はてなキーワード: 荒地とは
移動が遅い → 意外と速いが、例えばレースカーとかに比べると遅い。遅い理由は戦車は重いから。重い理由は装甲や砲を積むから。
キャタピラ → 大きく2つメリットがある。1つは荒れ地(不整地)を走れる。2つはタイヤより接地面積が広いので分散して支えられるので、戦車が重くできる=より強い装甲や砲が積める。
砲台がついている → 戦うには必須。
色が地味 → 発見されにくいようにしてる。発見されないで先に敵を撃破するため。
車高が低い → 発見されにくい、撃たれても当たりにくいため。
中も狭い → 車高を低く・車体を小さくするため。ただし狭すぎると中の人が疲れたり装填(弾のリロード)が大変だったりなのでバランス。
→ 今と予見しうる将来においては、はい
なんであの形がいいんだろう
→ いろんなアイデアを試していたが、試験や実戦を繰り返している間で、この形が最適だとわかってきた。
例えば、弱い大砲をいっぱい載せるより強い大砲を1個載せたほうが強いよねってのが実際に戦ってみてわかった。
(興味があるなら、冬戦争 KV1 SMK で検索すると良い)
ただし、将来も同じとは限らない。
例えばバギーに砲台乗せた方が移動早そうなのにね
荒地を乗る前提なのかな、あれ
→ そう。荒地を走る前提。戦争では道路は大砲とかですぐにぶっ壊れるし、残ってる道路も敵軍が地雷をどんどん埋める。
(ただしお国柄によって、タイヤでも走りやすい平原・砂漠地帯の国とか、まだ破壊されてない道路を素早く走って駆けつける防衛戦略の国とかで、タイヤの戦車というのもある)
ここまで書いてなんだけど元増田は実はこういうこと全部知ってそう
1000回くらい議論したけど、以下の観点が参考になれば幸いです。
そも植物は人間に栽培なりしてもらって食べてもらい、種子を遠方に運んでもらうことで種全体の生命を保つことができる。
つまり植物は一方的に搾取されているわけではなく、人間を利用しているのだ。持ちつ持たれつの関係。
また暗い工場の中で母子をひきはなしてゼロから育てないといけない。
ひきはなされた母子は泣き叫ぶ。そういうこと。
「ヴィーガンは植物は可哀想じゃないのかよ!」議論は海外でも活発で、"Plants Thou"というらしい。ここで教えて貰った。
1000回くらい議論したけど、以下の観点が参考になれば幸いです。
そも植物は人間に栽培なりしてもらって食べてもらい、種子を遠方に運んでもらうことで種全体の生命を保つことができる。
つまり植物は一方的に搾取されているわけではなく、人間を利用しているのだ。持ちつ持たれつの関係。
また暗い工場の中で母子をひきはなしてゼロから育てないといけない。
ひきはなされた母子は泣き叫ぶ。そういうこと。
「ヴィーガンは植物は可哀想じゃないのかよ!」議論は海外でも活発で、"Plants Thou"というらしい。ここで教えて貰った。
細かい状況は違えどあまりに私の心象体験と似ていてのめり込んで読んだ。読んでいたら当時を思い出して心臓がバクバクした。当時は本当にしんどかった。
違うのは私の場合はBさんに相当する人(以下Bさんモドキ)の下についた点。Bさんモドキは1年前から同じ仕事をしていて正社員。
私は非正規の立場(下の立場)で後から参加した形だ。ペアで仕事をするので本当にしんどかった。
Bさんモドキは同僚とはよく通る大きな声で明るく笑って楽しく話し、相手を攻撃するような事は言わないので印象がいい人だった。
仕事面では前年度の経験はどうした?っていうほど無知で、肝となる部分の素養がない上、知識もなければ勉強する気もないので、Bさんモドキが通った後はほぼ荒地となる。
あまりに色々知らなすぎて、小学生に無理やり大人の仕事をさせているような感じだった。
寧ろやらないでくれた方がいいが不適切な対応をするのでトラブルになる。Bさんモドキが起こした問題の尻拭いは全面的に私がやらねばならない。ペアだから。
その原因が自分だとは夢にも思っていない。私にとってはBさんモドキは「荒し」でしかなかった。
見ていると問題を誘発するような事をしており、最初はわざとかと疑うほどだった。
荒れた状況を私が走り回って頭を下げて収めても当然のような顔で平然としている。感謝や謝罪の気持ちなどというものは持ち合わせていなかった。
あまりにまずい仕事っぷりに私が手をつける範囲が広がり、最終的には全部私がやることになり仕事量も心も身体も本当に大変だったが、本人は全然気にしていなかった。
Bさんモドキは今まで一緒に仕事をしてきた中で最も仕事ができない&問題を起こす人で、私は半年後くらいから夜も眠れなくなった。
そのうち大きな問題を起こしたが、それに対応している時も本人にその自覚はなくガハハといつも以上に高らかに笑っていた。
