「渇き」を含む日記 RSS

はてなキーワード: 渇きとは

2023-03-26

元増田を全力で応援する。

anond:20230324183310

元増田よ、まだ見ていたらぜひ聞いてくれ。

俺も高校卒業するまでは彼女ができなかったので、気持ちはとても分かる。恋多き少年だったし、性欲は人一倍あったし、高校生の時は家庭の事情放課後学校長居することはできなかったしで、青春時代謳歌できなかった。

いつだったかTwitterで、家庭の方針クリスマスがなかった人たちを集めてクリスマスパーティーをやった話が話題になっていたのを知っているか? 主催者もそんな家庭で育った人で、参加者には内緒サンタクロースサプライズで呼んだそうだ。サンタに扮した男性プレゼントを渡された参加者は、いい歳をした大人なのにみんな泣き始めたという。その涙はみんなの魂を洗い清めたことだろう。

子供の頃に叶えられなかった夢は、大人になっても澱のように心の底にどろりと残る。子供時代に戻ってその夢を叶えることはできなくても、疑似体験をすることでその澱を洗い流すことができると信じている。

俺の場合は、当時短大生だった彼女短大制服を着てもらってセックスをした。それ自体は単なるコスプレセックスだが、運がよかったことに、彼女コスプレセックスに興味があったようで、セーラー服を着てみたいと言う。中古セーラー服を入手し、彼女希望を叶えた。

俺が通っていた中学高校は、女子制服はブレザー、体操着ブルマだった。ブレザーやブルマスクール水着プレイに進むのに時間はかからなかった。

スクール系のコスプレセックスを通じて、心の呪縛が少しずつほどけていくのを感じた。敢えて大げさな表現をするならば、青春時代を取り戻したような、あの頃叶わなかった夢を別の形で実現したような、そんな気持ちだ。

もちろん、中高生の頃に欲しかった女の子代用品として彼女を利用しているのではない。元増田には分かってもらえると信じている。

子供の頃にクリスマスを祝ってもらえなかった人にとってのサンタクロースや、私にとってのスクールコスプレセックスは、当時手に入れたかったものとは違う。違うけれど、過去の渇望はその後の人生において別の形で補填することができる。元増田にとっては、奥さん制服を着てもらうことで魂の渇きを癒やせるはずだ。

ただ、多くの人が助言してくれているように、いきなり制服姿で青空の下に出るのはハードルが高い。まずは寝室やホテル制服を着てもらってイチャイチャするところから始めることをおすすめする。初回はセックスまでいかなくてもいい。むしろそのほうが高校生らしくていいかもしれない。

外で制服デートをするのなら、最初は自宅から離れた場所、できれば別の県へ旅に出て、非日常空間で実行してみてほしい。テーマパーク遊園地もいいだろうし、あまり人が多くない地方都市を歩くのもいいと思う。

奥さんが協力的になってくれることを、心から祈っている。

ちなみに俺とスクールコスプレセックスをしてくれた当時の彼女は、今の妻である。妻は増田夫妻より何歳か年上で、私は妻より10歳上。今でもスクールコスプレセックスを楽しんでいる。いい歳して気持ち悪い、って? 他人セックス基本的気持ち悪いものだ。人のセックスを笑うな

増田夫妻も、外野批判なぞ気にせず、自分たちが楽しめることを最優先に考えてほしい。全力で応援している。

2023-03-22

[] そのろっぴゃくきゅう

ガンーッス

 

本日世界水の日日本においては放送記念日さくらねこの日となっております

 

いやーWBCで一位とかすごいですね、活躍する選手の大体が自分より年下か同世代かの時代になってきたので嫉妬というか『コイツらすげえなぁ』という気持ちでいっぱいですね。

とはいえあんなにすごい彼等でも運動をしたら汗をかきますし喉も渇きます

日本も少しずつ暖かくなってきたので、暑さで汗をかくこともあるでしょう。

何が言いたいかはわかりますね?

 

ということで本日は【水分補給いか】でいきたいと思います

水分補給いか!水分補給ヨシ!

 

それでは今日も一日、ご安全に!

2023-03-18

飲尿療法

どう考えても体に不要な老廃物を体外に排出するのが尿なのに、それを飲んで健康になるはずがございませんわ。

思うにこれも世界公正仮説の一環ですわね。無意識のうちに、これほど辛いことをしたのだから健康になって然るべきと言うバイアスがかかると言うわけですわ。

それにしても喉が渇きましたわね。セバスチャンセバスチャン!尿を!

2023-02-27

anond:20230227120949

砂漠のど真ん中でのどの渇きを覚えるような、そんな感覚が一生続くんだよね。

女への渇望。

そりゃ痴漢したりレイプしてしまう男がでてくるわけだよ。

2023-02-11

人並みでいい。普通でいい。平凡でいい。

嘘。全部欲しい。特別でありたい。意味があると思いたい。餓えと渇きを忘れたフリはしたくない。

肥大する自意識を抑えて生活を送りながらも、焦燥を絶やしたくない。

2022-12-28

コロナ変異株は黒皮病

天津在住の男性は、新型コロナにかかった後、舌と歯がいずれも黒くなった。歯の隙間からも黒い跡が発見された。

この男性は「全身が痛くて寒気を感じる」とも訴えた。

中国SNSソーシャルネットワーキングサービス)の微博ウェイボー)には安徽省在住の女性動画が公開された。

この女性は新型コロナ陽性判定を受けた後、高熱、喉の渇き嘔吐下痢の症状を見せた。陽性診断から4日目になると、急激に痩せて唇と顔の皮膚が剥がれ、顔が真っ黒になった。

メディアは「このような症状が相次いで発見されたことを受け、中国ネットユーザーの間で『オミクロン株が中国拡散する過程で新たな変異株が出現した』という憂慮が提起されている」と伝えた。

