■宍倉暁子
彼女が登場すると、そこだけ別の照明があたってるようだった。
さらに今回の千本桜ホールより少し大きめの劇場向けにチューニングされた、よく通る発声。
今回集結した “夢のベテラン勢” の中では、彼女が出色だった。
彼女だけは気になって調べたら、舞台を中心にTV、映画と活躍の現役大ベテラン。
たしかに分かる。
自分の外見と所作が人にどう見えるか、何十年にもわたって掘り下げていないと、ああは行かないと思う。
『紅い花』では漂泊の釣り人。すこし困り顔の茫漠とした旅客でありながら、マサジのカウンターパートとして要所を締める。
『盲人書簡』では軍人と密通する小林少年の母として、実に汚ならしい堕落した母親像を体現。
教科書的に言えば寺山修司の作品世界に通底するコンプレックスというかオブセッションというか、ともかく “その部分” を実に彼女一人で背負って担当していた。
.
■大久保千代太夫
今回最高の当たり役の一人。
犬丸は尾張織田と敵対している設定だけど、人物造形はおそらく美濃のマムシこと斎藤道三がベースだと思われ。
自分に襲いかかった刺客を手籠めにして側室にする一代の梟雄らしい悪太郎ぶりと、戦国武将の透徹した死生観が、もう全身からみなぎっていた。
『盲人書簡』の方は。
うーん、自分の中では “生ける舞台装置” としての黒い苦力(クーリー)の集団は、なんというか、全員が均質な筋肉質の没個性の集団だったんで、あの巨躯が逆にマイナスにはたらいた気がする。
こればっかりは、いたしかたなし。
.
■小阪知子
影の殊勲者にして功労者。
前説とカッパ相撲のときから(自分の見立てでは)この人は切れ者だろうな、と思ってたんだけど、今では確信に近い。
馬鹿をやる、それもビビッドに馬鹿をやれる人間は、なんというか、切れる。これは自分の持論。
自分が見るかぎりでは、月蝕歌劇団キャストのベテラン高位職者(?)には2つのカテゴリがあって。
1つは白永歩美、岬花音菜のように “スタア” 役を仰せつかってスポットライトを浴びる職種。
もう1つは、前回公演の鈴乃月葉や今回の彼女のように “ひとり10役をこなしてストーリーラインを維持する” という重責の担当者。
.
■若松真夢
薄い眉、暗く沈んだ眼。白永歩美が陽のビザールだとしたら、彼女は陰のビザール美人。
もっといろんなキャストで見てみたいと思った。できれば和装で。
.
■城之崎リアン
詩劇ライブのみに登場。OGか。
そりゃ、男女問わず固定ファンがガッツリと付いたことは想像にかたくない。
問題は、貴公子以外にどんなキャストをやっていたのか、想像がしにくいことで。
もっと昔から見ていなかったことがくやまれる。
.
■登利忌理生
前回の中村ナツ子に続き、今回の「なにものだ! このひと!」ワクに期待のダークホースが登場。
自分は茶髪に偏見があるようで、「えっとぉ、学校卒業の記念にぃ、オーディション受けちゃいましたー!」みたいなハスッパな外見と、そこから飛び出す恐ろしい長セリフと演技巧者ぶりのギャップに舌を巻いた。
本当に何者だ! と思って調べてみたけれど、月蝕以前の芸歴がまったく引っかからない。
あれか。学生演劇出身か。
.
■音無ねむ
今は、まだ大部屋女優といった立ち位置。
(たぶん。自分が調べた限りでは、まだ無名)
何者でもない。
何者にも、まだなっていない。
だけど、あの男に引けを取らない長身とキリっとしたマスクには、絶対に活きる使いみちがあるはず。
実際、『盲人書簡』の “新聞朗読笑い男” には何とも言えない味があった。
(キャスティングの認識、間違ってないよね?)
陵南の田岡監督ふうにいえば、「体力や技術を身につけさせることはできる。だが、彼女をでかくすることはできない。立派な才能だ」ということ。
まずは、その長身を恥じるような猫背をやめて、胸郭を開いてまっすぐ立つところから、カンバレ!!
.
■J・A・シーザー(と音響)
ふむ。ふむふむ。
エンディング、こんな感じかにゃ? 間違ってるかもだけど。
(いま手元にGarage Bandしか無いんで大変)
.
