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はてなキーワード: 銀河鉄道とは

2022-03-10

vtuber初期に見ていた夢とやらが、人間機械部品のように扱うことと似ていて甚だ気持ち悪い

キズナアイさん登場時に夢見ていた「バーチャル上にキャラクター創造する新しい形」ではなく、絵が動く配信者としてのVtuberが主流になったという話』

https://togetter.com/li/1856588

というエントリの冒頭に纏められているどこかの社長発言を見て「きっっっっしょ」ってなった。

誰かが書いた台本を動かす人と声を当てる人がいる。「中の人」は一切外に出てこない。動かす側に「意思」は必要ない。

アイドルという存在プロデューサと呼ばれる人によって作り出される幻想だけれど、vtuberは更に「動かす人たち」を部品化させている。それが「夢」なのだ

銀河鉄道999』で機械身体を手に入れたいと願う主人公が「機械部品」にさせられそうになる、というエピソードや『モダンタイム』でチャップリン機械操作してるんだかさせられてるんだかわからなくなるという滑稽さを演じたりしているのを思い出したけれど、ああいフィクション「夢」として、現実化したい人がいるんだね。

社畜、などという言葉が半ば自嘲のように用いられたり、社員コスト呼ばわりしてみたりする昨今、どんなことがおきようとそれほど不思議ではないのだけれど、人を部品として使うことを「夢」と語る発言カジュアルに見るとは思わなかった。

vtuber初期に見ていた夢とやらが、人間機械部品のように扱うことと似ていて甚だ気持ち悪い

キズナアイさん登場時に夢見ていた「バーチャル上にキャラクター創造する新しい形」ではなく、絵が動く配信者としてのVtuberが主流になったという話』

https://togetter.com/li/1856588

というエントリの冒頭に纏められているどこかの社長発言を見て「きっっっっしょ」ってなった。

誰かが書いた台本を動かす人と声を当てる人がいる。「中の人」は一切外に出てこない。動かす側に「意思」は必要ない。

アイドルという存在プロデューサと呼ばれる人によって作り出される幻想だけれど、vtuberは更に「動かす人たち」を部品化させている。それが「夢」なのだ

銀河鉄道999』で機械身体を手に入れたいと願う主人公が「機械部品」にさせられそうになる、というエピソードや『モダンタイム』でチャップリン機械操作してるんだかさせられてるんだかわからなくなるという滑稽さを演じたりしているのを思い出したけれど、ああいフィクション「夢」として、現実化したい人がいるんだね。

社畜、などという言葉が半ば自嘲のように用いられたり、社員コスト呼ばわりしてみたりする昨今、どんなことがおきようとそれほど不思議ではないのだけれど、人を部品として使うことを「夢」と語る発言カジュアルに見るとは思わなかった。

vtuber初期に見ていた夢とやらが、人間機械部品のように扱うことと似ていて甚だ気持ち悪い

キズナアイさん登場時に夢見ていた「バーチャル上にキャラクター創造する新しい形」ではなく、絵が動く配信者としてのVtuberが主流になったという話』

https://togetter.com/li/1856588

というエントリの冒頭に纏められているどこかの社長発言を見て「きっっっっしょ」ってなった。

誰かが書いた台本を動かす人と声を当てる人がいる。「中の人」は一切外に出てこない。動かす側に「意思」は必要ない。

アイドルという存在プロデューサと呼ばれる人によって作り出される幻想だけれど、vtuberは更に「動かす人たち」を部品化させている。それが「夢」なのだ

銀河鉄道999』で機械身体を手に入れたいと願う主人公が「機械部品」にさせられそうになる、というエピソードや『モダンタイム』でチャップリン機械操作してるんだかさせられてるんだかわからなくなるという滑稽さを演じたりしているのを思い出したけれど、ああいフィクション「夢」として、現実化したい人がいるんだね。

社畜、などという言葉が半ば自嘲のように用いられたり、社員コスト呼ばわりしてみたりする昨今、どんなことがおきようとそれほど不思議ではないのだけれど、人を部品として使うことを「夢」と語る発言カジュアルに見るとは思わなかった。

2022-02-11

anond:20220208171949

こころぴえん④



七夕があった。

私は北海道七夕の頃に一度死んだ。

それが七夕伝説


課長に付いてきてもらって先生の所に診てもらいに行った。

私はというとまた失声気味になっていた。

顔面の半分がしびれて麻痺したような。これだと七夕伝説解説できないから。

そりゃあ困ると思ったけど代替になってもらえる人もいないから、課長に付き添ってもらって死ぬことにした。


「まとまった休み必要と思ってます

そう私は先生に言った。

そしたら先生は優しく私の首に手をかけて私のことを殺してくれた。

まるで緩やかな自殺への片道切符をきってくれたようだった。


でもねこれだけは言っておくんだけど、その殺傷のおかげで私は今これをこうやって書いてる。

生きてる!

生きてはてなーになって駄文を二人して巻き散らすのも悪くないかもしれないよね。

でも私いつまでたっても先生よりバズれないの。


先生先生ですんげーおもろいツイートしてるのにいいねが一生0なの。

うけるよね。


そうやってお互いネトストし合ってうちら生き延びちゃってるんだよね。

人生ウケるよねw

単芝失礼。


あ、そーだ。柴犬飼おうよ。保護犬なっちゃった柴犬を引き取れるようになろうね。

大人になんなくちゃ。

真っ赤なバラと白いパンジー子犬と私の横に先生がいてくれるのかはわかんない。


けどこうやって増田に書いてたら先生がでんちゃ♪でんちゃ♪でんちゃっちゃ~♪に乗って

銀河鉄道に乗って

ワイの街まで来てくれるんじゃないかなって思ってるの。


から今日明日も生きてみる。

でもいつになったら会える?

私より先に逝ったらそのときだけはおこだよ。

激お子ってハンネで活動し始めるかも。

好奇心お話でした。

2021-09-15

衝撃の一文

ジョバンニ「この汽車石炭をたいてないねえ」

カムパネルラアルコール電気だろう」

え?これまじ?

銀河鉄道イラストって100%蒸気機関車じゃん!

誰のせい?松本零士

2021-03-22

注目エントリこち

九、ジョバンニの切符きっぷ

「もうここらは白鳥区のおしまいです。ごらんなさい。あれが名高いアルビレオ観測所です。」

 窓の外の、まるで花火でいっぱいのような、あまの川のまん中に、黒い大きな建物が四棟むねばかり立って、その一つの屋根の上に、眼めもさめるような、青宝玉サファイア黄玉パースの大きな二つのすきとおった球が、輪になってしずかにくるくるとまわっていました。黄いろのがだんだん向うへまわって行って、青い小さいのがこっちへ進んで来、間もなく二つのはじは、重なり合って、きれいな緑いろの両面凸とつレンズのかたちをつくり、それもだんだん、まん中がふくらみ出して、とうとう青いのは、すっかりトパースの正面に来ましたので、緑の中心と黄いろな明るい環わとができました。それがまただんだん横へ外それて、前のレンズの形を逆に繰くり返し、とうとうすっとはなれて、サファイアは向うへめぐり、黄いろのはこっちへ進み、また丁度さっきのような風になりました。銀河の、かたちもなく音もない水にかこまれて、ほんとうにその黒い測候所が、睡ねむっているように、しずかによこたわったのです。

「あれは、水の速さをはかる器械です。水も……。」鳥捕とりとりが云いかけたとき

切符を拝見いたします。」三人の席の横に、赤い帽子ぼうしをかぶったせいの高い車掌しゃしょうが、いつかまっすぐに立っていて云いました。鳥捕りは、だまってかくしから、小さな紙きれを出しました。車掌ちょっと見て、すぐ眼をそらして、(あなた方のは?)というように、指をうごかしながら、手をジョバンニたちの方へ出しました。

