はてなキーワード: ナチュラルとは
全然関係ないんだけど、TENETでキャット役やってるエリザベス・デビッキという女優さんいるやん。
私あの人と同じような細さなんだけど、デコルテに肋骨がめちゃくちゃ浮いてて怖いのよ。
でもエリザベス・デビッキのデコルテは肋骨浮いてないしめちゃくちゃ綺麗なの。羨ましい。
BMI17.5まで体重増やしたことあるけど、その時も余裕で肋骨浮いてた。だからデコルテは常に隠さないとダメ。
それ以前に日光過敏症だから一年中長袖と長ズボン(orロングスカート)縛りなんだけどさ。
ちなみに自分の骨格タイプは不明。ネット診断だとウェーブとナチュラルのハーフ&ハーフっぽい。
骨格タイプに合わせて服を揃えると今まで着たことがない服を買わなきゃいけなくなるので、楽しそうだけどめっちゃ金かかりそう。まあ世界が広がりそうだから金かかっても良いかなくらいには思ってる。
膝の手術を3回受けた70代祖母が同行者の孫に無断でイタリア縦断超弾丸ツアーに申し込んだ話。
一章 〜杖買うって言ったじゃん!!〜
二章 「歩くのが早すぎるのよあのオバサン!」
三章 こんなとこに住む人の気がしれませんよね
四章 40万()のアクセサリー
五章 ナポリと靴
七章 ローマの夕食
・激重スーツケース
・自慢話と夏の空
・ボッティチェリに敬意を示して。
・嵐ってすげぇや!
孫が中学三年になるのに合わせて祖母が海外旅行に行きたいと言い出した。
昔は海外によく行っており孫と一緒に行くのが夢だったんだそう。
そこで白羽の矢が立ったのが、2番目の孫で初の女の子のわたし。
おばあちゃんは息子しかいないから初めての女の子をかわいがって、よく自分の好みの服やらを買って着せられた。娘がいたらしたかったことを私にしてる感じ。
あとまぁ「孫と一緒に旅行!」ってのが老人にとってはステータスなんだね。「孫と海外旅行をするくらい仲が良くて金銭的にも裕福な家庭」みたいなさ。
「あらお孫さんと旅行?いいわね〜羨ましいわ〜」って言われたいのもあったと思う。そりゃあ孫連れて旅行してる人がいたらそういう反応しかないでしょ。
当時は何も知らんかったから旅行行くのに全然賛成で二つ返事でOKしたし海外行けんの楽しみにしてた。
祖母は膝が悪く何度か手術の経験もあるため、最初は膝のこともあるしバンクーバーあたりのひとつの都市に留まってゆっくりしようねって話してた。
それが5月のある日
って。ねぇ、あんた。
パンフレット見せてもらったらまぁイタリアを北から南まで大移動する8日間の超弾丸ツアー。母が「大丈夫なんですか?」と心配そうに聞いても「大丈夫よ〜!」で聞きゃしない。
身体に爆弾抱えてる人がどうしてそこまで自信満々になれるのか。謎です。
テンションの上がった人間は突拍子もないことを言い出すの典型を目の前で見た。
1章 〜杖買うって言ったじゃん!!〜
そして迎えた当日、前泊する為に祖母の家に行った私が「杖あります?」って聞いたら、自信満々に「無いわ!でも多分大丈夫だと思うから!☺️」
まって??
いやもう、「なんで??」の一言に尽きる。
だって言ったもん、「買う」って言ってたやんけ。母さんがおばあちゃんの膝を考慮して折りたたみ式の勧めたり口酸っぱくして杖を持っていけって言ってたから。そりゃあ買ってると思ってたし若くないんだから過信しないでくれ、たのむから。
ここで私が間違ったのは不安に思いながらもすぐそばのショッピングモールに走って杖を買いに行かなかったこと。これが後に解決できない大問題となる。
今なら過去の私をぶん殴ってでも杖買ってこっそり自分のスーツケースに突っ込む。もし声だけでも伝えられるなら夜とか関係なしに「杖を探しに走れ〜!!!!!」って叫ぶ。絶対に。
「何かあったら現地で買うわ!」って言ってたから大丈夫かと思ってた。
予想してたとおり毎日足が痛くなるくらい歩く超弾丸ツアー。15歳の私でそうなんだから70代の祖母はさぞ辛かったと思う。
でもね?普通に考えて膝にボルト埋まってて普段杖ついてんのに、どう見ても歩くツアーに杖の1本も持ってかないなんて、そんなことある?
現地について2日目くらいに高級店が並ぶ通りで杖を見つけた。べっ甲の持ち手のついたツヤツヤの杖だったからこれならおばあちゃんも満足だろうと思って「杖ありましたよ!」って声かけた。のに。
「でもね〜、ここ(現地)の人に合わせてあるからおっきいのよ」
現地で買うって?言ってませんでした????
ちょっとマジでよく分からないんだけどそんなん最初からお前わかってたの?つまり絶対買う気ないのに買うって言ってたんか?って。
既にツアーの列から遅れて添乗員さんに迷惑かけてんのに何言ってんの?って。
オシャレでプライドの高い祖母にとって杖を着いて歩くのは格好悪いと、ただそれだけだったのだ。
イタリアに着いて初日、夕方に到着したのでそこからバスに乗る。着く少し前に機内食が出たから夕飯は無し、この日はホテルに直行して寝るだけ、明日から観光が始まる。
10時間以上のフライトで腰は痛いしケツはもじょもじょするしで、10時間前に一瞬顔を合わせた人たちと一緒のバスに乗ってホテルへ向かう。
ホテルの部屋へ入り、荷物の整理をして、今すぐシャワーを浴びて寝たいところだが事は起こった。
シャワーが出ないのだ。
普通、コックを上下に動かせば水が出るし、それをひねれば温度調節ができる。少なくとも日本ではそうだ。
このシャワーはどうだろう。コックを上にあげると蛇口から水が出る。コックをひねって温度調節も可能だ。それでも蛇口から繋がるシャワーはうんともすんとも言わなかった。
困った。いちおう先進国なのに世界共通で必須のものの使い方がわからないなんてことある?私はある
長旅直後に知らない土地で使い方がわからなくてゆっくり風呂にも入れないなんて哀れだね。
しばらく考えて、海外経験の豊富なおばあちゃんなら知ってるかなと思って聞いてみたら、祖母はすぐに「フロントに連絡するわ!」と。
あんたも知らないんかーい
いやいいんだけど、知らないのは別に良いのだけどね、ここでフロントに連絡してもイタリア語なんてさっぱりだし、なんなら英語も怪しい祖母と孫で外人のスタッフとコミュニケーションが取れるなんて到底思えない。
それだけは勘弁してくれの一心で私はひたすらスマホで使い方を探した。
その間も祖母は3分に1回「やっぱりフロントに聞いた方が良いんじゃないかしら」と言ってきた。祖母なりに心配だったのだと思う。その自信はどこから来るのかだけ聞かせて欲しい。
型番を検索しても外国語のページが出るばかりで、祖母によるホテルスタッフ襲来の圧を受けながら色々いじくっていたら、ふとした拍子にシャワーから水は出た。
蛇口から水を出した状態で蛇口の先の部分を引っ張るとシャワーが出る仕組みだったらしい。初見殺しか?
なんでこんなとこで1人謎解きやってるのかさっぱり分からないが、ホテルスタッフを呼ばれる前に解決できたのはファインプレーだったと今も思っている。
二章 「歩くのが早すぎるのよあのオバサン!」
歩く!歩く!歩く!
