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2023-12-07

ネットリベラルには失望した。

何の話かと言えば、今回のトランスジェンダー否定書籍?の出版中止騒動である。あれを「表現不自由展」を歓迎していたネットリベラルがこぞって賞賛している点である


自分はどちらかと言えば保守寄りな人間であるネット右翼には辟易とするが、とはいえあんまりリベラルなのも好きではない。「表現の自由」と言ったって程度はあると思う。

線引きがあってもおかしくはない。


とはいえ、「表現の自由」を標榜することの重要性は理解しているし、それを掲げるリベラル的なスタンスは世の中には必要だと思う。「表現不自由点展」というのも、

好きな題材ではなかったが、「まあそういうスタンスがあってこそ、世の中全体でバランス取れるよね」とは思っていた。

原子力発電所だって稼働すべきだと思うが、「原発立地地域に寄りそおう」というスタンス理解できる。甘ったるい理想論だって、時には世の中に必要だ。


なので、今回、「表現の自由を標榜する側」であるリベラル層が、出版中止を拍手喝采して、なんなら必死擁護をしている様を見て、愕然として、失望してしまった。

おまえらの掲げていた「表現の自由」とはそんなに薄っぺらものだったのかと。



前述した通り、「表現の自由」だって限度はあると思っている。例えば、エログロの度合いが度を超えていて、明らかに全年齢に有害作品だったら取り締まるのは分かる。

黒か、限りない黒に近いグレーまではまあ取り締まられてもしょうがない。


でも、件の書籍はそこまで黒に近いグレーだったのだろうか。出版されていないし、原著を読むほど熱意もないが、伝え聞くところによれば、まあ確かに問題のある書籍っぽい。

だが、取材方法問題のある書籍や、ある程度偏った認識に基づいて書かれた書籍なんて、山のように転がっている。なんならちょいちょい山手線電車広告だって掲載されている。

技術的な観点から見れば、件の書籍よりもっと有害で、タチの悪いデマが書かれた書籍だってあるだろう。例えば、明らかにデマだとわかる医療系の話題を扱った書籍悪質性が高いと感じる。

がんの標準治療否定するなんて、人の生死にすら影響するし、残された者すら不幸にする。詐欺に近い形式新興宗教を勧める書籍だって、褒められたものではない。

私達は、直近、問題のある新興宗教が及ぼす社会的な悪影響について目の当たりにしたばかりである


そういった書籍ですら出版中止されないし、出版中止に向けた運動などが特に起きているわけではない。にも関わらず、今回の出版中止騒動である

客観的にみて社会的に悪影響の多い書籍差し置いて、「ネットリベラルの主張と相容れない書籍」が出版中止になり、あまつさえネットリベラルの方々がそれを賞賛したり、擁護しているのをみて、

正直うんざりしてしまった。あなた方の標榜した「表現の自由/不自由」とはそんなに薄っぺらものだったのかと。

自分の主張と相容れようが相容れまいが、表現の自由だけは金科玉条である」という話ではなかったのかと。



もちろんTwitter上を見ていれば、色々な擁護や釈明が書かれている。大筋でまとめると「世の中、どんどん悪影響の多い言説がはびこっている。だからこそこの辺で線を引かなければならないのだ」という主張だと理解した。わからないでもない。でも、その言説の前提には「自分は、世の中にとっての絶対的な良い/悪いを正しく判断できる」という驕りがあるように思う。


自分だって、少し前の段落で「やれこの話題は悪質だ」「ほれこれは悪影響だ」などと批評している。批評自体は悪いことだとは思わない。と同時に自分批評が「絶対的に正しい」とは思わない。

自分は、「世の中で絶対的に正しいのは数学くらいだ」と思っているが、その数学だって、前提を変えれば、それまで成立していた公理が成立しない空間規定することができる。

ましてや、社会的な言説なんてのは、その前提が各自価値観に根ざしているので、絶対的に正しいはずがない。ところ変われば品変わるし、「自分絶対的に正しく価値判断ができる」などとは絶対思えない。

からこそ、多様性やら表現の自由やら、自分以外の価値観を許容することが必要なんだろうな、と常々思っている。



その「表現の自由」というものを、今回、元々標榜していたはずのネットリベラル放棄してしまった、ように思う。

自分たちは正しく善悪判断できる、と信じているのだろう。しかしその態度は、とりもなおさず、元々彼らが大事にしていたはずの多様性や寛容を否定する態度だと、彼は気づいているんだろうか。

気づいているなら傲慢一貫性がないし、気づいていないならただただ浅慮だ



そういうわけで、ネットリベラルには失望した。もう彼らの言うことに耳を傾ける気力はなくなってしまった。

2023-12-06

anond:20231206141404

KADOKAWAだって反対してる人たちは事実ではないことを書いてると言うてる

原著読んでないから知らんけど宣伝文にある「今や4割がLGBTになっている」はうさんくさいと思った

anond:20231206073834

今回の場合出版中止を早々に決めたKADOKAWA問題で本への批判はまあ仕方なかったとは思うんだよね

ただまあ出版中止をただ喜んでいるだけの反応を見ると正義感って怖いとしか思わないけど

 

それと本が出る前から内容について批判できるかっていう問題もあって、内容理解できてるか怪しいのにただ反発してるだけの反応もあったのはどうなんだろうね

例えば書籍紹介で

米国大学生の40%がLGBTQ!

https://www.kadokawa.co.jp/product/322307000250/

ってあったのを「そんなわけないだろ」って反応するのはどうしてそうなるって思うよ

この本ってようするに

  

性転換手術が簡単に認められるようになったけど本当に性同一性障害じゃない人たちが簡単に手術受けられるようになってるよ
手術してからじゃ後悔しても遅いのに慎重に判断すればというだけでも差別者呼ばわりされる、軽薄に手術ができるこの風潮はおかし

  

って言いたい本だろうから40%がLGBTQは「自称LGBTQがそれだけいるけど現実的にそんなわけないだろ」へ繋げるための布石と考えてもまあ自然かなと思うわけだ

若年の色々不安定精神状態の時の気の迷いとかで自分がLGBTQである錯覚しちゃって錯覚したまま簡単に手術できちゃうの大問題だろという本の主題へ繋げるための枕なんだから

