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はてなキーワード: 現実感とは

2023-02-08

最近洋ゲーの女キャラブサイクなのは間違いなくポリコレの影響

って言ってる奴らに限って、まともに洋ゲープレイしたことが無い。これはマジ。

いか洋ゲーなんて20年、30年以上前からずっっっと女キャラも男キャラブサイクなんだよ。

ポリコレだなんだが流行り始める前からずっとブサイクなんだよ。

人形みたいにツルッツルした顔の未成年の女こそ至高」みたいな感覚って、残念なことに極東の国のクッソガラパゴス価値観なんだよ。

ニーアもFFも原神もテイルズも(キャラクターに関しては)そういうガラパゴス日本オタクと、ごく一部のアニメ大好きメリケンオタクしかウケてないんだよ。

もっと言えば、そういう綺麗な顔したガキどもだけで世界を救うストーリーなんて、現実感が無さすぎて極東オタク以外はまったく感情移入できねぇのよ。

ということで、お前らちゃん洋ゲーやれ。

以下、よくある反論

・「どのゲームでもPC版ではキャラクターの美化MODが作られてるんだが?」

→「JAPANアニメ文化が好きな一部のナード達が作ってるだけだよ」

・「洋ゲーでもウィッチャーやサイバーパンク可愛いだろ!」

→「CDPRっていう一つのしかポーランド会社だけを例として挙げられても困るよ……」

2023-01-22

中年のおじさんが性犯罪を犯す気持ちは、なんかわかる

伊藤忠エリートビジネスマンが、電車痴漢して騒がれている件。

  

やったことは卑劣まりないし、下衆以外の何者でもないけれど、

なんとなく自分もそうなってしまわないか、という恐怖心がニュースを見たときにあって、完全に責めきれない気持ちもあるような気がする。

  

30半ばをすぎて、仕事生活とか人生に慣れると、生きているか死んでいるかからなくなる時がある。

キドキするとか、ワクワクするみたいなイベントが極端になくなって、脳のドーパミンが出てこない感じ。

これからもずっとこの感じが続くのか、と思うと、急に絶望に近い気持ちになる。

あらゆることに慣れていくと、現実感がなくなる時があって、なんかそういう時にどうでもよくなることが、自分はとてもよくある。

  

若い頃は、お金を稼ぐこととか、何かを買うこととかで満足感を得ていたけれど、割とすぐに刺激に飽きてしまう。

結婚していると恋愛もできないし、伊藤忠の人みたく、子供が三人もいたら自分時間なんてないだろうし。

  

自戒を込めて、だけれどそういう人間生活に飽きた人は、刺激を求めてこういう性犯罪かに手を染めていって、おかしくなっていくんじゃなかろうか。

生活に満ち足りていくと、脳がドーパミンを欲して、行動様式を変えてしまって突然変な行動してしまうんじゃないかという仮説がある。

  

ギャンブルとか意味のわからないものだって、刺激を金を出して買うようなものだろう。

お金を出して胸を揉んだら?っていう人もいるのはわかるけど、風俗も結局、飽きるんだよな、同じことの繰り返しで、毎回同じ情けない居た堪れない気持ちになって帰路に着く感じ。

用意されたリアルじゃないものに、人間は刺激を感じられなくなっていく生き物だ。

  

そのためには、趣味とか、適度にお金を使ったり、自分で何かをつくる(事業を作るとか人を雇うとか)熱中できるものを持っておかないとおかしくなってしまうと思う。

  

なんとなく伊藤忠の人も風俗は頑張って行ってたけど、リアルに感じられなくなってきて、今回の犯行に至ったんじゃないかってそんな妄想を一人している。

2023-01-12

つぶしの効くスキルとは?

投資家マインドは潰しが効かない」という話を聞いたことがある。おそらく「誰か能力のある人に金を払えばやってくれる」という発想のことだろう。

物事を実現する際の困難の中には「時間」「金」といった要因は存在するし、確かに重要だろう。そして時間と金をうまく運用すれば金を増やせるという環境にいるのであれば、それに特化した行動をしようとするのかもしれない。Billionsというドラマはそういうものかもしれないが、つぶしが効くかどうかはわからない。

自分能力研鑽のためにatcoderをやろう」といったマインドの人はまた別の行動原理を持っているように見える。知識スキルへの投資を重視していて、得られた能力を使ってチャンスをつかもうとする。貧者の戦略ではあるものの、知識面で富豪に立ち向かうことはできる。覆面ハッカーエリオット中華ドンを倒すのに似ている(Mr.Robot)。

あるいはそのどちらでもない人もいる。楽しいと思うギター漫才をやり続けて、どこかで出演をしたりライブをしたりと認知資産を増やしていった結果、知名度によって成功するタイプである。その知名度を利用すれば、ファン特定思想を植え付けたり、商品を購入させたりと、歩く広告塔のような役割をもたらす。ジミー・ヤンもその一人だろう。

組み合わせるタイプもいる。OSSでみんなに「すごい」「便利」と言われるような何かを作って知名度を稼ぎ、技術知名度の両面で成功するタイプであるリーナストーバルズはここに含まれる。

全く正反対ベクトルとしては、障害者自分が如何に惨めであるかを示して、同情を得ることで成功することもある。具体名は挙げないが、そういうタイプTEDスピーカーや著者がいるというのは事実である。あるいは障害者というラベルを利用することでアートオークション価格を跳ね上げることもある。

または日本人海外のマシな経済で生きていこうと思ったら寿司職人おすすめになる。ルクセンブルク寿司職人として働ければ幸せ人生を歩める可能性が高い。

...とこの辺にしておこう。

こうやって書いていけばわかるが、生物進化形態が様々であるように、人間もその性質によって様々な戦略を立てていることがわかる。「つぶしが効く」と言うが、それはサラリーマンとして生きることに対する現実感労働需要の多さを前提として出てきた言葉だろう。サラリーマンといっても職種企業組合せを列挙するだけでも結構あるため、多様な労働需要存在するという観点はやはり重要だ。

