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はてなキーワード: 一服とは

2019-07-11

33非モテ理想デート考えてみる

31歳32歳と来たので33歳の俺も便乗するよ!

理想彼女

年齢 下は五歳、上は十歳以上離れてなければいいぐらいなのでとりあえず30歳としとく

木南晴夏みたいなキツネ系の顔がいいね!

性格 俺への態度はツンツンしてるんだけど、困ってる年寄りとか見ると声かけて助けちゃうツンデレ他人に対してだけデレ)

理想デートプラン

11:30に車で彼女を迎えに行く

家待ち合わせで良ければ家だけどまだ関係性ができてなければ最寄駅集合。俺の彼女看護師多忙で、休みの日はゆっくり起きたいタイプから朝に予定を入れるといきなり不機嫌なのダ。

12:00に予約してたカフェに到着。

午後から活動することを考えてワンプレートの軽めのランチ自家製野菜たっぷり使われたサラダが付いてて不足しがちなビタミンも取れて彼女もご機嫌だ。

14:00彼女の好きな小物を見るために、郊外雑貨屋さんへ。人気の雑貨屋さんだけど駅から離れた所にあるから車の無い彼女はなかなか来れないのでデートの日に連れてくという寸法。彼女の選ぶ小物を褒めつつ高くて手が出ない小物なんかがあればプレゼント候補としてチェックしておく。

15:00くたびれたのでカフェ一服。さっき買った小物を見たり、次回のデートプラン相談したりしながらのんびり過ごす。

17:00 街に移動し映画館へ。ディナーまでの体を休めながらの時間つぶしなので、よほど見たいものが無いなら眠くなるぐらい退屈な映画チョイスで良いだろう。付き合いの長い彼女なら男女ともに入れるマッサージ屋で体を休めるのもアリだ!

ていうかこの時間辺りに休んで無いと疲れて夜まで過ごせない気がする!30代は体力が無い!

19:00予約しておいたお店にゴー。下心があるならイタリアンあたりで軽めに済ませてそのあとに備える。ディナーで解散なら鉄板焼き屋とかでうまい肉をご馳走する。女もなんやかんやで肉が好きなはず。セックス考慮に入れるならあんまり食うと動けないし食後のニオイも気になるからNGな気がする!

21:00ご飯も終わって家に帰る…ところだが今回はセックスチャンスという設定だ!バーに行って最寄りのラブホにしけ込むというのがいかにもありそうな展開だが、今回の設定は車なのでバーは無理!というわけでこの送り中に「今日は楽しかったねー。…でももう少しいっしょにいたいな、良かったらうちで少し飲んでかない?」みたいな感じで家に誘うわけですよ。そして今回は理想デート設定なので彼女ももちろん了承、家でハーフボトルシャンパン(30代は飲みすぎるとちんちんが立たないからな!)でも飲みーの、気づけば終電無くなりーの、泊まっていくー?なんて茶番やりーの、からチョメチョメタイムイナフですわ!!!