そんなわけないだろっていわれたら相手側に「私もそう思いますおかしいですよね」ってニッコリされるようなもんじゃいか

 

あ、私はこの本読んでないので上記が正しいかは知らないよ。そう読んだ方が自然じゃないかなと思っただけ

ただ反応している人たちも明らかに原著を読んでないのに字面だけで反発してる人がそこそこいたのが明白だったからいいのかなって

出版されていないのにありもしない幻を批判しあうのって今回のケースにはお似合いでしょ

 

から簡単出版中止を決めたKADOKAWAが悪い

2023-11-20

anond:20231119182702

・どの二人に謝辞いってるの

ローラカイザーじゃないぞローカルライズローカライズだぞ

・意訳はおなじ種類の言語をしゃべっていてもジェネレーションギャップ、男女の文化の違いなどあらゆる違いのある場所必要になるのでは。(だからスマホホームボタンを例にした)

それにたいしてローカライズは単に地理的な居場所ギャップを埋めるもの原著イギリスから米国文化輸出するときハリポタローカライズしたのだ。

2023-09-23

無断引用重言だ」とかいデマについて

引用」という言葉には、たとえこれを著作権法32条意味に限ったとしても、「著作権者に無断で」という意味内包しない。

無断引用という言葉おかしい」というデマは、もともとは(無断リンク禁止の如く)適法無断引用に対して「無断引用だ!」と言いがかりをつけてくる輩に対する「引用は無断でやっても良い」という反論が、「引用は無断で行うものから無断引用という言葉おかしい」に転化したのではなかろうか。

 

職場に行かないとちゃんとしたコンメがないので、さしあたり手元のおぐおぐコンメから引用するけれども、

1.3.1 引用定義

引用定義規定は、現著作権法には置かれていない。

引用」をあえて定義するならば,自己著作活動への利用目的引用目的)で,自己著作物の中に,他人著作物を複製または無形に再生して,利用または自己著作物等を創作,または自己著作物等の中に複製以外の方法で利用する行為である

小倉金井著作権法コンメンタール[改訂版]Ⅱ」94頁)

とあるとおり、そこに「許諾が無いこと」は要件とされていない。許諾がある場合引用ではなくなるということもない。

 

そもそも著作権法32条ベルヌ条約10条の引き写しだ。ベルヌ条約に加盟するためにそのようにしている(条約国内法化)。

Article 10

(1) It shall be permissible to make quotations from a work which has already been lawfully made available to the public, provided that their making is compatible with fair practice, and their extent does not exceed that justified by the purpose, including quotations from newspaper articles and periodicals in the form of press summaries.

日本語訳

第十条 〔引用

(1) 既に適法公衆提供された著作から引用新聞雑誌の要約の形で行う新聞紙及び定期刊行物記事から引用を含む。)は、その引用が公正な慣行合致し、かつ、その目的上正当な範囲内で行われることを条件として、適法とされる。

著作権法

引用

第三十二条 ① 公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行合致するものであり、かつ、報道批評研究その他の引用目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。

したがって著作権法の条文における「引用」はベルヌ条約における「make quotations」という程度の意味しかない。

そしてベルヌ条約は、make quotations が(許諾なしに)適法化される条件を示しているに過ぎず、この条件を満たさなmake quotationsが許諾によって適法化されることを排除していない。

世界中多くの著作権者が、copyrightのあるworksをquoteするためのpermissionのガイドラインを示しているのはそのためだ。

 

「許諾があるならそれは引用ではなく複製だ」みたいな意味不明な主張も見られた。

上記おぐおぐコンメの引用部分にもあるとおり、「引用」には「複製以外の方法」も含まれている。裁判例上も、たとえば複製ではない要約引用も認められている(「血液型性格事件など)。

 

ついでに、法律家が「引用」といった場合、もしかすると原著作物を書き写さな用法のほうが多いかもしれない。「本件控訴の趣意は,弁護人**作成控訴趣意書記載のとおりであるから,これを引用する。」とか「**は、次のとおり付加・訂正するほか、原判決の**の「**」に摘示のとおりであるから,これを引用する。原判決の*頁*行目の*を*に改める…」といったアレだ。

民訴規則刑訴規則には、下の例を含めさまざまな書面の「引用」が認められているが、いずれも「他の文書に書き写さなくても、同じ内容が書いてあることにするよ」という意味だ。

刑事訴訟規則

判決書への引用

218条 地方裁判所又は簡易裁判所においては、判決書には、起訴状記載された公訴事実又は訴因若しくは罰条を追加若しくは変更する書面に記載された事実引用することができる。

民事訴訟規則

第一審の判決書等の引用

第184条 控訴審の判決書又は判決書に代わる調書における事実及び理由記載は、第一審の判決書又は判決書に代わる調書を引用してすることができる。

2023-09-16

[] 柴田道子 被差別部落生活伝承 (ちくま文庫)を読んだ。

https://b.hatena.ne.jp/entry/s/anond.hatelabo.jp/20210810181919

https://web.archive.org/web/20210810225700/https://anond.hatelabo.jp/20210810181919

原著刊行は71年、当時の部落解放同盟書記長中山氏とともに長野県内の被差別部落の古老たちを訪れて聞きとり調査したもので、現代よりずっと差別苛烈で激しかった時代大正デモクラシーの波にのった解放運動記憶もまだ生々しく覚えている人が多く、本当に大変貴重な証言ばかりだった。

(まず基礎知識ですけど、部落をよく知らない人はなんとなくイメージで、関西しか無い、関東関係ないと漠然と思っている人が多いみたいですが(私もそうでした)葬儀処刑人農村で使ってる牛馬の解体処理など死に関わる仕事(ケガレ仕事)全般を請け負っているので、基本的にどこにでもある(最北端は旧松前藩あたり、最南端奄美大島らしい)。私も北海道には存在しないと思っていたが間違いのようです)(被差別部落の中でも同和事業を適用される同和指定地区をうけなかった地区も多いのがこのような認識を生んだ理由でしょうか)