Bm....................BmM7(←Daugかも)
寺 の 坊 ん さ ん 根 性 が 悪 い
.
Bm.............Bm........F#m..GM7
守 り 子 い な し て 門 し め る
.
F#m.........Bm........F#m......Bm.E
ど し た い こ り ゃ き こ え た (か)
.
(間奏2+4小節)
E.................Bm.......Bm.......Bm.......Bm
+--------+--------+--------+--------+--------+--------+
.
Bm.......D/A...GM7..........Bm.D/A..E..
守 り が 憎 い と て 破 れ 傘 き せ て
.
Bm.......D.....GM7.......Fm#......GM7
か わ い が る 子 に 雨 や か か る
.
Fm#.........GM7.......Fm#......GM7
ど し た い こ り ゃ き こ え た か
.
(間奏4小節)(以下同じ)
.
メジャーセブンに合わせて変えたか。
採譜するまで気が付かなった。
.
えー、日本のニロ抜き音階(いわゆる田舎節)で作られた民謡/童謡に、7th、9thがタップリ乗ったモダンコードをあわせて。
さらに、それを流行りのリズムパターンに乗せると、こう、実にカッコいいニューエイジ/ワールドミュージックになるのは皆さんご存知のとおり。
.
こういう音楽はみんな大好き。ボクも大好き!
この種の音楽の嚆矢は自分が知る限りYMO(実質、坂本龍一)で、80年代ではあるけど、このスタイルが「教授(坂本)のパクリじゃ〜ん!」と言われなくなったのはEnigmaやDeep Forrestが日本でワサワサ紹介されて一般化した90年代のような感じがしていて。
(“姫神せんせいしょん” や喜多郎については、当時ノーマークだった自分に語る資格はない)
問題は、J・A・シーザー氏が、何故この時期にこの種のスタイルをぶつけてきたか、だ。
.
.
本公演エンディングの『竹田の子守歌』はJ・A・シーザー氏の手になるものではないとの指摘がありました。
お詫びして、訂正します。
以下、上記の誤りを前提にした言及をカットします。
.
.
でも、今回のエンディングが実にイイ感じだったことは確かで、これからもこの路線はアリなんじゃないか、と思った次第。
うん、自分に言えるのはそれだけ。
.
最後に音響について。
なんか、今回の殺陣は斬撃の効果音のタイミングがやたらと良かった。
何か条件が変わったんだろうか。
ただ、いつもながら思うのは、客席一番奥にコントロールブースを置かないで、それでもあのレベルの音響を維持できているのは、それ自体が奇跡に近いことだ。
.
ただ、生きている動物の仕込みはさぞかし苦労しただろうな、と。
.
んー、今回の月蝕歌劇団はこんな感じでした。
全体としてどうなのかって?
うん、良いところもあれば、首をかしげるところもある。
.
まずは。
自分はもともと聖子ちゃん、キョンキョンのころから、それほどアイドルが好きではないので、フレッシュなキャストのライブ感、というのにはそれほど重きをおかない。
なので、(おそらくは)キャストそのものに入れ込んでほしい、という劇団の方針には同意しかねる。
.
しかしながら。
高取英氏の作品世界。これにはどーしても、どーしても不思議な引力を感じでしまう。
結果として、スケジュールが合って演目の印象が良ければ、これからも足を運ぶような、そんな感じがしている。
というあたりで。
.
