はてなキーワード: 手作りとは
子供の頃から何ひとつ秀でたところがなく、自分に自信が持てなかった。容姿は平凡で、人前で話すのも苦手だし、勉強が得意なわけでもなくて、もちろん芸術的な才能もなかった。だから、将来の夢を聞かれると困った。何もできる気がしなかった。ぼんやりと浮かんでいたのはお母さんだ。自分自身の母親のように、おやつを手作りするお母さん。そういう大人になれたらいいなとなんとなく思っていた。
地元の中学から普通科の高校に進み、普通に普通の大学に入った。普通に就職して、得た職は普通の事務。電話応対、伝票管理、簡単な書類作成が主な仕事で、昇給もないが残業もない。ちなみに制服はあった。そこで3年務めた後、同期の営業マンと結婚した。妊娠を機に退職し、以降は専業主婦をしている。
30歳を過ぎ、独身を謳歌していた友人たちの結婚・妊娠ラッシュが来た。大企業勤務や公務員はまず出産退職なんて考えたこともないみたいで、産休育休後の復帰が前提。資格持ちの子はスッパリ辞めたが、次の職場は見つかるだろう。子供を産んでも正社員の座から降りない、降りないことを許されたママたち。小さな会社で激務をこなしていた子だけが唯一退職したものの、ベンチャー企業でフル在宅での仕事が決まったのだと言う。無能なママには決してないルート。今もっとも求められる『有能なママ』枠だ。
子供といるのは幸せだ。でも、旦那は決して高収入ではない。材料にこだわった無添加おやつをつくっている場合じゃなかった。教育や習い事の費用を考えると、お金はあるにこしたことはない。私は今後、パートという形でしか家計に貢献できないだろう。正社員の道はほぼ閉ざされている。
有能なママが活躍の手を差し伸べられるのは正しいと思う。だけど、【女性活躍】と声高に叫ぶ社会に手を差し伸べられたと思ったら「あ〜……あなたは活躍厳しいっすねwww大丈夫です、近所のスーパーでレジでも打ったら?」と言われてるような気分になる。その隣で有能なママには、「出産前までは編集者!?営業!?エンジニア!?デザイナー!?はい、みなさーん!このように子持ちの女性もバリバリ働けるんです!!」ってスポットライトばーんってやってるから、影から見てると虚しくなるよ。まあでもわかる。自分が経営者なら無能な子持ちは絶対雇わない。でも有能なママなら雇いたい。無能のフルタイムよりよっぽどいい。柔軟な姿勢もアピールできるしね。
あとやっぱり、仕事のできるママたちは賢い。ネットの情報を取捨選択できる。でも無能なママはまともな職につけないからリテラシーの高い人間関係をつくれない。だから、一度間違ってトンデモ科学とかに興味を持つと、正してもらえずに突き進むことになってしまう。そしてまた、バカにされる。バカにされるから意地になり、そうなるとさらにバカにされる。一時期義理の姉に自然派育児を進められ、ハマるところだった。
今の日本は(別に日本しか知らないんだけど)で正社員を降りて休む(育児、介護、病気、その他)ができるのは、有能な人たちだけだと思う。無能な人に残されたのは、我慢して休まず働き続ける道だけだったと、最近になって実感した。無能が貧乏になるのは自己責任なんだろうけど、なんだかとても、今はしんどい。
少しフェイク交えて書くけど、地元がちょっとしたコロナのクラスターになったらしい。
私の地元には(ざっくり説明すると)町内ごとに手作りのお神輿を作成し、その出来を踊って騒いで競い合うという伝統的なお祭りがある。
祭り自体は中止になったものの、そのお神輿を作る町内の蔵の中でクラスターが発生した。老若男女関わらずコロナに罹り、中には役所関係の人もいたりと対応に追われているそうだ。
人が集まったり飲み食いしたりすれば感染が拡がるのに。アホすぎる。
ちなみに私は対象の町内の外に住んでいたので、祭りに対して特別な思い入れはない。しかし思い返してみると通っていた小学校の友人はみんなお囃子や太鼓が叩けて当たり前という空気だった。もちろん私は、笛も太鼓も触る機会すらなかった。
当時は学校の先生方含め、祭りは地域の伝統だと持ち上げて誇らしげだったが、そこに入れてもらえない町内に住んでいた私は少数派で、なんとも言葉にできない居心地の悪さがあった。
そして(もちろん全員がそういうわけではないが)悪い大人に唆されて友人が非行に走ったり、未成年飲酒が見過ごされていたりと、あの祭り独特の雰囲気が嫌だった。中学生くらいまでは足を運んでいたが、その後は全く行ってない。
最近はFacebookで昔の友人がタグ付けられた写真をさらーっと流し見する程度だったので忘れかけてたけど、コロナがきっかけで祭りについて色々と思い出したので書いてみた。
「や、やめっ……」
察しの通り、放たれたのは聖水だ。
主成分は水と塩で、ここに聖職者の祈りを込めることで完成するらしい。
駅前でいつも何かやってる教祖がいるんで、そいつに作ってもらおうとしたんだけど断られた。
あの教祖、「うちの宗教はそういう事やってません」とか言ってたが、じゃあ何ができるんだよ。
「一張羅なんだよ、やめてくれっ」
そんなわけで、いま使っているコレは俺の手作りだった。
気休め程度にしか思っていなかったが意外にも効いているようだ。
今まで気づかなかっただけで、俺には魔を祓う力があるのかもしれない。
俺は気を良くして、今度は米袋を聖なるイメージで放り投げる。
「これでも喰らえ!」
「マスダ、その米はバラ撒かないと意味ないよ。吸血鬼は散らばったものを数える習性があって……」
そこからは皆ガムシャラに、持ってきた撃退グッズを手当たり次第に使っていく。
「私も探したんだけど、ウチにある銀製これしかなかったのよ!」