「何らかのスキルを身につけて、その汎用性を競う」と言うのであれば、一つ重要スキルがある。それは情報収集能力である寿司屋の例を見れば分かったと思うが、そもそもルクセンブルクがどんな国かを知らなければ行こうと思う動機にはならないだろう。そして日本よりもマシな国に移住するために何が必要かというのも、やはり情報収集能力がなければダメなのだ

しかし正しい情報をただ闇雲に集めるだけではダメで、情報を「何に対して」集めるかという目的必要になる。その目的というのは、どういう人生にしたいのかということだ。どういう人生にしたいというはっきりした目的がなければ、検索上位1件に出てきた「奴らの利益のための情報」を「自分のための情報」と勘違いすることになるだろう。あるいは「流行っている情報」を「自分の興味」と勘違いすることも起こる。

何がいいたいか。お前の人生どうしたいかはお前がコントロールしろということだ。安易に「つぶしが効く」ものを求めて、それでお前にとって本当に良かったのか。良かったならそれがお前の求めていたものなのだろう。俺の場合ルクセンブルク寿司屋になるなんて思いついたこともなかったな」と感じたので、もっと視野を広げたほうがいいのではないか視野が狭いのは他人に操られている証拠ではないか、と思ったのだ。

2023-01-04

村上春樹ヒロイン登場人物たちのつながり

「鼠」は「風の歌を聴け」に始まる「鼠四部作」に登場する。主人公の友人であるが、ある日突然行方くらまし、「羊をめぐる冒険」では自ら死を選ぶ。語り手と主人公の仲は深く、あたかも語り手の半身のようである。己の半身が半ば死の世界にいるというモチーフはこの後に何度も繰り返される。

この半身のように親しい友人は「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」のなかでは幻想パートの「影」に姿を変える。彼は語り手の半身であり、語り手の記憶を保持している。壁の中に閉じ込められた世界脱出するためには二人がそろっていなければならないが、土壇場で語り手は壁の内側にとどまることを選び、影は死ぬことになる。

ノルウェイの森」では彼は「キズキ」になる。物語の序盤で排気ガスによる死を選んだことが語られ、交際相手であった直子の死の遠因となる。

また、直接の半身ではないにせよ親しい友人で自ら死を選ぶ点で共通しているのは、「ダンス・ダンス・ダンス」の「五反田君」だ。彼は連続殺人犯であったことを明かして死ぬ。このあたりのくだりは恐らくチャンドラーの影響が深い。

このように、半身はしばらくのあいだ無力な存在だったが、「海辺のカフカ」以降では様子が変わる。「カラスと呼ばれる少年」は、「カフカ少年」のもう一つの人格のように見えるが、彼は「カフカ少年」を客観視し、適切なアドバイスを与える。一貫してサポートしてくれる存在だ。半身が異界の住人であるというモチーフであり、「鼠」の系譜に属しているが、そこに自ら死を選ぶような面は見られない。「海辺のカフカ」は主人公がとても若い点でも特異だ。

ただし、佐伯さんが現実感を失った生活をするきっかけとなった、東京大学紛争で殺された友人は、佐伯さんがノルウェイの森の「直子」の系譜に属するとすれば、「キズキ」のもう一人の子孫だ。

キズキと直子が、そして佐伯さんとその恋人は幼い頃から自然性交をしていたが、まるで思春期完璧さを求める性向現実によって打ち砕かれるかのように、その関係が死によって断たれる点でも、この二つのカップル類似している。

直子

村上春樹小説には一貫して何らかの精神疾患を患った、少なくとも感情的不安的な女性が出てくる。

デビュー作の「風の歌を聴け」の時点から、「小指のない女の子」として出てくる。彼女は話している途中に突然泣き出してしまう。また、周囲の人々がひどいことを言うとも語るが、これが事実なのか、精神疾患ゆえの妄想なのかどうかは判然としない。

この系譜が「1973年のピンボール」の中ですでに亡くなっているかつての恋人「直子」につながり、さらに「羊をめぐる冒険」の「誰とでも寝る女の子」につながっているかどうかはわからない。ただ、「ノルウェイの森」の「直子」には直接つながっているだろう。語り手の過ちによって感情を失った「国境の南、太陽の西」の「大原イズミ」も、彼女の裏面だ。「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」の「白根柚木」もその子孫だ。

また、恋人または妻の一つのアーキタイプとして、「ねじまき鳥クロニクル」の「クミコ」「加納クレタ」や「スプートニクの恋人」の「にんじん」の母にも発展しているようにも思える。

より明確な形としては、「海辺のカフカ」の「佐伯さん」が子孫のようだ。前述のように恋人の死をきっかけに精神を病む、少なくともある種の現実感を失ってしまう点が共通している。ただし、佐伯さんは後述の老女の系譜もつながっている。ピアノができたことを考えると、「スプートニクの恋人」の「ミュウ」も「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」の「白根柚木」も同じカテゴリに入れていい。

そもそもこのキャラクターの流れについての記述は、誰が後の作品の誰に直接発展したかを明確に追うことではない。おそらくはいくつも混ざり合っている。むしろ、これは村上春樹作品解釈するための補助線として見るのが適切だろう。

彼女がやたらとタフになったのが「1Q84」の「青豆」かもしれない。あるいは、生命力にあふれている点では後述の「ミドリ」だろうか。

ミドリ

直子とは対照的な心身が比較健康タイプ女性系譜もある。

性に対する好奇心の強い「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」の「太った娘」もそうだが、彼女は後述する「少女」の系譜につながる面もある。

同じく制に対して罪悪感を持たない「ノルウェイの森」の「ミドリ」、「国境の南、太陽の西」の「島本さん」、「スプートニクの恋人」の「すみれ」、「海辺のカフカ」の「さくら」(どうでもいいがこのキャラのせいでおねショタに目覚めた)、「1Q84」の安田恭子へとつながっている。