また機会があれば。
、
ここ最近、急に筆記具(フェルト・筆ペンなど除く)にハマりだし、
会社の引き出しを100本以上のボールペン・シャーペンであふれさせたり、
http://anond.hatelabo.jp/20151130141144
http://anond.hatelabo.jp/20160104182332
どうも終わりが見えてきた。
もうボールペン・シャーペンは新しいの買う気がしないし、低価格の万年筆もまあこんなもんかな感が出てきて、まだ体験していない新しい筆記感というとペン先が金の万年筆だけが残ってしまったので、これを手に入れることによって筆記具への熱が冷めるだろう、という予感がある。
まあ今年中には買うんじゃないかな、と思うのでうっかり高額の奴を買わないように今のうちに方針をメモする。
(1)PILOT フリクションとハイテックCシリーズなどで有名、大企業、インクが近場でも手に入る。文字の大きさに対してペンポイントが小さく、インク量が多いためぼやけた書き味になりやすいとの噂。今年、コンバーターのCON-20とCON-50が廃番になって新しいCON-40に統一になった。40は全身透明のコンバーターなのでこれに合わせた透明カクノとか新発売するんじゃないのと思っている、買わないけど
(2)プラチナ万年筆 シャーペンのプレスマンやプレピー・プレジールで俺に有名、大企業ではないので一点突破型であとはゆるい印象、所有しているプレピーも、個体によってキャップをはめ込むときの感触が全然違うし。近場ではカートリッジインクだけは買える、コンバーターの評判悪し。
(3)セーラー万年筆 社長の更迭で有名、国産万年筆で一番の老舗らしいが近場で扱ってる店なし。穂先が柔らかくてすぐ曲がるとの噂
(2)細字だと書いた字の色が薄くなりがちでインクの色を楽しむのには向いていないが、それが逆にインクにはまるのを防いでくれそうな気がする。
(3)中字・太字だとペン先のイリジウム玉が大きいので、正しい角度で紙に接地させないとかすれたりして、ボールペンになれた現代人にはストレスがかかる。
3.見た目、機能に関する注文
(1)保管場所は仕事場なので、真っ黒の葉巻型に金のクリップみたいな、あまりにも万年筆ですよ~ってのは恥ずかしい、部長でも持ってないよそんなの。
(2)かといって完全に透明とかだと汚れが目立ちそう。現在プレラ色彩逢いを使っているが、うっかりキャップを水洗いしてしまったせいで、透明キャップと内側のインナーの間に毛細管現象で水が入り込んでしまい、キャップの分解の仕方が分からないので1ヶ月以上たった今もうすーく残ったままだ。水で、3000円の万年筆だからまだいいけど、1万円クラスの万年筆でこんな感じに落とせない場所にインクが入り込んでしまったりしたらショックでかそうである。
(4)インクが本体軸吸引式だとゴムが劣化したり、壊れたときだばあってインクをぶちまけそうで怖い。カートリッジ・コンバーター両用式が無難か
(5)でかいよりは小さい方が良いかも
(6)2万は出さない
4.実際の候補金ペン達
(1)5千~1万円クラス
1:PILOT カスタム74 10,000円 14金 葉巻型 ねじ式 カートリッジ・コンバーター両用
1-2:PILOT エリート95S 10,000円 14金 ショートタイプ はめ込み式 両用
2:プラチナ 14Kスタンダード 5,000円 14金 円筒型 はめ込み式 両用
2-2:プラチナ 3776センチュリー 10,000円 14金 葉巻型 ねじ式 両用
3:セーラー プロムナード 10,000円 14金 葉巻型 ねじ式 両用
(2)1万~1万5千
1-3:PILOT カスタムヘリテイジ92 15,000円 14金 円筒型 ねじ式 吸引式 透明軸のみ
1-4:PILOT キャップレスデシモ 15,000円 18禁 キャップレス型 両用
2-2:プラチナ 3776 ロジウムフィニッシュ 15,000円 14金 葉巻型 ねじ式 両用
3-2:セーラー プロフィット 12,000円 14金 葉巻型 ねじ式 両用
3-3:セーラー プロフェッショナルギアスリム 12,000円 14金 円筒型 ねじ式 両用
3-4:セーラー プロフィットスタンダード21 15,000円 21金 葉巻型 ねじ式 両用
う~んねじ式ばっかり、めんどくさそうなんだよなあ、かといって5,000円とかの中途半端なヤツ買って熱が冷めるかどうか…