「いででで!」
形勢は一方的だったが、ドラキュラの行動次第では簡単にひっくり返るかもしれない。
何をしてくるか分からない相手だから、そもそも何もさせない必要があった。
「弱り始めたぞ」
気の抜けない攻防が続く中、いよいよドラキュラの動きが鈍った。
やるなら今だ。
「よし、木の杭だ! ハンマーを!」
「……え?」
「え?」
木の杭を持ってきたはいいが、それを打ち付ける道具を忘れていたのである。
「……火種は?」
「他に倒す方法ないのか?」
「えーと、確か首を切り落とすと再生できないらしい」
「そんな刃物、用意できねえよ」
「ま、待ってくれ! さすがに殺される謂れはないぞ!?」
俺たちが止めを刺す方法で悩んでいると、ドラキュラが命乞いを始めた。
「それにさっきからドラキュラ……って、何か勘違いしてないか?」
「往生際が悪いぞ」
「僕たちの攻撃にあれだけ苦しんでおいて人間だなんて無理があるよ」
一理あるかもしれない。
「じゃあ、この植物を自分で食べてみてよ。そしたら話くらいは聞いてやる」
「……これトリカブトじゃないか!? そもそも、これが効くのは狼男の方だろ」
え、そうなのか。
俺はミミセンの方へ顔を向けた。
「確かに元は狼男を退ける物だけど、ついでに吸血鬼にも効いたはず。銀の銃弾とかもそうだし」
なんだか間の抜けたやりとりが続き、そのおかげで俺たちは冷静さを取り戻した。
改めて男の姿を見てみると、なんだかドラキュラって風貌じゃあない。
口から覗かせる歯は並びこそ悪いものの、「牙」といえるほど鋭くはない。
カゲプロもといカゲロウプロジェクトは8月15日に起こる出来事を描いたメディアミックス作品で、
ニコニコ動画の楽曲から派生し、小説、漫画、アニメ、劇場版等で別々の展開をする面白さが売りだった。
ご存知かとは思うが、おそ松、鬼滅、今ならツイステとかに先駆けて、キッズが多くて民度が最悪、というイメージの代名詞だった。
私は当時成人していた社会人だったがこのジャンルにいたく執心した。
元々じん(自然の敵P)の作る音楽を気に入っていて、小説を出すというので興味本位で読んだ。ハマった。
正直お世辞にも上手とは言い難い小説だったが、楽曲、動画も含めてアマチュアの手による一大作品というのは熱があった。
拙い所も含めてカッコいい!エモい!支援したい!夢がある!割と珍しい感情ではないと思う。それが大人だろうと。インディーズバンドのようなイメージ。
そういう風に素直にハマって、中に入ってみたはいいものの、確かに実際自分より年下の人間しかファンが居なかった。
沢山友人を作ったが、よくて高校生、殆ど中学生、小学生も多くて、成人していてお酒が飲めるような人は片手で数えるほどしか居なかった。
とは言え話が通じないなんて事は全くなかった。自分は大して創作などもしなかったけど、ツイッターで繋がった小学生は敬語で話してくれた。
男の子も居た。CPとか担当みたいな概念も薄くてどんな趣味でも年齢でも人種でも仲良しだった。
コミュニティの中での喧嘩や、男の子も居る事で色恋沙汰が始まる事もあったけど、むしろ今まで自分が経験してきたどのジャンルよりも平和だった。
確かに痛い、と表現されるような事もあったかもしれない。でも人に迷惑をかけるような子は誰も見た事がなかった。
カゲプロにハマった事で、コスプレや同人誌に初めて触れた子も沢山居た。どの子も知らないなりに、人に聞いたり調べたりしていた。
同人誌即売会(オンリー)では、親御さんと一緒に本を買いに来る人やスペースの後にお母さんが座っているサークルなどもあった。
本来即売会にはサークル側に年齢制限があったりするが、低年齢層のこのジャンルではイベント側からきちんと許可があった。
別に子供が趣味を楽しんじゃいけない訳でもないし、許可されているなら取りざたされる事でもない。
でも他のジャンルの所謂大人たちからはとっても笑われた。まあ、珍しい事ではあるかもしれないけれども。
私はただの買専だったが、プラバンで作ったストラップだったりとか、手作り感のあるものも多くてそれはそれでよかった。
皆このジャンルが好きで、色んな工夫をして楽しみたいと思ってるのがすごく感じられた。
そんな風に内部に居ると、カゲプロ厨、なんて言葉を投げつけられる事もむしろなかった。
あれはカゲプロのことを特に好きではない人間が使う言葉だから、好きな人間とだけ過ごしていたら聞かない言葉なのだ。
そういう中で、ニコニコ超会議が開催された。ニコニコ動画が主催する一大イベント。
カゲプロも当時大きなブースを作り、そのブース内で新曲を先行して聴く事ができた。私ももちろん朝から並んだ。
学生で中々会えない地方の友人達もこの日ばかりはみんな揃っていて、新曲を聞いたり、グッズを買ったり。とても楽しんだ。
超会議はとっても広いイベントで、ほかにも回り切れないほど催し物があったんだけど、自分たちはずっとカゲプロのスペースに居た。
もちろん皆視聴ブースでは静かに並んでいたし、話す時も出来るだけ邪魔にならないように端っこに居た。
なんと超会議のカゲプロブースで暴動が起きたらしい。視聴ブースが壊された、とか。
カゲプロ厨ではない大人の皆さんは、「カゲプロ厨こわw」「やっぱガキは・・・」みたいな事を言っていたが、
当のカゲプロ厨である面々は皆揃ってクエスチョンマークを飛ばしていた。
なにしろずっとそこに居たのだ。そんな警備員が始末するような事態が起きたらさすがに気づくだろう。
当日そこに居た人間が誰一人としてそんなものは見ていなかった。でも、起きた事になった。
待望のアニメが始まった。