2022-12-15

anond:20221215173956

渇きで苦しんでいる人に対して

渇きを癒やしてもあがりじゃない、次は空腹地獄が始まるぞ」

と言って水をあげるのを拒む人

2022-11-20

子供マスクかわいそうとか言ってる人いるけれど、

マスクはむしろ化粧しなくていいとか髭剃らなくていいとか美人度上がるとか口臭防止とかメリットもいっぱいあるから

↓こういう同調圧力のほうがはるか過酷だよ。この人は同調たかった側だが。

JKiPhoneとかもね。

でもマスクかわいそうの人は本当に過酷なこっち方面は興味ないよね。

小学生時代、僕だけがポケモンを持ってなかった。大人になった今も、その渇きは潤わない。

https://togetter.com/li/1975486

小学生時代、僕だけがポケモンを持ってなかった。大人になった今も、その渇きは潤わない。」

https://togetter.com/li/1975486

自分子供時代昭和ポケモンなかったけど、当時親からテレビ漫画アニメをみるとバカになるって教育されてた子供は、今でも「あんなもんくだらない」って思ってる連中のほうが多そう。

小学生時代、僕だけがポケモンを持ってなかった。大人になった今も、その渇きは潤わない。

夏休み、パパが東京ミュウの配布会連れてってくれるって!」「いいな!てかポケモン青、いつ届くんだろ」チャイムの音と共に騒がしくなる教室で、目を輝かせる友人達小学校話題の中心はいつもポケモンだった。僕は一人、いつも下を向いていた。ウチにはゲームボーイも、スーファミもなかった。

ファミコンは目が悪くなるから」。僕と弟がゲームをねだるたび、母は困った顔をして、でも決して折れなかった。図鑑世界名作全集、蟻の観察セット。サンタさんは毎年、僕のリクエスト無視して高島屋の包装に包まれた立派なプレゼントをくれた。嬉しくないのに、喜んだふりをするのが辛かった。

銀行員の父が毎晩遅くまで働く中、短大卒で専業主婦の母は気負っていた。お菓子手作りで、床にはチリ一つなく、洗濯はいつも綺麗に畳まれていた。彼女の信じる理想の子育てとはつまり公文スイミングピアノのローテーションであり、ゲームボーイみたいな退廃的な娯楽が入り込む余地はなかった。

大人にとっての理想の息子は、子供世界では異物でしかない。ポケモン話題についていけない僕を待っていた疎外感。クロールタイムが早くても、小学生因数分解を解けても、誰も僕に関心を持ってくれなかった。みんな、放課後通信ケーブルを持ってる田中君の家に集まり通信対戦に夢中だった。

ドラクエFFクロノトリガーも、テレビ友達プレー画面を見てるだけで我慢できた。でも、ポケモンは違った。ゲームボーイの画面は小さく、見ようとすると「近いんだけど」と邪険に扱われた。通信対戦で盛り上がる友人達そばで一人、本棚の古いコロコロを読んでた。涙をこらえるのに必死だった。

お小遣いを貯めて、ポケモン攻略本を買った。隅から隅までボロボロになるまで読み込んだ。技マシンの番号と技名を全部覚えた。全ポケモン進化パターンもそらんじた。でも、そこには僕が動かせるピカチュウミュウツーもいない。むしろ虚しくなるだけだと気づくのに、そう時間はかからなかった。

大人になった今だから分かる。健全な物に囲まれ、誘惑に負けることなく健やかに育って欲しいという母の想いは世間では愛と呼ばれるものだ。僕が社学とはいえ早稲田を出て、それなりの企業に勤めているのは母の愛のおかげだ。でも、幼少期に満たされなかった想いは、渇きは、今もまだ確かに残っている。

「うわ、バイオレットだ!やったー!パパ、ありがとう!」朝、リビングAmazonの箱を開けて大はしゃぎの息子。「誕生日でもクリスマスでもないのに。まだSAPIX宿題も終わってないのよ」としかめっ面の妻。これは息子のためでなく、僕の傷を癒すための儀式なんだと言っても理解して貰えないだろう。

「そういやα1のケンタ君、家にSwitchないんだよ。ママが厳しいんだって可哀想だよね」息子の何気ない一言に、動悸が早まる。子供世界共通言語を持たず、母親監視の下で偏差値を上げるためデイリーサピックスを黙々と解く小学生男子。顔も知らないケンタ君の日常を思うと、胸が締め付けられる。

深夜、家族が寝静まったタワマン低層階のリビングで1人、Switchの電源を入れる。ニャオハがマスカーニャまで進化しても、チャンピオンロードオモダカを倒しても、驚きや喜びを共有できる友人はどこにもいない。プレミアムモルツ一口飲む。僕が本当に欲しかったものは、もう二度と手に入らない(完

タワマン海藻とか早稲田社岳とか・・・

ネタちりばめすぎて創作だってわかってしまう好例やん・・・

嫌いじゃないけど・・・

2022-11-11

anond:20221110234844

「捨てられた子猫」なら、

動物病院とか捨て猫カフェにいけば巡り合える。それも優良な飼い主を待っているのがより取り見取りだ。

飼い主審査的な綱もついているので、紹介するこちらも一安心

 

