はてなキーワード: 不和とは
3週間音信不通だった同ジャンルオタクの友人からLINEが来た。
かいつまんでいうと「トラウマのフラッシュバックがすごいのでジャンルを撤退する、企画とか放置しちゃってごめん、私のことはいなかったと思ってくれ」というもの。
多分そうさせてしまったのは私だ。彼女にトラウマを植え付けてしまったのは私だ。
友人とは3年ほどの付き合いだった。とあるアニメを介して知り合い、さぎょイプやらオフ会やらしたし、一緒にイベント参加もした。
昨年夏、彼女から恋愛相談を持ちかけられた。同ジャンルにいる、とある男の人が好きだと。
びっくりしてしまった。私も同ジャンルに好きな人がいたからだ。別の人だったんだけど。
そこからは「二人だけの秘密」「恋バナ」というところを軸にズブズブ縁が深まっていった。しんどいことがあれば互いに慰めあい、嬉しいことがあればのろけあった。今思うとあんなに二人で通話しまくってたのも良くなかった気がする。
いつもみたいに二人で通話していた夜だった。あいかわらずしんどそうな彼女は好きな人との不和に悩んでいた。詳しいことは書かないけど、相手の都合とこっちの都合がうまく合わなくて彼女が相手に合わせてしんどいみたいな状況だった。
通話しまくり相談しまくりを経た結果、彼女と自分を同一視してしまっていた私は、自分の経験から「多少ぶつかってもいいから自分がしんどいってことは伝えた方がいいと思う、だって違う人間なんだから言わないと分かんないよ」ってアドバイスした。アドバイスしてしまった。
伝えた結果、彼女は相手から「これから先こんなことになるならお前と恋人関係にはなれない」と言われたらしい。実質フラれたことになる。妙に元気にスッキリした様子で教えてもらったけど、今思うと空元気だったのかな。
それから彼女は全く違うジャンルを開拓し、そこで新しい関係を築いていった。楽しそうだった。好きな小説をたくさん書いている彼女は輝いていた。私は自分の罪悪感に蓋をして「良かったね」とニコニコしていた。またそこで一緒に新しい企画も立ち上げた。仕事が落ち着いたら進捗を出してくれるはずだった。
その結果がこれだよ。
ごめん。私が余計なこと言わなけりゃよかった。私の相手とあなたの相手は違う人間なのに、そのあたりを配慮できなかった私のミスだ。ごめん。
あんだけ泣いて苦しんでたことだもんね。そんな簡単にはふっ切れないよね。私が苦しんでたときも慰めてくれたのに、私はだんだん平気になってしまっている。リハビリがだんだん進んでいる。あなたを置いていってしまっている。
あなたに重荷を乗っけたくせに一人だけ楽になっている私を許して。
http://b.hatena.ne.jp/entry/s/headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190305-00010001-telling-life&p=1
kotobuki_84 「見た事もないオバチャンが男友達に無下に扱われた話に謎の共感を催してヒスってズレた揚げ足取ったら友達に馬鹿にされたり宥められたりしてムカつきました。私が正義です」っていう日記
cyan0302 なぜ「女の容姿=男の年収」なのか。「女の容姿=男の容姿」が差別しない姿勢じゃないの?
kotetsu306 女の容姿と年齢を男の年収に置き換えてる時点で、筆者はジェンダー観に物凄く縛られてるんだと感じた。そりゃ「それとこれとは話が別」としか返せんわ
hal-e 「僕には好みを主張する権利もないの?」に対して「『この人年収低いから無理だわ~』って話この場でしたら傷つかない?」って反論になってないような
TStyle 記事中ですら自分の考えを意見としてまとめることが全く出来てないのに議論をさせてくれないとかイミフ。議論っていうのはモヤモヤした感情をぶつけ合うことじゃない
hobo_king 曖昧な「モヤモヤ」を無加工で口にするのが大事な場面(詩的表現とか)は当然あるけど、冷静な議論を望む人がモヤモヤをモヤモヤのまま口にしたらそりゃ議論にならん。ガン泣きの子供と議論しろって位には無理
okusa75 この人、twitterでいろんなことにモヤモヤし続けてるので、きっと自分で情報を整理できない体質なんだと思う
Kandata 女は男の言葉に自分を重ねて傷ついた。しかし咄嗟に返した言葉が感情的になってしまい不和が生じた。本当は表現に気をつけて欲しかっただけなのに
name-25137412 「強い言葉を使ってしまったのが、今回私の反省すべき点」ではなく、個人の自由意志の安易な否定を反省すべきだと思った
syunzone 自分の望む答え以外の回答が来た場合、議論にならないと言って、あーあー聞こえないモードに入る人いるよね
tripleshot この話に限らず、最近「自分は絶対的に正しい」ってスタンスで、意見の異なる相手をメタクソに叩くっていう感覚が強まっているように思う。ネットで簡単に自分と同じ論調を見つけられるようになったからだろうか
ところで勘違いフェミは女性だけでなく男もよくいるので、女性批判ではないことはご了承を。
これ書かないと勘違いフェミはなぜか勝手に女性批判だと勘違いする。
実際に今ここ読むまで勝手に女性叩きだと思ってた人いるだろ?正直に言っていいのよ?