超弾丸ツアーはひたすら歩く。海外旅行に行く層なんて暇と金のある金持ちのじいさんばあさんが主なのに、旅行会社のツアーは「夢の🎶イタリア一周」だとか、「スペイン♡世界遺産ツアー」だとかの移動にかなり無理があるツアーばかりを組んでくる。
例に出したのは私が実際に祖母(父方 母方)と参加したツアーだ。そしてどちらも参加者の平均年齢が60を越していた。
老人、己の体力を過信するな。
もしかしたらゆったりしたツアーもあったかもしれないけど、私が知る前に祖母は申し込んでいたから知る由もない。そゆとこの報連相大事だと思うんだ!
数日で全部を回ろうなんてツアーでは大体の日程がメチャクチャ歩いてるか数時間バスに乗るかの2択になるが、直射日光を浴びて歩いたジジババばかりのバスなんて小学生の遠足帰りのバスより爆睡率が高い。
寝息の聞こえる静まり返ったバス内は幼稚園のお昼寝の時間と同じ空間だった。
日に当ててから涼しいとこでゆっくりさせるのはね、寝かしつけの方法なんよ。
私はイタリアに行ってまでソシャゲのガチャを引いて、推しが出ては「ありがとうイタリア…😭🙏」とTwitterにつぶやくだけになった。景色は飽きる
大体このガイドはやたら大声でハキハキと話す細身な40代くらいの女性が多い。あとなんかダサい旗持ってるよね、キティちゃんとか。
そんで、そのハキハキしたおばさんガイドはめちゃめちゃ歩くのが早かった。大股でズンドコ行くので必死で追いかけるが、配布のトランシーバーで早口で観光地の説明をするから忙しい。
実績解除のための観光だ。この現地ガイドにより観光はRTA(リアルタイムアタック)に様変わりした。
参加者も置いていかれないよう頑張って着いていくが、ここで忘れちゃいけないのが祖母だ。
観光は現地ガイドが先頭に立ち先導しつつ、はぐれる人がいないよう1番後ろを常勤のガイドで挟む姿勢を取る。
私が息切れしながら振り返ると、横にいたはずのおばあちゃんがいなかった。
前に言った通り祖母は膝が悪く、普段杖をついているくらいだから当然歩くのが遅い。それに杖無しというデバフ+でこぼこの石畳+傾斜が拍車をかけた。
「歩くのが早すぎるのよあのオバサン!」
うん、まあ、なんだろう。同情できない。
列の1番後ろでガイドさんに付き添ってもらって悪態をつくって、どう???
ガイドさん、ごめんな。
杖があればどんなに楽だっただろうと今更ながら後悔したし、この旅行中頭の10%くらいでは常に杖のことを考えていた。ちなみに今でも百均で杖を見ると「この!クソ!!これがあれば!!」と思う。500円しないで買えるんだぜ?
閑話 クソ重スーツケース
表題の通りである。おばあちゃんのスーツケースがバカクソ重いって話。
おばあちゃんのスーツケースが重量制限心配になるくらいマジでバカ重かったんだけど、
「何も入ってないのよ〜このスーツケース古いから〜」って言ってたし、古いスーツケースの重さなんて知らんからそんなもんかなって思ってた。ハードケースだったし。
重量制限は23キロまでで、おばあちゃんのは20キロくらいだったはず。行きの時点でこれって土産のも買うはずだけど大丈夫????となったがホテルで開けて驚いた。
ナニモ…入って…ない…❓
スーツケースが古いとかそんな問題じゃねーよ。ギチギチに布詰めて「何も入ってない」なんて言える姿勢は逆にすげーよ。
ちょっと冷静になったけどこの後のお土産タイムで早速おばあちゃんが買ったワインは旅行中ずっと私のスーツケースに入れて運ばれた。たまにスーツケースから瓶が擦れて酒屋の音がした。
旅行の回数が多いだけの自称旅慣れてると本当の旅に慣れてる人というのは別物だ。
閑話3つ目である。ちなみに書いてあること全部まだ2日くらいで起こったことで、たかだか1週間程度の旅行でよくここまでネタがあるなとしみじみ思う。
一応海外旅行に行くからには大体のツアーには現地の有名料理が組み込まれている。Tボーンステーキもそれのうちの1回。2日目の夕飯だったかな。
ガイドさんがメニューを読み上げてなんかよくわからんサラダとか食べて、例のメインは来た。
ミスター味っ子で存在だけは知ってる料理だけあって私は若干テンションが上がっていた。
漫画の微かな記憶では左がヒレで右がサーロイン、さっぱりしたヒレを先に食べ脂の乗ったサーロインを味わうのが鉄板だと味っ子の顔のうるさい審査員が言っていた。
記憶のTボーンの比率は約1:2、出てきた肉の比率は1:5くらい。申し訳程度のヒレ肉に思わず笑ってしまった。これ、わざわざTボーンにする必要ある?
まぁそれは例によって外国なのでサーブされた人によって大きさも全然違っていた。海外に行ってまで日本のような画一化を求めるのが間違っているとも言える。日本が細かいのか、海外が雑なのか。
肉質にも差があって、同じテーブルのおじいさんは「固すぎて食べられない」と言っていた
私のは食べられないって程じゃなかったけど、先に言ったようにツアーの参加者は老人の方が大体だ。その人たちにこれは重いんじゃないかと思う。
そっかーとか思いつつ1人で黙々と食べてたら祖母が
「そうかしら?私のすっごく柔らかいのよ!ほら!」
と、見せつけるように肉を切っていた。肉が固いと言っていた人の目の前で。
何故。
嫌がらせか?と思ったが、別に祖母はそんなこと考えておらず、ただ思ったことを言っただけだ。それがナチュラルにマウントになる人なのだ。純粋培養のヤバ人(やばんちゅ)である。悪意は一切ない。
そしてその素直な性格がこの旅行を悲惨にした一番の原因である。
ただただ、いたたまれなかった。ここで私が「そういう意図はないんです!」なんてことは到底言えないし、言ったところで祖母は理解するような人じゃないし、わたしにできることと言ったら押し黙って肉を食うだけだった。
言われた同じテーブルの人たちは「人によって差があるのね〜」とかで流してくれた。大人だ。
3章 「こんなとこに住む人の気がしれませんよね」
イタリアといえばベネチア、水の都。今回のツアーももちろんベネチア観光が含まれていた。
こんなにネタがある時点ででお察しだとは思うが、祖母はかなり癖が強い。私と年代が違うから、というだけでなく単に人間としての癖が強すぎる。だから付き合うにはかなりコツなり話し方なりに工夫が必要だ。特殊食材?
祖母の特徴を端的に並べると
・謎の自信を持つ。
・反面、少々過剰に心配性な面もある。
・介護の息抜きに海外旅行へ行っていた。特にヨーロッパを中心に巡っていてイタリアにはもう何回も来たからもう飽きちゃったくらい!が旅の口癖だった。
謎の自信、杖の件はこれが遺憾なく発揮された結果だ。このエピソードで祖母の人間性が伝わったかと思う。決して悪い人ではないから逆にタチが悪いのだ。悪意じゃないから私もそんな強く言えないし、そもそも強く言えるような間柄でもないのがさらに状況の悪化に拍車をかけた。私は押しに弱い典型的な日本人であったから余計に。あの場にいたのがアメリカ人かもしくは私たちの母だったら「ダメよ!杖を持たないと出発しないから!」と断固拒否の姿勢を見せただろう。私も1人ストライキを決行すればよかった。
ここで問題なのが「イタリアにはもう何回も来て飽きちゃった!」の口癖だ。
わざわざ12時間飛行機に乗ってケツを酷使して見知らぬ土地に降り立って言うことがそれなの、普通にやばい。現地ディスしたい行動力の鬼なの?