野良ネコの子で、親とはぐれて再会の目がないあるいは親離れを失敗して(一定数いる)死ぬ寸前」なら

拾うポイントは「音」だ。

住宅街から繁華街までどこでもいいので、隙間だ。猫は人の目を避けているから、隙間にいる。

とうぜん子猫もそのあたりにいる。

親とはぐれた子猫必死に親を鳴いて呼ぶ。

あるいは独り立ちに失敗して渇きと飢えで死にしそうな子猫も親を呼ぶ声で鳴いていることが多い。

(独り立ちに失敗といっても母猫によっては生後6、7週齢でもう放り出す個体もある。「子猫 6週齢」で画像検索してみ。もう思い描く子猫ちゃんまんまだから。これで親離れって土台無理でしょって年齢だから。)

 

このかぼそく、聞き取りづらい鳴き声を聞きとれるかどうかで落ちている子猫を高確率で拾える。

このやり方で私は小中学校のころから数年に一度の頻度で子猫を拾い続けている。

特に早朝と夕方がねらい目。もともと猫は薄明薄暮性の生き物で活発になる時間帯なのと、

活動する時間帯なのに空腹=母猫が帰ってこない不安から子猫が長く鳴く。

特に早朝は高音が伝わりやすく、人が活動していない時間帯なので聞き取りやすい。

 

いま飼っている2匹のうち、一匹目は朝4時に鳴き声で目が覚め、朝6時過ぎても鳴いているので見に行ったら100mほど先にまだ目が開いていないのが落ちてて拾った。

目が見えないくせに、拾い上げたときに、こちらの手のぬくもりにうれしそうにみゃあみゃあ挨拶はじめたときのことは一生忘れない。

 

なおこの子猫の特有の声は、高齢になったり、男だったりすると気づきにくいらしい。

2022-11-07

虹(ニジ)と、ヘビと、ウナギの話

 この文を書いている今日、所用で外出した先で雨に遭い、それが止むのを夕方まで待ち、さて自転車で自宅に帰ろうとした道すがら、空に虹(にじ)を見た。

 今日の外出先から自宅へと向かおうとすると、ちょうど西から東へ進行する形になる。東の空へと流れ去る黒い雨雲を背景に、色の濃く鮮やかなもの、色が淡いもの、二本の虹が綺麗な弧を描いていた。

 その時、私が通行していた自転車道兼遊歩道には、他に散歩ランニングをしている人たちもいたのだが、彼らも私と同じように、虹に見とれたり、スマホ画像を撮ったりしていた。中には「二本の虹なんか初めて見た!」と驚いている人たちも少なからず見られた。虹が二本出ることを知らない人もいるのかと、むしろそれに私は驚いたのだが、のんびりと空を見上げる余裕を持つことがあまり許されない現代人には、仕方が無いことなのかもしれない。綺麗な虹を見たという新鮮な感動が機会となって、彼らが空の気象天体に関心を持ってくれたら嬉しい。

 ところで、二本の虹が出ることを知らないということは、おそらく彼らは二本の虹の名前も知らないのであろう。しかし、虹が二本出ることを知っている人でも、案外その名まで知っている方は少数派ではなかろうか。こんなことを言うと「虹は虹でしょ?区別とかあるの?」と思われるかもしれないが、漢字による呼称区別がある。

 漢字の原型は、殷代の甲骨文字に見ることができるが、その中には既に、虹を表した象形文字を見出すことができる。それは、弓形の弧を描く二本線で描かれており、弧線の両端には口を開いて下を向く頭を持ち、しかも角らしき突起まで見られる。

 甲骨文字占いに関する記録を遺したものであることから卜辞(ボクジ)とも呼ばれ、古くから中国人自身による研究が行われていた。その一つに郭沫若(かく・まつじゃく)の著した『卜辞通纂考釈』があるが、この中で「一つ出た虹を『虹(コウ)』、二つ出た虹を『霓(ゲイ)』と称したものであろう」という説が述べられている。ただし、現在漢和辞典を引けば、『虹(コウ)』が雄で『霓(ゲイ)』が雌とも記されていて、郭沫若の説とはやや異なる。二本の虹の濃い方を『虹』、淡い方を『霓』として雌雄ペアと見るのが後代の見方である。いずれにしても、卜占の亀甲や肩甲骨に刻まれるような神秘的・神話存在として、虹・霓は古代中国人の心を捉えていた。

 残念ながら、私のデバイス文字変換では『霓』の文字しか出てこないのだが、本来は『虫』偏に『兒』旁で、ちゃんと『虹』とペアになるのに相応しい形をした文字である。それが現在、雨冠の字形が主流となっているのは、科学的な物の見方をするようになった近・現代人が、この漢字には神話的・呪術的な役割ではなく、気象用語という科学的な役割を担わせるようになったことの反映であろう。

 虫偏の字であることからも判るとおり『虹(コウ)・霓(ゲイ)』のことを、昔の人々は、広い意味での『蟲(むし)』の類いと考え、すなわち「ヘビ」の一つと見做していた。これは日本でも同じことで、マムシやフクムシなど「ムシ」呼び名がヘビには用いられている。『フクムシ(福虫)』というのは、これは穀倉を荒らすネズミなどの害獣を捕食してくれる益獣だからである。『マムシ(真虫)』の真(ま)は、オオカミに冠した神名大口真神(おほくちのまかみ)』における真(ま)と同じく、強く猛々しい神の名を軽々しく直接的に呼ばないようにするための、一種忌み名としての尊敬接頭語であろう。