少女たち

村上春樹作品時系列順に読み返すと、ある時点で突然新しい属性を持ったキャラクター群が登場する。それは、どことな巫女的な力を持った若い女性である

前兆としてあらわれるのが、「羊をめぐる冒険」では耳専門のモデルをしている21歳の女性だ。彼女不思議な力で主人公を羊へと導くが、物語の終盤を前に姿を消してしまうので、いくばくか影が薄い。しかし、「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」に出てくる肥満17歳女の子は語り手を「やみくろ」の支配する東京の地下世界にいざなう

より少女性が強まるというか、単純に年齢が幼くなるのが「ダンス・ダンス・ダンス」に登場する13歳のユキで、彼女五反田君の殺人痕跡巫女のように感じ取ることができた。

ねじまき鳥クロニクル」での「笠原メイ」は、映画ロリータ」を思わせる登場の仕方をするし、終盤では主人公を救う力の源であるかのように描写されている。月光の下で裸身をさらす姿は、今までの村上春樹にはなかった描写である。確かにノルウェイの森」で「直子」がそうするシーンはあるが、彼女は成人した女性だ。

海辺のカフカ」では夢の中に現れる十五歳の佐伯さんの姿を取る、ここでは少女との性交が初めて描かれる。

巫女的な少女系譜がより明確になるのが「1Q84」に出てくる17歳カルト教団育ちである「ふかえり」だ。彼女は何らかの学習障害を患っていて独特の話し方をするが、彼女との性交異世界との経路となる。

村上春樹が歳を重ねて少女との性交を書くのをためらわなくなっていったのは面白い(【追記】「ふかえり」にいたっては巨乳文学少女という属性!)。というのも、「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」では肥満女の子から私と寝ないかと誘われて断っているからだ。

老人

大学の先輩がこう述べていた。ある種の作家自分が生まれる十年ほど前の出来事テーマにすることがある。なぜなら、自分が参加できなかった「祭り」だからだ。これが事実かどうかはわからないが、村上春樹は古くから第二次世界大戦中国テーマに含まれている。「鼠」の父親戦争とその後の混乱で金持ちになった人間だ。興味深いことに村上春樹の父は中国従軍している。

(余談だけれどもこの先輩は村上春樹作品にしばしば出てくる井戸「イド」まり無意識示唆しているのではないかと言っていた)

さて、老人がキャラクターとして物語信仰に深くかかわるようになったのは、「羊をめぐる冒険」の「羊博士からだろう。彼はいるかホテルにこもったきりで、外に出ようとしない。しかし、探し求めている羊がどこにいるかという重大な情報を指し示す。

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」でも、現実パートには「老博士」が出てくるし、幻想パートには退役した「大佐」がいる。

軍人という属性が前面に出てくるのが「ねじまき鳥クロニクル」の間宮老人だ。彼はノモンハンにて過酷体験をするし、そこである種の悪しき力に取りつかれる。

海辺のカフカ」には「中田老人」が出てくる。彼もまたある種の不可解な力(後述の闇の力?)の犠牲になり、記憶や知性の多くを奪われてしまう。一方で、彼は「カフカ少年」に代わって父殺しを遂行する半身でもある。

1Q84」では少し特殊で、これは近過去SFであり、戦争経験者やその前後に生まれた人々が相対的若い。それゆえ今までのパターンを単純に当てはめるのが適切かはわからない。

天吾の父がこの系譜に属するだろうか。「1Q84」では善悪が入れ替わることが多い。幼い天吾を無理やりNHKの集金に連れまわす点でネガティブに描かれていたにもかかわらず(村上春樹はこうした巨大組織一般に「システム」と呼んであまり肯定的に扱わない)、後半では声だけの存在になった彼が助けに来るのだ。

なお、戦場に行っていたという点を考慮すると、これらの老人たちは村上春樹父親世代に当たるだろう。

米軍基地にいたという点でジェイもここに属しているかもしれない。

老女とその息子

一世代上の女性が出てきたのは「ノルウェイの森」の「レイコさん」だ。彼女は心を病んではいものの、主人公たちを導いてくれる。「直子」のルームメイトとして、彼女の心身の安定に寄与している。

それがおそらく「ねじまき鳥クロニクル」の「赤坂ナツメグ」になるし、「海辺のカフカ」の「佐伯さん」を経て「1Q84」の「緒方静恵」になる。

彼女たちの多くは戦争をはじめとした暴力の中で深く傷つき、その中でもある種のコミュニティ安全地帯運営し続けている。「レイコさん」は精神病院の患者たちのまとめ役だし、「赤坂ナツメグ」は女性向け風俗(?)で女性性的空想現実にし、「佐伯さん」は図書館という静謐環境守護し、「緒形静恵」は性暴力を受けた女性避難所運営して、しばしば法を破ってでも報復を行う。年齢的にはかけ離れるが、「スプートニクの恋人」の「ミュウ」もこの老女の系譜に属するか。

彼女の息子たち(血縁があるかどうかはともかく)の系譜は、「赤坂ナツメグ」の息子「シナモン」、「佐伯さん」の図書館司書を務める「大島さん」、それから緒方静恵」の柳屋敷セキュリティ担当するタマルだ。セクマイであることが多い。

対となる存在

1973年のピンボール」の双子女の子を除いて、概して二人組の登場人物は不吉な前兆だ。体格は対照的なことが多い。

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」では「大男」・「ちび」の二人組が語り手に刺客差し向け、第三勢力になって儲けようとだましに来る。「ダンス・ダンス・ダンス」ではまるで「長いお別れ」みたいな嫌がらせをしてくる「文学」「漁師」と語り手があだ名をつけた警官が出てくる。「海辺のカフカ」に出てくる二人組は、軽率発言から大島さん」を傷つけてしま自称フェミニスト二人組だ。「1Q84」には「さきがけ」のリーダーの警備をする坊主頭ポニーテールの二人組がいる。

ただし、何度か繰り返すが善悪シンボル意図的に逆転させることが多いのが村上春樹作品で、おなじ「海辺のカフカ」でも「カフカ少年」を森の奥に導くのは同じように体格が対照的な二人組の日本兵だ。