修学旅行の同じ班に到着直後から「もう来すぎて飽きちゃった!」なんて言う奴がいたら、そいつ絶対回る友達いないでしょ。もし現地の京都人に聞かれて初手からぶぶ漬けを出されても文句は言えない。花輪くんでもそんなマウントは取らん。
しかし一番直近でも10年以上前、イタリアだって発展し続けるのだ。祖母は旅の間中も思い出のイタリア(思い出補正マシマシ)に浸り続けている。
ベネチアは陸から少し離れた場所にあり小さな船に乗って向かう。
海の水は綺麗ではないが、所狭しとゴンドラが並び、ヨーロッパの建築様式で作られたカラフルな屋根や壁に白い柱、窓の一つ一つまで細かな意匠が凝らされた建物がずらりと並び、それらが海の上に浮かぶ光景は圧巻だった。色んな作品の題材になるわけだ。これは日本では見れない、世界は綺麗なものがいっぱいあるなぁ、連れてきてもらってありがたいなと素直に感謝した。
水に浮かぶふかふかした地面の繋ぎ目を歩き、現地ガイドさんの説明を聞きツアーの皆さんもワクワクした目で街を見渡しているその時
「こんなとこに住む人の気がしれませんよね〜」
見れば祖母が隣の人になかなかの声量で話しかけていた。あえての悪意とかではなく井戸端会議で「や〜ね」とでも言うような表情で。
やめろや。思うのはまだ良いとして、百歩譲って話しかけるなや。瞬時に吹っ飛ぶ感謝。もっとありがたがらせてくれ。
隣の人はどんな反応をしたっけ。曖昧に相槌を打っていたっけ。でもこの場で言うべき言葉ではないことだけはわかる。
KY発言選手権があればこの発言はかなり上位に食い込む確信があるし、さらに現地で言ったことで芸術点も加算、相当な高得点を取れるはずだ。エピソードとして聞く分には良いのだけども。
これによって私は生涯ベネチアを思い出す際にはこの時の祖母の発言とあのいたたまれない気持ちを思い出すのだ。なんの呪いだよ。
以上、ベネチアでの思い出でした。
まぁこの後も絆創膏を探してドラッグストアの店員(イタリア人)に「Where is バンドエイド?」と英語で聞いたり(結局買えなくて私が持っていたのを渡した)自由時間で迷子になったり私が素敵な羽根ペン買ったら「お金あるわね〜」と本人にその気はなくても嫌味と取れる事を言われたりがありましたがエピソードとしては”弱”なので口頭で説明すれば良いかと思います。
四章 40万()のアクセサリー
「無いわね〜」
「何かなくしたんですか?」
「アクセサリーが入った袋がないのよ」
昨日はあったはずのアクセサリー類がまとめて見つからないのだという。身なりにこだわる祖母だ。アクセサリーもこの服にこれを!というものをあのギチギチのスーツケースに詰め込んできたらしい。
「あら、どうしようかしら〜……40万くらいするんだけど……」
パタパタと探してる最中の爆弾発言に思わず固まった。なんだって?
「あれ全部で40
膝の手術を3回受けた70代祖母が同行者の孫に無断でイタリア縦断超弾丸ツアーに申し込んだ話。
一章 〜杖買うって言ったじゃん!!〜
二章 「歩くのが早すぎるのよあのオバサン!」
三章 こんなとこに住む人の気がしれませんよね
四章 40万()のアクセサリー
五章 ナポリと靴
七章 ローマの夕食
・激重スーツケース
・自慢話と夏の空
・ボッティチェリに敬意を示して。
・嵐ってすげぇや!
孫が中学三年になるのに合わせて祖母が海外旅行に行きたいと言い出した。
昔は海外によく行っており孫と一緒に行くのが夢だったんだそう。
そこで白羽の矢が立ったのが、2番目の孫で初の女の子のわたし。
おばあちゃんは息子しかいないから初めての女の子をかわいがって、よく自分の好みの服やらを買って着せられた。娘がいたらしたかったことを私にしてる感じ。
あとまぁ「孫と一緒に旅行!」ってのが老人にとってはステータスなんだね。「孫と海外旅行をするくらい仲が良くて金銭的にも裕福な家庭」みたいなさ。
「あらお孫さんと旅行?いいわね〜羨ましいわ〜」って言われたいのもあったと思う。そりゃあ孫連れて旅行してる人がいたらそういう反応しかないでしょ。
当時は何も知らんかったから旅行行くのに全然賛成で二つ返事でOKしたし海外行けんの楽しみにしてた。
祖母は膝が悪く何度か手術の経験もあるため、最初は膝のこともあるしバンクーバーあたりのひとつの都市に留まってゆっくりしようねって話してた。
それが5月のある日
って。ねぇ、あんた。
パンフレット見せてもらったらまぁイタリアを北から南まで大移動する8日間の超弾丸ツアー。母が「大丈夫なんですか?」と心配そうに聞いても「大丈夫よ〜!」で聞きゃしない。
身体に爆弾抱えてる人がどうしてそこまで自信満々になれるのか。謎です。
テンションの上がった人間は突拍子もないことを言い出すの典型を目の前で見た。
1章 〜杖買うって言ったじゃん!!〜
そして迎えた当日、前泊する為に祖母の家に行った私が「杖あります?」って聞いたら、自信満々に「無いわ!でも多分大丈夫だと思うから!☺️」
まって??
いやもう、「なんで??」の一言に尽きる。
だって言ったもん、「買う」って言ってたやんけ。母さんがおばあちゃんの膝を考慮して折りたたみ式の勧めたり口酸っぱくして杖を持っていけって言ってたから。そりゃあ買ってると思ってたし若くないんだから過信しないでくれ、たのむから。
ここで私が間違ったのは不安に思いながらもすぐそばのショッピングモールに走って杖を買いに行かなかったこと。これが後に解決できない大問題となる。
今なら過去の私をぶん殴ってでも杖買ってこっそり自分のスーツケースに突っ込む。もし声だけでも伝えられるなら夜とか関係なしに「杖を探しに走れ〜!!!!!」って叫ぶ。絶対に。
「何かあったら現地で買うわ!」って言ってたから大丈夫かと思ってた。
予想してたとおり毎日足が痛くなるくらい歩く超弾丸ツアー。15歳の私でそうなんだから70代の祖母はさぞ辛かったと思う。
でもね?普通に考えて膝にボルト埋まってて普段杖ついてんのに、どう見ても歩くツアーに杖の1本も持ってかないなんて、そんなことある?
現地について2日目くらいに高級店が並ぶ通りで杖を見つけた。べっ甲の持ち手のついたツヤツヤの杖だったからこれならおばあちゃんも満足だろうと思って「杖ありましたよ!」って声かけた。のに。
「でもね〜、ここ(現地)の人に合わせてあるからおっきいのよ」
現地で買うって?言ってませんでした????