「さあ、」ジョバンニは困って、もじもじしていましたら、カムパネルラは、わけもないという風で、小さなねずみいろの切符を出しました。ジョバンニは、すっかりあわててしまって、もしか上着ポケットにでも、入っていたかとおもいながら、手を入れて見ましたら、何か大きな畳たたんだ紙きれにあたりました。こんなもの入っていたろうかと思って、急いで出してみましたら、それは四つに折ったはがきぐらいの大きさの緑いろの紙でした。車掌が手を出しているもんですから何でも構わない、やっちまえと思って渡しましたら、車掌はまっすぐに立ち直って叮寧ていねいにそれを開いて見ていました。そして読みながら上着のぼたんやなんかしきりに直したりしていましたし燈台看守も下からそれを熱心にのぞいていましたから、ジョバンニはたしかにあれは証明書か何かだったと考えて少し胸が熱くなるような気がしました。

「これは三次空間の方からお持ちになったのですか。」車掌がたずねました。

何だかわかりません。」もう大丈夫だいじょうぶだと安心しながらジョバンニはそっちを見あげてくつくつ笑いました。

「よろしゅうございます南十字サウザンクロスへ着きますのは、次の第三時ころになります。」車掌は紙をジョバンニに渡して向うへ行きました。

 カムパネルラは、その紙切れが何だったか待ち兼ねたというように急いでのぞきこみました。ジョバンニも全く早く見たかったのです。ところがそれはいちめん黒い唐草からくさのような模様の中に、おかしな十ばかりの字を印刷したものでだまって見ていると何だかその中へ吸い込こまれしまうような気がするのでした。すると鳥捕りが横からちらっとそれを見てあわてたように云いました。

「おや、こいつは大したもんですぜ。こいつはもう、ほんとうの天上へさえ行ける切符だ。天上どこじゃない、どこでも勝手にあるける通行券です。こいつをお持ちになれぁ、なるほど、こんな不完全な幻想げんそう第四次の銀河鉄道なんか、どこまででも行ける筈はずでさあ、あなた方大したもんですね。」

何だかわかりません。」ジョバンニが赤くなって答えながらそれを又また畳んでかくしに入れました。そしてきまりが悪いのでカムパネルラと二人、また窓の外をながめていましたが、その鳥捕りの時々大したもんだというようにちらちらこっちを見ているのがぼんやりわかりました。

「もうじき鷲わしの停車場だよ。」カムパネルラが向う岸の、三つならんだ小さな青じろい三角標と地図とを見較みくらべて云いました。

 ジョバンニはなんだかわけもわからずににわかにとなりの鳥捕りが気の毒でたまらなくなりました。鷺さぎをつかまえてせいせいしたとよろこんだり、白いきれでそれをくるくる包んだり、ひとの切符をびっくりしたように横目で見てあわててほめだしたり、そんなことを一一考えていると、もうその見ず知らずの鳥捕りのために、ジョバンニの持っているものでも食べるものでもなんでもやってしまいたい、もうこの人のほんとうの幸さいわいになるなら自分があの光る天の川河原かわらに立って百年つづけて立って鳥をとってやってもいいというような気がして、どうしてももう黙だまっていられなくなりました。ほんとうにあなたほしいものは一体何ですか、と訊きこうとして、それではあんまり出し抜ぬけだから、どうしようかと考えて振ふり返って見ましたら、そこにはもうあの鳥捕りが居ませんでした。網棚あみだなの上には白い荷物も見えなかったのです。また窓の外で足をふんばってそらを見上げて鷺を捕る支度したくをしているのかと思って、急いでそっちを見ましたが、外はいちめんのうつくしい砂子と白いすすきの波ばかり、あの鳥捕りの広いせなかも尖とがった帽子も見えませんでした。

「あの人どこへ行ったろう。」カムパネルラぼんやりそう云っていました。

「どこへ行ったろう。一体どこでまたあうのだろう。僕ぼくはどうしても少しあの人に物を言わなかったろう。」

「ああ、僕もそう思っているよ。」

「僕はあの人が邪魔じゃまなような気がしたんだ。だから僕は大へんつらい。」ジョバンニはこんな変てこな気もちは、ほんとうにはじめてだし、こんなこと今まで云ったこともないと思いました。

何だか苹果りんごの匂においがする。僕いま苹果のこと考えたためだろうか。」カムパネルラ不思議そうにあたりを見まわしました。

「ほんとうに苹果の匂だよ。それから野茨のいばらの匂もする。」ジョバンニもそこらを見ましたがやっぱりそれは窓からでも入って来るらしいのでした。いま秋だから野茨の花の匂のする筈はないとジョバンニは思いました。

 そしたら俄にわかにそこに、つやつやした黒い髪かみの六つばかりの男の子が赤いジャケツのぼたんもかけずひどくびっくりしたような顔をしてがたがたふるえてはだしで立っていました。隣となりには黒い洋服をきちんと着たせいの高い青年が一ぱいに風に吹ふかれているけやきの木のような姿勢で、男の子の手をしっかりひいて立っていました。

「あら、ここどこでしょう。まあ、きれいだわ。」青年のうしろにもひとり十二ばかりの眼の茶いろな可愛かあいらしい女の子が黒い外套がいとうを着て青年の腕うでにすがって不思議そうに窓の外を見ているのでした。

「ああ、ここはランカシャイヤだ。いや、コンネクテカット州だ。いや、ああ、ぼくたちはそらへ来たのだ。わたしたちは天へ行くのです。ごらんなさい。あのしるしは天上のしるしです。もうなんにもこわいことありません。わたくしたちは神さまに召めされているのです。」黒服青年はよろこびにかがやいてその女の子に云いいました。けれどもなぜかまた額に深く皺しわを刻んで、それに大へんつかれているらしく、無理に笑いながら男の子をジョバンニのとなりに座すわらせました。

 それから女の子にやさしくカムパネルラのとなりの席を指さしました。女の子はすなおにそこへ座って、きちんと両手を組み合せました。

「ぼくおおねえさんのとこへ行くんだよう。」腰掛こしかけたばかりの男の子は顔を変にして燈台看守の向うの席に座ったばかりの青年に云いました。青年は何とも云えず悲しそうな顔をして、じっとその子の、ちぢれてぬれた頭を見ました。女の子は、いきなり両手を顔にあててしくしく泣いてしまいました。

「お父さんやきくよねえさんはまだいろいろお仕事があるのです。けれどももうすぐあとからいらっしゃいます。それよりも、おっかさんはどんなに永く待っていらっしゃったでしょう。わたし大事なタダシはいまどんな歌をうたっているだろう、雪の降る朝にみんなと手をつないでぐるぐるにわとこのやぶをまわってあそんでいるだろうかと考えたりほんとうに待って心配していらっしゃるんですから、早く行っておっかさんにお目にかかりましょうね。」

「うん、だけど僕、船に乗らなけぁよかったなあ。」

「ええ、けれど、ごらんなさい、そら、どうです、あの立派な川、ね、あすこはあの夏中、ツインクル、ツインクル、リトル、スター をうたってやすとき、いつも窓からぼんやり白く見えていたでしょう。あすこですよ。ね、きれいでしょう、あんなに光っています。」