この本はまず信仰の話から始まるんだけど極貧の生活のためか日頃より信仰心が篤いのに死んだら畜生と同じ埋葬方法で墓が作られても墓地北側の日のあたんねえ所とか、雑で差別的な戒名つけられたり、それでも檀代は一般(部落外)より高い額ふんだくられてたりもうさんざんで、序盤からひどい話ばっかりなんだけどこのあともひどすぎてこれがジャブ程度に思えてくる。長野といえば教育県を掲げているけど部落民は一般と同じ学校に行かせてもらえない、行かせてもらえても徹底的なイジメが待っている、教師すら[チョオリッポをチョオリッポと呼んで何が悪い]と差別に荷担する。さら生活苦ゆえに家の仕事を手伝わなくてはいけないといった理由も加わってまともに学校通った人の方が珍しくて、聞き取り対象の老人のなかにはいまだに文盲の者も少なくない。それから公衆浴場も別々で回り風呂といって運搬が可能なお風呂部落じゅうを回ったりしてたらしい。ケガレ仕事だけでなく、今でいう巡査牢屋の見張りのような危険仕事押し付けられたり、農家の手が足りないときだけ日雇い従事したり季節労働をやったり等収入が安定しない..

もう要するに公権力が徹底的にそうやって差をつけている。また、同じ人間であると思わせないためか、部落民は睾丸が四つある、あばらが足りない、血の色が違うなどいわれのない身体的特徴をでっちあげられてそれを理由侮蔑される。今でこそ誰もが馬鹿馬鹿しいとわかるけどこんなことが真剣に信じられていたんである

それから今でこそ同和事業で部落インフラが整備されて、見かけは一般と変わらない町並みになり、住民流出流入が容易になり、その結果元々部落だったと知らずに引っ越してきてずっと知らない人などたくさんいるけど、明治の末ごろの話だけど比較的裕福だった部落の老人が一般大通りに家を建てたら村じゅう大騒ぎになって、

村役場が主導して執拗嫌がらせを開始。果ては物理的に家ぶっ壊されて(!)老人は訴訟をするけど村役場殺し屋差し向けてきたり費用問題などで訴訟断念するしか無かったらしい。役人殺し屋を雇う???????????????? ???????

?????????????????

明治といえばその初頭に四民平等令、部落解放令がやっと出た時代なのに..この解放令ってやつもうほっとんど意味なくて、差別は続いて、でも以前は免除されていた税金一般と同じように徴収されるようになっていっそう生活が苦しくなっただけらしい..てかまじ、体制側が一市民殺し屋差し向けてくるとかまるでフィクションの話みたいであまりに信じがたくてここ読んだとき一日くらいずっとポカーンとしてた。殺し屋て…殺し屋て..明治の末とかって歴史からみたらほとんど最近じゃん 最近の話じゃねえか ひでえやばすぎる。どーなってんのよ

どこそこの地域部落みたいな程度の浅い知識ならネットでちょこっと調べれば出てくるけど、こういう具体的な差別事例ってこんなふうに本でも読んで能動的に調べないとわからないんだよね、、まぁこういう時代からは随分ましになったとはいえいまだに部落の人にたいして暴言吐く人、差別する人はゼロにはなってなくて、全然過去問題じゃないんですけど、同じ部落の人のなかでも[部落問題を知ってほしい][寝た子を起こさないでほしい、学校なんかで教えるから差別再生産されるんだ][もう差別なんかないんだからほっとくべきだ]とさまざまに意見が分かれていて人間から当然と思う。

でも悲惨歴史にふたをして忘却してしまうと過去の人々の苦しみまで無かったことになってしまわないか?というのと、現代人間過去から教訓を得られなくなってしまう、それと苦しみだけでなく部落にも豊かな文化生活があり、(著者は部落文化遺産と呼んでいたが)文化のものも葬られてしまう。そういう理由から現在の、部落の[ぶ]の字すら言ってはいけないようなタブー空気はいやだなと思うので積極的に気軽に部落の話をするようにしてる。

でも後述するけどこのタブー化が差別の緩和に繋がったわけで、でもそれを加味してもやはりもうそろそろタブ一の段階は終わっていいだろうと思う。

私は部落民ではない女性なんで女性差別しか興味がありません。主にどうして被差別部落がここまで差別を打破できたかの部分に興味があって調べておりその歴史女性差別に対抗するすべを学べないかとそう思い何年も前からあれこれ勉強しています

はっきり申し上げておきます部落差別より女性差別のほうがひどい。上記にあげたような苛烈差別事例を知った上で言うことです。その理由ひとつに無徴の存在である部落民に対して女性は有徴の存在であり、部落差別から逃げるために素性を知られてない遠方に引っ越すという手段もあり実際多くの人がそうしていたようですが、女性女性であることから逃げる手段自殺しかありません。

(当然、無徴ゆえにだれも[被差別部落][部落民]とはなんなのかをはっきりと定義できないゆえに権力側に恣意的身分を決められていた歴史もあるでしょう。それも知っています。でも、なお..なのです。ちなみに、部落民とは一般先祖ルーツが違う別人種なのではと思う人もいるでしょうが一般人でも部落民になったりするし、どうもそのへんあいまいというかはっきりしていないようです。本書には、とある部落民にむかって自分たち先祖が同じだ]と言った一般民がいたという証言もあります差別根拠など全くないのです。さらに言うなら死にまつわる仕事ケガレというのも恐らく権力恣意的に決めたことがし、ケガレ仕事ではない、たとえば内職などしかしない部落民も沢山あってケガレともイコールで結びつかないのです。)現在進行形でさ女は毎日女ってだけでなぐられ殺され犯されおとしめられてんだよ

から一歩出るだけで醜いおっさんジーロジロ品定めここから逃げる手段ないんすよ

公権力が女の味方してくれたことないんすよ

女性参政権だってGHQ鶴の一声であって日本の男はんなもん女に与えてくれたこと無いんですわ

すいません話それました!