私はカゲプロに利用しているツイッターアカウントのほかに身内友人のアカウントを持っていたんだけど、理解のある友人から「ログインしない方がいい」と言われた。
カゲプロのアニメが始まる前から、そちらのアカウントはバカにするような文面で埋まっていた。
「バカにしたいから今期はカゲプロ見る」等と堂々と言っている人も居た。何故全く内容を知らないのにバカにする前提なのか、腹が立つより悲しかった。
実際のアニメを見て、クオリティがどうだと言われたらそれは受け止める。でもガキが好きな作品だからゴミ、という構図しかそこには無かった。
自分に向けられた作品でない事がわかるなら、ほっといてくれればいいのに。
私はカゲプロが好きだということを殆どの人に明かさなかった。明かせばバカにされ、場合によっては引かれた。
カゲプロに興味があるけど、周囲がものすごく叩くから手が出せないと言われた事もあった。
いっそカゲプロの情報を何にも持たないおじさんとかの方が優しかった。前提条件が無ければ好まずとも「こんなんあるんだ」程度の気持ちで聞いてくれた。
「カゲプロ厨の素行が悪いからだ」と言うには私はその悪い素行を殆ど目撃したことが無かった。
若いからはしゃいで痛々しい事はあったかもしれない。でも流血沙汰とか、木の枝折ったとか、ブースを壊したとか、見ていない。
私の見ていない所であったと言えばそれまでだけど、でももうそんなのは「犯罪者は皆パンを食べている」理論で、カゲプロが悪いから何かをした訳ではないと思う。
ただ、私はカゲプロの事が今でも好きだし、人生で一番楽しい時間だったことに違いはない。
8月15日なのでそんなことを思い出した。
物づくりをする人の中には、アーティストタイプの人とクリエイタータイプの人がいる。
アーティストタイプは「表現すること」自体に重きを置いていて、
クリエイタータイプは「表現したものを通して人の心を動かすこと、表現のその先」を目指している。
アーティストタイプの人は自己表現が目的だから、評価どころか、誰かに見てもらえなくてもいい、見せるために作っているわけではないという人もたくさんいる。「作ること」それ自体が喜びであり、楽しいのだ。
逆にクリエイタータイプは、他人に見てもらってリアクションを得ることが前提にある。広告やweb、装丁など「デザイン」と分類されるものに携わる人はこっちだ。顧客の求めるものに応え、見る人がどういう気持ちになってほしいかを重視して、ものを作る。書籍として販売されている商業作家もほとんどはこっちだろう。(一人でひっそりと作り続けたものがたまたま誰かの目に留まって商品化されるケースもあるので「ほとんど」と書いた。)
私は根っからのクリエイタータイプで、物心ついた頃から絵は描いていたけれど、ただの絵ではなく「紙芝居」や「絵本」や「着せ替え人形」や「塗り絵」を手作りして他人に楽しんでもらうという、ちょっと珍しい遊び方を幼稚園児時代からしていた。絵を描くこと自体ももちろん好きだけれど、それを見た人が喜ぶ顔を見るのが何より好きだった。
同人誌ではよく、「感想をもらって嬉しいか否か」「いつもどれくらい感想を貰うか」のような、感想についての議論が時折取り沙汰される。
人の目に触れる形で世に出した以上、多少のリアクションは欲しいという人が大多数だが、感想はいらない派も少なからず絶対数存在する。これは前述した二つのタイプがあるからだ。
どっちが良いとか悪いとかの問題ではなく、表現のベクトルが違うのだ。
アーティストタイプの人の中には、他者から(たとえ肯定の言葉であろうと)何かを言われた瞬間に物づくりをやめてしまうという人も稀にいる。自分が一人で作り上げた小さな世界に、知らない人が土足で上がり込んできたような、そんな気持ちなのだろう。感想を送ったらブロックされた、お気持ちツイートを書かれた、という人もたまに見かける。
こうやって作り手にもタイプが混在していて、かつ「ネット」というそれが表出しにくい状況だと、読み専で感想を送る側のオタクにとっては、送った方がいいのか悩むのももっともだろう。一度送ったら筆を折られたなんて経験があれば、二の足を踏んでしまうのは当然だ。
ここの見極めは大変難しいのだが──反応がいらないという人は、自分の作品の宣伝や告知をほとんどしなかったり、「感想いらないです」と明言したりしていることも多いので、そこで見分けていくしかない。
ただ、製本やグッズ化などなんらかの形にして即売会で頒布している作家に関しては「見てほしい、リアクションがほしい」人が大多数ではあるので、臆することなく感想は送ったほうがいい、と、私は思う。
私は同人では二次創作BL界隈に身を置く腐女子だが、関東のイベントだとだいたい安定して誕生日席、インテだと繰り上がって壁配置になる程度の中堅サークルで活動している。いつも通販・イベント・再販合わせて一作品500〜1000部くらいの部数を頒布しているが、貰える感想は10以下。内容によっては1つしか来なかったときもある。
来ないのだ、意外と。
本を出すときは「受け入れてもらえるだろうか、楽しんでもらえるだろうか」と不安で仕方ないので、最初の一つが来ると心から安堵する。一つ貰えるだけで飛び上がって喜んでしまう。十通も来たら「今日が命日…」なんて思う。描いてよかった、と自分を肯定できる。
私が送らなくてももうたくさん貰っているだろう、なんて思う必要は全くない。貰ってない。感想を送れ。
また、一度送ったからもういいだろう、みたいなことも思わなくていい。好きだと思ったらその度に伝えていい。
貰う数が少ないから、作家側は何度も感想をくれる人を次第に把握する。HNを書かなくても文体でわかったり、「以前〜というような感想を送った者です」とだけ書いてもすぐに思い出せる。