 泣いていた姉もハンケチで眼をふいて外を見ました。青年は教えるようにそっと姉弟にまた云いました。

わたしたちはもうなんにもかなしいことないのです。わたしたちはこんないいとこを旅して、じき神さまのとこへ行きます。そこならもうほんとうに明るくて匂がよくて立派な人たちでいっぱいです。そしてわたしたちの代りにボートへ乗れた人たちは、きっとみんな助けられて、心配して待っているめいめいのお父さんやお母さんや自分のお家へやら行くのです。さあ、もうじきですから元気を出しておもしろくうたって行きましょう。」青年男の子ぬれたような黒い髪をなで、みんなを慰なぐさめながら、自分だんだん顔いろがかがやいて来ました。

あなた方はどちらからいらっしゃったのですか。どうなすったのですか。」さっきの燈台看守がやっと少しわかったように青年にたずねました。青年はかすかにわらいました。

「いえ、氷山にぶっつかって船が沈しずみましてね、わたしたちこちらのお父さんが急な用で二ヶ月前一足さきに本国へお帰りになったのであとから発たったのです。私は大学はいっていて、家庭教師にやとわれていたのです。ところがちょうど十二日目、今日か昨日きのうのあたりです、船が氷山にぶっつかって一ぺんに傾かたむきもう沈みかけました。月のあかりはどこかぼんやりありましたが、霧きりが非常に深かったのです。ところがボートは左舷さげんの方半分はもうだめになっていましたから、とてもみんなは乗り切らないのです。もうそのうちにも船は沈みますし、私は必死となって、どうか小さな人たちを乗せて下さいと叫さけびました。近くの人たちはすぐみちを開いてそして子供たちのために祈いのって呉くれました。けれどもそこからボートまでのところにはまだまだ小さな子どもたちや親たちやなんか居て、とても押おしのける勇気がなかったのです。それでもわたくしはどうしてもこの方たちをお助けするのが私の義務だと思いましたから前にいる子供らを押しのけようとしました。けれどもまたそんなにして助けてあげるよりはこのまま神のお前にみんなで行く方がほんとうにこの方たちの幸福だとも思いました。それからまたその神にそむく罪はわたくしひとりでしょってぜひとも助けてあげようと思いました。けれどもどうして見ているとそれができないのでした。子どもらばかりボートの中へはなしてやってお母さんが狂気きょうきのようにキスを送りお父さんがかなしいのをじっとこらえてまっすぐに立っているなどとてももう腸はらわたもちぎれるようでした。そのうち船はもうずんずん沈みますから、私はもうすっかり覚悟かくごしてこの人たち二人を抱だいて、浮うかべるだけは浮ぼうとかたまって船の沈むのを待っていました。誰たれが投げたかライフブイが一つ飛んで来ましたけれども滑すべってずうっと向うへ行ってしまいました。私は一生けん命で甲板かんぱんの格子こうしになったとこをはなして、三人それにしっかりとりつきました。どこからともなく〔約二字分空白〕番の声があがりました。たちまちみんなはいろいろな国語で一ぺんにそれをうたいました。そのときにわかに大きな音がして私たちは水に落ちもう渦うずに入ったと思いながらしっかりこの人たちをだいてそれからぼうっとしたと思ったらもうここへ来ていたのです。この方たちのお母さんは一昨年没なくなられました。ええボートはきっと助かったにちがいありません、何せよほど熟練な水夫たちが漕こいですばやく船からはなれていましたから。」

 そこらからさないのりの声が聞えジョバンニもカムパネルラもいままで忘れていたいろいろのことをぼんやり思い出して眼めが熱くなりました。

(ああ、その大きな海はパシフィックというのではなかったろうか。その氷山の流れる北のはての海で、小さな船に乗って、風や凍こおりつく潮水や、烈はげしい寒さとたたかって、たれかが一生けんめいはたらいている。ぼくはそのひとにほんとうに気の毒でそしてすまないような気がする。ぼくはそのひとのさいわいのためにいったいどうしたらいいのだろう。)ジョバンニは首を垂れて、すっかりふさぎ込こんでしまいました。

「なにがしあわせかわからないです。ほんとうにどんなつらいことでもそれがただしいみちを進む中でのできごとなら峠とうげの上り下りもみんなほんとうの幸福に近づく一あしずつですから。」

 燈台守がなぐさめていました。

「ああそうです。ただいちばんのさいわいに至るためにいろいろのかなしみもみんなおぼしめしです。」

 青年が祈るようにそう答えました。

 そしてあの姉弟きょうだいはもうつかれてめいめいぐったり席によりかかって睡ねむっていました。さっきのあのはだしだった足にはいつか白い柔やわらかな靴くつをはいていたのです。

 ごとごとごとごと汽車きらびやか燐光りんこうの川の岸を進みました。向うの方の窓を見ると、野原はまるで幻燈げんとうのようでした。百も千もの大小さまざまの三角標、その大きなものの上には赤い点点をうった測量旗も見え、野原のはてはそれらがいちめん、たくさんたくさん集ってぼおっと青白い霧のよう、そこからかまたはもっとうからときどきさまざまの形のぼんやりした狼煙のろしのようなものが、かわるがわるきれいな桔梗ききょういろのそらにうちあげられるのでした。じつにそのすきとおった奇麗きれいな風は、ばらの匂においでいっぱいでした。

いかがですか。こういう苹果りんごはおはじめてでしょう。」向うの席の燈台看守がいつか黄金きんと紅でうつくしくいろどられた大きな苹果を落さないように両手で膝ひざの上にかかえていました。

「おや、どっから来たのですか。立派ですねえ。ここらではこんな苹果ができるのですか。」青年はほんとうにびっくりしたらしく燈台看守の両手にかかえられた一もりの苹果を眼を細くしたり首をまげたりしながらわれを忘れてながめていました。

「いや、まあおとり下さい。どうか、まあおとり下さい。」

 青年は一つとってジョバンニたちの方をちょっと見ました。

「さあ、向うの坊ぼっちゃんがた。いかがですか。おとり下さい。」

 ジョバンニは坊ちゃんといわれたのですこししゃくにさわってだまっていましたがカムパネルラ

ありがとう、」と云いました。すると青年自分でとって一つずつ二人に送ってよこしましたのでジョバンニも立ってありがとうと云いました。

 燈台看守はやっと両腕りょううでがあいたのでこんどは自分で一つずつ睡っている姉弟の膝にそっと置きました。

「どうもありがとう。どこでできるのですか。こんな立派な苹果は。」

 青年はつくづく見ながら云いました。

「この辺ではもちろん農業はいしますけれども大ていひとりでにいいものができるような約束くそくになって居おります農業だってそんなに骨は折れはしません。たいてい自分の望む種子たねさえ播まけばひとりでにどんどんできます。米だってパシフィック辺のように殻からもないし十倍も大きくて匂もいいのです。けれどもあなたがたのいらっしゃる方なら農業はもうありません。苹果だってお菓子だってかすが少しもありませんからみんなそのひとそのひとによってちがったわずかのいいかおりになって毛あなからちらけてしまうのです。」

 にわか男の子がぱっちり眼をあいて云いました。

「ああぼくいまお母さんの夢ゆめをみていたよ。お母さんがね立派な戸棚とだなや本のあるとこに居てね、ぼくの方を見て手をだしてにこにこにこにこわらったよ。ぼくおっかさん。りんごをひろってきてあげましょうか云ったら眼がさめちゃった。ああここさっきの汽車のなかだねえ。」

「その苹果りんごがそこにあります。このおじさんにいただいたのですよ。」青年が云いました。

ありがとうおじさん。おや、かおるねえさんまだねてるねえ、ぼくおこしてやろう。ねえさん。ごらん、りんごをもらったよ。おきてごらん。」

 姉はわらって眼をさましまぶしそうに両手を眼にあててそれから苹果を見ました。男の子はまるでパイを喰たべるようにもうそれを喰べていました、また折角せっかく剥むいたそのきれいな皮も、くるくるコルク抜ぬきのような形になって床ゆかへ落ちるまでの間にはすうっと、灰いろに光って蒸発してしまうのでした。