また、よくよく考えてみれば、「風の歌を聴け」の時点でも、「小指のない女の子」には双子の妹がいたのである。直接姿を見せず言及されるだけだが、このモチーフの萌芽とみていいだろう。

村上春樹はある時点で純粋な悪の起源はなんであるかについて語ろうとしている。

それは悪しき登場人物の姿だけでなく、クトゥルフ神話的な怪物としても姿を見せる。

現に「風の歌を聴け」に出てくるデレク・ハートフィールドの伝記は、ラブクラフトバロウズをはじめとしたパルプフィクション作家たちを混ぜ合わせたものだ。

「鼠四部作」のなかでは「羊」がそれに該当する。不可解な暴力権力の中心に存在し、人間に憑りつくことで現実的な力をふるう。あるいは、「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」の現実パートの「やみくろ」たち、幻想パートの「門番」。「ねじまき鳥クロニクル」の「ねじまき鳥」や、綿谷昇の属する政治世界。そして「海辺のカフカ」に登場する「ジョニー・ウォーカー」や、「中田老人」の口の中から出てくる不可解な物体

非人間的な力ではないが、「ノルウェイの森」の「レイコさん」の精神悪化させる原因となった少女も、この系譜に属していると見なしていいかもしれない。

だが、「1Q84」のリトルピープルの存在解釈が難しい。今までとは異なり、単純な悪ではないようだ。初読時には「これは人が複雑な現実物語化する能力の具現化で、善にも悪にもなりうる、ある種の単純化する力ではないか」と思ったが、再読したら違う印象を受けるやも知れない。また、「牛河」も悪しき力の手先のように見えるが、離婚した妻子がおり、生きた人間であって化け物ではない。

善悪曖昧と言えば、「海辺のカフカ」では「圧倒的な偏見でもって強固に抹殺するんだ」が主人公サイドと敵役サイドのいずれでも使われる。

こんな風に、村上春樹はある時期から善悪意図的にぼかし、単純化を避けるようになった。

追記アフターダーク暴力を振るった深夜残業してたサラリーマンもここにいれていいかも。

そのほか

村上春樹後半期のテーマの一つをまとめるとしたら「どれほど不適切な養育環境で育ったとしても、その現実を受け入れてスタートするしかないし、ときとしてそこで学んだことに結果的に心が支えられてしまうケースがある」だろう。言い換えると「歴史過去を消し去ることはできない」だ。

あと、「国境の南、太陽の西」の「にんじん」はうまくしゃべれないけど、「海辺のカフカ」の「カフカ少年」の造形に影響を与えたかもしれない。

別に結論はない。ただ、こういう順で発展していったのだなと考えながら読むと楽しいだけである

もう一つ興味深いのは、親が亡くなるかそれくらいの年齢に近づくと、ちゃんと親と向き合ったような小説を、みんな書き始めることだなあ。

こっそり追記。「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」のロックを流して走るタクシー運転手星野青年っぽいな。

更に追記。不吉な二人組といえば、「ノルウェイの森」で日の丸を掲げる寮長と付き添いの右翼学生を思い出した。

2023-01-03

anond:20230102092832

雪山はかつての東京にとっては非現実感あふれ魅力のあるものだった

また出会いなどの期待感も十分で若者殺到した

今の若者にとってはおじさんおばさんの趣味になっているのだろうか

スノボよりスケボーがかっこいいんだろうか

2022-12-25

陶酔のうちに死にたい

自殺する人って夢見てる感じがあると思うんだよね。そういう現実感のなさを最後まで続けて死にたい。でも最後の瞬間はめっちゃ痛そうだし現実なんじゃろうな。

2022-12-11

anond:20221211133227

・好きキャラ同士でそういう事をさせたいだけで、たまたま好きキャラが両方男だった

・男同士でやらせる事で現実感を失くしたファンタジーとして楽しめる

の2パターンがある

前者は男女カプでも同じようなもん描きがちだけど後者は男女カプではそういうのは描かない(しむしろ嫌いだったりする)

2022-11-21

anond:20221120234327

人は外見で判断し中身が合わないなら離れていくという現実感を想起させるためだろう

2022-11-07

Twitterジャパン解雇の例は、泣き寝入りする人が続出してほしい

解雇規制緩和しろ、とか、使えないやつは早く辞めさせられるようにしろ、とか、老害は早く辞めろ、とか事あるごとに叫んでる現実感の無いやつらに、お前もすぐこうなる可能性があるんだ、という現実を見せつけてほしい。

自分だけは解雇されないと勘違いしているやつに、現実的な恐怖を感じさせるようにしてほしい。

そうすればようやく解雇自分ごとと認識できて、局所化された矮小議論から抜け出せるんじゃないかな。

まあたぶん無理だろうけど。

解雇なんて別世界のことだと思い続けるんだろうけど。

2022-10-13

anond:20221013193040

つーかそうやって序列作るって発想が漫画っぽい

ガチがり勉私立とか、そうでなくても塾なら成績順に序列作ってる所もあるだろうが

生徒の力関係もその通りの序列になるわけじゃあるまいし

中学高校くらい誰でも体験してるだろうに、何で現実感がない漫画っぽい学校想像するんだろう

それともそういう学校実在していてそういう学校にいたんだろうか、未知の世界

2022-10-09

漫画イラストの中に赤十字マークを描くことは禁じられていない

ちょっと調べてみたけどそうとしか思えない。

問題意識

前提

増田の疑問

条約規定

第三十九条標章使用〕 標章は、権限のある軍当局の指示に基き、衛生機関使用する旗、腕章及びすべての材料に表示しなければならない。

第四十条〔要員の識別〕 第二十四条、第二十六条及び第二十七条に掲げる要員は特殊標章を付した防水性の腕章で軍当局が発給し、且つ、その印章を押したものを左腕につけなければならない。