でも元増田も言うように訴えても言葉では伝わらない部分が多く、周囲の理解を得られないのもしんどさを強めたように思う。
一方的に強烈な理不尽を浴びせ続けられるので四六時中頭から離れなくなり、胃とか胸の辺りに何かが蓄積していって爆発しそうになる。
あと、呼吸をするように嘘をつくという点も同じで恐ろしかった。Bさんモドキは「他人が見ていない」🟰「なかった」という認識のようで、自信満々で自分のストーリーをスラスラとしゃべる。
自分に都合のいい事が真実だと信じ込んでいるようだった。誰が考えてもBさんモドキの仕業の事も「えっ?全然知りませんでした!」と屈託なく即座に言える人だった。
あと、発達障害と言う人がいたが違うと思う。発達障害の人は人付き合いに難がある事もあるが、ごまかしたりしない。
予想外の方角から計算高い言動が飛んでくるのでいつも緊張感を継続して警戒していたが、あまりに自然に振る舞うのでいつも全面的にストレートを浴びてしまう。
とにかく私はBさんモドキから離れる事を目的に辞めたが、上司もBさんモドキの異常性を認識していながら何もしない事も原因だった。
しないというよりできないのかもしれない。皆私の大変さには同情してくれたが本人は何も変わらなかった。
Bさんモドキは翌年、起こした問題の影響が及ばない部署に移され再度非正規と組んでいる。
ちなみに前年度ペアだった人も辞めている。別の理由だったらしいが本当はBさんモドキから逃げたんじゃないかと私は思っている。
倒れた猿 https://note.com/itakuratoshiyuki/n/n9e7a6e7430f9 を読んで家庭菜園をしてた時のことを思い出した。
数年前、転勤が決まり、小さい子連れながら東京都心からとある地方都市に引っ越した。
それまで首都圏から出て住んだことがなかったので不安半分、でも小さい子連れで外出するといつもピリピリと気を張っていなければいけなかった都心の生活に疲れ果てていたので、地方だったらのんびりしてるかなと希望を持ちつつの異動だった。
うちが引っ越した先は日本でも下位5位以内に入る人口が少ない県で、まず引っ越した先の家でトイレを流したら床に水漏れしたのにびっくり。(大家さんに言ったらさすがにその日の夕方に業者が来て直していった)
引っ越した先は集合住宅は猫のたまり場で、猫の糞尿がそこらかしこにされてるのに誰も気にしてない様子なのにびっくり。(もちろんにおいがきつい。これは退去するときまで変わらなかった)
道を歩いてる人が全然いないし自転車の人すらほとんど見かけないのにびっくり。(みんな車でしか移動しない)
方言もきつく言葉もわからないことも多々あり、あらゆるところでカルチャーショックを受け、都会から着てきた服は地元のスーパーではカラフルで洗練されすぎていて目立ちすぎるのに気付いたころにはなんとか地元のコミュニティに溶け込もうと必死になった。(子連れじゃなかったらまた違う認識だったのかもしれない)
いつしか地味で無難な服ばかり着るようになり、言葉も聞き真似でイントネーションを合わせ、ついでに月500円で地元の農家さんに畑を借りることにした。(今考えると形から入っていこうとしていたのかもしれない)
さて、畑は20平米ぐらいの大きさで、どーんと土と雑草で覆われた畑だった。
好きなものを作っていいんだと思っても何を作っていいのかわからない。というかどうしたらいいのかわからない。
わからないのでまず家庭菜園の本を買った。揃えなきゃいけないもの、土をどうしたらいいのか、種や苗をどうやって植えるのか。土を鍬でめっちゃ耕した。(筋肉痛になった)苦土石灰をまいた。わからないながらもマルチングシートで畑を覆った。(これはめちゃくちゃ大事だったと後でわかる)
ホームセンターに行って苗を色々見た。時は春。失敗しなさそうなトマトやキュウリやピーマンやナスやオクラやサツマイモの苗を買った。植えて毎日様子を見に行った。
暑くなるにつれてどんどん苗は大きくなっていった。すくすくと育っていく苗を見るのはいいものだった。花がつくとうれしかったし、花が枯れた後に小さな実がついているを見るのが楽しみになった。
畑を往復してるのに使ってた車があっという間に中も外も土で汚れた。農家の人がみんなハイジェットに乗る理由がわかった。そして害虫と雑草の被害の大変さを身をもって知ることになる。
まず害虫。都会で生活していたので最初は芋虫にいちいち怯えていた。よく見かけたのはタバコガ、スズメガ、ヨトウガの幼虫だろうか。見つけたらとって中身が見えないように葉っぱをかぶせてふんづけるようにしていた。
こいつらマジで滅茶苦茶葉っぱや実を食っていく。オルトランをまくことでだいぶ減ったけどそれでもしぶといのが割とついている。