 二人はりんごを大切にポケットしまいました。

 川下の向う岸に青く茂しげった大きな林が見え、その枝えだには熟してまっ赤に光る円い実がいっぱい、その林のまん中に高い高い三角標が立って、森の中からオーケストラベルやジロフォンにまじって何とも云えずきれいな音いろが、とけるように浸しみるように風につれて流れて来るのでした。

 青年はぞくっとしてからだをふるうようにしました。

 だまってその譜ふを聞いていると、そこらにいちめん黄いろやうすい緑の明るい野原か敷物かがひろがり、またまっ白な蝋ろうのような露つゆが太陽の面を擦かすめて行くように思われました。

「まあ、あの烏からす。」カムパネルラのとなりのかおると呼ばれた女の子叫びました。

からすでない。みんなかささぎだ。」カムパネルラがまた何気なくしかるように叫びましたので、ジョバンニはまた思わず笑い、女の子はきまり悪そうにしました。まったく河原かわらの青じろいあかりの上に、黒い鳥がたくさんたくさんいっぱいに列になってとまってじっと川の微光びこうを受けているのでした。

「かささぎですねえ、頭のうしろのとこに毛がぴんと延びてますから。」青年はとりなすように云いました。

 向うの青い森の中の三角標はすっかり汽車の正面に来ました。そのとき汽車のずうっとうしろの方からあの聞きなれた〔約二字分空白〕番の讃美歌さんびかのふしが聞えてきました。よほどの人数で合唱しているらしいのでした。青年はさっと顔いろが青ざめ、たって一ぺんそっちへ行きそうにしましたが思いかえしてまた座すわりました。かおる子はハンケチを顔にあててしまいました。ジョバンニまで何だか鼻が変になりました。けれどもいつともなく誰たれともなくその歌は歌い出されだんだんはっきり強くなりました。思わずジョバンニもカムパネルラも一緒いっしょにうたい出したのです。

 そして青い橄欖かんらんの森が見えない天の川の向うにさめざめと光りながらだんだんしろの方へ行ってしまいそこから流れて来るあやしい楽器の音もも汽車のひびきや風の音にすり耗へらされてずうっとかすかになりました。

「あ孔雀くじゃくが居るよ。」

「ええたくさん居たわ。」女の子がこたえました。

 ジョバンニはその小さく小さくなっていまはもう一つの緑いろの貝ぼたんのように見える森の上にさっさっと青じろく時々光ってその孔雀がはねをひろげたりとじたりする光の反射を見ました。

「そうだ、孔雀の声だってさっき聞えた。」カムパネルラがかおる子に云いいました。

「ええ、三十疋ぴきぐらいはたしかに居たわ。ハープのように聞えたのはみんな孔雀よ。」女の子が答えました。ジョバンニは俄にわかに何とも云えずかなしい気がして思わず

カムパネルラ、ここからはねおりて遊んで行こうよ。」とこわい顔をして云おうとしたくらいでした。

 川は二つにわかれました。そのまっくらな島のまん中に高い高いやぐらが一つ組まれてその上に一人の寛ゆるい服を着て赤い帽子ぼうしをかぶった男が立っていました。そして両手に赤と青の旗をもってそらを見上げて信号しているのでした。ジョバンニが見ている間その人はしきりに赤い旗をふっていましたが俄かに赤旗おろしてうしろにかくすようにし青い旗を高く高くあげてまるでオーケストラ指揮者のように烈はげしく振ふりました。すると空中にざあっと雨のような音がして何かまっくらなものがいくかたまりもいくかたまり鉄砲丸てっぽうだまのように川の向うの方へ飛んで行くのでした。ジョバンニは思わずからからだを半分出してそっちを見あげました。美しい美しい桔梗ききょういろのがらんとした空の下を実に何万という小さな鳥どもが幾組いくくみも幾組もめいめいせわしくせわしく鳴いて通って行くのでした。

「鳥が飛んで行くな。」ジョバンニが窓の外で云いました。

「どら、」カムパネルラもそらを見ました。そのときあのやぐらの上のゆるい服の男は俄かに赤い旗をあげて狂気きょうきのようにふりうごかしました。するとぴたっと鳥の群は通らなくなりそれと同時にぴしゃぁんという潰つぶれたような音が川下の方で起ってそれからしばらくしいんとしました。と思ったらあの赤帽信号手がまた青い旗をふって叫さけんでいたのです。

「いまこそわたれわたり鳥、いまこそわたれわたり鳥。」その声もはっきり聞えました。それといっしょにまた幾万という鳥の群がそらをまっすぐにかけたのです。二人の顔を出しているまん中の窓からあの女の子が顔を出して美しい頬ほほをかがやかせながらそらを仰あおぎました。

「まあ、この鳥、たくさんですわねえ、あらまあそらのきれいなこと。」女の子はジョバンニにはなしかけましたけれどもジョバンニは生意気ないやだいと思いながらだまって口をむすんでそらを見あげていました。女の子は小さくほっと息をしてだまって席へ戻もどりました。カムパネルラが気の毒そうに窓から顔を引っ込こめて地図を見ていました。

「あの人鳥へ教えてるんでしょうか。」女の子がそっとカムパネルラにたずねました。

わたり鳥へ信号してるんです。きっとどこからのろしがあがるためでしょう。」カムパネルラが少しおぼつかなそうに答えました。そして車の中はしぃんとなりました。ジョバンニはもう頭を引っ込めたかったのですけれども明るいとこへ顔を出すのがつらかったのでだまってこらえてそのまま立って口笛くちぶえを吹ふいていました。

(どうして僕ぼくはこんなにかなしいのだろう。僕はもっとこころもちをきれいに大きくもたなければいけない。あすこの岸のずうっと向うにまるでけむりのような小さな青い火が見える。あれはほんとうにしずかでつめたい。僕はあれをよく見てこころもちをしずめるんだ。)ジョバンニは熱ほてって痛いあたまを両手で押おさえるようにしてそっちの方を見ました。(あ Permalink | 記事への反応(0) | 22:20

2020-12-23

伸びてほしかった増田大賞 2020  8月以降~

伸びてほしかった増田大賞 2020の続きです。


テクノロジーパンクの始祖はギリシャ神話

とにかく喧嘩売ってけば誰か釣れると思ってたのがヒシヒシと伝わります

でもこれ割と正論言ってませんか?

まあそういうのいきなり投げつけるのが完全に喧嘩する流れにしたさしか感じないんですが。

チンコン(チンチンコントローラー)まだなの?!もうAD2020だぞ!