何度もくれる人にはそれだけ愛着というか、親しみのようなものが湧く。この人のためだけに一冊書き上げたい、何かお礼をしたい、スケブを描きたいから一度顔を出して会いにきてよ、と思うことすらある。
この人だけは絶対にリアクションをくれる、という安心感が生まれる。そうすればそれだけ、作り手は本を出し続ける。
感想を送れ。
…とまぁ、送るか否かで悩んでいいのはあくまで趣味の同人界隈の話で、商業作品に関しては100%感想を送っていい。作家に直接送れないときは、amazonや楽天ブックスなど媒介業者のレビュー欄に書くといい。レビューを読んで購入するかどうかの指針にする人もいるからだ。本が売れないと商業作家は死ぬ。感想を送れ。
感想問題が話題になるたびいつも思う、同人作家かつ商業作家かつ商業クリエイターの三足の草鞋を履いているオタクの独り言でした。
私は学生時代のレポートはすべてWikipediaからの「コピペ」で作っていたけど、一度も不可をもらったことはないよ。なぜならWikipediaだけで終わらせずに信頼のおける文献等の参考資料にあたり、出題意図に沿って文言を編集していたから。逆にそれをせずに関係のありそうな項目を「コピペしただけ」のレポートモドキが評価をもらえないのは当たり前だよね。
あなたは、
というけれど、文献等の資料の探索ができないなら研究もできないよ。学生としての基本的な技能を習得するための訓練なんだよ。手作り餃子は主婦/夫の必須技能じゃないよ。「餃子を手作りするよ!」と言って結婚したのに(そんな人いるかわからんがw)冷凍餃子なら文句くらい言われるだろうが。(ただし、就活については半ば同意できる。これは採用側の問題だと思ってるけど)
最後に、あえて「コピペレポート」を餃子にたとえるなら中華料理の修業がしたいと言って入門してきたのに生焼けの冷凍餃子を師匠に突き出して評価しろと言っているようなものだよ。
君とのラスストーリー それは予想通り
いざ始まればひとり芝居だ
ずっと手作りしたって 結局ただのラスだ
慣れてしまえば悪くはないけど
君との半荘は麻雀柄 続きはしないことを知った
辛いけでど否めない でも離れがたいのさ
その山に触れただけで 痛いや いやでも 甘いな いやいや
グッバイ それじゃ僕にとってツモは何?
答えはわからない 分かりたくもないのさ
たったひとつ確かなことはあるとするのならば
「君がトップだ」
何ひとつとしてピンとこなくて
いたって純な心で 叶った点棒抱きしめて
「ツモだ」とか無責任に言えたらいいな
そう願っても虚しいのさ
辛いけでど否めない でも離れがたいのさ
その山に触れただけで 痛いや いやでも 甘いな いやいや
グッバイ それじゃ僕にとってツモは何?
答えはわからない 分かりたくもないのさ
たったひとつ確かなことはあるとするのならば
「僕はラスだ」
それもこれも麻雀の定めなら 悪くないよな
罰符も祝儀もないけれど
「トビラスだ」
◇
コロナ禍を言い訳に何ヶ月も先送りしている仕事があるので毎回びくびくしてる。
今回も何も指摘されずセーフ。
でも、そのやさしさが怖い。
とか考えだすと発作的に死にてーとなるので、脳を使わずにできる作業の、議事録作成とメール返信と請求書対応をして、あれ眠いじゃんと思って、ベッドに入る。
何かの弾みでpornhubを見てしまい、抜いてしまい、YouTubeでドラクエRTAを見ながら、気づいたら寝てる。
は、やばいお昼やん。
手作りカレーを食べ、さすがに飽きたぜ(ごぼうが入ってるから腸に良い。超腸活!)と思いながら、またベッドに戻って、2ちゃんねるまとめを見ていたら、北野のぞみがAV史上で一番かわいいといった内容の記事を読んで、おお、だよねだよねと思って、画像を見ているうちに気分が上がってしまい、FANZAを起動。また抜いてしまい、疲れて寝る。バカ野郎。
起きて2時。
あぶねえ。1時間のロスで済んだ。
強気のノーメイク写真で、女性にしては少なめの2桁前半いいね数の方から。
「日曜に会えるのを楽しみにしてるね。いま私は夢に向かってがんばってる」といった内容に、ちょっとピクリとなる。
アラフォーで無職の女が夢に向かってがんばるなんて、そんな社会は未来が明るい(時を戻そう)。
年とってからはやさしい男がモテるってしかばねみたいな面した俳優(リリー・フランキーとかいう)が言ってたし、俺はやさしさで世界を包みたい。
やっばーい、ぜんぜん仕事してなーい。
死にたーい。
ようやく、心の重荷になっている原稿のデータを開き、ゲロを吐きそうになり、そっとじ。
コンビニにモンスターを買いに走り、一気飲みして、おっしゃー仕事片付けてやんぜと気合いを入れて読んでみるが、まあひどい。
この原稿を書いたくそM氏に対するくそ罵詈雑言を口にして(幼卒かよくそとか)、疲れて、YouTubeでサンドリの違法アップロード放送を聞く。
もう中って、有吉みたいなボケまくるタイプの人と相性が良いみたいだ。
マンガ『ボボボーボ・ボーボボ』の世界のようで、終始意味のわからないボケとボケの応酬。
めっちゃくちゃ笑った。
「無人島に何か一つ持っていくとしたら?」に対するもう中の答え「おがくず」は天才の域だと思う。
腹減った。
もう気合い入れるために、今日はピザだ、ピザ食ったろと、ピザハットで注文。
キーマカレーの辛いの。
食べたらうまかったが、それで気合いが入るかどうかは別で、結局ほとんど仕事せず。
夜。
おーい、自己嫌悪で死にそうだよー。
殺せー殺せーという気分になりつつも、まあ、土日がんばって休日返上で仕事すりゃよくね?