とまあこんな感じで想像したんだけど、

夕方あたりの空白時間の潰し方がキツイので、話術に自信がない人は昼からではなく夕方集合の方がいいな、と思いました。

あと彼女の設定を活かすところが全く無いので藁人形感があるのが反省点です。

2019-07-06

anond:20190705134333

雨の日の散歩で濡れて帰って来てからビリっと一服したら昇天するのでは

2019-07-01

禁煙日記 -7日目/-6日目

いろいろあって禁煙を始めることにした。

禁煙外来なら補助金もでるし、薬の力に頼ることにした。

ダイエット日記をつけると成功やすいと言うし、今後禁煙したい人のためにもなるかと思い禁煙日記をつけることにした。

スペック

禁煙外来1回目

初診ネット予約ができる自宅最寄り駅から数駅のクリニックへ。

だいぶこじんまりしたところ。正直どこも変わらないと思ったので適当に決めた。

最初禁煙アンケートみたいなのと診断テストみたいなのをやらせれる。

アンケートはクリニック独自のもの喫煙年数とか家族が吸うかとか。

診断テスト一般的ニコチン依存層のやつ。これが出るので適当に答えよう。

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/tobacco/yt-048.html

診察の前に禁煙についての冊子を見せられる。確かファイザーのやつ。

禁煙するとこんないいことがありますよー、とか禁煙失敗はこういうときに起きる、みたいなことが書いてあった気がする。

それを読み終わったら一酸化炭素濃度の測定。

gloに変えたおかげかも知れないが、低い数値が出た。たしか7とか。家出る前に一服したにもかかわらずだ。

これなんの意味があるのかって思ったが、今後通院のために調べるらしいので、ちゃんとやめてるかの確認だと思う。

最後先生の診察。診察っていうか面談か?先生から禁煙についてのお話を聞かせてもらう。

一番印象に残ったのは、タバコが吸いたくなったときにどう対処するかとかをあらかじめ決めておくというもの

どのタイミングで吸いたくなるかは人によるので、そのときタバコを吸えないようにして紛らわせたりするのがいいとか。

例えば飴なめはじめるとか、なにか時間がかかることし始めてそれが終わるまで我慢、として紛らわせるとか。

自分は飲みに行くのをなるべく控えるのと、あとガムかVAPEでごまかす予定。

終わったらチャンピックスという薬を処方される。これ人によっては副作用がひどいらしい。

飲み始めて8日目から禁煙スタートなのだが、つまりはそれまでは薬を飲みながらタバコが吸える。

多分徐々にタバコが吸わなくても平気になっていったりするんじゃないかと思う。

ただこのチャンピックスだが、最初の処方はスターターパック的なものを渡される。

最初の頃は飲み方や量が変動するからわかりやすいように用意されているのかと思う。

しかし、自分は土曜の夜にクリニックへ行き、その後薬局へ行ったのだが

このスターターパックがなかったので、禁煙外来に行くときはそのあたり気をつけたほうがいいと思う。

自分場合は自宅近くで24時間やってる薬局へ行ったら在庫があったのでなんとかなったが。

そんなこんなで日曜からチャンピックスの服用を始めた。

今の所特に変わりはない気がする。タバコ普通に吸いたいし、吸っても今までと違いはない。

禁煙治療の終了まで3ヶ月あるので、そこまではなるべく毎日日記を書こうと思う。

終わってからも時々継続していきたい。

2019-05-06

anond:20190506131324

ニコチンアルコールと同じ弱い精神効果があり緊張を緩めたりする効果がある。

気体で吸入すると脳の粘膜に近い鼻粘膜や肺粘膜からもとりこまれて即効性があるためゆっくりニコチンガムより喫煙で「一服する」のが流行った

覚せい剤でいうスニッフを最初からやってる状態なので注射やピリピリするガムより参入障壁がずっと低い

2019-05-02

嫌煙の流れすごいけど

タバコがなかったら何度死んでたかからない

死にたいと思っても一服したらちょっと冷静になれる

2019-03-04

anond:20190304141740

もしかして副流煙よりも、おじさんの息の方が毒素強いんじゃないか

おれは普段タバコ吸わなくなったけど、山登りしたときかに一服だけすると、まじで癒される。

アメスピな、一服が長いから一本で満足する。

増田っちもタバコ自然の中とか、だれもいないところで吸った方がおいしいぞ。

2019-02-24

昭和

平成も消えるってとき昭和の話

同席者に「吸ってもいいですか?」なんて聞きもしないどころか

灰皿の有無さえ確認しないで タバコに火をつける。

携帯灰皿なんて もちろん持ってない。

一服してから「灰皿」と思い出す。

見回しても無いとなると

「なんで出しとかないんだ?」と言わんばかりの口調で

タバコを見せながら「灰皿!」と。

これが昭和喫煙者

かなり偏見に満ちてるが。

でも そういう態度でも通用して 注意もされなかったのが昭和

腹の中ではムカムカしてても そういうもんだとも思っていた時代

2019-01-27

anond:20190127215830

他の精神復活手段考えようぜ

俺は禁煙ブラックコーヒーばっかり飲んでたらコーヒーに目覚めて

一服煙草からコーヒーに変わった

今では全く吸ってない

2019-01-17

喫煙者の同僚への電話の取次について


喫煙者自己中すぎる。

喫煙者の同僚のために1日に何回も電話を取り次いでいる。せめて一服してくるとか自分宛に電話が来たら○○と対応してとかお願いするようにしてくれよ。

それで伝言ミスったらなんで間違えてんだと怒ってくる。じゃあお前が電話でろよと思うんだが。

2019-01-07

外に出たくないか遅刻する

バイトから遅刻が多いと怒られてしまった。

3ヶ月バイトして問題なければ正社員とのことだったのに、半年経った今も正社員になれていない。

どうすればいいんだ。

自分でも何故かわからないけど、外に出る準備をする時すごく気が重い。

保育園小学校中学校高校大学バイト仕事も遊びもデート病院も、小さい頃からいい大人になった今までずっとそう。どんなに楽しい外出でも準備する時は暗澹たる気持ちで、準備する手が止まる。だるさと外出先での最悪な想像からくる自己嫌悪無力感で辛くなって、とってもすっごく行きたくなくなる。

仕事楽しい病院は楽しくないけど嫌でもない。デートはとっても楽しい。けど行きたくない

結局ギリギリ時間になってから遅刻する!」と焦ってやっと用意を始める。そして5分遅刻する。

朝起きられないわけじゃない。間に合う時間に起きられる。着替えようと服を手に取って止まってる時間が長い。髪をとかそうとブラシを手に取って止まってる時間が、歯を磨こうと部屋のドアを見つめている時間が長い。

朝ごはんも化粧も最近は省略してる。その浮いた時間も手が止まってる。

朝ごはんを省略し続けていたらついに倒れてしまった。

【試したこと

時計を早める

遅刻するたびに時計を5〜15分ずつ(何分早めたかからないように目を瞑って時計操作する)早めていったが、部屋の時計が4時間前を指した頃やめた。

◆早めに着くようにする、早めの時間で予定を把握する

手帳に書く時間を早めに書くようにした。遅刻を重ねる度にもっと早い時間を書くようになって、早める時間バラバラにすれば緊張感を持つのではと考えて、最終的に2〜3時間早く書くようになったが、1日に1つしか予定を入れられなくなってやめた。

◆準備する時親に近くにいてもらう

準備できた。話していると気が紛れて手が止まることがなかった。しかし親も暇じゃないし、一人で用意できるようになりたい。

◆とりあえず行くだけいってみようって思う

行けば楽しいのはわかってるけど止まってしまう。

遅刻したらどうなるか考える

私ができない分他の人が仕事をする。私じゃなくてもできるし他の人の方がミスなくこなすだろう。自己嫌悪が増す。遅刻したら怒られるだろうな。他の人だって頑張ってるんだよ。私は頑張れないクズだなあ。自己嫌悪が増す。

病院に行く

別の事でカウンセリングを受けていて、そこで相談してみたけど解決の糸口は見つからず。とりあえずカウンセリングは続けている。

◆その前に予定を作る

一旦外に出てしまえば、外から外への移動は遅れずにいける。会社の前にカフェ一服しようと思ったが、カフェの魅力より用意してる時の暗澹たる気持ちの方が勝った。

用意をする時の暗澹たる気持ちのせいで、生活に支障が出てる。

遅刻した申し訳なさから、他の人に話しかけるのもためらわれる。

みんなどうやってあれに打ち勝ってるの。教えて。

追記

ありがとう明日から一つずつ試してみる。

結局遅刻が悪い事だと思ってないんだよ。変われないよ無理。

わかる。こういうこと考える。何度も遅刻をしてしまうのは遅刻してもいいやって思ってるクズからじゃないか?もう治らないんじゃないか?でも「治らないか遅刻します」なんて諦めたら「私クズなんでずっと人に迷惑かけ続けて生きていくつもりでーすw」って開き直るって事じゃないか。それは甘えで逃げだよ。その甘えと逃げで周りの人に迷惑をかけ続けるのか?それはいけない。ほら、あと手を3センチ動かして服を掴みなよ。うん。掴まなきゃね。うん…掴まないねダメだわ。私クズゴミだわ。他の人に迷惑かけていいって思ってんでしょ?クズゴミじゃん。生きる価値無くない?うんこ製造機じゃん…ってなる。わかる。

寝るか…

2018-12-11

仕事が終わったあとの一服が懐かしい

どんな感じだっけ?

