2020-10-29

タイムパラドクスゴーストライター」とは誰だったのか ~タイパク考察「基本」の「き」~

タイムパラドクスゴーストライターとは誰だったのか

そもそも哲平はタイムパラドクスゴーストライターとは言えない。この漫画タイトルは間違っている」

タイパク考察において頻出話題の一つである

結論から言おう。

タイムパラドクスゴーストライターとは未来のアイノイツキである。そして佐々木哲平はタイムパラドクスゴーストライタータイムパラドクスゴーストライターとなる」

初代タイムパラドクスゴーストライター=アイノイツキ

タイムパラドクスゴーストライターという言葉を読み解くには、この漫画には2つのホワイトナイト存在するという事に目を向ける必要がある。

10年後の未来で藍野伊月が描いた「初代ホワイトナイト」、そしてそれを哲平がコピーした「2代目ホワイトナイトである

初代ホワイトナイトは藍野伊月がアイノイツキ名義で作った作品であり、これは純粋に藍野伊月一人の手による作品だ。

では、2代目ホワイトナイトはどうだろうか?

哲平が多少の改良を加えはしているものの、基本的には「初代ホワイトナイト再現しようとした作品である

成分分析をするのならば、アイノイツキが60%哲平が10%哲平なりに再現しようとしたアイノイツキ30%で、ほぼほぼアイノイツキ分で作らえた作品である

言うなれば、アイノイツキが10年後の未来から哲平に干渉することで、哲平の名義で描かせたアイノイツキの作品と言える。

ゴーストライターを、作品の名義人ではないがその作品(の全部もしくは大部分)を本当に書いた人物定義するのならば、2代目ホワイトナイトゴーストライターはアイノイツキとなるだろう。

言うまでもないことだが、10年後の作品である初代ホワイトナイトの影響によって10年早く2代目ホワイトナイトが産まれているのは紛れもないタイムパラドックスである

Q.E.D

タイムパラドクスゴーストライターとはアイノイツキに他ならないのだ。

タイムパラドクスゴーストライタータイムパラドクスゴーストライター=哲平

まり、哲平はタイムパラドクスゴーストライターではない!

という結論づけるのもこれまた早計である

後半、フューチャーくんの力で世界時間を止めた状態でm哲平は2代目ホワイトナイトを完成させている。

初代ホワイトナイト未来におけるアイノイツキの過労死によって途中までしか描かれていないが、哲平は2代目ホワイトナイト精神と時の部屋無限時間を利用して完成させている。

さてここで一つ疑問が生まれる。

果たして、2代目ホワイトナイトはどこまで佐々木哲平の作品なのだろうか?

2代目ホワイトナイトは、言ってしまえば初代ホワイトナイトの模造品である

終盤の展開も、アイノイツキが倒れたことで回収されなかった伏線布石を随所に活かして展開されることになるだろう。

見方によってはこれは二次創作とも言えるが、他人の手を借りて初代の続きが描かれたものとも言える。

たとえば、ゼロの使い魔などはまさにその「作者が死んでしまったあとに代筆者の手を借りて完成された作品である

2代目ホワイトナイトの完結は、初代ホワイトナイトを知らないものから見ればオリジナル作品の完結だが、初代ホワイトナイトの模造品であることを知るものからすれば、代筆者の手を借りた初代ホワイトナイトの完走とも言えるのだ。

実際、哲平が目指したホワイトナイトは「もしもアイノイツキが最後まで書き上げられたならば世に生まれていた作品」がベースにある。

まり、イツキが初代ホワイトナイトを通して2代目ホワイトゴーストライターした後、その続きを引き継いだ哲平は2代目ホワイトナイトゴーストライターとなっていたアイノイツキのゴーストライターをすることでホワイトナイトという作品を完結させているのだ。

これは非常に高度なタイトル回収である

まず、ゴーストライターが実は主人公ではない所からまり、その後終盤で主人公が本当にゴーストライターになる。

しかゴーストライターゴーストライターであるし、タイムパラドックスも二重に起きている。

これでもまだ「タイムパラドクスゴーストライターというタイトルは間違っている」という主張をすることは、出来る。

することが出来るのがタイパクの懐の深さだ。

この作品には無限考察議論余地があるのだ。

この漫画を題材にして「哲平のやったことは盗作と言えるのか」「ジャンプ爺さんがやったことは正しかったのか」「この漫画メタフィクションだったのか」と多くの議論ができる。

タイパク、なんて奥が深いんだ。

終わりに

久しぶりにタイパクが盛り上がってるようで何よりだ。

ホッテントリ増田に踊るタイパクの文字を見て、私の心もウッキウキである

さて、今回増田を取らせてもらったのは他でもない。

「みんながタイパクをちゃんと読めているのか心配になった」からにほかならない。

タイパクは、作者ですら後日談を通して設定が斬新すぎて誰もついていけなかったとフォローを入れなければいけないほどの作品だ。

ファンアンチまで幅広い層に、ちゃんタイパクを読めていない読者がいるという悲しい作品である

今回はこの場を借りて、タイパクの「基本」をおさらいさせてもらった。

タイパクはたしかに難しい。

タイムマシン・上位存在メタ要素が複雑に絡み合っている。

しかも14話という短い話数ながらページの多くは哲平が良心の呵責や無茶振りに振り回されてはその度に屁理屈をこねて乗り越える描写に使い込まれしまい設定は投げっぱなし気味である

だが、ジャンプの紙面で未来ジャンプ盗作するという斬新過ぎる物語、その過程を補強するために繰り返される設定の増改築は、まさに打ち切り漫画界の九龍城砦

珍味中の珍味と言えるこの漫画を、ただ駄作から流し読みして、盗作してるしてないの論争だけで終わらせてしまうのは勿体ない。

この増田で「基本」を抑えた皆には、是非もっと高い次元タイパクを語り合ってもらいたい。

たとえばジャンプ爺さんが一体何者だったのかなんて面白いぞ。

読者の集合無意識、連載レースの具現化、作者の命さえ軽んじる市場原理、様々なものに結びつけていくらでも考察ごっこが出来る。

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