 『虹(コウ)・霓(ゲイ)』は、両端に頭を持つ怪蛇であるから「それではヘビじゃなくて、むしろ龍とかの仲間ではないか」と言われるであろう。しかし、昔の人々にとっては、家屋の周辺や田畑などで身近に見かける普通のヘビですら、神秘的な存在だったのである。昔の人々にとって、龍(りゅう)/蛟(みずち)etc.普通のヘビとの間の境界は、我々現代人が考えるよりも遥かに曖昧であったと言ってもいい。足を持たない、もしくは四脚が有っても小さくて目立たない、細長いクネクネとした身体動物のことを、一纏めの仲間として昔の人々は捉えていたと考えられる。このことを少し頭の片隅に置いてから、以下を読み進めてもらいたい。

 「それにしても、虹がヘビだなんて、昔の中国の人たちは面白いことを考えていたものだなあ」と思われるかもしれない。しかし、実は「虹(にじ)=天の蛇」という考え方は、近代化する以前の社会では、地球レベルで広く見られた/見られるものである。そして、それは日本例外ではない。そもそも日本語の名称『ニジ』そのものが『ヘビ』を意味していたとも考えられている。

 日本における「『天の蛇』としての虹」の話に関しては、ロシア人言語学者ニコライ・ネフスキーによる有名な研究をはじめとして、多数の調査研究が為されている。それらから、思いつくままに事例を紹介していこう。

 例えば、琉球諸島宮古島では虹を『ティンパウ』と呼んでいたが、『ティン』は「天」、『パウ』は「ハブ」のことである。『ハブ』は『ヘビ/ヘミ』系統の語である大蛇を表す『ウワバミ』の語に含まれる『バミ』もまた『ヘビ/ヘミ』の転訛であると考えられる。『ウワ(上)』はマ(真)カミの真と同じく、忌み名としての尊敬接頭語であろう。

 宮古島の北にある池間島には、若返りの水についての昔話が伝えられている。欠けて新月となり姿を消し、再び満ちて姿を現すことを繰り返す月。脱皮して不老不死を保つ(かのように信じられていた)蛇。若水とは、神話では月や蛇と結び付けられて語られる、不老不死象徴である。月と水が結び付けられるのは、潮の干満との連想であろうか。

 太古の昔、人間はスデ水(若返りの水)を浴びて脱皮することで、不老不死を保っていた。ある時、天の太陽神が、セッカ(ヒタキ科の鳥類)に命じて、スデ水を月から地上へと運ばせていた。ところが、途中で『アウナズ(虹)』が、スデ水を奪って捨ててしまった(あるいは、スデ水を横取りして使い、脱皮するようになった)。このため、太陽神月神の怒りを買ったアウナズは、それ以来、太陽の反対側に出るようになったという。

 若水物語に登場する『アウナズ』という語は、琉球諸島地域におけるアオヘビ類を指して言う『アウナジ/オーノジ』系統の語と明らかに同じものである。他に、八重山群島竹富島でも『オーナーヂィ』と言うとされる。つまり『天の虹』と『地上の蛇』を、同じ名前で呼んでいたのである

 少し変わったものでは、小浜島では虹を『チネー・ミマンチィ』と呼んでいたというが、これは『ティン・ヌ・ミミジィ(天の蚯蚓[ミミズ])』の意であるという。細長くてクネクネした動物を昔の人々は一纏めに捉えていたという話を、今一度、思い出してもらいたい。

 新城島では、虹を『アミ・ファイ・ムヌ(雨を食うモノ)』と呼ぶ。雨が降りそうで本格的には降らない俄か雨で終わる状況を「虹が雨を食った」と言うからだそうである与那国島には『アミ・ヌミャー(雨を飲むモノ)』という呼び名もある。

 虹が喉の渇きを潤すために雨や地上の水を飲みに現れる、或いは、虹が喉の渇きを潤すために雨を呼び起こすという信仰もまた、広く見られるものである

 長野県では、龍が天から水を飲みに降りてきた姿が虹とされ、また、同県更科では「虹は『ジャ(蛇)』の吹く気である」と信じられていた。山梨県西部でも「『ノジ』は蛇の息」とされた。秋田県平鹿では「『ノギ』は吹いた」と表現した。大分県でも、虹が出ると「『ジャ(蛇)』が吹いた」と言われていた。水神としての蛇神が棲むとされた湖沼から天の蛇としての虹が出現して、雨を呼び起こすという話も広く分布していることが認められる。このことからネフスキー湖沼支配神を指す『主(ヌシ)』も『ニジ』と同一起源ではないかと考えたようであるが、それは流石に後代の研究から否定されたようであるしかし、湖沼の主といえば大抵は龍蛇なので、語源論としてはともかく、ヌシと虹を結びつけるネフスキー見方は意外に悪くないと思える。