やりすぎましたね。

でも生殖器の動きと連動させらえるゲームコントローラーの需要はあると思います

この増田は伸ばさなくていいからそっち方面技術を伸ばして下さい(ドヤ


宮沢賢治が黒髪ロング美少女で妹を失ったショックで百合に走って銀河鉄道書いてればよかったのに

これはガチで伸びそうだなと今でも思います

打者で言えば打率3割越えてると思います

正直「何いってんだコイツ」としかならないので、はてなで伸びそう以外何の価値もこの宇宙にもたらさな駄文ですがねコイツは。


「タイムパラドクスゴーストライター」とは誰だったのか ~タイパク考察「基本」の「き」~

タイパクへの熱い思いが籠もってます

連載開始持にはこんなのも書いてますね。ジャンプ新連載のパクター(タイムパラドクスゴーストライター)1話が面白い

これも10月に書いたやつなんです、11月読み返しても「伸びてない中で拾い上げてあげる価値の有りそうなもの」がこんなのなろうって「中卒在日黒人アスペキモメンですがサヴァン症候群なので年収5000万ドルです」が多すぎない?ぐらいしか無かったので、10月から2つエントリーしてます。逆に言えば11月は伸びてほしいのはある程度伸びた時期だったわけですね。

2020-10-19

宮沢賢治黒髪ロング美少女で妹を失ったショックで百合に走って銀河鉄道書いてればよかったのに

銀河鉄道の夜には何かが足りない。

僕はずっとそう考えていた。

ケモナー歓喜アニメ版も、自分には刺さらなかった。

そもそも自分は、BLに興味がない。

妹を失ったショックによる執筆というシスコンエネルギー波動には惹かれた。

しかし、宮沢賢治がその時進んだ道は衆道だった。

そこが僕には刺さらない。

名作にはBLが多い。

いちばん有名なのは車輪の下だろうか。

アレがもしも、マリア様がみてるのようなビジュアルであったなら、僕はドハマリしただろう。

だが、あれが少年だったから、最後に惨めに死ぬ姿が僕の胸を打った。

車輪の下はあれでいい。

だが、銀河鉄道の夜は刺さらない。

なぜ?妹の死を受け入れる話が男友達の死の話に?

だがもしも、宮沢賢治黒髪ロングの美少女で、保阪嘉内が金髪ポニテだったら……完成した……正しい銀河鉄道の夜……

2020-08-15

anond:20200815120234

あのー技術開示請求チケットがぼくのところに1枚あるんですけどえぇ PとSの

あのー

  カーボンベースユニットという銀河鉄道というあにめがありまして えぇ カーボンをですねぇ

アクタージュは分析してないので詳しくは書けないが

つらーっと上澄みだけ読んだ結果、凄く良くできた秀作だなあと。下の増田が言うように天才ではないけど、まとめる才能がないとあの構成できないから。間違いなく学習型の才能。つまり秀才

主人公への出題の仕方がいいんだよ。要するに主人公への問題提起とその乗り越え方を演劇技術論を通しつつ語ってゆく。片方づつではなく同時にやるのがうまい証拠。並の作者の場合技術論と心象風景が分離する。更にこの原作者には余裕があって、銀河鉄道メタ発言キャラの思惑に乗せて、作者が言いたいであろう心情を上手にカモフラしつつ物語メッセージ性へと昇華している点。その中でキャラの相関と化学反応を上乗せして物語の難読化を図っている。たった1~2巻程度しか登場しない演出家脚本家大御所と、その男によって人生台無しにされた女優の凄絶で深い愛憎なんかもよく言葉少なに語れるもんだと思う。大変うまい。圧倒的経験値

ただ巧み味走りすぎて誰にも寄り添ってない感じがして、自分は揺さぶられないと言うか。まさに表面上のカメラ写りと演技を知り尽くしたサブヒロイン彼女のような、達観した気持ち原作者が描いてると思うんだよね。だから自分の才に溺れて有頂天になった結果今回の事件かなと。個人的に「強制」じゃなけりゃ性的交渉は単なる商取引に過ぎないので良いと思ってますが、強制はまあなあ……。

なんにせよ作品は才能によるものなので、風評気にせず牢屋から書かせてやってほしいですね。

2020-08-12

好きだった漫画原作者逮捕された

思いのままに書き散らしているので、見にくいかとは思いますが。

アクタージュという漫画を、絵というよりは話が好きで読んでいた。

もっと言うなら、言葉選びが大好きで読んでいた。

羅刹女編より少し前くらいから絵も話も好みではなくなってきたので、あまり読まなくなっていたが、それでも銀河鉄道編の文学的なくらいの静かさと、わくわくする感じは大好きなままだった。

原作担当していた人物未成年淫行逮捕され、作画より原作推していた私のダメージはひとしおであった。

しかも、売春をすっぱ抜かれたのかなーと思っていたところで事件の詳細を聞き、あまりのダサさに卒倒しそうだった。

ガチのやつじゃん。ガチの小物がやる犯罪じゃん。

報道を聞いてから別人であることを祈り続けたがダメだった。

ただただモヤモヤが胸のあたりでずっと渦巻いている。

もう私には、彼が逮捕されたのが悲しいのか、自分が好きになった人物がクソダサ性犯罪者だったのが、自分の見る目がないようで悔しいのか、わからなかった。

思えば私は、アクタージュという作品にはあまり愛着はなかったのかもしれない。

夜凪ちゃん人生や、千世子ちゃんとの確執には惹かれなかった。

泣きたくなるような心理描写、ページをめくって鳥肌が立つような画面の力、「夜凪景」「黒山墨字」というようなフィクションっぽさは強いが耳にすっと馴染む綺麗な名付け、そういったところが大好きだったのだ。

ついでに言うと、絵柄も正直好みではなかった。

塗りなどが美しくて作風的に親和性は高いが、デフォルメときの腕が細いのや、涙袋?を強調しているのがイマドキのメンヘラ感が強くて苦手だった。

(ネームまでは原作の方がやっているらしいのに、正直上手いかと言われるとちょっと……な作画ばかり注目されたら私だったら発狂しそうだなと思う。)

これについては私怨っぽいのでこのくらいにしておく。

とにかく私は原作者の作り出す言葉が好きだったのだ。

あんなに美しい言葉を使う人があんなことで捕まって、人生を棒に振るのが悔しい。

ざっと見たところ私と同じ意見の人があまり見つからないのも悔しい。

アクタージュは別に終わってもいいから、またどこかで文を書いてくれないだろうか。

などと考えていたら、Twitter被害者気持ちを考えられんのか、という趣旨の文面をたくさん目にした。

考えてなかった。

ていうか興味がなかった。

知らない女子中学生気持ち云々より私をときめかせた言葉犯罪者の物として否定されていくのが辛かった。

私はひどい人間なのだろうか……?

自分ではそこそこ優しいと自負していただけに、アイデンティティを根幹から揺らがされた気分だった。

だって被害者気持ちを考えたい。

加害者ドン引きしてこの問題から距離を取りたい。

でも無理だ。

5、6巻を読み返してまた寂しくなった。

先日の掲載最終回になってしまった。

(物語を終わらせるのは作者の都合……ウッ……)

作者と作品は別なのだと考えられたら良かったが、それほど器用じゃなかった。

彼も作品も嫌いになれたら良かったのに。

2020-07-20

みやさこさん…

日本美術院理事東京芸大名誉教授謹慎処分 作品写真酷似道義上の責任

https://mainichi.jp/articles/20200719/k00/00m/040/166000c

日本美術院が、同院の倫理規則に反する行為があったとして、同院理事の宮廻正明・東京芸術大名教授謹慎処分したことが19日、分かった。

同院のホームページによると、そごう美術館横浜市西区)で17から始まった「第75回春院展」に宮廻さんが出品した「銀河鉄道」という作品めぐり、同院の信頼を裏切る行為があったとしている。

作品は、暗闇の中を走る列車のような乗り物につかまる女児が描かれている。この構図が、ロックバンドソウル・フラワー・ユニオンCDジャケット使用された写真酷似していると、16日にツイッター上で指摘されていた。

しばらく謹慎するしかないと思うけど、実力があるから、またやり直してオリジナル勝負して欲しい。

同じく銀鉄のパクリ問題騒動に発展したマッキーも、今は反省して頑張ってるしさ。

2020-01-28

anond:20200128074322

まり、設定がすべて明らかになると

実はメーテルは哲郎の望みをうちくだくために

哲郎を銀河鉄道に乗せたことがわかる。

2020-01-08

無事てつろうを乗せて地球を飛び立った 銀河鉄道999

 

ただしメーテルはまだ地球

2019-10-31

自殺未遂すらできない

また死ねなかった。

人生で初めてバイト無断欠勤をした。いや、一応電話はしたのだ。二回。

「体調が悪くて。申し訳ないんですが今日は休ませてもらっても良いでしょうか」

すみません、代わりがいなくて」

「そうですか……」

そうですか……。

私は多分真面目な方だ。バイトを始めて4年、無断で遅刻も欠勤もしたことがない。今日私が行かなければ外国人バイトワンオペになることはわかっていた。

からなんだと思った。

うるせ〜!!知らね〜!!私は今!接客をしたら死ぬ

スマホの電源を切った。なんだか自棄になった。シフト予定だった22時を超えたら川へ行こうと思った。

家を出るとき、二日シャワーを浴びていないことに気づいた。化粧もしっぱなしだった。パンツにも血が付着していた。4日洗っていないジャージしか着れるものがなかった。

からなんだ。

うるせ〜!!知らね〜!!