第四十二条〔衛生部隊及び衛生施設の表示〕 この条約で定める特殊の旗は、この条約に基いて尊重される権利を有する衛生部隊及び衛生施設で軍当局同意を得たものに限り、掲揚するものとする。

第四十四条標章使用制限〕 本条の次項以下の項に掲げる場合を除く外、白地に赤十字標章及び「赤十字」又は「ジュネーヴ十字」という語は、平時である戦時であるとを問わず、この条約及びこの条約と同様な事項について定める他の条約によって保護される衛生部隊、衛生施設、要員及び材料を表示し、又は保護するためでなければ、使用してはならない。第三十八条第二項に掲げる標章に関しても、それらを使用する国に対しては同様である。各国赤十字社及び第二十六条に掲げるその他の団体は、この条約保護を与える特殊標章を本項の範囲内でのみ使用する権利を有する。

国内法の規定

第一条 白地に赤十字赤新月若しくは赤のライオン及び太陽標章若しくは赤十字ジュネーブ十字、赤新月若しくは赤のライオン及び太陽名称又はこれらに類似する記章若しくは名称は、みだりにこれを用いてはならない。

「記章」ってなに?

もし赤十字マーク漫画で描いてはいけないなら

結論

追記

>>漫画イラストコスプレAV赤十字マークを描くことが禁止されていると理解されている<< してねーよバーカ。林檎のやつはそのもの「記章」だからモロアウトなの。漫画にはバリクソ描かれてるよ

いや、すげーな、この文章読解力。国語の成績が悪そう。

この文章のどこに椎名林檎文字がある? どこに椎名林檎案件を想起させるような表現がある? この文章のどこをどう読めば「『椎名林檎のグッズは問題ない』と増田は主張している」という結論が導かれる? 日本語読解力/Zeroか? 「書いてあることをそのまま読む」というだけのことがなぜできないんだ?

ちなみに、AVナースキャップモザイクがかかってたり(https://togetter.com/li/1505415)、赤十字マークを使ったVTuber配信が消えたりしてるからな(http://doujinsokuhou45.com/archives/6962156.html)。作品中で赤十字マークを使った同人作家に注意して修正させたやつの話も聞いたことあるぞ。そういう勘違いバカは実際に存在するってことだよ。そういう状況を問題視してるの。おわかり?

"職業身分所属などを示すために帽子衣服などにつけるしるしバッジ。" 法律の中での「記章」の定義がわからないけどAV帽子普通にアウトじゃない?コスプレから制服じゃないと言い張るのに近いと思う

刑事ドラマかなんかで弁護士資格持ってない役者弁護士バッジの模造品つけて「弁護士の○○ですが」って名乗ったら職業詐称になるって思っちゃう世界観の人?

ドラマの中で政治家ではない役者議員バッジの模造品つけさせて「俺は代議士だぞ」って言わせたら議員詐称したってことで捕まると思ってる頭が残念な人かな?

現代劇やそれに類する話において赤十字に関する話なら、むしろ描くべきだろうが、そうでないなら禁止されたものを描くのはリアリティがない。SFファンタジーなら好きにすればよろしい。

そういう理屈はわかる。ただ、「それリアリティがない描写ですよ」と指摘するならともかく「それ違法から消した方がいいですよ」と指摘して消させたり修正させたりするやつがいるのが問題なので(前者の指摘は「銃の持ち方がなっとらん」とかと同レベルなので好きにすればいいと思うけど、後者脅迫に近いので悪質)。そういうやつらが死に絶えるまで「いや赤十字標章漫画に描いていいです。表現の自由です」と言い続けていかないとな。

弁護士とかの記章は、ドラマの中で使うときに「これはフィクションであり…」といれたり俳優名出したりして誤解を避ける努力してるんじゃないかな。警察とか自衛隊制服は少し違わせるとか。

だったらなおさら同人誌だのコスプレAVだのは許されるべきじゃない??? どう考えても法廷ものTVドラマより現実感薄いでしょ……

2022-10-05

anond:20221004183055

自民党消極支持者だけど、理由ありすぎて困る。

でもトータルで言うと、バランス感覚現実感覚の欠如なのかな。

最近国民民主党(と言うより玉木氏の発言)がバランス取れていて良いなとは思うけど、如何せん少数政党から難しいね。うちの選挙区とか立候補者いないし。

正直、岸田さんには失望しかいから、早く変わってほしいんたけど、それは野党政権ではなく、自民党の別の人が良い。個人的には菅さんで良かったんじゃと思うけど、まぁ、難しいんだろうね。

2022-10-03

キキ「お父さん高い高いして」の非現実感

娘が生まれて13歳になったので、現実はどれだけ違ったのかをまとめた

小学校高学年にもなると重い。中学生の持ちあげるなんてよっぽど力がないと無理

・オキノ(父)は学者なのでそれほど力があるようには見えない

・キキが平均体重だとしたら魔女の血の力で「浮いた」のではないか

・もちろん娘は13歳になっても空は飛ばない

そもそも「高い高いして」なんて言ってこない

・触っただけで「汚っ!」って言われる

  

まり全ては宮崎駿妄想であって娘ができたらいつかあんな感じになんて思ってると絶望するのだ

俺みたいに

2022-10-01

これって病気なんか?

朝起きれずに夕方まで布団から動けなかった

趣味スロットに行ったが、レバーオンしてボタンを押すけどそれをやってる手が自分のものじゃないかのような感覚で、楽しくもなんともなくすぐ辞めて帰ってきた

酒を飲んで違和感を紛らわすけどなんか現実感がない

これって病気なんか?