tk_musik 40代の太めの女性がマッチングアプリに登録できなかったら差別だけど、40代の太めの女性が好みじゃないから断るのは仕方ない
tikani_nemuru_M 私的な嗜好性を差別と捉えるのは不適切。同性愛者が異性との婚姻をしないのは、同性愛者が異性愛者を差別しているからではない。逆もまた然り
wdnsdy 「40代の太めのおばさんは価値がないから婚活すんな」と言ったならさすがに差別だけど「40代の太めのおばさんを私は結婚相手には選ばない」は差別ではない
セルフケアのため心理学書を読み漁り、マインドフルネスや認知行動療法といった個人療法を行っているのだが、
遡るほどに、小中校大学と、自分の個性をもっと理解していたなら、家庭不和に囚われて情緒不安定になっていなかったなら、
もっと普通に、もっと真面目に、学びたいことに集中して楽しい学生生活が送れただろうに、と無念の思いが溢れてきて、
身を引き裂かれそうに苦しくて、涙がいくらでも溢れてくる。
そう思うほど、醜い諍いに子供だった私を巻き込んだ両親への憎しみが湧き起こってしまう。
両親もまた、母は発達障害気味(無自覚で他者に指摘されると激昂する)で、父は自覚ありのパーソナリティ障害で自発的に通院していた。
パーソナリティ障害の専門書では、両親(特に母親)に育て方を責めるといった、過去の変えられないものを恨み続け激しい怒りを覚えるのは精神が未熟な証拠で、責任転嫁していると記述してある。
たしかにそうだと思う。反面、今はまだ、納得がいかなくてつらい。
自分でどうしようもないものを恨み、呪っている状態が、まさにパーソナリティ障害の症例に当てはまっているなぁ、と心の片隅で思いつつ。
今は、とにかく、涙が止まらない。
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無駄かもしれないけど…大学に通い直すために、今月から目的貯金口座を作って貯めはじめた。
よく考えたら、入社時に雇用条件が明示されず、雇用契約書とかそういった類の書類を一切書かずに業務が始まった時点で変だった。
入社してから2日目、ロクな引き継ぎやレクチャーもなく、右も左も分からない状態で現場へ投入された。
配属された課には、M先輩(30代、♀)とU課長(50代、♂)しかいなかった。自分を含めて3人だけの小さなチームだった。
2人は「わからないことがあれば聞いて」と言っていたが、いざ質問すれば「自分で考えろ」と突き放された。
仕方ないので自分なりに考えて努力したが、結局は先方にも迷惑をかけるような事態になった。
しかし、その場に及んでもM先輩もU課長も「自分の不始末は自分で処理しろ」というスタンスだったので俺の初プロジェクトは大炎上した。
後から知ったのだが、この時の仕事相手はM先輩とトラブルを起こしていた相手だった。
ざっくりと説明すれば、面倒な客をいきなり新人に与え、炎上を口実に関係を切る作戦だったようだ。
なんと、俺は汚れ役の大役を与えられたのだ。
その後も雑用を含めた業務がドンドンと転がり込み、知らない間に自分が担当になっている案件も増えた。
気づけば入社1ヶ月も過ぎる頃には、終電帰りが当たり前となっていた。比較的、楽なタイミングでも朝7時に自宅を出て、帰宅は深夜1時。オフィスで徹夜するのも当たり前になった。
そんな僕を尻目に、もっと忙しいはずのM先輩とU課長が定時上がりをしていたのが不思議だったが、この疑問は後に解消されることになる。
ある日、U課長が言ってきた。
「最近、君は夜遅くまで会社にいるね。別に仕事はココでしなくてもいいんだよ」
『そうか、持ち帰りでみんな仕事をしていたのか!』と純朴な俺は考えた。
この日から俺は業務に必要なファイルをクラウドに保存し、自宅のパソコンや個人のスマホでも会社メールを受信できるようにした。
帰宅しても仕事がついてくる。終電を気にせずに仕事ができるようになった。
電車内でもメールのやり取りができるので、通勤中も仕事と向き合うようになった。
で、この頃に知ったのだが、残業代が固定制だった。
何時間働いても給料は変わらない。毎月25日に決まった額が機械的に銀行口座に振り込まれるだけ。
また、次第に課内の人間関係ができてくると、U課長の遊びにも誘われるようなった。やったこともない釣りだ。
釣り人の朝は早い。なぜか新人の俺がクルマを運転して週末は深夜3時にU課長の自宅まで迎えに行った。
俺は釣り竿すら持っていなかったので、上司に竿を借りる代わりにクルマを出す、という一方的に決められた謎の交換条件だった。
そして船に乗って釣りをし、上司を送り届けて帰宅。帰ったら仕事の続きを深夜までやって、翌朝はU課長よりも早く出社していた。
こんな週末が雨が降ろうと関係なく、ほぼ隔週で訪れるようなった。
昨年11月下旬のある夜、普段は使わない駅まで行けば、まだ動いている別路線で帰れそうだったので夜道を歩いていた。
すると、駅近くの繁華街で車道の反対側をU課長が女性と腕を組みながら向かってくるのが視界に入った。
U課長は結婚してるし、高校生と中学生の子供がいたはず… 社内不倫。
そうか、2人が同じようなタイミングで定時退社するのはデートのためだったのね。
お互い気付かずに素通りすればよかったものの、よりによって目が合ってしまった。
目線をそらし、慌てて腕を解く2人。
俺は何も見てないフリをして歩みを止めず逃げるように歩き続けた。
翌日、3人は何事もなかったかのように仕事をするが、課内では誰も言葉を発さなかった。
俺は急にこの会社がアホらしく思えてきて、試用期間が終わると同時に辞める決心をした。
それから数日後、辞めると伝えた。U課長は焦ったのか、体質の関係でまったく飲めない俺を飲みに連れ回した。
「いけないとは思いつつ、部下の女性を愛してしまった。数年間、2人だけで頑張ってきたんだ。そういう関係にもなる」
「Mがトラブルになった相手から助けたかった。新人の君には初っ端から辛い思いをさせてしまった」
「新人が入ればMと過ごせる時間が増えると勘違いした。その結果、君に過大な業務を任せることになってしまった」
「20年近くも一緒にいると、女房をオンナとして見れないんだよ。向こうも私をオトコとして見れくれない。だが、まだ私はオトコでいたい」
こうして、初プロジェクトを担当させられた経緯や、部下との不倫関係、家庭不和などを告白された。
最後に、
「君が辞めるのは構わない。辞めた後には君はうちの会社とは赤の他人になるが、私やMは残る。だから、この話は社内の誰にも口外しないで欲しい」
とハイボールを片手に訴えてきた。
「あぁ、そうですか。じゃ、辞めるのを手伝ってください」
と俺は返し、ウーロン茶を飲み干した。
でも、雇用契約書がなかったくせに、退職に関する書類だけは書かされた。
また、詳しい退職理由を社内でペラペラと話されると困るのか、U課長は書類作成を理由に俺を定時まで役員室に軟禁した。
今はニートをしながら「必ず支給する」と約束されたはずの6ヶ月分の定期券代が振り込まれるのを待っている。
本当は年末までに入る予定だったんだけどな。
年が明けてからメールしてもシカトされているので7割がた諦めている。
労基署とかに行く労力すらもったいない。手切れ金みたいなもんだ。
というか私の血縁が超がつくクールでなんかずっと偶然電車に乗り合わせた他人のような感覚なのね
一緒の場所にいるからお互い過ごしやすくなる努力はするけど死ぬほど馬が合うわけではない
だってさ血縁は自分で選んだものじゃなくて神様が選んだものじゃない?(そういう言い方は正しいかわからないけど)
哀しいこと 楽しいこと 許せないこと 全部一緒
牛乳とかトイレットペーパーとか会社帰りにそれぞれが買ってきて二つになったりとかしょっちゅう
そういう人だから一緒にいたいしダントツで大事に必然的になるでしょ?
逆にそうでもなきゃ一緒にいないで離婚するものだって思ってるので
50年一緒にいてソレ? まじかー、昔の人は大変だなーって思ってるって話
俺氏関東郊外在住。家は中古戸建で庭はない。車はMサイズミニバン。子供は2人。妻は専業主婦。富裕層ではないがお金に困るというほどでもない。
なんていうか、絵に描いたような普通。
この中で既婚者は6人。約67%。
子持ちは同じく6人。
かつ自分もしくは伴侶の収入が安定しているのが5人。約56%。
主人公は真面目が取り柄の50歳ぐらいのシングルファーザー。娘が大学受験を控える中、勤めてた会社が倒産して途方に暮れていたところにたまたま高収入の求人を発見。
なんの仕事かよく分からないまま面接に行くと着いたのは風俗街の雑居ビル。VR風俗の風俗嬢募集の求人だったのだ。どうせ客はずっとゴーグルとヘッドホンを付けたままだからオナホで手コキしてる分にはバレないという理由で即採用。
真面目でひとつのことを突き詰める性分ゆえ、VRで流れる映像を研究し尽くし、映像と完全にシンクロしたサービスでたちまち人気No.1になった。おっさんの仕事と亡き妻、愛する娘に対する直向きな姿勢は、家族との確執を抱えていた女子大生の嬢、夫との不和を抱えていた人妻の嬢、どんな仕事にもやりがいを感じられずにいたOLの嬢にも伝わり、それぞれが抱えていた問題も解決(解決にそれぞれ1話割く)、仕事にやる気を出すようになり店も大人気店に。
おっさんのサービスは雑誌にも紹介され、素顔が謎の風俗嬢としてますます人気者に。その人気は高校生の間でも噂になり、とうとう娘のクラスメイトの男子高校生(おっさんと面識あり)が来店してしまう。
ゴーグルのせいでクラスメイトだと気づかずいつものサービスを提供するおっさん。こんなサービスができる女の子はさぞかしかわいいに違いないと隙をついてゴーグルを外してしまう高校生。おっさんを見て高校生は着の身着のまま逃げ帰り、翌日学校で周りに言いふらし、娘は学校中の笑い者に。
帰宅後、そんな仕事をさせてまで大学なんて行きたくないと父親を責める娘。しかし、高卒のおっさんにとって娘が大学に行ってくれることが夢であり亡き妻との約束だったこと、そして職業に貴賤はなく今の仕事に誇りを持っていることを懸命に説く。
そこに、おっさんが出勤してこないことを心配した店長が家までやってきた。状況を把握した店長は、おっさんの仕事に対するプロ意識、また、娘のことをどれだけ大切に思っているか、おっさんのおかげで自分を含めた周りの人達がいかに変わったかを話す。
おっさんはいま社会に必要とされてる立派な社会人だということに気づいた娘はやっぱり大学に進学することをおっさんに伝える。
正体がバレてしまったおっさんはもう嬢としては働けなくなったが、充実した嬢の教育マニュアルを作成し店長とともに店舗拡大、風俗業界でそこそこの成功をおさめ、そこに大学でマネジメントを専攻した娘が加わって従業員にも優しい風俗店として時代を築いていくドラマ。
ひとえに昭和天皇の意思表示の無さ、昭和天皇の求心力の無さにある。
昭和天皇は議会政治を過信して自らの意思表示を殆どしなかった。
皇帝の力は絶対的であることを前提として、皇帝自らが自らを律するための法律として作られている。
明治天皇はこのことを熟知していた。
それが故に明治天皇は強権的に振る舞い、積極的に政治に干渉し、強い皇帝としての威厳を保ち続けた。
大正デモクラシーは日帝憲法を無理矢理民主主義的に解釈しようとする運動である。
欽定憲法と民定憲法とではその根本において致命的な差異がある。
だがそれは出来なかった。
そればかりか大正デモクラシーは日本に致命的な問題を残していくことになったのだ。
大正デモクラシーの結果を受けた昭和天皇は明治天皇のような専制的な君主ではなく、
議会政治に根ざした共和的な政治を目指すようになってしまった。
その結果、民衆と君主の共通認識を背景に憲政の常道と呼ばれる擬似議会政治が成立することになった。
民衆と天皇の流れに取り残された日帝憲法は大きな問題を孕む事となった。
そのため議会、行政、立法、軍事、それぞれの権力は全て皇帝が直接掌握しなくてはいけない。
にもかかわらず、議会中心の政治体制を国民は支持し、天皇はそれに従った。
結果、議会、行政、立法、軍事、全ての権力をまとめることが出来る人間が居なくなり、統率が崩れ、第二次世界大戦へ突入していく事となったのだ。
昭和天皇の問題は最高権力者の地位にいながら民定憲法の制定を推進しなかった点、もしくは専制的に振る舞い権力を掌握しなかった点にある。
つまり、民主的にも専制的にもなれず半端な位置に立ってしまった昭和天皇に最大の責任があるといえる。
この原因は外的要因ではないと思う。
私はそう考える。
昭和天皇がもし民意を無視して専制的にふるまったとしてもクーデターが起こる確率が増えるだけだ。
しかし、実際には変えることが出来た。
認知症の祖母が両親と同居している。祖母は1年ほど前に認知症の診断を受けた。その後症状はどんどん悪化して典型的な認知症の行動、思考をとっていると思う。けれど身体的不自由はあまりなく、特養入居に必要な?要介護3の認定は受けられないでいる。祖母の貯金は大してあるわけでもなく、両親・私の金銭的余裕もない。だから民間の老人ホームに入居させられるだけの余裕もない。祖母も老人ホームといえば姥捨山だ、という昔ながらの考えが捨てられず入居には難色を示している。
祖母は自分が認知症だということはわかっているらしいが、自分のとっている行動の何が問題なのか、その行動が同居している両親・離れて住みながらよく実家に帰ってくる私にどれだけストレスを与えているのかということは認識できないらしい。私たち接する側が認知症だということを受け止めて、優しく接することが出来れば何も問題はない。でも日に日にストレスは溜まっていき、祖母に対する口調も激しくなっていく。家庭内でも疲労の空気が濃くなって、雰囲気が悪くなっていく。祖母は翌日には問題を起こしたことも、それで注意されて怒られたことも覚えておらず、それに対してまたストレスが蓄積される。
金銭に余裕がある家庭、認知症になる前に老人ホームへの入居を本人が希望・容認している家庭が羨ましい。このような家庭内の不和を生み出しているのは祖母・両親・私が互いに家族に対して向き合ってこなかった結果なのかと思ってしまう。それぞれが自分の意見を言い合って、押し付けて、それで終わり。皆なんとかしなきゃと思っているのだろうけど行動をとるのが面倒くさい。私自身も自分は孫だから祖母に対する最終的決定に口出しする権利はない、という理由をつけてこの問題から逃げている。本当は強引にでも入居手続きを進めるべきなのだろう。でもできない。
いっそ祖母が亡くなってくれれば、両親は祖母についてのストレスが無くなるし、私も気兼ねなく実家に帰省できる。見たところ祖母だって自分の状態、自分の子供と嫁の対応に混乱していてるが伺える。別に自殺してほしいわけじゃない。ただ脳や体、社会に適応するのに限界を迎えるほど長生きするのは本人にも周りにも酷だと思う。そうなる前に病気やら事故やらで亡くなってくれたほうがいいと思ってしまう。
でも、見てない人というか、本編見ずに外から見た限りでは「今時単なるホラーか…」と思われてんだろうな…というか自分も見る前はそうだったし…。
しかしまあ、予想外というか予想通りにというか、全然そんなよくある感じの凡百ホラー映画では全くなかったので、今回ここでその真の魅力が伝わるように、興奮冷めやらぬ内に感想を書き殴らせてください。
あと、そのためにここからまあまあガンガン本編のネタバレも盛り込んでいかざるを得ないんですけども、まあネタバレされて面白さが減るという映画でもないと個人的には思いますし、この映画をネタバレなしで見たいと思うような人ならとっくの昔に自分の意志で見に行っているだろうとも思いますし、大体の二の足踏んでるか興味がない人にはがっつりネタバレしないとこの映画の一番興味を持ってもらえるだろう部分が伝えられないと思うので、そこら辺御了承の上で以下から読んでください。
まずなんでしょうねこの映画、ジャンル分けするとしたら単なる「ホラー映画」というよりも「スタイリッシュ&ハードボイルドホラーアクション」です。
でも、スタイリッシュ&ハードボイルドホラーなのはマジです。ガチです。
そうジャンル分けした理由を説明するためにも、とりあえず簡単なあらすじなんかと共にこの映画の面白い部分を紹介していきたいと思います。
でもなー、ぶっちゃけ序盤かなりつまんない…とまでは言わないんですけど、ペース遅くてキツいんですよねこの映画……。
とにかくまあ、ざっくり説明すると、とある新婚かつ二歳の娘を持つごく普通の家庭が不可解な怪異によって崩壊していくのがまず第一部なんですが。
このパートで描かれる「ごく普通の人生」というものの生々しさがもう凄いんです。すっごいキツい。
まず妻夫木聡演じる「今時のSNSによくいる感じの男」が本当にキツい。
極々普通のどこにでもあるような田舎のそこそこいい家に生まれて、ただただ一般的かつ真っ当な人生を歩んできて、そこそこいい会社に入り、そこそこの女とまともな結婚をしてまともに子供も出来てまともな家庭を築くという、本当にこれこそ日本の中央値みたいな人生をまあ恐ろしい程の生々しさで描いてくる。
これは多分人によっては描写の嫌なリアルさとかも含めて相当キツいし退屈だと思います。
実際自分も序盤20分ほどこれを見せられている時はチラッと帰ろうかなという思考が過ぎった程に生々しいつらさがありました。
しかし安心してください。最終的にこの異様な程の怪演っぷりを見せるSNSによくいる男こと妻夫木聡はこの先もうホント無惨に死にますから。
というよりも、こういう家庭が徐々に忍び寄る怪異によって崩壊していく辺りもそれはそれで面白かったりもするんですよ。
まあとにかくそんな感じで、徐々に周囲に不可解な現象が増え、家庭内に不和や異常が発生し始めたことで初めて妻夫木は他人に助けを求めます。
そこで友人に紹介されて出てくるのはやたらアウトローな雰囲気を漂わせるフリーライターの岡田准一と、明らかメンヘラビッチスタイルなキャバ嬢兼霊媒師の小松菜奈。
まずここで結構勘のいい人なら「ん?」となるかと思います。自分も完全に「ん?」となりました。
そして、ここら辺から徐々に映画本編の雰囲気も変わり始めます。
しかし、残念なことにこのかなり惹かれる感じの雰囲気を漂わせるキャバ嬢霊媒師は、見た目と設定に反して完全な雑魚なので怪異を祓いきれずに更に別の助けを求めることとなります。
そして次に出てくるのが片目が潰れ、ホームレス一歩手前みたいな雰囲気を漂わせる元テレビタレント的な霊媒師でもあった柴田理恵。
この人も相当怪演で、というかこの映画出てくる人達全員マジで演技が凄いんですけども、その中でもトップスリーに入るくらいヤバい柴田理恵です。
そんな只者ではない雰囲気を漂わせる柴田理恵とその辺の中華定食屋で対策を話し合おうとするんですが、何とそこにいきなり姿の見えない怪異がやってくる。
そして公衆の面前でいきなり片腕を斬り飛ばされる柴田理恵。こちらの想定以上に相手はヤバいヤツでした。
「マジ!?」といきなりの急展開についていけない我々を尻目に映画は急にアクセルを吹かして猛加速を始めます。
実家である新築マンションに残してきた家族が危ない。家族を守るために妻夫木は家に戻って怪異に立ち向かおうとしますが、アッサリと返り討ち。
結構なレベルの悲惨な殺されっぷりを晒してしまったところで第一部は終了します。
そして映画はここから第二部へ。そこまでの急加速からしばしスローダウンして残された妻夫木の妻子の陰鬱なシングルマザー生活が始まります。
時もあれから一年後へと移っているのですが、事件はまだ解決はしていませんでした。
まあ一部と同じくやたら生々しいシングルマザーの生きづらさ描写を挟みつつも、怪異の影響を未だに気にしている岡田准一とキャバ嬢霊媒師が何とか彼女達を支えようと頑張ります。
頑張りますが、やはり彼らの手に負えるようなレベルではなく、父親の次は娘を狙う怪異にキャバ嬢霊媒師は撃退されて重傷。
そして母親も無惨に殺され、娘は怪異に連れ去られてしまいます。
何も出来なかった岡田准一は何とかキャバ嬢を助け出して第二部終了です。
そして映画は最終部、かつここからが真の本編と言って過言ではない部分へと突入していきます。
一部の妻夫木、二部の母を経て、ここから主人公はアウトローなフリーライターこと岡田准一へと移ってきます。
というか、スタッフロールの順番的にも岡田准一は最初から普通に主人公のはずなのですが、初登場がとにかくスルッと怪しい脇役のような体で入ってくるのでここに至るまで全然主人公だとは思っていませんでした。
そんな、キャバ嬢霊媒師を助け出して病院で付き添う岡田准一の前に、突如キャバ嬢霊媒師の姉を名乗る黒ずくめかつ黒髪ストレートの怪しい女が現れます。
この女こそが! この映画の面白い部分がギュッと凝縮されて塊になったような存在こと超凄腕霊媒師の松たか子なのです!
そしてこの明らかに圧倒的な強者の雰囲気を漂わせまくる松たか子の登場を発端に、映画本編も完全にスタイリッシュ&ハードボイルドホラーへとギアを入れ替えます。
そう、もうこれが言いたいというか、これだけが言いたくて、紹介したくてこれを書いていると言っていいくらいにとにかくもうこの凄腕霊媒師松たか子がメチャクチャカッコいいんですよ!!
それに映画本編もここからずっともう松たか子がカッコいいだけの描写をひたすら繰り返していくんですよ。
もうとにかく例を挙げればキリがない。
まず黒ずくめにコートを着て黒髪ストレートでサングラスをかけ、それを外した左眼には引き攣れたような傷のある、病人のような白い肌の松たか子。この時点でもうキャラデザが120点。
その松たか子が終始抑揚のない喋り方をしつつ、とにかく煙草を吸う、吸う、吸いまくる!
そしてこの松たか子が宇宙一かっこよく病院の食堂でラーメンを啜る!
底知れぬ権力との繋がりを匂わせつつ怪異との対決の準備を進める!
そして病院の待合フロアで松たか子がスマホでKOFをプレイしつつ岡田准一の買ってきた缶ビールをグビグビ飲む!
松たか子の招集で怪異との対決のために日本全国から霊能者が呼び寄せられる!
そんな中でかなりの実力者である雰囲気を纏っていた沖縄の巫女集団ババアいきなり全滅!
相手が相当の強敵であることを認めて身を引き締め、散らばって現場を目指す霊能者達!
かつて片腕を奪われながらも、再び怪異との対決に臨む柴田理恵!
松たか子の指示で原因となったマンションの前にセッティングされる大がかりな神楽殿と祭壇!
科学分析班なども加えて、まるで双亡亭壊すべしのような雰囲気を漂わせながら松たか子率いる霊能者集団と怪異との対決が遂に始まる――!
とまあ、映画本編のあらすじの紹介は一応ここまでとしておきましょう。
勿論この後もあまりにもキレが良すぎる松たか子チョッピングライトや松たか子タックルなど見所を挙げればキリがないのですが、そこら辺は実際に見ることで映画の結末と共に確認していただければと思います。
さて、これらの語り口の熱量の差からもうおわかりいただているかと思いますが、この映画はそんな風にもうとにかくスタリッシュかつハードボイルドな松たか子を堪能する映画なんですよ。
でも、一番の魅力であり見所は何なのかと言われたらやっぱりもう完全に松たか子なんですよ。
もうそれくらい本当にカッコいいんですよこの松たか子。こんなもん、反則ですよ。
こんなんオタクならみんな好きになって当たり前みたいな要素だけで作られてるんですよこの松たか子。
自分がもしオタクな女子中学生だったらこの映画見た明日からもうこの松たか子の真似をして生きるだろうと思ってしまうくらい罪深いほどのスタイリッシュさなんですよ。
あと片腕を失いつつも戦場へ戻ってきた柴田理恵。そしてキャバ嬢霊媒師こと小松菜奈。あと岡田准一。
とにかくそんなバッキバキに立ったメインキャラクター達がただただ素晴らしい。それだけで見て後悔はない程の味がある。
そしてそれを支えるバキッとした画作りみたいなのも凄いんですよねこの映画。
マンションの前に大がかりな工事で築かれるお祓い専用簡易神社とか、カプセルホテルでスタンバる神主達とか。
とにかく色々なシーンが独特のスタイリッシュさを醸しつつキマっている。
そこら辺もかなり刺さる人にはグッサリと刺さるだろうくらいにいい画がたくさんあります。
ストーリーも、同じようにメインのキャラ立ちで惹きつけるものがありつつも若干のギャグっぽさがあった貞伽椰に対して、終始シリアスかつカッチリしてるのでよりメインである霊媒師達のカッコよさみたいなのが際立っていて良かったかなとも思います。
まあ、そんな感じで、とにかく実はキャラ映画なんですよね、『来る』。
どこにでもよくある家族が怪異に巻き込まれて恐怖するような映画ではなくて、しっかりとした魅力的なキャラクターの活躍が面白い映画なんです。
夜も眠れない程のホラーというわけでもなく、基本的に強いヤツらが強い怪異とガチンコで戦う映画なんですよ。
映像的にもビックリ方面のギミックは少なくて、そこら辺苦手な人にも安心かと思いますし。
だから、是非ともこれまでに書いてきたキャラクター達のどれか一人でも、というか殆ど松たか子と柴田理恵のことしか書いてないですが、それが刺さったならば是非とも映画館へ見に行ってください。
そこに惹かれたならば絶対に後悔はしないと思いますので。ええもう、絶対に。
そして、何とか興行的にいい成績を残させて、続編が作れるようにしてください!