ちょっとマジでよく分からないんだけどそんなん最初からお前わかってたの?つまり絶対買う気ないのに買うって言ってたんか?って。
既にツアーの列から遅れて添乗員さんに迷惑かけてんのに何言ってんの?って。
オシャレでプライドの高い祖母にとって杖を着いて歩くのは格好悪いと、ただそれだけだったのだ。
イタリアに着いて初日、夕方に到着したのでそこからバスに乗る。着く少し前に機内食が出たから夕飯は無し、この日はホテルに直行して寝るだけ、明日から観光が始まる。
10時間以上のフライトで腰は痛いしケツはもじょもじょするしで、10時間前に一瞬顔を合わせた人たちと一緒のバスに乗ってホテルへ向かう。
ホテルの部屋へ入り、荷物の整理をして、今すぐシャワーを浴びて寝たいところだが事は起こった。
シャワーが出ないのだ。
普通、コックを上下に動かせば水が出るし、それをひねれば温度調節ができる。少なくとも日本ではそうだ。
このシャワーはどうだろう。コックを上にあげると蛇口から水が出る。コックをひねって温度調節も可能だ。それでも蛇口から繋がるシャワーはうんともすんとも言わなかった。
困った。いちおう先進国なのに世界共通で必須のものの使い方がわからないなんてことある?私はある
長旅直後に知らない土地で使い方がわからなくてゆっくり風呂にも入れないなんて哀れだね。
しばらく考えて、海外経験の豊富なおばあちゃんなら知ってるかなと思って聞いてみたら、祖母はすぐに「フロントに連絡するわ!」と。
あんたも知らないんかーい
いやいいんだけど、知らないのは別に良いのだけどね、ここでフロントに連絡してもイタリア語なんてさっぱりだし、なんなら英語も怪しい祖母と孫で外人のスタッフとコミュニケーションが取れるなんて到底思えない。
それだけは勘弁してくれの一心で私はひたすらスマホで使い方を探した。
その間も祖母は3分に1回「やっぱりフロントに聞いた方が良いんじゃないかしら」と言ってきた。祖母なりに心配だったのだと思う。その自信はどこから来るのかだけ聞かせて欲しい。
型番を検索しても外国語のページが出るばかりで、祖母によるホテルスタッフ襲来の圧を受けながら色々いじくっていたら、ふとした拍子にシャワーから水は出た。
蛇口から水を出した状態で蛇口の先の部分を引っ張るとシャワーが出る仕組みだったらしい。初見殺しか?
なんでこんなとこで1人謎解きやってるのかさっぱり分からないが、ホテルスタッフを呼ばれる前に解決できたのはファインプレーだったと今も思っている。
二章 「歩くのが早すぎるのよあのオバサン!」
歩く!歩く!歩く!
超弾丸ツアーはひたすら歩く。海外旅行に行く層なんて暇と金のある金持ちのじいさんばあさんが主なのに、旅行会社のツアーは「夢の🎶イタリア一周」だとか、「スペイン♡世界遺産ツアー」だとかの移動にかなり無理があるツアーばかりを組んでくる。
例に出したのは私が実際に祖母(父方 母方)と参加したツアーだ。そしてどちらも参加者の平均年齢が60を越していた。
老人、己の体力を過信するな。
もしかしたらゆったりしたツアーもあったかもしれないけど、私が知る前に祖母は申し込んでいたから知る由もない。そゆとこの報連相大事だと思うんだ!
数日で全部を回ろうなんてツアーでは大体の日程がメチャクチャ歩いてるか数時間バスに乗るかの2択になるが、直射日光を浴びて歩いたジジババばかりのバスなんて小学生の遠足帰りのバスより爆睡率が高い。
寝息の聞こえる静まり返ったバス内は幼稚園のお昼寝の時間と同じ空間だった。
日に当ててから涼しいとこでゆっくりさせるのはね、寝かしつけの方法なんよ。
私はイタリアに行ってまでソシャゲのガチャを引いて、推しが出ては「ありがとうイタリア…😭🙏」とTwitterにつぶやくだけになった。景色は飽きる
大体このガイドはやたら大声でハキハキと話す細身な40代くらいの女性が多い。あとなんかダサい旗持ってるよね、キティちゃんとか。
そんで、そのハキハキしたおばさんガイドはめちゃめちゃ歩くのが早かった。大股でズンドコ行くので必死で追いかけるが、配布のトランシーバーで早口で観光地の説明をするから忙しい。
実績解除のための観光だ。この現地ガイドにより観光はRTA(リアルタイムアタック)に様変わりした。
参加者も置いていかれないよう頑張って着いていくが、ここで忘れちゃいけないのが祖母だ。
観光は現地ガイドが先頭に立ち先導しつつ、はぐれる人がいないよう1番後ろを常勤のガイドで挟む姿勢を取る。
私が息切れしながら振り返ると、横にいたはずのおばあちゃんがいなかった。
前に言った通り祖母は膝が悪く、普段杖をついているくらいだから当然歩くのが遅い。それに杖無しというデバフ+でこぼこの石畳+傾斜が拍車をかけた。
「歩くのが早すぎるのよあのオバサン!」
うん、まあ、なんだろう。同情できない。
列の1番後ろでガイドさんに付き添ってもらって悪態をつくって、どう???
ガイドさん、ごめんな。
杖があればどんなに楽だっただろうと今更ながら後悔したし、この旅行中頭の10%くらいでは常に杖のことを考えていた。ちなみに今でも百均で杖を見ると「この!クソ!!これがあれば!!」と思う。500円しないで買えるんだぜ?
閑話 クソ重スーツケース
表題の通りである。おばあちゃんのスーツケースがバカクソ重いって話。
おばあちゃんのスーツケースが重量制限心配になるくらいマジでバカ重かったんだけど、
「何も入ってないのよ〜このスーツケース古いから〜」って言ってたし、古いスーツケースの重さなんて知らんからそんなもんかなって思ってた。ハードケースだったし。
重量制限は23キロまでで、おばあちゃんのは20キロくらいだったはず。行きの時点でこれって土産のも買うはずだけど大丈夫????となったがホテルで開けて驚いた。
ナニモ…入って…ない…❓
スーツケースが古いとかそんな問題じゃねーよ。ギチギチに布詰めて「何も入ってない」なんて言える姿勢は逆にすげーよ。
ちょっと冷静になったけどこの後のお土産タイムで早速おばあちゃんが買ったワインは旅行中ずっと私のスーツケースに入れて運ばれた。たまにスーツケースから瓶が擦れて酒屋の音がした。
旅行の回数が多いだけの自称旅慣れてると本当の旅に慣れてる人というのは別物だ。
閑話3つ目である。ちなみに書いてあること全部まだ2日くらいで起こったことで、たかだか1週間程度の旅行でよくここまでネタがあるなとしみじみ思う。
一応海外旅行に行くからには大体のツアーには現地の有名料理が組み込まれている。Tボーンステーキもそれのうちの1回。2日目の夕飯だったかな。
ガイドさんがメニューを読み上げてなんかよくわからんサラダとか食べて、例のメインは来た。
ミスター味っ子で存在だけは知ってる料理だけあって私は若干テンションが上がっていた。
漫画の微かな記憶では左がヒレで右がサーロイン、さっぱりしたヒレを先に食べ脂の乗ったサーロインを味わうのが鉄板だと味っ子の顔のうるさい審査員が言っていた。
記憶のTボーンの比率は約1:2、出てきた肉の比率は1:5くらい。申し訳程度のヒレ肉に思わず笑ってしまった。これ、わざわざTボーンにする必要ある?