国を動かしての解放令発布でもやむことがなかった差別現在ここまで緩和されもはや部落問題を全く知らない人も多くなった、その主たる理由はやはり水平社(のちの部落解放同盟)の強硬な、時には暴力的闘争姿勢によるものだったのではと思います。著者の柴田いわく、長野のなかでも東信地方は寒風が吹きつけてひどく底冷えがする地域で、昔から気骨のある男、気性の荒い男が多く、それが東信で水平運動がさかんだった理由ではないか分析しています。逆に寒さがゆるやかな地域では[寝た子を起こすな]の論調が強かったり水平社よりも穏健だった同仁会がさかんだったらしい。でも同仁会も交渉の場では「水平社の連中よぶぞ]が殺し文句だったらしく虎の威を借りてたとか..そして水平社と同仁会、歴史に名を残したのはどちらかというともうこれは言うまでもありません。ふだんから竹槍の戦闘訓練も行い、武力闘争も召さなかった水平運動こそ歴史を変えた。彼らが起こした暴力事件の仔細はネットでも簡単に読めます部落民は乱暴だ、奴らは犯罪者だといった風評も辞さない徹底的な闘争で、部落は怒らせると怖いと、部落がなんなのかよく知らない人すら何となく感じて、アンタッチャブル話題だと感じる。タブーだと思う。その空気を牽引したのがテレビマスメディアの徹底的な自主規制でしょう。部落解放同盟にらまれたら厄介だという理由で前述のように部落のぶの字も出さない、触らぬ神にたたりなし。先日もエタヒニンと発音しただけのアイドル活動自粛に追い込まれたけどそういう過剰なまでの自主規制が、差別存在のものを透明化した。長い間メディアは頼まれてもないのに四本指の表現すら自主規制していた。

そのような、暴力脅迫で勝ち取った自由歴史勉強していると、心底彼らがうらやましく、やっぱり権力もなにもあてにならずとにかく徹底的に相手に恐怖という根源的感情を植え付けて支配するしか対抗の方法は無いのかなと思ってしまう。なんだかわからないけど女性差別問題は怖いから少しでもセクハラと誤解される表現自主規制しよう、万が一表に出てしまったら即座に責任者の首とばそう、そんなふうになってくれたらいいのにと夢見て泣きそうになります

しかしながら水平運動に加わった男たちがそこまで暴れることができたのも男という性別ゆえかなと、同時に諦念を抱きます

女はやさしさや思いやりといった(あえて言いますが)宿病をかかえています。それは先天的ものか、それとも後天的ものか、両方だろうか?とにかくフェミニスト自称する人たちすら、女性は優しくなければ、人の気持ちが分からなくてはという教条に縛られているので、そういう人たちと肩を並べて武力闘争可能かどうかはあやしいものです。ねえ、やりすぎは良くないよやめよう、とお目目ウルウルのいい子ちゃんが必ずまざってしまい男たちはそのすきをついてくる気しかしません..

この本書のなかにはある村の一般村長が出てきます。彼は比較リベラルで、部落の子でも学校入学できるようはからったとのこと。そのせいで彼は妻の実家の敷居をまたぐことを拒否されるなど反発され、水平社の者も彼のそのような行いを知っててもそれでもダメな所は徹底的に糾弾したので、「両方から突き上げ食らってもうさんざんだ]といったことを自嘲してるんですけど女性たちも同じように全く糾弾の手を緩めないってことが可能かと考えると難しい。

男の攻撃性が本当にうらやましくなります

痴漢の手に安全ピンぶっさそうという(本来痴漢は殺されてもいいくらなのだから穏当すぎるくらいなのに)呼び掛けにすらいい子ぶりっこがそういうのよくないよとたしなめるしまつ。

繰り返すけど殺されてもいいのに。

やさしさというのは女たちが生まれつき体に埋め込まれた起爆装置なのだろうか?差別に抗戦しようとした瞬間、それは作動し、女の体は爆発四散するのでしょうか?

この本の巻末、作者の生前の夫だった人による復刊によせての解説言及されてた2014年長野県連続差別事件やばい部落民の女性に対して、真ん前に引っ越してきた男が差別語連発で罵倒するのをやめない。裁判所から禁止令が出てもやめない。逮捕されても執行猶予で、けっきょく彼が万引きという別件で再逮捕され収監されるまでの2年間なにも解決しなかったそうです。

昔も今も権力なんてなんのあてにもならないどころか被差別階級にとっては敵でしかないんじゃないのとますます不信感がつのます2014年とか最近じゃん昨日じゃんか

みんな本気で、ハッシュタグ(笑)だのツイッターデモ(笑)なんかで女の現状が救われるとおもってんのかな..こんなのなんにもならんってうすうす気づいてるんじゃないかな。男に殺される女が一人でも減るかそんなんでって思う。やってる感だけ得られたらいいんすか? けっきょくレベルを上げて物理で殴るしか無いんじゃないのか。それもわたし一人がやったところで社会的インパクトいか組織だってやるしかないけど、以下ループ

水平運動の男たちは献身的に支えてくれる妻がいてそれで運動なりたってた部分でかいと思うけど女には妻おらんのですよな~

暴力ができないならせめて男がみんな自分に正直にホモ願望を解放してホモセックスし、抑圧している内的女性現実女性投影するのをやめればミソジニー無くなって平和になると思うんですけど、でこう書けばホモ差別語だから差別はいけませんとかほざくぶりっこフェミニズム邪魔をしてくるのでもうどうしようも無いです! バーカ!ちんこ

それで思い出したけど水平社=部落解放同盟は徹底したシングルイシュー在日朝鮮人差別して反省しなかったり、男と女で日当に差をつけて差別してたという話も聞きますイシューを抱え込まないことがやはり運動成功秘訣ひとつであったのかと感じます女性女性というだけでやはりシングルイシューはいけないといった脅迫をされます。色々な差別問題に敏感ではなければいけないような圧力にかかって、あらゆる差別に眉をひそめなきゃなんないあの感じ、全ての弱者のために涙しなきゃいけないような義務感、女だから聖母を求められてるんですよね。それもバー死ねでございます女性差別以外知ったこっちゃねーでいいんだお

ところでこの本の作者柴田道子は童話作家部落民じゃない一般です。長野市に引っ越してきて被差別部落接触し、興味を持ち、この本を上梓したあとは狭山事件被告サポートに尽力、当該事件の本を執筆わずか41歳の若さで急死したとか。