2018-12-06

anond:20181206172947

コンビニの灰皿はタバコを消すために置いてるのであってお客様一服していただくために置いてるわけじゃないぞ

12.04_05

明けで小田原まで送って行き、ゴーゴーカレーカツカレーファースト

キャベツおかわり、ルー増量

駐車券みずほ無料にしてもらったら、駐車番号を間違えていて無駄になってしま

なんでこんな馬鹿やってしまうんだろう

仕事でも私生活でも・・

呆れられてしまったし、自分でも呆れてしま

昼過ぎ帰宅

21時丁度ころにひな来る

新しい原チャホンダスクーピー

一緒に風呂

夕食食べていないと言うのでオムライス2人で食べる

食後に一服

ズボン脱がしてもらい手コキをするが射精できず

話してるうちに2330過ぎていたので帰宅させる

妊娠検査薬を持たせる

日付が変わったあと、今川焼きを食べて、昔のハメ撮りを見ながら抜いた後眠りにつく

目覚めると雨音と濡れた路面を車が走る音

今日はなにをしようか

2018-12-04

anond:20181204112209

自分仕事姿を観察されて「今の一服休憩は手抜き」「報告書の大部分をコピペで済ませたから手抜き」「ブックマーク業務サイトに繋ぐのは手抜き」「メールコピペして書き始めるから手抜き」って逐一言われて怒りださない人だけが言って良いかも知れない。

「私は手抜きが良いかいかなんて言っていない。世の中が手抜きが悪いという風潮が無くなれば、私の言った事などどうでも良くなる」みたいな言い草は本当にむかつく。解ってて言ってる。

2018-11-23

なんだか珍しく増田家に居る休日時ウュ着類に影だ巣膜知らずメカ旦那回文

久しぶりにお家のパソコンを起動させるとアップデート応酬

午前中につけたんだけど、

未だにアップデートが終わらないわ。

というか1つ1つのプログラム更新されてインストールされるたびに

再起動!ってなんなの!

これだからWindows10は困ったちゃんよね!

勝手再起動するわ、

コントロールパネルはどこから行ったらいいかからないし、

いかんせん勝手自分なんやかんやしすぎ!

もうこれいつになったら終わるのかしら?

もうかれこれ10回ぐらい再起動を繰り返してるじゃないかしら。

これで一日終わっちゃうだなんてお慰みよ。

いやだわ!

こんなので貴重な勤労感謝の日を終わらせるわけには行かないの!

Windows感謝!ってやかましいわーい!って。

まったくよ!

なんでいつもこうWindowsちゃんは困ったちゃんなの?って思っちゃうわ。

珍しく朝から家にいるというのに、

こんなことばっかりだったら

お出かけしてる間に勝手アップデートでもなんでもすればいいのよ!

もう今日激おこプンプンファイアースティックストリームフェスティバル!!!

ちょっともうこんな時間だし!

もうこんな時間

午後2時5分だし、ちょっと一服気持ちを切り替えていくわ!

よい休日を!

アディオスアミーガ


今日朝ご飯

久しぶりにいつも毎週行くパン屋さんに3週間ぶりに!

サーモンサンドと美味しそうな赤いタルトを買ってきたわ。

タルトティータイムにいただくの!

そうWindowsアップデートが終わったらね!

デトックスウォーター

ホッツオレンジウォーラーよ。

オレンジと言ってカッコつけてるけどミカン

こたつみかんはやっぱり普通に食べるのが風流ね。


すいすいすいようび~

今日も頑張りましょう!

2018-11-22

anond:20181122205148

あれは店内に入るときタバコを消すための灰皿で、一服してもらうために置いてるわけじゃないんですが

2018-11-04

手塚治虫作品無料公開されてるから色々読んで感想を書く 2日目

https://anond.hatelabo.jp/20181104013756 の続き。

 

時計仕掛けのりんご

ねとらぼの本キャンペーン記事ブクマオススメされてた短編集。SF多めだけどそうじゃないのもあってごった煮。どれも面白かったけど、頭抜けてるのが『バイパスの夜』。バイパスを走るタクシー舞台であり、それが最初から最後まで最大限に活用されている。無駄ひとつもない完成品。

他には『悪魔の開幕』と『帰還者』がオススメ。『悪魔の開幕』は何を言ってもネタバレになるので騙されたと思って最後まで読んでほしい。『帰還者』はアレな言い方だけど、富樫のレベルE読んだような読後感。手塚治虫天才で、本当になんでも描けるんだなということがよく分かる。

 

新撰組

父の仇を追って新選組に入隊した深草丘十郎。そこで彼は後に親友となる謎の剣豪少年・鎌切大作と出会う。幕末の動乱を、ふたり少年はどう生き抜くのか。

ブコメオススメされてたから読んでみたけど、うーんこれは傑作だ。

ひとことで言うと美しい『アドルフに告ぐ』。物語を彩る様々な立場キャラクターたち、実際の歴史を背景に躍動する主人公、そして全てはラストに結実する。美しい。圧倒的に美しい。子どもとき出会えていたら本当にたまらなかっただろうなー。これから何度も読み返したい一冊。

 

日本発狂

北村市郎、通称イッチはとある夜、幽霊の行進と出会う。偶然知り合った記者情報交換することになるが、彼は交通事故で死んでしまった。本当にあれは幽霊だったのか? 駅のホームで見かけて以来、つきまとってくるようになった美少女の正体は?

これもブコメからホラーものかな? と思ったら斜め上に話が転がっていくのがさすがというかなんというか。気負わず笑いながら読んでいいやつだと思われる。「歓声とファンの数とは比例します」「ンン?」「これ歓声の法則」といった切れ味抜群のギャグもあったし。

 

『紙の砦』

これもブコメより。手塚治虫自伝的な作品を集めた短編集。悲惨戦争体験と、そんな中でも漫画を描き続けた戦中、ようやく悪夢のような戦争から解放され漫画家として立身していくぞ(でも漫画雑誌もない荒野でどうやって?)っていう戦後が主。

特に響いたのは表題作でもある『紙の砦』。時は戦中。特殊訓練所にいながらも隙あらば漫画を描く大寒少年オペラ歌手を目指す美少女出会う。

戦争って悲惨だしいいこと何もねーなっていう感じが色濃く描かれる。司馬遼太郎終戦の時に浜で泣きながらなんでこんな馬鹿戦争をしたんだって嘆いたらしいが、手塚のそれは叙情も何もなくただただ早く終わってほしい悲惨ものとされているように思う。