今を越えれば何も関係ないと思った。死ぬにしても死なないにしても、今日で何かが変わると思った。

自転車に乗って走る。道行く人の喋り声が不快。じろじろ見られてる気がして気持ち悪い。

でもいいんだ。これから川に行くから。きっと何か変わるから

川に着く。良い場所を見つけるためにサイクリングロードを走った。

夢のような気分だった。空の黒が海のように深くて、飛び散るホワイトが生き物みたいに輝いた。電車が上に向かうのを見た。

ああ、よかった。きっとここは夢の世界だ。

きっとずっとこの川をゆけば、銀河鉄道に乗れる。

ふわふわした気分で走った。いくつか橋を越えた。川の近くまで下りられる場所を見つける。ここにしようと思った。

自転車を置く。

暗くて周りがよく見えず、最近の雨のせいで地面はどろどろしているし、背の高い草が邪魔で、川までの距離もよくわからなかった。

やけに川に至るまでが遠く感じた。

改めて今日の格好を考えて、このまま発見されるのは少し恥ずかしいかもなと思った。

川と見つめ合う。

その揺れる面に私がどれほど惹かれたか。その流れを、その深さを、何度夢に見たか

近づいたそれは、けれどもリアルで、暗くて、汚かった。

あと一歩で死ねるところまで行った。

いろんなことを考えた。

取り憑かれたみたいに泣き喚いた夜。

死なないでと言われたこと。

可哀想な目。

息ができず苦しかった。

今まで見たこと。

怖かった。

助けて欲しかった。

無理だと悟った。

から脱せたらどれほど楽でしょう。

涙が出た。死ねないなと思った。

帰り、自転車を乗ったおじさんに

ちょっとごめんな」

と言われて、入ってたカプセルが割られたみたいに急に肉体に現実感が戻ってきた。気持ち悪い。行きはあんなに夢心地だったのに、帰り道は最悪だった。

結局一歩が踏み出せない。これで何度目だろう。惨めだ。こうしてずっと死ねずに止まれないまま明日がやってくる。

絶望絶望絶望

空を見上げると星が馬鹿みたいに綺麗でムカついた。空気読めや。

写真を撮った。また見返すだろう。生の連続性を思った。無意識にこれからがあると考える。自分のそういう甘さにまた絶望する。

家の近くの富士そばに「カツ丼カレー」のポスターが貼られていた。

「カツって美味しいじゃん」

「うん」

カレーも美味しいじゃん」

「うん」

「美味しいと美味しいで最強だよね」

「俺も全く同じこと考えてた」

恋人とのくだならいやりとりを思い出した。

今日を過ぎてもまた明日に続くんだね。

何も変わらなかったね。そうやってお前はダラダラと生を引き延ばしていくんだね。

明けない夜がないことは、あなたにとって良いことですか?

絶望。やっぱり死にたい。その気持ちだけは肯定してあげたい。また近く、川に行こうと思う。

2019-09-22

[]2019年9月21日土曜日増田

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絞め殺し(3), 海遊館(6), Apple Watch(7), 継父(3), 内縁(3), 無賃(3), アップルウォッチ(3), タヌキック(3), 夫婦別姓賛成(3), 編曲(3), 家名(3), 停電(11), 認証(9), 本格(8), スイッチ(13), バー(14), 時計(7), Apple(9), 浪人(5), SF(11), 🐕(5), ギャル(14), 試合(7), 千葉(6), 箸(7), 500円(6), 選手(10), チーム(10), 🐈(12), 信者(9), 寿司(9), スポーツ(10), 外国人(10), エントリ(7), 尊重(8), かしら(9), 無職(11)

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無職おっさんがガキ絞め殺したけど、おっさんなりに可愛がってたんだろうな /20190921105541(14), ■日本代表の見た目がどう見ても外国人 /20190920130126(14), ■ Apple Watchをつけてる女がとにかく憎かった。 /20190921171424(10), ■酒のように水を飲む人 /20190920221227(8), ■彼方のアストラ最後までみたので感想を書くよ /20190920011952(8), ■「500円で許してやる」と同僚に言われた /20190921093503(8), ■anond20190830014709 /20190830212914(6), ■質問 /20190921232746(6), ■今日もご安全にぃぃぃぃぃ!!2019秋 /20190921062853(5), ■昔「投資なんて金で金を作る汚いやり方だ!俺は汗水たらして働いて社会に貢献するんだ!」 /20190921060332(5), ■『銀河鉄道333333333(スリナイン)』 /20190920145946(5), ■今の政治の一番の問題って、若者が興味を持たないこと /20190921215634(5), ■免許取って一年経ったけどバック駐車が出来ない /20190921223633(5), ■早実「出場辞退」の理由は「性動画拡散だった /20190921150212(5), ■ /20190920193044(5), ■教え子にいた黒ギャルの思い出 /20190919222633(4), ■スマホの顔認証批判で見かけた「スマホを見なければならない」が理解不能 /20190921175306(4), ■ねこ名前何にしよう /20190921181243(4), ■バカから離れたい /20190921183002(4), ■墓じまい /20190921184336(4), ■夫婦格差 /20190921211039(4), ■IoT恥部世界に! /20190921231228(4), ■ /20190921152724(4), ■なんでSFなんか熱くなるのかわからない /20190921044933(4), ■あれなんだっけ /20190921070507(4), ■実写化の最大の問題 /20190921100358(4), ■せっかくバズってるし、お前らの「正しい性教育」を教えろよ /20190920105823(4), ■欲望の女主人公ポリコレの女主人公 /20190921132500(4), ■フェミニストを嫌いな人達って /20190921042653(4)

増田合計ブックマーク数 ()内の数字は1日の増減

6628507(1281)

2019-09-20

銀河鉄道333333333(スリナイン)』

銀河系の各惑星銀河鉄道と呼ばれる宇宙空間を走る列車で結ばれた未来世界

宇宙の多くの裕福な人々は機械身体に魂を移し替えて機械化人となり永遠の生を謳歌していたが、貧しい人々は機械身体を手に入れることができず、機械化人の迫害対象にされていた。