最初は怯えていたけれどそのうちにせっかく一生懸命育てた作物が無残にも食べられていくのに憎しみを覚えるようになった。じきに見つけたら即はさみでチョキンスタイルに変更になった。緑の中身が出てくるのにも慣れた。彼らに慈悲は無用と考えるようになった。
虫はほかにもいろいろついて、アブラムシやウリハムシ、ニジュウヤホシテントウにも本当に悩まされた。ちょっと葉が茂ってるところに踏み込むと、うわっとウリハムシが200匹ぐらい飛び立つスタイルが続いた。殺虫剤はまかなかったので羽虫系は最後までどうにもできなかった。
そして雑草。マルチングシートの重要性がわかる。ちょっと隙間があればあっという間に雑草がはびこってくるし、雑草には害虫がつくし、通路なんてあっという間に荒地化してしまう。
ナメクジにもいろんなものをよく食べられた。ハナムグリなどの甲虫類にも。蝶は卵を産み付けられるので害虫だし、自分の味方だと感じる虫はカマキリとテントウムシだけになった。虫ではないけど土蜘蛛も強い味方だった。
そんなでもそれなりの収穫物を得ながら試行錯誤を続け、冬には大根やニンジン、白菜などを収穫し、2年目の夏に向けては季節野菜のほかにスイカとメロンというなかなか難しそうな果実を作ることにした。
美味しいものは人間も好きだけれど虫や動物も大好き。それまでの乏しい経験からも果実なんて修羅の道だろうと思いつつ万全を尽くして苗を植え、手をかけて育て育てた。
スイカの実ってなりたては小さいスイカで本当にかわいい。ぷっくりしたスイカの実を害獣に食べられないように一つ一つにネットをかけ、地面の湿気で腐らないように実の下にトレイを置いた。陽があたらないと皮が黄色くなるらしいのでスイカの実の向きを太陽に当たるように毎日ちょっとずつ調整した。
米のとぎ汁をあげると甘くなるとのうわさも聞き、家からとぎ汁を持って行ってかけた。緑色の実がだんだん大きくなっていくのが楽しみで仕方なかった。
そんなスイカの実が20cmぐらいに大きくなったころのある日。事件がおきた。
食べられ方から犯人がわかった。カラスだ。ネットの隙間から鋭いくちばしでつついて突き崩したのだ。
中の実はちゃんと赤くてみずみずしくて、蟻がいっぱい行列を作っている。きっと甘いんだろうなと思った。
悲しかったけどやられた実は廃棄するしかなかった。残された数少ない実をさらに食べにくいように葉っぱで隠し、ネットをかけ、障害物を置き、カラス除けも設置した。
猟銃所持許可されてたらマジで付近を飛び回ってるカラスを仕留めてたかもしれない。
それぐらい憎かった。
農家の人たちはこんな思いをしながら作物を育ててるんだろうという一端がすごくよくわかった出来事だった。
そこから自分の生活を脅かす動物を害獣として割り切れるスキルが身についた気がする。
ちなみに当県ではアライグマも害獣としてメジャーな動物です。サルよりも見た目はかわいいと思うんだがやっぱり自分は割り切って対応してしまうかもしれない。
まったくおっしゃる通りでコンテンツツーリズムは長期間にわたって維持するのが難しいです。くわえてその土地独特の風光にコンテンツが密接に結びついているかが成功の鍵となります。
たとえば外国の例ですが何もない荒地なのに観光バスが必ず止まる英国ハワース。言わずと知れた『嵐が丘』の舞台なんですが、観光客は小説で描かれたとおりの風景に満足して帰ります。何なら小説を読んでない観光客も「なるほど嵐が丘だ」と納得して帰りますwなので観光に結びつけるコンテンツとしては長い目で見れば『雪国』の方が訴求力も持続性もあるのではないかという米山氏の指摘はあながち的外れではない。
ただ温泉むすめや町おこし萌えキャラのコンテンツの消費のされ方って、そういう従来のフィクション作品によるコンテンツツーリズムの文脈とはちょっと違うようにも思える。ビジュアルが可愛いくて目を引くキャラがいることが重要なので。目を引くための差異化で余計な設定を盛ってるうちに問題のある設定付け加えられちゃった感もあり。この方向が今後どう発展するかは未知数ですね。従来の古い温泉ファンとしては掃除して綺麗にしてる旅館の方が魅力的なのですが。
捜査員がガルテン室内に入ると、その異様な臭いと光景で暫し立ち尽くした。
懐中電灯で照らされた暗い室内には、三つの乳幼児らしき死体が転がっていた。
腐敗が進み、白骨化が進んだ死体を見届けた後、奥の部屋から聞こえてくる打鍵音の方へ向かう。
奥の部屋には、物凄い形相でラップトップのキーを叩き続けるハンチング帽の男がデスクに座っていた。
捜査員員が声を掛けようとした刹那、ハンチング帽の男は突然金切り声で笑い始めた。
狂っている、そう感じつつもハンチング帽の男に語りかけた。
つづく
捜査員はハンチング帽の男に語りかけたが、男は不気味な笑みを浮かべたままキーを叩き続けるだけだった。
ラップトップの画面を覗くと、そこには何度も同じ文字が書き連ねてあった。
ーー何故、ぼくを置いて出て行った?