そしてラスト特に辛い。仮に――戦争手塚が両手を失っていたら、手塚は、日本漫画界はどうなっていたであろうか。

悲惨戦争話が多い中で『という手紙がきた』は一服の清涼剤。『トキワ荘物語』はとてもしんみりさせてくれる。『動物つれづれ草』も好き。

 

鳥人大系』

人類が退化し、代わりに鳥類惑星支配者になった世界を描く。その新たな世界鳥人は高度な文明を築き、ホモ・サピエンス鳥人家畜になっていた。そして鳥人たちはかつての人類のように相争い、滅亡の道をたどる。

うーーーん、あんまりきじゃないかなー。

短編連作の形を取りながら鳥人たちの誕生、栄華、末路を描くんだけど、風刺的な要素の強く出過ぎてて胸焼けする。『むかしむかし……めでたしめでたし』みたいなただの焼き直しにすぎない作品もあって、低調な短編はとことん低調。

ただそこは手塚神、すげー読ませるのもあって、『うずらが丘』は物語の展開力とオチの冷淡な語りおよび視線がさすがの一言だし、『トゥルドス・メルラ・サピエンスブラックバード)』のような掛け値なしのイイハナシダナーにはホッとさせられた。

とはいえかなり疲れさせられるお話であることは間違いないかな……。

陽だまりの樹

時は幕末世渡り下手だが一本気な府中藩士・伊武谷万二郎女好きだが顔の広い蘭方医の卵・手塚良庵は最悪の出会いを果たす。だがふたり腐れ縁のように固く結びつき、ともに動乱の時代を駆け抜けていく。万二郎は下級武士ながらとある事件きっかけで出世街道上り、一方の良庵は大坂適塾を経て江戸種痘所開設に尽力する。ふたり青年と、日本未来はいかに

うーん、感想の言いにくい作品面白かったけど、中盤から物語に暗い影が落ち始め、読むのがちょっとしんどくなってしまった。手塚作品にしては長く、それでいて物語が綿密に練り上げられていることは間違いないんだが、同時に間延びしてしまった感も否めない。万二郎主人公に据えたがゆえの限界という面もあり、愛すべき馬鹿には違いないけど、もうちょっとどうにかならんかったのかというのはある。同じ幕末を扱った『新選組』が青雲の物語であるならば、『陽だまりの樹』は凡庸な人たちの物語、という感じ。

人生に思い残しがある者は死に場所しか生きた証を残せない、という話はあって、彼女名前だすとアレなのでボカします)にそれが与えられたのはしみじみ良かったなーと思う。ひきかえ万二郎はそういう悲愴さとも無縁で、さいごまで読者をすっきりさせてくれないやつだった。だけどやっぱり憎めない。

お気に入りキャラクターは、平助、お紺、お品。三人にはいっしょに酒を飲んでもらって、生きてりゃそりゃ辛いことのひとつやふたつあるよなーって盛大に愚痴ってほしい。

 

あとがき的な

2日目の昼ぐらいに気づき、結局それからひたすら読んでた。ああ、もっと早く知っていれば!(BJとか火の鳥とかが入ってないのは読んだことがあるから火の鳥は再読しておきたかったけど、せっかくの機会なので未読作品を優先した)

全体的な感想を言えば、俺がおっさんからだろうけど、青年向けの作品の方が読み応えあった。『ジャングル大帝レオ』や『海のトリトン』は当時革新的だっただろうけど、さすがにいま初読だと平凡って印象が拭えない。それらに並ぶ子ども向け作品の『リボンの騎士』は、今でもおもしろいし、男の子の心と女の子の心が入った王女様が王子様のかっこうをしなくちゃいけなくて……という設定を思いつく手塚神ほんと神ってるなと。

大人向け作品はやはり『アドルフに告ぐ』が文句なしの傑作。行き当たりばったりで連載していたというブコメがあったけどマジか。震える。

短編イチオシは『バイパスの夜』かなー。「極限まで削ぎ落とした体に鬼が宿る(byライスシャワーCM)」じゃないけど、無駄が何一つ無い完成品とはまさにこのこと。

今回よんだ中で一番好きなのは新選組』。あそこまで美しい作品はなかなかない。

一番好きなキャラクターは『リボンの騎士からヘケート。容姿性格、行動力、作中での立ち回り、どの要素も俺の心を惹きつけてやまない。心に残るキャラクターだった。次点で『陽だまりの樹からお品さん。

それにしても本当に手塚神がいてくれてよかった。日本漫画界に残した足跡の大きさからしてもそうなんだけど、それ以上に何十年たってもその著作が色褪せずに面白いってほんとすげーこと。これからも多くの人に手塚治虫の諸作が読みつがれていくことを確信して筆を擱く。

 

あ、ひとつだけ忘れてたか最後に。青年向けの漫画レイプネタがやたらぶっこまれるんだけどなんでなん……。

手塚治虫作品無料公開されてるから色々読んで感想を書く 1日目

https://www.ebookjapan.jp/ebj/free/campaign/tezuka/

おいおい2日目の今日11/3)きづいたよ。誰か早く言ってくれたら良かったのに!

ってわけで色々読んだ。

 

きりひと讃歌

人が獣人になってしまう奇病「モンモウ病」。青年医師小山内桐人はそれを風土病と考え、同僚の占部とともに研究を進めていた。一方、日本医師会会長への選出を目指す竜ヶ浦教授伝染病と考え、対立する小山内の排除を目論んでいた。竜ヶ浦の指示によりモンモウ病患者出身地に赴任することになった小山内はその奇病の餌食となってしまい……。

獣人という差別から逃れられない存在になった主人公を通し、中身ではなく外見ですべて判断される虚しさ、あるいは判断する愚かさを力強く訴える。医者として確かな腕を振るっても、ただ犬の顔というだけで結果が信頼されないのはまー辛い。

ヒロインは3人いるが、行動にいちいち生々しさがある麗花ちゃんお気に入り。拾った赤ちゃんに対するスタンスには彼女生き様を感じた。

悪役に対してはわりと因果応報モンモウ病を受け入れる層に囲まれるシーンもあって小気味よさは感じるが、その分、ヌルい結末だなーという感じ。

見た目だけでなく、生肉ガツガツわずにいられないことによって人間尊厳を奪われてしまうのがモンモウ病の特徴であり作品の中でも重きをなしていたと思うのだが、中盤以降そういうのがなくなってしまったのもヌルさに拍車をかける