と思い直して、ワインなんか飲んじゃって今に至る。
◇
さすがにダレてきた。
言い訳じゃないが、4~6月はめちゃくちゃ働いてた。
7月で緊張の糸が切れた。
8月ずっとこんな日々を送ってる。
一番下にあります
3年前にこんなのを書いたんですけど
年齢以外は前回と同じです
順位 | ブランド名 | 20代前半女性 | 全体 | 20代前半女性率 |
---|---|---|---|---|
1 | GU | 39,155 | 854,011 | 4.58% |
2 | UNIQLO | 32,768 | 992,603 | 3.30% |
3 | CONVERSE | 22,369 | 600,336 | 3.73% |
4 | LOWRYS FARM | 14,305 | 206,263 | 6.94% |
5 | ZARA | 14,240 | 360,267 | 3.95% |
6 | NIKE | 13,073 | 434,469 | 3.01% |
7 | WEGO | 12,464 | 293,300 | 4.25% |
8 | no brand | 11,347 | 259,766 | 4.37% |
9 | H&M | 9,843 | 319,177 | 3.08% |
10 | adidas | 9,687 | 274,050 | 3.53% |
11 | Dr.Martens | 9,514 | 258,288 | 3.68% |
12 | earth music&ecology | 8,394 | 150,651 | 5.57% |
13 | VANS | 8,207 | 278,140 | 2.95% |
14 | niko and... | 7,727 | 138,720 | 5.57% |
15 | Kastane | 7,287 | 62,786 | 11.61% |
16 | JEANASIS | 7,141 | 90,434 | 7.90% |
17 | しまむら | 7,026 | 174,112 | 4.04% |
18 | MOUSSY | 6,028 | 91,155 | 6.61% |
19 | FOREVER 21 | 5,971 | 95,721 | 6.24% |
20 | w closet | 5,425 | 51,827 | 10.47% |
21 | NEW BALANCE | 5,017 | 180,745 | 2.78% |
22 | 靴下屋 | 5,016 | 69,165 | 7.25% |
23 | GLOBAL WORK | 4,812 | 227,672 | 2.11% |
24 | VINTAGE | 4,805 | 95,920 | 5.01% |
25 | 無印良品 | 4,787 | 153,072 | 3.13% |
26 | KBF | 4,659 | 71,399 | 6.53% |
27 | RETRO GIRL | 4,502 | 46,697 | 9.64% |
28 | Honeys | 4,327 | 54,119 | 8.00% |
29 | Ungrid | 4,169 | 87,129 | 4.78% |
30 | URBAN RESEARCH | 3,975 | 99,676 | 3.99% |
31 | GRL | 3,907 | 62,426 | 6.26% |
32 | Heather | 3,884 | 49,189 | 7.90% |
33 | MAJESTIC LEGON | 3,738 | 53,085 | 7.04% |
34 | Daniel Wellington | 3,698 | 91,331 | 4.05% |
35 | BEAUTY&YOUTH UNITED ARROWS | 3,608 | 121,471 | 2.97% |
36 | mystic | 3,391 | 40,179 | 8.44% |
37 | DHOLIC | 3,380 | 55,686 | 6.07% |
38 | INGNI | 3,379 | 56,014 | 6.03% |
39 | FREAK'S STORE | 3,273 | 95,169 | 3.44% |
40 | BEAMS BOY | 3,244 | 48,144 | 6.74% |
41 | E hyphen world gallery | 3,235 | 47,750 | 6.77% |
42 | SLY | 3,214 | 45,311 | 7.09% |
43 | ORiental TRaffic | 3,165 | 48,563 | 6.52% |
44 | EMODA | 3,137 | 36,363 | 8.63% |
45 | who's who Chico | 3,092 | 31,424 | 9.84% |
46 | PAGEBOY | 3,055 | 38,282 | 7.98% |
47 | adidas originals | 3,046 | 80,205 | 3.80% |
48 | CASIO | 2,955 | 45,503 | 6.49% |
49 | tutuanna | 2,947 | 33,737 | 8.74% |
50 | AZUL by moussy | 2,940 | 66,799 | 4.40% |
51 | Champion | 2,883 | 113,137 | 2.55% |
52 | SPINNS | 2,827 | 52,730 | 5.36% |
53 | SENSE OF PLACE by URBAN RESEARCH | 2,814 | 81,254 | 3.46% |
54 | studio CLIP | 2,786 | 51,848 | 5.37% |
55 | Ciaopanic | 2,785 | 55,117 | 5.05% |
56 | SNIDEL | 2,711 | 39,378 | 6.88% |
57 | LEPSIM | 2,708 | 58,326 | 4.64% |
58 | archives | 2,621 | 21,925 | 11.95% |