解説文でだんなさんが男社会のなかで女性としてうけていた差別があったか部落問題に熱心だったのでは的なことかいとるけどんじゃー女性差別問題に集中すればよかったのでは、女なら自分当事者である女性差別問題に注力すればいいのに、しろよと思ったし、そうすべきだろがいすら思うんだが、そういった、正しくない女柴田の正しくない思いで発刊された、正しくない存在である力作のこの本によって後世の人間である私が歴史を知ることができたわけで、そしてこれは間違いなく後世に保存し読みつがれるべき大名著なんです!!!何が正しいか間違っているのか、どう思うべきか、どう行動すべきかって本当は一切なにもないのかもしれない。なのでフェミニストならこうすべきだ、こう思うべきだ、こう感じるべきだみたいな考えに固執している人はちょっと考え直したほうがいいな、正しいか間違ってるかなんて時代によって基準がぐにゃんぐにゃんで明日にでも真逆になるけど、なんか結果だけ見て、他人ジャッジしてもシャーナイつか、結局ね、なにかにかい真剣にがんばったりさえして、懸命に生きさえすれば、それはもう…だれにも、文句は..まあいいや

2023-09-08

anond:20230907201118

独立事象って高校で習うはずのことなんだが千日手に持ち込むためにわざとあべこべ解釈してるのか?

あることとあることが独立事象とはお互いが原因と結果の関係で影響を与えないこと。

その行為原著作者に許されてるかどうかはその行為違法かどうかに関係しない。その行為違法かどうかは権利者の意思とは無関係に、行為自体ががどのようかものかという観点から違法とする条件の構成要件との合致具合で定まる。

もし上記を踏まえて行為違法かどうかが、子供に真似するなとか含めなんらかの行為虐待に当てはまるかどうかに関係するとすればそれはどういうことなのか。

虐待に当てはまるかどうかで、構成要件との合致具合が変わってくるのか?虐待に当てはまるかどうかという虐待定義のありようが、構成要件と照らし合わせるその行為自体の内実に影響を与えるのか。支離滅裂にも程があるしやっぱお前は自分の言いたいこと言ってるだけ。論理のろの字も弁えてない

2023-09-06

anond:20230906153638

中学生の下手くそ似顔絵までうったえたら原著作者側に勝ち目がないやろがぃ。

「直接感得」の範囲が、君らオタク原著作者だけにひろくとりすぎなんよ。

原著作者だって「直接感得」できない作画崩壊しょっちゅうやらかしてんのにな。

相手みて基準変える法律って法律意味ある?

anond:20230906152627

でも文字通り読むなら、「原作権利者「も」二次創作物公衆送信権を持つ」くらいの意味合いではないかと思うのだが

というより、二次的著作物著作権はその著作物著作者帰属すると同時に、原著作者にも帰属するので、二次的著作物ネット投稿するときはその著作権帰属先の一つである原著作者の許可必要という理屈だと私は解釈してる

2023-08-30

徳間書店ヘイト本トンデモ本しまくっていて絶句した

徳間書店一般

https://www.tokuma.jp/search/g15474.html

 

 

なんというか、徳間レベル大手出版社ですらヘイト本ヘイト本を出さなければいけないほど追い詰められているんだなと悲しい気持ちになったな。もちろん売れるという事情もあるんだろうけど、それでも度が過ぎたのが多すぎて引く。

こういう本を出せば短期的には収益は上がるかもしれないけど、中長期的に見ると「あの出版社は変な本ばかり出す」って悪評がたって墓穴掘ってるようにしか見えんのよ。貧すれば鈍する

とはいえまともな本も出しているということは付記したい。いやまともな本出している人にとってもいい迷惑だろうけど…

 

他の出版社だと、同じような批判を浴びせられる角川書店(※オタク系のは除外)と早川書房はそこまで露骨にどうしようもない本は出していない印象がある。

新聞社系(中央公論新社朝日新聞出版産経新聞出版など)は時々どうしようもないのをお出しになるけど、基本的には結構まとも。

左派系だと岩波の『世界雑誌)』はなぜか極左通り越して半分トンデモな内容になっていて困惑しているが、それ以外の本はそこまで酷いのはない(たまにあるが)。

緑風出版あたりは結構頭抱えたくなるのが多いが。

2023-08-29

anond:20230829144848

喧嘩両成敗wwwww 原著作者訴訟に参加してさえないんですが。

判例よんできてもらっていいですかね

2023-08-18

anond:20230818014739

から入るけど、その反論ズレてるだろ、というか他人知的レベルを下に見すぎだろ

この話そもそもウマ娘のところにポイント絞ってるよな

ところでだ、裸にひん剥いたウマ娘サイレンススズカはどこまで「絵画著作物」としてサイレンススズカ原著作物と類似なんだろうな

言いたいのはそういうことだと思うぞ

元増田類似判断ちょっとガバガバ過ぎて見てらんないところがある。

2023-07-20

わたし創作しない

創作する人は「推したい」「愛でたい」何かと既存作品で常にずれが生じる

ずれを埋められる自分の「推し」を創る

創作をしない自分の「推し」「愛でる対象」は現実にたまに見つかる作品のものであって

のもの代替することができない

好きな翻訳小説なら、語学をがんばって原著を読んだり、いろいろな切り口での歴史的背景やパロディネタ元の調査をする

享受するための手段能力を獲得する努力をする

ただそれだけ

2023-07-17

宮崎駿君たちはどう生きるか」の検証にもならない独り言/ジブリ映画感想レビュー

大学2年の時にニーチェを読んだ。ニーチェサリンジャーを読まないといわゆる「基本的人権」が認められない世界観の中で、避けられない選択肢だったので、読んだ。そして意味がわからなかったので、本屋普通に並んでる様な文化人解説本をいくつか読んだ記憶があり、その後読んだ年齢の倍以上経てその殆どを忘れてしまってる。