まぁそれは例によって外国なのでサーブされた人によって大きさも全然違っていた。海外に行ってまで日本のような画一化を求めるのが間違っているとも言える。日本が細かいのか、海外が雑なのか。
肉質にも差があって、同じテーブルのおじいさんは「固すぎて食べられない」と言っていた
私のは食べられないって程じゃなかったけど、先に言ったようにツアーの参加者は老人の方が大体だ。その人たちにこれは重いんじゃないかと思う。
そっかーとか思いつつ1人で黙々と食べてたら祖母が
「そうかしら?私のすっごく柔らかいのよ!ほら!」
と、見せつけるように肉を切っていた。肉が固いと言っていた人の目の前で。
何故。
嫌がらせか?と思ったが、別に祖母はそんなこと考えておらず、ただ思ったことを言っただけだ。それがナチュラルにマウントになる人なのだ。純粋培養のヤバ人(やばんちゅ)である。悪意は一切ない。
そしてその素直な性格がこの旅行を悲惨にした一番の原因である。
ただただ、いたたまれなかった。ここで私が「そういう意図はないんです!」なんてことは到底言えないし、言ったところで祖母は理解するような人じゃないし、わたしにできることと言ったら押し黙って肉を食うだけだった。
言われた同じテーブルの人たちは「人によって差があるのね〜」とかで流してくれた。大人だ。
3章 「こんなとこに住む人の気がしれませんよね」
イタリアといえばベネチア、水の都。今回のツアーももちろんベネチア観光が含まれていた。
こんなにネタがある時点ででお察しだとは思うが、祖母はかなり癖が強い。私と年代が違うから、というだけでなく単に人間としての癖が強すぎる。だから付き合うにはかなりコツなり話し方なりに工夫が必要だ。特殊食材?
祖母の特徴を端的に並べると
・謎の自信を持つ。
・反面、少々過剰に心配性な面もある。
・介護の息抜きに海外旅行へ行っていた。特にヨーロッパを中心に巡っていてイタリアにはもう何回も来たからもう飽きちゃったくらい!が旅の口癖だった。
謎の自信、杖の件はこれが遺憾なく発揮された結果だ。このエピソードで祖母の人間性が伝わったかと思う。決して悪い人ではないから逆にタチが悪いのだ。悪意じゃないから私もそんな強く言えないし、そもそも強く言えるような間柄でもないのがさらに状況の悪化に拍車をかけた。私は押しに弱い典型的な日本人であったから余計に。あの場にいたのがアメリカ人かもしくは私たちの母だったら「ダメよ!杖を持たないと出発しないから!」と断固拒否の姿勢を見せただろう。私も1人ストライキを決行すればよかった。
ここで問題なのが「イタリアにはもう何回も来て飽きちゃった!」の口癖だ。
わざわざ12時間飛行機に乗ってケツを酷使して見知らぬ土地に降り立って言うことがそれなの、普通にやばい。現地ディスしたい行動力の鬼なの?
修学旅行の同じ班に到着直後から「もう来すぎて飽きちゃった!」なんて言う奴がいたら、そいつ絶対回る友達いないでしょ。もし現地の京都人に聞かれて初手からぶぶ漬けを出されても文句は言えない。花輪くんでもそんなマウントは取らん。
しかし一番直近でも10年以上前、イタリアだって発展し続けるのだ。祖母は旅の間中も思い出のイタリア(思い出補正マシマシ)に浸り続けている。
ベネチアは陸から少し離れた場所にあり小さな船に乗って向かう。
海の水は綺麗ではないが、所狭しとゴンドラが並び、ヨーロッパの建築様式で作られたカラフルな屋根や壁に白い柱、窓の一つ一つまで細かな意匠が凝らされた建物がずらりと並び、それらが海の上に浮かぶ光景は圧巻だった。色んな作品の題材になるわけだ。これは日本では見れない、世界は綺麗なものがいっぱいあるなぁ、連れてきてもらってありがたいなと素直に感謝した。
水に浮かぶふかふかした地面の繋ぎ目を歩き、現地ガイドさんの説明を聞きツアーの皆さんもワクワクした目で街を見渡しているその時
「こんなとこに住む人の気がしれませんよね〜」
見れば祖母が隣の人になかなかの声量で話しかけていた。あえての悪意とかではなく井戸端会議で「や〜ね」とでも言うような表情で。
やめろや。思うのはまだ良いとして、百歩譲って話しかけるなや。瞬時に吹っ飛ぶ感謝。もっとありがたがらせてくれ。
隣の人はどんな反応をしたっけ。曖昧に相槌を打っていたっけ。でもこの場で言うべき言葉ではないことだけはわかる。
KY発言選手権があればこの発言はかなり上位に食い込む確信があるし、さらに現地で言ったことで芸術点も加算、相当な高得点を取れるはずだ。エピソードとして聞く分には良いのだけども。
これによって私は生涯ベネチアを思い出す際にはこの時の祖母の発言とあのいたたまれない気持ちを思い出すのだ。なんの呪いだよ。
以上、ベネチアでの思い出でした。
まぁこの後も絆創膏を探してドラッグストアの店員(イタリア人)に「Where is バンドエイド?」と英語で聞いたり(結局買えなくて私が持っていたのを渡した)自由時間で迷子になったり私が素敵な羽根ペン買ったら「お金あるわね〜」と本人にその気はなくても嫌味と取れる事を言われたりがありましたがエピソードとしては”弱”なので口頭で説明すれば良いかと思います。
四章 40万()のアクセサリー
「無いわね〜」
「何かなくしたんですか?」
「アクセサリーが入った袋がないのよ」
昨日はあったはずのアクセサリー類がまとめて見つからないのだという。身なりにこだわる祖母だ。アクセサリーもこの服にこれを!というものをあのギチギチのスーツケースに詰め込んできたらしい。
「あら、どうしようかしら〜……40万くらいするんだけど……」
パタパタと探してる最中の爆弾発言に思わず固まった。なんだって?
「あれ全部で40
イトーヨーカドーもイオンも閑散度は似たようなもんだ、というブッコメに★が多く集まっていて(https://b.hatena.ne.jp/entry/s/toyokeizai.net/articles/-/735015)、それを書いた人がどの立場でそう感じているのかは分からないのだが、それはとても正しい。ロードサイドだって平日はガラガラだというブッコメもあり、それもとても正しい。ただまぁ一方で平日は都心のファッションビルやデパートだって閑散としてるし休日は駐車場の入庫行列するようなショッピングセンターだって閑古鳥なので、そこの時間帯を比較することには、本件を読み解くためにはあんまり意味はない(このご時世に小売って厳しいよなーという文脈なら検討に値する視座ではある)。
まぁ、今のところはイトーヨーカドーが劣勢でイオンが好調である。GMSの世界というか小売業は本当に栄枯盛衰の移り変わりが速い業界で、イオンがいつまで好調を維持しているかも分からない。分からないが、これまでのところはイトーヨーカドーが降り、イオンが勝ち残っている。ヨーカドーが降りざるを得なくなった理由にはいくつかあるが、それは客足以外のところにある。
イトーヨーカドーの駅前店舗は、多くが賃借ビルの一棟貸テナントである。これはイトーヨーカドーが飛ぶ鳥を落とす勢いだった頃には効率経営が高い(BSを圧縮したまま事業拡大できる)として称賛されていた。少し話はずれるが、イトーヨーカドーと地元商店街の対立図式は、単なる客のパイ争い以上に「駅前の再開発」に絡むものだから、要するに再開発の線引きエリア外の商店主が怒っていたという側面もないこともない。
話を戻して。ただし賃借方式だと賃料を支払い続ける必要があるため、薄利な小売店にとっては経営のかじ取りが難しい。イトーヨーカドーはドミナント出店(回りをイトーヨーカドーだらけにして、低価格の目玉商品を大量投入して周囲の競合を脱落させる手法)が上手だったと言われているが、それは当該の前項記事にもある通りhttps://toyokeizai.net/articles/-/734323?page=2昭和時代のダイエーとの比較においてであり、駅前に地域旗艦店GMSを置き周囲にSMを置くという手法は、次項に説明するが、消費者の買い物行動の変化に伴う商圏の変化に付いていけなくなっていたのだろう。ドミナントの難しいところは、囲い込んで他に選択肢を無くさせる過程の「手段」において安売りキャンペーンを続ける必要があるところで、そこも賃借だと館全体の利益を圧迫することになるというリスクもある。