2022-09-30

珍しく淫夢をみた

自体デタラメ。なんか知らない施設で働いていて、上司からお遣いを言い渡されていた。

車で向かう前に2階のシャワールームに入ったら、何故か女の子もいてそのまま、って感じ。もちろん上司のお遣いはすっぽかしたし、窓越しに巫女さんがいてジ~っと凝視されてしまっていた。夢特有現実感の無さ。女の子全然知らない行きずりの人。みこさんはどこかのアニメキャラだったと思う。、

でもなぜか、情事最中上司約束をすっぽかしてしまっていることへの罪悪感を感じていたな。なんだろ、そういう追われている夢ばかりだ。

2022-09-24

彼女が編み込みを解いたら

 どうやって編んでるんだろう。ずっとそう思っていた。

 月ノ美兎トレードマークといえば、長い黒髪紅白ヘアピン、そしてあの編み込みだろう。両耳のあたりからするすると伸び、後頭部にてリボンで結ばれ、馬の尻尾みたいな毛先がぷらんと垂れ下がっている。なんと面倒くさそうな髪型だろう。あれって家族に結ってもらってんのかな。いやでも普通に手の届く範囲だし、毎朝毎朝少し早起きして自分で結ってんのかな。二次三次区別もつかぬ俺は、前々からずっとそう思っていた。

 彼女は俺達の前に現れる時、いつもそんな手の込んだ髪型をしていた。ほぼほぼどの衣装であっても、その髪にはあの編み込みがあった。地雷衣装には編み込みはないけど、代わりにぐりゅんぐりゅんにカールされてたし、アーティスト衣装場合には、近未来的なアイテム彼女の髪を彩っていた。

 そう、彼女は大体どんなときも、あの編み込みを解かなかった。着衣で入浴して小松菜チョコレートバリボリ食ったときも、パチンコ配信でぐーすか寝てるときも、決して編み込みを解かなかった。別に何も不思議ではない。単に解いた髪がアプリ実装されていないという、ただそれだけのこと。でも、俺は勝手に、その編み込みに、別のものを読み込んでいた。

 月ノ美兎自分プライベート容赦なくコンテンツに組み込んでいる。これは動かし難い事実であろう。配信では自分実体験をガンガン話していくし、時には生活音を垂れ流して質感で視聴者虐殺したりした。あくま主観だが、2018年初頭のV界において、そんな彼女のあり方は一種異様であった。この女には公私の区別がついてないんじゃないか最初はそう思ったりもした。でも、今は違う印象を抱いている。彼女は明かすべきものとそうでないものを、科学者のように客観的な目で峻別している。そして、題材として選ばれた裏側は、丹念に彫琢され、一個の作品として完成して初めて表になるのだ。でも、俺たちはそうとは気づかず、本来秘されるべき彼女の素顔に触れているような気になってしまう。これこそが彼女演出手法なのである。画面に映る彼女はいかにも親しみやすく、何も飾っていないように思える。でも、彼女は公に現れる前に、丹念に時間をかけてその長い髪を編み込んでいるのだ。それは彼女にとって一種戦闘服なのではないか――なんて妄想を、俺はよくしていた。

 だからこそ「1000年生きてる」のPVを観た時は鳥肌が立った。映像の中盤、モニターに凭れて座る彼女は、ふと自らの後頭部に手を伸ばし、あのリボンを解いて見せる。俺の記憶が正しければ、2018年1月デビュー以来、それは初めての事態だった。編み込みを解き、ヘアピンも外して、人の想いの永遠なることを高らかに祈る彼女を観たとき、ふと思ったのだ。「終わってしまう」と。歌ってみた自体には大いに感動したけれども、またあの思いが浮かぶことを恐れ、聴き返すことは出来ないでいた。

 件の歌ってみたが発表されてから二三日後、彼女ツイッターにて休止を宣言した。最初疲れたのかなくらいに思っていたが、事態もっと深刻だったようだ。断続的に発表される案件等で食いつなぎながら、俺の脳裏には時折、不吉な二文字が浮かんでは消えた。そしてその不安が、あの一瞬の予感を無限に増幅していった。そう、彼女にとってあの編み込みは戦闘服なのだ配信という、何万という人間の目にさらされる場へと向かうための正装なのだ時間と労力をかけて自分自身を吟味し、何を表にして何を裏に留めるべきか腑分けするための手術着なのだ。それを放棄したということはつまり、終わりを意味するのではないか。そんなことをふと考えては、打ち消すために「なんでもかんでも戦わせられるあほあほAI見つけた」配信を見返したりしていた。

 結局、すべては杞憂妄想であった。9月20日彼女ツイッターで復帰する旨を報告した。22日か23から配信を再開させるらしい。休止も既に三ヶ月強を数え、そろそろ彼女のいない日常に慣れ始めた頃のことだった。まったく現実感のないまま数日間をやり過ごし、そして昨日、彼女の復帰配信を観た。久しぶりに顔を見せた彼女の髪には、あの編み込みも、ヘアピンもなかった。まるで別人のような姿を纏いつつ、彼女はそれまでと同じように、面白おかしい話をしては俺たちを笑わせてくれた。ニタニタと気色悪い笑みを浮かべながら、俺は、この瞬間に自分がとても貴重な経験をしていると実感していた。編み込みを解いた彼女の姿。つい最近まで、終末の予兆のように捉えていたその姿が、今や復活の象徴へと変貌を遂げたのだ。ある対象に抱いている感情が、一瞬にしてこれほど見事に反転した例を俺は知らない。そこで生まれた膨大な感情を持て余した挙げ句、ついには増田にこんな怪文書をしたためる羽目になっている。オタクってのは救い難いねえ。でも俺は、とても救われた心持ちだよ。

 不穏な先入観抜きで見てみると、新しい髪型はどストライクです。あの髪型地雷衣装着て黒マスクつけてくんねえかな。

2022-09-10

やっと気づいたか

さすが弁護士だけあって多少は現実感覚があるね

議論しないで無視戦略可能なのは権威側、多数側がやるときだけなんよ

歴史修正主義については権威側が正しいからそれでもよかったが、自民がやればただの反民主主義だし、

トランス新井にいたっては権威でも多数でもない

https://twitter.com/katepanda2/status/1568352816120602624

2022-08-23

黒髪、おかっぱ、一重、メガネ、長女

結局これが最強。

性格良くても悪くても、この属性から逃れられない。

ムカつくところも含めて好きになれるのはこの属性以外ない。

隠しアカウントでツイフェミで毒吐きやってるけどリアルでは社会の中の女の役割をきちんとこなしてる現実感も含めていい。

良くも悪くも小心者で最後には無難な方に流される所とか好き。

妹系、不思議系ほど見えないところで不法投棄したり開き直ったりする黒さが見えるから嫌。

女系素行の悪い部分があっても罪悪感や理想自分を捨てきれてない生き方が下手な感じがあってそこがいい。

モテない男はこういう子を見つけて結婚した方がいいぞ。

2022-08-21

anond:20220820104412

冷蔵庫でしなびていくキャベツと、トマトソースを煮詰めながらコンロの前から一歩も動けないわたしと、それでも誰かが迎えに来てくれるかもしれないという現実感のない期待と