さて、先日「君たちはどう生きるか」を鑑賞した。何故かネタバレを極端に避ける風潮があって私の周りでも内容に触れる人は極端に少ない。

ただ「理解するのが難解な作品である」といった趣旨投稿をしている人は何人もいた。

果たしてそうなのだろうか?という疑問を持ったので本増田を書いている。

特にメモをとってわけでもないので、ディテール齟齬がある部分は勘弁いただきたい。

1、話の骨子

真人空襲(?)で母親を失くす

その後、母親の妹が新しい母親となり、母親実家疎開(?)をする

亡くなった母親の思い出もあり、新しい母親真人は心を開けない

金持ち仕草抵抗のない父親が車に乗せて初登校をしたため、ガキ大将的な奴と喧嘩になるがMMA能力があったため圧倒する

帰り道に石で自分の頭を殴り✳︎1 かつ犯人を言わないという知的な叱られ対策を行う

亡くなった母親の残した「君たちはどう生きるか」に出会う ✳︎2

その後成長した少年は新しく生まれた弟と家族と共に東京に戻る

ご覧の様にストーリーは極めてシンプルである。そして、✳︎2の描写が本作品の大部分を占めている。

2、おしいれのぼうけんなのか否か

いやいや、おしいれのぼうけんのさとしとあきらのぼうけんは実際に異世界へ行ったのであるよ。そういう人もいるだろうし、多感な子供がおしいれに罰として閉じ込められるという昭和のみ許された罰によって生じた脳への過大なストレスで発生したイマジネーションの中の世界という人もいるだろう。

今回は後者の説をとらせて貰いたい。

真人はあまりに強く石で頭を打ってしまい、かつ慣れない場所でのストレスから母親が残してくれた「君たちはどう生きるのか」に没頭してしまう。

この原著小学生の時に読んだことがあり、その歳からは3倍以上の歳となってしまったので

あるが、コペルくんという快活な出来杉くんが日々体験した葛藤かに、「叔父さん」が真摯に答えてくれるという内容で、漫画化されて話題になった時の売り文句を見ても感じたのだが、児童文学の姿を借りた思想書/啓蒙である

うっすら覚えている内容も、格差によるキャズム父親金持ち仕草でいきなり浮きまくって喧嘩となり、派手な登校拒否スタートとなった真人とは重なる点も多く、「叔父さん」の回答は真人の心に刺さるものが多かったろう。

聞くところによると反戦主義者であった吉野源三郎は、自由言論活動抑制された戦前、戦中において、その活路を児童文学見出したようだ。

吉野源三郎ニーチェの対比については東洋哲学視点で語る人は少なくない。戦前、戦中においてはニーチェが死んだと評した絶対的価値観と同様のものがこの国に溢れていたのは事実だろう。

そういった意味では吉野源三郎日本ニーチェと感じる人はいてもおかしくないのだろうけど、昭和小学生であった自分には全く刺さらなかった一冊であった。

なんにせよ、真人少年はこの本を読み、心の中のぼうけんへとでかける。

3、これは大事ものから

庭にある「塔」はよそから飛来した飛翔体で、大叔父は「これは大事ものから」と新しい建築物で囲った。

ここで思い出すのは聖書の一節である

「新しいぶどう酒は新しい革袋に盛れ」(ルカ5章38節)当時の慣例を無視したイエスは、新しい思想は、新しい環境にて受け入れかし的な意味で言ったらしい。

健全なる精神健全なる身体に宿れかし」

と宿るじゃ大きく意味が異なるので、この辺も解釈によって随分と違う。

さておき。この大叔父の言っている「これは大事ものから」は絶対的価値観で、この絶対的価値観を装飾したり保護したもの戦前、戦中に世に溢れていた「常識なのだろう。

この常識に対して、「君たちはどう生きるのか」は児童文学というN国ハックを成功し、無事相対的価値観真人少年に届けることに成功する。

✳︎母親も塔で行方不明になった時期があり、大叔父は姿を消したままなのは絶対的価値観に対する「疑問」を持ったことに対して、思想警察等の介入を招いたという事なのでは?といった解釈もなりたつ。一方で、隠れキリシタンマリア像的な「進歩的思想」を表すものとも受け取れるがその場合はいくつかの齟齬生まれる。

4、アオサギの指すもの

本作でトリックスターとして描かれるアオサギ古代エジプトのベヌウを始めとして様々な宗教で描かれている。

混沌に現れたベヌウがアトゥムとなりそしてラーとなったが古代エジプト神話創世記で、ベヌウはその後もフェニックスになったり、旧約聖書で忌むべきものと描かれたりと様々な存在であり続ける。

全てのアオサギは嘘つきだとアオサギは言った。これは本当か?!

という問答が本作ではあったが、アオサギは「相対的価値観」のメタファとして描かれたのでは?と私は思う。

敵か味方か、友人かわからない存在

見る人によって、見る時によって解釈が異なる存在相対的価値観象徴としてこの上ない。

ソクラテスの良き友人であり、ソクラテスソクラテスとならしめ、そして死に追いやった「ダイモン」はその後「デーモン」となり絶対悪となる。

アオサギは創世の核から、忌むべきもの、そして後世では聖職者キリストとしても解釈をされている。相対的価値観象徴として登場するに相応しい扱いのブレブレさ。

嘘つきを「悪」や「忌みもの」と置き換えたとしても時代、そして答えるものスタンスでその答えが変わるだろうアオサギトリックスターに据えたのは、アオサギ不死鳥火の鳥としての立ち位置だと考えても中々に面白いのではないだろうか?

5、ペリカン反戦

わらわらが空に舞うシーンとペリカンの登場をみて、多くの人が空襲によって生まれるはずの命が奪われていったのをイメージしたのではないだろうか。

出雲大社をはじめ、神道結婚式では玉串をおさめるさいに、新郎新婦螺旋の様に左右に交わりながら神前に進む。

この「螺旋」という存在は、永劫回帰もつながる東洋思想の根幹となるもので、すべてのもの平等に無価値で、それぞれが相対的価値をそれぞれに対して持ち、または持たない。

下の世界は明示的に「地獄」と表記されてたのであるが、おそらく描かれてるのは冥界だろう。

ニーチェが死んだと評したものはそれ以前のキリスト教における始まりのある絶対的価値観というのが有力な説であるが、その絶対的価値観を作った人物の1人であるアウグスティヌスが「聖心、自己犠牲」の象徴とし、その後も様々な紋章で愛されたペリカンが魚の内蔵餌にし、上の世界での誕生を待つわらわらの命を次々と奪っていくのは宮崎駿フラットな「反戦思想」が読み取れる極めてシニカルメタファーではないだろうか。