 

アドルフに告ぐ

第二次世界大戦におけるナチスドイツの興亡を背景に、「ヒットラーユダヤ人の血が流れているという(ナチスにとっての)大スキャンダル」を巡って世界が、そしてふたりのアドル少年稀有友情翻弄される様を描く。

めっちゃ面白かったー。物語の展開のさせかたがチビるほど上手い。もうひとりの主人公である峠草平の弟がドイツで殺された理由はなんなのか、何を草平にたくそうとしていたのか、なぜ草平はなぞの組織特高から襲われ続けるのかーといった感じで話がグイグイ進む。ヒットラー秘密を軸に、いろんな人物が入り乱れ、運命が捻じ曲げられていく。

特に、アドルフ・カミルユダヤ人と見下すことなくむしろ尊敬を持って接していたアドルフ・カウフマンが、ドイツ本国学校に入ったあとナチズムに染まっていく描写が圧巻。無垢な魂も環境が容易に堕落させえることを、手塚先生は容赦のない筆致でえぐり出していく。

そして訪れるふたりのアドルフの友情の結末とタイトル回収。どこを切り取っても隙なし。文句なしの傑作。

ちなエリザちゃん初登場時の顔面偏差値の高さすごい。あれは一目惚れするわ。手塚先生が描く美少女2018年でも十分通用すると思う(そしてその子が老婆になった姿もしっかり描くところが手塚先生エゲツない)。

 

奇子

復員後、GHQ秘密工作員として働く天外仁朗。久しぶりに戻った実家では、父親が兄嫁と不義の娘・奇子(あやこ)をもうけるなど、人間関係が汚れきっていた。仁朗はGHQから命令で、殺しの後始末を手伝うが、返り血を浴びたシャツの始末を奇子に目撃される。一族から犯罪者が出ることを恐れた天外家は奇子を地下牢に幽閉するが……。

タイトルの割に、戦後直後の地主一家の腐りっぷりが話の中心。肉欲に金欲、そして一族の体面最優先な感じがキツい。一見まともに見える人物も後々おかしくなったりするのでそういった家の宿痾を巧みに描いているとは言える。

タイトルになっている奇子も、幼少時は純粋で可愛らしいと言えるが、幽閉され常識モラルがないまま長じてしまった後は性的に成長した外見と非常識内面ギャップがかなりキツいキャラになってる。外見も童顔なのに高身長グラマラスグロテスク、という感じがこう……(たぶんわざと)。

というわけでヒロインにゐば(仁朗の母)で決定。夫が息子の嫁に手を出すのを止められなかったとはいえ作品良心ともいえる存在(息子の嫁は純粋被害者)で、話が進むにつれだいたいおかしくなっていく面々に対し最後までまともかつたまに元気な姿を見せてくれる一服の清涼剤であった。かーちゃんかわいいよかーちゃん

 

アポロの歌』

幾人もの男と関係を持つふしだらな母に虐待されて育った近石昭吾。彼は愛し合う生き物を見ると衝動的に殺してしま性格に成長した。ある時、警察現場を見られ、彼は精神病院送致される。催眠治療過程女神像に「女性を愛するが、結ばれる前に女性自分死ぬ」という悲劇体験し続けろと宣告されるが……。

重たいテーマを扱った手塚作品は緻密かつ重厚世界観になりがちで、話を把握するのが大変。だけど、これは主人公トラウマも設定も最初にぜんぶ開示されるため非常にわかやすい。かつ、それらの体験を重ねていくと大きな物語が浮かび上がる仕組みにもなっていて、かんたんなわりに厚みもあって楽しめた。

ある女性を愛するけど毎回悲劇的な結末を迎えるという構造に関しては『ゼノギアス』を思い出した。フェイとエリィに幸せな結末が訪れたように、いつかこふたりにも……と期待してやまない。

 

海のトリトン

漁師の息子・矢崎和也トリトン族の赤ん坊トリトン」を拾う。直後に津波漁村を襲い、和也の父は死亡。トリトンを忌み子と見た祖母に捨てるよう言われるが、和也は母を説得し、トリトンを含めた3人で東京へ。長じたトリトンは、己が人間でなくトリトン族であり、一族の大半はポセイドン族に殺されたことを知る。トリトンポセイドン大王を倒すために海へと出るが……。

今まで読んだことはなかったけど、いわゆる衝撃のラストについては知っていた。けどそういう展開にならずアレーと思ってwikipedia見るとそれは富野監督をしたアニメ版オリジナル展開だったという……。

衝撃のラストに比べれば、漫画版はひどく平凡な出来って感じかなー(それでも冒険活劇としては読めるけど)。テーマとして憎い敵であっても許すの大事ってのがあると思うんだけど、けっきょくそうならないしね。

あと今の感覚で言うのはアレだけど、今まで子ども扱いしていたピピ子が美少女に成長したとたん「洋子ちゃんよりずーっときれいだよ」とか平気で言ってしまトリトン普通にない。

 

リボンの騎士

おしゃま天使チンクのいたずらで男の子女の子の心を持って生まれ王女サファイア。出生のとき王子と誤って発表されたことにより、一日の半分を王子、もう半分を王女として育てられることに。サファイア排除して息子に王位を継がせたいジェラルミン大公や、サファイア女の子の心を奪おうとする魔女の魔の手が迫る。

戦闘美少女男装令嬢、女装少年(「亜麻色の髪の乙女」に変装するため)など今現在おおきな勢力を誇る萌え要素の先駆けであり、実際それらの要素に期待して読んだけどとても楽しめた。

お話的にはピンチピンチ連続で、けっこうハラハラキドキ。ただ、ヒーローであるフランツ王子に中身がないせいで、こいつと結ばれるためにサファイアは頑張ってるのかと思うとかなりしらけるものが……。

キャラとしては魔女の娘であるヘケートが魅力的。奔放な性格ながら自分というものを持ち、それに反することなら母ですら出し抜いてみせるところが小気味いい。フランツ好意を抱きながらもそれを黙ったまま迎えるラストは心が動いた。ヘケート→フランツの逆でサファイア好意を抱く海賊ブラッドというキャラがいるけどこいつも同様の魅力がある。