また、イトーヨーカドーはGMSであることをアイデンティティにしてきたためか自社のPB衣料品ラインの損切りがかなり遅れたのだが、アイデンティティへの固執に加えて、もともと店舗が賃借であるためテナントを入れると自前で仕入れた商品の販売や自社PB商品を売るよりも利ザヤが小さくなってしまうのがその理由だと推測できる。PBの衣料品も昭和の頃は「衣料品は腐らないから賢い」と称賛する人もいたんだけどね…。
一方でイオンは(買収や方針転換もあるので全てではないが)多くの施設が賃借ではなく自社開発だ。拡大戦略の初手から自分で土地を調達し自分で建物も建てる戦略。発祥が地方都市だからということもあり「田舎の安い土地を二束三文で借り(または買い)自前で建物を建て、広大な駐車場を持つ巨大スーパー(GMSというよりも巨大スーパー)をあちこちに作っていった。
自前開発なので建物を建てたコストが償還できればその館の運営はかなり安定的に行えるようになる。またちょっと話はずれるが、イオンはGMS店舗もイオンモールも建物の作りはかなり安普請というかお金をかけない割り切った作り方をしていて、SCの競合であるららぽーとはもちろんゆめタウンよりも安普請。清掃などの館のマネジメントもお金をかけていない(全てのイオンモールがこの限りではなく都市部店舗などはもう少しハイグレードになっているが)。この割り切りが、ある意味イオンの現在までの堅調さを支えていると思う。
このイトーヨーカドーは賃借店舗が多かった、というのが、まぁ10年以上苦境が続いている最大かつほぼ唯一の理由じゃないかと思う。そして一つ歯車が狂うと、どんどんうまく行かなくなっていく、経営って本当に難しいな。
住宅の郊外化が進んだことで商圏(客がどのぐらいの範囲から来るかの推測で店の形態ごとに違う)が変化した。スーパーマーケットの商圏が拡大する。毎日の買い物に車を使う人が増えて、駅前出店を中心にドミナント出店をキメてきたイトーヨーカドーは駐車場の確保に苦慮することになる。イオンはハナから広大な駐車場が付いている。スーパーマーケットの商圏が拡大すると、駅を中心にした半径に「ドミナント城」を構えていようがあまり意味がなくなってくる。
そのタイミングにイオングループは巨大スーパーの次の拡大策としてショッピングセンター開発を本格化する。イオンは建物を自前で建てているのでテナントを入れたらまるっと賃料が入ってくる。ヨーカドーが賃借部分をまた貸しするのと比べると旨味が大きい賃料収入になる。要するにイオンモールは実は半分不動産事業(デベロッパー)である。一般的にデベロッパーが作るSCにはコアテナント・キラーコンテンツとしてスーパーマーケットを誘致するのが常なのだが、イオンは自分がコアテナントであるのが最大の強み。
このビジネスモデルでイオンは全国の「ここに商業施設は建つのか」という郊外やロードサイドにバンバン巨大なイオンモールを作っていく。同時期にSC競合である三井やゆめタウンもバンバンSCの出店拡大を行っていった。これで「家族の日常の買い物」という消費行動における商圏が変化する。まずは商圏がいったん拡大(毎日の買い物でも車で30分のSCに)、そしてSCの出店が増えることで「道路網に沿うように」商圏が縮小(もう少し近いSCができたね)という順番で商圏が車前提に変化していった。ここでチェックメイト感は正直あったと思う。他デベロッパーのコアテナントでイトーヨーカドーが入ることはもちろんあっただろうがやはり賃借モデルなので利益は(イオンと比べて相対的に)小さくなってしまう。
イオンはさらにドミナント戦略も巧みで、多様な店舗のラインナップを作ることで出店用地を比較的選ばずに囲い込みができるようになっていたのもデカい。巨大SC、巨大SM、安売スーパー、小型店、コンビニなど、他の小売店の買収も効率的に使った出店戦略が巧みだった。イトーヨーカドーが、買収したSMチェーンを集約化する(「鳩のマーク」に変えさせるのが象徴的)のと逆に、ラインナップ自体を増やす方向に舵を切ったのが成功の要因だろう。敵がどこに出店しても、何らかのカードを切ることができる体制を作った強さ。イオンは買収したチェーンのブランドをしばらくそのまま使っていたりが全然平気なのだが、買収された店舗はじわじわと数年かけてイオンに変貌する。怖いね笑。
商売がうまいといえばイオンの食品PBトップバリュも複数のラインアップを出しているがこれも恐らく同様の「多様志向」を捉えた戦略で、セブンアイおよびセブンアイプレミアムでやってきたイトーヨーカドーとの経営の方針の違いが出ていると思う。ネット民に不評な「黄色トップバリュ」だが(美味しくないよね笑)価格訴求に全振りする商売上手ぶりは、要するに下請企業との関係を保ちながら「安いものが買いたい」客を掴めるし、グリーンアイという単なるグレード分けではないような見せ方がうまいし消費者をよく見てるよなぁと感心する。会社として戦略的柔軟さがある(というかイトーヨーカドーが柔軟さがなさすぎるというか)
これは私見だが、「車で肉や野菜を買いに行く」ライフスタイルが定着した理由には、日本人の共働き化も大きいと思っている。あなたも私もそうだが、働いている人たちは平日に買い物ができないからだ。休日にデカいスーパーに色々なものをまとめ買いする、という行動様式自体は米国(SCを生み出した国でもある)などを中心にすでに存在していたライフスタイルだが、これが日本に定着したことで、自転車で買い物に行ってる場合じゃねえ!という感じになる。一週間分の買い物は重い。保育園や学童から子供を連れて帰る足で出来る買物はたかが知れている。
当該のブコメにもあったが、イトーヨーカドーがかつて誇っていた衣料品のニーズは、ユニクロなどのカテゴリーキラーが現れたことで魅力がなくなってしまってたがそれに気づけないままたぶん10年以上ぼんやりしてたと思う。IYGはぼんやりついでにそごう西武を買収して案の定うまく行ってなかった。よりによってそれを買うのか笑、という感じは正直あったけど、駅前旗艦店が華やかだったころの夢を組織が忘れられなかったのか。一方でカテゴリーキラー業界は活況を呈して、駅前にはヨドバシカメラが続々と出店していっている。栄枯盛衰…。
実はネットスーパーはイトーヨーカドーの方が先んじて頑張っていた。頑張っていたが、どうも、生鮮品の配送は本当に儲けが出なかったらしい。また足元ではそもそも「店員がいない」問題が起きていて配送している余裕がなくなっているという話もちらほら。
生鮮品の配送については巨大な「生協」という存在がいる。実は生協も、いくつかの狂信的ナチュラル系生協以外は生鮮品の扱い量はそれほどは多くはないらしいのだが、卵や牛乳などを定期配送してくれて安全基準も高い生協の生鮮宅配が一強で、他の小売はどこも大苦戦しているよう。イオンもグリーンビーンズという宅配サービスを始めたが、さてどうなるかとワクワクドキドキである。
男であることを証明したいと思う機会がなかったので考えたこともなかったが、
簡潔に証明するなら、配信するか増田編集画面にチンコと一緒に撮影するくらいしか有効な方法がないかもしれない。
どうも女性の生理レベルには個人差が激しいようで一般化しにくい。性欲、勃起力、夢精の話などなど。
また男は他者のチンコについて基本探りをいれない。他人のチンコに興味を示す素振りがあると、ホモかと馬鹿にされる土壌があるからだ。(そういう傾向があることは男性には共感してもらえると思う)
なのでチンコの話は意外とピンとこない。たぶんセックス経験多い女性の方がチンコには詳しい。俺も一度誰かの勃起チンポ触ってみたい(とかいうとホモ扱いされがち)。
ただブリーフとトランクス、ボクサーパンツの着衣感覚の差や、EDに関する悩みなど解像度上げて書けば説得力でるかも。
どうでもいいが、最近自慰するときに喉に少し違和感でるようになった。血圧上がる影響か?