ペリカン第二次世界大戦でも輸送機爆撃機のノーズアートとして愛用をされていたのは、ミリタリーに造詣の深い宮崎駿なら知らないわけはないだろうと考える次第である

6、インコがよくわからない。

インコ軍団の描かれかたは、当時の日本軍部の急進派やポピュリズム扇動された国民イメージとさせる。

ところが、インコアオサギペリカンの様に何かのメタファとして使われてた例を少なくとも私は知らない。

あえて言えば、ポピュリズム扇動される一定数の国民は今も変わらない、その人たちはみな同じ様ち聞いたことを繰り返す。

これらに対しての皮肉を込めて、鸚鵡はアレだからインコにするか、となったくらいしか思いつかない。

1シーン、インコたちが「陰謀論者」を彷彿とさせるセリフを言ってたのが気になるが、それにしても偶然の一致だろう。

何故、インコなのかは本当にわからない。

まとめ

本作は極めてシンプル構成少年の成長の数年間を描きつつ、そのきっかけとなった一冊の本バックボーンを深く掘り下げた作品だと思う。

ただ、その一冊が示すところは当たり前の様に社会実存する不条理や、固定された常識を「畜知」として個々の持つ倫理観や、相対的価値観を持って超越すべきと描くものだった上に宮崎翁の表現だ。わかりやす理解が困難であるところが極めてわかりやすい。

現象界では常に変化が起こり、全く同じ真理などは存在せず、全てのものに等しく「無」だけがその拠点として存在すると、ナウシカ宮崎駿は伝えたかった気もするのだけど、これすら三連休の最終日にしこたまアルコールを飲んで歩くのすらおぼつかない私の中だけの相対的宮崎駿である

なんにしても本作の序盤の数分で感じるスパイダーバース同様の狂気は、宮崎駿存命の間しか味わうことが出来ない、スタッフロールと引き換えに命を削った各コマを作り上げた人々の命の結晶である時間は貴重だ。一方、チケット代なんて酒を2、3杯飲むのと引き換えられる程度の数字が書かれた概念しかないだろう。

よっぽど忙しい人や、ジブリ宮崎駿が嫌いな人も最初10分で良いから見てほしい。

そんな狂気に溢れた作品であった。

おまけ 

昨晩、地下室からのふしぎな旅を改めて読んだ。柏葉幸子は素晴らしい。

宮崎駿引退するまでに一回で良いか柏葉幸子作品監督をやりたいはずと、私は勝手に思っており、君たちはどう生きるかもその色眼鏡で鑑賞するといくつかのシーンから妄想が膨らむ。「鈴木くん。柏葉幸子は素晴らしいぃぞぉ」という宮崎駿の声が脳内で響く。

2023-07-07

anond:20230707224712

AI権利侵害をしている」という前提が妄想しかないので全て不成立

その理屈だとペインソフト権利侵害ソフトだな

権利侵害画像を生成させたユーザー権利侵害をしたというのではなく、AIツールについて「特定操作をすれば著作権侵害画像を生成できるんだから権利侵害だ」と言えるなら当然そういう話になる

AIツール自体原著作物との類似性が認められる(データが含まれている)なら話は別だが、そんなことは全くないんだから

2023-07-05

anond:20230705204629

そりゃファスト映画著作権法違反だけど、意図的違法な状況作ろうとでもしない限りAI使っても普通な著作権法には違反しないからね

著作権侵害には原著作物の表現との類似性依拠性が"両方"必要なのが判例・通説

読み込んで要約してたら依拠性はあるけど類似性は必ずしもない。というか普通な

ファスト映画画像映像をそのまま使ってるからその時点で類似性でアウトだし依拠性も当然ある

2023-05-30

anond:20230530174909

自分が付けたんじゃなくて出版社が付けた、が事実なら、「このタイトル原著を歪めたものなどではありません」なんて回答する筋合いがないだろうが

大丈夫

anond:20230530174115

まり

元増田の「元のニュアンスをゆがめている」に対する反論

「いや射精責任と言う訳は正しい、何故ならば~」ではなく

「私が決めた訳じゃない」ということ?

  

それだと言外に

タイトル原著者の主張ニュアンスをゆがめているという指摘には反論しない」

みたいに受け取れてしまうんだけど

そんなことない?

2023-05-08

anond:20230508171631

何言ってるの?

知的財産高等裁判所東京地方裁判所 令和2年(ネ)第10018号,令和2年10月6日知的財産高等裁判所第3部判決

仮に原著作物のシーンが特定されたとしても、本件各漫 画につき著作権侵害問題となり得るのは、主人公等の容姿服装など基本的設定に関わる部分(複製権侵害)に限られるもの であり、本件各漫画の内容に照らしてみれば、主人公等の容姿服装など基本的設定に関わる部分以外の部分については、 本件各漫画二次著作権が成立し得るものというべきである

2023-04-23

anond:20230421002026

帝王切開語源の項目を数年前に執筆した当人である雑兵ウィキペディアンが通ります

誰も悪くないって元増田は言ってるけど、これはイシドールスが悪いよ。

カエサルという語はユリウスに由来する。内戦が勃発するや、彼はローマ貴族として最高の地位を得た。他方で彼は死んだ母の切り取られた(caeso)胎内から引き出されたために、もしくは生まれつき豊かな髪(caesarie)を靡かせた子供だったために、カエサルとも呼ばれた。それ以来、彼の跡を継いだ皇帝たちもカエサルと呼ばれることになった。そして切り取られた子宮から取り出された者は、Caeso あるいは Caesar と呼ばれることになった。

— イシドールス、『語源』第9巻 3章 12

カエサル帝王切開で生まれたってのも嘘(というか、語源因果関係が逆)だし、フッサフサだったってのも嘘。与太話すぎるっしょ。

イシドールスの『語源』は、数々の言葉の由来について、キリスト教世界でのソースになっていて、中世においては権威のものだったんだが、ぶっちゃけ信頼性が低いということが最近わかってきた。

語源』のおかげで、多くの古典時代著作記述が断片的に散逸を免れた一方、この著作原著作よりも重んじられることが多かったために、原著作で散逸してしまったものが多いくらい。