周囲には空の日本酒のビンが散乱し、ぷーんと酒の臭いが漂ってくる。
改めて懐中電灯で男を照らす。
崩れ落ちた男は白いシャツに花柄のスカートという異様な出で立ちをしていた。
「XXさんでよろしいですね?」
捜査員の問いかけに男はビクッと一瞬反応したが、そのまま動かなくなった。
顔を確認するため、ハンチング帽を取ろうとしたが何かで固定されているのかビクともしなかった。
少し力を入れて更に引っ張ると、鈍い音と共に大量の髪がハンチング帽と共に引き千切られた。
男の頭部が懐中電灯に照らされ、満月を思わせる煌々とした光を放った。
男はぶつぶつと呟き始める。
「ぼくの言う通りにやれば、サクッと月商百万は行きますねぇ。今ならこのnoteも貴方に百円で売ってあげましょう。
どうです?安いものですよ?」
つづく
ガルテンに捜査班が到達したのは、捜査員が連絡した1時間後だった。
ハンチング帽の男は、衰弱が激しいため救急車両に乗せられていった。
証拠品ではあるが、致し方ないだろう。
ハンチング帽の妻には直ぐに連絡が取れた。
麓の宗教団体の宿舎に世話になっているらしく、他の信者の付き添いがいる形での面会となった。
「あの人は家族を省みずパソコンに没頭していました。お酒が入ると豹変するんです。耐えかねた私は家を飛び出し、ここにお世話になりました。半年前くらいのことです。」
彼女は薄っすらと笑みを浮かべて、傍らの信者と寄り添っていた。
つづく
捜査員に鑑識からの連絡があったのは、宗教団体の宿舎を出て直ぐのことだった。
ハンチング帽の妻によると、娘が三人いるとの話だったが、おかしなことになった。
ーーーもう一人の女児がいない?
捜査員は意外な展開になったなと、急ぎ車を走らせた。
「春さん、遺体の検死結果はどうだった?」
袈裟春は神妙な表情で答える。
「ああ、遺体は三体とも他殺だった。
乳児は高いところから床に叩きつけられたようだ。死因は脳挫傷。
残る女児と男児は、共に斧の様なもので切りつけられたようで、死因は失血死だ。」
「他殺……ですか。」
捜査員は肝心の男児と居なくなっている女児について聞いてみた。
今、捜査班で手分けして女児の行方と男児の身元を聞き取り調査しているって話だ。」
袈裟春はそう伝えると、慌ただしく動く鑑識に指示を与え、部屋を出て行った。
捜査員はハンチング帽の男の様子を伺うため、取り調べ室に向かった。
つづく
取り調べ室の隣の部屋から、捜査員はハンチング帽の男の取り調べを眺めて居た。
ハンチング帽の男はうって変わって饒舌に取り調べに答えていた。
「やっこさん、ずっとあの調子なんですよ。
子供のことは全く知らぬ存ぜぬって感じで、自己責任とかよく分からないことを言うばかりで。」
ハンチング帽の男に依ると、子供は妻が連れて行った、自分へ全く知らないとのことだった。
男児のことも長女のことも全くわからないようで、ひたすらに自分の仕事の自慢を続けている。
「狂人ですね……。」
つづく
クラインガルテンから更に奥地にある荒地に建てられた小屋に、闇の中で蠢く何者かの姿があった。
人影が鈍く光る斧を翳すと、目の前の青年は驚きの形相でそれが振り下ろされるのを待つしか術はなかった。
あっと声をあげる間も無く、斧は青年の喉笛に一文字の醜い傷跡を刻みつけた。
その刹那、鮮血が宙を舞う。
崩れ去る青年は何かを掴もうとするように手を伸ばし空を握りしめた。
瞬く間に、物言わぬただの肉塊と化した青年を見下ろす人影。
ーーーこれは復讐……。プロブロガーは存在してはならない……。
そう呟いて、人影は返り血を拭いもせずに小屋を離れ、森の中に消えていった。
