はてなキーワード: Quick Japanとは
は事実関係の明確化を第一として,説明義務を怠った責任を認め、被害者への無思慮を反省する内容になっている。
内省的な描写は省かれており、おそらく受ける印象は異なると思う。ざっと翻訳したから日本語の謝罪文と比べてみてね。
2021年7月、学生時代に同級生をいじめていたと雑誌のインタビューで過去に発言したことが報道され、東京オリンピックの開会式のクリエイティブチームを辞任しました。オリンピックが終わった今、事実関係を明らかにしたいと思います。
きっかけとなったのは、今から27年前(1994年と1995年)に『ROCKIN'ON JAPAN (1994年1月号)』と『QUICK JAPAN (1995年8月号)』という2つの雑誌に掲載されたインタビュー記事で、私が小中学生の頃に経験した学校でのいじめについて語るという内容でした。
大々的に報道された『ROCKIN'ON JAPAN』の見出しには、私がクラスメートに糞尿を食べさせたり、自慰行為をさせたりしたと書かれていました。私は同級生にそのような行為を強要したこともなければ、そのような提案をしたこともありません。
インタビューの中で、私は自分の成長過程や学校に通った経験について話しました。
その中で、小学校からの帰り道、クラスメイトの一人が道端に落ちていた犬の糞を「食べられる」と冗談で言い、拾って口に入れ、すぐに吐き出した話をしました。その行為を行った彼本人を含め、そこにいた子供たちは皆笑っていました。
もうひとつの話は、同級生に自慰行為を強要したことですが、これもやっていません。加害者は年上の上級生で、私たちに威圧感を与えていました。私はそのインタビューの中で、学生時代に自分のモラルの限界を超えた非道な暴力を目の当たりにし、その人たちから距離を置くようになったことを話しました。
インタビューではそのようなことを話しましたが、掲載された雑誌には「同級生に暴力を振るった」という誤解を招くような見出しがついていました。事前に『ROCKIN' ON』の原稿をチェックすることができなかったので、記事を目にしたのは発売後でした。事実と異なる内容にショックを受けましたが、当時の私には訂正すべきだと考えるに至るほどの分別がありませんでした。今にして思えば、『ROCKIN' ON』で直接、誤解を解いておけばよかったと後悔しています。
『QUICK JAPAN (1995年8月号)』のインタビュー記事で、いじめをテーマにすることに同意したのは、私が誤った情報を正したいと思っていたからです。いじめをテーマにした出版社の企画や意図は、現在の私の理解では、被害者や同じ立場の人の気持ちへの配慮を欠いた非倫理的なものだと思います。しかし、当時の私はそのようなことは考えずに取材に応じ、自分が子供の頃に目撃したことを話しました。
この2つの雑誌が出版された後、あたかも私が陰惨な暴力行為の加害者であるかのように編集されたブログ記事が掲載されました。『QUICK JAPAN』のインタビューでは、暴力行為は私が行ったものではないと明確に述べられているにもかかわらず、この誤った情報は様々なフォーラムやSNSで拡散され、現在ではほとんどの報道のニュースソースとして使用されています。
私は、この2つのインタビューにおける私の話し方が下品で不適切であったことを完全に認めています。このような恐ろしい出来事を持ち出したこと、そして、いじめ被害者の個人的なトラウマを世間に晒すことでいじめ被害者に与えることになる屈辱、痛み、苦しみへの無思慮について、関係者の皆様に心からお詫び申し上げます。
20年近くにわたってインターネット上に流布していた私についての誤った情報について、説明や訂正のための適切な行動を取らなかったのは、私自身の責任であると考えています。その結果、同級生やそのご家族、同じ経験をされた方々に二次的な被害を与えてしまったと考えており、本当に申し訳なく思っています。
恥ずべき私の過去の態度が表れてしまった、過去の私の行動、および記事の中での言動を、深く反省しています。この20年間、私はより広い視野で物事を考え、社会との関わり方や貢献の仕方を意識するようにしてきました。今後は、個人として、音楽家として、これまで以上に反省していきたいと思います。
太田出版のサイトで、Quick Japanの村上清が欺瞞に満ちた自己中心的な弁明を公開したので、筆を取ることにする。
記事中にも書いております通り、もともと本企画は「いじめた側といじめられた側の対談」という趣旨でした。しかし今思えば当然なのですが、「いじめられた側」の方に応じていただくことが叶いませんでした。対談という形が不可能になり、
=引用ここまで=
実に奇妙と言うか不可解な弁明である。
村上清は、彼自身が"いじめサバイバー(凄絶なイジメ被害を経験して生き延びた人間)"という『設定』だったはずである。ならば村上清は、自分自身をいじめていた同級生などを探し出して連絡を取れば「いじめた側といじめられた側の対談」を実現できたのではないだろうか。
村上清は、何故、自分をいじめた加害者との対談を実現させるために行動しなかったのか?これには、仮説としての理由が幾つか考えられる。
【仮説その1】
村上自身のコメントでも明らかなように、いじめられた側の被害者にとって、いじめた側の加害者との再会・対談など、大きな精神的苦痛以外の何物でもない。だから、村上清も嫌がったという理由である。
この場合、村上清は、いじめられた側の人間に対して、加害者との再会は大きな苦痛を与えることになると理解・予想した上で、注目を集めるような記事を書いて手柄を立てたかったからという動機で、そのための精神的な負担を他人に押し付けたということである。つまり村上清は、実に自己中心的な人間だということである。
【仮説その2】
これは仮説その1に、もう一つ別の理由を付け加えたものである。
ある暴力的な事件で被害者の立場だった人間が、別の場所で起きた別の事件では、加害者の立場ということは屢々ある。そのようなケースでは、被害者としての鬱憤を紛らわすために、加害者になろうとすることも珍しくない。村上清も、そのような「加害者になろうとした被害者」だったのではないか?
村上清は、いじめの加害者と被害者の対談をセッティングし、被害者が苦しむ様子を見て楽しむことで、学生時代の自分には所属することが叶わなかった"いじめ加害者グループ"に仲間入りしたかったのではないか?それによって村上清は「今(記事執筆当時)の自分は、もうイジメ被害者ではないのだ!」と、鬱憤を晴らしたかったのではないだろうか?これが第2の仮説である。
【仮説その3】
村上清が実は"いじめサバイバー"ではなかったとしたら、どうだろうか?
この場合、村上清をいじめていた加害者は実在しないということになり、それならば、村上が自分自身のケースの加害者を探し出そうとしていなかったことも、説明がつく。
そもそも、村上清が"いじめサバイバー"というのは、村上自身の自己申告に過ぎず、何か証拠が有る訳ではない。
もしも、いじめ紀行の記事が批判された時に「記事を書いている自分(村上清)も、いじめ被害の経験者なんです。だから、記事には馬鹿にする意図は有りません」と言い訳することが出来れば、これは非常に便利で都合が良い。こう考えると"いじめサバイバー"を名乗ることにはメリットが、つまり名乗る動機が有ると言える。
そもそもQuick Japan を出している太田出版は、ビートたけしが太田プロダクションに在籍していた当時の80年代半ば、たけしの本を出版する目的で太田プロ出版部から有限会社として独立したものが前身である。したがって日本の現代サブカル的な価値観には、ビートたけし的な価値観やセンスが脈々と息づいていると言っても、強ち間違いではない。
では80年代半ば、そのビートたけしが何をしていたのかと言えば、ある男性俳優が高層ビルから飛び降り自殺した事件の際、彼と愛人関係にあったとされる男性マネージャーが記者会見で関係を追及されて、号泣しながら「もういいじゃないですか!」と取り乱す様子を滑稽な感じで物真似したり、多数の死傷者が出た羽田沖旅客機墜落事故を「逆噴射!」「機長やめてください!」と茶化したり、ロクなことをしていなかった。要するに、同性愛者や精神疾患罹患者などの社会的弱者を嘲笑していただけである。
念の為に言っておくが、当時もビートたけしを批判する人間は存在した。単に、マスメディアがビートたけしサイドに立っていたから、批判の声が黙殺されたというだけである。
Quick Japanの『いじめ紀行』で村上清がやろうとしていたことは、新しいことでも何でもなく、80年代から代わり映えしていなかった、質の悪い悪ふざけに過ぎない。善悪や倫理を抜きにしても、そもそもの出発点から、村上清がやろうと目論んだことは古臭いカビが生えた代物だったのである。一般人の批判的な声を黙殺したことまで、焼き直しであり、独創性に欠如している。
日本の芸能人やサブカル業界人は「自分たちは時代の先端にいる」と思っているのかもしれないが、実際は四十年近く前の価値観やセンスのままで時代に取り残されているのだから、滑稽と言う外ない。
現在に至っても小山田圭吾を擁護することを諦めていない人間たち(北尾修一や沢田太陽など)が用いているのは「小山田圭吾と被害者との間には友情が成立していた。小山田圭吾には害意や悪意は無かった。だから、小山田圭吾のしたことはイジメではない」という論理である。
小山田圭吾を擁護しているサブカル業界人には「いい歳をした中高年の男性たち」が目立つ。それとは対照的に、小山田圭吾を擁護する女性の姿は殆ど見られ無い。小山田圭吾に対する態度には、男女の差がある。
その理由は、大きく分けて2つある。
一つは、そもそもサブカル系マスメディアの現場では、昔も今も男性中心主義の体質が極めて根強く、編集長や幹部編集者を務める女性の数が圧倒的に少ないということである。それが、Quick Japan(QJ)やRockin' On(RO)に掲載された小山田圭吾のいじめに関する記事の当事者として証言する女性の数の少なさ、小山田圭吾や村上清を擁護する女性の数の少なさに反映されている。
もう一つの理由は、現代の日本で暮らす多くの女性にとって「性的強要/セクハラ/ストーカー/DV/性的犯罪」による被害が、深刻かつ身近な脅威として存在していることである。これらの犯罪の加害者が被害者に対して一方的な好意を抱いていたり、その感情を被害者に対して告白するのは、頻繁に見られる現象である。このような経験や知識は、男性よりも女性の方が豊富である。したがって多くの女性は、加害者側が被害者に対して一方的に好意的な感情を抱いているからといって、それが犯罪の加害性を免除したり正当化する理由になど成り得ないということを知っている。だからこそ、北尾修一らが用いる「小山田圭吾は被害者に対して好意的な感情を抱いていた(だから、アレはイジメではない)」などという詭弁を肯定する女性は少ない。
北尾修一らが発表した、加害者側の一方的かつ身勝手な論理に基づいて小山田圭吾を擁護しようとする記事は、現代においてもサブカル系マスメディアは男性中心主義の巣窟であり、女性の存在が蔑ろにされていることを強く示唆している。
小山田圭吾の障害者虐待に関して執筆されたQuick Japan(QJ)やRockin' On(RO)の記事、そして北尾修一によって発表された村上清と小山田圭吾を擁護するブログ記事を読んで、改めて感じたのは「自分たち(=サブカル業界人)の欲求や愉悦のためには、他者の尊厳を踏み躙ること、他者に負担を負わせることを何とも思わない」と云う、昔も今も変わらないサブカル業界人の自己中心的な体質です。そして、この体質は、町山智浩ら旧体制『映画秘宝』と瓜二つです。
件のQJ連載記事『いじめ紀行』の中で村上清は「イジメはエンターテイメントだ!」と明言しました。それが本当ならば、村上清は何故、彼自身をイジメた加害者を取材しなかったのでしょうか?何故、村上清は、彼自身をイジメた加害者を探し出し、彼(ら)を取材して、村上をイジメた時に加害者(ら)が覚えたであろう興奮や愉悦、或いは村上自身が舐めた辛酸や屈辱感について、詳細にレポートしなかったのでしょうか?何故、村上清は加害者(ら)と「アレはヤバかったよね(笑)」と、いじめトークで盛り上がらなかったのでしょうか?村上清が言う「救いが無いことも含めて、イジメはエンターテイメントだ!」と云う主張が本物ならば、村上にはそれが出来たはずです。
もちろん、村上清がそれをしなかった/出来なかった理由は分かりきっています。本当は「村上清にとってイジメは、決してエンターテイメントではなかった」からです。記事を執筆した当時の村上清は、彼自身をイジメた加害者に対して、依然として恐怖感や忌避感を抱いていたのです。
本当は村上清は、彼自身をイジメた加害者にリベンジしたかったが、それは村上には出来なかったのです。本当の加害者へのリベンジが出来ないことは、村上清にとって大いなる屈辱であり、劣等感の源でした。その代償行為として『いじめ紀行』を執筆し、それを通じて仮想的に加害者となることで、被害者としての屈辱感を解消しようとしたのです。
この村上清の行動は、見れば見るほど町山智浩ら旧体制『映画秘宝』と瓜二つです。
小山田圭吾に対する世間の批判が高まった後、町山智浩はTwitterで「悪趣味・鬼畜系カルチャーの原動力は、電通・ホイチョイ・フジテレビ的なカルチャーへの対抗心だった」と云う主旨の発言を行いました。また町山智浩だけでなく、旧体制『映画秘宝』全体が、ジョックス(米国スクールカーストで上位である体育会系)に対する怒りと憎悪を撒き散らしていたことは周知の事実です。
では町山智浩らは、その電通・ホイチョイ・フジテレビ・ジョックスに対して復讐したでしょうか?していません。町山智浩らの怒りや憎悪を向ける本来の相手である、電通・ホイチョイ・フジテレビ・ジョックスには町山らの力では敵わないから、その鬱憤を晴らす代償行為として、女性や同性愛者やアニメ愛好者を攻撃して、憂さ晴らしをしていたのです。或いは『映画秘宝』内部のカースト下位の人間(ギンティ小林等)に対してパワハラやイジメをして、いじめ加害者としての立場を楽しんでいたのです。
そして、町山智浩による筋違いな鬱憤晴らしは、今なお止むこと無く続いています。現在も町山智浩は、女性差別・蔑視発言や同性愛者差別・蔑視発言を繰り返しています。
このように比較することで、悪趣味・鬼畜系であろうがなかろうが、また90年代から変わることなく現在も、サブカル業界人たちは、恨み(?)を晴らすべき本来の相手に敵わないが故に、その鬱憤を晴らすために「弱そう/反撃してこなさそうな相手」を選んで攻撃している卑怯者たちであることが理解できると思います。
この投稿は、以上です。
表題に反して、今回は小山田圭吾や村上清の話が主ですが、サブカル全体の話と考えて投稿します。予め言いますが、長文です。
小山田圭吾が障害者や在日朝鮮人に対して虐待やイジメを行った或いは関与したとして、東京五輪を機に一般人に広く認知され、これに伴って、過去に雑誌『Rockin' On(RO)』及び『Quick Japan(QJ)』が小山田に対して行ったインタビュー記事が注目されています。
それと共に注目を浴びているのが【小山田圭吾自身が、スクールカーストの中では上位ではなく、むしろ下位だったのではないか?】とする仮説です。件の雑誌記事でも「小山田圭吾がイジメの加害者だった?!」と、インタビュアーが驚く場面があります。外見的なイメージから「むしろ小山田圭吾は、イジメを受ける側だった」とインタビュアーも想像していたのでしょう。また、インタビュアーだけでなく、これまで雑誌記事の存在を知らず読んだことも無かったファンも同様に、外見的なイメージから「小山田圭吾がイジメをしていたとは想像もできなかった」とショックを受けていた人が少なからず見られました。
あまり他人の外見を云々したくはないのですが、小山田圭吾は顔立ちは整っているものの、身長はどちらかと言えば小柄で、頭部が大きくて肩幅が狭く、体格的には恵まれておらず、お世辞にもスタイルが良いとは言えません。(しかし、そんな小山田圭吾でも「オシャレでイケてるモテ系」に仕立て上げて持て囃すことが可能だった訳ですから、親の七光りやスタイリスト/メイク担当者の優秀さだけでなく、当時のマスメディアと一般人との間に、如何に大きな情報発信能力の差が有ったか、それを指し示す一つの証拠と言えるでしょう。)このような外見的な印象に関しては、アンチだけでなくファンの間にも共通認識が有ったからこそ、インタビュアーもファンも「イジメ加害者」と小山田圭吾がカミングアウトしたことには落差を覚えて驚いた訳です。
小山田圭吾を擁護する人間の一部には「小山田圭吾は、インタビュアー(村上清)に迎合して話を盛ったのではないか?」とする者もいます。
例えば、北尾修一などのQJ関係者、それに小山田圭吾ファンなど、村上清と小山田圭吾を擁護する側の人間の意見を総合すれば、彼らの仮説は概ね「村上清は、彼自身が『いじめサバイバー』だから、いじめ問題を無くすための試みとして連載企画『いじめ紀行』を立ち上げた。小山田圭吾は村上清の人間性に絆されて、連載企画を盛り上げる為に話を盛った」と云う感じです。
正直に言えば私も現在は、小山田圭吾が話を盛ったと云う仮説は少し可能性が有り得ると考えています。しかし、私の仮説は、村上清と小山田圭吾を擁護する北尾修一たちの言うような「美しい関係性」を想定した仮説とは異なります。私の仮説を、以下に述べます。
=仮説ここから=
そもそも「村上清は、社会に存在するイジメ問題を解決する又は発生件数を減らす為に連載企画『いじめ紀行』を立ち上げた」と云う前提は、果たして事実なのでしょうか?(※そもそもの話をするならば、村上清が『いじめサバイバー』とされていること自体も事実であるのか疑わしいのですが、煩雑を避ける為、ここではそれが事実であるものと仮定して話を進めます。)
むしろ村上清は、イジメの「被害者」になったことで彼自身が背負い込んだ劣等感を解消する為に、己がマスメディア関係者となった今(※記事を執筆した当時)こそ、イジメ問題の記事を書くと云う手段/大義名分によって合法的に「加害者」の立場になろうと試みた、それによって「被害者」であることから生じる劣等感の埋め合せにしようとしたのではないでしょうか。
何か/誰かを「観察/取材」して、それに基づいて執筆した記事を雑誌等の公的媒体に「発表」すると云う行為には、一種の「暴力性」が不可避的に付き纏うものです。観察や取材の対象に対して、好意的な感情を抱いている場合ですら。況や、SNS等の個人的なネットメディアが発達した2021年現在とは異なり、当時の雑誌と一般人との間には、情報発信力の差や「何となくマスメディアの人間は一般人よりも格上」と云うイメージなど、圧倒的な権力勾配が有りました。そのような権力勾配を利用して、取材と称して他人の領域にズカズカと入り込むこと、カメラやテープレコーダーを向けること、記事にして発表すること、これらの行為の持つ圧倒的な「暴力性」。
北尾修一によれば、村上清は極めて優秀な人間のようです。そんな優秀な人間が「取材/執筆と云う行為の持つ『暴力性』」に気づかないはずが有りません(それに気づかないならば、端的に言えば馬鹿でしょう)。おそらく村上清は、このように考えたのではないでしょうか。「マスメディアの人間になった自分(村上清)は、今や取材や執筆の名目で合法的に、他者に対して『暴力』を振るうことが可能になった」と。
取材対象者が「被害者」ならば、取材と称して心の古傷を抉り、取材対象者が苦しむところを観察して「加害者」の立場を擬似体験して楽しめば良い。取材対象者が「加害者」ならば、贖罪意識を持つ人間は、良心の呵責を起こさせて苦しむ様子を観察して楽しむも良し、過去の過ちを反省していない人間は、調子に乗らせて問題発言をするように仕向け、社会から批判を受けるように仕向けるも良し。どっちに転んでも村上清にとって「イジメはエンターテイメント」となる訳です。
差別や犯罪の被害者が、その苦しみから逃れる為に加害者の側に立とうとすることは、往々にして有ることです。例えば、白人から人種差別を受けた黒人が、鬱憤を晴らす為に黄色人種を人種差別するように。村上清も、そんな被害者の一人だったのではないでしょうか。
村上清は、彼の取材対象として小山田圭吾を選択しました。その選択の動機には、もちろん既にROの記事が先行して存在したことも有ったでしょうが、ひょっとしたら「オシャレな渋谷系のモテ系のミュージシャンに対して『取材と云う名の暴力』を振るうことが出来る」と云う愉悦の予感も有ったのかもしれません。更に、相手がイジメの「加害者」ともなれば、その悪行を証言させて世に知らしめる事で、世間からバッシングを浴びるように仕向けて復讐することもできると、そう考えたのかもしれません。しかし、村上清が想定した以上にQJの編集者や読者が本物の鬼畜系クズだったことから『いじめ紀行』を発表しても小山田圭吾への批判が一向に高まらなかったために、小山田圭吾を転落させるまでに到らなかったに過ぎないのではないでしょうか。
ここで私は、取材の暴力性に関して、別の可能性も考えます。当時のマスメディアは、果たして本気で「小山田圭吾はイケてる/格好良い」と考えていたのでしょうか?実は「コイツ、ヒョロヒョロのヘナチョコのくせに、自分のことを格好良いと勘違いしてるw」とか「コイツ、無理してワルぶって、イジメを武勇伝として語ってやがるw」とか、マスメディア関係者は表面的には持ち上げつつも、心の底では小山田圭吾を小馬鹿にしていたと云う可能性は無いのでしょうか。持ち上げて落とすのは、何と言っても、マスメディアが好む暴力の典型です。
そして、小山田圭吾も、己自身のスクールカーストが低いと見做されていることや、マスメディア関係者から心の底で小馬鹿にされていることを感じ取って「いやいや、オレはイジメられっ子じゃないから!むしろオレは、イジメる方だったから!」と、ROやQJの取材に対して虚勢を張ったのではないでしょうか。村上清が、もし本当に「いじめサバイバー」だったならば、小山田圭吾には同じイジメられっ子の臭いがすると気づいたかもしれません。もし、そうだとすれば、余計に小山田圭吾が虚勢を張ることに拍車を掛けたことでしょう。「いやいや!オレ(小山田圭吾)はオマエ(村上清)とは違うから!」と。
小山田圭吾が「報道内容には、一部、事実とは異なる部分が有る」と言いながらも、事実関係を説明することを避けて頑なに沈黙を守っているのは、もしもイジメ加害者であることを否定すると、和光学園在籍中の自分のスクールカーストが低かったことを認めることに繋がり、それはイケてる渋谷系として持て囃された自身のプライドが許さないのではないでしょうか。
=仮説ここまで=
さあ、如何でしたでしょうか?北尾修一は頻りに「こう考えるのが自然」「普通こう考える」と云う表現を用いましたが、私はそれを避けたつもりです。
身内であるサブカル業界人(北尾修一)が、自分たちに都合が良いようにアクロバティックに美化したストーリーと、村上清にも小山田圭吾にも利害関係を共有していない第三者(私)が、ごくありふれた話として考えたストーリー。どちらが本当っぽく感じたでしょうか?それは貴方自身が決めて下さい。解釈の無理強いは致しません。
「長々と書いて、一体これが旧体制『映画秘宝』と何の関係が有るんだよ?」と思われたかもしれませんね。しかし、勘が良い方は既に気づかれたはずです。これらの「若かった頃にイケてなかった人間が、大人になってから加害者になることで、若かった頃の劣等感を埋め合わせようとする」「ワルぶって武勇伝を吹聴する」と云う行動様式は、旧体制『映画秘宝』の主流派(町山智浩ら)と瓜二つであると云うことに。それに、小山田圭吾の語るイジメの話に登場する被害者が障害者や在日朝鮮人など反撃が出きなさそうな弱者ばかり選択しているところも、町山智浩ら旧体制『映画秘宝』が(電通・ホイチョイ・フジテレビやジョックスへの怒りや憎悪を唱えつつも、本丸のソイツらを避けて)女性・同性愛者・アニメオタクとかを攻撃対象にしているところに似ています。
要するに、悪趣味・鬼畜系であろうがなかろうが、サブカル業界人は五十歩百歩ということです。
思った以上に長文となりましたが、この投稿は以上です。
その下部にツッコミ。
【冷静に考えてそんなことありえないですよね。】
→北尾修一の主観に過ぎません。そもそも、北尾修一が冷静に考えている保証は何もありません。村上清をMと伏せ字にしている上に、QJの関係者などから、北尾修一が加害者側に立っていることは明白です。
【これは推測ですが、インタビュアーへのリップサービスで、小山田さんが学生時代の出来事を大げさに話したのではないでしょうか。】
→これも小山田圭吾に都合の良い、北尾修一の想像に過ぎません。
【と考えるのが自然じゃないですか。】
→小山田圭吾と村上清を擁護するために「自然」と言っているだけ。
【こう考えると、この私のおぼろげな記憶がおそらく正しいのではないか、という気がしてきます。】
→自分の記憶が正しいと云う結論が先に有って、そのために「こう考える」と云う方針を立てる。そして「こう考える」から自分の記憶が正しいと言う。それは循環論法では?
【「目の前に現れたM氏の力になりたい」と小山田さんが思った。
特に実際に会って《打ち合わせ》をした後で、そう思うようになった。
そうとしか考えられません。】
→小山田圭吾が何を考えていたのかを、想像に過ぎないのに、その想像を元に「そうとしか考えられません」と主観的に結論づけています。
→度々「自然」と云う表現を用いるのは、北尾修一自身が「小山田圭吾と村上清を擁護するために不自然になっている」と自覚しているからだと推測されます。
→あくまでも小山田圭吾の視点に留まり、イジメ被害者からの視点で想像しようとはしません。
【きっと《打ち合わせ》に向かう小山田さんも、そんな感じだったんじゃないかなあ、と私は想像します。】
【妄想が暴走しすぎで「大丈夫か?」と思われているかもしれませんが、でも、これくらいのことが小山田さんとM氏の間で起きないと、普通に考えて実現性ゼロのこんな記事、この世に存在しえないと思うんです。】
→態々、仮定の上に仮定を積み上げる北尾修一のような論理のアクロバットを駆使しなくても、シンプルに「当時のQJと小山田圭吾は、イジメ被害者の尊厳や人権を軽視していた」「批判が寄せられたとしても、情報発信力の勾配の非対称性があったので、一般人からの批判は黙殺できると思い、実際にそうしていた(批判のお便りが来ても掲載しなかった(批判意見を誌面に掲載しなかった)」と考えれば説明は可能です。
【小山田さんが「過去に行ったとされるいじめ暴力行為」を私は擁護しません。
ただ、この記事から読み取れる小山田さんの(悪ぶっていても)隠しきれない優しい側面については、私は全力で擁護します。】
→イジメ被害者と云う「他者」を排除して置き去りにした、サブカル村業界人に対してだけ発揮される内輪向けの「優しさ」には意味が有りません。暴走族、ヤクザ、マフィアだって、時には身内に優しい時は有るでしょうが、それは被害者にとって無意味です。
【だってさあ、何なんだよ、この『デビルマン』みたいな今の状況。
こんなものを一刻も早く終わらせたくて、私はこの原稿を発表しています。
だから、小山田さんの人格を全否定する乱暴な言葉には抗います。】
→擁護するつもりは無いと言いながら、ここでデビルマンの喩えを持ち出したことで、北尾修一が小山田圭吾と村上清を「加害者」ではなく「何も罪を犯していないのに迫害を受けている被害者」と見なしていることが分かります。これぞ馬脚を露わす。
【私は時空を超えて、26年前の『Quick Japan』編集部に行って伝えたい。
今ごろやっと気づいたんだけど、良かったね、M氏というか村上くん。
村上くんが気合いを入れて書いていた企画依頼レターと、あのとき全力で小山田さんに伝えた気持ちは、ちゃんと伝わっていたんだね(26年後に再読してやっと気付いた笑)。】
→いつの間にか、北尾修一が想像したに過ぎない「企画依頼レターの中身」を既成事実化しています。悪質な印象操作ですね。
【でも、私はこの記事を一緒に作っている小山田さんと村上くんの姿を思い返すと、若い頃にどんなに酷いことをした人間でも、どんなに酷い目に遭った人間でも、あるとき誰かのことを思って本気で動けば、そんなふたりで宝石みたいな何かを残せるかもしれない。この記事は、その揺るがぬ証拠として26年後の私には読めます。】
→「誰かのことを思って」の誰かには、イジメ被害者は含まれていません。あの「イジメ紀行」の記事が、北尾修一の主観では「宝石みたいな何か」になるのだそうです。
=以下、総評=
(1)北尾修一は「当時のQJの現場に近い人間が、事の真相を語る」かのように装っているが、大部分が「想像ですが」「推測ですが」「そうとしか考えられない」と主観のオンパレード。端的に言えば羊頭狗肉。「自然」と云う表現を多用しているのは、おそらく書き手である北尾修一自身が「小山田圭吾と村上清は悪くない」と結論づけるために強引かつ不自然な文章になっていると自覚していることを示唆している。
(2)イジメを擁護するつもりはないと北尾修一は言う。しかし、村上清を"M"と伏せ字にしていること、北尾の述べる想像や推測は徹底して小山田圭吾と村上清に都合の良い解釈だけであることから、北尾修一が小山田圭吾と村上清を擁護しようとしていることは明らかである。更に、デビルマンの喩えを用いていることから、北尾修一は小山田と村上を「罪を犯してもいないのに迫害されている」と見做していることも明らかである。
(3)村上清が小山田圭吾に送った(かもしれない)企画依頼レターの内容については、北尾の想像に過ぎない。にも関わらず、何故か北尾修一の書いた文章のクライマックスに至ると「村上くんが気合いを入れて書いていた企画依頼レターと、あのとき全力で小山田さんに伝えた気持ちは、ちゃんと伝わっていたんだね」と既成事実化している。北尾修一は、孤立無援のブログを「印象操作している」と非難するが、むしろ北尾自身の方が悪質な印象操作を行っていると言える。
(4)小山田圭吾の証言と、それを都合良く解釈した想像だけを根拠にして「加害者である小山田圭吾とイジメ被害者との間に何らかの友情が存在した」と、既成事実化し、その上で「イジメではなく友人同士の遊びであった」かのように読者に思わせようと、北尾修一は意図している。しかし、北尾修一のしていることは、DV事件の加害者を「殴ったり蹴ったりしたけど、被害者のことを自分なりに愛していた」と美化するようなものである。イジメ加害者側の身勝手な「友人意識」を持ち出すことで、イジメ加害者の罪を減ずることが可能であるとする北尾修一の考え方を、DV事件との比較で考えれば、どれほど時代遅れ且つ間違ったものであるか一目瞭然であろう。
(5)北尾修一の書いた文章からは、サブカル村の住人の「自分たちさえ良ければ、イジメ被害者などどうでもいい」と云う、自己中心的、自己陶酔的、自画自賛な意識がハッキリと窺える。村上清による小山田圭吾インタビューを「宝石みたいな何か」と評価していることがそれを表している。
ネットで拡散している「ぐるぐる巻きにしてうんこ食わせた」という部分は
クイックジャパン記事で書かれている村田くん(仮名)との修学旅行についてのことなんだろうな(増田では7と8のページ)
『Quick Japan』95年3号 「いじめ紀行 第1回ゲスト 小山田圭吾の巻」 8
https://anond.hatelabo.jp/20210721001207
クイックジャパンでどう書かれているかというと、修学旅行でなぜか小山田、村田くん(障害児)、留年した怖い先輩の3人で班を組まされ、宿舎で村田くん相手にプロレスごっこをして(小山田の立場で)じゃれていると、先輩が入ってきて村田くんをぐるぐる巻きにして好きな女子の名前を言わせながらオナニーさせたからドン引きしてしまった(笑)とある。小山田本人の行為ではない。ウンコ食わせたという事実があるのなら、それをやったのも先輩なんだろう。
障害児童との修学旅行といえば↓の話が思い出されるが、はてな民はこれと自分の感想比較してくれ。教室から障害児童を排除すべきか、排除するなら子供はどこで障害者と接して多様性を持つことができるようになるのか。生活の場で接しなければ障害者はテレビの画面越しで見る架空の生き物と同じだしね。
[B! 教育] 泡盛とらこ(心ない介護職員) on Twitter: "中学生の子ども(女子)が、 修学旅行をキャンセルしました。 実行委員長兼班長でしたので、 田舎の中学では前代未聞の事態。 私も何度も担任と話し合いました。 キャンセルの理由は、 「まったく交流のない障害学級の男子(保護者意向で診断… https://t.co/QegfQmAhbh"
https://b.hatena.ne.jp/entry/s/twitter.com/torakoawamori/status/1411113159046270980
(村田くんをロッカーに閉じ込めてガンガン蹴ったり、日常のイジメ行為もクイックジャパンで告白されている)