現代ウィキペディアみたいなもんだよね。

はい大学で教えてるんだけど、レポート書かせたら「ウィキペディア調べ」ばっかりなの。史料批判どころか、一次史料に当たることなんて全然しない。

あんまりひどいから、私はレポート読んでからウィキペディアを直すボランティアをしている。

ちなみに、イシドールスはカトリック教会における「インターネット利用者およびプログラマー」の守護聖人でもある。おあとがよろしいようで

2023-02-28

anond:20230227141843

増田でもコメントでもまだあんまり上がってないやつだとこんなのも良かった

いわしゲーム実況チャンネル

元・薬学生、現・現役薬剤師ゲーム実況が主だが、見どころはゲーム実況そっちのけで始まるおくすり解説

ニコニコではよくランク入りしているのでニコ厨は知ってるかもしれない。

病気の症状から、薬の作用機序、薬の法的な規制流通などなどについて詳しく解説してくれる。

とにかくめちゃくちゃ説明うまいうまい人の説明聞くのが好き! という人はお薬に興味がなくてもおすすめ。身近にある薬について「そういう意味/理由/仕組だったのか……」と腹落ちできるのも気持ちいい。

ほぼほぼ毎日動画投稿されるのもすごい。いったいどうやってるんだ。

特におすすめ動画

日本一「高い」薬ってどんな薬なの?【VOICEROID解説ゾルゲスマ 脊髄性筋萎縮症:https://www.nicovideo.jp/watch/sm41741182

は本当に面白かった。一発の薬価が1億円以上のおくすり「ゾルゲスマ」の解説

機場空論

一言でいうとメーデー!系。航空機事故などについて実際の報告書や当時の無線通信などをもとに解説するチャンネル

航空事故だけではなく、航空インシデント事故にならなかったがほとんど事故直前やん!といういわゆるヒヤリハット的事例)も扱う

メーデー!でまだ取り上げていない事故インシデントも出てくるのでああいうの好きな人は見て損なし

特におすすめ動画

解説PA-46マリブ N264DB 墜落https://www.youtube.com/watch?v=zTIlOnEurf0

現役サッカー選手エミリアーノ・サラが移籍先への移動中チャーター機の墜落で死亡した事故解説サッカーファンなら覚えている人も多そう。続報と根本原因を知らなかったので動画見てめちゃビビった。

アルノ

主にナチス・ドイツ活躍した(してしまった)人物の生涯について解説する。たまにそれ以外のドイツ東欧史もやる。

Twitter逆張りキッズがやるようなナチ党関係者の持ち上げはあまりなく、個人史~ナチ党に入ってろくでもないことをしでかすまでを細かく解説しており、しでかした悪行に対してびっくりするほどしょうもないパーソナリティであることなども伝わってきて面白い。

近年の史料にもあたっているようで、最近評価が(悪い方向に)覆ったことなども取り扱うことがある。

最近動画投稿がすこし滞っているが既投稿ぶんでも相当暇つぶしになると思う。続編まってます

特におすすめ動画

ゆっくり解説ハンス・アスペルガーhttps://www.youtube.com/watch?v=x3gpKQ1G6AU

アスペルガー症候群発見し、障碍者は「生きるに値しない生命」として安楽死(T4作戦)を進めたドイツにあって障碍者保護に努めた人物であるアスペルガー……というのが通説だった。

だが近年、普通にT4作戦にかかわってました~ということが判明し、評価が覆っちゃった話をしてくれる。

Cabernet

おすすめ最近独ソ戦について研究発表か!?ぐらいのレベル動画投稿し始めた。デイヴィッド・グランツ「巨人たちの激突するとき」をはじめとする大ッ量の史料を使って解説する。

独ソ戦とその前後戦争を背景にナチドイツのヤバさ(悪い意味で)とソ連のヤバさ(いい意味でも悪い意味でも)を知ることができる。

難しい原著もCevioで訳文読みながらかみ砕いて解説してくれるので安心

ドイツ君がなぜソ連相手戦争をおっぱじめたか思想的背景までも説明してくれた回はアツかった。

特におすすめ動画

独ソ戦】同志六花と学ぶ大祖国戦争 #3: 第三帝国の躍進【CeVIO解説https://www.youtube.com/watch?v=2ihTqEh3_1Q

「なぜ独ソ戦が『史上最大の戦争であるのみならず、『史上最悪の"絶滅"戦争』になったのか」を資料の抄読軸で解説する回。

ヒトラーは「この世界人種間の果てなき生き残りデスゲーム構成されており、だから融和とか多人種主義とかはそれ自体ユダヤ的やねん」ということを思っていたらしい。えっ何それは…。

ナチズムは通常の人種差別からは1翻2翻違う別格のやべー思想であることを伝えてくれる。

この回は単独でも面白いのでこっから入るのもアリ。

youz

イギリスからみたアメリカ独立戦争」「ロシアから見た日露戦争」など日本人歴史観からは「逆」の視点からみる歴史的事件史料等に基づき解説する。

「逆」から見るとそっち側から合理性合目的性というものがあるんだなあという学びになる。

特におすすめ動画

ゆっくり解説日本社会党、衰退の歴史シリーズ

かつては野党第一党、何度か与党にもなりながら今や両院合わせても2しか議席がない社会党(現:社民党)の誕生から歴史解説

立憲民主党内のここ数年のあれこれが「全部社会党リフレインじゃん!」となる

見返すと半分くらいはニコニコ経由で知ったやつだな。

ニコニコでは伸びるけどyoutubeではそこそこ……みたいなことってあるのでyoutubeでも伸びるといいな。

2023-02-21

anond:20230221131622

ギブスンの本がまた話題になってたからとりあえずKIndle原著を買った ギブスはいいよな、全部中身が同じだけど

2023-01-19

英語リーディングで本を丸々読む力はどう獲得すればいいの?

もっと正確に書くと、ハリー・ポッターレベル文庫本時間をかけて読むにはどうすりゃいいの?って質問をしたい。どうしても途中で息切れしてしまう。日本語版だとスムーズに読むことができるけど、原著だとビミョウなんだよね。

英語過去スコア

センター英語 92%

TOEIC 860

Toefl iBT 72

それで、英語の本をスラスラ読めるための勉強をしたい。どうしたら良いかな?

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