キャラはいいのに主役ふたりの中身がしょぼいのは本当になんなのか……。

あと魔女はいい悪役だったけど、後釜のビーナス微妙すぎる。魔女ポジションがまったくいっしょだった上にキャラの厚みがゼロ

いいところと悪いところが極端という印象。

ちななかよし版のあと少女クラブ版をちらっと読んでみたけど、コマ割りのレベルが低すぎてさすがに読めなかった。漫画神様も昔はこうだったのかと思うと妙に安心する。

 

※続き

https://anond.hatelabo.jp/20181104153709

2018-10-30

[]劇場版 はいからさんが通る 後編 ~花の東京大ロマン~

劇場版 はいからさんが通る 後編 ~花の東京大ロマン~』を見てきたので感想。いつものごとくネタバレ気にしてないのでネタバレ嫌な人は回避推奨です。あらすじ解説とかもやる気ないので見た人向け。

総評

なんと100点。点数の基準は「上映時間映画料金を払ったコストに対して満足であるなら100点」。とは言え、これ、評価難しい。良いところと悪いところと混在しつつ、今の自分からこの点数なんだけど、ちょっと違う自分だったらこの点数は著しく下がっていたんじゃないかと思う。いつにもまして主観的な点数であり他の人におすすめする自信がない。

アニメとしての出来は良かった。演出音楽なんかも水準以上の仕事をしてたんだけど、キャラデザ脚本声優の3点がそれ以上の出来だった。しかそもそも企画で疑問な点も多々ある。

無茶ぶり企画

大体の話原作マンガはいからさんが通るからして相当ボリュームが大きい作品なのだTVアニメ42話やっても完結できてないのがその証拠で、その原作を100分ちょいx2の前後編にまとめるということが最初から無理難題

から素直に作れば駆け足どころかダイジェスト気味になり、点数なんて30点前後になるのが当たり前だと思うのだ。今回の劇場版は、その問題に対して、脚本とか演出技術とかをぶっこんで善戦してたことは確かなんだけど、それってつまり「ハンデを克服するための戦力投入」に他ならないわけで、100点から先に積み上げていく役に立ったかと言えば難しい。

原作ジャンルは一応ラブコメということになると思うのだけど、原作はいからさんが通る』には実は様々な要素が詰め込まれている。主人公紅緒と伊集院少尉の間のラブロマンスを中心としつつも、大正期うんちくマンガの側面、スラップスティックギャグの要素、膨大な登場人物群像劇、そして女性の自立というテーマももちろん重い。

今回の映画企画では、これを前後編で本当にうまくまとめてある。駆け足感は否めないもの違和感は感じない。このへん優れた原作映画脚本の特徴でもあって、印象は原作に忠実なものの、実を言えば改変は結構大胆にはいってる。

今回映画で例を上げれば、大震災後の炎上する廃墟をさまようのは映画では紅緒、少尉編集長という3人なのだが、原作ではさらに鬼島を入れた四人だ。三角関係描写とその解消をクライマックスの中心に持ってくる構成シンプルに伝えるため、鬼島は退場させてあり当然セリフ再構成圧縮されている。

しかし一方でそういう技術的な圧縮だけでは全く追いつかないわけで、群像劇的なキャラクターを絞り、ギャグパートほとんど捨て去って、映画で残すのは「主人公紅緒を中心とした(はっきり言っちゃえば伊集院少尉と青江編集長との三角関係ラブロマンス」と「大正ロマン期の女性の自立」というふたつの大きなテーマに絞った。その判断は正解だと思う。

正解だと思うんだけど、じゃあそのふたつが現代的な視点で見て満足な出来に達しているかといえば――この部分が評価に迷った原因だ。

ダメピープルどもと光のプラスワン

はいからさんが通る』の原作からそうなので、映画(だけ)の問題点というわけではないのだけれど、個人的見解で言うと登場人物のメインどころのうち三人がダメピープルだ。

初っ端から大戦犯のラリサ=ミハイロフ。ロシア貴族である彼女は、満州出征中に部下を救うために突出して倒れた伊集院少尉を見つけ、その命を救う。しか戦争の傷跡で記憶を失った伊集院少尉に、自分旦那(死亡済み)の面影見出し、都合よく嘘記憶刷り込みして、自分の夫として病気自分の世話をさせるのだった。

いやあ、ないでしょ。どんだけよ。しかも病弱な自分を盾にして伊集院記憶を取り戻したあとも関係強要するのだ。クズでしょ(言った)。一応言葉丸めダメピープル(女性なのでダメンズではない)と呼んでおく。

じゃあ、そのラリサの嘘の被害者たる伊集院少尉主人公紅緒の想い人)はどうなのかと言えば、彼もまたダメピープルなのだった。記憶を失っていた間はまあいいとしても、記憶を取り戻し紅緒と再会したあとも、病弱なラリサの面倒を見るために彼女のもとにとどまり続ける。命の恩人だと言えばそりゃそうなのかもしれないが、周囲の誤解をとくでもなく、未来への展望を示すのでもなく、状況に流されて、紅緒のことが大好きなくせに「他の女性を偽りとはいえ面倒見ている関係」を続ける。続けた上でそれに罪悪感を覚えて、紅緒から身を引こうとする。

それだけなら海底二千マイルゆずってもいいけれど、ラリサが死んだあとは紅緒のもとに駆けつけるあたり、手のひら返し恥知らずと言われても仕方ない罪人である(言った)。っていうか伊集院少尉ラリサ関係は明らかに共依存でしょ。カウンセリング必要だよ。

とはいえ主人公紅緒もけして潔白とはいえない。病気ラリサに遠慮をして、二人の間の愛情を誤解して別れを告げられ、告げたあと、心がフラフラしている時期に、少尉実家を助けてくれた編集長にほだされて交際宣言。他の男性伊集院少尉のこと)を心に宿したまま、編集長結婚式まで行ってしまう。それは伊集院少尉に対してもそうだけど、青江編集長に対してはより罪深い。その嘘はやっぱり問題だと言わざるをえない。

――こういう恋のダメピープルトライアングルが炸裂して、映画の前半は結構ストレスが溜まった(この辺個人差はあると思う)。このダメピープル共が。問題解決しろ

まり北川悦吏子なのだ

両思い恋人がいい雰囲気になって決定的にくっつきかけたところで、理不尽トラブルが起こり二人は引き裂かれる! どうなっちゃうの二人!? 以下次週!! で、次週になってトラブルを乗り越えて、またいい雰囲気になると今度は二人が(独りよがりの)善意から身を引くとか、ずっとお幸せにとかいい出して、誤解のすれ違い。神の見えざる手によってやっぱり二人は結ばれない!