そんな中、機械化人に母親を殺された主人公野沢雅子無料機械の星をくれるという体を目指し、銀河超特急333333333号と共に謎の美女メーテルに乗り込む。星空文庫

anond:20150122011300

2019-08-18

チャンピオンREDやべーわ

銀河鉄道999にサイボーグ009どろろにいつの漫画雑誌だよって感じ

安易な転生・異世界物がないからほっとして読めるけども

2019-07-26

「終わりなき日常の終わり」とかいう終わってるコラム

アニメなんてなくても生きていける。

そう論じるのは簡単なことだ。

だが

人間そもそも不完全なものであり、合理性のみで人生を全うすることは難しい。

それが出来る人間もいようがその数は決して多くない。

アニメに限らず、ゲーム、酒、タバコ、異性、ギャンブル、車、ゴルフ音楽アイドルスポーツ観戦、特撮映画小説

多くの人間一見生産ものにひと時その身を浸して癒やしを得、日々の暮らしにおける心の糧にしているものだ。

まずこういったもの批判をすること自体禁酒法時代アメリカ天保の改革風俗取締令のようなナンセンスさがある。

すでに多くの批判が寄せられているが、大阪芸術大学純丘曜彰教授の例のコラムの改稿前のものを長くなるが引用し、思うところを述べていきたい。

────────────

終わりなき日常の終わり:京アニ放火事件の土壌

純丘曜彰 教授博士

大阪芸術大学 哲学教授

/夢の作り手と買い手。そこに一線があるうちはいい。だが、彼らがいつまでもおとなしく夢の買い手のままの立場でいてくれる、などと思うのは、作り手の傲慢な思い上がりだろう。連中は、もとより学園祭体験を求めている。だからファンなのだ。そして、連中はいつか一線を越えて、作り手の領域に踏み込んでくる。/

まりに痛ましい事件だ。だが、いつか起こると思っていた。予兆はあった。たとえば、16年の小金井事件。熱烈なファン豹変し、本人を襲撃。アイドルアニメは、そのマーケットクリティカルな連中であるという自覚に欠けている。

もとはと言えば、1973年手塚プロダクションの瓦解に始まる。同じころ、もう一方のアニメの雄、東映労働争議で多くの人材放出。かれらは、それぞれにスタジオを起こした。だが、これらのスタジオは、アニメ製作ノウハウはあっても、資金的制作能力に欠けており、広告代理店テレビ局の傘下に寄せ集められ、下請的な過労働常態化していく。

そんな中で74年日曜夜に放送された『宇宙戦艦ヤマト』は、視聴率の低迷以前に予算管理製作進行が破綻して打ち切り。にもかかわらず、時間帯を変えた再放送で人気を得て、77年に映画版として大成功。当初はSFブームと思われ、78年の『銀河鉄道999』や79年の『機動戦士ガンダム』が続いた。しかし、サンリオ資本キティフィルムは、80年に薬師丸ひろ子主演で柳沢きみおマンガ翔んだカップル』を実写化し、SFではなく、その背景に共通しているジュブナイル、つまり中高生モノの手応えを感じており、81年、アニメに転じて『うる星やつら』を大成功させる。

このアニメの実際の製作を請け負っていたのが、手塚系のスタジオぴえろで、その応援として、同じ手塚系の京都アニメーション前身が稼働し始める。そして、その後のアニメ業界大勢の方向を決定づけたのが、84年、この監督だった押井守映画オリジナルストーリーうる星やつらビューティフル・ドリーマー』。SF色を取り入れた学園コメディで、学園祭の準備が楽しくて仕方ない宇宙人女の子ラムの夢に世界が取り込まれ、その学園祭前日を延々と毎日、繰り返しているという話。

アニメには、砂絵からストップモーションまで、いろいろな手法があり、セル画式だけでも、『サザエさん』や『ドラえもん』のようなファミリーテレビ番組はもちろん、『ドラゴンボール』や『ワンピース』のような人気マンガを動かしたもの、『ベルサイユのばら』『セーラームーン』のような少女マンガ系、『風の谷のナウシカ』や『AKIRA』のようなディストピアSFさらにはもっとタイト大人向けのものもある。

にもかかわらず、京アニは、一貫して主力作品は学園物なのだ。それも、『ビューティフル・ドリーマー』の終わりなき日常というモティーフは、さまざまな作品に反復して登場する。たとえば、07年の『らき☆すた』の最終回24話は、『BD』と同じ学園祭の前日。エンディングでは、あえて『BD』のテーマ曲を下手くそに歌っている。つまり、この作品では、この回に限らず、終わりなき日常に浸り続けるオタクファンをあえて挑発するようなトゲがあちこちに隠されていた。しかし、「エンドレスエイト」として知られる09年の『涼宮ハルヒの憂鬱』2期第12から19話までとなると、延々とほとんど同じ夏休みエピソードが繰り返され、『BD』に悪酔いしたリメイクのような様相を呈する。

もっと言ってしまえば、京アニという製作会社が、終わりなき学園祭の前日を繰り返しているようなところだった。学園物、高校生サークル物語、友だち話を作り、終わり無く次回作の公開に追われ続けてきた。内容が似たり寄ったりの繰り返しというだけでなく、そもそも創立から40年、経営者がずっと同じというのも、ある意味、呪われた夢のようだ。天性の善人とはいえ社長の姿は、『BD』の「夢邪鬼」と重なる。そして、そうであれば、いつか「獏」がやってきて、夢を喰い潰すのは必然だった。

なぜ学園物が当たったのか。なぜそれがアニメの主流となったのか。中学高校は、日本人にとって、最大公約数共通体験からだ。入学式修学旅行学園祭卒業式教室体育館、登下校。だが、実際のファンの中心は、中高生ではない。もっと上だ。学園物は、この中高の共通体験以上の自分個人人生空っぽな者、いや、イジメ引きこもりで中高の一般的共通体験さえも持つことができなかった者が、精神的に中高時代に留まり続けるよすがとなってしまっていた。それは、いい年をしたアイドルが、中高生ガイ制服を着て、初恋さえ手が届かなかったようなキモオタアラサーアラフォーファンを誑かすのと似ている。

夢の作り手と買い手。そこに一線があるうちはいい。だが、彼らがいつまでもおとなしく夢の買い手のままの立場でいてくれる、などと思うのは、作り手の傲慢な思い上がりだろう。連中は、もとより学園祭体験を求めている。だからファンなのだ。グッズを買い集め、「聖地」を巡礼し、そして、連中はいつか一線を越えて、作り手の領域に踏み込んでくる。それが拒否されれば、連中がどう出るか、わかりそうなものだ。

『恋はデジャブ』(93)という映画がある。これもまた、同じ一日をループで繰り返しながら、主人公精神的に成長するという物語。この話では、主人公だけでなく、周囲の人々も同じ一日を繰り返す。つまり主人公の成長を待ってくれる。だが、映画と違って、現実は、そうはいかない。終わりの無い学園物のアニメうつつを抜かしている間に、同級生は進学し、就職し、結婚し、子供を作り、人生を前に進めていく。記号化されたアニメ主人公は、のび太カツオも、同じ失敗を繰り返しても、明日には明日がある。しかし、現実人間は、老いてふけ、体力も気力も失われ、友人も知人も彼を見捨てて去り、支えてくれる親も死んでいく。こういう連中に残された最後希望は、自分永遠の夢の学園祭の準備の中に飛び込んで、その仲間になることだけ。

起業する、選挙立候補する、アイドルタレント芸人になる、小説マンガの賞に応募する、もしくは、大金持ちと結婚する。時代のせいか、本人のせいか、いずれにせよ、人生がうまくいかなかった連中は、その一発逆転を狙う。だが、彼らはあまりに長く、ありもしないふわふわした夢を見させられ過ぎた。だから、一発逆転も、また別の夢。かならず失敗する。そして、最後には逆恨み逆切れ、周囲を道連れにした自殺テロ

いくらファンが付き、いくら経営が安定するとしても、偽の夢を売って弱者や敗者を精神的に搾取し続け、自分たち自身もまたその夢の中毒に染まるなどというのは、麻薬の売人以下だ。まずは業界全体、作り手たち自身がいいかげん夢から覚め、ガキの学園祭の前日のような粗製濫造、間に合わせの自転車操業と決別し、しっかりと現実にツメを立てて、夢の終わりの大人物語を示すこそが、同じ悲劇を繰り返さず、すべてを供養することになると思う。