トイレや温泉の話などは特に特徴的な話はあまりない気がする。トイレも温泉も掃除のおばちゃんがナチュラルに入ってる程度の話は有り触れているだろう。
温泉施設の移動時において男はチンコをタオルで隠す割合が高めの印象だが、男性間でも意見が割れそうなので微妙。
仮性包茎の人は温泉で剥くかどうか結構悩んでそうで、ナイーブな話題だ。このあたり詳細に書くと説得力出そう。
ボンボンでも良い。自分が少年期頃に接していた、その当時のみ流行した男児向けコンテンツについて語れるとそれっぽさでると思う。(女性も同様だろう)
これらのコンテンツは、大人になってから再履修する機会が極めて乏しい性質がある。故に誤魔化しが効きにくい。
自分の世代でいうなら、「学級王ヤマザキ」あたりになるか。「ミニ四駆(列・豪)」と「スーパービーダマン」は今読んでもメチャクチャ面白い。
とはいえ当然、男児が全員コロコロを読んでいるわけではなく、女児であっても読んでいる人間はいる。男兄弟がいればなおさら。
ちなみにオタク男はボンボンという単語に妙に反応してしまう性質を持つ。
恋愛含めた社会的非対称な経験の話まで拡げても、おま環論が拭えない気がする。証明って難しいね。
書いてて思ったがやっぱどうでもいいし、そう思えるのも、ネット空間における男性優位的な性質を無自覚に享受しているのが男であることを象徴しているかもしれない。
(ネット黎明期、いや今も匿名の場において、女性は女性であることを隠す文化があり、ネットは男性的なものというイメージは今も地続きかもという話)
鹿児島県に住んでんだけど、やっぱけっこう方言がハバをきかせているわけです
俺は一応鹿児島生まれ鹿児島育ちなんだけど、地元ではない部分の鹿児島に住んでいるということもあり、時々「何言ってんだ?コイツ……」となることがある
そういう、初見でわかんなかったフレーズのひとつに「だれんごとな」というのがあって、シチュエーションとしては、俺がバリバリ残業しているところに上司がやってきて、そう言って帰っていった
だれんごとな?誰ん事な?誰のことってこと?何が?
いや違う、「だれん」は「疲れる」の意味の「だれる」の否定系で、「ごとな」はわりとそのまま「ことだ」みたいな意味だ
つまり、「疲れないことだ・疲れないように」というような感じに訳される
頑張りすぎんなよ、倒れんなよ、体を労われよ、とそういう感じのニュアンスなんだろう、サンキュー上司!
と思うころにはもう上司は後ろ姿になっていた
で、俺はこの「だれんごとな」をひとつのイディオムだと思ってたんですよ おはようとかさようならみたいな、語の意味がどうこうじゃない、あいさつのようなものなのだと
しかしこの前みたんだ 激務部署の人に「疲れないでね〜」と声をかけているのを
だれんごとな、じゃん
つまり、疲れないでね、という意味で言ってんだよ「だれんごとな」はさ
よく考えると、ほかの上司もときどき「あまり疲れないようにしてください」的なことを言っていることが思い出されてくる
この「疲れないでね」という言い回しは、ヨソではしないと思うんですよね
「根つめすぎないようにね」「頑張りすぎんなよ」「体に気をつけて」 この辺の表現はするけど、「疲れないようにね」とは言わない
俺の地元でも言わなかった
これは鹿児島の、さらにいえば今俺が住んでるあたりの、特有の表現なんじゃないか?と思うわけですよ
意味はわかるけど、その言い方はしねえなあ、と思うような言い回しが、ナチュラルに周りでなされている
これは興奮するよなあ
しかも、単語レベルじゃなくて、考え方っつうかさ、言葉の使い方みたいなところなわけですよ
大変よろしいと思います
何度も書かんでいいぞ
■これまで2社のブラック企業を経験したんだが共通点が物凄く多くて驚いた(再掲)
そうと知らず有名大学出て入ってしまう新卒が不憫すぎる。言っとくけど、君らの同級生の多くがうちの会社と比較にならないくらいまともな環境で、うちの会社じゃほぼお目にかかれないくらい道徳的にまともな人達に囲まれて働いてるからな。)
ブラックな面に関しては、ネット上ですっかり広まってるような「ブラック企業あるある」では全然挙がらないようなものがかなり多かったのに、俺が経験した2社では色んな点で被ってたから本当に不思議だった。
鬱病休職者が出た時に「うわぁマジかあ……あいつ遂に障害者になっちゃったのかあ!!!」と顔を覆う同僚がいた点。
鬱病休職者が復帰した後、女性社員の一部が『挨拶されたこと』、『(仕事にまつわる)内線がかかってきたこと』を涙を流さんばかりに怖がって周りの同僚たちに慰められているという光景。
社内の常識的にメンタル休職=人の形をしたバケモノの誕生だった。
〇セクハラ
セクハラはブラックあるあるなんだろうけど、具体的な手口まで全く同じセクハラがいくつかあった。
同期飲みのときに、男性陣がニヤニヤしながら大人しいタイプの女同期に遠回しのセクハラ言動を投げかけてチキンレースする遊び。
ターゲットの女同期に対して白子ポン酢をさりげなく食べるよう勧めてその子が実際に口に入れるやいなや一人の男が「アッ‼あっ…ああ……」と射精っぽい声を挙げて他の男性陣が爆笑する、
「あの、ちょっといいですか?〇〇(AVメーカーや有名なAVのシリーズ)って知ってますか?」と他意のない風に問いかけてニヤニヤする、
これら二つのセクハラ手口まで被ってたのを見て自分がデジャブを起こしたのかと衝撃を受けた(もしかしてこれSNSとかで流行ってたのか?)。
言うまでもなく上司から若手女性社員に対するボディタッチとか、えぐいセクハラLINEとか、上司が女性社員たちだけを飲みに誘ってホステス扱いするとかもあった。
〇パワハラ
ポンコツ社員をみんなの前で立たせながら、あるいは別室に移動して1~2時間大説教。
大説教の最中はまるでその場で何事も起こっていないかのように完全に黙り込んで仕事を続けていた周りのみんなが、上司とポンコツ社員が離席したタイミングで爆発したように湧き上がって『ヤベえぞ!!ヤベえぞ!!(笑)』と最高に楽しそうに盛り上がる点、
パワハラといえばあの人!みたいな社員がたくさんいて、彼らが他の社員から顰蹙を買うということはなく、むしろパワハラ被害とは無縁でいられている社員たちが皆「あの人俺にはすげえ優しいんだよな」と誇っている点、
『おめえぶっ殺すぞ!!』とか『てめえの親ここに呼んで来いよおおおおお!!!』とか一発アウトを通り越してるような異常言動が出た時は周りが完全に同じタイミングで「ガーッハッハッハハハwww」と大爆笑することで冗談の体を守り通そうと忖度する点、
これらは共通してた。
とか
「あいつはこうこうこういうミスして何やってももう怒鳴られるようになったんだぞ(笑)」
とかレクチャーして心を掴もうとする連中がたくさんいる。
〇会議
発言を求められた社員が頓珍漢なことを言うというか、10文字くらい発声したタイミングで揚げ足取ったりツッコミ入れたりして発言を完遂させない。
例えば
社員「それに関してですg」
上司「いや、それってなんだよ(笑)どれ?これのこと?これはボールペンだよ?そんなこと聞いてませんよ?(笑)それともこれ?これは手帳ですよ?(笑)」
とかマジでこんな感じ。