連続ドラマのアレ。アレなのですよ(机バンバン

北川悦吏子だ!」といったけどそれは北川悦吏子女史の発明品というわけではなく、自分の中での代名詞彼女だと言うだけなのだけど。もっと言うのならば、年代的にみても北川悦吏子が『はいからさんが通る』やら『キャンディ・キャンディ』に影響を受けた可能性は高く、むしろ原点はこちらだ。イライラは軽減されないが。

そんなイライララブロマンス時空において癒やしは青江編集長である

光のプラスワンこと青江冬星はまっとうで良い人なのだ。登場時は女性アレルギー(と大正時代的な女性蔑視)があったものの、雇用主として新人編集者である主人公紅緒を導き、支え続ける。その人柄に触れて、紅緒に対する愛情自覚したなら、変にこじれぬように即座に自分の口から誤解の余地のない告白を行う。これ以上イライララブロマの炎症を防ぐその手腕。良いね

しかも「お前の心に伊集院がいるうちは土足で踏み込まない」「いつかその気になったとき思い出してくれれば良い」といって加護者の立場に戻る。見返りを求めず、高潔で、慈悲深い。癒やしのキャラだ。

読めば分かる通り自分編集長推し原作当時からだ)なので、そのへんは差し引いてほしいのだが、ダメピープルの中にあった彼が一服の清涼剤であったのは確かなのだ

この映画のおそらく二大テーマである「紅緒を中心としたラブロマンス」はダメ人間もの間違った自己犠牲イライラするし(加えて言えば、何の罪科もない編集長貧乏くじも納得し難いし)、「大正ロマン期の女性の自立」については、無邪気と言えば聞こえはいいが無軌道体当たり主義の紅緒の迷惑編集長が尻拭いし続けるという構造なので、本当に自立しているのか怪しく、どっちもそういう意味ではスカッとしない。

まりこの映画は(原作込みで)イライラする。

60点。レビュー終わり。解散!!

大正東京の迷い子

でも、そうじゃないのだ。そうじゃなかったのだ。

上映終了後、イライラ&60点だと思っていたら、意外なことに結構穏やかな満足感があったのだ。この気持ちはなんだろう? 不思議気持ちで、言語化時間がかかった。

なぜなのか考えた。

紅緒が可愛いあんだけダメな娘なのに、可愛い

やったことや構造を追いかけていく限りイライラキャラではあるはずなのに、可愛い

やばいことに原作よりも可愛い

現代的に変更したキャラクターデザインと、作画と、なによりその声が印象的なのだ

作中、紅緒は本当によく「少尉」という言葉を口にする。二言目にはそれだ。

このおてんば娘は作中のセリフの大半が「少尉!」なくらい連呼なのである伊集院少尉のいるシーンでは脳内その声でいっぱいなのだ。声の表情というか、演技が本当に良かった。

少尉の事で頭がいっぱいで、東京から満州に行き、馬賊親玉体当たりで話を聞き、少尉を探して駆け巡る。東京に戻ったあとも諦めきれず、その面影を探して、亡命ロシア貴族にまで突撃を掛ける。紅緒は、たしかに、周囲を顧みない行動主義で、無鉄砲なおてんば娘で、そこにはイライラさせられる要素があるにせよ、少尉を求めてさまよう姿は、涙を一杯にたたえた幼子のように見える。

それでようやくわかったのだけれど、結局紅緒は子供だったのだ。

少なくともこの劇場版後編において、紅緒は迷子の子供だった。

愛する伊集院少尉とはぐれて、彼を探すために声の限りにその名を呼ぶ子供だった。

それが胸を打ったし魅力的だった。スクリーンこちから彼女を助けたいと思った。

劇場版 はいからさんが通る 後編 ~花の東京大ロマン~』は迷子の紅緒をハラハラキドキしながら見守り、応援する映画なのだ

大正ロマン期の女性の自立」というテーマに対してイライラするのも当たり前だ。彼女は行動力だけは溢れていて、家を出てしまうわ、死んだ(と思いこんでいた)婚約者実家に行って支える手伝いをするわ、女性ながら出版社就職するわするのだが、どれも力が足りずに周囲に迷惑を掛けてばかりで、そういう意味では「自立」はしきれていない。むしろトラブルメーカーだ。でもそんなのは子供から当たり前なのだ

彼女はその実力不足から失敗してしまうけれど、チャレンジをするのだ。失敗はチャレンジの結果であり、チャレンジをするという一点で彼女の幼さは正しい。

前述したとおり自分推しは青江編集長なのだけれど、彼は作中、何らミスらしきことをしていない。つまり罪がない。罪がない彼が、恋愛において自分の望んだ愛を手に入れられない(紅緒は最終的に伊集院少尉とくっつく)のが納得がいかなかった。その理不尽さにたいして原作読了時は腹がたったのだけれど、今回映画を見終わってしばらく考えたあと、仕方ないのかもと、やっと思うことができた。

なぜなら紅緒は(この映画物語の期間では)未熟な子供からだ。その子である紅緒が、青江編集長という加護者とくっついてしまうと、その保護力のお陰で自立できない。青江編集長は全く悪意はなく、むしろ大きな愛情で紅緒を守るだろうし、その実力がある人だろうけれど、その愛情は空を羽ばたく紅緒にとっては重すぎる。

はいからさんが通る』は紅緒が自立していく物語ではなくて、未熟な子供である紅緒が、自立のスタートラインに立つまでの物語なのだ。だから作中で自立してないのは当たり前なのだ

無鉄砲子供で、何かあればすぐべそべそと泣き、でも次の瞬間笑顔で立ち上がり再び駆け出す紅緒は、この映画の中でとても可愛らしく魅力的だった。

その紅緒は自分の心に嘘をつくという罪を犯し、同じく自分の心に嘘をつくという罪を犯した伊集院少尉と結ばれる。伊集院少尉少女漫画約束として「頼りになる加護者」として登場したが、罪を犯して紅緒と同じ未熟者のレイヤーに降りてきた。降りてきたからこそ「これから自立するいまは不完全な紅緒の同志」としての資格を得た。