 ネフスキーと同じ頃の時代宮良当壮という研究者は、虹とヘビ類の方言呼称分析して「『ニジ』はヘビを意味する語から分化した」ということを立証しようと試みた。ニジの呼び名には『ノジ/ネジ/ヌジ/ヌギetc.』がある。既に上でも紹介したが、琉球諸島地域におけるアオヘビ類の呼び名が「アヲ+(語根)」の形をとっており、その語根部分の変化が『ノジ/ナジ/ナギetc.』となっていて、極めて似ている。そこから、宮良は「『ナギ』が『ウナギ(鰻)』を含めた『ヘビ型動物』の総称であり、そこから『ニジ/ヌギ』などの語が派生分化していった」と考えたのである。細長いクネクネした動物を一纏めに捉えていたという話を、再度、思い出していただけたであろうか。

 この宮良説の傍証としては、例えば秋田県ではアオダイショウのことを『アヲノジ/アヲノズ』と呼び、『ノジ/ノズ』は同地域における虹の呼称共通しているなどといった事例が幾つも見られるので、宮良説はあり得ると個人的には思っている。大蛇を指す『オロチ』という語も、尊敬の『接頭語オ(御)+ロチ(ノジ系統語の転訛)』と考えられる。

 とはいえ現代人の感覚から見れば、特に生物学動物分類学知識を通じて見れば、ヘビとウナギ同類視するという考え方は、なかなか受け入れ難いものと思われるかもしれない。しかし、以下の話を読まれたならば、どうだろうか。

 昔の日本人は、雷神に対して信仰を抱いていた。特に農民は、落雷に対する特別信仰を抱いていた。例えば、岐阜県美濃地方では、稲田落雷があれば、その場所注連縄を張って神聖視・聖別した。何故このように稲田への落雷特別視したのか。それは『稲妻(イナヅマ)』という単語に端的に表されている。イナヅマとは「稲の配偶者」であり、昔の日本農民たちは、雷神を「稲田神を孕ませる夫(ツマ)」と見做したのである。これは、落雷のジグザグ線が蛇神の顕現と見做されたこと、そして、蛇体が男性器の象徴と考えられていたこととも関係しているのであろう。落雷は豊作の予兆であった。

 東北地方には、落雷のあった稲田神聖視する風習存在した。例えば、岩手県では、落雷のあった稲田を「お田の神の田」と呼んだり、女性家畜を入れないようにしたり、雷神と刻んだ石を建てて祀るなどした。

 この岩手県をはじめ、東北地方には「ウンナン田」と称する水田の事例が見られ、これは「落雷のあった水田」であり、しかも「鰻(ウナギ)の姿が見られる水田」のことであるとされる。ウナギが住める水田は、水温が比較的高く、良い水田だと考えたからともされる。落雷後の水田ウナギを目撃したことで、農民たちは「雷神水田に棲み着いて、良い水田に変化した」と考えたのであろう。しかし、それだけではあるまい。

 今では、落雷が豊作の予兆であるという考え方は、単なる非科学的な迷信ではなく、それなりの自然科学的な根拠があったと知られている。農作物の稲だけに限らず、植物の生長には、窒素肥料成分が不可欠である大気中には気体の窒素が大量に存在するものの、それらは化学的に安定な窒素分子状態存在しているため、そのままで植物栄養素として利用できない。ハーバーボッシュ法による大気中の窒素を人工的に固定する方法確立し、窒素肥料大量生産が実現するまでは、大気中の気体窒素を、植物栄養素として利用できる窒素化合物の形に化学変化させることができたのは、マメ科植物の根に共生している根粒菌を除けば、雷による空中放電だけであった。おそらく、落雷が起きた水田の周辺では、雷の電気により生じた窒素酸化物の影響で、稲の発育が良かったのだと想像される。それを見た農民たちが、経験知として「落雷=豊作の徴」と語り伝えたものが、ウンナン田なのであろう。

 最後になるが、もしも『ナギ系統の語がヘビ型動物を指すという説が真実であるとすれば、そこからどうしても思い浮かべてしまうのが、インドから東南アジア地域に広く分布する蛇神『ナーガNaga』の存在である果たして、ヘビの古い呼称の一つである『ナガムシ(長い蟲)』の『ナガ』は『ナーガ』と関係があるのか。水の中にいる長くクネクネしたヘビのような身体をした動物ウナギは、もしかしたら『オ(御)+ナーガからその名が付けられたのか。

 妄想は尽きない。

【参考文献】小島瓔禮・編著『蛇の宇宙誌』(東京美術)

 今回の内容は、この本の受け売りである。とても面白い名著なので、是非、図書館などで一読することをおすすめしておく。

栗花落カナヲと蛇の話⇒anond:20221108215545

2022-10-25

anond:20221024231839

ブコメで「なんで結婚したの?顔が良かったから?」とか言われてるけどさ

まあ元増田の男としてのレベルわからんからなんとも言えんけどさ

普通の、平均的な男って別れてもすぐ次が見つかるわけじゃないんだよね。

女みたいに彼氏捨ててもすぐ次が見つかるなら、なんでそんな男と結婚したの?が通じるけどさ

男にとったら砂漠の水を飲んで腹を下してるところに「なんで飲んだんですか?」って言われてるようなもので、「喉が渇き切ったところにようやく水が現れたらとりあえず飲むだろ…」って感じ

なんかこういう男女格差を把握してない女の無意識書き込みのほうが、直球のミサンドリーよりも心に来るね。まさに「パンが無いならケーキを食べればいいじゃない」と言われてる気分。