凄い強引に笑い物にする。で、周りの社員が「ガーッハッハッハハハwwwwww」と大爆笑して和気あいあい風を演出するまでがワンセット。
(ていうか、全く同じタイミングでそこにいる皆が一斉に大爆笑し始めるのって某巨大新興宗教団体もそうだけど、 あれってマジでなんなんだろ)
嘱託社員に対して「おめえ今日も座りにきたの?」とか「あんた何言ってんのかわかんねえよ」とか課長や次長が率先して喧嘩売りに行ってた。
『パワハラモンスターみたいな先輩社員や上司にどれだけ好かれているか』
が今後の出世のバロメーターになるみたいな地獄みたいな認識が共有されていたので、なるべく目立つようにフロア中に響き渡るような大声出して自分の親と同じくらいの年齢の嘱託社員をめちゃくちゃに罵倒して侮辱するキレ芸に走る奴が何人かいた(恐ろしいことに、こういうことやる若手や中堅が本当に出世していってた。まあ基本的に年功序列だから誤差みたいな違いだけど)。
ウソみたいだけど、これまであげた様々なブラック面、かなり具体性があるのにもかかわらずどっちのブラック企業でも共通している点だった。
2社目に入ってしばらくは「また同じような会社を引き当ててしまうなんて俺はなんて運がないんだ」と愕然としたけど、やがて「こんな都合よく似通うものなのか?これって本当に偶然なのか?」と疑うようになった。
つまり、遺伝子と形質の関係のように、会社を近似のブラック環境たらしめる何かがあるんじゃないかと思うようになったのだ。
それがなんなのか探り当てることはできていないのだが、何かヒントになるものが潜んでいるかもしれないので2社間の細かい共通点を列挙していこうと思う。
こんなブラック企業はごめんだ、絶対に人生で関わり合いたくないという人の参考になれば幸いだ。
・平均年齢45歳(毎年多少の変動はあるけどまあこのくらいだった)
・平均年収800万弱
職場公認のサンドバッグみたいな立場の人だと年収700万で頭打ち。順調に出世すれば50歳くらいで年収950~1000万くらい。
平時だと8時出勤20時退社がデフォで繁忙期だと23時退社。年1回特定の短期間だけ27時退社がデフォになる人はいた。残業代は月30時間までつく。
あくまで平均なので、かなりレベルが低い大学の出身者も結構いた。一方で上振れはあまりなくて早慶以上出身者は少なかった。
・女性社員がナチュラルセクハラ以外ではめちゃくちゃ大事にされている
どんなパワハラ怪物も女性社員には猫なで声でめちゃくちゃ優しく接していたし、産休育休取得は余裕だし、定時退社がデフォだった。
だから寿退社する人はそんないなくて、30~40代(10~20年選手)の女性社員がめちゃくちゃ多い。
(ゆえに女性社員の多くはパワハラ上司がどんなに暴れていようとビビッていなかった。「〇〇ちゃんまた大暴れしてたね~(笑)」とかキャラ化して人間模様を楽しんでる感すらあった)
無論、早出の部分には残業代はつかないし、恐ろしくてつくかどうかを尋ねたことすらない。
多分、実際に訊いたとしたら訊いたという行動自体が罪になって一気に社内カースト最下位になったと思う。
・社員の大半が既婚者
・離職率がめちゃくちゃ低い(平均勤続年数20年軽く超えてた)
・今後50年はまあ潰れない
・「うちの会社ほど悪い人がいない会社はなかなかない」と言い合っている
・「社名 ブラック」とか「社名 パワハラ」とかでググっても全然醜聞が出てこない
・髪型とか身に付けている小物とかを工夫して、外見を意図的に昭和っぽいヤクザに寄せてきてる役職者がポツポツいた。
でも学生時代本当に本職顔負けの武勇伝に溢れてた人が中央法とかに行ってお行儀よく新卒で固い会社に就職して~、みたいな人生行路を歩むはずがないのでゴッコなんだろう。
となると40代、50代にもなってまだ精神性が中高生並みということになってしまう。
【追記】
しかも給料は悪くない会社みたいだから、下手したらこの手のセクハラ・パワハラしている人が、社会的に立派な肩書きを持っていることになって、許容されていると思っちゃうわけだから。
天下に轟く大企業!!とかでは全くないけど、親なんかは「(手堅い、安心という意味で)いい会社に受かったねえ」と安心するし、住宅ローンの審査は超余裕で通るし。
それだけに、中に入ってから異常性が炸裂している様をありありと見せつけられて大ショックだった。あとそこに関して自浄作用が全く働いてなかったのも絶望的だった。
付け加えておくと、社員が100%異常者ってわけじゃ決してなくて、(あくまで俺基準だと)40%くらいまともな範疇に入るような人だった。それこそ人格的に優れていて仕事もできて~みたいな聖人みたいな人は2%くらいいた。
ただ40%くらいいる”まとも”な社員たちも、パワハラには加担しないまでも、目の前で繰り広げられるパワハラを苦笑いで見守り、ひと段落ついた頃にパワハラ加害者に対して「ずいぶん怒ってたね~(笑)」とか調子は合わせるし、まあ傍観者のスタンスでいた。
聖人みたいな人はというと、異常社員もパワハラ被害者もイジメ被害者も分け隔てなく慈しんでいて、全員で仲良くやりたいみたいなタイプだから、パワハラの最中は悲しそうにしていて、終わったあとはタイミング見計らって被害者のとこいって慰める程度にとどまっていた。
従って、自浄作用は働きようがなかった。
で、残り60%の「普通じゃない人」はさぞかしキチガイ極まってると思われるだろう。
確かに彼ら彼女らは間近で行われているパワハラを完全に余興のように楽しんでいたし、時に「あいつ(パワハラ被害者)朝眠い眠い言ってましたよ?ここは一発指導したほうがいいんじゃないっすか?(笑)」とか上司を煽ってパワハラ誘因するときすらあったし(上司のほうも「ほんと~?(笑)じゃあやっとかないとね(笑)」とか冗談めかしてにこやかに返していたのを見るに、マジで当事者はエンタメとして楽しんでたんだと思う)。
ただ、彼らはどっからどう見ても外形的にはまともの中のまともだった。
30歳過ぎても高校や大学時代の仲良しグループたちとBBQ行ったり、家族ぐるみで川に遊びに行ったり、完成した新居に呼んだり呼ばれたり~みたいな、キチガイでは到底築きえないような人間関係の輪を彼らは持ってたし、加えて彼らの多くは良き家庭人・良き父親であった。
マジモンのキチガイや性悪でも友達は作れるけど社会に出ると同時にフェードアウトされるのが普通だと思うし、30歳過ぎてまで家族ぐるみの友人付き合い維持できるなんて人格破綻者ではないことの証明だと思う。
じゃあ、なんで彼らが会社では異常者や異常空間形成の共犯者に化けてしまうのか不思議なところだが、俺は彼らの社会性の高さが原因じゃないかと疑ってる。
武士がお家を守ることにアイデンティティを抱いていたように、彼らは習性として自分が属するコミュニティの様態や安定性を維持することに全力を注ぎ(告発や改革などもってのほか)、結果として”会社共同体ではキチガイなのに非利益共同体では良き隣人”という矛盾を孕むことになったんじゃないかと。
となると、会社という”器”それ自体がキチガイ性や異常性でもって均衡が保たれてるのかって話になるけど、もしかしたらそういうオカルトじみた現象ってあるのかもしれない。