2022-08-19

anond:20220819141622

猫カフェって、こんなショボい俺には猫が全然優しくしてくれない。

店内はオシャレだし、客層もちょっとインドア派な人たちが多い。

そんな場所に紛れて肉球でも嗅いでると、ああ猫しかこの世に存在しちゃいけないなって感じる。

ここでは性差収入関係ない、職場罵詈雑言もない、少しのマタタビがあれば猫が平等にいられる場所なんだ。

その現実感を得るために俺は猫カフェに行く。

そのためにちゅーる10本くらい払う価値はあるなって思う。

正直侵略されることよりも侵略国になってしまうことの方が現実感があって怖い

理由としては、①歴史的に見て日本侵略を受けたことよりも侵略したことの方が多いこと(それが原因で一回国が滅んでる)、②戦後においてもアメリカ侵略戦争の片棒を担いできたこと、③改憲議論を煽ってる政治家たちの人権についての認識がことごとく杜撰で信用できないこと。

大体こんな感じの理由侵略国になってしまうことの恐怖の方が強い。

2022-08-18

つれづれと

有川ひろの作品に出てきたヤクザ者を見て心が締め付けられる気分になった。小学生の頃の僕の作文にそのヤクザから想起する一節があったのを思い出したからだ。

レンズ越しの世界はいつも他人事だ。テレビに映る世界と目の前で起きてる出来事なんて変わらない』

はいわゆる眼鏡小僧で、生まれつきの遠視から度の強い眼鏡をかけ続けることをずっと強いられていた。あだ名のび太だったことすらある。馬鹿だとかアホだとか見下されることが嫌いだった僕はそのあだ名がすごく嫌いだった。

思えば、その作文は厨二病一種だったのだろう。自分特別であるように言動するなんてありふれた話。王家の血を引いてるとか、邪眼を移植しているとか、そういうレベルの痛々しい妄想しかない。

でも、他方では思うのだ。心を締め付けられたのはその感覚を今でも肌で感じているかなのだと。

四年前、僕はADHDの診断を医者から受けた。

僕は小さい頃から自分が好きではない何かを始めるが苦手だった。レゴブロックを片付けないで叱られる。漢字宿題をやっていなくて怒られる。水泳習い事をサボって泣き喚く。とんだクソガキだった。

今も部屋のどこかで何かが腐ったような匂いが漂っていて、部屋の中を小さい無数の羽虫たちが我が物顔で飛んでいる。

きっと部屋の汚さは君たち常人が考える三倍どころじゃない。手元にある便利な箱で別のタブでも開いて「孤独死 老人 部屋」とでも調べるとすごく近い光景が広がっているから興味があれば調べてみてほしい。

ともかく僕の部屋は常識を絶するほど汚い。そして、僕はそんな部屋にへばりつく虫であることを許容してしまっていた。

腐臭に既に鼻は慣れ、物が置かれ過ぎて食事を作るに適さなキッチンではもう半年食べ物を触っていない。

から部屋に一番多いのは食べ物に関わるゴミだ。弁当の食べた空き箱や出前の使い捨て容器、パンの袋、カップ麺の器やかやくの袋。あとは酒の空き缶空瓶。目についたものを並べただけでこんな感じ。

よくもまあ、こんなに汚せるものだと自分でも感心してしまうほどだ。

閑話休題

話は逸れたけれどつまり何が言いたいかというと、そういう汚い自分でありながら、僕は日常生活が送れているように装っている。

駅弁大学所属する僕は三度目の三年生をむかえた。成績極めて不出来。春先からこの夏の終わりまで学校に行けてすらいないというのに、東京に住む遠距離恋愛彼女には学校にはきちんと通えているとなんでもない顔で言っていた。滑稽な話である

僕は嘘つきだ。嘘をつくことで生活している。嘘をついてしかまともであるように見せることができない。

何もうまくいっていない。辛い、苦しい、何もかもやめてしまいたい。死にたい。もう構わないでほしい。まともになりたい。

そんなこと言えるわけがない。

言ってしまえば自分おかしいことが露見するし、きっと一人であることすら許されなくなる。要するに病院送りか、実家への軟禁だ。

盆も過ぎた。また新しい学期が始まる。

親にはまだ「まだ僕が三年生をやっている」のだという真実は伝わっていない。先延ばしにする方法があったか先延ばしにしてしまった。

帰省した時は嘘をついて急場を凌いだ。

こんなに嘘をついても僕には罪悪感がなかった。嘘をつくことに欠片も良心は痛まない。かろうじて嘘が露見して起きるアレコレが怖いという気持ちが生まれるくらいだ。

彼女とのデートで久々に眼鏡を、ただの伊達メガネだったけれど、かけた時に思い出した。僕にはずっと現実感がなかった。眼鏡をかけたレンズ越しの世界スクリーン越しの世界区別をつけられなかった。だから眼鏡をかけることを嫌って、高校2年の冬に僕は眼鏡をかけることをやめた。目が見えなくなることなんてどうでもよかったのだ。ただ、現実感がない自分が嫌だった。現実感がないから、自分のことを自分のことのように思えないからきっと嘘を簡単につけてしまえるのだろうと思ったのだ。そんなことを思い出した。