そして、荒地に再び静寂が訪れた。
つづく
その一報が入ったのは、捜査員がまだ寝室で静かに寝息を立てている時だった。
けたたましく携帯の鳴る音で安眠を妨害された彼は、不機嫌な声で応答した。
例のクラインガルテンの更に奥にある荒地の小屋に惨殺された遺体を発見したのは、同じNPO職員である森という男だった。
「猿さんが朝になっても戻って来ないので、探しに来たんです。
まさかこんなことになっているとは思わなくて……。」
彼の話によると、前日の夜にお世話になっている猟師の男のところに行くと言って出掛けたという。
死因は大量出血による失血死。
鑑識の話では凶器は周囲になく、犯人が持ち去った可能性が高いとのことだった。
念のためNPOの職員らのアリバイを聴取するも、時間が時間だけにアリバイがあるものはいなかった。
つづく
ハンチング帽の男は正気ではなかったし、その妻も他人事のようだった。
捜査線上に挙がった関係者のうちアリバイが成立したのはハンチング帽の妻のみであった。
三人の乳幼児の殺害方法について、まず脳挫傷の乳児は、ロフトの上から叩きつけられた可能性が高いことが分かった、
残る二人の幼児は、切り口に残った金属粉が荒地の小屋で殺害された青年の切り口のそれと一致したため、同じ凶器であると断定された。
しかし、誰が殺害したのか、行方不明の女児の行方や殺害された男児の身元については一向に掴めなかった。
荒地の小屋の事件の翌日、捜査員は殺害された青年が会いに行った猟師の家を訪ねたが長い間不在のようで彼の足取りも掴めなかった。
その後も、山奥の殺害現場では当然ながら目撃者もなく、徒らに時間が過ぎ去るのみだった。
つづく
衰弱はしていたものの、地下室には食料や水などが十分に用意されていたようで命に別状はなかった。
女児は血まみれの服を着ていた。
照合の結果、その血痕は殺害された三人の幼児のものと一致した。
しかし、女児の体力では斧を扱うことには難しく、殺害に関与することは難しく思えた。
「おとうさんが、みんないらないって。
おおきなぼうでみんなをたたいたの。」
女児の証言能力について認められ、ハンチング帽の男は緊急逮捕された。
彼は呟いた。
ぼくはずっとブログを書いてたのです。
早く、PCを返してください。
つづく
鬱蒼とした森の中、木の枝にぶら下がる人影が静かに揺れていた。
足元には黒光りする斧が投げ捨てられていた。
人影の顔が月明りに照らされると、そこには苦痛に歪んだ老人の顔があった。
その遺骸を見上げる人影が一つ。
彼は老人が確実に絶命しているのを確認すると、そこから離れた位置に落ちている猟銃を拾いその場を離れた。
男は猟銃を抱えたまま、また森の中に消えていった。
つづく
袈裟春は発見人の遺留品から唾液の入ったペットボトルを取り出して、軽くうなづいてみせた。
【作者からの挑戦状】
犯人は誰か?
解決編につづく
解決編1
「またお話をお聞きしたいことがありまして、お邪魔させて頂きました。」
ハンチング帽の妻は、少し怪訝そうな顔で捜査員の顔を見ていた。
ハンチング帽の妻はビクッと僅かに反応したが直ぐに冷静を取り繕った。
「我々がDNA鑑定したところ、長女はあなた方ご夫婦のDNA型と一致しませんでした。
貴女はご存知だったのでしょう?」
「あなた方夫婦に三人の娘がいるというのは、周囲でもよく知られたことだった。
しかし、何故か遺体には男児が含まれ、彼もDNA鑑定からはあなた方の子供である事実が判明しました。
ゴクリと息を飲む気配を感じる。
「多分ですが、生まれた時から女児と男児は入れ替わって暮らしていたのではありませんか?