2022-10-22

anond:20221021071535

容姿が悪くても若い女なら男なんぼでも寄ってくるだろうにな

レスの流れから明らかだと確認された事がある。

寄ってくるのは、あなたのようなミソジニーバカインターネットぶつかりおじさん、などなど、支配欲に操作されてるモラル感覚の歪んだ変質者たちだ。

男の発達障害サハラ砂漠のど真ん中で飲み物に飢えているとき

自販機の前で好きな飲み物いからって文句言ってるのが女の発達障害なんだよな

なるほどサハラ砂漠渇き意識朦朧としている浮浪者のような妄想だ。

自販機飲み物は、"自分から体当たりしようと"寄ってきたりしない。

自販機飲み物は、捕食しようとする身勝手欲望を持たない。

ゆえに、あなた達は自販機飲み物じゃない。毒ヘビだ。

砂漠で朽ちていく男達

https://anond.hatelabo.jp/20221021144235

この女なんかまさに格差体現しているのだが

男の場合発達障害…いや例え健常者の中肉中背でも少しでも「キモさ」があると異性には相手にされない。


一般人の男が砂漠のど真ん中で飲み物に飢えて枯れて死んでいっているのを横目に

自販機の前で好きな飲み物いからって文句言ってるのが女である。例え発達障害でもそれは変わらない。


また別の発達障害女は

ボウフラの湧いた水溜まりとか食べ滓の浮いた飲みかけの水とかみずなんだから飲めますよとかキツすぎる

などと言っているが、砂漠のど真ん中で彷徨っている時に多少水が汚染されたとして飲まずに死ぬ選択肢など取れる人間がいるだろうか?

しかも「ボウフラの湧いた水溜まりとか食べ滓の浮いた飲みかけの水」と表現しているが、その汚れた水の中には常温のペットボトルが何本も浮かんでいるのが男の世界なのだ

要するに女というだけで「いつでも渇きを満たせる」立場にもかかわらず選り好みしているのが現実である。例え発達障害でも。

そして選り好みされて避けられた男達は枯れて死んでいく。

2022-10-19

この時間に目覚めた吐きそう

気持ち悪すぎて目覚めた

ねむれん

寒さか、喉の渇き

もう死んだな

2022-08-25

ある30代の飲酒

30代。

滅多に飲酒しないが、よくわからん適当ウオッカだかのボトルが自宅に1本だけ常備してあって、たまに気分が極度にいい時にコーラ1杯にボトルキャップくらいだけ入れて飲んだりする。

2か月に1回くらいやる程度。

酒飲み趣味とまでは決していえない。

なので、1Lくらいのボトル1本消費に1年以上かかる。

酒で好きな要素

酒で嫌いな要素

列挙数は好きな要素のが多いけど、総合的に酒はクソだと思う。

でも酩酊感が好きなんだな。

2022-08-07

anond:20220807192243

死にたくないけど死ぬしかない

死なない。今日まで生きてこれたのだから明日も生きていける。

収入が得られない

得られる。バイトアプリで近場の日雇いでもいいし、生活保護でもいい。

すぐ適応障害になる

ならない。深く呼吸して瞑想しよう。

苦しい

苦しくない。今日の眠りも食事も喉の渇きを癒す水も楽しかたことを思い出して。

助けて

助けない。あなた自分で生きていける。

2022-08-05

anond:20220805110605

来週健康死んだんだから震えて待て

 

高校の時から2リットルペットボトル2本担いで通学して授業中とかもガバガバ飲んでて

ずっと血糖値普通だったか純粋にのどが渇きやすい体質なんだと思いたいが

2022-07-19

急募 ゲリラ豪雨で濡れた衣類で、渇きの遅い靴下だけを乾かすTIPS

1.ベランダ干し(自然ビル風がある)

2.ドライの部屋内に干す


17時までに頼む

2022-07-11

人が死ね選挙は変わるだろうか

立候補者ではなく開票従事者の話。

夏の選挙で今まで死者が出なかったのは、ただ運が良かっただけだと思う。

空調のない締め切った体育館で、5時間立ちっぱなしで開票作業

蒸し暑くサウナ状態で、みんな汗を流しながら作業している。

飲み物の持参は許されず、水分補給ができたのは終わってから配られたお茶だけだった。

休憩時間もなく、ぶっ続けで作業を続ける。

会場から出るには管理者許可を取る必要があるので、誰もトイレにも行かない。水分補給もできずに汗をかき続けているからかトイレに行きたくなることはなかった。

最初のほうに初めてのポジションに戸惑いモタついていたら、ほかの人に悪態をつかれる。暑くてイライラしていたのか性格が悪いだけなのかは分からない。無駄話は禁止のはずでは。

途中からは暑さと喉の渇きと眠気で朦朧としながら作業

真夜中に解散

風呂に入って全身びちょびちょになった汗を流して、少し眠っていつも通り出勤。

前日に選挙があろうと、月曜の市役所はいつも通り動いている。

寝不足で朝から頭が痛い。選挙の次の日だから業務量が減るなんてことはない。普通に残業する。

開票中は暑さに耐えきれず離脱したくて、ここで倒れることができれば持ち場を離れられるのに、と何度も思った。

でも、倒れたところで問題にはならずに終わるだろう。

開票作業中の熱中症で誰かが死ね開票のあり方が変わるんだろうか。

例えば投票タッチパネルにすれば1票1票手書き投票用紙を確認して集計する必要なんてないのに。

せめて開票は休憩時間を設けて、水分補給をしながらできるように切にお願いしたい。

夜に投票したい人は期日前を利用してもらうことにして、当日は15時ころに投票所を閉鎖してもいいんじゃないか。そうすれば少なくとも夜中まで開票作業従事しなくてもよくなる。