59 | Reebok | 2,598 | 79,021 | 3.29% |
60 | Bershka | 2,527 | 45,510 | 5.55% |
61 | GAP | 2,502 | 128,628 | 1.95% |
62 | Levi's | 2,443 | 102,148 | 2.39% |
63 | Ray BEAMS | 2,239 | 40,871 | 5.48% |
64 | one after another NICE CLAUP | 2,202 | 31,079 | 7.09% |
65 | jouetie | 2,153 | 29,787 | 7.23% |
66 | Lee | 2,143 | 80,214 | 2.67% |
67 | MURUA | 2,129 | 30,717 | 6.93% |
68 | G-SHOCK | 2,114 | 49,228 | 4.29% |
69 | Another Edition | 2,058 | 46,094 | 4.46% |
70 | Handmade | 2,002 | 92,833 | 2.16% |
71 | Marc by Marc Jacobs | 1,998 | 28,787 | 6.94% |
72 | nano・universe | 1,997 | 103,339 | 1.93% |
73 | Samansa Mos2 | 1,992 | 48,150 | 4.14% |
74 | ROPE' PICNIC | 1,991 | 29,482 | 6.75% |
75 | ROSE BUD | 1,962 | 35,881 | 5.47% |
76 | COACH | 1,956 | 27,083 | 7.22% |
77 | JOURNAL STANDARD | 1,947 | 73,236 | 2.66% |
78 | BIRKENSTOCK | 1,943 | 58,635 | 3.31% |
79 | Vivienne Westwood | 1,922 | 32,353 | 5.94% |
80 | dazzlin | 1,832 | 22,224 | 8.24% |
81 | Teva | 1,816 | 42,827 | 4.24% |
82 | Right-on | 1,798 | 46,091 | 3.90% |
83 | POLO RALPH LAUREN | 1,791 | 57,860 | 3.10% |
84 | Ray Cassin | 1,782 | 19,058 | 9.35% |
85 | OZOC | 1,776 | 18,235 | 9.74% |
86 | PUMA | 1,714 | 42,687 | 4.02% |
87 | BEAMS | 1,709 | 79,556 | 2.15% |
88 | merry jenny | 1,695 | 16,891 | 10.03% |
89 | coen | 1,672 | 64,685 | 2.58% |
90 | MICHAEL KORS | 1,671 | 16,222 | 10.30% |
91 | Avail | 1,654 | 25,804 | 6.41% |
92 | green label relaxing | 1,612 | 73,084 | 2.21% |
93 | cepo | 1,600 | 15,684 | 10.20% |
94 | STUSSY | 1,568 | 46,032 | 3.41% |
95 | ehka sopo | 1,560 | 17,863 | 8.73% |
96 | THE NORTH FACE | 1,517 | 81,533 | 1.86% |
97 | RANDA | 1,496 | 19,790 | 7.56% |
98 | STUDIOUS | 1,489 | 48,800 | 3.05% |
99 | ViS | 1,451 | 23,209 | 6.25% |
100 | X-girl | 1,423 | 27,031 | 5.26% |
101 | 3coins | 1,408 | 40,110 | 3.51% |
102 | marimekko | 1,385 | 22,751 | 6.09% |
103 | merlot | 1,380 | 31,994 | 4.31% |
104 | Lily Brown | 1,372 | 16,414 | 8.36% |
105 | HARE | 1,348 | 127,535 | 1.06% |
106 | Dickies | 1,348 | 49,652 | 2.71% |
107 | WHO'S WHO gallery | 1,346 | 21,157 | 6.36% |
108 | ESPERANZA | 1,335 | 12,191 | 10.95% |
109 | American Apparel | 1,333 | 24,339 | 5.48% |
110 | OLIVE des OLIVE | 1,311 | 18,366 | 7.14% |
111 | GUCCI | 1,306 | 42,621 | 3.06% |
112 | agnes b. | 1,300 | 35,113 | 3.70% |
113 | MHL. | 1,294 | 29,887 | 4.33% |
114 | LOUIS VUITTON | 1,246 | 24,843 | 5.02% |
115 | MERCURYDUO | 1,240 | 19,141 | 6.48% |
116 | CHANEL | 1,231 | 31,099 | 3.96% |
117 | Green Parks | 1,229 | 36,478 | 3.37% |
118 | TODAYFUL | 1,204 | 60,175 | 2.00% |
119 | EVRIS | 1,198 | 12,160 | 9.85% |
120 | mysty woman | 1,171 | 18,012 | 6.50% |