一瞬の静寂の後、捜査員はこう告げた。
そう言って彼が目を合わせたのは、ハンチング帽の妻に寄り添う信者の男だった。
つづく
解決編2
捜査員は話を続ける。
そして、取り違えが起こった。
信者の男は少し怯んだが、直ぐに元の表情に戻った。
しかし、長女と男児が成長するにつれて違和感を感じるようになった。
そして、奥さんがDVを受けクラインガルテンから逃げ出してここに来た時に気づいてしまった。
そこに事件が起こったのです。
それをもう一人の娘が見ていた。
信者の男は不敵な笑みを浮かべて口を開いた。
「馬鹿馬鹿しい。では、男児も私が殺したと?私が殺す理由がない。」
捜査員は少しうなづいてこう返した。
奥さんと一緒になるにはハンチング帽の男の分身が邪魔だった。」
信者の男は凄い形相で睨み付けた。
「彼女は関係ない!私が彼女の安息のために自らの意志でやったことだ!」
ハンチング帽の妻が何か言おうとしたが、男がそれを遮る。
「神の啓示だ。プロブロガーがいる限り、私達家族に安息はないのだから……。」
つづく
解決編3
信者の男は告白するや否や、入り口のドアを開け部屋の外に飛び出した。
部屋を出た時には、別の部屋に男が飛び込むところだった。
彼が部屋の前にたどり着いたその刹那、部屋の中から銃声が響く。
扉を開いたそこには、猟師から奪ったと思われる猟銃で自殺を図った信者の男の骸があった。
しばらく立ち尽くしていると、ハンチング帽の妻がよろよろとその骸にしがみつき嗚咽し始めた。
つづく
<エピローグ>
事件の残る被害者については、ハンチング帽の妻から事情を聞くことができた。
NPO代表理事は、長女がハンチング帽の男の実子でないことに気づいたらしく、信者の男とハンチング帽の妻を強請ろうとしたために殺害されたとのことだった。
また、猟師の男については、罪をなすりつけるために自殺に見せかけて殺したようであった。
長女は責任能力のない年齢のため、当然罪には問われなかった。
また、ハンチング帽の妻も殺害に協力した訳ではないため、共犯の罪に問われることはなかった。
しかし、気が触れてしまったようで、クラインガルテンの周りを徘徊するのを度々目撃された後、ある日崖から転落してその人生を終えた。
つづく
<リ・プロローグ>
漆黒のクラインガルテンの中で、ハンチング帽の妻は自分の人生について悲壮感を感じていた。
まるで飯炊きの女中のような扱いが続き、自分の一生はこのまま終わるのかと思うと、涙が止まらなかった。
いつか白馬の王子さまが彼女を颯爽と救い出してくれる、そう願っていた。
そして、あの日。
ハンチング帽の男は一人で外出していた。
(1)はこちら。anond:20210212080317
好き。ただし、当時の人にしかわからないパロディやジョークが多く、というかこの本を通じてしか残っていないのもあるので、純粋に笑えるかどうかはわからない。とはいえ、わからないなりにナンセンスさは楽しく(「ぽっぺん先生」シリーズにも引き継がれている)、トーベ・ヤンソンなどいろいろな人の挿絵も楽しめるし、こじらせ文学少年・文学少女とも仲良くなれるかもしれない。大学時代の読書サークルは楽しかったなあ。
ドストエフスキーの小説は基本的に頭がおかしい。ドストエフスキー自身がギャンブル依存症でユダヤ人嫌いのヤバいやつだし。
登場人物は基本的に自己主張が激しくて感情に溺れやすく、数段落数ページにまたがって独白する。プライドが無駄に高くて空想癖がひどく、思い込みが激しくて人の話を聞いちゃおらず、愛されていないのに愛を語る。そしてそんな奴らが大好きだ。
ぜひとも増田をロシア文学沼に落としたいのだが、いかんせん「悪霊」を含む五大長編から挑戦するのはハードルがあまりにも高いので、「永遠の夫」か「賭博者」か「地下室の手記」か「白夜」からがおすすめ。ロシア文学はいいぞ。
ところで、高校時代の友人曰く「ドストエフスキーにはまるのは自己愛と自己嫌悪の衝突を必死にプライドで支える人間、言い換えるとモテない」とのこと。ひどい。
こっちはスマートなほうのロシア文学。一家が没落して家や土地を売らないといけないのに、家の経済状態をわかっておらず(認めず)すぐに物乞いに金貨を上げちゃう、現実の見えていないお母さんのキャラが強烈。ギトギト描写するドストエフスキーに対し、勘所をびしりと抑えるチェーホフ。
実家のお母さんと(特にお金関係で)うまくいっていない人におすすめ。
未読。怪作「木曜日だった男」は読んだんだが。ミステリはあまり読んでいないのでそのうち読む。
誰もが冒頭のマドレーヌの香りから想起されるママンとの思い出についてしか語らず、たぶんみんなちゃんと読んでないからなのだが、実は無職のマザコンが自分の性の目覚め(野外オナニーを含む)やソープ通いや失恋の思い出について延々と語っている話で、何度語り手に向かって「働け!」と言いたくなったことか。