キャップレスはインク漏れが怖い上にクリップ側を持つってのがかっこわるそう、やっぱエリート95S(はっぱふみふみ)か?こないだの感想から変わってないな。
う~ん
始まりは配置異動により、今までほぼメールなりプリントアウトした紙なりですんでた仕事が、少しだが手で書いた文字を他人に渡さなければいけなくなったので、まるでミミズののたうちまくった様な字じゃいけねえ、練習しないとなあと思い始めたのが2年前
・職場の使い古しペン置き場でPILOTのVペン(細)を見つける、ペン先がペンっぽいので(なんだこの表現)線の強弱やはね、はらいが綺麗に出来るんじゃないのと試し書き→太い!線太い、おまけに特に強弱つかない、だめだこりゃと別のを探すことに。
・文房具屋でプラチナのプレピー(200円)を発見、200円ならと知らずに『05』を買ったがこれまた太い!極太、サインペン並み。だけどスルスルした書き心地と濃淡の出る筆跡は良いなと思った。
・別の本屋さんでPILOTのペチット(200円)とカクノ(1000円)を発見、おもちゃみたいな外見に1000円出しづらかったのでペチットにする、太い!『F(細字)』ってあるのに太い、しかも滲むしよく見たらVペンと同じペン先じゃないか、とだまされた気分になったがかわいいので取っておく。
・調べる内にネット記事とかで極細プレピー(300円)はいいぞ、でもキャップが割れやすいのはかんべんな、的な記事が多いのに気付くが近所に売ってない、仕方ないので通販で購入、なるほどちょっとカリカリしてるけど細い字が書ける、ちょっと使ってみるか、と2週間ほどでキャップが割れる(300円の方)、仕方が無いので古い方のプレピーの軸やキャップをメラミンスポンジやプラモ用研磨剤で磨いて、すべて透明にして移植する。→なかなか気に入る。
・それとは別にネットでPILOTのペン習字ペン(500円)が極細プレピーをしのぐ細字だと言われていたのでネットで購入、なるほどカリカリ。でも見た目スーパーださくて職場では使えないなカリカリ。
・プレピー極細が気に入ってきて、手書きを増やすため毎日食べたものを書く胃袋日記を始めたりする。
・しかしプレピーはいつキャップが割れるか分からないので、割れた時移植するため中身が一緒と言われるプレジール(1000円)をネット購入、届くとキャップの頂点に『03』と数字が刻み込まれていてがっかり、なんでこんなことするの。
・しかし透明プレピーのキャップは割れず、そのまま9ヶ月ほど使い続ける→もうちょっと値段がする物が欲しくなってきたので3000円クラスを見積もる。
1.LAMYサファリ(アルスター)、とにかくネットで評判は高いが海外製は極細でも基本字が太いらしい、あと意外とでかいし、周り人にあの人りっちゃん派だわと思われる危険性がある。
2.PILOTコクーン、評判は高い、ペン習字ペンとペン先が一緒なのでいざとなったら交換できるメリットがある、しかし見た目がプレジールとかぶっていて(異論は認める)透明軸がない。
3.PILOTプレラ色彩逢い、インク吸い上げ機構が最初から付いてる、これもペン習字ペンとペン先が一緒、透明軸だがキャップのインナーが真っ白でペン先が隠れているのがややがっかり要素。
4.プラチナバランスシャインクリスタル、Amazonで見つけたがちょっと評価が低かったのと、せっかくプラチナ万年筆なのにスリップシール機構がないっぽかったのががっかり。
5.1000円のPILOTカクノやセーラーハイエースネオとかも評判高かったが、すでに1000円のプレジールを買ってしまっているので同じ価格帯のペンを増やしてもな、と思い除外。
・結局プレラ色彩逢いを購入し、ボトルインク(ふつーのPILOTブルーブラック)からのインク吸い上げを体験し、うーんこんな感じか、と納得したところ、もう次に買う万年筆の心配をしている自分がいるのだった。
・次は5000~1万円ぐらいか、ここまで来たら金ペンがいいかも
・キャップはねじ式はちょっといや、かといってキャップレスは信用ならない
・この価格帯だと海外メーカーはないだろう、あと国産でもセーラー万年筆は近場でインクすら売ってない
・あんまりハデハデ、万年筆ですよ~!ってのは恥ずかしい、そもそも日記にしか使わない
・プレピーみたいに放置してても大丈夫な方が良いが、ここまで来たらある程度手がかかる方が書くかも知れない
・以上の条件があって、今かっこいいかもと思っているのはPILOTのエリート95S(よく分からんがはっぱふみふみらしい)なんだけど、ほかにもお勧めあるかね?