121 | SEVENDAYS=SUNDAY | 1,156 | 29,122 | 3.97% |
122 | GYDA | 1,147 | 11,643 | 9.85% |
123 | ADAM ET ROPE' | 1,144 | 46,595 | 2.46% |
124 | one way | 1,126 | 12,004 | 9.38% |
125 | NIXON | 1,119 | 25,155 | 4.45% |
126 | AMERICAN HOLIC | 1,115 | 25,169 | 4.43% |
127 | SM2 | 1,112 | 14,724 | 7.55% |
128 | UNITED ARROWS | 1,096 | 43,354 | 2.53% |
129 | CECIL McBEE | 1,093 | 10,297 | 10.61% |
130 | American Eagle | 1,045 | 27,855 | 3.75% |
131 | SpRay | 1,040 | 11,364 | 9.15% |
132 | ems excite | 1,027 | 11,198 | 9.17% |
133 | Mila Owen | 1,024 | 16,509 | 6.20% |
134 | MILKFED. | 1,012 | 17,161 | 5.90% |
135 | URBAN RESEARCH DOORS | 1,000 | 28,537 | 3.50% |
135ブランド中前回から順位が最も低下したのは2016年に日本から撤退したAmerican Apparel(43位→109位)でした
店舗撤退やブランド終了といった事情が何もないブランドに限るとone way(69位→124位)になります
逆に上昇したのはTODAYFUL(180位→118位)、ROSE BUD(126位→75位)などです
ストライプインターナショナルは他にearth music&ecology(12位)、Green Parks(117位)、SEVENDAYS=SUNDAY(121位)、AMERICAN HOLIC(126位)などを展開しています
ステーショナリー、靴などに名前を貸すライセンス事業は継続するようです
ジャパンイマジネーションは他にAnk Rouge、BE RADIANCE、a.g.plusなどを展開していますがいずれも本ランキングでは調査対象外(全体コーデ数が10000未満)で、この中だとAnk Rouge以外も撤退とのことです
no brandはブランド名ではなく、文字通りノーブランド(ブランド不明)の服のことです
同様にVINTAGEは古着、Handmadeは手作りのものを指しています
サマンサモスモスがSM2とSamansa Mos2に分かれているのは冒頭に貼ったWEARのブランド一覧ページに2つ載っていたためです
こういうのを除外したり統合させたりしていると切りがないので全部そのままにしています
手動です
他にこういうサイトがないので仕方ないです
幼い頃に父が亡くなり、母は再婚もせずに俺を育ててくれた。
学もなく、技術もなかった母は、
娯楽をする余裕なんてなく、
日曜日は母の手作りの弁当を持って、近所の河原とかに遊びに行っていた。
給料をもらった次の日曜日には、クリームパンとコーラを買ってくれた。
ある日、母が勤め先からプロ野球のチケットを2枚もらってきた。
野球場に着き、チケットを見せて入ろうとすると、係員に止められた。
母がもらったのは招待券ではなく優待券だった。
チケット売り場で一人1000円ずつ払ってチケットを買わなければいけないと言われ、
外のベンチで弁当を食べて帰った。
俺は母につらい思いをさせた貧乏と無学がとことん嫌になって、一生懸命に勉強した。
新聞奨学生として大学まで進み、いっぱしの社会人になった。結婚もして、
母に孫を見せてやることもできた。
そんな母が去年の暮れに亡くなった。
死ぬ前に一度だけ目を覚まし、思い出したように
「野球、ごめんね」と言った。
昔々あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました。
おじいさんは山へ柴刈りを自粛、おばあさんは川へ洗濯を自粛、大きな桃は流れるのを自粛しました。
自粛で暇を持て余した二人は濃厚接触。めでたくご懐妊しました。
「まずいところに来てしまったと後悔してもらうようになれば良い」そんな思いを込めたかはわかりませんが桃太郎と名付けました。
大きくなった桃太郎はある日「Go To Travelキャンペーンでお得だし、鬼ヶ島へ行って、わるい鬼を退治します」と言いました。
「桃太郎さん、どこへ行くのですか?」
「とりあえずマスクをしてくれ」
「桃太郎さん、どこへ行くのですか?」
「それでは、お腰に付けたアベノマスクを1つ下さいな。おともしますよ」
「桃太郎さん、どこへ行くのですか?」
「😷」
こうして、イヌ、サル、キジの仲間を手に入れた桃太郎は、密です。
イヌはツイッターに晒し、サルは5chでスレを立て、キジははてブで叩きました。
とうとう鬼の親分が、
と、手を次亜塩素酸水で洗いました。
桃太郎とイヌとサルとキジは、鬼をPCR検査に送り出し、元気よく家に帰りました。
おじいさんとおばあさんは、桃太郎の無事な姿を見て大喜びです。
そして三人は、仲良くコロナにかかりましたとさ。
この話はフィクションで、俺もこんな職場も存在しないし、出てくる人たちも存在しなくて、これを読んでる君もどこにもいないです。
今から5、6年ほど前に、俺はとある大型事務センターで派遣社員をしていた。
就職できなかったというより、仕事が出来ない無能な上に人中りして人間関係が酷く疲れる気質なので、新卒を短期間で蹴って逃げた俺は正社員として働きたくなかった。あんな思いをしながら生きるぐらいなら、いっその事死んだ方がマシだと真剣に思えた。phaや中島義道や斎藤環の本を布団の中でずっと読んでる様な、そんな時期だった。こんな社会不適合者にとって、ひたすらキーバンチャ―をするだけの派遣社員のこの仕事はまさに天職で、社会に出てからはじめて「俺は生きてても良いんだ。」と思えた。仕事帰りに出かける精神的余裕ができたのもこの時期だったと思う。社会不適合者にとって社会は厳しいけれども、俺でも受け入れてくれるぐらいには懐が広い。そう気づけた。