でも、現実を見た。

僕は変わらず嘘つきで、今も親を騙し金を毟って生きる寄生虫。いわゆる社会ゴミだ。

生きている価値なんて冷静に考えて本当にあるのだろうか? 誰かに好かれるだけの何かを持っているのだろうか? 甚だ疑問で一杯だ。

から騙し取った金で少し前に有川ひろの『キャロリング』を電子書籍で買った。この本は有川ひろが書いた作品の中で僕の読んだことのない数少ない作品だった。今見たら読み進めた場所は85%のところまで、結末までは読まずに本を閉じたことが明白だ。

残りを流し読みで適当に読み進めていくとヤクザ者は仲間と共に警察に連れて行かれていた。

救いのない話だった。物語の中では自分が一番共感した人物幸せになるとは限らない。

僕もきっとこのヤクザ者のようにいつかどこにも行けなくなる日が来るのだろうと思った。そして、そんな日が来たときにまた僕は嘘をついて取り返しのつかないことになるのだろうと思う。

つらつらとどうでもいいことばかりを書いてきたけれど、結論なんてものはない。適当なところで適当な気分で読むのをやめてほしい。

感想も書きたくなったら書く、書きたくなかったら別に何も言わなければいい。偉そうに自分勝手に目を通したくせにクレームをつけるタイプの人がここには沢山いるらしいことは知っている。なんであんなに傲慢に暮らせるのか、なんで傲慢に気付かないのか。正直、彼らってなんであんなに薄っぺらに生きれるんだろうね。

もっと適当に生きた方がストレスなくていいだろうに。

この文章だって氷菓子を齧りながら適当気持ちで書いた嘘っぱちだ。今だって目線は沢山の小説雑然と置かれた本棚を見て目を彷徨わせている。

次は何を読もうかな、なんて。僕は本棚の、推理小説で固められた段に手を伸ばした。

2022-08-01

anond:20220801122227

自民と立憲の二大政党制とか違いが大きすぎて現実感なかったもんな

二大政党制をやるなら自民維新くらいの振れ幅の方がちょうどいい

中3の頃、陰キャ優等生だった俺だが、地域お祭りか何かがきっかけで不良グループとちょいちょい付き合うようになった

不良たちは午後になると早退して学校の近くのメンバーの家に集まってダラダラと過ごしていた

日本家屋のたぶん蔵を改造した離れの二階がそいつの部屋で、たぶん20畳くらいの和室

一階はガレージになってて仲間の原付バイクがいつもたくさん止めてあった

和室タンスとか棚とかで一応2つにスペースが分かれていた

奥の方はいつも何枚もの布団が敷きっぱなしで、そっちにでかいテレビゲーム機ネットに繋がるパソコンと大量の漫画本があり

男たちはこちらに集まっていた

手前の方には学習机と応接セットと熱帯魚水槽があって

そっちにはいつも女子が集まって雑誌読んだりでかい声で談笑したり化粧の研究をしていた

俺含めて最低5人、多いときだと12人くらい集まってただろうか

俺はちゃんと授業受けてから放課後そこに合流してたのだが、そうすると何人かは布団で爆睡してたりした

起きてる人間ゲームで対戦したり、テスト前は比較的真面目な女子勉強を教えたり

やることがない日は延々漫画を読んでたり

たまに喧嘩して顔を腫らして来る奴もいた

不良グループ同士の勢力争いというのが存在していて、みんなその話を真剣にしていた

俺は単純にそれがゲームドラマの話みたいですごく面白かったのを覚えてる

俺らのグループの上には高校生グループがいたし更に上には地元チンピラがいた

当然ヤクザもつながっていたんだろうが、中学生にはそのへんの話は降りてこなかった

ごく稀に、高校生の先輩の男女カップルが遊びにくる事があった

その日は例外なく乱交になった

女子の半数は参加せずに帰っていたし男も眠いといってソファで寝てるやつも結構いた

俺は基本参加しなかったが帰りもせず、ソファで寝たふりをしながら喘ぎ声を聞いてた

あとでオカズにするためだ

でも一度だけ、参加というか、巻き込まれそうになったことがある

その日は別の学校女子が一人来ていて、そいつ全裸で応接セットまで来て

あんたなんで1人でそんなとこいんの」と狸寝入りの俺に抱きついてきた

で、「しよう」と言ってくる

当時の俺は童貞で性欲よりも怖いという感情が大きかったのだが、こうなったら覚悟を決めようと思って制服ズボン下着を脱いだ

その女子ソファに寝て股を開いた

俺は当然ギンギン しかしぎこちなく挿入しようとすると「ねーゴムは付けてよ」と言われた

俺はコンドームがどこにあるか知らなかった仲間たちはみんなプレイ中で聞ける感じじゃない

断腸の思いゴムいからやめようかと言うと、女の子は「え〜」と不満そうにし、ちょっと考えて

「中まで入れるのはダメだけど表面にくっつけるだけならいいよ」と言った

彼女陰毛は濃かった

その間の粘膜に俺は必死亀頭をこすりつけ、そしてすぐに射精してしまった、しかも思い切り局部ぶっかけしまった

バカ赤ちゃんできちゃうじゃん」

と俺の額に強烈なデコピンをして、その女子ウェットティッシュを求めて奥の方へ消えた

そしてもう戻ってこなかった

俺もやばいことをしてしまったという気持ちになり、そのまま服を着てこっそり帰った

それ以降、俺はもうそのたまり場には行かなくなった

学校では不良たちと談笑することはあったが、それも徐々に疎遠になった

受験が近づいたのも大きかったと思う

アウトロー集団に身をおいたのは後にも先にも中3のこの時期だけだ

いまでは思い出すたびに現実感がなさすぎて夢みたいだったなと思う

そしてあのソファでの失敗が俺の性体験の全てだ

そのまま42歳になってしまった

記憶の中のあの数カ月間が薄暗く光るのから目をそらせないままここまで来てしまった

どこにいても自分部外者だという気がする

経験人格を作るのだろうか

今更寂しいとも思わないがただ不思議

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