いやもう、絶対勿体ないですもんこの松たか子をここで終わらせちゃうの。もっと見ていたいんですよ、このキャラクター達。
是非ともまあ、そんな感じで『来る』をお願いします。
ゾンビランドサガ10話が放映されました。twitterで検索すると色々な意見が見えてきて面白いですね。多様な意見があるということはそれだけ視聴者層が広いということなので、単に賛否両論だから悪いという話にはならないと思います。
個人的な感想になりますが、10話は他の話と比べると切れ味が鈍いなあと感じました。いや、11話が気になるという意味で引きは良かったんですけど、そこに至るまでのシナリオが雑然としているように思いました。「10話は脚本家が3話と同じだからイマイチなのではないか」という意見もちょいちょい見かけました。
そもそもゾンビランドサガは(10話時点では)脚本家2人が二人存在します。一人はシリーズ構成も担当している村越繁氏で、1、2、4、6、7、8話を担当しています。もう一人のますもとたくや氏は3、5、9、そして今回の10話を主筆されています。
感想を見ると、村越氏の担当回は概ね評価が高く、ますもと氏は賛否両論という感じです。ますもと氏担当回でも、5話のように高評価の回もありますし、個人的にサキ回の9話も好きなのですが、やはり村越氏と比較すると視聴後のインパクトがパワーダウンしているなあと感じてしまいます。
で、ここからが本題ですが、この二人の脚本家の違いは「ゾンビィのアイドルもの」を書いているが、「ゾンビがアイドルやってるのか」という違いに起因すると思います。「前置き長いし意味わからんわ。ぶっ殺すぞ?」という方ももう少しお付き合いください。
村越氏の担当回は「ゾンビィがアイドルやったらこういうことが出来る。こういう問題が生じる」という着眼点で作られている気がします。2話は「もう死んでますけどね」といった諦めムードな仲間たちをブチギレラップで奮起させる回。6〜7話はアイドルの見解の相違で生じた不和を解消しつつ、落雷のトラウマを仲間と一緒に克服する回。8話は有名になったことで親族が会いにきたけど素性を明かせないジレンマがある・・・といった回です。こうして並べると、現代社会でゾンビィ達がアイドル活動することの問題点を挙げる→シリアスとギャグを交えて解決する、といった流れが根底にあることが分かります。
個人的に8話で好きな台詞があって、リリィがまさおと判明した後にさくらが「リリィちゃんはリリィよね。ゾンビやけんね・・・」(細部間違ってるかもしれません)という台詞があります。これって身体的に成長しないことを肯定すると同時に、「死んでいるので大人になることはない」という絶対的な悲哀も感じられました。
このように、村越氏の担当回はゾンビィのアイドルもの、という主題に忠実に作られているなあという印象を受けます。
一方のますもと氏ですが、どちらかというと「アイドル属性が前面に出ていてゾンビィ属性はおまけ」という話作りに思えました。3話や10話は「素人がアイドルやるけど失敗するが、先輩が助けてくれる」「アイドルが調子にのるけど反省してチームワークを深める」という、アイドルものの定番のような話になっています。9話も不良ものテンプレ(パロディ)の側面が強いですね。もちろんゾンビィ要素もありますが、ギャグとして散りばめたり、言葉遊びでちょろっと使ったりするぐらいで、本筋に大きな影響は与えていません。
誤解の無いように書くと、こういったテンプレ展開が手抜きでよくない、ということではありません。3話はあえて王道を持ってくることで「そういえばアイドルアニメだったな・・・」と視聴者に思い出させることに成功してますし、9話はキャラの性質上ああいう話の方が分かりやすかったのではないかとも思います。
しかし、筋が単純ゆえに既視感を覚える展開となり、目が肥えた視聴者には面白味がない話に思えてしまう、という点も否めないと思います。10話の大筋って最後の引き以外はゾンビィ要素抜きで成立するんですよね。Aパートは首取れたるよだれ塗れになってましたが、全体を通すとゾンビィ要素はスパイスとして振りかけるぐらいなっているなあ、と感じました。
長々と書きましたが、要するに10話は「見えてこんのじゃあ!お前らゾンビィが現世で苦悩したり楽しんだりする生き様が!」という印象です。別にゾンビカツ!とかゾンビマスターとかラブゾンビとかでも成立する話でしたね。でも見たいのはゾンビランドサガなんじゃい!
残り2話はさくらの過去に焦点が当たりどう転ぶかわからない展開になりそうですが、ゾンビィアイドルたちのサガが見えてくる話になっていたらいいなあと思いながら一週間待とうと思います。
自民党不支持、エスタブリッシュメント嫌疑、ハラスメント根絶、嫌煙、飲み会嫌い
言っていることはすべて正しいように思えるけれど正しいからこそダメだ。正しさは人を頑なにする。自由を忘れる。
ハラスメントを無視してでも人に踏み入る勇気も、タバコの煙に文学を見たあのころの記憶も、現実の矛盾を文学的に拾おうとする態度もなにもかも正しさで掬おうとすると不和を抱えることになる。自己がいなくなる。
すべてがはてな的虚構、はてなが考える人間像に設定されていく。偽化する。
駄目だ。思想形成の媒体としては5流もいいところだ。というかネットによる自己のマジョライズは根本的にダメだ。絶対に目指すべきところではない。
タイムスリップをしたり平行世界を行き来する輩が、そんなのでよく今までやってこれたな。
「あの世界線は夏時間っていうのが導入されているんだ。夏の特定の時間帯、意図的に時刻をズラしているんだよ」
「……何でそんなことを?」
「夏って太陽が照っている時間が長いだろう。だからそれに合わせて時刻設定を柔軟に変更して、仕事とかの効率化を図るんだよ」
「……何でそんなことを?」
説明をしても全く同じ返しをしてくるあたり、ガイドはかなり困惑している。
まあ俺の生きる時代でも、「そういうことをやっていた国もあった」と授業で習う程度だからな。
後世に伝わっていないのも仕方ないか。
元の世界に戻る際、ガイドは『別世界の時間』をそのまま反映させてしまっていた。
普通ならそれでも問題なかったのだが、その『別世界の時間』は『夏時間(サマータイム)』だったんだ。
夏時間のない俺たちの世界と繋いだ際にズレが生じ、時間軸が分裂しかけたってわけだ。
「タイマーを見たとき、体感よりも時間の進みが違うなあとは思っていたけど、違和感の正体はそれだったのかあ」
「寝起きの悪い人間が早く起きるために目覚まし時計をズラして設定するが、ウッカリそのことを忘れて急いで学校に来てしまったみたいな感じだな」
「その例えは分かりにくいけど、これでやっと原因は分かったよ。すぐにその時差を反映させて再設定するね」
ガイドはそう言うと、本当にすぐ設定を反映させた。
辺りに漂う、言い知れない違和感がなくなっていくのが分かる。
多種多様なドッペルも一つに集まっていく。
元に戻ったドッペルは、未だ足元がおぼつかない。
吊り橋の上で揺られすぎた後の弟みたいだ。
「……なんか変な感じ」
「分裂しかけていた世界を繋げたからね。分かれかけた世界で起きた記憶と混濁しているんだろう。まあ、直に馴染むさ」
有り得たかもしれない可能性ってものを、もっと楽しめるものだと思っていたが。
俺自身は別世界でも代わり映えせず、細かな世界の差異は不和しか引き起こさず。
これならテーマパークで遊んでいたほうが幾分かマシだったな。
「そういえば……なあ、ドッペル。お前は別世界でも、趣向こそ違えど変装はしているんだな」
マニッシュっぽくもあり、フェミニンっぽくもある、中々シャレた着こなしだった。
「変装バリエーションを増やすために、あの世界での格好も参考にしてみたらどうだ?」
予想外の答えが返ってくる。
俺の知っているドッペルの服装からして、明らかに傾向が違うんだが。
「ということは、俺と会うときはいつも変装しているってことか」
「だって……なんか恥ずかしいし」
ドッペルは人見知りが激しい性格で、それを抑えるために変装をしている。
そうすることで違う自分を装ったような気分になり、何とか他人とも接することが出来るからだとか。
そのことは知っていたが、俺が今まで見てきた姿は全て変装だったっていうのは驚きだった。
最近はかなり打ち解けてきたと思っていたんだが、どうやら気のせいだったらしい。
別世界の俺なら、もう少し上手くやれているのだろうか。
あれだけ長々とやった割に、この世界では2時間ほどしか経っていないらしい。
「今年ってサマータイム導入されたんだよな?」
「いや、一応確認してみたが、されてないっぽいぞ」
「ええ? サマータイムあったと思うんだけどなあ」
多くの人たちが、あるはずのないサマータイムを「あった」と認識していたんだ。
その他にも電気ネズミの尻尾のデザイン、お菓子のロゴにあるハイフンの皆無。
微細な記憶違いを起こす人が多くいた。
どうやら世界の再結合による弊害は、俺たち以外にも起こっていたらしい。
確か、こういう現象には名前が付いていた気がするが……思い出せないな。
……久々にSF小説でも読んでみるか。