小山田はもう1人の障害児の沢田くん(仮名)については良い思い出のように語っており会いたいとも答えているが、村田くんとはそうではないと言っている。
もう1人、朝鮮人の生徒をからかっていたとネットで拡散あるが、クイックジャパン記事では「家出したならうちに泊まりに来い」と小山田が誘って実際に泊めてあげており、いい思い出としか書かれていない。
これ、金剛地さんを炎上させようとしてるようにしか見えないから詮索とよくわからん妄想やめろよ。
クイックジャパンのいじめ記事の中にも似たエピソードが出てくる。
(口ではいじめていたというが)小山田はいじめていた感覚は無いようだし、
『Quick Japan』95年3号 「いじめ紀行 第1回ゲスト 小山田圭吾の巻」 14
時間 | 記事数 | 文字数 | 文字数平均 | 文字数中央値 |
---|---|---|---|---|
00 | 88 | 18145 | 206.2 | 56 |
01 | 61 | 9923 | 162.7 | 61 |
02 | 55 | 9021 | 164.0 | 62 |
03 | 32 | 1993 | 62.3 | 38 |
04 | 11 | 2251 | 204.6 | 31 |
05 | 21 | 1798 | 85.6 | 39 |
06 | 43 | 4809 | 111.8 | 32 |
07 | 58 | 5279 | 91.0 | 45 |
08 | 156 | 12551 | 80.5 | 40 |
09 | 182 | 20606 | 113.2 | 44 |
10 | 147 | 17440 | 118.6 | 43 |
11 | 210 | 19459 | 92.7 | 55.5 |
12 | 237 | 20908 | 88.2 | 42 |
13 | 189 | 14694 | 77.7 | 39 |
14 | 250 | 23556 | 94.2 | 38 |
15 | 269 | 17269 | 64.2 | 36 |
16 | 202 | 20757 | 102.8 | 40 |
17 | 219 | 17610 | 80.4 | 38 |
18 | 210 | 23990 | 114.2 | 39.5 |
19 | 183 | 16637 | 90.9 | 36 |
20 | 207 | 23364 | 112.9 | 44 |
21 | 150 | 22484 | 149.9 | 44 |
22 | 125 | 32626 | 261.0 | 51 |
23 | 114 | 11706 | 102.7 | 50 |
1日 | 3419 | 368876 | 107.9 | 42 |
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今回僕が見た限りでは、いじめられてた人のその後には、
救いが無かった。
でも僕は、救いがないのも含めてエンターテイメントだと思っている。
それが本当のポジティヴってことだと思うのだ。
という趣の発言をしていた。
これを僕は、"ネガティヴなことも連れて行かないと、
ということだと解釈している。
でも、いや、だからこそ、
「卒業式の日に、
そんな別に沢田にサヨナラの挨拶をする奴なんていないんだけどさ。
僕は一応付き合いが長かったから、
『おまえ、どうすんの?』とか言ったらなんか
でも『なりたい』とか言って。
『へー』とかって言ってたんだけど。
高校生の時に、いい話なんですけど。
でも、やってないんですねえ」
―――沢田さんが「仲良かった」って言ってたのが、すごい救いっていう……
「ウン、よかったねえ」
―――よかったですよね。
そういう人の中でも僕好みのキャラなんですよね。
なんか、母ちゃんにチクったり、
わりとそういう特技なんかも持ってるっていう(笑)。
『レインマン』みたいな。
あの頃『レインマン』なんかなかったけどさ、
とか思うようなこともやるしさ。
―――"演技だった"っていう噂も、流れておかしくない……。
『やっと帰ったわ』とか言って、
そうかもしれないって思わせる何かを持ってたしね。
それで、たまに飽きてきた頃にさ、
なんかこう一個エピソードを残してくれるっていうかさ。
その人選からしてなんか、ねえ」
―――天然……。
「天然……。ホント『天然』って感じの」
「聴かしたいなあ(笑)。
どういう反応をするんだろうなあ(笑)。
ま、別に大した反応はしないですよ、多分。
―――街で会っちゃったりしたら、声はかけますか?
「はーん……分かるかな?」
「覚えてるかな?」
―――ええ。すっごい覚えてると思うな、僕の会った感触では。
「そうですね……。
でも結局一緒のような気もするんだけどね。
『結局のところどうよ?』ってとこまでは聞いてないから。
聞いても答えは出ないだろうし。
でも、いっつも僕はその答えを期待してたの。
『実はさあ……』って言ってくれるのを期待してたんですよね、
―――……ところで、小山田さんはいじめられたことってないんですか。
学校に限らず。
「はー。多分、僕が気付かなかったっていうだけじゃなく、
なかったと思うんですよ。
最後に、小山田さんが対談するなら一番会いたいと言っていた、沢田さんのことを伝えた。
「重いわ。ショック」
―――だから、小山田さんと対談してもらって、当時の会話がもし戻ったら、すっごい美しい対談っていうか……。
「いや~(笑)。
でも俺ちょっと怖いな、そういうの聞くと。
でも…そんなんなっちゃったんだ……」
―――沢田さんに何か言うとしたら……
「でも、しゃべるほうじゃなかったんですよ。
聞いた事には答えるけど」
―――他の生徒より聞いてた方なんですよね? 小山田さんは。
ファンっていうか、アレなんだけど。
どっちかっていうとね、やっぱ気になるっていうかさ。
で、だから色々試したりしてたけどね。
みたいなことが気になったから。
なんかそういうことを色々と知りたかった感じで。
で、いろいろ聞いたんだけど、
なんかちゃんとした答えが返ってこないんですよね」
―――どんな答えを?
「『病気なんだ』とかね」
―――言ってたんだ。
「ウン。……とか、あといろんな噂があって。
『なんでアイツがバカか?』っていう事に関して。
子供の時に、なんか日の当たらない部屋にずっといた、とか。
あとなんか『お母さんの薬がなんか』とか。
そんなんじゃないと思うけど(笑)」
―――今会ったとすれば?
「だから結局、その深いとこまでは聞けなかったし。
聞けなかったっていうのは、
なんか悪くて聞けなかったっていうよりも、
僕がそこまで聞くまでの興味がなかったのかもしれないし。
そこまでの好奇心がなかったのかも。
かなりの好奇心は持ってたんだけど。
今とかだったら絶対そこまで突っ込むと思うんだけど。
その頃の感じだと、学校での生活の一要素っていう感じだったから。
個人的に興味があったっていうか」
小山田さんは「そこまでして記事が形にならないのは……」と言ってくれ、
ライターの僕のために、レコーディングに入っていたにもかかわらず、
二度目の取材に応じてくれた。
「でもパチンコ屋の店員って、すっげー合ってるような気がするな。
いわゆる……根本(敬)さんで言う『いい顔のオヤジ』みたいなのに絶対なるタイプって言うかさ」
―――もし対談できてたら、何話してますか?
でも分かんないけど、今とか会っても、
なんか分かんないけど。
『今何やってんの?』みたいな(笑)。
『玉拾ってんの?』とか(笑)。
きっと、そうなっちゃうとおもうんだけど」
―――やっぱ、できることなら会わないで済ましたい?
沢田に会いたいな、僕」
―――特に顔も会わせたくないっていう人は、いない訳ですね?
「どうなんだろうなあ? これって、僕って、いじめてる方なのかなあ?」
確かにヒドイことはしたし」
―――やましいかどうかっていう結論は、自分の中では出てない?
