創作物である以上、そこにある表現以上の物はそこには存在しない
一つの作品が終わることとは、その世界にそれ以上の未知がなくなってしまう事に他ならない
どうか私を置いていかないでくれ
その無聊を誰が慰めてくれるわけでもなく
世界でたった一人だけの狭い部屋に押し込められ、死ぬまでの永遠を過ごさなければならないことを思い出すからだ
誰もが自分一人だけの落とし穴のような空白と欠損に沈み、生きていかなければならないことを思い出すからだ
「そこは……どんな場所だ?」
「えっ?」
「お前が何にもしないで閉じこもっているその場所は、どんな所かって訊いてるんだ」
「え、なんで?」
「いいから答えろよ」
「うんっと、そうだね。……なんだか、牢屋みたいなところで、風がスースーと抜けるんだけど、どこにも出口とか窓がないの」
「それで……天井が低くて、立つことも出来ないんだけど、床に寝そべられるほど広くもなくて、ずっと膝を抱えて座ってるみたいな……」
「狭くて暗くて寒い?」
「うーん、多分、そんな感じかな」
――S.M.L「CARNIVAL」
「なんか、いいね。すごくいい」
僕は言ったんだ。だって本当にそう思ったし。それ以外、考えられないじゃないか。母さんも、黙って頷いた。きっと、同じ気持ちだったんだと思う。理紗が、そっと僕の手を握ってきた。その顔は、しらじらしく花火の方を向いている。僕は苦笑した。理紗もきっと同じ気持ちに違いない。彼女も、ずっと、一人で苦しんで来たんだ。辛い思いをして生きてきたんだ。みんなバラバラで、一人ずつ閉じこめられて孤独に苦しんできたんだ。でも、これからは、僕らはきっと、今まであったこと全部取り返すくらい、良いことばっかりしか起きないんだ。良いことも悪いことも、みんなで一緒に分け合って。
みんな同じ気持ちなんだ、みんなで、幸せになるんだ。これから、ずっと良くなるんだ。良くなりつづける。一点の曇りもない、いつまでも曇ることのない、無窮の蒼天。影を作らない明るい太陽。
理想だったんだ。こんな風になるのが。いくら考えても、調べても、どうしてもこんな風に成れないって事ばっかり書いてあって、でもまだ知らない事があるから、そこにはなにかあるかもしれないって、ずっと調べて、知って、でも、知れば知るほど、不可能だって思うようになって、誰かが、全てが、全部僕の知識を裏切ってくれればいいと、ずっと望んでたんだ。そんなのはでたらめで、もっと素晴らしいものがあるって。そして、こんな風景を見たかったんだ。
(中略)
「もうよしな。あとがつらいよ」
後ろから、声が聞こえる。
「あと、少しだけ」
僕は、振り返らないで応える。
「見てられないよ。哀しい」
「お前が哀しいって言うなんて、思わなかったな」
「たまらないよ。わかるだろう? もうよせよ。辛いだけじゃないか」
「僕のこと、可哀想だと思う?」
「ああ、思うよ」
「じゃあきっと、すごい幸せなんだ」
「ああ、そうだね。でも、お前は、これからも生きて行かなくちゃいけない。ここじゃまだ死ねない」
(中略)
しばらく、花火を見つめてから、僕は、目を閉じた。また目を開けると、景色が全部消えて、真っ暗な中に、僕が、立っている。
「もう、充分だよ。うん、これでもう満足だ」
――S.M.L「CARNIVAL」
<滅菌された物語>とでもいいましょうか。もちろん主人公の身に起きるのは良い事ばかりではなく、人並み以上に苦しい事や辛いことを経験しますが、最終的にはすべて彼の成長の糧となり、「人は何もかも受け入れて生きていけるんだ」という心強い感覚に浸れる、そういう話の事です。
(中略)
『いたいのいたいの、とんでゆけ』は、二度と抜け出せない穴に落ちた人の物語でした。しかし僕はそれを単に薄暗い話としてではなく、元気の出る話として書いたつもりでいます。とてもそうは見えないかもしれませんけれど、でも、そうなのです。
――三秋縋「いたいのいたいの、とんでゆけ」
自分が飛んでかないところがみそだよな 発送がおもしろいよな 自分が飛んでいけばいいと逆転したところで とばしてどうすんだという
端的にいえば家庭もなく孤独だからだよ シータじゃなくてもドーラおばさんになろう パズーじゃなくても親方になろう やってもらったことをやってあげよう、次に手渡そう そういう流...
追記 https://anond.hatelabo.jp/20220224213544 ◯◯してほしいはわかったけど逆に誰かを愛したい、許したい、受け入れたいと思ったことはないんだな これは誰とも関わらないが吉 https://anond.ha...
俺も定期的にアニメ・ゲーム・小説に耐えられない状態になるけど そういう時はボカロ曲を聞いてるよ 今のところ、ボカロ曲だけはどんな精神状態でも消費できるので助かってる
https://anond.hatelabo.jp/20200318051728の続き 人は老いていくにつれて、あの頃に比べて未来に運ばれていく 「かつて、あれほどまでに切実だった思い」も、その場所(時間)から遠く離れていく ...
端的にいえば家庭もなく孤独だからだよ シータじゃなくてもドーラおばさんになろう パズーじゃなくても親方になろう やってもらったことをやってあげよう、次に手渡そう そうい...
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かんがえすぎちゃうか? んなもん、しぬときにかんがえたらええことやん
今が辛いんだから、そんなことを言われてもしょうがない 思考停止できるほど器用にできているなら、そもそもがこんなに苦しまない
はやく回路を組み変えるんだ!
組み替えられるんなら、こんなに幸せなことはない もっとささやかで安全な事で報酬系が満たせるようになるのなら、この世の不幸は全てなくなる 依存症や人間関係で悩む人間もいなく...