しかし、実のところ登場人物の九割がLGBTという当時としては非常に先進的な小説で、さらに当時炎上していたドレフュス事件という両陣営を真っ二つに分断した冤罪事件をネタにもしているので(今でいえばMeTooやBLMに相当する)、実は差別反差別についていろいろ語っている増田たちにすごく刺さる内容だと思う。俺差別してないし~、あいつは〇〇人だけどいいやつだよ~、的な態度もぐさりとやられている。最高でしかない。
ちなみに、金に苦労しないボンボンがうだうだ恋愛で悩む小説が好きになったのはこの本のせい。「アレクサンドリア四重奏」とかね。
不条理ギャグすれすれで訳もわからずひどい目に合う小説。いきなりこの小説にチャレンジするのはしんどいので、まずは「変身」か岩波文庫の短編集を読んで、カフカのノリが気に入ったら読むといいんじゃないかな。
読んでいるとカフカがお父さんのことめちゃくちゃ苦手だったってのがびりびり伝わってきて気の毒(カフカは線の細い文学青年、父は叩き上げのビジネスマン。想像できるでしょ?)。お父さんとの関係がこじれている人におすすめ。
最高のダメ人間小説。精神勝利法なることばはどこかで聞いたことがあるんじゃないだろうか。作者は当時の中国人の意識の低さを批判したつもりらしいが、万人に刺さる内容。
ちなみに自分はダメな人間、情けないやつ、どうしようもないやつが大好きなので「指輪物語」のゴクリ(ゴラム)だとか、「沈黙」のキチジローだとかが大好きです。
さえないおっさんが妻の浮気を知りながら一日中ダブリンの町をウロウロするだけの寝取られ小説で(途中で女の子のスカートをのぞいて野外オナニーもする)、このリストの前に出てきた「オデュッセイア」のパロディでもある。
これだけだと何が面白いのかよくわからないのだが、実は当時の反英的な機運の高まっているアイルランドの空気を活写している。それだけではなく小説の様々な実験的手法の見本市みたいになっており、和訳もすごい。たとえばある章では英文学の様々な文体を歴史順に真似て英文学の発展をパロるのだけれど、和訳ではその章は祝詞に始まって漢文になり、漱石や芥川の文体を経て現代小説になるという離れ業で訳している。これがもっと無茶苦茶になると「フィネガンズウェイク」になるのだけれど、すでに言語の体をなしていないのでまだ読めてない。
上記の説明でドン引きしないでください。「ダブリン市民」をお勧めします。
結核療養サナトリウム小説。北杜夫ファンの間で有名な「ねーんげん的」の元ネタ。あらゆる知識を山のサナトリウムで吸収した主人公の運命やいかに! 「ノルウェイの森」で主人公が京都山中の精神病院にこの本を持っていくのは村上春樹なりのジョークか。
ただし、やっぱり長いので美少年萌えな「ヴェニスに死す」か陰キャの悲哀「トニオ・クレーゲル」にまずチャレンジするのがおすすめ。
はまったら「ブッデンブローク家の人々」や「ファウストゥス博士」を読もう。
洗脳エンドのディストピア小説なんだけど、増田で「一九八四年」が古いと言われてしまうんだったらこれはどうなるんだろ。読むんだったら他の「すばらしい新世界」とか「ハーモニー」とかと読み比べて、ディストピアの概念が現実の社会の変化に合わせてどんな風に発展してきたからを考えながら読むと面白いのかも。
未読。長すぎる。
未読。
文学サークルの友人に勧められて読んだんだけど、とんでもない小説だった。あらすじとしては、野望に取りつかれた南部の人種差別主義者が自分の帝国を作るために理想の女性と結婚するが、その女性に黒人の血が混じっていたために離婚して別の女性と結婚することから始まる、二つの家系の因縁話なのだが、時系列がしっちゃかめっちゃかなのでとにかくその男の妄念とその子孫の不幸ばかりがじりじりと迫ってくる。あまりにもすごかったのでフォークナーの他の作品は読めておらず、黒人差別を扱った小説も怖くて読めていない。
未読。
読んだがよくわからなかった。うつ状態のときには時間の経過さえも苦痛で、それを救ってくれるのは音楽だけだ、的な話だったか。とにかく本を読み漁っていたころ、新潮文庫のサルトル短篇集を意味も分からず読んでいたのを思い出す。わけもわからないままヌーベルヴァーグを観ていた頃だ。さっき出てきた高校時代の友人曰く「フランス映画のあらすじはセックスして車で逃げて殺されるだけだ」とのことだが、起承転結に還元できない小説を楽しむようになったのはこの頃からだった。
未読。
短いのですぐ読める。ゴドーはいまだに再臨しないキリストのアレゴリーだという説もあるが、実際のところはよくわからない。意味の分からない話だけど、僕らの人生も結構意味不明だよね、みたいな感じか。