「うーん……。でも、みんなこんな感じなのかもしれないな、
なんて思うしね。いじめてる人って。
僕なんか、全然、こう悪びれずに話しちゃったりするもんねえ」
―――ええ。僕も聞きながら笑ってるし。
『俺ら殺されるわ』とか言って。
ホントにいなくなったっていうのは、僕も誰かから聞いてたんですよ。
誰も連絡とれなくなっちゃったって。
だから噂が流れて」
―――いま会ったら、何話します?
とりあえず『ごめんなさい』って。
でもそんな朴とか、一緒に遊んでたからな。
あやまるっていう程でもないかな」
●4月6日
聞けば、村田さんは、現在はパチンコ屋の住込み店員をやっているという。
でも、親子で話し合って解決していって。
小山田君も元気でやってるみたいだし」
電話だけだとラチが開かないので、アポなしでの最寄り駅から電話。
「今近くまで来てるんですが……」
お母さんによれば"学習障害"だという。
社会復帰はしていない。
小山田君とは、仲良くやってたと思ってましたけど」
―――対談してもらえませんか?
「(沈黙……お母さんの方を見る)」
―――……小山田さんとは、仲良かったですか?
「ウン」
●5月1日
手紙も『宛て所に尋ねあたりません』で戻って来た。
あのグループの一員だ。
ヤバい目つきの人だなあとは思っていたが。
それも結構笑いながら。
他人事とは思えなかった。
盛り上がる。私立って、独特の歪み方をする。
小山田さんは、「今考えるとほんとヒドかった。
だったら、ホントに再会したらどうなるだろう。
いじめっ子は本当に謝るのか?
ドキドキしてきた。
対談してもらおう!
最終的にはいじめられてた人の家の中まで入った。
しかし結局この対談は実現せず、小山田さんへの個人インタビューとなった。
以下、この対談の準備から失敗までを報告する。
いじめ対談のことを話す。
――まず、いじめられっ子を探すことにする。
「昔、いじめっ子だったんですよね」
という訳にもいくまい。
とりあえず『月刊ブラシ』を手渡す。
「ミニコミ作ってるんで読んでください」
「あ、ありがとう」
この間、約二秒。
ちなみに僕は普段いつも自分のミニコミを持ち歩いている訳ではなく、
この日持ってたのは本当に偶然だった。
「学年を超えて有名」だったとか。
対談依頼の手紙を書く。
住所を頼りに昔いじめられてた人の家に行く、
この時の気分はうまく説明できない。
よくよく西河原さんと話してみると、
(前出のように)ハードにいじめられてたのは別の人ではないか」
とのこと。
じゃあ、本当にいじめられてたのは誰なんだ?
とのこと。
事前に手紙は送っているが、反応はよくない。
当たり前か。
---
追記:はてなブログにも同じものを投稿しました。こちらのほうが読みやすいかもしれません。
https://bibokj.hatenablog.com/
---
インタビュー中心の雑誌で、二二の時に創刊して、もう二年が過ぎた。
五年間顔を合わせたことのない隣人、
今は閃いたことを全部やるようにしている。
インタビューをしてると、
関係ないけど「スティービー・ワンダーは必ず綺麗な女を選ぶ」とか
そんなエピソードも大好きだ。
そんな僕にとって、"いじめ"って、昔から凄く気になる世界だった。
例えば
この会は新聞を発行していた。
確かに彼の髪は油っぽかった。
誰かが彼の髪にライターで点火した。
といった話を聞くと、
とか思ってドキドキする。
だって細部までアイデア豊富で、何だかスプラッター映画みたいだ。
僕自身は学生時代は傍観者で、人がいじめられるのを笑って見ていた。
ぶっ飛ばすポジティヴさを感じる。
「ディティール賞」って感じだ。
どうせいじめはなくならないんだし。
「頑張って下さい」とか「死ぬのだけはやめろ」とか、
嘘臭くて吐き気がした。
いじめられた側の人がその後どうやって
いじめを切り抜けて生き残ったのか、
昔読んだ『ロッキング・オン・ジャパン』の小山田圭吾インタビューを
思い出した。
この養護学校も、今は無いらしい。
小山田さんが話しているのは、一〇年近く前の話だから、そういうこともあっておかしくない。
では、いじめられっ子たちはその後どうしているのだろう。
僕の学校の場合、同学年の奴のその後って全然付き合いの無かった奴のも含めて、
「学校やめた」とか「宗教入った」とか結構情報が伝わってくるのだが、
不思議なことにいじめられっ子のその後についてはまったく情報がない。
小山田さんは知ってるだろうか。
久々だから、みんなで『インタビューしよう』ってなって(笑)。
『おまえ、今何やってんの?』とか聞いたら、
「あのね、沢田にはね、『あれは実は演技なんだ』っていう噂が流れてて(笑)。
なんか一時期『沢田をどっかで見た』っていうウワサが流れてて。
「もともと噂の発端がいて。一コ下にやっぱ凄い奴で、
―――いるんだ、そういう人も。
「ウン。で、ちっちゃい頃に感電したとか言って、
手のところからブワ~っとなってて。
で、いつも学校にすげー早く来てて、校門の前にいるんですよ。
それでみんなが通学してくると、いきなり寄って来て『問題を出す』とか言って(笑)。
答えられないような、すっごい難しい問題を出してくるんですよ。
『赤と緑、どっちが黄色?』とか、そんな問題を出してくるのね。
『えー』とか言って、『何言ってんだよ』とか言ってね。
なんか適当に答えたりすると『ブ―』とか言ってね、ツバかけてくんの(笑)。
そうそう、スフィンクスみたいなの。で、ツバをペッ! ってかけてくんの。
俺とか先輩だから『ふざけんなよ!』とか言って、バ~ンとか蹴っ飛ばしたりするんだけど。
全然、バ~ンとかブッ倒れてもへこたれないの。
またフラフラ~ッと次の獲物に行って、『問題を出す』とか言って(笑)」
全く、いちいち面白い人のいる学校だ。和光とは、一体どんな学校なのか?
「他だったら特殊学級にいるような子が普通クラスにいたし。私立だから変わってて。
それで、高校の時とか、休み時間にみんなで外にタバコ吸いに行ったりするじゃないですか。
で、大体みんな行く裏山があって。
タバコ吸ってたり、ボーッとしてたりなんかするとさ、
で、ジャージ着てさ、男は紺のジャージで、女はエンジのジャージで、なんか走ってるんですよ。
で、ダウン症なんですよ。『あ、ダウン症の人が走ってんなあ』なんて言ってタバコ吸ってて。
するともう一人さ、ダウン症の人が来るんだけど、
ダウン症の人ってみんな同じ顔じゃないですか?