・まあ一番使ってるのはプレピー(200円軸に極細02ペン先を付けたもの)なんだけどね、思うにプレピーのキャップが割れやすい、というのは300円軸のあの銀塗装が原因じゃないかと思うね、あれは本当にマッハで割れたけど200円の方の透明っぽいキャップは1年近く使ってて大丈夫だもんね
料理にハマって、はや5年。色々と機材を使っては飽きて埃を被せ、邪魔になって倉庫送りも繰り返した結果、ようやく普段使いのツールが安定してきた。というわけで、俺が使い続けてるヘビロテ料理機材を紹介してみる。
カセットコンロでお馴染みのイワタニの薄型カセットコンロ。達人シリーズは火力の強いタイプから、風に強いタイプなど色々あるがおすすめはコレ。見た目がカッコいいし、薄いので鍋の中身が上から見やすく、収納スペースもあまりかさばらない。
バーミックスなど、高級モデルもいろいろ使わせてもらったが正直あんまり大差ない気がする。で中型器のこれを愛用。ピューレも結構時間かけてあげれば細かく舌触りのざらっと感が無くなるくらいまで行ける。
【ロボクープフードプロセッサー】
フードプロセッサーといえばクイジナートという業界屈指のメーカーがあるが、ロボクープも中々悪くない。クイジナートと同じ金額で一回り大きい容量の物が買える。性能もブレードの替えも十分満足の内容。
オリーブ材でできたカッティングボード。これ使うだけですごいおしゃれに見える最強の皿の一つ。肉でもスイーツでもパンでもチーズでもなんでもイケる。安い奴は傷つきやすいけどオリーブ材は堅くて良い感じ。
【有本葉子の鉄フライパン】
料理研究家の有本葉子のプロデュースフライパン。裏面が凸凹がついているので、普通の鉄フライパンよりもこびりつきにくくなっている。テフロンと違って使えば使うだけこなれてきて材料が張り付きにくくなるのもGOOD。最初は19センチの小さいのしか使ってなかったけど、今は27センチも購入。
合羽橋の包丁屋で勧められて購入。250番と1000番の両面砥石。水吸わせなくても研げたり、裏に滑り止めがついていたり、収納ケースがいけてたりと至れり尽くせり。完全に切れなくなった包丁は中砥だと研ぐのに恐ろしい時間がかかるので、やはり荒砥も欲しい所。仕上げ砥はなくても正直そんなに困らなかった(買ったけど使ってない)
まあ包丁は人の好き好きがでるのだけど、愛用しているのがコレ。肉の塊から野菜のみじん切りまで、なんでもこれ一本。大きい包丁は慣れるまでは怖いけど使い慣れるとホント便利。刃渡り長いって素敵。LOVE牛刀。あとグレスデンは堅いので、研いだあと切れなくなるまで結構長持ちするし欠けにくい。包丁の張り付き防止のへこみとかも良い。
【hashira-jyu エプロン】
メンズ専用のエプロンということで購入。ちょっとお高いんだけど、カッコいい。マジでカッコいい。革の縁どられた着脱式のポケットとか厨二心くすぐるヤバさ。人んちで料理する時、女性にエプロン大概褒められるので、料理婚活する人とかにもおススメ。
【エレクター】
こんなにキッチンスペース置けないよ。って、うちもそう。キッチンにすべて収納は無理なので、書斎が厨房機材置き場に改造。エレクターとか高さ変えられるので寸胴とか鍋とか収納するのに便利。埃被りやすいのでそこは注意。
包丁は牛刀と間切包丁があれば大概OK。間切包丁とは魚屋さんがつかうペティ。当然大きくない魚はこれで下ろせます。大きい奴は牛刀でおれはやっちゃう。もちろんペティとしても十分使える135mmを愛用。でも包丁って本当にどんどん欲しくなるんだよなー。
これも書くの忘れてました。1500円以下で購入できるクッキングスケールです。料理は本当に重さ計るの大事なので、これはほぼ毎回活躍します。0.5グラム単位ですが値段と性能からいったらこれで十分。
これもメーカーはぶっちゃけどこでも良いです。揚げ物、肉の中心温度、鍋の温度、ケーキの中の温度などなど色んなもの計るのに超活躍します。プロは鉄串を唇の下に当てて温度計りますが、そんなん慣れないと無理だし、いろんな料理で使うので1本欲しいです。
これもへヴィに使ってますね。メーカーどこでも良いと思います。うちのは象印だったかな。重要なのは保温機能。50度くらいから細かく設定できるのがベストです。低温ローストで温度維持したい時や、80度キープした湯銭などガスだと凄いめんどくさい事をオートでやってくれます。保温系調理機材(シャトルシェフ)もありますが、引っ張り出すの面倒なので今はIHの70~80度保温で長時間煮込みを作ってます。