未読。「愛人」は読んだが記憶のかなた。まだ幼くて没落する富裕層とその爛れた愛を十分に楽しめなかった。
どうでもいいが自分が年上萌えに目覚めたのは「海辺のカフカ」のおねショタシーンです。
レムの作品の中では一番好き。たとえ出てくる科学技術の描写が古くなっても(SFだとこういうことはよくある)、理解できない対象として立ちふさがるソラリスという惑星の描写は古びない。
SFは考えうるあらゆる可能性を検討し、人類の達成しうることや宇宙の中での意味について想像力の境界をどこまでも遠くまで広げていく文学だ。中には人類がろくでもない理由で滅亡してしまったり、人間など取るに足りないという悲観的なヴィジョンに至ってしまったりするものまであるが、それでさえ美しい。なぜなら、想像力がヒトという種の肉体に縛られまいと羽ばたいた結果なのだから。
最近SFをろくに読んでいないが、元気が出たらまた読みたいものだ。
初めて読んだラテンアメリカ文学。起こりえないことが起こり、名前がややこしいので誰が誰だかすぐに混同され、しかもそのすべてが意図的である。混乱してもとにかく読み進めてほしい。目の前で起きる不可解な出来事をまずは楽しもう。
慣れてきたら、これが不条理としか言いようのない南米の歴史の縮図だとかそんなことを考えてみるのもいいかもしれない。この本のおかげでボルヘスに、バルガス=リョサに、ドノソに出会うことができた。
一説によるとこの本が文庫化されるとき世界の終末が近づくという本の一つ(未確認情報)。新潮社がなぜか頑なにハードカバーしか出さない。ちなみに「薔薇の名前」にもそうした風説がある。
インド独立の瞬間に生まれた子供たちが全員テレパシーの使い手だった! こんな話があの岩波文庫に収録されるんだから世の中わからない。
主人公は裕福な家で育つが、じつはそれは出産時の取り違えによるものであり、誤って貧しいほうで育ってしまった子供が復讐にやってくる。それも、真夜中の子どもたち全員を巻き込む恐ろしい方法で。
インドとパキスタンの分裂、人口抑制政策、そういったインドの歴史をちょっと頭の隅っこに入れておくと面白いが、昼ドラ的な入れ替わりの悲劇の要素のあるSFとして娯楽的に読める。権力を持った強い女性に対する嫌悪感がほんのりあるのが難点か。
ちなみに、「悪魔の詩」も読んだが、(亡くなった訳者には本当に申し訳ないが)こっちのほうが面白かった。あれは当時のイギリスのポップカルチャーがわかっていないと理解が難しい。
独自の神話的なヴィジョンで有名らしいんだが、邦訳あったっけ?
未読。
卒業旅行でパリに持って行った。たぶん時期的には最高だったと思う。とにかく血だとか死だとか堕落だとか退廃だとかそういうのに惹かれる人生の時期というのがあり、まさにそのときに読めたのは幸せだった。もっとも、所詮自分はそれらを安全圏から眺めていただけだったが。
同じく卒業旅行でパリに持って行った。残念ながらフランス語はわからないのだが、フランスのサンドイッチは最高だった。当時はまだピュアだったのでキャバレーやフレンチカンカンは見に行っていない。
未読。
未読。
ドストエフスキーの作品がカーニバル的、つまり一斉にいろんな出来事が起きてしっちゃかめっちゃかになって、日常の価値観が転倒する、みたいな内容。確かにドストエフスキーの作品は爆弾抱えた人間が一か所に集まってその爆弾が一斉に大爆発、的な内容が多い。
ただ、これ以上のことは覚えていない。実はあまり文芸批評は読まない。
未読。
疲れたので続編をやるかは不明。日本文学や哲学・思想は海外文学ほど読んでないし。まとめてみて、遠ざかっていた文学に久しぶりに手を伸ばしたくなった。
都で鳴らした名もこの辺境では意味をもたない。名も果つる僻地、果名(はてな)の国は、大きく安穏土(あのんど)と伏魔区(ふくまく)に分けられる。
安穏土はその名の通り平和な土地だ。田園を愛して勤勉に働き、土地を拓いて田を増やす…その生き方から増田(ますだ)と呼ばれる民が暮らす、のどかな一帯である。
いっぽうの伏魔区はといえば、これは同じ国とは思えぬほどに荒廃した魔境である。南蛮渡来の「星薬(スタア)」と呼ばれる麻薬が蔓延り、これを奪い合って人々が常に争っている。ここに住まう民は、病に伏せり魔にとらわれ禍をまきちらす、伏魔禍(ぶくまか)と呼ばれ恐れられる。昔からここまで酷かったわけではない。かつて伏魔区の中心には美しい都があり、そこでは人々が肩を寄せ合って笑い、その日の喜びや発見を語り合う平和な光景も見られたのだ。しかし人心が荒廃すると狼藉者たちはその都こそを第一に狙った。いまでは、廃区(はいく)と呼ばれる草の一本すら生えない荒地が残されているだけである。