まずはこの業界全体、作り手たち自身がいいかげん夢から覚め、ガキの学園祭の前日のような粗製濫造、間に合わせの自転車操業と決別する必要がある。もう学園祭は終わったのだ。休もう。番組も、映画も、穴を開けて休もう。あれだけの京アニ惨事を目の前にしながら、よりタイトな状況で黙々と規定製作スケジュールをこなそうとしていることこそ、異常だ。こんなときくらい、京アニにかぎらず、業界の関連全社、いったん立ち止まって、仕事待遇業界のあり方、物語方向性ファンとの関係見直しあらためてしっかりと現実にツメを立てて、夢の終わりの大人物語を示すこそが、同じ悲劇を繰り返さず、すべてを供養することになると思う。

────────────


京アニは学園ものだけ」という言説に対し、傷痍軍人女性戦後を生きる「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の存在意義が改めて燦然と光り輝いているという事実劇場版企画されており以降もシリーズ化されればそれはもう「学園ものだけ」という批判にはあたらない、はずだったのだが…。

また京アニオリジナルの源流をたどればMUNTOという異世界ファンタジーもあり、今後何が飛び出すか、その可能性は無限に満ちていた。

日本オタク作品の大半が確かに学園ものなのは事実であるが、それは世界観の説明が容易であること、多くの視聴者経験していて没入しやすいこと、といったアドバンテージがある、いわば「手堅い」ジャンルゆえ。

京アニは決して裕福な会社であったとは言い切れないし、またアニメ業界自体流行り廃りが激しく、そんな中で一定収益を手堅くあげる選択をとっても批判されるいわれはあるまい。

エンドレスエイトがいまだに物議を醸す存在であるのは事実だが、話題性が1期よりは希薄になりがちな2期ハルヒを「語る」上で大きな要素になっているという点では意義のある存在ともいえるのかもしれない。

終わりなき学園祭としてひとつ象徴となった「ビューティフル・ドリーマー」、

うる星やつら漫画版で約9年、アニメ版で約5年もの長きに渡り「途切れることなく」続いた学園ものであった記憶もあって、ことにアニメに対して古い感性人間ほど「終わりなき青春」を延々続ける印象もあるが、

近年の製作ペースは1クール12話、月にならせば3ヶ月ほどのスパン基準で、シリーズが続いても2クールか長くても4クールあたりが殆どで、1年を通して続くことはもはや一部の例のみで、1クールないし2クールベースの途切れ途切れの発表ペースになっている。しかうる星が3年を超えて学生生活を描き続けたのに対し、妥当時間経過とともに終わり即ち「卒業」があるのも近年の特徴。

しかアニメファンは常にコンテンツ新陳代謝さらされる中で、コンテンツの完結を一区切りとして、同じ制作会社からといって次に提示される新コンテンツを必ず追い続けてくれるとは限らない。

1期で好評だったシリーズ物の2期ですら、1期以上に人気を得るのは実際難しい。

そしてこの御仁が憂うまでもなくアニメ自体卒業していく人間も確かに存在する。

そういった熾烈なレッドオーシャンで波間の泡のように浮いては消えていくのがアニメ制作会社非情なる現実

そんな熾烈な世界にあって健気に誠実に作品を作り続け、また大きな落ち込みもなく良質な作品供給できる会社を存続させてきた、業界良心の要石のような会社京アニであって、それはこういう批判俎上に上げるべき存在ではそもそもない。

事件からかねがね用意されていたであろう「ぼくのかんがえた日本アニメ概論」をここぞとばかりに持ってきたのだろうが、世界的に見ても比類なきほど理不尽な、そして悲惨事件に対して論じるにはあまりにも適さない代物であったと言わざるを得ない。

このケースは犯人特性も含めて極めて異常であり、安易因果応報的論説にははめ込めないほどの歪さ不条理さがあるのだ。いやしくも大学教授を名乗る立場にふさわしくない浅薄さであったと言わざるを得ない。

この御仁が禄を食んでいる大阪芸大は早くからサブカルチャーに特化した今やオタク御用達大学であり、辺境にありながら高い人気を持ち続けているのはそれ故もあるのに、そこからオタク批判をすること自体、あたかも親の庇護を受けながらヤンキーやってるイキリ中学生のようであり甚だ滑稽でしかない。

オタクにイキって食う飯は旨いか

まぁ一方で確かにアニメ作りすぎなのは事実であるが、それは業界全体レベルの話であり京アニを論って言う話ではない。それは数を作らないと食えないという業界構造にこそ問題があり、是正されるべきものであるのは論を俟たない。だが、かつて勇名を馳せた会社ですら粗製乱造ものも見受けられる中、ひとつひとつ作品を売れる売れないに関わらず本当に誠実に作ってきた会社を取り上げて言うことではない。まして「麻薬の売人以下」とまで蔑まれるいわれはない。

あとアニメうる星はその後綺羅星の如く多くの俊英を生み育てる土壌になり、アニメ産業及びアニメ文化嚆矢ともなったという意味で意義深い作品であり、とりわけビューティフル・ドリーマーアニメ制作班の若き野心とオリジナリティに溢れた傑作であったことも付け加えておく。だがそれに内包されている批判精神は今や一周回って定番になってしまい、それをもってアニメ批判オタク批判をするには「今更感」で一杯で陳腐化していることも。


最後

人的物的、そして心理的にも大きなダメージを負い再起すらも危ぶまれる中、これからの再起を表明した八田社長京アニには、深い敬意を表しつつ、事件前に比肩する制作体制を整えるのはおそらくまだ時間がかかるであろうとも、その行く末を見守っていきたいし、微力であれ力添えもしていきたいものである

そして、亡くなられた方のご冥福と、負傷された方のご快癒をお祈りしつつ、件のコラムのような浅はかな批判論を払拭する新たな可能性に満ちた作品群を期待したい。それがいつになろうとも。

2019-06-15

銀河鉄道999って

いまyoutubeで歌みてたらメーテルが「あなた大人からもう一緒にいられない」って言ってて、ふと気づいてしまったあああああああああああ

これおねショタだったのか!!!!!!!!!!!!

なんつーかむかしのまんがをそういうフェチ目線で見るってのが手塚治虫とか以外であんまりやらない気がして気づかんかったわ

2019-02-11

リスペクト

最近週刊少年ジャンプで連載している「アクタージュ」にはまっている

もう10度は読み返したかもしれない。

 

この物語は丁寧に編まれた成長譚だ。

登場人物たちを掘り下げ、苦悩を描き、そこから前進を一つ一つ綴る。

その物語の一つ一つが美しくて、そして、応援したくなる。

作者、編集者、そして関わっている方々に敬意を表しつつ、引き続きエールを送りたい。

 

 

一方で、ネットには心無い書き込みも多く見かける。

例えば「アクタージュの銀河鉄道宮沢賢治原著理解していない」といったコメントも見かける。

私にはこれが良くわからない。

 

この物語において、銀河鉄道物語テーマを構築するピースの一つでしかない。

からこそ、物語中でジョバンニとカンパネルラの背景も位置づけも再定義されている。

それは宮沢賢治銀河鉄道とは少し違うのかもしれない。脚本とは元々そういうもののはずだ。テーマに合わせ、物語表現も重心も変わる。

 

アクタージュの銀河鉄道として解釈することに何かの問題があるのだろうか。

そういう解釈表現があって、困ることがあるのだろうか。

自分が、また違うインスピレーションを持てる―、成長できる可能だってあるのに。

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