【雪平鍋】
ごめんなさい。メーカーはどこのか忘れましたが、合羽橋で20センチ口径の少し広めのを使ってます。とにかく雪平はアルミ打ち出しの分厚いのがおススメ。薄い奴と違って熱の入りがとてもよくなります。ジオの行平鍋もあるんですが、日本製の雪平のほうが洗いやすくて個人的には使い勝手よいです。
これは大人数向けでやる時には超便利です。アクアパッツァ、豚の角煮などはもちろん、炊飯器だと1回で間に合わない時第二の炊飯ジャーとして活躍したりします。鋳物鍋はとにかく蓄熱が半端ないので煮込み系には良いですね。自分は圧力鍋使わない派なので、これが圧力鍋がわりとして重宝してます。
一番最近買ってよかったなと思う調理家電。3万円以下で買えるコンベクションオーブンです。デロンギ社なので製品ちゃんとしてますが、電子レンジ機能ないので置き場所確保が難しいですが、レンジのオーブン機能とは全然違います。肉を外パリ、中ジュワで仕上げたければおススメ。
(追記2)
お、色々とブクマありがとうございます。
今回はQ&A的にお返事。
ごもっともなんですが、家狭いので。蓋つきのもので、ビニール袋で包んで使うときに洗って使えば大体大丈夫だと思います。
これも言われるかなあと思ったんですが、まあ両方めっちゃ使ってるんですよね。煮た野菜系をピューレにしたい=ブレンダ―。肉系をひき肉にしたい=プロセッサーで使い分けてますが、どっちかって言われたら、ブレンダ―かなあ。
書き忘れましたが、ブコメにあるように行平鍋が最強です。1人暮らしで料理ハマる前はほぼ行平鍋1個しか鍋持ってなかったです。18センチくらいのちょっと大きめの、厚手の行平本当に便利なので最初はこれが良いかと。(上に今使ってる奴追記しました)
○エプロン何処で買えるの?
そう。俺もそうとう探しましたがPARCOの地下のクラスカで買えました。
http://shibuya.parco.jp/page2/5872/1630/
○文化包丁一本で十分
まあ、それも全然良いと思いますよ。本当に包丁は人それぞれで好みあるので、自分に合ったものを探せばよいかと。筋引きとか牛刀とかの長い包丁は使い慣れると1ストロークでたくさん切れるので、文化包丁に戻れなくなる使い心地はありますけどね。
○100均って使うの?
小物類は結構使ってます。計量カップ、計量スプーン、菜箸。ほかには、バットやボウルは沢山使いたい派なので、100均で同じ形の結構買いました。あとはタッパ。ねじ式の円柱型のやつが使い勝手良いです。あと、意外なところだとスモークのチップなんかも100均で買えるのでこれもおススメ。
○中華鍋は?
自分が中華作らないのもあるのでしょうが、全然使ってません(持ってるけど)。正直家庭の火力なら鉄フライパンでほぼ十分な気がしてます。簡易燻製器になったり、蒸し器として使うこともできるみたいですが、やったことないのでどうなんでしょうか。
○鍋はどこの使ってるの?
普段使う両手鍋はビタクラフト。寸胴はTKGの30センチ口径の半寸胴を使ってます。最近出汁をひくのに長寸胴も欲しくなってきていて、口径どうしよっかなと思案中です。
○収納どうしてるの?
調味料類は100均で鬼ほど買ってきた同じ種類の瓶につめかえてシンクしたに入れてます。余った奴は自分の部屋の棚に入れておいて切れたら詰め替えています。フライパン、レードルなどは吊るして収納。鍋類は中型以下はコンロ下。寸胴やおでん鍋とかは自分の部屋のエレクターに各種調理家電と一緒に置いてます。ボウル類やバット類は、同じものをたくさん購入。重ねて収納が基本になるので色んなメーカーに手を出さないようにしてます。
○ガスコンロなに使ってるの?
これは本当に良いもの入れたかったんですが、高火力のものは換気扇とセットで改造しないと無理と言われ、諦めました。オザキの7000kw出るものが今めちゃ欲しいのですが、キッチンリフォームしなきゃならず、賃貸では無理なので断念。
http://milkcocoa2ch.blog57.fc2.com/blog-entry-78.html
これを応用できないだろうか。Tin^2をねじ式にするとか。