こういう誰でも出来て、なおかつ多くの人力を必要とする楽な仕事には、時給1000円そこらにも関わらず多くの人間が集まる。
主婦、他に働き口のない年配者、皮膚病がある人、身体障害がある人、精神疾患がある人、売れないバンドマン、社会生活を諦めた人。
みんな彼らを奇異な目で見る事も見られる事もない。若い女の子にちょっかいかけて迷惑がられる中年のオヤジもいたが、主婦層が若い女の子が嫌な目に合わないように囲ってオヤジを寄せ付けないように庇うシーンなんかも観た。
生涯非正規雇用でしか働いたことのない年輩者。漫画や映画のサブカルチャーに異様な詳しさを見せる30後半の男性。キャバクラに費やして借金を500万程背負って自己破産した躁鬱の中年。ネトゲ経由で女子高生と付き合って会うたびにセックスに興じてる話を嬉しそうにする20代半ばの日焼けしてない小太りの男。通信大学で勉強をすることだけを生きがいにしてる勉強好きな人。顔色の悪いその日ぐらしのデイトレーダー。リーマンショックで会社が潰れてからずっと派遣社員をしているこっちが心配になるぐらい優しくて人が良い男性。派遣をしながらアートの勉強をしていたが仕事に結びつかずそのまま派遣を続けてる女性。HSP気質が強すぎて大きな音を聞くだけで目に見えて動揺する女性。借金を抱えている上に子宮筋腫の手術を控えていて頭を抱えながらこれからの先を涙ながらに悲観する中年女性。本当にいろんな人がいた。当欠してもお咎めなし、生産性求められず、社交性無くてもウェルカム!この気楽さと中島らものような門戸と懐の広さに「派遣社員の制度は福祉」だとさえ感じた。もちろん突然消える人も多かった。
そんな中、俺が今でも一番印象に残っているのが派遣社員同士の一組のカップルだった。
彼らとは別の部署で直接接点はなかったが、休み時間に休憩室で勉強しているときに向かいに座っていたカップルの会話が耳に入ってきた。
どうやら二人は同棲しているようで、そろそろベランダのミニトマトが食べれそうだの、そんな話をしていた。
穏やかな口調で静かに話す30前半ぐらい思われるスピッツの草野マサムネに似た男性と、化粧一つしてない新興宗教リトルぺブルのクララさんに似た20後半ぐらいの女性だった。
二人とも素朴な感じで、見栄とか恨みとか憎しみとか、そういうものとは無縁のような、表現は悪いが人畜無害そうな、植物の様な、そんな印象を受けた。二人の間には確かに静かな時間が流れていて、誰も傷つけず、誰にも傷つけられないような、そんな二人が纏う空気が俺はとても好きだった。もしも俺の半径内で彼らに危害を加える人間が居たら全力で守りたい。そんな庇護欲にさえ駆られた。
時給千円だと二人の手取りを合わせて月の可処分所得はおおよそ28万円ぐらいになる。交通費は支給されない。二人が広げる手作りのお弁当を眺めながら、一体、どんな部屋に住んでいて、どんな生活をしているんだろう。と好奇心が湧いた。(が、最後まで接点はなかった。)
何も身につかない職場(しいて言うなら相手の眼を見れば躁鬱かどうかがわかるスキルは身についた。薬のせいか病気のせいか理屈はわからないが、躁鬱疾患者の目には特有のギラつきがある)で過ごし20代の貴重な数年を棒に振った俺は、月の半分が休みのような仕事に正社員として採用されたので、天職だと言えた派遣の職場を去った。
派遣の時代に比べれば可処分所得は倍以上になったが、忙しさや疲労度は増した。仕事帰りに出かける気力もなくなってきた。休みの日が多くなったが、寝ている時間も増えた。LINEは新卒時代に消したままだ。外部との連絡手段はgmailのみ。SNS嫌いの俺にはそれが心地よかった。友人の誘いを断ることが多くなり、連絡も途絶えるようになった。
職場にいるキラキラとした女性たちやイケイケでエネルギーに溢れる男性を目にすると、その表裏を帯びた見栄や世間体を感じてしまい、とても息苦しくなってしまう。息がつまりそうになる。ドッと疲れる。どうしても派遣時代の、良くも悪くも何事に対しても無関心な、山野一の漫画の世界をマイルドにした様なあの雰囲気が恋しくなってしまうのだ。
上司に「お前彼女はいるのか?」と聞かれた。素直に「いないです。」と答えた。
「若いうちに良い女をみつけとけ、ここはキレイどころ多いだろ、金持ってる女も多いしな」と上司は笑った。
もしもここで交際相手を見つけるなら俺は自分をひん曲げてでも人格や気質を変えていく必要がある。しかし、自分をひん曲げてまで彼女が欲しいと思える程のエネルギーは無かった。負け惜しみとかではなくて素直に交際相手が欲しいとは思えなかった。静かに寝ていたかった。
そういう時に、いつも派遣時代のあのカップルを思い出してしまう。
昇給もなく、雇用も切られやすい派遣社員同士で生活していくのは将来不安なことだろう。両親からの容認も難しいだろう。友人からの理解も難しいだろう。きっと「将来どうするの?」とか水を差されたりするんだろう。男性は「もっと甲斐性を持て。給料もらえる仕事につけ。非正規とかやべえぞ」と尻を叩かれ、女性は「そんな将来性のない男と一緒にいるの辞めたほうが良いよ先が無いよ」と窘められるのだろう。それでも二人は一緒にいる事を選んだのだ。そこには見栄も、経済的な豊かさも、時間に追われる事も、仕事のストレスもない。二人でのんびりと過ごせる、二人で居られる時間を選んだのだ。今の職場で働き出して、ようやくそれに気づいた。
「だから彼らは幸せ」というのは些か短絡的ではある。そもそも俺には二人のパーソナル的なものは何一つわからない。ひょっとしたら二人とも重度の精神疾患を患っていて共依存の様な関係なのかもしれない。それでも、様々な障害を差し置いても二人で居られる時間を二人で選べた彼らを、俺は心の底から羨ましく感じた。もしかしたら俺は二人の関係がずっとずっと羨ましかったのかもしれない。どれだけ金を詰もうが、どれだけ自分磨きをしようが、二人の様な関係性は簡単に築けるものではない。少なくとも彼らの人生における彼らの関係性はとても豊かな物だと、俺は思う。
今あの二人がどうしてるのかわからないけど、出来るなら今でも二人で幸せに暮らしていて欲しいと、時々ふと思う。上手くすべてが続いていけばいい。