『あれ? さっきあの人通ったっけ?』なんて言ってさ(笑)。
次、今度はエンジの服着たダウン症の人がトットットとか走って行って、
『あれ?これ女?』とか言ったりして(笑)。
最後一〇人とか、みんな同じ顔の奴が、デッカイのやらちっちゃいのやらがダァ~って走って来て。
『すっげー』なんて言っちゃって(笑)」
「いじめっていうのとは全然違って、むしろ一緒に遊んでた奴なんだけど、朴(仮名)ってのがいて。
こいつは名前の通り朝鮮人なんだけど、朝鮮学校から転校して来たのね。
で、なんでからかわれたんだっけ……、とにかく、本当にピュアでいい奴なのね。
だからんだろうけど。
あ、思い出した! これ実は根深いんだけど。
初日の授業で、発表の時にはりきって『はい』って手挙げたんだけど、
挙げ方がこんな(ウルトラマンのスペシウム光線に似たポーズ)だったのね。
でもそれは朝鮮学校の手の挙げ方だったのね」
「あと、こいつの家は親が厳しくて、門限が五時とか。
で、無理やりひきとめてサ店とか入って、食うだけ食って五時過ぎたら『じゃあ!』とか言って(笑)」
で、朴がラジカセを買うって一万円ためてたんだけど、
ある時、ベランダに閉じ込められて、窓とか鍵閉められちゃったの。
そしたら窓ガラス蹴り破って出て来て。
先生に叱られて結局ラジカセの一万円でガラス代弁償することになったの(笑)。
「で、ある日『おまえ、そんな家出ちゃえよ。ウチ泊めてやるからさ』とか半分冗談でアドバイスしたら、
こいつのバッグが着替えじゃなくて教科書で一杯でさ。夏休みなのに(笑)。
しかも弟に『小山田の家に行く』って思いっきり告げてきちゃったらしくて、
結局すぐ親が迎えに来て。僕は怒られた(笑)」
しかしどんなタイプの奴でも行かなきゃいけないのが修学旅行だ。
「中三の時、一コ上の先輩でダブっちゃった人が下りてきたんですよ、ウチのクラスに。
で、その人が渋カジの元祖みたいな人で。
バカな先輩なんだけど。でも僕はわりと仲が良かったのね。
で、同じ班になっちゃって、そのまま修学旅行に行くことになっちゃったんですよ。
好きなもんどうしが集まったとかじゃ全然なくて(笑)、たまたまそういう班だったんですけど。
そいで修学旅行とか行ったら同じ班じゃないですか。
密室だしさ……他の班の奴とかも色々来てたりしてさ。
で、ウチの班で布団バ~ッとひいちゃったりするじゃない。
するとさ、プロレス技やったりするじゃないですか。
だけどそいつ軽いからさ、楽勝でできんですよ。ブレンバスターとかさ(笑)。
それがなんか盛り上がっちゃってて。
それは別にいじめてる感じじゃなかったんだけど。ま、いじめてるんだけど(笑)。
いちおう、そいつにお願いする形にして、『バックドロップやらして』なんて言って(笑)、
"ガ~ン!"とかやってたんだけど。
で、そこになんか先輩が現れちゃって。その人はなんか勘違いしちゃってるみたいでさ、
限度知らないタイプって言うかさ。
なんか洗濯紐でグルグル縛りに入っちゃってさ。素っ裸にしてさ。
『オマエ、誰が好きなんだ』とかさ(笑)。
だけど、そこでもまだ行けちゃってるような奴なんかもいたりして。
『ここはヤバイよな』っていうラインとかっていうのが、人それぞれだと思うんだけど、
『オマエ、誰が好きなんだ』とか言って。『別に…』なんか言ってると、
パーン! とかひっぱたいたりとかして。
『おお、怖え~』とか思ったりして(笑)。
『松岡さん(仮名)が好きです』とか言って(笑)。『じゃ、オナニーしろ』とか言って。
『松岡さ~ん』とか言っちゃって。かなりキツかったんだけど、それは」
以上が2人のいじめられっ子の話だ。この話をしてる部屋にいる人は、
いじめ談義は、どんな青春映画よりも僕にとってリアルだった。恋愛とクラブ活動だけが学校じゃない。
僕の学校でも危うく死を免れている奴は結構いたはずだし、今でも全国にいるだろう。
小山田さんには、いじめられっ子の二人目、村田さん(仮名)の話もしてもらった。
「村田は、小学生の頃からいたんですよ。こいつはちょっとおかしいってのも分かってたし。
だけど違うクラスだったから接触する機会がなかったんだけど、中学に入ると、同じクラスになったから。
で、様々なな奇行をするわけですよ。
村田っていうのは、わりと境界線上にいる男で、やっぱ頭が病気でおかしいんだか、ただバカなんだか、
というのが凄い分りにくい奴で、体なんかもちっちゃくて、それでこいつは沢田とは逆に癇癪が内に向かうタイプで。
いじめられたりすると、立ち向かってくるんじゃなくて、自分で頭とかを壁とかにガンガンぶつけて、
『畜生、畜生!』とか言って(笑)、ホントにマンガみたいなの。
それやられるとみんなビビッて、引いちゃうの。『あの人、やばいよ』って。」
まず、臭いし、髪の毛がかゆいみたいで、コリコリコリコリ頭掻いてるんですよ。
何か髪の毛を一本一本抜いていくの。
それで、10円ハゲみたくなっちゃって、そこだけポコっとハゲててルックス的に凄くて。
「段ボールの中に閉じ込めることの進化形で、掃除ロッカーの中に入れて、ふたを下にして倒すと出られないんですよ。
そいつなんかはすぐ泣くからさ、『アア~!』とか言ってガンガンガンガンとかいってやるの(笑)。
そうするとうるさいからさ、みんなでロッカーをガンガン蹴飛ばすんですよ。
それはでも、小学校の時の実験精神が生かされてて。密室ものとして。
あと黒板消しはやっぱ必需品として。"毒ガスもの"として(笑)」
いきなりガムをたくさん持ってきて、何かみんなに配りだして。
『何で、あいつ、あんなにガム持ってるんだ? 調べよう』ってことになって、
呼び出してさ、『お前、何でそんなにガム持ってるの?』って聞いたら、『買ったんだ』とか言っててさ。
三日間ぐらい、そういう凄い羽振りのいい時期があって。
そんで付いて行って、いろんなもん買わせたりして。
『おまえ、どうしたの?』とかきいたら、『親にブン殴られた』とか言ってて(笑)。
でも何に使っていいか分かんないから、ガム買ったりとかそういうことやって(笑)。
だから、そいつにしてみればその三日間っていうのはね、人気があった時代なんですよ。
一五万円で人が集まって来て。
かなりバカにされて、『買えよ』って言われてるだけなのに。