何よりエアコンのついた空間作業させてほしい。人権のある空間開票させてほしい。

2022-06-15

水道水が飲めない

まれ育った地域(not東京だけど関東)の水道水くそまずくて、水とはまずいものだという意識を捨てられない。

何とか炭酸水は飲めるのだが、おいしい水とかvolvicとかも全く受け付けない。

飲もうと思えば飲めるしものすごく冷たくしていれば問題ないのだが、でものどの渇きがいえてしまうとそれ以上は入っていかない。レストランの水もだいたい飲めない。

だが、ここ数年びっくりするほどおいしい水に出会った。仕込み水だ。

仕込み水は日本酒を造るときに使う水、らしい。

日本酒チェイサーみたいな感じで出てきて、まぁ酔い覚ましに仕方ないかという感じで飲んでびっくりした。酒より仕込み水の方が好きかも知れない。

仕込み水にも微妙に少しずつ味があるような気がする。

それが何かはまだはっきりとは分からないのだけれども、まぁとにかくうまい水もあるものだとこのとき初めて知ったのだ。

以来、外食するときは水を少しずつ飲むようになった。

水嫌いだったので外出するとほとんど水分をとらない方だったのだが(必然的トイレも遠いので困らなかったが)、必ずいっぱいは飲むようにしている。

先入観を捨ててみれば、おいしい水もあるし、まずい水もあるということがわかる。

まずい水はやはり一口二口飲んでしまうとそれ以上は入っていかない。

ところで今住んでいるところもやはり水がまずい。水道水を使ってたいた米がまずい、というくらい水がまずい。

海が近いからなのかもしれないし、近所の川もなんだかいやなにおいを放っているから、水質がよくないところなのだろう。

さて、飯がまずいのは本当に辛い。

というわけで異常に枕が長くなったが、浄水器の購入を検討しているのだが、BRITAとかどうなんですかね。本当においしくなるの?

https://anond.hatelabo.jp/20220615003925

東京水道水は昔めっちゃまずかったよ

ひょっとしたらマンション問題かもしれないけど。

貯水タンク方式が昔は多かったからそれかも。

とにかく飲めたもんじゃなかった

2000年代後半から東京水道水も劇的に改善された印象

水道水が飲めない

まれ育った地域(not東京だけど関東)の水道水くそまずくて、水とはまずいものだという意識を捨てられない。

何とか炭酸水は飲めるのだが、おいしい水とかvolvicとかも全く受け付けない。

飲もうと思えば飲めるしものすごく冷たくしていれば問題ないのだが、でものどの渇きがいえてしまうとそれ以上は入っていかない。レストランの水もだいたい飲めない。

だが、ここ数年びっくりするほどおいしい水に出会った。仕込み水だ。

仕込み水は日本酒を造るときに使う水、らしい。

日本酒チェイサーみたいな感じで出てきて、まぁ酔い覚ましに仕方ないかという感じで飲んでびっくりした。酒より仕込み水の方が好きかも知れない。

仕込み水にも微妙に少しずつ味があるような気がする。

それが何かはまだはっきりとは分からないのだけれども、まぁとにかくうまい水もあるものだとこのとき初めて知ったのだ。

以来、外食するときは水を少しずつ飲むようになった。

水嫌いだったので外出するとほとんど水分をとらない方だったのだが(必然的トイレも遠いので困らなかったが)、必ずいっぱいは飲むようにしている。

先入観を捨ててみれば、おいしい水もあるし、まずい水もあるということがわかる。

まずい水はやはり一口二口飲んでしまうとそれ以上は入っていかない。

ところで今住んでいるところもやはり水がまずい。水道水を使ってたいた米がまずい、というくらい水がまずい。

海が近いからなのかもしれないし、近所の川もなんだかいやなにおいを放っているから、水質がよくないところなのだろう。

さて、飯がまずいのは本当に辛い。

というわけで異常に枕が長くなったが、浄水器の購入を検討しているのだが、BRITAとかどうなんですかね。本当においしくなるの?

2022-05-26

30代のおっさんのなんの変哲もないかもしれないけどコンプレックス

父はインフラ勤め、母は専業主婦普通の家庭に生まれた。両親はふたりとも高卒20代後半で結婚してわたしが生まれた。

小学生の途中で、父はローンで家を買い、社宅から出た。

住まいは社宅から一軒家になり、リビングのある1階と寝室のある2階の家になった。

父は酒を飲み、タバコを吸う男だった。そして母は一滴も酒が飲めなかった。

父は暴力は振るうことは一度もなかったが、酒を飲むと、少し語気が荒くなった。母はそれを毎日避難し、毎日2階に逃げた。

子供の頃のわたしは、母を2階に呼びに行かなくてはならなかった。

母は常にわたしに、年をとったらわたしが母を介護するのだと毎日言い聞かせた。

子供であるわたしは、毎日父の不満しか口にしない母に媚び、慰めないといけなかった。

そしてたまに1階でわたしは父が酒を飲んでこぼす母への愚痴を聞いてあげないといけないのだ。

わたしは2階の自室で部屋のベッドで小さくなりながら布団を抱きしめて毎晩過ごした。

わたしは体が小さく、運動はできなかった、また容姿もよくなかった。しか勉強はそれなりにできた。

わたしは近くの中学校を経て、県立の進学校に進学した。わたしは少しだけやっていたスポーツをやめ、ガリ勉になった。

わたし学力は上がった。地元医学部の推薦を受けることの出来る成績であったし、父はわたし医者になってほしかったようだった。

しかしわたしは官僚になりたかった。文部科学省で、子供未来を司る教育を作りたかった。思い返すと、子供である自分が満たされていないことの代償行為かもしれない。

官僚になるには学歴必要だ。しかし私は東大に落ちた。

慶応には受かったのでそちらに行くことにした。当時は家がおかしいとは思っていなかったが、家で浪人はできる精神状態ではなかったというのは無自覚ながらあったのかもしれない。