青江編集長は同志ではなくてやはり保護者だから、どんなに良い人でも、「これから一緒に成長していく同志」にはなれない。

考えてみれば、紅緒が少尉を好きになった理由は「優しい目で見てくれたから」だった。けっして「助けてくれたから」ではない。彼女にとって助けてくれる(実利)は重要ではなく、ただ単にそのとき自分を見ていてくれれば十分だったのだ。

そういう意味で、青江編集長スパダリであり、伊集院少尉スパダリから降りて結婚相手になったといえる。宮野Win。「立川オワタぁ!」とか「ちゃんちゃんちゃんちゃんか♪」とか言い出さないんで、格好いい主要キャラみたいな演技だったからな。

顔を上げて光に向かって

そういうふうに言語化が落ち着くに連れて、紅緒の親友・環がしみじみと良かったな。と思えた。

「殿方に選ぶのではなく自らが殿方を選ぶ女になるのですわ!」と女学生時代気炎を上げていた彼女大正デモクラシーにおいて「女性の自立」を掲げて紅緒とともに時を過ごした親友である彼女

でも、彼女と紅緒の間にあるのは思想共鳴なんかではなかったと思う。

女性の自立」と言葉にしてしまえばそれはどうしてもイデオロギー的な色彩を帯びざるをえないけれど、本作においてそれは、そこまで頭でっかち教条的ものでもなかったのだろう。

劇場版サブタイトル元ネタはおそらく菊池寛短編小説「花の東京から来ているのだろうけれど、そこで描かれた女性(の自立と言っていいのかなあ)も、現代フェミニズム的な意味でのそれではなかった。どちらかと言えば「どんな環境でもめげずに生き抜いてゆく」という、ただそれだけのことだった。

それはもしかしたら、現代価値観ではむしろ非難される態度かもしれない。なぜなら、男性支配的な社会で「めげずに生きる」というのは、ときその男支配社会迎合しているようにも見えて、原理主義者には利敵行為とされるかもしれないからだ。

でも人間は結局与えられた環境ベストを尽くすしか無い。まだまだ男権社会的な大正社会も、作中クライマックスで描かれる関東大震災崩壊した東京も「与えられた環境」だ。

その与えられた環境の中で酔っ払って肩を組み、愚痴を言い合いながらも諦めずに笑い合う同志として、紅緒と環のコンビ尊い

ことによると、紅緒と伊集院少尉のそれよりも確かな絆があったのではなかろうか?

いつどんなときでも、どんな環境でも、うつむかず、意気軒昂と拳を突き上げて、笑顔で生きていこう! 女学生時代無鉄砲友情のそのままに、二人は大正という時代自分人生を描いた。

女性の自立」と主語をおけば、それは成功したり失敗したりしてしまう。でも彼女たちが持っていたのは、成功したり失敗したりするようなものではない。どんな環境でもくじけうず、へこたれず、転んでも立ち上がって歌を歌いだす。それはイデオロギーではなく心意気の問題なのだ彼女たち二人のあいだにあったのはモダンガールとして時代を先駆ける思想などではない。ただ単に、お互いがかけがえのない友達で、楽しかったのだ。

女の子は元気よく未来に向かって生きる!」。紅緒が愛しく思えたのは、多分その一点だったし、伊集院少尉彼女を愛したのもその一点だった。本作では描写が欠如していた伊集院少尉も、そのテーマに沿うなら、大震災後の東京意気軒昂未来をつくるべきだ。紅緒同様「未熟者の仲間」になった彼はそれが出来るし、その義務もある(でないと編集長はほんとうの意味道化者になってしまう)。

原作を読んだ学生時代には持てなかった視点をみせてくれた。その意味合いにおいてこの映画には100点をつけたく思う。

2018-10-19

共感関係ねえだろ

まじめにせこせこ生きてバカをみたくねえだけだっつの

そもそも、一個人の俺がどんだけ叫ぼうと、権利権利だし義務義務だし罰は罰だ

権利享受を受けたきゃ勝手に受けろよ

ジジイだろうがガキだろうが

権利義務も罰もないカオス場所に住んでるなら、たしかに同情はするけど、これに関して偉そうにブコメしてわかったようなセリフ履いてる連中も俺も何もできないしそういう意味じゃ同罪だ

連載の全部を読んでるわけじゃないか的外れかもしれないけど、

これをすると誰かに悪く思われるかもしれない、という感覚がない状態の人までいちいち救済してたらむしろこの世界は悪意や憎悪で満ちる気がするんだが?

あの記事はなにを糾弾したいんだ?この国では罰も権利も法によってもたらされるじゃん

死刑囚だって法に則った手段で殺されもするし法に依って権利を与えられ死ぬ前に一服できたりするんだろ

これじゃ不服?

国外の整備されてない話だっつうならネットでくだまくついでにNPO募金募集かなんかのURLでもはっといてくれよ

そんで共感じゃ役不足って結論にはしないでくれよ

法によってしか人は人を裁けも守れもしないって話にしてくれよ

人類がみんなマザーテレサみたいな境地にたどりつくまでは、むしろ共感が唯一の救済措置突破口だとしか俺は思えないんだけどなあ

2018-09-18

anond:20180918015032

深刻に悩んでいるなら方法がある。

敵の今の姿を見るのだ。

記憶更新され、思い出は少しだけ色を失うであろう。

会う必要はない。出勤する姿を横で見る。たばこ吸ってるのを見つけたら横で一服してみる。話なんかいらない。話しかけられたら他人の振りをするもよし。

とにかく記憶を変えるのだ。 

この方法欠点は、許したと頭では思ってても魂が許していないことがあることだ。

顔を見たら足がすくむ、まっとうに暮らしてると思ったら手が震える、自分になんか気がつきもしないと思ったら殺意が芽生える。そんなこともあるだろう。

その場合、元より苦しむことになるかもしれない。

自分気持ちとよく向かい合えているなら、選択肢に入るかもしれないね

このところ秋めいてまいりました。お元気で過ごされますよう。

2018-09-12

anond:20180912124822

葉巻は吸うのに時間が掛かるから喫煙所ちょっと一服という吸い方は難しいと思う。

2018-08-23

禁酒1日目

19:00 長い夜が始まった

20:00 いつもならご飯を買いに行くが、酒を買ってしまうので外へ出ずポテチごまかす

21:00 コンビニに行って煙草を買ってきた。ひさしぶりの一服でヤニクラ

22:00 タバコ5本ほど吸った。風呂に入る

23:00 つらい

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