滑り止めは大阪大学の予定だったが受けなかった。そのとき父が単身赴任大阪に行っていたので、やはり避けたかった思いがあったのかもしれない。

大学は刺激的だった。

わたしはいわゆる陽キャに分類されるであろうサークル所属し、おそらく人生で一番楽しく充実した毎日を送っていたと思う。

そこにいた彼らはみな優秀で誠実で、親の愛と期待、また財力もあった。彼らのほとんどは期待と自信に満ちあふれていた。

彼らは本当に善性に満ちあふれていて、世の中を肯定的に見ることが出来るのだ。育ちが違うというのはこういう事を言うのだろう。昔話題になった低学歴の世界高学歴の世界はまさしくこれである

そのうち、わたしに初めての彼女ができた。今思うと浅はかな考えだが、わたしは全くもてなかった、だから当時、彼女さえいればバラ色の人生とは行かずとも人生好転すると信じていた。

しかし、それは何も自分渇きを癒やしてくれなかった。自分の持っている悩みは解決されないまま恋愛関係という新たな悩みをわたしにもたらした。

わたし彼女と別れた。そして気まずくなりあまりサークルに行かなくなった。

そして彼らはみんな海外留学していって、疎遠になった。

年次が進みわたしは就活に向けて、大学向けの官僚の話を聞きに行った。そしてショックを受けた。そこに来たのはみな東大出身だった。自分大学向けの講演であったにもかかわらずだ。少しは慶応出身のひともいるはずなのに。

わたしは後悔し、東大に行けなかった自分を恥じた。そして受ける努力もせず官僚を諦めた。

わたし堕落し、成績はどんどん低下した。お金もなかったが留学するだけのGPAも全く確保できていなかったと思う。卒業はぎりぎりだった。

わたしインフラ企業就職した。安定した企業地方転勤がない会社に入りたかった。NGけがあってやりたいことが思いつかなかったので公益性などを考えた、いや就職のための美辞麗句として使用しただけかもしれない。自分でもわからない。なんだかんだで父を尊敬していたのかもしれない。

しかし、コンプレックスは拭えなかった。先輩方はみな電通博報堂入社していた。そもそもわたしは受けもしていない。

同じサークル出身でまさに文部科学省に入った同期もいた。ハンデを乗り越えて入省した彼は本当にすごいと思う。しかしわたしは怖くて彼と連絡をとることはできなかった。

わたし会社体育会系部署に配属され、不眠症になった。不眠症は一項に改善されず処方される薬はどんどん増えていった。

わたし仕事やりがいも見いだせず、また傍目にも優秀とは言えなかった。当然ながら、出世コースに乗ることはできなかった。

他の会社は違うのかもしれないが、この会社出世ルートから1度でも遅れたらもう二度と追いつくことはできない仕組みになっている。

しかしやる気はでなかった。そもそも出世したいかしたくないかもわからなかった。しかお金必要だった。

わたしはそのうち花形部署に配属された。それなりの残業代を得て、それらはすべてソーシャルゲームに消えた。

そこではわたし評価勝手に上がるようになった。私は上位の等級に選ばれ、少し位が上がって係長になった。同期では真ん中くらいか少し遅いほうかもしれない。

昔の部署自分より年下の後輩が係長になっていたのを見て、ショックを受けていたわたしは少し持ち直した。

そもそもそれでショックを受けるまで出世がしたいとも思っていなかった。もはや取り返しのつかないことだが。

わたし奨学金を借りていた。そして、借りたお金を利子がつかないよう両親が建て替えて両親に返す形になっていた。

なぜかそれが親の好意みたいな形になっていたし、そもそも払えるじゃないかとも今は思う。そして母は利子をつけない代わりに、支援機構の倍の速度での支払いを要求した。

わたし10年かけてそれを返した。そして最後に振り込みをした日に両親と絶縁した。

わたしは外から見たら、おそらくそこそこ恵まれているように見えているのではないかと思う。

部屋は最新のガジェットデザイナー家具で溢れている。椅子アーロンだし、キーボードRealforceだ。Alexaは一声かけるだけでシャンデリアを操作してくれる。なのに、わたしは大枚はたいた高級ベッドの上で、大の字で寝ることもできず、子供の時と変わらず隅っこで布団を抱いて眠ることしかできない。しかも大量の睡眠薬必要だ。

わたしは人の顔を思い出すことができない。父も母も妹も昨日あった同僚でさえもゼロから顔を思い浮かべることができない。

風景も覚えておくことができず、すぐに迷子になる。車のナンバーを覚えていないと駐車場の車に戻ることすらできない。

これはおそらく普通のことではないのではないかと思う。

わたしはなんのために生きているのかわからないし、何がほしいかもわからない。

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん